説明

製造方法

物品の製造方法は熱硬化組成物の一面に少なくとも1個の箔又はシートを備える熱硬化組成物を含む。物品は電極である。組成物は亜酸化チタンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製造方法に関し、特に整形物を形成するための熱硬化組成物の迅速な成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2002年7月25日に公開された特許文献1は、バッテリ用電極について説明及び請求しており、この電極は整形された実質的に無気孔の硬化樹脂体を含むと共に、接触導電粒子によって画定される電気経路を有する。かかる参照により、この出願の全開示がここに組み入れられる。一実施形態において、電極は平坦形状即ち板状である。熱硬化組成物の加熱型でのプレス加工による製造を含む、様々な製造方法が開示されている。一開示方法では、金属薄箔が押型に載置され、組成物が加えられ、且つ上側箔が与えられた後に、型は閉鎖されると共に圧力が加えられる。形成された部品はその後に押出される。
【0003】
かかる部品が形成される速度を最大化するために、硬化時間を低減させるべく高温で作動する型工具を有することが好ましい。高温に上昇させられた時に、樹脂/硬化剤組成物の粘度は数秒で減少すると共に、組成物はさらに数秒のうちにゲル化し始める。
【特許文献1】国際公開WO02/058174号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、金属箔及び組成物の型キャビティへの迅速且つ便利な投入方法が必要とされる。
本発明の目的の一つは、高温の型での早期硬化から生じる問題を最小化及び阻止するべく、型が迅速に閉鎖されるように、組成物を型キャビティへ送達する方法を提供することにある。本発明の別の目的は、成形機の利用可能性及び生産性を最大化するために、形成物を迅速に取り出すことに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、一又はそれ以上の面に金属箔又は非金属シートを備えた熱硬化組成物を含む物品の製造方法を提供する。本方法は、
・熱硬化組成物を含む容器を加熱且つ開放型キャビティへ前進させる工程と、容器は開放底を有し、第1箔又はシートは容器の開放底を閉鎖し、
・熱硬化組成物を開放型キャビティに位置させるために、箔又はシートを開放する工程と、
・任意で容器を閉鎖するために第2箔又はシートを適用する工程と、
・加熱型キャビティを閉鎖すると共に、物品を形成するために圧力を加え、且つ組成物を硬化させるためにしばらくの間放置する工程と、
・形成物を型から後退させる工程と
を含む。
【0006】
別の態様において、本発明は工程の2、3又は4工程を実行する複数パート部品治具を提供する。治具は組成物を収容するために容器を供給する第1部分と、容器の開放上端を閉鎖する第2部分と、形成物を型から後退させる第3部分を含む。
【0007】
本方法は特に、箔又はシートが物品の一又はそれ以上の大きい面に適用された概ね平坦な物品の形成に適している。
熱硬化樹脂は、完全な電子接触のために粒子を合わせて加圧する熱圧成形機で取り扱わ
れると共に、硬化に際して幾分収縮もして、粒子を更に合わせて加圧することから、熱硬化樹脂は特に良好な電導板の製造に適している。他の候補となる熱硬化樹脂には、エポキシフェノール、ノボラック樹脂、ビスフェノールAベースエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ポリエステル(飽和、不飽和、イソフタル、オルソフタル、変性ネオペンチルグリコール、変性ビニルエステル、ビニルエステルウレタン等を含む。
【0008】
低収縮及び他の添加物は、酸電解質における樹脂の化学的安定性に不利益な効果を有さないならば、これら市販等級の樹脂に含まれる。幾つかの高分子は、酸電解質の分極存在下では不安定であることが判っている。幾つかの市販の樹脂は、混合物に予め混合された離型剤を有し、またこれらは作動バッテリ材料の接着に悪影響をもたらすと共に、板の腐食安定性及びバッテリ酸電解質の表面科学的性質(面張力等)に潜在的に影響を及ぼすので、本願では回避されるべきである。選択された樹脂は好適には、酸電解質に耐性を有するものであり、この場合特に電極はバイポーラバッテリ用である。
【0009】
シラン等の粒子の表面と接触する結合剤は、低空隙率及び高機械的強度を増強するべく、樹脂の亜酸化粒子への接着及び湿潤を改善するために使用される。結合及び/又は湿潤剤(シラン及び他の界面活性剤等)は、金属層が組みつけられていない板に効果的に使用される。板の貼り付けは、一般的な酸化鉛ペースト又は他の鉛含有ペーストを用いて、通常の方法で実行される。押圧面構成の存在は、制御された量のペーストが板の格子領域に適用され、より厚い又はより薄い層を伴う貼り付けは、より高い又はより低い格子を有することにより制御されることを意味する。また、バッテリの放電特性を最適化するために、型の形状を厚いペースト及び他の薄いペーストを有するように調整することによっても可能である。電極のペーストは通常の方法で硬化される。
【0010】
硬化板を用いて、適当に配向された多数のバイポーラ板と、一端に単一の正単極及び他端に単一の負単極とを使用して、バッテリは組み付けられる。吸収ガラスマットが各板間に効果的に挿入される。板の密封は実験室において、適当な厚みを有すると共に例えばブチル又はシリコンゴムシートから成るガスケットの使用によって達成される。全体的な組付け物は、適当な長さの金属ストラップ及びボルトによって合わせて保持される。市販のバッテリでは、本発明の好適な構成において、板は各板のための長穴を備えた予め成形されたプラスチック容器となるように密封される。グラスマット及びペーストの特定の圧縮量が、容器の正確な寸法によって生じさせられる。この圧縮は板のバイポーラ電極基板への接着を助けることが判っている。低濃度硫酸は、各板の端縁に封着する溝を有する蓋が上端に載置された後に付加される。蓋は有利には、適当なガス圧調整システムをも含む。
【0011】
次にバッテリは通常の方法で電気的に形成される。形成される時には、正板における硫酸含有ペーストのPbOへの変換及び負板におけるPb金属への変換によって、酸は強度が増加する。硫酸の当初の強度は、酸の最終的な強度が多量の硫酸によって30から40パーセントの範囲内又はそれよりも高くなることを確実にするように選択されるべきである。
【0012】
リン酸はまた、より一般的な硫酸の部分的又は全体的な置換物にも効果的に付加される。本方法によって製造されたバッテリは、高い出力及びエネルギ密度、高特定出力及びエネルギを有する。このバッテリは深放電状態においてでさえも高いサイクル寿命を有すると共に、通常の技術を用いて安価に製造され得る。
【0013】
バイポーラバッテリにおいては、効果的な高速放電のためには、単極又は端面電極が良好な平面導電性を有することが重要である。本発明によれば、単極板は型の一方側を平坦な板と置き換えてから、未硬化樹脂及び亜酸化材料が型に載置される前に金属格子又はメッシュを型に載置することによって形成される。型が閉鎖されると共に樹脂が硬化された
時には、金属格子又はメッシュは形成された電極の一方側に押圧されて、単極又は端板のための良好な平面導電性をもたらす。当然のことながら、金属格子又はメッシュは電解質にさらされるべきではなく、そうでないと腐食してしまう。好適には、金属製スタッドは端子接続を供給するために、金属格子又はメッシュに電気的に取り付けられる。鉛又は鉛合金箔はまた、単極又は端面電極に良好な平面導電性をもたらすために、金属格子又はメッシュの代わりに、型の電極の裏面に有利に適用される。
【0014】
金属板、格子又はメッシュは有利には、平面導電性を増加させると共に、電極全体に亘る良好な電流分布を確実にするために、バイポーラ板に組み込まれる。冷却管路は同様な方法で、バイポーラ板に導入される。
【0015】
本発明の好適な態様において、全ての部分は単一の治具となるように結合されるが、単一で又は2個又はそれ以上の部分を伴う配置で供給もされ得る。好適には、3部分が一列に配置される。好適には、各部分は単一で又は組み合わせて供給された時に、負圧手段を有する。
【0016】
組成物は液体、ゲル、粒体、チップ、粉体、フレーク又は他の形状であり、また任意で、粉体、繊維、粒体、ビーズ、フレーク又はチップ形状をなす導電性及び/又は非導電性充填剤を含む。
【0017】
本発明を一層理解するために、添付の図面を参照して、以下に本発明を一例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1及び図2を参照すると、アルミニウム等の低密度金属から成る本体を含む治具Jが示されており、或いは治具がより簡単に取り扱われるように、作動温度低密度材料に適当な他の材料が好適である。治具Jは3個までの部品又は領域を含み、これらは組成物を受け取るための枠1と、任意の箔又はシート蓋付与装置2と、任意の持上げ装置3である。以下に説明する実施形態では、3部品1,2,3全てが存在する。
【0019】
先導端Lにおいて、治具は型M(図3A)のキャビティCの寸法よりも僅かに小さい開放枠1を含む。枠1は開放底4を有する。(図2に示すように)枠の下縁周りには、負圧が枠1の内部から加えられるための穴5がある。形成される部品が大型であり、又は箔が重いことが必須であるならば、負圧管を装備した中間枠要素を有することにより、追加の負圧が枠1の中心に加えられる。従って枠1は、箔又はシートF1をその下側で持上げ且つ運ぶために使用される(図3)。長溝6は、枠1及び蓋付与装置2の間に空間を画定するために、治具の下側に存在する。
【0020】
図3Aに示すように、箔又はシートF1の存在は枠底開口を閉鎖すると共に、測定された一定分量の熱硬化樹脂組成物7を受け取るために、効果的に枠を開放上端箱即ち容器Vに変形させる。組成物7はドクターブレード又は同等物によって、或いは揺動又は振動によって容器V部分全体に散布され、或いはできる限り幅広の注ぎ口が容器Vの適当な部分上へ移動させられる漏斗構成によって均一に分配される。
【0021】
箔F1はバッテリ、電池、電気化学的処理装置、又は反応器に使用されるいかなる金属又は合金、例えば鉛、鉛合金、ニッケル、ニッケル合金から成り、又は少なくとも1個の箔は白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イットリウム、イリジウム、ルテニウム、亜鉛、オスミウム、レニウム、タンタル、ビスマス、アンチモン、錫、バナジウム、コバルト、セリウム、アルミニウム、チタニウム、銅、インジウム、又はそれらの合金群からの金属を含む。変形物において、箔F1は紙ラベル、プラスチックフィルム、又は様々な金
属、例えば鉛及び銅又はニッケル、又はそれらの合金等の積層物等に置き換えられる。別の変形物において、箔F1は紙ラベルに置き換えられる。
【0022】
蓋付与装置2はまた、その下側に箔又はシート蓋F2を保持するために、図示されていない負圧穴を有すると共に、長溝8によって持上げ装置3から隔離される。蓋付与装置2は第2箔又はシートF2を、型キャビティC内にある熱硬化樹脂組成物7の上端に載置するために使用される。
【0023】
持上げ装置3(断面では図示なし)も負圧穴を備えると共に、完成部品を各サイクルの開始時に型Mから持上げ且つ取り出すために有利に使用される。
迅速キャビティ供給工程は以下のとおり行われる。容器Vを供給するべく、箔又はシートF1を治具Jの枠1上へ取り込むために、負圧が枠1の穴5を介して吸引される。硬化組成物7は図3Aに示すように加えられる。治具Jの蓋付与装置2は任意で、第2箔又はシートF2が同様に供給され得、又供給される位置へ移動させられる。両方の箔は治具Jの部分1及び2に、同時に供給されてもよい。治具Jはまた有利には、例えば箔材料のロールから一定寸法に作るために、箔の切断を助けるように嵌合される伸縮可能なクッキーカッター等の切断装置を含む。
【0024】
このようにして供給された時には、持上げ装置3が先に硬化した部分を含む開放加熱キャビティに存在するまで、負圧により治具Jは移動させられ、硬化部分が持上げ装置3に取り付けられる。続いて治具Jは、完成部品が型キャビティから取り出されるように、垂直に上昇させられる。組成物7を含む箔又はシートF1を有する枠1は、加熱された型MのキャビティCに与えられ且つその内部又はその上方近くに載置される。図示されていない案内ピンが、容器Vを正確に配置するために使用される。次に、枠1が垂直方向に持上げられた時に、箔又はシートF1及び熱硬化組成物7がキャビティCに位置し、或いは残るように、負圧は開放される。次に、既に第2箔又はシートF2が供給された蓋付与装置2がキャビティCに与えられると共に、その負圧が開放されるまで、治具Jは迅速に(図示するように左側へ)移動させられる。箔又はシートF2は供給組成物上に降下し或いは位置する。付与装置2は垂直方向に持上げられ、第2箔又はシートF2が組成物7の上端に残る。型Mを収容する工具が閉鎖させられるように、治具Jは移動させられる。熱硬化組成物7が加熱キャビティCに載置される時とキャビティが閉鎖されて圧力が加えられる時の間の時間は、本方法では約3秒程度であって10秒にも満たず、早期硬化が最小化させられるという効果が得られる。図4に示すように、閉鎖型期間に、樹脂は液化すると共にキャビティCの末端へ流れる。好適には、キャビティCが完全に充填されることを確実にするために、幾つかの鋳ばりが形成されると共に、有利にはこの目的のために鋳ばりポケット8が型Mに形成される。キャビティCは有利には、硬化工程の間に、箔又はシートF1,F2の端部まで液体樹脂が流れ出る可能性を制限するために、型Mの一部に僅かに隆起させられた樹脂シール構造(9)を有する。
【0025】
硬化工程の間に、治具Jは有利には、既に硬化させられた部分に仕上げ加工を行うと共に、必要に応じて更に加工を施すために、所定位置へ移動させられる。次に枠1及び蓋付与装置2は、供給ステーションンへ移動させられると共に、箔又はシートF1,F2及び一定分量の組成物7が再度供給される。硬化時間が完了した時に、工具は開放される。直後に、上述したようにサイクルが再開される。
【0026】
本発明は上記実施形態に限定されない。治具Jの部品は分離していてもよい。箔又はシートF1はキャビティCと同じ寸法であってもよく、幾つかの場合で、有利にはキャビティCの寸法よりも数ミリ小さい。第2箔又はシートF2は第1箔又はシートF1よりも僅かに小さくてもよく、この場合、第2箔又はシートF2は、図3Bに示すように、容器V内において組成物7の上端に載置される。治具Jはまた、型剥離剤の定期的な適用のため
のノズル、或いは型キャビティの定期的な洗浄のためのブラシを備える。
【0027】
別方法において、治具の第2部分の第2箔又はシートF2’は、部分1の第1箔又はシートと類似する方法で、負圧システムによって持上げられるが、この場合には、部分2’が枠を構成することは必要ではない。部分2’(図8を参照)は同様に、即ち供給されるキャビティの寸法よりも僅かに小さく寸法が決められる。
【0028】
図5から図7を参照すると、変形物において、先に整形されたプラスチック枠10はまた、第1箔又はシートF1を持上げた後(又はその前)の第2作用において、治具J’の部分1’によって、型キャビティCに供給される。これは追加の負圧システム13が適用されることを必要すると共に、型M’の少なくとも一部分に予め形成されたプラスチック枠を受け取るために凹部20も必要とする。予め形成されたプラスチック枠10は穴及び弁等の他の特徴を含み、完成部品がバイポーラ性電気化学電池又はバッテリに利用されるならば、これは重要である。
【0029】
図5は、予め形成されたプラスチック枠部10を保持するために、更なる負圧システム13が治具Jの部分1に適用されている構成を示す。治具J’の部分1’が上述したように型キャビティに与えられた時に、両方の負圧が開放されて、箔又はシートF1、熱硬化組成物7及び予め成形された枠10がキャビティCに載置される。任意で第2箔又はシートF2を置いた後、型工具の片割れがキャビティを閉鎖するために適用される。図7は、熱及び圧力が加えられている間に、閉鎖された型工具、箔又はシートF1,F2、熱硬化組成物7及び予め形成された枠10がどのように現れるかを断面で詳細に示す。図7はまた、マルチセル型電気化学電池又はバッテリの組み付けを容易にするために、予め形成された枠10に相手方の溝構成を有して、熱硬化組成物に成形される舌構成12の任意の可能性を示す。
【0030】
本発明を更に例証するために、以下の例について言及が為されており、鉛箔を両面に有するエボネックス(Ebonex)(RTM)セラミック充填樹脂組成物を含む1ミリメートル厚さの150ミリメートル×110ミリメートル板の製品について説明される。
【0031】
例1
エボネックスセラミックは、亜酸化チタンのマグネリ相を含む導電性セラミック材であると共に、英国ローズヘイウォースビジネスパーク(Roseheyworth Business Park)、アベティリー(Abertillery)、グウェント(Gwent)NP13 1SXにあるアトラヴェルダ社(Atraverda Limited)によって製造される。
【0032】
図1に示す種類の2隔室治具Jはアルミニウムから形成されると共に、負圧が枠1の下側にある穴5及び治具Jの部分2の下側にある穴5に対して独立して付与及び開放されるように、一連の管及び弁によって負圧ポンプに連結された。
【0033】
薄い鉛箔F1は所望寸法に切断されると共に、枠1の穴5と接するように載置された。箔を所定位置に固定保持するために負圧が穴に加えられると共に、第2箔F2が治具Jの部分2の下側にある負圧穴に接して配置された。所定量の1対1.5重量比の熱硬化樹脂/硬化剤及びエボネックス粉の混合物が、箔1によって枠1に形成されたキャビティに載置された。
【0034】
複数パート型工具は上押し圧縮成形機の上側及び下側プラントにねじ止めされると共に、200度に予熱されていた。次に治具Jは成形機のスロートまで前進させられると共に、型工具基部のキャビティ上に載置された。治具Jの部分1への負圧が開放されると、鉛
箔の帯電が可能になると共に、エボネックスセラミック樹脂が型キャビティに載置される一方で、部分2と接触する箔に負圧が加えられ続けた。次に治具Jの位置が、治具Jの部分2を型キャビティ上方に位置決めするために変更された。次に部分2への負圧が開放されることにより、型キャビティ内に含まれるエボネックス粉体樹脂混合物の上面へ直接位置するように、第2鉛箔が分離された。次に治具Jが型基部から持上げられると共に、成形機のスロートから完全に取り出された。次に成形機プラントが閉鎖されると共に、充填物は200度の温度で約一分間、且つ1ミリメートル厚さの板を製造するのに充分な圧力で加圧された。
【0035】
成形機の開放に続いて、結果的に形成された板及び結合された鋳ばりが迅速に押出され且つ型工具から取り出されると共に、大気温度となるまで冷却するために、平坦な面上に載置された。成形板はばりが取られて、バイポーラ鉛電池のバイポーラ電極として使用するのに適するものとなった。
【0036】
当然のことながら、複数の治具Jが横並びで、或いは複数の型キャビティCが同時に供給されるのを可能にする他の配置となるように据え付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の3部分治具を示す斜視図。
【図2】治具の第1部分の下側を示す図。
【図3】Aは開放容器を型へ前進させる段階を示す図。Bは開放容器を型へ前進させる段階の第2実施形態を示す図。
【図4】閉鎖及び熱並びに圧力適用に従う型の縦断面図。
【図5】治具第1部分の変形物を示す図。
【図6】型の断面図。
【図7】使用中の型を示す断面図。
【図8】本発明に係る閉鎖口の実施形態を示す断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱硬化組成物を含み、該硬化組成物の一面に少なくとも1個の箔又はシートが適用される物品の製造方法であって、
・加熱型へ熱硬化組成物を収容する容器を前進させる工程と、該容器は解放底と、該容器解放底を閉鎖する第1箔又はシートを有し、
・前記箔又はシートを解放すると共に、前記熱硬化組成物を前記加熱型キャビティに位置させる工程と、
・しばらくの間前記加熱型を閉鎖すると共に、前記物品を該型の形状に形成し且つ前記組成物を硬化させるために圧力を加える工程と、
・前記型から形成物を後退させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
第2箔又はシートは、前記型キャビティが閉鎖される前に、該型キャビティ内の熱硬化組成物上面に載置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2箔又はシートは、前記第1箔又はシートが解放される前に、前記容器内の熱硬化組成物上面に載置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び第2箔又はシートは異なる組成を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記熱硬化組成物は導電粒子を含む熱硬化樹脂を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記導電粒子は準化学量論的酸化チタンを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記箔又は箔の少なくとも1個は、鉛又は鉛合金を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記箔又は箔の少なくとも1個は、ニッケル又はニッケル合金を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記箔の少なくとも1個は、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム、イットリウム、イリジウム、ルテニウム、亜鉛、オスミウム、レニウム、タンタル、ビスマス、アンチモン、錫、バナジウム、コバルト、セリウム、アルミニウム、チタニウム、銅、インジウム、又はそれらの合金群からの金属を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記箔又は箔の少なくとも1個は、2個又はそれ以上の異なる金属又は合金の積層を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記箔の少なくとも1個は、銅又はアルミニウム又はそれらの合金等の高導電性金属を伴う鉛(又は鉛合金)の積層を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記箔又は箔の少なくとも1個は、紙ラベル又はプラスチックフィルム等の材料シートによって置き換えられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記熱硬化組成物を前記型キャビティに対して前進及び後退させるために2部品治具が使用され、該治具は該組成物を収容する前記容器を供給する第1部分と、前記形成物を前記
型から後退させる第2部分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記熱硬化組成物を前記型キャビティへ向けて移動させると共に、前記第2箔又はシートを前記容器へ適用するために2部品治具が使用され、該治具は該組成物を収容する該容器を供給する第1部分と、該組成物上面へ第2箔又はシートを載置する第2部分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
3部品治具が使用され、該治具は前記組成物を収容する容器を供給すると共に前記熱硬化組成物を前記型キャビティへ移動させる第1部分と、該加熱型キャビティ内の該熱硬化組成物上面へ箔又はシート蓋を載置する第2部分と、前記形成物を該型キャビティから後退させる第3部分を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記治具部分は直線状に配置されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記治具部分は、各部分を連続的に前記型キャビティへもたらすために回転する中心軸周りに配置されることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記治具の1又はそれ以上の部分は負圧手段を含むことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記容器は負圧の適用及び除去のための予め形成された穴を有することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記容器によって予め形成された枠が運ばれると共に、前記第1箔又はシート及び熱硬化組成物と同時に前記型キャビティに載置されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記型キャビティは、前記熱硬化組成物に成形される舌又は溝構成を含むように整形されることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
複数の容器を同時に前記加熱型又は複数の加熱型夫々に前進させる工程と、各容器は箔又はシートによって閉鎖される底部を有すると共に内部に配置される一定分量の熱硬化組成物を有し、各一定分量の組成物を前記加熱型又は加熱型に配置し、該加熱型又は各加熱型を閉鎖すると共に、該加熱型又は夫々の加熱型から複数の形成物を後退させる工程を含むことを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1乃至22のいずれか一項の方法によって成形される物品。
【請求項24】
電極形状となるように、請求項1乃至22のいずれか一項の方法によって成形される物品。
【請求項25】
バイポーラバッテリ形状となるように、請求項24に係り製造される物品。
【請求項26】
3個までの部分を含む本体と、箔又はシート蓋付与装置と、持上げ装置を含み、少なくとも1個の部分は負圧手段を有し、1個の部分は熱硬化組成物を収容する容器を供給するために箔又はシートを受け入れるキャビティを含むことを特徴とする治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2008−501559(P2008−501559A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526532(P2007−526532)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002195
【国際公開番号】WO2005/120792
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(502001743)アトラバーダ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】