説明

複写管理システム、出力装置、複写装置、およびコンピュータプログラム

【課題】複写を柔軟に管理して複写による情報漏洩を防止又は検知することが可能な、複写管理システムなどを提供する。
【解決手段】複写管理システムにおいて、出力装置(10)は、複写許可者等を特定する特定情報を含むリスト情報を生成するリスト情報生成部(102)と;印刷画像を生成する印刷画像生成部(101)と;リスト情報を特殊符号に変換し印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部(104)とを備え、複写装置(30)は、複写者等を特定する複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部(205)と;上記埋め込み印刷画像からリスト情報を取得するリスト情報取得部(203)と;リスト情報に含む特定情報と、上記複写特定情報とを比較し、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定部(204)と;複写が許可された場合、複写する複写部(202)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写装置による複写処理を管理するために特殊符号を埋め込んで画像を出力する出力装置と、埋め込まれた画像から特殊符号を取得して複写処理を管理する複写装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ等の出力装置により出力された機密文書等が不用意に複写され、機密情報等の情報が漏洩するといったケースが増えており、社会問題となっている。
【0003】
かかる問題を解決するため以前より、いくつかの方法が提案されているが、いずれも容易に解決方法が見破られて機密文書が複写され、利便性を損なうものであった(例えば、特許文献1〜4、参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−101762号公報
【特許文献2】特開2005−333359号公報
【特許文献3】特開平02−111161号公報
【特許文献4】特開2004−260341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献3では、機密文書が複写などにより外部に漏洩した場合に容易に漏洩元を判別できるように、複写時の複写装置の識別情報や、コピー日時等の追跡情報をバーコードで表して、そのバーコードを複写された原稿に付加する方法について記載されているが、複写時に上記バーコード部分を隠したり、他のバーコードに替えたりすることで、漏洩元の判明を難しくし、容易に複写されてしまう、という問題があった。
【0006】
また、上記特許文献1の透かし技術を利用して、上記特許文献2には、印刷物の地紋全体に印刷者の情報や、印刷物のサイズ、印刷工程等を自動的に印刷する印刷方法について記載されている。この印刷方法によれば、印刷者の情報等を紙面の背景全体に繰り返し埋め込むことができ、印刷物の一部を隠したり切り取ったりした場合でも、情報を読み出すことができる。
【0007】
しかしながら、上記印刷方法では、漏洩元の特定には効果を最大限発揮するものの、当該印刷方法の目的が漏洩を防ぐ目的とは異なるため、印刷物の複写を制限することができない、という問題があった。
【0008】
また、上記特許文献4には、機密文書の背景に一定の地紋パターンを印刷し、複写機でそのパターンを検知した場合に複写を禁止する方法について記載されているが、かかる方法では、地紋パターンの入った機密文書は一律に複写が禁止されるため、印刷者より上位の権限を持った者や、印刷者が複製の取得を許可した者であっても複写を行うことができず利便性が損なわれる、という問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複写を柔軟に管理して複写による情報漏洩を防止又は検知することが可能な、新規かつ改良された複写管理システム、出力装置、複写装置、およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点によれば、複写装置と、該複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置とを備えた複写管理システムが提供される。上記複写管理システムにおいて、上記出力装置は、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;上記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を上記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;上記埋め込み部により生成された上記埋め込み印刷画像を出力する出力部とを備え、さらに、上記複写装置は、該複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;上記リスト情報取得部で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付部で受け付けた上記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定部と;上記複写決定部により複写が許可された場合、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複写装置と、該複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置とを備えた複写管理システムが提供される。上記複写管理システムにおいて、上記出力装置は、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;上記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を上記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;上記埋め込み部により生成された上記埋め込み印刷画像を出力する出力部とを備え、上記複写装置は、該複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;上記複写特定情報受付部により上記複写特定情報が受け付けられると、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;上記リスト情報取得部で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付部で受け付けた上記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶部と;上記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして上記関連付け記憶部から該当する特定情報と、その特定情報に上記関連付けられた上記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力部とを備えることを特徴としている。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置が提供される。上記出力装置は、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;上記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を上記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;上記埋め込み部により生成された上記埋め込み印刷画像を出力する出力部とを備えることを特徴としている。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータをして、複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置として機能させるコンピュータプログラムが提供される。上記コンピュータプログラムは、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成手段と;文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成手段と;上記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を上記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み手段と;上記埋め込み手段により生成された上記埋め込み印刷画像を出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
上記リスト情報生成部は、上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するようにしてもよい。
【0015】
上記リスト情報生成部は、上記複写装置による上記埋め込み印刷画像の複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の第1の特定情報を含んで成る第1のリスト情報と、上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の第2の特定情報を含んで成る第2のリスト情報と、を生成するようにしてもよい。
【0016】
上記出力部は、上記埋め込み印刷画像を紙に出力するようにしてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置が提供される。上記複写装置は、当該複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;上記リスト情報取得部で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付部で受け付けた上記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定部と;上記複写決定部により複写が許可された場合、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部とを備えることを特徴としている。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータをして、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置として機能させるコンピュータプログラムが提供される。上記コンピュータプログラムは、上記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付手段と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力手段と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得手段と;上記リスト情報取得手段で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付手段で受け付けた上記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定手段と;上記複写決定手段により複写が許可された場合、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
上記複写部は、上記入力画像を紙に出力するようにしてもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置が提供される。上記複写装置は、上記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;上記複写特定情報受付部により上記複写特定情報が受け付けられると、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;上記リスト情報取得部で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付部で受け付けた上記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶部と;上記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして上記関連付け記憶部から該当する特定情報と、その特定情報に上記関連付けられた上記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力部とを備えるようにしてもよい。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータをして、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置として機能させるコンピュータプログラムが提供される。上記コンピュータプログラムは、上記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付手段と;上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力手段と;上記複写特定情報受付手段により上記複写特定情報が受け付けられると、上記入力画像を新たに出力することで、上記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写手段と;上記出力装置により上記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を上記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得手段と;上記リスト情報取得手段で取得した上記リスト情報に含まれる情報のうち、上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、上記複写特定情報受付手段で受け付けた上記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶手段と;上記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして上記関連付け記憶手段から該当する特定情報と、その特定情報に上記関連付けられた上記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
【0022】
上記複写部は、上記入力画像を紙に出力するようにしてもよい。
【0023】
また、上記リスト情報取得部は、上記特殊符号から上記埋め込み印刷画像を上記出力装置から外部に出力した時間を示す出力時間情報又はその出力場所を示す出力場所情報の少なくとも一方を、さらに取得し;上記関連付け記憶部は、上記リスト情報取得部で取得した上記リスト情報に含まれる上記特定情報に、上記複写特定情報、上記出力時間情報、上記出力場所情報、または上記複写部により複写が実行された時間を示す複写時間情報のうち少なくとも一つを関連付けて記憶し;上記出力部は、上記関連付け記憶部から取得した上記特定情報、上記複写特定情報、上記出力時間情報、上記出力場所情報、または上記複写時間情報のうち少なくとも一つを出力するようにしてもよい。
【0024】
また、上記出力部が受け付けた上記特定情報が管理者を示す情報である場合、上記関連付け記憶部に記憶された全ての上記特定情報に関連付けられた情報を出力してもよい。
【0025】
また、上記出力部が受け付けた上記特定情報が出力者を示す情報である場合、その出力者が属する上記出力グループの特定情報に関連付けられた情報をさらに出力してもよい。
【0026】
上記複写部は、上記リスト情報取得部による上記リスト情報の取得処理とは独立して、上記複写を実行するように構成してもよい。
【0027】
また、上記複写部は、上記入力画像を上記入力部から取得すると、上記複写を開始するようにしてもよい。
【0028】
上記出力部は、上記検索した特定情報に関連付けられた情報及び該特定情報を、所定の形式に加工し、該特定情報から得られる通知先に従って、出力するようにしてもよい。
【0029】
上記通知先は、上記特定情報と該通知先とを対応付けた通知先テーブルから得られるにしてもよい。
【0030】
上記入力部は、紙に印刷された透かし入り印刷画像を読み取り、上記入力画像を生成するようにしてもよい。
【0031】
上記関連付け記憶部は、上記関連付けた上記複写特定情報と上記特定情報とを記憶媒体に記録してもよい。
【0032】
上記特殊符号は、透かし画像から構成されてもよく、また、上記特殊符号は、ドットパターンが配置されることにより表される情報であり、上記ドットパターンは、所定の方向に所定の間隔でドットが配置され、上記ドットの輝度値を振幅とし、上記所定の方向と垂直な方向を伝播方向とするものであり、上記ドットの方向及び/又は間隔を変化させたドットパターンを複数用意し、上記ドットパターンが組み合わせて配置されることにより、上記特殊符合が表されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明によれば、埋め込まれたリスト情報に含む特定情報に従って、複写処理を制限したり、複写処理に関する情報を記録したりするなど、複写処理を柔軟に管理することができるため、利便性を保ちつつも、情報漏洩を未然に防止又は迅速に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付することにより、重複説明を省略する。
【0035】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、第1の実施の形態にかかる複写管理システムの構成について説明する。なお、図1は、第1の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示すように、第1の実施の形態にかかる複写管理システム1には、出力装置10と、複写装置30とが備わっている。
【0037】
(出力装置10)
上記出力装置10は、原情報となる文書データと、文書に埋め込む機密情報等の情報をもとに印刷画像を構成し、紙媒体等に出力する装置である。
【0038】
出力装置10は、図1に示すように、画像生成部101と、リスト情報生成部102と、埋め込み部104と、出力部103とを備えている。
【0039】
上記画像生成部101は、原情報となる文書データ15を紙面に印刷するための画像が作成される。具体的には、印刷画像中の白画素領域は何も印刷されない部分であり、黒画素領域は黒の塗料が塗布される部分である。
【0040】
なお、本実施の形態では、白い紙面に黒のインク(単色)で印刷を行うことを前提として説明するが、本発明はこれに限定されず、カラー(多色)で印刷を行う場合であっても、同様に本発明を適用可能である。
【0041】
上記リスト情報生成部102は、1又は2以上の特定情報を含んだリスト情報を生成する。上記特定情報は、出力される印刷文書20の複写を許可された者(複写許可者)、又は、複数の複写許可者からなる複写許可グループの少なくとも一方を特定する情報である。より具体的には、特定情報は、例えば、複写許可者又は複写許可グループを特定するID(個体識別、利用者識別、およびそのための符号(identification))などであるが、かかる例に限定されない。なお、詳細については後述する。
【0042】
上記埋め込み部104は、上記リスト情報生成部102で生成されたリスト情報をディジタル化して数値に変換したものをN元符号化(Nは2以上)し、特殊符号の信号として、符号語の各シンボルをあらかじめ用意した信号に割り当てる。信号は任意の大きさの矩形領域中にドットを配列することにより任意の方向と波長を持つ波を表現し、波の方向や波長に対してシンボルを割り当てたものである。透かし画像は、これらの信号がある規則に従って画像上に配置されたものである。
【0043】
なお、上記埋め込み部104は、上記リスト情報を基にして透かし画像を作成する場合に限定されず、例えば、埋め込み部104は、上記リスト情報の他に、出力者(印刷者など)のID、出力装置10を識別するIPアドレス、出力装置10の設置場所を識別するID、または印刷文書202を出力した出力時間のうち少なくとも一つを基にして透かし画像を作成する場合でも実施可能である。
【0044】
さらに、上記埋め込み部104は、画像生成部101からの印刷画像と、リスト情報生成部102からのリスト情報を基に作成した上記透かし画像とを重ね合わせて埋め込み印刷画像を作成する。
【0045】
なお、第1の実施の形態にかかる埋め込み部104は、例えば、参考文献1(特開2003−101762号公報)に記載の透かし画像を作成する透かし画像形成部12と、透かし画像を埋め込む透かし入り文書画像合成部13が有する機能を具備し、埋め込み部104は、少なくとも上記透かし画像形成部12と透かし入り文書画像合成部13が実行する処理を行うことができるが、かかる例に限定されない。
【0046】
また、第1の実施の形態にかかる埋め込み部104は、リスト情報生成部102からのリスト情報を基に透かし画像を作成する場合を例に挙げて説明するが、かかる例に限定されず、例えば、埋め込み部104が透かし画像を作成する代わりに、リスト情報生成部102自らリスト情報を基に透かし画像を作成する場合等でも実施可能である。
【0047】
また、出力部103は、プリンタなどの出力装置であり、埋め込み印刷画像を紙媒体に印刷する。
【0048】
印刷文書20は、元の文書データ15に対してリスト情報を埋め込んで印刷されたものである。
【0049】
なお、第1の実施の形態にかかる出力装置10は、出力部103と、埋め込み部104と、リスト情報生成部102とを一体として備える場合を例に挙げて説明するが、かかる例に限定されず、例えば、出力部103を別体にしてもよい。より具体的には、出力装置10は、埋め込み部104と、リスト情報生成部102とを備え、出力部103は、印刷装置等の別の装置に備わる。
【0050】
また、第1の実施の形態にかかる出力部103は、紙等の印刷媒体に埋め込み画像を印刷する場合を例に挙げて説明するが、かかる例に限定されず、例えば、出力部103は、PDF(Portable Document Format)形式などの電子文書として埋め込み画像を出力する場合でもよい。
【0051】
(複写装置30)
複写装置30は、印刷文書20を入力画像として取り込み、埋め込まれているリスト情報を復元するとともに、そのリスト情報を基にして、複写物50の複写を制御するなど、複写の管理をする装置である。
【0052】
複写装置30は、図1に示すように、入力部201と、複写部202と、リスト情報取得部203と、複写決定部204と、複写特定情報受付部205とを備えている。
【0053】
上記入力部201は、スキャナなどの入力装置であり、紙に印刷された印刷文書20を多値階調のグレイ画像等として取り込み、入力画像を生成する。なお、入力部201は、かかる例に限定されず、例えば、印刷文書20のPDFファイル若しくは埋め込み印刷画像等を直接データ入力するインタフェースとして構成されてもよい。
【0054】
また、上記リスト情報取得部203は、上記入力画像に対してフィルタ処理を行い、埋め込まれた信号(特殊符号)を検出する。検出された信号からシンボルを復元し、埋め込まれたリスト情報を取り出す。
【0055】
なお、第1の実施の形態にかかるリスト情報取得部203は、例えば、参考文献1(特開2003−101762号公報)に記載の透かし画像を検出し元の情報に復元する透かし検出部32が有する機能を具備し、リスト情報取得部203は、少なくとも上記透かし検出部32が実行する処理を行うことができるが、かかる例に限定されない。
【0056】
上記複写特定情報受付部205は、使用者が複写時に使用するコピーカードに記録された複写特定情報40を受け付ける。複写特定情報受付部205は、コピーカードを読み取り、そのコピーカードに記録された複写特定情報40を入力する。なお、入力された複写特定情報40は、複写決定部204に送信される。
【0057】
上記複写特定情報40は、印刷文書20を複写する使用者(複写使用者)又は当該複写使用者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定する情報であり、より具体的には、複写特定情報40は、例えば、IDである。
【0058】
なお、第1の実施の形態にかかる複写特定情報40は、複写する使用者を特定可能であれば、社員番号、コピーカード番号、氏名、メールアドレス等でもよく、また、複写特定情報40は、例えば、複写使用者の指紋や虹彩などを基に生成されるバイオメトリクス情報等の場合でも実施可能である。
【0059】
また、第1の実施の形態にかかる複写特定情報40は、コピーカードに記録されている場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、複写使用者により複写特定情報40が入力される場合等でもよい。
【0060】
また、第1の実施の形態では、上記コピーカードとして、磁気ストライプカード、非接触型ICカード、接触型ICカード、バーコード(2次元バーコード等も含む)が印字されたカード、複写者による直接入力、または複写者の指紋や虹彩等の身体的特徴などの場合でも実施可能であり、かかる場合、複写特定情報受付部205は、上記に対応して、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、バーコードリーダ、キーボード等の入力手段、または指紋リーダ等のバイオメトリクス認証手段などに適宜変更可能である。
【0061】
上記複写決定部204は、復元したリスト情報に含む特定情報と、上記複写特定情報40とを比較して、その比較結果に従い、複写の許可又は不許可の決定を行う。
【0062】
上記複写部202は、上記複写決定部204により複写の許可が決定した場合、入力画像を紙等の印刷媒体に印刷し、複写物50として出力する。
【0063】
以上のように構成される出力装置10及び複写装置30の動作について説明する。まず、図1〜図8を参照しながら、出力装置10の動作について説明する。
【0064】
出力装置10から印刷文書20を出力しようとする出力者が、出力装置10に出力指示をすると、出力装置10に備わる各部は以下に示すように動作する。
【0065】
(リスト情報生成部102)
リスト情報生成部102は、まず、複写を許可する者(複写許可者)、又は、複数の複写許可者からなる複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な1又は2以上のIDからなるリスト情報を生成する。
【0066】
図2(a)に示すようにリスト情報301は、1又は2以上の特定情報303−1、特定情報303−2、…を含んでいる。上記特定情報303は、複写許可者又は複写許可グループを特定可能なID情報であり、例えば、特定情報303−1は、複写許可者を特定する複写許可者IDであり、特定情報303−4は、複写許可グループを特定する複写許可グループIDである。
【0067】
上記複写許可グループは、複数の複写許可者から構成されるグループである。したがって、複写許可グループを指定すれば、その複写許可グループに属する複写許可者全てを指定せずに、印刷文書20の複写を許可することができる。
【0068】
図2(b)に示すように、特定情報303−4は、複写許可グループIDであり、当該特定情報303−4をリスト情報301に含めるだけで、特定情報303−1〜特定情報303−3の複写許可者IDをリスト情報301に登録せずに済むが、図2に示すデータ構造の例に限定されない。
【0069】
なお、例えば、上記リスト情報生成部102は、管理者等の使用者から上記複写許可者又は複写許可グループを特定するIDの入力を受け付けて、そのIDを基に特定情報とリスト情報を生成するが、かかる例に限定されない。
【0070】
上記リスト情報は、上述のように、印刷文書20の複写を許可する複写許可者及び/又は複写許可グループに係る特定情報を1又は2以上含んで成る情報である。
【0071】
第1の実施の形態にかかる特定情報は、複写許可者又は複写許可グループを特定するIDの場合を例に挙げて説明するが、かかる例に限定されず、例えば、特定情報は、複写許可者を特定可能であれば、社員番号、コピーカード番号、氏名、メールアドレス等でもよく、また、特定情報は、例えば、複写許可者の指紋や虹彩などを基に生成されるバイオメトリクス情報等の場合でも実施可能である。
【0072】
また、特定情報303のIDを、例えば、4バイトの数字列で表現し、各複写許可者に異なるIDを割り当てる場合、複写許可者を10名とすると、40バイトの情報がリスト情報301となる。
【0073】
なお、複写許可者の人数を固定ではなく可変とする場合、さらに、特定情報303の個数を示す情報(個数情報)を合わせてリスト情報301に含めてもよい。
【0074】
また、予め、複写管理システム1の管理者や出力者の入力によりリスト情報生成部102が上記特定情報303を生成し、記憶してもよく、印刷文書20の出力毎に出力者等の入力によりリスト情報生成部102が上記特定情報303を生成してもよく、さらに、予め特定情報303を複写許可グループごとに分類して記憶しておき、出力文書20の出力毎に複写許可グループに係る特定情報303が出力者等により指定される場合でもよい。
【0075】
(画像生成部101)
文書データ15は、文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含み、さらにその文字に関するフォント情報や、文字、図形、又は記号等のレイアウト情報を含んだ原情報であり、ワープロソフト等で作成されるものとする。
【0076】
画像生成部101は、この文書データ15を基に、文書が紙に印刷された状態の印刷画像をページごとに作成する。この印刷画像は白黒の二値画像であり、画像上で白い画素(値が1の画素)は背景であり、黒い画素(値が0の画素)は文字領域(インクが塗布される領域)であるものとする。
【0077】
より具体的には、上記印刷画像中の白画素領域は何も印刷されない部分であり、黒画素領域は黒の塗料が塗布される部分である。なお、第1の実施の形態では、例えば、白い紙面に黒のインク(単色)で印刷を行うことを前提として説明するが、かかる例に限定されず、例えば、カラー(多色)で印刷を行う場合であってもよい。
【0078】
(埋め込み部104)
上記透かし画像の埋め込みについて簡単に説明すると、埋め込み部104は、リスト情報を基に透かし画像を生成し、印刷画像にその透かし画像を埋め込んで、埋め込み印刷画像を作成する。なお、埋め込み部104による埋め込み処理は、印刷画像の各ページ毎に行われ、印刷画像の各ページに対応するリスト情報(透かし画像)が埋め込まれる。
【0079】
上記埋め込み部104は、リスト情報生成部102からリスト情報を入力して、当該リスト情報を必要に応じてN元符号化(Nは2以上)し、符号語の各シンボルをあらかじめ用意した透かし信号(ドットパターン)に割り当て、特殊符号として、透かし画像を生成する。透かし信号は任意の大きさの矩形領域中にドットを配列することにより任意の方向と波長を持つ波を表現し、波の方向や波長に対してシンボルを割り当てたものである。透かし画像は、これらの信号がある規則に従って画像上に配置されたものである。
【0080】
より具体的には、透かし信号(ドットパターン)は、所定の方向に所定の間隔でドット(黒画素)が配置され、ドットの輝度値を振幅とし、所定の方向と垂直な方向を伝播方向とするものであって、ドットの方向及び/又は間隔を変化させたドットパターンを複数用意し、ドットパターンを組み合わせて配置することにより、リスト情報の内容を表す透かし画像となる。
【0081】
(透かし信号について)
ここで、図3等を参照しながら、各シンボルに対して割り当てる透かし信号について説明する。なお、図3は、透かし信号の一例を示す説明図である。
【0082】
図3に示すように、透かし信号の幅と高さをそれぞれSw、Shとする。SwとShは異なっていても良いが、第1の実施の形態では説明を容易にするためSw=Shとする。長さの単位は画素数であり、図3の例ではSw=Sh=12である。これらの信号が紙面に印刷されたときの大きさは、リスト情報を基に生成される透かし画像の解像度に依存しており、例えば透かし画像が600dpi(dot per inch:解像度の単位であり、1インチ当たりのドット数)の画像であるとしたならば、図3の透かし信号の幅と高さは、印刷文書上で12/600=0.02(インチ)となる。
【0083】
以下、幅と高さがSw、Shの矩形を1つの信号の単位として「信号ユニット」と称する。図3(1)は、ドット間の距離が水平軸に対してarctan(3)(arctanはtanの逆関数)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(−1/3)である。以下、この信号ユニットをユニットAと称する。図3(2)はドット間の距離が水平軸に対してarctan(−3)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(1/3)である。以下、この信号ユニットをユニットBと称する。
【0084】
図4は、図3(1)の画素値の変化をarctan(1/3)の方向から見た断面図である。図4において、ドットが配列されている部分が波の最小値の腹(振幅が最大となる点)となり、ドットが配列されていない部分は波の最大値の腹となっている。
【0085】
また、ドットが密に配列されている領域はそれぞれ1ユニットの中に2つ存在するため、この例では1ユニットあたりの周波数は2となる。波の伝播方向はドットが密に配列されている方向に垂直となるため、ユニットAの波は水平方向に対してarctan(−1/3)、ユニットBの波はarctan(1/3)となる。なお、arctan(a)の方向とacrtan(b)の方向が垂直のとき、a×b=−1である。
【0086】
第1の実施の形態では、ユニットAで表現される透かし信号にシンボル0を割り当て、ユニットBで表現される透かし信号にシンボル1を割り当てる。また、これらをシンボルユニットと称する。
【0087】
透かし信号には図3(1)、(2)で示されるもの以外にも、例えば図5(3)〜(5)で示されるようなドット配列が考えられる。図5(3)は、ドット間の距離が水平軸に対してarctan(1/3)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(−3)である。以下、この信号ユニットをユニットCと称する。
【0088】
図5(4)は、ドット間の距離が水平軸に対してarctan(−1/3)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(3)である。以下、この信号ユニットをユニットDと称する。図5(5)は、ドット間の距離が水平軸に対してarctan(1)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(−1)である。なお、図5(5)は、ドット間の距離が水平軸に対してarctan(−1)の方向に密であり、波の伝搬方向はarctan(1)であると考えることもできる。以下、この信号ユニットをユニットEと称する。
【0089】
図3、図5に示した透かし信号の一例においては、1ユニット中のドットの数をすべて等しくしているため、これらのユニットを隙間なく並べることにより、透かし画像の見かけの濃淡が均一となる。したがって、例えば印刷された紙面上では、単一の濃度を持つグレイ画像が背景として埋め込まれているように見える。
【0090】
このような効果を出すために、例えば、ユニットEを背景ユニット(シンボルが割り当てられていない信号ユニット)と定義し、これを隙間なく並べて透かし画像の背景とし、シンボルユニット(ユニットA、ユニットB)を透かし画像に埋め込む場合は、埋め込もうとする位置の背景ユニット(ユニットE)とシンボルユニット(ユニットA、ユニットB)とを入れ替える。
【0091】
図6(1)はユニットEを背景ユニットと定義し、これを隙間なく並べて透かし画像の背景とした場合を示す説明図である。図6(2)は図6(1)の背景画像の中にユニットAを埋め込んだ一例を示し、図6(3)は図6(1)の背景画像の中にユニットBを埋め込んだ一例を示している。第1の実施の形態では、背景ユニットを透かし画像の背景とする方法について説明するが、シンボルユニットのみを配置することによって透かし画像を生成しても良い。
【0092】
図7は、透かし画像へのシンボル埋め込み方法の一例を示す説明図である。ここでは、例として「0101」というビット列を埋め込む場合について説明する。
【0093】
図7(1)、(2)に示すように、同じシンボルユニットを繰り返し埋め込む。これは文書中の文字が埋め込んだシンボルユニットの上に重なった場合や、印刷後にある程度の切り取りや汚損のある場合などでも、信号検出時に検出されなくなることを防ぐためであり、シンボルユニットの繰り返し数と配置のパターン(以下、ユニットパターンと称する。)は任意である。
【0094】
すなわち、ユニットパターンの一例として、図7(1)のように繰り返し数を4(1つのユニットパターン中に4つのシンボルユニットが存在する)にしたり、図7(2)のように繰り返し数を2(1つのユニットパターン中に2つのシンボルユニットが存在する)にしたりすることができ、あるいは、繰り返し数を1(1つのユニットパターン中には1つのシンボルユニットだけが存在する)としてもよい。
【0095】
また、図7(1)、(2)は1つのシンボルユニットに対して1つのシンボルが与えられているが、図7(3)のようにシンボルユニットの配置パターンに対してシンボルを与えても良い。
【0096】
(埋め込み部104による埋め込み処理)
図8に示すように、埋め込み部104では、画像生成部101で作成した印刷画像80と、リスト情報生成部102からのリスト情報301などを基にして作成した透かし画像と、を重ね合わせ、埋め込み印刷画像82を作成する。なお、図8は、第1の実施形態にかかる出力装置10の動作の概略を示す説明図である。
【0097】
上記埋め込み印刷画像82の各画素の値は、例えば、印刷画像80と透かし画像の対応する画素値の論理積演算(AND)によって計算する。すなわち、印刷画像と透かし画像のどちらかが0(黒)であれば、埋め込み印刷画像82の画素値は0(黒)、それ以外は1(白)となるが、かかる例に限定されない。
【0098】
上記埋め込み印刷画像82は、背景全体に透かし画像が埋め込まれるが、埋め込まれた透かし画像に対する可読性はほとんどなく、その透かし画像から元のリスト情報などの情報を、埋め込み印刷画像82を作成指示した本人であっても把握することができない。印刷文書20についても、上記埋め込み印刷画像82と同様である。
【0099】
埋め込み印刷画像82は、図8に示すように、出力103により、紙等の印刷媒体に印刷され印刷文書20として出力される。
【0100】
以上、第1の実施形態にかかる出力装置10の動作について説明を終了する。次に、図1、及び、図9を参照しながら、第1の実施形態にかかる複写装置30の動作について説明する。
【0101】
(複写特定情報受付部205)
まず、図1に示すように、複写者は複写しようとする印刷文書20を複写装置30に備わる入力部201に配置するとともに、複写者は、複写特定情報受付部205に対しコピーカードに記録された複写者を特定する複写特定情報40を入力させる。なお、上記複写者が印刷文書20を出力装置10から出力した本人であれば、複写者と出力者は同一人であるが、出力した本人と異なれば、複写者と出力者は異人となる。
【0102】
なお、上記複写特定情報は、出力装置10側で付与される特定情報(複写許可者、複写許可グループ)と比較可能であるような形式の情報であり、例えば、複写特定情報がIDならば特定情報もID(複写許可者IDなど)、複写特定情報が指紋のバイオメトリクス情報なら特定情報も指紋のバイオメトリクス情報などのような具合である。
【0103】
次に、入力部201は、図9に示すように、印刷文書20を、例えば、光学的に読み取り、ディジタル画像データに変換し、入力画像90を生成する。生成された入力画像90は、入力部201から複写部202とリスト情報取得部203に送信される。
【0104】
(リスト情報取得部203)
次に、上記リスト情報取得部203は、入力部201で生成された入力画像90から透かし画像を取得し、その透かし画像をリスト情報301に復元する。なお、上記入力画像90は、例えば、多値画像であるが、かかる例に限定されない。
【0105】
なお、既に説明したように、埋め込み印刷画像には透かし画像としてのリスト情報が冗長性を具備するように複数回繰り返し埋め込まれるため、必ずしも入力画像90全体から透かし画像をリスト情報取得部203が読み取り、それからリスト情報301を復元する必要はない。したがって、リスト情報取得部203は、入力画像90の画像領域のうち、リスト情報301を取得するのに十分な面積を持つ一部の画像領域から透かし画像を抽出し、当該リスト情報を取得する場合でも良い。
【0106】
上記入力画像90から透かし画像を取得し、リスト情報を復元するためには、上記リスト情報取得部203は、入力画像90に対してフィルタリング処理を行い、フィルタ出力値の計算とフィルタ出力値の比較を行う。フィルタ出力値の計算は、ガボールフィルタと称されるフィルタを用いて、入力画像90の全画素においてフィルタと画像間のコンボリューションにより計算する。
【0107】
次に、リスト情報取得部203は、各信号ユニットに対応するすべてのフィルタに対してフィルタ出力値を計算した後、各画素において上記のように計算したフィルタ出力値を比較し、その最大値F(x、y)をフィルタ出力値行列として記憶する。また、値が最大であるフィルタに対応する信号ユニットの番号をフィルタ種類行列として記憶する。
【0108】
次に、リスト情報取得部203は、得られたフィルタ出力値行列を用いて、信号ユニットの信号位置を決定して、その信号ユニットの種別を特定する(ユニットA又はBなど)。
【0109】
なお、上記信号位置の決定では、信号ユニットの大きさがSh×Swで構成されていたとすると、格子点の垂直方向の間隔がSh、水平方向の間隔がSw、格子点の個数がNh×Nwの信号位置探索テンプレートが作成される。
【0110】
上記のようにして、リスト情報取得部203は、決定した信号ユニットの判定結果をシンボル行列として記憶する。
【0111】
最後に、リスト情報取得部203は、シンボル行列のうち、信号境界内部に相当する部分から元のリスト情報301として復元する。
【0112】
なお、リスト情報取得部203が取得した透かし画像から元のリスト情報301に復元するためには、例えば、リスト情報取得部203は、各ユニットパターンに埋め込まれているシンボルを検出し、そのシンボルを連結してデータ符号を復元し、データ符号を復号して埋め込まれていたリスト情報301を取り出す。
【0113】
なお、第1の実施の形態にかかるリスト情報取得部203は、例えば、参考文献1(特開2003−101762号公報)に記載の透かし画像を検出し元の情報に復元する透かし検出部32が有する機能を具備し、リスト情報取得部203は、少なくとも上記透かし検出部32が実行する処理を行うことができるが、かかる例に限定されない。
【0114】
上記リスト情報301は、上述のように、リスト情報取得部203により入力画像90から取得された透かし画像を基に復元される。なお、透かし画像としてリスト情報301の他に、印刷文書20を出力した出力時間等の情報も埋め込まれていた場合、当該それらの情報についても入力画像90から取得された透かし画像を基に復元される。
【0115】
また、入力画像90から復元されたリスト情報301は、上述の埋め込み印刷画像に埋め込まれたリスト情報301と同一のものである。
【0116】
次に、リスト情報取得部203は、復元したリスト情報301を複写決定部204に送信すると、以下に説明する複写決定部204による複写の可否判断が行われる。
【0117】
(複写決定部204)
次に、図9に示すように、複写決定部204は、リスト情報取得部203により復元されたリスト情報301に含む特定情報303と、複写特定情報受付部205により受け付けられた複写特定情報40(例えば、複写者ID)とを参照し、比較する。なお、複写特定情報40は、複写グループIDの場合、複写者ID及び複写グループIDの場合でもよい。
【0118】
図9に示すように、複写者IDと、各特定情報303(特定情報303−1、特定情報303−2)とを、複写決定部204が比較して、複写者IDと一致する特定情報303がリスト情報301に存在すれば、複写決定部204は、複写部202に対して複写を許可する。
【0119】
一方、複写決定部204が比較して、複写者IDと一致する特定情報303がリスト情報301に存在しなかった場合、複写決定部204は、複写部202に対して複写を禁止(不許可)する。
【0120】
なお、例えば、リスト情報301に含まれる特定情報303の一部と、上記複写特定情報40の一部とが一致する場合でも、複写決定部204は、複写部202に対して複写を禁止するが、かかる例に限定されず、複写を許可しても良い。例えば、印刷文書20の汚損などにより不完全な形でリスト情報が復元される等の場合、上記特定情報303と複写特定情報40との一部一致があり得る。
【0121】
最後に、複写決定部204による比較の結果、複写決定部204により複写の許可が付与されると、複写部202は、入力部201で生成された入力画像を、例えば、印刷に適した形に変換して紙等の印刷媒体に印刷し、複写物50として出力する。なお、上記印刷に適した形への変換は、複写部202の特性等によって異なるが、濃度やコントラストの変換等を例示することができる。
【0122】
第1の実施の形態にかかる複写部202は、紙等の印刷媒体に印刷する場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、複写部202は、入力画像をPDF形式などの電子文書として入力画像を複写物50として出力してもよい。
【0123】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、印刷文書20の背景として、印刷文書20を複写しても良い者を特定可能な情報(特定情報)が、当該印刷文書20の地紋にディジタル情報として記録されるため、複写が許可された者は(複写許可者)、利便性を損なうことなく、自由に印刷文書20を複写することができる。また、複写が不許可である者による、印刷文書20の複写を禁止することができるため、印刷文書20の複写による情報漏洩を防止することができる。さらに、印刷文書20のページ単位などで、自由に複写を許可する対象者を指定することができるため、印刷物の内容に応じて柔軟なセキュリティ対策を講じることができる。
【0124】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施の形態にかかる複写管理システム1aについて説明するが、ここでは、既に説明した第1の実施の形態にかかる複写管理システム1と第2の実施の形態にかかる複写管理システム1aとの相違点について特に詳細に説明し、その他の点についての説明は、実質的に同一であるため、省略する。
【0125】
まず、図10を参照しながら、第2の実施の形態にかかる複写管理システムの構成について説明する。なお、図10は、第2の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【0126】
図10に示すように、第2の実施の形態にかかる複写管理システム1aには、出力装置10aと、複写装置30aとが備わっている。
【0127】
(出力装置10a)
出力装置10aは、図10に示すように、画像生成部101と、リスト情報生成部102aと、埋め込み部104と、出力部103とを備えている。
【0128】
ここで、上記リスト情報生成部102aは、1又は2以上の特定情報を含んだリスト情報を生成する。上記特定情報は、出力装置10aから外部に出力(印刷等)した出力者、又は、その出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定する情報である。より具体的には、特定情報は、例えば、出力者又は出力グループを特定するIDなどであるが、かかる例に限定されない。
【0129】
ここで、第2の実施形態にかかるリスト情報について説明すると、図11(a)に示すようにリスト情報301aは、1又は2以上の特定情報303a−1、特定情報303a−2、…を含んでいる。
【0130】
上記特定情報303aは、出力者又は出力グループを特定可能なID情報であり、例えば、特定情報303a−1は、出力者を特定する出力者IDであり、特定情報303a−2は、出力者が属するグループを特定する出力グループIDである。
【0131】
上記出力グループは、出力者を含む複数の使用者から構成されるグループである。したがって、出力グループを指定すれば、グループ単位で、印刷文書20aの出力元を特定、又は、印刷文書20aの複写の管理をすることができる。
【0132】
図11(b)に示すように、例えば、特定情報303a−2は、出力グループIDであり、特定情報303a−1の出力者IDをグループとして含んでいる。当該特定情報303a−2をリスト情報301aに含めれば、特定情報303a−1をリスト情報301aに含めなくても済むが、図11に示すデータ構造の例に限定されない。
【0133】
また、例えば、上記リスト情報生成部102aは、出力者から上記出力者又は出力グループを特定するIDの入力を受け付けて、そのIDを基に特定情報とリスト情報を生成するが、かかる例に限定されない。
【0134】
上記リスト情報は、上述のように、印刷文書20aの出力をする出力者及び/又は出力グループに係る特定情報を1又は2以上含んで成る情報である。
【0135】
第2の実施の形態にかかる特定情報についても、第1の実施の形態にかかる特定情報と同様に、出力者又は出力グループを特定するIDの場合を例に挙げて説明するが、かかる例に限定されず、例えば、特定情報は、出力者を特定可能であれば、社員番号、コピーカード番号、氏名、メールアドレス等でもよく、また、特定情報は、例えば、出力者の指紋や虹彩などを基に生成されるバイオメトリクス情報等の場合でも実施可能である。
【0136】
また、第2の実施の形態に係る特定情報303aのIDを、例えば、2バイトの数字列で表現すると、特殊符号としての透かし情報も、通常は、2バイトを含んだ情報となる。
【0137】
上記リスト情報生成部102aを除き、第2の実施の形態にかかる出力装置10aの構成については、第1の実施の形態にかかる出力装置10と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0138】
(複写装置30a)
複写装置30aは、図10に示すように、入力部201と、複写部202と、リスト情報取得部203aと、複写特定情報受付部205と、関連付け記憶部206と、出力部207とを備えている。
【0139】
リスト情報取得部203aは、第1の実施の形態にかかるリスト情報取得部203と比べて、リスト情報取得部203が復元する特定情報は、複写許可者又は複写許可グループを特定するID情報等であるのに対し、リスト情報取得部203aが復元する特定情報は、出力者又は出力グループを特定するID情報等であるように、復元する特定情報の情報内容が異なる点で相違するが、その他の点については、実質的に同一である。
【0140】
関連付け記憶部206は、リスト情報取得部203aからのリスト情報301aに含む特定情報303aと、複写特定情報受付部205からの複写特定情報40とを関連付けて、それらの情報を記憶する。
【0141】
出力部207は、出力者を特定する出力者ID等の入力を使用者から受け付けて、その受け付けた出力者IDと一致する出力者IDを関連付け記憶部206から取得して、例えば、画面上又は紙等の印刷媒体などに出力する。したがって、出力部207は、例えば、TV装置又は液晶ディスプレイ装置や、プリンタ装置などを例示することができるが、かかる例に限定されず、例えば、出力部207は、外部の装置に関連付け記憶部206から取得した情報を伝送するEthernet(登録商標)等の通信インタフェースなどでもよい。
【0142】
なお、上記リスト情報取得部203a、関連付け記憶部206、出力部207を除き、第2の実施の形態にかかる複写装置30aの構成については、第1の実施の形態にかかる複写装置30と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。
【0143】
以上のように構成される出力装置10a及び複写装置30aの動作について説明する。まず、図10等を参照しながら、出力装置10aの動作について説明する。
【0144】
なお、第2の実施の形態にかかる出力装置10aの動作は、第1の実施の形態にかかる出力装置10の動作と比較して、特に、第1の実施形態では特定情報が複写許可者IDであったのが、第2の実施形態では特定情報が出力者IDになったように、特定情報の内容の点で異なる。
【0145】
上記以外の点を除き、第2の実施の形態にかかる出力装置10aの動作と、第1の実施の形態にかかる出力装置10の動作と比較して実質的に同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0146】
以上、第2の実施形態にかかる出力装置10aの動作について説明を終了する。次に、図1、及び、図9を参照しながら、第2の実施形態にかかる複写装置30aの動作について説明する。
【0147】
(複写特定情報受付部205)
まず、図10に示すように、図1に示す複写特定情報受付部205と同様に、複写者は複写しようとする印刷文書20aを複写装置30aに備わる入力部201に配置するとともに、複写者は、複写特定情報受付部205に対しコピーカードに記録された複写者を特定する複写特定情報40を入力させる。
【0148】
次に、第2の実施形態にかかる入力部201は、図12に示すように、印刷文書20aを、例えば、光学的に読み取り、ディジタル画像データに変換し、入力画像90aを生成する。生成された入力画像90aは、入力部201から複写部202とリスト情報取得部203aに送信される。
【0149】
(リスト情報取得部203a)
次に、第2の実施形態にかかるリスト情報取得部203aは、入力部201で生成された入力画像90aから透かし画像を取得し、その透かし画像をリスト情報301aに復元する。上記入力画像90aは、例えば、多値画像であるが、かかる例に限定されない。
【0150】
なお、第2の実施の形態にかかるリスト情報取得部203aによる透かし画像の取得、リスト情報301aへの復元については、既に説明した、第1の実施形態にかかるリスト情報取得部203による透かし画像の取得、リスト情報301への復元と実質的に同一であるため詳細な説明を省略する。
【0151】
上記リスト情報取得部203aに復元された1又は2以上の特定情報303aを含むリスト情報301aは、関連付け記憶部206に送信される。
【0152】
(関連付け記憶部206)
次に、関連付け記憶部206は、リスト情報取得部203aからのリスト情報301aを取得すると、当該リスト情報301aに含む特定情報303a(例えば、出力者ID)と、複写特定情報受付部205により受け付けられた複写特定情報40(例えば、複写者ID)とを関連付けて、自ら保有する磁気ディスク、DVD等の光学ディスク、RAM、EEPROMなどの記録領域(図示せず。)に記録する。
【0153】
なお、リスト情報301aの他に、印刷文書20aを出力した出力時間情報や、出力場所情報(又は、出力装置10aのアドレス)などが透かし画像に埋め込まれていた場合、それらの情報及び複写した時間を示す複写時間情報についても、関連付けられても良い。
【0154】
ここで、図13を参照しながら、関連付け記憶部206により関連付けられた情報群のデータ構造について説明する。なお、図13は、第2の実施の形態にかかる関連付け記憶部206により関連付けられた情報群の概略的なデータ構造を示す説明図である。
【0155】
図13に示すように、関連付け記憶部206が関連付けて記憶する情報は、特定情報303aと、複写特定情報40と、複写時間情報と、出力時間情報と、出力場所情報とを含んで成る1又は2以上のレコード(横一列のセル群)である。なお、特定情報303aと複写特定情報40とは必須であるが、他の複写時間情報、出力時間情報、および出力場所情報については、必ずしも必要であるとは限らない。
【0156】
関連付け記憶部206により関連付けられた情報群の一例を挙げると、図13に示すように、特定情報303aの「出力者ID1」をキーとして、その「出力者ID1」には、「複写者ID1」と、「2006年12月7日5時10分5秒」(複写時間情報)と、「2005年5月5日11時1分1秒」(出力時間情報)と、「33.2.155.67」(出力場所情報)とが関連付けられているのが分かる。
【0157】
なお、図13に示す複写時間情報及び出力時間情報は、年月日時とから構成されているが、かかる構成に限定されず、複写時間情報又は出力時間情報は、例えば、日時のみから構成される場合などでもよい。
【0158】
また、図13に示す出力場所情報は、出力装置10aのIP(Internet Protocol)アドレスから構成されているが、かかる構成に限定されず、出力場所情報は、例えば、出力装置10aが設置されている場所をID等で特定可能な情報などであってもよい。
【0159】
図13に示すように、関連付け記憶部206による関連付けは、例えば、データベースの同一レコードに出力者ID及び複写者ID等の情報を記録することで、お互いの情報を関連付けているが、情報間の関連付けが一意に定まるデータ構造であれば、かかる例に限定されない。
【0160】
(出力部207)
上記関連付け記憶部206により特定情報303aと複写特定情報40等とが関連付けられて記録されると、次に、出力部207は、キーボード等から構成される入力手段(図示せず。)から出力者を特定可能な特定情報(出力者IDなど)を受け付けると、当該受け付けた出力者ID等の特定情報と一致する特定情報303aを検索するよう関連付け記憶部206に依頼する。なお、出力部207が入力手段を備えずに、複写特定情報受付部205により出力者を特定する特定情報(出力者ID)が受け付けられる場合でも良い。
【0161】
次に、関連付け記憶部206は、出力部207から依頼された特定情報と一致する特定情報303aを検索した場合、該当する特定情報303aと、その特定情報303aに関連付けられた複写特定情報40等の情報群を出力部207に送信する。
【0162】
次に、出力部207は、関連付け記憶部206から受け取った情報(出力者ID等に関連付けられた複写行為を示す情報群)を、例えば、画面上又は紙等の印刷媒体等に出力する。なお、出力部207は、かかる例に限定されず、例えば、関連付け記憶部206から受けた情報をEthernet(登録商標)等のネットワークに伝送する場合、メモリーカード等のUSB(Universal Serial Bus)メモリ記録媒体に当該情報を記録する場合、スピーカー等に当該情報の内容を音声で出力する場合などでも可能である。
【0163】
また、上記出力部207は、予め登録された、管理者を特定する特定情報(管理者ID)を受け付けた場合、関連付け記憶部206は、全ての特定情報303aと、それらの特定情報303aに関連付けられた情報を取得し、出力部207に送信しても良い。
【0164】
第2の実施の形態にかかる複写部202は、リスト情報203aや関連付け記憶部206と略同時に動作し、入力画像を複写物50に出力しても良い。したがって、第2の実施の形態にかかる複写部202は、入力部201から入力画像を受け取ると同時に複写処理を開始することができ、複写時間が遅くなるのを防止するとともに、不正な複写を防止するための透かし画像の取得等の処理を進めることができる。なお、第1の実施の形態にかかる複写部202では、複写決定部204による複写の許可が付与されるまで複写を開始できなかった。
【0165】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、複写装置30aを利用して印刷文書20aを複写すると、その印刷文書20aに埋め込まれた特定情報303a(出力者IDなど)と複写特定情報40等の情報とが関連付けられて記録されるため、出力者又は複写を管理する管理者などは、印刷文書20aの頒布状況又は複写状況を定期的に把握することができる。
【0166】
また、原則、印刷文書20aの複写を複写装置30aは禁止しないため、複写処理を円滑かつ迅速に行うことができるが、それに伴う弊害防止として、上述の印刷文書20aの頒布状況又は複写状況に係る一連の情報を複写装置30aは記録し、出力者等に提供することで、不正な複写や情報漏洩を最小限に防ぐことができる。
【0167】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施の形態にかかる複写管理システム1bについて説明するが、ここでは、既に説明した第1の実施の形態にかかる複写管理システム1又は第2の実施の形態にかかる複写管理システム1aと第3の実施の形態にかかる複写管理システム1bとの相違点について特に詳細に説明し、その他の点についての説明は、実質的に同一であるため、省略する。
【0168】
まず、図14を参照しながら、第3の実施の形態にかかる複写管理システムの構成について説明する。なお、図14は、第3の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【0169】
図14に示すように、第3の実施の形態にかかる複写管理システム1bには、出力装置10aと、複写装置30bとが備わっている。なお、第3の形態にかかる出力装置10aは、第2の実施の形態にかかる出力装置10aと実質的に同じであるため詳細な説明は省略する。
【0170】
(複写装置30b)
複写装置30bは、図14に示すように、入力部201と、複写部202と、リスト情報取得部203aと、複写特定情報受付部205と、関連付け記憶部206aと、出力部207とを備えている。
【0171】
なお、上記複写装置30bのうち入力部201、複写部202、リスト情報取得部203a、複写特定情報受付部205、および出力部207については、第2の実施の形態に係る複写装置30aに備わる各部と実質的に同一であるため、関連付け記憶部206aについて以下に説明する。
【0172】
(関連付け記憶部206a)
関連付け記憶部206aは、リスト情報取得部203aからのリスト情報301aに含む特定情報303aと、複写特定情報受付部205からの複写特定情報40とを関連付けて、それらの情報を記憶する点では、第2の実施の形態にかかる関連付け記憶部206と同様である。
【0173】
さらに、上記関連付け記憶部206aは、自ら記憶し、関連付けられた特定情報303aや複写特定情報40などの情報を、その特定情報303(出力者IDなど)を基にして、出力部207を介して出力者又は管理者に通知する。
【0174】
以上のように構成される出力装置10a及び複写装置30bの動作について説明するが、上記出力装置10aの動作については、第2の実施の形態かかる出力装置10aの動作と実質的に同じであるため説明を省略し、複写装置30bの動作について説明する。
【0175】
(複写特定情報受付部205)
まず、図14に示すように、第3の実施の形態にかかる複写特定情報受付部205と同様に、複写者は複写しようとする印刷文書20aを複写装置30bに備わる入力部201に配置するとともに、複写者は、複写特定情報受付部205に対しコピーカードに記録された複写者を特定する複写特定情報40を入力させる。
【0176】
次に、第3の実施形態にかかる入力部201は、第2の実施形態にかかる入力部201と同様に、印刷文書20aを、例えば、光学的に読み取り、ディジタル画像データに変換し、入力画像を生成する。生成された入力画像は、入力部201から複写部202とリスト情報取得部203aに送信される。
【0177】
(リスト情報取得部203a)
次に、第3の実施形態にかかるリスト情報取得部203aは、第2の実施形態にかかるリスト情報取得部203aと同様、入力部201で生成された入力画像から透かし画像を取得し、その透かし画像をリスト情報301aに復元する。
【0178】
(関連付け記憶部206a)
次に、関連付け記憶部206aは、第2の実施の形態にかかる関連付け記憶部206と同様に、リスト情報取得部203aからのリスト情報301aを取得すると、当該リスト情報301aに含む特定情報303a(例えば、出力者ID)と、複写特定情報受付部205により受け付けられた複写特定情報40(例えば、複写者ID)とを関連付けて、自ら保有する磁気ディスク、DVD等の光学ディスク、RAM、EEPROMなどの記録領域(図示せず。)に記録する。
【0179】
なお、リスト情報301aの他に、印刷文書20aを出力した出力時間情報や、出力場所情報(又は、出力装置10aのアドレス)などが透かし画像に埋め込まれていた場合、それらの情報及び複写した時間を示す複写時間情報についても、関連付けられても良い。
【0180】
さらに、関連付け記憶部206aは、上記関連付けた特定情報303aや複写特定情報40等の情報を出力者等に通知するために、当該特定情報303aである出力者ID等を基に、通知先を決定し、その通知先に当該特定情報303aや複写特定情報40等の情報を、出力部207を介して送信する。
【0181】
なお、関連付け記憶部206aが出力者等に通知する情報は、当該出力者を特定する特定情報303aと、複写特定情報40とを少なくとも含み、さらに、上述の印刷時間情報、印刷場所情報、または複写時間情報等の情報のうち少なくとも一つを含んでも良い。
【0182】
また、関連付け記憶部206aによる通知先の決定方法は、例えば、特定情報303aである出力者IDがメールアドレスで構成されている場合、そのメールアドレスを通知先に決定し、特定情報303aである出力者IDがメールアドレス以外の識別番号等である場合、その出力者IDをキーにして通知先変換テーブル等から通知先を決定するが、かかる例に限定されない。
【0183】
ここで、図15を参照しながら、上記通知先変換テーブルについて説明する。なお、図15は、第3の実施形態にかかる通知先変換テーブルの概略的な構成を示す説明図である。
【0184】
図15に示すように、通知先変換テーブル750は、特定情報(出力者ID1、出力者ID2、…)と、その特定情報に対応する通知先(ccc@bb.ne.jp、fff@bbb.ne.jp、…)とを含んで構成されている。
【0185】
したがって、関連付け記憶部206aは、「出力者ID1」など、特定情報を指定すれば、「ccc@bb.ne.jp」などのように、その特定情報に対応する通知先を取得することができる。
【0186】
なお、図15に示すように、特定情報に対応する通知先は、一つである場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、出力者及び管理者に通知する場合など、特定情報に対応する通知先が複数存在する場合でも実施可能である。かかる場合、通知先ごとに、特定情報303aや複写特定情報40等の関連付けられた情報が別々に送信される。
【0187】
また、図15に示す通知先は、「ccc@bb.ne.jp」、「fff@bbb.ne.jp」のようにメールアドレスである場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、通知先がFAX番号等の場合でも実施可能である。
【0188】
また、第3の実施形態にかかる通知先変換テーブル750は、関連付け記憶部206aに備わる記憶領域(図示せず。)に記憶されている場合や、外部のサーバなどの記憶領域に記憶されている場合などでも良い。当該通知先変換テーブル750が外部のサーバなどの記憶領域に記憶されている場合、関連付け記憶部206aは、通知先を決定する度ごとに当該外部のサーバに特定情報に対応する通知先を問い合わせることで、通知先を決定する。
【0189】
関連付け記憶部206aは、通知先を決定すると、例えば、上記関連付けられた情報(特定情報303a、複写特定情報40、複写時間情報、出力時間情報、出力場所情報等)にメールアドレス等のヘッダ情報を付与して電子メールを作成し、さらにSMTPプロトコル等に対応するように変換し、その通知先に、出力部207を介して送信するが、かかる例に限定されない。
【0190】
以上説明したように、第3の実施形態によれば、印刷文書20aの複写が行われると、出力者又は管理者の少なくとも一方に、その複写に伴って関連付けられた特定情報303aや、複写特定情報40等の情報が即座に通知されるため、印刷文書20aの複写を許容しつつも、不正な複写が行われれば、出力者又は管理者は、不正な複写を素早く検知することができ、通知された情報(複写特定情報40など)を基に、情報漏洩を最小限に防ぐことができる。
【0191】
なお、上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータやマイクロコンピュータ等の情報処理装置にインストールされ、上記情報処理装置を出力装置10、10a及び/又は複写装置30、30a、30bとして機能させる。
【0192】
プログラムは、ハードディスクドライブに限らず、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0193】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等にインストールすることができる。
【0194】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0195】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
【0196】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例を想定し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0197】
上記実施の形態にかかる特定情報は、複写許可者又は複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な情報であるか、又は、外部に出力した出力者又は出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な情報である場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、特定情報は、複写許可者又は複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な情報(第1の特定情報)と、出力者又は出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な情報(第2の特定情報)の双方から構成される場合でも実施可能である。かかる場合、埋め込み印刷画像には、上記第1の特定情報と第2の特定情報の双方が埋め込まれる。
【0198】
上記実施の形態にかかる特定情報は、IDから構成される場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、特定情報は、社員番号、コピーカード番号、氏名、メールアドレス、バーコード(2次元バーコード含む)等から構成される場合でもよく、また、特定情報は、例えば、指紋や虹彩などを基に生成されるバイオメトリクス情報等の場合でも実施可能である。
【0199】
上記実施の形態では、出力装置10は、出力部103と、埋め込み部104と、リスト情報生成部102とを一体として備える場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、出力部103を別体にしてもよい。より具体的には、出力装置10は、埋め込み部104と、リスト情報生成部102とを備え、出力部103は、印刷装置等の別の装置に備わる。
【0200】
また、上記実施の形態では、出力部103は、紙等の印刷媒体に埋め込み画像を印刷する場合を例に挙げて説明したが、かかる例に限定されず、例えば、出力部103は、PDF形式などの電子文書として埋め込み画像を出力する場合でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】第1の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかるリスト情報の概略的な構造を示す説明図である。
【図3】透かし信号の一例を示す説明図である。
【図4】図3(1)の画素値の変化をarctan(1/3)の方向から見た断面図である。
【図5】透かし信号の一例を示す説明図であり、(3)はユニットCを、(4)はユニットDを、(5)はユニットEを示している。
【図6】背景画像の説明図であり、(1)はユニットEを背景ユニットと定義し、これを隙間なく並べた透かし画像の背景とした場合を示し、(2)は(1)の背景画像の中にユニットAを埋め込んだ一例を示し、(3)は(1)の背景画像の中にユニットBを埋め込んだ一例を示している。
【図7】透かし画像へのシンボル埋め込み方法の一例を示す説明図である。
【図8】第1の実施形態にかかる出力装置の動作の概略を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる複写装置の動作の概略を示す説明図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図11】第2の実施の形態にかかるリスト情報の概略的な構造を示す説明図である。
【図12】第2の実施形態にかかる複写装置の動作の概略を示す説明図である。
【図13】第2の実施の形態にかかる関連付け記憶部により関連付けられた情報群の概略的なデータ構造を示す説明図である。
【図14】第3の実施の形態にかかる複写管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態にかかる通知先変換テーブルの概略的な構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0202】
1 複写管理システム
10 出力装置
15 文書データ
20 印刷文書
30 複写装置
40 複写特定情報
50 複写物
101 画像生成部
102 リスト情報生成部
103 出力部
104 埋め込み部
201 入力部
202 複写部
203 リスト情報取得部
204 複写決定部
205 複写特定情報受付部
301 リスト情報
303 特定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写装置と、該複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置とを備えた複写管理システムにおいて:
前記出力装置は、前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;
文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;
前記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を前記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;
前記埋め込み部により生成された前記埋め込み印刷画像を出力する出力部と;
を備え、
前記複写装置は、該複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;
前記リスト情報取得部で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付部で受け付けた前記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定部と;
前記複写決定部により複写が許可された場合、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;
を備えることを特徴とする、複写管理システム。
【請求項2】
複写装置と、該複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置とを備えた複写管理システムにおいて:
前記出力装置は、前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;
文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;
前記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を前記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;
前記埋め込み部により生成された前記埋め込み印刷画像を出力する出力部と;
を備え、
前記複写装置は、該複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;
前記複写特定情報受付部により前記複写特定情報が受け付けられると、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;
前記リスト情報取得部で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付部で受け付けた前記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶部と;
前記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして前記関連付け記憶部から該当する特定情報と、その特定情報に前記関連付けられた前記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力部と;
を備えることを特徴とする、複写管理システム。
【請求項3】
複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置において:
前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成部と;
文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成部と;
前記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を前記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み部と;
前記埋め込み部により生成された前記埋め込み印刷画像を出力する出力部と;
を備えることを特徴とする、出力装置。
【請求項4】
前記リスト情報生成部は、前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成することを特徴とする、請求項3に記載の出力装置。
【請求項5】
前記リスト情報生成部は、前記複写装置による前記埋め込み印刷画像の複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の第1の特定情報を含んで成る第1のリスト情報と、
前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の第2の特定情報を含んで成る第2のリスト情報と、
を生成することを特徴とする、請求項3に記載の出力装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記埋め込み印刷画像を紙に出力することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の出力装置。
【請求項7】
前記特殊符号は、透かし画像であることを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の出力装置。
【請求項8】
前記特殊符号は、ドットパターンが配置されることにより表される情報であり、
前記ドットパターンは、所定の方向に所定の間隔でドットが配置され、前記ドットの輝度値を振幅とし、前記所定の方向と垂直な方向を伝播方向とするものであり、
前記ドットの方向及び/又は間隔を変化させたドットパターンを複数用意し、前記ドットパターンが組み合わせて配置されることにより、前記特殊符合が表されることを特徴とする、請求項3〜7のいずれかに記載の出力装置。
【請求項9】
コンピュータをして、複写装置による複写処理を管理するために、所定の情報が埋め込まれた画像を出力する出力装置として機能させるコンピュータプログラムにおいて:
前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループのうち少なくとも一方を特定可能な1又は2以上の特定情報を含んで成るリスト情報を生成するリスト情報生成手段と;
文字、図形、若しくは記号又はこれらの組み合わせを含んだ原情報を基にして印刷画像を生成する印刷画像生成手段と;
前記リスト情報に対して所定の符号化を施して該リスト情報を特殊符号に変換し、該特殊符号を前記印刷画像に埋め込んで、埋め込み印刷画像を生成する埋め込み手段と;
前記埋め込み手段により生成された前記埋め込み印刷画像を出力する出力手段と;
を備えることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項10】
出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置において:
前記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;
前記リスト情報取得部で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付部で受け付けた前記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定部と;
前記複写決定部により複写が許可された場合、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;
を備えることを特徴とする、複写装置。
【請求項11】
前記特殊符号は、透かし画像であることを特徴とする、請求項10に記載の複写装置。
【請求項12】
前記特殊符号は、ドットパターンが配置されることにより表される情報であり、
前記ドットパターンは、所定の方向に所定の間隔でドットが配置され、前記ドットの輝度値を振幅とし、前記所定の方向と垂直な方向を伝播方向とするものであり、
前記ドットの方向及び/又は間隔を変化させたドットパターンを複数用意し、前記ドットパターンが組み合わせて配置されることにより、前記特殊符合が表されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の複写装置。
【請求項13】
コンピュータをして、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置として機能させるコンピュータプログラムにおいて:
前記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付手段と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力手段と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得手段と;
前記リスト情報取得手段で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記複写装置による複写を許可された複写許可者、又は、複数の該複写許可者から構成された複写許可グループの少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付手段で受け付けた前記複写特定情報とを比較し、その比較結果に従って、複写の許可又は不許可のいずれかを決定する複写決定手段と;
前記複写決定手段により複写が許可された場合、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写手段と;
を備えることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項14】
出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置において:
前記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付部と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力部と;
前記複写特定情報受付部により前記複写特定情報が受け付けられると、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写部と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得部と;
前記リスト情報取得部で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付部で受け付けた前記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶部と;
前記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして前記関連付け記憶部から該当する特定情報と、その特定情報に前記関連付けられた前記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力部と;
を備えることを特徴とする、複写装置。
【請求項15】
前記リスト情報取得部は、前記特殊符号から前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した時間を示す出力時間情報又はその出力場所を示す出力場所情報の少なくとも一方を、さらに取得し;
前記関連付け記憶部は、前記リスト情報取得部で取得した前記リスト情報に含まれる前記特定情報に、前記複写特定情報、前記出力時間情報、前記出力場所情報、または前記複写部により複写が実行された時間を示す複写時間情報のうち少なくとも一つを関連付けて記憶し;
前記出力部は、前記関連付け記憶部から取得した前記特定情報、前記複写特定情報、前記出力時間情報、前記出力場所情報、または前記複写時間情報のうち少なくとも一つを出力することを特徴とする、請求項14に記載の複写装置。
【請求項16】
前記出力部は、前記検索した特定情報に関連付けられた情報及び該特定情報を、所定の形式に加工し、該特定情報から得られる通知先に従って、出力することを特徴とする、14又は15に記載の複写装置。
【請求項17】
前記特殊符号は、透かし画像であることを特徴とする、請求項14又は15に記載の複写装置。
【請求項18】
前記特殊符号は、ドットパターンが配置されることにより表される情報であり、
前記ドットパターンは、所定の方向に所定の間隔でドットが配置され、前記ドットの輝度値を振幅とし、前記所定の方向と垂直な方向を伝播方向とするものであり、
前記ドットの方向及び/又は間隔を変化させたドットパターンを複数用意し、前記ドットパターンが組み合わせて配置されることにより、前記特殊符合が表されることを特徴とする、請求項14、15、または17のいずれかに記載の複写装置。
【請求項19】
コンピュータをして、出力装置により出力される画像に埋め込まれた所定の情報を基にして、複写処理を管理する複写装置として機能させるコンピュータプログラムにおいて:
前記複写装置を用いて複写する複写者、又は、該複写者が属する複写グループのうち少なくとも一方を特定可能な複写特定情報の入力を受け付ける複写特定情報受付手段と;
前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を入力して入力画像を生成する入力手段と;
前記複写特定情報受付手段により前記複写特定情報が受け付けられると、前記入力画像を新たに出力することで、前記出力装置により出力された埋め込み印刷画像を複写する複写手段と;
前記出力装置により前記埋め込み印刷画像に埋め込まれた特殊符合を前記入力画像から取得し、その特殊符号に対して所定の復号を施して該特殊符号から少なくともリスト情報を取得するリスト情報取得手段と;
前記リスト情報取得手段で取得した前記リスト情報に含まれる情報のうち、前記埋め込み印刷画像を前記出力装置から外部に出力した出力者、又は、該出力者が属する出力グループのうち少なくとも一方を特定可能な特定情報と、前記複写特定情報受付手段で受け付けた前記複写特定情報とを関連付けて記憶する関連付け記憶手段と;
前記特定情報の入力を受け付け、その受け付けた特定情報を基にして前記関連付け記憶手段から該当する特定情報と、その特定情報に前記関連付けられた前記複写特定情報とを取得し、その取得した特定情報と複写特定情報とを出力する出力手段と;
を備えることを特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−187492(P2008−187492A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19728(P2007−19728)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】