説明

複数の情報源を有する監視ポータル

監視システム(20)は、被写体(32)を撮像するためのミリメートル波の電磁放射を用いて、人物(36)と、その人物(36)によって携行されている物体(38)とを含む被写体(32)を検問するように構成されている第1のセンサ装置(26)を含むことができる。補助情報源(30)が、人物(36)によって携行されている可能性のある物体(36)に関係付けることができる被写体(32)に関するさらなる情報を提供する。関係情報が、生成された画像信号(125)と被写体情報とを関係付ける。補助情報源(30)は、被写体位置(34)の人物(36)によって携行されている可能性のある物体(38)の所与の特性を検出するように適合されている第2のセンサ装置(26)とすることができる。次いで、所与の特性を有する物体(38)を人物(36)が携行しているかどうかに関する関係情報を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報源を有する監視ポータルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーダおよび遠隔通信のためにミリメートル波信号が使用されている。ミリメートル波信号は、それらのミリメートル波信号を被写体に向けて、反射される信号を検出することによって、その被写体の画像を生成するために使用することもできる。このような撮像システムの例は、米国特許第5455590号、第5557283号、第5859609号、および第6507309号、2003年6月26日に出願された米国特許出願第10/607552号、2003年10月30日に出願された米国特許出願第10/697848号、2002年11月21日に出願された米国特許出願第10/301522号、および2003年10月30日に出願された米国特許出願第10/697965号に記載されており、これらの特許文献を参照によって本明細書に組み込む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような撮像システムは、人物の身体と、その人物によって携行されているあらゆる物体(それらの物体が隠されているか否かを問わず)とを含む被写体の比較的詳細な画像を提供する。操作者は、被写体の画像を見て、その人物と共に含まれている物体を視覚的に識別することができる。その他の検出デバイスを使用して、被写体に関するその他の情報を得ることもできる。たとえば、被写体が金属探知器を通過して、検出可能な金属の物体をその被写体が有しているかどうかを判定することができる。監視システムが、公共交通機関の乗り物に搭乗するプロセス、あるいは公共のまたは警備された施設に入場するプロセスの一部分である場合には、相当な遅れが生じる可能性がある。さらに監視の有効性は、1人または複数の操作者の正確さおよび注意力に依存する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
監視システムは、ミリメートル波の電磁放射を被写体位置の被写体に向けて送信してその被写体から該放射を受信するように構成されている第1のセンサ装置を含むことができる。被写体は、人物と、その人物によって携行されている1つまたは複数のあらゆる物体とを含むことができる。このようなシステムは、センサ装置を操作して、受信された放射から被写体の画像を表す画像データを生成するように構成されているコントローラを含むこともできる。いくつかの監視システムはまた、人物によって携行されている可能性のある物体に関係付けることができる被写体に関する被写体情報の情報源を含む。そしてコントローラは、生成された画像信号と被写体情報とを関係付ける関係情報を生成するように適合されている。
【0005】
いくつかの監視システムにおいては、被写体情報の情報源は、被写体位置の人物によって携行されている可能性のある物体の所与の特性を検出するように適合されている第2のセンサ装置である。そのようなシステム内のコントローラは、所与の特性を有する物体を人物が携行しているかどうかに関する関係情報を生成するようにしかるべく適合されている。第2のセンサ装置は、さまざまな被写体情報のうちの1つまたは複数を検出するように適合されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、一般的な監視システム20を示しており、この一般的な監視システム20は、コントローラ21と、複数の被写体関連情報源24を含む被写体情報アセンブリ22とを含む。被写体情報源は、撮像装置28などの1つまたは複数のセンサ装置26を、そして構成によっては1つまたは複数の補助被写体情報源30を含むことができる。被写体情報源は、被写体位置34の被写体32に関連する情報を提供する。
【0007】
被写体32は、人間、動物、または生物以外の物体を問わず、撮像のために撮像システムの検問ステーション内に提示されるすべてのものを含む。たとえば人物36が、撮像のために検問ステーション内にいる場合には、被写体32は、その人物、ならびに腕時計、鍵、宝飾品、ポケットナイフまたはその他のナイフ、硬貨、装身具、銃、あるいは撮像できるその他のあらゆる物体など、その人物が身に付けているあらゆる物体38を含む。
【0008】
撮像装置28の一例は、ミリメートル波の電磁放射を被写体位置の被写体に向けて送信してその被写体から該放射を受信するように適合されているアクティブな撮像装置である。いくつかの例においては、ミリメートル波の放射は、100MHz(Megahertz)〜2THz(テラヘルツ)の幅の周波数範囲内とすることができる。一般に、対応する波長は、数センチメートルから数ミクロンに及ぶ。このような放射は、固定された周波数におけるもの、あるいはいくつかの変調タイプ、たとえばチャープ、疑似ランダム周波数ホップ、パルス、FMCW(frequency modulated continuous wave)、またはCW(continuous wave)を使用したある範囲またはセットの周波数にわたるもののいずれかとすることができる。
【0009】
撮像装置のいくつかの実施形態が使用できる送信信号は、24〜30GHzの範囲の周波数、FMCW変調、およびFCCの無認可のオペレーション要件を満たす信号内容を有することを組み合わせたものであり、かつあらゆる制限された米国政府の周波数帯域の範囲外のものである。パルス長は、2〜10マイクロ秒の範囲とすることができる。アンテナのビーム幅は、画像形成信号プロセッサの要件に応じて、広いビームの実装形態用としては20〜120度、または狭いビーム幅のアプリケーション用としては30度未満の範囲とすることができる。さまざまなシステム偏波を使用することができる。例としては、同一偏波、交差偏波、楕円偏波、右旋円偏波、および/または左旋円偏波が含まれる。
【0010】
ある種の天然繊維および合成繊維は、そのような周波数および波長の放射に対して透過性または半透過性となることができ、そのような素材の下に位置する表面を検出および/または撮像することができる。検問の対象が、衣服を着た個人である場合には、衣服によって覆われていない人体部分と同様に、衣服によって覆われている部分に関する画像情報をシステム20によって得ることができる。さらに、人物によって衣服の下に携行されている物体に関連する画像情報についても、それらの物体がどのようにその人物の身に付けられているかを問わず、武器および密輸品用に使用されているものなど、金属および非金属の物体組成に関して、システム20を用いて提供することができる。
【0011】
コントローラ21は、センサ装置26を操作するように適合されることができる。図示されている例では、センサ装置は撮像装置28であり、コントローラは、受信された放射から被写体の画像を表す画像データを生成するように適合されている。補助被写体情報源30は、人物36によって携行されている可能性のある物体38に関係付けることができる被写体32に関する情報を提供する。この情報源は、撮像装置28とは異なるタイプのものとすることができる。そしてコントローラは、生成された画像信号と被写体情報とを関係付ける関係情報を生成するように適合されている。
【0012】
いくつかの監視システム20においては、被写体情報の補助情報源30は、被写体位置の人物によって携行されている可能性のある物体の所与の特性を検出するように適合されている第2のセンサ装置26である。そのようなシステム20内のコントローラ21は、所与の特性を有する物体を人物が携行しているかどうかに関する関係情報を生成するようにしかるべく適合されている。第2のセンサ装置は、さまざまな被写体情報のうちの1つまたは複数を検出するように適合されることができる。このセンサ装置は、その他のセンサ装置と順にまたは同時に機能することができる。たとえば第2のセンサ装置は、金属、爆発物、またはその他の化学物質などの物質や、網膜像、人相、指紋、身体のすべてまたは一部分の容量的または局所解剖学的な表示、その他の生体識別上の特徴など、人物36を識別する特徴、そして警備または警察などの特定のグループに所属する人員を表す記章など、識別用または類別用のバッジまたは記章、あるいはRFIDデバイスのうちの1つまたは複数を検出することができる。微量元素の検出は、イオン質量分析、四重極共鳴、フーリエ変換赤外分光、蒸気検出、化学生物学的感知、レーザー計測、蛍光、DNA分析、およびMEMSに基づくことができる。任意選択で、補助情報源30は、メモリ内に保存されているコンテキストデータを含むことができる。コンテキストデータは、特定の人物に関して以前に検出または入力された情報に関連する履歴データ、銃またはその他の警備用もしくは警察用デバイスなどの特定のタイプの物体を携行するためにその人物が有している可能性のある何らかの許可証、あるいは監視対象の人物によって携行されている物体の重大性を監視システム20の操作者が見抜いて見極める上で役立つと考えられるその他のデータなど、人物、またはその人物によって携行されている可能性のある物体に関連する。
【0013】
コントローラ21は、デジタル回路、アナログ回路、あるいはその双方など、画像データを処理するための任意の適切なコンポーネントの形態でプロセッサ40を含むことができる。プロセッサ40は、コンピュータまたはマイクロプロセッサ、専用のハードワイヤードの状態マシン、論理演算装置、あるいはこれらの組合せなど、プログラム可能なものとすることができる。複数のプロセッサの形態に関しては、必要に応じて、分散処理、パイプライン型処理、および/または並列処理を利用することができる。
【0014】
プロセッサ40は、メモリ42を含むことができる。メモリ42は、ソリッドステートメモリ、電磁式メモリ、光メモリ、あるいはこれらの組合せとすることができ、また揮発性および/または不揮発性のものとすることができる。さらに、常駐のハードドライブ、RAM(random access memory)などの専用のものとすることもでき、あるいはR.M.D.(removable memory device)などの取り外し可能なものとすることもできる。現在、典型的な取り外し可能なメモリデバイスとしては、フロッピー(登録商標)ディスク、テープカートリッジ、光ディスク(CD-ROMまたはDVD)、あるいはその他の適切なタイプのものが含まれる。メモリ42は、別のプロセッサおよび/またはネットワークを介して有線または無線の通信リンクによってプロセッサに結合されるリモートメモリとすることもできる。
【0015】
コントローラ21は、別のシステムまたはその他のリモート出力デバイスへの通信リンクなど、データを受信して出力データを送信するように適合されている適切な入力および/または出力デバイス44に結合されることができる。例示的な入力デバイスとしては、キーボード、マウスまたはその他のカーソル制御デバイス、音声認識入力システム、あるいはその他の適切なデバイスまたはシステムを含むことができる。出力デバイスとしては、視覚または聴覚に訴える警報装置、プリンタ、通信リンク、あるいはCRT(cathode ray tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、プラズマ、OLED(organic light emitting diode)、またはその他の適切なディスプレイのタイプなどのディスプレイを含むことができる。適切な通信リンクとしては、私的なものか、または公的なものかを問わず、LAN(local area network)、MAN(municipal area network)、またはWAN(Wide Area Network)を含むことができる。
【0016】
監視システム20の例示的なオペレーションを示す一般的なフローチャート50が、図2に示されている。2つのデータ取得段階が示されている。被写体情報源24のうちの1つまたは複数が撮像装置28である場合には、それぞれの撮像装置は、画像情報を検出し、検出した信号を生成する。撮像装置としては、理解できるように、音波、光学的放射、赤外線放射、ミリメートル波放射、またはその他の無線周波数放射、テラヘルツ放射、およびX線放射など、受信された適切な形態の放射を使用して、被写体の表面または特性など、被写体のゾーンまたは位置に関係付けることができる情報を検出する装置を含むことができる。画像信号は、52においてそれぞれの撮像装置ごとに取得される。次いで、取得された画像信号が54において処理されて、画像データが構築される。そして画像の特徴が、56において識別される。以降でさらに説明するように、画像データから得られる画像の特徴は、人物36に関連する1つまたは複数の物体38の形状、構成、配置、または位置とすることができる。
【0017】
1つまたは複数の被写体情報源24が非撮像源58である場合には、その非撮像源からのデータが、60において取得される。非撮像源は、物質の一般的な検出、人物36を識別する特徴などのアイテム、あるいは被写体に関連してメモリ内に保存されているコンテキストデータなど、被写体の一般的な特徴を検出するセンサとすることができる。そして画像の特徴が、56において識別される。物質の存在の検出、あるいは人物のIDや、人物の特性、階級、または分類、およびその他の適切な標識または情報は、被写体の特徴とみなされる。
【0018】
次いで、さまざまな被写体情報源24からの画像の特徴が、62においてお互いに相関付けられる。たとえば、人物のそばの物体の撮像装置からの識別は、その人物の中央のゾーンにおける金属の検出、その人物を識別するバッジ、およびその人物が警備員であり、安全性の高い許可証を有していることを示す、以前にメモリ内に保存されたコンテキストデータと相関付けられることができる。
【0019】
次いで、これらの相関付けられた特徴は、64において特徴の組合せに基づいて分類されることができる。特徴の分類は、検出された特徴が、疑わしい物体であるか、または誤った警報であるかの可能性を判定するための論理的なプロセスである。たとえば、ある物体と同じゾーン内で金属が検出されたということは、その物体が金属である可能性が高いということを示している。さらに、その人物が警備員と識別されたならば、その物体は銃である可能性が高い。また、その人物は、自分の職務の一環として、この場所において銃を携行することを許可されている可能性がある。したがって、その物体には、疑わしい物体であるとして高い重要度が与えられるが、その人物の警備員としての立場のために、セキュリティ上のリスクとしては低い重要度が与えられる。
【0020】
プロセッサは、リレーショナルデータベースを使用して、監視されている被写体に関連するさまざまな可能性のある特徴を関連付けることができる。一般的な例として、下記の真理値表は、特徴A、B、およびCとして識別された2つまたは3つの特徴をどのように関連付けることができるかを示している。判定された関係に基づいて、属性、重み付け、または値Vxをそれぞれの組合せに割り当てることができる。この例においては、その条件が属性、重み付け、またはその他の関連する指標を含むことを意図されている値が参照される。これらの値は、アプリケーションに応じて別々の関係に関して異なるものとすることもでき、あるいは同じものとすることもできる。
【0021】
【表1】

【0022】
対応する特徴のいかなるセットにも、重み付け、値、または属性などの対応する関連指標を割り当てることができる。たとえば、目に見える画像とミリメートル波に基づく画像との双方において識別された物体は、その物体が目に見えるために、低い値を有することができる。その一方で、ミリメートル波に基づく画像上で識別された目に見えない物体には、高い値を割り当てることができる。赤外線センサは、隠された物体の存在を確かめるために使用されることもでき、ミリメートル波に基づく撮像を用いても被写体上に検出されない隠された物体を識別することができる。したがって、たとえ画像の物体がまったく検出されなくても、被写体のあるエリアに高い値を割り当てることができる。たとえば、人物の身体に粘着テープで固定されているプラスチック爆弾のシートは、その人物の身体の残りの部分よりも「低温」に見える可能性がある。また、爆発物探知器と金属探知器との組合せを使用して、撮像された物体が、金属片を有するプラスチック爆弾である可能性が高いことを識別することができる。その結果、このような物体には、非常に高い値を与えることができる。
【0023】
したがって物体の(または被写体のエリアの)値は、金属、プラスチック、誘電体、セラミック、組織、繊維、紙、石、植物など、その物体(または被写体)が含んでいる物質に基づくことができる。大きさ、形状、およびエッジ特性など、物体の構造も、値を割り当てる基準とすることができる。薬物、ならびにPTEN、TNT、プラスチック、C-4、およびデータシートなどの爆発物を含む物体の化学的構成も、値を割り当てる基準とすることができる。
【0024】
画像の特徴が分類されると、次いで画像の特徴の組合せに関する以下の結果が、66において生成される。
【0025】
【表2】

【0026】
次いで68において、表示、報告、または警報の条件を介してなど、必要に応じて、さまざまな結果を出力することができる。
【0027】
被写体情報アセンブリを構成できるさまざまな方法が存在する。センサ装置が、被写体位置と相対的に、および別のセンサ装置と相対的に取り付けられている監視システムは、さまざまな移動構成または非移動構成を提供することができる。たとえば所与のセンサ装置は、被写体位置とは相対的に移動するが1つまたは複数の他のセンサ装置とは相対的に移動しないように適合されることができる。図3は、被写体位置34の被写体32と相対的に取り付けられている3つのセンサ装置26を含む被写体情報アセンブリ22のためのさまざまな可能な構成を示している。任意選択で、センサ装置は、移動メカニズムとも呼ばれるモーション装置80によって、被写体位置と、およびお互いと相対的に動かすように取り付けられることができる。モーション装置は、センサ装置を、被写体位置と相対的に、あるいは別のセンサ装置または別のモーション装置と相対的に機械で動かす任意の適切なデバイスである。可能なモーション装置の例としては、ラックに沿って導かれるピニオン上で作動するモータ、あるいはトラックに沿ってセンサ装置を移動させるステッピングモータが含まれる。
【0028】
本明細書で使用される際、指定された要素Mを別の指定された要素Nと相対的に移動させることは、要素Nを要素Mと相対的に移動させるのと同じことを意味している。たとえば、要素Mをあるフレームに固定することができ、そのフレームと相対的に要素Nを移動させることによって、要素Mを要素Nと相対的に移動させることができる。
【0029】
図3に示されている2つのコンポーネントの間の矢印は、対応する関係を表している。たとえば被写体位置34とセンサ装置26との間における直接の矢印は、そのセンサ装置が被写体位置と相対的に移動しないということを表すことを意図している。その一方で、被写体位置とモーション装置との間、およびモーション装置とセンサ装置との間に延びている矢印は、センサ装置が被写体位置と相対的に移動することを示している。これは、たとえば床の上の被写体位置を回転させて、センサ装置を床と相対的に固定しておくことによって、被写体位置を床と相対的に固定しておいて、センサ装置を床に沿って移動させることによって、または被写体位置とセンサ装置とを双方とも独立して床と相対的に移動させることによって、達成することができる。
【0030】
多くの可能な構成が存在し、そのうちの一部が、この図に示されている。たとえば3つのセンサ装置がすべて、被写体位置と相対的に移動するように適合されている場合には、これは、1つ、2つ、または3つ(あるいはそれ以上)のモーション装置によって提供されることができる。2つまたは3つのモーション装置が使用される場合には、2番目以降のモーション装置を1つまたは複数の他のモーション装置と相対的に取り付けることができ、これによって、それぞれの移動装置がどのように操作されるかに応じて複数の方向に同時に移動する機能が潜在的に提供される。
【0031】
図4は、監視システム20内で使用できる被写体情報アセンブリ22のブロック図の形態の任意選択の構成を示している。被写体情報アセンブリ22は、ベースフレーム92を含むことができ、このベースフレーム92は、床またはその他の作業表面とすることができ、これと相対的に第1のセンサ装置26が直接取り付けられる。第1のモータまたはその他のモーション装置80は、ベースフレームと第2のセンサ装置26との間における相対的な動きを提供するために取り付けられる。次いで、被写体位置34を画定する被写体プラットフォーム94を、ベースフレーム92と相対的に取り付けられている第2のモーション装置80と相対的に取り付けることができる。
【0032】
図4に示したように構成されている被写体情報アセンブリ22を有する監視システム20の一例が、図5に示されている。図5のシステム20は、コントローラ21を含み、このコントローラ21は、被写体位置34を画定する監視ステーションまたはポータル100内に取り付けられている被写体情報アセンブリ22を制御するように適合されている。この例においては、被写体情報アセンブリ22は、アクティブなミリメートル波撮像装置102の形態の第1のセンサ装置26を含み、この第1のセンサ装置26は、前述のように、被写体32に100MHz(Megahertz)〜2THz(Teraheriz)の周波数範囲の電磁放射を照射して、反射された放射を検出することによって、被写体32を検問するように適合されている。
【0033】
図5に示されているように、被写体32は、システム20による検問のために提示されている人物36を含む。人物36は、衣服104を着用して図示されており、この衣服104には物体38が隠されており、武器の形態で図示されている。被写体32は、システム30の検問ステーションまたはポータル100内に配置される。ポータル100は、セキュリティチェックポイントに設置するように構成されることができ、このセキュリティチェックポイントでは、人物が身に付けている武器または密輸品などの物体を検知することが望ましい。ポータル100は、プラットフォーム106を含むことができ、このプラットフォーム106は、モータ108の形態のモーション装置80に接続されている。プラットフォーム106は、被写体32を支えるように構成されることができる。モータ108は、被写体32がその上に配置されている間に回転軸Rを中心にして選択的に回転するように構成されることができる。図示されている構成に関しては、軸Rは、垂直にすることができ、被写体32は、軸Rおよびプラットフォーム106と相対的にほぼ中央の被写体位置34内に配置されることができる。
【0034】
撮像装置102は、アンテナ装置110を含むことができ、このアンテナ装置110は、一次複数素子感知アレイ112を含む。被写体情報アセンブリ22は、フレーム114を含むことができ、このフレーム114の上でアレイ112が支えられる。アレイ112は、フレーム114の全長を延ばすことができる。モータ108は、プラットフォーム106、および被写体32を、軸Rを中心にして回転させる。結果として、アレイ112は、軸Rを中心にしてほぼ環状の経路を描く。アンテナアレイは、半径Rから約0.5〜約2メートルとすることができる。
【0035】
アンテナアレイ112は、多数の直線状に配置された素子116を含むことができ、それらのうちのごく一部分が図示されている。それぞれの素子116は、放射の送信専用または受信専用とすることができ、これらの素子は、2つのほぼ垂直な列に配置されることができ、一方の列が送信専用となり、他方の列が受信専用となる。これらの素子の数および間隔は、使用される波長および所望の解像度に対応する。一連の200〜約600個の素子は、約2メートルまたは2.5メートルの縦の長さにわたることができる。
【0036】
被写体情報アセンブリ22は、第2のセンサ装置118を含む。任意選択で、第3のセンサ装置120などのさらなるセンサ装置を第2のセンサ装置118に取り付けることができる。第2のセンサ装置は、フレーム114に沿って縦に移動させるために、プライムムーバ122などの移動メカニズムによって取り付けられることができる。したがって、プラットフォーム106が軸Rを中心にして回転するにつれて、センサ装置118は、センサの縦の位置と被写体の回転位置とに対応する被写体のゾーンまたは場所をスキャンする。
【0037】
ポータル100およびアンテナ装置110のためのその他のさまざまな構成を使用することができる。たとえば、固定された被写体プラットフォームの周りを移動するアレイ、あるいは縦に移動して横に延びるアレイと同様に、2次元の送信/受信アレイを使用することができる。さらに、アンテナ装置の多くの変形形態が可能である。アンテナ装置は、1つまたは複数のアンテナユニットを含むことができ、それぞれのアンテナユニットは、1つまたは複数の送信アンテナと、1つまたは複数の受信アンテナとを含むことができる。アンテナユニットは、単独のアンテナによる送信に応答して放射を受信できる複数のアンテナを含むことができる。これらのアンテナは、スロットライン、パッチ、エンドファイア、導波路、ダイポール、半導体、またはレーザーなどの電磁放射を送信したり受信したりするように構成されている任意の適切なタイプとすることができる。アンテナは、送信と受信の双方を行うことができる。アンテナユニットは、直線偏波、楕円偏波、または旋円偏波などの類似した偏波または類似していない偏波された波形を送信したり受信したりする1つまたは複数の個々のアンテナを有することができ、アプリケーションに応じて狭いまたは広い角度の放射ビームパターンを有することができる。ビーム幅は、ホログラフィックな技術を使用する撮像アプリケーション用としては、比較的広く、すなわち30〜120度にすることができ、その一方で、狭い視野の要件を有するアプリケーション用としては、0〜30度の範囲の狭いビーム幅を使用することができる。
【0038】
さらに、単独のアンテナは、被写体の周りの1次元または2次元の経路を機械で移動することによって、被写体をスキャンすることができる。アンテナユニットの1次元または2次元のアレイは、被写体を電子的に機械でスキャンすることができる。撮像システムは、1つまたは複数のアンテナ装置を含むことができる。アンテナ装置は、適切なレードーム機材によって環境から保護されることができ、このレードーム機材は、アンテナ装置またはアレイに必要とされる機械の動きに応じて、装置の一部とすることもでき、あるいは別個のものとすることもできる。その他のアレイ構成の例は、2003年12月5日に出願された「Millimeter-Wave Active Imaging System」という名称の同時係属の特許出願第10/728456号に示されており、これを参照によって本明細書に組み込む。
【0039】
アンテナ装置48は、インパルスデュレーションに応じて約1GHz(Gigahertz)〜約2THzの範囲から、または約100MHz〜約15GHzの範囲から選択された電磁放射を送信および受信するように構成することができる。約1GHz〜約300GHzの範囲も使用することができ、約5GHz〜約110GHzの範囲は、撮像用として特に有用である。24GHz〜30GHzの範囲は、一部のアンテナ装置において使用される。アンテナ装置は、受信された放射を表す画像信号68を生成する。
【0040】
第2および第3のセンサ装置のさまざまな構成も可能である。たとえば、複数のセンサ装置118を定位置のアンテナアレイ112に沿って取り付けることができる。それぞれのセンサ装置118または120は、(受信機などの)センサユニット121を被写体位置34の一方の側部に、そしてセンサユニット123として表示されているような(送信機などの)相補的なユニットを反対側の側部に、または間隔を空けたその他の位置に有することができる。
【0041】
コントローラ21は、被写体情報アセンブリ22のオペレーションを制御することができる。コントローラ21は、トランシーバ124を含むことができ、このトランシーバ124は、送信用の素子116を一度に1つだけ用いて被写体32を照射して、同時に1つまたは複数の素子116を用いて受信を行うように構成されている切り替えツリー126を含む。トランシーバ124は、プラットフォーム106および被写体が回転するにつれて、送信アンテナ素子および受信アンテナ素子のそれぞれの組合せを連続してアクティブにするように導いて、縦の方向に沿って被写体32の一部分のスキャンを提供するためのロジックを含むことができる。
【0042】
アンテナ装置110から受信された画像信号125は、周波数においてシフトダウンし、処理のための適切なフォーマットを有する画像信号127へと変換することができる。1つの形態においては、トランシーバ124は、米国特許第5859609号に記載されているようなバイスタティックヘテロダインFM/CW(Frequency Modulated Continuous Wave)タイプのものとすることができる。その他の例は、米国特許第5557283号および第5455590号に記載されている。その他の実施形態においては、重なる周波数範囲または重ならない周波数範囲を有するさまざまなトランシーバおよび感知素子の構成を混合したものを利用することができ、インパルスタイプ、単安定ホモダインタイプ、バイスタティックヘテロダインタイプ、および/またはその他の適切なタイプのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0043】
トランシーバ124は、画像信号127を1つまたは複数のプロセッサ40に提供することができる。プロセッサ40は、必要に応じて、画像データを処理するための任意の適切なコンポーネントを含むことができる。プロセッサ40は、適切なタイプおよび数のメモリ42に結合される。上述のように、メモリ42は、取り外し可能なメモリデバイス129、ならびにその他のタイプのメモリデバイスを含むことができる。
【0044】
コントローラ21は、モータ108、プライムムーバ122、または使用されるその他の移動メカニズムに結合して、プラットフォーム106の回転またはセンサ装置26の移動を選択的に制御することができる。コントローラ21は、モニタ/制御ステーション128内に格納することができ、このモニタ/制御ステーション128はまた、操作者入力デバイス130および1つまたは複数のディスプレイまたはその他のタイプの出力デバイス132など、1つまたは複数の入力/出力デバイス44を含む。
【0045】
図6は、上述のように監視システム20内で使用できる被写体情報アセンブリ22の別の実施形態の単純化した側面図を示している。この例においては、被写体情報アセンブリ22は、左垂直材142と右垂直材144とを含むベースフレーム140を有する。第1の情報源24は、撮像装置28の形態のセンサ装置26であり、とりわけ、図5を参照して説明したものなどのアンテナ装置110である。
【0046】
アンテナ装置110は、アレイ素子116を含み、このアレイ素子116は、図示されていない第1の移動メカニズムによって、縦に移動するようにフレーム140に取り付けられることができる。第2のセンサ装置26は、やはり図示されていない第2のモーション装置によって、中間フレーム146と相対的に取り付けられることができる。そして中間フレーム146は、やはり図示されていないさらなるモーションアセンブリによって、ベースフレーム140と相対的に取り付けられることができる。したがって図6に示されている被写体情報アセンブリ22は、第1および第2のセンサ装置26の独立した移動を提供することができる。任意選択で、第2のセンサ装置26'を、第1のセンサ装置26と共にアンテナ装置110と相対的に(アンテナ装置110に沿って)移動するために中間フレーム146'上に取り付けることができる。
【0047】
監視システム20内で使用できるポータル100用の被写体情報アセンブリ22のさらなる変形形態の簡略化された上面図が、図7に示されている。この例においては、被写体情報源24は、第1および第2のセンサ装置26を含む。第1のセンサ装置26'は、横のアレイ112'として形成されているアンテナ装置110'を有する前述のようなアクティブなミリメートル波撮像装置28'を含む。アレイ112'は、さまざまな構成を有することができ、被写体位置34の被写体32の周りに好都合な円弧150の状態で延びているアレイ素子116と共に示されている。
【0048】
アレイ112'は、対向する遠位端部114aおよび114bを有するフレーム114上に取り付けられた状態で示されている。第2のセンサ装置26"はまた、それぞれフレーム端部114aおよび114b上に取り付けられている第1のセンサユニット152および第2のセンサユニット154を含む。センサユニット152および154は、同じタイプのセンサとすることもでき、あるいは単一のセンサユニットで十分な場合には、別々のタイプのセンサとすることもできる。センサ装置26"が、発信または送信ユニットと、間隔の空いた相補的な受信ユニットとを必要とするタイプのものである場合には、2つのセンサユニットは、必要とされる2つのコンポーネントとすることができる。このようなセンサ装置の例としては、金属探知器、いくつかの撮像システム、および微量化学物質探知器が含まれる。微量化学物質探知器を使用すれば、1つのセンサユニットが、ファンなどによって被写体に空気を向けることができ、第2のセンサユニットが、その空気を吸い込み、そしてその空気が、対象の1つまたは複数の微量元素がないかどうかについてチェックされる。
【0049】
撮像アレイ112と共に縦に移動することによって、第2のセンサ装置26"は、撮像アレイの位置に対応するレベルで被写体情報を感知する。結果として、どの補助的な被写体情報が検出されるかに対応する画像の位置またはゾーン内の画像の特性を被写体情報に相関付けて、検出された被写体の画像に関連するさらなる情報を提供することができる。第2のセンサ装置のためのその他の構成も、実現することができる。たとえばセンサユニットは、フレーム114の固定された部分の定位置に取り付けられることができる。また、複数のセンサユニットをフレーム114の固定された部分に沿って縦に分散させ、アレイ112'から独立した定位置に取り付けて、ゾーン別の被写体情報を提供することができる。任意選択で、センサユニットは、撮像装置28'から独立して取り付けられることができ、図3に示されている被写体情報アセンブリ22を参照して論じたように、移動させることもでき、あるいは移動させないこともできる。たとえばセンサユニットは、監視対象の人物によって触れられるカード、トークン、またはその他のアイテムを受け入れるためのデバイスとすることができ、そしてそのアイテムが、微量元素がないかどうかについてテストされる。微量元素を得るための別の技術は、撮像中に人物が握る取っ手の中にセンサユニットを取り付けることである。取っ手の表面をふき取るか、または取り外して、微量元素がないかどうかについてテストすることができ、あるいはテストのために取っ手の全体を通じて、または取っ手の周りにわたって空気を吸い込むことができる。
【0050】
移動メカニズム80は、第1および第2のセンサ装置26を縦に移動させるように適合されている。したがって被写体32については、アレイを上から下へ、または下から上へ縦に移動させることによって、片側を撮像することができる。次いで被写体の両側を撮像するためには、被写体の反対側をスキャンすることが必要である。これは、被写体に向きを変えさせることなど、さまざまな方法で達成されることができる。任意選択で、図示されているアレイに対向する第2のアレイを提供することができる。また、図示されているアレイを被写体位置の周りに回転させることもできる。
【0051】
以降は、監視対象の被写体のプライバシーに対する懸念を保護するために被写体のぼかした画像を提供するための、ならびに監視対象の人物によって携行されている物体を含んでいる疑いのある画像部分を自動的に識別するための方法を示す説明である。この説明は、コンピュータメモリ内におけるデータビットのオペレーションの表示画像、アルゴリズム、およびシンボル表示という観点から大部分が提示される。さまざまな相互接続された個別のソフトウェアモジュールまたは機能として1つのプログラムまたはアルゴリズムを実装することが好ましいかもしれない。ただしこれは必須ではない。というのは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアは、多くの異なる方法で構成されることができ、単一のプロセッサおよびプログラムへと集約して、境界を目立たなくすることができるためである。
【0052】
アルゴリズムは一般に、所望の結果へつながるステップの首尾一貫したシーケンスであるとみなされる。これらのステップは、物理量の物理的な操作を必要とする。通常は、必須ではないが、これらの量は、保存、転送、結合、比較、およびその他の形で操作できる電気信号または磁気信号の形態を取る。保存される際、これらは、保存、転送、結合、比較、およびその他の形で操作されることができる。保存される際、これらは、任意のコンピュータ可読メディア内に保存されることができる。慣例として、これらの信号は、データ、ビット、値、要素、シンボル、文字、画像、用語、数字などを指すことができる。これらおよび類似の用語は、適切な物理量に関連付けられることができ、これらの量に適用される便宜上のラベルである。
【0053】
本開示はまた、前述のような、これらのオペレーションを実行するための装置に関する。この装置は、必要とされる目的に専用のものとして構築されることもでき、あるいは汎用コンピュータまたはその他の装置内に保存されているコンピュータプログラムによって選択的に作動または再構成される汎用コンピュータを含むこともできる。具体的には、さまざまな汎用マシンを本明細書の教示によるプログラムと共に使用することができ、あるいは必要とされる方法のステップを実行するためのさらに特化した装置を構築する方がより便利であることが判明するかもしれない。さまざまなこれらのマシンに必要とされる構造は、以降で与えられる説明から明らかになるであろう。開示されているオペレーションを実行するのに役立つマシンとしては、前述のように、汎用デジタルコンピュータ、マイクロプロセッサ、またはその他の類似のデバイスが含まれる。
【0054】
説明されているプログラムは、単一のメモリ内に、あるいは単一のマシン内にさえ常駐する必要はない。そのさまざまな部分、モジュール、または機能は、別々のメモリ内に、あるいは別々のマシン内にさえ常駐することができる。それらの別々のマシンは、直接、あるいはLAN(local access network)などのネットワーク、またはいわゆるインターネットなどのグローバルなもしくは広域のネットワークを通じて接続されることができる。同様に、ユーザが互いに一緒にいる必要はなく、それぞれのユーザが、プログラムの一部を格納しているマシンを有しているだけでよい。
【0055】
撮像されている人物に関連付けることができる物体を識別するためのさまざまな技術を使用することができる。たとえば被写体の第1の画像が得られると、物体は、システムの操作者によって、または自動的に、視覚的に検出される。手動による検出が使用される場合には、図8の画像など、第1のすなわち最初の画像160をシステムモニタ上に表示することができる。次いで操作者は、物体である疑いがある画像の位置またはエリアを識別することができる。たとえば図9は、疑わしいエリアの周りの輪郭164によって画定されている図8の画像の一部を拡大した第2の画像162を示している。このようなエリアを画定することができ、拡大された画像は、画像強化アルゴリズムを用いて生成されることができる。このようなプログラムは、選択された疑わしいエリア内の領域の、より鮮明な画像を生成するために、画像の強化および解像度の向上を提供することもできる。たとえばこのプログラムは、疑わしいエリアを撮像するのに使用される画素すなわちピクセルの数を増やすことができる。補間技術などの画像強化ツールを使用して、画像をよりくっきりさせることができる。
【0056】
人物以外の可能性のある物体を含む疑わしいエリアが識別されると、アンテナ装置を使用して、その疑わしいエリアのより詳細な画像を提供することができる。たとえば、図示されていない第2のアンテナアレイを使用して、最初に提供されたものよりも、さらに詳細に疑わしいエリアを撮像し直すことができる。
【0057】
任意選択で、撮像アレイを使用して、疑わしいエリアを撮像し直すことができる。被写体をアンテナアレイと相対的に移動させる速度を落とすことによって、あるいはアンテナアレイにとってのスキャニング速度を上げることによってなど、被写体の表面積あたりの放射を増やすことによって、解像度を高めることができる。アレイ内のアンテナ素子の一部分を使用して、第1の低い解像度の画像を生成し、被写体の選択された領域に対応するアンテナ素子のすべてを使用して、第2のさらに高い解像度の画像を生成することも可能かもしれない。
【0058】
したがって画像信号が、第1の画像に対応する画像信号の一部分に手を加えたものであるか、または選択された被写体エリアの再スキャンに対応する画像信号の一部分であるかを問わず、第1の画像よりも高い解像度を有する第2の画像を生成することができる。次いで、この画像を操作者による観察用として表示して、物体が存在するかどうかを、そして存在する場合には、その物体の性質をよりよく判断することができる。
【0059】
画像データの特性を自動的に分析して、物体を含む可能性のある画像のエリアが、存在する可能性があるかどうかを判断することもできる。既知の物体の画像の特性と一致する特性を有する被写体画像の領域を識別することができる。画像の疑わしいエリアを自動的に識別することによって、システムの操作者の注意をそのようなエリアに向けることができ、その情報を使用して警報を作動させることができ、またその情報を使用して、疑わしいエリアの再スキャンを開始するか、あるいはその他の形で画像の解像度を高めることができる。
【0060】
人物によって携行されている物体は、人物が身に付けて隠している物体の付近では「波打ったテクスチャ」の外観を有する可能性があるということが分かっている。図8は、人工の物体を身に付けているマネキンの画像160の一例を示している。この画像は、人間の画像に相当するものである。この図においては、ナイフの画像が腹部に現れており、銃の画像が背中に現れている。図9に示されている第2の画像162は、図8に示されているナイフの画像を拡大したものである。高い強度レベルと低い強度レベルとが交互に現れる画素を有すること、すなわち明るい領域および暗い領域として見えることを特徴とする画像は、物体ではないかと疑うことができる。この強度レベルの変動するパターン、すなわち波打ったテクスチャのパターンは、物体の上および/または周りの画像内に見て取ることができる。
【0061】
この波打ちは、波打ち検出カーネルを用いて画像を畳み込むことによって検出されることができる。例示的なカーネルが、下記の値の5×5のマトリックスによって与えられる。
【0062】
【表3】

【0063】
上記の数字のセットの「波打った」性質が、図10にグラフィカルに示されており、ここでは、ピクセルの位置に対応する5行×5列のグリッドの相対的な大きさが示されている。カーネルの行および列内の値は、より高い値とより低い値との間で、すなわちこの場合は、負の値と正の値との間でシフトする。これが、「波打った」という用語のゆえんである。
【0064】
上記のカーネルの数字は、対応する5×5の正方形の画素をカバーする小さな画像ウィンドウと考えられることができ、このウィンドウは、画像の上を(画像の連続した対応する部分に関連付けられて)動かされる。カーネル内のそれぞれの値は、(そのすぐ下の)対応する画像強度の値によって乗算され、その演算の最終結果は、25回の乗算の結果を合計したものである。一般に、ウィンドウがかぶさるピクセルの強度の相対的な値が、カーネル内の相対的な値に近ければ近いほど、結果として生じる合計の大きさ、すなわち絶対値が大きくなる。
【0065】
このオペレーションの図解が、図11Aおよび図11Bに示されており、カーネルウィンドウの2つの連続した位置が示されている。これらの図においては、円170が、被写体画像172を構成するピクセルの強度レベルを表している。正方形174は、カーネルの「ウィンドウ」を表しており、カーネルの値は、三角形176によって表されている。正方形174の左に破線で示されている三角形176'は、前の計算中にウィンドウ174内に含まれていたピクセルの行を単に表している。上述のように、それぞれのカーネルの値は、その値がウィンドウの所与の位置において関連付けられているピクセルの強度レベルによって乗算される。結果として生じる25個の積が合計される。その合計の絶対値が、基準ピクセルRに割り当てられ、この基準ピクセルRは、適切とみなされる任意のピクセル位置とすることができる。この例においては、ウィンドウの中央のピクセルが、基準ピクセルとみなされている。
【0066】
この合計は、基準ピクセルに関連付けられている25個のピクセルの、カーネルによって表される相対的なバリエーションまたはテクスチャに対する相関関係の表示を提供する。この合計の絶対値が大きければ大きいほど、相関付けの度合いが高くなる。
【0067】
図11Bは、次のステップ中のウィンドウ174の位置を示しており、ここではウィンドウは、1ピクセル行だけ右にシフトされている。このプロセスは、被写体画像172が、画像のそれぞれのピクセルまたは選択されたピクセルに関する上述の演算の結果を含むその値を用いて、新しい「画像」へと畳み込まれるまで継続する。一定のダイナミックレンジを占めるために平滑化および引き伸ばしを行った後の新しい画像が、図12に示されている「波打ち画像」180であり、ここでは、より明るいエリアが、波打ちテクスチャが局所的に存在することを示している。すなわち図12の画像は、選択された被写体画像の特性が存在する度合いをマッピングしたものである。波打ちの最も大きく最も明るい領域は、オリジナルの被写体画像でナイフおよび銃があった場所に現れているということが、この波打ち画像において見て取れる。
【0068】
波打ち画像がオリジナルの被写体画像から生成されると、波打ち画像の最も明るい領域は、その画像上でしきい値の分析を実行することによって識別することができる。結果として生じる画像を、より均一なものにするために、小さいコントラストの領域または穴を取り除くこともできる。この分析においては、白色に対応するものなど、はっきりと区別できる強度レベルを、最大限度の80パーセントなど、少なくとも1つの選択された強度または波打ちの値を有する波打ち画像の領域に割り当てることによって、図13に示されているような新しい画像182が生成される。その他の領域には、ゼロまたは黒色のレベルの強度など、区別できる値が割り当てられる。そしてこの画像は、選択された画像特性に関して強力な相関関係が存在する領域を示す。
【0069】
意図しているのは、疑わしい物体が存在する被写体画像の領域をグラフィカルに識別することである。そしてこれらの領域をシステムの操作者に対して表示するか、またはその他の形で識別することができ、それによってシステムの操作者は、画像または被写体をさらに評価することができる。上記のプロセスの結果、人物が身に付けている物体に相当する可能性の低い重要でない領域が識別される可能性がある。したがってその画像は、強調表示されているスポットを拡張し、そして重要ではないと予想される比較的小さな領域を削除することによってクリーンアップされることができる。拡張とは、強調表示されている領域を広げるプロセスである。これを行う1つの方法は、分析またはカーネルの別の「ウィンドウ」を画像の全体にわたって動かすことである。所与の基準ピクセルに関して、あらかじめ設定されているしきい値よりも白いピクセルが存在する場合には、ウィンドウ全体におけるそれらのピクセルが白くされる。例示的な結果が、拡張された画像184として図14に示されている。
【0070】
疑わしい物体のエリアの撮像を単純化するために、強調表示されている領域を囲む長方形を識別することができる。図15は、このようなプロセスの結果として得られる画像186を示している。これらの長方形の領域は、それまで強調表示されていた領域よりもサイズが大きい。また、いくつかの領域は、複数の疑わしいエリアを含むことができる。
【0071】
この画像を再び拡張して、狭い間隔の空いたエリアどうしをさらに結合することができる。このような1つのプロセスの結果として得られる画像188が、図16に示されている。この場合、図16の画像は図15の画像とほとんど同じであることが見て取れる。拡張のためのさまざまな基準によって、さまざまな結果を生み出すことができる。そしてこの画像を使用して、疑わしいエリアの最終的なマスクを作成することができる。
【0072】
被写体画像上の物体の識別を容易にするために、図17に示されているように、図16の画像から得られた疑わしいエリアの輪郭をオリジナルの画像の表示に追加することができる。この図に示されている画像190は、図8に示されているオリジナルの画像160を、画像188によって画定された疑わしい領域の輪郭と共に複製したものである。任意選択で、以降の図18および図19に示されているように、疑わしいエリア内のオリジナルの被写体画像の一部分を図12の画像180などの修正された被写体画像上に重ね合わせて、被写体の人物のプライバシーに対する懸念を保護することができる。
【0073】
上述のように、監視システム20は、被写体の画像ならびに補助的な被写体情報の双方を提供するように構成されることができる。補助的な被写体情報の情報源は、金属探知器などのセンサの形態とすることができる。図5〜図7に示されている被写体情報アセンブリ22を参照して説明したように、被写体の領域内で金属を検出することができる。これらの領域は、図7に示されているセンサ装置26"によって提供され得るような複数の縦に分散されたゾーンとすることができる。
【0074】
図18は、監視システム20の出力デバイス132の表示200を示している。表示200は、コンピュータによって生成された制御パネルの表示202、表示された被写体画像204、および補助センサ出力表示206とすることができる。制御パネル202は、制御キー210など、さまざまな表示/システムオペレーション制御208を含むことができる。
【0075】
1つまたは複数の被写体画像204のさまざまな構成を提供することができる。この例においては、被写体の周りを45度ずつ移動した被写体の見え方に対応する画像の8つのフレーム212が示されている。それぞれのフレームは、被写体画像214を含み、この被写体画像214は、この例においては、図8〜図17を参照して説明したプロセスによって提供されるような被写体のプライバシー画像216である。物体識別アルゴリズムによって識別される領域など、詳細な被写体画像の疑わしい領域218は、上述のようにプライバシー画像上に重ね合わされる。8つのフレームの中から選択された1つが拡大されて、第1の画像220として表示される。この拡大されたフレームは、疑わしい領域を拡大したものを含み、それらの疑わしい領域が、操作者にとって見やすくなる。
【0076】
補助表示206は、第2のセンサ装置26のオペレーションの結果を視覚的に関連付ける。この例においては、第2のセンサ装置は、人物の身体のさまざまな縦のゾーン内における金属の存在について判断する金属探知器とすることができる。表示要素222が、画像220の検出されたゾーンのそれぞれと位置合わせされている。この場合の表示要素は、陽性の状態を有しており、これは、被写体の対応するゾーン内で金属が検出された場合に、濃い色の表示またはそれと分かる色によって表される。特定のゾーンに関して金属がまったく検出されない場合には、表示要素は陰性の状態を有し、これは、明るい色の表示またはそれと分かる色によって表される。被写体画像と相対的に、第2のセンサ装置の結果を表示するために、その他のシンボル、印、または表示を使用することもできる。
【0077】
図18に示されている選択された第1の画像220に関しては、疑わしい領域218は、骨盤、胴体下部、および頭の領域に存在することが見て取れる。一番上およびその下の3番目の金属表示要素222は、陽性であることが示されており、その他の要素は陰性であり、これら2つのゾーンのそれぞれにおいて識別された物体のうちの1つまたは複数が金属製であることが示されている。この結果に基づいて、監視対象の人物が関連の施設に入らないように見張るか、またはその人物を取り押さえるか、あるいはその状況において適切と考えられるその他の任意の行動を取ることができる。
【0078】
被写体の1つまたは複数の特定の位置において検出された情報の一致または相関関係がある場合には、1つまたは複数の画像をさらに拡大するか、または刈り込んで、注意の焦点を絞り、金属が検出される疑わしい領域またはゾーンのさらなる詳細を提供することができる。提供できるさらなる表示230が、図19に示されている。この表示は、一般に表示200と同じ機能を有し、対応する機能は、ダッシュを伴って示されている。画像フレーム212'および第1の画像220'は、再配置され、拡大され、および/または刈り込まれて、疑わしい領域218が表示されており、疑わしい領域または陽性の金属検出の表示を有していない連続したゾーンが取り除かれている。拡大された第1の画像232などの拡大された画像は、さらなる変更を伴わずに提供されることもでき、あるいは解像度を高めることもできる。画像の解像度は、画像強化/編集ソフトウェアによって、ならびに同じアレイをさらに高い解像度のモードで使用して、またはさらに細かい解像度のアレイを使用して被写体を再スキャンすることによって、高められることができる。
【0079】
図には示されていないが、監視システムは、疑わしい領域がまったく識別されていないが、しかし補助的なセンサが物質またはその他の特性を検出した被写体の領域の画像を提供するように適合されることもできる。疑わしい領域がまったく識別されていないゾーン内において金属が検出された場合には、影響を受けるゾーンの画像を拡大することによって、解像度または詳細度を高めて、そのゾーン内に外部の物体が存在するかどうかが示される。
【0080】
添付の請求項において定義される本発明について、前述の実施形態を参照して詳細に示し、説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく前述の実施形態において多くの変更を行うことができるということを当業者なら理解できるであろう。特徴、機能、要素、および/または特性のその他の組合せおよび副次的な組合せについては、本請求項の補正、あるいは本出願または関連出願における新しい請求項の提示を通じて特許請求することができる。そのような補正された請求項または新しい請求項はまた、別々の組合せを対象とするか、あるいは同じ組合せを対象とするかを問わず、元の請求項と比べて範囲が異なっているか、広いか、狭いか、あるいは等しいかを問わず、本開示の主題内に含まれるものとみなされる。
【0081】
前述の実施形態は例示的なものであり、いかなる単一の機能または要素も、本出願または後の出願において特許請求できるすべての可能な組合せに対して必須となることはない。請求項が、「1つの」または「第1の」要素、あるいはそれと同等のものに言及している場合、そのような請求項は、1つまたは複数のそのような要素を含むものであり、複数のそのような要素を必須とするものでもなく、除外するものでもないと理解すべきである。さらに、識別される要素に関する第1、第2、および第3などの基数の表示は、それらの要素どうしを区別するために使用されており、その他の具体的な記載がない限り、そのような要素の数が必須であったり限定されたりすることを示すものでもなく、そのような要素の特定の位置または順序を示すものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示に記載されている方法および装置は、保安警備業界、モニタリング関連業界、および監視および撮像システムが利用されるその他の業界に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】撮像源と補助被写体情報源とを有する一般的な監視システムを示すブロック図である。
【図2】図1の監視システムのオペレーションの方法の一例を示す一般的なフローチャートである。
【図3】図1の監視システムにおいて使用することができ、被写体と相対的に移動する最大で3つのセンサを有する被写体情報アセンブリのためのさまざまな可能な構成を示す例示的な図である。
【図4】2つのセンサ装置を有する図3の被写体情報アセンブリの一例を示すブロック図である。
【図5】図4の被写体情報アセンブリを含む図1による監視の一例を示す一般的な図である。
【図6】図3の被写体情報アセンブリの別の例を示す側面図である。
【図7】図3の被写体情報アセンブリのさらに別の例を示す上面図である。
【図8】マネキン上の衣服によって隠されている物体を有するマネキンを示す、ミリメートル波撮像システムによって生成された画像である。
【図9】物体を示している図8の画像の一部を拡大した図である。
【図10】物体検出用に使用されるカーネルの値をグラフィックに示す図である。
【図11A】画像へのカーネルの適用を示すステップのシーケンスを示す図である。
【図11B】画像へのカーネルの適用を示すステップのシーケンスを示す図である。
【図12】画像の疑わしいエリアを識別するために図10のカーネルを図8の画像に適用した結果として得られる画像である。
【図13】しきい値を図12の画像に適用した結果として得られる画像である。
【図14】図13の画像の強調表示されているエリアを拡張して小さな領域を取り除いた結果として得られる画像である。
【図15】周りを囲む長方形を図14の画像の強調表示されているエリアに適用した結果として得られる画像である。
【図16】図15の画像の強調表示されているエリアを拡張した結果として得られる画像である。
【図17】オリジナルの画像内の疑わしい領域に相当する図16の強調表示されているエリアの輪郭を重ね合わせた図8のオリジナルの画像のコピーである。
【図18】撮像装置と、金属が検出される被写体および被写体のゾーンのさまざまな疑わしい領域を識別するゾーン別の金属探知器とを有する監視システムの例示的な表示を示す図である。
【図19】図18に類似した表示を示す図であり、被写体画像が刈り込まれ、第1の画像が拡大されて、金属を検出した被写体画像の部分が示されている。
【符号の説明】
【0084】
20 監視システム
21 コントローラ
24 情報源
26 センサ装置
32 被写体
34 被写体位置
36 人物
38 物体
80 移動メカニズム
125 画像信号
127 画像信号
160 画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体位置(34)より離れた位置から、約100MHz〜約2THzの周波数範囲の第1の電磁放射を前記被写体位置(34)の被写体(32)に向けて送信してその被写体(32)から該放射を受信するように適合されており、前記受信された放射から、前記被写体位置(34)の人物(36)と前記人物(36)によって携行されている検出可能な物体(38)との少なくとも一部分を含む前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(160)を表す第1の画像信号(127)を生成する第1のセンサ装置(26)と、
前記第1のセンサ装置(26)とは異なるタイプの情報源であり、前記人物(36)によって携行されている可能性のある物体(38)に関係付けることができる前記被写体(32)に関する被写体情報の情報源(24)と、
前記第1のセンサ装置(26)のオペレーションを制御するように、ならびに前記生成された画像信号(127)および前記被写体情報から、前記生成された画像信号(127)と前記被写体情報とを関係付ける関係情報を生成するように適合されているコントローラ(21)と
を含むことを特徴とする監視システム(20)。
【請求項2】
前記センサ装置(26)および前記コントローラ(21)が、前記被写体(32)の少なくとも一部分の3次元のホログラフィックな第1の画像(160)に対応する画像データを生成するように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項3】
被写体情報の前記情報源(24)が、前記人物(36)によって携行されている可能性のある物体(38)に関する第1の物体情報を検出するように適合されている第2のセンサ装置(26)であり、
前記コントローラ(21)が、前記物体情報を含む物体(38)を前記人物(36)が携行しているかどうかを示す物体データを生成するように適合されている
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム(20)。
【請求項4】
前記物体情報が、金属物質、爆発物質、および所与の化学物質のうちの1つまたは複数である
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム(20)。
【請求項5】
前記コントローラ(21)が、前記人物(36)が身に付けている物体(38)に対応する特性を前記画像(160)が含んでいるかどうかを示す第1の物体画像データを生成するように、および前記物体データを前記物体画像データに関係付けるように適合されている
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム(20)。
【請求項6】
前記情報源(24)が、前記被写体(32)から送信された第2の放射を検出するように、および受信された第2の放射を表す第2の画像信号(127)を生成するように適合されている第2のセンサ装置(26)であり、
前記コントローラ(21)が、前記それぞれの第1および第2の画像信号(127)から第1および第2の画像データを生成するように、ならびに前記第1の画像データと前記第2の画像データとを関係付ける関係情報を生成するようにさらに適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項7】
前記コントローラ(21)が、前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第1の画像特性を含む前記第1の画像データの一部分を示す第1の物体画像データを生成するように、前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第2の画像特性を含む前記第2の画像データの一部分を示す第2の物体画像データを生成するように、および前記第1の物体画像データを前記第2の物体画像データに関係付ける前記関係情報を生成するように適合されている
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム(20)。
【請求項8】
前記コントローラ(21)が、前記被写体(32)の同じ一部分の付近に配置された1つまたは複数の物体(38)を示す第1および第2の物体画像データを識別するように、ならびに前記第1および第2の物体画像データから物体(38)が識別される前記被写体(32)の前記一部分を識別する関係情報を生成するようにさらに適合されている
ことを特徴とする請求項7に記載のシステム(20)。
【請求項9】
前記コントローラ(21)が、相対的な重み付け、値、属性、および関連する指標のうちの1つまたは複数を、前記関係情報に少なくとも部分的に基づいて識別されたそれぞれの物体(38)に割り当てるようにさらに適合されている
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム(20)。
【請求項10】
前記第2のセンサ装置(26)が、少なくとも1つの特定の範囲の周波数の電磁放射を検出する
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム(20)。
【請求項11】
前記第2のセンサ装置(26)が、可視光放射、赤外線放射、無線周波数放射、テラヘルツ放射、およびX線放射のうちの1つまたは複数を検出する
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記情報源(24)が、前記人物(36)の別々の関連付けられているエリアに関する前記被写体情報を検出するように適合されている第2のセンサ装置(26)であり、
前記コントローラ(21)が、前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第1の画像特性を含む画像(160)の一部分を示す第1の物体画像データを生成するように、および関連付けられているエリアにおける検出された被写体情報を、前記関連付けられているエリアに対応する前記画像の一部分に関する物体画像データに関係付ける前記関係情報を生成するように適合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1および第2のセンサ装置を前記被写体位置と相対的に移動させるように適合されている第1の移動メカニズム(80)をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1および第2のセンサ装置(26)のうちの一方を他方と相対的に移動させるように適合されている第2の移動メカニズム(80)をさらに含む
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラ(21)が、前記人物(36)が身に付けている物体(38)に対応する特性を前記第1の画像(160)が含んでいるかどうかを示す物体画像データを生成するように、および物体特性を含む前記画像(160)の一部分を前記物体画像データが示している場合に前記第2のセンサ装置(26)を前記被写体位置(34)と相対的に移動させるように前記第2の移動メカニズムを制御するように適合されている
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
検出可能な物体(38)に関すると共に前記第1の物体情報とは異なる第2の物体情報を検出するように適合されるが、約100MHz〜約2THzの周波数範囲の電磁放射を前記被写体に向けて送信してその被写体から該放射を受信するようには適合されていない第3のセンサ装置(26)をさらに含む
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム(20)。
【請求項17】
前記第2の移動メカニズム(80)が、前記第3のセンサ装置(26)を移動させるように適合されており、
前記第1の物体情報が前記第2のセンサ装置(26)によって検出されない場合に、前記第3のセンサ装置(26)を前記被写体位置(34)と相対的に移動させるように前記第2の移動メカニズム(80)を制御するように前記コントローラ(21)が適合されている
ことを特徴とする請求項16に記載のシステム(20)。
【請求項18】
前記情報源(24)が、金属、爆発物、化学物質、および前記人物(36)を識別する特徴のうちの1つまたは複数を検出するように適合されている第2のセンサ装置(26)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項19】
前記情報源(24)が、前記人物(36)を識別する特徴を検出するように適合されている第2のセンサ装置(26)を含み、
前記情報源(24)が、前記人物(36)を識別する前記特徴を、前記識別する特徴に関連付けられているそれぞれの人物(36)によって携行されている可能性のある隠された物体(38)に関するポリシーに関係付けるコンテキスト情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項20】
前記コントローラ(21)が、前記コンテキスト情報に少なくとも部分的に基づいて識別されたそれぞれの物体(38)に相対的な値を割り当てるようにさらに適合されている
ことを特徴とする請求項19に記載のシステム(20)。
【請求項21】
前記情報源(24)が、前記人物(36)の特性を識別する情報を受信するように適合されており、
前記情報源(24)が、前記識別する情報を、前記識別する情報が当てはまるそれぞれの人物(36)によって携行されている可能性のある隠された物体(38)に関するポリシーに関係付けるコンテキスト情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項22】
前記情報源(24)が、前記人物(36)に関連付けられている識別するアイテムを検出するように、および前記識別する情報を生成するように適合されている第2のセンサ装置(26)を含む
ことを特徴とする請求項21に記載のシステム(20)。
【請求項23】
前記識別するアイテムが、前記人物(36)、および前記人物(36)によって携行されている識別する物体(38)のうちの1つまたは複数の物理的な特徴である
ことを特徴とする請求項22に記載のシステム(20)。
【請求項24】
前記識別するアイテムが、指紋、網膜像、人相、および容量的な表示のうちの1つまたは複数の物理的な特徴である
ことを特徴とする請求項23に記載のシステム(20)。
【請求項25】
前記識別するアイテムが、バッジおよび無線周波数識別デバイスのうちの1つまたは複数の識別する物体(38)である
ことを特徴とする請求項23に記載のシステム(20)。
【請求項26】
人物(36)と前記人物(36)によって携行されている物体(38)とを含む、被写体位置(34)の被写体(32)を監視する方法であって、
被写体位置(34)より離れた位置から、約100MHz〜約2THzの周波数範囲の第1の電磁放射を、被写体位置(34)の人物(36)と前記人物(36)によって携行されている検出可能な物体(38)との少なくとも一部分を含む、前記被写体位置(34)の被写体(32)に向けて送信するステップと、
前記被写体(32)から反射されて送信された放射を受信するステップと、
前記受信された放射から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(160)を表す第1の画像信号(127)を生成するステップと、
前記人物(36)によって携行されている可能性のある物体(38)に関係付けることができると共に、前記画像信号から得られるものではない、前記被写体(32)に関する被写体情報を保存するステップと、
前記画像信号(127)と前記被写体情報とを関係付ける関係情報を生成するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記被写体(32)の少なくとも一部分の3次元のホログラフィックな第1の画像(160)に対応する画像データを生成するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記人物(36)によって携行されている可能性のある物体(38)に関する第1の物体情報を前記画像信号(127)以外の情報源(24)から検出するステップと、
前記物体情報に少なくとも部分的に基づいて、前記人物(36)が物体(38)を携行しているかどうかを示す物体データを生成するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
物体情報を検出するステップが、金属物質、爆発物質、および所与の化学物質のうちの1つまたは複数を検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記人物(36)が身に付けている物体(38)に対応する特性を前記画像(160)が含んでいるかどうかを示す第1の物体画像データを前記画像信号(127)から生成するステップと、
前記物体データを前記物体画像データに関係付けるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記被写体(32)から送信された第2の放射を検出するステップと、
受信された第2の放射を表す第2の画像信号(127)を生成するステップと、
前記それぞれの第1および第2の画像信号(127)から第1および第2の画像データを生成するステップと
をさらに含み、
前記関係情報を生成するステップが、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを関係付ける関係情報を生成するステップを含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第1の画像特性を含む前記第1の画像データの一部分を示す第1の物体画像データを生成するステップと、
前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第2の画像特性を含む前記第2の画像データの一部分を示す第2の物体画像データを生成するステップと
をさらに含み、
前記関係情報を生成するステップが、前記第1の物体画像データを前記第2の物体画像データに関係付ける関係情報を生成するステップを含む
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記被写体(32)の同じ一部分の付近に配置された1つまたは複数の物体(38)を示す第1および第2の物体画像データを識別するステップと、
前記第1および第2の物体画像データから物体(38)が識別される前記被写体(32)の前記部分を識別する関係情報を生成するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記関係情報に基づいて識別されたそれぞれの物体に相対的な値を割り当てるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の放射を検出するステップが、光学的放射、赤外線放射、無線周波数放射、テラヘルツ放射、およびX線放射のうちの1つまたは複数を検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記人物(36)の別々の関連付けられているエリアに関する前記被写体情報を検出するステップと、
前記人物(36)によって携行されている1つまたは複数の物体(38)に対応する第1の画像特性を含む画像(160)の一部分を示す第1の物体画像データを前記画像信号(127)から生成するステップと
をさらに含み、
前記関係情報を生成するステップが、関連付けられているエリアにおける被写体情報を、前記関連付けられているエリアに対応する前記画像(160)の一部分に関する物体画像データに関係付ける関係情報を生成するステップを含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項37】
放射を送信して受信するステップが、第1のセンサ装置(26)を使用して放射を送信して受信するステップを含み、
前記被写体情報を検出するステップが、第2のセンサ装置(26)を使用して被写体情報を検出するステップを含む方法であって、
送信中、受信中、および検出中に、前記第1および第2のセンサ装置(26)を前記被写体位置(34)と相対的に移動させるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1および第2のセンサ装置(26)のうちの一方を他方(26)と相対的に移動させるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記人物(36)が身に付けている物体(38)に対応する特性を前記第1の画像が含んでいるかどうかを示す物体画像データを生成するステップと、
画像特性を含む前記画像(160)の一部分を前記物体画像データが示している場合に、前記第2のセンサ装置(26)を前記被写体位置(34)と相対的に移動させるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第3のセンサ装置(26)を用いて、検出可能な物体(38)に関すると共に前記第1の物体情報および前記画像信号(127)とは異なる第2の物体情報を検出するステップと、
前記第1の物体情報が前記第2のセンサ装置(26)によって検出されない場合に、前記第2の物体情報を検出している間に前記第3のセンサ装置(26)を移動させるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記被写体情報が、金属物質、爆発物質、化学物質、および前記人物を識別する特徴のうちの1つまたは複数を含む方法であって、
前記被写体(32)において、金属物質、爆発物質、化学物質、および前記人物を識別する特徴のうちの1つまたは複数を検出するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記人物(36)を識別する特徴を検出するステップをさらに含み、
前記被写体情報を保存するステップが、前記人物(36)を識別する前記特徴を、前記識別する特徴に関連付けられているそれぞれの人物(36)によって携行されている可能性のある隠された物体(38)の妥当性に関するポリシーに関係付けるコンテキスト情報を保存するステップを含む
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項43】
前記コンテキスト情報に基づいて識別されたそれぞれの物体(38)に相対的な値を割り当てるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記被写体情報を保存するステップが、
前記人物(36)の特性を識別する情報を保存するステップと、
前記識別する情報を、前記識別する情報が当てはまるそれぞれの人物(36)によって携行されている可能性のある隠された物体(38)の妥当性に関するポリシーに関係付けるコンテキスト情報を保存するステップと
を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項45】
前記人物(36)に関連付けられている識別するアイテムを検出するステップと、
前記識別するアイテムに基づいて前記識別する情報を生成するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記識別するアイテムを検出するステップが、前記人物(36)の物理的な特徴および前記人物(36)によって携行されている識別する物体(38)のうちの1つまたは複数を検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記識別するアイテムを検出するステップが、指紋、網膜像、人相、および容量的な表示のうちの1つまたは複数を検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記識別するアイテムを検出するステップが、バッジおよび無線周波数識別デバイスのうちの1つまたは複数を検出するステップを含む
ことを特徴とする請求項46に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2007−536506(P2007−536506A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508412(P2007−508412)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/012041
【国際公開番号】WO2005/101295
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506188600)セイフビュー・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】