説明

複素環系PKB調節剤

本発明は、タンパク質キナーゼB(PKB)が介在する疾患を治療する上で有用な式Iの複素環化合物およびそれの組成物(可変要素は式(I)について本明細書で提供される定義を有する。)に関するものである。本発明は、異常細胞増殖、癌、炎症および代謝障害関連の疾患状態を治療する上での、そのような化合物およびそれの組成物の治療的使用に関するものでもある。



Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iの化合物または該化合物の製薬上許容される塩、水和物、立体異性体もしくは混合物
【化1】

[式中、
Yは、
【化2】


から選択され、
波線は、Xへの結合箇所を示し、
Dは、N、C、OまたはSから選択され;
Eは、NまたはCから選択され;
Kは、N、C、OまたはSから選択され;
Gは、NまたはCから選択され:
Jは、N、C、OまたはSから選択され;ならびにさらに、
D、E、K、GおよびJのうちの少なくとも一つがC以外であり;
DがNであり、EがCであり、GがCであり、ならびにJがCである場合、KはS以外であり;
DがNであり、JがNであり、EがCであり、ならびにGがCである場合、KはS以外であり;
D、KおよびJのうちの0または1個がOまたはSから選択され;
E、D、K、GおよびJのうちの少なくとも2個がCであり;
点線は環原子間の第2の結合が存在していても良いことを示し;
環Aは2個の二重結合を含み;
Xは、−N(R10)−または−CR10a10b−であり;
は、JがOまたはSである場合は非存在であり;または
は、JがNの場合は−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)−O−R11、−(C−Cハロアルキル)−O−R11、−(C−Cアルケニル)−O−R11、−(C−Cアルキル)N(R10、−(C−Cアルキル)アリール、−CHR12−N(H)−R11、−CHR12−O−R11、C−Cアルキニル、(C−Cアルキニル)−O−R11、−(C−Cアルキニル)(C−Cシクロアルキル)、−(C−Cアルキニル)(C−Cシクロアルケニル)、−(C−Cアルキニル)−N(R10)S(O)−R11、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルから選択され;またはJがNであり、ならびにJとGの間の結合またはJとDの間の結合のうちのいずれかが二重結合である場合、Rは非存在であり;または
は、JがCである場合、−H、ハロ、−OR11、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)−O−R11、−(C−Cハロアルキル)−O−R11、−(C−Cアルケニル)−O−R11、−(C−Cアルキル)N(R10、−(C−Cアルキル)アリール、−C(O)R11、−C(O)O−R11、−C(O)N(R10、−CHR12−N(H)−R11、−CHR12−O−R11、C−Cアルキニル、(C−Cアルキニル)−O−R11、−C≡N、−(C−Cアルキニル)(C−Cシクロアルキル)、−(C−Cアルキニル)(C−Cシクロアルケニル)、−(C−Cアルキニル)−N(R10)S(O)−R11、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され;
は、炭素環系であるか複素環系であり;
は、KがSまたはOである場合は非存在であり;または
は、KがNである場合、−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリールまたはアリールから選択され;またはKがNであり、KとEの間の結合またはKとGの間の結合のいずれかが二重結合である場合、非存在であり;または
は、KがCである場合、−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリールまたはアリールから選択され;
は、DがSまたはOである場合は非存在であり;または
は、DがNである場合は−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリールまたはアリールから選択され;またはDがNであり、DとEの間の結合またはDとJの間の結合のいずれかが二重結合である場合、非存在であり;または
は、DがCである場合−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリールまたはアリールから選択され;
は、−H、C−Cアルキル、−C(O)(CR1314)N(R10、−C(O)(CR1314、−C(O)(CR1314、−(CR1314(アリール)、−(CR1314(ヘテロアリール)、−(CR1314(シクロアルキル)または−(CR1314(複素環)であり;
およびR10は各場合で、独立に−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリールまたは−C(O)(C−Cアルキル)から選択され;
は、−H、−OR11、−O−(C−Cアルキル)−O−R11、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−(C−Cアルキル)−O−R11または−(C−Cアルキル)−O−C(O)−R11であり;
は、−HまたはC−Cアルキルであり;
は、−H、−OR11、−O−(C−Cアルキル)−O−R11、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−(C−Cアルキル)−O−R11または−(C−Cアルキル)−O−C(O)−R11であり;
10aおよびR10bは独立に、−H、C−Cアルキル、−(C−Cアルキル)アリール、NRまたは−C(O)(C−Cアルキル)から選択され;
11は、−H、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、−(C−Cアルキル)アリール、アリール、ヘテロアリール、C−Cヒドロキシアルキルまたは−(C−Cアルキル)−O−(C−Cアルキル)、シクロアルキルまたは複素環から選択され;
12、R13およびR14は各場合で独立に、−H、C−Cアルキルまたはアリールから選択され;
Zは、アリールまたはヘテロアリールであり;ならびに
各tは独立に、0、1、2または3から選択され;
ならびにさらには、
上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環部分のそれぞれならびに複素環および炭素環は、独立に、
アミノ、
−Cアルコキシ、
ハロによって置換されていても良いC−Cアルキル、
アリール、
ハロ、
ヒドロキシル、
ヘテロアリール、
−Cヒドロキシアルキルまたは
−NHS(O)−(C−Cアルキル)
から選択される1から5個の置換基によって置換されていても良いアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環、
−Cアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C、−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−Cヒドロキシアルコキシ、C−Cアルキルアミノ、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニル(これらはそれぞれ、1以上のヘテロ原子によって中断されていても良い。)、
シアノ、
ハロ、
ヒドロキシル、
ニトロ、
オキソ、
−NH(CO)−O−(C−Cアルキル)アリール、−NH(CO)−O−(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)(CO)−O−(C−Cアルキル)アリール、−N(C−Cアルキル)(CO)−O−(C−Cアルキル)、−C(O)OH、−C(O)O(C−Cアルキル)、−C(O)NH、−C(O)N(H)−(C−Cアルキル)、−C(O)N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−(C−Cアルケニル)複素環または−(C−Cアルケニル)シクロアルキルまたは−O−アリール
から選択される1から3個の置換基で置換されていても良い。]。
【請求項2】
化合物が下記式I′
【化3】

を有する請求項1の化合物。
【請求項3】
Xが−N(R10)−である請求項1または請求項2の化合物。
【請求項4】
Xが−CR10a10b−である請求項1または請求項2の化合物。
【請求項5】
E、D、K、GおよびJのうちの2個がCであり、ならびにE、D、K、GおよびJのうちの他の3個がC以外である請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項6】
E、D、K、GおよびJのうちの3個がCであり、ならびにE、D、K、GおよびJのうちの他の2個がC以外である請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項7】
E、D、K、GおよびJのうちの4個がCであり、ならびにE、D、K、GおよびJのうちの他の1個がC以外である請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項8】
化合物が、
【化3】




から選択される式を有する請求項1から3のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項9】
化合物が式IAを有する請求項8の化合物。
【請求項10】
化合物が式IBを有する請求項8の化合物。
【請求項11】
化合物が式ICを有する請求項8の化合物。
【請求項12】
化合物が式IDを有する請求項8の化合物。
【請求項13】
化合物が式IEを有する請求項8の化合物。
【請求項14】
化合物が式IKを有する請求項8の化合物。
【請求項15】
化合物が、
【化4】






から選択される式を有する請求項1から3のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項16】
式Iの化合物が、式IIIA
【化5】

を有する請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項17】
式Iの化合物が、式IIIB
【化6】

を有する請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項18】
式Iの化合物が、式IIIC
【化7】

を有する請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項19】
式Iの化合物が、式IIID
【化8】

を有する請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項20】
式Iの化合物が、式IIIE
【化9】

を有する請求項1から4のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項21】
が−Hである請求項1の化合物。
【請求項22】
が−HまたはC−Cアルキルである請求項1から21のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項23】
が−Hまたはメチルである請求項22の化合物。
【請求項24】
が−Hである請求項1から23のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項25】
が−Hである請求項1から24のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項26】
が−OR11、−O−(C−Cアルキル)−O−R11、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−(C−Cアルキル)−O−R11または−(C−Cアルキル)−O−C(O)−R11である請求項1から24のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項27】
が−H、メチル、エチル、プロピル、エテニル、プロペニル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、−CH−O−C(O)−(C−Cアルキル)、1−ヒドロキシエチルまたはメトキシメトキシから選択される請求項1から24のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項28】
Zが置換されていても良いフェニル、置換されていても良いインドリル、置換されていても良いナフチル、置換されていても良いピリジルまたは置換されていても良いチオフェニルから選択される請求項1から27のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項29】
Zがフェニル、インドリル、ナフチル、ピリジルまたはチオフェニルであり、それらがそれぞれ−Cl、−F、−CF、−OH、−O−(C−Cアルキル)、−O−(C−Cアルキル)−Cl、−O−(C−Cアルキル)−OH、−C−Cアルキル、−OCF、−NH(CO)−O−(C−Cアルキル)アリールまたは−NH(CO)−O−(C−Cアルキル)から選択される1から3個の置換基で置換されていても良い請求項28の化合物。
【請求項30】
Zが、フェニル、インドリル、ナフチル、ピリジル、チオフェニル、4−クロロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−クロロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、4−(3−クロロプロポキシ)フェニル、4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、5−メトキシ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メトキシ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルフェニル、5−クロロチオフェン−2−イル、3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニルまたは−NH−C(O)−O−CH−フェニルにより4位で置換されているフェニルから選択される請求項28の化合物。
【請求項31】
10がHである請求項1から3および請求項5から30のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項32】
およびRがそれぞれHである請求項1から31のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項33】
が−HまたはC−Cアルキルであり、Rが−Hであり、ならびにRが−H、−OR11、−O−(C−Cアルキル)−O−R11、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−(C−Cアルキル)−O−R11または−(C−Cアルキル)−O−C(O)−R11である請求項1から3のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項34】
が−OR11、−O−(C−Cアルキル)−O−R11、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−(C−Cアルキル)−O−R11または−(C−Cアルキル)−O−C(O)−R11である請求項33の化合物。
【請求項35】
、RおよびR10がいずれもHである請求項34の化合物。
【請求項36】
の炭素環系または複素環系が少なくとも1個の芳香環を有する請求項1から35のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項37】
が、置換されていても良いフェニル、ピリジル、インダゾリル、イソキノリニル、チアゾロピリジニル、ベンゾチアゾロニル、ジヒドロキノリノニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾロニル、インドリノニル、ベンゾイミダゾロニル、フタラジニル、ナフチリジニル、チエノピリジニル、ベンゾジオキソリル、イソインドリノニル、キナゾリニルまたはシンノリニルから選択される請求項1から35のうちのいずれか一項の化合物。
【請求項38】
が、下記の基のいずれかから選択される請求項1から35のうちのいずれか一項の化合物
【化10】


(基は置換されていても良く、ならびに波線は環Aへの結合箇所を示す。)。
【請求項39】
が、下記の基のいずれかから選択される請求項1から35のうちのいずれか一項の化合物
【化11】



(波線は環Aへの結合箇所を示す。)。
【請求項40】
が、−H、−C≡N、−Br、−Cl、−OH、−CF、−CH、−CHCH、−CHCHOH、−C(H)(CH)OCH、−CHOCHCF、−CHN(H)CH、−CHN(CH、−CFCHOH、シクロプロピル、フラニル、テトラヒドロフラニル、フェニル、2,3−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、ピリジル、オキサゾリル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、−C(O)OMe、−C(O)N(H)CHCHOH、−C(O)N(H)CH、−C(O)NH、−C(O)N(CHまたは下記の基のいずれかから選択される基から選択される請求項1から39のうちのいずれか一項の化合物
【化12】

(波線は環Aへの結合箇所を示す。)。
【請求項41】
製薬上許容される担体および請求項1から40のうちのいずれか一項の化合物を含む医薬組成物。
【請求項42】
少なくとも1種類の別の治療薬をさらに含む請求項41の組成物。
【請求項43】
治療上有効量の請求項1から40のうちのいずれか一項の化合物または請求項41もしくは請求項42の組成物を哺乳動物に投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物でのキナーゼ介在障害の治療方法。
【請求項44】
障害にIGF−IR、インシュリン受容体、KDR、Tie2、EGFR、PKA、PKB、PKC、FKHR、TSC1/2、SGK、LCK、BTK、Erk、MSK、MK2、MSK、p38、P70S6K、PIM1、PIM2、ROCK2、GSK3またはCDK複合体が介在する請求項43の方法。
【請求項45】
障害にPKBが介在する請求項43の方法。
【請求項46】
方法がPKBの選択的阻害を含む請求項45の方法。
【請求項47】
方法がPKBαの選択的阻害を含む請求項43の方法。
【請求項48】
障害が癌である請求項43の方法。
【請求項49】
治療上有効量の請求項1から40のうちのいずれか一項の化合物または請求項41もしくは請求項42の組成物を哺乳動物に投与する段階を有する、処置を必要とする哺乳動物での増殖関連障害の治療方法。
【請求項50】
障害が異常細胞増殖である請求項49の方法。
【請求項51】
障害が炎症または炎症関連障害である請求項49の方法。
【請求項52】
障害が代謝疾患である請求項49の方法。
【請求項53】
代謝疾患が糖尿病である請求項52の方法。
【請求項54】
障害が癌である請求項49の方法。
【請求項55】
癌が固形腫瘍である請求項54の方法。
【請求項56】
PKBが介在する疾患を治療するための医薬製造における請求項1から40のうちのいずれか一項の化合物の使用。
【請求項57】
疾患にPKBαが介在する請求項56の使用。
【請求項58】
疾患が癌である請求項56の使用。
【請求項59】
癌が固形腫瘍である請求項58の使用。

【公表番号】特表2010−533715(P2010−533715A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517014(P2010−517014)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/008723
【国際公開番号】WO2009/011880
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【Fターム(参考)】