説明

親水性及び疎水性薬剤の組合せによる薬剤の制御放出のための改良処方物

【課題】眼病治療において、制御持続性薬剤放出のために処方される生物分解性インプラントの提供。
【解決手段】眼病治療剤としてステロイド(特に、抗炎症剤デキサメタゾン)がPLGAコポリマー(ポリ乳酸/ポリグリコール酸コポリマー)のマトリックス中に分散されたインプラントであり、該インプラントはファイバー、シート、フィルム、微小球、球、円板、及びプラークからなる群から選ばれる形状を有する医薬デリバリー装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
産業上の利用分野
制御持続性薬剤放出のために処方される生物分解性インプラント。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
活性成分の持続的放出を提供する固体の薬学的に活性なインプラントは、身体中で相対的に均一濃度の活性成分を提供し得る。インプラントは特に、特定の標的部位での局所的高濃度を長時間提供するのに有用である。これらの持続性放出形態は投与される薬剤の投与回数を低減し、伝統的薬剤療法に伴って認められる薬剤濃度のピーク及び谷間をなくす。生物分解性薬剤供給系の使用はさらに、効力の無くなったインプラントを標的部位から除去する必要がないという利点を有する。
【0003】
遅延放出インプラントの予期される利点の多くは、相対的に一定レベルの持続性放出に依っている。しかしながら、生物分解性基質を有する疎水性薬剤の処方物は、基質の侵食が起きる(その時点で薬剤のダンピングが認められる)まで放出をほとんど又は全く示さない放出プロフィールを有する。
【0004】
必要な外科的操作の量を低減し、有効レベルの薬剤を眼に特異的に提供し得るために、植込可能な薬剤を処方する場合に、眼は特に興味深い。溶液を眼に直接注入すると、薬剤は迅速に洗い出るか又は眼の中から全身循環中に出される。治療的見地からは、これは薬剤を全然投与しないと同じくらい無益であると思われる。薬剤を眼に供給するこの固有の難しさのために、眼病の好結果をもたらす医学的処置は不十分である。
【0005】
一定薬剤放出率を可能にする改良型時効性放出処方物は、医学的及び獣医学的用途にとって少なからず興味がある。
【0006】
関連文献
米国特許第4,997,652 号及び第5,164,188 号は、眼性症状の治療のために眼の前眼房又は後区中に導入するための生物適合性インプラントを開示する。
【0007】
Heller, Biodegradable Polymers in Controlled Drug Delivery, in : CRC Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, Vol. 1, CRC Press, Boca Raton, FL, 1987, pp 39-90 は、制御薬剤供給のためのカプセル封入を記載する。Heller in : Hydrogels in Medicine and Pharmacy, N.A.Peppes ed., Vol. III, CRC Press, Boca Raton, FL, 1987, pp137-149 はさらに、生物侵食性ポリマーを記載する。
【0008】
Anderson et al., Contraception (1976) 13:375 及び Milleret al., J. Biomed. Materials Res.(1977) 11:711 は、ポリ(dL−乳酸)の種々の特性を記載する。米国特許第5,075,115 号は、乳酸ポリマー及びコポリマーを有する持続性放出処方物を開示する。
【0009】
Di Colo (1992) Biomaterials 13:850-856 は、疎水性ポリマーからの制御薬剤放出を記載する。
【発明の開示】
【0010】
本発明の要約
制御持続性薬剤放出を提供するために処方される生物分解性インプラントに関する組成物及び方法を提供する。放出速度はインプラント中の疎水性及び親水性薬剤の組合せにより調節される。放出調節剤は、放出速度を加速又は遅延するよう作用する。任意に、調節剤は治療的活性薬剤である。本発明は、活性薬剤を限定放出プロフィールと組合せた持続性放出インプラントを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
特定の実施態様の説明
制御薬剤放出は、緩徐放出生物分解性インプラントの改良型処方物により達成される。インプラントからの薬剤の放出速度は、インプラントへの放出調節剤の付加により調節される。疎水性薬剤の放出はインプラント中の促進剤の含入により増大され、一方遅延剤が含まれて、親水性薬剤の放出速度を低減する。放出調節剤は生理学的に不活性であるか、又は治療的活性薬剤である。当該処方物としては、抗炎症薬、例えば眼に活性な薬剤と併用されるグルココルチコイド、NSAIDS等が挙げられる。
【0012】
治療的活性薬剤の放出速度は、インプラントのポリマーマトリックスを通過する輸送速度及び調節剤の作用により制御される。放出速度を調節することにより、薬剤は、所望の時間中、治療的用量範囲内で実質的に一定速度で放出される。放出速度は通常は、所望の期間中は約100 %を超えて変化することはなく、さらに通常は約50%を超えない。薬剤は、薬剤を必要とする特定の部位(単数又は複数)で利用され、有効用量で保持される。
【0013】
ポリマーバリアを通過する薬剤の輸送は、薬剤の溶解性、ポリマー親水性、ポリマーの架橋程度、ポリマーバリアを薬剤により透過性にするような水吸収時のポリマーの膨張、インプラントの形状寸法等の影響を受ける。高薬剤負荷時、即ち理論的パーコレーション閾値以上の負荷濃度では、パーコレーション理論は、薬剤供給系マトリックスから浸出する薬剤の可能性を予測する。このような場合、放出調節剤は浸出工程を減速するのに有用である。
【0014】
放出調節剤は、限定された方法で生物分解性インプラントからの薬剤の放出を変える作用物である。それは促進剤又は遅延剤でもあり得る。促進剤は親水性化合物であって、疎水性物質と組合せて用いて放出速度を増大する。親水性剤は、周囲温度で水中での溶解度が少なくとも約100 μg/mlの化合物である。疎水性剤は、周囲温度での水中の溶解度が約100 μg/ml未満である化合物である。
【0015】
放出調整剤を有する処方物から利益を得る治療的活性薬剤としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:アンギオテンシン変換酵素阻害薬;基底膜に影響を及ぼす内生的サイトカイン;内皮細胞の成長に影響を及ぼす薬剤;アドレナリン作働性作働薬又は遮断薬;アルドースレダクトース阻害薬;鎮痛薬;麻酔薬;抗アレルギー薬;抗菌薬;抗繊維症薬;抗真菌薬、例えばアンホテラシンB;抗緑内障薬;抗高血圧又は低血圧薬;抗炎症薬;抗新生物形成薬;抗原生動物薬;抗腫瘍薬;抗ウイルス薬;カルボニックアンヒドラーゼ阻害薬;キレート化剤;コリン作働薬;コリンエステラーゼ阻害薬;CNS(中枢神経系)興奮薬;避妊薬;ドパミン受容体作働薬又は拮抗薬;エストロゲン;糖質コルチコイド;グルコシダーゼ阻害薬;放出因子;成長ホルモン阻害薬;成長刺激薬;溶血薬;ヘパリン拮抗薬;免疫調節薬;免疫抑制薬;LH−RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)作働薬;抗有糸分裂薬;NSAID(非ステロイド抗炎症薬);プロゲステロン;血栓崩壊薬;血管拡張薬;血管収縮薬;及びビタミン。典型的には緩徐放出プロフィールを有し、したがって放出促進剤を有する処方物から利益を得る疎水性薬剤としては、以下のものが挙げられる:シクロスポリン、例えばシクロスポリンA、シクロスポリンG等;ビンカ(ニチニチソウ)アルカロイド、例えばビンクリスチン及びビンブラスチン;メトトレキサート;レチン酸;ある種の抗生物質、例えばリファンピンのようなアンサマイシン;ニトロフラン、例えばニフロキサジド;非ステロイド抗炎症薬、例えばジクロフェナック、ケテロラック、フルルビプロフェン、ナプロキセン、スプロフェン、イブプロフェン、アスピリン;ステロイド等。
【0016】
ステロイド、特に抗炎症活性を有するステロイド化合物、即ち糖質コルチコイドは特に関心を引く。糖質コルチコイドの例を下記に示す:
【0017】
【表1】

【0018】
これらのヒドロコルチゾン誘導体は、眼性炎症性疾患の治療に有益である有意の治療作用を有することが認識されており、それらの化学的置換の機能としてその効力及び生物耐容性を変える。
【0019】
以下に、眼性炎症の治療に用いられており、且つ本発明における使用に興味がもたれる糖質コルチコイドの例を示す:デキサメタソンリン酸ナトリウム;プレドニソロンリン酸ナトリウム;酢酸プレドニソロン;酢酸フルオロメトロン;デキサメタソン;フルオロメタロン;及びメドリソン。これらの中で、小薬剤放出率で眼内治療濃度レベルを確立するのに十分であるため、デキサメタソンが最も効力があると考えられ、したがって眼内薬剤供給系に用いるのによい候補である。トリアンシノロンは、持続性放出眼内投与に関して興味のあるもう一つの薬剤である。
【0020】
促進剤は、生理学的に不活性な、水溶性ポリマー、例えば低分子量メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);糖類、例えば単糖類、例えばフルクトース及びグルコース、二糖類、例えばラクトース、スクロース、又は多糖類、通常は中性又は非荷電性の、例えばセルロース、アミロース、デキストラン等である。あるいは、促進剤は生理学的活性薬剤であって、治療処方物と組合せ得る。このような場合の促進剤の選択は、治療的活性の所望の組合せにより確定される。
【0021】
放出遅延剤は、親水性薬剤の放出速度を遅延する疎水性化合物であって、放出をさらに延長し得る。放出調節により利益をこうむる当該親水性薬剤としては、上記のように水溶性抗生物質、ヌクレオチド類似体、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシン、エピネフリン;イソフルルフェート;アドリアマイシン;ブレオマイシン;マイトマイシン;アラビノシルシトシン araC;アクチノマイシンD;スコポラミン等が挙げられる。
【0022】
放出遅延剤としての当該薬剤は、前記のように、非水溶性ポリマー、例えば高分子メチルセルロース及びエチルセルロース等、低水溶性有機化合物、及び薬学的活性疎水性薬剤である。
【0023】
組合せの場合の活性成分として及び/又は活性放出調節剤として興味のある種類の薬剤は、抗菌活性を有する薬剤である。眼の感染の場合に用いて成果を有することが判明している抗細菌薬の例を以下に挙げる:アミノグリコシド、アンフェニコール、アンサマイシン、ラクタム、リンコサミド、マクロリド、ポリペプチド、テトラサイクリン、ジアミノピリミジン、ニトロフラン、キノロン及び類似体、スルホンアミド、スルホン等。一化合物が細菌感染の範囲を網羅しない場合、生成物は一組合せ物質中にいくつかの抗細菌薬を併合し得る。眼性感染の治療に有用な抗生物質の例としては、以下のものが挙げられる:クロラムフェニコール;ポリミキシンb、ネオマイシン、グラミシジン;ネオマイシン;バシトラシン;スルファセタミドナトリウム;ゲンタマイシン;シプロフロキサシン;トブラマイシン;硫酸トリメトプリム;エリスロマイシン;ノルフロキサシン;バンコマイシン;テトラサイクリン及びクロルテトラサイクリン。
【0024】
抗ウイルス薬も興味を引かれる。これらの例としては、多数の水溶性ヌクレオチド類似体、例えばアシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン及びジデオキシシトシンが挙げられる。
【0025】
抗細菌薬として特に興味深いのは、非常に強力な広範囲抗生物質であるキノロンである。これらの薬剤は高活性であるため、低レベルの薬剤で治療濃度に達し得る。これらの例としては、シプロフロキサシン;ノルフロキサシン;オフロキサシン;エノキサシン;ロメフロキサシン;フレロキサシン;テマフロキサシン;トスフロキサシン及びペルフロキサシンが挙げられる。
【0026】
本発明の好ましい実施態様では、インプラントは抗炎症薬、例えば上記のような非ステロイド抗炎症薬又は糖質コルチコイド及び放出調節剤を包含するが、この場合、放出調節剤は眼科的に活性な薬剤である。その組合せは治療すべき特定の症状、例えばウイルス感染、腫瘍、細菌感染等により確定される。次いで、適切な抗炎症薬を選択して、併用治療的活性薬剤の放出プロフィールを最適化する。当該組合せの例としては、抗炎症薬と抗腫瘍薬、例えば糖質コルチコイドとメトキシレート、糖質コルチコイドと5−フルオロウラシル、NSAIDとメトトレキセート;抗炎症薬と抗ウイルス薬、例えば糖質コルチコイド又はNSAIDとビダラビン、アジドチミジン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシトシン、アシクロビル、フォスカルネット又はガンシクロビルとの組合せ;抗炎症薬と抗細菌薬、例えば糖質コルチコイドとキノロン、NSAIDとキノロンが挙げられる。
【0027】
2つの異なる種類の治療薬からの治療薬の同時供給を要する例は、眼の手術である。眼科手術にはしばしば感染と炎症が併在し、したがって薬品は抗炎症薬と抗細菌薬とを同時に投与することができるように製造されている。眼手術後の合併症の治療に関して特に興味深いのは、抗炎症薬と抗細菌薬、例えばデキサメタソンとシプロフロキサシンの組合せを供給する薬剤供給系である。これら2つの薬剤は、その高活性のために、眼内薬剤供給のための良好な候補である。
【0028】
抗炎症薬及び抗生物質又は抗ウイルスの組合せはさらに、付加的治療薬と組合せ得る。付加的薬剤としては、鎮痛薬、例えばコデイン、モルヒネ、ケテロラック、ナプロキセン等;麻酔薬、例えばリドカイン;β−アドレナリン遮断薬又はβ−アドレナリン作働性阻害薬、例えばエフィドリン、エピネフリン等;アルドースレダクターゼ阻害薬、例えばエパルレスタット、ポナルレスタット、ソルビニル、トルレスタット;抗アレルギー薬、例えばクロモリン、ベクロメタソン、デキサメタソン及びフルニソリド;コルヒチンがある。駆虫薬、例えばイベルメクチン及びスラミンナトリウム;抗アメーバ薬、例えばクロロキン及びクロルテトラサイクリン;並びに抗真菌薬、例えばアンホテリシン等を、抗生物質及び抗炎症薬と同時処方し得る。眼内使用のためには、抗緑内障薬、例えばアセトゾルアミド(ジモックス)、ベフノロール、β遮断薬、Ca遮断薬等が、抗炎症薬及び抗微生物薬との組合せで関心を引くものである。新生物形成の治療に関しては、抗新生物薬、特にビンブラスチン、ビンクリスチン、インターフェロンa、b及びg、代謝拮抗物質、例えば葉酸類似体、プリン類似体、ピリミジン類似体を用い得る。免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、シクロスポリン及びミゾリビンが組合せに際して興味を引く。さらに有用な組合せとしては、有糸分裂剤、例えばカルバコール、散瞳剤、例えばアトロピン等、プロテアーゼ阻害剤、例えばアプロチニン、カモスタット、ガベキセート、血管拡張剤、例えばブラディキニン等、及び種々の成長因子、例えば表皮成長因子、塩基性繊維芽細胞成長因子、神経成長因子等が挙げられる。
【0029】
個々に又は組合せてインプラントに用いられる活性薬剤の量は、必要な有効用量及びインプラントからの放出速度により広範に変化する。通常、薬剤はインプラントの少なくとも約1重量%、さらに普通は少なくとも約10重量%、通常は約80%以下、さらに通常は約40重量%以下である。使用される放出調節剤の量は、所望の放出プロフィール、調節剤の活性に、そして調節剤の非存在下では活性薬剤の放出プロフィールに依っている。非常にゆっくりと又は非常に迅速に放出される薬剤は、相対的に多量の調節剤を必要とする。一般に、調節剤はインプラントの少なくとも10重量%、さらに通常は少なくとも約20重量%であって、通常約50重量%以下、さらに普通は約40重量%以下である。
【0030】
活性薬剤の組合せを用いる場合、各活性薬剤の所望の放出プロフィールを確定する。必要な場合には、生理学的に不活性な調節剤を付加して放出プロフィールを精密に制御する。薬剤放出は治療レベルの各活性薬剤を提供する。
【0031】
調節剤及び活性薬剤の正確な割合は、種々の量の調節剤を有するいくつかのインプラントを処方することにより、経験的に確定される。溶解又は放出試験に関するUSP(米国薬局方)承認方法を用いて、放出速度を測定する(USP 23;NF 18(1995)pp.1790-1798)。例えば、無限埋込法を用いて、薬剤供給装置の計量済標本を、4重量部のエタノール及び6重量部の脱イオン水を含有する測定容量の溶液に付加するが、この場合、溶液容量は放出後の薬剤濃度が飽和状態の5%未満であるような量である。混合物を37℃に保持し、ゆっくり攪拌して懸濁液中にインプラントを保持する。時間の一関数としての溶解された薬剤の外見を、当業界で公知の種々の方法により、例えば分光測光的に、HPLC、質量分光等により追跡し得る。媒質中の1時間後の薬剤濃度は投与量中の遊離非カプセル封入薬剤の量を示すが、一方90%の薬剤が放出されるのに要する時間はin vivo 投与の作用の予測される持続時間に関連する。普通は、放出は、相対的に均一の放出を可能にするある平均値から大きく変動することはない。
【0032】
普通では、インプラントは少なくとも約3日間、さらに通常は少なくとも約1週間、そして普通は約1年以下、さらに通常では約3カ月以下の期間中、活性薬剤(単数又は複数)を放出するよう処方される。大半の部分に関しては、インプラントの基質は、植込部位で少なくとも所望の投与期間と等しい、通常は所望の投与期間の少なくとも2倍の生理学的寿命を有し、所望の投与期間の5〜10倍の寿命を有し得る。所望の放出期間は、治療される症状に伴って変化する。例えば、白内障手術後用に意図されたインプラントは、約3日〜1週間の放出期間を有する;ブドウ膜炎の治療は、約4〜6週間の期間の放出を要する;一方サイトメガロウイルス感染に対する治療は3〜6か月又はそれ以上に及ぶ放出を要する。
【0033】
インプラントは植込の部位として選択される領域のサイズ及び形状に釣り合った寸法を有し、植込後は挿入部位から移動しない。インプラントは、標的部位でのインプラントの挿入及びインプラントの収容を促すよう、堅いか又はやや柔軟性がある。インプラントは粒子、シート、パッチ、プラーク、繊維、マイクロカプセル等であって、選択される挿入部位と適合可能なサイズ又は形状である。
【0034】
インプラントは一体構造であって、即ち高分子基質全体に均質に分布された、又は活性薬剤のレザバーが高分子基質によりカプセル封入される場合には、カプセル封入された活性薬剤を有する。製造を容易にするために、一体構造インプラントは通常はカプセル封入形態の方が選択される。しかしながら、カプセル封入化リザーバー型によりもたらされるより大きな制御は、いくつかの環境において有益であって、この場合、治療レベルの薬剤は狭い窓孔内に落ちる。使用される高分子組成物の選択は、投与部位、所望治療期間、患者の耐容性、治療される疾患の性質等により変化する。ポリマーの特性としては、植込部位での生物分解性、当該薬剤との相溶性、カプセル封入の容易性、少なくとも7日、好ましくは2週間以上の生理学的環境中での寿命、水溶性等が挙げられる。ポリマーは通常、インプラントの少なくとも約10重量%、さらに普通は少なくとも約20重量%を構成し、約70重量%又はそれ以上の量を構成し得る。
【0035】
用い得る生物分解性高分子組成物は有機エステル又はエーテルであって、分解されるとモノマーを含めた生理学的に許容可能な分解生成物を生じる。無水物、アミド、オルトエステル等は、それ自体で又は他のモノマーと組合せて、有用である。ポリマーは縮合ポリマーである。ポリマーは架橋されてもされなくてもよく、通常わずかに架橋されるだけであり、一般に5%未満、通常1%未満架橋される。大半の部分に関しては、炭素及び水素の他に、ポリマーは酸素及び窒素を、特に酸素を含む。酸素はオキシ、例えばヒドロキシ又はエーテル、カルボニル、例えば非−オキソ−カルボニル、例えばカルボン酸エステル等として存在し得る。窒素はアミド、シアノ及びアミノとして存在し得る。ポリマーはHeller(上記)に記載されており、有益性が認められている(その記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。
【0036】
特に興味深いのは、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸のポリマー、ホモ−又はコポリマー、及び多糖類である。興味深いポリエステルの例としては、D−乳酸、L−乳酸、ラセミ乳酸、グリコール酸のポリマー、ポリカプロラクトン及びその組合せが挙げられる。L−乳酸塩又はD−乳酸塩を用いることにより、徐々に生物分解するポリマーが達成されるが、一方分解はラセミ化合物により実質的に増強される。グリコール酸と乳酸のコポリマーは特に興味を引かれるものであって、この場合、生物分解速度はグリコール酸対乳酸の比により制御される。最も迅速に分解されるコポリマーは、ほぼ等量のグリコール酸と乳酸を含有する。ホモポリマー又は等しくない比率のコポリマーは、分解に対してより耐性である。
【0037】
多糖類としては、アルギン酸カルシウム、並びに機能性セルロース、特に水不溶性であり、分子量が約5 kD 〜500 kDであること等を特徴とするカルボキシメチルセルロースエステルが挙げられる。生物分解性ヒドロゲルも、本発明のインプラントに用い得る。ヒドロゲルは、典型的には、液体を吸収する能力を特徴とするコポリマー物質である。用い得る生物分解性ヒドロゲルの好例は、Heller:Hydrogels in Medicine and Pharmacy, N.A. Peppes ed., Vol. III, CRC Press, Boca Raton, FL, 1987, pp137-149に記載されている。
【0038】
中心が一物質で表面が同一又は異なる組成物の1つ又はそれ以上の層を有する粒子を調製し得るが、この場合、層は架橋され、異なる分子量を有し、異なる密度又は多孔度等を有する。例えば、中心はポリラクテート−ポリグリコレートコポリマーで被覆されたポリラクテートを包含して、初期分解速度を増強する。使用される乳酸塩対グリコール酸塩のほとんどの比は、約1:0.1 〜1:1の範囲である。あるいは、中心はポリラクテートで被覆されたポリビニルアルコールであって、ポリラクテートの分解時に、中心は溶解し、植込部位から迅速に洗い出される。
【0039】
インプラントは、活性薬剤のための貯蔵所を用いると便利である種々の症状の治療に用途を見出すが、この場合、インプラントはこのような貯蔵所として役立つ。したがって、治療される特定の症状によって、活性薬剤貯蔵所を有すると便利な宿主の種々の異なる場所、例えば眼、中枢神経系、血管系、骨中、皮膚中、筋肉中、耳中等にインプラントを導入し得る。
【0040】
眼性症状、疾患、腫瘍及び障害の治療に使用するためのインプラントの処方物は特に興味深い。生物分解性インプラントは、インプラントの形状及び処方物、治療される症状等によって、種々の部位に植込み得る。適切な部位としては、前眼房、後眼房、硝子体腔を含めた後眼部、脈絡膜上隙、結膜下、強膜上、角膜内、角膜上及び強膜が挙げられる。硝子体の外部の適切な部位は、脈絡膜上隙、毛様体輪等を包含する。脈絡膜上隙は、強膜内壁と並置する脈絡膜との間にある潜在的空隙である。脈絡膜上に導入されるインプラントは、インプラントからの薬剤の拡散、インプラント中に含まれる薬剤の濃度等に依って、脈絡膜にそして解剖学的に並置する網膜に薬剤を供給し得る。インプラントは無血管領域全体に又はその領域中に導入し得る。無血管領域は例えば毛様体輪自然に生じ得るものもあり、あるいは外科的又は化学的方法により無血管にされた領域もある。外科的誘導性無血管領域は、当業界で公知の方法、例えばレーザー切除、光凝固、寒冷療法、熱凝固、焼灼等により、眼に生成し得る。特に所望の治療部位が毛様体輪から離れている場合、又は毛様体輪にインプラントを設置できない場合に、所望の治療部位の全体又は近くにこのような無血管領域を作るのが特に望ましい。無血管領域にインプラントを導入すると、インプラントから眼内部に薬剤が拡散され、薬剤が血流中に拡散しないようにする。
【0041】
ここで図3を参照すると、本発明による植込みに関する部位を説明した眼の断面図が示されている。眼は、水晶体16を包含し、硝子体腔3を含む。硝子体腔3に隣接して、網膜11の視覚部が存在する。植込み部位は網膜内11又は網膜下12である。網膜は脈絡膜18に取り囲まれる。植込みは脈絡膜内又は脈絡膜上4でもよい。網膜の視覚部と水晶体との間で、硝子体に隣接した部位が毛様体輪19である。脈絡膜を取り囲んで強膜8が存在する。植込み部位は強膜内8又は強膜上7でもよい。眼の外表面は角膜9である。植込みは角膜上9又は角膜内10でもよい。眼の内表面は結膜6である。角膜の後ろに前眼房1が存在し、この後ろに水晶体16がある。図に示すように後眼房2が水晶体を取り囲む。外表面の反対位置に視神経、網膜の動脈及び静脈がある。髄膜腔13、視神経15及び視神経内14に植込むと中枢神経系に薬剤が供給され、血液−脳関門を越えていくメカニズムが提供される。
【0042】
その他の部位の植込みは、新生物病変、例えば腫瘍、又は病変域、例えば周囲組織への、あるいは腫瘍塊が除去されたその位置、除去した腫瘍に隣接する組織における、及び/又は腫瘍除去後に残存する窪みへの抗腫瘍薬の供給を含む。インプラントは、外科的手段、注射、トロカール等を含めた種々の方法で投与し得る。
【0043】
種々の目的のために、処方物中にその他の薬剤を用い得る。例えば、緩衝剤及び防腐剤を用い得る。用い得る水溶性防腐剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、重硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、メチルパラベン、ポリビニルアルコール及びフェニルエチルアルコールが挙げられる。これらの薬剤は別々に約0.001 〜約 5重量%、好ましくは約0.01〜約 2重量%の量で存在する。用い得る適切な水溶性緩衝剤としては、望ましい投与経路に関してFDAが承認したような、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの薬剤は、系のpHを2〜9、好ましくは4〜8に保持するのに十分な量で存在する。このように、緩衝剤ガ総組成物の重量対重量を基礎にして 5%の量である。緩衝剤又は増強剤が親水性である場合、それは放出促進剤として作用し、他の調節剤(単数又は複数)との累積作用を示す。同様に、親水性緩衝剤は放出遅延剤として作用し得る。
【0044】
インプラントは繊維、シート、フィルム、ミクロスフェア、球、円板、プラーク等を含めたあらゆる形状を取り得る。インプラントのサイズの上限は、インプラントに対する耐容、挿入時のサイズの限界、取扱易さ等のような因子により確定される。シート又はフィルムを用いる場合、取扱易いよう、シート又はフィルムは少なくとも約0.5 mm x0.5 mm、通常は約 3〜10mm x 5〜10mmで、厚み約0.25〜1.0 mmの範囲である。繊維を用いる場合、繊維の直径は一般に0.05〜 3 mm の範囲である。繊維の長さは一般に、0.5 〜10mmの範囲である。球は、直径 2μm 〜4 mmで、他の形状の粒子に匹敵する容積を有する。
【0045】
上記のサイズ及び形態のインプラントを用いて、放出速度、治療期間、及び植込み部位での薬剤濃度を制御し得る。インプラントは大きいほどそれに比例して多量の用量を供給するが、しかし表面積対質量比によって、より遅い放出速度を有し得る。特定のサイズ及び形状のインプラントを選択して、植込みの部位に適合させる。眼房、例えば前眼房、後眼房及び硝子体腔は、直径 1〜3 mmの種々の形状の、相対的に大きなインプラントを収容し得る。脈絡膜上隙における植込みには、シート又は円板が選択される。網膜内植込みのための制限間隙は、直径0.05〜1 mmの相対的に小さなインプラントを要する。
【0046】
いくつかの状況では、同一の又は異なる薬剤を用いて、インプラントの混合物を利用し得る。この方法では、一回投与による二相又は三相放出を示す放出プロフィールの混合がなし遂げられるが、この場合、放出パターンは大きく変化し得る。
【0047】
種々の技法を用いてインプラントを製造し得る。有用な技法としては、溶媒蒸発法、相分離法、界面法、押出法、成形法、注入成形法、熱圧搾法等が挙げられる。特定の方法は、米国特許第4,997,652 号(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)で考察されている。好ましい実施態様では、押出法を用いて製造時の溶媒の必要をなくす。押出法を用いる場合、製造に必要な温度、通常は少なくとも約85℃で安定であるように、ポリマー及び薬剤を選択する。
【0048】
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実験的使用
【実施例】
【0049】
実施例1
放出調製剤を用いない薬剤供給系(DDS)の製造及び試験
疎水性薬剤デキサメタソンの延長放出薬剤供給系からの放出を測定した。デキサメタソン及びポリ乳酸/ポリグリコール酸コポリマーを用いて、薬剤供給系を製造した。デキサメタソン粉末及びポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマーの粉末を、50/50の比で十分混合した。よく混合した粉末を押出機中に充填し、95℃で 1時間加熱し、次いで20ゲージ開口部を通して押し出した。約100〜120 μg の6つのDDSを薬剤放出査定のために押出しフィラメントから切り離した。
【0050】
個々のDDSの各々を、受容体媒質(水中の9 %NaCl)を充填したガラスバイアル中に入れた。「無限埋込」状態を可能にするために、濃度が飽和の 5%を超えないように受容体媒質容量を選択した。二次輸送現象、例えば淀んだ境界層における濃度分極を最小限にするために、各々のガラスバイアルを37℃の振盪水浴中に入れた。HPLC分析用に、限定時点で各バイアルから標本を採取した。HPLC法は、USP 23(1995)pp.1791-1798に記載されているのと同様であった。濃度値を用いて累積放出プロフィールを算出した。放出プロフィールを図1Aに示す。薬剤放出はこのDDSを用いた場合は非常に遅いことが認められた。明らかな薬剤放出は開始後4週目、ほぼポリマー崩壊時点で始まる。
【0051】
HPMC放出調節剤を用いたDDSの製造及び試験
上記と同様に薬剤供給系を製造したが、但し種々の濃度の親水性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を放出調節剤として含有した。表1に示した薬剤、ポリマー及びHPMCの組合せを用いた。
【0052】
【表2】

【0053】
上記と同様に、薬剤の放出を試験した。データを図1Bに示す。HPMCを付加すると、放出速度の顕著な増大が認められることが分かる。ゼロに近いオーダーの放出がXT014及びXT015に関して観察されたが、この場合、放出調節剤対薬剤の比率は0.3 対0.4 であった。適切なポリマー及び放出調節剤を選択することにより、薬剤放出及び供給間隔を誂えて促進又は遅延される放出プロフィールを提供し得る。
【0054】
実施例2
薬学的活性放出調節剤を用いたDDSの製造及び試験
実施例1と同様に薬剤供給系を製造したが、但し薬学的活性親水性化合物であるシプロフロキサシンを放出調節剤として含有した。表2に示した薬剤、ポリマー及びHPMCの組合せを用いた。
【0055】
【表3】

【0056】
図2Aのデータにより示されるように、デキサメタソンの放出はシプロフロキサシンの付加に伴って増大した。調節剤を用いないDDSと比較した場合、実際の薬剤放出はほぼ2倍であった。薬剤供給の増大という利点の他に、シプロフロキサシンの抗生物質活性により導入される治療的利点が認められた。同一DDSからのシプロフロキサシンの放出を図2Bに示す。放出速度は、デキサメタソンの場合より高かった。しかしながら、図2Cに示すように、シプロフロキサシンの全体的放出は、デキサメタソンと同時処方した場合は、デキサメタソンを用いない場合より遅かった。
【0057】
実施例3
複数放出調節剤を用いたDDSの製造及び試験
表3にしたがって、ヒドロキシメチルセルロース、シプロフロキサシン及びデキサメタソンを用いて薬剤供給系を処方した。
【0058】
【表4】

【0059】
データは、1日目の初期高放出後、ほとんどゼロオーダーの放出がその後観察されることを示す。全体的放出特徴は、治療効率の局面から治療的に許容可能であった。
【0060】
実施例4
CMV感染の治療のための糖質コルチコイド及びガンシクロビルを用いた薬剤供給系(DDS)の製造及び試験
実施例1に記載されているように薬剤供給系を製造したが、但し放出調節剤として薬学的活性親水性化合物であるガンシクロビルを含有した。薬剤及びポリマーの組合せを以下に示す:
【0061】
【表5】

【0062】
デキサメタソンの放出は、ガンシクロビルの付加に伴って増大した。薬剤供給の増大という利点の他に、ガンシクロビルの抗ウイルス活性により導入される治療的利点が認められた。
【0063】
実施例5
抗腫瘍治療のための糖質コルチコイド及び5−フルオロウラシルを用いた薬剤供給系(DDS)の製造及び試験
実施例1に記載されているように薬剤供給系を製造したが、但し放出調節剤として薬学的活性親水性化合物である5−フルオロウラシルを含有した。薬剤及びポリマーの組合せを以下に示す:
【0064】
【表6】

【0065】
デキサメタソンの放出は、5−フルオロウラシルの付加に伴って増大した。薬剤供給の増大という利点の他に、5−フルオロウラシルの抗腫瘍活性により導入される治療的利点が認められた。
【0066】
実施例6
NSAID及びキノロンを用いた薬剤供給系(DDS)の製造及び試験
実施例1に記載されているように薬剤供給系を製造したが、但し放出調節剤として薬学的活性親水性化合物である5−フルオロウラシルを含有した。薬剤及びポリマーの組合せを以下に示す:
【0067】
【表7】

【0068】
シプロフロキサシンの放出は、ナプロキセンの付加に伴って増大した。薬剤供給の増大という利点の他に、併用処方物により導入される治療的利点が認められた。
【0069】
上記の結果から、活性薬剤及び放出調節剤を用いて処方された生物分解性インプラントは長期間一定速度で薬剤を放出する放出動態を提供して、効率の非常に低い方法で、例えば局所的に薬剤を患者に投与する必要をなくすることが明らかである。インプラントは、薬剤放出のピーク及び陥凹をなくすことにより、眼及びその他の症状の改良された治療方法を提供する。
【0070】
本明細書中の出版物及び特許出願はすべて、本発明に関する当業者の技術レベルを示す。個々の出版物及び特許出願が各々特定的に及び別々に参照により含まれることを示されたかのように、出版物及び特許出願の記載内容はすべて、参照により本明細書中に含まれる。
【0071】
本発明の理解のために前記の説明及び実施例により本発明を詳細に記載したが、添付の請求の範囲の範囲を逸脱しない限り、変更及び修正を成し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】図1Aは長期放出薬剤供給系からの疎水性薬剤の放出プロフィールを示す。
【図1B】図1Bは、放出調節剤を有する薬剤供給系で処方した場合の同一薬剤の放出プロフィールを示す。
【図2A】図2Aは、放出調節剤シプロフラキサシンHClの非存在下又は存在下でのデキサメタソンの放出プロフィールを示す。
【図2B】図2Bは、デキサメタソンの存在下でのシプロフロキサシンの放出を示す。
【図2C】図2Cは、放出調節剤の非存在下でのシプロプロキサシンの放出を示す。
【図2D】図2Dは、併合親水性及び疎水性薬剤を有し、さらに薬学的不活性放出調節剤を有する薬剤供給系からの放出プロフィールを示す。
【図3】図3は、眼の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物分解性硝子体内医薬デリバリー装置であって:
眼の硝子体腔内に移植される生物分解性硝子体内インプラントを含み、ここで、当該インプラントは、生物分解性ポリマーとステロイドを含み、当該ステロイドは、上記硝子体腔内に移植された後少なくとも3日間、上記インプラントから上記硝子体内に放出される、前記医薬デリバリー装置。
【請求項2】
前記インプラントが、PLGAコポリマーを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項3】
前記インプラントがデキサメタゾンを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項4】
前記インプラントが、PLGAコポリマー・マトリックスと、当該マトリックス中に分散されたデキサメタゾンを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項5】
前記インプラントが、前記硝子体内の移植部位の大きさと形状に釣り合う大きさをもつ、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項6】
前記インプラントが、0.05mm〜3mm間の直径、及び0.5mm〜10mm間の長さをもつ、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項7】
前記インプラントが、2μm〜4mm間の直径をもつ、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項8】
前記インプラントが、1mm〜3mmの直径をもつ、請求項7に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項9】
前記インプラントは、3mm〜10mm間の大きさである、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項10】
前記インプラントは、エクストルージョン法により製造される、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項11】
前記インプラントは、押出しフィラメントの一部である、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項12】
前記インプラントが、当該インプラントの少なくとも1重量%である量のステロイドを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項13】
前記インプラントが、当該インプラントの少なくとも10重量%の量のステロイドを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項14】
前記インプラントが、当該インプラントの80重量%以下の量のステロイドを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項15】
前記インプラントが、当該インプラントの40重量%以下の量のステロイドを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項16】
前記インプラントが50重量%のデキサメタゾンを含む、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項17】
前記インプラントが、ファイバー、シート、フィルム、微小球、球、円板、及びプラークから成る群から選ばれる幾何形状を有する、請求項1に記載の医薬デリバリー装置。
【請求項18】
請求項1に記載の生物分解性医薬デリバリー装置を複数個含む組成物。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−192282(P2006−192282A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20891(P2006−20891)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【分割の表示】特願平8−536741の分割
【原出願日】平成8年5月31日(1996.5.31)
【出願人】(506032820)アラガン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】