説明

記録装置

【課題】 自動で移動するエッジガイドから受ける力によって被記録媒体が変形して破損してしまう虞を考慮した記録装置を提供すること。
【解決手段】 記録装置1は、被記録媒体(P)の幅方向Xに移動可能であり、載置部(11)に載置された被記録媒体の側端を揃えるエッジガイド(20、30)と、該エッジガイドを移動させるモーター(77)と、前記エッジガイドと係合可能な係合手段40と、を備え、前記モーターの動力によって前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させる動作において、前記載置された被記録媒体の積層方向における最上位の被記録媒体が積層方向上方へ変位した際、前記係合手段は、被記録媒体に押されることにより前記エッジガイドの進路Rに進出する構成であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体が載置される載置部と、被記録媒体の幅方向に移動可能であり、前記載置部に載置された被記録媒体の側端を揃えるエッジガイドと、を備えた記録装置に関する。
本願において、記録装置には、インクジェットプリンター、ワイヤドットプリンター、レーザープリンター、ラインプリンター、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
従来では、特許文献1に示す如く、記録装置は、被記録媒体の一例である用紙を給送する給送ローラーと、該給送ローラーに対して接離移動可能であり、用紙が載置される載置部としてのホッパーと、を備えていた。そして、前記ホッパーには、用紙の幅方向をガイドする一対のエッジガイドが幅方向に摺動可能に設けられていた。従って、ユーザーは、用紙をセットする際、先ず、エッジガイドを幅方向に広げて、次に、用紙をホッパー上に載置する。続いて、エッジガイドを狭める方向に摺動させて用紙の両側側端を揃えていた。その結果、用紙の姿勢を安定させて給送することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−128286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、モーターの動力によって自動で前記エッジガイドを移動させて用紙の両側側端を揃えるように構成することが考えられる。具体的には、モーターの動力によって前記エッジガイドを用紙に接近する側へ移動させ、度当たったときのモーターの電流値の変化を検出してモーターを停止させる構成とすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、用紙の枚数が比較的多い場合はきれいに用紙の側端を揃えることができても、枚数が比較的少ない場合は用紙が座屈してしまう虞がある。最悪の場合、用紙に折れた跡がついてしまう虞がある。特に用紙のコシが比較的弱く、かつ、用紙の枚数が比較的少ない場合に用紙が座屈してしまう虞がある。ここで、「コシ」とは、弾力のことをいう。また、用紙のサイズが幅方向に大きい場合も同様である。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、自動で移動するエッジガイドから受ける力によって被記録媒体が変形して破損してしまう虞を考慮した記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の記録装置は、被記録媒体が載置される載置部と、被記録媒体の幅方向に移動可能であり、前記載置部に載置された被記録媒体の側端を揃えるエッジガイドと、該エッジガイドを移動させるモーターと、前記エッジガイドと係合可能な係合手段と、を備え、前記モーターの動力によって前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させる動作において、前記載置された被記録媒体の積層方向における最上位の被記録媒体が積層方向上方へ変位した際、前記係合手段は、被記録媒体によって積層方向上方へ押されることにより前記エッジガイドの進路に進出し前記エッジガイドと係合する構成であることを特徴とする。
ここで、「エッジガイドの進路」とは、エッジガイドが進む方向(前方)の路をいう。即ち、該エッジガイドが通る前方の領域である。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、前記係合手段は、被記録媒体に押されることにより前記エッジガイドの進路に進出し前記エッジガイドと係合する。従って、移動している前記エッジガイドと接触して該エッジガイドの被記録媒体に接近する側への移動を強制的に止めることができる。即ち、幅方向内側へ移動中の前記エッジガイドは前記係合手段に度当たって強制的に止められる。
【0009】
ここで、前記エッジガイドが被記録媒体に接近する側へ移動する際に前記最上位の被記録媒体が積層方向上方へ変位する場合がある。具体的には、前記モーターの動力によって前記エッジガイドが幅方向内側に被記録媒体を押し込むようにして被記録媒体の側端を揃えようとする。この際、被記録媒体のコシや枚数に対して前記エッジガイドが押す力が強い場合、幅方向における被記録媒体の一部が積層方向上方へ撓むことにより該一部が変位する。そして、さらに押す力が加えられると被記録媒体が座屈する虞がある。
【0010】
そこで、本態様では、前記一部が積層方向上方へ変位したとき、前記係合部が前記エッジガイドの被記録媒体に接近する側への移動を強制的に止めることができる。
その結果、被記録媒体が座屈することを防止することができる。特に、記録装置に入力された被記録媒体のサイズ情報に基づいて前記エッジガイドが幅方向へ移動して被記録媒体の側端を揃える構成において有効である。具体的には、前記入力された前記サイズと、実際にセットされた被記録媒体のサイズとが異なる場合がある。そして、実際に載置された被記録媒体のサイズが前記認識していた被記録媒体のサイズより大きい場合、座屈する虞があるので本態様は特に有効である。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記係合手段および前記エッジガイドの一方は、幅方向に配列された複数の突部を有し、前記係合手段が被記録媒体に押された際、前記複数の突部のうちの一の突部が前記係合手段および前記エッジガイドの他方と接触する構成であることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記一方は、前記複数の突部を有する。従って、被記録媒体のサイズに応じて、被記録媒体が折れる前の段階において前記エッジガイドの移動を止めることができる。また、前記複数の突部の間隔を狭く構成することにより、幅方向内側への移動中において前記エッジガイドがどの位置に位置している場合であっても該エッジガイドの移動を止めることができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記係合部は、前記係合手段および前記エッジガイドは、幅方向に配列された複数の突部をそれぞれ有し、前記係合手段が被記録媒体に押された際、前記係合手段および前記エッジガイドの一方の前記複数の突部のうちの少なくとも一部の突部が、前記係合手段および前記エッジガイドの他方の前記複数の突部のうちの少なくとも一部の突部と接触する構成であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記一方の前記少なくとも一部の突部が、前記他方の前記少なくとも一部の突部と接触することができる。従って、第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。即ち、前記係合手段および前記エッジガイドの両方に前記複数の突部を設けた場合、一方のみに複数の突部を設けた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記係合手段は、揺動可能なレバー部材を有しており、該レバー部材の一端側が被記録媒体に押されることにより、該レバー部材の他端側が前記エッジガイドの進路に進出し前記エッジガイドと係合する構成であることを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記レバー部材によって容易に前記係合手段を構成することができる。
【0015】
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記係合手段は、被記録媒体が積層方向上方へ変位した際に該被記録媒体と当接可能な当接部を有し、該当接部は、幅方向において被記録媒体が載置される全範囲に延設されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記当接部は前記全範囲に延設されている。従って、被記録媒体の側端が積層方向上方へ撓むことにより変位した場合であっても、前記エッジガイドの移動を止めることができる。即ち、被記録媒体の幅方向における中央部分が積層方向上方へ変位した場合のみならず、側端が積層方向上方へ変位した場合にも前記エッジガイドの移動を止めることができる。その結果、被記録媒体の幅方向における中央部分が折れることのみならず、側端近傍が折れることをも防止することができる。
【0016】
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記モーターを駆動させた際の電流値が所定の範囲内で記録装置が設定した閾値に達したか否かを判定する第1判定手段と、前記係合手段が前記エッジガイドの進路に進出したか否かを判定する第2判定手段と、をさらに備え、記録装置は、前記モーターの一方向への駆動によって前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させて被記録媒体の側端に接触させる際、前記第1判定手段によって前記電流値を監視しながら前記エッジガイドを移動させ、前記第2判定手段が前記進出したと判定せずに、前記電流値が前記閾値に達した場合、前記モーターの一方向への駆動を停止させて前記エッジガイドの前記接近する側への移動を停止させ、前記第2判定手段が前記進出したと判定し、前記電流値が前記閾値に達した場合、前記モーターの動力によって前記エッジガイドを被記録媒体から離間する側へ移動させてから、前記電流値を監視しながら前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させることにより、前記エッジガイドを被記録媒体の側端に接触させる構成であって、被記録媒体の側端を揃える際の前記エッジガイドの被記録媒体に接近する側への移動が二回目以降の場合において、今回の移動における前記閾値を前回の移動のときの前記閾値より小さくなるように変更する構成であることを特徴とする。
【0017】
ここで、「所定の範囲内で記録装置が設定した閾値」は、前記エッジガイドの移動中において、側端が揃っていない被記録媒体を揃える方向へ押圧するときの電流値より高く、側端が揃った被記録媒体の側端に度当たったときの電流値より低い値となる範囲内で設定した値である。
また、「モーター」は、DCモーターを用いることが望ましい。電流値の変化を検出しやすいからである。ここで、「DCモーター」とは、直流電源を使用し、所謂、「ブラシ付きDCモーター」や「ブラシレスモーター」をいい、入力パルス数に比例して駆動する「ステッピングモーター」は含まれない。
【0018】
本発明の第6の態様によれば、第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記エッジガイドの移動によって被記録媒体の側端が揃ったか否かを判断することができる。具体的には、前記係合手段が前記エッジガイドと係合していない状態において、前記電流値が前記設定した閾値に達した場合、被記録媒体の側端が揃ったと判断することができる。
【0019】
また、前記閾値の大きさを変更することによって、前記エッジガイドが被記録媒体の側端を押す力の大きさを調整することができる。従って、前記第2判定手段が前記進出したと判定せずに、前記電流値が前記閾値に達した場合、被記録媒体の側端がきれいに揃ったと判断することができる。
その結果、必要以上に前記エッジガイドが前記接近する側へ移動して被記録媒体を変形させる虞がない。
【0020】
一方、前記第2判定手段が前記進出したと判定し、前記電流値が前記閾値に達した場合、今回の前記エッジガイドの移動において該エッジガイドが被記録媒体の側端を押す力を前回の移動のときより小さくすることができる。従って、被記録媒体が撓んで最上位の被記録媒体の位置が積層方向上方へ変位する可能性を小さくすることができる。そして、前記閾値を小さく変更することを繰り返すことにより、最上位の被記録媒体の位置が変位し係合手段が前記進出しなくなるまで、前記押す力を小さくすることができる。
その結果、被記録媒体を変形させることなく、被記録媒体の側端を揃えることが可能である。即ち、被記録媒体のコシが比較的弱く、載置された被記録媒体の枚数が比較的少ない場合であっても、最終的には被記録媒体を撓ませることなく、被記録媒体の側端を揃えることが可能である。
【0021】
本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれか一の態様において、前記幅方向における前記エッジガイドの位置を検出する位置検出手段をさらに備えていることを特徴とする。
本発明の第7の態様によれば、第1から第6のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記位置検出手段によって前記エッジガイドの位置を検出することができる。被記録媒体が前記エッジガイドから力を受けて被記録媒体の一部が積層方向上方へ変位して極僅かに撓み始めたときに前記エッジガイドの移動を停止させることが可能である。このときの前記エッジガイドの位置を検出することによって、前記記録装置は、前記載置部に載置された被記録媒体のサイズを判断することができる。
【0022】
また、前記エッジガイドの幅方向内側への移動が前記係合手段によって止められたときの該エッジガイドの位置を検出することにより、撓んだ状態の被記録媒体のおよそのサイズを判断することが可能である。
またさらに、前記エッジガイドの幅方向内側への移動が被記録媒体の側端を揃えたことによって止められたときの該エッジガイドの位置を検出することにより、揃えられた被記録媒体のサイズを判断することが可能である。
【0023】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記載置部より送り方向下流側の記録部へ被記録媒体を送る送り手段と、該送り手段が被記録媒体を送る量を測定するセンサーと、をさらに備え、前記モーターは、前記送り手段を駆動させるモーターを兼ねた構成であり、前記位置検出手段は、前記センサーを用いて検出することを特徴とする。
本発明の第8の態様によれば、第7の態様と同様の作用効果に加え、前記送り手段を駆動させるモーターの動力を利用して前記エッジガイドを移動させることができる。従って、前記エッジガイドを移動させるためだけの専用モーターを設ける必要がない。
また、前記送り手段が被記録媒体を送る量を測定する前記センサーを利用して前記エッジガイドの移動量を算出することができる。
【0024】
これにより、前記エッジガイドの現在の位置を特定することができる。その結果、前記モーターを停止させたときの前記エッジガイドの位置を特定することにより、前記記録装置は被記録媒体のサイズを認識することができる。即ち、別途専用の被記録媒体のサイズ検出器を設ける必要がない。
またさらに、前記記録装置は被記録媒体の有無を判断することも可能である。即ち、別途専用の被記録媒体の有無検出器を前記載置部に設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る記録装置を示す全体側面図。
【図2】本発明に係る給送部を示す後方斜視図。
【図3】(A)(B)は本発明の給送部の動作を示す図(用紙セットしたとき)。
【図4】(A)(B)は本発明の給送部の動作を示す図(エッジガイド閉)。
【図5】(A)(B)は本発明の給送部の動作を示す図(用紙中央が変位した状態)。
【図6】(A)(B)は係合レバーが揺動してエッジガイドと接触した状態を示す図。
【図7】(A)(B)は他の実施形態1の係合レバーを示す図。
【図8】(A)(B)は他の実施形態2の係合レバーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る液体噴射装置の一例である記録装置の概略を示す全体側面図である。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0027】
またさらに、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0028】
記録装置1は、「被記録材」としての用紙Pを記録装置1の内部へ給送するための自動給送装置としての給送部70を備えている。また、記録装置1は、用紙支持部53に支持されている用紙Pを搬送方向Yへ搬送する搬送部50として、搬送駆動ローラー51及び搬送従動ローラー52を備えている。さらに、記録装置1は、用紙支持部53に支持されている用紙Pの記録面にインクを噴射して記録を実行する記録部60として記録ヘッド62を備えている。さらに、記録装置1は、記録実行後の用紙Pを搬送方向Yへ搬送し排出する手段として、排出駆動ローラー54及び排出従動ローラー55を備えている。
【0029】
給送部70は、ホッパー71、左側の第1エッジガイド20、右側の第2エッジガイド30(図2)、給送ローラー74、給送経路75、分離パッド76及び給送用モーター77(図2)を備えている。
用紙Pが積重されて載置されるホッパー71は、給送ローラー74へ向けて揺動可能に給送部70の基体に軸支されている。第1エッジガイド20及び第2エッジガイド30は、載置された用紙Pのサイズに応じて幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へ摺動可能に支持されている。
【0030】
給送ローラー74は、給送部70の基体部10(図2参照)に軸支された給送用ローラー軸74aに一体に形成されており、給送用モーター77の回転駆動力で給送用ローラー軸74aが回転することによって回転する。実施例では、給送用モーター77はDCモーターである。
ここで、「DCモーター」とは、直流電源を使用し、所謂、「ブラシ付きDCモーター」や「ブラシレスモーター」をいい、入力パルス数に比例して駆動する「ステッピングモーター」は含まれない。
【0031】
ホッパー71に載置された用紙Pは、給送ローラー74へ向けてホッパー71が揺動することによって、給送ローラー74の外周面に当接した状態となる。そして、用紙Pは、給送ローラー74の回転によって、搬送駆動ローラー51と搬送従動ローラー52とが当接する部分へ向けて給送経路75を通じて給送される。このとき、公知の分離パッド76によって用紙Pの重送が防止される。
【0032】
搬送駆動ローラー51は、表面に高摩擦被膜が施されており、給送用モーター77の回転駆動力が伝達されて回転する。
尚、別途、搬送用モーターを設けてもよいのは勿論である。搬送用モーターをDCモーターで構成してもよいが「ステッピングモーター」で構成することが望ましい。搬送駆動ローラー51の駆動量を精度よく管理するためである。
【0033】
搬送従動ローラー52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段により搬送駆動ローラー51の外周面に当接した状態で付勢されている。給送部70により給送された用紙Pは、搬送駆動ローラー51と搬送従動ローラー52とで挟持され、搬送駆動ローラー51の駆動回転により用紙支持部53上を搬送方向Yへ搬送される。
記録ヘッド62は、キャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズル(図示せず)が配設されている。
【0034】
キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面と用紙支持部53上の用紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ幅方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。図示していないキャリッジ駆動用モーターの回転軸に配設された駆動プーリー(図示せず)と回転自在に軸支された従動プーリー(図示せず)との間には、無端ベルト(図示せず)が掛架されている。そして、その無端ベルトが連結されたキャリッジ61は、キャリッジ駆動用モーターの回転駆動力が無端ベルトを介して伝達されることにより幅方向Xへ往復動する。
【0035】
用紙支持部53は、用紙Pの幅方向Xにおいて多数のリブを有している。用紙支持部53上を搬送される用紙Pは、このリブの頂面で裏面側から支持される。用紙Pは、この用紙支持部53に支持された領域において、記録ヘッド62のヘッド面からのインク噴射により記録面にドットが形成されて記録が実行される。記録ヘッド62のヘッド面と用紙Pの記録面との間隔は、リブの頂面によって適正な間隔に規定される。
【0036】
用紙支持部53上を搬送される用紙Pは、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から用紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラー51の駆動回転により所定の搬送量で搬送方向Yへ搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の用紙Pは、排出駆動ローラー54と排出従動ローラー55とで挟持され、排出駆動ローラー54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、マイコン制御回路を有する制御部2(図2参照)により実行される。
【0037】
また、基体部10における給送ローラー74と対向する箇所には、ホッパーレバー72が挿通されるホッパーレバー挿通穴(図示せず)が形成されている。本実施形態では、給送ローラー74の回動に連動してホッパーレバー72が揺動し、該ホッパーレバー72がホッパー71を給送ローラー74に対して接離移動させるように構成されている。そして、基体部10における用紙載置部11に載置された用紙Pは、ホッパー71によって給送ローラー74に押し付けられることにより、給送方向下流側へ給送される。
尚、図1において後述する係合手段40(図3〜図6参照)の図示は省略してある。
【0038】
図2に示すのは、本発明に係る給送部を示す後方斜視図である。
図2に示す如く、給送部70は、基体部10に対して用紙Pの幅方向Xに移動する一対のエッジガイド(20、30)を有する。具体的には、給送部70の正面から向かって右側の第1エッジガイド20と、左側の第2エッジガイド30とを有する。
尚、図2では理解を容易にするために、後述する係合手段40の図示を省略する。
【0039】
また、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30は、幅方向外側から内側へ移動することによって基体部10の用紙載置部11に載置された用紙Pを、揃えることができるように設けられている。
またさらに、給送部70は、給送用モーター77の動力を第1エッジガイド20および第2エッジガイド30へ伝達する動力伝達機構90を有する。以下、詳しく説明する。
【0040】
動力伝達機構90は、モーターピニオン91、第1ギア92、第2ギア93、複合ギア94、クラッチ機構95、第5ギア96、動力伝達シャフト110、ウォーム111、第1はすばラック22および第2はすばラック32を有する。このうち、モーターピニオン91は、給送用モーター77に設けられており、第1ギア92へ動力を伝達するように構成されている。
【0041】
そして、第1ギア92は第2ギア93へ動力を伝達し、第2ギア93は複合ギア94の第3ギア94aへ動力を伝達するように設けられている。ここで、複合ギア94は、同軸上に径の異なる第3ギア94aおよび第4ギア94bを有する。そして、第3ギア94aは、クラッチ機構95によって、第5ギア96へ動力を伝達する動力伝達接続状態および伝達しない動力伝達切断状態に切替え可能に設けられている。一方、第4ギア94bは、他の図示しないギア輪列を介してホッパーレバー72、給送ローラー74、搬送駆動ローラー等へ動力と伝達するように構成されている。
【0042】
尚、本実施形態において、クラッチ機構95は、キャリッジ61が用紙Pの幅方向XにおけるX軸の矢印方向下流側端部に位置したときに当接する当接レバー(図示せず)と、該当接レバーを幅方向XにおけるX軸の矢印方向上流側へ付勢する付勢ばね(図示せず)と、を備えている。そして、該付勢ばねの付勢力に抗してキャリッジ61が前記当接レバーを幅方向XにおけるX軸の矢印方向下流側へ揺動することにより、複合ギア94が用紙Pの幅方向XにおけるX軸の矢印方向上流側へ移動するように構成されている。
従って、第3ギア94aが第5ギア96と噛合った動力伝達接続状態に切替えることができる。
【0043】
一方、キャリッジ61が幅方向XにおけるX軸の矢印方向上流側へ移動し前記当接レバーから離間する際、前記付勢ばねの付勢力によって前記当接レバーが幅方向XにおけるX軸の矢印方向上流側へ揺動する。これに伴って、複合ギア94が用紙Pの幅方向XにおけるX軸の矢印方向下流側へ移動するように構成されている。
従って、第3ギア94aが第5ギア96と噛合っていない動力伝達切断状態に切替えることができる。
【0044】
また、第5ギア96は、動力伝達シャフト110上に動力伝達シャフト110と一体に回動するように設けられている。動力伝達シャフト110は、一体に形成されたウォーム111を介して第1エッジガイド20と一体に設けられた第1はすばラック22、および第2エッジガイド30と一体に設けられた第2はすばラック32へ動力を伝達する。従って、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pの幅方向Xへ移動させることができる。このとき、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の動きを左右対称にすることができる。
【0045】
即ち、幅方向内側へ閉じるように移動させ、逆に幅方向外側へ開くように移動させることができる。
尚、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30が、ウォーム111、第1はすばラック22および第2はすばラック32の構成により移動するように設けたが該構成に限られない。所謂、ラックアンドピニオンの構成により移動するように設けてもよいのは勿論である。
【0046】
また、給送用モーター77の近傍には、給送用モーター77の駆動量を検出するためにエンコーダースリット板3およびエンコーダーセンサー4を有するロータリーエンコーダー6が設けられている。本実施形態では、エンコーダースリット板3およびエンコーダーセンサー4によりエッジガイド(20、30)の移動量を算出することができるように構成されている。また、エッジガイド(20、30)の移動量よりエッジガイド(20、30)の現在の位置を特定することもできるように構成されている。
【0047】
またさらに、エッジガイド(20、30)の位置を検出する位置検出手段5は、給送用モーター77の駆動量を検出するために設けられたエンコーダースリット板3およびエンコーダーセンサー4を利用して検出することができるように設けられている。
続いて、用紙Pが用紙載置部11にセットされてから給送が開始するまでの間の第1エッジガイド20、第2エッジガイド30および係合手段40の動作について詳しく説明する。
【0048】
[用紙セットしたとき]
【0049】
図3(A)(B)に示すのは、用紙セットしたときの給送部を示す概略図である。このうち、図3(A)は側面図である。一方、図3(B)は給送方向上流側からみた図である。
図3(A)(B)に示す如く、給送部70は、エッジガイド(20、30)と係合可能な係合手段40を備えている。係合手段40は、幅方向Xにおいて用紙Pから離間した状態のエッジガイド(20、30)より載置された用紙側であって、載置された用紙Pの積層方向Zにおいて用紙Pより上方に設けられている。
【0050】
具体的には、係合手段40は、一例として支軸42を支点に揺動可能な係合レバー41を有している。係合レバー41は、一端側に用紙Pと当接可能な当接部43を有し、他端側に係合部44を有している。そして、係合部44は、第1エッジガイド20の幅方向内側へ移動する際の進路Rへ進出可能に設けられている。また、ばね45の一端が係合レバー41と係合している。一方、ばね45の他端が基体部10と係合している。そして、ばね45は、係合部44が第1エッジガイド20の進路Rから退避する方向へ係合レバー41を付勢するように設けられている。
【0051】
また、図3(A)に示す如く係合レバー41は、ばね45によって図中における時計方向へ付勢されており、係合レバー41における支軸42を基準とした係合部側が基体部10と当接することにより、姿勢が決定されている状態である。この状態では、係合部44は第1エッジガイド20の進路Rから退避している。即ち、第1エッジガイド20の移動を妨げない状態である。一方、係合レバー41の当接部43は積層方向下方へ目一杯下がった状態である。
【0052】
また、用紙Pを用紙載置部11にセットするとき、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30は、幅方向外側に目一杯開いた状態である。従って、ユーザーは用紙載置部11に容易に用紙Pをセットすることができる。
尚、積層方向Zにおける当接部43の位置は、載置可能な最多枚数を載置したときの最上位の用紙Pの位置より積層方向上方であるものとする。即ち、用紙Pがセットされたとき、当接部43が最上位の用紙Pと接触し係合レバー41が揺動しないように構成されている。
また、キャリッジ61は前記当接レバー(図示せず)と当接し、動力伝達機構90の動力伝達が接続状態となっている。
【0053】
[用紙側端揃え動作]
【0054】
図4(A)(B)に示すのは、本発明の給送部の動作を示す概略図である。このうち、図4(A)は側面図である。一方、図4(B)は給送方向上流側からみた図である。
図4(A)(B)に示す如く、図3(A)(B)の状態から給送用モーター77が駆動すると、動力伝達機構90によって動力が伝達される。従って、動力伝達シャフト110が回動する。さらに、ウォーム111が、第1はすばラック22を介して第1エッジガイド20を幅方向内側へ移動させる。同様に、ウォーム111が、第2はすばラック32を介して第2エッジガイド30を幅方向内側へ移動させる。即ち、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を幅方向内側へ閉じるように移動させることができる。
【0055】
そして、第1エッジガイド20における幅方向内側に設けられた第1ガイド面21が、用紙Pの一方の側端と当接し、複数の用紙Pの側端を揃える。同様に、第2エッジガイド30における幅方向内側に設けられた第2ガイド面31が、用紙Pの他方の側端と当接し、複数の用紙Pの他方の側端を揃える。さらに、第1ガイド面21および第2ガイド面31によって用紙Pは幅方向Xにおいて中央に揃えられる。
【0056】
このとき、制御部2が、給送用モーター77の電流値が所定の範囲内で設定された閾値に達したか否かを判定し、該判定によって、用紙Pの側端が揃ったか否かを判断するように構成されている。
ここで、「所定の範囲内で設定された閾値」は、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30が単に用紙Pの一側端と当接したときの負荷による電流値より大で、両側側端の揃った用紙Pの両側側端と当接した所謂、度当たったときの負荷による電流値より小となる範囲内で設定された値である。尚、閾値は制御部2が設定する。
【0057】
従って、複数の用紙Pの側端が揃っていない場合において、第1エッジガイド20の第1ガイド面21が一の用紙Pの側端と当接し、幅方向内側へ押しているとき、給送用モーター77の電流値が閾値に達しない。
そして、第1ガイド面21および第2ガイド面31が複数の用紙Pの側端と当接し、複数の用紙Pの両側側端が揃って、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30がそれ以上幅方向内側へ移動できない状態となる。
【0058】
このとき、給送用モーター77の電流値が上昇し、閾値に達する。給送用モーター77の電流値が閾値に達したとき、制御部2は、給送用モーター77を一時停止させる。
また、後述するように用紙Pの両側側端が揃った状態で停止させたエッジガイド(20、30)の位置から用紙Pのサイズを判断することができる。エッジガイド(20、30)の位置は、前述した位置検出手段5によって検出することができる。
【0059】
具体的には、制御部2は給送用モーター77の近傍に設けられたエンコーダースリット板3およびエンコーダーセンサー4により、エッジガイド(20、30)が基準となるホームポジションから停止した位置までの移動量を算出する。さらに、該移動量に基づいて位置を算出する。
ここで、「ホームポジション」とは、幅方向外側に目一杯開いたときの第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の位置をいう。
【0060】
[用紙が変形した場合]
【0061】
図5(A)(B)に示すのは、用紙側端揃え動作を実行した際に用紙が変形したときの給送部を示す概略図である。このうち、図5(A)は側面図である。一方、図5(B)は給送方向上流側からみた図である。
また、図6(A)(B)に示すのは、係合レバーが揺動してエッジガイドと接触した状態を示す概略図である。このうち、図6(A)は側面図である。一方、図6(B)は給送方向上流側からみた図である。
【0062】
図5(A)(B)に示す如く、用紙載置部11に載置されている用紙Pの枚数が比較的少なく、かつ、用紙Pのコシが比較的弱い場合、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30によって幅方向両側から押されて用紙Pが撓む虞が僅かにある。これは、載置された用紙Pの枚数が比較的多い場合と、一枚の場合とで、同一の閾値を設定することが困難なときがあるからである。
係る場合、幅方向Xにおける用紙Pの中央部分が浮き上がるように撓む。そして、給送用モーター77の動力が比較的強い場合、用紙Pが撓んで最悪の場合、電流値が閾値に達せず給送用モーター77が駆動し続けるため、用紙Pが折れ曲がってしまう虞がある。即ち、用紙Pが破損してしまう虞がある。
【0063】
本実施形態では、制御部2が、給送用モーター77の電流値が閾値に達したか否かを判定してエッジガイド(20、30)の移動を停止させるように構成されている。
ここで、該構成に換えて、制御部2が記録情報に基づいて認識していた用紙Pのサイズに応じてエッジガイド(20、30)を対応する位置まで移動させる構成とした場合、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30によって幅方向両側から押されて用紙Pが撓む虞がある。
【0064】
具体的には、記録装置1が記録情報に基づいて認識していた用紙Pのサイズと、実際に用紙載置部11に載置された用紙Pのサイズとがことなる場合がある。そして、実際に載置された用紙Pのサイズが前記認識していた用紙のサイズより大きい場合、撓んで座屈する虞がある。即ち、制御部2が記録情報に基づいて認識していた用紙のサイズに応じてエッジガイド(20、30)を対応する位置まで移動させる構成とした場合も同様の虞がある。
【0065】
そこで、図6(A)(B)に示す如く、用紙Pが撓んで用紙Pの幅方向中央部分が積層方向上方へ変位し、用紙Pが撓んだままで座屈する前の状態において、係合レバー41がエッジガイド(20、30)の幅方向内側への移動を妨げるように構成されている。
具体的には、エッジガイド(20、30)に押されることにより用紙Pが撓んで座屈する前の状態において、最上位の用紙Pの幅方向中央部分が係合レバー41の当接部43と当接する。そして、エッジガイド(20、30)が幅方向内側へ移動することに従って最上位の用紙Pが、ばね45の付勢力に抗して当接部43を積層方向上方へ変位させる。
【0066】
従って、図6(A)に示す如く、係合レバー41は、図中における反時計方向へ揺動する。このとき、係合レバー41の係合部44は、図6(B)に示す如く、エッジガイド(20、30)が幅方向内側へ移動する際の第1エッジガイド20の進路Rに進出する。そして、エッジガイド(20、30)が幅方向内側へさらに移動すると、第1エッジガイド20の一部の幅方向内側面としての第1ガイド面21は、係合部44と度当たる。これにより、第1エッジガイド20は、さらなる幅方向内側への移動が妨げられる。
【0067】
ここで、第2エッジガイド30は、前述したように第1エッジガイド20と幅方向Xにおいて左右対称に移動するように構成されているので、第2エッジガイド30のさらなる幅方向内側への移動も妨げられる。その結果、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の幅方向内側への移動を強制的に停止することができる。そして、用紙Pがそれ以上撓んで座屈することを防止することができる。
【0068】
尚、そのままの状態で給送開始することが困難である。係る場合、エラー表示して動作を中断する。
また、本実施形態では、制御部2が給送用モーター77の電流値が閾値に達したか否かを判定してエッジガイド(20、30)の移動を停止させるように構成したが、これに限られない。前述したように制御部2が記録情報に基づいて認識していた用紙のサイズに応じてエッジガイド(20、30)を対応する位置まで移動させる構成でもよい。
【0069】
具体的には、記録装置1が記録情報に基づいて認識していた用紙のサイズと、実際に用紙載置部11に載置された用紙Pのサイズとがことなる場合がある。そして、実際に載置された用紙Pのサイズが前記認識していた用紙のサイズより大きい場合、座屈する虞があるので特に有効である。係る場合、位置検出手段5により、エッジガイド(20、30)の位置を検出して撓んだ状態の用紙Pのおよそのサイズを制御部2が判断することも可能である。
【0070】
そして、エッジガイド(20、30)を幅方向外側へ移動させて用紙Pから離間させ、再度幅方向内側へ移動させる際、制御部2が前記判断した用紙サイズに対応する位置でエッジガイド(20、30)を停止させるように構成してもよい。
また、用紙Pが用紙載置部11にセットされていない場合でも、制御部2は用紙側端揃え動作を実行する。即ち、給送動作を実行する前の段階において、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を幅方向内側へ移動させるように設けられている。そして、用紙Pの有無を判断することができるように設けられている。
【0071】
具体的には、記録装置1の用紙載置部11にセット可能な複数の用紙サイズがある。そして、制御部2は、給送用モーター77の電流値を監視しながら、エッジガイド(20、30)が目一杯開いた状態の位置から、このうちの最小の用紙サイズの用紙(図示せず)に対応するエッジガイド(20、30)の位置より僅かに内側となる位置まで第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を移動させる。この際、給送用モーター77の電流値が閾値に達しないことから、制御部2は、セット可能な用紙サイズのいずれのサイズの用紙Pも用紙載置部11にセットされていないと判断することができる。
【0072】
そして、セットされていないと判断したとき、液晶等の表示部に用紙がセットされていない旨や用紙の補充を要する旨を表示して、ユーザーに用紙のセットを促すことができる。
即ち、給送動作を実行する前の比較的早い段階において、記録装置1は、用紙Pが無いことを認識することができる。従って、用紙載置部11に用紙Pが無い状態で、ホッパーアップすることを防止することができる。その結果、ホッパー71と給送ローラー74とが直接衝突することによる給送ローラー74のダメージを防止することができる。
【0073】
[給送開始]
【0074】
前述したように図4(A)(B)のように用紙Pの側端がきれいに揃ったと判断した場合、用紙Pの給送を開始する。
具体的には、用紙Pの両側側端が第1エッジガイド20および第2エッジガイド30によって揃えられた状態で、キャリッジ61を、前記当接レバー(図示せず)から離間させる。従って、給送用モーター77から第1エッジガイド20、第2エッジガイド30および押さえレバー81へ動力を伝達する動力伝達機構90の動力伝達を切断状態にすることができる。
【0075】
その後、制御部2は、給送用モーター77を駆動させ、給送ローラー74を回動させる。また、ホッパーレバー72を揺動させホッパー71を給送ローラー74に対して接近移動させる。所謂、ホッパーアップである。これにより、用紙載置部11に載置された複数の用紙Pのうち、最上位の用紙Pが給送ローラー74によって給送方向下流側へ送られる。そして、記録部60において記録が実行される。
【0076】
尚、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を僅かに幅方向外側へ移動させた後に給送を開始することが望ましい。これは、用紙Pの両側側端が第1エッジガイド20および第2エッジガイド30と接触することによる摩擦抵抗を低減することができるからである。
その結果、バックテンションをより低減することができる。
【0077】
また、一のジョブで連続して用紙Pを給送して記録を実行する場合、図4(A)(B)に示す状態で連続して給送することができる。
ここで、「一のジョブ」とは、入力された一の指令をいう。例えば、10枚の用紙Pを給送し記録する指令であれば、10枚の用紙Pを給送し記録を実行することが一のジョブである。
【0078】
用紙載置部11に載置された用紙Pの残り枚数が0枚になるまで、または用紙Pのサイズおよび種類等の設定条件を変更するまでは、図4(A)(B)に示す状態で連続して給送することができる。
尚、用紙Pを一枚一枚給送する前に、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を幅方向内側へ閉じて用紙Pの有無を確認するように構成してもよい。係る場合、用紙Pが無い状態でホッパーアップすることを防止することができる。その結果、給送ローラー74とホッパー71とが直に衝突することによる給送ローラー74のダメージを防止することができる。
【0079】
また、上記実施例では、係合部44が第1エッジガイド20の進路Rに進出可能な構成としたが、第2エッジガイド30の進路に進出可能な構成としてもよいのは勿論である。
またさらに、上記実施例では、一対の移動可能なエッジガイド(20、30)を設けて用紙Pを幅方向Xにおける中央に揃える構成としたが、これに限られるものではない。片側のみに移動可能なエッジガイドを設けて幅方向片側に用紙Pを揃える構成であってもよい。
【0080】
また、上記実施例では、係合手段40として一つの係合レバー41を揺動させる構成としたがこれに限られるものではない。当接部43から係合部44まで動力を伝達することができる構成であればよい。また、当接部43が積層方向上方へ押されることをきっかけとして、係合部44がばね等の力によって前記進路Rに進出する構成でもよい。またさらに、係合部44は積層方向において最上位の用紙より上方に設け上方から下方へ変位することにより前記進路Rに進出するように構成したが該構成に限らない。用紙載置部11の裏側からばね等の力によって前記進路Rに進出する構成でもよい。
【0081】
またさらに、係合部44が前記進路Rから退避するためにばね45を用いたがこれに限られない。係合レバー41の自重によって係合部44が前記進路Rから退避する構成でもよい。また、上記実施例では、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30が給送用モーター77の動力で移動する所謂、自動エッジガイドであるが、手動である場合でもよい。係る場合も同様に、係合手段40により用紙Pの座屈を防止することができる。
【0082】
本実施形態の記録装置1は、被記録媒体の一例である用紙Pが載置される載置部である用紙載置部11と、用紙Pの幅方向Xに移動可能であり、用紙載置部11に載置された用紙Pの側端を揃えるエッジガイドである第1エッジガイド20および第2エッジガイド30と、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を移動させるモーターである給送用モーター77と、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30と係合可能な係合手段40と、を備え、給送用モーター77の動力によって第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pに接近する側へ移動させる動作において、前記載置された用紙Pの積層方向Zにおける最上位の用紙Pが積層方向上方へ変位した際、係合手段40は、用紙Pによって積層方向上方へ押されることにより第1エッジガイド20または第2エッジガイド30の進路Rに進出し第1エッジガイド20または第2エッジガイド30と係合する構成であることを特徴とする。
【0083】
また、本実施形態において、係合手段40は、揺動可能なレバー部材である係合レバー41を有しており、係合レバー41の一端側である当接部43が用紙Pに押されることにより、係合レバー41の他端側である係合部44が第1エッジガイド20の進路Rに進出し第1エッジガイド20と係合する構成であることを特徴とする。
【0084】
[他の実施形態1]
図7(A)(B)に示すのは、他の実施形態1の係合レバーを示す概略図である。このうち、図7(A)は側面図である。一方、図7(B)は給送方向上流側からみた図である。
図7(A)(B)に示す如く、他の実施形態1の係合レバー112における係合部113は、幅方向Xに配列された複数の突部113aを有する。
尚、前述した実施形態と同様の部材については同じ符号を用いることとし、その説明は省略する。
【0085】
そして、前述した実施形態と同様にエッジガイド(20、30)に押されることにより用紙Pの幅方向中央部分が積層方向上方へ変位し当接部43と当接するように構成されている。ここで、前述した実施形態と異なる点は、係合部113が複数の突部113aを有しているので、複数の用紙サイズに対応して用紙Pが座屈する前の状態においてエッジガイド(20、30)の幅方向内側への移動を停止させることができる。
【0086】
具体的には、用紙サイズが異なると、用紙Pが座屈する直前のときのエッジガイド(20、30)の位置も異なる。用紙サイズが比較的小さい場合、用紙Pが座屈する直前のときのエッジガイド(20、30)の位置は、比較的幅方向内側の位置となる。一方、用紙サイズが比較的大きい場合、前記位置は比較的幅方向外側の位置となる。
尚、係合部113は、第1ガイド面21と当接するように構成したがこれに限られない。エッジガイド(20、30)の一部における幅方向内側面と当接することができればよい。これにより、エッジガイド(20、30)の幅方向内側へのさらなる移動を妨げることができるからである。
【0087】
また、他の実施形態1では、係合レバー112の係合部側に複数の突部113aを形成したが、これに限られない。エッジガイド側に複数の突部を形成して、係合部が複数の突部のうちの一の突部と係合するように構成してもよい。係る場合も同様の効果を得ることができるからである。
またさらに、係合レバー112の係合部側およびエッジガイド側の両方にそれぞれ幅方向Xに配列された複数の突部を形成してもよい。係る場合、それぞれの複数の突部の少なくとも一部が互いに係合することができ、同様の効果を得ることができるからである。
【0088】
また、他の実施形態1において、係合レバー112の係合部113がエッジガイド(20、30)の進路Rへ進出した状態か否かを判定するセンサー114が設けられている。従って、制御部2は、センサー114によって用紙Pが撓んで座屈する前の状態か否かを判断することができる。また、センサー114による判定と前述した実施形態の給送用モーター77の電流値が閾値に達したか否かの判定とを組み合わせることによって、どのような状態で前記電流値が閾値に達したかを制御部2は判断することができる。
【0089】
具体的には、エッジガイド(20、30)を幅方向内側へ移動させて用紙Pの側端を揃える動作を実行する際について考える。このとき、用紙Pの側端が揃ったことによって前記電流値が閾値に達したか、第1エッジガイド20が係合レバー112の係合部113に度当たったことによって前記電流値が閾値に達したかを判断することができる。
より具体的には、係合部113がエッジガイド(20、30)の進路Rへ進出していないとセンサー114が判定している状態で、前記電流値が閾値に達したと判定した場合、制御部2は、用紙Pの側端がきれいに揃ったと判断することができる。係る場合、制御部2は、エッジガイド(20、30)の幅方向内側への移動を停止させる。そして、前述したように用紙Pの給送を開始するように構成されている。
【0090】
一方、係合部113がエッジガイド(20、30)の進路Rへ進出しているとセンサー114が判定している状態で、前記電流値が閾値に達したと判定した場合、制御部2は、第1エッジガイド20が係合レバー112の係合部113に度当たった状態であると判断することができる。即ち、エッジガイド(20、30)が用紙Pを押す力が強すぎるため、用紙Pが撓んで座屈する前の状態であると判断することができる。係る場合、制御部2は、エッジガイド(20、30)を幅方向外側へ移動させ、用紙Pから離間させるように構成されている。
【0091】
従って、用紙Pが撓んだ状態を解除することができる。即ち、用紙Pを元の撓んでいない状態に戻すことができる。その後、制御部2は、前記電流値を監視しながら再度エッジガイド(20、30)を幅方向内側へ移動させるように構成されている。これは、用紙Pが撓むことなく用紙Pの位置、姿勢および側端を揃えることができる可能性があるからである。
【0092】
また、エッジガイド(20、30)を幅方向外側へ移動させ用紙Pから離間させてから再度幅方向内側へ移動させるように構成した場合、前記閾値をより小さく設定変更することが望ましい。給送用モーター77の電流値が変更前より小さい変更後の閾値に達することで用紙Pの側端が揃ったと判断することが可能であるからである。即ち、エッジガイド(20、30)が用紙Pを幅方向内側へ押す力をより小さくすることができ、用紙Pを撓ませずに用紙Pの側端を揃えることが可能であるからである。係る場合、前記閾値は、前記所定の範囲内において変更される。閾値は、予め制御部2が記憶している値を用いてもよいし、数式から算出した値を用いてもよい。例えば、変更後の閾値を変更前の閾値の8割の大きさに変更することができる。
【0093】
さらに、係合部113がエッジガイド(20、30)の進路Rへ進出しているとセンサー114が判定している状態で、前記電流値が閾値に達したと判定する毎に、エッジガイド(20、30)を幅方向外側へ移動させ用紙Pから離間させてから再度幅方向内側へ移動させ、前記閾値を徐々に小さく設定変更することが望ましい。前記閾値を徐々に小さく設定変更していくうちに、用紙Pの撓ませずに確実に用紙Pの側端を揃えることができるからである。
また、制御部2は、用紙Pの側端がきれいに揃ったと判断した場合、前述した位置検出手段5によってエッジガイド(20、30)の位置を検出するように構成されている。そして、検出したエッジガイド(20、30)の位置に基づいて、載置されている用紙Pのサイズを判断することができるように構成されている。
【0094】
他の実施形態1において、係合手段40の係合レバー112および第1エッジガイド20の一方は、幅方向Xに配列された複数の突部113aを有し、係合レバー112が用紙Pに押された際、複数の突部113aのうちの一の突部が係合レバー112および第1エッジガイド20の他方と接触する構成であることを特徴とする。
また、他の実施形態1において、係合手段40の係合レバー(112)および第1エッジガイド(20)は、幅方向Xに配列された複数の突部(113a)をそれぞれ有し、係合レバー(112)が用紙Pに押された際、係合レバー(112)および第1エッジガイド(20)の一方の前記複数の突部(113a)のうちの少なくとも一部の突部が、係合レバー(112)および第1エッジガイド(20)の他方の前記複数の突部(113a)のうちの少なくとも一部の突部と接触する構成であることを特徴とする。
【0095】
またさらに、他の実施形態1において、給送用モーター77を駆動させた際の電流値が所定の範囲内で記録装置1が設定した閾値に達したか否かを判定する第1判定手段としての制御部2と、係合手段40が第1エッジガイド20の進路Rに進出したか否かを判定する第2判定手段としてのセンサー114と、をさらに備え、記録装置1は、給送用モーター77の一方向への駆動によって第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pに接近する側へ移動させて用紙Pの側端に接触させる際、制御部2によって前記電流値を監視しながら第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を移動させ、センサー114が前記進出したと判定せずに、前記電流値が前記閾値に達した場合、給送用モーター77の一方向への駆動を停止させて第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の前記接近する側への移動を停止させ、センサー114が前記進出したと判定し、前記電流値が前記閾値に達した場合、給送用モーター77の動力によって第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pから離間する側へ移動させてから、前記電流値を監視しながら第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pに接近する側へ移動させることにより、第1エッジガイド20および第2エッジガイド30を用紙Pの側端に接触させる構成であって、用紙Pの側端を揃える際の第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の用紙Pに接近する側への移動が二回目以降の場合において、今回の移動における前記閾値を前回の移動のときの前記閾値より小さくなるように変更する構成であることを特徴とする。
【0096】
また、他の実施形態1において、幅方向Xにおける第1エッジガイド20および第2エッジガイド30の位置を検出する位置検出手段5をさらに備えていることを特徴とする。
またさらに、他の実施形態1において、用紙載置部11より送り方向下流側の記録部60へ用紙Pを送る送り手段としての給送部70および搬送部50と、給送部70および搬送部50が用紙Pを送る量を測定するセンサーとしてのロータリーエンコーダー6と、をさらに備え、前記モーターは、給送部70および搬送部50を駆動させる給送用モーター77を兼ねた構成であり、位置検出手段5は、ロータリーエンコーダー6のエンコーダースリット板3およびエンコーダーセンサー4を用いて検出することを特徴とする。
【0097】
[他の実施形態2]
図8(A)(B)に示すのは、他の実施形態2の係合レバーを示す概略図である。このうち、図8(A)は用紙が撓む前の状態における給送方向上流側からみた図である。一方、図8(B)は用紙の側端側が撓んで係合レバーの係合部が第1エッジガイドと係合した状態における給送方向上流側からみた図である。
図8(A)(B)に示す如く、他の実施形態2の係合レバー115は、幅方向Xに配列された複数の歯部116aを有する。一方、第1エッジガイド20には単一の歯117が形成されている。
【0098】
前述した他の実施形態1と異なる点は、複数の歯部116aと、単一の歯117とがエッジガイド(20、30)の移動中において前述した他の実施形態1と比較して係合しやすい点である。複数の歯部116aと、単一の歯117とが係合したときの度当たる面は、幅方向Xに対して垂直に形成されており、係合したときに確実にエッジガイド(20、30)のさらなる幅方向内側への移動を停止させることができる。また、複数の歯部116aおよび単一の歯117における前記度当たる面以外の面は、幅方向Xに対して複数の歯部116aおよび単一の歯117の接離方向に傾いて形成されている。
【0099】
従って、係合する際、スムーズに係合することができる。即ち、係合する際、前述した他の実施形態1では、複数の突部113a(図7(B)参照)の平らな先端が第1エッジガイド20と接触することにより度当たるタイミングが僅かに遅くなる虞がある。他の実施形態2の構成では、複数の歯部116aおよび単一の歯117の先端が平らではないため、他の実施形態1と比較して度当たるタイミングが遅れる虞がなくスムーズに係合することができる。
またさらに、係合レバー115の当接部118は、幅方向Xにおいて用紙Pが載置される全範囲に延設されている。従って、図8(B)に示す如く、用紙Pの側端近傍が撓んだ場合であっても、係合部116を第1エッジガイド20の進路Rに進出させることができる。その結果、用紙Pの側端近傍が座屈することを防止することができる。
【0100】
他の実施形態2において、係合手段40は、用紙Pが積層方向上方へ変位した際に用紙Pと当接可能な当接部118を有し、当接部118は、幅方向Xにおいて用紙Pが載置される全範囲に延設されていることを特徴とする。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0101】
1 記録装置、2 制御部、3 エンコーダースリット板、4 エンコーダーセンサー、
5 位置検出手段、6 ロータリーエンコーダー、10 基体部、11 用紙載置部、
20 第1エッジガイド、21 第1ガイド面、22 第1はすばラック、
30 第2エッジガイド、31 第2ガイド面、32 第2はすばラック、
40 係合手段、41 係合レバー、42 支軸、43 当接部、44 係合部、
45 ばね、50 搬送部、51 搬送駆動ローラー、52 搬送従動ローラー、
53 用紙支持部、54 排出駆動ローラー、55 排出従動ローラー、
56 キャリッジガイド軸、60 記録部、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、
70 給送部、71 ホッパー、72 ホッパーレバー、74 給送ローラー、
74a 給送用ローラー軸、75 給送経路、76 分離パッド、
77 給送用モーター、90 動力伝達機構、91 モーターピニオン、
92 第1ギア、93 第2ギア、94 複合ギア、94a 第3ギア、
94b 第4ギア、95 クラッチ機構、96 第5ギア、110 動力伝達シャフト、
111 ウォーム、112 (他の実施形態1の)係合レバー、113 係合部、
113a 複数の突部、114 センサー、115 (他の実施形態2の)係合レバー、
116 係合部、116a 複数の歯部、117 歯、118 当接部、P 用紙、
R 進路、X (用紙の)幅方向、Y 給送(搬送)方向、Z (用紙の)積層方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体が載置される載置部と、
被記録媒体の幅方向に移動可能であり、前記載置部に載置された被記録媒体の側端を揃えるエッジガイドと、
該エッジガイドを移動させるモーターと、
前記エッジガイドと係合可能な係合手段と、を備え、
前記モーターの動力によって前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させる動作において、前記載置された被記録媒体の積層方向における最上位の被記録媒体が積層方向上方へ変位した際、前記係合手段は、被記録媒体によって積層方向上方へ押されることにより前記エッジガイドの進路に進出し前記エッジガイドと係合する構成である記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、前記係合手段および前記エッジガイドの一方は、幅方向に配列された複数の突部を有し、
前記係合手段が被記録媒体に押された際、前記複数の突部のうちの一の突部が前記係合手段および前記エッジガイドの他方と接触する構成である記録装置。
【請求項3】
請求項1に記載の記録装置において、前記係合手段および前記エッジガイドは、幅方向に配列された複数の突部をそれぞれ有し、
前記係合手段が被記録媒体に押された際、前記係合手段および前記エッジガイドの一方の前記複数の突部のうちの少なくとも一部の突部が、前記係合手段および前記エッジガイドの他方の前記複数の突部のうちの少なくとも一部の突部と接触する構成である記録装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置において、前記係合手段は、揺動可能なレバー部材を有しており、
該レバー部材の一端側が被記録媒体に押されることにより、該レバー部材の他端側が前記エッジガイドの進路に進出し前記エッジガイドと係合する構成である記録装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記係合手段は、被記録媒体が積層方向上方へ変位した際に該被記録媒体と当接可能な当接部を有し、
該当接部は、幅方向において被記録媒体が載置される全範囲に延設されていることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置において、前記モーターを駆動させた際の電流値が所定の範囲内で記録装置が設定した閾値に達したか否かを判定する第1判定手段と、
前記係合手段が前記エッジガイドの進路に進出したか否かを判定する第2判定手段と、をさらに備え、
記録装置は、前記モーターの一方向への駆動によって前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させて被記録媒体の側端に接触させる際、前記第1判定手段によって前記電流値を監視しながら前記エッジガイドを移動させ、
前記第2判定手段が前記進出したと判定せずに、前記電流値が前記閾値に達した場合、前記モーターの一方向への駆動を停止させて前記エッジガイドの前記接近する側への移動を停止させ、
前記第2判定手段が前記進出したと判定し、前記電流値が前記閾値に達した場合、前記モーターの動力によって前記エッジガイドを被記録媒体から離間する側へ移動させてから、前記電流値を監視しながら前記エッジガイドを被記録媒体に接近する側へ移動させることにより、前記エッジガイドを被記録媒体の側端に接触させる構成であって、被記録媒体の側端を揃える際の前記エッジガイドの被記録媒体に接近する側への移動が二回目以降の場合において、今回の移動における前記閾値を前回の移動のときの前記閾値より小さくなるように変更する構成である記録装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録装置において、前記幅方向における前記エッジガイドの位置を検出する位置検出手段をさらに備えている記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録装置において、
前記載置部より送り方向下流側の記録部へ被記録媒体を送る送り手段と、
該送り手段が被記録媒体を送る量を測定するセンサーと、をさらに備え、
前記モーターは、前記送り手段を駆動させるモーターを兼ねた構成であり、
前記位置検出手段は、前記センサーを用いて検出することを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−42478(P2011−42478A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192586(P2009−192586)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】