説明

試料の断面部を画像化するための方法及びシステム

【課題】 試料の断面部の画像を得るための方法及びシステムの提供。
【解決手段】 試料の断面部をさらすように試料を粉砕するが、断面部が、第一材料から製造された少なくとも一つの第一部分と第二材料から製造された少なくとも一つの第二部分を備えるステップと;断面部を平滑にするステップと;断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行うステップと;断面部を導電物質の薄層で被覆するステップと;断面部の画像を得るステップと;を含み、粉砕するステップ、平滑にするステップ、エッチングを行うステップ、被覆するステップ、画像を得るステップが、試料が真空のチャンバ内に配置されている間に行われる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[001]本出願は、2007年8月22日出願の米国仮特許出願第60/957,420号の仮明細書ではなく、参照により援用するものであり、優先権の利益を主張する。
【発明の分野】
【0002】
[002]本発明は試料の断面部の画像を得るための方法及びシステムに関する。
【発明の背景】
【0003】
[003]電子材料及びこのような材料を電子構造に製造する方法の研究において、電子構造の試料は、故障解析とデバイス検証のために、顕微境検査にしばしば用いられる。例えば、シリコンウエハのような電子構造の試料は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)でしばしば解析され、ウエハにおいて個々の特有の特徴部が研究される。このような特有の特徴部には、製造された回路と製造プロセスの間に形成されたいかなる欠陥をも含まれることがある。電子顕微鏡は、半導体デバイスの顕微境構造を解析する最も有効な装置の一つである。
【0004】
[004]電子顕微鏡検査のための電子構造の試料を作製する際に、種々の研磨と粉砕のプロセスが、個々の特有の特徴部がさらされるまで構造を区分化するために使用し得る。
【0005】
[005]デバイス次元がサブハーフミクロンレベルに継続的に減少されるにつれて、電子顕微鏡における研究のための試料を作製する技術はより重要になってきた。光学顕微鏡によって構造を研究する従来の方法は、光学顕微鏡の許容し得ない分解能によって、最新の電子構造における特徴部を研究するために使用することができない。
【0006】
[006]TEM技術は、SEM技術を用いて利用するよりも、試料の内部構造のより高い分解能画像と更に詳細な説明を与えることができるが、それらは単に電子透過試料に有効であるにすぎない。従って、試料が電子ビームによって透過するのに充分な薄さで、また、ぼやけている画像を引き起こす複数の散乱を避けるのに充分な薄さでなければならないことはTEM試料に基本的な要件である。それにもかかわらず、ウエハから抜き出される薄い試料が脆く、破砕又は崩壊を受けることがあることは当該技術において認識されている。更に、薄く抜き出された試料の壊れやすい性質は、薄い試料を抜き出すプロセスが自動化することが難しく、従ってこれらのプロセスを自動化する努力を妨げることを意味する。更に、TEM試料の作製とTEM画像化プロセスは、通常は時間を費やし、インラインで行うことができない。このプロセスにおいて、まず、TEM試料が作製されなければならず、その後、ウエハからつり出され、TEMの試料ホルダ上へ置かれる。ここで、TEMを用いて行われるTEM画像化の準備ができる。
【0007】
[007]走査型電子顕微鏡(SEM)や集束イオンビーム(FIB)ユニットを組込んでいるデュアルカラムシステムは、局在断面部の高分解能SEM画像を作ることができる。典型的なFIBユニットは、SEMVisionTMG2 FIBを含むAppliedMaterials(カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials)から製造されたものや200、820、830、又は835のモデルとしてオレゴン州ヒルズボロのFEI社から入手できるものである。熟練従業者は、“Systemand Methodfor Directinga Miller”と称するShemeshらの米国特許第6,670,610号をも参照する。典型的なデュアルカラムシステムとしては、SEMカラム、FIBカラム、ウエハと、ウエハが粉砕されつつ(FIBによって)、また、画像にしつつ(SEMによって)配置される真空のチャンバを支持する支持要素が挙げられる。
【0008】
[008]ウエハの断面部は以下によって作られる:(i)ウエハの断面部をさらすために粉砕しなければならない対象の位置に置くが、位置決めは、通常はSEMのナビゲーション、しばしば光学顕微鏡によって見出されること、(ii)ウエハがFIBユニットの下に位置するようにウエハを(機械的支持要素によって)移動すること、(iii)ウエハを粉砕して断面部をさらすこと。ウエハにおいて小さな穴を形成することによって断面部がさらされる(通常は横と縦の寸法が数ミクロンから数十ミクロンの大きさである)。断面部は、通常は縦であるので、SEMは断面部を画像化するために傾けなければならない。
【0009】
[009]今日、断面部に関するSEM画像の分解能は、数ナノメートルに制限されて画像化する。分解能は、ウエハが製造される非導電物質(又は部分的に導電性)の帯電効果のために制限される。分解能は、また、荷電粒子ビームとの相互作用に応答して電子を除外する比較的に大きな体積によって制限される。この体積は、情報体積とも呼ばれる。
【0010】
[0010]先端FABプロセスがSEM分解能限度を超える薄層を必要とすることは留意される。更に、断面部はSEM画像化によって識別され得ない材料から製造された部分を含むことがある。例えば、異なるタイプの誘電体層がSEM画像上に同様の階調レベルで見えるので、ほとんど解決できない。
【0011】
[0011]断面部画像化の分解能は、改善することができ、物質間の区別(コントラストとも呼ばれる)は、従来の技術の種々のプロセスによって改善することができる。
【0012】
[0012]分解能と物質の独自性を改善する従来技術の一プロセスは、複雑で多くの時間を必要とする。以下のステップが含まれる:(i)ウエハを試料に破壊することによってウエハを断面にするステップ、(ii)必要とされる表面までウエハ試料を研磨するステップ、(iii)ウエハ試料を溶液(例えば、HF)に浸漬することによってウエットエッチングを行うステップ、(iv)断面部を導電物質(例えば、約1ナノメートルの金又はクロム)で被覆するステップ、(v)(ここで被覆された)断面部を画像化するステップ。
【0013】
[0013]従来の技術のこのプロセスは、異なる材料を区別する微細な形状をもち(ウエットエッチングプロセス中異なる材料は異なる速度でエッチングされる)、帯電効果を減少させるように導電物質で被覆され情報体積を減少させる(実質的には導電層に限定される)断面部を与える。
【0014】
[0014]この上述したプロセスは、いくつかの欠点:例えば、(i)ウエットエッチングはSEM(又はデュアルカラムツール)の真空のチャンバ内で実行することができないこと、(ii)ウエハの破壊は有害であること、(iii)ウエハが破壊され、研磨され、ウェットエッチングチャンバ内に配置され、エッチングされ、ウェットエッチングチャンバから取り出され、物質堆積チャンバ内へ配置され、物質で被覆され、物質堆積チャンバから取り出され、SEMの真空のチャンバヘ配置され、画像化されなければならないので全てのプロセスは複雑で多くの時間を必要とすること、を有するがこれらに限定されない。
【0015】
[0015]ウエハを粉砕するための他の技術は、Nadeauらの米国特許出願公開第2005/0103746号やRijpersらの米国特許出願公開第2007/0093044号に示されている。
【0016】
[0016]試料の断面部を画像化するための高速且つ効率の良い方法及びシステムを提供する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【0017】
[0017]試料の断面部の画像を得る方法であって:前記方法には、(i)試料の断面部をさらすように試料を粉砕するが、断面部は、第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を含むステップと、(ii)断面部を平滑にするステップと、(iii)断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行うステップと、(iv)断面部を導電物質の薄層で被覆するステップと、(v)断面部の画像を得るステップと、が含まれる。ここで、粉砕するステップ、平滑にするステップ、エッチングするステップ、被覆するステップ、画像を得るステップは、試料が真空のチャンバ内に配置されている間に行われる。
【0018】
[0018]都合の良いことに、前記方法は、光活性化エッチャントガスを光にさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む。
【0019】
[0019]都合の良いことに、前記方法は、断面部に最も近いか又は断面部の少なくとも一部を含む領域に光の焦点を合わせるステップを含む。
【0020】
[0020]都合の良いことに、領域は、断面部の画像を得るのに用いられる荷電粒子ビームカラムの視野の中に位置する。
【0021】
[0021]都合の良いことに、領域は、断面部の画像を得るために用いられる荷電粒子ビームカラムの視野の外部に位置する。
【0022】
[0022]都合の良いことに、ガス援助エッチングは、200ナノメートルを超えない波長をもつ光に光活性化エッチャントガスをさらすことを含む。光の波長が200ナノメートルを超えることができることは留意される。更に、波長の範囲にわたる非単色光が使用し得ることも留意される。この範囲には、200ナノメートルを超える波長、200ナノメートル未満の波長又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
[0023]都合の良いことに、前記方法は、荷電粒子ビーム活性化エッチャントガスを荷電粒子ビームにさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む。
【0024】
[0024]都合の良いことに、前記方法は、ガスをパルス光にさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む。
【0025】
[0025]都合の良いことに、粉砕するステップは、真空のチャンバに結合した集束イオンビームカラムによって作られた集束イオンビームによって試料を粉砕する工程を含み;画像を得るステップは、真空のチャンバに結合した走査型電子顕微鏡カラムによって生じた電子ビームによって断面部を照射する工程を含み;走査型電子顕微鏡カラムは、集束イオンビームカラムとほぼ平行である。
【0026】
[0026]都合の良いことに、被覆するステップは、ガス援助コーティングを行う工程を含む。
【0027】
[0027]都合の良いことに、ガス援助エッチングを行うステップは、断面部に最も近いか又は断面部を含む領域にエッチャントガスを噴霧する工程を含む。
【0028】
[0028]断面部画像化システムのシステムには、真空のチャンバに結合した少なくとも一つの荷電粒子ビームカラムが含まれる。ここで、前記システムは:(i)試料の断面部をさらすように試料を粉砕するが、断面部は第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を備え;(ii)断面部を平滑にし;(iii)断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行い;(iv)断面部を導電物質の薄層で被覆し;更に、(v)断面部の画像を得るように適合されている。ここで、試料が粉砕される間、断面部が平滑にされる間、ガス援助エッチングが行われる間、断面部が被覆される間、更に、画像が得られる間、試料は真空のチャンバ内に配置される。試料が粉砕されるが、断面部は平滑にされ、断面部は被覆され、少なくとも一つ荷電粒子ビームカラムによって作られた少なくとも一つの荷電粒子ビームを用いることによって断面部の画像が得られる。
【0029】
[0029]都合の良いことに、前記システムは、照射ユニットを備える;ここで、システムは、光活性化エッチャントガスに対して照射ユニットによって生じた光を送ることによって試料を粉砕する。
【0030】
[0030]都合の良いことに、照射ユニットは、断面部に最も近いか又は断面部の少なくとも一部を含む領域に光の焦点を合わせる集束光学系を備える。
【0031】
[0031]都合の良いことに、領域は、荷電粒子ビームカラムの視野の中に位置する。
【0032】
[0032]都合の良いことに、領域は、少なくとも一つの荷電粒子ビームカラムのそれぞれの各視野の外部に位置する。
【0033】
[0033]都合の良いことに、照射ユニットは、200ナノメートルを超えない波長をもつ光を生じる。
【0034】
[0034]都合の良いことに、システムは、荷電粒子ビームカラムによって生じた荷電粒子ビームに荷電粒子ビーム活性化エッチャントガスをさらすように適合される。
【0035】
[0035]都合の良いことに、照射ユニットは、パルス光を生じる。
【0036】
[0036]都合の良いことに、少なくとも一つの荷電粒子ビームカラムは、集束イオンビームカラムと走査型電子顕微鏡カラムを備えるが;ここで、走査型電子顕微鏡カラムは、集束イオンビームカラムにほぼ平行であり;走査型電子顕微鏡カラムは、断面部を画像化し;集束イオンビームカラムは、試料を粉砕し、断面部を平滑にする。
【0037】
[0037]都合の良いことに、前記システムは、断面部のガス援助コーティングの間、ガスを供給するように適合されたガスコンジットを備える。
【0038】
[0038]都合の良いことに、前記システムは、断面部に最も近いか又は断面部を含む領域にエッチャントガスを噴霧するように適合された噴霧ユニットを備える。
【0039】
[0039]本発明を理解するために、また、実際にどのように行うことができるかを見るために、ここで、実施形態を限定されない例としてのみ添付図面によって記載する。
【図面の詳細説明】
【0040】
[0051]本明細書に示される実施形態の種類が、本明細書の革新的な教示の有利な多くの使用のわずか数例のみを示すことは理解されるべきである。一般に、本出願の明細書になされた説明は、必ずしも種々の特許請求された本発明の一部の範囲を定めていない。更に、一部の説明は、本発明の一部の特徴に当てはめることができるが、他に当てはめることができない。
【0041】
[0130]本発明の多くの実施形態によれば、試料形成のために開示された方法は、試料の一部を切断することから始める。一試料の実施形態において、試料は半導体ウエハであるが、他の実施形態において、例示的な試料としては、生物体、マイクロメカニカルデバイス、薄膜等が挙げられる。
【0042】
[0052]以下に述べられるシステムと方法は、ウエハを破壊せずに、ウエハ破損(上述した第二方法)によって得られたものに匹敵する分解能と物質コントラストを得る。断面部は、真空のチャンバからウエハを取り出さずに、形成され、平滑にされ、選択的にエッチングされ、被覆され、画像化される。
【0043】
[0053]本発明の実施形態によれば、システムは、複数のカラムを含む。例えば、システムは、FIBカラムとSEMカラムを含むことができる。本発明の他の実施形態によれば、システムは一つのみのカラムを含む。例えば、システムがSEMカラムのみを含む場合には、(FIB粉砕に比べて)粉砕プロセスが遅くなることが予想される。説明を簡単にするために、以下の例は、デュアルカラムシステムを示し、SEMカラムは、断面部を画像化し、FIBカラムは、ウエハを粉砕し、断面部を平滑にする。当業者は、SEMカラムが物質を除去する(更に/又は断面部を平滑にする)ことができ、FIBカラムが断面部を画像化することができることを理解する。
【0044】
[0054]以下に示されるシステムのそれぞれが較正プロセスを行うことができ、以下に示される方法が較正段階を含むことができることは留意される。較正段階の間、システムの種々のパラメータ、例えば、FIBカラムパラメータ、光源パラメータ、SEMカラムパラメータ、ガスパラメータ(又はこれらの組み合わせ)は変動させることができる。これらのパラメータとしては、光の波長、光のコヒーレンス、光の強度、光の変調、光の偏光、荷電粒子ビーム電流、荷電粒子ビーム電圧、スポットサイズ、荷電粒子ビームの走査又はスポット方式、ガスの種類、ガス圧が含まれ得る。較正プロセスは、被覆ステップ、粉砕ステップ、画像化ステップ、エッチングステップ等を最適化することができる。例えば、正確な厚さを有する均一な堆積プロセスを与えるために上述したこれらのパラメータの一つ以上を選択することができる。
【0045】
[0055]全ての図面が一定の比率で縮小されてなく、また、用語“第一”や“第二”は一つの部分ともう一つの部分又は一つの物質ともう一つの物質の間で識別するために用いられることは留意される。
【0046】
[0056]荷電粒子ビーム活性化ガス援助エッチング
[0057]図1aは、本発明の実施形態の断面部を画像化するためのシステム10を示す図である。
【0047】
[0058]システム10は、FIBカラムと20、SEMカラム30と、真空のチャンバ40と、支持要素50と、ガス供給ユニット60とを含む。FIBカラム20とSEMカラム30は、真空のチャンバ40に接続されるので、(ウエハ100上に作用する前に)これらの荷電粒子カラムのいずれか一つによって生じた荷電粒子ビームが真空のチャンバ40内に形成された真空環境を通って広がる。
【0048】
[0059]システム10は、荷電粒子ビーム活性化エッチャントガスをSEMカラム30によって生じた電子ビームにさらすことによってガス援助エッチングを行う。
【0049】
[0060]試料(例えば、ウエハ100)は、要素50によって支持されるとともに要素50を支持することによって(真空のチャンバ40内に)搬送される。FIBカラム20は、断面部を形成するためにウエハ100を粉砕することができるとともに断面部を平滑にする。都合の良いことに、平滑にすることには、ウエハ100の粉砕との関連でより小さな加速電圧を用いることが含まれる。断面部は、第一物質から製造された一つ以上の第一部分と第二物質から製造された一つ以上の第二部分が含まれる。断面部が他の物質から製造された追加の部分から製造され得ることは留意される。
【0050】
[0061]システム10は、その後、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行う。このステップの間、ガス供給ユニット60は、荷電粒子ビーム活性化ガスを、断面部を含むことができる領域又は断面部に最も近づくことができる領域に供給する。
【0051】
[0062]本発明の実施形態によれば、荷電粒子ビーム活性化ガスは、電子ビーム活性化ガスである。SEMカラム30は、電子ビーム活性化ガスを活性にするように電子ビーム活性化ガスを電子ビームへさらす。
【0052】
[0063]本発明の実施形態によれば、荷電粒子ビーム活性化ガスは、イオン活性化ガスである。FIBカラム20は、イオンビーム活性化ガスを活性にするようにイオンビーム活性化ガスをイオンビームにさらす。
【0053】
[0064]荷電粒子活性化ガスは、非反応性又は荷電粒子ビームが存在しないとわずかに反応性である。荷電粒子ビームにさらした後、反応性になり、異なる物質を異なる速度でエッチングするので、微細な形状が生じる。
【0054】
[0065]電子ビーム活性化ガスを活性にするために、通常は数千の電子ボルト(数keV)のエネルギーレベルをもつ電子ビームが用いられる。イオンビーム活性化ガスを用いる場合には、低エネルギー(例えば、約数百電子ボルト)のイオンビームを用いることが都合が良い。
【0055】
[0066]図1dは、一つ以上の荷電粒子電子ビーム90との相互作用の結果として断面部92をエッチングする荷電粒子ビーム活性化ガスの分子91を示す図である。断面部92は、試料を粉砕後にさらされて、断面部の穴93を形成する。
【0056】
[0067]図2aは、エッチング前とエッチング後の断面部92を示す図である。エッチングの前の断面部92は平滑である。断面部をエッチングした後、(第二物質から製造される)第二部分93(2)が第一部分93(1)と(第一物質から製造される)第一部分93(3)よりも大きい速度でエッチングされるので、微細な形状が形成された。
【0057】
[0068]選択的エッチングプロセス後、システム10は、断面部を導電物質の薄層で被覆する。システム10は、(ガス供給ユニット69を用いることによって)断面部上に物質を堆積させるためにガスが荷電粒子ビームと相互作用するガス援助コーティングプロセスを適用することができる。
【0058】
[0069]都合の良いことに、システム10は、タングステンや白金のような導電物質を堆積することができるガスを噴射することができる。ガスは、電子ビーム又はイオンビームの存在しないときに非反応性であることができ、このような荷電粒子ビームと相互作用するときに反応性になる。断面部表面上に他のタイプの導電物質を堆積するために他のガスが使用し得ることは留意される。
【0059】
[0070]断面部が被覆された後、SEMカラム30は、断面部の画像を得るために断面部を走査する。画像は、システム10の一つ以上の検出器(図示せず)からのプロセス検出シグナルによって得られる。当該技術において既知である領域を走査することとSEM画像を得ることは、更に説明を必要としない。断面部を被覆した後、断面部の画像を得るためにFIBカラム20が断面部を走査することができることは留意される。
【0060】
[0071]ウエハ100(特に断面部)がSEMカラム30の視野の中にある位置からウエハ100(特に断面部)がFIBカラム20の視野の中にある位置に支持要素50がウエハ100を移動することができることは留意される。
【0061】
[0072]ガス供給ユニット60は、荷電粒子ビーム活性化ガスとガス援助コーティングプロセス中に用いられるガスを供給するために使用し得る。同じパイプがこれらのガスを供給するために使用し得るが、必ずしもそのようにしないことは留意される。ガス供給ユニット60には、ガスリザーバと、ガス源と、バルブと、一つ以上の注入口と、一つ以上の排出口が含まれ得ることは留意される。説明を簡単にするために、ガス供給ユニット60は、パイプとして示す。
【0062】
[0073]図6aは、本発明の実施形態の試料の断面部を画像化する方法を示す図である。
【0063】
[0074]方法200は、真空のチャンバ内に試料を配置し、真空のチャンバ内に真空の環境を生成させるステップ210によって開始する。試料が真空のチャンバ内に配置されている間に、ステップ220、230、240、250、260が実行される。都合の良いことに、一つ以上の断面部は、真空のチャンバから試料を取り出さずに形成され画像化される。
【0064】
[0075]方法200は、また、ある一定の位置で試料を粉砕するように決定するか又はある一定の位置で試料を粉砕するように指示を受けるステップ212を含む。ある一定の位置は、システムのオペレータによって選択することができ、予め特定することができ、事前の測定の結果に応じて決定することができる。ステップ212は、ステップ210に先行することができ、ステップ210に続くことができ、ステップ210と同時に実行することができる。説明を簡単にするために、ステップ212をステップ210に続くように示す。
【0065】
[0076]ステップ212は、試料の断面部をさらすように試料の粉砕するステップ220が続けられるが、断面部は、第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を含む。ステップ220は、粉砕すべき位置の場所を決め、その後、その位置を粉砕して、荷電粒子ビームを用いて断面部をさらすことを含む。
【0066】
[0077]ステップ220は、断面部を平滑にする(微細に粉砕する)ステップ230が続けられる。
【0067】
[0078]ステップ230は、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチング(荷電粒子ビーム活性化ガスを荷電粒子ビームにさらすことによって)を行うステップ240が続けられる。
【0068】
[0079]ステップ240は、断面部を導電物質の薄層で被覆するステップ250が続けられる。ステップ250は、ガス援助コーティングを含むことができる。
【0069】
[0080]ステップ250は、断面部の画像を得るステップ260が続けられる。
【0070】
[0081]ステップ260が、真空のチャンバ(ステップ270)から試料を取り出すことを続けることができ、他の断面部が形成され画像化されるようにステップ220を続けることもできることは留意される。
【0071】
[0082]更に、方法200は、システム10によって実行することができるが、必ずしもそのようにしないことは留意される。例えば、単一荷電粒子ビームカラムシステムは、方法200を実行することができる。
【0072】
[0083]都合の良いことに、粉砕するステップ220は、真空のチャンバに結合した集束イオンビームカラムによって生じた集束イオンビームによって試料を粉砕することを含む。都合の良いことに、ステップ260は、真空のチャンバに結合した走査型電子顕微鏡カラムによって生じた電子ビームによって断面部を照射することを含む。走査型電子顕微鏡カラムは、集束イオンビームカラムとほぼ平行であり得る。
【0073】
[0084]光活性化ガス援助エッチング
[0085]図1bは、本発明の実施形態の断面部を画像化するシステム11を示す図である。
【0074】
[0086]システム11は、FIBカラム20と、SEMカラム30と、真空のチャンバ40と、支持要素50と、ガス供給ユニット60と照射ユニット70とを含む。FIBカラム20とSEMカラム30は、これらの荷電粒子ビームのいずれか一つによって生じた荷電粒子ビームが(ウエハ100上に衝突する前に)真空のチャンバ40内で形成された真空環境を通って広がるように真空チャンバ40に接続される。
【0075】
[0087]システム11は、光活性化エッチャントガスを照射ユニット70によって生じた光にさらすことによってガス援助エッチングを行う。照射ユニット70は、光源71のような光源を含むことができ、集束光学系72のような集束光学系を備えることもできる。これらの要素(71、72)のそれぞれは、真空のチャンバ40内に位置し得るが、必ずしもそのようにしない。光源71は、単色光源、広帯域の光源、パルス光源、連続光源であることができ、レーザ、ランプ(例えば、水銀ランプに限定されない)であることができ、200ナノメートルを超えない波長の光を生じることができるが、必ずしもそのようにしない。
【0076】
[0088]集束光学系72は、断面部を含むことができ、断面部の一部のみを含むことができ、且つ断面部に接近して位置することができる領域に光の焦点を合わせる。例えば、領域は、断面部から数ナノメートルから数ミクロンに位置することができる。光ビームが断面部に焦点を合わせるときでさえ、ビームが断面部に近くに位置しない光活性化エッチャントガスを通過することができることは留意される。
【0077】
[0089]上述の領域に光ビームの焦点を合わせることによって、選択的エッチングが(主に又は唯一)断面部近くで行われ、ウエハの他の部分は、ほとんど(又は全くさえ)エッチングされない。
【0078】
[0090]都合の良いことに、光活性化ガスは、ガス供給ユニット60を通って、特にガス供給ユニット60のパイプ63を通って誘導される。パイプ63は、ウエハ100近くに位置するノズル64へ接続される。通常は、ガスパイプ63は、加熱され、パイプ63内部での物質の凝縮を避ける。都合の良いことに、光活性化ガスはXeF、NF又はSFを含むことができるがこれらに限定されない。
【0079】
[0091]光の波長は、光活性化ガスの活性エネルギーに左右される。都合の良いことに、効率の良い活性化プロセスを生成するために200nm以下の範囲の波長が用いられなければならない。異なるパイプが光活性化エッチャントガスやガス援助コーティングプロセス中に用いられるガスを与えるために使用し得るが、必ずしもそのようにしないことは留意される。
【0080】
[0092]ガス供給ユニット60がガスリザーバと、ガス源と、バルブと、一つ以上の注入口と、一つ以上の排出口とを含むことができることは留意される。説明を簡単にするために、ガス供給ユニット60をパイプ63とノズル64を含むように示す。
【0081】
[0093]試料(例えば、ウエハ100)は、支持要素50によって支持され、更に、支持要素50によって(真空のチャンバ40内に)搬送される。FIBカラム20は、断面部を形成するためにウエハ100を粉砕することができ、更に、断面部を平滑にする。都合の良いことに、平滑には、ウエハ100の粉砕との関連でより小さい加速電圧を用いることが必要とされる。断面部は、第一物質から製造された一つ以上の第一部分と第二物質から製造された一つ以上の第二部分を含む。断面部が、また、他の物質から製造された追加の部分から製造され得ることは留意される。
【0082】
[0094]その後、システム11は、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行う。このステップ中、ガス供給ユニット60は、光活性化ガスを断面部を含むことができる領域又は断面部に最も近づくことができる領域に供給する。
【0083】
[0095]光活性化ガスは、非反応性又は光の欠損のあるときにわずかに反応性である。光にさらした後に反応性になり、異なる速度で異なる物質をエッチングするので、微細な形状が生じる。
【0084】
[0096]選択的なエッチングプロセスの後、システム11は、断面部を導電物質の薄層でコーティングする。システム11は、断面部上に物質を堆積させるためにガスが荷電粒子ビームと相互作用するガス援助コーティングプロセスを適用することができる。
【0085】
[0097]都合の良いことに、システム10は、タングステンや白金のような導電物質を堆積させることができるガスを噴射することができる。ガスは、電子ビーム又はイオンビームの存在しないときに非反応性であることができ、このような荷電粒子ビームと相互作用するときに反応性になる。他のガスも断面部表面上に導電物質の他のタイプを堆積させるのに使用し得ることは留意される。
【0086】
[0098]断面部を被覆した後、SEMカラム30は、断面部の画像を得るために断面部を走査する。画像は、システム11の一つ以上の検出器(図示せず)から検出信号を処理することによって得た。当該技術において既知である領域を走査することとSEM画像を得ることは、更に説明を必要としない。断面部が被覆された後、断面部の画像を得るためにFIBカラム20が断面部を走査することは留意される。
【0087】
[0099]支持要素50が、ウエハ100をウエハ100(特に断面部)がFIBカラム20の視野の中にある位置からウエハ100(特に断面部)がSEMカラム30の視野の中にある位置に移動させることができることは留意される。
【0088】
[00100]更に、ガス援助エッチングプロセスの間、断面部を一つの荷電粒子ビームカラムの視野の中に(図3に示した)又はこれらの荷電粒子ビームカラムの視野外に(図4に示した)位置することができることは留意される。図3と図4は、光活性化ガス群51を示す。
【0089】
[00101]図6bは、本発明の実施形態の試料の断面部を画像化する方法201を示す図である。
【0090】
[00102]方法201は、真空のチャンバ内へ試料を配置するとともに真空のチャンバ内に真空の環境を生成させるステップ210によって開始する。ステップ220、230、241、250、260は、試料が真空のチャンバ内にある間に実行される。都合の良いことに、一つ以上の断面部が形成され、真空のチャンバから試料を取り出すことなく画像化される。
【0091】
[00103]方法201は、また、ある一定の位置で試料を粉砕することを決定するか又はある一定の位置で試料を粉砕するように指示を受けるステップ212を含む。ある一定の位置は、システムのオペレータによって選択されることができ、予め特定され、以前の測定の結果に応じて決定することができる。ステップ212は、ステップ210に前行することができ、ステップ210に続くことができ、ステップ210と同時に実行することができる。説明を簡単にするために、ステップ212は、ステップ210に続くように示す。
【0092】
[00104]ステップ212は、試料の断面部をさらすように試料の粉砕するステップ220が続けられるが、断面部は、第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を含む。ステップ220は、粉砕すべき位置を決めることと、その後、その位置を粉砕して、荷電粒子ビームを用いて断面部をさらすことを含む。
【0093】
[00105]ステップ220は、断面部を平滑にするステップ230が続けられる。
【0094】
[00106]ステップ230は、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように(光活性化エッチャントガスを光にさらすことによって)断面部のガス援助エッチングを行うステップ241が続けられる。
【0095】
[00107]都合の良いことに、ステップ241は、断面部に最も近いか又は断面部の少なくとも一部を含む領域に光の焦点を合わせるステップ244を含む。本発明の実施形態によれば、領域は、断面部の画像を得るために用いられる荷電粒子ビームの視野の中に位置する。本発明のもう一つの実施形態によれば、領域は、断面部の画像を得るために用いられる荷電粒子ビームカラムの視野外に位置する。
【0096】
[00108]ステップ241は、光活性化ガスを単色光、広帯域の光、光パルス、連続光束、レーザが生じる光、ランプ(例えば、水銀ランプであるがこれに限定されない)が生じる光、特に200ナノメートルを超えない波長の光にさらすことを含むことができる。
【0097】
[00109]ステップ241は、断面部を導電物質の薄層でコーティングするステップ250が続けられる。ステップ250は、ガス援助コーティングを含むことができる。
【0098】
[00110]ステップ250は、断面部の画像を得るステップ260が続けられる。
【0099】
[00111]ステップ260が、試料を真空のチャンバ(ステップ270)から取り出すことを続けることができ、他の断面部が形成され画像化されるようにステップ220を続けることもできることは留意される。
【0100】
[00112]更に、方法201がシステム11によって実行することができるが、必ずしもそのようにしないことは留意される。例えば、単一荷電粒子ビームカラムシステムは、方法201を実行することができる。
【0101】
[00113]都合の良いことに、粉砕のステップ220は、真空のチャンバと結合した集束イオンビームカラムによって生じた集束イオンビームによって試料を粉砕することを含む。都合の良いことに、ステップ260は、真空のチャンバに結合した走査型電子顕微鏡カラムによって生じた電子ビームによって断面部を照射することを含む。走査型電子顕微鏡カラムは、集束イオンビームカラムとほぼ平行であり得る。
【0102】
[00114]噴霧ベースのエッチング
[00115]図1cは、本発明の実施形態の断面部を画像化するためのシステム11を示す図である。
【0103】
[00116]システム12は、FIBカラム20と、SEMカラム30と、真空のチャンバ40と、支持要素50と、パイプ63と噴霧ユニット66を含むガス供給ユニット65とを含む。FIBカラム20とSEMカラム30は、真空のチャンバ40に接続され、これらの荷電粒子ビームのいずれか一つによって生じた荷電粒子ビームが(ウエハ100上に作用する前に)真空のチャンバ40内で形成された真空環境を通って広がる。
【0104】
[00117]ガス供給ユニット66が、ガスリザーバと、ガス源と、バルブと、一つ以上の注入口と、一つ以上の排出口とを含むことができることは留意される。説明を簡単にするために、ガス供給ユニット65をパイプ63と噴霧ユニット66を含ように示す。
【0105】
[00118]噴霧ユニット66は、断面部をエッチングするとともに上述した微細な形状を与えるためにエッチャントガスを断面部に噴霧するノズルを含む。エッチングガスは、電子ビーム、イオンビーム、又は光によって活性化されることなく自然に作用する。それ故、ノズルは、荷電粒子ビーム(荷電粒子ビーム活性化ガスを使用する場合)又は光ビーム(光活性化ガスを使用する場合)の通路に応答する位置にある必要がない。
【0106】
[00119](ウエハ100のような)試料は、支持要素50によって支持され、更に、支持要素50によって(真空のチャンバ40内に)搬送される。FIBカラム20は、断面部を形成するためにウエハ100を粉砕することができ、更に、断面部を平滑にする。都合の良いことに、平滑には、ウエハ100の粉砕と関連してより小さい加速電圧を用いることが必要とされる。断面部は、第一物質から製造された一つ以上の第一部分と第二物質から製造された一つ以上の第二部分を含む。断面部は、他の物質から製造された追加の部分から製造され得ることも留意される。
【0107】
[00120]その後、システム11は、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように断面部のガス援助エッチングを行う。このステップの間、ガス供給ユニット60、特に噴霧ユニット62は、エッチャントガスを断面部を含むことができる領域又は断面部に最も近い領域に噴霧する。
【0108】
[00121]エッチャントガスは、反応性であり、異なる速度で異なる物質にエッチングするので、微細な形状が生じる。
【0109】
[00122]選択的エッチングプロセス後、システム12は、断面部を導電物質の薄層で被覆する。システム12は、断面部上に物質を堆積させるためにガスが荷電粒子ビームと反応するガス援助コーティングプロセスを適用することができる。
【0110】
[00123]都合の良いことに、システム10は、タングステンや白金のような導電物質を堆積することができるガスを噴射することができる。ガスは、電子ビーム又はイオンビームの存在しないときに非反応性になることができ、このような荷電粒子ビームと反応するときに反応性になる。他のガスが断面部表面上に他のタイプの導電物質を堆積させるために使用し得ることは留意される。
【0111】
[00124]断面部を被覆した後、SEMカラム30は、断面部の画像を得るために断面部を走査する。システム12の一つ以上の検出器(図示せず)からの検出信号を処理することによって画像が得られた。当該技術において既知である領域を走査することとSEM画像を得ることは、更に説明を必要としない。断面部が被覆された後、FIBカラム20が断面部の画像を得るために断面部を走査することができることは留意される。
【0112】
[00125]支持要素50は、ウエハ100(特に断面部)がSEMカラム30の視野の中にある位置からウエハ100(特に断面部)がFIBカラム20の視野の中にある位置にウエハ100を移動させることができることは留意される。
【0113】
[00126]更に、ガス援助エッチングプロセスの間、(図に示した)断面部が荷電粒子ビームカラムの視野の中に又は(図に示した)これらの荷電粒子ビームカラムの視野外に位置することができることは留意される。
【0114】
[00127]図6cは、本発明の実施形態の試料の断面部を画像化する方法201を示す。
【0115】
[00128]方法202は、真空チャンバ内へ試料を配置するとともに真空のチャンバ内に真空の環境を生成させるステップ210によって開始する。ステップ220、230、242、250、260は、試料が真空のチャンバ内にある間に実行される。都合の良いことに、一つ以上の断面部が、真空のチャンバから試料を取り出すことなく形成され画像化される。
【0116】
[00129]方法202は、また、ある一定の位置で試料を粉砕することを決定するか又はある一定の位置で試料を粉砕するように指示を受けるステップ214を含む。正確な位置は、システムのオペレータによって選択することができ、予め特定することができ、以前の測定の結果に応じて決定することができる。ステップ214は、ステップ210に先行することができ、ステップ210に続くことができ、ステップ210と同時に実行することができる。説明を簡単にするために、ステップ214をステップ210に続くように示す。
【0117】
[00130]ステップ214は、試料の断面部をさらすように試料の粉砕するステップ220が続けられるが、断面部は、第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を含む。ステップ220は、粉砕すべき位置を決めること、その後、その位置を粉砕して、荷電粒子ビームを用いて断面部をさらすことを含むことができる。
【0118】
[00131]ステップ220は、断面部を平滑にするステップ230が続けられる。
【0119】
[00132]ステップ230は、断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように(エッチャントガスを噴霧することによって)断面部のガス援助エッチングを行うステップ241が続けられる。
【0120】
[00133]ステップ242は、断面部を導電物質の薄層で被覆するステップ250が続けられる。ステップ250は、ガス援助コーティングを含むことができる。
【0121】
[00134]ステップ250は、断面部の画像を得るステップ260が続けられる。
【0122】
[00135]ステップ260が、試料を真空のチャンバから取り出すことを続けることができ(ステップ270)、他の断面部が形成され画像化されるようにステップ220を続けることもできることは留意される。
【0123】
[00136]更に、方法202は、システム12によって実行することができるが、必ずしもそのようにしないことは留意される。例えば、単一荷電粒子ビームカラムシステムは、方法202を実行することができる。
【0124】
[00137]都合の良いことに、粉砕のステップ220は、真空のチャンバに結合した集束イオンビームカラムによって生じた集束イオンビームによって試料を粉砕することを含む。都合の良いことに、ステップ260は、真空のチャンバに結合した走査型電子顕微鏡カラムによって生じた電子ビームによって断面部を照射することを含む。走査型電子顕微鏡カラムは、集束イオンビームカラムとほぼ平行であり得る。
【0125】
[00138]本発明は従来のツール、手順、要素を用いることによって実施することができる。従って、このようなツール、要素、手順の詳細は、本明細書に詳しく示されていない。以前の説明においては、本発明の理解を充分にするために、多くの個々の詳細が示されている。しかしながら、本発明が特に示した詳細によることなく実施することができることは認識されなければならない。
【0126】
[00139]本発明の例示的実施形態のみとただしその有用な数例だけが本開示において図示され記載されている。本発明が種々の他の組み合せと環境において使用でき、また、本明細書に表される本発明の概念の範囲内で変更又は修正ができることは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1a】図1aは、本発明の実施形態の断面部を画像化するためのシステムを示す図である。
【図1b】図1bは、本発明の他の実施形態の断面部を画像化するためのシステムを示す図である。
【図1c】図1cは、本発明の更に他の実施形態の断面部を画像化するためのシステムを示す図である。
【図1d】図1dは、本発明の実施形態のガス援助エッチングを示す図である。
【図2a】図2aは、ガス援助エッチングを適用する前の試料の断面部を示す図である。
【図2b】図2bは、本発明の実施形態のガス援助エッチングを適用した後の断面部を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態のガス援助エッチングプロセスの間、光活性化エッチャントガスを光にさらす照射ユニットを示す図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態のガス援助エッチングプロセスの間、光活性化エッチャントガスを光にさらす照射ユニットを示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態のガス援助エッチングプロセスの間、エッチャントガスを噴霧する噴霧ユニットを示す図である。
【図6a】図6aは、本発明の実施形態の試料の断面部を画像化する方法を示す図である。
【図6b】図6bは、本発明の他の実施形態の試料の断面部を画像化する方法を示す図である。
【図6c】図6cは、本発明の更に他の実施形態の試料の断面部を画像化する方法を示す図である。
【符号の説明】
【0128】
10…システム、11…システム、50…支持要素、60…ガス供給ユニット、63…パイプ、64…ノズル、65…ガス供給ユニット、66…噴霧ユニット、70…照射ユニット、71…光源、72…集束光学系、74…100…ウエハ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の断面部の画像を得る方法であって:
該試料の断面部をさらすように該試料を粉砕するが、該断面部が第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を含むステップと;
該断面部を平滑にするステップと;
該断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも第二部分との間で形状差を生じるように該断面部のガス援助エッチングを行うステップと;
該断面部を導電物質の薄層で被覆するステップと;
該断面部の画像を得るステップと;
を含み、ここで、前記の粉砕するステップと、平滑にするステップと、エッチングするステップと、被覆するステップと、画像を得るステップが、該試料が真空のチャンバ内に配置されている間に行われる、前記方法。
【請求項2】
光活性化エッチャントガスを光にさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該断面部に最も近いか又は該断面部の少なくとも一部を含む領域に光の焦点を合わせるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該領域が、該断面部の画像を得るのに用いられる荷電粒子ビームカラムの視野の中に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該領域が、該断面部の画像を得るために用いられる荷電粒子ビームカラムの視野の外部に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
200ナノメートルを超えない波長をもつ光に該光活性化エッチャントガスをさらすステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
荷電粒子ビーム活性化エッチャントガスを荷電粒子ビームにさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ガスをパルス光にさらすことによってガス援助エッチングを行うステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粉砕するステップが、該真空のチャンバに結合した集束イオンビームカラムによって生じた集束イオンビームによって試料を粉砕する工程を含み;前記画像を得るステップが、該真空のチャンバに結合した走査型電子顕微鏡カラムによって生じた電子ビームによって該断面部を照射する工程を含み;該走査型電子顕微鏡カラムが、該集束イオンビームカラムとほぼ平行である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記被覆するステップが、ガス援助コーティングを行う工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記該ガス援助エッチングを行うステップが、該断面部に最も近いか又は該断面部を含む領域にエッチャントガスを噴霧する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
断面部画像化システムであって:該システムが、
真空のチャンバに結合した少なくとも一つの荷電粒子ビームカラム;
を備え、該システムが、
該試料の断面部をさらすように該試料を粉砕するが、該断面部が第一物質から製造された少なくとも一つの第一部分と第二物質から製造された少なくとも一つの第二部分を備え;
該断面部を平滑にし;
該断面部の少なくとも一つの第一部分と少なくとも一つの第二部分との間で形状差を生じるように該断面部のガス援助エッチングを行い;
該断面部を導電物質の薄層で被覆し;
該断面部の画像を得る;
ように適合され、ここで、
該試料が粉砕される間、該断面部が平滑にされる間、ガス援助エッチングが行われる間、該断面部が被覆される間、更に、該画像が得られる間、該試料が該真空のチャンバ内に配置され;
該試料が粉砕されるが、該断面部が平滑にされ、該断面部が被覆され、該断面部の該画像が少なくとも一つ荷電粒子ビームカラムによって生じた少なくとも一つの荷電粒子ビームを用いることによって得られる、前記システム。
【請求項13】
照射ユニットを備え;ここで、該システムが、光活性化エッチャントガスに対して該照射ユニットによって生じた光を送ることによって該試料を粉砕する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
該照射ユニットが、該断面部に最も近いか又は該断面部の少なくとも一部を含む領域に該光の焦点を合わせる集束光学系を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
該領域が、荷電粒子ビームカラムの視野の中に位置する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
該領域が、少なくとも一つの荷電粒子ビームカラムのそれぞれの各視野の外部に位置する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
該照射ユニットが、200ナノメートルを超えない波長をもつ光を生じる、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
荷電粒子ビーム活性化エッチャントガスを、荷電粒子ビームカラムによって生じた荷電粒子ビームにさらすように適合された、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
該照射ユニットが、パルス光を生じる、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも一つの荷電粒子ビームカラムが、集束イオンビームカラムと走査型電子顕微鏡カラムを備え;該走査型電子顕微鏡カラムが、該集束イオンビームカラムにほぼ平行であり;該走査型電子顕微鏡カラムが、該断面部を画像化し;該集束イオンビームカラムが、該試料を粉砕し、該断面部を平滑にする、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
該断面部のガス援助コーティングの間、ガスを供給するように適合されたガスコンジットを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
該断面部に最も近いか又は該断面部を含む領域にエッチャントガスを噴霧するように適合された噴霧ユニットを備える、請求項12に記載のシステム。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2009−75089(P2009−75089A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−211998(P2008−211998)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(504144253)アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド (27)
【Fターム(参考)】