説明

誘電体セラミックス材料の製造方法

【課題】主成分粉末及び副成分粉末が均一に分散された誘電体セラミックス材料の製造方法を提供する。
【解決手段】複数種の副成分粉末の混合物を仮焼成する仮焼成工程と、仮焼成された前記副成分粉末を粉砕する粉砕工程と、粉砕された前記副成分粉末をプラズマにより微粒化するプラズマ処理工程と、プラズマにより微粒化された前記副成分粉末を、主成分粉末に添加する工程と、を備えており、前記粉砕工程において粉砕された後の前記副成分粉末の粒度分布は、D90/D50<3.0であるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表面粗さが小さく焼成温度安定性が高いグリーンシートを作製することができ、延いては、ショート率が低い積層セラミックコンデンサを得ることができる、主成分粉末及び副成分粉末が均一に分散された誘電体セラミックス材料の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の積層セラミックコンデンサは、主成分としてチタン酸バリウム(BaTiO)系のセラミック誘電体材料を、副成分として特性調整のための金属化合物を使用して、これをシート状に成形してグリーンシートを作製し、このグリーンシート上に電極を印刷したものを積層する工程を繰り返すことにより作製されている。
【0003】
近時、電子機器製品の小型化に伴い、電子回路の高密度化が進み、この結果、積層セラミックコンデンサの小型大容量化が強く求められている。そして、この要望を実現するために、内部電極層と誘電体層の薄層化と積層数の増加が試みられている。
【0004】
誘電体層の薄層化に伴い、主成分及び副成分としてより粒径の小さいものが使用されるようになったが、粒径の小さい副成分粉末は凝集しやすく、主成分との分散性が悪化する傾向にある。そのため、グリーンシートの表面粗さ(凹凸)が大きくなり、焼成後の誘電体層厚みにバラツキが生じ、積層セラミックコンデンサの電界強度が不均一となり、電気特性が悪化しショート率が高くなる。
【0005】
従って、主成分及び副成分の粉末が均一に分散された誘電体セラミックス材料を調製する方法が求められている。
【0006】
引用文献1及び引用文献2にはプラズマ処理を行い、副成分を超微粒子化することが記載されているが、単に超微粒子化しただけでは、上記のとおり凝集してしまう。
【特許文献1】特開平10−255549
【特許文献2】特開平10−270284
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上記現状に鑑み、主成分粉末及び副成分粉末が均一に分散された誘電体セラミックス材料の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る誘電体セラミックス材料の製造方法は、複数種の副成分粉末の混合物を仮焼成する仮焼成工程と、仮焼成された前記副成分粉末を粉砕する粉砕工程と、粉砕された前記副成分粉末をプラズマにより微粒化するプラズマ処理工程と、プラズマにより微粒化された前記副成分粉末を、主成分粉末に添加する工程と、を備えており、前記粉砕工程において粉砕された後の前記副成分粉末の粒度分布は、D90/D50<3.0であることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、仮焼成後の副成分粉末を、粒度分布がD90/D50<3.0になるように粉砕して凝集した副成分粉末を解砕してから、プラズマ処理を施して微粒子化することにより、副成分粉末の組成を均一にすると共に、副成分粉末の分散性を高めることができるので、主成分粉末と副成分粉末とが均一に分散した誘電体セラミックス材料を得ることができる。
【0010】
前記プラズマ処理工程において微粒化された後の前記副成分粉末の最大粒径は、前記主成分粉末の平均粒径の3/4以下であることが好ましい。
【0011】
前記副成分粉末は、Mg、Ba、Ca、Si、Mn、Al、V、Dy、Y、Ho、及び、Ybからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物からなる粉末であることが好ましい。
【0012】
前記主成分粉末は、チタン酸バリウム系誘電体粉末であることが好ましい。
【0013】
前記チタン酸バリウム系誘電体粉末の平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。
【0014】
本発明に係る製造方法で得られた誘電体セラミックス材料を用いて製造されるグリーンシートもまた、本発明の1つである。
【0015】
本発明に係るグリーンシートを焼成することにより製造される焼結体もまた、本発明の1つである。
【0016】
複数の電極と、前記電極間に設けられた本発明に係る焼結体からなる誘電体層と、を備えているセラミックコンデンサもまた、本発明の1つである。
【0017】
前記電極は、Ni又はNi合金を含有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、副成分粉末が凝集せずに、主成分粉末及び副成分粉末が均一に分散している誘電体セラミックス材料を得ることができる。このような誘電体セラミックス材料を用いて作製されたグリーンシートは、主成分粉末及び副成分粉末の分散性が高いため表面粗さが小さいので、焼結後の誘電体層が2μm以下の薄層であっても厚みが均一になり、積層セラミックコンデンサのショート率が低くなる。また、このような誘電体セラミックス材料を用いて作製されたグリーンシートは、組織が緻密で粒径が均一であるので、焼成後の粒径も安定し、電気特性が安定するとともに、有効な焼成温度の温度範囲も広くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1について図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、図1に示すように、誘電体層3と内部電極4とが交互に積層されてなるコンデンサチップ体2と、このコンデンサチップ体2の表面に設けられ内部電極4と導通する外部電極5と、を備えている。内部電極4は、その端部がコンデンサチップ体2の対向する2つの表面に交互に露出するように積層されて、コンデンサチップ体2の当該表面上に形成されて所定のコンデンサ回路を構成する外部電極5と、電気的に接続している。
【0021】
誘電体層3は、誘電体セラミックス材料の焼結体からなるものであり、当該誘電体セラミックス材料は、仮焼成工程、粉砕工程、及び、プラズマ処理工程を経て微粒子化された副成分粉末に、主成分粉末を添加することにより得られる。
【0022】
前記仮焼成工程おいては、複数種の副成分粉末の混合物を仮焼成する。
【0023】
前記副成分粉末としては、Mg、Ba、Ca、Si、Mn、Al、V、Dy、Y、Ho、Ybの1種又は複数種の元素を含有する酸化物、炭酸塩等の化合物の粉末が挙げられる。これらの副成分粉末の複数種を混合して、例えば800〜1000℃程度で仮焼成する。
【0024】
前記粉砕工程においては、仮焼成された副成分粉末を、例えば、ボールミル、ビーズミル、乾式ジェットミル、湿式ジェットミル等を用いて粉砕する。
【0025】
前記粉砕工程においては、副成分粉末を、粒度分布がD90/D50<3.0、好ましくはD90/D50<2.0になるように解砕・分散する。D90/D50が3.0以上であると、プラズマ処理後の副成分粉末の最大粒径が主成分粉末の平均粒径の3/4より大きくなり、好ましくない。
【0026】
このような粒度分布になるように副成分粉末を粉砕するための粉砕方法やメディア材質としては特に限定されないが、例えば、バッチ式ビーズミルを使用する場合は、周速4m/s以上、ZrOメディア充填率20vol%以上、処理時間1時間以上で粉砕処理を行なう。
【0027】
前記プラズマ処理工程においては、粉砕された副成分粉末をプラズマにより微粒化する。プラズマ処理は、例えば高周波誘導熱プラズマ装置を用いて2000〜20000℃のプラズマ炎で加熱溶融する。
【0028】
前記プラズマ処理工程おいては、副成分粉末の最大粒径が、プラズマ処理工程後に添加する主成分粉末の平均粒径の3/4以下になるように、副成分粉末を微粒子化することが好ましい。副成分粉末の平均粒径がこの範囲を超えると、焼成時に主成分粉末と副成分粉末との焼結反応が均一に起こりにくくなる。
【0029】
前記主成分粉末としては特に限定されないが、例えば、BaCa1−xTiO(0<x≦1)等からなるチタン酸バリウム系誘電体粉末が好適に用いられる。
【0030】
前記チタン酸バリウム系誘電体粉末の平均粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。0.3μmを超えると、表面の平滑性が低く、厚みが不均一なグリーンシートが得られる。
【0031】
前記主成分粉末を副成分粉末に添加する際に、合わせて、分散剤を添加することが好ましい。
【0032】
前分散剤としては特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール系分散剤、ポリビニルアセタール系分散剤、ポリカルボン酸系分散剤、マレイン酸系分散剤、ポリエチレングリコール系分散剤、アリルエーテルコポリマー系分散剤等が挙げられる。
【0033】
上記副成分粉末に主成分粉末や分散剤を添加して、例えば、ホモジナイザーで混合してから、ビーズミルで解砕・分散することにより、誘電体セラミックス材料が得られる。このようにして得られた誘電体セラミックス材料に、溶剤及びバインダを添加し、ボールミル等を用いて混合することによりグリーンシート形成用のスラリーを得ることができる。
【0034】
前記溶剤としては特に限定されず、例えば、エチルカルビトール、ブタンジオール、2−ブトキシエタノール等のグリコール類:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール:アセトン、メチルエチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類:酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類:トルエン、キシレン、酢酸ベンジル等の芳香族類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】
前記バインダとしては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチルセルロース樹脂等が挙げられる。
【0036】
前記バインダは、予め、前記溶剤に溶解し濾過して溶液にしておき、その溶液に、前記誘電体セラミックス材料を添加することが好ましい。高重合度のバインダ樹脂は溶剤に溶け難く、通常の方法では、スラリーの分散性が悪化する傾向にある。高重合度のバインダ樹脂を溶剤に溶解してから、その溶液にその他の成分を添加することにより、グリーンシート形成用スラリーにおける各成分の分散性を改善することができ、また、未溶解バインダ樹脂の発生を抑制することもできる。なお、前記溶剤以外の溶剤では、固形分濃度を上げられないと共に、ラッカー粘度の経時変化が増大する傾向にある。
【0037】
このようにして製造されたグリーンシート形成用のスラリーを、ポリエチレンテレフタレート等からなる基材上にシート状に塗布することによりグリーンシートが形成される。誘電体層3は、得られたグリーンシートを焼成することにより得られる焼結体からなる。誘電体層3一層あたりの厚みは、2μm以下であることが好ましい。
【0038】
内部電極4としては特に限定されず、例えば、Cu、Ni、W、Mo、Ag等の金属又はこれらの合金等が挙げられる。
【0039】
外部電極5としては特に限定されず、例えば、Cu、Ni、W、Mo、Ag等の金属又はこれらの合金;In−Ga、Ag−10Pd等の合金;カーボン、グラファイト、カーボンとグラファイトとの混合物等からなるものが挙げられる。
【0040】
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法としては特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造される。まず、前記グリーンシート上に、上記の各種金属等を含有する内部電極4用導電ペーストを所定形状にスクリーン印刷して、内部電極4用導電性ペースト膜を形成する。
【0041】
次いで、上述のように内部電極4用導電性ペースト膜が形成された複数のグリーンシートを積層するとともに、これらグリーンシートを挟むように、導電性ペースト膜が形成されていないグリーンシートを積層して、圧着した後、必要に応じてカットすることによって、積層体(グリーンチップ)を得る。
【0042】
そして、得られたグリーンチップに脱バインダ処理を施した後、当該グリーンチップを例えば還元性雰囲気中において焼成して、コンデンサチップ体2を得る。コンデンサチップ体2においては、グリーンシートを焼成してなる焼結体からなる誘電体層3と内部電極4とが交互に積層されている。
【0043】
得られたコンデンサチップ体2には、誘電体層3を再酸化するためアニール処理を施すことが好ましい。
【0044】
次に、コンデンサチップ体2の端面から露出した内部電極4の各端縁それぞれに外部電極5が電気的に接続するように、コンデンサチップ体2の端面上に、上記の各種金属等からなる電極を塗布することによって外部電極5を形成する。そして、必要に応じ、外部電極5表面に、めっき等により被覆層を形成する。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0046】
副成分として、BaCO、MgO、SiO、Mn及びYを用意した。後に副成分に加えることになる主成分のチタン酸バリウム(BaTiO)に対して、Ba元素の添加量は0.95mol%であり、Si元素の添加量は1.55mol%であり、Y元素の添加量は0.65mol%であり、Mg元素の添加量は1.2mol%であり、Mn元素の添加量は0.13mol%である。
【0047】
次に前述の各種の副成分をボールミルに入れ、水を添加し混合した。続いて、得られた副成分の混合物を乾燥させ、乾燥した副成分を900℃で仮焼成した。更に仮焼成した副成分をバッチ式ビーズミルに入れ、水を添加し、粒径0.1mmのZrOメディアを充填率が45vol%となるように充填し、周速7m/s、6時間の条件で粉砕した後、粉砕された副成分を乾燥した。
【0048】
次に粉砕された副成分をプラズマ処理により微粒化した。プラズマ処理は高周波誘導熱プラズマ装置を用いて、出力140kW、Arガス供給量100L/min、Oガス供給量50L/min、試料供給量5.0g/minの条件で処理した。
【0049】
次に、平均粒径が0.3μmのチタン酸バリウム粉末100重量部に対して、プラズマ処理により微粒子化された副成分を各元素が上述の添加量となるように加えた。粉砕した後の副成分粉末のD90/D50、プラズマ処理の有無、主成分粉末に対するプラズマ処理後の副成分粉末の最大粒径は、それぞれ表1に記載のとおりである。なお、表1に記載の値のうち、粉砕処理後の副成分粉末のD90/D50は、堀場製作所製のLA−920を用いて測定した粒度分布より算出し、主成分粉末に対するプラズマ処理後の副成分粉末の最大粒径は、走査型電子顕微鏡によって各粉末を観察し、それぞれ300個の粒子の粒径を測長して、主成分粉末の平均粒径と副成分粉末の最大粒径とを比較することにより求めた。
【0050】
【表1】

【0051】
更に、分散剤としてポリビニルブチラール系分散剤(積水化学工業株式会社製BL−1)をチタン酸バリウム粉末100重量部に対して1.0wt%添加し、ホモジナイザーで混合した。次にこれらの混合物を、遠心力でビーズとスラリーの分離を行う機能が付いた縦型ビーズミルを用いて、粒径0.05mmのZrOメディアを充填率が64vol%となるように充填し、周速12m/s、試料供給量100ml/minの条件で分散・解砕して、誘電体セラミックス材料のスラリーを得た。
【0052】
次に、得られたスラリーをボールミルに入れ、トルエン−エタノール混合溶剤、ポリビニルブチラール系バインダ及び可塑剤とともに適度な粘度になるまで混合し、グリーンシート形成用スラリーを調製した。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ドクターブレード法により当該スラリーを塗布してグリーンシートを作製した。
【0053】
次に、各グリーンシート上に、Ni粉末からなる内部電極用の導電ペーストを所定形状にスクリーン印刷した後、導電ペースト膜が形成されたグリーンシートを複数枚積層し、熱圧着して一体化し、積層体を作製した。
【0054】
そして、その積層体を、300℃で10時間、空気中にて加熱することで有機バインダを除去した後、1100℃の還元性雰囲気で2時間焼成し、更に1000℃のNガス雰囲気中で2時間再酸化処理して焼結し、コンデンサチップ体を得た。次に、得られたコンデンサチップ体の端面をサンドブラストにて研磨した後、In−Ga電極を前記端面に塗布することによって外部電極を形成し、図1に例示される構造を有する積層セラミックコンデンサを作製した。
【0055】
グリーンシート、及び、積層セラミックコンデンサについて、以下のようにして各種特性を評価し、結果を表2に記載した。
【0056】
<グリーンシートの評価>
グリーンシートの表面粗さ(Rz)を走査型プローブ顕微鏡(島津製作所製SPM-9500J3)で測定した。Rzが0.4μmを超えた試料をNGと評価した。
【0057】
<積層セラミックコンデンサの評価>
各積層セラミックコンデンサにつき100個のサンプルの抵抗値を絶縁抵抗計で測定して、抵抗値が100kΩ以下になるサンプルを不良品と判定することにより、ショート率を求めた。ショート率が10%を超えた試料をNGと評価した。
【0058】
【表2】

【0059】
<単板試料の作製方法と測定条件>
単板の評価試料は、以下のようにして作製した。グリーンシートを1cm角に切り、厚みが1mmとなるように積み重ねた。次に、それを1000kg/cmの圧力で成型した。次に、樹脂成分を焼却するため、300℃で10時間、大気中で焼成を行い、その後、表3に示す焼成温度かつ還元雰囲気中で2時間焼成した。この後、窒素ガス中で、1000℃に安定させ2時間再酸化処理を行った。
【0060】
得られた単板試料について、密度、粒径、及び、有効焼成温度範囲を以下のようにして評価し、結果を表3に記載した。
【0061】
密度(g/cm)は、アルキメデス法を用いて測定した。
【0062】
粒径0.5μm以上の粒子の有無は、走査型電子顕微鏡によって、焼結体の粒径を測定することにより判定した。
【0063】
有効焼成温度範囲は、密度5.8g/cm以上、粒径0.5μm以上の粒子が無いことを条件とする、焼成温度の有効範囲を示す。
【0064】
密度が5.8g/cm以上、焼結後の粒径が0.5μm未満、有効焼成温度範囲が30℃以上の各条件の内、少なくともいずれかを満たさない場合、所望の特性が得られていないとして、評価結果を「NG」とした。
【0065】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの模式断面図。
【符号の説明】
【0067】
1・・・積層セラミックコンデンサ
2・・・コンデンサチップ体
3・・・積層体層
4・・・内部電極
5・・・外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の副成分粉末の混合物を仮焼成する仮焼成工程と、
仮焼成された前記副成分粉末を粉砕する粉砕工程と、
粉砕された前記副成分粉末をプラズマにより微粒化するプラズマ処理工程と、
プラズマにより微粒化された前記副成分粉末を、主成分粉末に添加する工程と、を備えており、
前記粉砕工程において粉砕された後の前記副成分粉末の粒度分布は、D90/D50<3.0である誘電体セラミックス材料の製造方法。
【請求項2】
前記プラズマ処理工程において微粒化された後の前記副成分粉末の最大粒径は、前記主成分粉末の平均粒径の3/4以下である請求項1記載の誘電体セラミックス材料の製造方法。
【請求項3】
前記副成分粉末は、Mg、Ba、Ca、Si、Mn、Al、V、Dy、Y、Ho、及び、Ybからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物からなる粉末である請求項1又は2記載の誘電体セラミックス材料の製造方法。
【請求項4】
前記主成分粉末は、チタン酸バリウム系誘電体粉末である請求項1、2又は3記載の誘電体セラミックス材料の製造方法。
【請求項5】
前記チタン酸バリウム系誘電体粉末の平均粒径は、0.3μm以下である請求項4記載の誘電体セラミックス材料の製造方法。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法で得られた誘電体セラミックス材料を用いて製造されるグリーンシート。
【請求項7】
請求項6記載のグリーンシートを焼成することにより製造される焼結体。
【請求項8】
複数の電極と、前記電極間に設けられた請求項7記載の焼結体からなる誘電体層と、を備えているセラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記電極は、Ni又はNi合金を含有していることを特徴とする請求項8記載のセラミックコンデンサ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−155143(P2009−155143A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333295(P2007−333295)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】