説明

警備装置及び警備方法

【課題】居住者に危険が及ぶ事態を回避し、居住者の安全を確保するとともに、異常事態に迅速に対応することのできる警備装置及び警備方法を提供することである。
【解決手段】警備モード切替手段と、操作手段と、警備モードが帰宅待ち状態の在宅警備状態である場合、監視領域への入館者を検知した時点から第1の入館タイマ時間を計測する外出時タイマ手段と、警備モードが在宅警備状態である場合、監視領域への入館者を異常検知手段によって検知した時点から所定の第2の入館タイマ時間を計測する在宅時タイマ手段と、通報手段と、判断手段とを備え、通報手段は、異常が検知された場合で帰宅待ち状態の在宅警備状態である場合、異常検知時点から第1の入館タイマ時間が経過するまでに在宅警備状態に切り替える操作を受付けた場合、監視領域において異常検知されても監視センタに異常検知の通報をしないことを特徴とする警備装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域の異常を検知して報知する際の入館タイマーの警報音を、警備モードによって決定する警備装置及び警備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、警備装置においては、監視領域において異常検知した際の通報先への通報の可否などを定めたモードとして複数の警備モードを備えているものが知られている。代表的な警備モードとしては、外出警備状態、在宅警備状態、警備解除状態が存在する。ここで、外出警備状態とは、主に居住者が外出中に警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、在宅警備状態とは、主に居住者が在宅中に、警備を必要とする警備モードである。在宅警備状態においては、さらに、警備モードとしての帰宅待ち状態が存在する。
【0003】
帰宅待ち状態とは、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合で、一部の監視領域に対して外部からの進入を許可する警備モードであり、帰宅すべき居住者が入館した場合に、センサが人体を検知しても、すぐに検知信号を発報せずに、タイマで計時した時間はメロディ音を出力することにより、猶予時間を確保するものである。一方、警備モードを帰宅待ち状態に設定しない場合、帰宅待ち状態と同様にタイマで計時した時間はメロディ音を出力し、所定の猶予時間を確保する。従来、タイマ計時中に出力されるメロディ音が、夜間に就寝中である居住者の睡眠を妨げる問題があった。
【0004】
そこで、昨今においては、在宅警備状態で帰宅待ち状態に設定した場合には、非帰宅待ち状態と異なるメロディ音を出力することが可能なものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、帰宅待ち状態と非帰宅待ち状態とで、メロディ音の設定を変えることにより、就寝中の居住者の睡眠を妨げないようにすることが可能である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−275878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記技術においては、非帰宅待ち状態である場合に、タイマで計時した猶予時間は、センサが人体を検知しても、すぐに検知信号を発報しないため、不審者が侵入した場合に、監視センタへの通報が遅延し、在宅者に危険が及ぶという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、在宅警備状態において帰宅待ち状態に設定した場合に、居住者に危険が及ぶ事態を回避し、居住者の安全を確保するとともに、異常事態に迅速に対応することのできる警備装置及び警備方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は警備装置であって、監視領域において、異常を検知した場合における監視センタへの通報の可否または監視領域に対する報知の可否など、警備装置の動作を決定する複数の状態からなる警備モードを、主に居住者が外出中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う外出警備状態と、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う在宅警備状態と、一部の前記監視領域に対して外部からの進入を許可する状態を示す帰宅待ち状態の在宅警備状態と、の間で切り替える警備モード切替手段と、居住者による前記警備モードを切り替える旨の切り替え操作を受け付ける操作手段と、現在の前記警備モードが前記外出警備状態である場合および現在の前記警備モードが帰宅待ち状態の前記在宅警備状態である場合に、前記監視領域に入館した入館者を異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第1の入館タイマ時間を計測する外出時タイマ手段と、現在の前記警備モードが前記在宅警備状態である場合に、前記在宅警備の対象の監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第2の入館タイマ時間を計測する在宅時タイマ手段と、前記監視領域における異常を検知する異常検知手段によって異常を検知した場合に前記監視センタに対して異常検知した旨の通報を行うとともに、前記監視領域に対して異常検知した旨の報知を行う通報手段と、前記異常検知手段によって異常が検知された場合、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であるか否かを判断する判断手段と、を備え、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の警備装置であって、前記異常検知手段を識別するための固有の識別情報と、前記異常検知手段が前記在宅時タイマ手段で使用する在宅時対象か前記外出時タイマ手段で使用する外出時対象かを示すタイマ対象と、を対応付けた異常検知テーブルを記憶する記憶手段を更に備え、前記判断手段は、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断した場合に、さらに、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であるか否かかを判断し、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の警備装置であって前記異常検知テーブルは、さらに、前記タイマ対象が前記外出時対象である前記異常検知手段の前記識別情報に、前記異常検知手段が前記外出時タイマ手段で使用される帰宅対象か否かを示す帰宅待ち対象を対応付け、前記判断手段は、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であると判断した場合に、さらに、異常を検知した前記異常検知手段の前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象か否かを対応付け、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であり、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であって、かつ前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の警備装置であって、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であり、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であって、かつ前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象でないと判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置であって、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態でないと判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置であって、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態でないと判断された場合には、異常が検知された時点から前記第2の入館タイマ時間が経過するまでの間に、前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切替え操作を受け付けた場合に、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の警備装置であって、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記在宅時対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第2の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の警備装置であって、前記判断手段は、さらに、前記第2の入館タイマ時間が0であるか否かを判断し、前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記在宅時対象であると判断され、かつ前記第2の入館タイマ時間が0であると判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする。
【0016】
また、請求項9にかかる発明は、監視領域における異常を検知する警備装置と、前記警備装置とネットワークで接続され、前記警備装置からの警報を受信して所定の監視処理を行う監視センタとの間で実行される警備方法であって、監視領域において、異常を検知した場合における監視センタへの通報の可否または監視領域に対する報知の可否など、警備装置の動作を決定する複数の状態からなる警備モードを、主に居住者が外出中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う外出警備状態と、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う在宅警備状態と、一部の前記監視領域に対して外部からの進入を許可する状態を示す帰宅待ち状態の在宅警備状態と、の間で切り替える警備モード切替ステップと、居住者による前記警備モードを切り替える旨の切り替え操作を受け付ける操作ステップと、現在の前記警備モードが前記外出警備状態である場合および現在の前記警備モードが帰宅待ち状態の前記在宅警備状態である場合に、前記監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第1の入館タイマ時間を計測する外出時計時ステップと、現在の前記警備モードが前記在宅警備状態である場合に、前記在宅警備の対象の監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第2の入館タイマ時間を計測する在宅時計時ステップと、前記監視領域における異常を検知する異常検知手段によって異常を検知した場合に前記監視センタに対して異常検知した旨の通報を行うとともに、前記監視領域に対して異常検知した旨の報知を行う通報ステップと、前記異常検知手段によって異常が検知された場合、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であるか否かを判断する判断ステップと、を含み、前記通報ステップは、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる警備装置によれば、在宅警備状態で帰宅待ち状態に設定した場合は、センサが人体を検知してもすぐに検知信号を発報せずにタイマで計時した猶予時間はメロディ音を発する一方、非帰宅待ち状態に設定した場合は、センサが人体を検知すると即時に発報する。これにより、在宅警備状態において帰宅待ち状態の利便性を確保しつつ、非帰宅待ち状態に設定した場合は、居住者に危険が及ぶ事態を回避して居住者の安全を確保するとともに、非常事態に対して迅速に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる警備装置及び警備方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる警備システム1000の構成を示すブロック図である。警備装置(本体)1110は、ネットワーク240を介して監視センタ250に接続されている。ネットワーク240は、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどである。
【0020】
監視センタ250は、監視領域の異常を検知した警備装置1110からの通報を受け、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域(不図示)へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行うセンタである。
【0021】
次に、警備装置1110の詳細について説明する。本実施の形態にかかる警備装置1110は、入出力制御部203と、通信制御部204と、制御部1210と、複数のセンサ1201a〜1201n、1203a〜1203n、202a〜202nと、警備装置(コントローラ)220と、を主に備えている。
【0022】
入出力制御部203は、コントローラ220の入出力制御、センサ1201a〜1201n、1203a〜1203n、202a〜202nの入力制御より種々のデータの入出力を制御する処理部である。
【0023】
通信制御部204は、警備装置1110とネットワーク240との間における通信を制御するものであり、具体的にはネットワークボードなどが該当する。
【0024】
制御部1210は、警備装置1110の全体制御を行うものであり、さらに警備モード切替部1211と、異常通報部1212と、警備モード記憶部1213と、センサテーブル記憶部1214と、外出時入館タイマー1215と、外出時退館タイマー216と、在宅時入館タイマー217と、在宅時退館タイマー218と、判断部1219と、を主に備えている。
【0025】
警備モード切替部1211は、警備モード記憶部1213に、警備装置(コントローラ)220から入力を受け付けた警備モードを記憶させることにより設定を行うものである。ここで、警備モードとは、監視領域において異常検知した際の通報先への通報の可否、または前記監視領域に対する報知の可否などを定めたモードであり、異常を検知したときの警備装置1110の動作を決定するモードである。警備モードは、通報の可否および通報先、各監視領域への報知の有無などによって複数のモードが存在する。代表的な警備モードとしては、外出警備状態、在宅警備状態、警備解除状態が存在し、さらに、在宅警備状態においては、帰宅待ち状態が存在する。ここで、警備モードの切り替えは、コントローラ220における操作により、前記監視領域の警備モードを設定するようにしている。
【0026】
まず、外出警備状態とは、主に居住者が外出中の場合に警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合に、監視センタに異常を知らせる警報を通報する状態である。なお、警備装置の設置されている監視領域において異常を検知したことを報知する場合もある。これは、侵入者を威嚇する目的や誤報である場合に警報解除操作を促す目的で報知するものである。
【0027】
在宅警備状態とは、主に居住者が在宅中、警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合に、監視領域において異常を検知したことを報知する状態である。なお、監視領域だけではなく監視センタに異常を知らせる警報を報知する場合もある。これは、在宅時においても監視センタへの通報を行う契約を結んだ場合であり、監視領域において異常を検知したことを報知した後に、監視センタに通報を行うなどの動作をする。
【0028】
警備解除状態とは、主に居住者が在宅中、警備を必要としない場合に設定する警備モードであり、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合でも、監視センタへの警報の通報、監視領域における異常の検知、通報先端末への異常の通報のいずれも行わない状態である。これは、センサにより異常が検知(人の存在の検知、扉の開閉の検知)されても、在宅中の居住者を検知したものと判断するためである。
【0029】
帰宅待ち状態とは、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合で、一部の監視領域に対して外部からの進入を許可する警備モードであり、一部の監視領域において、センサによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置が受信した場合でも、監視センタへの警報の通報、監視領域における異常の検知、通報先端末への異常の通報のいずれも行わない状態である。これは、センサにより異常(人の存在の検知、扉の開閉の検知)が検知されても、在宅中の居住者を検知したものと判断するためである。
【0030】
なお、検知された異常が火災やガス漏れの場合、または、非常ボタンが操作された場合は、前記いずれの警備モードであるかによらず、監視センタへの通報、各エリアへの異常が検知された旨の報知などを行う。
【0031】
異常通報部1212は、監視領域の警備モードが外出警備状態、在宅警備状態、帰宅待ち状態である在宅警備状態等の通報を行う状態に設定されているとき、即ち、警備モード記憶部1213に外出警備状態、在宅警備状態、帰宅待ち状態である在宅警備状態等が記憶されているとき、監視領域に設置されたセンサ1201a〜1201n、センサ1203a〜1203n、202a〜202nから検知信号が出力されると、これを入出力制御部203によって受信して、監視センタ250に対して異常が検知された旨を通報る。
【0032】
警備モード記憶部1213は、警備モードテーブル及び監視領域における現在の警備モードを記憶するメモリ、HDD等の記憶媒体である。図2は、第2の実施の形態にかかる警備モードテーブルのデータ構造の一例を示す図である。本実施の形態においては、警備モードテーブルは、監視領域の固有の識別情報である監視領域IDと、警備モードとを対応付けて記憶している。監視領域IDとは、監視領域が複数の部屋から構成される場合に、各部屋毎に与えられる識別情報である。警備モードを在宅警備状態に設定した場合、監視領域を構成する複数の部屋毎に異なる警備モードを設定することができる。例えば、監視領域IDがH002である部屋を在宅警備状態に設定し、さらに帰宅待ち状態に設定することができる。また、監視領域IDがH001である部屋を警備解除状態に設定することができる。警備モードを外出警備状態に設定した場合には、監視領域IDの全てが外出警備状態に設定される。
【0033】
センサテーブル記憶部(記憶手段)1214は、センサテーブルを記憶するメモリ、HDD等の記憶媒体である。図3は、第1の実施の形態にかかるセンサテーブルのデータ構造の一例を示す図である。本実施の形態においては、センサテーブルは、異常検知手段であるセンサの固有の識別情報であるセンサIDと、センサ1201a〜1201n、1203a〜1203n、202a〜202nが、外出時タイマー(外出時入館タイマー1215若しくは外出時退館タイマー216)が起動する場合に用いるセンサであるか、あるいは、在宅時タイマー(在宅時入館タイマー217若しくは在宅時退館タイマー218)が起動する場合に用いるセンサかを示すタイマー対象と、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態の場合に、センサ1201a〜1201n、1203a〜1203n、202a〜202nが、外出時タイマーに対応して用いられる帰宅対象か否かを示す帰宅待ち対象と、監視領域の固有の識別情報である監視領域IDとを対応付けて記憶している。
【0034】
外出時入館タイマー1215は、警備モードが外出警備状態である場合と、帰宅待ち状態の在宅警備状態である場合に使用するタイマーである。警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態の場合、監視領域に入館してきた入館者が検知されると、検知された時点から予め定められた所定の第1の入館タイマー時間を計測するものである。外出時入館タイマー1215の計時中は、監視領域において異常が検知されたとしても、入出力制御部203において受信した検知信号を保留し、異常通報部1212によって監視センタ250に対する異常検知した旨の通報及び監視領域に対する異常検知した旨の報知を行わないようにする。
【0035】
外出時退館タイマー216は、操作表示部221により居住者から警備モードを警備解除状態から外出警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた時点から予め定められた所定の第1の退館タイマ時間を計測するものである。外出時退館タイマー216の計時中は、監視領域において異常が検知されたとしても、入出力制御部203において受信した検知信号を保留し、異常通報部1212によって監視センタ250に対する異常検知した旨の通報及び監視領域に対する異常検知した旨の報知を行わないようにする。
【0036】
在宅時入館タイマー217は、警備モードが在宅警備状態である場合に、監視領域に入館してきた入館者が検知された場合、その検知された時点から予め定められた所定の第2の入館タイマ時間を計測するものである。在宅時入館タイマー217の計時中は、監視領域において異常が検知されたとしても、入出力制御部203において受信した検知信号を保留し、異常通報部1212によって監視センタ250に対する異常検知した旨の通報及び監視領域に対する異常検知した旨の報知を行わないようにする。
【0037】
在宅時退館タイマー218は、操作表示部221により居住者から警備モードを警備解除状態から在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた時点から予め定められた所定の第2の退館タイマ時間を計測するものである。在宅時退館タイマー218の計時中は、監視領域において異常が検知されたとしても、入出力制御部203において受信した検知信号を保留し、異常通報部1212によって監視センタ250に対する異常検知した旨の通報及び監視領域に対する異常検知した旨の報知を行わないようにする。
【0038】
外出時入館タイマー1215により計測する第1の入館タイマ時間と、在宅時入館タイマー217により計測する第2の入館タイマ時間とは、異なるタイマ時間を設定することが可能である。外出時入館タイマー1215により計測する第1の入館タイマ時間においては、居住者が帰宅した後、監視領域に設定した住居に入館し、コントローラ220により、警備モードを外出警備状態から警備解除状態に切り替える旨の切り替え操作を行うまでの移動について猶予時間を設定する必要がある。一方、在宅時入館タイマー217により計測する第2の入館タイマ時間においては、居住者が警備解除状態に設定した領域から、在宅警備状態に設定した監視領域に入館し、コントローラ220により、警備モードを在宅警備状態から警備解除状態に切り替える旨の切り替え操作を行うまでの移動について猶予時間を設定する必要がある。外出時入館タイマー1215起動時の居住者の移動量は在宅時入館タイマー217起動時の居住者の移動量に比較して大きいことから、外出時入館タイマー1215により計測する第1の入館タイマ時間は、在宅時入館タイマー217により計測する第2の入館タイマ時間より長い時間に設定することが好ましい。
【0039】
外出時退館タイマー216により計測する第1の退館タイマ時間と、在宅時退館タイマー218により計測する第2の退館タイマ時間とは、異なるタイマ時間を設定することが可能である。外出時退館タイマー216により計測する第1の退館タイマ時間においては、コントローラ220により、居住者から警備モードを警備解除状態若しくは在宅警備状態から外出警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けてから、居住者が玄関から屋外へ退出するまでの移動について猶予時間を設定する必要がある。在宅時退館タイマー218により計測する第2の退館タイマ時間においては、コントローラ220により、居住者から警備モードを警備解除状態から在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けてから、居住者が在宅警備状態に設定した監視領域から警備解除状態に設定した領域に退出するまでの移動について猶予時間を設定する必要がある。外出時退館タイマー216起動時の居住者の移動量は、在宅時退館タイマー218起動時の居住者の移動量に比較して大きいことから、外出時退館タイマー216により計測する第1の退館タイマ時間は、在宅時退館タイマー218により計測する第2の退館タイマ時間より長い時間に設定することが好ましい。
【0040】
判断部1219は、警備モードテーブルから監視領域IDに対応する警備モードを取得し、監視領域における現在の警備モードが警備状態であるか警備解除状態であるか等を判断する。また、センサテーブルから検知信号のセンサIDに対応するタイマー対象と帰宅待ち対象と監視領域IDを取得し、異常検知したセンサが在宅時タイマー対象センサであるか、外出時タイマー対象センサであるか、帰宅待ち状態が設定されているか等を判断する。
【0041】
センサ1201a〜1201n、1203a〜1203n、202a〜202nは、監視領域に設置されており、主に侵入者等の異常を検知する目的で設置された人感センサであり、たとえば赤外線の受光量の変化をもとに人の存在を検出する赤外線センサ、赤外線などの受信が遮断されることで人の存在を検出する遮断センサ、電磁波の乱れで人の存在を検知する気配センサ、およびマグネットにより扉の開閉を検出するマグネットセンサなどの監視領域の異常を検出する各種センサが該当し、人の存在や扉の開閉を検知した場合に検知信号を出力する。
【0042】
外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nは、外出時タイマー(外出時退館タイマー216、外出時入館タイマー1215)が起動する場合に異常検知を行うセンサである。外出時タイマー対象センサ(帰宅待ち対象センサ)1201a〜1201nは、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態に設定されている場合に、異常検知を行うセンサである。外出時タイマー対象センサ(帰宅待ち非対象センサ)1203a〜1203nは、警備モードが外出警備状態に設定されている場合に、異常検知を行うセンサである。
【0043】
在宅時タイマー対象センサ202a〜202nは、警備モードが在宅警備状態である場合に、在宅時タイマー(在宅時入館タイマー217、在宅時退館タイマー218)が起動する場合に、異常検知を行う在宅時タイマー対象センサである。
【0044】
警備装置(コントローラ)220は、監視領域に設置されており、居住者から警備モード設定操作等のための制御を行うものである。コントローラ220は、操作表示部221と、マイク222と、スピーカ223とを、主に備えている。
【0045】
操作表示部221は、例えばタッチ入力式の液晶画面であり、居住者に対して各種設定画面を表示して、居住者から各監視領域における警備モードの入力を受け付けるものである。
【0046】
マイク222は、監視領域にいる居住者が発した音声を取得するものである。スピーカ223は送信された音声や、メロディ音等を出力するものである。
【0047】
次に、以上のように構成された本実施の形態の警備装置1110を、住居用建築物を監視領域として配設した一例を示して説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる警備装置1110を、住居用建築物を監視領域として配設した一例を示す説明図である。住居用建築物から屋外への出入口である1階の玄関と、2階のリビングルームからバルコニーへの出入り口及び3階の洋室3からバルコニーへの出入口と、1階納戸、2階リビングルームの側壁に、屋外に面して設けた窓の両端部には開閉センサが設置されている。また、住居用建築物の1階玄関から3階に至る階段状に屈曲した経路には、空間センサが設置されている。2階のリビングルームにはコントローラ220が配設されている。
【0048】
上述の配置態様となる住居用建築物において、図4において、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態に設定した場合の居住者の帰宅時の経路を実線で矢示している。外出時タイマー対象センサ1201a、1201bは、1階の玄関扉付近、2階の階段昇降口にそれぞれ設置してある。これら外出時タイマー対象センサ1201a、1201bは、在宅警備状態における帰宅者の経路に沿って配設されている。例えば、帰宅した居住者を外出時タイマー対象センサ1201aで検知した時点から、外出時入館タイマー1215が所定の第1のタイマー時間を計測している間、実線で矢示する経路を通過する居住者を外出時タイマー対象センサ1201bで検知する。
【0049】
在宅時タイマー対象センサ202a、202b、202cは、2階の階段昇降口、3階の階段昇降口、3階の洋室2と洋室1とを仕切る扉付近にそれぞれ設置してある。これらの在宅時タイマー対象センサ202a、202b、202cは、在宅警備状態における居住者の経路に沿って配設されている。例えば、2階のリビングルームを監視領域と設定する場合、コントローラ220により、居住者から警備モードを警備解除状態から在宅警備状態に切り替える旨の操作を受け付けた時点から、在宅時退館タイマーが所定の第2の退館タイマ時間を計測している間、在宅警備の対象とされたリビングルームから、警備解除状態に設定されている3階の洋室2及び洋室1に至る経路を通過する居住者を在宅時タイマー対象センサ202a、202b、202cによって検知する。また、同様に2階のリビングルームを監視領域と設定する場合、警備解除状態に設定されている3階の洋室3から監視領域である2階のリビングルームに至る経路を通過する居住者を在宅時タイマー対象センサ202cで検知した時点から、在宅時入館タイマーが所定の第2の入館タイマー時間を計測している間、監視領域である2階のリビングルームに至る経路を通過する居住者を外出時タイマー対象センサ202b、202aで検知する。
【0050】
次に、以上のように構成された本実施の形態の警備装置1110における、外出時入館タイマーのタイマー処理の手順について説明する。図5及び図6は、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態における外出時入館タイマーのタイマー処理の手順を示すフローチャートである。
【0051】
入出力制御部203は、監視領域のセンサから最初に発報された検知信号とセンサIDを受信する(ステップS500)。判断部1219は、センサテーブル記憶部1214を参照し、センサテーブルから、受信したセンサIDに対応するタイマー対象と帰宅待ち対象と監視領域IDを取得する(ステップS502)。続いて判断部1219は、警備モードテーブルから、監視領域IDに対応する警備モードを取得する(ステップS504)。判断部1219は、取得した警備モードが、帰宅待ち状態であるか否かを判断する(ステップS506)。判断部1219は、警備モードが帰宅待ち状態であると判断した場合には(ステップS506,Yes)、取得したタイマー対象から、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nであるか否かを判断する(ステップS508)。判断部1219が、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nであると判断した場合は(ステップS508,Yes)、取得した帰宅待ち対象から、異常検知を行ったセンサが、帰宅対象であるか否かを判断する(ステップS510)。判断部1219が、異常検知を行ったセンサが、帰宅対象であると判断した場合には(ステップS510,Yes)、判断部1219は、外出時入館タイマー1215を起動する(ステップS512)。この外出時入館タイマー1215により計測する第1の入館タイマ時間の設定時間は特定範囲に限定されるものではないが、前述した通り、在宅時入館タイマー217により計測する第2の入館タイマ時間よりも長い時間に設定することが好ましい。外出警備状態における居住者の安全を確保する必要性から0秒に設定することも可能である。一方、ステップS506で判断部1219が、警備モードが帰宅待ち状態でないと判断した場合には(ステップS506,No)、ステップS530に進む。また、ステップS508において、判断部1219が、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nでないと判断した場合は(ステップS508,No)、ステップS600以降の処理に進む。ステップS510で、判断部1219が、異常検知を行ったセンサが、帰宅対象でないと判断した場合には(ステップS510,No)、ステップS530に進む。
【0052】
入出力制御部203は、監視領域のセンサから発報された検知信号とセンサIDを受信する(ステップS514)。判断部1219は、センサテーブル記憶部1214を参照し、センサテーブルから、受信したセンサIDに対応するタイマー対象と帰宅待ち対象と監視領域IDを取得する(ステップS516)。判断部1219は、取得したタイマー対象から、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nであるか否かを判断する(ステップS518)。判断部1219が、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nであると判断した場合は(ステップS518,Yes)、判断部1219は、取得した帰宅待ち対象から、異常検知を行ったセンサが、帰宅対象であるか否かを判断する(ステップS520)。判断部1219が、異常検知を行ったセンサが、帰宅対象であると判断した場合には(ステップS520,Yes)、異常通報部1212は、入出力制御部203において受信した検知信号を保留にするとともに(ステップS522)、監視領域に対して音声、メロディ音を出力し、異常を検知した旨を報知する(ステップS524)。ステップS518において、判断部1219が、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nでないと判断した場合は(ステップS518,No)、ステップS530に進む。また、ステップS520において、判断部1219が、異常検知を行ったセンサが、外出時タイマーに対応して用いられる帰宅対象でないと判断した場合にも(ステップS520,No)、ステップS530に進む。
【0053】
判断部1219は、外出時入館タイマー1215が起動中に、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS526)。
【0054】
ここで、監視領域の警備モードの切り替え処理について説明する。図7は、操作表示部221における監視領域の警備モード設定画面の一例を示す模式図である。操作表示部221には、警備モード設定としての、外出警備状態、警備解除状態、在宅警備状態、帰宅待ち状態に対応する各ボタンが表示される。例えば、警備モードを警備解除状態から外出警備状態に設定する場合には、居住者が外出警備状態のボタンを押下すると、設定を行う警備モードが外出警備状態に選択される。このようにして、操作表示部221は、居住者による警備モードの選択を受け付ける。
【0055】
判断部1219が、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けたと判断した場合には(ステップS526,Yes)、異常通報部1212は検知信号を取り消して(ステップS536)、外出時入館タイマー1215を停止する(ステップS534)。
【0056】
ステップS526において、判断部1219が、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けていないと判断した場合には(ステップS526,No)、外出時入館タイマー1215は、第1の入館タイマ時間が経過したか否かを判断する(ステップS528)。外出時入館タイマー1215によって、第1の入館タイマー時間が経過したと判断された場合には(ステップS528,Yes)、異常通報部1212は、異常が検知された旨を監視センタ250に通報し(ステップS530)、監視領域に対して異常が検知された旨を報知する(ステップS532)。その後、判断部1219は、在宅時入館タイマー1215を停止する(ステップS534)。ステップS528において、外出時入館タイマー1215によって第1の入館タイマ時間が経過していないと判断された場合には(ステップS528,No)、ステップS526に戻る。上述したステップS514からステップS536までの処理は、外出時入館タイマー1215が所定の第1のタイマ時間を計測している間、繰り返し行われる。
【0057】
ステップS508において、判断部1219が、異常検知したセンサが外出時タイマー対象センサ1201a〜1201n、1203a〜1203nでないと判断した場合には、判断部1219は、検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202であるか否かを判断する(ステップS600)。判断部1219は、検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202nであると判断した場合には(ステップS600,Yes)、第2のタイマ時間として設定された時間が0秒であるか否かを判断する(ステップS602)。判断部1219が、第2のタイマ時間として設定された時間が0秒でないと判断した場合には(ステップS602,No)、判断部1219は、在宅時入館タイマー217を起動する(ステップS604)。在宅時入館タイマー217は、予め定められた第1の入館タイマ時間を計測するものであって、第1の入館タイマ時間の設定時間は特定範囲に限定されるものではない。ステップS600において、判断部1219が検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202nでないと判断した場合には(ステップS600,No)、ステップS618に進む。また、ステップS602において判断部1219が、第2のタイマ時間として設定された時間が0秒であると判断した場合には(ステップS602,Yes)、ステップS618に進む。
【0058】
入出力制御部203は、在宅時入館タイマー217起動中において、さらに監視領域のセンサから発報された検知信号とセンサIDを受信する(ステップS606)。判断部1219は、センサテーブル記憶部1214を参照し、センサテーブルから、受信したセンサIDに対応するタイマー対象を取得する(ステップS608)。次に、判断部1219は、検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202nであるか否かを判断する(Sステップ610)。判断部1219が、検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202nであると判断した場合には(ステップS610,Yes)、異常通報部1212は、入出力制御部203において受信した検知信号を保留にする(ステップS612)。判断部1219が、検知信号を発報したセンサが在宅時タイマー対象センサ202a〜202nでないと判断した場合には(ステップS610,No)、ステップS618に進む。
【0059】
判断部1219は、在宅時入館タイマー217が起動中に、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS614)。判断部1219が、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けたと判断した場合には(ステップS614,Yes)、異常通報部1212は検知信号を取り消して(ステップS624)、在宅時入館タイマー217を停止する(ステップS622)。
【0060】
判断部1219が、操作表示部221において、居住者から監視領域の警備モードを在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けていないと判断した場合には(ステップS614,No)、在宅時入館タイマー217は第2の入館タイマ時間が経過したか否かを判断する(ステップS616)。在宅時入館タイマー217が、第2の入館タイマ時間が経過したと判断した場合には(ステップS616,Yes)、異常通報部1212は、異常が検知された旨を監視センタ250に通報し(ステップS618)、監視領域に対して異常が検知された旨を報知する(ステップS620)。その後、判断部1219は、在宅時入館タイマー217を停止する(ステップS622)。ステップS616において、在宅時入館タイマー217が第2の入館タイマ時間が経過していないと判断した場合には(ステップS616,No)、ステップS614に戻る。上述したステップS606からステップS624までの処理は、在宅時入館タイマー217が所定の第2の入館タイマ時間を計測している間に繰り返し行われる。
【0061】
なお、変形例として、上述したステップS506において、判断部1219が警備モードが帰宅待ち状態でないと判断した場合に、ステップS600以降の処理に進むこととしてもよい。
【0062】
続いて、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態に設定されている場合における、帰宅対象である外出時タイマー対象センサ1201a〜1201nの動作について説明する。図8は、警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態に設定されている場合における、帰宅対象である外出時タイマー対象センサの動作を示すタイムチャートである。
【0063】
外出時タイマー対象センサ(帰宅待ち対象センサ)1201a〜1201nによって、監視領域において異常を検知された場合には、外出時入館タイマー1215が予め定められた第1の入館タイマ時間T1を計測している間は、異常通報部1212は、異常を検知した旨、監視センタ250に対する通報及び監視領域に対する報知を行わない。一方、外出時タイマー対象センサ(帰宅待ち非対象センサ)1203a〜1203nによって監視領域において異常が検知された場合には、異常通報部1212は、異常を検知した旨を監視センタ250に通報し、監視領域に対して異常検知した旨報知する。
【0064】
このように、第1の実施の形態にかかる警備装置1110によれば、警備モードが在宅警備状態で帰宅待ち状態に設定した場合、タイマで計時した猶予時間はセンサが人体検知をしても、すぐに検知信号を発報せずにメロディ音を発し、非帰宅待ち状態に設定した場合、センサによる人体検知信号を即時に発報することができる。これにより、在宅警備状態で帰宅待ち状態に設定した場合、居住者に危険が及ぶ事態を回避し、居住者の安全を確保するとともに、異常事態に迅速に対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1の実施の形態にかかる警備システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる警備モードテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるセンサテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる警備装置を、住居用建築物を監視領域として配設した一例を示す説明図である。
【図5】警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態における外出時入館タイマーのタイマー処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図5の続きを示すフローチャートである。
【図7】操作表示部における監視領域の警備モード設定画面の一例を示す模式図である。
【図8】警備モードが帰宅待ち状態である在宅警備状態に設定されている場合における、帰宅対象である外出時タイマー対象センサの動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1000 警備システム
1110 警備装置(本体)
202a〜202n センサ
1201a〜1201n,1203a〜1203n センサ
203 入出力制御部
204 通信制御部
1210 制御部
1211 警備モード切替部
1212 異常通報部
1213 警備モード記憶部
1214 センサテーブル記憶部
1215 外出時入館タイマー
216 外出時退館タイマー
217 在宅時入館タイマー
218 在宅時退館タイマー
220 警備装置(コントローラ)
221 操作表示部
222 マイク
223 スピーカ
240 ネットワーク
250 監視センタ
1219 判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域において、異常を検知した場合における監視センタへの通報の可否または監視領域に対する報知の可否など、警備装置の動作を決定する複数の状態からなる警備モードを、主に居住者が外出中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う外出警備状態と、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う在宅警備状態と、一部の前記監視領域に対して外部からの進入を許可する状態を示す帰宅待ち状態の在宅警備状態と、の間で切り替える警備モード切替手段と、
居住者による前記警備モードを切り替える旨の切り替え操作を受け付ける操作手段と、
現在の前記警備モードが前記外出警備状態である場合および現在の前記警備モードが帰宅待ち状態の前記在宅警備状態である場合に、前記監視領域に入館した入館者を異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第1の入館タイマ時間を計測する外出時タイマ手段と、
現在の前記警備モードが前記在宅警備状態である場合に、前記在宅警備の対象の監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第2の入館タイマ時間を計測する在宅時タイマ手段と、
前記監視領域における異常を検知する異常検知手段によって異常を検知した場合に前記監視センタに対して異常検知した旨の通報を行うとともに、前記監視領域に対して異常検知した旨の報知を行う通報手段と、
前記異常検知手段によって異常が検知された場合、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であるか否かを判断する判断手段と、を備え、
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする警備装置。
【請求項2】
前記異常検知手段を識別するための固有の識別情報と、前記異常検知手段が前記在宅時タイマ手段で使用する在宅時対象か前記外出時タイマ手段で使用する外出時対象かを示すタイマ対象と、を対応付けた異常検知テーブルを記憶する記憶手段を更に備え、
前記判断手段は、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断した場合に、さらに、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であるか否かを判断し、
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項3】
前記異常検知テーブルは、さらに、前記タイマ対象が前記外出時対象である前記異常検知手段の前記識別情報に、前記異常検知手段が前記外出時タイマ手段で使用される帰宅対象か否かを示す帰宅待ち対象を対応付け、
前記判断手段は、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であると判断した場合に、さらに、異常を検知した前記異常検知手段の前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象か否かを対応付け、
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であり、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であって、かつ前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする請求項2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であり、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記外出時対象であって、かつ前記帰宅待ち対象が前記帰宅対象でないと判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする請求項3に記載の警備装置。
【請求項5】
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態でないと判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項6】
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態でないと判断された場合には、異常が検知された時点から前記第2の入館タイマ時間が経過するまでの間に、前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切替え操作を受け付けた場合に、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項7】
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記在宅時対象であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第2の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項8】
前記判断手段は、さらに、前記第2の入館タイマ時間が0であるか否かを判断し、
前記通報手段は、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態で、かつ、前記異常検知手段の前記タイマ対象が前記在宅時対象であると判断され、かつ前記第2の入館タイマ時間が0であると判断された場合には、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行うこと、を特徴とする請求項7に記載の警備装置。
【請求項9】
監視領域において、異常を検知した場合における監視センタへの通報の可否または監視領域に対する報知の可否など、警備装置の動作を決定する複数の状態からなる警備モードを、主に居住者が外出中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う外出警備状態と、主に居住者が在宅中に警備を必要とする場合に、前記監視領域において異常を検知した場合に前記監視センタへ通報を行う在宅警備状態と、一部の前記監視領域に対して外部からの進入を許可する状態を示す帰宅待ち状態の在宅警備状態と、の間で切り替える警備モード切替ステップと、
居住者による前記警備モードを切り替える旨の切り替え操作を受け付ける操作ステップと、
現在の前記警備モードが前記外出警備状態である場合および現在の前記警備モードが帰宅待ち状態の前記在宅警備状態である場合に、前記監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第1の入館タイマ時間を計測する外出時計時ステップと、
現在の前記警備モードが前記在宅警備状態である場合に、前記在宅警備の対象の監視領域に入館した入館者を前記異常検知手段によって検知した時点から、予め定められた所定の第2の入館タイマ時間を計測する在宅時計時ステップと、
前記監視領域における異常を検知する異常検知手段によって異常を検知した場合に前記監視センタに対して異常検知した旨の通報を行うとともに、前記監視領域に対して異常検知した旨の報知を行う通報ステップと、
前記異常検知手段によって異常が検知された場合、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であるか否かを判断する判断ステップと、を含み、
前記通報ステップは、前記異常検知手段によって異常が検知された場合で、前記警備モードが前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態であると判断された場合に、異常が検知された時点から前記第1の入館タイマ時間が経過するまでの間に前記帰宅待ち状態の前記在宅警備状態から前記在宅警備状態に切り替える旨の切り替え操作を受け付けた場合には、前記在宅警備の対象となる監視領域において異常が検知された場合でも、前記監視センタに対して異常検知した旨の通報及び前記監視領域に異常検知した旨の報知を行わないこと、を特徴とする警備方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−163419(P2009−163419A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341105(P2007−341105)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】