説明

負荷制御システム

【課題】戸建て住宅などの扉や窓が屋外から開かれた場合と屋内から開かれた場合とを区別し、状況に応じて、屋内の家人に対して照明装置を異なったレベルで点灯させ、扉や窓が開かれたことを通報する。
【解決手段】扉や窓などの構造物に開閉センサ50〜53を設けると共に、その近傍に人体感知センサ71〜77を設け、状況判断部46は、開閉センサ50〜53から出力される第1検知信号と人体感知センサ71〜77から出力される第2検知信号の順番により、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれたか屋内から開かれたかを判断する。就寝モードにおいて、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたときは、昭婦負制御部47は、所定の照明装置を点灯して、家人に通報する。また、就寝モード又は外出モードにおいて、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれたときは、全ての照明装置を点灯させ、警報音を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不自然な状況で扉や窓が開かれたときに、その状況を検出し、照明装置などの負荷を制御する負荷制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明装置と連動し、夜間の時間帯などにおいて、照明装置が消灯された後に、窓センサにより窓が開かれたときに、警報音を出力するセキュリティシステムが提案されている(特許文献1参照)。このような従来のセキュリティシステムは、一般的にオフィスビルや商業施設など、夜間無人になると共に、警備員が常駐するか又は一定間隔で見回りを行う施設に用いられている。そして、警報音の発生により、不審者に対しては威嚇作用を与えると共に、警備員に不審者の侵入を速やかに通報することができる。
【0003】
上記従来のセキュリティシステムは、警報音に応答して警備員が出動する際、照明装置を点灯させると、それ以降に窓を開閉されても窓センサは機能せず、新たな不審者の侵入又は侵入者の逃走を検知して通報することができないという矛盾点を有している。従って、照明装置が消灯されたことを条件としてセキュリティシステムを制御することは、あまり有効でない。
【0004】
一方、近年痴呆性老人などが、家人の就寝中に家から抜け出して屋外を徘徊し、事故に遭うなどの問題が指摘されている。そのため、防犯上及び痴呆性老人の徘徊などを検出して通報するために、窓センサや扉センサなどと連動した通報システムを戸建て住宅などにも適用することが好ましい。しかしながら、後者の場合は事件性及び緊急性が低いので、家人に窓や扉が開かれたことを通報できれば十分であり、警報音を発生させる必要はなく、窓や扉が開かれるたびに警報音を発生させると、かえって近所迷惑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−272595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、例えば戸建て住宅などの建築物に設置される照明装置などの負荷制御システムであって、屋外から扉や窓などが開かれた場合と屋内から扉や窓などが開かれた場合とを区別することができ、状況に応じて、屋内の家人に対して照明装置を異なったレベルで点灯させるなどの負荷制御によって窓などが開かれたことを通報しうると共に、不審者に対しては威嚇する機能を備えた負荷制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、負荷制御装置であって、建築物に対して開閉可能に設置され、人の出入りが可能な構造物に設けられ、前記構造物が開かれたことを検知して所定の第1検知信号を出力する1又は複数の開センサと、前記建築物の内側であって、前記開センサ近傍に設けられ、あらかじめ設定された検知領域に人が存在することを検知して所定の第2検知信号を出力する1又は複数の人体感知センサと、前記開センサ及び前記人体感知センサに接続され、前記開センサからの前記第1検知信号及び前記人体感知センサからの第2検知信号に基づいて、前記構造物が開かれた状況を判断する状況判断部と、前記状況判断部による判断に基づいて、あらかじめ設定されている1又は複数の所定の照明装置を、前記構造物が開かれた状況に応じて異なるレベルで点灯させる照明制御部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の負荷制御システムにおいて、先に前記第2検知信号が出力され、後から前記第1検知信号が出力された場合であって、前記照明制御部が前記所定の照明装置を点灯させた後、第1の所定時間経過しても前記第2検知信号が出力されているときは、前記状況判断部は異常と判断せず、前記照明制御部は、直ちに又はさらに第2の所定時間経過後、点灯させた前記所定の照明装置を消灯させることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の負荷制御システムにおいて、前記状況判断部及び前記照明制御部は、テレビドアホン装置の屋内モニタ装置に設けられており、前記照明制御部は、有線又は無線を介して、前記所定の照明装置を制御する負荷制御装置を起動させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の負荷制御システムにおいて、前記屋内モニタ装置に、前記状況判断部及び前記照明制御部の機能をオン又はオフさせ、又は前記照明制御部の機能を切り替えるための動作モード設定スイッチ及び前記状況判断部及び前記照明制御部が機能しうる時間を設定するタイマを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の負荷制御システムにおいて、前記動作モード設定スイッチが外出モードに設定されている場合であって、前記構造物は前記建築物の玄関扉であり、かつ、前記状況判断部が、前記玄関扉が屋外から開かれたと判断したときには、前記照明制御部は、前記状況判断部による判断がなされた後、所定時間経過したときに前記所定の照明装置を消灯させることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4に記載の負荷制御システムにおいて、前記建築物の玄関扉に設けられ、前記人検出部及び前記照明制御部に接続された電気錠をさらに備え、前記電気錠が屋外から施錠されたときは、前記動作モード設定スイッチの設定又は前記タイマの設定時間にかかわらず、前記状況判断部及び前記照明制御部が機能することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項3に記載の負荷制御システムにおいて、前記モード設定スイッチが外出モードに設定されている場合であって、前記構造物は前記建築物の玄関扉以外のものであり、かつ、前記状況判断部が、前記構造物が屋外から開かれたと判断したときには、前記屋内モニタ装置のスピーカから警報音を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項4に記載の負荷制御システムにおいて、前記構造物は前記建築物の玄関扉であり、前記玄関扉の屋外側にも人体感知センサがさらに設けられており、前記屋外側の人体感知センサが検知対象を検知すると、前記テレビドアホン装置のテレビカメラを起動して、所定時間画像を撮像し、撮像した画像データを一時的に記憶し、前記状況判断部が、前記玄関扉が屋外から開かれたと判断した後、前記人体感知センサから第2検知信号が出力され、続いて前記開センサから第1検知信号が出力されたときは、前記撮像した画像データを恒久的に記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、建築物に対して開閉可能に設置された扉や窓など、人の出入りが可能な構造物に、その構造物が開かれたことを検知して所定の第1検知信号を出力する開センサを設けると共に、建築物の内側であって、開センサ近傍に、あらかじめ設定された検知領域に人が存在することを検知して所定の第2検知信号を出力する人体感知センサを設けているので、構造物が開かれて人が出入りした場合、先に第1検知信号が出力され、後から第2検知信号が出力された場合は、構造物が屋外から開かれたと判断することができ、逆に、先に第2検知信号が出力され、後から第1検知信号が出力された場合は、構造物が屋内から開かれたと判断することができる。家人の生活モード、例えば本来就寝しているべき時間帯に構造物が屋内から開かれたと判断されると、家人が外出したと考えられるので、他の家人に対して誰かが外出したことを通報するために、あらかじめ設定されている照明装置を他の人に対して迷惑にならない程度の所定のレベルで点灯させればよい。一方、上記時間帯に、構造物が屋外から開かれたと判断されると、不審者が侵入しようとしている可能性が高いので、その不審者に威嚇を与えると共に、家人に対して速やかに警告するため、例えば全ての照明装置を最高輝度で点灯させることができる。なお、これらの開センサ及び人体感知センサは、建築物の全ての扉や窓に設置されている必要はなく、人の出入りを検知する必要がある特定の場所にだけ設置されていてもよい。
【0016】
請求項2の発明によれば、屋内から扉や窓などの構造物が開かれてはいるが、構造物を開いた人はそのまま屋内にとどまっていると考えられる場合、異常ではないので、通報解除することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、公知のテレビドアホン装置の屋内モニタ装置の制御部を利用して、制御部に人検出機能及び照明制御機能を追加することによってこの負荷制御システムを実現することができ、負荷制御システムのコストダウンを図ることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、例えば夜間や不在時など、必要な場合にだけ人検出機能及び照明制御機能を発揮させることができ、電力消費を抑制することができる。また、タイマ設定により、動作モードの設定切り替え忘れを防止することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、動作モード設定スイッチが外出モードに設定されている場合であって、家人が外出から帰宅したときに、この負荷制御システムの機能を解除するか動作モードを切り替えるための時間を確保することができ、不必要な照明装置の点灯や警報音の発生などによる電力消費を低減することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、家人が上記動作モード設定スイッチを在宅モードに設定したまま、あるいはタイマをセットしたまま外出した場合でも、状況判断部及び照明制御部が機能するので、不審者に対して威嚇作用を与えることができる。なお、ここで言う電気錠は、屋内から施錠されたのか、あるいは屋外から施錠されたのかが判別できればよく、必ずしもオートロック機能は不要であり、その構造や機能は特に限定されない。
【0021】
請求項7の発明によれば、状況判断部により屋外から構造物が開かれたと判断された場合に、照明装置の点灯に加えて、屋内モニタ装置のスピーカから警報音が出力されるので、不審者に対する威嚇作用を向上させることができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、家人の就寝時や不在時に、屋外から不審者が扉を開けて侵入し、その扉から逃走したと考えられる場合に、テレビドアホン装置のテレビカメラにより所定時間画像を撮像してその画像データを記憶することができるので、犯罪及び犯人特定の証拠とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る負荷制御システムを備えた戸建て住宅の概略構成を示す図。
【図2】上記負荷制御システムにおける屋内モニタ装置の構成を示すブロック図。
【図3】上記負荷制御システムの外出モードにおける動作を示すフローチャート。
【図4】上記負荷制御システムの就寝モードにおける動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係る負荷制御システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る負荷制御システムを備えた戸建て住宅の概略構成を示す。一般的に、戸建て住宅などの建築物の門扉や玄関などの付近には、テレビカメラ2を備えたテレビドアホン装置の屋外器(子器)3が設けられている。また、リビングルームやダイニングキッチンなどにはテレビドアホン装置の屋内モニタ装置(親器)4が設けられている。一方、家屋1の玄関11、廊下12、階段13、リビング14、キッチン15、寝室16、17・・・などの壁面には、照明装置(照明負荷)21・・・のオン及びオフなどを制御するための壁面スイッチを兼ねた負荷制御装置31・・・が設けられており、これら負荷制御装置31・・・と照明装置21・・・とは、それぞれ壁や天井の裏側に設置された配線を介して接続されている。これらの負荷制御装置31・・・の一部又は全部は、テレビドアホン装置の屋内モニタ装置4から有線を介して又は電波を媒体として無線送信される所定の信号を受信する受信機能を有している。
【0025】
家屋1の屋外の側壁や軒下などには、屋側センサ41及び上記テレビカメラ2が設けられている。また、扉7a、7bや窓5a、5bの付近には開閉センサ(開センサ)50〜53及び窓ガラス破壊センサ61、62が設けられている。なお、これらの各センサは、全ての扉や窓に設ける必要はなく、屋外から不審者が侵入しやすい箇所や、例えば痴呆性の老人などが徘徊しやすい箇所などの特定の場所にのみ設けられていてもよい。さらに、玄関11、廊下12、階段13、リビング14、キッチン15及び寝室16及び17などには、人体感知センサ71〜77が設けられている。これらの各人体感知センサ71・・・は、それぞれ検知対象を検知する機能の他に、電波を媒体として所定の信号を送信する無線送信機能を有している。なお、上記各開閉センサ50〜53は、扉7a、7bや窓5a、5bの開動作及び閉動作のいずれも検出可能であるが、本実施形態では、扉7a、7bや窓5a、5bの開動作のみが検出できればよい。
【0026】
本実施形態では、全ての負荷制御装置31・・・は上記受信機能を有するものとし、さらに1又は複数の負荷のオン及びオフ及びオン状態における負荷の段階を制御する負荷制御機能を有する。負荷としては、上記照明装置21・・・の他に、警報装置、警備会社への通報装置あるいは電気錠(オートドアロック)などを制御することができる。また、負荷制御装置31・・・は、ユーザによって操作され、電波を媒体として、操作された内容に応じた所定の信号を無線送信する操作スイッチ(例えばリモコン装置)80などからの所定の信号も受信可能である。なお、操作スイッチ80は、必ずしもリモコン装置である必要はなく、壁面に設置又は固定された他のスイッチであってもよい。
【0027】
例えば玄関11の軒下に設けられた屋側センサ41は、照度センサ及び人体感知センサの機能を有しており、屋外の照度が一定照度以下になったときに所定の照度以下になったことを知らせる所定の屋外点灯信号を出力すると共に、所定の検知領域6内に人などの検知対象が立ち入った場合に、検知対象の存在を検知して、又は検知対象を検知したことを知らせる屋外検知信号を、有線を介して又は電波を媒体とする無線通信を介して屋内モニタ装置4に出力する。なお、図示していないが、駐車場などにも同様の屋側センサや照明装置が設置されている場合も同様である。
【0028】
屋内モニタ装置4に設けられている制御部(詳細は後述する)は、設定モードに応じて、屋側センサ41からの屋外点灯信号又は屋外検知信号を受信すると、最寄りの負荷制御装置31に対して点灯のための制御信号を無線送信し、照明装置21をオン(点灯)させる。なお、屋側センサ41は、屋外の照度が一定照度を超えたとき又は屋外検知信号を送信した後、所定の検知領域6内に一定時間検知対象の存在を検知しなくなった場合に、所定の屋外消灯信号を屋内モニタ装置4に対して出力し、屋内モニタ装置4は屋側センサ41からの屋外消灯信号を受信すると、負荷制御装置31に対して消灯のために制御信号を無線送信し、照明装置21をオフ(消灯)させる。
【0029】
人体感知センサ71・・・は、所定の検知領域6a・・・内に人が立ち入った場合に、人の存在を検知して、例えば電波を媒体として、人を検知したことを知らせる第2検知信号(第1検知信号は後述する)を屋内モニタ装置4又は最寄りの負荷制御装置31・・・に対して無線送信する。人体感知センサ71〜75は、一定間隔で検知動作を行い、所定の検知領域内に検知対象が存在しないときには、第2検知信号を出力しない。従って、屋内モニタ装置4又は最寄りの負荷制御装置31・・・は、人体感知センサ71・・・からの第2検知信号に応じて照明装置22・・・をそれぞれ点灯させると共に、照明装置22・・・の点灯後、一定時間を経過した後、人体感知センサ71・・・からの第2検知信号が出力されなくなったときは、照明装置22・・・を消灯させる機能を有する。さらに、負荷制御装置31・・・は、ユーザの操作により照明装置21、22・・・をそれぞれ点灯又は消灯させる通常のスイッチ機能を有している。
【0030】
リビング14、寝室16又は17などに設けられた負荷制御装置34〜37などは、操作スイッチ(リモコン装置)80などから送信される所定の制御信号に応じて、照明装置25〜28などのオン又はオフ及びオンのときの照度などを制御する機能を有する。
【0031】
開閉センサ50〜53は、扉7a、7bや窓5a、5bの開状態又は閉状態を検知し、電波を媒体として、窓の開動作に応じた第1検知信号を屋内モニタ装置4又は最寄りの負荷制御装置36及び37に対して無線送信する。同様に、窓ガラス破壊センサ61及び62は、窓ガラスが破壊されたことを検知し、電波を媒体として、窓ガラスが破壊されたことを知らせる第3検知信号を屋内モニタ装置4に対して無線送信する。
【0032】
各負荷制御装置31〜37は、有線又は無線通信を介して、屋内モニタ装置4と通信を行う。また、1つの負荷制御装置(例えばリビング14又はキッチン15に設けられている負荷制御装置34又は35)をマスターとし、他の負荷制御装置をスレーブとするマスター・スレーブ通信を行うように構成されていてもよい。さらに、個々の負荷制御装置31〜37は、時分割多重方式又は周波数多重方式により、操作スイッチ80からの信号の受信を行う。
【0033】
なお、負荷制御装置(壁面スイッチ)、屋側センサ、人体感知センサ、窓開閉センサ、窓ガラス破壊センサなどに関しては、本出願人が別途特許出願を行っているので、これらの具体的な構成については説明を省略する。
【0034】
人体感知センサ71・・・のうち、特に開閉センサ50〜53の近傍に設けられている人体感知センサ71、74、75及び77は、開閉センサ50〜53による扉7a、7bや窓5a、5bの開動作検出と関連して、人の存在を検出できるように、その検知範囲が設定されている。換言すれば、人が扉7a、7bや窓5a、5bのすぐ近くではあるが、屋外側にいるときは反応せず、扉7a、7bや窓5a、5bのすぐ近くで合って、屋内側にいるときは反応するような位置に、人体感知センサ71、74、75及び77がそれぞれ設置されている。このような扉7a、7bや窓5a、5bと人体感知センサ71、74、75及び77の位置関係により、先に開閉センサ50〜53から第1検知信号が出力され、後から人体感知センサ71、74、75又は77から第2検知信号が出力された場合は、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれたと判断することができ、逆に、先に人体感知センサ71、74、75及び77から第2検知信号が出力され、後から開閉センサ50〜53から第1検知信号が出力された場合は、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたと判断することができる。
【0035】
図2に示すように、屋内モニタ装置4は、液晶素子などの表示部42、スピーカ43及びマイクロホン44、テレビドアホン機能の他に防犯機能などを制御する防犯機能制御部45、開閉センサ50〜53からの第1検知信号及び人体感知センサ71、74、75及び77からの第2検知信号に基づいて、扉7a、7bや窓5a、5bが開かれた状況を判断する状況判断部46、状況判断部46による判断に基づいて、あらかじめ設定されている1又は複数の所定の照明装置22・・・を、扉7a、7bや窓5a、5bが開かれた状況に応じて異なるレベルで点灯させる照明制御部47、動作モード設定スイッチ48、テレビカメラに2により撮像された画像などを記憶するためのフラッシュメモリなどの記憶部49、タイマ50などを備えている。状況判断部46は、開閉センサ50〜53からの第1検知信号及び人体感知センサ71、74、75及び77からの第2検知信号に基づいて、上記のように扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたのか、あるいは屋外から開かれたのかを判断する。なお、動作モード設定スイッチ48により設定された動作モードによって、照明制御装置47による照明制御などの負荷制御が異なる。
【0036】
そのため、次に、負荷制御システムの動作モードについて説明する。上記のような防犯機能は、不在時又は就寝時に特に有効であり、家人が在宅中のときは機能しなくてもよい場合がある。一方、この負荷制御システムは、テレビドアホン装置を利用しているので、上記のようにスピーカ43を備えている。そこで、屋内モニタ装置4に設けられた動作モード設定スイッチ48により、外出モード、在宅モード及び就寝モードのいずれかに設定が可能であり、以下に説明するように動作モード設定に応じて動作が異なる。
【0037】
(外出モード)
外出モードに設定されている場合、通常、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれることはなく、玄関11の扉7aのみが屋外から開かれる。従って、それ以外の勝手口の扉7bや窓5a、5bが屋外から開かれたときは、明らかに不審者が屋内に侵入しようとしていると判断できる。また、玄関11の扉7aが屋外から開かれた場合は、家人が帰宅したか、あるいは不審者が扉7aから侵入しようとしているかのいずれかである。一方、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれた場合は、動作モード設定間違いか、あるいは、開閉センサ50〜53などが設置されていない場所から侵入した不審者が、屋外に逃走しようとしている場合が考えられる。家人が帰宅した場合は、速やかに動作モード設定スイッチ48を操作して動作モード設定を切り替えるので、玄関11の扉7aが屋外から開かれてから所定時間内に動作モード設定スイッチ48が操作されるか否かによって、家人の帰宅か不審者の侵入かを区別することができる。なお、動作モード設定スイッチ48が外出モードに設定された時点で、開閉センサ50〜53から第1検知信号が出力されているときは、勝手口の扉7bや窓5a、5bなどが開放されたままであり、人体感知センサ71、74、75及び77から第2検知信号が出力されているときは、動作モード設定間違いか、人がまだ屋内に残っているので、防犯機能制御部45はスピーカ43から所定の警報音を出力する。そのため、ここでは、上記動作モード設定間違いの場合は除いて説明する。
【0038】
外出モードに設定されているときは、防犯機能制御部45は、状況判断部46による状況判断機能、照明制御部47による照明制御機能、スピーカから警報音を出力する警報機能、テレビカメラ2により撮像され、状況判断部46により扉7が屋外から開かれたと判断されたときの画像を記憶部49に記憶する画像記憶機能をオンする。
【0039】
外出モードに設定されているときの負荷制御システムの動作を図3のフローチャートに示す。状況判断部46は、開閉センサ50〜53のいずれかから第1検知信号が出力されたか否か及び人体感知センサ71、74、75及び77のいずれかから第2検知信号が出力されたかを、同時に判断する(#1、#2)。屋内又は屋外から扉7a、7bや窓5a、5bが開かれた場合、時間差をもって第1検知信号及び第2検知信号が出力されるので、第1検知信号及び第2検知信号が出力されると、状況判断部46は状況判断を行う(#3)。状況判断部46は、上記のように第1検知信号及び第2検知信号の前後によって、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外と屋内のいずれから開かれたかを判断することができる。扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたと判断した場合(#4でNO)、開閉センサ50〜53などが設置されていない場所から侵入した不審者が屋外に逃走しようとしている場合が考えられるので、照明制御部47は、全ての照明装置21・・・を最大輝度で点灯させると共に、防犯機能制御部45はスピーカから警報音を出力する(#5)。この場合、照明装置21・・・の点灯及び警報音の出力は、帰宅した家人などによって解除されるまで続けられる。
【0040】
一方、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれたと判断した場合(#4でYES)、開かれた構造物が玄関11の扉7aか否かを判断する(#6)。開かれた構造物が勝手口の扉7b又は窓5a、5bである場合(#6でNO)、不審者が屋外から侵入しようとしていると考えられるので、照明制御部47は、全ての照明装置21・・・を最大輝度で点灯させると共に、防犯機能制御部45はスピーカから警報音を出力する(#5)。また、開かれた構造物が玄関11の扉7aである場合(#6でYES)、家人が帰宅した可能性があるので、防犯機能制御部45は、第1検知信号が出力されてから所定時間内に動作モード設定スイッチ48の設定が変更されたか否かを判断する(#7)。所定時間内に動作モード設定スイッチ48の設定が変更されたときは(#7でYES)、家人か帰宅したので、このフローを終了する。一方、所定時間内に動作モード設定スイッチ48の設定が変更されなかったときは(#7でNO)、不審者が侵入した可能性が高いので、全ての照明装置21・・・を最大輝度で点灯させると共に、防犯機能制御部45はスピーカから警報音を出力する(#5)。
【0041】
(就寝モード)
通常、深夜に帰宅した家人は、鍵を使って玄関11の扉7aを解錠するか、あるいはドアホン機能を使って屋内から解錠してもらうであろう。また、深夜の来客の場合も、ドアホン機能を使って屋内から解錠してもらうであろう。従って、動作モード設定スイッチ48が就寝モードに設定されている場合、(鍵を使わずに)扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれることはなく、それらが屋外から開かれたときは、明らかに不審者が屋内に侵入しようとしていると判断できる。一方、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれる可能性は高く、かつ、通常は事件性や緊急性はない。ところが、近年痴呆性老人などは、家人の就寝中に家から抜け出して屋外を徘徊し、事故に遭うなどの可能性がある。そこで、就寝モードにおいて扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたときは、近所迷惑にならない範囲で、所定の照明装置の点灯や、警報音とはならない程度の音声信号により、家人に扉7a、7bや窓5a、5bが開かれたことを通報する。
【0042】
就寝モードに設定されているときの負荷制御システムの動作を図4のフローチャートに示す。状況判断部46は、開閉センサ50〜53のいずれかから第1検知信号が出力されたか否か及び人体感知センサ71、74、75及び77のいずれかから第2検知信号が出力されたかを、同時に判断する(#11、#12)。第1検知信号及び第2検知信号が出力されると、状況判断部46は状況判断を行い(#13)、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外から開かれたと判断した場合(#14でYES)、屋外から不審者が侵入しようとしていると考えられるので、照明制御部47は、全ての照明装置21・・・を最大輝度で点灯させると共に、防犯機能制御部45はスピーカから警報音を出力する(#15)。一方、扉7a、7bや窓5a、5bが屋内から開かれたと判断した場合(#14でNO)、家人が家から抜け出そうとしていると考えられるので、照明制御部47は、あらかじめ設定されている照明装置、例えば寝室16又は17の照明装置27又は28や、廊下12や階段13の照明装置23及び24などを所定の点灯レベル(必ずしも最大輝度である必要はない)で点灯させる(#16)。さらに、ユーザ設定に応じて、屋内モニタ装置4のスピーカ43からチャイムなどを出力してもよい。それによって、家人が家から抜け出そうとしていることを他の家人に通報することができ、屋外の徘徊を未然に防止することができる。なお、就寝モードにおいて、照明制御部47による照明装置の点灯など(#15、#16)は、家人により解除されるまで続けられる。
【0043】
(在宅モード)
家人が在宅しているときは、扉7a、7bや窓5a、5bが屋外(庭やベランダなど)から開閉されても、家人による可能性の方が高いので、在宅モードに設定されているときは、防犯機能制御部45は、状況判断部46による状況判断機能及び照明制御部47による照明制御機能をオフする(すなわち、防犯機能を解除する)。
【0044】
また、屋内モニタ装置4にはタイマ50が設けられているので、タイマ50の機能により、毎日決められた時間、例えば夜10時から翌朝の7時までの間を、就寝モードに設定することができる。それによって、動作モード設定スイッチ48の設定の切り替えを忘れた場合でも、就寝時の防犯効果が得られる。さらに、玄関11の扉に電気錠81が設けられている場合、電気錠81が屋外から施錠されたときは、動作モード設定スイッチ48の設定やタイマ機能の設定にかかわらず、動作モードが必ず外出モードに切り替えられるように構成してもよい。なお、ここで言う電気錠81は、屋内から施錠されたのが、屋外から施錠されたのかが判別できればよく、必ずしもオートロック機能は不要であり、その構造や機能は特に限定されない。
【0045】
さらに、窓ガラス破壊センサ61・・・からの信号を受信したときに、照明制御部47は、全ての照明装置を最高輝度で点灯させるように制御すると共に、防犯機能制御部45スピーカ43から警報音最大音量で出力するように構成されていてもよい。
【0046】
さらに、玄関11の屋外には、人体感知センサ機能を備えた屋側センサ41やテレビカメラ2が設置されているので、屋側センサ41が検知対象を検知すると、テレビドアホン装置のテレビカメラ2を起動して、所定時間画像を撮像し、撮像した画像データを屋内モニタ装置4の記憶部49に一時的に記憶しておき、状況判断部46が、玄関11の扉7aが屋外から開かれたと判断した後、人体感知センサ71から第2検知信号が出力され、続いて開閉センサ50から第1検知信号が出力されたとき、すなわち、玄関11の扉7aから不審者が侵入し、その扉71から逃走したときに、撮像した画像データを恒久的に記憶するように構成してもよい。このような構成によれば、不審者の侵入及び逃走がテレビカメラ2によって撮影されるので、犯罪及び犯人特定の証拠とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
テレビカメラを備えたテレビドアホン装置の屋内モニタ装置と、扉や窓に設置される開閉センサと、人体感知センサなどを組み合わせて、照明装置や警報装置などの負荷制御システムを構成し、屋外からの不審者の侵入を検知して威嚇作用や警報作用を行うと共に、夜間に家人が抜け出そうとしているときに、他の家人に通報することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 家屋
2 テレビカメラ
3 テレビドアホン装置の屋外器(子器)
4 テレビドアホン装置の屋内モニタ装置(親器)
5a、5b 窓
6、6a 検知領域
7a、7b 扉
11 玄関
21〜28 照明装置
31〜37 負荷制御装置(壁面スイッチ)
41 屋側センサ
42 表示部
43 スピーカ
44 マイクロホン
45 防犯機能制御部
46 状況判断部
47 照明制御部
48 動作モード設定スイッチ
49 記憶部
50 タイマ
50〜53 開閉センサ(開センサ)
61、62 窓ガラス破壊センサ
71〜77 人体感知センサ
80 操作スイッチ(リモコン装置)
81 電気錠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に対して開閉可能に設置され、人の出入りが可能な構造物に設けられ、前記構造物が開かれたことを検知して所定の第1検知信号を出力する1又は複数の開センサと、
前記建築物の内側であって、前記開センサ近傍に設けられ、あらかじめ設定された検知領域に人が存在することを検知して所定の第2検知信号を出力する1又は複数の人体感知センサと、
前記開センサ及び前記人体感知センサに接続され、前記開センサからの前記第1検知信号及び前記人体感知センサからの第2検知信号に基づいて、前記構造物が開かれた状況を判断する状況判断部と、
前記状況判断部による判断に基づいて、あらかじめ設定されている1又は複数の所定の照明装置を、前記構造物が開かれた状況に応じて異なるレベルで点灯させる照明制御部を備えたことを特徴とする負荷制御システム。
【請求項2】
先に前記第2検知信号が出力され、後から前記第1検知信号が出力された場合であって、前記照明制御部が前記所定の照明装置を点灯させた後、第1の所定時間経過しても前記第2検知信号が出力されているときは、前記状況判断部は異常と判断せず、前記照明制御部は、直ちに又はさらに第2の所定時間経過後、点灯させた前記所定の照明装置を消灯させることを特徴とする請求項1に記載の負荷制御システム。
【請求項3】
前記状況判断部及び前記照明制御部は、テレビドアホン装置の屋内モニタ装置に設けられており、前記照明制御部は、有線又は無線を介して、前記所定の照明装置を制御する負荷制御装置を起動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の負荷制御システム。
【請求項4】
前記屋内モニタ装置に、前記状況判断部及び前記照明制御部の機能をオン又はオフさせ、又は前記照明制御部の機能を切り替えるための動作モード設定スイッチ及び前記状況判断部及び前記照明制御部が機能しうる時間を設定するタイマを設けたことを特徴とする請求項3に記載の負荷制御システム。
【請求項5】
前記動作モード設定スイッチが外出モードに設定されている場合であって、前記構造物は前記建築物の玄関扉であり、かつ、前記状況判断部が、前記玄関扉が屋外から開かれたと判断したときには、前記照明制御部は、前記状況判断部による判断がなされた後、所定時間経過したときに前記所定の照明装置を消灯させることを特徴とする請求項4に記載の負荷制御システム。
【請求項6】
前記建築物の玄関扉に設けられ、前記人検出部及び前記照明制御部に接続された電気錠をさらに備え、
前記電気錠が屋外から施錠されたときは、前記動作モード設定スイッチの設定又は前記タイマの設定時間にかかわらず、前記状況判断部及び前記照明制御部が機能することを特徴とする請求項4に記載の負荷制御システム。
【請求項7】
前記モード設定スイッチが外出モードに設定されている場合であって、前記構造物は前記建築物の玄関扉以外のものであり、かつ、前記状況判断部が、前記構造物が屋外から開かれたと判断したときには、前記屋内モニタ装置のスピーカから警報音を出力することを特徴とする請求項3に記載の負荷制御システム。
【請求項8】
前記構造物は前記建築物の玄関扉であり、前記玄関扉の屋外側にも人体感知センサがさらに設けられており、
前記屋外側の人体感知センサが検知対象を検知すると、前記テレビドアホン装置のテレビカメラを起動して、所定時間画像を撮像し、撮像した画像データを一時的に記憶し、
前記状況判断部が、前記玄関扉が屋外から開かれたと判断した後、前記人体感知センサから第2検知信号が出力され、続いて前記開センサから第1検知信号が出力されたときは、前記撮像した画像データを恒久的に記憶することを特徴とする請求項4に記載の負荷制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−176175(P2010−176175A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15231(P2009−15231)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】