説明

走行履歴情報送信装置、運転支援装置、方法およびプログラム

【課題】第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して進入道路上に渋滞が発生した場合に、第1退出道路に退出する予定の車両から走行履歴情報を送信する際の遅延発生を防止し、かつ、正確な渋滞情報を生成できる状態で走行履歴情報を送信する技術の提供。
【解決手段】前記車両が交差点への退出道路の一つである第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域において、前記第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記第1退出道路を示す情報と前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて前記交差点を退出する前に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行履歴情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路区間毎の車速や旅行時間などを示す走行履歴情報を車両から送信する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車両が交差点を退出した後に交差点からの退出道路を特定し、進入道路を示す情報と退出道路を示す情報を含む走行履歴情報を車両から送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−176243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来の技術においては、退出道路を特定してから進入道路を示す情報と退出道路を示す情報とを組にして走行履歴情報に含めることにより、車両の進行方向毎の走行履歴情報を定義することができる。しかし、車両の進行方向毎の走行履歴情報を定義するためには交差点を退出した後に退出道路を特定する必要があり、車両が交差点を退出するまで走行履歴情報を定義することができない。このために、走行履歴情報の送信が遅延し、また、走行履歴情報に基づく解析が不正確になる場合がある。
【0005】
例えば、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域に渋滞が発生しておらず、第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域に渋滞が発生している場合において、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路を走行している車両が、第2退出道路に向けて走行する大型車両を追い越すことができない場合には、当該大型車両の後方で停車せざるを得ない状況となる。この場合、大型車両が第2退出道路に退出し、かつ、他に大型車両などの渋滞要因が存在しなければ車両が進入道路から交差点に進入することが可能になり、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域における渋滞が解消することになる。
【0006】
しかし、従来の技術においては、渋滞の解消後に進入道路を前進して交差点に進入し、さらに交差点を退出した後、さらに退出リンクを特定するまで走行履歴情報を送信しない。従って、渋滞が発生している時点で第1退出道路に退出する際に走行する進入道路に関する走行履歴情報は送信されず、渋滞が解消した後、しばらく時間が経過してから走行履歴情報が送信される。従って、渋滞発生時点でリアルタイムに走行履歴情報を送信することができない。さらに、上述の状態においては車両が大型車両の後方に停車していたことに起因して進入道路を走行した際に要した旅行時間が長くなるため、走行履歴情報は進入道路が渋滞していたことを示す情報となる。しかし、当該走行履歴情報が送信されたタイミングにおいて、実際には第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域についての渋滞は解消している。従って、走行履歴情報に基づく解析が不正確になる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して進入道路上に渋滞が発生した場合に、第1退出道路に退出する予定の車両から走行履歴情報を送信する際の遅延発生を防止し、かつ、正確な渋滞情報を生成できる状態で走行履歴情報を送信する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、交差点を退出した後に車両が走行した退出道路を特定し、交差点への進入道路の走行履歴情報に退出道路を対応づけて送信する走行履歴情報送信装置において、車両が交差点を退出して第1退出道路に退出する予定であり、当該車両が交差点へ進入する際に走行する進入道路内の走行領域において、交差点から第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合に、交差点への進入道路の走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて交差点を退出する前に送信する。
【0008】
この構成によれば、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して進入道路上に渋滞が発生した場合に、車両が交差点を退出して第1退出道路が特定される前に走行履歴情報が送信されるため、第1退出道路に退出する予定の車両から走行履歴情報を送信する際の遅延発生を防止することができる。また、渋滞が発生している時点において、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけた走行履歴情報を送信するため、走行履歴情報に基づいて正確な渋滞情報を生成することが可能になる。また、第1退出道路に向けて退出する予定の車両が、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれると解析することが可能になる。
【0009】
ここで、走行履歴情報送信装置は、車両が交差点を退出した後に走行履歴情報を送信する機能を備えているが、当該機能のみでは従来の技術のように走行履歴情報の送信が遅延し、また、走行履歴情報に基づく解析が不正確になるという問題が発生し得る。そこで、本発明においては、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定される場合に、交差点への進入道路の走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報をと対応づけて交差点を退出する前に送信する構成としている。
【0010】
渋滞発生判定手段においては、車両が第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域において、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定することができればよい。すなわち、第1退出道路に退出する際に車両が走行する進入道路内の走行領域において、他の車両が第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行しているにもかかわらず、当該他の車両が第1退出道路に退出する車両の前進を阻害する渋滞の原因となっているか否かを判定する。すなわち、車両が交差点から退出する前に走行履歴情報を送信することによって、走行履歴情報の送信の遅延を防止し、また、走行履歴情報に基づく解析が不正確になることを防止することができる状況であるか否かを判定することができればよい。
【0011】
交差点には車両や他の車両が走行している進入道路と、第1退出道路および第2退出道路となる退出道路が接続されていればよい。従って、交差点への接続道路が3個以上であれば本発明を適用し得る交差点となる。第1退出道路は、車両の走行予定経路に沿った退出道路であり、走行予定経路は予め決められていても良いし、車両が走行している車線や車線内での位置によって特定してもよい。第2退出道路は第1退出道路と異なっていれば良く、例えば、地図情報等を参照して第2退出道路が存在することを特定する構成等を採用可能である。
【0012】
第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する構成としては、種々の構成を採用可能であり、少なくとも、第2退出道路に向けて他の車両が走行していることと、当該他の車両が存在する場合には車両が当該他の車両より前方に走行することができない状態であることとを特定できればよい。第2退出道路に向けて他の車両が走行していることを特定する際には、例えば、当該他の車両が第2退出道路に退出する車両の走行領域を走行していることを判定することによって特定してもよい。
【0013】
なお、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域は、第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域と区別することができればよく、各走行領域は同一車線上に存在しても良いし、異なる車線上に存在しても良い。前者としては、車線が延びる方向に対して垂直な方向に車両が並んで走行可能な道路において、車両に搭載されたカメラの撮影画像を解析するなどして退出道路毎の走行領域を区別する構成を採用可能である。後者としては、車線が延びる方向に対して複数の車線が並んで設けられている道路において、車両に搭載されたカメラの撮影画像の解析や、地図情報が示す車線の位置と車両の位置との照合等によって退出道路に対応した車線を区別することで走行領域を区別する構成を採用可能である。
【0014】
走行履歴情報送信手段においては、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて交差点を退出する前に送信することができればよい。すなわち、通常時は、車両から走行履歴情報の管理センター等に対して走行履歴情報を送信するタイミングが交差点退出後であるが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合には、走行履歴情報を送信するタイミングを変化させて交差点退出前とする。
【0015】
さらに、この場合、走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて送信する。すなわち、交差点への進入道路の走行履歴情報を送信する際に、第1退出道路を示す情報を対応づけて、車両の進行方向毎の情報解析を行うことができる状態とする。さらに、走行履歴情報に対して第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて、進入道路が第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して渋滞しているという解析を行える状態とする。
【0016】
さらに、車両の車速が所定値以下であり、かつ、車両が前記第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両の直前に存在する他の車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両の進行方向前方において他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在しない場合に、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定する構成を採用しても良い。すなわち、車両の車速が所定値以下であることによって車両の現在位置が渋滞していることを判定する。さらに、他の車両に起因する渋滞であるか否かを、車両と他の車両の走行領域と他の車両を追い抜くことができる幅が存在するか否かに基づいて判定する。
【0017】
ここで、車両の車速は、車速センサ等によって特定可能である。また、車両や他の車両の位置は車両の前方を視野に含むカメラで撮影した画像を解析すること等によって特定可能である。すなわち、車両の位置は、車両に固定されたカメラの撮影画像における地物の像の位置(例えば、白線の像の位置)によって特定可能である。他の車両の位置は、撮影画像における他の車両の像の位置に基づいて特定される他の車両と車両との関係から特定可能である。そこで、画像に基づいて特定された車両や他の車両の位置から走行領域を特定することが可能である。
【0018】
さらに、車両の進行方向前方の幅も車両の前方を視野に含むカメラで撮影した画像を解析すること等によって特定可能である。すなわち、追い抜きを行うための幅は、車線からの逸脱が禁止された車線の境界線(以下、単に車線の境界線と呼ぶ)と他の車両との距離によって構成されるため、カメラの撮影画像に基づいて車線の境界線の像の位置と他の車両の像の位置を特定すれば、両者の距離を特定することができる。そして、当該距離が車両の幅より小さい場合に、他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在しないと判定すればよい。
【0019】
さらに、渋滞の要因は、他の車両に限定されないため、他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する構成に加え、第1退出道路に退出する予定の車両自体が渋滞の要因となっているか否かを判定する構成を採用しても良い。例えば、車両の車速が所定値以下であり、かつ、車両が第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両の直前に存在する他の車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両の進行方向前方において他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在する場合に、車両自体に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定する。この場合、交差点への進入道路の走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と車両自体に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて交差点を退出する前に送信する。ここでも、車両の進行方向前方における幅の評価は車両の前方を視野に含むカメラで撮影した画像を解析すること等によって実施可能である。この構成によれば、進入道路が車両自体に起因して渋滞しているという解析を行うことができる。
【0020】
さらに、走行履歴情報から特定された進入道路における渋滞の状況を退出道路毎に示す渋滞情報を利用する構成としても良い。例えば、当該渋滞情報に基づいて進入道路にて発生している渋滞の解消時刻を退出道路毎に取得し、当該解消時刻に基づいて渋滞を避けて走行するための経路を特定して案内する構成とする。この構成によれば、渋滞が発生してから渋滞情報が渋滞であることを示す状態になるまでの遅延が少ない状態で渋滞の解消時刻を特定することが可能になり、正確な案内を行うことができる。なお、退出道路毎に渋滞の解消時刻を特定するための構成としては、種々の構成を採用可能であり、例えば、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域に関しては、渋滞の原因となっている他の車両の車速を第2退出道路の車速に基づいて特定し、当該他の車両が第2退出道路に退出することによって渋滞の原因が解消する時刻を予測すればよい。第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域に関しては、渋滞の長さと渋滞している区間の車両の車速とに基づいて、当該車速と同一の速さで渋滞の前端から後端に向けて渋滞が解消していくことを想定し、任意の道路区間の前端から後端まで渋滞が解消した時点が当該道路区間の渋滞の解消時刻であるとみなす構成等を採用可能である。
【0021】
さらに、本発明のように、車両と異なる退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合には、車両が交差点を退出する前に走行履歴情報を送信する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーション装置、渋滞情報の管理システムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】走行履歴情報送信装置と運転支援装置とを含むシステムのブロック図である。
【図2】(2A)(2B)は、交差点への進入道路と交差点からの退出道路とを示す図である。
【図3】走行履歴情報送信処理を示すフローチャートである。
【図4】運転支援処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システム構成:
(1−1)走行履歴情報送信装置の構成:
(1−2)渋滞情報送信装置の構成:
(1−3)運転支援装置の構成:
(2)走行履歴情報送信処理:
(3)運転支援処理:
(4)他の実施形態:
【0024】
(1)システム構成:
図1は、車両Csに備えられた走行履歴情報送信装置としてのナビゲーション装置100と渋滞情報の管理センターに設置された渋滞情報送信装置10と車両Crに備えられた運転支援装置としてのナビゲーション装置101とを含むシステムの構成を示すブロック図である。
【0025】
(1−1)走行履歴情報送信装置の構成:
ナビゲーション装置100は道路を走行する複数の車両Csに搭載されており、当該ナビゲーション装置100はCPU,RAM,ROM等を備える制御部200と記録媒体300とを備えており、当該記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを制御部200で実行することができる。本実施形態において制御部200は、このプログラムの一つである走行履歴情報送信プログラム210を実行することによってナビゲーション装置100を走行履歴情報送信装置として機能させる。
【0026】
車両Csは、通信部220とGPS受信部410と車速センサ420とジャイロセンサ430とユーザI/F部440とカメラ450とを備えている。通信部220は、無線通信を行うための回路にて構成され、制御部200は通信部220を制御して渋滞情報送信装置10と通信を行うことができる。GPS受信部410は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両Csの現在位置を算出するための情報を出力する。制御部200は、この信号を取得して車両Csの現在位置を取得する。車速センサ420は、車両Csが備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車両Csの速度を取得する。ジャイロセンサ430は、車両Csに作用する角速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車両Csの方向を取得する。制御部20は、GPS受信部410の出力信号から特定される車両Csの現在位置を、車速センサ420とジャイロセンサ430等からの信号に基づいて補正する。また、車両Csの現在位置は、当該車両Csの走行軌跡および地図情報300aに基づいて適宜補正される。
【0027】
地図情報300aは予め決められた区画(メッシュ)毎に定義されて記録媒体300に記録されている。当該地図情報300aには車両Csが走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、走行予定経路の目的地となり得る施設を示す施設データ等が含まれている。制御部200は、地図情報300aが示すノードデータやリンクデータに基づいてリンクに相当する道路区間を特定し、各道路区間上での車両Csの位置を特定することができる。なお、本実施形態において、ノードは接続道路が3個以上の交差点に相当し、リンクデータにはリンクが示す道路上で走行可能な進行方向を示す情報が対応づけられている。
【0028】
従って、制御部200は、ノードデータおよびリンクデータに基づいて交差点に対して進入可能な道路区間と交差点から退出可能な道路区間を特定可能である。すなわち、車両Csが走行する道路区間を当該道路の前方に存在する交差点への進入道路としたときに、当該交差点に接続する他の道路区間を交差点からの退出道路として特定可能である。なお、本実施形態においては、一方向に向けて走行するための車線が一個存在する道路上の車線内において、車線が延びる方向に対して垂直な方向に車両が並んで走行可能であり、交差点からの退出道路が異なる場合には同一車線上で異なる走行領域を走行した後に各退出道路に退出する例を想定する。
【0029】
ユーザI/F部440は、ユーザが指示を入力し、またはユーザに各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しない表示部やボタン、スピーカー等を備えている。制御部200は、図示しないナビゲーションプログラムの処理により、ユーザI/F部440を介して走行経路や走行経路に関する交通情報等を案内する。カメラ450は、車両Csの前方を視野に含むように車両Csに対して取り付けられており、撮影した画像を示す撮影画像データを出力する。制御部200は、図示しないインタフェースを介してこの撮影画像データを取得して画像解析を行う。
【0030】
走行履歴情報送信プログラム210は、交差点を退出した後に車両Csが走行した退出道路を特定し、交差点への進入道路の走行履歴情報に退出道路を対応づけて送信する機能を制御部200に実現させることができる。すなわち、制御部200は、走行履歴情報送信プログラム210の処理により、GPS受信部410、車速センサ420、ジャイロセンサ430の出力信号および地図情報300aに基づいて車両Csの現在位置を特定する処理を行っている。
【0031】
そして、制御部200は、当該車両Csの位置に基づいて、車両Csが交差点を通過する以前に当該車両Csが走行している道路区間を当該交差点への進入道路として特定する。また、車両Csの位置に基づいて車両Csが交差点を通過したと判定される場合、制御部200は、さらに、車両Csの位置に基づいて車両Csが走行している道路区間を交差点からの交差点からの退出道路として特定する。退出道路が特定されると、制御部200は、進入道路上での車速および位置の履歴を示す情報に対して進入道路および退出道路を示す情報を対応づけ、走行履歴情報300bとして記録媒体300に記録する。制御部200は、通信部220を介して当該走行履歴情報300bを渋滞情報送信装置10に対して送信する。
【0032】
以上の処理により、渋滞情報送信装置10においては、走行履歴情報300bに基づいて退出道路毎に進入道路上での走行履歴の解析を行うことが可能になり、本実施形態において渋滞情報送信装置10は、進入道路上で異なる退出道路に退出する際の車速を特定して退出道路毎に渋滞度を特定する。しかし、以上の構成では、走行履歴情報300bの車両Csからの送信タイミングが過度に遅く、また、渋滞情報送信装置10における走行履歴情報300bの解析が不正確になる場合がある。
【0033】
例えば、図2Aは、交差点Iへの進入道路Raとして、大型車両が存在すると2台の車両が並んで走行することはできないが、大型車両と異なる中型、小型車であれば2台並んで走行できる道路を例示している。同図2Aに示す例において、第2退出道路Rw2に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra2には渋滞が存在する場合を想定する。さらに、この場合において、第1退出道路Rw1に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra1を走行中の車両Csが、第2退出道路Rw2に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra2を走行中の大型車両Cbを追い越すことができないために当該大型車両Cbの後方で停車せざるを得ない場合など、ある車両Csが他の車両に起因して停車せざるを得ない場合を想定する。退出道路が特定された後に走行履歴情報300bを送信する構成においては、図2Aのような場合、退出道路が特定されるまで走行履歴情報を定義することができないことに起因して、走行履歴情報300bの送信が遅延し、また、走行履歴情報300bに基づく解析が不正確になる。
【0034】
すなわち、図2Aに示す状況において、車両Csは、大型車両Cbが第2退出道路Rw2に退出するまで交差点Iを通過し、また、交差点Iを退出することができないため、退出道路が特定された後に走行履歴情報300bを送信する構成においては、大型車両Cbが第2退出道路Rw2に退出するまで車両Csから走行履歴情報300bは送信されない。しかし、大型車両Cbは、第1退出道路Rw1と異なる第2退出道路Rw2に退出するために当該第2退出道路Rw2の渋滞に合わせて走行しているのであって、第1退出道路Rw1を走行する車両Csは、大型車両Cbが存在しない限り第2退出道路Rw2の渋滞に影響されることなく走行可能である。
【0035】
従って、仮に大型車両Cbが存在しない場合、車両Csは第2退出道路Rw2における渋滞の影響を受けず通常の速度で走行することができ、通常の速度で走行した後、すぐに第1退出道路Rw1が対応づけられた走行履歴情報300bを送信できるはずである。しかし、実際に大型車両Cbが車両Csの前方を遮るとこのタイミングで走行履歴情報300bを送信することはできない。このため、大型車両Cbが存在する場合、第1退出道路Rw1に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra1に存在する要因とは異なる要因に起因して走行履歴情報300bが送信されるタイミングが遅延することになる。
【0036】
さらに、退出道路が特定された後に走行履歴情報300bを送信する構成において車両Csから走行履歴情報300bが送信された場合、当該車両Csが大型車両Cbの後方に停車していたことに起因して進入道路Raを走行する際の旅行時間が長くなる。この場合、車両Csが送信した走行履歴情報300bを解析すると、進入道路Raが渋滞していたという結論が導出される。しかし、当該走行履歴情報300bが送信されるタイミングにおいて、第1退出道路Rw1に退出するための進入道路Ra上では大型車両Cbの影響を受けなくなっているため、実際には第1退出道路Rw1に退出する車両Csに関する進入道路Raの渋滞は解消している。従って、走行履歴情報300bに基づく解析が不正確になる。
【0037】
そこで、本実施形態にかかる走行履歴情報送信プログラム210は、第2退出道路Rw2に向けて走行する他の車両に起因して進入道路Ra上に渋滞が発生した場合に、第1退出道路Rw1に退出する予定の車両Csから走行履歴情報300bを送信する際の遅延発生を防止し、かつ、正確な渋滞情報を生成できる状態で走行履歴情報300bを送信するためのモジュールを備えている。具体的には、走行履歴情報送信プログラム210は渋滞発生判定部210aと走行履歴情報送信部210bとを備えており、これらの処理によって、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両Csの現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定される場合に、交差点への進入道路の走行履歴情報300bに第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて交差点を退出する前に送信する構成としている。
【0038】
ここで、渋滞発生判定部210aは、車両Csが退出道路の一つである第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域において、車両Csが退出道路の一つであるとともに第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両Csの現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する機能を制御部200に実現させるモジュールである。すなわち、第1退出道路に退出する際に車両Csが走行する進入道路内の走行領域において、他の車両が第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行しているにもかかわらず、当該他の車両が第1退出道路に退出する車両Csの前進を阻害する渋滞の原因となっているか否かを判定する。ここでは車両Csが交差点から退出する前に走行履歴情報300bを送信することによって、走行履歴情報300bの送信の遅延を防止し、また、走行履歴情報に基づく解析が不正確になることを防止することができる状況であるか否かを判定することができればよい。
【0039】
具体的には、制御部200は、車速センサ420の出力信号に基づいて車両Csの車速が渋滞とみなすことのできる所定値以下であるか否かを判定する。また、カメラ450が出力する撮影画像データに基づいて、車両Csが走行している走行領域と、当該車両Csの直前に存在する他の車両が走行している走行領域と、車両Csの進行方向前方における他の車両と車線との間の幅を特定する。そして、車両Csの車速が所定値以下であり、かつ、車両Csが第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両Csの直前に存在する他の車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両Csの進行方向前方において他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在しない場合に、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両Csの現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定する。
【0040】
走行履歴情報送信部210bは、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両Csの現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、交差点への進入道路の走行履歴情報に第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて交差点を退出する前に送信する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、通常時は、車両Csから走行履歴情報の管理センター等に対して走行履歴情報を送信するタイミングは交差点退出後であるが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両Csの現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合、制御部20は、走行履歴情報送信部210bの処理により、走行履歴情報300bを送信するタイミングを変化させて交差点退出前とする。さらに、この場合、走行履歴情報300bに第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて送信する。すなわち、交差点への進入道路の走行履歴情報300bを送信する際に、第1退出道路を示す情報を対応づけて、車両の進行方向毎の情報解析を行うことができる状態とする。さらに、走行履歴情報300bに対して渋滞が発生していることを示す情報を対応づけて、渋滞要因が第2退出道路に向けて走行する他の車両であったと解析できる状態とする。
【0041】
以上の構成によれば、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して進入道路上に渋滞が発生した場合に、車両Csが交差点を退出して第1退出道路が特定される前に走行履歴情報が送信されるため、第1退出道路に退出する予定の車両Csから走行履歴情報を送信する際の遅延発生を防止することができる。また、渋滞が発生している時点において、渋滞が発生していることを示す情報を対応づけた走行履歴情報を送信するため、正確な渋滞情報を生成できる状態で走行履歴情報を送信することが可能になる。さらに、第1退出道路に向けて退出する予定の車両Csが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれると解析することが可能になる。
【0042】
(1−2)渋滞情報送信装置の構成:
渋滞情報送信装置10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20は当該記録媒体30やROMに記録されたプログラムを実行することができる。さらに、渋滞情報送信装置10は通信部22を備えている。通信部22は、無線通信を行うための回路にて構成され、制御部20は通信部22を制御して車両Csや車両Crと通信を行うことができる。
【0043】
本実施形態において制御部20は、記録媒体30に記録された渋滞情報生成プログラム21を実行可能であり、制御部20は、当該渋滞情報生成プログラム21の処理により、車両Csから走行履歴情報300bを受信し、また、車両Crに対して渋滞情報301bを送信する。
【0044】
当該渋滞情報301bを送信する処理を行うため、渋滞情報生成プログラム21は、走行履歴情報記録部21aと渋滞情報送信部21bとを備えている。走行履歴情報記録部21aは、車両Csから走行履歴情報300bを取得して走行履歴情報30bとして記録媒体30に記録する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、走行履歴情報記録部21aの処理により、車両Csと同様の構成を備える任意の車両から交差点の退出後あるいは退出前に送信される走行履歴情報30bを、通信部22を介して受信して記録媒体30に記録する。この結果、進入道路上での車速および位置の履歴を示す情報に対して進入道路および退出道路を示す情報を対応づけた走行履歴情報300bが走行履歴情報30bとして記録媒体30に記録される。なお、交差点を退出した後に送信された走行履歴情報30bに対応づけられる退出道路は、実際に車両Csが走行することによって退出道路であることが特定された道路である。一方、交差点を退出した後に送信された走行履歴情報30bに対応づけられる退出道路は、車両Csの走行領域から特定された上述の第1退出道路である。
【0045】
渋滞情報送信部21bは、走行履歴情報30bから渋滞情報301bを生成するとともに、送信要求を行った車両Crに当該渋滞情報301bを送信する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、送信要求を行った車両Crの現在位置の周辺の所定範囲内に存在する道路区間を渋滞情報301bの送信対象とする。そして、制御部20は、走行履歴情報30bを参照し、渋滞情報301bの送信対象となった各道路区間を進入道路としたときの道路区間上の渋滞度を退出道路毎に特定する。なお、渋滞度は道路区間毎の渋滞の程度を示しており、制御部20は、走行履歴情報30bが示す進入道路の車速と各道路区間の長さとに基づいて各進入道路の平均旅行時間を特定し、平均旅行時間が長いほど混んでいることを示すように渋滞度を特定する。
【0046】
各道路区間の渋滞度が退出道路毎に特定されると、制御部20は、各渋滞度に対して進入道路と退出道路とを示す情報を対応づけて渋滞情報301bとする。さらに、本実施形態において、制御部20は、各退出方向に関する渋滞度を特定する基となった走行履歴情報30bに対して、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報が対応づけられていた場合、渋滞情報301bに対して当該第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づける。すなわち、渋滞度が特定された退出道路が第1退出道路であるとした場合に、当該第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していたのであれば、その旨を示す情報が渋滞情報301bに対応づけられる。そして、制御部20は、通信部22を介して渋滞情報301bを車両Crに対して送信する。なお、ここで渋滞度の特定は日時毎や時間帯毎に行っても良い。
【0047】
以上の構成によれば、渋滞であることが反映されるまでのタイムラグが短い走行履歴情報300bに基づいて渋滞情報301bを生成することができ、渋滞が解消しているにもかかわらず渋滞であると判定されることを防止することができる。従って、正確な渋滞情報301bを車両Crに対して送信することができる。
【0048】
(1−3)運転支援装置の構成:
ナビゲーション装置101は道路を走行する複数の車両Crに搭載されている。車両Crと車両Csにおいてナビゲーション装置に関する構成は類似している。すなわち、車両Crが備える通信部221,記録媒体301,GPS受信部411,車速センサ421,ジャイロセンサ431,ユーザI/F部441のそれぞれは、車両Csが備える通信部220,記録媒体300,GPS受信部410,車速センサ420,ジャイロセンサ430,ユーザI/F部440と同様の構成であり、地図情報301aと地図情報300aも同様の情報である。
【0049】
車両Crに搭載されたナビゲーション装置101はCPU,RAM,ROM等を備える制御部201を備えており、記録媒体301やROMに記憶されたプログラムを制御部201で実行することができる。本実施形態において制御部201は、このプログラムの一つである図示しないナビゲーションプログラムと、図1に示す運転支援プログラム211とを実行可能である。運転支援プログラム211は、制御部201を運転支援装置として機能させるためのモジュールである。
【0050】
このために、運転支援プログラム211は、渋滞情報取得部211aと渋滞解消時刻取得部211bと渋滞回避経路案内部211cとを備えている。渋滞情報取得部211aは、車両Csから送信された走行履歴情報から特定された進入道路における渋滞の状況を退出道路毎に示す渋滞情報を取得する機能を制御部201に実現させるモジュールである。すなわち、制御部201は、通信部221を介して渋滞情報送信装置10と通信し、車両Csから送信された走行履歴情報300bに基づいて渋滞情報送信装置10にて特定された渋滞情報301bを取得し、記録媒体301に記録する。
【0051】
渋滞解消時刻取得部211bは、渋滞情報に基づいて、進入道路にて発生している渋滞の解消時刻を退出道路毎に取得する機能を制御部201に実現させるモジュールである。本実施形態において、制御部201は、記録媒体301に記録された渋滞情報301bを取得し、当該渋滞情報301bに基づいて、車両Crの走行予定経路上に存在する渋滞が解消する時刻を取得する。すなわち、制御部201は、ナビゲーションプログラムの機能によって予め設定された走行予定経路を示す情報を取得し、渋滞情報301bに基づいて進入道路としての道路区間の渋滞の発生状況を特定し、走行予定経路を構成する道路区間上で渋滞が発生している道路区間を特定する。さらに、制御部201は、渋滞情報301bに基づいて渋滞の前端(進行方向前方の端部)および後端(進行方向後方の端部)を特定する。すなわち、渋滞が2区間以上に渡って連続していない場合には道路区間の前端および後端を渋滞の前端および後端とし、複数の道路区間に渡って連続して渋滞が発生している場合には、渋滞している道路区間を連結して得られる区間の前端および後端を渋滞の前端および後端とする。そして、制御部201は、渋滞度に対して予め対応づけられた当該渋滞度での車両の平均車速と同一の速さで渋滞の前端から後端に向けて渋滞が解消していくことを想定し、渋滞の解消時刻を道路区間毎に特定する。すなわち、各道路区間の前端から渋滞の解消が開始し、当該道路区間の渋滞度での車両の平均車速と同一の速さで当該道路区間の渋滞が解消して解消した領域が道路区間の後端に達する期間を特定する。当該渋滞の解消に要する所要期間を特定する処理を渋滞の前端から後端までを構成する全道路区間について行い、現在時刻に対して所要期間を加える処理を道路区間毎に行うことで道路区間の渋滞の解消時刻を特定する。
【0052】
さらに、本実施形態においては、第1退出道路に向けて退出する予定である車両Crが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれることが予想される場合に、制御部201は、当該他の車両の影響を考慮して渋滞解消時刻を取得する。すなわち、渋滞情報301bに対して、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報が対応づけられていた場合、制御部201は、当該渋滞情報301bが示す道路区間の渋滞の解消時刻は第2退出道路に依存するとみなす。具体的には、制御部201は、渋滞情報301bが示す退出道路を第1退出道路とし、当該第1退出道路と異なる退出道路を第2退出道路としたとき、渋滞の原因となっている他の車両の車速を第2退出道路の渋滞度に対応づけられた車速とみなし、当該他の車両が当該車速で走行して第2退出道路に退出することによって渋滞の原因が解消するとみなす。そして、制御部201は、他の車両が第2退出道路に退出する時刻を渋滞の解消時刻とする。
【0053】
例えば、図2Aに示す例において、第1退出道路Rw1に退出する際に走行する進入道路Ra上で大型車両Cbに起因する渋滞が発生している場合、大型車両Cbが第2退出道路Rw2に退出する時刻を予測して渋滞の解消時刻とする。なお、ここでは、他の車両が第2退出道路に退出するまでの所要期間に基づいて第2退出道路に退出する時刻を予測することができればよく、当該所要期間の開始時点における他の車両の位置としては種々の位置を想定可能である。例えば、所要期間の開始時点における他の車両の位置が不明であるとし、所要期間の開始時点における他の車両の位置が進入道路の開始位置や中央位置であったとみなして所要期間を計算する構成を採用可能である。また、他の車両の位置を示す情報を車両Csにて特定して車両Csからの送信時刻を示す情報とともに走行履歴情報300bに含める構成等を採用可能である。
【0054】
渋滞回避経路案内部211cは、渋滞の解消時刻に基づいて、渋滞を避けて走行するための経路を特定して案内する機能を制御部201に実現させるモジュールである。すなわち、制御部201は、走行予定経路上の道路区間のそれぞれについて到着時刻を道路区間毎の平均車速等に基づいて予測し、渋滞が存在する道路区間については、渋滞の解消時刻と到着時刻とを比較する。そして、到着時刻の方が渋滞の解消時刻よりも早い場合、制御部201は、当該渋滞に巻き込まれるとみなし、ユーザI/F部441に対して制御信号を出力し、渋滞を回避するための案内を行う。
【0055】
以上の構成によれば、第1退出道路に向けて退出する予定である車両Crが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれることが予想される道路区間において、渋滞が発生してから渋滞情報301bが渋滞であることを示す状態になるまでの遅延が少ない状態で渋滞の解消時刻を特定することが可能になり、正確な案内を行うことができる。
【0056】
(2)走行履歴情報送信処理:
次に走行履歴情報送信処理を詳細に説明する。図3は、走行履歴情報送信処理を示すフローチャートである。当該図3に示す走行履歴情報送信処理において、制御部200は、渋滞発生判定部210aの処理により、車速センサ420の出力信号に基づいて車両Csの車速が渋滞とみなすことのできる所定値以下であるか否かを判定する。(ステップS100)。ステップS100にて、車速が所定値以下であると判定されない場合、制御部200は、車速が所定値以下であると判定されるまで待機する。
【0057】
ステップS100にて、車速が所定値以下であると判定された場合、制御部200は、渋滞発生判定部210aの処理により、車両Csの直前の他の車両と車線の境界線を検出する(ステップS105)。すなわち、制御部200は、カメラ450が出力する撮影画像データを解析し、車両Csの直前を走行する他の車両の像と、車両Csの前方の道路上の車線の境界線の像を検出する。そして、制御部200は、車両Csに固定されたカメラ450の視野内の像の実際の位置と車両Csとの位置との関係に基づいて、カメラ450の視野内の他の車両の像の中から車両Csの直前を走行する他の車両の像を抽出して他の車両の位置を特定する。また、カメラ450の視野内における車線の境界線の像の位置から車両Csの前方の道路上の車線の境界線の実際の位置を特定する。例えば、図2Aに示す例において、車両Csに搭載された制御部200は、カメラ450の撮影画像データを解析することによって、他の車両である大型車両Cbと車線の境界線L1,L2の位置を特定する。
【0058】
次に、制御部200は、渋滞発生判定部210aの処理により、車両Csと当該車両Csの直前の他の車両が同一の退出道路に向けた走行領域を走行中であるか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、車両Csが異なる退出方向に向けて退出する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれているか否かを判定するため、車両Csと他の車両とのそれぞれが走行を予定している退出道路に対応した走行領域が同一であるか否かを判定する。具体的には、制御部200は、カメラ450の撮影画像データに基づいて車両Csの前方に存在する車線の境界線を特定し、車線の境界線の間の領域を車線が延びる方向に対して垂直な方向に退出道路の数で均等に分割して得られる領域を特定する。
【0059】
さらに、制御部200は、カメラ450の撮影画像データに基づいて車両Csが走行している位置と当該車両Csの直前に存在する他の車両が走行している位置とを特定して車両Csと当該他の車両の走行領域を特定する。そして、車両Csと他の車両が同一の走行領域を走行していない場合、制御部200は車両Csと他の車両とが同一の退出道路に向けた走行領域を走行中ではないと判定する。例えば、図2Aに示すように、交差点Iからの退出道路が2個である場合、車線の中央にて車線が左右2個の走行領域に均等に分割される。当該図2Aに示す例においては、車両Csが進行方向に向かって左側の走行領域Ra1、大型車両Cbが進行方向に向かって右側の走行領域Ra2を走行しているため、車両Csと他の車両が同一の退出道路に向けた走行領域を走行中ではないと判定される。
【0060】
なお、本例において、走行領域は退出道路の数に応じて車線を分割することによって定義されるため、車両Csと他の車両とで走行領域が異なると車両Csと他の車両とのそれぞれが走行を予定している退出道路が異なることになる。この場合において、車両Csが走行している走行領域が第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域であるとすれば、他の車両は第1退出道路と異なる第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行していることになる。従って、ステップS110において、制御部200は、車両が第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行し、かつ、車両の直前に存在する他の車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行している状態であるか否かを判定していることになる。
【0061】
ステップS110にて、車両Csと他の車両が同一の退出道路に向けた走行領域を走行中であると判定された場合、制御部200は、車両Csが通常の渋滞に巻き込まれていると判定する(ステップS115)。さらに、制御部200は、車両Csが交差点を退出し、退出道路が確定したと判定されるまで待機し(ステップS120)、車両Csが交差点を退出し、退出道路が確定したと判定されると、制御部200は、走行履歴情報300bを送信する。すなわち、交差点への進入道路と交差点からの退出道路とを示す情報を走行履歴に対応づけた走行履歴情報300bを生成し、渋滞情報送信装置10に対して送信する。
【0062】
一方、ステップS110にて、車両Csと他の車両が同一の退出道路に向けた走行領域を走行中であると判定されない場合、制御部200は、渋滞発生判定部210aの処理により、車両Csの前方に追い抜くことが可能な幅が存在するか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部200は、カメラ450が出力する撮影画像データを解析し、車線の境界線の像の位置と他の車両の像の位置から両者の距離を特定する。ここで、車線の境界線と他の車両との距離は、車線が延びる方向に対して垂直な方向における他の車両の端部と車線の境界線との距離であり、他の車両の両側で当該距離が定義可能な場合、制御部200は、車両Csの進行方向に向けた直前に存在する距離と車両Csの幅とを比較し、当該距離が車両Csの幅以上である場合に、他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在すると判定する。図2Aに示す例においては、大型車両Cbの進行方向左側に存在する距離Wと車両Csの幅とが比較される。この場合、距離Wが車両Csの幅よりも小さいので、他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在すると判定されない。
【0063】
ステップS130にて、車両Csの前方に追い抜くことが可能な幅が存在すると判定されない場合、制御部200は、渋滞発生判定部210aの処理により、他の車両に起因する渋滞が発生していると判定する(ステップS135)。一方、ステップS130にて、車両Csの前方に追い抜くことが可能な幅が存在すると判定された場合、車両Cs自体に起因する渋滞が発生していると判定する(ステップS140)。すなわち、本実施形態においては、車両Csの現在位置より後方で発生している渋滞の原因をより正確に予測するため、ステップS130の判定を行っている。
【0064】
例えば、図2Aは、第1退出道路Rw1に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra1には渋滞が存在せず、第2退出道路Rw2に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra2には渋滞が存在する例である。この例において、大型車両Cbが存在すれば、当該大型車両Cbに起因して車両Csの後方に渋滞が発生する。一方、大型車両Cbが存在せず、車両Csの前方に追い抜くことが可能な幅が存在する状況を想定する。この場合であっても、図2Bに示すように車両Csが第2退出道路Rw2に退出する際に走行する進入道路Raの走行領域Ra2に移動しようとしている場合には、車両Cs自体に起因した渋滞が発生し得る。そこで、本実施形態においては、これらの渋滞の要因を区別して特定することとしている。
【0065】
そして、ステップS135,S140の双方の後に、制御部200は、走行履歴情報送信部210bの処理により、走行履歴情報300bを送信するが、このとき、ステップS135,S140での判定結果に応じて走行履歴情報300bに対応づけるべき情報を適宜調整する。すなわち、ステップS135を経てステップS125が実行される場合、制御部200は、走行履歴情報300bに対して第1退出道路を示す情報と第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づける。一方、ステップS140を経てステップS125が実行される場合、制御部200は、走行履歴情報300bに対して、少なくとも、第1退出道路を示す情報を対応づける。むろん、車両Cs自体に起因した渋滞が発生していることを示す情報を対応づける構成としても良い。
【0066】
(3)運転支援処理:
次に運転支援処理を詳細に説明する。図4は、運転支援処理を示すフローチャートである。本実施形態においては、ナビゲーションプログラムが実行され、車両Crの運転者に対して走行予定経路に関する案内が行われている過程において、所定のタイミングで車両Crから渋滞情報の送信要求が行われた後に図4に示す運転支援処理が実行される。当該運転支援処理において、制御部201は、渋滞情報取得部211aの処理により、渋滞情報を受信する(ステップS200)。すなわち、制御部201は、渋滞情報の送信要求を行う際に車両Crの現在位置を示す情報を含めた状態で送信要求を行っており、渋滞情報送信装置10からは当該現在位置の周辺の所定範囲内に存在する道路区間についての渋滞情報301bが送信されるため、制御部201は当該渋滞情報301bを受信して記録媒体301に記録する。
【0067】
次に、制御部201は、渋滞回避経路案内部211cの処理により、車両Crの走行予定経路上で渋滞が発生しているか否かを判定する(ステップS205)。すなわち、制御部201は、渋滞情報301bに基づいて走行予定経路を構成する各道路区間の渋滞度を特定し、渋滞が発生していることを示す渋滞度が対応づけられた道路区間が走行予定経路上に存在するか否かを判定する。ステップS205にて、車両Crの走行予定経路上で渋滞が発生していると判定されない場合、制御部201は、走行予定経路の案内を継続する(ステップS220)。すなわち、走行予定経路に沿って走行するに際して、ステップS200にて受信した渋滞情報301bが示す渋滞に車両Crが巻き込まれることはないとみなして走行予定経路を維持して案内を継続する。
【0068】
一方、ステップS205にて、車両Crの走行予定経路上で渋滞が発生していると判定された場合、制御部201は、渋滞解消時刻取得部211bの処理により、渋滞解消時刻を取得する(ステップS210)。すなわち、制御部201は、渋滞情報301bに基づいて、走行予定経路を構成する道路区間の中で渋滞が発生している道路区間を特定し、各道路区間の渋滞度を特定する。さらに、制御部201は、各道路区間の渋滞度での車両Crの平均車速と同一の速さで各道路区間の渋滞が解消するとみなした場合に渋滞の解消に要する所要期間を道路区間毎に特定する。そして、制御部201は、現在時刻に対して道路区間毎の所要期間を加える処理を渋滞の前方に存在する道路区間から順に行い、得られたそれぞれの結果を各道路区間上の渋滞の解消時刻とする。なお、第1退出道路に向けて退出する予定である車両Crが、第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれることが予想される道路区間については以下のように渋滞の解消に要する所要期間を特定する。すなわち、制御部201は、渋滞情報301bが示す退出道路を第1退出道路とし、当該第1退出道路と異なる退出道路を第2退出道路としたとき、渋滞の要因となっている他の車両の車速が第2退出道路の渋滞度に対応づけられた車速であるとみなし、当該他の車両が当該車速で走行して第2退出道路に退出することによって渋滞の原因が解消するとみなす。すなわち、所要期間の開始時点において予め決められた位置から当該他の車両が当該車速で走行を開始して第2退出道路に退出するまでに要する期間を当該道路区間の渋滞が解消するまでに要する所要期間とする。
【0069】
次に、制御部201は、渋滞回避経路案内部211cの処理により、車両Crが渋滞に巻き込まれるか否かを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部201は、走行予定経路上の道路区間のそれぞれについて到着時刻を道路区間毎の平均車速等に基づいて予測し、各道路区間における到着時刻の方が各道路区間における渋滞の解消時刻よりも早い場合、制御部201は、車両Crが渋滞に巻き込まれるとみなす。
【0070】
ステップS215にて、車両Crが渋滞に巻き込まれると判定されない場合、既存の走行予定経路に沿って走行しても渋滞に巻き込まれないことが予測されるため、制御部201は、ステップS220を実行して走行予定経路を維持して案内を継続する。一方、ステップS215にて、車両Crが渋滞に巻き込まれると判定された場合、制御部201は、渋滞回避経路案内部211cの処理により、渋滞を回避可能な経路が存在するか否かを判定する(ステップS225)。すなわち、制御部201は、ステップS200にて受信した渋滞情報301bが渋滞であることを示している各道路区間が各道路区間の渋滞度に対応したコストを有するとみなして、コストに基づく経路探索を実行する。また、探索された経路と既存の走行予定経路について、S200にて受信した渋滞情報301bが示す道路区間毎の渋滞度に基づいて道路区間を走行するための所要期間を特定して目的地への到着予測時刻を特定する。この結果、既存の走行予定経路と異なり、かつ、到着予測時刻が既存の走行予定経路よりも早い経路が探索された場合、渋滞を回避可能な経路が存在すると判定する。
【0071】
ステップS225にて、渋滞を回避可能な経路が存在すると判定された場合、制御部201は、渋滞回避経路案内部211cの処理により、ユーザI/F部441に制御信号を出力し、渋滞を回避可能な経路を案内する(ステップS230)。一方、ステップS225にて、渋滞を回避可能な経路が存在すると判定されない場合、制御部201は、渋滞回避経路案内部211cの処理により、ユーザI/F部441に制御信号を出力し、走行予定経路が渋滞していることを案内する(ステップS235)。なお、ここでは、ステップS200にて受信した渋滞情報301bが示す道路区間毎の渋滞度に基づいて道路区間を走行するための所要期間を特定し、目的地への到着予測時刻を修正して案内することが好ましい。
【0072】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、車両と異なる退出道路に向けて走行する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合には、車両が交差点を退出する前に走行履歴情報を送信する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、車両に搭載された1台のナビゲーション装置が走行履歴情報送信プログラム210と運転支援プログラム211との双方を実行可能に構成されていてもよい。
【0073】
さらに、上述の例においては、一個の車線内に複数の車両が並んで走行可能な状況を想定したが、複数の車線が存在する車線変更が禁止された道路区間において、ある車線を走行する車両が車線を走行する他の車両に起因して渋滞している場合に、車両が交差点を退出する前に走行履歴情報を送信する構成としても良い。この構成においては、第1退出方向や第2退出方向に向けて走行していることを、車両や他の車両が走行している車線によって特定する構成を採用可能である。
【0074】
さらに、上述の実施形態においては、渋滞の原因を正確に特定するために他の車両と車両自体とのいずれが渋滞の要因であるのかを特定する構成であったが、車両自体に起因した渋滞が発生している場合、当該車両自体に起因した渋滞が発生していることを示す情報を走行履歴情報に対応づけてもよい。この場合、運転支援装置において、当該走行履歴情報に基づいて、車両自体に起因する渋滞が解消する時刻を予測することで、より適切な案内を行うことが可能になる。ここで、車両自体に起因する渋滞が解消する時刻を予測する構成としては、例えば、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行する車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域を走行する他の車両に起因する渋滞に巻き込まれている状態において、当該車両が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域に移動する際の平均的な所要期間等に基づいて算出する構成等を採用可能である。
【0075】
さらに、車線の境界は、上述のように道路上のペイントによって構成された境界線に限定されず、壁や縁石など境界線を越えることを妨げる境界であればよい。さらに、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域において、第2退出道路に退出する他の車両に起因して車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生している場合、第1退出道路に退出する際に走行する進入道路内の走行領域上での車両の車速が第2退出道路に退出する際に走行する進入道路の走行領域における他の車両の車速と同一であるとみなして車両の走行履歴情報を定義しても良い。
【符号の説明】
【0076】
10…渋滞情報送信装置、100、101…ナビゲーション装置、20,200,201…制御部、21…渋滞情報生成プログラム、21a…走行履歴情報記録部、21b…渋滞情報送信部、210…走行履歴情報送信プログラム、210a…渋滞発生判定部、210b…走行履歴情報送信部、211…運転支援プログラム、211a…渋滞情報取得部、211b…渋滞解消時刻取得部、211c…渋滞回避経路案内部、22,220,221…通信部、30,300,301…記録媒体、300a,301a…地図情報、30b,300b…走行履歴情報、301b…渋滞情報、410,411,…GPS受信部、420,421…車速センサ、430,431…ジャイロセンサ、440,441…ユーザI/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点を退出した後に車両が走行した退出道路を特定し、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記退出道路を対応づけて送信する走行履歴情報送信装置であって、
前記退出道路の一つである第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域において、前記退出道路の一つであるとともに前記第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する渋滞発生判定手段と、
前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記第1退出道路を示す情報と前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて前記交差点を退出する前に送信する走行履歴情報送信手段と、
を備える走行履歴情報送信装置。
【請求項2】
前記渋滞発生判定手段は、前記車両の車速が所定値以下であり、かつ、前記車両が前記第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域を走行し、かつ、前記車両の直前に存在する前記他の車両が前記第2退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域を走行し、かつ、前記車両の進行方向前方において前記他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在しない場合に、前記第2退出道路に向けて走行する前記他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定する、
請求項1に記載の走行履歴情報送信装置。
【請求項3】
前記渋滞発生判定手段は、前記車両の車速が所定値以下であり、かつ、前記車両が前記第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域を走行し、かつ、前記車両の直前に存在する前記他の車両が前記第2退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域を走行し、かつ、前記車両の進行方向前方において前記他の車両を追い抜くことが可能な幅が存在する場合に、前記車両自体に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定し、
前記走行履歴情報送信手段は、前記車両自体に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、前記交差点を退出する前に前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記第1退出道路を示す情報と前記車両自体に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて送信する、
請求項2に記載の走行履歴情報送信装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の走行履歴情報送信装置から送信された前記走行履歴情報から特定された前記進入道路における渋滞の状況を前記退出道路毎に示す渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報に基づいて、前記進入道路にて発生している渋滞の解消時刻を前記退出道路毎に取得する渋滞解消時刻取得手段と、
前記解消時刻に基づいて、渋滞を避けて走行するための経路を特定して案内する渋滞回避経路案内手段と、
を備える運転支援装置。
【請求項5】
交差点を退出した後に車両が走行した退出道路を特定し、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記退出道路を対応づけて送信する走行履歴情報送信方法であって、
前記退出道路の一つである第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域において、前記退出道路の一つであるとともに前記第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する渋滞発生判定工程と、
前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記第1退出道路を示す情報と前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて前記交差点を退出する前に送信する走行履歴情報送信工程と、
を含む履歴情報送信方法。
【請求項6】
交差点を退出した後に車両が走行した退出道路を特定し、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記退出道路を対応づけて送信する機能をコンピュータに実現させる走行履歴情報送信プログラムであって、
前記退出道路の一つである第1退出道路に退出する際に走行する前記進入道路内の走行領域において、前記退出道路の一つであるとともに前記第1退出道路と異なる第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生しているか否かを判定する渋滞発生判定機能と、
前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因して前記車両の現在位置よりも後方に渋滞が発生していると判定された場合、前記交差点への進入道路の走行履歴情報に前記第1退出道路を示す情報と前記第2退出道路に向けて走行する他の車両に起因した渋滞が発生していることを示す情報とを対応づけて前記交差点を退出する前に送信する走行履歴情報送信機能と、
をコンピュータに実現させる、走行履歴情報送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−108823(P2012−108823A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258586(P2010−258586)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】