説明

走行装置

【課題】スピンドルと遊星減速機構のキャリアとのスプライン結合を実現させることができる走行装置の提供。
【解決手段】走行モータ6と、この走行モータ6の回転を減速する遊星減速機構7と、車軸を形成するスピンドル8と、このスピンドル8にテーパ軸受9を介して支持され、遊星減速機構7によって回転するホイール10とを備え、遊星減速機構7が、走行モータ6のシャフト12の回転によって回転する太陽ギヤ13と、この太陽ギヤ13の回転に応じてホイール10を回転させる遊星ギヤ18と、この遊星ギヤ18を保持するキャリア21とを含む走行装置において、スピンドル8とキャリア21とを結合させるスプライン結合部23と、このスプライン結合部23に遊星減速機構7の内部の潤滑油を導く油路、例えばリテーナ24に形成される溝部25とを設けた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱山用ダンプトラック等の車両に備えられ、走行モータと、この走行モータの回転を減速する遊星減速機構とを有する走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、走行モータと、この走行モータの回転を減速する遊星減速機構と、車軸を形成するスピンドルと、このスピンドルの外側に配置され、スピンドルとスプライン結合するハブと、このハブにテーパ軸受を介して支持され、遊星減速機構によって回転するホイールとを備えている。遊星減速機構は、走行モータのシャフトによって回転する太陽ギヤと、この太陽ギヤの回転に応じてホイールを回転させる遊星ギヤと、この遊星ギヤの回転軸を形成する段付ピンと、この段付ピンを支持し、上述のハブにスプライン結合するキャリアと、このキャリアに上述の段付ピンを固定するボルトとを備えている。このような構成を有する従来の走行装置は、鉱山用ダンプトラックのタイヤの回転駆動等に活用されている。
【特許文献1】米国特許出願公開2004/0065169号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来技術において、スピンドルの強度を高めること、及び部品数の削減による製造費の節減等を考慮して、スピンドルと遊星減速機構のキャリアの双方にスプライン結合するハブを除く構成が要望されている。このようにハブを除いた構成にする場合には、スピンドルとキャリアを直接にスプライン結合させることが考えられる。しかし、このように構成したときには、ホイール等の回転部材の回転反力が、相互に微動可能な関係にあるスピンドルとキャリアの結合部分であるスプライン結合部に作用することになる。すなわち、スプライン結合部は回転反力を受けながら微動を繰り返す状態となり、損耗を生じて耐久性が劣化する懸念がある。したがって、このスプライン結合部の潤滑性の確保が問題となる。
【0004】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、スピンドルと遊星減速機構のキャリアとのスプライン結合を実現させることができる走行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明に係る走行装置は、走行モータと、この走行モータの回転を減速する遊星減速機構と、車軸を形成するスピンドルと、このスピンドルにテーパ軸受を介して支持され、上記遊星減速機構によって回転するホイールとを備え、上記遊星減速機構が、上記走行モータのシャフトの回転によって回転する太陽ギヤと、この太陽ギヤの回転に応じて上記ホイールを回転させる遊星ギヤと、この遊星ギヤを保持するキャリアとを含む走行装置において、上記スピンドルと上記キャリアとを結合させるスプライン結合部と、このスプライン結合部に上記遊星減速機構の内部の潤滑油を導く油路とを設けたことを特徴としている。
【0006】
このように構成した本発明は、スピンドルとキャリアの双方にスプライン結合されるハブを設けることを要せずに、ホイール等の回転体の回転反力を、キャリアを介してキャリアとスピンドルとのスプライン結合部に伝えるようにして、ホイールを回転させることができるので、それまでのハブの設置スペースを、スピンドルの径寸法を大きくさせるための空間として活用できる。これによりスピンドルの径寸法を大きくして強度を高めることができるとともに、ハブを除いたことにより部品数を削減できる。また、遊星減速機構の内部の潤滑油を、油路を介してスピンドルとキャリアのスプライン結合部に導くことができるので、このスプライン結合部の良好な潤滑性を確保できる。これによってキャリアを介してスプライン結合部に与えられる回転反力と、スピンドルとキャリア相互間の微動とに伴うスプライン結合部の損耗を防ぐことができる。
【0007】
また、本発明に係る走行装置は、上記発明において、上記スピンドルの端面及び上記キャリアに当接するとともに、上記テーパ軸受を押圧するリテーナを備え、このリテーナに上記油路を形成したことを特徴としている。このように構成した本発明は、リテーナによって遊星減速機構の内部の潤滑油の走行モータ側への大量の漏出を防ぐことができるとともに、リテーナに油路を形成することから潤滑が必要なスプラインへの油の供給に対して部品数の増加を抑えることができる。
【0008】
また、本発明に係る走行装置は、上記発明において、上記油路は、溝部から成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、リテーナに油路を容易に形成できる。
【0009】
また、本発明に係る走行装置は、上記発明において、上記リテーナに、上記遊星減速機構の内部の潤滑油を上記油路に案内する案内部を設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、案内部を介して遊星減速機構の内部の潤滑油を円滑、かつ確実に油路に導くことができる。
【0010】
また、本発明に係る走行装置は、上記発明において、上記案内部は、上記テーパ軸受の開口部内径よりも大きく設定され、上記潤滑油を上記油路に案内する傾斜面を有するつば部から成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、つば部がリテーナの一部を形成するので、部品数の増加を招くことがない。また、案内部が傾斜面を有するつば部であることから、構成が簡単で、リテーナに容易に設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、スピンドルと遊星減速機構のキャリアとを結合させるスプライン結合部と、このスプライン結合部に遊星減速機構の内部の潤滑油を導く油路とを設けたことから、従来のようにスピンドルとキャリアの双方にスプライン結合されるハブを要することなく、ホイール等の回転体の回転反力を、キャリアを介してキャリアとスピンドルとのスプライン結合部に伝えるようにして、ホイールを回転させることができるので、スピンドルの径寸法を大きくして強度を高め、より安定した構造を実現させることができる。また、従来に比べて部品数を削減でき、これによって製作費を節減できる。また、油路を介して導かれる遊星減速機構の内部の潤滑油によって、スピンドルとキャリアのスプライン結合部の良好な潤滑性を確保でき、このスプライン結合部の損耗を抑え、優れた耐久性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下,本発明に係る走行装置を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係る走行装置の一実施形態が備えられる車両の一例として挙げた鉱山用ダンプトラックを示す側面図、図2は図1に示すダンプトラックの背面図である。
【0014】
本実施形態に係る走行装置は、車両例えば図1,2に示す鉱山用ダンプトラックに備えられるものである。この鉱山用ダンプトラックは、シャーシ1と、このシャーシ1上に配置され、傾動可能な荷台2と、シャーシ1の前側位置に配置される運転室3と、複数のタイヤ5とを備えている。タイヤ5は、図2に示すように、本実施形態に係る走行装置4に連結され、この走行装置4によって与えられる回転力で回転駆動するようになっている。
【0015】
図3は本発明に係る走行装置の一実施形態を示す要部断面図、図4は図3のA−A断面図、図5は図3の要部拡大断面図である。
【0016】
本実施形態に係る走行装置4は、図3に示すように、走行モータ6と、この走行モータ6の回転を減速する遊星減速機構7と、車軸を形成するスピンドル8と、このスピンドル8にテーパ軸受9を介して回転支持され、遊星減速機構7によって回転するホイール10とを備えている。タイヤ5にはリム11が一体に係着されており、リム11と上述のホイール10とが連結されている。
【0017】
遊星減速機構7は、走行モータ6のシャフト12に連結され、シャフト12の回転に伴って回転する1段目の太陽ギヤ13と、この太陽ギヤ13に噛み合う複数の遊星ギヤ14と、内周に遊星ギヤ14が噛み合う歯部が形成されたリングギヤ15と、遊星ギヤ14それぞれの回転に伴って回転するギヤカップリング16とを含んでいる。また、ギヤカップリング16の回転に伴って回転する2段目の太陽ギヤ17と、この太陽ギヤ17と噛み合い、太陽ギヤ17の回転に応じてホイール10を回転させる複数の遊星ギヤ18とを含んでいる。さらに、遊星ギヤ18の回転軸を形成する複数の段付ピン20と、これらの段付ピン20と遊星ギヤ18間にそれぞれ介在される複数のテーパ軸受19と、段付ピン20のそれぞれを保持するキャリア21と、このキャリア21に段付ピン20のそれぞれを固定するボルト22とを含んでいる。ボルト22のそれぞれの頭部は、上述したホイール10を回転支持するテーパ軸受9に対向するように配置してある。
【0018】
また、スピンドル8と遊星減速機構7のキャリア21とを結合させるスプライン結合部23を設けてある。図5に示すように、キャリア21の歯部21aは、スピンドル8の歯部8aよりもわずかに遊星減速機構7側に突出するように設けてある。
【0019】
また、スピンドル8の端面及びキャリア21に当接するとともに、テーパ軸受9を押圧するリテーナ24を備えている。
【0020】
本実施形態は、段付ピン20、キャリア21及びボルト22の部分に与えられる振動によるボルト22の弛みによって、テーパ軸受9に近づく方向のボルト22の移動を規制する規制部材を設けてある。
【0021】
この規制部材は、例えば図5に示すように、ボルト22のそれぞれの頭部22aと、テーパ軸受9との間に位置するようにリテーナ24に設けられ、テーパ軸受9の開口部内径9aよりも大きく設定されたつば部24aから成っている。
【0022】
なお、図3に示すように、上述したギヤカップリング16は、リテーナ24が配置される側と反対側に位置する段付ピン20のそれぞれの端面近傍に配置してあり、段付ピン20、キャリア21及びボルト22の部分に与えられる振動によるボルト22の弛みによって、リテーナ24から離れる方向に段付ピン20が移動する際のこの段付ピン20の移動を規制する別の規制部材を成している。このギヤカップリング16の段付ピン20のそれぞれの端面に対向する位置には、例えば、段付ピン20がこのギヤカップリング16方向へ移動して、このギヤカップリング16に接触した際のギヤカップリング16と段付ピン20の接触面積を小さくする円形穴21bを形成してある。
【0023】
また、本実施形態は、図4,5に示すように、スピンドル8とキャリア21とを結合させるスプライン結合部23に、遊星減速機構7の内部の潤滑油を導く油路を設けてある。潤滑油は、遊星減速機構7の内部の例えば図3に示す潤滑油ライン30まで収容されている。
【0024】
上述した潤滑油を導く油路は、例えばリテーナ24に形成してある。この油路は、リテーナ24に形成された溝部25から成っている。
【0025】
また、リテーナ24には、図5に示すように、遊星減速機構7の内部の潤滑油を油路、すなわち溝部25に案内する案内部を設けてある。この案内部は、例えば傾斜面24a1を有するつば部24aから成っている。
【0026】
このように構成した本実施形態は、図3に示す走行モータ6の駆動によってシャフト12が回転し、このシャフト12によって1段目の太陽ギヤ13が回転する。この太陽ギヤ13の回転によって、遊星ギヤ14のそれぞれがリングギヤ19内を回転する。これらの遊星ギヤ14の回転に伴ってギヤカップリング16が回転し、このギヤカップリング16の回転力が2段目の太陽ギヤ17に伝えられる。この太陽ギヤ17の回転によって、遊星ギヤ18のそれぞれが段付ピン20を中心に自転するとともに、ホイール10を回転させる。このホイール10の回転が、リム11を介してタイヤ5に伝えられ、タイヤ5が回転駆動し、この走行装置4が備えられる鉱山用ダンプトラックが走行する。
【0027】
このような走行が行なわれる間、段付ピン20、キャリア21及びボルト22の部分に与えられる振動によって、ボルト22に弛みが生じてもリテーナ24のつば部24aによって、テーパ軸受9方向へのボルト22の移動が規制されるので、ボルト22の頭部22aがテーパ軸受9に接触しないように保持される。
【0028】
また、上述の走行の間、図3に示す遊星減速機構7の内部の潤滑油が攪拌されて上方へ飛散し、必要箇所を潤滑するとともに、上方へ飛散した潤滑油が、図5に示すリテーナ24のつば部24aの傾斜面24a1に案内されて、リテーナ24に形成した溝部25に導かれ、さらにスプライン結合部23を形成するキャリア21の歯部21aに導かれる。これによって、スプライン結合部23が潤滑される。
【0029】
本実施形態によれば、スピンドル8とキャリア21の双方にスプライン結合されるハブを設けることを要せずに、ホイール10等の回転反力を、キャリア21を介してキャリア21とスピンドル8とのスプライン結合部23に伝えるようにして、ホイール10を回転させることができるので、それまでのハブの設置スペースを、スピンドル8の径寸法を大きくさせるための空間として活用できる。これによりスピンドル8の径寸法を大きくして強度を高め、より安定した構造を実現させることができる。また、ハブを除いたことにより部品数を削減でき、これによって製作費を節減できる。
【0030】
また、規制部材すなわちリテーナ24に設けたつば部24aによって、テーパ軸受9に近づく方向のボルト22それぞれの移動を防止できる。これにより、ボルト22の頭部22aとテーパ軸受9とが接触しないように保持でき、テーパ軸受9の損傷を防ぐことができ、優れた耐久性を確保できる。
【0031】
また、リテーナ24に設けたつば部24aによって、テーパ軸受9に近づく方向のボルト22の移動を規制する規制部材を構成してあることから、部品数の増加を抑えることができ、製作費を安くすることに貢献する。
【0032】
また、ボルト22に弛みが生じた際、規制部材すなわちリテーナ24のつば部24aによってボルト22のテーパ軸受9に近づく方向の移動が規制されるが、このとき、ボルト22の頭部22aとつば部24aの当接によるボルト22に対する規制力が、ボルト22を介して段付ピン20に伝えられることによって、段付ピン20がリテーナ24から離れる方向に移動した場合には、ギヤカップリング16が、リテーナ24から離れる方向の段付ピン20の移動を規制する別の規制部材を成すことから、段付ピン20の移動がギヤカップリング16によって規制される。したがって、段付ピン20とボルト22との螺合状態を保つことができ、これによって段付ピン20からのボルト22の離脱を確実に防止できる。なお、段付ピン20がギヤカップリング16に接触した際には、ギヤカップリング16の回転に伴って異音が発生するので、この走行装置4が備えられる鉱山用ダンプトラックの運転手に、異常が生じていることを容易に気付かせることができる。
【0033】
また、本実施形態は、遊星減速機構7の内部の潤滑油を、上述したように油路すなわち溝部25を介してスプライン結合部23に導くことができるので、このスプライン結合部23の良好な潤滑性を確保できる。これによって、キャリア21を介してスプライン結合部23に与えられる回転反力と、スピンドル8とキャリア21相互間の微動とに伴うスプライン結合部23の損耗を防ぐことができ、優れた耐久性を確保できる。
【0034】
また、リテーナ24に溝部25すなわち油路を形成することから、部品数の増加を抑えることができ、製作費を安くすることに貢献する。
【0035】
また、リテーナ24に、潤滑油を案内する案内部、すなわち傾斜面24a1を有するつば部24aを設けたことから、傾斜面24a1を介して遊星減速機構7の内部の潤滑油を円滑、かつ確実に溝部25に導くことができ、スプライン結合部23の潤滑性の確保に貢献する。
【0036】
また、遊星減速機構7の内部の潤滑油を溝部25に導く案内部を構成する傾斜面24a1を有するつば部24aは、リテーナ24の一部を形成するので部品数の増加を招くことがなく、製作費を安くすることに貢献する。また、案内部がつば部24aの傾斜面24a1であることから、構成が簡単で、リテーナ24に容易に設けることができる。
【0037】
図6は本発明の別の実施形態を示す要部拡大断面図である。この別の実施形態は、リテーナ24に、上述した実施形態におけるようなつば部24aは備えておらず、遊星減速機構7の内部の潤滑油を溝部25に導く案内部を、リテーナ24に形成した傾斜面24bによって構成してある。その他の構成は、上述した図1〜5に示した実施形態と同等である。
【0038】
このように構成した別の実施形態は、上述した実施形態のリテーナ24に設けたつば部24aによる効果は得られないが、リテーナ24の傾斜面24bを介して遊星減速機構7の内部の潤滑油を円滑、かつ確実に溝部25に導くことができ、これにより上述した図1〜5に示した実施形態と同様に、スピンドル8とキャリア21のスプライン結合部23の潤滑性の確保に貢献する。
【0039】
なお、上述した各実施形態では、油路がリテーナ24に形成した溝部25から成っているが、本発明は、このようにリテーナ24に溝部25を形成することには限られない。例えばスピンドル8の端面に油路を構成する溝部を形成してもよい。また、このような溝部に代えて、リテーナ24あるいはスピンドル8に、遊星減速機構7の内部の潤滑油をスプライン結合部23に導くキリ穴を設けた構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る走行装置の一実施形態が備えられる車両の一例として挙げた鉱山用ダンプトラックを示す側面図である。
【図2】図1に示すダンプトラックの背面図である。
【図3】本発明に係る走行装置の一実施形態を示す要部断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3の要部拡大断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0041】
4 走行装置
6 走行モータ
7 遊星減速機構
8 スピンドル
8a 歯部
9 テーパ軸受
9a 開口部内径
10 ホイール
12 シャフト
13 太陽ギヤ
18 遊星ギヤ
21 キャリア
21a 歯部
23 スプライン結合部
24 リテーナ
24a つば部(案内部)
24a1 傾斜面
24b 傾斜面(案内部)
25 溝部(油路)
30 潤滑油ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行モータと、この走行モータの回転を減速する遊星減速機構と、車軸を形成するスピンドルと、このスピンドルにテーパ軸受を介して支持され、上記遊星減速機構によって回転するホイールとを備え、
上記遊星減速機構が、上記走行モータのシャフトの回転によって回転する太陽ギヤと、この太陽ギヤの回転に応じて上記ホイールを回転させる遊星ギヤと、この遊星ギヤを保持するキャリアとを含む走行装置において、
上記スピンドルと上記キャリアとを結合させるスプライン結合部と、このスプライン結合部に上記遊星減速機構の内部の潤滑油を導く油路とを設けたことを特徴とする走行装置。
【請求項2】
上記請求項1記載の発明において、
上記スピンドルの端面及び上記キャリアに当接するとともに、上記テーパ軸受を押圧するリテーナを備え、このリテーナに上記油路を形成したことを特徴とする走行装置。
【請求項3】
上記請求項2記載の発明において、
上記油路は、溝部から成ることを特徴とする走行装置。
【請求項4】
上記請求項2記載の発明において、
上記リテーナに、上記遊星減速機構の内部の潤滑油を上記油路に案内する案内部を設けたことを特徴とする走行装置。
【請求項5】
上記請求項4記載の発明において、
上記案内部は、上記テーパ軸受の開口部内径よりも大きく設定され、上記潤滑油を上記油路に案内する傾斜面を有するつば部から成ることを特徴とする走行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−204016(P2009−204016A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44686(P2008−44686)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】