説明

超広角レンズ系

【課題】撮影画角が120°を超える超広角レンズ系でありながら、バックフォーカスが長く、イメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズに適した、フォーカシングによる収差変動が少なく、高性能な、インナーフォーカス方式を採用する広角端側の開放F値がF2.8程度に適応可能な超広角レンズ系を提供する。
【解決手段】物体側より順に負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2からなり、第1レンズ群G1は負の屈折力の第1Aレンズ群G1A、負の屈折力の第1Bレンズ群G1Bで構成され、第1Aレンズ群G1Aは物体側から順に、負メニスカスレンズの第1レンズL1、少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズの第2レンズL2で構成され、第1Bレンズ群G1Bは最も物体側に少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズL3を有し、所定の条件式を満足させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、銀塩カメラ、ビデオカメラ等に用いられるレンズに関するもので、撮影画角が120°を超える超広角レンズ系でありながら、バックフォーカスが長く、イメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズに適した、フォーカシングによる収差変動が少なく、高性能なインナーフォーカス方式を採用する広角端側の開放F値がF2.8程度に適応可能な超広角レンズ系に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画角が120°を超える超広角レンズ系が、例えば以下の特許文献等に記載されている。
【0003】
特許文献1には、画角が120°を超える広角レンズが開示されている。
【0004】
特許文献2、特許文献3には、インナーフォーカスを採用し、画角が120°超える超広角レンズ系が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−124985号公報
【0006】
【特許文献2】特開2005−106878号公報
【0007】
【特許文献3】特願2010−093913号(未公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された広角レンズは、そもそも一眼レフタイプのカメラのレンズ系として適応させるにはバックフォーカスが短すぎるという問題があった。
【0009】
特許文献2に記載された超広角レンズ系は、開放F値が4.5程度の比較的小口径な光学系に適応されるものであった。
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載された超広角レンズ系では、入射角が大きくなる第1レンズ群に大口径の非球面レンズを採用しておらず、周辺性能の収差補正が困難であることから、F値を明るくすることが出来なかった。
【0011】
さらに、第4レンズ群の偏芯敏感度が大きく、第4レンズ群のレンズ径をアップすることが困難であることから、開放F値を明るく出来ないという問題があった。
【0012】
また、特許文献2に記載された超広角レンズ系では、第4レンズ群等の偏芯敏感度が大きく、鏡枠の組み立てが容易ではないという問題があった。
【0013】
また、特許文献2に記載の超広角レンズ系は超広角ズームレンズであり、広角端側において、画面周辺での性能低下を小さくすることとしているため、超広角レンズ系で一般的に問題となる倍率色収差の補正を行うことを重視した結果、軸上色収差の補正が不十分であるという問題が残存していた。
【0014】
特許文献3は、同様に画角が120°を超える超広角レンズ系であり、レンズ系が全体としてコンパクトであり、フォーカシングによる収差変動が少ないことを特徴としていた。
【0015】
この発明はもちろんイメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズにも適応可能ではあるが、APS−Cフォーマットにおいて高性能でありながらコンパクト化することも目的としていた。
【0016】
また、第1Aレンズ群と第1Bレンズ群の焦点距離の比を適切にコントロールすることで、全長をコンパクト化しつつフォーカシングによる収差変動が少なく、撮影距離が短い光学系を実現していたが、イメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズに適用する場合、例えば画角が120°を超えるような大幅な広画角化を実現する際には、十分に高性能化をすることが困難であった。
【0017】
本発明は、上記課題を解決し、撮影画角が120°を超える超広角レンズ系でありながら、バックフォーカスが長く、イメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズに適した、フォーカシングによる収差変動が少なく、高性能な、インナーフォーカス方式を採用する広角端側の開放F値がF2.8程度に適応可能な超広角レンズ系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明を実施の超広角レンズ系は、物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2からなり、第1レンズ群G1は、負の屈折力の第1Aレンズ群G1A、負の屈折力の第1Bレンズ群G1Bで構成され、さらに、第1Aレンズ群G1Aは、物体側から順に、負メニスカスレンズの第1レンズL1、少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズの第2レンズL2で構成され、第1Bレンズ群G1Bは、最も物体側に少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズL3を有し、フォーカシングの際、第1Bレンズ群G1Bを物体側に移動させ、第2レンズ群G2は、最も像側に少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspを有し、以下の条件を満足することを特徴とする。
(1)3.4<|f1A/fw|<6.0
(2)0.5<|f1B/f1A|<3.0
(3)2.0<f2/fw<5.0
(4)1.0<f2asp/f2<5.0
但し、
fw:レンズ全系の焦点距離、又は、広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1A:第1Aレンズ群G1Aの焦点距離
f1B:第1Bレンズ群G1Bの焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、又は、広角端における第2レンズ群G2の焦点距離
f2asp:第2レンズ群G2内の少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspの焦点距離
【0019】
さらに本発明を実施の超広角レンズ系は、上記発明において、第2レンズ群G2が、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2Bで構成され、広角端側から望遠端側へのズーミングの際、第1レンズ群G1と第2Aレンズ群G2Aとの間隔が減少し、第2Aレンズ群G2Aと第2Bレンズ群G2Bとの間隔が増加することを特徴とする。
【0020】
さらに本発明を実施の超広角レンズ系は、上記発明において、以下の条件を満足することを特徴とする。
(5)2.0<f2A/fw<5.0
(6)10.0<|f2B/fw|
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2A:第2Aレンズ群G2Aの焦点距離
f2B:第2Bレンズ群G2Bの焦点距離
【0021】
さらに本発明を実施の超広角レンズ系は、上記発明において、第2Aレンズ群G2Aが絞りユニットを挟んだ前側の第2Aレンズ群前群G2AF、後側の第2Aレンズ群後群G2ARに分かれ、以下の条件を満足することを特徴とする。
(7)2.5<|f2AF/f1|<5.0
(8)2.0<|f2AR/fw|<5.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2AF:第2Aレンズ群前群G2AFの焦点距離
f2AR:第2Aレンズ群後群G2ARの焦点距離
【0022】
さらに本発明を実施の超広角レンズ系は、上記発明において、第2Bレンズ群G2Bは、少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズからなる接合負レンズユニットL2BJoinを有し、以下の条件を満足することを特徴とする。
(9)−15.0<f2BJoin/fw<−2.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2BJ:第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinの焦点距離
【0023】
さらに本発明を実施の超広角レンズ系は、上記発明において、以下の条件を満足することを特徴とする。
(10)Nd2BN>1.8
(11)Vd2BP>80
但し、
Nd2BN:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の負レンズの屈折率
Vd2BP:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の正レンズのアッベ数
【発明の効果】
【0024】
本発明を実施の超広角レンズ系によれば、デジタルカメラ、銀塩カメラ、ビデオカメラ等に用いられるレンズ系であって、撮影画角が120°を超える超広角レンズ系でありながら、バックフォーカスが長く、イメージサークルが大きな35mmフォーマットの交換レンズに適した、フォーカシングによる収差変動が少なく、高性能な、インナーフォーカス方式を採用する広角端側の開放F値がF2.8程度に適応可能な超広角レンズ系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1の超広角レンズ系の無限遠におけるレンズ断面図
【図2】実施例1の超広角レンズ系の無限遠における縦収差図
【図3】実施例1の超広角レンズ系の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図4】実施例1の超広角レンズ系の無限遠における横収差図
【図5】実施例1の超広角レンズ系の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図6】実施例2の超広角レンズ系の広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図7】実施例2の超広角レンズ系の広角端の無限遠における縦収差図
【図8】実施例2の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図9】実施例2の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における縦収差図
【図10】実施例2の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図11】実施例2の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における縦収差図
【図12】実施例2の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図13】実施例2の超広角レンズ系の広角端の無限遠における横収差図
【図14】実施例2の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図15】実施例2の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における横収差図
【図16】実施例2の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図17】実施例2の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における横収差図
【図18】実施例2の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図19】実施例3の超広角レンズ系の広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図20】実施例3の超広角レンズ系の広角端の無限遠における縦収差図
【図21】実施例3の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図22】実施例3の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における縦収差図
【図23】実施例3の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図24】実施例3の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における縦収差図
【図25】実施例3の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図26】実施例3の超広角レンズ系の広角端の無限遠における横収差図
【図27】実施例3の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図28】実施例3の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における横収差図
【図29】実施例3の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図30】実施例3の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における横収差図
【図31】実施例3の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図32】実施例4の超広角レンズ系の広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図33】実施例4の超広角レンズ系の広角端の無限遠における縦収差図
【図34】実施例4の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図35】実施例4の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における縦収差図
【図36】実施例4の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図37】実施例4の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における縦収差図
【図38】実施例4の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図39】実施例4の超広角レンズ系の広角端の無限遠における横収差図
【図40】実施例4の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図41】実施例4の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における横収差図
【図42】実施例4の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図43】実施例4の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における横収差図
【図44】実施例4の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図45】実施例5の超広角レンズ系の広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図46】実施例5の超広角レンズ系の広角端の無限遠における縦収差図
【図47】実施例5の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図48】実施例5の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における縦収差図
【図49】実施例5の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図50】実施例5の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における縦収差図
【図51】実施例5の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における縦収差図
【図52】実施例5の超広角レンズ系の広角端の無限遠における横収差図
【図53】実施例5の超広角レンズ系の広角端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図54】実施例5の超広角レンズ系の中間焦点距離の無限遠における横収差図
【図55】実施例5の超広角レンズ系の中間焦点距離の撮影倍率1:40倍における横収差図
【図56】実施例5の超広角レンズ系の望遠端の無限遠における横収差図
【図57】実施例5の超広角レンズ系の望遠端の撮影倍率1:40倍における横収差図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の超広角レンズ系は、図1、図6、図19、図32、及び図45に示すレンズ構成図からわかるように、物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2からなり、第1レンズ群G1は、負の屈折力の第1Aレンズ群G1A、負の屈折力の第1Bレンズ群G1Bで構成され、さらに、第1Aレンズ群G1Aは、物体側から順に、負メニスカスレンズの第1レンズL1、少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズの第2レンズL2で構成され、第1Bレンズ群G1Bは、最も物体側に少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズL3を有し、フォーカシングの際、第1Bレンズ群G1Bを物体側に移動させ、第2レンズ群G2は最も像側に少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspを有する構成としている。
【0027】
本発明に係る実施例では、第1Aレンズ群G1Aを構成する第1レンズL1及び第2レンズL2において、それぞれ物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを採用している。
【0028】
本発明は、画角が120°を超える超広角レンズ系の提供を目的としており、周辺画角における入射角の傾きが大きい光線を適切に導くことが重要となる。
【0029】
また、超広角レンズ系においては、十分なバックフォーカスを確保するため、レトロフォーカスタイプが好ましく、前方に位置する負レンズ群の負屈折力を強くする必要がある。
【0030】
さらに、周辺画角における傾きが大きい光線の入射角及び射出角に対応するために、レンズ周辺部にて適切なレンズ面の傾き角を設定する必要がある。
【0031】
そして、F2.8の周辺光束に対応するため、L1、L2のレンズ径を適切なサイズに設定する必要があるので、第1Aレンズ群G1Aのパワーを適切に設定する必要がある。
【0032】
したがって、本発明では、第1Aレンズ群G1Aを構成する2枚の負メニスカスレンズにおいて、適切な屈折力の配分を行い、全体として十分な負の屈折力を得つつ、非点収差の発生を抑えることができる構成を目的とした。
【0033】
また、第1Aレンズ群G1Aを負メニスカスレンズ2枚のみで構成することにより、レンズ系全体のコンパクト化にも有効な構成とした。
【0034】
さらに、第1Aレンズ群G1Aを構成する第2レンズL2には、少なくとも1面に非球面を採用することとした。
【0035】
ここで、負メニスカスレンズの屈折力の設定について説明する。
【0036】
一般に、負メニスカスレンズにおいては、物体側の凸面の近軸曲率を小さくし、像側の凹面の近軸曲率を大きくすることで十分な負の屈折力を得ることができる。しかしながら、本発明においては、第2レンズL2の物体側レンズ面の近軸曲率を小さくし過ぎると、レンズ面周辺部での入射光に対するレンズ面の傾き角が小さくなり、周辺光束に対して垂直なレンズ面の傾き角を得られず、収差補正において不利となる。
【0037】
そこで、本発明では、物体側の凸面の近軸曲率を小さく維持したまま、このレンズ面に非球面を採用し、レンズ径の周辺部にいくにしたがって強い正の屈折力を持たせることで、レンズ周辺部での周辺光束に対する適切なレンズ面の傾き角を得ることができ、負の屈折力を得ることと収差補正の効果を得ることを両立することができる。
【0038】
また、一般に、負メニスカスレンズの負の屈折力を強くするには、像面側の凹面の近軸曲率を大きくすることが有効である。しかしながら、像面側の凹面の近軸曲率を大きくすることにより負メニスカスレンズの負の屈折力を強くすると、レンズ周辺部でのレンズ面の傾き角がきつくなるため、負メニスカスレンズの加工性が悪化する。
【0039】
そこで、本発明では、負メニスカスレンズの最も像面側のレンズ面に非球面を採用することで、レンズ周辺部の傾き角を適切にコントロールし、周辺光束に対して適切な収差補正をしつつ、レンズの加工性を向上することができる。
【0040】
ここで、反対に、負メニスカスレンズの屈折力を弱くするには、物体側の凸面の近軸曲率を大きくすることが有効である。しかしながら、物体側レンズ面の近軸曲率を大きくすると、レンズ周辺部での周辺光束に対するレンズ面の傾き角が小さくなるため、レンズの加工性が悪化する。
【0041】
そこで、本発明では、物体側レンズ面に非球面を採用することで、レンズ周辺部での光束に対するレンズ面の傾き角を垂直な角度に近づけることにより、周辺光束に対して適切なレンズ周辺部のレンズ面の傾き角を得ることができ、周辺光束に対して適切な収差補正をしつつ非球面レンズの加工性を向上させることができる。
【0042】
上記の通り、負メニスカスレンズにおいて、物体側、像面側いずれかのレンズ面に非球面を採用することで、負の屈折力を適切にコントロールしつつ、周辺光束に対してレンズ周辺部でのレンズ面の適切な傾き角を得ることができ、また、適切な収差補正とレンズの加工性にも配慮することができる。
【0043】
さらに、本発明において、フォーカシングに用いる第1Bレンズ群G1Bに含まれるレンズのうち、最も物体側に配置される第3レンズL3にも、第1レンズL1、第2レンズL2と同様、負メニスカスレンズを採用している。
【0044】
本発明は、画角が120°を超える超広角レンズ系の提供を目的としており、入射光線の傾きが大きな周辺光束に対して光線を導くには第1Aレンズ群G1Aの2枚の負メニスカスレンズの屈折力だけでは不十分であり、第1Aレンズ群G1Aからの周辺光線の射出角は依然として大きいままである。そのため、第1Bレンズ群G1Bにおいても入射光線の傾きをさらに小さくする必要がある。
【0045】
そこで、第3レンズL3にも、第1レンズL1と第2レンズL2と同様に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを採用することとしている。
【0046】
このようにすることで、周辺光束に対して適切なレンズ周辺部でのレンズ面の傾き角を得ることができ、周辺光束の収差補正を十分に行いつつ、フォーカシングの際、撮影距離が異なることによる光線の入射角の変化に対して、収差変動が小さいレンズ系を得ることができる。
【0047】
さらに、第3レンズL3においても、第2レンズL2と同様に、負メニスカスレンズの少なくとも1面に非球面を採用することで、周辺光束に対して適切なレンズ面の傾き角を得ることにより、周辺光束の収差補正を十分に行うことができる。
【0048】
また、フォーカシングの際、撮影距離が異なることによる光線の入射角の変化に対して、収差変動の小さい光学系を得ることができる。
【0049】
本発明では、画角が120°を超える超広角レンズ系の提供を目的としており、光線の入射角が大きく変化する画面中心部、画面中間画角部、画面周辺部の収差バランスを適切にとることが重要である。
【0050】
そこで、本発明では、第1Aレンズ群G1Aに含まれる2枚の負メニスカスレンズのレンズ形状及び、非球面係数を適切にコントロールすることで、撮影画面全体で収差バランスをとりつつ、フォーカシングによる収差変動を減らす手段をとっている。
【0051】
また、F2.8の大口径化を実現しつつ十分な収差補正を行うためには、第2レンズ群における収差補正も重要となる。
【0052】
さらに、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2内において、十分な収差補正をしつつ偏芯敏感度を悪化させない構成とすることも重要である。
【0053】
そこで、適切な屈折力を持つ最も像面側のレンズを正レンズユニットL2aspとし、少なくとも1面に非球面を採用している。
【0054】
そのため、本発明は、次の条件式(1)乃至条件式(4)を満足することを特徴としている。
(1)3.4<|f1A/fw|<6.0
(2)0.5<|f1B/f1A|<3.0
(3)2.0<f2/fw<5.0
(4)1.0<f2asp/f2<5.0
但し、
fw:レンズ全系の焦点距離、又は、広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1A:第1Aレンズ群G1Aの焦点距離
f1B:第1Bレンズ群G1Bの焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、又は、広角端における第2レンズ群G2の焦点距離
f2asp:第2レンズ群G2内の少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspの焦点距離
【0055】
条件式(1)は、本発明の超広角レンズ系において、レトロフォーカスタイプの広角レンズ系のレンズ全系の焦点距離fwに対する第1Aレンズ群G1Aの焦点距離の比を規定するものである。
【0056】
ただし、ズームレンズに本発明を適用する場合には、レンズ全系の焦点距離は、ズーム広角端におけるレンズ全系の焦点距離を採用する。
【0057】
条件式(1)の下限を超えると、第1Aレンズ群G1Aの負の屈折力が強くなり、レンズ全系のコンパクト化には有効であるが、像面湾曲の補正が困難になり、さらに第2レンズL2において中心部と周辺部の肉厚差が大きくなる傾向にあるので、非球面レンズの加工性が悪化する。
【0058】
また、条件式(1)の上限を超えると、第1Aレンズ群G1Aの負の屈折力が弱くなり、第2レンズL2のレンズ径が大きくなる。その結果、第2レンズL2において非球面の周辺部で傾き角が大きくなるので、画面周辺部まで十分な収差補正を行うには、非球面レンズの加工性が悪化する。
【0059】
特にレンズ系の画角を大きくしていく程、第2レンズL2において非球面の周辺部で傾き角が顕著に大きくなるので、第1Aレンズ群G1Aの負の屈折力を適切に設定する必要がある。
【0060】
本発明の超広角レンズ系のフォーカシングにおいては、第1Aレンズ群G1Aに大口径な負メニスカスレンズを配置することが必要となるため、フォーカスレンズの軽量化が課題となる。また、フォーカシングによる像面湾曲の発生が課題となり、フォーカシングにインナーフォーカスを採用することで、フローティングによる収差補正効果が付加される。
【0061】
条件式(2)は、本発明の超広角レンズ系において、第1Aレンズ群G1Aの焦点距離と第1Bレンズ群G1Bの焦点距離との比を規定するものである。
【0062】
条件式(2)の下限を超えると第1Bレンズ群G1Bの屈折力が大きくなるので、フォーカシングによる収差変動が大きくなる。
【0063】
さらに、第1Aレンズ群G1Aの屈折力が小さくなり、画角が120°を超える入射光線を適切に屈折させるための必要十分な屈折力が得られず、第2レンズL2のレンズ径が大きくなるので、画面周辺部まで十分な収差補正を行うには、第2レンズL2において非球面の周辺部で傾き角が大きくする必要が生じるので、非球面レンズの加工性が悪化する。
【0064】
特にレンズ系の画角を大きくしていく程、第2レンズL2において非球面の周辺部で傾き角が顕著に大きくなるので、第1Aレンズ群G1Aの負の屈折力を適切に設定する必要がある。
【0065】
また、条件式(2)の上限を超えると、第1Bレンズ群G1Bの屈折力が小さくなるため、第1Bレンズ群G1Bの近距離撮影時のフォーカス移動量が大きくなる。その結果、第1Aレンズ群G1Aと第1Bレンズ群G1Bとのレンズ間隔を大きくする必要がある。
【0066】
条件式(1)と条件式(2)を同時に満足することで、レンズ全系の焦点距離に対して、第1Aレンズ群G1Aの焦点距離を適切にコントロールすることが可能となり、レンズの加工条件を考慮しつつ、フォーカシングによる収差変動が小さく、画面周辺部まで十分な収差補正が出来る。
【0067】
また、本発明の超広角レンズ系は、デジタル一眼レフタイプのカメラ等、バックフォーカスを十分に取る必要のあるカメラシステムに対応するため、第2レンズ群G2の焦点距離を適切に設定する必要がある。
【0068】
条件式(3)は、超広角レンズ系において、レトロフォーカスタイプの広角レンズ系のレンズ全系の焦点距離に対する第2レンズ群G2の焦点距離の比を規定するものである。
【0069】
ここで、ズームレンズに本発明を適用する場合には、レンズ全系の焦点距離fwは、ズーム広角端におけるレンズ全系の焦点距離を採用し、第2レンズ群G2の焦点距離f2は、ズーム広角端における第2レンズ群G2の焦点距離を採用する。
【0070】
条件式(3)の下限を超えると、第2レンズ群G2の焦点距離が短くなり、レンズ系全体のコンパクト化には有効であるが、各レンズ面の曲率が大きくなるので、超広角レンズ系で課題となる非点収差、コマ収差等の収差補正が困難になる。
【0071】
条件式(3)の上限を超えると、第2レンズ群G2の焦点距離が長くなり、収差補正には有利となるが、レンズ系全体のコンパクト化が困難になる。
【0072】
特許文献2において、最も像面側のレンズユニットには、強い負の屈折力を持つ光学系に非球面を採用することで効果的な収差補正が可能としている。
【0073】
しかしながら、第2レンズ群G2は全体として正の屈折力が強いため、最も像面側のレンズユニットを、非球面を有する負レンズユニットとすると、偏芯敏感度の増大によりレンズ鏡枠の組み立て精度を維持することが困難となり、生産性の問題が生じる。
【0074】
そこで、本発明では、最も像面側のレンズユニットを、少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspとし、その屈折力を適切に設定することで、十分収差補正効果を得つつ、偏芯敏感度の小さなレンズ系を得ることを可能とした。
【0075】
条件式(4)は、本発明の超広角レンズ系において、第2レンズ群G2の焦点距離に対する第2レンズ群G2内の最も像面側の非球面を有する正レンズユニットL2aspの焦点距離の比を規定するものである。
【0076】
条件式(4)の下限を超えて正レンズユニットL2aspの焦点距離が短くなり、正レンズユニットL2aspの屈折力が大きくなると、周辺光束に対する屈折効果が強くなることから、非球面による周辺光束の収差補正効果が不十分となる。
【0077】
条件式(4)の上限を超えて正レンズユニットL2aspの焦点距離が長くなると、正レンズユニットL2aspよりも前に位置する光学系から射出される周辺光束の屈折力が強くなるので、周辺光束に関して、正レンズユニットL2aspを通る際の入射角と射出角で光線の傾き変化が大きくなり、正レンズユニットL2aspの偏芯敏感度が増大する。
【0078】
さらに、本発明の超広角レンズ系は、第2レンズ群G2を、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2Bで構成し、第1レンズ群G1と第2Aレンズ群G2Aとの間隔が減少し、第2Aレンズ群G2Aと第2Bレンズ群G2Bとの間隔が増加することで、広角端側から望遠端側へのズーミングを達成することが望ましい。
【0079】
本発明の超広角レンズ系において、第2Aレンズ群G2Aの焦点距離を適切に設定し、第1レンズ群G1からの強い発散光束を収束させることで、第2Aレンズ群G2Aからの射出角を略アフォーカルに設定することにより、広角端側の周辺光線をカットすることなく、第2Aレンズ群G2Aにより中間域から望遠で上光線フレアーを適切な光線高さでカットすることができる。
【0080】
さらに、第2Bレンズ群G2Bの焦点距離を適切に設定することで、ズーム全域において十分な光学性能を得つつ、第2Bレンズ群G2Bの偏芯敏感度を適切にコントロールすることができる。
【0081】
そのため、本発明は、さらに次の条件式(5)及び条件式(6)を満足することが望ましい。
(5)2.0<f2A/fw<5.0
(6)10.0<|f2B/fw|
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2A:第2Aレンズ群G2Aの焦点距離
f2B:第2Bレンズ群G2Bの焦点距離
【0082】
条件式(5)は、本発明の超広角レンズ系において、広角端でのレンズ全系の焦点距離に対する第2Aレンズ群G2Aの焦点距離の比を規定するものである。
【0083】
条件式(5)の下限を超えて第2Aレンズ群G2Aの焦点距離が短くなると、第1レンズ群G1の負の屈折力を強くする必要が生じ、コマ収差、非点収差の補正が困難になる。
【0084】
条件式(5)の上限を超えて第2Aレンズ群G2Aの焦点距離が長くなると、第2Aレンズ群G2Aの焦点距離が長くなるので中心光束に対して十分な収束効果が得られず、適切なフレアーカット効果が得られない。
【0085】
条件式(6)は、本発明の超広角レンズ系において、広角端でのレンズ全系の焦点距離に対する第2Bレンズ群G2Bの焦点距離の比を規定するものである。
【0086】
条件式(6)において、第2Bレンズ群G2Bが正の屈折力を有する場合、下限を超えると、第2Bレンズ群G2Bの正の屈折力が強くなるため、各レンズ面の曲率が大きくなり、第2Bレンズ群G2B内のレンズユニットの偏芯敏感度が大きくなることにより、レンズ加工の際に求められる精度が極端に上がる。
【0087】
条件式(6)において、第2Bレンズ群G2Bが負の屈折力である場合、下限を超えると、第2Bレンズ群G2Bの負の屈折力が強くなるため、第2Bレンズ群G2B全体の偏芯敏感度が大きくなり、レンズ鏡枠の組み立てにおける生産性が悪化する。
【0088】
さらに、本発明の超広角レンズ系において、第2Aレンズ群G2Aは絞りユニットを挟んだ前側の第2Aレンズ群前群G2AF、後側の第2Aレンズ群後群G2ARに分かれ、次の条件式(7)及び条件式(8)を満足することが望ましい。
(7)2.5<|f2AF/f1|<5.0
(8)2.0<|f2AR/fw|<5.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2AF:第2Aレンズ群前群G2AFの焦点距離
f2AR:第2Aレンズ群後群G2ARの焦点距離
【0089】
第2Aレンズ群前群G2AFからの中心光束の射出角と、第2Aレンズ群後群G2ARとの屈折力を適切に設定して、前群G2AFと後群G2ARとの間に開口絞りを配置することが望ましい。
【0090】
条件式(7)は、本発明の超広角レンズ系において、第1レンズ群G1の焦点距離に対する前群G2AFの焦点距離の比を規定するものである。
【0091】
条件式(7)の下限を超えると、広角側において第1レンズ群G1と前群G2AFの間隔を大きくする必要が生じるので、レンズ全長の大型化を招く。
【0092】
条件式(7)の上限を超えると、広角側において第1レンズ群G1と前群G2AFの間隔が小さくなるので、レンズ全系のコンパクト化には有利となるが、第1レンズ群G1の焦点距離が小さくなる傾向にあるので、十分な性能が得られない問題がある。
【0093】
条件式(8)は、本発明の超広角レンズ系において、広角端でのレンズ全系の焦点距離に対する第2Aレンズ群後群G2ARの焦点距離の比を規定するものである。
【0094】
条件式(8)の下限値を超えると、後群G2ARの正の屈折力が強くなるので、後群G2ARの各面の曲率が強くなり過ぎ、偏芯敏感度が大きくなるという問題が生じる。
【0095】
条件式(8)の上限値を超えると、後群G2ARの正の屈折力が弱くなるので、後群G2ARから射出する周辺光束に対して十分な屈折効果が得られず、第2Bレンズ群G2Bに入射する光線高が高くなり過ぎる。その結果、第2Bレンズ群G2Bでサジタルコマフレアーの補正不足になるという問題が生じる。
【0096】
さらに、本発明の超広角レンズ系において、第2Bレンズ群G2B内には、少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズからなる接合負レンズユニットL2BJoinを有することが望ましい。
【0097】
本発明の超広角レンズ系において、色収差等の収差補正をするため、第2Bレンズ群G2B内には、負レンズを配置することが必須条件となる。
【0098】
しかしながら、周辺光束の射出角が大きくなる第2Bレンズ群G2B内に負レンズを配置すると、収差補正のために負レンズの屈折力が強くなる傾向にあり、負レンズの偏芯敏感度が大きくなってしまう。また、正レンズの屈折力もこれに応じて強くする必要があり、正レンズの偏芯敏感度も同時に大きくなる。
【0099】
したがって、屈折力が強い負レンズと正レンズを接合し、接合負レンズユニット全体の焦点距離を適切に設定することで、十分な収差補正効果を得つつ、偏芯敏感度を小さくすることができる。
【0100】
そのため、本発明は、さらに次の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)−15.0<f2BJoin/fw<−2.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2BJoin:第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinの焦点距離
【0101】
条件式(9)は、本発明の超広角レンズ系において、広角端でのレンズ全系の焦点距離に対する第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoin全体の焦点距離の比を規定するものである。
【0102】
条件式(9)の下限を超えると、接合負レンズユニットL2BJoinの負の屈折力が小さくなるため、収差補正効果が不十分となる。
【0103】
条件式(9)の上限を超えると、接合負レンズユニットL2BJoinの負の屈折力が強くなるため、偏芯敏感度が大きくなる。
【0104】
さらに、本発明の超広角レンズ系において、第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinは、次の条件式(10)及び条件式(11)を満足することが望ましい。
(10)Nd2BN>1.8
(11)Vd2BP>80
但し、
Nd2BN:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の負レンズの屈折率
Vd2BP:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の正レンズのアッベ数
【0105】
条件式(10)は、第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinを構成する負レンズの屈折率を規定したものであり、条件式(11)は、第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinを構成する正レンズのアッべ数を規定したものである。
【0106】
第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinを構成する負レンズの屈折力を条件式(10)の範囲内とすることで、負レンズの屈折力を維持しつつ各レンズ面の曲率を小さくすることができる。
【0107】
また、第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinを構成する正レンズのアッベ数を条件式(11)の範囲内とすることで、広角レンズで問題となる倍率色収差を補正することができる。さらに、接合負レンズユニットL2BJoinの屈折力を維持しつつ、接合面の曲率を小さくすることができ、正レンズ及び負レンズそれぞれの屈折力を小さくできる。
【0108】
次に、本発明の超広角レンズ系に係る実施例のレンズ構成について説明する。なお、以下の説明ではレンズ構成を物体側から像側の順番で記載する。
【実施例1】
【0109】
図1は、本発明の実施例1の結像光学系のレンズ構成図である。
【0110】
第1レンズ群G1は、第1Aレンズ群G1Aと第1Bレンズ群G1Bとから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0111】
第1Aレンズ群G1Aは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0112】
また、負メニスカスレンズL2の両側レンズ面は、所定の非球面形状となっている。
【0113】
第1Bレンズ群G1Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と両凸レンズL5とからなり、全体として負の屈折力を有する接合レンズとから構成されており、全体として負の屈折力を有している。この第1Bレンズ群G1Bは、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って物体側に移動する。
【0114】
また、負メニスカスレンズL3の両側レンズ面と、両凹レンズL4の物体側レンズ面とは、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0115】
第2レンズ群G2は、開口絞りと、両凸レンズL6と、両凹レンズL7と、両凸レンズL8と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL9と、両凸レンズL10と、両凹レンズL11と、両凸レンズL12とからなり、全体として負の屈折力を有する3枚接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL13とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0116】
また、正メニスカスレンズL13の両側レンズ面は、所定の非球面形状となっている。
【0117】
また、本発明では正メニスカスレンズL13をL2aspと定義している。
【実施例2】
【0118】
図6は、本発明の実施例2の結像光学系のレンズ構成図である。
【0119】
第1レンズ群G1は、第1Aレンズ群G1Aと第1Bレンズ群G1Bとから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0120】
第1Aレンズ群G1Aは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0121】
また、負メニスカスレンズL2の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0122】
第1Bレンズ群G1Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凸レンズL5とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。この第1Bレンズ群G1Bは、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って物体側に移動する。
【0123】
また、負メニスカスレンズL3の両側レンズ面と、両凹レンズL4の像面側レンズ面とは、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0124】
第2レンズ群G2は、前群G2AFと開口絞りと後群G2ARとから構成される第2Aレンズ群G2Aと、第2Bレンズ群G2Bとから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0125】
前群G2AFは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6から構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0126】
後群G2ARは、両凸レンズL7と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL8とからなり、全体として負の屈折力を有する接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL9と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL10とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL11と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL12とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL13とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0127】
第2Bレンズ群G2Bは、両凹レンズL14と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL16とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0128】
また、両凸レンズL16の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0129】
また、本発明では、両凹レンズL14と正メニスカスレンズL15とからなる接合レンズをL2BJoinと定義し、両凸レンズL16をL2aspと定義している。
【実施例3】
【0130】
図19は、本発明の実施例3の結像光学系のレンズ構成図である。
【0131】
第1レンズ群G1は、第1Aレンズ群G1Aと第1Bレンズ群G1Bとから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0132】
第1Aレンズ群G1Aは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0133】
また、負メニスカスレンズL2の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0134】
第1Bレンズ群G1Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凸レンズL5とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。この第1Bレンズ群G1Bは、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って物体側に移動する。
【0135】
また、負メニスカスレンズL3の両側レンズ面と、両凹レンズL4の像面側レンズ面とは、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0136】
第2レンズ群G2は、前群G2AFと開口絞りと後群G2ARとから構成される第2Aレンズ群G2Aと、第2Bレンズ群G2Bとから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0137】
前群G2AFは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6から構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0138】
後群G2ARは、両凸レンズL7と両凹レンズL8と物体側に平面を向けた凸レンズL9とからなり、全体として負の屈折力を有する3枚接合レンズと、両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL12とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0139】
第2Bレンズ群G2Bは、物体側に平面を向けた凹レンズL13と両凸レンズL14とからなり、全体として負の屈折力を有する接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL15とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0140】
また、正メニスカスレンズL15の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0141】
また、本発明では、両凹レンズL13と両凸レンズL14とからなる接合レンズをL2BJoinと定義し、正メニスカスレンズL15をL2aspと定義している。
【実施例4】
【0142】
図32は、本発明の実施例4の結像光学系のレンズ構成図である。
【0143】
第1レンズ群G1は、第1Aレンズ群G1Aと第1Bレンズ群G1Bとから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0144】
第1Aレンズ群G1Aは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0145】
また、負メニスカスレンズL2の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0146】
第1Bレンズ群G1Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凸レンズL5とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。この第1Bレンズ群G1Bは、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って物体側に移動する。
【0147】
また、負メニスカスレンズL3の両側レンズ面と、両凹レンズL4の像面側レンズ面とは、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0148】
第2レンズ群G2は、前群G2AFと開口絞りと後群G2ARとから構成される第2Aレンズ群G2Aと、第2Bレンズ群G2Bとから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0149】
前群G2AFは、両凸レンズL6から構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0150】
後群G2ARは、両凸レンズL7と両凹レンズL8と両凸レンズL9とからなり、全体として負の屈折力を有する3枚接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と両凸レンズL11とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL12とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0151】
第2Bレンズ群G2Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14とからなり、全体として負の屈折力を有する接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL15とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0152】
また、正メニスカスレンズL15の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0153】
また、本発明では、負メニスカスレンズL13と正メニスカスレンズL14とからなる接合レンズをL2BJoinと定義し、正メニスカスレンズL15をL2aspと定義している。
【実施例5】
【0154】
図45は、本発明の実施例5の結像光学系のレンズ構成図である。
【0155】
第1Aレンズ群G1Aは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0156】
また、負メニスカスレンズL2の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0157】
第1Bレンズ群G1Bは、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL3と、両凹レンズL4と、両凸レンズL5とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。この第1Bレンズ群G1Bは、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して光軸に沿って物体側に移動する。
【0158】
また、負メニスカスレンズL3の両側レンズ面と、両凹レンズL4の像面側レンズ面とは、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0159】
第2レンズ群G2は、前群G2AFと開口絞りと後群G2ARとから構成される第2Aレンズ群G2Aと、第2Bレンズ群G2Bとから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0160】
前群G2AFは、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL6から構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0161】
後群G2ARは、両凸レンズL7と両凹レンズL8と像面側に平面を向けた凸レンズL9とからなり、全体として負の屈折力を有する3枚接合レンズと、両凸レンズL10と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL11とからなり、全体として正の屈折力を有する接合レンズと、両凸レンズL12とから構成されており、全体として負の屈折力を有している。
【0162】
第2Bレンズ群G2Bは、物体側に平面を向けた負メニスカスレンズL13と両凸レンズL14とからなり、全体として負の屈折力を有する接合レンズと、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL15とから構成されており、全体として正の屈折力を有している。
【0163】
また、正メニスカスレンズL15の両側レンズ面は、それぞれ所定の非球面形状となっている。
【0164】
また、本発明では、負メニスカスレンズL13と両凸レンズL14とからなる接合レンズをL2BJoinと定義し、正メニスカスレンズL15をL2aspと定義している。
【0165】
以下に、前述した各実施例に対応する数値実施例の具体的な数値データを示す。
【0166】
各数値実施例の[全体諸元]において、fは焦点距離、FnoはFナンバー、2ωは全画角を示す。[レンズ諸元]において、第1列の番号は物体側からのレンズ面番号、第2列のrは各レンズ面の曲率半径、第3列のdはレンズ面間隔、第4列のndはd線(波長587.56nm)に対する屈折率、Vdはd線(波長587.56nm)に対するアッベ数を示している。
【0167】
第1列のレンズ面番号に付した*(アスタリスク)は、そのレンズ面形状が非球面であることを示している。第2列の「開口絞り」は絞り面位置を表し、第3列のBfはバックフォーカスを表す。
【0168】
[無限遠撮影時の変倍における可変間隔]及び[40倍相当撮影時の変倍における可変間隔]において、焦点距離fはINFでの焦点距離、Bfはバックフォーカス、dnは各面のレンズ間隔を示しており、d0は被写体からレンズ第1面までの距離を示している。
【0169】
[非球面係数]は、[レンズ諸元]において*を付したレンズ面の非球面形状を与える非球面係数を示している。非球面の形状は、光軸に直行する方向への光軸からの変位をy、非球面と光軸の交点から光軸方向への変位(サグ量)をz、基準球面の曲率半径をr、コーニック係数をK、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数をそれぞれA4、A6、A8、A10、A12と置くとき、非球面の座標が以下の式で表されるものとする。
【0170】

【0171】
なお、以下の全ての諸元の値において、記載している焦点距離f、曲率半径r、レンズ面間隔d、その他の長さの単位は特記のない限りミリ(mm)を使用するが、光学系では比例拡大と比例縮小とにおいても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
【0172】
また、以下に前述した各実施例における条件式の値の一覧を示す。
【0173】
数値実施例1
単位:mm
[レンズ緒元]
r d nd Vd
[0] d0
[1] 39.2280 2.0000 2.00100 29.13
[2] 26.7670 10.6570
[3]* 179.6880 2.5000 1.77250 49.47
[4]* 49.9120 d4
[5]* 200.0000 2.5000 1.49710 81.56
[6]* 16.8640 8.2330
[7]* -124.2380 1.4000 1.49710 81.56
[8] 30.9670 4.9300 1.51742 52.15
[9] -456.6360 12.0880
[10] (固定絞り) d10
[11] (開口絞り) 1.4630
[12] 27.1280 6.0000 1.74077 27.76
[13] -31.1270 1.6090
[14] -17.7070 0.8000 1.91082 35.25
[15] 39.3400 1.7280
[16] 29.6480 4.1820 1.67270 32.17
[17] -24.4910 0.1500
[18] -812.1810 2.9600 1.43700 95.10
[19] -24.8070 0.1500
[20] 52.2750 5.4700 1.43700 95.10
[21] -14.0260 0.9000 1.90366 31.32
[22] 20.2430 7.0130 1.43700 95.10
[23] -28.9210 0.6865
[24]* -43.8420 5.2600 1.49710 81.56
[25]* -15.4440 Bf

[全体緒元]
INF 1:40
f 12.45 12.37
Fno 2.90 2.90
2ω 122.60 122.25

[撮影距離の変化における可変間隔]
d0 INF 470.1864
d4 11.3500 10.8001
d10 12.0880 12.6379
Bf 38.3999 38.3999

[非球面データ]
3面 4面 5面 6面
K 0.0000 3.5900 0.0000 -3.0200
A4 3.6894E-05 2.4179E-05 5.2479E-05 1.3900E-04
A6 -7.7133E-08 -5.9447E-08 -1.1743E-07 -2.7847E-07
A8 7.1778E-11 2.0641E-11 2.8776E-10 5.7041E-10
A10 5.6610E-15 9.1165E-14 -2.8743E-13 -1.0603E-12
A12 -2.1401E-17 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
7面 24面 25面
K 0.0000 0.0000 -4.0600
A4 -4.2980E-06 9.0976E-06 -1.0289E-04
A6 2.2144E-09 -2.0587E-08 5.2112E-07
A8 5.7572E-11 9.6134E-10 -2.5353E-09
A10 -2.1580E-14 -2.0424E-12 9.2929E-12
A12 0.0000E+00 2.2367E-15 -9.0737E-15
【0174】
数値実施例2
単位:mm
[レンズ緒元]
r d nd Vd
[0] d0
[1] 40.3820 2.0000 2.00100 29.13
[2] 27.0060 8.6010
[3]* 200.0000 2.5000 1.77250 49.47
[4]* 81.5750 d4
[5]* 33.5520 2.5000 1.77250 49.47
[6]* 12.2720 10.9930
[7] -211.3710 1.5000 1.49710 81.56
[8]* 39.1550 1.0920
[9] 47.8000 3.9780 2.00100 29.13
[10] -510.3340 d10
[11] 28.7390 6.0000 1.62004 36.30
[12] 67.4550 2.8820
[13] (開口絞り) 1.9510
[14] 216.1010 10.0000 1.43700 95.10
[15] -17.5500 0.8000 1.88300 40.81
[16] -66.1840 0.8710
[17] -113.5990 2.2240 1.84666 23.78
[18] -24.0270 0.8000 1.77250 49.62
[19] -76.7490 0.4400
[20] 190.4810 8.9600 1.43700 95.10
[21] -15.7740 0.8500 1.91082 35.25
[22] -28.7100 0.1500
[23] 54.5970 7.0490 1.43700 95.10
[24] -27.0250 d24
[25] -384.2960 0.9000 1.91082 35.25
[26] 36.6210 3.8030 1.43700 95.10
[27] 178.0690 0.8540
[28]* 200.0060 5.4010 1.49710 81.56
[29]* -29.0810 Bf

[全体緒元]
f 12.45 14.99 17.40
Fno 2.92 3.43 4.13
2ω 122.60 112.29 102.94

[撮影距離の変化における可変間隔]
f 12.45 14.99 17.40
d0 ∞ ∞ ∞
d4 11.3500 11.3500 11.3500
d10 18.8660 8.4250 1.3500
d24 0.9000 2.0530 3.2780
Bf 38.2991 41.7941 45.0101

[40倍相当撮影時の変倍における可変間隔]
f 12.39 14.90 17.28
d0 468.4857 570.2787 665.9127
d4 10.3521 10.5232 10.6378
d10 19.8639 9.2518 2.0622
d24 0.9000 2.0530 3.2780
Bf 38.2991 41.7941 45.0101

[非球面データ]
3面 4面 5面 6面
K 0.0000 -55.3470 1.3560 -2.9600
A4 5.7558E-05 7.0688E-05 2.2916E-05 1.9270E-04
A6 -1.0037E-07 -7.9874E-08 -2.4746E-07 -1.3351E-06
A8 1.0299E-10 3.0074E-11 7.1525E-10 4.4625E-09
A10 -7.9609E-14 3.7319E-14 -6.7109E-13 -4.5616E-12
A12 3.0654E-17 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
8面 28面 29面
K 0.0000 0.0000 -18.5620
A4 -1.3136E-05 8.1164E-06 -6.0646E-05
A6 1.0909E-07 9.4667E-09 6.2599E-07
A8 -6.1523E-10 -7.9412E-10 -4.0912E-09
A10 8.3173E-13 5.8247E-12 1.5955E-11
A12 0.0000E+00 -1.2521E-14 -2.4646E-14
【0175】
数値実施例3
単位:mm
[レンズ緒元]
r d nd Vd
[0] d0
[1] 40.4790 2.0000 2.00100 29.13
[2] 27.1070 9.5210
[3]* 46.8160 2.6000 1.77250 49.47
[4]* 29.2030 d4
[5]* 183.9070 2.5000 1.77250 49.47
[6]* 22.5640 10.3700
[7] -54.3830 1.5000 1.49710 81.56
[8]* 36.4880 1.7830
[9] 62.6430 3.6680 2.00100 29.13
[10] -138.8920 d10
[11] 34.1970 3.0000 1.77250 49.62
[12] 127.6050 6.1860
[13] (開口絞り) 4.1050
[14] 35.0010 5.0000 1.71736 29.50
[15] -13.9070 0.8000 1.83481 42.72
[16] 13.3930 4.1220 1.43700 95.10
[17] 0.0000 1.1980
[18] 80.3000 5.4130 1.43700 95.10
[19] -17.6140 0.8500 2.00100 29.13
[20] -28.2520 0.1500
[21] 216.7460 8.1470 1.43700 95.10
[22] -17.1990 d22
[23] 0.0000 0.9000 1.91082 35.25
[24] 42.8320 5.1680 1.43700 95.10
[25] -88.7600 2.1270
[26]* -44.2650 3.6220 1.49710 81.56
[27]* -25.8130 Bf

[全体緒元]
f 12.45 14.99 17.40
Fno 2.92 3.44 4.13
2ω 122.60 112.29 102.94

[撮影距離の変化における可変間隔]
f 12.45 14.99 17.40
d0 ∞ ∞ ∞
d4 11.3500 11.3500 11.3500
d10 16.5340 7.4510 1.3500
d22 1.1980 3.6480 6.6110
Bf 38.3011 41.1931 43.3415

[40倍相当撮影時の変倍における可変間隔]
f 12.40 14.91 17.30
d0 469.8869 571.6279 667.6175
d4 10.5618 10.6966 10.7873
d10 17.3222 8.1044 1.9127
d22 1.1980 3.6480 6.6110
Bf 38.3011 41.1931 43.3415

[非球面データ]
3面 4面 5面 6面
K -150.0000 -38.0000 0.0000 -1.4500
A4 5.4107E-05 7.0071E-05 8.5667E-05 1.3010E-04
A6 -9.7044E-08 -1.2509E-07 -3.3471E-07 -4.5394E-07
A8 3.3583E-11 3.7363E-11 7.8212E-10 1.2016E-10
A10 8.5034E-14 1.2950E-13 -5.4892E-13 4.1062E-12
A12 -6.5244E-17 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
8面 26面 27面
K 0.0000 0.0000 -12.2100
A4 -1.3276E-05 -7.7681E-06 -7.1377E-05
A6 1.0713E-07 -3.5339E-08 4.6495E-07
A8 -6.4910E-10 -5.8645E-10 -3.0346E-09
A10 8.0916E-13 9.2707E-12 1.4577E-11
A12 0.0000E+00 -2.0900E-14 -2.2646E-14
【0176】
数値実施例4
単位:mm
[レンズ緒元]
r d nd Vd
[0] d0
[1] 39.9880 2.0000 2.00100 29.13
[2] 27.3020 9.6820
[3]* 38.3640 2.6000 1.77250 49.47
[4]* 24.0360 d4
[5]* 200.0010 2.5000 1.77250 49.47
[6]* 25.6710 10.1290
[7] -67.0800 1.5000 1.49710 81.56
[8]* 33.1300 2.1460
[9] 77.7360 3.4770 2.00100 29.13
[10] -122.1130 d10
[11] 75.3160 1.7980 1.77250 49.62
[12] -137.8290 6.6390
[13] (開口絞り) 3.5360
[14] 258.4270 9.0000 1.62004 36.30
[15] -13.2270 0.8000 1.88300 40.81
[16] 14.9660 5.1000 1.69895 30.05
[17] -49.5710 0.3720
[18] 36.5870 0.8500 1.84666 23.78
[19] 22.8880 5.8550 1.43700 95.10
[20] -44.8250 0.1500
[21] 100.0420 7.9010 1.43700 95.10
[22] -18.8140 d22
[23] 145.3430 0.9000 2.00100 29.13
[24] 29.1930 3.8640 1.43700 95.10
[25] 93.8490 3.3400
[26]* -133.7190 3.7660 1.49710 81.56
[27]* -35.9780 Bf

[全体緒元]
f 12.45 14.98 17.40
Fno 2.92 3.44 4.12
2ω 122.72 111.77 102.17

[撮影距離の変化における可変間隔]
f 12.45 14.98 17.40
d0 ∞ ∞ ∞
d4 11.3500 11.3500 11.3500
d10 17.4360 7.9220 1.3500
d22 0.9500 1.9500 3.0650
Bf 38.2111 41.7478 44.8335

[40倍相当撮影時の変倍における可変間隔]
f 12.40 14.90 17.29
d0 469.1479 571.1252 666.4965
d4 10.5381 10.6774 10.7704
d10 18.2479 8.5946 1.9296
d22 0.9500 1.9500 3.0650
Bf 38.2111 41.7478 44.8335

[非球面データ]
3面 4面 5面 6面
K -54.4700 -15.8800 0.0000 -0.6900
A4 4.4134E-05 5.0559E-05 1.0400E-04 1.5400E-04
A6 -1.0030E-07 -8.8162E-08 -4.1643E-07 -5.5900E-07
A8 1.0361E-10 3.5078E-11 9.4671E-10 2.8024E-10
A10 -1.9037E-14 1.1550E-13 -7.0290E-13 3.8500E-12
A12 -1.9337E-17 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
8面 26面 27面
K 0.0000 0.0000 -15.1400
A4 -1.7840E-05 -2.4129E-05 -4.0269E-05
A6 8.1495E-08 -2.4930E-08 1.5640E-07
A8 -5.2696E-10 -2.0373E-09 -2.0853E-09
A10 5.4698E-13 9.0634E-12 7.4189E-12
A12 0.0000E+00 4.6968E-15 2.5153E-15
【0177】
数値実施例5
単位:mm
[レンズ緒元]
r d nd Vd
[0] d0
[1] 41.3580 2.0000 2.00100 29.13
[2] 26.7920 8.5510
[3]* 37.1660 2.6000 1.77250 49.47
[4]* 26.3370 d4
[5]* 171.4850 2.5000 1.77250 49.47
[6]* 21.7880 11.0820
[7] -53.0110 1.5000 1.49710 81.56
[8]* 40.5520 1.7410
[9] 74.3360 3.6720 2.00100 29.13
[10] -116.5720 d10
[11] 44.9780 1.8120 1.77250 49.62
[12] 338.7650 7.3650
[13] (開口絞り) 5.3590
[14] 34.0840 4.4210 1.72825 28.32
[15] -14.3010 0.8000 1.83481 42.72
[16] 13.4570 4.3720 1.43700 95.00
[17] 0.0000 0.8760
[18] 66.0730 5.6830 1.43700 95.00
[19] -17.4840 0.8500 2.00100 29.13
[20] -26.6110 0.1500
[21] 184.6970 8.1130 1.43700 95.00
[22] -17.4500 d22
[23] 0.0000 0.9000 1.91082 35.25
[24] 33.7970 8.0790 1.43700 95.00
[25] -94.2300 2.1140
[26]* -46.1720 3.4850 1.49710 81.56
[27]* -27.3410 Bf

[全体緒元]
f 12.45 15.02 17.40
Fno 2.92 3.44 4.11
2ω 122.63 111.49 101.80

[撮影距離の変化における可変間隔]
f 12.45 14.98 17.40
d0 ∞ ∞ ∞
d4 11.3500 11.3500 11.3500
d10 17.5760 7.8280 1.3500
d22 0.9500 2.6730 4.6540
Bf 38.2369 41.5369 44.1022

[40倍相当撮影時の変倍における可変間隔]
f 12.41 14.94 17.30
d0 470.8464 573.5871 668.5188
d4 10.5743 10.7079 10.7961
d10 18.3517 8.4701 1.9039
d22 0.9500 2.6730 4.6540
Bf 38.2369 41.5369 44.1022

[非球面データ]
3面 4面 5面 6面
K -100.0000 -38.0000 0.0000 -1.1800
A4 6.0360E-05 7.6535E-05 8.9050E-05 1.3330E-04
A6 -1.0333E-07 -1.4281E-07 -3.3887E-07 -4.2697E-07
A8 2.1217E-11 6.8774E-11 7.3118E-10 -2.8704E-10
A10 1.0898E-13 9.0769E-14 -4.4742E-13 4.9666E-12
A12 -7.7375E-17 0.0000E+00 0.0000E+00 0.0000E+00
8面 26面 27面
K 0.0000 0.0000 -13.4800
A4 -1.2956E-05 -6.7127E-06 -6.5856E-05
A6 8.8076E-08 -2.0182E-08 4.5173E-07
A8 -5.0887E-10 -7.4453E-10 -3.0455E-09
A10 5.6142E-13 9.5596E-12 1.4724E-11
A12 0.0000E+00 -2.1714E-14 -2.3763E-14
【0178】
[条件式対応値]
条件式 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1) 3.4<|f1A/fw|<6.0 3.45 4.60 3.68 3.47 3.82
(2) 0.5<|f1B/f1A|<3.0 0.79 0.70 0.84 0.94 0.79
(3) 2.0<f2/fw<5.0 2.56 3.04 3.08 2.99 3.15
(4) 1.0<f2asp/f2<5.0 1.42 1.36 3.05 2.63 3.24
(5) 2.0<f2A/fw<5.0 2.89 2.92 2.47 2.75
(6) 10.0<|f2B/fw| 21.39 24.10 14.75 16064.64
(7) 2.5<|f2AF/f1|< 5.0 3.69 3.29 3.49 3.70
(8) 2.0<|f2AR/fw|<5.0 3.13 3.38 2.48 2.93
(9) -15.0<f2BJoin/fw<-2.0 -4.49 -13.52 -4.68 -8.91
(10) Nd2BN>1.8 1.91 1.91 2.00 1.91
(11) Vd2BP>80 95.10 95.10 95.10 95.10
【符号の説明】
【0179】
G1 第1レンズ群
G1A 第1Aレンズ群
G1B 第1Bレンズ群
G2 第2レンズ群
G2A 第2Aレンズ群
G2AF 第2Aレンズ群前群
G2AR 第2Aレンズ群後群
G2B 第2Bレンズ群
L2BJoin 第2Bレンズ群内の接合負レンズユニット
L2asp 第2レンズ群内の少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2からなり、
前記第1レンズ群G1は、負の屈折力の第1Aレンズ群G1A、負の屈折力の第1Bレンズ群G1Bで構成され、
さらに、前記第1Aレンズ群G1Aは、物体側から順に、負メニスカスレンズの第1レンズL1、少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズの第2レンズL2で構成され、
前記第1Bレンズ群G1Bは、最も物体側に少なくとも1面に非球面を有する負メニスカスレンズL3を有し、
フォーカシングの際、前記第1Bレンズ群G1Bを物体側に移動させ、
前記第2レンズ群G2は、最も像側に少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspを有し、
以下の条件を満足することを特徴とする超広角レンズ系。
(1)3.4<|f1A/fw|<6.0
(2)0.5<|f1B/f1A|<3.0
(3)2.0<f2/fw<5.0
(4)1.0<f2asp/f2<5.0
但し、
fw:レンズ全系の焦点距離、又は、広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1A:第1Aレンズ群G1Aの焦点距離
f1B:第1Bレンズ群G1Bの焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離、又は、広角端における第2レンズ群G2の焦点距離
f2asp:第2レンズ群G2内の少なくとも1面に非球面を有する正レンズユニットL2aspの焦点距離
【請求項2】
前記第2レンズ群G2は、第2Aレンズ群G2A、第2Bレンズ群G2Bで構成され、
広角端側から望遠端側へのズーミングの際、前記第1レンズ群G1と前記第2Aレンズ群G2Aとの間隔が減少し、前記第2Aレンズ群G2Aと前記第2Bレンズ群G2Bとの間隔が増加することを特徴とする請求項1に記載の超広角レンズ系。
【請求項3】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の超広角レンズ系。
(5)2.0<f2A/fw<5.0
(6)10.0<|f2B/fw|
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2A:第2Aレンズ群G2Aの焦点距離
f2B:第2Bレンズ群G2Bの焦点距離
【請求項4】
前記第2Aレンズ群G2Aが絞りユニットを挟んだ前側の第2Aレンズ群前群G2AF、後側の第2Aレンズ群後群G2ARに分かれ、
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の超広角レンズ系。
(7)2.5<|f2AF/f1|<5.0
(8)2.0<|f2AR/fw|<5.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2AF:第2Aレンズ群前群G2AFの焦点距離
f2AR:第2Aレンズ群後群G2ARの焦点距離
【請求項5】
前記第2Bレンズ群G2Bは、少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズからなる接合負レンズユニットL2BJoinを有し、
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の超広角レンズ系。
(9)−15.0<f2BJoin/fw<−2.0
但し、
fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
f2BJ:第2Bレンズ群G2B内の接合負レンズユニットL2BJoinの焦点距離
【請求項6】
以下の条件を満足することを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の超広角レンズ系。
(10)Nd2BN>1.8
(11)Vd2BP>80
但し、
Nd2BN:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の負レンズの屈折率
Vd2BP:接合負レンズユニットL2BJoin内における少なくとも1枚の正レンズのアッベ数

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【公開番号】特開2013−20073(P2013−20073A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152951(P2011−152951)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000131326)株式会社シグマ (167)
【Fターム(参考)】