超音波診断装置及び超音波画像処理装置
【課題】ボリュームデータを用いて計測精度の高いNT計測を実現することができる超音波診断装置及び超音波画像処理装置を提供すること。
【解決手段】胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さの分布を示す画像を生成する画像生成ユニットと、前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、を具備する超音波診断装置である。
【解決手段】胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さの分布を示す画像を生成する画像生成ユニットと、前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、を具備する超音波診断装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
超音波により生体内を画像化し診断を行う超音波診断装置等に関するものであり、特に取得画像に対するNT(Nuchal Translucency:例えば、妊娠初期の胎児を超音波診断する際に対象とされる、後頚部に存在する領域)計測を行う超音波診断装置及び超音波画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てることで心臓の拍動、臓器の断面、胎児の動き等をリアルタイムに観察することで、実行される。システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便である。また、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、安全性が高いため繰り返して検査を行うことができ、産科、胎児診断や在宅医療等においても使用されている。
【0003】
例えば、胎児診断における超音波診断装置を用いたNT計測は、遺伝子疾患の可能性を確認する有効な一つのユニットとして知られている。この計測では、計測精度が0.1mmで、胎児の基準妊娠週数(GA)が11−13+6週で、頭殿長(CRL)が45mmから84mmであること、その他胎児の体位や画像サイズ゛なども言及しており、正確な計測を行うためにトレーニングが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−126号公報
【特許文献2】国際公開番号WO2009/136332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超音波診断装置にはNT計測を支援する機能がなく、NT計測は通常の二次元画像を用いて実行される。このため、ユーザーは適正な(例えばNT厚が最大になる)二次元断面を選択し描出することが難しく、十分な計測精度を満たすNT計測を実現できない場合がある。また、従来の超音波診断においては、ボリュームデータ(三次元画像データ)を用いたNT計測の手法は確立されていない。
【0006】
上記事情を鑑みて、ボリュームデータを用いて計測精度の高いNT計測を実現することができる超音波診断装置及び超音波画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る超音波診断装置は、胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域に関する複数の厚さを計測する計測ユニットと、前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、を具備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。
【図2】図2は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図の変形例を示している。
【図3】図3は、本NT計測支援処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】図4は、矢状断面画像に対する基準領域・基準点の設定を説明するための図である。
【図5】図5は、視線方向の決定処理の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、視線方向の決定処理の他の例を説明するための図である。
【図7】図7は、視線方向に関するNTの厚さの計測処理の一例を説明するための図である。
【図8】図8は、視線方向に関するNTの厚さの計測処理の他の例を説明するための図である。
【図9】図9は、NT領域を含む三次元画像の生成処理を説明するための図である。
【図10】図10は、NT領域を含む三次元画像の生成処理を説明するための図である。
【図11】図11は、視線方向・NTデータの向きの調整処理を説明するための図である。
【図12】図12は、視線方向・NTデータの向きの調整処理に用いられる角度調整用のアイコンの一例を示した図である。
【図13A】図13Aは、NTの最大値及び三次元画像の表示形態の一例を示した図である。
【図13B】図13Bは、NT厚さの表示形態の他の例を示した図である。
【図13C】図13Cは、NT厚さの表示形態の他の例を示した図である。
【図14】図14は、NT領域を含む三次元画像に設定される計測領域の一例を示した図である。
【図15】図15は、NTの最大値及び三次元画像の表示形態の他の例を示した図である。
【図16】図16は、NT領域を含む三次元画像に設定される計測領域の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、血流検出ユニット24、RAWデータメモリ25、ボリュームデータ生成ユニット26、NT計測支援処理ユニット27、画像処理ユニット28、制御プロセッサ(CPU)29、表示処理ユニット30、記憶ユニット31、インタフェースユニット32を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
【0011】
超音波プローブ12は、被検体に対して超音波を送信し、当該送信した超音波に基づく被検体からの反射波を受信するデバイス(探触子)であり、その先端に複数に配列された圧電振動子、整合層バッキング材等を有している。圧電振動子は、超音波プローブ12は、超音波送信ユニット21からの駆動信号に基づきスキャン領域内の所望の方向に超音波を送信し、当該被検体からの反射波を電気信号に変換する。整合層は、当該圧電振動子に設けられ、超音波エネルギーを効率良く伝播させるための中間層である。バッキング材は、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止する。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0012】
なお、本実施形態に係る超音波プローブ12は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ12として例えば一次元アレイプローブを採用し、これを手動によって揺動させながら超音波走査をすることでも、ボリュームデータを取得することは可能である。
【0013】
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。例えば、操作者が入力装置13の終了ボタンやFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、当該超音波診断装置は一時停止状態となる。
【0014】
モニター14は、画像処理ユニット28からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。
【0015】
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。トリガ発生回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのトリガパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各トリガパルスに与えられる。パルサ回路は、このトリガパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
【0016】
なお、超音波送信ユニット21は、制御プロセッサ29の指示に従って所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0017】
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定し、受信ダイナミックフォーカスを行うのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0018】
Bモード処理ユニット23は、受信ユニット22からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
【0019】
血流検出ユニット24は、受信ユニット22から受け取ったエコー信号から血流信号を検出し、血流データを生成する。血流信号の検出は、通常CFM(Color Flow Mapping)で行われる。この場合、血流信号を解析し、血流データとして平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。
【0020】
RAWデータメモリ25は、Bモード処理ユニット23から受け取った複数のBモードデータを用いて、三次元的な超音波走査線上のBモードデータであるBモードRAWデータを生成する。また、RAWデータメモリ25は、血流検出ユニット24から受け取った複数の血流データを用いて、三次元的な超音波走査線上の血流データである血流RAWデータを生成する。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、RAWデータメモリ25の後に三次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0021】
ボリュームデータ生成ユニット26は、RAW−ボクセル変換を実行することにより、RAWデータメモリ25から受け取ったBモードRAWデータからBモードボリュームデータを生成する。このRAW−ボクセル変換は、空間的な位置情報を加味した補間処理により、Bモードボクセルデータを生成するものである。同様に、ボリュームデータ生成ユニット26は、RAW−ボクセル変換を実行することにより、RAWデータメモリ25から受け取った血流RAWデータから血流ボリュームデータを生成する。
【0022】
NT計測支援処理ユニット27は、制御プロセッサ29からの制御に基づいて、ボリュームデータ生成ユニット26において生成されるボリュームデータに対して、後述するNT計測支援機能に従う処理を実行する。
【0023】
画像処理ユニット28は、ボリュームデータ生成ユニット26、NT計測支援処理ユニット27から受け取るボリュームデータに対して、ボリュームレンダリング、多断面変換表示(MPR:multi planar reconstruction)、最大値投影表示(MIP:maximum intensity projection)等の所定の画像処理を行う。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理ユニット28の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0024】
制御プロセッサ29は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する。制御プロセッサ29は、記憶ユニット31から後述するNT計測支援機能を実現するための専用プログラムを読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する。
【0025】
表示処理ユニット30は、画像処理ユニット28において生成・処理された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、RGB変換等の各種を実行する。
【0026】
記憶ユニット31は、後述するNT計測支援機能を実現するための専用プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件、スペックル除去機能を実現するためのプログラム、ボディマーク生成プログラムその他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、RAWデータメモリ25中の画像の保管などにも使用される。記憶ユニット31のデータは、インタフェースユニット32を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
【0027】
インタフェースユニット32は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェースユニット32よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
【0028】
(NT計測支援機能)
次に、本超音波診断装置1が有するNT計測支援機能について説明する。この機能は、超音波診断装置によって取得されたボリュームデータを用いた高精度なNT計測を支援するものである。
【0029】
なお、以下の説明においては、ボリュームデータ生成ユニット26において生成された超音波画像に対して、NT計測支援機能に従う処理(NT計測支援処理)を実行する場合を例とする。しかしながら、これに拘泥されず、例えば、ボリュームデータ生成ユニット26に入力される前のRAWデータに対して、NT計測支援処理を実行するようにしてもよい。図2に、係る場合の超音波診断装置1のブロック構成図の一例を示した。
【0030】
図3は、本NT計測支援処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。
【0031】
[患者情報・送受信条件を入力受:ステップS1]
入力装置13を介して患者情報の入力、送受信条件(被走査領域の大きさを決めるための画角、焦点位置、送信電圧等)、被検体の所定領域を超音波走査するための撮像モード、スキャンシーケンス等の選択が実行される(ステップS1)。入力、選択された各種情報・条件等は、自動的に記憶ユニット31に記憶される。
【0032】
[ボリュームデータを取得:ステップS2]
超音波プローブ12が妊婦の所望の位置に当接され、胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を被走査領域として超音波走査が実行され、超音波データが取得される。取得された超音波データは、超音波受信ユニット22を経由してBモード処理ユニット23に逐次送られる。Bモード処理ユニット23は、対数増幅処理、包絡線検波処理等を実行し、信号強度が輝度で表現される画像データをフレーム毎に生成する。RAWデータメモリ25は、Bモード処理ユニット23から受け取った複数のBモードデータを用いてBモードRAWデータを生成する。ボリュームデータ生成ユニット26は、RAWデータメモリ25から受け取ったBモードRAWデータに対してRAW−ボクセル変換を実行することにより、Bモードボリュームデータを生成する(ステップS2)。
【0033】
[矢状断面画像を生成・表示:ステップS3]
次に、画像処理ユニット28は、生成されたボリュームデータを用いて、NT領域(胎児のNTに対応する領域)を含む胎児の矢状断面画像を生成する。生成された矢状断面画像は、モニター14に所定の形態で表示される(ステップS3)。
【0034】
[矢状断面画像の基準領域・基準点を設定:ステップS4]
例えば図4に示すように、入力装置13を介して、NT計測開始が選択され、矢状断面画像に対しNT領域及び表示対象領域が入力されると、画像処理ユニット28は、矢状断面画像上にNT領域及び表示対象領域を設定する(ステップS4)。しかしながら、NT領域及び表示対象領域の入力・設定手法は、当該例に拘泥されない。例えば、入力装置13を介して、矢状断面画像上のNT領域内の任意の一点(NT領域の中心付近の点等)を指定することで、当該点を基準として、NT領域を自動的に設定するようにしてもよい。さらに、表示対象領域は、設定されたNT領域を基準として、自動的に設定するようにしてもよい。
【0035】
なお、本ステップにおいて設定されたNT領域及び表示対象領域は、入力装置13からの入力により、任意のタイミングでその位置、大きさ、向きを変更することが可能である。
【0036】
[NTデータ、NT領域の長手方向の検出:ステップS5]
NT計測支援処理ユニット27は、ボリュームデータから、設定された表示対象領域に対応する表示対象データ、及びNT領域に対応するNTデータ(計算機で処理するためのNT領域に対応するデータ)を検出する。また、NT計測支援処理ユニット27は、検出されたNTデータを用いて、NT領域の長手方向(NT方向)を検出する(ステップS5)。
【0037】
なお、NT領域に対応するNTデータの検出手法には、特に限定はない。例えば、ボクセル値による閾値処理(セグメンテーション)や、表示対象領域内において、矢状断面を画面奥行き方向(胎児の左右方向)にずらしながら、各断面においてNT領域の境界を検出する等の種々の手法を採用することができる。
【0038】
[視線方向の決定:ステップS6]
次に、NT計測支援処理ユニット27は、NT方向の厚さ計測及びレンダリングに用いる視線方向を、NT方向の法線方向として決定する(ステップS6)。なお、本実施形態においては、図5に示すように、画像上部又は右側を視点とし、腹側から背側へ向かう視線方向をNT方向の法線方向採用するものとする。しかしながら、視線方向としては、背側から腹側へ向かう方向及び腹側から背側へ向かう方向のいずれも採用することができ、胎児がどのような状態(上下向き、左右向き)で描出されても計測可能である。また、例えば矢状断面画像上の所望の位置に視線方向の基準点を指定し、当該視線方向の基準点とNT方向とから、視線方向を決定するようにしてもよい。この場合、例えば図6に示すように、NT方向を示すガイドラインと指定された視線方向の基準点とを表示し、当該視線方向の基準点からガイドラインに引いた垂線を視線方向として表示することが好ましい。さらに、視線方向はNT方向の法線方向に限定することなく、例えばNT方向を基準として一意的に決定される方向としてもよい。
【0039】
[視線方向に関するNTの厚さを計測:ステップS7]
次に、NT計測支援処理ユニット27は、NTデータ及び視線方向を用いて、視線方向のNTの厚さを計算する(ステップS7)。なお、NTの厚さの計算手法には、特に限定はない。例えば、図7に示すように、NT領域に内接する複数の球を設定し、最も大きな球体の直径を視線方向のNTの厚さとすることができる。また、例えば図8に示すように、視線方向に平行し且つNT領域を通過する複数の直線を設定し、NT領域によって切り取られる線分の長さの最大値視線方向のNTの厚さとしてもよい。
【0040】
[NT領域を含む三次元画像の生成・表示:ステップS8]
次に、画像処理ユニット28は、表示対象データを用いたレンダリング処理を実行し、NT領域を含むCavity画像或いは三次元画像を生成する。このとき、画像処理ユニット28は、図9に示すように、NT領域内のボクセルには高い値(白)を、その他のボクセルには低い値(黒)を割り当てたり、階調反転処理等を行うことにより、NT領域がそれ以外の領域よりも明るくするための強調処理を実行する。また、画像処理ユニット28は、図10に示すように、必要に応じて、NT領域につき、位置毎の厚さや分散値に応じて異なる色彩や濃度(輝度)を割り当てる等カラーマッピングを実行する。生成された三次元画像は、モニター14に所定の形態で表示される(ステップS8)。
【0041】
[視線方向・NTデータの向きの調整:ステップS9]
NT計測における胎児の傾きが正しくない場合、生成され表示されるNT領域は、例えば図11に示すように不完全な形状等にて表示される。係る場合には、視線方向、NTデータの向き、矢状断面画像の位置及び向きのうちの少なくとも一つを調整することで、NT領域を完全な形状等にて表示することができる。
【0042】
すなわち、画像処理ユニット28は、入力装置13からの入力に応答して、例えばNTの厚さが最大となる位置が表示対象領域の中心となるように、視線方向、NTデータの向き、矢状断面画像の位置及び向きのうちの少なくとも一つを変更する。また、NT計測支援処理ユニット27、画像処理ユニット28は、それぞれ変更後の視線方向、NTデータ等を用いて、ステップS7、S8の再度実行する。これらの処理は、所望の三次元画像が取得されるまで繰り返し実行される。
【0043】
なお、NTデータや矢状断面画像の向きは、その変更角度(傾き)が大きくなりすぎないように、表示される矢状断面画像や三次元画像を視認しながら調整することが好ましい。また、予め可動範囲を制限しておくことで、必要以上の変更を防ぐことができる。さらに、例えばNTの厚さが最大となる位置が表示対象領域の中心にないケースは、装置側によっても判定することが可能である。係る場合には、例えば図12に示すような角度調整用のアイコンを表示し、調整する角度方向を色彩によって明示することで、角度調整を積極的に促すようにしてもよい。
【0044】
[NTの最大値及び三次元画像の出力:ステップS10]
生成された三次元画像及び計算されたNT厚さは、所定の形態で出力され、記憶ユニット31に自動的に保存される(ステップS10)。本実施形態に係る超音波診断装置では、例えば図13Aに示す形態にて、矢状断面画像、NT領域を含む三次元画像、NT厚さをモニター14に表示する。NT領域に凹凸があり厚い個所が複数個ある場合は、厚さの最大値を表示するものとする(図13Aの矢状断面画像上の矢印は、最大値の計測位置をマーキング表示したものである)。なお、NT厚さの表示形態は、図13Aの例に拘泥されない。例えば、図13Bに示す様に、画像上において計測するNT厚さを線分Lによって表示し、これを用いて計測範囲を指定する様にしてもよい。また、例えば、図13Cに示す様に、画像上において計測範囲の一端と他端とを規定するポインタPを表示し、これを用いてNT厚さを計測し、得られた値を所定の形態で(図13Cの例では、画面左下)に表示するようにしてもよい。
【0045】
また、例えば図14に示すように、表示された三次元画像上にて、さらにNT計測の対象とする範囲を選択することで、より精度の高い計測値を求めることも可能である。さらに、例えば図15、図16に示す様に、三次元画像上においても最大値に対応する位置をマーキング表示することが好ましい。
【0046】
なお、予め入力されていたり計測されたGAが11週≦GA<14週になかったり、計測されたCRLが45mm<CRL<84mmにない場合は、その旨のメッセージを表示したり、その旨を意味する所定のマークを計測値に付加することが好ましい。
【0047】
(効果)
以上述べた本超音波診断装置によれば、NT領域を含む胎児の三次元領域を超音波走査することでボリュームデータを取得し、当該ボリュームデータを用いて得られる矢状断面に対して基準領域或いは基準点を設定する。そして、設定された基準領域或いは基準点を用いてNTデータ及びNT方向を検出し、NT方向を用いて視線方向を決定し、視線方向に関するNT領域の最大厚さを計測する。従って、二次元画像を用いる従来の計測と比較して、NT領域の最大厚さをより正確に計測することができる。
【0048】
また、本超音波診断装置によれば、NT領域内のボクセルには高い値(白)を、その他のボクセルには低い値(黒)を割り当てたり、階調反転処理等を行うことにより、NT領域がそれ以外の領域よりも強調された三次元画像、或いは、NT領域につき、位置毎の厚さや分散値に応じて異なる色彩や濃度(輝度)を割り当てる等カラーマッピングを実行した三次元画像を生成し表示する。従って、視認性の高い三次元画像を提供するとができ、NT計測における診断の質の向上に寄与することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
10…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…血流検出ユニット、25…RAWデータメモリ、26…ボリュームデータ生成ユニット、27…NT計測支援処理ユニット、28…画像処理ユニット、29…制御プロセッサ、30…表示処理ユニット、31…記憶ユニット、32…インタフェースユニット
【技術分野】
【0001】
超音波により生体内を画像化し診断を行う超音波診断装置等に関するものであり、特に取得画像に対するNT(Nuchal Translucency:例えば、妊娠初期の胎児を超音波診断する際に対象とされる、後頚部に存在する領域)計測を行う超音波診断装置及び超音波画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てることで心臓の拍動、臓器の断面、胎児の動き等をリアルタイムに観察することで、実行される。システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便である。また、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、安全性が高いため繰り返して検査を行うことができ、産科、胎児診断や在宅医療等においても使用されている。
【0003】
例えば、胎児診断における超音波診断装置を用いたNT計測は、遺伝子疾患の可能性を確認する有効な一つのユニットとして知られている。この計測では、計測精度が0.1mmで、胎児の基準妊娠週数(GA)が11−13+6週で、頭殿長(CRL)が45mmから84mmであること、その他胎児の体位や画像サイズ゛なども言及しており、正確な計測を行うためにトレーニングが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−126号公報
【特許文献2】国際公開番号WO2009/136332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の超音波診断装置にはNT計測を支援する機能がなく、NT計測は通常の二次元画像を用いて実行される。このため、ユーザーは適正な(例えばNT厚が最大になる)二次元断面を選択し描出することが難しく、十分な計測精度を満たすNT計測を実現できない場合がある。また、従来の超音波診断においては、ボリュームデータ(三次元画像データ)を用いたNT計測の手法は確立されていない。
【0006】
上記事情を鑑みて、ボリュームデータを用いて計測精度の高いNT計測を実現することができる超音波診断装置及び超音波画像処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る超音波診断装置は、胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域に関する複数の厚さを計測する計測ユニットと、前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、を具備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。
【図2】図2は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図の変形例を示している。
【図3】図3は、本NT計測支援処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】図4は、矢状断面画像に対する基準領域・基準点の設定を説明するための図である。
【図5】図5は、視線方向の決定処理の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、視線方向の決定処理の他の例を説明するための図である。
【図7】図7は、視線方向に関するNTの厚さの計測処理の一例を説明するための図である。
【図8】図8は、視線方向に関するNTの厚さの計測処理の他の例を説明するための図である。
【図9】図9は、NT領域を含む三次元画像の生成処理を説明するための図である。
【図10】図10は、NT領域を含む三次元画像の生成処理を説明するための図である。
【図11】図11は、視線方向・NTデータの向きの調整処理を説明するための図である。
【図12】図12は、視線方向・NTデータの向きの調整処理に用いられる角度調整用のアイコンの一例を示した図である。
【図13A】図13Aは、NTの最大値及び三次元画像の表示形態の一例を示した図である。
【図13B】図13Bは、NT厚さの表示形態の他の例を示した図である。
【図13C】図13Cは、NT厚さの表示形態の他の例を示した図である。
【図14】図14は、NT領域を含む三次元画像に設定される計測領域の一例を示した図である。
【図15】図15は、NTの最大値及び三次元画像の表示形態の他の例を示した図である。
【図16】図16は、NT領域を含む三次元画像に設定される計測領域の他の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0010】
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、血流検出ユニット24、RAWデータメモリ25、ボリュームデータ生成ユニット26、NT計測支援処理ユニット27、画像処理ユニット28、制御プロセッサ(CPU)29、表示処理ユニット30、記憶ユニット31、インタフェースユニット32を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
【0011】
超音波プローブ12は、被検体に対して超音波を送信し、当該送信した超音波に基づく被検体からの反射波を受信するデバイス(探触子)であり、その先端に複数に配列された圧電振動子、整合層バッキング材等を有している。圧電振動子は、超音波プローブ12は、超音波送信ユニット21からの駆動信号に基づきスキャン領域内の所望の方向に超音波を送信し、当該被検体からの反射波を電気信号に変換する。整合層は、当該圧電振動子に設けられ、超音波エネルギーを効率良く伝播させるための中間層である。バッキング材は、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止する。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0012】
なお、本実施形態に係る超音波プローブ12は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ12として例えば一次元アレイプローブを採用し、これを手動によって揺動させながら超音波走査をすることでも、ボリュームデータを取得することは可能である。
【0013】
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。例えば、操作者が入力装置13の終了ボタンやFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、当該超音波診断装置は一時停止状態となる。
【0014】
モニター14は、画像処理ユニット28からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。
【0015】
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。トリガ発生回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのトリガパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各トリガパルスに与えられる。パルサ回路は、このトリガパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
【0016】
なお、超音波送信ユニット21は、制御プロセッサ29の指示に従って所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に送信駆動電圧の変更については、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0017】
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定し、受信ダイナミックフォーカスを行うのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0018】
Bモード処理ユニット23は、受信ユニット22からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。
【0019】
血流検出ユニット24は、受信ユニット22から受け取ったエコー信号から血流信号を検出し、血流データを生成する。血流信号の検出は、通常CFM(Color Flow Mapping)で行われる。この場合、血流信号を解析し、血流データとして平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。
【0020】
RAWデータメモリ25は、Bモード処理ユニット23から受け取った複数のBモードデータを用いて、三次元的な超音波走査線上のBモードデータであるBモードRAWデータを生成する。また、RAWデータメモリ25は、血流検出ユニット24から受け取った複数の血流データを用いて、三次元的な超音波走査線上の血流データである血流RAWデータを生成する。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、RAWデータメモリ25の後に三次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0021】
ボリュームデータ生成ユニット26は、RAW−ボクセル変換を実行することにより、RAWデータメモリ25から受け取ったBモードRAWデータからBモードボリュームデータを生成する。このRAW−ボクセル変換は、空間的な位置情報を加味した補間処理により、Bモードボクセルデータを生成するものである。同様に、ボリュームデータ生成ユニット26は、RAW−ボクセル変換を実行することにより、RAWデータメモリ25から受け取った血流RAWデータから血流ボリュームデータを生成する。
【0022】
NT計測支援処理ユニット27は、制御プロセッサ29からの制御に基づいて、ボリュームデータ生成ユニット26において生成されるボリュームデータに対して、後述するNT計測支援機能に従う処理を実行する。
【0023】
画像処理ユニット28は、ボリュームデータ生成ユニット26、NT計測支援処理ユニット27から受け取るボリュームデータに対して、ボリュームレンダリング、多断面変換表示(MPR:multi planar reconstruction)、最大値投影表示(MIP:maximum intensity projection)等の所定の画像処理を行う。なお、ノイズ低減や画像の繋がりを良くすることを目的として、画像処理ユニット28の後に二次元的なフィルタを挿入し、空間的なスムージングを行うようにしてもよい。
【0024】
制御プロセッサ29は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する。制御プロセッサ29は、記憶ユニット31から後述するNT計測支援機能を実現するための専用プログラムを読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する。
【0025】
表示処理ユニット30は、画像処理ユニット28において生成・処理された各種画像データに対し、ダイナミックレンジ、輝度(ブライトネス)、コントラスト、γカーブ補正、RGB変換等の各種を実行する。
【0026】
記憶ユニット31は、後述するNT計測支援機能を実現するための専用プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件、スペックル除去機能を実現するためのプログラム、ボディマーク生成プログラムその他のデータ群が保管されている。また、必要に応じて、RAWデータメモリ25中の画像の保管などにも使用される。記憶ユニット31のデータは、インタフェースユニット32を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
【0027】
インタフェースユニット32は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェースユニット32よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
【0028】
(NT計測支援機能)
次に、本超音波診断装置1が有するNT計測支援機能について説明する。この機能は、超音波診断装置によって取得されたボリュームデータを用いた高精度なNT計測を支援するものである。
【0029】
なお、以下の説明においては、ボリュームデータ生成ユニット26において生成された超音波画像に対して、NT計測支援機能に従う処理(NT計測支援処理)を実行する場合を例とする。しかしながら、これに拘泥されず、例えば、ボリュームデータ生成ユニット26に入力される前のRAWデータに対して、NT計測支援処理を実行するようにしてもよい。図2に、係る場合の超音波診断装置1のブロック構成図の一例を示した。
【0030】
図3は、本NT計測支援処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。
【0031】
[患者情報・送受信条件を入力受:ステップS1]
入力装置13を介して患者情報の入力、送受信条件(被走査領域の大きさを決めるための画角、焦点位置、送信電圧等)、被検体の所定領域を超音波走査するための撮像モード、スキャンシーケンス等の選択が実行される(ステップS1)。入力、選択された各種情報・条件等は、自動的に記憶ユニット31に記憶される。
【0032】
[ボリュームデータを取得:ステップS2]
超音波プローブ12が妊婦の所望の位置に当接され、胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を被走査領域として超音波走査が実行され、超音波データが取得される。取得された超音波データは、超音波受信ユニット22を経由してBモード処理ユニット23に逐次送られる。Bモード処理ユニット23は、対数増幅処理、包絡線検波処理等を実行し、信号強度が輝度で表現される画像データをフレーム毎に生成する。RAWデータメモリ25は、Bモード処理ユニット23から受け取った複数のBモードデータを用いてBモードRAWデータを生成する。ボリュームデータ生成ユニット26は、RAWデータメモリ25から受け取ったBモードRAWデータに対してRAW−ボクセル変換を実行することにより、Bモードボリュームデータを生成する(ステップS2)。
【0033】
[矢状断面画像を生成・表示:ステップS3]
次に、画像処理ユニット28は、生成されたボリュームデータを用いて、NT領域(胎児のNTに対応する領域)を含む胎児の矢状断面画像を生成する。生成された矢状断面画像は、モニター14に所定の形態で表示される(ステップS3)。
【0034】
[矢状断面画像の基準領域・基準点を設定:ステップS4]
例えば図4に示すように、入力装置13を介して、NT計測開始が選択され、矢状断面画像に対しNT領域及び表示対象領域が入力されると、画像処理ユニット28は、矢状断面画像上にNT領域及び表示対象領域を設定する(ステップS4)。しかしながら、NT領域及び表示対象領域の入力・設定手法は、当該例に拘泥されない。例えば、入力装置13を介して、矢状断面画像上のNT領域内の任意の一点(NT領域の中心付近の点等)を指定することで、当該点を基準として、NT領域を自動的に設定するようにしてもよい。さらに、表示対象領域は、設定されたNT領域を基準として、自動的に設定するようにしてもよい。
【0035】
なお、本ステップにおいて設定されたNT領域及び表示対象領域は、入力装置13からの入力により、任意のタイミングでその位置、大きさ、向きを変更することが可能である。
【0036】
[NTデータ、NT領域の長手方向の検出:ステップS5]
NT計測支援処理ユニット27は、ボリュームデータから、設定された表示対象領域に対応する表示対象データ、及びNT領域に対応するNTデータ(計算機で処理するためのNT領域に対応するデータ)を検出する。また、NT計測支援処理ユニット27は、検出されたNTデータを用いて、NT領域の長手方向(NT方向)を検出する(ステップS5)。
【0037】
なお、NT領域に対応するNTデータの検出手法には、特に限定はない。例えば、ボクセル値による閾値処理(セグメンテーション)や、表示対象領域内において、矢状断面を画面奥行き方向(胎児の左右方向)にずらしながら、各断面においてNT領域の境界を検出する等の種々の手法を採用することができる。
【0038】
[視線方向の決定:ステップS6]
次に、NT計測支援処理ユニット27は、NT方向の厚さ計測及びレンダリングに用いる視線方向を、NT方向の法線方向として決定する(ステップS6)。なお、本実施形態においては、図5に示すように、画像上部又は右側を視点とし、腹側から背側へ向かう視線方向をNT方向の法線方向採用するものとする。しかしながら、視線方向としては、背側から腹側へ向かう方向及び腹側から背側へ向かう方向のいずれも採用することができ、胎児がどのような状態(上下向き、左右向き)で描出されても計測可能である。また、例えば矢状断面画像上の所望の位置に視線方向の基準点を指定し、当該視線方向の基準点とNT方向とから、視線方向を決定するようにしてもよい。この場合、例えば図6に示すように、NT方向を示すガイドラインと指定された視線方向の基準点とを表示し、当該視線方向の基準点からガイドラインに引いた垂線を視線方向として表示することが好ましい。さらに、視線方向はNT方向の法線方向に限定することなく、例えばNT方向を基準として一意的に決定される方向としてもよい。
【0039】
[視線方向に関するNTの厚さを計測:ステップS7]
次に、NT計測支援処理ユニット27は、NTデータ及び視線方向を用いて、視線方向のNTの厚さを計算する(ステップS7)。なお、NTの厚さの計算手法には、特に限定はない。例えば、図7に示すように、NT領域に内接する複数の球を設定し、最も大きな球体の直径を視線方向のNTの厚さとすることができる。また、例えば図8に示すように、視線方向に平行し且つNT領域を通過する複数の直線を設定し、NT領域によって切り取られる線分の長さの最大値視線方向のNTの厚さとしてもよい。
【0040】
[NT領域を含む三次元画像の生成・表示:ステップS8]
次に、画像処理ユニット28は、表示対象データを用いたレンダリング処理を実行し、NT領域を含むCavity画像或いは三次元画像を生成する。このとき、画像処理ユニット28は、図9に示すように、NT領域内のボクセルには高い値(白)を、その他のボクセルには低い値(黒)を割り当てたり、階調反転処理等を行うことにより、NT領域がそれ以外の領域よりも明るくするための強調処理を実行する。また、画像処理ユニット28は、図10に示すように、必要に応じて、NT領域につき、位置毎の厚さや分散値に応じて異なる色彩や濃度(輝度)を割り当てる等カラーマッピングを実行する。生成された三次元画像は、モニター14に所定の形態で表示される(ステップS8)。
【0041】
[視線方向・NTデータの向きの調整:ステップS9]
NT計測における胎児の傾きが正しくない場合、生成され表示されるNT領域は、例えば図11に示すように不完全な形状等にて表示される。係る場合には、視線方向、NTデータの向き、矢状断面画像の位置及び向きのうちの少なくとも一つを調整することで、NT領域を完全な形状等にて表示することができる。
【0042】
すなわち、画像処理ユニット28は、入力装置13からの入力に応答して、例えばNTの厚さが最大となる位置が表示対象領域の中心となるように、視線方向、NTデータの向き、矢状断面画像の位置及び向きのうちの少なくとも一つを変更する。また、NT計測支援処理ユニット27、画像処理ユニット28は、それぞれ変更後の視線方向、NTデータ等を用いて、ステップS7、S8の再度実行する。これらの処理は、所望の三次元画像が取得されるまで繰り返し実行される。
【0043】
なお、NTデータや矢状断面画像の向きは、その変更角度(傾き)が大きくなりすぎないように、表示される矢状断面画像や三次元画像を視認しながら調整することが好ましい。また、予め可動範囲を制限しておくことで、必要以上の変更を防ぐことができる。さらに、例えばNTの厚さが最大となる位置が表示対象領域の中心にないケースは、装置側によっても判定することが可能である。係る場合には、例えば図12に示すような角度調整用のアイコンを表示し、調整する角度方向を色彩によって明示することで、角度調整を積極的に促すようにしてもよい。
【0044】
[NTの最大値及び三次元画像の出力:ステップS10]
生成された三次元画像及び計算されたNT厚さは、所定の形態で出力され、記憶ユニット31に自動的に保存される(ステップS10)。本実施形態に係る超音波診断装置では、例えば図13Aに示す形態にて、矢状断面画像、NT領域を含む三次元画像、NT厚さをモニター14に表示する。NT領域に凹凸があり厚い個所が複数個ある場合は、厚さの最大値を表示するものとする(図13Aの矢状断面画像上の矢印は、最大値の計測位置をマーキング表示したものである)。なお、NT厚さの表示形態は、図13Aの例に拘泥されない。例えば、図13Bに示す様に、画像上において計測するNT厚さを線分Lによって表示し、これを用いて計測範囲を指定する様にしてもよい。また、例えば、図13Cに示す様に、画像上において計測範囲の一端と他端とを規定するポインタPを表示し、これを用いてNT厚さを計測し、得られた値を所定の形態で(図13Cの例では、画面左下)に表示するようにしてもよい。
【0045】
また、例えば図14に示すように、表示された三次元画像上にて、さらにNT計測の対象とする範囲を選択することで、より精度の高い計測値を求めることも可能である。さらに、例えば図15、図16に示す様に、三次元画像上においても最大値に対応する位置をマーキング表示することが好ましい。
【0046】
なお、予め入力されていたり計測されたGAが11週≦GA<14週になかったり、計測されたCRLが45mm<CRL<84mmにない場合は、その旨のメッセージを表示したり、その旨を意味する所定のマークを計測値に付加することが好ましい。
【0047】
(効果)
以上述べた本超音波診断装置によれば、NT領域を含む胎児の三次元領域を超音波走査することでボリュームデータを取得し、当該ボリュームデータを用いて得られる矢状断面に対して基準領域或いは基準点を設定する。そして、設定された基準領域或いは基準点を用いてNTデータ及びNT方向を検出し、NT方向を用いて視線方向を決定し、視線方向に関するNT領域の最大厚さを計測する。従って、二次元画像を用いる従来の計測と比較して、NT領域の最大厚さをより正確に計測することができる。
【0048】
また、本超音波診断装置によれば、NT領域内のボクセルには高い値(白)を、その他のボクセルには低い値(黒)を割り当てたり、階調反転処理等を行うことにより、NT領域がそれ以外の領域よりも強調された三次元画像、或いは、NT領域につき、位置毎の厚さや分散値に応じて異なる色彩や濃度(輝度)を割り当てる等カラーマッピングを実行した三次元画像を生成し表示する。従って、視認性の高い三次元画像を提供するとができ、NT計測における診断の質の向上に寄与することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
10…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…血流検出ユニット、25…RAWデータメモリ、26…ボリュームデータ生成ユニット、27…NT計測支援処理ユニット、28…画像処理ユニット、29…制御プロセッサ、30…表示処理ユニット、31…記憶ユニット、32…インタフェースユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、
前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、
前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、
前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、
前記NT領域の複数の位置のうち少なくとも1つの位置における厚さと前記画像とを表示する表示ユニットと、
を具備する超音波診断装置。
【請求項2】
前記画像は、前記NT領域の厚さの分布を示す分布画像である請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記分布画像は、前記NT領域の厚さに応じて画素値が決定された画像である請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記画像は、ボリュームレンダリング画像、前記NT領域の厚さに応じて色彩が割り当てられたカラーマップ画像、前記NT領域の厚さに応じて輝度が割り当てられたグレースケール画像のうちのいずれかである請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示ユニットは、前記NT領域の複数の厚さのうちの最大値を表示する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記表示ユニットは、前記最大値に対応する位置がマーキングされた前記画像を表示する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記所定の矢状断面に対応する画像に対して、前記NT領域の少なくとも一部を含む領域、又は前記NT領域内に存在する点を入力するための入力ユニットと、
前記検出ユニットは、前記入力された領域又は点を基準として、前記NT領域を検出する請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記検出ユニットは、前記所定の矢状断面を当該断面に垂直な方向にずらしながら、各断面において前記NT領域の境界を検出することで、前記NT領域を検出する請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記所定の矢状断面の位置及び角度の少なくとも一方を変更することで、前記所定の矢状断面に対応する画像に表示される胎児の向きを変更する変更ユニットをさらに具備し、
前記検出ユニットは、変更後の前記矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記計測ユニットは、操作者によって入力される点と前記法線方向とを用いて、前記視線方向を決定する請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記画像生成ユニットは、
前記NT領域の厚さの最大値が前記NT領域の中央又はその近傍に位置するように、前記視線方向及び前記NTデータの向きのうちの少なくとも一方を変更し、
変更後の前記視線又は前記NTデータを用いて、前記画像を生成する請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記画像生成ユニットは、前記NT領域が明るくなるように階調を反転させて前記三次元画像を生成する請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記画像生成ユニットは、前記NTデータをそれ以外のデータに比して高いボクセル値として、前記画像を生成する請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項14】
胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することで取得されたボリュームデータを記憶する記憶ユニットと、
前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、
前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、
前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、
前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、
を具備する超音波画像処理装置。
【請求項15】
前記画像は、前記NT領域の厚さの分布を示す分布画像である請求項14記載の超音波画像処理装置。
【請求項16】
前記分布画像は、前記NT領域の厚さに応じて画素値が決定された画像である請求項15記載の超音波画像処理装置。
【請求項17】
前記分布画像は、ボリュームレンダリング画像、前記NT領域の厚さに応じて色彩が割り当てられたカラーマップ画像、前記NT領域の厚さに応じて輝度が割り当てられたグレースケール画像のうちのいずれかである請求項15記載の超音波画像処理装置。
【請求項18】
前記表示ユニットは、前記NT領域の複数の厚さのうちの最大値を表示する請求項14乃至17のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項19】
前記表示ユニットは、前記最大値に対応する位置がマーキングされた前記画像を表示する請求項14乃至17のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項20】
前記所定の矢状断面に対応する画像に対して、前記NT領域の少なくとも一部を含む領域、又は前記NT領域内に存在する点を入力するための入力ユニットと、
前記検出ユニットは、前記入力された領域又は点を基準として、前記NT領域を検出する請求項14乃至19のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項21】
前記検出ユニットは、前記所定の矢状断面を当該断面に垂直な方向にずらしながら、各断面において前記NT領域の境界を検出することで、前記NT領域を検出する請求項14乃至20のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項22】
前記所定の矢状断面の位置及び角度の少なくとも一方を変更することで、前記所定の矢状断面に対応する画像に表示される胎児の向きを変更する変更ユニットをさらに具備し、
前記検出ユニットは、変更後の前記矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する請求項14乃至21のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項23】
前記計測ユニットは、操作者によって入力される点と前記法線方向とを用いて、前記視線方向を決定する請求項14乃至22のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項24】
前記画像生成ユニットは、
前記NT領域の厚さの最大値が前記NT領域の中央又はその近傍に位置するように、前記視線方向及び前記NTデータの向きのうちの少なくとも一方を変更し、
変更後の前記視線又は前記NTデータを用いて、前記画像を生成する請求項14乃至23のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項25】
前記画像生成ユニットは、前記NT領域が明るくなるように階調を反転させて前記三次元画像を生成する請求項14乃至24のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項26】
前記画像生成ユニットは、前記NTデータをそれ以外のデータに比して高いボクセル値として、前記画像を生成する請求項14乃至24のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項1】
胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することでボリュームデータを取得するボリュームデータ取得ユニットと、
前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、
前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、
前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、
前記NT領域の複数の位置のうち少なくとも1つの位置における厚さと前記画像とを表示する表示ユニットと、
を具備する超音波診断装置。
【請求項2】
前記画像は、前記NT領域の厚さの分布を示す分布画像である請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記分布画像は、前記NT領域の厚さに応じて画素値が決定された画像である請求項2記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記画像は、ボリュームレンダリング画像、前記NT領域の厚さに応じて色彩が割り当てられたカラーマップ画像、前記NT領域の厚さに応じて輝度が割り当てられたグレースケール画像のうちのいずれかである請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示ユニットは、前記NT領域の複数の厚さのうちの最大値を表示する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記表示ユニットは、前記最大値に対応する位置がマーキングされた前記画像を表示する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記所定の矢状断面に対応する画像に対して、前記NT領域の少なくとも一部を含む領域、又は前記NT領域内に存在する点を入力するための入力ユニットと、
前記検出ユニットは、前記入力された領域又は点を基準として、前記NT領域を検出する請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記検出ユニットは、前記所定の矢状断面を当該断面に垂直な方向にずらしながら、各断面において前記NT領域の境界を検出することで、前記NT領域を検出する請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記所定の矢状断面の位置及び角度の少なくとも一方を変更することで、前記所定の矢状断面に対応する画像に表示される胎児の向きを変更する変更ユニットをさらに具備し、
前記検出ユニットは、変更後の前記矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記計測ユニットは、操作者によって入力される点と前記法線方向とを用いて、前記視線方向を決定する請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記画像生成ユニットは、
前記NT領域の厚さの最大値が前記NT領域の中央又はその近傍に位置するように、前記視線方向及び前記NTデータの向きのうちの少なくとも一方を変更し、
変更後の前記視線又は前記NTデータを用いて、前記画像を生成する請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記画像生成ユニットは、前記NT領域が明るくなるように階調を反転させて前記三次元画像を生成する請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記画像生成ユニットは、前記NTデータをそれ以外のデータに比して高いボクセル値として、前記画像を生成する請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
【請求項14】
胎児の少なくとも一部を含む三次元領域を超音波で走査することで取得されたボリュームデータを記憶する記憶ユニットと、
前記ボリュームデータを用いて生成された、前記胎児のNT領域を含む所定の矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する検出ユニットと、
前記NTデータと前記長手方向を基準とする視線方向とを用いて、前記NT領域の複数の位置に関する厚さを計測する計測ユニットと、
前記NTデータと前記視線方向とを用いて、前記NT領域の厚さを示す画像を生成する画像生成ユニットと、
前記NT領域の複数の厚さのうちの少なくとも一つと前記画像とを表示する表示ユニットと、
を具備する超音波画像処理装置。
【請求項15】
前記画像は、前記NT領域の厚さの分布を示す分布画像である請求項14記載の超音波画像処理装置。
【請求項16】
前記分布画像は、前記NT領域の厚さに応じて画素値が決定された画像である請求項15記載の超音波画像処理装置。
【請求項17】
前記分布画像は、ボリュームレンダリング画像、前記NT領域の厚さに応じて色彩が割り当てられたカラーマップ画像、前記NT領域の厚さに応じて輝度が割り当てられたグレースケール画像のうちのいずれかである請求項15記載の超音波画像処理装置。
【請求項18】
前記表示ユニットは、前記NT領域の複数の厚さのうちの最大値を表示する請求項14乃至17のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項19】
前記表示ユニットは、前記最大値に対応する位置がマーキングされた前記画像を表示する請求項14乃至17のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項20】
前記所定の矢状断面に対応する画像に対して、前記NT領域の少なくとも一部を含む領域、又は前記NT領域内に存在する点を入力するための入力ユニットと、
前記検出ユニットは、前記入力された領域又は点を基準として、前記NT領域を検出する請求項14乃至19のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項21】
前記検出ユニットは、前記所定の矢状断面を当該断面に垂直な方向にずらしながら、各断面において前記NT領域の境界を検出することで、前記NT領域を検出する請求項14乃至20のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項22】
前記所定の矢状断面の位置及び角度の少なくとも一方を変更することで、前記所定の矢状断面に対応する画像に表示される胎児の向きを変更する変更ユニットをさらに具備し、
前記検出ユニットは、変更後の前記矢状断面に対応する画像を基準として、前記ボリュームデータのうち前記NT領域に対応するNTデータと、前記NT領域の長手方向と、を検出する請求項14乃至21のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項23】
前記計測ユニットは、操作者によって入力される点と前記法線方向とを用いて、前記視線方向を決定する請求項14乃至22のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項24】
前記画像生成ユニットは、
前記NT領域の厚さの最大値が前記NT領域の中央又はその近傍に位置するように、前記視線方向及び前記NTデータの向きのうちの少なくとも一方を変更し、
変更後の前記視線又は前記NTデータを用いて、前記画像を生成する請求項14乃至23のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項25】
前記画像生成ユニットは、前記NT領域が明るくなるように階調を反転させて前記三次元画像を生成する請求項14乃至24のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【請求項26】
前記画像生成ユニットは、前記NTデータをそれ以外のデータに比して高いボクセル値として、前記画像を生成する請求項14乃至24のうちいずれか一項記載の超音波画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−81257(P2012−81257A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197699(P2011−197699)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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