説明

車両におけるシートベルト装置

【課題】車体の後上部を構成するリヤヘッダパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付けた車両におけるシートベルト装置において、車両の前突時、シートベルト装置による良好な拘束性能が確保されるようにすると共に、これが簡単な構成で達成されるようにする。
【解決手段】車体2の後上部を構成し、車体2の幅方向に延びて車体2の左右側壁4の各後部に両端支持され、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされるリヤヘッダパネル5を設ける。リヤヘッダパネル5の車室9側の面を形成するインナパネル15にシートベルト33掛吊用のショルダーアンカー26を取り付ける。リヤヘッダパネル5の閉断面における図心36が、インナパネル15に対するショルダーアンカー26の取付部37の前上方に位置している。ショルダーアンカー26の取付部37の後方におけるインナパネル15の部分に脆弱部39,40を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の後上部を構成するリヤヘッダパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付けた車両におけるシートベルト装置に関するものであり、より具体的には、前突時、上記シートベルト装置による良好な拘束性能が確保されるようにするためのものである。
【背景技術】
【0002】
上記車両におけるシートベルト装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体の後上部を構成し、車体の幅方向に延びて車体の左右側壁の各後部に両端支持されるリヤヘッダパネルが設けられ、このリヤヘッダパネルは、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされている。そして、このリヤヘッダパネルの車室側の面を形成するインナパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーが取り付けられている。この場合、上記リヤヘッダパネルの閉断面における図心と目される部分は、上記インナパネルに対する上記ショルダーアンカーの取付部の前上方に位置している。
【0003】
上記構成において、車両の走行時、車室におけるシート上への着座者は、通常、上記シートベルトによりシート上に拘束された状態とされる。そして、車両の前進走行時に、その前方に位置する何らかの物体に車両が衝突(前突)したときには、着座者はその慣性力により上記シート上から前方に移動しようとする。すると、まず、上記慣性力に基づき、上記シートベルトに対して前方に向かおうとする引張力が与えられる。そして、この引張力は上記シートベルト、およびこのシートベルトを掛吊するアンカーを介し上記リヤヘッダパネルにより支持される。これにより、上記シート上からの着座者の前方移動が阻止され、着座者は上記シート上に拘束されたままに維持されて保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−168498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したように、前突時には、上記シートベルトに与えられる引張力はリヤヘッダパネルにより支持されるが、具体的には、このリヤヘッダパネルのインナパネルへの上記ショルダーアンカーの取付部が上記引張力の支持点とされる。ここで、このショルダーアンカーの取付部に与えられる上記引張力は、通常、前下方に向かうものであり、その一方、前記したようにリヤヘッダパネルにおける図心は、上記ショルダーアンカーの取付部の前上方に位置している。
【0006】
このため、上記した前突時の引張力に基づくモーメントにより、上記リヤヘッダパネルは上記図心をほぼ中心として捻り変形しがちとなる。そして、この際、リヤヘッダパネルに塑性変形が生じ始めたとすると、その後、この塑性変形の進行により上記捻り変形が急速に大きく進行して、上記ショルダーアンカーとこのショルダーアンカーに掛吊されているシートベルトとが共に急速に前方移動する。この結果、上記シート上への着座者に対する上記シートベルト装置による拘束性能が低下するおそれを生じる。
【0007】
そこで、上記従来の技術のようにリヤヘッダパネルに補強パネルを設けたり、また、これに加えてこの補強パネルの板厚をより大きくしたりして、このリヤヘッダパネルの強度、剛性の向上を図ることとし、もって、前突時に、リヤヘッダパネルが容易には捻り変形しないようにすることが考えられる。しかし、このようにした場合には、上記シートベルト装置の部品点数が増加するなど、その構成が複雑になったり、質量が重くなったりするおそれが生じてくる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車体の後上部を構成するリヤヘッダパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付けた車両におけるシートベルト装置において、車両の前突時、上記シートベルト装置による良好な拘束性能が確保されるようにすると共に、これが簡単な構成で達成されるようにすることである。
【0009】
請求項1の発明は、車体2の後上部を構成し、車体2の幅方向に延びて車体2の左右側壁4の各後部に両端支持され、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされるリヤヘッダパネル5を設け、このリヤヘッダパネル5の車室9側の面を形成するインナパネル15にシートベルト33掛吊用のショルダーアンカー26を取り付け、上記リヤヘッダパネル5の閉断面における図心36が、上記インナパネル15に対する上記ショルダーアンカー26の取付部37の前上方に位置した車両におけるシートベルト装置において、
上記ショルダーアンカー26の取付部37の後方における上記インナパネル15の部分に脆弱部39,40を形成したことを特徴とする車両におけるシートベルト装置である。
【0010】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明による効果は、次の如くである。
【0012】
請求項1の発明は、車体の後上部を構成し、車体の幅方向に延びて車体の左右側壁の各後部に両端支持され、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされるリヤヘッダパネルを設け、このリヤヘッダパネルの車室側の面を形成するインナパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付け、上記リヤヘッダパネルの閉断面における図心が、上記インナパネルに対する上記ショルダーアンカーの取付部の前上方に位置した車両におけるシートベルト装置において、
上記ショルダーアンカーの取付部の後方における上記インナパネルの部分に脆弱部を形成しており、次の効果が生じる。
【0013】
即ち、車両の前突時、上記シートベルト装置によりシート上に拘束された着座者は、その慣性力により上記シート上から前方に移動しようとする。すると、上記慣性力に基づき、上記シートベルトに対して前方に向かおうとする引張力が与えられる。そして、この引張力は、上記シートベルトとショルダーアンカーとを介し、上記インナパネルに対するショルダーアンカーの取付部を支持点として支持される。すると、この際、上記引張力と、この引張力から上記図心までの距離とによる「モーメント」により、上記リヤヘッダパネルは上記図心をほぼ中心として捻り変形しようとする。
【0014】
ここで、上記発明によれば、ショルダーアンカーの取付部の後方における上記インナパネルの部分に脆弱部を形成しており、このため、上記引張力によりこの引張力の方向に向かって、上記脆弱部が屈曲したり引き延ばされたりするなど変形させられて、上記ショルダーアンカーとこのショルダーアンカーに掛吊されているシートベルトの部分と(これを、ショルダーアンカー等という)が前方移動する。すると、このショルダーアンカー等の前方移動以前での上記引張力から図心までの距離よりも、上記ショルダーアンカー等の前方移動後での上記引張力から図心までの距離の方が小さくなる。
【0015】
よって、上記した前突時の引張力によるショルダーアンカー等の前方移動により、上記「モーメント」は減小させられることから、リヤヘッダパネルの捻り変形は小さく抑制される。この結果、前突時におけるリヤヘッダパネルの急速な捻り変形によりショルダーアンカー等が急速に前方移動してシート上への着座者に対するシートベルト装置の拘束性能が低下する、という不都合の発生は防止され、シートベルト装置による良好な拘束性能が確保される。
【0016】
また、上記した良好な拘束性能の確保は、上記リヤヘッダパネルを別途の補強材等により単に補強するのではなく、前記したようにインナパネルへのショルダーアンカーの取付部の後方における上記インナパネルの部分に脆弱部を形成したことにより達成される。よって、上記した良好な拘束性能の確保は簡単な構成で、かつ、質量の増加を抑制しつつ達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図3のI−I線矢視断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】車体後部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の車両におけるシートベルト装置に関し、車体の後上部を構成するリヤヘッダパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付けた車両におけるシートベルト装置において、車両の前突時、上記シートベルト装置による良好な拘束性能が確保されるようにすると共に、これが簡単な構成で達成されるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
【0019】
即ち、車両におけるシートベルト装置では、車体の後上部を構成し、車体の幅方向に延びて車体の左右側壁の各後部に両端支持され、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされるリヤヘッダパネルが設けられる。このリヤヘッダパネルの車室側の面を形成するインナパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーが取り付けられる。上記リヤヘッダパネルの閉断面における図心が、上記インナパネルに対する上記ショルダーアンカーの取付部の前上方に位置している。上記ショルダーアンカーの取付部の後方における上記インナパネルの部分に脆弱部が形成される。
【実施例】
【0020】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0021】
図において、符号1は自動車で例示される車両であり、また、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記車両1の前方に向かっての車体2の幅方向をいうものとする。
【0022】
上記車両1の車体2は板金製で、この車体2は、不図示の車体フレーム上に支持されるフロアパネル3と、このフロアパネル3の各側部側から上方に延出する左右側壁4と、車体2の後上部を構成し、車体2の幅方向に直線状に延びて上記左右側壁4の各後部に両端支持されるリヤヘッダパネル5と、上記各側壁4の上端縁部およびリヤヘッダパネル5に支持されるルーフパネル6とを備えている。上記各側壁4の後部は、リヤピラーといわれるもので、上記リヤヘッダパネル5と共に車体2の骨格部材を構成している。
【0023】
上記フロアパネル3、各側壁4、リヤヘッダパネル5、およびルーフパネル6で囲まれた車体2内部の空間が車室9とされる。車体2の後壁に、上記車室9と車体2の後方域とを互いに連通させるバックドア開口10が形成され、このバックドア開口10を開閉可能に閉じるバックドア11が設けられている。上記リヤヘッダパネル5とルーフパネル6の後端縁部とはスポット溶接S1により互いに結合されており、これらリヤヘッダパネル5とルーフパネル6の後端縁部とは上記バックドア開口10の上部開口縁部を形成している。
【0024】
上記リヤヘッダパネル5は、上下方向で互いに対面してスポット溶接S2により互いに結合されるアウタ、インナパネル14,15を備え、その長手方向各部の横断面形状はその内部の一部が外部に開放された閉断面状とされている。車体2の側面視(図1)で、上記アウタパネル14は倒立L字形状とされ、その前部を構成してほぼ水平に延びる前部パネル14aと、上記アウタパネル14の後部を構成して上記前部パネル14aの後端縁部から下方に向かって一体的に延出する後部パネル14bとを備えている。
【0025】
車体2の側面視(図1)で、上記インナパネル15は倒立ハット形状とされ、前後方向の中途部を構成してほぼ水平に延びる底部パネル15aと、この底部パネル15aの前端縁部から前上方に向かって一体的に延出する前部パネル15bと、上記底部パネル15aの後端縁部から後上方に向かって一体的に延出する後部パネル15cと、上記前、後部パネル15b,15cの各上端縁部に一体的に形成される前、後外向きフランジ15d,15eとを備えている。
【0026】
上記リヤヘッダパネル5のインナパネル15の後外向きフランジ15eと前記ルーフパネル6の後端縁部とが前記スポット溶接S1されている。また、上記前部パネル14aの前端縁部とインナパネル15の前外向きフランジ15dとが前記スポット溶接S2されている。
【0027】
上記車室9後端部に複数(3名)の着座者が前方に向かって着座可能なリヤシート18が設けられている。このシート18は、上記フロアパネル3上に支持されるシートクッション19と、このシートクッション19の後端部側から上方に向かって延出するシートバック20とを備えている。上記シート18の左右各側部が側部席21、車体2の幅方向の中央部が中央部席22とされている。
【0028】
上記各側部席21と上記中央部席22とには、それぞれ三点式のシートベルト装置25が設けられているが、この中央部席22のシートベルト装置25につき説明する。
【0029】
上記シートベルト装置25は、上記中央部席22の右側部の後上方における上記リヤヘッダパネル5のインナパネル15の底部パネル15aに固着されるショルダーアンカー26と、このショルダーアンカー26の右側方の側壁4に取り付けられる側部アンカー27と、この側部アンカー27の下方に位置して上記側壁4の下部に固着されるリトラクタ28と、上記中央部席22の右側部の後下方における上記フロアパネル3に連結されるラップアンカ29と、上記中央部席22の左側部の後下方における上記フロアパネル3に連結され、バックル30を支持する他のランプアンカ31とを備えている。
【0030】
上記ショルダーアンカー26は、上下方向に延びてその上端部が上記リヤヘッダパネル5のインナパネル15の底部パネル15aに固着される支軸26aと、この支軸26aの下端部に固着されて上記シートベルト33を貫通させて掛吊するアンカープレート26bとを備えている。
【0031】
また、上記シートベルト装置25は、一端部が上記リトラクタ28に弾性的に巻き取られ、他端部側が上記側部アンカー27とショルダーアンカー26とを順次貫通して掛吊させられた後、上記ラップアンカ29に連結されるシートベルト33と、上記ショルダーアンカー26とラップアンカ29との間における上記シートベルト33の部分に外嵌されて上記バックル30に係脱可能とされるタングプレート34とを備えている。
【0032】
車体2の側面視(図1)で、上記リヤヘッダパネル5の閉断面における図心36は、上記リヤヘッダパネル5のインナパネル15に対する上記ショルダーアンカー26の取付部37の前上方に位置している。
【0033】
上記インナパネル15への上記ショルダーアンカー26の取付部37の後方近傍と、左右側方近傍とにおける上記インナパネル15の底部パネル15aの各部分に連続的に延びる脆弱部39が形成されている。この脆弱部39は、車体2の平面視(図2)で、前方に向かって開くコの字形状とされている。また、上記脆弱部39は、上記インナパネル15の底部パネル15aの各部分を上方に向かって膨出させるよう屈曲した断面倒立U字形状のビードとされている。
【0034】
また、上記脆弱部39の外側の近傍で、この脆弱部39に沿って延びる他の脆弱部40が上記インナパネル15の底部パネル15aに形成されている。上記他の脆弱部40は、上記脆弱部39と同じ構成とされている。
【0035】
上記シート18の中央部席22上に上記シートベルト装置25によって着座者を拘束する場合には、まず、上記ショルダーアンカー26からラップアンカ29に至るまでのシートベルト33の部分を、上記着座者の前方に配置してタングプレート34をバックル30に係止させ、上記シートベルト33を全体的に上記リトラクタ28により弾性的に引張させる。すると、上記シートベルト装置25によって、上記中央部席22上に着座者が拘束される。
【0036】
上記シート18の中央部席22上にシートベルト装置25により着座者が拘束された状態で、車両1が前突したとする。この場合、上記中央部席22上の着座者は、その慣性力により上記中央部席22上から前方に移動しようとする。すると、まず、上記慣性力に基づき、上記シートベルト33に対して前方に向かおうとする引張力Fが急速に与えられ、この急速な引張力Fにより、上記リトラクタ28によりこのリトラクタ28からのシートベルト33の繰り出しがロックされる。
【0037】
そして、上記引張力Fは、上記シートベルト33とショルダーアンカー26とを介し、リヤヘッダパネル5のインナパネル15に対する上記ショルダーアンカー26の取付部37を支持点として支持される。すると、この際、上記引張力Fと、この引張力Fから上記図心36までの距離L1とによる「モーメント」により、上記リヤヘッダパネル5は上記図心36をほぼ中心として捻り変形しようとする。
【0038】
ここで、上記構成によれば、ショルダーアンカー26の取付部37の後方における上記インナパネル15の部分に脆弱部39,40を形成しており、このため、上記引張力Fによりこの引張力Fの方向に向かって、上記脆弱部39,40が屈曲したり引き延ばされたりするなど変形させられて、上記ショルダーアンカー26とこのショルダーアンカー26に掛吊されているシートベルト33の部分と(これを、ショルダーアンカー26等という)が前方移動する。すると、図1中実線で図示した上記ショルダーアンカー26等の前方移動以前での上記引張力Fから図心36までの距離L1よりも、図1中一点鎖線で図示した上記ショルダーアンカー26の前方移動後での上記引張力F´から図心36までの距離L2の方が小さくなる。
【0039】
よって、上記した前突時の引張力Fによるショルダーアンカー26等の前方移動により、上記「モーメント」は減小させられることから、リヤヘッダパネル5の捻り変形は小さく抑制される。この結果、前突時におけるリヤヘッダパネル5の急速な捻り変形によりショルダーアンカー26等が急速に前方移動して中央部席22上への着座者に対するシートベルト装置25の拘束性能が低下する、という不都合の発生は防止され、シートベルト装置25による良好な拘束性能が確保される。
【0040】
また、上記した良好な拘束性能の確保は、上記リヤヘッダパネル5を別途の補強材等により単に補強するのではなく、前記したようにインナパネル15へのショルダーアンカー26の取付部37の後方における上記インナパネル15の部分に脆弱部39,40を形成したことにより達成される。よって、上記した良好な拘束性能の確保は簡単な構成で、かつ、質量の増加を抑制しつつ達成できる。
【0041】
なお、上記引張力Fにより各脆弱部39,40を屈曲や引き延ばしのように変形可能にするための必要荷重を、上記各脆弱部39,40同士で互いに相違させてもよい。このようにすれば、上記各脆弱部39,40は、前突時の上記引張力Fにより順次変形することとなり、つまり、上記各脆弱部39,40が同時に急速に変形することは防止されて、上記ショルダーアンカー26等の急速な前方移動が防止される。よって、上記シートベルト装置25によるより良好な拘束性能が確保される。
【0042】
また、以上は図示の例によるが、上記ショルダーアンカー26の横断面形状は、その長手方向の一部、もしくは全部が密閉された閉断面状であってもよい。また、上記両脆弱部39,40はそれぞれ断続的に設けてもよく、また、これら39,40のうち、いずれか一方のみを設けてもよい。また、上記脆弱部39,40の左右側部部分は設けなくてもよい。また、上記脆弱部39,40は下向きに膨出するビードであってもよく、薄肉やスリットであってもよく、これらを連続、もしくは断続的に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 車両
2 車体
3 フロアパネル
4 側壁
5 リヤヘッダパネル
6 ルーフパネル
9 車室
14 アウタパネル
14a 前部パネル
14b 後部パネル
15 インナパネル
15a 底部パネル
15b 前部パネル
15c 後部パネル
15d 外向きフランジ
15e 外向きフランジ
18 シート
22 中央部席
25 シートベルト装置
26 ショルダーアンカー
33 シートベルト
36 図心
37 取付部
39 脆弱部
40 脆弱部
F 引張力
F´ 引張力
L 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の後上部を構成し、車体の幅方向に延びて車体の左右側壁の各後部に両端支持され、その長手方向各部の横断面形状が閉断面状とされるリヤヘッダパネルを設け、このリヤヘッダパネルの車室側の面を形成するインナパネルにシートベルト掛吊用のショルダーアンカーを取り付け、上記リヤヘッダパネルの閉断面における図心が、上記インナパネルに対する上記ショルダーアンカーの取付部の前上方に位置した車両におけるシートベルト装置において、
上記ショルダーアンカーの取付部の後方における上記インナパネルの部分に脆弱部を形成したことを特徴とする車両におけるシートベルト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−42227(P2011−42227A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191170(P2009−191170)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】