説明

車両のステアリング装置

【課題】ステアリングバイワイヤ方式を採用した車両のステアリング装置において、ハンドル操作の省力化を図ってステアリングハンドルの操作性を向上し、また、部品点数を削減して構成を簡単にし、ステアリングハンドルの小型化を図るとともにコストを低減することにある。
【解決手段】ステアリングハンドルはハンドル部に連結したステアリングシャフトとステアリングシャフトを支持するコラム部とを含み、ハンドル部はステアリングシャフトを中心としてステアリングシャフト周りの仮想円に沿う左右一対のグリップ部を有し、ハンドル部をステアリングシャフトに回動一体に固定する支持部材を設け、ハンドル部が回動された際に該ハンドル部と共に回動する支持部材を当接させてハンドル部の回動範囲を規制する柱脚を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のステアリング装置に係り、特にいわゆるステアリングバイワイヤ方式を採用した車両のステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、操舵輪を駆動するために、ステアリング装置を設けている。このステアリング装置においては、ステアリングホイール(ハンドル)がピニオンシャフト及びコラムシャフトを介して機械的にステアリングシャフトに連結されている。そして、ステアリングホイールの回転(約3回転半以下の回転又は可変ギアレシオ機構により変化される回転)により、ステアリングホイールの中心部に取付けられたエアバッグ装置や各種スイッチもステアリングホイールと同期して回転する。このステアリングホイールが回転することに対して、エアバッグ装置や各種スイッチの電気的な配線は、専用の接続部品を介してステアリングホイールの背面側に配索されている。各種スイッチは、通常、円形状のステアリングホイールに対し、円形部(運転者が手で握る部分)の内側(エアバッグ装置等の中心部と円形部との接続部分等)に設置されている。
【0003】
また、車両のステアリング装置には、操舵輪を駆動するアクチュエータと、乗員により回動操作されるハンドル部を備えたステアリングハンドルと、ハンドル部の操作量及び操作方向を含む操作状態を検知する操作検知手段と、この操作検知手段で検知されたハンドル部の操作状態に基づきアクチュエータを駆動する制御装置を備えた、いわゆるステアリングバイワイヤ方式を採用したものがある。
【0004】
従来、車両操舵ユニットには、ステアリングコラムと、このステアリングコラムにステーを介して固定されたインストルメントユニットと、ステアリングコラムに中心部が回動可能に支持されたリング部材と、このリング部材から径方向外向きに延出されたアームに一体的に設けられた操舵ハンドルとを備え、表示装置や操作装置を中央部位に配設したものがある。
【特許文献1】特開2001−106089号公報
【0005】
また、車両用操舵装置には、ステアリングホイールを操作することによってステアリングシャフトに作用する応力を測定するトルクセンサを設けたものがある。
【特許文献2】特表2002−502757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来、車両のステアリング装置においては、ステアリングホイールが回転した状態で止まっている場合に、中心部に設置された各種スイッチがステアリングホイールの回転角度に比例した角度になっているため、操作がしにくい状態になっている。
【0007】
また、ステアリングホイール内の装備品としてのエアバック装置のエアバックは、検知時に円形に膨張する。これは、ステアリングホイールの回転と同期してエアバックも回転するため、エアバックが円形状であるならば、いずれの回転位置でもステアリングホイールの中心部でエアバッグの展開面積を同じにするためである。しかし、このような構造にすることにより、エアバックの展開面積が大きくする必要がある。また、専用の接続部品が必要となり、部品点数・コストが増加するという不都合がある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、ステアリングバイワイヤ方式を採用し、ステアリングシャフトに固定する部材とハンドル部の部材との位置関係を適正に規制し、車両への搭載性を向上するとともに、ハンドル部の操作性を向上し、しかも、乗員の快適性を向上する車両のステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、操舵輪を駆動するアクチュエータと、乗員により回動操作されるハンドル部を備えたステアリングハンドルと、前記ハンドル部の操作量及び操作方向を含む操作状態を検知する操作検知手段と、この操作検知手段で検知された前記ハンドル部の操作状態に基づき前記アクチュエータを駆動する制御装置を備える車両のステアリング装置において、前記ステアリングハンドルは前記ハンドル部に連結したステアリングシャフトとこのステアリングシャフトを支持するコラム部とを含み、前記ハンドル部は前記ステアリングシャフトを中心として前記ステアリングシャフト周りの仮想円に沿う左右一対のグリップ部を有し、前記ハンドル部を前記ステアリングシャフトに回動一体に固定する支持部材を設け、前記ハンドル部が回動された際に該ハンドル部と共に回動する前記支持部材を当接させて前記ハンドル部の回動範囲を規制する柱脚を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明の車両のステアリング装置は、ステアリングバイワイヤ方式を採用したものにおいて、ステアリングハンドルの回動範囲を規制し、ハンドル操作の省力化を図ってステアリングハンドルの操作性を向上し、また、部品点数を削減して構成を簡単にし、ステアリングハンドルの小型化を図るとともにコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明は、ステアリングバイワイヤ方式を採用した車両のステアリング装置において、ステアリングハンドルの操作性の向上やステアリングハンドルの小型化を図る目的を、ハンドル部をステアリングシャフトに回動一体に固定する支持部材を設け、ハンドル部が回動された際に支持部材を当接させてハンドル部の回動範囲を規制する柱脚を設けて実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例】
【0012】
図1〜図18は、この発明の実施例を示すものである。
【0013】
図17、図18において、1は車両、2は車体、3は車体フロア、4は区画パネル、5は車室、6は乗員座席、7はインストルメントパネルである。このインストルメントパネル7には、車両幅方向の右側で表示パネル8が設けられている。
【0014】
車両1の車室5内には、図15、図16に示すように、インストルメントパネル7の枠体を形成するパネルフレーム9が設けられる。このパネルフレーム9は、支持脚部を構成するものであり、車体フロア3にレール等の移動手段10で車両幅方向に移動可能に支持された基台部材11と、この基台部材11に立設して板状で且つS字形状に形成された複数の縦部材12と、これら縦部材12を連結する複数の横部材13と、縦部材12の上部で車両幅方向に延出して取り付けられた円筒形状のパネル中央構造部14と、このパネル中央構造部14に連結した上部の四角形状の前側枠部15とを有している。この前側枠部15には、車両幅方向の右側で、表示パネル8が移動手段により上下動可能に設けられる。
【0015】
パネルフレーム9には、図16に示すように、パネル中央構造部14の下方で且つ背面側に、テレスコピック(telscopic)装置16が取り付けられている。このテレスコピック装置16は、後述するステアリングハンドル34の軸方向位置を調整するものであり、テレスコピックモータ17と、インストルメントパネル7の一部を構成するテレスコピックギヤユニット18とを備えている。
【0016】
図15、図16、図18に示すように、車両1には、ステアリング装置19が設けられる。このステアリング装置19は、いわゆるステアリングバイワイヤ方式を採用したものである。
【0017】
このステアリング装置19は、図18に示すように、制御装置20として、機械的な連結の無い操舵制御装置21と操作制御装置22とを備え、ステアリングギヤレシオを自由に可変可能であり、ステアリング系をコンパクトにする。制御装置20は、テレスコピックモータ17や後述のチルトモータ74等の各種モータを駆動する装置から独立したものである。
【0018】
操舵制御装置21には、図18に示すように、ピニオンシャフト23を備えたステアリングギヤボックス24と、このステアリングギヤボックス24に連結して車両幅方向に延出したラックシャフト25と、このラックシャフト25の両端に連結した左側タイロッド26L・右側タイロッド26Rと、この左側タイロッド26L・右側タイロッド26Rに取り付けられた左側操舵輪(左前輪)27L・右側操舵輪(右前輪)27Rとが設けられている。また、操舵制御装置21には、ステアリングギヤボックス24に設けられたアクチュエータ28と、ピニオンシャフト23の回転を検知する操舵検知手段である操舵角度センサ29と、アクチュエータ28を駆動制御する操舵制御手段(ECM)30とが設けられている。
【0019】
アクチュエータ28は、図18に示すように、第一の操舵モータ31と第二の操舵モータ32とからなる。操舵角度センサ29は、CAN通信等でデータ送信可能なものである。
【0020】
操舵制御手段30は、例えば、車体フロア3の上方(乗員座席6の下方)で且つインストルメントパネル7の内側に配設され、図18に示すように、後述の操作検知手段である操作角度センサ36で検知されたステアリングハンドル34のハンドル部33の操作状態に基づき第一の操舵モータ31及び第二の操舵モータ32を駆動し、ステアリングギヤボックス24のピニオンシャフト23とラックシャフト25と左側タイロッド26L・右側タイロッド26Rとを介して左側操舵輪27L・右側操舵輪27Rを駆動するものである。
【0021】
操作制御装置22には、図18に示すように、乗員である運転者により回動操作されるハンドル部33を備えたステアリングハンドル34と、このステアリングハンドル34に取り付けられた操作反力モータである電動モータ35と、ハンドル部33の操作量及び操作方向を含む操作状態を検知する操作検知手段である複数の操作角度センサ36と、電動モータ35を駆動制御してステアリングハンドル34に反力を付与する操作制御手段(ECM)37とが設けられている。
【0022】
この操作制御装置22は、図15、図16に示すように、パネルフレーム9のパネル中央構造部14の車両幅方向の右側に取り付けられる。
【0023】
ステアリングハンドル34は、図2、図3、図18に示すように、ハンドル部33を備えるとともに、このハンドル部33に連結したステアリングシャフト38とこのステアリングシャフト38を回動可能に支持するコラム部39とを含んでいる。このステアリングハンドル34のハンドル部33は、車速に応じて操舵角を可変し(ロックからロック、1回転以下の回転)、低速域では操作性を重視し、高速域では安定性を重視し、使い易くしている。
【0024】
ハンドル部33は、乗員の運転者が操作するもので、車体2に固定されるコラム部39に対して回動可能であり、図1〜図7に示すように、上下方向で切り欠いた形状であり、表示パネル8の視認性を向上するとともに、車室5内で足元空間にゆとりを持たせ、ステアリングシャフト38を中心として該ステアリングシャフト38周りの仮想円Qに沿う左右一対の左側グリップ部40L・右側グリップ部40Rを有している。この左側グリップ部40L・右側グリップ部40Rは、中空状に形成されている。
【0025】
電動モータ35は、操作制御手段37によって駆動され、ハンドル部33の回動操作時に、ステアリングシャフト38に反力であるねじれ方向の荷重が加えるものである。操作角度センサ36は、CAN通信等でデータ送信可能なものである。
【0026】
操作制御手段37は、例えば、前記操舵制御手段30に統合化され、インストルメントパネル7の内側に配設される。また、ステアリングハンドル34には、図18に示すように、機械式の反力発生機構41が設けられる。
【0027】
ステアリングシャフト38は、図9に示すように、ハンドル部33から僅かに延出し、非常に短く、コラム部39への軸支に必要な長さと操作角度センサ36の検知(センシング)に必要な長さを合わせた最低限の長さであり、コンパクトに形成されている。従って、ハンドル部33とコラム部39との間は、ステアリングシャフト38の軸方向(前後方向)Xで、可能な限り短く設定されている。
【0028】
また、ステアリングハンドル34には、図2、図3に示すように、ステアリングシャフト38の先端部を覆ってコラム部39と一体に固定されるハンドル前カバー42と、このハンドル前カバー42の背面に連結した上面コラムカバー43及び下面コラムカバー44と、上面コラムカバー43の背面に連結した背面コラムカバー45と、下面コラムカバー44及び背面コラムカバー45の背面に取り付けた配線カバー部46とが設けられている。ハンドル前カバー42と上面コラムカバー43と下面コラムカバー44と背面コラムカバー45と配線カバー部46とは、上下面及び前後面に分割可能で、コラム部39の内部の配線作業を実施する場合に、上面コラムカバー43及び背面コラムカバー45のみ外せば良い構造であり、その作業性を向上することができる。また、下面コラムカバー44には、下部に、電動モータ35で発生した熱を排出して換気するためのダクト(スリット群)47が設けられている。
【0029】
ハンドル前カバー42には、図2、図9に示すように、前面で、前側を覆う環状の前面スイッチカバー48が取り付けられる。このハンドル前カバー48は、後述する装備品51として補助拘束装置(エアバック装置)を設けた場合に、エアバック展開時に、左右に容易に分割してエアバック展開に支障を与えないものである。
【0030】
前面スイッチカバー48には、図2に示すように、ハンドル部33の左側グリップ40L寄りの位置で、左側走行補助用スイッチ(ターンシグナル等)49Lが設けられているとともに、ハンドル部33の右側グリップ40R寄りの位置で、右側走行補助用スイッチ(ターンシグナル等)49Rが設けられ、また、中央部位に装備品51の収容空間50が形成されている。
【0031】
この収容空間50は、図8、図9に示すように、ステアリングシャフト38の先端から延長線上であってハンドル前カバー42の背面との間且つ該ハンドル前カバー42と後述する柱脚107との連結部位に挟まれた位置に形成される。
【0032】
図2、図8、図9に示すように、この収容空間50には、運転者側から視た中央部位に位置し、装備品51として、補助拘束(エアバッグ)装置又はタッチパネルのいずれか一方を選択し、表面に露出して搭載する。なお、この収容空間50に装備品51としてのタッチパネルを搭載する場合には、タッチパネルの表面をハンドル前カバー42の表面と滑らかに繋ぐように形成すると、外観上見栄えが良くなる。
【0033】
図1、図2に示すように、左側グリップ部40Lには、該左側グリップ部40Lに連結して円錐面上に沿い且つ中心側に放射状に延出する一対の左側上方スポーク52A・左側下方スポーク52Bが連設している。また、右側グリップ部40Rには、該右側グリップ部40Rに連結して円錐面上に沿い且つ中心側に放射状に延出する一対の右側上方スポーク53A及び右側下方スポーク53Bが連設している。左側上方スポーク52A・左側下方スポーク52B及び右側上方スポーク53A・右側下方スポーク53Bは、中空状に形成され、コラム部39の外形に沿った環状のハンドル基円部54に連設している。
【0034】
図2に示すように、左側グリップ部40L・右側グリップ部40Rの上端部には、ハンドル部33の仮想円Q(図1参照)上の端面付近で、人為操作スイッチとして、左側プッシュスイッチ55L・右側プッシュスイッチ55Rが取り付けられている。
【0035】
また、図2に示すように、左側グリップ部40L・右側グリップ部40Rの上端部には、左側スイッチ収容部56L・右側スイッチ収容部56R範囲の上端部に、正確な操作を補助するための左側照明具57L・右側照明具57Rが併設される。左側照明具57L・右側照明具57Rは、スイッチ自体の自発光でもよく、丸形状やその他の形状の組み合わせた構成でも良い。また、左側照明具57L・右側照明具57Rを、左側上方スポーク52A・右側上方スポーク53Aの端面に沿って直線状に延出して配設することも可能である。
【0036】
図2に示すように、左側プッシュスイッチ55L及び左側照明具57Lの信号線等の各左側配線58Lは、左側グリップ部40L及び左側上方スポーク52Aの内部を通過してコラム部39の内部に配索される。また、右側プッシュスイッチ55R及び右側照明具57Rの信号線等の右側配線58Rは、右側グリップ部40R及び右側上方スポーク53Aの内部を通過してコラム部39の内部に配索される。
【0037】
コラム部39には、図2〜図7に示すように、人為操作する電装品59として、シフトスイッチ60と照明スイッチ61とが設けられる。シフトスイッチ60は、円筒状で、シフト操作が割り付けられた回動式のスイッチであり、車両幅方向の他側の左側でハンドル前カバー42から突出して設けられ、シフトツマミ62を有している。このシフトスイッチ60は、シフトツマミ62の回転によりシフト位置を選択することができ、他の部品との干渉がなく、シフト操作を容易とする。照明スイッチ61は、ワイパスイッチも兼ねており、円筒状で、照明の点灯・消灯操作が割り付けられた回動式のスイッチであり、車両幅方向の一側の右側でハンドル前カバー42から突出して設けられ、照明ツマミ63を有している。
【0038】
このシフトスイッチ60及び照明スイッチ61は、図3に示すように、上面コラムカバー43側に集中して配設され、この上面コラムカバー43と連続して外観を向上し、低い位置に在る下面コラムカバー44内の電動モータ35に対してコラム部39の上側寄りに配置され、ステアリングシャフト38の先端側と同等な高さで車両幅方向の両側に延出して配設されている。
【0039】
図2、図4、図5に示すように、シフトスイッチ60には、離間した左側上方スポーク52Aと左側下方スポーク52Bとの間でシフトの状態表示をする扇状のシフト選択表示窓64が設けられている。照明スイッチ61には、離間した右側上方スポーク53Aと右側下方スポーク53Bとの間で照明の状態表示をする扇状の照明選択表示窓65が設けられている。これにより、運転者は、シフト状態をシフト選択表示窓64から直視することができるとともに、照明状態を照明選択表示窓65から直視することができる。
【0040】
図2に示すように、シフトスイッチ60のシフト配線66は、コラム部39の内部に向かって配索される。また、照明スイッチ61の照明配線67は、コラム部39の内部に向かって配索される。
【0041】
コラム部39は、図3、図4、図15に示すように、車体2側のパネル構造部13の車両幅方向の右側に、左側壁部68L・右側壁部68Rの連結部69の連結孔70を介して支持され、この連結部69部位の背面側のコラム基部71と、このコラム基部71に対して前面側のコラム先部72とを備えている。コラム基部71には、チルト(tilt)機構73が設けられている。このチルト機構73は、ステアリングハンドル34の角度を調整するものであり、チルト移動モータ74とチルトギヤユニット75と左側壁部68L・右側壁部68Rに支持されたチルトシャフト76とを備えている。
【0042】
コラム部39には、図8、図9に示すように、チルト機構73のチルトギヤユニット75の延長上で、コラム基部71に電動モータ35が配設されている。また、チルトギヤユニット74から上方には、ステアリングシャフト38の軸線38Cが配設される。
【0043】
コラム部39は、図5〜図7、図9に示すように、内部にチルトシャフト76から上方に立ち上がる板金製のコラムブラケット77を備え、このコラムブラケット77面から法線方向にステアリングシャフト38を回動可能に支持している。
【0044】
このコラムブラケット77の周辺(両側及び背面)には、図2〜図7に示すように、シフトスイッチ60や照明スイッチ61が配設されるとともに、シフトスイッチ60のシフト配線66や照明スイッチ61の照明配線67が配置される。
【0045】
ステアリングハンドル34には、図1、図4、図5、図9、図10に示すように、ハンドル部32をステアリングシャフト37に回動一体に固定する支持部材(ハンドル固定プレート)78が設けられる。
【0046】
この支持部材78は、図1、図4、図5、図9、図10に示すように、板状で、ハンドル部33の中立状態でステアリングシャフト38を含む仮想面(ステアリングシャフト38の中心38Cを通る面)Pを挟んで略左右対称形状であり、左方に延出する左側プレート79と右方に延出する右側プレート80と下方に延出する下側プレート81とが中央環状部82で連結して略T字形状に形成されている。この中央環状部82には、所定径の中心孔83の内周面にスプラインが形成されている。
【0047】
支持部材78は、図1、図5に示すように、ハンドル部33が中立状態において、左側プレート79の先端部位がハンドル基円部54の左側に左側取付ボルト84で固定され、右側プレート80の先端部位がハンドル基円部54の右側に右側取付ボルト85で固定され、下側プレート81の先端部位がハンドル基円部54の下側に下側取付ボルト86で固定され、そして、中央環状部82が結合機構87でステアリングシャフト38に連結され、これにより、運転者によって操作されるハンドル部33の回動に伴ってステアリングシャフト38を回動する。
【0048】
結合機構87としては、例えば、図13に示すものがある。この図13の結合機構87においては、ステアリングシャフト38の先端面の中心に軸方向のねじ穴88を形成するとともに、外周面に段差部89を介してスプライン部90を形成する。そして、このスプライン部90には、環状の一側端部材91を嵌装して段差部89に接合するとともに、支持部材78の中央環状部82の内周面をスプライン結合し、この中央環状部82に隣接してカラー部材92を嵌装し、このカラー部材92の外周溝93にカバー固定プレート94の一端側のプレート孔95を回転自在に嵌装し、このカラー部材92に隣接して環状の他側端部材96を嵌装する。そして、ステアリングシャフト38の先端側からの固定ボルト97をねじ穴88にねじ込んで締め付けることにより、他側端部材96とカラー部材92と支持部材78の中央環状部82と一側端部材91とは、ステアリングシャフト38に一体的に固定される一方、カバー固定プレート94の一端側は、カラー部材92の外周溝93で自由状態となり、ステアリングシャフト38に対して自由になる。なお、固定ボルト97としては、カラー部材が一体的なものを用いることも可能である。
【0049】
また、他の結合機構87としては、例えば、図14に示すものがある。この図14の結合機構87においては、ステアリングシャフト38の先端側に、第1段差部98を介してスプライン部99を形成するとともに、第2段差部100を介してスプライン部99の径よりも小さな径のねじ部101を形成する。そして、スプライン部99には、環状の一側端部材102を嵌装して第1段差部98に接合するとともに、支持部材78の中央環状部82をスプライン結合する。そして、ねじ部101には、この中央環状部82に隣接してカラー部材103を嵌装し、このカラー部材103の外周溝104にカバー固定プレート94の一端側のプレート孔95を回転自在に嵌装し、このカラー部材103に隣接して環状の他側端部材105を嵌装し、固定ナット106をねじ部101にねじ込むことにより、支持部材78をステアリングシャフト38に一体的に固定する一方、カバー固定プレート94の一端側を、カラー部材92の外周溝94で自由状態とし、ステアリングシャフト38に対して自由にする。
【0050】
ステアリングハンドル34には、図1、図4〜図9に示すように、ハンドル部33が回動された際に支持部材78を当接させてハンドル部33の回動範囲を規制する柱脚(コラム・ハンドルカバー固定ブラケット)107が設けられる。
【0051】
この柱脚107は、中空状であり、ハンドル前カバー42とコラム部39とを一体的に固定可能であり、ハンドル前カバー42を支持し、図1に示すように、ステアリングシャフト38を含む仮想面P上に配設される。また、図11に示すように、この柱脚107は、一端側がハンドル前カバー42の上側の上側固定ボス108の上側穴部109に挿通されるとともに、図5、図9に示すように、他端側がコラムブラケット77の上部110に支持される。
【0052】
また、図9に示すように、カバー固定プレート94の下方に延出した他端側は、ハンドル前カバー42の下側固定ブラケット111に取付ボルト112で固定される。これにより、ハンドル部33よりも前面に在るハンドル前カバー42は、柱脚107とカバー固定プレート94とによりコラム部39に二点で固定される。
【0053】
柱脚107には、図1に示すように、ステアリングシャフト38の所定の回動角θに対応する身幅Wが形成されている。この身幅Wの両側は、支持部材78の両回動方向の回動限界を規制している。これにより、柱脚107の身幅Wに対応するステアリングシャフト38の回動角θが設定される。
【0054】
図1に示すように、ハンドル部33を左右に回動する回動角θと操舵輪27の操舵角とは対応しており、ハンドル部33の左右の回動角の合計は、略180度程度である。そして、ハンドル部33の回動範囲は、T字形状の支持部材78の左側プレート79の左側当接部113又は右側プレート部80の右側当接部114が柱脚107に干渉することにより規制され、略90度程度である。よって、ハンドル部33の回動範囲は、従来のロッド側(ラック&ピニオン等)の構造で規制されるのではなく、略T字形状の支持部材78と柱脚107との位置関係により規制される。
【0055】
なお、柱脚107の外周面には、左側プレート79の左側当接部113又は右側プレート80の右側当接部1114が干渉したときに、運転者に伝わる衝撃を低減するために、緩衝材を設けることも可能である。
【0056】
図1に示すように、柱脚107近傍であって支持部材78の両回動限界位置に挟まれ且つ支持部材78の回動範囲外の図1の扇状の斜線範囲Gの位置及び図11の一点鎖線の範囲Gの位置には、電装品59であるシフトスイッチ60のシフト配線66や照明スイッチ61の照明配線67を集収して背面側に配索する。つまり、このシフト配線66や照明配線67は、柱脚107の身幅Wによって想起される回動角に加え、T形状の支持部材78によって生じる略横形状の空間を利用して配索されている。この柱脚107の身幅Wによって想起される回動角θは、左側グリップ部40L・右側グリップ部40Rのステアリングシャフト38周りの対頂角よりも小さいものである。
【0057】
これにより、シフト配線66や照明配線67の配索のための専用部品を不要とし、部品点数を低減する。また、シフトスイッチ60のシフト配線66や照明スイッチ61の照明配線67、及び、左側照明具57Lの左側配線58Lや右側照明具57Rの右側配線58Rを、中空状の柱脚107に挿通してコラム部39の内部に配索することも可能である。
【0058】
また、左側プレート79又は右側プレート80には、図1の斜線で示すように、各上端で左側当接部113又は右側当接部114を外して中心側に左側切欠部115又は右側切欠部116を窪ませて形成することにより、電装品59の配線の数が増加した場合に、配線を左側切欠部115又は右側切欠部116に収容することで、配線が柱脚107と干渉するのを回避させることができる。
【0059】
コラム部39の内部には、図7、図8に示すように、シフトスイッチ60のシフト配線66や照明スイッチ61の照明配線67等の各配線が、中央部位のハンドル前カバー42から延出し、結束して配索される。このコラム部39の内部の各配線は、図7に示すように、電動モータ35やギヤトレーンを避けつつ、剛性確保のための構造部材を利用して電動モータ35と区画され、また、厚みを抑えて平たく配索される。
【0060】
電動モータ35は、図8に示すように、電装品59であるシフトスイッチ60や照明スイッチ61からの各配線66、67を配索する柱脚107に対してステアリングシャフト38を挟んで反対側に配設されている。この電動モータ35の搭載位置は、これら各配線66、67と電動モータ35とを離間させるように配設してあり、また、乗員の足下に近い低い位置であり、いわゆるチルトシャフト76の近くであって、駆動時にはモーメントが小さくなる。
【0061】
また、図9に示すように、ステアリングシャフト38には、電動モータ35に連結する連結ギヤ117が設けられている。
【0062】
更に、図11に示すように、ハンドル前カバー42には、下側固定ブラケット118が設けられ、この下側固定ブラケット118に下側穴部119が形成されている。
【0063】
次に、この実施例の作用を説明する。
【0064】
車両1においては、チルト機構73の操作によりステアリングハンドル34の角度を調整することができ、また、テレスコピック装置16の操作によりステアリングハンドル34の軸方向位置を調整することができ、更に、チルト機構73及びテレスコピック装置16の操作によりステアリングハンドル34の上下の位置を調整し、運転者に理想的な運転姿勢を付与することが可能となり、また、インストルメントパネル7全体を移動することにより多彩な座席配置を実現することができる。
【0065】
また、この車両1のステアリング装置19においては、コンパクト化の中でも、さらに、足下スペースの拡大、表示面積の拡大、調整範囲の拡大、各調整機構の電動化、半自動化に関する機能性を向上することと、その際に生じる課題を解決することを目的にしている。
【0066】
このような目的のために、この実施例において、図1に示すように、ステアリングハンドル34は、ハンドル部33に連結したステアリングシャフト38とこのステアリングシャフト38を支持するコラム部39とを含んでいる。ハンドル部33は、ステアリングシャフト38を中心として該ステアリングシャフト38周りの仮想円Qに沿う左右一対のグリップ部40L・40Rを有している。そして、ハンドル部33をステアリングシャフト38に回動一体に固定する支持部材78を設け、ハンドル部33が回動された際に該ハンドル部33と共に回動する支持部材78を当接させてハンドル部33の回動範囲を規制する柱脚107を設けている。
【0067】
これにより、いわゆるステアリングバイワイヤ方式を採用したステアリング装置19において、ステアリングハンドル34のハンドル部33の回動範囲を規制し、ハンドル操作の省力化(回動範囲の縮小も含めて)を図ってステアリングハンドル34の操作性を向上し、また、専用部品を不要とし、部品点数を削減して構成を簡単にし、ステアリングハンドル34の小型化を図るとともにコストを低減することができる。また、ハンドル部33のみ回動可能とし、ハンドル部33の前面部品である前面スイッチカバー48とシフトスイッチ60・照明スイッチ61の位置を固定していることから、各走行補助用スイッチ49L、49Rや各スイッチ60、61の操作性を向上し、装備品51のの小型化を図り、また、夜間のハンドル部33の回動位置(切り欠き位置)の認識を容易にすることができる。
【0068】
また、図1〜図3、図9に示すように、ステアリングシャフト38の先端部を覆うハンドル前カバー42を設け、柱脚107はハンドル前カバー42とコラム部39とを一体的に固定可能であり、支持部材78はハンドル部33の中立状態でステアリングシャフト38を含む仮想面Pを挟んで略左右対称形状であり、柱脚107はステアリングシャフト38を含む仮想面P上に配設されている。これにより、各配線58L、58R、66、67の少量化、および、配線作業の容易化を図るとともに、ステアリングハンドル34の小型化を図ることができる。
【0069】
更に、図1〜図3に示すように、柱脚107に支持されるハンドル前カバー42側には人為操作する電装品(スイッチ等)59を設け、柱脚107にはステアリングシャフト38の所定の回動角θに対応する身幅Wを形成し、この身幅Wの両側により支持部材78の両回動方向の回動限界を規制し、柱脚107近傍であって支持部材78の両回動限界位置に挟まれ且つ支持部材78の回動範囲外の位置には電装品59からの各配線66、67を集収して配索している。これにより、配線作業の容易化(被覆配線を束ね、摺動接点等をなくし得る)、ステアリングハンドル34の小型化を図るとともに、電装品59の操作性を向上することができる。
【0070】
更にまた、図9に示すように、ステアリングシャフト38の先端から延長線上であってハンドル前カバー42の背面との間且つハンドル前カバー42と柱脚107との連結部位に挟まれた位置には収容空間50を形成し、この収容空間50に装備品51(補助拘束装置等)を収容している。これにより、ハンドル前カバー42の支持剛性の確保と電装品59の操作性の向上と装備品51の搭載性とを両立し、ステアリングハンドル34の小型化を図ることができる。
【0071】
また、図8に示すように、ステアリングシャフト38にトルクを与える電動モータ35は、電装品59からの各配線66、67を配索する柱脚107に対してステアリングシャフト38を挟んで反対側に配設されている。これにより、電動モータ35からの電波ノイズが電装品59からの各配線66、67に与える影響を抑制することができる。
【0072】
更に、図1、図2に示すように、ハンドル部33の上端側の仮想円Q上の端面付近に人為操作スイッチとしてのプッシュスイッチ55L、55Rを設けるとともに、この人為操作スイッチの各スイッチ収容部56L、56R範囲には各照明具57L、57Rを併設している。これにより、操作入力を正確にでき、また、操舵輪27に対してハンドル部33の回動範囲が狭く、操作入力に対し駆動出力が大きい場合に有効とすることができる。
【0073】
即ち、この実施例では、ステアリングバイワイヤ方式を採用したステアリング装置19を設けたことにより、従来のように、コラム部とピニオンシャフトとの機械的連結が無くなり、コンパクトで、しかも、ステアリングギアレシオを自由に可変することが可能となる。
【0074】
そして、ハンドル部33の回動角度を左右で90度以下に制限させ、ハンドル部33の中心部を固定する。これにより、ハンドル部33の中心部の前面スイッチカバー48に設置した各走行補助用スイッチ49L、49R及びコラム部39に設けたシフトスイッチ60、照明スイッチ61は、常に一定位置となり、各スイッチの操作性を向上することができる。
【0075】
また、ステアリングハンドル34の中心部に装備品51としてエアバック装置を設けた場合には、必要個所に重点的にエアバッグ展開すればよく、例えば、左右方向及び下方向の展開面積を小さくすることができる。よって、エアバッグ装置の収納体積を小さくすることができるとともに、エアバッグ装置の小型化、エアバック展開時間の短縮等を図ることが可能となる。
【0076】
更に、装備品51としてのエアバッグ装置及び各スイッチの各配線は、ハンドル部33の回動角度を制限したことにより、直線状に配索することが可能となり、これにより、専用の接続部品が不要となり、構成を簡単にし、コンパクトで、コストを低く抑えることができる。
【0077】
更にまた、ハンドル部33の回動角度を制限したことより、ハンドル部33の形状を円形ではなく、上下方向の部分を切り取った形状とした。これにより、ハンドル部33の各グリップ部40L、40Rの上端部に各プッシュスイッチ55L、55Rや各照明具57L、57Rを組み込み、この各プッシュスイッチ55L、55Rの操作性を向上させるとともに、夜間に各照明具57L、57Rを点灯させることで、ハンドル部33の位置(握る部分と切欠部の識別)・回動角度が容易に分かるようにすることができる。
【0078】
なお、この発明においては、上述の実施例に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論である。
【0079】
例えば、T字形状の支持部材と柱脚とでハンドル部の回動範囲を規制する構造を、乗り物全般(船舶、スノーモービル等)のステアリングコラムに適用することも可能である。
【0080】
また、T字形状の支持部材の一部の形状を変更することにより、ハンドル部の回転角度を容易に調整可能とする。
【0081】
更に、T字形状の支持部材及び柱脚の形状を変更することにより、この部位を通過する信号線等の配線の本数が増減しても、対処することが可能となる。
【0082】
更にまた、ハンドル部の上部以外の個所にブラケットやプレートを設けることにより、ハンドル部の上部以外の個所で、配線を通過させる構造とすることも可能である。
【0083】
また、電動モータの停止時のハンドル固定機構又は機械的な反力機構を、ステアリングコラムに組み込むことも可能である。
【0084】
更に、電動モータを、コラム部に複数個組み込むことも可能である。
【0085】
ハンドル部は、上下切欠き以外の形状にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
ハンドル部をステアリングシャフトに回動一体に固定する支持部材を設け、ハンドル部が回動された際に支持部材を当接させてハンドル部の回動範囲を規制する柱脚を設ける構造を、車両以外の他の装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】ハンドル回動角を説明するステアリングハンドルの正面図である。
【図2】ステアリングハンドルの正面側からの斜視図である。
【図3】ステアリングハンドルの背面側からの斜視図である。
【図4】前面スイッチカバーを取り外した状態のステアリングハンドルの正面側からの斜視図である。
【図5】各カバーを取り外した状態のステアリングハンドルの正面側からの斜視図である。
【図6】各カバーを取り外した状態のステアリングハンドルの背面側からの斜視図である。
【図7】各カバーを取り外した状態のステアリングハンドルの側面側からの斜視図である。
【図8】コラム部の斜視断面図である。
【図9】コラム部の縦断面図である。
【図10】ハンドル部の背面側からの斜視図である。
【図11】ハンドル前カバーの背面側からの斜視図である。
【図12】前面スイッチカバーの背面側からの斜視図である。
【図13】ハンドル部とステアリングシャフトとの結合機構の断面図である。
【図14】ハンドル部とステアリングシャフトとの他の結合機構の断面図である。
【図15】パネルフレームの前面側からの斜視図である。
【図16】パネルフレームの背面側からの斜視図である。
【図17】車両の内部の一部斜視図である。
【図18】車両のステアリング装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0088】
1 車両
3 車両フロア
7 インストルメントパネル
8 表示パネル
19 ステアリング装置
20 制御装置
21 操舵制御装置
22 操作制御装置
27 操舵輪
28 アクチュエータ
29 操舵角度センサ
30 操舵制御手段
31 第一の操舵モータ
32 第二の操舵モータ
33 ハンドル部
34 ステアリングハンドル
35 電動モータ
36 操作角度センサ
37 操作制御手段
38 ステアリングシャフト
39 コラム部
40L 左側グリップ部
40R 右側グリップ部
42 ハンドル前カバー
43 上面コラムカバー
44 下面コラムカバー
45 背面コラムカバー
46 配線カバー部
48 前面スイッチカバー
49L 左側走行補助用スイッチ
49R 右側走行補助用スイッチ
50 収容空間
51 装備品
54 ハンドル基円部
55L 左側プッシュスイッチ
55R 右側プッシュスイッチ
56L 左側スイッチ収容部
56R 右側スイッチ収容部
57L 左側照明具
57R 右側照明具
58L 左側配線
58R 右側配線
59 電装品
60 シフトスイッチ
61 照明スイッチ
66 シフト配線
67 照明配線
69 連結部
77 コラムブラケット
78 支持部材
107 柱脚
113 左側当接部
114 右側当接部
P 仮想面
Q 仮想円
W 身幅
θ 回動角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵輪を駆動するアクチュエータと、乗員により回動操作されるハンドル部を備えたステアリングハンドルと、前記ハンドル部の操作量及び操作方向を含む操作状態を検知する操作検知手段と、この操作検知手段で検知された前記ハンドル部の操作状態に基づき前記アクチュエータを駆動する制御装置を備える車両のステアリング装置において、前記ステアリングハンドルは前記ハンドル部に連結したステアリングシャフトとこのステアリングシャフトを支持するコラム部とを含み、前記ハンドル部は前記ステアリングシャフトを中心として前記ステアリングシャフト周りの仮想円に沿う左右一対のグリップ部を有し、前記ハンドル部を前記ステアリングシャフトに回動一体に固定する支持部材を設け、前記ハンドル部が回動された際に該ハンドル部と共に回動する前記支持部材を当接させて前記ハンドル部の回動範囲を規制する柱脚を設けたことを特徴とする車両のステアリング装置。
【請求項2】
前記ステアリングシャフトの先端部を覆うハンドル前カバーを設け、前記柱脚は前記ハンドル前カバーと前記コラム部とを一体的に固定可能であり、前記支持部材は前記ハンドル部の中立状態で前記ステアリングシャフトを含む仮想面を挟んで略左右対称形状であり、前記柱脚は前記ステアリングシャフトを含む仮想面上に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のステアリング装置。
【請求項3】
前記柱脚に支持される前記ハンドル前カバー側には人為操作する電装品を設け、前記柱脚には前記ステアリングシャフトの所定の回動角に対応する身幅を形成し、この身幅の両側により前記支持部材の両回動方向の回動限界を規制し、前記柱脚近傍であって前記支持部材の両回動限界位置に挟まれ且つ前記支持部材の回動範囲外の位置には前記電装品からの配線を集収して配索したことを特徴とする請求項2に記載の車両のステアリング装置。
【請求項4】
前記ステアリングシャフトの先端から延長線上であって前記ハンドル前カバーの背面との間且つ前記ハンドル前カバーと前記柱脚との連結部位に挟まれた位置には収容空間を形成し、この収容空間に装備品を収容したことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両のステアリング装置。
【請求項5】
前記ステアリングシャフトにトルクを与える電動モータは、前記電装品からの配線を配索する前記柱脚に対して前記ステアリングシャフトを挟んで反対側に配設されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両のステアリング装置。
【請求項6】
前記ハンドル部の仮想円上の端面付近に人為操作スイッチを設けるとともに、この人為操作スイッチのスイッチ収容部範囲には照明具を併設したことを特徴とする請求項1に記載の車両のステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−83808(P2007−83808A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273364(P2005−273364)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】