説明

車両の制御装置およびそれを搭載する車両

【課題】外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両の制御装置において、外部充電中に電動負荷を作動する場合に、蓄電装置の過充電を抑制しつつ、蓄電装置の充電量および電動負荷の動作性能を確保する。
【解決手段】外部電源260からの電力を用いた外部充電が可能な車両の制御装置であって、車両100は、充電可能な蓄電装置110と、蓄電装置110を充電するための充電装置200と、空調機160とを含む。空調機160は、プレ空調運転時は、外部充電中に充電装置200からの出力電力を用いて動作する。また、制御装置300は、電力指令設定部330と、充電制御部340と、空調制御部350を備える。電力指令設定部330は、蓄電装置110の充電状態および空調機160の動作状態に基づいて、蓄電装置110を充電電力指令値および空調機160の駆動電力指令値を設定する。充電制御部340は、充電電力指令値に基づいて充電装置200を制御する。空調制御部350は、駆動電力指令値に基づいて空調機160を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置およびそれを搭載する車両に関し、より特定的には、外部電源からの電力を用いて充電が可能な車両の充電制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。そして、これらの車両に搭載される蓄電装置を発電効率の高い商用電源により充電する技術が提案されている。
【0003】
ハイブリッド車においても、電気自動車と同様に、車両外部の電源(以下、単に「外部電源」とも称する。)から車載の蓄電装置の充電(以下、単に「外部充電」とも称する。)が可能な車両が知られている。たとえば、家屋に設けられた電源コンセントと車両に設けられた充電口とを充電ケーブルで接続することにより、一般家庭の電源から蓄電装置の充電が可能ないわゆる「プラグイン・ハイブリッド車」が知られている。これにより、ハイブリッド自動車の燃料消費効率を高めることが期待できる。
【0004】
特許第4341712号公報(特許文献1)は、外部電源により充電可能なバッテリを搭載した車両において、外部充電を行なっている間に車載電気負荷を作動させる場合に、バッテリの充電許容電力が所定以下のときには、外部電源からの電力供給を停止し、バッテリからの電力により電気負荷(空調機)を駆動する技術を開示する。特許第4341712号公報(特許文献1)によれば、空調機の作動状態の変化に伴って車両の電気システム内部で余剰電力が発生することを防止し、バッテリが過充電となることによるバッテリの劣化を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4341712号公報
【特許文献2】特開平8−065814号公報
【特許文献3】特開平8−065815号公報
【特許文献4】特許第4325728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許第4341712号公報(特許文献1)に開示された技術においては、バッテリの充電許容電力が所定以下のとき、具体的には極低温時やバッテリの満充電近傍の状態を対象としていた。しかしながら、温度条件と空調機の作動条件の組み合わせによっては、対象とする状態以外においても過充電となり得る可能性がある。また、対象となる状態においては、バッテリからの電力だけで空調機が駆動されるために、駆動電力が不足して空調能力が十分に発揮できなかったり、バッテリの電力を消費することによって電動走行距離が減少してしまったりするおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両の制御装置において、外部充電中に電動負荷を作動する場合に、蓄電装置の過充電を抑制しつつ、蓄電装置の充電量および電動負荷の動作性能を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による車両の制御装置は、外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両を制御する。車両は、充電可能な蓄電装置と、充電装置と、電動負荷とを含む。充電装置は、外部電源からの電力を変換して蓄電装置の充電電力を出力する。電動負荷は、外部充電中に、充電装置からの出力電力を用いて動作することができる。制御装置は、電力指令設定部と、充電制御部と、負荷制御部とを備える。電力指令設定部は、蓄電装置を充電しているときに、蓄電装置の充電状態および電動負荷の動作状態に基づいて、蓄電装置を充電するための第1の電力の指令値および電動負荷を動作させるための第2の電力の指令値を設定する。充電制御部は、第1の電力の指令値に基づいて充電装置を制御する。負荷制御部は、第2の電力の指令値に基づいて電動負荷を制御する。
【0009】
好ましくは、制御装置は、蓄電装置の電圧に基づいて、蓄電装置が回路に接続されていないときの開回路電圧を推定するように構成された開回路電圧推定部をさらに備える。そして、電力指令設定部は、蓄電装置を充電している場合の蓄電装置の電圧が第1のしきい値を超えるときは、推定された開回路電圧が第1のしきい値に到達するまで、充電装置からの出力電力を低下させるように制限して充電を継続するための指令値を設定する。
【0010】
好ましくは、電力指令設定部は、電動負荷が運転中の場合には、蓄電装置の電圧が第1のしきい値を超えるときであっても、充電装置を停止する。
【0011】
好ましくは、電力指令設定部は、充電装置が停止された後、蓄電装置の電圧が第1のしきい値より小さくなっても、第1の停止期間が経過するまでは充電装置の停止を継続する。
【0012】
好ましくは、第1の停止期間は、蓄電装置の電圧が第1のしきい値より小さくなった時点から、予め定められた時間が経過するまでの期間である。
【0013】
好ましくは、第1の停止期間は、蓄電装置の電圧が第1のしきい値より小さくなった時点から、蓄電装置の電圧が第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値に到達するまでの期間である。
【0014】
好ましくは、第1の停止期間は、蓄電装置の電圧が第1のしきい値より小さくなった時点からの蓄電装置の充放電電流の積算値が基準値に到達するまでの期間である。
【0015】
好ましくは、電力指令設定部は、充電装置の充電状態が基準値より小さい場合は、蓄電装置の充電を優先するように判定し、蓄電装置の充電目標電力を確保しつつ、充電装置からの出力可能電力を超えないように、第1の電力および第2の電力の指令値を設定する。
【0016】
好ましくは、電力指令設定部は、充電装置の充電状態が基準値より大きい場合は、電動負荷の動作を優先するように判定し、電動負荷の駆動電力を確保しつつ、充電装置からの出力可能電力を超えないように、第1の電力および第2の電力の指令値を設定する。
【0017】
好ましくは、電力指令設定部は、蓄電装置からの放電電力が蓄電装置の放電電力上限値を超過することが予測された場合は、蓄電装置からの放電電力が放電電力上限値より小さくなるように、第2の電力の指令値を制限する。
【0018】
好ましくは、電動負荷は、車両の室内を空調するための空調機である。
また、本発明による車両は、外部電源からの電力を用いた外部充電が可能であって、充電可能な蓄電装置と、充電装置と、電動負荷と、制御装置とを備える。充電装置は、外部電源からの電力を変換して蓄電装置の充電電力を出力する。電動負荷は、外部充電中に、充電装置からの出力電力を用いて動作可能である。制御装置は、蓄電装置の充電状態および電動負荷の動作状態に基づいて、蓄電装置を充電するための第1の電力の指令値および電動負荷を動作させるための第2の電力の指令値を設定し、第1の電力の指令値に基づいて充電装置を制御するとともに、第2の電力の指令値に基づいて電動負荷を制御する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両の制御装置において、外部充電中に電動負荷を作動する場合に、蓄電装置の過充電を抑制しつつ、蓄電装置の充電量および電動負荷の動作性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施の形態に従う車両の全体ブロック図である。
【図2】PCU内部の構成の一例を示す図である。
【図3】蓄電装置のSOCと電圧との関係を説明するための図である。
【図4】低SOCから中SOCの場合の、蓄電装置の充電電力および空調機の駆動電力の一例を示すタイムチャートである。
【図5】高SOCの場合の、蓄電装置の充電電力および空調機の駆動電力の一例を示すタイムチャートである。
【図6】蓄電装置の放電電力が放電電力上限値を超過する場合の、空調機の駆動電力制限する手法の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態において、ECUで実行される充電電力制御を説明するための機能ブロック図である。
【図8】本実施の形態において、ECUで実行される充電電力制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0022】
図1は、本実施の形態に従う車両100の全体ブロック図である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、動力伝達ギア140と、駆動輪150と、ECU(Electronic Control Unit)300とを備える。
【0023】
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
【0024】
蓄電装置110は、電力線PL1および接地線NL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
【0025】
システムメインリレーSMRに含まれるリレーは、一方端が蓄電装置110の正極端子および負極端子とそれぞれ接続され、他方端が電力線PL1および接地線NL1にそれぞれ接続される。そして、システムメインリレーSMRは、ECU300からの制御信号SE1によって制御され、蓄電装置110とPCU120との間での電力の供給と遮断とを切替える。
【0026】
図2は、PCU120の内部構成の一例を示す図である。
図2を参照して、PCU120は、コンバータ121と、インバータ122と、コンデンサC1,C2とを含む。
【0027】
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1および接地線NL1と電力線HPLおよび接地線NL1との間で電圧変換を行なう。
【0028】
インバータ122は、電力線HPLおよび接地線NL1に接続される。インバータ122は、ECU300からの制御信号PWIに基づいてコンバータ121から供給される直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130を駆動する。
【0029】
コンデンサC1は、電力線PL1および接地線NL1の間に設けられ、電力線PL1および接地線NL1間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線HPLおよび接地線NL1の間に設けられ、電力線HPLおよび接地線NL1間の電圧変動を減少させる。
【0030】
なお、図2においては、インバータおよびモータジェネレータを1つずつ備える構成が示されるが、インバータおよびモータジェネレータのペアを複数備える構成としてもよい。
【0031】
再び図1を参照して、モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
【0032】
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギア140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
【0033】
また、モータジェネレータ130の他にエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、このエンジンおよびモータジェネレータ130を協調的に動作させることによって、必要な車両駆動力が発生される。この場合、エンジンの回転による発電電力を用いて、蓄電装置110を充電することも可能である。
【0034】
すなわち、本実施の形態における車両100は、車両駆動力を発生するための電動機を搭載する車両を示すものであり、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車、エンジンを搭載しない電気自動車および燃料電池自動車などを含む。
【0035】
車両100は、さらに低電圧系(補機系)の構成として、空調機160と、DC/DCコンバータ170と、補機バッテリ180と、補機負荷190と、温度センサ195とを含む。
【0036】
DC/DCコンバータ170は、電力線PL1および接地線NL1に接続され、ECU300からの制御信号PWDに基づいて、蓄電装置110から供給される直流電圧を降圧する。そして、DC/DCコンバータ170は、電力線PL3を介して補機バッテリ180、補機負荷190およびECU300などの車両全体の低電圧系に電力を供給する。
【0037】
補機バッテリ180は、代表的には鉛蓄電池によって構成される。補機バッテリ180の出力電圧は、蓄電装置110の出力電圧よりも低く、たとえば12V程度である。
【0038】
補機負荷190には、たとえばランプ類、ワイパー、ヒータ、オーディオ、ナビゲーションシステムなどが含まれる。
【0039】
空調機160は、電力線PL1および接地線NL1に接続される。空調機160は、ECU300からの制御信号OPEに基づいて駆動され、車両100の室内の空調を行なう。空調機160は、電力線PL1および接地線NL1に接続されるので、外部充電時には、蓄電装置110からの電力および後述する充電装置200からの電力のいずれかによって駆動することができる。
【0040】
温度センサ195は、車両100の車両室内温度TMPを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。
【0041】
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
【0042】
ECU300は、PCU120、DC/DCコンバータ170、充電装置200などを制御するための制御信号を出力する。なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、制御装置の構成はこれに限定されない。たとえば、PCU120を制御する制御装置や、充電装置200を制御する制御装置のように、制御される機器や機能ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
【0043】
また、ECU300は、蓄電装置110に含まれるセンサ(図示せず)からのバッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBの検出値を受ける。ECU300は、バッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBに基づいて、蓄電装置110の充電状態(以下、SOC(State of Charge)とも称する。)を演算する。
【0044】
さらにECU300は、運転者からの空調運転指示や車両の次回運転開始予定時間などから設定される制御信号PREに基づいて、外部充電中に外部電源からの電力を用いて空調機160の運転を行なう、いわゆるプレ空調運転を実行する。
【0045】
車両100は、外部電源260からの電力によって蓄電装置110を充電するための構成として、充電装置200と、インレット230と、充電リレーCHRとを含む。
【0046】
インレット230は、外部電源260からの交流電力を受けるために、車両100のボディに設けられる。インレット230には、充電ケーブル250の充電コネクタ251が接続される。そして、充電ケーブル250のプラグ253が、(たとえば、商用電源のような)外部電源260のコンセント261に接続されることによって、外部電源260からの交流電力が、充電ケーブル250の電線部を介して車両100に伝達される。充電ケーブル250の電線部には、外部電源260から車両100への電力の供給と遮断とを切替えるための、充電回路遮断装置(以下「CCID(Charging Circuit Interrupt Device)」とも称する。)252が介挿される。
【0047】
充電装置200は、電力線ACL1,ACL2を介して、インレット230に接続される。また、充電装置200は、充電リレーCHRを介して、電力線PL2および接地線NL2によって電力線PL1および接地線NL1に接続される。
【0048】
充電装置200は、ECU300からの制御信号PWEによって制御され、インレット230から供給される交流電力を、蓄電装置110の充電電力に変換する。
【0049】
充電リレーCHRに含まれるリレーは、蓄電装置110とPCU120とを結ぶ電力線PL2および接地線NL2にそれぞれ介挿される。そして、充電リレーCHRは、ECU300からの制御信号SE2に基づいて制御され、充電装置200から電力線PL1および接地線NL1への電力の供給と遮断とを切替える。
【0050】
一般的に、蓄電装置として用いられるリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池のSOCは、電池に負荷を接続しない状態での電圧、すなわち開回路電圧(Open Circuit Voltage:OCV)と所定の関係があることが知られている。そのため、図1に示すような車両においても、蓄電装置110のSOCについては、蓄電装置110のバッテリ電圧VBによって判定することができる。しかしながら、このバッテリ電圧VBは、蓄電装置110に負荷が接続された状態での電圧、すなわち閉回路電圧(Closed Circuit Voltage:CCV)であるため、蓄電装置110の内部抵抗に電流が流れることによる電圧増加分が加えられた電圧として検出される。すなわち、蓄電装置の内部抵抗をR、回路に流れる電流をIとすると、OCVとCCVとの間には以下のような関係が成立する。
【0051】
CCV=OCV+I・R … (1)
式(1)からわかるように、回路に流れる電流が大きいほどCCVとOCVとの偏差が大きくなる。閉回路においては、蓄電装置の入出力電流は負荷の状態によって変化するため、蓄電装置の満充電状態の判定は、閉回路であってもOCVに基づいて定められた基準電圧との比較によって行なわれる場合がある。このため、CCVであるバッテリ電圧VBに基づいて満充電であると判定した場合であっても、OCVに換算した実質的な満充電状態にまだ到達していない状態となり得る。ハイブリッド車や電気自動車などにおいては、できるだけ長い距離を電動走行可能とするニーズが高まっており、蓄電装置にできるだけ多くの電力を蓄えることが望まれる。そのため、バッテリ電圧VBに基づいて満充電状態を一旦判定した後に、OCV換算で実質的に満充電状態となるように、さらに追加の充電が行なわれる場合がある。この追加の充電について、図3を用いて説明する。
【0052】
図3は、蓄電装置のSOCと電圧との関係を概念的に示す図である。図3の横軸にはSOCが示され、縦軸にはバッテリ電圧VBが示される。
【0053】
図3を参照して、図3中の実線の曲線W1は、SOCとCCVであるバッテリ電圧VBとの関係の一例である。蓄電装置を充電する際には、まずは電圧センサ等で測定が可能なCCVであるバッテリ電圧VBに基づいて満充電状態を判定する。図3においては、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1となった時点で満充電と判断される。バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1となるまでは、蓄電装置は過充電状態となる可能性は少ないので、比較的大電流で充電が行なわれる。
【0054】
しかしながら、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1となる点P1におけるOCV換算の電圧(図3中の破線の曲線W2)は、図3中の点P1*のように、バッテリ電圧VBよりも小さくなる。この状態においては、SOCは、本来の満充電状態で図3中のS2の状態よりも充電量が少ないS1の状態となる。そのため、OCV換算の電圧が、第1の基準値Vmax1となると予測されるバッテリ電圧VBが第2の基準値Vmax2(Vmax2>Vmax1)となる点P2まで、追加的に充電が継続される。
【0055】
この追加的な充電においては、通常の充電の場合における充電電流よりも小電力として充電量を詳細に制御するとともに、予め定められた電流以上の充電電流で充電が行なわれる。上述のように、充電電流が変動してしまうと、内部抵抗による電圧成分が変動するので、バッテリ電圧VBによってOCV換算の電圧を推定する場合には、充電電流の変動が推定精度に影響する。もし、上述のような予め定められた電流よりも小さい充電電流でこの追加的な充電が行なわれた場合、内部抵抗による電圧上昇が小さくなるため、図3中に示した破線の曲線W3のように、バッテリ電圧VBがVmax2に到達した時点では、すでにOCV換算の電圧がVmax2を超過、すなわち過充電状態となってしまうおそれがある。このような不具合を防止するために、追加的な充電においては、予め定められた電流値以上の充電電流で充電することが必要となる。
【0056】
このような追加的な充電を行なうことによって、蓄電装置を実質的に満充電状態とすることができる。
【0057】
ところが、このような追加的な充電を行なう際に、たとえばプレ空調運転などのように、他の電動負荷によって電力の消費が行なわれると、充電装置から出力された電力が空調機などの電動負荷によって消費され、蓄電装置を充電するための充電電流が、上述の予め定められた電流値よりも低下することが考えられる。そうすると、上述のように、OCVが推定した値よりも大きくなってしまい、過充電を引き起こすおそれがある。
【0058】
また、一般的に、蓄電装置の充電の際には、蓄電装置に対して過大な充電電力が急激に供給されないように、蓄電装置の保護のために充電電力上限値が定められる。しかしながら、この充電電力上限値は、蓄電装置への時間的な(瞬間的な)充電電力を制限するものであって、結果として蓄電装置に蓄えられる充電量(すなわちSOC)を保障するものではない。そのため、上述の追加的な充電の場合のように、充電電力上限値以内の小電力で充電されたときには、過充電を抑制できず蓄電装置の劣化の原因となるおそれがある。
【0059】
そこで、本実施の形態においては、外部充電中にプレ空調運転などによって電力が消費される場合に、CCVである蓄電装置のバッテリ電圧VBが図3で示した第1の基準値Vmax1に到達したときは、追加的な充電を行なわず充電装置を停止するような充電制御を行なう。このようにすることによって、外部充電時の蓄電装置の過充電を防止することが可能となる。
【0060】
なお、上記の電力消費については、プレ空調運転のほかにも、たとえば、オーディオの使用やライトの点灯など、他の電動負荷による電力消費も考えられる。本実施の形態においては、プレ空調運転が実施される場合を例として説明する。
【0061】
図4は、本実施の形態の充電制御において、低SOCから中SOCの場合の、蓄電装置110の充電電力および空調機160の駆動電力の一例を示すタイムチャートである。図4の横軸には時間が示され、縦軸にはSOC、空調電力および充電電力が示される。
【0062】
図1および図4を参照して、外部充電が開始され、SOCが所定のしきい値αに到達する時刻t11までの期間においては、蓄電装置からの電力のみで走行する、いわゆるEV走行距離を確保するために、空調機160の出力可能電力が図4中の曲線W11のように制限される。そして、充電装置200から供給される電力は、蓄電装置110の充電に優先的に使用される。
【0063】
そして、SOCがしきい値αに到達する時刻t11において、空調機160の駆動電力の制限が解除される。時刻t11からt12の間は、充電優先の状態から空調優先の状態への遷移期間である。このように、SOCが所定値(図4中のしきい値α)より大きい場合は、空調機160におけるプレ空調運転を優先させることで、プレ空調運転を早期に終了させることが可能となる。なお、図4では、時刻t11からt12の間の遷移期間における空調電力の制限値が基準値まで直線的に徐々に増加される例を示すが、この制限値は、時刻t11においてステップ状に増加させてもよいし、階段状に増加させるようにしてもよい。
【0064】
時刻t12からt13までは、空調機160によるプレ空調運転を優先的に行ないつつ、充電装置200から供給される電力の残りの電力で蓄電装置110の充電が継続される。
【0065】
そして、空調機160は、車両100の室内の温度が予め設定された目標温度に達すると、プレ空調運転を一時的に停止する(図4中の時刻t13〜t14,t15〜t16)とともに、室内の温度が目標温度から所定温度だけ乖離すると空調機の運転を再開する(図4中の時刻t14〜t15,t16〜)ように間欠的に運転される。
【0066】
空調機160の駆動電力は、図4中の曲線W12にように、間欠停止している間はゼロ付近まで低下する。一方、蓄電装置110は、図4中の曲線W13のように、間欠停止している間は、充電装置200からの電力の大部分を用いることができるので、充電目標電力の最大の充電電力で充電される。このようにして、図4中の曲線W10のようにSOCが増加する。なお、図4のような低SOCから中SOCの場合は、空調機160の電力指令(図4中の曲線W11)は、充電装置200の定格出力から定まる基準値を超えない範囲で設定される。
【0067】
図5は、図4の場合よりもSOCが高くなり、SOCが目標値付近となった場合のタイムチャートである。図5においては、図4に追加して、蓄電装置110のバッテリ電圧VBが示される。また、蓄電装置110の充電電力については、負の値の場合は蓄電装置110から出力される放電電力を示すものとする。
【0068】
図1および図5を参照して、図4で説明したような、空調機160のプレ空調運転と蓄電装置110への充電動作とが継続され、時刻t25まではSOCが徐々に増加する。
【0069】
ここで、図5で示すような高SOCの場合においては、空調機160の駆動電力は、図4で示した充電装置200の定格出力から定まる基準値よりも大きい値に設定してもよい。この場合は、空調機160の駆動電流が基準値を超える場合には、その超過した分の電力は蓄電装置110から出力される。
【0070】
そして、蓄電装置110のバッテリ電圧VBが時刻t25において基準値Vmax1に到達する(図5の点20)ので、この時点で充電装置200が強制的に停止され、充電指令(図5の曲線W24)がほぼゼロ付近に低下する。
【0071】
その後、この状態で空調機160の運転が再開されるが、充電装置200が停止した状態なので、空調機160は蓄電装置110から出力される電力を用いて駆動される。これによって、蓄電装置110の実際の充電電力は負の値、すなわち放電状態となる。
【0072】
この蓄電装置110の放電によって、SOCおよびバッテリ電圧VBは低下するが、充電装置200は、バッテリ電圧VBが基準値Vmax1より小さくなっても一定期間経過するまで(図5中の時刻t28)は再起動されない。これは、バッテリ電圧VBが基準値Vmax1より小さくなったことによってすぐに充電装置200を再起動すると、充電装置200が基準値Vmax1付近で起動と停止とを頻繁に繰り返す、いわゆるハンチング現象が発生してしまうおそれがあり、このハンチング現象を防止するためである。
【0073】
なお、充電装置200が再起動するまでの一定期間(ディレイ期間)は、たとえば、バッテリ電圧VBが基準値Vmax1より小さくなった時点からの所定の時間としてもよい。また、ディレイ期間は、バッテリ電圧VBが基準値Vmax1よりも小さい所定の電圧以下になるまでの期間とすることもできる。あるいは、バッテリ電圧VBが基準値Vmax1より小さくなった時点からの蓄電装置110からの充放電電流を積算し、その積算値が放電側に所定の大きさになるまでの期間としてもよい。
【0074】
そして、上述のディレイ期間経過後に充電装置200が再起動され、充電装置200からの電力によって空調機160の運転および/または蓄電装置110の充電が行なわれる。
【0075】
なお、図4および図5における充電装置200の充電電力および空調機160の駆動電力の指令値については、以下の点が考慮される。
【0076】
充電装置200の充電電力の指令値については、蓄電装置110の充電電力上限値Winおよび外部電源260の定格出力を超えない範囲で設定される。これは、蓄電装置110へ過大な電力を供給することによって発生する過充電や劣化の促進を抑制するとともに、外部電源260の定格を超過することに起因して外部電源260が保護機能によって遮断されることを防止するためである。
【0077】
また、空調機160の駆動電力の指令値については、蓄電装置110の過充電、過放電および劣化を抑制するために、基本的には、蓄電装置110の充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを超えない範囲の所定の値に設定される。ただし、たとえば空調機以外の補機が同時に駆動されたような場合に、図6の時刻t41からt42の間のように、蓄電装置110からの放電電力が放電電力上限値Woutを超過する場合(図6中の破線W32)に限って、空調機160の駆動電力の指令値が、フィードバックによって図6の曲線W30のように低減される。
【0078】
図7は、図4および図5のような本実施の形態において、ECU300で実行される充電電力制御を説明するための機能ブロック図である。図7の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、ECU300によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
【0079】
図1および図7を参照して、ECU300は、充電状態演算部310と、開回路電圧推定部320と、電力指令設定部330と、充電制御部340と、空調制御部350とを含む。
【0080】
充電状態演算部310は、蓄電装置110のバッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBを受ける。充電状態演算部310は、これらの情報に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを演算する。そして、その演算結果を電力指令設定部330へ出力する。
【0081】
開回路電圧推定部320は、蓄電装置110の閉回路電圧であるバッテリ電圧VBを受ける。そして、開回路電圧推定部320は、この情報に基づいて、蓄電装置110の開回路電圧OCVを推定し、その推定結果を電力指令設定部330へ出力する。
【0082】
電力指令設定部330は、充電状態演算部310から蓄電装置110の充電状態SOC、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを受ける。また、電力指令設定部330は、開回路電圧推定部320から開回路電圧OCVの推定値を受ける。さらに、後述する空調制御部350から出力される、空調機160を駆動するための制御信号OPE、および、プレ空調運転を実行する指示を示す制御信号PREを受ける。電力指令設定部330は、図4で説明したように、SOCに応じて、蓄電装置110の充電を優先するか、あるいは空調機160の駆動を優先するかについて判定し、蓄電装置110の充電電力指令の上限値および空調機160の駆動電力指令の上限値を設定する。そして、電力指令設定部330は、プレ空調運転の実施の有無、空調機の運転状態および蓄電装置110のバッテリ電圧VBと基準値との比較に基づいて、蓄電装置110の充放電電力指令Pbatおよび空調機160の駆動電力指令Pacを設定する。電力指令設定部330は、設定した充放電電力指令Pbatおよび駆動電力指令Pacを、充電制御部340および空調制御部350へそれぞれ出力する。
【0083】
充電制御部340は、電力指令設定部330から蓄電装置110の充放電電力指令Pbatを受ける。そして、充電制御部340は、この充放電電力指令Pbatに従って充電装置200の制御信号PWEを生成し、充電装置200へ出力する。
【0084】
空調制御部350は、電力指令設定部330から空調機160の駆動電力指令Pacを受ける。また、空調制御部350は、プレ空調運転を行なう制御信号PRE、および温度センサ195によって検出された車両室内温度TMPを受ける。そして、空調制御部350は、プレ空調運転をするように指示されているときには、駆動電力指令Pacに基づいて、車両室内温度が所定の設定値となるように、空調機160を駆動するための制御信号OPEを生成して空調機160へ出力する。
【0085】
図8は、本実施の形態において、ECU300で実行される充電電力制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図8に示すフローチャート中の各ステップについては、ECU300に予め格納されたプログラムがメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
【0086】
図1および図8を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、蓄電装置110のバッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBを取得し、SOCおよび充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを演算する。
【0087】
次に、ECU300は、S110にて、制御信号PREに基づいて、現在プレ空調運転を実施中であるかを否かを判定する。
【0088】
プレ空調運転を実施していない場合(S110にてNO)は、処理がS160に進められ、ECU300は、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1以上か否かを判定する。
【0089】
バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1より小さい場合(S160にてNO)は、処理がS175に進められ、ECU300は、大電力による通常充電制御を実行する。
【0090】
バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1以上の場合(S160にてYES)は、ECU300は、S170にて、次にバッテリ電圧VBが第2の基準値Vmax2(Vmax2>Vmax1)以上か否かを判定する。
【0091】
バッテリ電圧VBが第2の基準値Vmax2より小さい場合(S170にてNO)は、処理がS185に進められ、ECU300は、OCV換算で満充電となるように、小電力による追加的な充電を実行する。
【0092】
バッテリ電圧VBが第2の基準値Vmax2以上の場合(S170にてYES)は、ECU300は、S180にて、蓄電装置110が満充電状態に到達したと判断し、システムを停止して外部充電を終了する。
【0093】
一方、プレ空調運転を実施中の場合(S110にてYES)は、処理がS120へ進められ、ECU300は、SOCに基づいて、空調機160の駆動電力指令の上限値を設定する。さらに、ECU300は、S130にて、蓄電装置110の充電電力指令の上限値を設定する。これによって、充電優先であるか、空調優先であるかが設定される。
【0094】
次に、ECU300は、S135にて、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1以上か否かを判定する。
【0095】
バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1以上の場合(S135にてYES)は、追加的な充電を行なうと過充電となるおそれがあるために、ECU300は、処理をS155に進めて充電装置200を停止させる。
【0096】
一方、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1より小さい場合(S135にてNO)は、処理がS140に進められ、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1より小さい状態が、図5で説明した所定期間(ディレイ期間)経過したか否かを判定する。
【0097】
所定期間が経過していない場合(S140にてNO)は、S155に処理が進められ、ECU300は、充電装置200を停止させる。
【0098】
所定期間が経過した場合(S140にてYES)は、充電装置200を起動し、バッテリ電圧VBが第1の基準値Vmax1を超えないように充電装置200をフィードバック制御する。
【0099】
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、外部充電中にプレ空調運転が行なわれる場合に、蓄電装置への追加的な充電において過充電となることが防止できるとともに、蓄電装置の充電量および空調機の動作性能を確保することができる充電制御を行なうことができる。その結果、蓄電装置の劣化を抑制するとともに、車内の空調を行ないつつEV走行距離を確保するための電力を充電することが可能となる。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
100 車両、110 蓄電装置、121 コンバータ、122 インバータ、130 モータジェネレータ、140 動力伝達ギア、150 駆動輪、160 空調機、170 DC/DCコンバータ、180 補機バッテリ、190 補機負荷、195 温度センサ、200 充電装置、230 インレット、250 充電ケーブル、251 充電コネクタ、252 CCID、253 プラグ、260 外部電源、261 コンセント、300 ECU、310 充電状態演算部、320 開回路電圧推定部、330 電力指令設定部、340 充電制御部、350 空調制御部、ACL1,ACL2,HPL,PL1〜PL3 電力線、C1,C2 コンデンサ、CHR 充電リレー、NL1,NL2 接地線、SMR システムメインリレー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両の制御装置であって、
前記車両は、
充電可能な蓄電装置と、
前記外部電源からの電力を変換して前記蓄電装置の充電電力を出力するための充電装置と、
外部充電中に、前記充電装置からの出力電力を用いて動作可能な電動負荷とを含み、
前記制御装置は、
前記蓄電装置を充電しているときに、前記蓄電装置の充電状態および前記電動負荷の動作状態に基づいて、前記蓄電装置を充電するための第1の電力の指令値および前記電動負荷を動作させるための第2の電力の指令値を設定する電力指令設定部と、
前記第1の電力の指令値に基づいて前記充電装置を制御する充電制御部と、
前記第2の電力の指令値に基づいて前記電動負荷を制御する負荷制御部とを備える、車両の制御装置。
【請求項2】
前記蓄電装置の電圧に基づいて、前記蓄電装置が回路に接続されていないときの開回路電圧を推定するように構成された開回路電圧推定部をさらに備え、
前記電力指令設定部は、前記蓄電装置を充電している場合の前記蓄電装置の電圧が第1のしきい値を超えるときは、推定された前記開回路電圧が前記第1のしきい値に到達するまで、前記充電装置からの出力電力を低下させるように制限して充電を継続するための指令値を設定する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記電力指令設定部は、前記電動負荷が運転中の場合には、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値を超えるときであっても、前記充電装置を停止する、請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記電力指令設定部は、前記充電装置が停止された後、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値より小さくなっても、第1の停止期間が経過するまでは前記充電装置の停止を継続する、請求項3に記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記第1の停止期間は、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値より小さくなった時点から、予め定められた時間が経過するまでの期間である、請求項4に記載の車両の制御装置。
【請求項6】
前記第1の停止期間は、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値より小さくなった時点から、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値に到達するまでの期間である、請求項4に記載の車両の制御装置。
【請求項7】
前記第1の停止期間は、前記蓄電装置の電圧が前記第1のしきい値より小さくなった時点からの前記蓄電装置の充放電電流の積算値が基準値に到達するまでの期間である、請求項4に記載の車両の制御装置。
【請求項8】
前記電力指令設定部は、前記充電装置の充電状態が基準値より小さい場合は、前記蓄電装置の充電を優先するように判定し、前記蓄電装置の充電目標電力を確保しつつ、前記充電装置からの出力可能電力を超えないように、前記第1の電力および前記第2の電力の指令値を設定する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項9】
前記電力指令設定部は、前記充電装置の充電状態が基準値より大きい場合は、前記電動負荷の動作を優先するように判定し、前記電動負荷の駆動電力を確保しつつ、前記充電装置からの出力可能電力を超えないように、前記第1の電力および前記第2の電力の指令値を設定する、請求項1または8に記載の車両の制御装置。
【請求項10】
前記電力指令設定部は、前記蓄電装置からの放電電力が前記蓄電装置の放電電力上限値を超過することが予測された場合は、前記蓄電装置からの放電電力が前記放電電力上限値より小さくなるように、前記第2の電力の指令値を制限する、請求項8に記載の車両の制御装置。
【請求項11】
前記電動負荷は、前記車両の室内を空調するための空調機である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
【請求項12】
外部電源からの電力を用いた外部充電が可能な車両であって、
充電可能な蓄電装置と、
前記外部電源からの電力を変換して前記蓄電装置の充電電力を出力するための充電装置と、
外部充電中に、前記充電装置からの出力電力を用いて動作可能な電動負荷と、
前記蓄電装置の充電状態および前記電動負荷の動作状態に基づいて、前記蓄電装置を充電するための第1の電力の指令値および前記電動負荷を動作させるための第2の電力の指令値を設定し、前記第1の電力の指令値に基づいて前記充電装置を制御するとともに、前記第2の電力の指令値に基づいて前記電動負荷を制御するための制御装置とを備える、車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−199920(P2011−199920A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60404(P2010−60404)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】