説明

車両の制御装置および制御方法

【課題】シフト切換機構の耐久性の悪化を防止する。
【解決手段】PM−ECUは、プラグが接続されると(S100にてYES)、HV+PLG電源リレーをオンするステップ(S102)と、HV+PLG電源系統の電気機器群に”充電中”信号を送信するステップ(S104)とを含むプログラムを実行し、SBW−ECUは、”充電中”信号を受信すると(S200にてYES)、壁当て制御の実施を抑制するステップ(S202)と、”充電中”信号の受信が停止すると(S204にてYES)、抑制を解除するステップ(S206)とを含むプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置が搭載された、少なくとも回転電機を駆動源とする車両の制御装置に関し、特に、外部充電装置による蓄電装置の充電時において、充電に関連しない電気機器の動作を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、運転者によるシフトレバーの操作に従い自動変速機のシフトポジション(以下の説明においてはレンジともいう)をアクチュエータの駆動により切り換えるシフト切換機構においては、シフトポジション切換用の動力源として電動機(たとえば直流モータ)を備えたものが知られている。上述のようなシフト切換機構は、たとえば、特開2007−55460号公報(特許文献1)に開示される。
【0003】
このようなシフト切換機構によれば、自動変速機のシフトポジションを運転者によるシフトレバーの操作力によって直接切り換える一般的な切換機構のように、シフトレバーとシフト切換機構とを機械的に接続する必要がないことから、これら各部を車両に搭載する際のレイアウト上の制限がなく、設計の自由度を高めることができる。また、車両への組み付け作業を簡単に行なうことができるという利点があった。
【0004】
シフト切換機構のアクチュエータの回転位置の検出方法として、たとえば、車両の電源オン時に、アクチュエータを駆動させて、アクチュエータの回転範囲を予め検出することにより、位置制御の精度を向上させる技術が公知である。この技術により、相対位置を検出するエンコーダによるアクチュエータの回転位置制御が可能となる。
【0005】
また、近年、環境問題対策の1つとして、モータからの駆動力により走行するハイブリッド車や電気自動車などが注目されている。このような車両においては、駆動用モータに電力を供給する蓄電装置が搭載され、家庭用電源等の外部充電装置による充電を可能とする技術が公知である。
【特許文献1】特開2007−55460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、外部充電装置による充電時において蓄電装置の充電に関するシステムが起動する頻度が増加すると、外部充電装置による充電に関連しない電気機器が起動する頻度も増加するという問題がある。特に、アクチュエータの駆動によりシフトポジションが切り換えられるシフト切換機構が搭載される車両において、蓄電装置の充電に関するシステムが起動する毎にアクチュエータの回転範囲を予め検出する制御が実行されると、外部充電装置による充電の頻度が増加するほどアクチュエータの回転範囲を検出する制御を実行する頻度も増加する傾向にある。そのため、シフト切換機構の構成部品の耐久性が悪化する可能性がある。上述した公報においては、このような問題について何ら考慮されていないため、解決することができない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、シフト切換機構の耐久性の悪化を防止する車両の制御装置および制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る車両の制御装置は、少なくとも回転電機を駆動源とする車両の制御装置である。車両は、複数の電気機器と、複数の電気機器と異なる他の電気機器と、回転電機、複数の電気機器および他の電気機器に電力を供給する蓄電装置と、アクチュエータと、切換信号に応じて車両の走行状態に対応するシフトポジションを、アクチュエータの駆動により複数のシフトポジションのうちのいずれかのシフトポジションに切換えるシフト切換機構と、アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを含む。複数のシフトポジションは、パーキングポジションを含む。この制御装置は、車両の状態が、車両の外部から蓄電装置に対して充電が可能な外部充電可能状態になったことを検出するための検出手段と、車両の起動操作を検出するための起動検出手段と、起動操作が検出された場合に複数の電気機器のうち予め定められた第1の電気機器群を一括して起動制御するための第1の制御手段と、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、外部充電可能状態が検出された場合に、複数の電気機器のうちの車両の外部からの蓄電装置の充電に関連する予め定められた第2の電気機器群およびアクチュエータ制御装置を一括して起動制御し、かつ、アクチュエータ制御装置により実施されるアクチュエータの作動量の補正の実施を抑制するための第2の制御手段とを含む。アクチュエータ制御装置は、少なくともパーキングポジションに切り換えられた状態であって、かつ、外部充電可能状態が検出されない場合に、アクチュエータの作動量の補正を実施する。第6の発明に係る車両の制御方法は、第1の発明に係る車両の制御装置と同様の構成である。
【0009】
第1の発明によると、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、外部充電可能状態が検出された場合に、外部からの蓄電装置の充電に関連する第2の電気機器群が一括して起動制御され、かつ、アクチュエータ制御装置により実施されるアクチュエータの作動量の補正の実施が抑制される。これにより、第2の電気機器群が起動する毎にアクチュエータの作動量の補正が実施されることが抑制されるため、シフト切換機構の耐久性の悪化を抑制することができる。また、補正の実施の頻度が低下するため、起動毎にアクチュエータの作動量の補正を実施する場合と比較して電力消費量を低減することができる。したがって、シフト切換機構の耐久性の悪化を防止する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、シフト切換機構は、アクチュエータの作動量を規制する規制部材を有する。アクチュエータ制御装置は、起動操作が検出された場合に規制部材により規制されるアクチュエータの作動位置を検出して、検出された作動位置に基づいて、パーキングポジションに対応するアクチュエータの作動位置を補正する。第7の発明に係る車両の制御方法は、第2の発明に係る車両の制御装置と同様の構成である。
【0011】
第2の発明によると、外部充電により蓄電装置を充電する場合に、アクチュエータの作動量の補正の実施が抑制されるため、外部充電による蓄電装置の充電の頻度が増加しても作動量の補正の実施の頻度の増加が抑制される。これにより、規制部材の耐久性の悪化を抑制することができる。
【0012】
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、第2の制御手段は、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、外部充電可能状態が検出された場合に、第2の電気機器群とアクチュエータ制御装置とに対して、蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信する。アクチュエータ制御装置は、蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を受信すると、補正の実施を抑制する。第8の発明に係る車両の制御方法は、第3の発明に係る車両の制御装置と同様の構成である。
【0013】
第3の発明によると、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、外部充電可能状態が検出された場合に、第2の電気機器群およびアクチュエータ制御装置に対して蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号が送信される。アクチュエータ制御装置は、信号を受信すると補正の実施を抑制する。これにより、第2の電気機器群が起動する毎にアクチュエータの作動量の補正が実施されることが抑制されるため、シフト切換機構の耐久性の悪化を抑制することができる。
【0014】
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、第1の電気機器群は、第1の通信網に接続される。第1の制御手段は、検出された車両の起動操作に応じて、第1の通信網を経由して第1の電気機器群に起動信号を送信する。第2の電気機器群とアクチュエータ制御装置とは、第1の通信網とは独立して設けられる第2の通信網に接続される。第2の制御手段は、外部充電可能状態が検出された場合に、第2の通信網を経由して第2の電気機器群とアクチュエータ制御装置とに対して蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信する。第9の発明に係る車両の制御方法は、第4の発明に係る車両の制御装置と同様の構成である。
【0015】
第4の発明によると、外部充電可能状態が検出された場合に、第2の通信網を経由して蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号が第2の電気機器群とアクチュエータ制御装置とに対して送信される。これにより、第2の電気機器群は外部充電による充電の開始とともに作動しつつ、アクチュエータの作動量の補正の実施は抑制される。そのため、第2の電気機器群が起動する毎にアクチュエータの作動量の補正が実施されることが抑制される。したがって、シフト切換機構の耐久性の悪化を抑制することができる。
【0016】
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、蓄電装置は、第1の蓄電装置と第1の蓄電装置よりも低圧の第2の蓄電装置とを含む。第2の電気機器群およびアクチュエータ制御装置は、起動制御時において第2の蓄電装置から電力の供給を受けて起動する。車両は、第2の蓄電装置から第2の電気機器群およびアクチュエータ制御装置への電力供給状態を一括して、供給状態および非供給状態のうちのいずれかの状態に設定するリレーをさらに含む。制御装置は、外部充電可能状態および車両の起動操作のうちの少なくともいずれか一方が検出されると、供給状態に切換えるようにリレーを制御するための手段をさらに含む。第10の発明に係る車両の制御方法は、第5の発明に係る車両の制御装置と同様の構成である。
【0017】
第5の発明によると、外部充電可能状態および車両の起動操作のうちの少なくともいずれか一方が検出されると、第2の電気機器群に電力が供給されて起動する。外部充電可能状態が検出された場合は、アクチュエータ制御装置により作動量の補正の実施が抑制される。これにより、第2の電気機器群が起動する毎にアクチュエータの作動量の補正の実施が抑制される。そのため、作動量の補正の実施の頻度が抑制されて、規制部材の耐久性の悪化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両10の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1を参照して、ハイブリッド車両10は、前輪20R,20Lと、後輪22R,22Lと、エンジン450と、プラネタリギヤPGと、デファレンシャルギヤDGと、ギヤ40,60とを含む。
【0021】
ハイブリッド車両10は、さらに、バッテリ130と、バッテリ130の出力する直流電力を昇圧する昇圧コンバータ200と、昇圧コンバータ200との間で直流電力を授受するインバータ140とを含む。
【0022】
ハイブリッド車両10は、さらに、プラネタリギヤPGを介してエンジン450の動力を受けて発電を行なうモータジェネレータMG1と、回転軸がプラネタリギヤPGに接続されるモータジェネレータMG2とを含む。インバータ140はモータジェネレータMG1,MG2に接続され交流電力と昇圧回路からの直流電力との変換を行なう。
【0023】
プラネタリギヤPGは、サンギヤと、リングギヤと、サンギヤおよびリングギヤの両方に噛み合うピニオンギヤと、ピニオンギヤをサンギヤの周りに回転可能に支持するプラネタリキャリヤとを含む。プラネタリギヤPGは第1〜第3の回転軸を有する。第1の回転軸はエンジン450に接続されるプラネタリキャリヤの回転軸である。第2の回転軸はモータジェネレータMG1に接続されるサンギヤの回転軸である。第3の回転軸はモータジェネレータMG2に接続されるリングギヤの回転軸である。
【0024】
この第3の回転軸にはギヤ40が取付けられ、このギヤ40はギヤ60を駆動することによりデファレンシャルギヤDGに機械的動力を伝達する。デファレンシャルギヤDGはギヤ60から受ける機械的動力を前輪20R,20Lに伝達するとともに、ギヤ60,40を介して前輪20R,20Lの回転力をプラネタリギヤPGの第3の回転軸に伝達する。
【0025】
プラネタリギヤPGはエンジン450,モータジェネレータMG1,MG2の間で動力を分割する役割を果たす。すなわちプラネタリギヤPGは、3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転に応じて残る1つの回転軸の回転を決定する。したがって、エンジン450を最も効率のよい領域で動作させつつ、モータジェネレータMG1の発電量を制御してモータジェネレータMG2を駆動させることにより車速の制御を行ない、全体としてエネルギ効率のよい自動車を実現している。
【0026】
直流電源であるバッテリ130は、たとえば、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池からなり、直流電力を昇圧コンバータ200に供給するとともに、昇圧コンバータ200からの直流電力によって充電される。
【0027】
昇圧コンバータ200はバッテリ130から受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧された直流電圧をインバータ140に供給する。インバータ140は供給された直流電圧を交流電圧に変換してエンジン始動時にはモータジェネレータMG1を駆動制御する。また、エンジン始動後にはモータジェネレータMG1が発電した交流電力はインバータ140によって直流に変換されて昇圧コンバータ200によってバッテリ130の充電に適切な電圧に変換されバッテリ130が充電される。
【0028】
また、インバータ140はモータジェネレータMG2を駆動する。モータジェネレータMG2はエンジン450を補助して前輪20R,20Lを駆動する。制動時には、モータジェネレータMG2は回生運転を行ない、車輪の回転エネルギを電気エネルギに変換する。得られた電気エネルギは、インバータ140および昇圧コンバータ200を経由してバッテリ130に戻される。
【0029】
バッテリ130は、組電池であり、直列に接続された複数の電池ユニットB0〜Bnを含む。昇圧コンバータ200とバッテリ130との間にはシステムメインリレーSR1,SR2が設けられ車両非運転時には高電圧が遮断される。
【0030】
ハイブリッド車両10は、さらに、運転者からの車両の起動要求指示を受ける入力部であるイグニッション(以下、IGと記載する)スイッチ88と、エアコンディショナ(以下、エアコンと記載する)90と、ドアロック92と、ナビゲーションシステム94と、電動スタビライザ96と、SBW(Shift by Wire)−ECU(Electronic Control Unit)804と、ヘッドライト98と、エンジン450と、インバータ140と、昇圧コンバータ200と、これらの電気機器を制御する制御装置300とを含む。IGスイッチ88は、プッシュボタンにより構成されてもよいし、回転式のスイッチにより構成されてもよいし、特に限定されるものではない。SBW−ECU804は、制御装置300に接続され、制御装置300からの起動信号に応じて起動する。
【0031】
ハイブリッド車両10は、さらに、外部充電装置1000から延びる充電ケーブル1020の先に設けられたプラグ1040を接続する接続部であるソケット160と、ソケット160に設けられプラグ1040の結合確認素子1060を検知してプラグ1040がソケット160に接続されたことを認識するための結合確認センサ180と、ソケット160を経由して外部充電装置1000から交流電力を受ける充電用インバータ120とをさらに含む。充電用インバータ120は、バッテリ130に接続されており、充電用の直流電力をバッテリ130に対して供給する。なお、結合確認センサ180は、どのような形式のものでも良いが、たとえばプラグ側の磁石を検知するものや、プラグ挿入時に押し込まれる押しボタン式のもの、通電経路の接続抵抗を検知するもの等を用いることができる。結合確認センサ180は、プラグ1040がソケット160に接続されると、プラグ接続信号を制御装置300に送信する。
【0032】
本実施の形態においては、外部充電装置1000から供給される電力は、充電用インバータ120を経由してバッテリ130に供給されるとして説明するが、外部充電の形式としては、特にこのような形式に限定されるものではない。たとえば、外部充電装置1000の電力がMG1またはMG2の中性点を経由して供給されて、バッテリ130を充電するようにしてもよい。
【0033】
図2に示すように、本実施の形態において、車両に搭載される蓄電装置としては、高圧側の蓄電装置であるバッテリ130以外に、バッテリ130よりも低圧の蓄電装置であって、補機に電力を供給するバッテリ132が搭載される。バッテリ130は、高圧パワーライン134を介在させてDC−DCコンバータ250に接続される。また、バッテリ132は、低圧パワーライン136を介在させてDC−DCコンバータ250に接続される。また、DC−DCコンバータ250およびバッテリ132に対して、負荷150が並列に接続される。
【0034】
DC−DCコンバータ250は、バッテリ130から供給される電力を入力として、設定された電圧を出力する。DC−DCコンバータ250から供給される電力によりバッテリ132が充電されたり、DC−DCコンバータ250から負荷150に電力が供給されたりする。
【0035】
本実施の形態において、負荷150は、たとえば、エアコン90、ドアロック92、ナビゲーションシステム94、電動スタビライザ96、ヘッドライト98およびSBW−ECU804等の補機であるが、特にこれらの電気機器に限定されるものではない。
【0036】
図3は、本実施の形態におけるシフト制御システム220の構成を示す。本実施の形態に係るシフト制御システム220は、車両のシフトポジションを切り換えるために用いられる。シフト制御システム220は、Pスイッチ214と、シフトスイッチ212と、IGスイッチ88と、制御装置300と、パーキング制御装置(以下、「SBW(Shift By Wire)−ECU」と表記する)804と、アクチュエータ202と、エンコーダ204と、シフト切換機構206と、表示部210と、メータ208とを含む。シフト制御システム220は、電気制御によりシフトポジションを切り換えるシフトバイワイヤシステムとして機能する。具体的にはシフト切換機構206がアクチュエータ202により駆動されてシフトポジションの切り換えを行なう。
【0037】
IGスイッチ88がオンされることにより、低圧側のバッテリ132から電力が供給されて、シフト制御システム220が起動される。
【0038】
Pスイッチ214は、シフトポジションをパーキングポジション(以下、「Pポジション」と呼ぶ)とパーキング以外のポジション(以下、「非Pポジション」と呼ぶ)との間で切り換えるためのスイッチであり、スイッチの状態をドライバに示すためのインジケータ216、およびドライバからの指示を受付ける入力部218を含む。ドライバは、入力部218を通じて、シフトポジションをPポジションに入れる指示を入力する。入力部218はモーメンタリスイッチであってもよい。入力部218が受付けたドライバからの指示を示すP指令信号は、SBW−ECU804に送信される。なお、このようなPスイッチ214以外により、非PポジションからPポジションにシフトポジションを切り換えるものであってもよい。
【0039】
SBW−ECU804は、シフトポジションをPポジションと非Pポジションとの間で切り換えるために、シフト切換機構206を駆動するアクチュエータ202の動作を制御し、現在のシフトポジションの状態をインジケータ216に提示する。シフトポジションが非Pポジションであるときにドライバは入力部218を押下すると、SBW−ECU804はシフトポジションをPポジションに切り換えて、インジケータ216に現在のシフトポジションがPポジションである旨を提示する。
【0040】
アクチュエータ202は、スイッチドリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」と表記する)により構成され、SBW−ECU804からのアクチュエータ制御信号を受信してシフト切換機構206を駆動する。エンコーダ204は、アクチュエータ202と一体的に回転し、SRモータの回転状況を検知する。本実施の形態のエンコーダ204は、A相、B相およびZ相の信号を出力するロータリーエンコーダである。SBW−ECU804は、エンコーダ204から出力される信号を取得してSRモータの回転状況を把握し、SRモータを駆動するための通電の制御を行なう。
【0041】
シフトスイッチ212は、シフトポジションをドライブ(D)ポジション、リバース(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション、ブレーキ(B)ポジションなどのポジションに切り換えたり、またPポジションに入れられているときには、Pポジションを解除したりするためのスイッチである。シフトスイッチ212が受付けたドライバからの指示を示すシフト信号はSBW−ECU804に送信される。SBW−ECU804は、ドライバからの指示を示すシフト信号に基づき、現在のシフトポジションの状態をメータ208に提示する。
【0042】
制御装置300は、シフト制御システム220の動作を統括的に管理する。表示部210は、制御装置300またはSBW−ECU804が発したドライバに対する指示や警告などを表示する。メータ208は、車両の機器の状態やシフトポジションの状態などを提示する。
【0043】
図4は、シフト切換機構206の構成を示す。以下、シフトポジションは、Pポジション、非Pポジションを意味し、非Pポジションにおける、R、N、Dの各ポジションを含まないとして説明するが、R、N、Dの各ポジションを含むようにしてもよい。すなわち、本実施の形態においては、Pポジションと非Pポジションとの2ポジションの構成について説明するが、Pポジションと、R、N、Dの各ポジションを含む非Pポジションとの4ポジションの構成にしてもよい。
【0044】
シフト切換機構206は、アクチュエータ202により回転されるシャフト252、シャフト252の回転に伴って回転するディテントプレート254、ディテントプレート254の回転に伴って動作するロッド248、ギヤ40の回転軸に固定されたパーキングロックギヤ244、パーキングロックギヤ244をロックするためのパーキングロックポール246、ディテントプレート254の回転を制限してシフトポジションを固定するディテントスプリング242およびころ240を含む。ディテントプレート254は、アクチュエータ202により駆動されてシフトポジションを切り換える。またエンコーダ204は、アクチュエータ202の回転量に応じた計数値を取得する計数手段として機能する。
【0045】
図4は、シフトポジションが非Pポジションであるときの状態を示している。この状態では、パーキングロックポール246がパーキングロックギヤ244をロックしていないので、車両の駆動軸の回転は妨げられない。この状態からアクチュエータ202によりシャフト252を時計回り方向に回転させると、ディテントプレート254を介してロッド248が図4に示す矢印Aの方向に押され、ロッド248の先端に設けられたテーパ部によりパーキングロックポール246が図4に示す矢印Bの方向に押し上げられる。ディテントプレート254の回転に伴ってディテントプレート254の頂部に設けられた2つの谷のうちの一方、すなわち非Pポジション位置230にあったディテントスプリング242のころ240は、山232を乗り越えて他方の谷、すなわちPポジション位置234へ移る。ころ240は、その軸方向に回転可能にディテントスプリング242に設けられている。ころ240がPポジション位置234に来るまでディテントプレート254が回転したとき、パーキングロックポール246は、パーキングロックポール246の突起部分がパーキングロックギヤ244の歯部間に嵌合する位置まで押し上げられる。これにより、車両の駆動軸が機械的に固定され、シフトポジションがPポジションに切り換わる。
【0046】
本実施の形態においてシフト制御システム220では、シフトポジション切換時にディテントプレート254、ディテントスプリング242およびシャフト252などのシフト切換機構の構成部品に係る負荷を低減するために、SBW−ECU804が、ディテントスプリング242のころ240が山232を乗り越えて落ちるときの衝撃を少なくするように、アクチュエータ202の回転量を制御する。
【0047】
ディテントプレート254のそれぞれの谷において、山232から離れた側に位置する面を壁と呼ぶ。すなわち壁は、SBW−ECU804による以下に示す制御を行なわない状態でディテントスプリング242のころ240が山232を乗り越えて谷に落ちるときに、ころ240とぶつかる位置に存在する。Pポジション位置234における壁を「P壁」と呼び、非Pポジション位置230における壁を「非P壁」と呼ぶ。
【0048】
ころ240がPポジション位置234から非Pポジション位置230に移動する場合、SBW−ECU804は、非P壁238がころ240に衝突しないように、あるいは衝突しても衝撃力が緩和されるようにアクチュエータ202を制御する。具体的には、SBW−ECU804は、非P壁238がころ240に衝突する手前の位置でアクチュエータ202の回転を停止する。この位置を「非P目標回転位置」と呼ぶ。
【0049】
また、ころ240が非Pポジション位置230からPポジション位置234に移動する場合、SBW−ECU804は、P壁236がころ240に衝突しないように、あるいは衝突しても衝撃力が緩和されるようにアクチュエータ202を制御する。具体的には、SBW−ECU804は、P壁236がころ240に衝突する手前の位置でアクチュエータ202の回転を停止する。この位置を「P目標回転位置」と呼ぶ。
【0050】
SBW−ECU804によるアクチュエータ202の制御により、シフトポジション切換時においてディテントプレート254、ディテントスプリング242およびシャフト252などのシフト切換機構206の構成部品に係る負荷を大幅に低減することができる。負荷を低減することによりシフト切換機構の構成部品の軽量化、低コスト化を図ることもできる。
【0051】
アクチュエータ202は、シャフト252に設けられたディテントプレート254を回転する。ディテントプレート254に形成されたP壁236および非P壁238によりそれぞれ予め定められた方向の回転が規制される。
【0052】
現在のシフトポジションは、P壁位置または非P壁位置から予め定められた回転量の範囲内にある場合に決定される。
【0053】
具体的には、SBW−ECU804は、エンコーダ204で検出された回転量に基づく、アクチュエータ202の回転位置(ディテントプレート254におけるころ240の相対位置)がP壁位置から予め定められた位置までの第1の範囲内にあるときには、シフトポジションがPポジションであることを判定する。
【0054】
一方、SBW−ECU804は、エンコーダ204で検出された回転量に基づく、アクチュエータ202の回転位置が非P壁位置から予め定められた位置までの第2の範囲内にあるときには、シフトポジションが非Pポジションであることを判定する。
【0055】
SBW−ECU804は、P壁位置(あるいは非P壁位置)におけるカウンタ値と、アクチュエータ202の回転中にエンコーダ204により検知されるカウンタ値との差分の絶対値を算出することによりアクチュエータ202の回転量を検出する。
【0056】
また、SBW−ECU804は、アクチュエータ202の回転位置が第1の範囲にも第2の範囲にもないときには、シフトポジションが不定またはシフトが切換中であることを判定する。
【0057】
P目標回転位置は、非PポジションからPポジションへの切換時に、P壁236がディテントスプリング242のころ240に衝突しない位置であり、P壁位置から所定のマージンをもって定められる。マージンは、経時変化などによりガタを考慮して余裕を持って設定される。これによりある程度の使用回数であれば経時変化を吸収することができ、シフトポジション切換時におけるP壁236ところ240との衝突を回避できる。
【0058】
非P目標回転位置は、Pポジションから非Pポジションへの切換時に、非P壁238がディテントスプリング242のころ240に衝突しない位置であり、非P壁位置から所定のマージンを持って定められる。マージンは経時変化などによるガタを考慮して余裕を持って設定され、ある程度の使用回数であれば経時変化を吸収することができ、シフトポジション切換時における非P壁238ところ240との衝突を回避することができる。なお、非P壁位置からのマージンとP壁位置からのマージンとは同一である必要はなく、ディテントプレート254の形状などに依存して異なってもよい。
【0059】
以上、P壁位置および非P壁位置が検出されていることを前提にアクチュエータ202の制御方法を示した。P壁位置または非P壁位置は、Pポジション位置234または非Pポジション位置230におけるシフトポジション判定範囲および目標回転位置を定めるための基準位置となる。以下では、相対的な位置情報を検出するエンコーダ204を用いて、アクチュエータ202の位置制御を行なう方法、具体的には基準位置となる壁位置を検出する方法を示す。
【0060】
SBW−ECU804は、アクチュエータ202を回転させる制御手段、およびアクチュエータ202のP壁位置、すなわち基準位置を設定する設定手段として機能する。P壁位置検出制御では、まず、アクチュエータ202によりディテントプレート254を時計回り方向、すなわちP壁236がディテントスプリング242のころ240に向かう方向に回転させ、ころ240とP壁236とを接触させる。P壁236は、Pポジション位置において、アクチュエータ202の時計回り方向の回転を規制する規制部材として機能する。なおP壁236は、ディテントスプリング242およびころ240と協同して規制部材を構成するようにしてもよい。
【0061】
すなわち、SBW−ECU804は、規制部材により規制されたアクチュエータ202の回転位置に基づいて、複数のシフトポジションのうちの少なくとも1つのシフトポジションの位置を設定する。
【0062】
図5に示す、矢印F1は、アクチュエータ202による回転力、矢印F2は、ディテントスプリング242によるばね力、矢印F3は、ロッド248による押し戻し力を示す。点線で示すディテントプレート254’は、P壁236ところ242とが接触した位置を示す。したがって、ディテントプレート254’の位置を検出することがP壁236の位置を検出することに相当する。
【0063】
ディテントプレート254は、P壁236ところ240との接触後も、点線で示す位置から、アクチュエータ202の回転力F1により時計回り方向に、ディテントスプリング242のばね力に抗して回転される。これによりディテントスプリング242に撓みが生じて、ばね力F2が増加し、またロッド248による押し戻し力F3も増加する。回転力F1が、ばね力F2および押し戻し力F3と釣り合ったところでディテントプレート254の回転が停止する。
【0064】
ディテントプレート254の回転停止は、エンコーダ204により取得される計数値の状態に基づいて判定される。SBW−ECU804は、エンコーダ204の計数値の最小値または最大値が所定時間変化しない場合に、ディテントプレート254およびアクチュエータ202の回転停止を判定する。計数値の最小値または最大値のいずれかを監視するかは、エンコーダ204に応じて設定されればよく、いずれにしても最小値または最大値が所定時間変化しないことは、ディテントプレート254が動かなくなった状態を示す。
【0065】
SBW−ECU804は、回転停止時のディテントプレート254の位置を暫定的なP壁位置(以下、「暫定P壁位置」と呼ぶ)として検出し、またディテントスプリング242の撓み量または撓み角を算出する。撓み量または撓み角の算出は、SBW−ECU804に予め保持されている、アクチュエータ202への印加電圧に対応する撓み量または撓み角の関係を示すマップを用いて行なわれる。SBW−ECU804は、マップから暫定P壁位置検出時のアクチュエータ202への印加電圧に対応する撓み量ないし撓み角を算出する。なお、アクチュエータ202の印加電圧の代わりに、バッテリ電圧を用いたマップであってもよい。バッテリ電圧は制御装置300を通じてSBW−ECU804により監視されており、容易に検出することができる。なお、この場合は、バッテリからアクチュエータ202までのワイヤハーネスなどによる電圧降下分を考慮してマップが作成されることになる。SBW−ECU804は、このマップを用いて、算出した撓み量または撓み角から、暫定P壁位置をマップ補正し、マップ補正した位置をP壁位置として確定する。P壁位置を確定することによりP目標回転位置を設定することができる。なお、印加電圧に対する撓み量または撓み角の関係を示すマップの代わりに、アクチュエータ202の出力トルクに対応する撓み量または撓み角の関係を示すマップであってもよいし、マップを用いて算出する代わりに、撓み量または撓み角を検出するセンサを設け、それにより検出するようにしてもよい。
【0066】
また、非P壁位置の設定についてもP壁位置の設定方法と同様である。そのため、詳細な説明は繰り返さない。
【0067】
以上のように説明したとおり、シフト制御システム220は、アクチュエータ202を回転させて、ディテントプレート254の壁と、ディテントスプリング242のころ240とを接触させる。そして、その接触位置を検出することにより、シフトポジションの基準位置に対応するディテントプレート254の壁位置を検出する。この壁位置を基準位置として設定することにより、相対位置情報しか検出できないエンコーダ204を用いても、アクチュエータ202の回転を適切に制御することができる。すなわち、ニュートラルスタートスイッチ等を用いずにシフトポジションの切り換えを適切に実行することができる。
【0068】
図6に示すように、本実施の形態において制御装置300は、PM(Power Management)−ECU600と、IG電源リレー602と、HV+PLG電源リレー604とを含む。
【0069】
また、車両には、複数の電気機器が搭載される。複数の電気機器は、電気機器群700と電気機器群800とを含む。さらに、車両には、複数の電気機器と異なる他の電気機器が搭載される。本実施の形態において、他の電気機器は、SBW−ECU804である。本実施の形態に係る車両の制御装置は、PM−ECU600およびSBW−ECU804により実現される。
【0070】
電気機器群700は、車両のIGスイッチ88への操作等による起動操作に応じて送信される起動信号を受信して起動するIG電源系統の電気機器群である。
【0071】
なお、複数の電気機器のうちの少なくともいずれか一つの電気機器が、電気機器群700にも電気機器群800にも属するようにしてもよい。
【0072】
電気機器群800は、外部充電装置1000による充電に関連する電気機器806,808を含むHV+PLG電源系統の電気機器群である。電気機器806,808は、本実施の形態においては、たとえば、充電用インバータ120およびバッテリECU(図示せず)等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0073】
また、外部充電装置1000による充電に関連する電気機器は、外部充電装置1000によりバッテリ130が充電できれば、図6に示される2つ電気機器806,808に限定されるものではなく、1つ電気機器であってもよいし、3つ以上の電気機器であってもよい。
【0074】
PM−ECU600には、IGスイッチ88からのIGスイッチ信号と、結合確認センサ180からのプラグ接続信号と、後述するSOC信号とが入力される。なお、PM−ECU600は、各信号を通信バス702または通信バス802を経由して受信するようにしてもよい。
【0075】
PM−ECU600には、IG電源系統に対応するIG電源リレー602と、ハイブリッド機器の電源系統およびPLGの電源系統に対応するHV+PLG電源リレー604とが接続される。PM−ECU600には、さらに、ラジオやオーディオ等に対応するACCの電源系統に対応するリレー(図示せず)が接続されるようにしてもよい。また、IG電源系統は、1系統に限定されるものではなく、たとえば、複数系統であってもよい。
【0076】
PM−ECU600は、たとえば、運転者がIGスイッチ88においてIG電源系統に接続された電気機器の起動要求に対応する操作をするなどして、IGスイッチ88からIGスイッチ信号を受信するとIG電源リレー602およびHV+PLG電源リレー604がオンするように制御信号を送信する。
【0077】
IG電源リレー602は、PM−ECU600からのオン信号の受信に応じて、IG電源系統の電気機器群700にバッテリ132の電力が供給される供給状態と電力が供給されない非供給状態とのうちのいずれかに一括して設定する。IG電源リレー602がオンされると、IG電源系統の電気機器群700に含まれる電気機器704,706のそれぞれにバッテリ132の電力が供給されて電気機器704,706は起動する。
【0078】
さらに、HV+PLG電源リレー604は、SBW−ECU804および電気機器群800の電気機器806,808に低圧側のバッテリ132の電力が供給される供給状態と、電力が供給されない非供給状態とのうちのいずれかに一括して設定する。
【0079】
なお、電気機器806,808は、ハイブリッド機器(すなわち、MG1およびMG2の作動に関連する電気機器)およびPLGの電源系統に接続された電気機器(たとえば、ナビゲーションシステム94)を含む。そのため、HV+PLG電源リレー604がオンされると、バッテリ132からの電力がハイブリッド機器およびPLGの電源系統に接続された電気機器に供給されて起動される。
【0080】
また、PM−ECU600は、車両の状態が、車両の外部からバッテリ132に対して充電が可能な外部充電可能状態になったことが検出されると、非供給状態から供給状態に切り換えるようにHV+PLG電源リレー604を制御する。
【0081】
「外部充電可能状態」は、たとえば、充電ケーブル1020の端部のプラグ1040がソケット160に接続される際に操作される部材(プラグ1040またはソケット160のカバー等)の位置変化が検出された状態であってもよいし、車両側と外部充電装置1000側との間において非接触で充電が可能である場合においては、車両と外部充電装置1000とが充電可能な位置関係となった状態であってもよい。
【0082】
本実施の形態においては、PM−ECU600は、結合確認センサ180からプラグ接続信号を受信するとHV+PLG電源リレー604をオンするように制御信号を送信する。
【0083】
また、PM−ECU600は、通信バス702を経由して電気機器群700の電気機器704,706に接続される。通信バス702は、電気機器群700の各電気機器とPM−ECU600とを相互に接続する通信網である。
【0084】
さらに、PM−ECU600は、通信バス802を経由してSBW−ECU804および電気機器群800の電気機器806,808に接続される。通信バス802は、SBW−ECU804および電気機器群800の各電気機器とPM−ECU600とを相互に接続する通信網であって、通信バス702とは独立して設けられる。
【0085】
PM−ECU600は、通信バス702と通信バス802との双方に接続されたゲートウェイ606を有しており、プラグ接続信号を受信した場合には、通信バス702および通信バス802との間におけるデータの転送を禁止する。
【0086】
また、PM−ECU600は、結合確認センサ180からプラグ接続信号を受信するとハイブリッド機器に対して負荷制御を実行する。
【0087】
PM−ECU600は、たとえば、ハイブリッド機器の作動時における電気負荷の負荷量が低減するようにハイブリッド機器を制御するようにしてもよいし、ハイブリッド機器の作動時において充電に関連しない機能が停止するようにハイブリッド機器を制御するようにしてもよい。
【0088】
たとえば、PM−ECU600は、インバータ140に設けられた冷却システムの冷却ポンプの作動量をインバータ140の作動状態(たとえば、冷却水の温度等)に応じて可能な限り低減したり、作動を停止したりしてもよい。あるいは、PM−ECU600は、バッテリ130の冷却ファンの作動量をバッテリ130の状態(たとえば、バッテリ130の温度等)に応じて可能な限り低減したり、作動を停止したりしてもよい。
【0089】
さらに、PM−ECU600は、DC−DCコンバータ250の出力電圧を通常時の出力電圧よりも低くなるように制御するようにしてもよい。PM−ECU600は、出力電圧が、通常時よりも低く設定された電圧になるように、DC−DCコンバータ250を制御するようにすればよい。たとえば、通常時のDC−DCコンバータ250の出力電圧が13.5Vである場合、PM−ECU600は、充電ケーブル1020のプラグ1040の接続を検出すると、13.5Vよりも低い予め定められた電圧になるようにDC−DCコンバータ250の出力電圧を制御するようにしてもよい。
【0090】
なお、本実施の形態においては、冷却ポンプ、冷却ファンおよびDC−DCコンバータ250を負荷制御の態様の一例として説明したが、外部充電装置1000による充電に関連しない電気負荷に対する負荷制御であれば、特に上述の電気負荷に限定されるものではない。たとえば、充電形式に応じて特定される、充電に関連しない電気負荷の作動量の低減あるいは作動の停止をするようにすればよい。
【0091】
以上のような構成を有する車両において、外部充電装置1000により充電が行なわれるとHV+PLG電源リレー604はオンされる。このとき、SBW−ECU804も起動する。そのため、SBW−ECU804が起動する毎にP壁当て制御を実施するようにすると、外部充電装置1000を用いて充電の頻度が増加するほど、P壁当て制御が繰り返されるため、構成部品の耐久性が悪化する可能性がある。
【0092】
そこで、本発明は、PM−ECU600が、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、電気機器群700が停止状態であり、かつ、外部充電可能状態が検出された場合に、SBW−ECU804および電気機器群800の電気機器806,808を一括して起動制御し、かつ、SBW−ECU804により実施されるアクチュエータの作動量の補正の実施を抑制する点に特徴を有する。
【0093】
具体的には、PM−ECU600は、SBW−ECU804からシフトポジションがパーキングポジションであることを示す信号を受信し、IG電源系統の電気機器群700が停止状態であって、かつ、結合確認センサ180からプラグ接続信号を受信した場合に、HV+PLG電源リレー604をオンする。さらに、PM−ECU600は、HV+PLG電源リレー604がオンされると、SBW−ECU804およびHV+PLG電源系統の電気機器群800の各々に対してバッテリ132が外部充電装置1000により充電中であることを示す信号(以下、”充電中”信号とも記載する)を通信バス802を経由して送信する。
【0094】
SBW−ECU804は、”充電中”信号を受信すると、アクチュエータの作動量の補正を抑制する。”充電中”信号は、電気機器806,808の起動指令に対応する信号であってもよいし、起動指令とは別に送信される信号であってもよい。
【0095】
図7に、本実施の形態に係る車両の制御装置300の機能ブロック図を示す。図7に示すように、PM−ECU600は、入力インターフェース(以下、入力I/Fと記載する)500と、演算処理部510と、記憶部530と、出力インターフェース(以下、出力I/Fと記載する)540とを含む。
【0096】
入力I/F500は、IGスイッチ88からのIGスイッチ信号と、結合確認センサ180からのプラグ接続信号と、バッテリECUからのSOC信号とを受信して、演算処理部510に送信する。
【0097】
バッテリECUは、バッテリ132における充放電電流値の積算あるいは開放電圧の変化等に基づいてSOC(State Of Charge)を推定し、推定されたSOCを示す信号をPM−ECU600に送信する。なお、SOCは、PM−ECU600が推定するようにしてもよい。
【0098】
演算処理部510は、接続判定部512と、リレー制御部514と、信号送信部516と、充電判定部518と、送信停止部520とを含む。
【0099】
接続判定部512は、プラグ接続信号に基づいて、充電ケーブル1020が車両に接続されたか否かを判定する。すなわち、接続判定部512は、結合確認センサ180からのプラグ接続信号を受信すると、充電ケーブル1020の端部のプラグ1040がソケット160に接続されたことを判定する。すなわち、接続判定部512は、プラグ接続信号を受信すると、車両の状態が外部充電可能状態になったことを判定する。
【0100】
なお、接続判定部512は、たとえば、充電ケーブル1020が車両に接続されたことが判定されると、接続判定フラグをオンし、充電ケーブル1020が車両に接続されないこと(すなわち、切離されたこと)が判定されると、接続判定フラグをオフするようにしてもよい。
【0101】
リレー制御部514は、充電ケーブル1020が車両に接続されたことが判定されると、HV+PLG電源リレー604をオンする制御信号を生成して、生成された制御信号を、出力I/F540を経由してHV+PLG電源リレー604に送信する。また、リレー制御部514は、充電ケーブル1020が切離されたことが判定されると、HV+PLG電源リレー604をオフする制御信号を生成して、生成された制御信号を出力I/F540を経由してHV+PLG電源リレー604に送信する。さらに、リレー制御部514は、バッテリ130の充電が完了したことが判定されると、HV+PLG電源リレー604をオフする制御信号を生成して、出力I/F540を経由してHV+PLG電源リレー604に送信する。
【0102】
なお、リレー制御部514は、たとえば、接続判定フラグがオンになると、HV+PLG電源リレー604をオンする制御信号を生成するようにしてもよい。また、リレー制御部514は、たとえば、接続判定フラグがオンからオフになると、HV+PLG電源リレー604をオフする制御信号を生成してもよい。あるいは、リレー制御部514は、接続判定フラグがオンであるときに、後述する充電完了判定フラグがオンになると、HV+PLG電源リレー604をオフする制御信号を生成するようにしてもよい。
【0103】
信号送信部516は、充電ケーブル1020が車両に接続されたことが判定されると、外部充電装置1000による充電中であることを示す”充電中”信号を生成して、生成された信号を、出力I/F540および通信バス802を経由してSBW−ECU804および電気機器群800の各電気機器に送信する。
【0104】
なお、信号送信部516は、たとえば、接続判定フラグがオンになると、”充電中”信号を送信するようにしてもよい。
【0105】
充電判定部518は、バッテリECUからのSOC信号に基づいてバッテリ130の充電が完了したか否かを判定する。たとえば、充電判定部518は、SOC信号に基づくバッテリ130のSOCが予め定められた値以上の充電量を示す場合にバッテリ130の充電が完了したことを判定する。なお、充電判定部518は、たとえば、バッテリ130のSOCが予め定められた値以上の充電量を示す場合に、充電完了判定フラグをオンするようにしてもよい。予め定められられた値は、停車中の車両においてバッテリ130の充電量として適切な値であれば特に限定されるものではなく、実験等により適合すればよい。
【0106】
送信停止部520は、充電判定部518においてバッテリ130の充電が完了したことを判定すると、”充電中”信号の送信を停止する。なお、送信停止部520は、充電完了判定フラグがオンであると、”充電中”信号の送信を停止するようにしてもよい。
【0107】
また、本実施の形態において、接続判定部512と、リレー制御部514と、信号送信部516と、充電判定部518と、送信停止部520とは、いずれも演算処理部510であるCPUが記憶部530に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
【0108】
記憶部530には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部510によってデータが読み出されたり、格納されたりする。
【0109】
一方、SBW−ECU804は、入力I/F850と、演算処理部860と、記憶部880と、出力I/F890とを含む。
【0110】
入力I/F850は、PM−ECU600からの”充電中”信号を受信して、演算処理部860に送信する。
【0111】
演算処理部860は、信号受信判定部862と、壁当て制御抑制部864と、信号停止判定部866と、抑制解除部868とを含む。
【0112】
信号受信判定部862は、PM−ECU600から”充電中”信号を受信するか否かを判定する。なお、信号受信判定部862は、たとえば、PM−ECU600から”充電中”信号を受信すると受信判定フラグをオンするようにしてもよい。
【0113】
壁当て制御抑制部864は、”充電中”信号を受信すると、SBW−ECU804のP壁当て制御の実施を抑制する。なお、壁当て制御抑制部864は、たとえば、受信判定フラグがオンであるとP壁当て制御の実施を抑制するようにしてもよい。なお、P壁当て制御に代えてSBW−ECU804の起動を抑制するようにしてもよい。
【0114】
信号停止判定部866は、PM−ECU600からの”充電中”信号の受信が停止したか否かを判定する。なお、信号停止判定部866は、たとえば、PM−ECU600からの”充電中”信号の受信が停止すると受信判定フラグをオフするようにしてもよい。
【0115】
抑制解除部868は、PM−ECU600からの”充電中”信号の受信が停止すると起動抑制を解除する。なお、抑制解除部868は、たとえば、受信判定フラグがオフであると、起動抑制を解除する。
【0116】
また、SBW−ECU804は、少なくともパーキングポジションに切り換えられた状態であって、”充電中”信号を受信しない場合に、アクチュエータ202にアクチュエータ制御信号を送信して、P壁当て制御を実施する。たとえば、SBW−ECU8084は、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、”充電中”信号を受信しない場合に、IG電源リレー602およびHV+PLG電源リレー604がオンされるとP壁当て制御を実施する。
【0117】
また、本実施の形態において、信号受信判定部862と、壁当て制御抑制部864と、信号停止判定部866と、抑制解除部868とは、いずれも演算処理部860であるCPUが記憶部880に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
【0118】
記憶部880には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じて演算処理部860によってデータが読み出されたり、格納されたりする。
【0119】
図8を参照して、本実施の形態に係る車両の制御装置であるPM−ECU600およびSBW−ECU804で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0120】
S100にて、PM−ECU600は、充電ケーブル1020の端部のプラグ1040がソケット160に接続されたか否かを判定する。具体的には、PM−ECU600は、結合確認センサ180からプラグ接続信号を受信すると、プラグ1040がソケット160に接続されたことを判定する。プラグ1040がソケット160に接続されたことが判定されると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
【0121】
S102にて、PM−ECU600は、HV+PLG電源リレー604をオンする。S104にて、PM−ECU600は、SBW−ECU804および電気機器群800の各電気機器に対して”充電中”信号を送信する。
【0122】
S106にて、PM−ECU600は、バッテリ130の充電が完了したか否かを判定する。バッテリ130の充電が完了すると(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでないと(S106にてNO)、処理はS106に戻される。
【0123】
S108にて、PM−ECU600は、”充電中”信号の送信を停止する。S110にて、PM−ECU600は、HV+PLG電源リレー604をオフする。
【0124】
S200にて、SBW−ECU804は、”充電中”信号を受信するか否かを判定する。”充電中”信号を受信すると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS200に戻される。
【0125】
S202にて、SBW−ECU804は、P壁当て制御の実施を抑制する。S204にて、SBW−ECU804は、”充電中”信号の受信が停止したか否かを判定する。”充電中”信号の受信が停止すると(S204にてYES)、処理はS206に移される。もしそうでないと(S204にてNO)、処理はS202に戻される。S206にて、SBW−ECU804は、P壁当て制御の実施の抑制を解除する。
【0126】
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る車両の制御装置であるPM−ECU600およびSBW−ECU804の動作について説明する。
【0127】
車両の停車中において、ユーザが外部充電装置1000のプラグ1040をソケット160に接続すると(S100にてYES)、HV+PLG電源リレー604がオンされる(S102)。そして、このとき、HV+PLG電源系統のSBW−ECU804および電気機器群800の各電気機器に”充電中”信号が送信される(S104)。
【0128】
SBW−ECU804において、充電中信号を受信すると(S200にてYES)、P壁当て制御の実施が抑制される(S202)。そして、”充電中”信号の受信が停止するまで(S204にてNO)、P壁当て制御の実施の抑制が継続される(S202)。
【0129】
PM−ECU600において、バッテリ130の充電が完了したことが判定されると(S106にてYES)、”充電中”信号の送信が停止され(S108)、HV+PLG電源リレー604がオフされる。
【0130】
SBW−ECU804は、”充電中”信号の受信が停止すると(S204にてYES)、P壁当て制御の実施の抑制を解除する(S206)。HV+PLG電源リレー604がオフであるため、SBW−ECU804は、起動しない。したがって、外部充電装置1000によるバッテリ130の充電中においてP壁当て制御の実施が制限される。
【0131】
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、パーキングポジションに切り換えられた状態であって、IG電源系統の電気機器群が停止状態であり、かつ、充電ケーブルのプラグがソケットに接続された場合に、HV+PLG電源系統の電気機器群が一括して起動制御され、かつ、SBW−ECUにより実施されるアクチュエータの作動量の補正の実施が抑制される。これにより、外部充電装置によりバッテリを充電するためHV+PLG電源系統の電気機器群がリレーオンにより起動する頻度が増加しても、アクチュエータの作動量の補正の実施の頻度の増加を抑制することができる。そのため、シフト切換機構の耐久性の悪化を抑制することができる。また、補正の実施の頻度が低下するため、起動毎にアクチュエータの作動量の補正を実施する場合と比較して電力消費量を低減することができる。したがって、シフト切換機構の耐久性の悪化を防止する車両の制御装置および制御方法を提供することができる。
【0132】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本実施の形態に係るハイブリッド車両の構成を示すブロック図である。
【図2】ハイブリッド車両に搭載される蓄電装置の構成を示す図である。
【図3】シフト制御システムの構成を示す図である。
【図4】シフト切換機構の構成を示す図である。
【図5】P壁当て時のディテントスプリングの変化を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る車両の制御装置および制御装置に接続される電気機器の構成を示す図である。
【図7】PM−ECUおよびSBW−ECUの機能ブロック図である。
【図8】PM−ECUおよびSBW−ECUので実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
10 ハイブリッド車両、20R,20L 前輪、22R,22L 後輪、40,60 ギヤ、88 IGスイッチ、90 エアコン、92 ドアロック、94 ナビゲーションシステム、96 電動スタビライザ、98 ヘッドライト、120 充電用インバータ、130,132 バッテリ、134 高圧パワーライン、136 低圧パワーライン、140 インバータ、150 負荷、160 ソケット、180 結合確認センサ、200 昇圧コンバータ、202 アクチュエータ、204 エンコーダ、206 シフト切換機構、208 メータ、210 表示部、212 シフトスイッチ、214 スイッチ、216 インジケータ、218 入力部、220 シフト制御システム、230 ポジション位置、232 山、234 Pポジション位置、236 P壁、238 非P壁、242 ディテントスプリング、244 パーキングロックギヤ、246 パーキングロックポール、248 ロッド、250 コンバータ、252 シャフト、254 ディテントプレート、300 制御装置、450 エンジン、500,850 入力I/F、510,860 演算処理部、512 接続判定部、514 リレー制御部、516 信号送信部、518 充電判定部、520 送信停止部、530 記憶部、540,890 出力I/F、600 PM−ECU、602 IG電源リレー、604 HV+PLG電源リレー、606 ゲートウェイ、700,800 電気機器群、702,802 通信バス、704,706,806,808 電気機器、804 SBW−ECU、862 信号受信判定部、864 壁当て制御抑制部、866 信号停止判定部、868 抑制解除部、880 記憶部、1000 外部充電装置、1020 充電ケーブル、1040 プラグ、1060 結合確認素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも回転電機を駆動源とする車両の制御装置であって、前記車両は、複数の電気機器と、前記複数の電気機器と異なる他の電気機器と、前記回転電機、前記複数の電気機器および前記他の電気機器に電力を供給する蓄電装置と、アクチュエータと、切換信号に応じて前記車両の走行状態に対応するシフトポジションを、前記アクチュエータの駆動により複数のシフトポジションのうちのいずれかのシフトポジションに切換えるシフト切換機構と、前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを含み、前記複数のシフトポジションは、パーキングポジションを含み、
前記車両の状態が、前記車両の外部から前記蓄電装置に対して充電が可能な外部充電可能状態になったことを検出するための検出手段と、
前記車両の起動操作を検出するための起動検出手段と、
前記起動操作が検出された場合に前記複数の電気機器のうち予め定められた第1の電気機器群を一括して起動制御するための第1の制御手段と、
前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、前記第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記複数の電気機器のうちの前記車両の外部からの蓄電装置の充電に関連する予め定められた第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置を一括して起動制御し、かつ、前記アクチュエータ制御装置により実施される前記アクチュエータの作動量の補正の実施を抑制するための第2の制御手段とを含み、
前記アクチュエータ制御装置は、少なくとも前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、かつ、前記外部充電可能状態が検出されない場合に、前記アクチュエータの作動量の補正を実施する、車両の制御装置。
【請求項2】
前記シフト切換機構は、前記アクチュエータの作動量を規制する規制部材を有し、
前記アクチュエータ制御装置は、前記起動操作が検出された場合に前記規制部材により規制される前記アクチュエータの作動位置を検出して、前記検出された作動位置に基づいて、前記パーキングポジションに対応する前記アクチュエータの作動位置を補正する、請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記第2の制御手段は、前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、前記第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とに対して、前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信し、
前記アクチュエータ制御装置は、前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を受信すると、前記補正の実施を抑制する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記第1の電気機器群は、第1の通信網に接続され、
前記第1の制御手段は、前記検出された車両の起動操作に応じて、前記第1の通信網を経由して前記第1の電気機器群に起動信号を送信し、
前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とは、前記第1の通信網とは独立して設けられる第2の通信網に接続され、
前記第2の制御手段は、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記第2の通信網を経由して前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とに対して前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信する、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の制御装置。
【請求項5】
前記蓄電装置は、第1の蓄電装置と前記第1の蓄電装置よりも低圧の第2の蓄電装置とを含み、
前記第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置は、前記起動制御時において前記第2の蓄電装置から電力の供給を受けて起動し、
前記車両は、前記第2の蓄電装置から前記第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置への電力供給状態を一括して、供給状態および非供給状態のうちのいずれかの状態に設定するリレーをさらに含み、
前記制御装置は、前記外部充電可能状態および前記車両の起動操作のうちの少なくともいずれか一方が検出されると、前記供給状態に切換えるように前記リレーを制御するための手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。
【請求項6】
少なくとも回転電機を駆動源とする車両の制御方法であって、前記車両は、複数の電気機器と、前記複数の電気機器と異なる他の電気機器と、前記回転電機、前記複数の電気機器および前記他の電気機器に電力を供給する蓄電装置と、アクチュエータと、切換信号に応じて前記車両の走行状態に対応するシフトポジションを、前記アクチュエータの駆動により複数のシフトポジションのうちのいずれかのシフトポジションに切換えるシフト切換機構と、前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置とを含み、前記複数のシフトポジションは、パーキングポジションを含み、
前記車両の状態が、前記車両の外部から前記蓄電装置に対して充電が可能な外部充電可能状態になったことを検出する検出ステップと、
前記車両の起動操作を検出する起動検出ステップと、
前記起動操作が検出された場合に前記複数の電気機器のうち予め定められた第1の電気機器群を一括して起動制御する第1の制御ステップと、
前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、前記第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記複数の電気機器のうちの前記車両の外部からの蓄電装置の充電に関連する予め定められた第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置を一括して起動制御し、かつ、前記アクチュエータ制御装置により実施される前記アクチュエータの作動量の補正の実施を抑制する第2の制御ステップとを含み、
前記アクチュエータ制御装置は、少なくとも前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、かつ、前記外部充電可能状態が検出されない場合に、前記アクチュエータの作動量の補正を実施する、車両の制御方法。
【請求項7】
前記シフト切換機構は、前記アクチュエータの作動量を規制する規制部材を有し、
前記アクチュエータ制御装置は、前記起動操作が検出された場合に前記規制部材により規制される前記アクチュエータの作動位置を検出して、前記検出された作動位置に基づいて、前記パーキングポジションに対応する前記アクチュエータの作動位置を補正する、請求項6に記載の車両の制御方法。
【請求項8】
前記第2の制御ステップは、前記パーキングポジションに切り換えられた状態であって、前記第1の電気機器群が停止状態であり、かつ、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とに対して、前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信し、
前記アクチュエータ制御装置は、前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を受信すると、前記補正の実施を抑制する、請求項6または7に記載の車両の制御方法。
【請求項9】
前記第1の電気機器群は、第1の通信網に接続され、
前記第1の制御ステップは、前記検出された車両の起動操作に応じて、前記第1の通信網を経由して前記第1の電気機器群に起動信号を送信し、
前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とは、前記第1の通信網とは独立して設けられる第2の通信網に接続され、
前記第2の制御ステップは、前記外部充電可能状態が検出された場合に、前記第2の通信網を経由して前記第2の電気機器群と前記アクチュエータ制御装置とに対して前記蓄電装置が外部充電により充電中であることを示す信号を送信する、請求項6〜8のいずれかに記載の車両の制御方法。
【請求項10】
前記蓄電装置は、第1の蓄電装置と前記第1の蓄電装置よりも低圧の第2の蓄電装置とを含み、
前記第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置は、前記起動制御時において前記第2の蓄電装置から電力の供給を受けて起動し、
前記車両は、前記第2の蓄電装置から前記第2の電気機器群および前記アクチュエータ制御装置への電力供給状態を一括して、供給状態および非供給状態のうちのいずれかの状態に設定するリレーをさらに含み、
前記制御方法は、前記外部充電可能状態および前記車両の起動操作のうちの少なくともいずれか一方が検出されると、前記供給状態に設定するように前記リレーを制御するステップをさらに含む、請求項6〜9のいずれかに記載の車両の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−293706(P2009−293706A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148282(P2008−148282)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】