説明

車両の携帯機器接続装置

【課題】携帯機器の機能を有効に利用して利便性を効果的に向上できるようにする。
【解決手段】車体に搭載されたディスプレイユニット1,2と、このディスプレイユニット1,2に接続手段3を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯機器4と、この携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されているか否かを判別する接続判別手段5と、この接続判別手段5により上記携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されていると判別された場合に、上記携帯機器4から出力された画像データをディスプレイユニット1,2に表示させる制御を実行する表示制御手段6とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側に設けられたディスプレイユニットと、このディスプレイユニットに接続手段を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯機器とを備えた車両の携帯機器接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、車両に固定的に搭載されて地図情報を記憶する地図情報記憶部と、上記車両に対して搭載状態と取外し状態とに着脱可能に設けられるとともにその取外し状態において車外で使用可能な携帯ナビゲーション部とを備え、この携帯ナビゲーション部が、上記地図情報記憶部から読み出された情報であって、この地図情報記憶部に記憶されている地図情報の内の一部情報が書き込まれる記憶手段と、この記憶手段に書き込まれている地図情報を表示するディスプレイとを有するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
また、下記特許文献2に示されるように、車両に搭載された車載ナビゲーション装置と、この車載ナビゲーション装置とを通信するための携帯通信手段を有する携帯ナビゲーション装置とを備え、上記車載ナビゲーション装置は、周辺施設から送信される広告情報を受信するとともに、上記携帯ナビゲーション装置との間で情報を送受信するための車載通信手段と、この車載通信手段によって受信した広告情報を記憶するための記憶手段と、上記携帯ナビゲーション装置の利用者が車両から降車したことを検出する降車状態検出手段と、この降車状態検出手段によって利用者が車両から降車したことが検出された場合に、上記記憶手段に記憶された広告情報の内、所定の広告情報を上記車載通信手段により携帯ナビゲーション装置に送信する送信手段とを備えたナビゲーションシステムが知られている。
【特許文献1】特開2004−109143号公報
【特許文献2】特開2006−133141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1,2に開示されているように、車両に固定的に搭載されて地図情報を記憶するメインナビ装置(車載ナビゲーション装置)と、上記車両に対して着脱可能に設けられてその取外し状態において車外で使用可能なサブナビ装置(携帯ナビゲーション装置)とを設けた場合には、上記メインナビ装置の地図情報記憶部に記憶された地図情報を携帯機器からなるサブナビ装置に転送して上記地図情報を有効に利用できるという利点がある。しかし、車両に搭載されたメインナビ装置と、車両から取外し可能に構成されたサブナビ装置との両方が必要であるため、コストアップとなることが避けられない。このため、近年において性能が著しく向上した携帯機器の機能を有効に利用することにより、安価で優れた利便性が得られるようにすることが望まれていた。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、携帯機器の機能を有効に利用して利便性を効果的に向上させることができる車両の携帯機器接続装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車体に搭載されたディスプレイユニットと、このディスプレイユニットに接続手段を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯機器と、この携帯機器がディスプレイユニットに接続されているか否かを判別する接続判別手段と、この接続判別手段により上記携帯機器がディスプレイユニットに接続されていると判別された場合に、上記携帯機器から出力された画像データをディスプレイユニットに表示させる制御を実行する表示制御手段とを備えたものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の携帯機器接続装置において、無線通信によるワイヤレス接続手段を介して上記携帯機器がディスプレイユニットに接続されるように構成されたものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の携帯機器接続装置において、上記接続判別手段は、携帯機器から出力された画像データの種類を判別する機能を有し、その判別結果に応じて上記ディスプレイユニットに画像データが表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられたものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記請求項3に記載の車両の携帯機器接続装置において、上記表示制限手段は、接続判別手段により上記携帯機器から出力された画像データが動画データであると判別された場合に、この動画データがディスプレイユニットに表示されるのを制限するとともに、上記画像データが静止画データであると判定された場合に、この静止画データがディスプレイユニットに表示されるのを許容するように構成されたものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の携帯機器接続装置において、上記ディスプレイユニットには、前席から視聴できる前席用のディスプレイユニットと、後席から視聴できる後席用のディスプレイユニットとが設けられ、これらの前席用および後席用のディスプレイユニットに対して上記携帯機器がそれぞれ接続可能に構成されたものである。
【0011】
請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載の車両の携帯機器接続装置において、上記接続判別手段は、携帯機器が接続されたディスプレイユニットが前席用であるか後席用であるかを判別する機能を有し、上記接続判別手段により前席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、この前席用のディスプレイユニットに上記携帯機器から出力された画像データが表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられるとともに、この表示制限手段は、上記接続判別手段により後席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、上記携帯機器から出力された画像データが表示されるのを許容するように構成されたものである。
【0012】
請求項7に係る発明は、上記請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の携帯機器接続装置において、車両が停止状態にあるか否かを検出する停車検出手段を備え、この停車検出手段により車両が停止状態にないことが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられるとともに、この表示制限手段は、停車検出手段により車両が停止状態にあることが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを許容するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、アンテナにより地上デジタル放送データ等からなる動画データを受信するとともに、インターネットを介して地図情報等からなる静止画データをダウンロードすること等が可能な携帯電話機等からなる携帯機器の機能を有効に利用することにより、上記地上デジタル放送データおよび地図情報等を車両に搭載されたディスプレイユニットに表示させることができるため、簡易かつ安価な構成で多様な情報が得られるという利点がある。
【0014】
請求項2に係る発明では、無線通信によるワイヤレス接続手段を介して携帯機器をディスプレイユニットに接続するように構成したため、接続コードを用いて上記携帯機器をディスプレイユニットに接続するという煩雑な操作を有することなく、上記携帯機器から出力された画像データ等を上記ディスプレイユニットに送信して表示させることができる等の利点がある。
【0015】
請求項3に係る発明では、携帯機器から出力された画像データの種類を接続判別手段において判別し、その判別結果に応じて上記ディスプレイユニットに画像データが表示されるのを制限する表示制限手段を上記表示制御手段に設けたため、車両の走行安定性を損なうような画像が上記ディスプレイユニットに表示されるのを防止しつつ、このディスプレイユニットに表示された画像データに基づいて必要な情報が得られるという利点がある。
【0016】
請求項4に係る発明では、携帯機器から出力された画像データが、テレビ画像等の動画データであると上記接続判別手段により判別された場合に、この動画データが前席用のディスプレイユニットに表示されるのを禁止するように構成したため、運転席シートに着座した乗員等が上記ディスプレイユニットに表示されたテレビ画像等に気を取られて運転操作に支障が生じること等を効果的に防止できるとともに、運転操作等に顕著な支障が生じることがないナビ画面等の静止画データがディスプレイユニットに表示されるのを許容することにより、必要な情報が適正に得られるという利点がある。
【0017】
請求項5に係る発明では、前席から視聴できる前席用のディスプレイユニットと、後席から視聴できる後席用のディスプレイユニットとを設けるとともに、これらの前席用および後席用のディスプレイユニットに上記携帯機器をそれぞれ接続可能に構成したため、車両に搭載された上記両ディスプレイユニットを有効に利用して多様な情報が得られるという利点がある。
【0018】
請求項6に係る発明では、携帯機器が接続されたディスプレイユニットが前席用であるか後席用であるかを接続判別手段により判別し、前席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、上記画像データの表示を制限するように構成したため、運転席シートに着座した乗員が上記ディスプレイユニットに表示されたテレビ画像等に気を取られて運転操作に支障が生じること等を防止しつつ、運転操作に支障のない上記後席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、この携帯機器から出力された画像データが静止画データであるか否かに拘わらず、この画像データを上記ディスプレイユニットに表示させることにより、後席シートに着座した乗員に多様な情報を提供して利便性を効果的に向上できるという利点がある。
【0019】
請求項7に係る発明では、車両が停止状態にあるか否かを検出する停車検出手段を設けるとともに、この停車検出手段により車両が停止状態にないことが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを制限し、かつ上記停車検出手段により車両が停止状態にあることが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを許容する表示制限手段を上記表示制御手段に設けたため、運転操作に支障が生じる可能性がある車両の走行時に、上記ディスプレイユニットに表示されるのを制限して安全性を向上させることができるとともに、運転操作に支障が生じる可能性のない車両の停止時には、携帯機器から出力された画像データが静止画データであるか否かに拘わらず、この画像データを上記ディスプレイユニットに表示させることにより、多様な情報を提供して利便性を、より効果的に向上できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に係る車両の携帯機器接続装置の実施形態を示している。この車両の携帯機器接続装置は、車両に設けられたディスプレイユニット1,2と、このディスプレイユニット1,2に接続手段3を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯電話機またはPDA(Personal Digital Assistants)等からなる携帯機器4と、この携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されているか否かを判別する接続判別手段5と、この接続判別手段5により上記携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されていると判別された場合に、上記携帯機器4から出力されたコンテンツデータをディスプレイユニット1,2に表示させる制御を実行する表示制御手段6とを備えている。
【0021】
上記両ディスプレイユニット1,2のうちの一方は、車室内の前端部に位置するインストルメントパネルに設置された前席用のディスプレイユニット1であり、他方は、車室のルーフ部から吊下される等により設置された後席用のディスプレイユニット2である。これらのディスプレイユニット1,2は、それぞれLED表示パネル、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶表示パネルまたはプラズマ表示パネル等からなる画像表示部7と、スピーカ等からなる音声出力部8と、これらを駆動するドライバー9と、上記接続手段3を構成する無線受信機10とを有している。そして、この無線受信機10により受信された画像データおよび音声データが、上記ドライバー9を介して上記画像表示部7および音声出力部8に出力されることにより、画像表示部7に画像データが表示されるとともに、音声出力部8から音声データが出力されるようになっている。
【0022】
上記携帯機器4には、アンテナ11により受信した地上デジタル放送データ等からなる動画データとインターネットを介して得られた地図情報等からなる静止画データ等とを記憶する記憶手段12と、無線送信機13とを有し、この無線送信機13と、上記ディスプレイユニット1,2の無線受信機10とにより、ディスプレイユニット1,2と携帯機器4とを車室内において接続する近距離用の無線通信によるワイヤレス接続手段3が構成されている。そして、上記携帯機器4の記憶手段12に記憶された動画データおよび静止画データ等からなる画像データと音声データとを有するコンテンツデータが上記無線送信機13を介してディスプレイユニット1,2に出力されるようになっている。
【0023】
上記接続判別手段5は、ディスプレイユニット1,2の無線受信機10の出力信号に基づき、両ディスプレイユニット1,2の何れかに上記携帯機器4が接続された場合に、この携帯機器4が両ディスプレイユニット1,2のどちらに接続されているのかを判別する機能と、携帯機器4から出力されたコンテンツデータの種類を判別する機能、具体的には携帯機器4から出力された画像データが動画データであるか、または静止画データであるかを判別する機能とを有し、その判別結果を上記表示制御手段6に出力するように構成されている。
【0024】
上記表示制御手段6には、接続判別手段5の判別結果に応じてディスプレイユニット1の画像表示部7に画像データが表示されるのを制限する表示制限手段14が設けられるとともに、図外の車速センサまたはパーキングブレーキセンサ等の出力信号に応じて車両が停車状態にあるか否かを検出する停車検出手段16の判別信号が入力されるようになっている。上記表示制限手段14は、接続判別手段5により上記携帯機器4から出力された画像データが動画データであると判定された場合に、この動画データが上記画像表示部7に表示されるのを制限するとともに、上記画像データが静止画データであると判別された場合に、その表示を許容するように構成されている。
【0025】
また、上記表示制限手段14は、接続判別手段5により携帯機器4が後席用のディスプレイユニット2に接続されていると判定された場合に、上記携帯機器4から出力された画像データが動画データであるか否かに拘わらず、上記携帯機器4から出力された画像データが、ディスプレイユニット2の画像表示部7に表示されるのを禁止することなく、その表示を許容するように構成されている。
【0026】
さらに、上記表示制限手段14は、停車検出手段16から車両が停車状態にないことを示す検出信号が入力された場合に、上記携帯機器4から出力された画像データが前席用のディスプレイユニット1において表示されるのを制限し、車両が停止状態にあると判別された場合には、上記接続判別手段5により携帯機器4が前席用のディスプレイユニット1に接続されていると判別された場合であっても、このディスプレイユニット1に上記画像データが表示されるのを許容するように構成されている。
【0027】
上記構成により車両の停止時には、携帯機器4から出力された画像データの全てを上記両ディスプレイユニット1,2の何れに対しても表示させる制御が上記表示制御手段6において実行されるとともに、後席用のディスプレイユニット2には、車両が走行状態にあるか否かに拘わらず、上記携帯機器4から出力された画像データの全てが表示される制御が実行される。また、車両の走行状態において、前席用のディスプレイユニット1には、携帯機器4から出力された静止画データが表示されることを許容するとともに、この前席用のディスプレイユニット1に動画データが表示されるのを禁止する制御が実行されることになる。
【0028】
上記車両の携帯機器接続装置の制御動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタートすると、まず接続判別手段5において携帯機器4が接続手段3を介してディスプレイユニット1,2の何れかに接続されたか否かを判定し(ステップS1)、YESと判定された場合には、上記携帯機器4が前席用のディスプレイユニット1に接続された状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。このステップS2でNOと判定されて上記携帯機器4が後席用のディスプレイユニット2に接続された状態にあることが確認された場合には、上記携帯機器4から出力された画像データをディスプレイユニット1,2の画像表示部7に表示させる制御を実行した後(ステップS3)、リターンする。
【0029】
上記ステップS2でYESと判定されて上記携帯機器4が前席用のディスプレイユニット1に接続された状態にあることが確認された場合には、上記停車検出手段16の出力信号に応じて車両が停車状態にあるか否かを判定し(ステップS4)、YESと判定された場合には、上記ステップS3に移行して上記携帯機器4から出力された画像データを、上記両ディスプレイユニット1の画像表示部7に表示させる制御を実行する。
【0030】
また、上記ステップS4でNOと判定されて車両が走行状態にあることが確認された場合には、上記携帯機器4から出力された画像データが動画データであるか否かを判定し(ステップS5)、NOと判定されて上記携帯機器4から出力された画像データが静止画データであることが確認された場合には、上記ステップS3に移行して上記携帯機器4から出力された静止画データをディスプレイユニット1の画像表示部7に表示させる制御を実行する。
【0031】
一方、上記ステップS5でYESと判定されて携帯機器4から出力されたコンテンツデータが動画データであることが確認された場合には、上記携帯機器4から出力された動画データが前席側に位置するディスプレイユニット1の画像表示部7に表示されるのを禁止した後(ステップS6)、リターンする。
【0032】
上記のように車体に搭載されたディスプレイユニット1,2と、このディスプレイユニット1,2に接続手段3を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯機器4と、この携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されているか否かを判別する接続判別手段5と、この接続判別手段5により上記携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されていると判別された場合に、上記携帯機器4のコンテンツデータをディスプレイユニット1,2に表示させる制御を実行する表示制御手段6とを設けたため、携帯機器4の機能を有効に利用して利便性を効果的に向上させることができる。
【0033】
すなわち、アンテナ11により地上デジタル放送データ等からなる動画データを受信するとともに、インターネットを介して地図情報等からなる静止画データをダウンロードすること等が可能な携帯電話機またはPDA等からなる携帯機器4の機能を有効に利用することにより、上記地上デジタル放送データおよび地図情報等を車両に搭載されたディスプレイユニット1,2の画像表示部7に表示させることができる。したがって、上記ディスプレイユニット1,2に、地上デジタル放送データ等を受信して処理するアンテナやチューナを設けることによりテレビジョン受像器としての機能を持たせたり、地図情報の記憶手段を設けることにより車載ナビゲーション装置として機能を持たせたりすることなく、上記ディスプレイユニット1,2の画像表示部7にテレビジョン放送や地図情報を表示させることができ、これによって簡易かつ安価な構成で多様な情報が得られるという利点がある。
【0034】
なお、無線通信によるワイヤレス接続手段3を介して携帯機器4をディスプレイユニット1,2に接続するように構成した上記実施形態に代え、接続コードを用いて上記携帯機器4をディスプレイユニット1,2に接続するようにすることも可能である。しかし、上記実施形態に示すように、無線通信によるワイヤレス接続手段3を介して携帯機器4をディスプレイユニット1,2に接続するように構成した場合には、接続コードを用いて上記接続を行うという煩雑な操作を有することなく、上記携帯機器4から出力されたコンテンツデータを上記ディスプレイユニット1,2に送信して表示させることができる。しかも、上記コンテンツデータの受信情報に基づき、携帯機器4がディスプレイユニット1,2に接続されているか否か等を上記接続判別手段5において容易かつ適正に判別できるという利点がある。
【0035】
また、上記実施形態に示すように、携帯機器4から出力された画像データの種類を接続判別手段5において判別し、その判別結果に応じて上記ディスプレイユニット1に画像データが表示されるのを制限する表示制限手段14を上記表示制御手段6に設けた場合には、車両の走行安定性を損なうような画像データが上記ディスプレイユニット1の画像表示部7に表示されるのを防止しつつ、この画像表示部7に必要な画像データを表示できるという利点がある。
【0036】
例えば、上記実施形態では、携帯機器4から出力された画像データが、テレビ画像等の動画データであると上記接続判別手段5により判別された場合に、この動画データが前席用のディスプレイユニット1に表示されるのを禁止する制御を上記表示制御手段6において実行するように構成したため、運転席シートに着座した乗員が上記ディスプレイユニット1に表示されたテレビ画像等に気を取られて運転操作に支障が生じるのを効果的に防止できるという利点がある。一方、上記画像データが、ナビ画面等の静止画データであると判定された場合には、この静止画データを前席用のディスプレイユニット1に表示させたとしても運転操作に顕著な支障が生じることはないので、上記ナビ画面等がディスプレイユニット1に表示されるのを許容することにより、必要な情報が適正に得られるという利点がある。
【0037】
また、上記実施形態に示すように、前席から視聴できる前席用のディスプレイユニット1と、後席から視聴できる後席用のディスプレイユニット2とを設けるとともに、これらの前席用および後席用のディスプレイユニット1,2に対して上記携帯機器4をそれぞれ接続可能に構成した場合には、車両に搭載された上記両ディスプレイユニット1,2を有効に利用して多様な情報が得られるという利点がある。
【0038】
そして、上記実施形態では、携帯機器4が接続されたディスプレイユニット1,2が前席用であるか後席用であるかを接続判別手段5により判別し、前席用のディスプレイユニット1に携帯機器4が接続されていると判定された場合に、上記画像データの種類に応じてその表示を制限するように構成したため、運転席シートに着座した乗員が上記ディスプレイユニット1に表示されたテレビ画像等に気を取られて運転操作に支障が生じるのを防止することができる。一方、運転操作に支障のない上記後席用のディスプレイユニット2に携帯機器4が接続されていると判定された場合には、この携帯機器4から出力された画像データが静止画データであるか否かに拘わらず、この画像データを上記ディスプレイユニット2に表示させることにより、後席シートに着座した乗員に多様な情報を提供して利便性を効果的に向上できるという利点がある。
【0039】
また、上記実施形態では、車両が停止状態にあるか否かを検出する停車検出手段16を設けるとともに、この停車検出手段16により車両が停止状態にないことが検出された場合に、上記携帯機器4から出力された画像データがディスプレイユニット1に表示されるのを制限し、かつ上記停車検出手段16により車両が停止状態にあることが検出された場合に、上記携帯機器4から出力された画像データがディスプレイユニット1に表示されるのを許容する表示制限手段14を上記表示制御手段6に設けたため、運転操作に支障が生じる可能性がある車両の走行時に、上記ディスプレイユニット1に表示されるのを制限して安全性を向上させることができる。一方、運転操作に支障が生じる可能性のない車両の停止時には、携帯機器4から出力された画像データが静止画データであるか否かに拘わらず、この画像データを上記ディスプレイユニット2に表示させることにより、多様な情報を提供して利便性を、より効果的に向上できるという利点がある。
【0040】
なお、上記接続判別手段5により前席用のディスプレイユニット1に携帯機器4が接続されていると判定された場合に、この前席用のディスプレイユニット1が運転席シート側を向いているか助手席シート側を向いているかを判別する方向判別手段を設け、この方向判別手段により上記ディスプレイユニット1が運転席シート側を向いていることが確認された場合に上記携帯機器4から出力された画像データが表示されるのを制限し、かつ助手席シートを向いていることが確認された場合に上記画像データが表示されるのを許容するように構成してもよい。
【0041】
上記のように構成した場合には、運転席シートに着座した乗員が上記ディスプレイユニット1に表示されたテレビ画像等に気を取られて運転操作に支障が生じるのを防止しつつ、助手席シートに着座した乗員に対してディスプレイユニット2に表示された画像データからなる多様な情報を提供することができるため、より効果的に利便性を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る車両の携帯機器接続装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】上記携帯機器接続装置の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 前席用のディスプレイユニット
2 後席用のディスプレイユニット
3 接続手段
4 携帯機器
5 接続判別手段
6 表示制御手段
14 表示制限手段
16 停車検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載されたディスプレイユニットと、このディスプレイユニットに接続手段を介して接続されるとともに乗員により携帯可能に構成された携帯機器と、この携帯機器がディスプレイユニットに接続されているか否かを判別する接続判別手段と、この接続判別手段により上記携帯機器がディスプレイユニットに接続されていると判別された場合に、上記携帯機器から出力された画像データをディスプレイユニットに表示させる制御を実行する表示制御手段とを備えたことを特徴とする車両の携帯機器接続装置。
【請求項2】
無線通信によるワイヤレス接続手段を介して上記携帯機器がディスプレイユニットに接続されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の携帯機器接続装置。
【請求項3】
上記接続判別手段は、携帯機器から出力された画像データの種類を判別する機能を有し、その判別結果に応じて上記ディスプレイユニットに画像データが表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の携帯機器接続装置。
【請求項4】
上記表示制限手段は、接続判別手段により上記携帯機器から出力された画像データが動画データであると判別された場合に、この動画データがディスプレイユニットに表示されるのを制限するとともに、上記画像データが静止画データであると判定された場合に、この静止画データがディスプレイユニットに表示されるのを許容するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両の携帯機器接続装置。
【請求項5】
上記ディスプレイユニットには、前席から視聴できる前席用のディスプレイユニットと、後席から視聴できる後席用のディスプレイユニットとが設けられ、これらの前席用および後席用のディスプレイユニットに対して上記携帯機器がそれぞれ接続可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の携帯機器接続装置。
【請求項6】
上記接続判別手段は、携帯機器が接続されたディスプレイユニットが前席用であるか後席用であるかを判別する機能を有し、上記接続判別手段により前席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、この前席用のディスプレイユニットに上記携帯機器から出力された画像データが表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられるとともに、この表示制限手段は、上記接続判別手段により後席用のディスプレイユニットに携帯機器が接続されていると判定された場合に、上記携帯機器から出力された画像データが表示されるのを許容するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の車両の携帯機器接続装置。
【請求項7】
車両が停止状態にあるか否かを検出する停車検出手段を備え、この停車検出手段により車両が停止状態にないことが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを制限する表示制限手段が上記表示制御手段に設けられるとともに、この表示制限手段は、停車検出手段により車両が停止状態にあることが検出された場合に、上記携帯機器から出力された画像データがディスプレイユニットに表示されるのを許容するように構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の携帯機器接続装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−139347(P2009−139347A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319146(P2007−319146)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】