車両の樹脂ルーフ構造
【課題】車両ルーフ部1の車幅方向両端部にてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール12と、該各ルーフサイドレール12の間を覆う樹脂製のルーフパネル15と、収納空間31を有するストレージボックス11とを備えた車両Aの樹脂ルーフ構造において、車室内の乗員スペースを浸食することなく上記収納空間31を十分に確保するとともに、軽量で且つ剛性の高いルーフ構造を実現する。
【解決手段】ルーフパネル15の下面に該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19を設け、該縦壁部19を上記収納空間31の側壁部とする。
【解決手段】ルーフパネル15の下面に該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19を設け、該縦壁部19を上記収納空間31の側壁部とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルとを備えた車両の樹脂ルーフ構造に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両ルーフ部のルーフパネルは、該ルーフ部の車幅方向両端部にて車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールにより支持されており、車両全体の軽量化を図るために、該ルーフパネルの材料として、一般に利用される鋼板等に比べて軽量な樹脂材を使用した車両の樹脂ルーフ構造は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、車両の車室内スペースの有効利用を図るために、車両ルーフ部に物品収納用の物品収納部を設ける場合がある。例えば特許文献2に示すものでは、サングラス等の小物類を収納するためのオーバーヘッドコンソール(物品収納部)が、車室天井面から下側に膨出するようにして設けられている。このオーバーヘッドコンソールは、収納空間を有するコンソール本体と、該収納空間を開閉可能に覆うカバーとを備えていて、該コンソール本体をボルト等によりルーフパネルに取付けて車室天井面に固定されている。
【0004】
また、特許文献3に示すものでは、サングラス等の小物類のみでなくラジオやオーディオ等の比較的大きな物品類も収納可能なオーバーヘッドコンソールが車室天井面から膨出するようにして設けられている。具体的には、このオーバーヘッドコンソールは、後方に開放する前側収納部と、該前側収納部よりも後側に配設され、車幅方向両側に開閉用扉を有する後側収納部とを備えていて、上記前側収納部にラジオやオーディオ等を収納するように構成されている。尚、このオーバーヘッドコンソールは、ボルト等により車室天井面に固定されている。
【特許文献1】特開2001−151154号公報
【特許文献2】特開1999−165591号公報
【特許文献3】米国特許第3773378号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献2及び3に示すように、車室天井面の下側に、別体のオーバーヘッドコンソールを設けるようにしたルーフ構造では、オーバーヘッドコンソールを車室天井面に固定するための部品等が必要となって部品点数の増加を招くとともに、オーバヘッドコンソール自体が車室内に膨出して、車両の乗員に対して閉塞感を与えたり車室内の乗員スペースを浸食したりするという問題がある。
【0006】
更に、上述の特許文献1に示すように、車両の軽量化を図るために樹脂製のルーフパネルを採用した場合、鉄に比べて低い樹脂材の剛性に起因して、該ルーフパネル自体が、オーバーヘッドコンソールの重みや該コンソール内に収納された収納物の重みで変形する等という問題がある。特に、上述の特許文献3に示すようにラジオやオーディオも収納可能な大型のオーバーヘッドコンソールを設けた場合にこの問題が顕著になる。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該各ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造において、その構成に工夫を凝らすことで、車室内の乗員スペースを浸食したりすることなく物品収納用の収納空間を十分に確保するとともに、軽量で且つ剛性の高いルーフ構造を実現しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、樹脂製のルーフパネルの下面に該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部を設け、少なくとも上記縦壁部を側壁部とする収納空間を有する物品収納部を備えるようにした。
【0009】
具体的には、この発明では、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造を対象とする。
【0010】
そして、上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部全周のうちの少なくとも一部とされているものとする。
【0011】
この構成により、ルーフパネルの下面から下側に突出する縦壁部が補強部材として作用し、この結果、該ルーフパネルの剛性を高めることができる。
【0012】
また、ルーフパネルと一体形成された縦壁部を、収納空間の側壁部として利用するとともに上記物品収納部の一部とすることで、部品点数を削減して車両ルーフ部の軽量化及び製造コスト低減を図ることが可能となる。
【0013】
また、収納空間の上壁面をルーフパネルの下面までとることができ、従って、例えばルーフパネルよりも下側に配設されて車室天井面を形成するトップシーリングの下面を収納空間の上壁面とした場合に比べて、上記物品収納部を車室内の高い位置に配設することができ、その結果、該物品収納部が、乗員の頭部近傍スペースに膨出することにより乗員に対して閉塞感を与えたり該乗員の邪魔になったりするのを防止することができる。
【0014】
また、上記ルーフパネルは樹脂で構成されているため鋼板等に比べて成形性に優れ、従って上記縦壁部を該ルーフパネルと一体で容易に形成することができる。また、鋼板に比べて軽量な樹脂製のルーフパネルを採用したことで、車両全体の軽量化を図るとともに車両の燃費を向上させることが可能となる。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記縦壁部は筒状に形成されて上記収納空間の側壁部とされるとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部を備えているものとする。
【0016】
このことにより、上記蓋部の開閉により収納空間内の物品の出し入れを容易に行うことができる。また、上記蓋部を閉じておくことで、収納空間内に収納された物品が、車両の揺れや加減速時の慣性により車室内に飛び出して落下するのを確実に防止することができる。
【0017】
請求項3の発明では、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造を対象とする。
【0018】
そして、上記ルーフパネルには開口部が設けられ、上記ルーフパネルの下面における上記開口部の周縁部には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する筒状の縦壁部が設けられており、上記縦壁部は、物品収納用の収納空間の側壁部を形成するとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部と、上記ルーフパネルの開口部を閉塞するとともに上記収納空間の上壁部を構成する閉塞パネルとを備えてなるように構成されている。
【0019】
この構成により、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
また更に、上記縦壁部の成形性をより一層向上させることができる。すなわち、ルーフパネルにおける上記縦壁部に囲まれた部分を開口部とすることで、例えば、該ルーフパネル及び縦壁部を射出成形により一体成形する場合に、該ルーフパネルの形状を簡素化して樹脂の湯回りを向上させることができ、その結果、巣穴や欠肉等の発生を抑制して該ルーフパネルを所定の形状に確実に成形することができる。
【0021】
また、上記開口部は閉塞パネルにより閉塞されており、従って該開口部を形成したことによるルーフパネルの剛性低下を防止することができる。
【0022】
請求項4の発明では、請求項3記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルの上面同士は連続的に繋がって面一になっているものとする。
【0023】
このことにより、閉塞パネルとルーフパネルとの境界部に段差が形成されて外観を損なうのを防止することができる。
【0024】
請求項5の発明では、請求項3又は4記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルは互いに色が異なっているものとする。
【0025】
このことにより、塗装工程で塗り分けせずに車両上面のツートーンカラーを得ることができる。すなわち、通常、塗り分けを行う際にはマスキングを施す等して塗装を行うが、本発明によれば、閉塞パネル及びルーフパネルを、互いに異なる色で塗装しておくとともに、塗装完了後に閉塞パネルをルーフパネルの開口部に組付けることで、マスキング等の作業工程を削減してコスト低減を図ることができる。また、例えば上記閉塞パネルを塗装せずに地肌色のままルーフパネルに組付けるようにしてもよく、こうすることで閉塞パネルの塗装工程をも削減して更なるコスト低減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によると、樹脂製のルーフパネルの下面に該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部を設け、少なくとも上記縦壁部を側壁部とする収納空間を有する物品収納部を備えるようにしたことにより、該物品収納部を構成するための部品点数を削減して車両ルーフ部の軽量化を図るとともにコスト低減を図ることが可能となる。また、上記縦壁部が補強部材として作用する結果、該縦壁部がない場合に比べてルーフパネルの剛性を向上させることができる。更に、収納空間の上壁面をルーフパネルの下面までとることができ、その結果、上記物品収納部が、乗員の頭部近傍スペースを浸食して邪魔になるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る車両の樹脂ルーフ構造を含む自動車A(車両)を示し、この自動車Aは、車両後部に跳ね上げ式のバックドア5を有する所謂ハッチバックタイプの乗用車であって、車両側面の前側から順にフロントピラー2、センターピラー3及びリヤピラー4を備えていて、これらのピラー2〜4で車両ルーフ部1を支持する構成になっている。上記フロントピラー2とセンターピラー3との間にはフロントサイドドア6が設けられており、同様に、センターピラー3とリヤピラー4との間にはリヤサイドドア7が設けられている。また、上記各ドア5〜7にはそれぞれバックウィンド10、フロントサイドウィンド8及びリヤサイドウィンド9が設けられており、上記車両ルーフ部1の前側にはバックウィンド10に対峙してフロントウィンド22が設けられている。そして、詳しくは後述するが、図2に示すように、この自動車Aの車室天井面には、車室内の乗員が物品を収納するための物品収納部としてのストレージボックス11が設けられている。
【0029】
尚、以下の説明において特に説明しない場合、「前側」「後側」及び「左側」「右側」は、それぞれ自動車Aの車体を基準としてその前側、後側及び左側、右側を意味する。
【0030】
上記車両ルーフ部1は、該ルーフ部1の車幅方向両端部においてそれぞれ前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール12と、車幅方向に延びて該ルーフサイドレール12の前端部及び後端部同士をそれぞれ繋ぐフロントヘッダ13及びリヤヘッダ14(図8参照)と、上記両ルーフサイドレール12間を覆う樹脂製のルーフパネル15及び閉塞パネル16と、該ルーフパネル15及び閉塞パネル16よりも下側(車室側)に配設され、車室天井面を構成するトップシーリング17(図2参照)とを備えている。そして、該車両ルーフ部1は、上記ルーフパネル15及びトップシーリング17の車幅方向両端部同士を接合してなる閉断面状のルーフモジュール20(図4参照)を、上記ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14でもって支持するように構成されている。
【0031】
上記ルーフサイドレール12は、図3に示すように、アウタ側(車幅方向外側)のアウタパネル25と、インナ側(車幅方向内側)のインナパネル26と、該アウタパネル25及びインナパネル26間に位置するルーフサイドレイン27とからなっていて、該アウタパネル25及びインナパネル26の上下方向両端部同士を、ルーフサイドレイン27を介して接合して閉断面状に形成されている。
【0032】
上記アウタパネル25及びルーフサイドレイン27は、その上端縁が下端縁よりも車幅方向内側(車室側)に位置するとともに、該下端縁から上端縁にかけて車両外側に膨らむように湾曲して断面略C字状に形成されており、インナパネル26は、その上端縁が下端縁よりも車幅方向内側(車室側)に位置するとともに、該下端縁から上端縁にかけて車室側に膨らむように断面略くの字状に形成されている。そして、ルーフサイドレール12の上部には、アウタパネル25及びインナパネル26の上端部同士が接合されなる上側フランジ部12aが形成されており、同様にルーフサイドレール12の下部には、該アウタパネル25及びインナパネル26の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部12bが形成されている。
【0033】
上記上側フランジ部12aは、車幅方向内側に略水平方向に突出し且つ前後方向に延びるように形成されており、上記下側フランジ部12bは、下側に向かって車幅方向外側に広がるように突出し且つ前後方向に延びるように形成されている。ここで、下側フランジ部20bは、ボディ側シール28により狭持して覆われている。また、フロントサイドドア6のドアサッシ6aの上端部には、該ドアサッシ6aとルーフサイドレール12(アウタパネル25)との隙間をシールして塞ぐサッシ側シール23が取付けられている。
【0034】
上記リヤヘッダ14は、図7に示すように、アウタ側のリヤヘッダアウタ35とインナ側のリヤヘッダインナ36と、該リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36間に位置するリヤヘッダレイン37とからなっていて、該リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の上下方向両端部同士を接合して閉断面状に形成されている。そして、リヤヘッダ14の上部には、上記リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の上端部同士が接合されてなる上側フランジ部14aが形成され、リヤヘッダ14の下部には、リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部14bが形成されている。そして、上記リヤヘッダ14の上側フランジ部14a及び下側フランジ部14bは共に、車幅方向に延びるように形成されている。
【0035】
また、上記リヤヘッダ14の後部上面には、バックドア5を回動支持するヒンジ38が上側に突出して設けられており、該バックドア5は、ヒンジ38回りに回動して車室後部を開閉可能に構成されている。
【0036】
同様に、上記フロントヘッダ13は、図6に示すように、アウタ側のフロントヘッダアウタ40と、インナ側のフロントヘッダインナ41とからなっていて、該フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の上下方向両端部同士を接合して閉断面状に形成されている。そして、該フロントヘッダ13の上部には、上記フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の上端部同士が接合されてなる上側フランジ部13aが形成され、該フロントヘッダ13の下部には、フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部13bが形成されている。そして、上記フロントヘッダ13の上側フランジ部13a及び下側フランジ部13bは共に車幅方向に延びるように形成されている。尚、下側フランジ部13bの上面には、フロントウィンド22がシール24を介して接合されている。
【0037】
一方、図3乃至図7に示すように、上記インナパネル26、フロントヘッダインナ41及びリヤヘッダインナ36の車室側の面には、ルーフサイドトリム29がグロメット30により取付固定されている。ルーフサイドトリム29は、略矩形状の枠状体からなるルーフサイドトリム本体部29a(図11参照)と、該ルーフサイドトリム本体部29aの周縁部から径方向外側に向かって斜め下側に突出し、上記各ピラー2〜4のピラートリム(図示省略)に連設されるピラー連設部29bとを備えている。該ルーフサイドトリム29は、車室側から取付けられて、ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14のそれぞれと上記トップシーリング17との接合部分、並びに、該ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14自身を覆い隠すように構成されている。また、ルーフサイドトリム29の車幅方向外側の端部は、上記ボディ側シール28の挿入凹部28aに挿入して支持されている。
【0038】
一方、上記ルーフパネル15は、その表面が所定のボディ色(本実施形態においてはホワイトとされている)に塗装されていて、図10に示すように、車両平面視において略矩形状に形成されている。該ルーフパネル15の周縁部には、全周に亘って径方向外側に突出するフランジ部15aが設けられている。
【0039】
また、上記トップシーリング17は、上記ルーフパネル15と同様に樹脂材からなっていて、図9に示すように、車両平面視において前側に開放するコ字状に形成されている。具体的には、該トップシーリング17における上記ストレージボックス11に対応する部分は切欠かれて切欠部17bとされている。また、トップシーリング17の周縁部のうち上記切欠部17bに対応する部分を除く部分には、全周に亘って径方向外側に突出するフランジ部17aが設けられている。
【0040】
そして、ルーフパネル15のフランジ部15aの下面を、トップシーリング17のフランジ部17aの上面に当接させた状態で接着固定して上記ルーフモジュール20が形成されている。
【0041】
こうして、ルーフモジュール20の周縁部には、ルーフパネル15のフランジ部15aとトップシーリング17のフランジ部17aとが重合されてなるモジュール側フランジ部20a(図3乃至7参照)が形成されることとなる。該モジュール側フランジ部20aは、ルーフモジュール20の周縁部から径方向外側に略水平方向に突出するように形成されている。具体的には、該モジュール側フランジ部20aは、ルーフモジュール20の車幅方向両端部においては前後方向に延びるように形成されており、ルーフモジュール20の前端部及び後端部においては車幅方向に延びるように形成されている。
【0042】
そして、上記ルーフモジュール20は、該モジュール側フランジ部20aの下面を、上記ルーフサイドレール12の上側フランジ部12a(図3及び図4参照)、フロントヘッダ13の上側フランジ部13a(図5及び図6参照)及びリヤヘッダ14の上側フランジ部14a(図7参照)のそれぞれの上面に当接させた状態で接着して、該フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14並びにルーフサイドレール12に固定されている。ここで、フロントヘッダ13、リヤヘッダ14及びルーフサイドレール12と、ルーフパネル15との間に形成された凹部21には、防水用のシール材(図示省略)が埋め込まれている。
【0043】
また、図10に示すように、上記ルーフパネル15の車幅方向略中央部における前側の部分には、前後方向に延びる縦長の略矩形状の開口部15bが設けられており、ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成されて下側に突出し且つ上記開口部15bの左右両側を通って前後方向に延びる断面略矩形状の補強用のリブ18が設けられている。
【0044】
上記リブ18の下面は、上記トップシーリング17を取付けるための取付面18aとされており、該トップシーリング17の上面が該取付面18aに接着固定されている。
【0045】
また更に、ルーフパネル15の下面には、開口部15bの周縁部に沿って下側に突出する筒状の縦壁部19が形成されている。言い換えると、該縦壁部19は、車両平面視において上記開口部15bを囲むように環状に形成されている。
【0046】
この縦壁部19は、後述するように、上記ストレージボックス11内の収納空間31(図3及び図5参照)の側壁部とされるとともに、該収納空間31の下側を開放するように構成されている。
【0047】
上記縦壁部19の上端部には、ルーフパネル15の上面よりも若干下側に位置するとともに、上記フランジ部15aの上面と連続的に繋がって面一になるように形成された段差面15cが設けられている。すなわち、開口部15bの周縁部には全周に亘って段差面15cが設けられているとも言える。そして、該段差面15cが、上記閉塞パネル16を取付けるための取付面とされている。
【0048】
上記閉塞パネル16は、ルーフパネル15と同様に樹脂材からなっていて、図3及び図5に示すように、ルーフパネル15の開口部15bを閉塞するように構成されている。具体的には、閉塞パネル16の周縁は、開口部15bの周縁形状に対応するように形成されており、該閉塞パネル16は、上記開口部15bに嵌め込まれて、該閉塞パネル16の下面周縁部を上記段差面15cに当接させた状態で接着することによってルーフパネル15に固定されている。そして、閉塞パネル16及びルーフパネル15の上面同士が連続的に繋がって面一になって車両上面を構成している。ここで、閉塞パネル16は、塗装が施されておらず樹脂材の素材色(本実施形態においては黒色)のままとされており、車両上面は、ルーフパネル15のボディ色であるホワイトと閉塞パネル16の地肌色であるブラックとの二色からなる所謂ツートーンカラーになっている。
【0049】
更に、上記縦壁部19の下端部には、図5及び図12に示すように、収納空間31を開閉可能に覆う蓋部45が設けられている。
【0050】
この蓋部45は、前後一対の箱体46と、該箱体46を支持する箱体フレーム47とを備えていて、該箱体フレーム47の上面周縁部を縦壁部19の下面に当接させた状態で接着することによって該縦壁部19に固定されている。
【0051】
箱体フレーム47は、上記箱体を嵌め込むための前後一対の開口部47f(図5参照)を有する板状のフレーム本体47aと、上記開口部47fの前端部の両側に配設され、箱体46を回動支持するためのヒンジ部47b(図12参照)と、上記一対の開口部47fの間に配設され、収納空間31を二つに仕切る中仕切板47cとを備えている。
【0052】
上記箱体46は上側に開放する箱状に形成されており、該箱体46の車幅方向の両側面における前方下側の角部には、車幅方向外側に突出する支軸46aが設けられている。
【0053】
そして、箱体46は、支軸46aを上記ヒンジ部47bで支持することにより該支軸46a回りに回動して、上記開口部47fを開閉可能に構成されている。
【0054】
また、上記支軸46aよりも後側で且つ箱体46の上端縁よりも若干下側の部位には、車幅方向外側に突出して該箱体46の開度を制限する箱体開度制限片46bが設けられている。この箱体開度制限片46bは、箱体46が開いて所定の開度になったときにフレーム本体47aの上面に当接して、箱体46の開こうとする方向(図5のU方向であって、以下の説明では箱体46の開方向と呼ぶ。)の回動を規制するように構成されている。これにより、箱体46が開き過ぎて、該箱体46に収納された物品(以下、収納物品と呼ぶ)が車室内に落下するのを防止することができる。
【0055】
一方、箱体46の車幅方向中央部における後端部には、前側に凹むとともに車幅方向両側に側壁面51を有する凹部46cが形成されている。該凹部46c内には、上記箱体46を閉状態と開状態とに切替えるためのロック機能を有するオープンノブ48が設けられている。
【0056】
このオープンノブ48は、車幅方向に延び且つ上記両側壁面51に連結された支軸49により回動可能に支持されていて、該支軸49により回動支持され且つ略上下方向に延びる支持部48bと、該支持部48bの上端部から後側に向かって延びるオープンノブ係合部48cと、該支持部48bの下端部から前側に向かって延びるオープンノブ操作部48aとを備えている。そして、上記オープンノブ48は、箱体46が閉状態にあるときには、上記支軸46a回りに設けられた捩りコイルスプリング(図示省略)により車両左側から見て時計回りに付勢されて、上記オープンノブ係合部48cが、上記中仕切板47c(又は縦壁部19)から前側に突出する係合凸部50に係合することによって上記箱体46の開方向(図5のU方向)の回動を規制するように構成されている。また一方で、上記オープンノブ48は、上記オープンノブ操作部48aを指で下側に押圧することにより車両左側から見て反時計回りに回動してオープンノブ係合部48cと上記係合凸部50との係合を解除することによって、箱体46の開方向(図5のU方向)の回動を許容するように構成されている。尚、以下の説明では特に断らない限り箱体46が閉じられているものとして説明を行う。
【0057】
そして、図12に示すように、上記閉塞パネル16と上記縦壁部19と上記蓋部45とでもって上記ストレージボックス11が構成されている。具体的には、閉塞パネル16の下面が収納空間31の上壁面(上壁部)を構成し、縦壁部19の径方向内側の面が収納空間31の側壁面(側壁部)を構成し、上記蓋部45の上面つまりフレーム本体47aの上面及び箱体46の底面46gが収納空間31の底壁面を構成している。
【0058】
以上の如く上記実施形態1では、上記ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19が設けられており、該縦壁部19を側壁部とする収納空間31を有するストレージボックス11が設けられている。
【0059】
これにより、上記縦壁部19が補部強材として作用する結果ルーフパネル15の剛性を高めることができる。
【0060】
また、ルーフパネル15と一体形成された縦壁部19を、収納空間31の側壁部として利用するとともに上記ストレージボックス11の一部としたことで、部品点数を削減して車両ルーフ部1の軽量化及び製造コスト低減を図ることが可能となる。
【0061】
また、収納空間31の上壁面をルーフパネル15の下面までとることができ、従って、例えばルーフパネル15よりも下側に配設されて車室天井面を形成するトップシーリング17の下面を収納空間31の上壁面とした場合に比べて、上記ストレージボックス11を車室内の高い位置に配設することができ、その結果、該ストレージボックス11が、乗員の頭部近傍スペースに膨出することにより乗員に対して閉塞感を与えたり該乗員の邪魔になったりするのを防止することができる。
【0062】
また、上記ルーフパネル15は樹脂で構成されているため鋼板等に比べて成形性に優れ、従って上記縦壁部19を該ルーフパネル15と一体で容易に成形することができる。また、鋼板に比べて軽量な樹脂製のルーフパネル15を採用したことで、車両A全体の軽量化を図るとともに車両Aの燃費を向上させることが可能となる。
【0063】
また、上記実施形態1では、上記縦壁部19は筒状に形成されて上記収納空間31の側壁部とされるとともに該収納空間31の下側を開放するように構成されており、縦壁部19の下端部には、収納空間31の下側を開閉可能に覆う蓋部45が設けられている。すなわち、蓋部45は、二つの箱体46と、該箱体46を回動支持するヒンジ部47bを有する箱体フレーム47とで構成されていて、該箱体46を回動させることにより、収納空間31の下側を開閉可能に覆うように構成されている。これにより、該蓋部45を構成する箱体46の開閉により収納空間31内の物品の出し入れを容易に行うことができる。また、上記箱体46を閉じておくことで、収納空間31内に収納された物品が、車両Aの揺れや加減速時の慣性により車室内に飛び出して落下するのを確実に防止することができる。
【0064】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15には開口部15bが設けられ、縦壁部19は、該開口部15bの周縁部に沿って下側に突出するように形成されている。これにより、上記縦壁部19の成形性をより一層向上させることができる。すなわち、ルーフパネル15における上記縦壁部19に囲まれた部分を開口部15bとすることで、例えば、該ルーフパネル15及び縦壁部19を射出成形により一体成形する場合に、該ルーフパネル15の形状を簡素化して樹脂の湯回りを向上させることができ、その結果、巣穴や欠肉等の発生を抑制して該ルーフパネル15を所定の形状に確実に成形することができる。
【0065】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15の開口部15bは、閉塞パネル16により閉塞されており、該閉塞パネル16が収納空間31の上壁部を構成している。これにより、閉塞パネル16を収納空間31の上壁部として、該収納空間31内に物品を確実に収納することができる。また、開口部15bを形成したことによるルーフパネル15の剛性低下を防止することができる。
【0066】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15及び上記閉塞パネル16の上面同士は連続的に繋がって面一になっている。これにより、閉塞パネル16とルーフパネル15との境界部に段差が形成されて外観を損なうのを防止することができる。
【0067】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15及び上記閉塞パネル16は互いに色が異なっている。具体的には、上記ルーフパネル15はホワイトに塗装され、閉塞パネル16は塗装せずに地肌色のブラックとされている。これにより、塗装工程で塗り分けせずに車両上面のツートーンカラーを得ることができる。すなわち、通常、塗り分けを行う際にはマスキングを施す等して塗装を行うが、本発明によれば、ルーフパネル15の塗装完了後に閉塞パネル16を該ルーフパネル15の開口部15bに組付けることで、マスキング等の作業工程を削減してコスト低減を図ることができる。また、閉塞パネル16は塗装せずに地肌色のままルーフパネル15に組付けられ、従って閉塞パネル16の塗装工程をも削減して更にコスト低減を図ることが可能となる。
【0068】
(実施形態2)
図14は、本発明の実施形態2を示し、ストレージボックス11の構成を実施形態1とは異ならせたものであって、車室天井面が通常よりも高く設定されたハイルーフ仕様の自動車Aに好適なものである。尚、図12と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。すなわち、本実施形態では、ストレージボックス11は、収納空間31の上壁部を構成するルーフパネル15と、該ルーフパネル15と一体形成されるとともに下側に突出して収納空間31の側壁部を構成する板状の三つの縦壁部19と、該縦壁部19の下面に接着固定されて収納空間31の底壁部を構成する底板60とを備えていて、該収納空間31が後側に開放して車室内に連通するように構成されている。
【0069】
具体的には、上記ルーフパネル15は下側に開放する有底箱状に形成されていて、車両上面を構成し且つ略水平方向に延びるルーフパネル本体部15hと、該ルーフパネル本体の前端部から前方下側に延びる前側傾斜部15mと、ルーフパネル本体部15hの後端部から後方下側に延びる後側傾斜部15kと、該ルーフパネル本体部15hの車幅方向両端部から下側に延びるルーフパネル側壁部15pとで構成されている。
【0070】
上記縦壁部19は、車幅方向に互いに所定の間隔を空けて配設されていて、ルーフパネル15の下面に沿ってその前端部から後側に延びるように形成されている。具体的には、縦壁部19は、車幅方向から見たときに略台形状になるように形成されており、該縦壁部19の上端縁は、前側傾斜部15mの下面に沿って後側に向かって上側に傾斜して延びた後、上記ルーフパネル本体部15hの下面に沿って後側に向かって略水平方向に延びるように形成されている。また、縦壁部19の下端縁は、ルーフパネル15の前端部から後側に向かって略水平方向に延びるように形成されており、縦壁部19の後端縁は略上下方向に延びるように形成されている。そして、縦壁部19の後方下側の角部19aはR面取りされて円弧状に形成されている。
【0071】
一方、縦壁部19の後端部には、ルーフパネル15と一体形成され且つ該ルーフパネル15の下面に沿って前後方向に延びる断面略矩形状のリブ18が接続されている。ここで、リブ18の幅と縦壁部19の幅(車幅方向の長さ)とは等しくなっており、これにより、リブ18及び縦壁部19の成形性を向上させることができる。また、縦壁部19とリブ18との境界において、縦壁部19の高さ(上下方向の長さ)はリブ18の高さに比べて十分に大きくなっており、従って、収納物品の重みによるルーフパネル15の変形を確実に抑えることができる。
【0072】
一方、上記底板60は、縦壁部19の下面に沿って後側に向かって延びた後、縦壁部19の角部19aに沿って湾曲して若干上側に反り上がるように形成されている。すなわち、底板60の後端部は、若干上側に反り上がっており、これにより、車両の加減速時や急停止時の慣性により収納物品が後方に付勢された場合に、底板60の後端部が障壁となって当該物品が車室内に落下するのを防止することができる。
【0073】
そして、上記ルーフパネル15と縦壁部19と底板60とで囲まれた空間が上記収納空間31とされ、該収納空間31は、車幅方向中央の縦壁部19により二つに仕切られている。具体的には、上記ルーフパネル15の前側傾斜部15m及びルーフパネル本体部15hの下面が、収納空間31の上壁面(上壁部)を構成し、車幅方向両側の二つの縦壁部19の車幅方向内側の面及び車幅方向中央の縦壁部19(以下、中央の縦壁部19と呼ぶ)の車幅方向両側の面が収納空間31の側壁面(側壁部)を構成し、底板60の上面が収納空間31の底壁面を構成している。
【0074】
尚、トップシーリング17は、図15に示すように、ルーフパネル15と同様に箱状に形成されていて、ストレージボックス11に対応する部分が切欠かれて切欠部17bとされている。
【0075】
以上の如く上記実施形態2では、ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19が設けられており、上記縦壁部19を収納空間31の側壁部とする収納空間31を有するストレージボックス11が設けられている。これにより、本実施形態においても、上記実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0076】
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、リブ18は、断面略矩形状の中実状に形成されているが、これに限ったものではなく、例えば図16に示すように、リブ18を閉断面状に形成するようにしてもよい。
【0077】
また、上記各実施形態では、ルーフパネル15及びトップシーリング17の車幅方向両端部同士を接合して前後方向に延びるルーフモジュール20を形成するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、ルーフパネル15のフランジ部15aをリヤヘッダ14の上側フランジ部14a、フロントヘッダ13の上側フランジ部13a及びルーフサイドレール12の上側フランジ部12aで支持するとともに、トップシーリング17の周縁部をルーフサイドトリム29で支持するようにしてもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、ルーフサイドトリム29を設けるようにしているが、必ずしも設ける必要はない。
【0079】
また、上記実施形態2では、三つの縦壁部19が設けられているが、これに限ったものではなく、例えば、上記収納空間31を仕切る中央の縦壁部19を無くして車幅方向両側の二つの縦壁部19のみ設けるようにしてもよい。この場合、中央の縦壁部19を設けた場合に比べて、体積の大きな物品を収納することができる。また、例えば、上記縦壁部19を4つ以上設けるようにしてもよい。この場合、上記ルーフパネル15の剛性を更に向上させて、該ルーフパネル15が収納物品の重みで変形するのを確実に防止することができる。また、底板60を支持する縦壁部19の数が増加する結果、該底板60の変形を確実に抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルとを備えた車両の樹脂ルーフ構造に有用であり、特に収納空間を有する物品収納部を備えた車両の樹脂ルーフ構造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態1に係る樹脂ルーフ構造を備えた車両を示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図2】車両の車室内を後方から見た斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】車両の車体構造を示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図9】トップシーリングを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図10】ルーフパネルを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図11】ルーフサイドトリムを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図12】ストレージボックスの構成を示す分解斜視図である。
【図13】実施形態2を示す図5相当図である。
【図14】実施形態2を示す図12相当図である。
【図15】実施形態2を示す図9相当図である。
【図16】他の実施形態を示す図4相当図である。
【符号の説明】
【0082】
A 車両
11 ストレージボックス(物品収納部)
12 ルーフサイドレール
15 ルーフパネル
15b 開口部
16 閉塞パネル
19 縦壁部
31 収納空間
45 蓋部
46 箱体(蓋部)
47 箱体フレーム(蓋部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルとを備えた車両の樹脂ルーフ構造に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両ルーフ部のルーフパネルは、該ルーフ部の車幅方向両端部にて車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールにより支持されており、車両全体の軽量化を図るために、該ルーフパネルの材料として、一般に利用される鋼板等に比べて軽量な樹脂材を使用した車両の樹脂ルーフ構造は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、車両の車室内スペースの有効利用を図るために、車両ルーフ部に物品収納用の物品収納部を設ける場合がある。例えば特許文献2に示すものでは、サングラス等の小物類を収納するためのオーバーヘッドコンソール(物品収納部)が、車室天井面から下側に膨出するようにして設けられている。このオーバーヘッドコンソールは、収納空間を有するコンソール本体と、該収納空間を開閉可能に覆うカバーとを備えていて、該コンソール本体をボルト等によりルーフパネルに取付けて車室天井面に固定されている。
【0004】
また、特許文献3に示すものでは、サングラス等の小物類のみでなくラジオやオーディオ等の比較的大きな物品類も収納可能なオーバーヘッドコンソールが車室天井面から膨出するようにして設けられている。具体的には、このオーバーヘッドコンソールは、後方に開放する前側収納部と、該前側収納部よりも後側に配設され、車幅方向両側に開閉用扉を有する後側収納部とを備えていて、上記前側収納部にラジオやオーディオ等を収納するように構成されている。尚、このオーバーヘッドコンソールは、ボルト等により車室天井面に固定されている。
【特許文献1】特開2001−151154号公報
【特許文献2】特開1999−165591号公報
【特許文献3】米国特許第3773378号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献2及び3に示すように、車室天井面の下側に、別体のオーバーヘッドコンソールを設けるようにしたルーフ構造では、オーバーヘッドコンソールを車室天井面に固定するための部品等が必要となって部品点数の増加を招くとともに、オーバヘッドコンソール自体が車室内に膨出して、車両の乗員に対して閉塞感を与えたり車室内の乗員スペースを浸食したりするという問題がある。
【0006】
更に、上述の特許文献1に示すように、車両の軽量化を図るために樹脂製のルーフパネルを採用した場合、鉄に比べて低い樹脂材の剛性に起因して、該ルーフパネル自体が、オーバーヘッドコンソールの重みや該コンソール内に収納された収納物の重みで変形する等という問題がある。特に、上述の特許文献3に示すようにラジオやオーディオも収納可能な大型のオーバーヘッドコンソールを設けた場合にこの問題が顕著になる。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該各ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造において、その構成に工夫を凝らすことで、車室内の乗員スペースを浸食したりすることなく物品収納用の収納空間を十分に確保するとともに、軽量で且つ剛性の高いルーフ構造を実現しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、樹脂製のルーフパネルの下面に該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部を設け、少なくとも上記縦壁部を側壁部とする収納空間を有する物品収納部を備えるようにした。
【0009】
具体的には、この発明では、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造を対象とする。
【0010】
そして、上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部全周のうちの少なくとも一部とされているものとする。
【0011】
この構成により、ルーフパネルの下面から下側に突出する縦壁部が補強部材として作用し、この結果、該ルーフパネルの剛性を高めることができる。
【0012】
また、ルーフパネルと一体形成された縦壁部を、収納空間の側壁部として利用するとともに上記物品収納部の一部とすることで、部品点数を削減して車両ルーフ部の軽量化及び製造コスト低減を図ることが可能となる。
【0013】
また、収納空間の上壁面をルーフパネルの下面までとることができ、従って、例えばルーフパネルよりも下側に配設されて車室天井面を形成するトップシーリングの下面を収納空間の上壁面とした場合に比べて、上記物品収納部を車室内の高い位置に配設することができ、その結果、該物品収納部が、乗員の頭部近傍スペースに膨出することにより乗員に対して閉塞感を与えたり該乗員の邪魔になったりするのを防止することができる。
【0014】
また、上記ルーフパネルは樹脂で構成されているため鋼板等に比べて成形性に優れ、従って上記縦壁部を該ルーフパネルと一体で容易に形成することができる。また、鋼板に比べて軽量な樹脂製のルーフパネルを採用したことで、車両全体の軽量化を図るとともに車両の燃費を向上させることが可能となる。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記縦壁部は筒状に形成されて上記収納空間の側壁部とされるとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部を備えているものとする。
【0016】
このことにより、上記蓋部の開閉により収納空間内の物品の出し入れを容易に行うことができる。また、上記蓋部を閉じておくことで、収納空間内に収納された物品が、車両の揺れや加減速時の慣性により車室内に飛び出して落下するのを確実に防止することができる。
【0017】
請求項3の発明では、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造を対象とする。
【0018】
そして、上記ルーフパネルには開口部が設けられ、上記ルーフパネルの下面における上記開口部の周縁部には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する筒状の縦壁部が設けられており、上記縦壁部は、物品収納用の収納空間の側壁部を形成するとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部と、上記ルーフパネルの開口部を閉塞するとともに上記収納空間の上壁部を構成する閉塞パネルとを備えてなるように構成されている。
【0019】
この構成により、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
また更に、上記縦壁部の成形性をより一層向上させることができる。すなわち、ルーフパネルにおける上記縦壁部に囲まれた部分を開口部とすることで、例えば、該ルーフパネル及び縦壁部を射出成形により一体成形する場合に、該ルーフパネルの形状を簡素化して樹脂の湯回りを向上させることができ、その結果、巣穴や欠肉等の発生を抑制して該ルーフパネルを所定の形状に確実に成形することができる。
【0021】
また、上記開口部は閉塞パネルにより閉塞されており、従って該開口部を形成したことによるルーフパネルの剛性低下を防止することができる。
【0022】
請求項4の発明では、請求項3記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルの上面同士は連続的に繋がって面一になっているものとする。
【0023】
このことにより、閉塞パネルとルーフパネルとの境界部に段差が形成されて外観を損なうのを防止することができる。
【0024】
請求項5の発明では、請求項3又は4記載の車両の樹脂ルーフ構造において、上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルは互いに色が異なっているものとする。
【0025】
このことにより、塗装工程で塗り分けせずに車両上面のツートーンカラーを得ることができる。すなわち、通常、塗り分けを行う際にはマスキングを施す等して塗装を行うが、本発明によれば、閉塞パネル及びルーフパネルを、互いに異なる色で塗装しておくとともに、塗装完了後に閉塞パネルをルーフパネルの開口部に組付けることで、マスキング等の作業工程を削減してコスト低減を図ることができる。また、例えば上記閉塞パネルを塗装せずに地肌色のままルーフパネルに組付けるようにしてもよく、こうすることで閉塞パネルの塗装工程をも削減して更なるコスト低減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によると、樹脂製のルーフパネルの下面に該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部を設け、少なくとも上記縦壁部を側壁部とする収納空間を有する物品収納部を備えるようにしたことにより、該物品収納部を構成するための部品点数を削減して車両ルーフ部の軽量化を図るとともにコスト低減を図ることが可能となる。また、上記縦壁部が補強部材として作用する結果、該縦壁部がない場合に比べてルーフパネルの剛性を向上させることができる。更に、収納空間の上壁面をルーフパネルの下面までとることができ、その結果、上記物品収納部が、乗員の頭部近傍スペースを浸食して邪魔になるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る車両の樹脂ルーフ構造を含む自動車A(車両)を示し、この自動車Aは、車両後部に跳ね上げ式のバックドア5を有する所謂ハッチバックタイプの乗用車であって、車両側面の前側から順にフロントピラー2、センターピラー3及びリヤピラー4を備えていて、これらのピラー2〜4で車両ルーフ部1を支持する構成になっている。上記フロントピラー2とセンターピラー3との間にはフロントサイドドア6が設けられており、同様に、センターピラー3とリヤピラー4との間にはリヤサイドドア7が設けられている。また、上記各ドア5〜7にはそれぞれバックウィンド10、フロントサイドウィンド8及びリヤサイドウィンド9が設けられており、上記車両ルーフ部1の前側にはバックウィンド10に対峙してフロントウィンド22が設けられている。そして、詳しくは後述するが、図2に示すように、この自動車Aの車室天井面には、車室内の乗員が物品を収納するための物品収納部としてのストレージボックス11が設けられている。
【0029】
尚、以下の説明において特に説明しない場合、「前側」「後側」及び「左側」「右側」は、それぞれ自動車Aの車体を基準としてその前側、後側及び左側、右側を意味する。
【0030】
上記車両ルーフ部1は、該ルーフ部1の車幅方向両端部においてそれぞれ前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレール12と、車幅方向に延びて該ルーフサイドレール12の前端部及び後端部同士をそれぞれ繋ぐフロントヘッダ13及びリヤヘッダ14(図8参照)と、上記両ルーフサイドレール12間を覆う樹脂製のルーフパネル15及び閉塞パネル16と、該ルーフパネル15及び閉塞パネル16よりも下側(車室側)に配設され、車室天井面を構成するトップシーリング17(図2参照)とを備えている。そして、該車両ルーフ部1は、上記ルーフパネル15及びトップシーリング17の車幅方向両端部同士を接合してなる閉断面状のルーフモジュール20(図4参照)を、上記ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14でもって支持するように構成されている。
【0031】
上記ルーフサイドレール12は、図3に示すように、アウタ側(車幅方向外側)のアウタパネル25と、インナ側(車幅方向内側)のインナパネル26と、該アウタパネル25及びインナパネル26間に位置するルーフサイドレイン27とからなっていて、該アウタパネル25及びインナパネル26の上下方向両端部同士を、ルーフサイドレイン27を介して接合して閉断面状に形成されている。
【0032】
上記アウタパネル25及びルーフサイドレイン27は、その上端縁が下端縁よりも車幅方向内側(車室側)に位置するとともに、該下端縁から上端縁にかけて車両外側に膨らむように湾曲して断面略C字状に形成されており、インナパネル26は、その上端縁が下端縁よりも車幅方向内側(車室側)に位置するとともに、該下端縁から上端縁にかけて車室側に膨らむように断面略くの字状に形成されている。そして、ルーフサイドレール12の上部には、アウタパネル25及びインナパネル26の上端部同士が接合されなる上側フランジ部12aが形成されており、同様にルーフサイドレール12の下部には、該アウタパネル25及びインナパネル26の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部12bが形成されている。
【0033】
上記上側フランジ部12aは、車幅方向内側に略水平方向に突出し且つ前後方向に延びるように形成されており、上記下側フランジ部12bは、下側に向かって車幅方向外側に広がるように突出し且つ前後方向に延びるように形成されている。ここで、下側フランジ部20bは、ボディ側シール28により狭持して覆われている。また、フロントサイドドア6のドアサッシ6aの上端部には、該ドアサッシ6aとルーフサイドレール12(アウタパネル25)との隙間をシールして塞ぐサッシ側シール23が取付けられている。
【0034】
上記リヤヘッダ14は、図7に示すように、アウタ側のリヤヘッダアウタ35とインナ側のリヤヘッダインナ36と、該リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36間に位置するリヤヘッダレイン37とからなっていて、該リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の上下方向両端部同士を接合して閉断面状に形成されている。そして、リヤヘッダ14の上部には、上記リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の上端部同士が接合されてなる上側フランジ部14aが形成され、リヤヘッダ14の下部には、リヤヘッダアウタ35及びリヤヘッダインナ36の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部14bが形成されている。そして、上記リヤヘッダ14の上側フランジ部14a及び下側フランジ部14bは共に、車幅方向に延びるように形成されている。
【0035】
また、上記リヤヘッダ14の後部上面には、バックドア5を回動支持するヒンジ38が上側に突出して設けられており、該バックドア5は、ヒンジ38回りに回動して車室後部を開閉可能に構成されている。
【0036】
同様に、上記フロントヘッダ13は、図6に示すように、アウタ側のフロントヘッダアウタ40と、インナ側のフロントヘッダインナ41とからなっていて、該フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の上下方向両端部同士を接合して閉断面状に形成されている。そして、該フロントヘッダ13の上部には、上記フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の上端部同士が接合されてなる上側フランジ部13aが形成され、該フロントヘッダ13の下部には、フロントヘッダアウタ40及びフロントヘッダインナ41の下端部同士が接合されてなる下側フランジ部13bが形成されている。そして、上記フロントヘッダ13の上側フランジ部13a及び下側フランジ部13bは共に車幅方向に延びるように形成されている。尚、下側フランジ部13bの上面には、フロントウィンド22がシール24を介して接合されている。
【0037】
一方、図3乃至図7に示すように、上記インナパネル26、フロントヘッダインナ41及びリヤヘッダインナ36の車室側の面には、ルーフサイドトリム29がグロメット30により取付固定されている。ルーフサイドトリム29は、略矩形状の枠状体からなるルーフサイドトリム本体部29a(図11参照)と、該ルーフサイドトリム本体部29aの周縁部から径方向外側に向かって斜め下側に突出し、上記各ピラー2〜4のピラートリム(図示省略)に連設されるピラー連設部29bとを備えている。該ルーフサイドトリム29は、車室側から取付けられて、ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14のそれぞれと上記トップシーリング17との接合部分、並びに、該ルーフサイドレール12、フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14自身を覆い隠すように構成されている。また、ルーフサイドトリム29の車幅方向外側の端部は、上記ボディ側シール28の挿入凹部28aに挿入して支持されている。
【0038】
一方、上記ルーフパネル15は、その表面が所定のボディ色(本実施形態においてはホワイトとされている)に塗装されていて、図10に示すように、車両平面視において略矩形状に形成されている。該ルーフパネル15の周縁部には、全周に亘って径方向外側に突出するフランジ部15aが設けられている。
【0039】
また、上記トップシーリング17は、上記ルーフパネル15と同様に樹脂材からなっていて、図9に示すように、車両平面視において前側に開放するコ字状に形成されている。具体的には、該トップシーリング17における上記ストレージボックス11に対応する部分は切欠かれて切欠部17bとされている。また、トップシーリング17の周縁部のうち上記切欠部17bに対応する部分を除く部分には、全周に亘って径方向外側に突出するフランジ部17aが設けられている。
【0040】
そして、ルーフパネル15のフランジ部15aの下面を、トップシーリング17のフランジ部17aの上面に当接させた状態で接着固定して上記ルーフモジュール20が形成されている。
【0041】
こうして、ルーフモジュール20の周縁部には、ルーフパネル15のフランジ部15aとトップシーリング17のフランジ部17aとが重合されてなるモジュール側フランジ部20a(図3乃至7参照)が形成されることとなる。該モジュール側フランジ部20aは、ルーフモジュール20の周縁部から径方向外側に略水平方向に突出するように形成されている。具体的には、該モジュール側フランジ部20aは、ルーフモジュール20の車幅方向両端部においては前後方向に延びるように形成されており、ルーフモジュール20の前端部及び後端部においては車幅方向に延びるように形成されている。
【0042】
そして、上記ルーフモジュール20は、該モジュール側フランジ部20aの下面を、上記ルーフサイドレール12の上側フランジ部12a(図3及び図4参照)、フロントヘッダ13の上側フランジ部13a(図5及び図6参照)及びリヤヘッダ14の上側フランジ部14a(図7参照)のそれぞれの上面に当接させた状態で接着して、該フロントヘッダ13及びリヤヘッダ14並びにルーフサイドレール12に固定されている。ここで、フロントヘッダ13、リヤヘッダ14及びルーフサイドレール12と、ルーフパネル15との間に形成された凹部21には、防水用のシール材(図示省略)が埋め込まれている。
【0043】
また、図10に示すように、上記ルーフパネル15の車幅方向略中央部における前側の部分には、前後方向に延びる縦長の略矩形状の開口部15bが設けられており、ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成されて下側に突出し且つ上記開口部15bの左右両側を通って前後方向に延びる断面略矩形状の補強用のリブ18が設けられている。
【0044】
上記リブ18の下面は、上記トップシーリング17を取付けるための取付面18aとされており、該トップシーリング17の上面が該取付面18aに接着固定されている。
【0045】
また更に、ルーフパネル15の下面には、開口部15bの周縁部に沿って下側に突出する筒状の縦壁部19が形成されている。言い換えると、該縦壁部19は、車両平面視において上記開口部15bを囲むように環状に形成されている。
【0046】
この縦壁部19は、後述するように、上記ストレージボックス11内の収納空間31(図3及び図5参照)の側壁部とされるとともに、該収納空間31の下側を開放するように構成されている。
【0047】
上記縦壁部19の上端部には、ルーフパネル15の上面よりも若干下側に位置するとともに、上記フランジ部15aの上面と連続的に繋がって面一になるように形成された段差面15cが設けられている。すなわち、開口部15bの周縁部には全周に亘って段差面15cが設けられているとも言える。そして、該段差面15cが、上記閉塞パネル16を取付けるための取付面とされている。
【0048】
上記閉塞パネル16は、ルーフパネル15と同様に樹脂材からなっていて、図3及び図5に示すように、ルーフパネル15の開口部15bを閉塞するように構成されている。具体的には、閉塞パネル16の周縁は、開口部15bの周縁形状に対応するように形成されており、該閉塞パネル16は、上記開口部15bに嵌め込まれて、該閉塞パネル16の下面周縁部を上記段差面15cに当接させた状態で接着することによってルーフパネル15に固定されている。そして、閉塞パネル16及びルーフパネル15の上面同士が連続的に繋がって面一になって車両上面を構成している。ここで、閉塞パネル16は、塗装が施されておらず樹脂材の素材色(本実施形態においては黒色)のままとされており、車両上面は、ルーフパネル15のボディ色であるホワイトと閉塞パネル16の地肌色であるブラックとの二色からなる所謂ツートーンカラーになっている。
【0049】
更に、上記縦壁部19の下端部には、図5及び図12に示すように、収納空間31を開閉可能に覆う蓋部45が設けられている。
【0050】
この蓋部45は、前後一対の箱体46と、該箱体46を支持する箱体フレーム47とを備えていて、該箱体フレーム47の上面周縁部を縦壁部19の下面に当接させた状態で接着することによって該縦壁部19に固定されている。
【0051】
箱体フレーム47は、上記箱体を嵌め込むための前後一対の開口部47f(図5参照)を有する板状のフレーム本体47aと、上記開口部47fの前端部の両側に配設され、箱体46を回動支持するためのヒンジ部47b(図12参照)と、上記一対の開口部47fの間に配設され、収納空間31を二つに仕切る中仕切板47cとを備えている。
【0052】
上記箱体46は上側に開放する箱状に形成されており、該箱体46の車幅方向の両側面における前方下側の角部には、車幅方向外側に突出する支軸46aが設けられている。
【0053】
そして、箱体46は、支軸46aを上記ヒンジ部47bで支持することにより該支軸46a回りに回動して、上記開口部47fを開閉可能に構成されている。
【0054】
また、上記支軸46aよりも後側で且つ箱体46の上端縁よりも若干下側の部位には、車幅方向外側に突出して該箱体46の開度を制限する箱体開度制限片46bが設けられている。この箱体開度制限片46bは、箱体46が開いて所定の開度になったときにフレーム本体47aの上面に当接して、箱体46の開こうとする方向(図5のU方向であって、以下の説明では箱体46の開方向と呼ぶ。)の回動を規制するように構成されている。これにより、箱体46が開き過ぎて、該箱体46に収納された物品(以下、収納物品と呼ぶ)が車室内に落下するのを防止することができる。
【0055】
一方、箱体46の車幅方向中央部における後端部には、前側に凹むとともに車幅方向両側に側壁面51を有する凹部46cが形成されている。該凹部46c内には、上記箱体46を閉状態と開状態とに切替えるためのロック機能を有するオープンノブ48が設けられている。
【0056】
このオープンノブ48は、車幅方向に延び且つ上記両側壁面51に連結された支軸49により回動可能に支持されていて、該支軸49により回動支持され且つ略上下方向に延びる支持部48bと、該支持部48bの上端部から後側に向かって延びるオープンノブ係合部48cと、該支持部48bの下端部から前側に向かって延びるオープンノブ操作部48aとを備えている。そして、上記オープンノブ48は、箱体46が閉状態にあるときには、上記支軸46a回りに設けられた捩りコイルスプリング(図示省略)により車両左側から見て時計回りに付勢されて、上記オープンノブ係合部48cが、上記中仕切板47c(又は縦壁部19)から前側に突出する係合凸部50に係合することによって上記箱体46の開方向(図5のU方向)の回動を規制するように構成されている。また一方で、上記オープンノブ48は、上記オープンノブ操作部48aを指で下側に押圧することにより車両左側から見て反時計回りに回動してオープンノブ係合部48cと上記係合凸部50との係合を解除することによって、箱体46の開方向(図5のU方向)の回動を許容するように構成されている。尚、以下の説明では特に断らない限り箱体46が閉じられているものとして説明を行う。
【0057】
そして、図12に示すように、上記閉塞パネル16と上記縦壁部19と上記蓋部45とでもって上記ストレージボックス11が構成されている。具体的には、閉塞パネル16の下面が収納空間31の上壁面(上壁部)を構成し、縦壁部19の径方向内側の面が収納空間31の側壁面(側壁部)を構成し、上記蓋部45の上面つまりフレーム本体47aの上面及び箱体46の底面46gが収納空間31の底壁面を構成している。
【0058】
以上の如く上記実施形態1では、上記ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19が設けられており、該縦壁部19を側壁部とする収納空間31を有するストレージボックス11が設けられている。
【0059】
これにより、上記縦壁部19が補部強材として作用する結果ルーフパネル15の剛性を高めることができる。
【0060】
また、ルーフパネル15と一体形成された縦壁部19を、収納空間31の側壁部として利用するとともに上記ストレージボックス11の一部としたことで、部品点数を削減して車両ルーフ部1の軽量化及び製造コスト低減を図ることが可能となる。
【0061】
また、収納空間31の上壁面をルーフパネル15の下面までとることができ、従って、例えばルーフパネル15よりも下側に配設されて車室天井面を形成するトップシーリング17の下面を収納空間31の上壁面とした場合に比べて、上記ストレージボックス11を車室内の高い位置に配設することができ、その結果、該ストレージボックス11が、乗員の頭部近傍スペースに膨出することにより乗員に対して閉塞感を与えたり該乗員の邪魔になったりするのを防止することができる。
【0062】
また、上記ルーフパネル15は樹脂で構成されているため鋼板等に比べて成形性に優れ、従って上記縦壁部19を該ルーフパネル15と一体で容易に成形することができる。また、鋼板に比べて軽量な樹脂製のルーフパネル15を採用したことで、車両A全体の軽量化を図るとともに車両Aの燃費を向上させることが可能となる。
【0063】
また、上記実施形態1では、上記縦壁部19は筒状に形成されて上記収納空間31の側壁部とされるとともに該収納空間31の下側を開放するように構成されており、縦壁部19の下端部には、収納空間31の下側を開閉可能に覆う蓋部45が設けられている。すなわち、蓋部45は、二つの箱体46と、該箱体46を回動支持するヒンジ部47bを有する箱体フレーム47とで構成されていて、該箱体46を回動させることにより、収納空間31の下側を開閉可能に覆うように構成されている。これにより、該蓋部45を構成する箱体46の開閉により収納空間31内の物品の出し入れを容易に行うことができる。また、上記箱体46を閉じておくことで、収納空間31内に収納された物品が、車両Aの揺れや加減速時の慣性により車室内に飛び出して落下するのを確実に防止することができる。
【0064】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15には開口部15bが設けられ、縦壁部19は、該開口部15bの周縁部に沿って下側に突出するように形成されている。これにより、上記縦壁部19の成形性をより一層向上させることができる。すなわち、ルーフパネル15における上記縦壁部19に囲まれた部分を開口部15bとすることで、例えば、該ルーフパネル15及び縦壁部19を射出成形により一体成形する場合に、該ルーフパネル15の形状を簡素化して樹脂の湯回りを向上させることができ、その結果、巣穴や欠肉等の発生を抑制して該ルーフパネル15を所定の形状に確実に成形することができる。
【0065】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15の開口部15bは、閉塞パネル16により閉塞されており、該閉塞パネル16が収納空間31の上壁部を構成している。これにより、閉塞パネル16を収納空間31の上壁部として、該収納空間31内に物品を確実に収納することができる。また、開口部15bを形成したことによるルーフパネル15の剛性低下を防止することができる。
【0066】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15及び上記閉塞パネル16の上面同士は連続的に繋がって面一になっている。これにより、閉塞パネル16とルーフパネル15との境界部に段差が形成されて外観を損なうのを防止することができる。
【0067】
また、上記実施形態1では、上記ルーフパネル15及び上記閉塞パネル16は互いに色が異なっている。具体的には、上記ルーフパネル15はホワイトに塗装され、閉塞パネル16は塗装せずに地肌色のブラックとされている。これにより、塗装工程で塗り分けせずに車両上面のツートーンカラーを得ることができる。すなわち、通常、塗り分けを行う際にはマスキングを施す等して塗装を行うが、本発明によれば、ルーフパネル15の塗装完了後に閉塞パネル16を該ルーフパネル15の開口部15bに組付けることで、マスキング等の作業工程を削減してコスト低減を図ることができる。また、閉塞パネル16は塗装せずに地肌色のままルーフパネル15に組付けられ、従って閉塞パネル16の塗装工程をも削減して更にコスト低減を図ることが可能となる。
【0068】
(実施形態2)
図14は、本発明の実施形態2を示し、ストレージボックス11の構成を実施形態1とは異ならせたものであって、車室天井面が通常よりも高く設定されたハイルーフ仕様の自動車Aに好適なものである。尚、図12と実質的に同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明を適宜省略する。すなわち、本実施形態では、ストレージボックス11は、収納空間31の上壁部を構成するルーフパネル15と、該ルーフパネル15と一体形成されるとともに下側に突出して収納空間31の側壁部を構成する板状の三つの縦壁部19と、該縦壁部19の下面に接着固定されて収納空間31の底壁部を構成する底板60とを備えていて、該収納空間31が後側に開放して車室内に連通するように構成されている。
【0069】
具体的には、上記ルーフパネル15は下側に開放する有底箱状に形成されていて、車両上面を構成し且つ略水平方向に延びるルーフパネル本体部15hと、該ルーフパネル本体の前端部から前方下側に延びる前側傾斜部15mと、ルーフパネル本体部15hの後端部から後方下側に延びる後側傾斜部15kと、該ルーフパネル本体部15hの車幅方向両端部から下側に延びるルーフパネル側壁部15pとで構成されている。
【0070】
上記縦壁部19は、車幅方向に互いに所定の間隔を空けて配設されていて、ルーフパネル15の下面に沿ってその前端部から後側に延びるように形成されている。具体的には、縦壁部19は、車幅方向から見たときに略台形状になるように形成されており、該縦壁部19の上端縁は、前側傾斜部15mの下面に沿って後側に向かって上側に傾斜して延びた後、上記ルーフパネル本体部15hの下面に沿って後側に向かって略水平方向に延びるように形成されている。また、縦壁部19の下端縁は、ルーフパネル15の前端部から後側に向かって略水平方向に延びるように形成されており、縦壁部19の後端縁は略上下方向に延びるように形成されている。そして、縦壁部19の後方下側の角部19aはR面取りされて円弧状に形成されている。
【0071】
一方、縦壁部19の後端部には、ルーフパネル15と一体形成され且つ該ルーフパネル15の下面に沿って前後方向に延びる断面略矩形状のリブ18が接続されている。ここで、リブ18の幅と縦壁部19の幅(車幅方向の長さ)とは等しくなっており、これにより、リブ18及び縦壁部19の成形性を向上させることができる。また、縦壁部19とリブ18との境界において、縦壁部19の高さ(上下方向の長さ)はリブ18の高さに比べて十分に大きくなっており、従って、収納物品の重みによるルーフパネル15の変形を確実に抑えることができる。
【0072】
一方、上記底板60は、縦壁部19の下面に沿って後側に向かって延びた後、縦壁部19の角部19aに沿って湾曲して若干上側に反り上がるように形成されている。すなわち、底板60の後端部は、若干上側に反り上がっており、これにより、車両の加減速時や急停止時の慣性により収納物品が後方に付勢された場合に、底板60の後端部が障壁となって当該物品が車室内に落下するのを防止することができる。
【0073】
そして、上記ルーフパネル15と縦壁部19と底板60とで囲まれた空間が上記収納空間31とされ、該収納空間31は、車幅方向中央の縦壁部19により二つに仕切られている。具体的には、上記ルーフパネル15の前側傾斜部15m及びルーフパネル本体部15hの下面が、収納空間31の上壁面(上壁部)を構成し、車幅方向両側の二つの縦壁部19の車幅方向内側の面及び車幅方向中央の縦壁部19(以下、中央の縦壁部19と呼ぶ)の車幅方向両側の面が収納空間31の側壁面(側壁部)を構成し、底板60の上面が収納空間31の底壁面を構成している。
【0074】
尚、トップシーリング17は、図15に示すように、ルーフパネル15と同様に箱状に形成されていて、ストレージボックス11に対応する部分が切欠かれて切欠部17bとされている。
【0075】
以上の如く上記実施形態2では、ルーフパネル15の下面には、該ルーフパネル15と一体形成され且つ下側に突出する縦壁部19が設けられており、上記縦壁部19を収納空間31の側壁部とする収納空間31を有するストレージボックス11が設けられている。これにより、本実施形態においても、上記実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0076】
(他の実施形態)
本発明の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、リブ18は、断面略矩形状の中実状に形成されているが、これに限ったものではなく、例えば図16に示すように、リブ18を閉断面状に形成するようにしてもよい。
【0077】
また、上記各実施形態では、ルーフパネル15及びトップシーリング17の車幅方向両端部同士を接合して前後方向に延びるルーフモジュール20を形成するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、ルーフパネル15のフランジ部15aをリヤヘッダ14の上側フランジ部14a、フロントヘッダ13の上側フランジ部13a及びルーフサイドレール12の上側フランジ部12aで支持するとともに、トップシーリング17の周縁部をルーフサイドトリム29で支持するようにしてもよい。
【0078】
また、上記各実施形態では、ルーフサイドトリム29を設けるようにしているが、必ずしも設ける必要はない。
【0079】
また、上記実施形態2では、三つの縦壁部19が設けられているが、これに限ったものではなく、例えば、上記収納空間31を仕切る中央の縦壁部19を無くして車幅方向両側の二つの縦壁部19のみ設けるようにしてもよい。この場合、中央の縦壁部19を設けた場合に比べて、体積の大きな物品を収納することができる。また、例えば、上記縦壁部19を4つ以上設けるようにしてもよい。この場合、上記ルーフパネル15の剛性を更に向上させて、該ルーフパネル15が収納物品の重みで変形するのを確実に防止することができる。また、底板60を支持する縦壁部19の数が増加する結果、該底板60の変形を確実に抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルとを備えた車両の樹脂ルーフ構造に有用であり、特に収納空間を有する物品収納部を備えた車両の樹脂ルーフ構造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態1に係る樹脂ルーフ構造を備えた車両を示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図2】車両の車室内を後方から見た斜視図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】車両の車体構造を示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図9】トップシーリングを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図10】ルーフパネルを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図11】ルーフサイドトリムを示す、前方斜め上方から見た斜視図である。
【図12】ストレージボックスの構成を示す分解斜視図である。
【図13】実施形態2を示す図5相当図である。
【図14】実施形態2を示す図12相当図である。
【図15】実施形態2を示す図9相当図である。
【図16】他の実施形態を示す図4相当図である。
【符号の説明】
【0082】
A 車両
11 ストレージボックス(物品収納部)
12 ルーフサイドレール
15 ルーフパネル
15b 開口部
16 閉塞パネル
19 縦壁部
31 収納空間
45 蓋部
46 箱体(蓋部)
47 箱体フレーム(蓋部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造であって、
上記ルーフパネルの下面には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部が設けられており、
上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部全周のうちの少なくとも一部とされていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項2】
請求項1記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記縦壁部は筒状に形成されて上記収納空間の側壁部とされるとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、
上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部を備えていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項3】
車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造であって、
上記ルーフパネルには開口部が設けられ、
上記ルーフパネルの下面における上記開口部の周縁部には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する筒状の縦壁部が設けられており、
上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部を形成するとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、
上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部と、上記ルーフパネルの開口部を閉塞するとともに上記収納空間の上壁部を構成する閉塞パネルとを備えていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項4】
請求項3記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルの上面同士は連続的に繋がって面一になっていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項5】
請求項3又は4記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルは互いに色が異なっていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項1】
車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造であって、
上記ルーフパネルの下面には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する縦壁部が設けられており、
上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部全周のうちの少なくとも一部とされていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項2】
請求項1記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記縦壁部は筒状に形成されて上記収納空間の側壁部とされるとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、
上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部を備えていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項3】
車両ルーフ部の車幅方向両端部においてそれぞれ車両前後方向に延びる左右一対のルーフサイドレールと、該両ルーフサイドレールの間を覆う樹脂製のルーフパネルと、収納空間を有する物品収納部とを備えた車両の樹脂ルーフ構造であって、
上記ルーフパネルには開口部が設けられ、
上記ルーフパネルの下面における上記開口部の周縁部には、該ルーフパネルと一体形成され且つ下側に突出する筒状の縦壁部が設けられており、
上記縦壁部は、上記収納空間の側壁部を形成するとともに該収納空間の下側を開放するように構成されており、
上記収納空間の下側を開閉可能に覆う蓋部と、上記ルーフパネルの開口部を閉塞するとともに上記収納空間の上壁部を構成する閉塞パネルとを備えていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項4】
請求項3記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルの上面同士は連続的に繋がって面一になっていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【請求項5】
請求項3又は4記載の車両の樹脂ルーフ構造において、
上記ルーフパネル及び上記閉塞パネルは互いに色が異なっていることを特徴とする車両の樹脂ルーフ構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−68765(P2008−68765A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249743(P2006−249743)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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