説明

車両制御装置

【課題】 ドライバの制動意思に合致した減速開始タイミングを実現できる車両制御装置を提供する。
【解決手段】 コントロールユニット4は、アクセル状態検出部2によりアクセル操作量の減少が検出され、かつ、カーブ検出部8により走行進路にカーブが検出された場合には、ブレーキ制御部5を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制動力を自動的に発生させるブレーキ制御部を備えた車両制御装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ナビゲーションシステムからの地図情報に基づいて自車両前方のカーブにおける適正旋回車速を求め、さらに、現在の車速とカーブまでの距離とから適正旋回車速となるまでに要求される減速度を求め、この減速度があらかじめ設定された許容減速度よりも大きい場合、自車両をカーブ手前で減速させる自動ブレーキに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−36187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術にあっては、カーブ進入時の車速のみに基づいて自動ブレーキの減速開始タイミングを決めているため、ドライバの所望する減速タイミングとの間でずれが生じ、違和感を与えるという問題があった。
本発明の目的は、ドライバの制動意思に合致した減速開始タイミングを実現できる車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の車両制御装置では、コントロールユニットは、アクセル状態検出部によりアクセル操作量が検出され、かつ、走行進路状況検出部により走行進路にカーブが検出された場合には、ブレーキ制御部を作動させる。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明の車両制御装置では、ドライバの制動意思に合致した減速開始タイミングを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の車両制御装置の構成図である。
【図2】実施例1の車両制御装置1で実行される自動ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】アクセル開度判別ロジックの流れを示すフローチャートである。
【図4】アクセル開度判別ロジックにおけるアクセル開度およびアクセル開度変化量とアクセルオフタイマの関係を示す図である。
【図5】アクセルオフから再びアクセルオンした場合のアクセルオフタイマの変化を示すタイムチャートである。
【図6】先行車判断ロジックの流れを示すフローチャートである。
【図7】先行車判断ロジックにおける先行車距離および先行車速度の設定方法を示す図である。
【図8】カーブ判別ロジックの流れを示すフローチャートである。
【図9】カーブ走行時におけるカーブ判別ロジックの距離および終速の設定方法を示す図である。
【図10】直線路走行時を示す図である。
【図11】旋回速度計算ロジックの流れを示すフローチャートである。
【図12】減速度決定ロジックの流れを示すフローチャートである。
【図13】減速度決定ロジックにおける目標減速度の設定方法を示す図である。
【図14】カーブ走行中で先行車が存在している場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
【図15】カーブ走行中で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
【図16】直線路で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
【図17】カーブ走行中で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
【図18】カーブ直前の直線路で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の車両制御装置を実現するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両制御装置の構成図である。
実施例1の車両制御装置1は、アクセル状態検出部2と、走行進路状況検出部3と、コントロールユニット4と、ブレーキ制御部5と、を備える。
アクセル状態検出部2は、アクセル開度センサ(加速意思検出部)11から入力したアクセル開度に基づき、ドライバの意思による走行中のアクセル操作状態(アクセルオフ等)を検出する。このアクセル状態検出部2は、アクセルペダル(不図示)の戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出部6を有する。
走行進路状況検出部3は、ステレオカメラ12から入力した自車両前方の撮像画像と、ナビゲーションシステム13から得られた地図情報および自車位置とに基づき、自車両の走行進路の状況を検出する。
走行進路状況検出部3は、先行車検出部7とカーブ検出部8とを有する。
先行車検出部7は、自車両前方の走行進路に先行車が存在するか否かを検出し、先行車が存在する場合は、先行車までの距離(先行車距離)と先行車の速度(先行車速度)を検出する。
カーブ検出部8は、自車両前方にカーブが存在するか否か、すなわち自車両前方の走行進路がカーブであるか否かを検出し、カーブである場合は、カーブまでの距離とカーブの旋回半径を検出する。
つまり、先行車検出部7およびカーブ検出部8は、自車両の進行方向に自車両の減速を要する減速対象(先行車,カーブ)が存在するか否かを検出する減速対象検出部として機能する。
コントロールユニット4は、アクセル状態検出部2からのアクセル操作状態と、走行進路状況検出部3からの走行進路状況とに応じて、ブレーキ制御部5を作動させる自動ブレーキ制御を実施する。
ブレーキ制御部5は、コントロールユニット4からの作動指令に応じて、各ホイールシリンダW/Cの液圧を高めることで、自車両に対して制動力を自動的に発生させる。
【0010】
[自動ブレーキ制御処理]
図2は、実施例1の車両制御装置1で実行される自動ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、アクセル状態検出部2において、ドライバのアクセルオフ操作を検出するためのアクセル開度判別ロジックを実施し、ステップS2へ移行する。アクセル開度判別結果は、アクセルオフタイマの値として出力する。アクセルオフタイマとは、ドライバがアクセルオフ操作を行ったことを表すもので、ドライバがアクセルオフ操作を行い、アクセルオフが継続している場合、アクセルオフタイマの値は徐々に増加していく。一方、ドライバがアクセルオフ操作を行っていない場合、アクセルオフタイマはゼロとなる。ここで、アクセルオフ操作とは、アクセル開度が所定値からゼロとなった場合に限らず、アクセル開度の減少が所定時間経過した場合も含む。
なお、アクセル開度判別ロジックの詳細については後述する。
ステップS2では、アクセル状態検出部2において、アクセルオフタイマがゼロ以外(>0)であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはステップS11へ移行する。
【0011】
ステップS3では、先行車検出部7において、自車両前方に存在する先行車を検出するための先行車判断ロジックを実施し、ステップS4へ移行する。先行車判断結果は、先行車フラグとして出力する。先行車を検出した場合は、先行車フラグをセット(=1)し、先行車を検出しない場合は、先行車フラグをリセット(=0)する。さらに、先行車判断ロジックでは、先行車が存在する場合、先行車距離と先行車速度とをそれぞれ算出する。なお、自車両前方に複数の先行車が存在する場合は、直近の車両を先行車とする。
先行車判断ロジックの詳細については後述する。
ステップS4では、先行車検出部7において、先行車フラグがセットされているか否かを判定する。YESの場合にはS5へ移行し、NOの場合にはステップS6へ移行する。
ステップS5では、先行車検出部7において、先行車距離を距離D、先行車速度を終速VEとし、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、カーブ検出部8において、自車両前方の走行進路がカーブであるか否かを検出するためのカーブ判別ロジックを実施し、ステップS7へ移行する。カーブ判別結果は、カーブフラグとして出力する。カーブが存在する場合は、カーブフラグをセット(=1)し、カーブが存在しない場合は、カーブフラグをリセット(=0)する。さらに、カーブ判断ロジックでは、カーブが存在する場合、カーブまでの距離Dとカーブの旋回半径Rとをそれぞれ算出する。
カーブ判別ロジックの詳細については後述する。
【0012】
ステップS7では、カーブ検出部8において、カーブフラグがセット(=1)されているか否かを判定する。YESの場合にはステップS8へ移行し、NOの場合にはステップS11へ移行する。
ステップS8では、カーブ検出部8において、カーブの状況と設定された目標旋回加速度(以下、旋回G)とに基づいて目標旋回速度(旋回可能速度)を求めるための旋回速度計算ロジックを実施し、ステップS9へ移行する。
旋回速度計算ロジックの詳細については後述する。
ステップS9では、カーブ検出部8において、ステップS8で計算した目標旋回速度を終速(目標カーブ進入速度)VEとし、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、コントロールユニット4において、距離Dで終速VEを得る目標減速度αを決定するための減速度決定ロジックを実施し、ステップS11へ移行する。
減速度決定ロジックの詳細については後述する。
ステップS11では、コントロールユニット4において、目標減速度をゼロとし、ステップS12へ移行する。
ステップS12では、コントロールユニット4において、ステップS10またはステップS11で決定した目標減速度に応じた作動指令をブレーキ制御部5に出力する。ブレーキ制御部5では、作動指令に応じたブレーキ圧を発生すべく、各ホイールシリンダW/Cの液圧をサーボ制御し、リターンへ移行する。
【0013】
[アクセル開度判別ロジック]
図3は、アクセル開度判別ロジックの流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS101では、アクセル開度センサ11から入力したアクセル開度が所定値θよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS104へ移行し、NOの場合にはステップS102へ移行する。ここで、所定値θは、ゼロ近傍の微小なアクセル開度とする。
ステップS102では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS104へ移行し、NOの場合にはステップS103へ移行する。ここで、所定量−δは、ドライバがアクセルオフ操作を行っていると判断できるアクセル開度変化量とする。また、単位時間とは、例えば、図2に示した自動ブレーキ制御処理の1制御周期とする。
ステップS103では、アクセルオフタイマをゼロとし、本制御を終了する。
ステップS104では、アクセルオフタイマをインクリメント(+1)し、本制御を終了する。
以上のように、アクセル開度判別ロジックでは、アクセル開度がゼロの場合(アクセル開度<θ)、または単位時間当たりのアクセル開度減少量(アクセル操作量減少量)が所定量δよりも大きい場合(図4の実線で囲まれた領域)には、ドライバのアクセルオフ操作と判定してアクセルオンタイマをインクリメントする。それ以外の場合(図4の破線で囲まれた領域)には、アクセルオフタイマをゼロとする。
例えば、ドライバがアクセルを緩めてアクセルオフとし、再びアクセルを踏み込んだ場合には、図5に示すように、単位時間当たりのアクセル開度変化量が−δよりも小さくなってから、アクセル開度がθ以上となるまでの間、アクセルオフタイマは増加し続ける。
【0014】
[先行車判断ロジック]
図6は、先行車判断ロジックの流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。
ステップS301では、ステレオカメラ12により撮像された前方画像に基づいて、図7に示すような前方の立体物および車線の2次元平面のマッピングを実施し、ステップS302へ移行する。なお、マッピングの方法は公知であるため、説明を省略する。
ステップS302では、マッピングにより生成した平面投影図に基づき、先行車が存在するか否かを判定する。YESの場合にはステップS303へ移行し、NOの場合にはステップS306へ移行する。
ステップS303では、車線内に存在する車両(図7の車両B,車両C)のうち最も近い車両Bの距離と速度をそれぞれ算出し、ステップS304へ移行する。
ステップS304では、ステップS303で算出した距離および速度を先行車距離および先行車速度とし、ステップS305へ移行する。
ステップS305では、先行車フラグをセット(=1)し、本制御を終了する。
ステップS306では、先行車フラグをリセット(=0)し、本制御を終了する。
以上のように、先行車判断ロジックでは、ステレオカメラ12からの撮像画像を用いて自車両の走行進路に先行車が存在するか否かを判別し、先行車が存在する場合には先行車フラグをセットし、先行車が存在しない場合には先行車フラグをリセットする。また、先行車が存在する場合、先行車距離および先行車速度を算出する。
【0015】
[カーブ判別ロジック]
図8は、カーブ判別ロジックの流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS601では、ステレオカメラ12により撮像された前方画像の車線、あるいはガードレール等のレーン端の2次元平面のマッピングを実施し、ステップS602へ移行する。
ステップS602では、マッピングにより生成した平面投影図に基づき、図9に示すように、車両の進行方向中心線とレーン端との交点をAとしたとき、自車とA点までの距離をDとし、ステップS603へ移行する。ここで、距離Dは、自車両がA点に到達するまで不変とする。つまり、自車両が最初に設定したA点に到達した時点で、次のA点に基づいて距離Dを設定する。
ステップS603では、A点を特定できないか否かを判定する。YESの場合にはステップS606へ移行し、NOの場合にはステップS604へ移行する。
ステップS604では、ナビゲーションシステム13からのA点近傍の地図情報および自車位置情報に基づき、A点のコーナの旋回半径Rを求め、ステップS605へ移行する。
ステップS605では、カーブフラグをセット(=1)し、本制御を終了する。
ステップS606では、カーブフラグをリセット(=0)し、本制御を終了する。
以上のように、カーブ判別ロジックでは、図9のように自車両の進行方向中心線とレーン端との交点Aが特定できた場合は、前方に減速を必要とする程度のカーブが存在していると判定してカーブフラグをセットする。一方、図10のように交点Aが特定できない場合は、前方に減速を必要とする程度のカーブは存在しないと判定してカーブフラグをリセットする。また、カーブが存在する場合、A点までの距離DとA点の旋回半径Rを算出する。
【0016】
[旋回速度計算ロジック]
図11は、旋回速度計算ロジックの流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS801では、A点での目標旋回加速度Gsを旋回Gとし、ステップS802へ移行する。ここで、目標旋回加速度Gsは、あらかじめ設定した所定値(例えば、0.2G程度)としてもよいし、ドライバが運転席から任意の値を設定できるようにしてもよい。あるいは、アクセル戻し速度の関数として設定してもよい。
ステップS802では、旋回GとA点の旋回半径Rとから、下記の式を参照して目標旋回速度を算出し、本制御を終了する。
【数1】

以上のように、旋回速度計算ロジックでは、A点の旋回半径Rと目標旋回加速度Gsとに基づいてA点における目標旋回速度を求める。
【0017】
[減速度決定ロジック]
図12は、減速度決定ロジックの流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1101では、車速センサ14から現在の車速VSを読み込み、距離Dの間で自車速を初速VSから終速VEまで落とすために必要なα(<0)を求め、ステップS1102へ移行する。
すなわち、
VS2−VE2=2αD
であるため、αは、以下の式から求めることができる。
α=(VS2−VE2)/2D
ステップS1102では、アクセルオフタイマが所定時間t0よりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS1103へ移行し、NOの場合にはステップS1106へ移行する。ここで、t0は、アクセル戻し速度検出部6により検出されたアクセルオフ速度に応じて可変する。具体的には、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりもt0を長くする。t0は、アクセルオフ速度に応じて複数段階に設定してもよいし、アクセルオフ速度が高くなるほどより長くなるように設定してもよい。
ステップS1103では、αの大きさがリミッタαmaxよりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS1105へ移行し、NOの場合にはステップS1104へ移行する。ここで、αmaxは、急減速が生じるのを回避するための上限値である。
ステップS1104では、ステップS1101、ステップS1105またはステップS1106で求めたαを目標減速度とし、本制御を終了する。
ステップS1105では、リミッタαmaxをαとし、ステップS1104へ移行する。
ステップS1106では、あらかじめ設定された所定値0.1Gをαとし、ステップS1104へ移行する。
以上のように、減速度決定ロジックでは、アクセルオフからアクセルオフタイマが所定時間t0に到達するまでの間は、目標減速度αを0.1Gに維持し、所定時間t0経過後は、図13に示すように、先行車またはカーブまでの距離Dの間で、初速VSを終速VEまで落とすために必要な目標減速度αを決定する。その際、過大な|α|の設定により急減速が生じるのを回避する目的で、目標減速度αにリミッタαmaxをかけて制限する。また、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも所定時間t0を長くする。
【0018】
次に、実施例1の車両制御装置1の動作を走行シーン別に説明する。
図14は、カーブ走行中で先行車が存在している場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。なお、目標減速度αは車両前方側に作用する加速度を正した場合、負の値となるが、以下のタイムチャートでは、目標減速度αを大きさ(絶対値)で示す。
時点t1までの区間では、アクセル開度が一定(>θ)であるため、図2のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロである。すなわち、カーブ走行中で先行車が存在している場合であっても、ドライバのアクセルオフ操作が無い場合には、自動ブレーキを作動させない。つまり、ドライバに減速意思が無い場合には、減速を行わないため、ドライバに違和感を与えない。
時点t1では、ドライバがアクセルを戻し始める。
時点t2では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さくなったため、アクセルオフ操作と判定し、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS10→ステップS12へと進む流れとなる。
このとき、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマのインクリメントを開始し、ステップS3の先行車判断ロジックでは、先行車フラグ=1を出力し、ステップS10の減速度決定ロジックでは、先行車距離Dの間で初速(自車速VS)を終速である先行車速度VEまで落とすために必要な目標減速度αを演算するが、アクセルオフタイマは所定時間t0以下であるため、目標減速度αを所定値(0.1G)として自動ブレーキを作動させ、車両を緩やかに減速させる。
【0019】
ここで、時点t2から時点t3までの時間は、アクセルオフ速度に応じて決まる所定時間t0の長さによって変化する。そして、所定時間t0は、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも長くなる。つまり、ドライバがカーブ直前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が長いため、高い旋回速度となる。逆に、ドライバがカーブの手前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が短いため、低い旋回速度となる。このため、ドライバが高速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を高くし、逆に低速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を低くすることができ、ドライバの所望する旋回挙動を実現できる。
時点t3では、アクセルオフタイマが所定時間t0を超えたため、ステップS10の減速度決定ロジックでは、距離D、初速VSおよび終速VEから求めた目標減速度αに応じて自動ブレーキを作動させる。このため、先行車との距離Dを維持しつつカーブを走行できる。
時点t4では、ドライバがアクセルの踏み込みを開始したため、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマをゼロする。これにより、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、自動ブレーキの作動を終了する。このため、ドライバに加速意思がある場合には、減速を行わないため、ドライバに違和感を与えない。
【0020】
図15は、カーブ走行中で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
時点t1までの区間では、アクセル開度が一定(>θ)であるため、図2のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロである。すなわち、カーブ走行中で先行車(停止中の車両)が存在している場合であっても、ドライバのアクセルオフ操作が無い場合には、自動ブレーキを作動させない。つまり、ドライバに減速意思が無い場合には、減速を行わないため、ドライバに違和感を与えない。
時点t1では、ドライバがアクセルを戻し始める。
時点t2では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さくなったため、アクセルオフ操作と判定し、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS10→ステップS12へと進む流れとなる。
【0021】
このとき、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマのインクリメントを開始し、ステップS3の先行車判断ロジックでは、先行車フラグ=1を出力し、ステップS10の減速度決定ロジックでは、先行車距離Dの間で初速(自車速VS)を終速(先行車速度=0)まで落とすために必要な目標減速度αを演算するが、アクセルオフタイマは所定時間t0以下であるため、目標減速度αは所定値(0.1G)となり、目標減速度を0.1Gとして自動ブレーキを作動させ、車両を緩やかに減速させる。
ここで、時点t2から時点t3までの時間は、アクセルオフ速度に応じて決まる所定時間t0の長さによって変化する。そして、所定時間t0は、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも長くなる。つまり、ドライバがカーブ直前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が長いため、高い旋回速度となる。逆に、ドライバがカーブの手前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が短いため、低い旋回速度となる。このため、ドライバが高速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を高くし、逆に低速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を低くすることができ、ドライバの所望する旋回挙動を実現できる。
時点t3では、アクセルオフタイマが所定時間t0を超えたため、ステップS10の減速度決定ロジックでは、距離D、初速VSおよび終速ゼロから求めた目標減速度αに応じて自動ブレーキを作動させる。このため、時点t4では、先行車の手間で自車両を停止させることができる。
【0022】
図16は、直線路で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
時点t1までの区間では、アクセル開度が一定(>θ)であるため、図2のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロである。
時点t1では、ドライバがアクセルを戻し始める。
時点t2では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さいため、アクセルオフ操作と判定するが、自車両の前方には先行車またはカーブが存在しないため、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロのままである。
ドライバがアクセルオフ操作を行ったとしても、自車両前方に減速対象が存在しない場合には、自動ブレーキを作動して車両を減速させる必要は無い。さらに、ドライバはブレーキペダルを踏めばいつでも車両を減速させることができる。よって、減速対象が存在しない状況では、自動ブレーキの介入を制限することで、不要な減速を回避できる。また、自動ブレーキのアクチュエータ(油圧回路のバルブやポンプ等)の作動回数を抑制でき、耐久性向上を図ることができる。
【0023】
図17は、カーブ走行中で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
時点t1までの区間では、アクセル開度が一定(>θ)であるため、図2のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロである。すなわち、カーブ走行中であってもドライバのアクセルオフ操作が無い場合には、自動ブレーキを作動させない。つまり、ドライバに減速意思が無い場合には、減速を行わないため、ドライバに違和感を与えない。
時点t1では、ドライバがアクセルを戻し始める。
時点t2では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さくなったため、アクセルオフ操作と判定し、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS12へと進む流れとなる。
このとき、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマのインクリメントを開始し、ステップS6のカーブ判別ロジックでは、カーブフラグ=1を出力し、ステップS10の減速度決定ロジックでは、車両の進行方向中心線とレーン端との交点までの距離Dの間で初速(自車速VS)を、目標旋回速度で決まる終速VEまで落とすために必要な目標減速度αを演算するが、アクセルオフタイマは所定時間t0以下であるため、目標減速度αは所定値(0.1G)となり、目標減速度を0.1Gとして自動ブレーキを作動させ、車両を緩やかに減速させる。
【0024】
ここで、時点t2から時点t3までの時間は、アクセルオフ速度に応じて決まる所定時間t0の長さによって変化する。そして、所定時間t0は、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも長くなる。つまり、ドライバがカーブ直前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が長いため、高い旋回速度となる。逆に、ドライバがカーブの手前でアクセルオフ操作を行った場合は、目標減速度が0.1Gである時間が短いため、低い旋回速度となる。このため、ドライバが高速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を高くし、逆に低速旋回を望んでいる場合には、旋回速度を低くすることができ、ドライバの所望する旋回挙動を実現できる。
時点t3では、アクセルオフタイマが所定時間t0を超えたため、ステップS10の減速度決定ロジックでは、距離D、初速VSおよび終速VEから求めた目標減速度αに応じて自動ブレーキを作動させる、このため、ドライバの所望の旋回速度でカーブを通過できる。
時点t4では、ドライバがアクセルの踏み込みを開始し、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマをゼロとするため、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、自動ブレーキの作動を終了する。
【0025】
図18は、カーブ直前の直線路で先行車が存在しない場合の目標減速度の変化を示すタイムチャートである。
時点t1までの区間では、アクセル開度が一定であるため、図2のフローチャートでは、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、目標減速度αはゼロである。すなわち、カーブ走行中であってもドライバのアクセルオフ操作が無い場合には、自動ブレーキを作動させない。つまり、ドライバに減速意思が無い場合には、減速を行わないため、ドライバに違和感を与えない。
時点t1では、ドライバがアクセルを戻し始める。
時点t2では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さくなったため、アクセルオフ操作と判定し、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなる。
すなわち、自車両は直進路走行中であり、車両の進行方向中心線とレーン端との交点であるA点を特定できないため、ステップS6のカーブ判別ロジックでは、カーブフラグ=0を出力する。よって、目標減速度αはゼロのままであり、自動ブレーキを作動させない。
時点t3では、ステップS6のカーブ判別ロジックにおいて、A点を特定できたため、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10→ステップS12へと進む流れとなり、ステップS10の減速度決定ロジックでは、A点までの距離D、初速VSおよび目標旋回速度で決まる終速VEから求めた目標減速度αに応じて自動ブレーキを作動させる。このため、ドライバの所望の旋回速度でカーブを通過できる。
時点t4では、ドライバがアクセルの踏み込みを開始し、ステップS1のアクセル開度判断ロジックでは、アクセルオフタイマをゼロとするため、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS12へと進む流れとなり、自動ブレーキの作動を終了する。
【0026】
以上、実施例1の車両制御装置1の詳細について説明したが、実施例1の作用効果を以下に列挙する。
特許文献1に記載された技術では、カーブ進入時の車速のみに基づいて自動ブレーキを作動させているため、自動ブレーキの減速開始タイミングと、ドライバの期待するタイミングとの間でずれが生じ、違和感を与えていた。
これに対し、実施例1のコントロールユニット4は、アクセル状態検出部2によりアクセル操作量の減少またはアクセルオフが検出され、かつ、走行進路状況検出部3により走行進路に減速対象が検出された場合には、ブレーキ制御部5を作動させる。
つまり、ドライバのアクセル操作はドライバの加速意思および減速意思を示すものであり、ドライバのアクセルオフ操作は、ドライバの減速意思を表す。そこで、実施例1では、ドライバがアクセルオフ操作を行った場合であって、かつ走行進路に減速対象が存在する場合に限り、アクセルオフ操作のタイミングに合わせて自動ブレーキを作動させることにより、ドライバの制動意思に合致した減速開始タイミングを実現できる。
【0027】
さらに、コントロールユニット4は、アクセル状態検出部2によりアクセルオフが検出された場合、減速対象検出部を構成する先行車検出部7およびカーブ検出部8により先行車またはカーブが検出されたときはブレーキ制御部5を作動させ、先行車検出部7およびカーブ検出部8により先行車またはカーブが検出されないときはブレーキ制御部5を作動させない。
つまり、ドライバがアクセルオフ操作を行った場合であっても、自車両の前方に減速対象が存在しない場合は、自動ブレーキを作動させる必要はない。このため、アクセルオフ操作に加え、減速対象の存在を自動ブレーキ作動の条件とすることで、自動ブレーキの介入に伴う不要な車両の減速を回避できる。
また、実施例1では、アクセル開度判断ロジックによりドライバのアクセルオフ操作を検出した後、先行車判断ロジックおよびカーブ判別ロジックを実施し、先行車またはカーブが存在する場合、検出した先行車またはカーブに基づいて自動ブレーキ制御の目標減速度を設定している。
すなわち、自車両の前方に先行車やカーブが存在している場合であっても、ドライバのアクセルオフ操作が無い場合には、先行車判断ロジックおよびカーブ判別ロジックを実施しないことで、先行車判断ロジックおよびカーブ判別ロジックの実行回数を必要最小限に抑えることができ、演算負荷軽減を図ることができる。
【0028】
アクセル状態検出部2は、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さい場合にアクセルオフと判定する。
例えば、アクセル開度<θ(≒0)のみでアクセルオフを判断した場合、ドライバのアクセルオフ速度が遅い場合には、ドライバがアクセルを戻し始めてからアクセルオフと判定するまでの時間が長くなるため、自動ブレーキの作動タイミングに遅れが生じる。
これに対し、実施例1では、単位時間当たりのアクセル開度変化量が所定量−δよりも小さい場合にアクセルオフと判断するため、アクセルオフ操作を事前に予測でき、ドライバのアクセルオフ速度が遅い場合であっても、ドライバの制動意思に合致した減速開始タイミングを実現できる。
走行進路状況検出部3は、先行車の有無を検出する先行車検出部7と、自車両前方の走行進路がカーブであるか否かを検出するカーブ検出部8と、を有し、コントロールユニット4は、先行車検出部7により先行車が検出された場合には所定時間経過後に先行車の状況に基づいてブレーキ制御部5を作動させ、先行車検出部7により先行車が検出されず、カーブ検出部8によりカーブが検出された場合には所定時間経過後にカーブに基づいてブレーキ制御部5を作動させる。
すなわち、自車両前方がカーブであり、かつ、先行車が存在する場合には、先行車を優先し、先行車の状況に基づいて自動ブレーキを作動させることで、先行車に対して安全な距離を保つことができる。また、先行車は既にカーブ走行中であり、カーブの形状に応じた適切な旋回速度で走行していると考えられるため、先行車の状況に基づいて自動ブレーキを作動させることで、カーブの形状に応じた適切な旋回速度で車両を走行させることができる。
【0029】
コントロールユニット4は、先行車の状況に基づいてブレーキ制御部5を作動させる場合、先行車距離Dと先行車速度VEとから目標減速度αを演算し、目標減速度αが得られるようにブレーキ制御部5を作動させる。これにより、ドライバはアクセルオフ操作のみで先行車距離Dを適切に維持することができる。
コントロールユニット4は、カーブに基づいてブレーキ制御部5を作動させる場合、カーブの旋回半径Rと設定された旋回Gとから目標カーブ進入速度である終速VEを演算する。続いて、カーブまでの距離Dと終速VEとから目標減速度αを演算し、目標減速度αが得られるようにブレーキ制御部5を作動させる。これにより、ドライバはアクセルオフ操作のみで適切な旋回Gによる旋回を行うことができる。
実施例1では、目標減速度αにリミッタαmaxを設定した。実施例1では、距離Dと初速VSおよび終速VEに基づいて目標減速度αを設定しているため、距離Dが非常に短い場合、または初速VS≫終速VEの場合は、目標減速度αが過大となり、ドライバに違和感を与えるおそれがある。よって、目標減速度αをリミッタαmaxで制限することにより、過度な減速に伴う違和感の発生を回避できる。
また、実施例1では、旋回Gをドライバにより任意に設定可能としたため、旋回Gをドライバの好みに応じて変更でき、ドライバの走行感覚に合致した旋回挙動を実現できる。
アクセル状態検出部2は、アクセルオフ速度を検出するアクセル戻し速度検出部6を有し、アクセル戻し速度検出部6により検出されたアクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも旋回Gを高く設定する。つまり、アクセルオフ速度が高いということは、ドライバはカーブ直前までアクセルペダルを踏んでおり、高速旋回を望んでいると推定できる。逆に、アクセルオフ速度が低いということは、ドライバはカーブの十分手前でアクセルオフ操作を行っており、低速旋回を望んでいると推定できる。このため、アクセルオフ速度が高い場合には、低い場合よりも旋回Gを高くすることで、ドライバの望む旋回挙動を実現できる。
【0030】
コントロールユニット4は、アクセルオフ操作の開始から所定時間t0が経過するまでの間、設定された所定の減速度(0.1G)が得られるようにブレーキ制御部5を作動させる。実施例1では、アクセルオフ速度が高い場合、所定時間t0を長くしているため、所定時間t0経過後に設定される目標減速度αが過大となるおそれがある。そこで、実施例1では、アクセルオフ操作の開始から所定時間t0が経過するまでの目標減速度を所定の0.1Gとしておくことで、過大な目標減速度αが設定されるのを防止できる。
実施例1では、ドライバの加速意思を検出する加速意思検出部としてのアクセル開度センサ11を備え、コントロールユニット4は、アクセル開度センサ11によりドライバの加速意思が検出された場合、ブレーキ制御部5の作動を制限する。すなわち、ドライバがアクセルを踏んでいる場合には、自動ブレーキを作動させないことで、ドライバの加速意思に反して車両が減速するのを回避できる。
また、実施例1では、ドライバの加速意思が検出されない場合には、カーブまでの距離Dとカーブでの目標旋回速度とから演算された目標減速度αが得られるようにブレーキ制御部5を作動させるため、ドライバに加速意思が無い場合には、カーブを安定して走行可能な速度まで車両を減速させることができる。
【0031】
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、減速対象を先行車とカーブに限定して説明したが、減速対象は走行進路上に存在する先行車以外の障害物や停止線等を含む。
また、実施例1では、各ホイールシリンダの液圧を高めて自動ブレーキを作動させる例を示したが、ホイールインモータを備えた電気自動車では、回生ブレーキを用いてもよい。
実施例1では、ステレオカメラを用いて先行車の有無を判別し、先行車距離および先行車速度を算出する例を示したが、レーザレーダとステレオカメラ、レーザレーダとヨーレートセンサ等を用いて先行車の有無、先行車距離および先行車速度を算出してもよい。
実施例1では、ドライバがアクセル操作量を減少させた直後にアクセルオフと判定する例を示したが、ドライバがアクセル操作量を減少させてから所定時間経過後にアクセルオフと判定してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 車両制御装置
2 アクセル状態検出部
3 走行進路状況検出部
4 コントロールユニット
5 ブレーキ制御部
6 アクセル戻し速度検出部
8 カーブ検出部
11 アクセル開度センサ(加速意思検出部)
12 ステレオカメラ
13 ナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバの意思による走行中のアクセル操作状態を検出するアクセル状態検出部と、
自車両前方の走行進路がカーブであるか否かを検出するカーブ検出部と、
前記自車両に対して制動力を自動的に発生させるブレーキ制御部と、
前記アクセル状態検出部によりアクセル操作量の減少が検出され、かつ、前記カーブ検出部により走行進路にカーブが検出された場合には、前記ブレーキ制御部を作動させるコントロールユニットと、
を備えたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置において、
前記アクセル状態検出部は、アクセル操作量の減少開始から所定時間経過後にアクセル操作量の減少と判定することを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置において、
前記コントロールユニットは、カーブの半径と設定された旋回加速度とから目標カーブ進入速度を演算することを特徴とする車両制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両制御装置において、
前記コントロールユニットは、カーブまでの距離と前記目標カーブ進入速度とから目標減速度を演算し、目標減速度が得られるように前記ブレーキ制御部を作動させることを特徴とする車両制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両制御装置において、
前記旋回加速度を、ドライバにより任意に設定可能としたことを特徴とする車両制御装置。
【請求項6】
請求項4に記載の車両制御装置において、
前記アクセル状態検出部は、アクセルペダルの戻し速度を検出するアクセル戻し速度検出部を有し、
前記旋回加速度は、前記アクセル戻し速度検出部により検出されたアクセル戻し速度が高い場合には低い場合よりも高い値に設定されることを特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両制御装置において、
前記コントロールユニットは、アクセル操作量の減少開始から前記所定時間が経過するまでの間、設定された所定の減速度が得られるように前記ブレーキ制御部を作動させることを特徴とする車両制御装置。
【請求項8】
請求項2に記載の車両制御装置において、
ドライバの加速意思を検出する加速意思検出部を備え、
前記コントロールユニットは、前記加速意思検出部によりドライバの加速意思が検出された場合、前記ブレーキ制御部の作動を制限することを特徴とする車両制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−269797(P2010−269797A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201977(P2010−201977)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【分割の表示】特願2008−160240(P2008−160240)の分割
【原出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】