説明

車両制御装置

【課題】車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、クルーズコントロール制御と先行車に対する追従制御とからなるACC制御を行う車両制御装置1であって、ACC制御中に自車両の停車位置情報を取得する停車位置情報取得部10と、停車位置情報取得部10が停車位置情報を取得した場合に、自車両が停車位置に停車するための走行計画を作成する走行計画作成部11と、走行計画作成部11の作成した走行計画に基づいて、自車両の走行制御を行う車両制御部14と、を備える。この車両制御装置1によれば、ACC制御中であっても、停車位置情報に基づいた走行計画に沿って自車両を停車させるので、先行車との車間距離に基づいて停車させる従来の制御と比べて、スムーズに停車を行うことができ、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行制御を行う車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この分野の技術文献として特開2003―54289号公報が知られている。この公報には、自車両と先行車との車間距離検出値に基づいて先行車に対する自車両の追従制御を行う車両制御装置が記載されている。この車両制御装置では、先行車の停車を判断した場合に、車間距離検出値を停車用の車両距離演算値に置き換えて追従制御を行うことで、停車時における乗り心地の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003―54289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、赤色表示の信号機や踏切では追従制御中であっても先行車との車間距離に関係なく自車両を停車させる必要がある。近年、このような場合においても乗り心地良く車両を停車させることが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、クルーズコントロール制御と先行車に対する追従制御とからなるアダプティブクルーズコントロール制御を行う車両制御装置であって、アダプティブクルーズコントロール制御中に自車両の停車位置情報を取得する停車位置情報取得手段と、停車位置情報取得手段が停車位置情報を取得した場合に、自車両が停車位置に停車するための走行計画を作成する走行計画作成手段と、走行計画作成手段の作成した走行計画に基づいて、自車両の走行制御を行う車両制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る車両制御装置によれば、アダプティブクルーズコントロール制御中に、信号機の位置などの停車位置情報を取得した場合に、停車位置情報に基づいた走行計画を作成し、走行計画に沿った走行制御を実施する。従って、この車両制御装置によれば、停車位置情報に基づいた走行計画に沿って自車両を停車させるので、追従制御により先行車との車間距離に基づいて停車させる場合と比べて、スムーズに停車を行うことができ、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【0008】
本発明に係る車両制御装置においては、走行計画作成手段は、自車両に加わる加速度の変動量及びジャークの変動量のうち少なくとも一方が所定の乗り心地許容範囲内になるように走行計画を作成することが好ましい。
本発明に係る車両制御装置によれば、車両停車時に自車両に加えられる加速度の変動量やジャークの変動量が少ないほどスムーズな停車が行われることから、これらの変動量が所定の乗り心地許容範囲内になるように走行計画を作成することで、走行計画に沿った走行制御実行時の乗り心地の向上を図ることができる。
【0009】
本発明に係る車両制御装置においては、アダプティブクルーズコントロール制御においても自車両が停車位置に停車する場合に、停車位置までのアダプティブクルーズコントロール制御の乗り心地評価と走行計画に基づいた走行制御の乗り心地評価とを演算する乗り心地評価手段を更に備え、車両制御手段は、停車位置までのアダプティブクルーズコントロール制御と走行計画に基づいた走行制御のうち乗り心地評価が高い制御を行うことが好ましい。
本発明に係る車両制御装置によれば、アダプティブクルーズコントロール制御により自車両が停車位置に停車する場合に、各制御時におけるジャークの変動量の少なさなどの乗り心地評価を演算し、乗り心地評価が高い方の制御を行うので、車両制御時の乗り心地の向上を図ることができる。
【0010】
本発明に係る車両制御装置においては、停車位置情報取得手段は、自車両の進路上の信号機の位置に基づいて停車位置情報を取得することが好ましい。
本発明に係る車両制御装置によれば、走行計画に沿って信号機に対する自車両のスムーズな停車を行うことができるので、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【0011】
本発明に係る車両制御装置においては、自車両の進路上の信号機の表示サイクル情報を取得する信号機情報取得手段と、信号機情報取得手段の取得した信号機の表示サイクル情報、停車位置情報取得手段の停車位置情報、及び停車位置走行計画作成手段の作成した走行計画に基づいて、走行計画に沿って走行した場合に自車両が信号機に到達するタイミングで信号機が赤色状態であるか否かを判定する信号機停車判定手段と、を備え、車両制御手段は、信号機停車判定手段が自車両が信号機に到達するタイミングで信号機は赤色状態であると判定した場合、走行計画に基づいた走行制御を行うことが好ましい。
【0012】
本発明に係る車両制御装置によれば、自車両が到達したタイミングで信号機が赤色表示である場合は先行車との車間距離に関わらず必ず停車する必要があることから、自車両が信号機に到達するタイミングで信号機は赤色状態であると判定した場合には走行計画に基づいた走行制御を行うことにより、スムーズな停車を確実に行うことができ、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る車両制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】走行計画に係る加速度変化を示すグラフである。
【図3】車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両制御装置1は、前方に先行車が存在しない場合は設定速度で自車両を定速走行させるCC[Cruise Control]制御を行い、先行車が存在する場合には先行車との車間距離に応じて自車両を走行させる追従制御を行うACC[Adaptive Cruise Control]制御を実施する。本実施形態におけるACC制御は、停車から高速走行まで対応可能な全車速対応ACCである。
【0017】
この車両制御装置1は、ACC制御中に信号機の位置などの停車位置情報を取得した場合、停車位置で停車するための走行計画を作成する。車両制御装置1は、状況に応じてACC制御から停車するための走行計画に基づいた走行制御に切り替えることで、スムーズな車両停車を実現するものである。
【0018】
車両制御装置1は、装置を統括的に制御するECU[Electronic Control Unit]2を備えている。ECU2は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]などからなる電子制御ユニットである。ECU2では、ROMに記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、ACC制御などの各種演算処理を行う。
【0019】
ECU2は、車速センサ3、加速度センサ4、ナビゲーションシステム5、路車間通信部6、先行車情報取得部7、及び車両走行部8と接続されている。
【0020】
車速センサ3は、自車両の車速を検出するセンサである。車速センサ3は、検出した自車両の車速を車速信号としてECU2に出力する。加速度センサ4は、自車両の加速度を検出するセンサである。加速度センサ4は、検出した自車両の加速度を加速度信号としてECU2に出力する。
【0021】
ナビゲーションシステム5は、自車両の運転者に目的地までの経路案内を行うためのシステムである。ナビゲーションシステム5は、自車両の位置を検出するためのGPS[Global Positioning System]信号受信部と、地図データが記憶された地図データベースとを備えている。この地図データベースには、信号機の位置、一時停止線の位置、踏切の位置などの停車位置情報が記憶されている。ナビゲーションシステム5は、自車両の位置データ及び自車両周辺の停車位置情報を含む地図データをナビ信号としてECU2に出力する。
【0022】
路車間通信部6は、道路に設けられた路側送受信機(例えば、光ビーコン)と自車両との間で路車間通信を行うものである。路車間通信部6は、路側送受信機との路車間通信を通じてVICS[Vehicle Information and Communication System]等から各種交通情報を取得する。路車間通信部6は、自車両の進路上に位置する信号機の表示サイクル情報を路車間通信により取得する。信号機の表示サイクル情報とは、信号機が青色表示、黄色表示、赤色表示に切り替わるタイミングに関する情報である。路車間通信部6は、路車間通信により取得した信号機の表示サイクル情報を表示サイクル信号としてECU2に出力する。路車間通信部6は、特許請求の範囲に記載の信号機情報取得手段として機能する。
【0023】
先行車情報取得部7は、自車両の前方を走行する先行車に関する情報を取得するものである。先行車情報取得部7は、例えば先行車の存在や車間距離を検出するレーダセンサや画像センサ、先行車の挙動や車速に関する情報を取得する車々間通信部などから構成されている。先行車情報取得部7は、取得した先行車に関する情報を先行車信号としてECU2に出力する。
【0024】
車両走行部8は、車両の走行制御を実行するものである。車両走行部8は、車両のエンジン制御部、ステアリングアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及びシフトアクチュエータなどから構成されている。車両走行部8は、ECU2から出力された信号に応じて車両の走行制御を実行する。
【0025】
また、ECU2は、ACC制御部9、停車位置情報取得部10、走行計画作成部11、乗り心地評価部12、信号機停車判定部13、及び車両制御部14を有している。
【0026】
ACC制御部9は、車速センサの車速信号、加速度センサの加速度信号、ナビゲーションシステムのナビ信号、先行車情報取得部7の先行車信号に基づいて、自車両のACC制御を行うための演算を行う。ACC制御部9は、運転者の設定した速度による定速走行や先行車に対する追従走行を実現するための演算処理を行う。
【0027】
停車位置情報取得部10は、ナビゲーションシステムのナビ信号及び先行車情報取得部7の先行車信号から自車両の停車位置情報を取得する。この停車位置情報には、自車両の進路上の信号機の位置、一時停止線の位置、踏切の位置などの他、先行車の停車位置も含まれる。
【0028】
走行計画作成部11は、停車位置情報取得部10が取得した停車位置情報から自車両が停車位置で停車するための走行計画を作成する。走行計画作成部11は、停車位置情報取得部10の停車位置情報、車速センサの車速信号、加速度センサの加速度信号、ナビゲーションシステムのナビ信号、及び先行車情報取得部7の先行車信号に基づいて、走行計画を作成する。
【0029】
ここで、図2は、走行計画に沿って自車両が走行した場合に自車両に加わる加速度を示すグラフである。縦軸は自車両に加わる加速度G、横軸は時間を示している。図2に示されるように、走行計画作成部11は、停車位置への到達時間に自車両を停車させるため、自車両を減速させるように加速度Gを加える走行計画を作成する。
【0030】
また、走行計画作成部11は、加速度Gの変動量が所定の乗り心地許容範囲A内になるように走行計画を作成する。乗り心地許容範囲Aは、乗員の乗り心地の観点から許容される加速度の範囲である。加速度Gの乗り心地許容範囲Aは、例えば0から所定の最大加速度設定値までの範囲として表される。走行計画作成部11は、加速度Gの変動量が大きいほど乗り心地が悪くなることから、加速度Gの変動量を乗り心地許容範囲A内に限定するように走行計画を作成する。また、走行計画作成部11は、ジャークが断続的に変動すると乗り心地が悪くなることから、ジャークが連続的になるように走行計画を作成する。走行計画作成部11は、定常走行、制動力を与える制動立ち上げ、一定の制動力を与える一定制動、制動力を徐々に0へと戻す制動戻しの4区間からなる走行計画を作成する。
【0031】
なお、走行計画の作成方法は、運転者が任意に設定することができる。例えば、加速度の変動量に代えてジャークの変動量が所定の範囲内となるように走行計画を作成する態様であっても良い。或いは、加速度の変動量及びジャークの変動量の両方が所定の範囲内となるように走行計画を作成する態様であっても良い。その他、制動距離を条件として走行計画が作成される態様であっても良い。例えば、制動距離に応じて予め記憶された走行計画パターンを利用して走行計画を作成することで、走行計画の作成時間を短縮することができる。
【0032】
乗り心地評価部12は、停車位置情報取得部10の停車位置情報の示す停車位置が先行車によるものであるか否かを判定する。乗り心地評価部12は、停車位置が先行車によるものであると判定した場合、ACC制御においても自車両が停車位置に停車すると判断して、乗り心地評価の演算を行う。乗り心地評価部12は、停車位置までのACC制御の乗り心地評価と走行計画作成部11が作成した走行計画に基づいた走行制御の乗り心地評価とを演算する。乗り心地評価は、例えば制御中に自車両に加わる加速度及びジャークの変動量の少なさやジャークの連続性などから演算される。
【0033】
信号機停車判定部13は、停車位置情報取得部10の停車位置情報の示す停車位置が信号機によるものであるか否かを判定する。信号機停車判定部13は、停車位置が信号機によるものであると判定した場合、路車間通信部6の表示サイクル信号と走行計画作成部11が作成した走行計画とに基づいて、走行計画に沿って走行した場合に自車両が当該信号機に到達するタイミングで当該信号機が赤色表示であるか否かを判定する。
【0034】
車両制御部14は、ACC制御部9の演算したACC制御を実行する。車両制御部14は、ACC制御部9の演算結果に応じたACC制御信号を車両走行部8に出力することでACC制御を実行する。また、車両制御部14は、所定の条件下で、走行計画作成部11の作成した走行計画に基づいた走行制御を実行する。具体的には、車両制御部14は、信号機停車判定部13が停車位置情報取得部10の停車位置情報に係る停車位置が信号機によるものではないと判定し、かつ、乗り心地評価部12の演算した乗り心地評価がACC制御より走行計画に基づいた走行制御の方が高い場合に、走行計画に基づいた走行制御を実行する。また、車両制御部14は、信号機停車判定部13が走行計画に沿って走行した場合に自車両が信号機に到達するタイミングで信号機が赤色表示であると判定した場合、走行計画に基づいた走行制御を実行する。
【0035】
次に、車両制御装置1の動作について説明する。ここでは、自車両がACC制御を実施中の動作について説明する。
【0036】
図3に示されるように、車両制御装置1では、まず停車位置情報取得部10が、ナビゲーションシステムのナビ信号及び先行車情報取得部7の先行車信号に基づいて自車両の停車位置情報を取得する(S1)。
【0037】
次に、走行計画作成部11は、停車位置情報取得部10の停車位置情報、車速センサの車速信号、加速度センサの加速度信号、ナビゲーションシステムのナビ信号、及び先行車情報取得部7の先行車信号に基づいて、走行計画を作成する(S2)。
【0038】
続いて、信号機停車判定部13は、停車位置情報取得部10の停車位置情報の示す停車位置が信号機によるものであるか否かを判定する(S3)。信号機停車判定部13が停車位置は信号機によるものではないと判定した場合、乗り心地評価部12は、停車位置が先行車によるものであるか否かを判定する(S4)。乗り心地評価部12は、停車位置が先行車によるものではないと判定した場合、ステップS10に移行する。
【0039】
一方、乗り心地評価部12は、停車位置が先行車によるものであると判定した場合、ACC制御においても自車両が停車位置に停車すると判断して、乗り心地評価の演算を行う(S5)。乗り心地評価部12は、停車位置までのACC制御の乗り心地評価と走行計画に基づいた走行制御の乗り心地評価とを演算する。
【0040】
車両制御部14は、乗り心地評価部12が乗り心地評価を演算した場合、走行計画に基づいた走行制御よりACC制御の方が乗り心地評価が高いか否かを判定する(S6)。車両制御部14は、走行計画に基づいた走行制御よりACC制御の方が乗り心地評価が低いと判定した場合、ステップS10に移行する。
【0041】
車両制御部14は、走行計画に基づいた走行制御よりACC制御の方が乗り心地評価が高いと判定した場合、ACC制御の継続を決定する(S7)。その後、この停車位置に関する動作を終了する。
【0042】
ステップS3において、信号機停車判定部13は、停車位置は信号機によるものであると判定した場合、路車間通信部6の表示サイクル信号と走行計画作成部11が作成した走行計画とに基づいて、走行計画に沿って走行した場合に自車両が当該信号機に到達するタイミングで当該信号機が赤色表示であるか否かを判定する(S8)。信号機停車判定部13は、自車両が信号機に到達するタイミングで信号機が赤色表示であると判定した場合、ステップS10に移行する。
【0043】
一方、信号機停車判定部13が自車両が信号機に到達するタイミングで信号機が赤色表示ではないと判定した場合、車両制御部14はACC制御を継続する(S9)。その後、この停車位置に関する動作を終了する。
【0044】
ステップS10において、車両制御部14は、走行計画作成部11の作成した走行計画に基づいた走行制御を行い、自車両を停車位置に停車させる。その後、この停車位置に関する動作を終了する。
【0045】
以上説明した車両制御装置1によれば、ACC制御中に、信号機の位置などの停車位置情報を取得した場合に、停車位置情報に基づいた走行計画を作成し、走行計画に沿った走行制御を実施する。従って、この車両制御装置1によれば、停車位置情報に基づいた走行計画に沿って自車両を停車させるので、追従制御により先行車との車間距離に基づいて停車させる場合と比べて、スムーズに停車を行うことができ、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【0046】
また、この車両制御装置1では、自車両に加えられる加速度Gの変動量が少ないほどスムーズな停車が行われることから、加速度Gの変動量が所定の乗り心地許容範囲A内になるように走行計画を作成することで、走行計画に沿った走行制御実行時の乗り心地の向上を図ることができる。
【0047】
更に、この車両制御装置1によれば、ACC制御においても自車両が停車位置に停車する場合、停車位置までのACC制御の乗り心地評価と走行計画に基づいた走行制御の乗り心地評価とを演算し、乗り心地評価が高い方の制御を行うので、車両制御における乗り心地の向上を図ることができる。
【0048】
また、この車両制御装置1によれば、自車両の進路上の信号機の位置に基づいて停車位置情報を取得するので、走行計画に沿って信号機に対する自車両のスムーズな停車を行うことができ、信号停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【0049】
また、この車両制御装置1によれば、自車両が到達したタイミングで信号機が赤色表示である場合は先行車との車間距離に関わらず必ず停車する必要があることから、自車両が信号機に到達するタイミングで信号機が赤色状態であると判定した場合には走行計画に基づいた走行制御を行うことにより、スムーズな停車を確実に行うことができ、車両停車時における乗り心地の向上を図ることができる。
【0050】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば、停車位置情報取得部10の取得する停車位置情報には、先行車の停車位置から求められる自車両の停車位置の情報は含まれず、信号機の位置や踏切の位置など地図データから求められる停車位置の情報のみが含まれる態様であっても良い。すなわち、地図データから求められる停車位置情報に対してのみ走行計画が作成され、先行車の停車による自車両の停車はACC制御によって実行される態様であっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1…車両制御装置 2…ECU 3…車速センサ 4…加速度センサ 5…ナビゲーションシステム 6…路車間通信部(信号機情報取得手段) 7…先行車情報取得部 8…車両走行部 9…ACC制御部 10…停車位置情報取得部(停車位置情報取得手段) 11…走行計画作成部(走行計画作成手段) 12…乗り心地評価部(乗り心地評価手段) 13…信号機停車判定部(信号機停車判定手段) 14…車両制御部(車両制御手段)























【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルーズコントロール制御と先行車に対する追従制御とからなるアダプティブクルーズコントロール制御を行う車両制御装置であって、
前記アダプティブクルーズコントロール制御中に自車両の進路上の停車位置情報を取得する停車位置情報取得手段と、
前記停車位置情報取得手段が前記停車位置情報を取得した場合に、前記自車両が停車位置に停車するための走行計画を作成する走行計画作成手段と、
前記走行計画作成手段の作成した前記走行計画に基づいて、前記自車両の走行制御を行う車両制御手段と、
を備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記走行計画作成手段は、前記自車両に加わる加速度の変動量及びジャークの変動量のうち少なくとも一方が所定の乗り心地許容範囲内になるように前記走行計画を作成することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記アダプティブクルーズコントロール制御においても前記自車両が前記停車位置に停車する場合に、前記停車位置までのアダプティブクルーズコントロール制御の乗り心地評価と前記走行計画に基づいた走行制御の乗り心地評価とを演算する乗り心地評価手段を更に備え、
前記車両制御手段は、前記停車位置までの前記アダプティブクルーズコントロール制御と前記走行計画に基づいた走行制御のうち乗り心地評価が高い制御を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記停車位置情報取得手段は、前記自車両の進路上の信号機の位置に基づいて停車位置情報を取得することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記自車両の進路上の信号機の表示サイクル情報を取得する信号機情報取得手段と、
前記信号機情報取得手段の取得した前記信号機の表示サイクル情報、前記停車位置情報取得手段の取得した前記停車位置情報、及び前記走行計画作成手段の作成した前記走行計画に基づいて、前記走行計画に沿って走行した場合に前記自車両が前記信号機に到達するタイミングで前記信号機が赤色状態であるか否かを判定する信号機停車判定手段と、を備え、
前記車両制御手段は、前記信号機停車判定手段が前記タイミングで前記信号機は赤色状態であると判定した場合、前記走行計画に基づいた走行制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の車両制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−121405(P2012−121405A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272563(P2010−272563)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】