説明

車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置

【課題】更なる省エネおよび低騒音化をし得る車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置を提供する。
【解決手段】この圧油供給量制御装置のコントローラ2は、エンジン6の回転数、および流量制御弁5での所定の流量を、操作入力に応じて個別に制御するための制御関数が複数設定されている。そして、その複数の制御関数からエンジン特性に応じた所望の制御関数を選択可能になっており、その選択された所望の制御関数に基づいて、クレーンへの操作入力に応じて、エンジンの回転数および流量制御弁による圧油の所定の流量を個別に制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の車両に搭載される車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置に係り、特に、その車両のエンジンにより駆動される油圧ポンプを油圧源として作動する構造の車両搭載用クレーンに好適な圧油供給量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術では、圧油供給量制御装置は、例えば図4に示すように、エンジン6によって同時に駆動される主油圧ポンプ7および副油圧ポンプ8を備えている。そして、副油圧ポンプ8から吐出される圧油の流量を制御する流量制御弁5を装備しており、主油圧ポンプ7から吐出された圧油に、副油圧ポンプ8から吐出され流量制御弁5で任意の流量に調整された圧油を合流させて、コントロールバルブ3へ供給するように構成されている。
【0003】
この圧油供給量制御装置では、アクセルシリンダ4とエンジン6の燃料噴射量を制御するガバナ20とを備え、このアクセルシリンダ4とガバナ20とは、第一のリンク21で相互に連結されており、また、アクセルシリンダ4と副油圧ポンプ8の流量制御弁5とは、第一のリンク21と同時に作動する第二のリンク22で相互に連結されている。そのため、アクセルシリンダ4と流量制御弁5とは一定の動作関係にあり、この一定の動作関係によって圧油供給量の制御を確実に行えるようになっている。
【0004】
そして、コントローラ120による操作入力に応じて、エンジン6の回転数を制御するアクセルシリンダ4の制御がなされ、同時に、アクセルシリンダ4に連結した副油圧ポンプ8の流量制御弁5を第二のリンク22を介して作動させ、これにより、主油圧ポンプ7から吐出される圧油に、副油圧ポンプ8から吐出されて流量制御弁5で所定の流量に調整された圧油を合流させて、クレーンのコントロールバルブ3に供給するようになっている。
【特許文献1】特公平6−6476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、主油圧ポンプ7の容積は、エンジン回転数が低く回転トルクが小さいアイドリングの状態であってもエンストすることがないように、定格圧力の圧油を吐出することが可能な容積に設定されている。また、副油圧ポンプ8の容積は、エンジン回転数が上昇し回転トルクが大きくなった後、主油圧ポンプ7と同時に駆動し、定格圧力の圧油を吐出することが可能な容積に設定されている。
【0006】
このシステムの目的とするところは、エンジン回転数が低く回転トルクが小さい場合は、エンジン6のトルク負荷を抑えるために、副油圧ポンプ8からの圧油については流量制御弁5によってタンク9に戻して、主油圧ポンプ7からの圧油のみをコントロールバルブ3側へ供給するためであり、また、エンジン回転数が上昇し回転トルクが大きくなった場合は、副油圧ポンプ8からの圧油の流量を制御するための流量制御弁5を開き、主油圧ポンプ7からの圧油に副油圧ポンプ8からの圧油を合流させ、圧油の供給量を必要量だけ増やし、エンジン回転数をできるだけ低く抑えることで、省エネおよび低騒音化を図ることにある。
【0007】
ここで、この種の圧油供給量制御装置で更なる省エネおよび低騒音化をするためには、エンジン回転数がより低い段階で、副油圧ポンプ8からの圧油を合流させるようにすれば良い。しかし、主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8とを同時に駆動し、定格圧力の圧油を吐出することが可能な回転トルクを発生するエンジン回転数は、クレーンを搭載する車両の車種又は車両メーカーにより異なる。そのため、各車両に応じたエンジン回転数で、副油圧ポンプ8からの圧油を合流させるようにしなければならない。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、アクセルシリンダ4とガバナ20とは、第一のリンク21で相互に連結されており、同時に、アクセルシリンダ4と流量制御弁5とは、第二のリンク22で相互に連結されているので、エンジン回転数と流量制御弁5の制御流量との関係を変更することができない。そのため、エンジンの特性等が異なる車両においても、エンジンの回転トルクが不足することがないよう、エンジン回転数を少し高くなるまで上昇させて必要な回転トルクを確保した後、副油圧ポンプ8からの圧油を合流させるように設定されている。
【0009】
すなわち、特許文献1に記載の技術によれば、例えば、より低いエンジン回転数で主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8を同時に駆動し得て、定格圧力の圧油を吐出することができる回転トルクを発生可能な車両においては、必要以上にエンジン回転数を上昇させてしまうことになる。したがって、更なる省エネおよび低騒音化をする上では、未だ改善の余地が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、更なる省エネ、低騒音化をし得る車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、車両に搭載されるクレーンに供給する圧油の供給量を制御するために用いられ、前記車両のエンジンによって同時に駆動される主油圧ポンプ及び副油圧ポンプと、その副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を所定の流量に調整する流量制御弁と、前記クレーンへの操作入力に応じて、前記エンジンの回転数、および前記流量制御弁をそれぞれ個別に制御するコントローラとを備え、前記主油圧ポンプから吐出される圧油に、前記流量制御弁で調整された圧油を合流させて前記クレーンを駆動するためのコントロールバルブに供給する圧油供給量制御装置であって、前記コントローラは、前記クレーンへの操作入力と前記エンジンの回転数および前記流量制御弁による圧油の所定の流量との関係が複数設定され、さらに、前記設定された複数の関係のうちの所望の関係が選択可能になっており、前記クレーンへの操作入力および前記選択された所望の関係に基づいて、前記エンジンの回転数、および前記流量制御弁による圧油の所定の流量を個別に制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、車両のエンジンの回転数、および流量制御弁による圧油の所定の流量をそれぞれ個別に制御可能としており、さらに、その個別に制御するための関係を複数設定し、それら複数の関係のうちの所望の関係が選択可能になっているので、例えばクレーンを搭載する車両のエンジン特性に応じて、より最適なエンジン回転数および流量制御弁の制御が可能となる。そのため、例えばより低いエンジン回転数で、主油圧ポンプと副油圧ポンプとを同時に駆動させて、定格圧力の圧油を吐出可能な回転トルクを発生できる車両に適用した場合には、今まで以上に省エネ、低騒音化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、上記従来例と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明に係る車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置を含む油圧回路を説明する図である。
同図に示すように、この車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置(以下、単に「制御装置」ともいう)は、作業者が所望の操作入力を入力するための操作入力装置1を有しており、この操作入力装置1は、作業者の操作に応じた操作信号を、信号線50を介してコントローラ2に出力可能になっている(なお、コントローラ2については後に詳述する)。
【0013】
そして、この制御装置は、エンジン6によって同時に駆動される主油圧ポンプ7および副油圧ポンプ8を備えている。主油圧ポンプ7は、その吐出側が油圧回路の主回路24を介してコントロールバルブ3に直接接続されている。
また、副油圧ポンプ8は、その吐出側が流量制御弁5を介して主回路24に接続されており、主油圧ポンプ7から吐出される圧油に、流量制御弁5で調整された副油圧ポンプ8の圧油を合流させて、コントロールバルブ3へ供給するように構成されている。この流量制御弁5は、信号線52を介してコントローラ2に接続されており、コントローラ2からの制御信号に基づいて、副油圧ポンプ8から吐出される圧油の流量を所定の流量に調整可能になっている。
【0014】
そして、コントロールバルブ3内には、クレーンの各アクチュエータ30〜33をそれぞれ駆動するための切換弁40がアクチュエータ30〜33毎に設けられている。そして、各切換弁40は、信号線53を介してコントローラ2に接続されており、上記操作信号に応じたコントローラ2からの制御信号に基づいて油路の切換動作が実行されるようになっている。
【0015】
さらに、この制御装置は、アクセルシリンダ4およびガバナ20を備えており、アクセルシリンダ4とガバナ20とは、第一のリンク21で互いに連結されている。そして、このアクセルシリンダ4についても、信号線51を介してコントローラ2に接続されており、コントローラ2からの制御信号に基づいて駆動されるようになっており、さらに、アクセルシリンダ4の動作に応じて、ガバナ20によってエンジン6への燃料噴射量を調整することでエンジン回転数を所望の回転数に制御可能になっている。つまり、本実施形態では、上記例示したような第二のリンク22を有しない構造であり、エンジン6の回転数、および流量制御弁5による圧油の所定の流量は、それぞれ個別に制御可能に構成されている。
【0016】
ここで、上記コントローラ2は、(以下、いずれも図示しない)所定の制御プログラムに基づいて、圧油の供給量を制御するための圧油供給量制御処理に係る演算およびこの制御装置のシステム全体を制御するCPUと、所定領域にあらかじめCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、上述した操作入力装置1、コントロールバルブ3、アクセルシリンダ4、および流量制御弁5等を含めた外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(インターフェイス)を備えている。
【0017】
そして、コントローラ2のI/Fは、上記各外部装置に対して、データを転送するためのバス等の信号線(図1に破線で示す符号50〜53)によって相互に操作信号ないし制御信号等のデータを授受可能に接続されており、これにより、上記操作入力装置1から入力された操作信号に応じた制御信号を、コントロールバルブ3、アクセルシリンダ4、および流量制御弁5にそれぞれに出力可能になっている。
【0018】
ここで、上記コントローラ2のROMには、複数の制御関数がテーブルデータとして格納されている。一方、上記操作入力装置1には、これら複数の制御関数を選択するための選択用スイッチ(不図示)を有して構成されている。そして、これら複数の制御関数は、上記操作入力装置1からの選択用スイッチの操作による操作信号に対して個別に選択可能に設定されており、選択された所望の制御関数が、コントローラ2で実行される所定の圧油供給量制御処理において参照されるようになっている。つまり、選択された所望の制御関数に対応する圧油供給量制御処理よって、操作入力装置1の操作信号に対して、アクセルシリンダ4および流量制御弁5に出力されるコントローラ2からの制御信号が個別に設定されるようになっている。
【0019】
詳しくは、コントローラ2のROM所定領域には、上記複数の制御関数として、第一の制御関数および第二の制御関数の二つの制御関数が、圧油供給量制御処理の演算過程で必要な演算結果を導出可能な形式で適宜参照可能に格納されている。これら複数の制御関数は、上述のように、作業者による操作入力装置1での選択用スイッチによる操作に応じて選択可能になっており、これら複数の制御関数は、車両のエンジン特性に合わせて適宜選択される。
【0020】
そして、各制御関数は、主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8との合計吐出流量が、クレーンへの操作入力に応じた操作信号に対して比例的に変化するように設定されており、第一の制御関数と第二の制御関数とでは、アクセルシリンダ4と流量制御弁5の制御バランスを異ならせている。以下、この第一の制御関数および第二の制御関数についてより詳しく説明する。
【0021】
図2は、制御装置1に適用される第一の制御関数(圧油供給量制御処理に用いられる第一の制御マップ)を説明する図である。
同図に示すグラフは、最下段が、上記テーブルデータとして参照可能な第一の制御関数(制御マップ)を表しており、その上段に、エンジン回転数、定格圧力時の合計ポンプ駆動トルク、主・副油圧ポンプによる合計流量を順に示している。なお、同図に示すグラフの数値は、主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8の容積を、共に30cm/revとし、エンジンのアイドリング回転数を400rpm、定格回転数を1000rpm、エンジンとポンプの減速比を1(エンジン回転数=ポンプ回転数)、定格圧力20MPaと仮定した場合のものである。
ここで、油圧ポンプの駆動トルクTは、以下の(式1)で算出される。また、吐出流量Qは、以下の(式2)で算出される。
T=P*q/2π (式1)
Q=q*N (式2)
但し、P:吐出圧力
q:ポンプ容積
N:ポンプ回転数
【0022】
同図に示すように、この第一の制御関数の場合、上記圧油供給量制御処理において、操作信号入力の割合が25%のときは、アクセルシリンダストロークは60%になり、流量制御弁5が開口を開始するよう設定されている。また、操作信号入力の割合が25%未満のときは、コントロールバルブ3には、主油圧ポンプ7からの圧油のみが供給される。さらに、操作信号入力の割合が25%を超えるときは、流量制御弁5が開口を始め、副油圧ポンプ8からの圧油が合流するようになる。そして、副油圧ポンプ8からの圧油が合流するようになると、副油圧ポンプ8にも負荷が発生するようになり、ポンプの駆動トルクが増加し、エンジン6ヘのトルク負荷が増大するようになっている。
【0023】
ここで、操作信号入力の割合が25%のときのエンジン回転数を、先に仮定した条件で計算すると、アイドリング回転数400rpmと定格回転数1000rpmの間の60%の回転数となるため、エンジン回転数は760rpmとなる。すなわち、この第一の制御関数による圧油供給量制御処理の場合、エンジン回転数が760rpm以上になると、副油圧ポンプ8からの圧油の合流が始まり、エンジン6ヘのトルク負荷が増大することになる。また、そのときのポンプ駆動トルクは、主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8とを駆動するトルクとなる。そのトルクは、吐出圧力により変わってくるが、最大で定格圧力20MPaの時のトルクとなる。すなわち、仮定した条件(定格圧力P=20MPa、ポンプ容積q=30cm/rev+30cm/rev=60cm/rev)で計算すると191N・mとなる。そのため、この第一の制御関数を適用する場合には、191N・mの回転トルクがエンジン回転数760rpm以下で発生するエンジンである必要がある。
【0024】
しかし、エンジンの出力が大きく、より低いエンジン回転数で、191N・mの回転トルクを発生させることができる車両の場合、この第一の制御関数では、必要以上にエンジン回転数を上昇させてしまうことになる。
そこで、この制御装置では、より低いエンジン回転数で副油圧ポンプ8の合流が始まるようにした第二の制御関数をさらに備え、車両のエンジン特性に合わせて選択可能になっている。
【0025】
第二の制御関数(制御マップ)を図3に示す。なお、この第二の制御関数において、ポンプ容積、エンジン回転数等の仮定条件については、上記図2に示した第一の制御関数と同様である。
同図に示すように、この第二の制御関数に基づく圧油供給量制御処理の場合、操作信号入力の割合が10%のとき、アクセルシリンダストロークは25%になり、流量制御弁5が開口を開始するように設定されている。そして、この第二の制御関数において、上記第一の制御関数と同様にエンジン回転数を計算すると、操作信号入力の割合が10%のときのエンジン回転数は550rpmとなり、エンジン回転数が550rpm以上になると、副油圧ポンプ8からの圧油の合流が始まる。よって、この第二の制御関数を適用するには、191N・mの回転トルクがエンジン回転数550rpm以下で発生するエンジンである必要がある。
【0026】
ここで、図2および図3のグラフを比較すると、ポンプ容積、エンジンの定格回転数は第一および第二の制御関数ともに同じであるため、操作信号入力に対して、供給される合計流量は同じである。しかし、図3に示す第二の制御関数では、副油圧ポンプ8からの圧油の合流が早い時期に始まるため、操作信号の中間領域において、図2に示す第一の制御関数よりもエンジン回転数を低く抑えることができる。つまり、例えばエンジン回転数500rpmで191N・mの回転トルクを発生するエンジンであれば、第二の制御関数に基づく圧油供給量制御処理を適用した方が、より低いエンジン回転数でクレーン作業を行える。
【0027】
ここで、上記の「クレーンへの操作入力とエンジンの回転数および流量制御弁による圧油の所定の流量との関係」には、上記第一および第二の制御関数がそれぞれ対応しており、また、上記の「前記設定された複数の関係のうちの所望の関係」には、上記複数の制御関数のうちの、車両のエンジン特性に合わせて適宜選択された制御関数が対応する。
次に、この車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置の作用・効果について説明する。
【0028】
上述のように、この制御装置では、コントローラ2は、異なる複数の制御関数(第一および第二の制御関数)をテーブルデータとして設定しており、そのコントローラ2で実行される圧油供給量制御処理では、これら複数の制御関数のうちの所望の制御関数が操作入力装置1から選択可能になっているので、クレーンを搭載する車両のエンジン特性に合わせて、適宜の制御関数を選択して、より最適なエンジン回転数と副油圧ポンプ8からの圧油を流量制御するための流量制御弁5の制御が可能となる。そのため、例えばより低いエンジン回転数で、主油圧ポンプ7と副油圧ポンプ8を同時に駆動させて、定格圧力の圧油を吐出することができる回転トルクが発生する車両に適用した場合には、今まで以上に省エネ、低騒音化を図ることができる。
【0029】
なお、本発明に係る車両搭載用クレーンは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば上記実施形態では、複数の制御関数のうちの所望の制御関数が操作入力装置1から選択可能になっている例で説明したが、これに限定されず、例えば、コントローラ2の基板上にディップスイッチを設け、このディップスイッチの設定によって、対応するエンジン特性に最適な制御関数を上記所望の制御関数として出荷時に設定するように構成してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、コントローラ2で実行される圧油供給量制御処理において選択可能な異なる複数の制御関数が、二種類の例で説明したが、これに限定されず、例えば3種類以上から選択可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る車両搭載用クレーンの制御装置を説明する図である。
【図2】本発明に係る車両搭載用クレーンの制御装置に適用される第一の制御関数(圧油供給量制御処理に用いられる第一の制御マップ)を説明する図である。
【図3】本発明に係る車両搭載用クレーンの制御装置に適用される第二の制御関数(圧油供給量制御処理に用いられる第二の制御マップ)を説明する図である。
【図4】従来の車両搭載用クレーンの制御装置を説明する図である。
【符号の説明】
【0031】
1 操作入力装置
2 コントローラ
3 コントロールバルブ
4 アクセルシリンダ
5 流量制御弁
6 エンジン
7 主油圧ポンプ
8 副油圧ポンプ
9 タンク
20 ガバナ
21 第一のリンク
24 主回路
26 リリーフ弁
30、31、32、33 アクチュエータ
40 切換弁
50、51、52、53 信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるクレーンに供給する圧油の供給量を制御するために用いられ、前記車両のエンジンによって同時に駆動される主油圧ポンプ及び副油圧ポンプと、その副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を所定の流量に調整する流量制御弁と、前記クレーンへの操作入力に応じて、前記エンジンの回転数、および前記流量制御弁をそれぞれ個別に制御するコントローラとを備え、前記主油圧ポンプから吐出される圧油に、前記流量制御弁で調整された圧油を合流させて前記クレーンを駆動するためのコントロールバルブに供給する圧油供給量制御装置であって、
前記コントローラは、前記クレーンへの操作入力と前記エンジンの回転数および前記流量制御弁による圧油の所定の流量との関係が複数設定され、さらに、前記設定された複数の関係のうちの所望の関係が選択可能になっており、前記クレーンへの操作入力および前記選択された所望の関係に基づいて、前記エンジンの回転数、および前記流量制御弁による圧油の所定の流量を個別に制御することを特徴とする車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−290806(P2007−290806A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119152(P2006−119152)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(506002823)古河ユニック株式会社 (54)
【Fターム(参考)】