説明

車両用シートベルト装置

【課題】側突時に乗員を車幅方向内側に迅速に引き込むことができる車両用シートベルト装置を提供する。
【解決手段】シートバック12の車幅方向内側の肩部に設けられたショルダアンカ28の引出口30より引き出されたウエビング22が乗員11の上半身を斜めに横切って拘束しベルトタング部32で折り返され、ラップベルト26として乗員11の下肢を拘束する。ショルダアンカ28はシートバック12の車幅方向内側の肩部に設けられたスリット13に沿って矢印29のように車体下側に移動可能とされている。これによりショルダアンカ28に設けられた引出口30もまた車体下側に移動可能となる。ベルトタング部32が係合されるバックル40は、シートバック12内部で車幅方向に延設、固定されたレール46に沿ってシートバック12内を移動する可動部44に、保持部42で固定され、可動部44の移動に伴って車幅方向に移動可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用シートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シートベルトで乗員をシートに拘束し、側面衝突(側突)時にはシートごと乗員を車幅方向内側に移動させ、乗員のドアとの衝突を回避する構造が存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、シートベルトのタングプレート部にエアバッグを内蔵し、車両の衝突時に膨張させることでショルダベルト部の位置を押上げ、乗員の胸部中央近傍にショルダベルト部を通す構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−362205号公報
【特許文献2】特開2007−203898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1に開示された構造では、側突時に車室内に没入する車体側面と乗員との間隙は確保されるが、移動するシートが停止した際、そのまま車幅方向内側に乗員が押しやられる虞がある。
【0005】
また特許文献2に開示された構造では、側突時に車室内に没入する車体側面と乗員との接触を回避することはできない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、側突時に乗員を車幅方向内側に迅速に引き込むことができる車両用シートベルト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明における車両用シートベルト装置は、シートバックに内蔵され、ウエビングの一端を巻き取る第1のリトラクタと、前記シートバックの車幅方向内側肩部に設けられ、車幅方向内側かつ車体下方向に移動可能とされ、前記ウエビングが引き出される引出口と、前記シートバックの車幅方向外側端かつ車体下側端に設けられ、前記シートバック内に車幅方向に延設されたレールに沿って車幅方向内側に移動可能とされた被係合手段と、エアバッグを内蔵し、前記引出口より引き出された前記ウエビングの中間部を保持し前記被係合手段に係合される係合手段と、前記シートバックの車幅方向内側かつ車体下側に設けられ、前記ウエビングの他端を巻き取る第2のリトラクタと、を備え、車体に設けられたセンサが近い側からの側面衝突を検知すると、前記引出口が車幅方向内側かつ車体下方向に移動し、前記エアバッグが膨張したのち、前記被係合手段が車幅方向内側に移動すると共に前記第1のリトラクタと前記第2のリトラクタとで前記ウエビングを巻き取ることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、シートバックの車幅方向内側肩部に設けられた引出口が車幅方向内側・車体下方向に移動し、シートバックの車幅方向外側端・車体下側端に設けられた被係合部が車幅方向内側に移動し、ウエビングの両端が第1のリトラクタ及び第2のリトラクタで巻き取られることで、乗員をシートに拘束したまま車幅方向内側に移動させることができる。また、係合手段に内蔵したエアバッグの膨張により乗員への負荷を軽減することができる。
【0009】
請求項2に記載の本発明における車両用シートベルト装置は、請求項1に記載の構成において、前記係合手段は、前記被係合手段に係合される複数の係合部を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、係合手段は複数の係合部で被係合手段に係合されることにより、乗員を移動させる際に高い強度をもって荷重に耐えることができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明における車両用シートベルト装置は、請求項1または請求項2に記載の構成において、前記シートバックの、前記レールよりも車体前側には前記レールに沿って車幅方向に脆弱部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、被係合手段はシートバックに設けられた脆弱部を切断しながら車幅方向内側に移動することで、スムーズな移動を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車両用シートベルト装置は上記構成としたので、側突時に乗員を車幅方向内側に迅速に引き込むことができるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<構造の概要>
本発明に係る樹脂部材の取付構造の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0015】
なお、各図において、図中矢印FRは車体前方方向を、矢印REは車体後方方向を、矢印UPは車体上方方向を、矢印INは車体内側を、矢印OUTは車体外側を示す。
【0016】
図1には、本発明が適用された実施形態に係る車両用シートベルト装置を備えたシート10が示されている。
【0017】
シート10はドア70の車幅方向内側において、車室の床面と略平行に配設されたシートクッション14と、シートクッション14の車体後方端から車体上方に立設されたシートバック12とからなり、シート10には着座した乗員をシート10上に拘束するシートベルト20が設けられている。シートベルト20は、ショルダアンカ28からベルトタング部32までのショルダベルト24と、ベルトタング部32からリトラクタ34までのラップベルト26と、の二つからなるウエビング22および周囲の補器類から構成されている。
【0018】
すなわち、シートバック12の車幅方向内側の肩部に設けられたショルダアンカ28の引出口30より引き出されたウエビング22が、乗員11の上半身を車体前方で斜めに横切って拘束しつつベルトタング部32で折り返される。
【0019】
ベルトタング部32で折り返されたウエビング22は車幅方向内側に向かい、乗員の下肢を車体上側より拘束しながらシートクッション14の車幅方向内側に設けられたリトラクタ34に巻き取られる。
【0020】
ショルダアンカ28はシートバック12の車幅方向内側の肩部に設けられたスリット13に沿って矢印29のように車体下側に移動可能とされている。これによりショルダアンカ28に設けられた引出口30もまた車体下側に移動可能となる。
【0021】
ベルトタング部32が係合されるバックル40は、シートバック12内部で車幅方向に延設、固定されたレール46に沿ってシートバック12内を移動する可動部44に、保持部42で固定され、可動部44の移動に伴って車幅方向に移動可能とされている。
【0022】
図3には、本発明が適用された実施形態に係るシート10の、車幅方向内側の肩部近傍の構造が示されている。
【0023】
図3(A)に示すように、シートバック12の車幅方向内側の肩部にはスリット13が設けられ、引出口30が設けられたショルダアンカ28がスリット13に沿って移動可能とされている。
【0024】
ショルダアンカ28は、車体前後方向に通された回転軸60Cを中心として、回転軸60Cと直交する平面上で矢印60Dの方向に回転可能となるように、シートバック12内に設けられた回転体60の外縁部に設けられており、スリット13からショルダアンカ28がシートバック12の外へ出る構成とされている。
【0025】
また回転体60には、ウエビング22を巻き取るリトラクタ62が設けられており、ウエビング22はリトラクタ62から引出口30を通ってシートバック12の外へと引き出され、ショルダベルト24となる。
【0026】
図3(B)に示すように、回転体60は回転軸60Cを中心として回転可能に保持されており、通常は周縁部に設けられた被係合部60Aに、ストッパ68が係合することで回転しないように固定されている。
【0027】
また回転体60の外周の一部には直径方向に凹とされた内溝61が設けられており、この内溝61に嵌合するようにアブソーバ66が設けられている。アブソーバ66は一端を回転軸66Cでシートバック12に回転可能に支持された中空の外筒66Aと、外筒66Aの内部にスライド可能に嵌め込まれ、回転軸66Cから遠い方の端部を回転軸60Bで内溝61の内部に回転可能に支持された内筒66Bとから構成されている。内筒66Bは図3(B)に示すように中空の筒状構造とされていてもよい。
【0028】
アブソーバ66の近傍には作動時にガスを発生するインフレータ64が設けられ、チューブ65Bで外筒66Aと接続されている。同様にインフレータ64はチューブ65Aで被係合部60Aにも接続されている。これによりインフレータ64で発生するガスは、チューブ65Bを通って外筒66Aへ送られる。同時にガスはチューブ65Aを通って被係合部60Aへも送られる構造とされている。
【0029】
図4には、本発明が適用された実施形態に係るシート10の、ベルトタング部の構造が示されている。
【0030】
図4に示すように、ベルトタング部32は外周にスリット32Aが設けられ、巻き掛けられたウエビング22を乗員の車幅方向外側の腰骨近傍までガイドする。
【0031】
ベルトタング部32は中空の略箱形状とされており、内部には作動時にガスを発生するインフレータ36が設けられると共に、インフレータ36で発生したガスにより膨張するエアバッグ38が畳まれて収納されている。またベルトタング部32の車幅方向内側にはエアバッグ38が膨張する際の出口となる脆弱部38Aが設けられている。
【0032】
またベルトタング部32の車体後方側には、後述するバックル40に係合される一対のタングプレート33が設けられている。タングプレート33は図4に示すように、略同一平面上に複数設けられていてもよく、更にタングプレート33を経由して図示しない電気回路によりバックル40からインフレータ36の動作信号を受ける構造とされていてもよい。
【0033】
図5、図6には、本発明が適用された実施形態に係るシート10の、シートバック内部の構造が示されている。
【0034】
図5に示すように、シートバック12の内部にはレール46が車幅方向に延設されている。レール46には可動部44が、車幅方向内側に矢印41のようにスライド移動可能に設けられ、可動部44より突設された保持部42にてバックル40が車体前方側に保持されている。バックル40にはタングプレート33が挿入・固定される挿入孔40Aが設けられている。
【0035】
レール46は車幅方向内側に設けられた固定部48、および図示しない固定部材でシートバック12の内部に固定されている。また図5のようにレール46は複数設けられていても、あるいは長方形断面などとされていてもよく、可動部44がスライド移動中に車体上下方向に傾くことを防止している。
【0036】
シートバック12の車体前方側の表皮12Aには、可動部44が移動する際の保持部42の軌跡に沿って、ミシン目や薄肉部分などの脆弱部43が設けられており、可動部44が車幅方向内側すなわち矢印41の方向にスライド移動する際の抵抗を低減する構成とされている。
【0037】
図6に示すように、可動部44にはアブソーバ52が接続され、アブソーバ52はチューブ51でインフレータ50と接続されている。アブソーバ52は中空の略筒形状をした外筒52A内に、長手方向にスライド可能に中空の内筒53が挿入され、車幅方向すなわちレール46と略平行に延設されている。
【0038】
可動部44にはレール46と略直交する面に沿って凹となる、被係合部44Aが設けられ、被係合部44Aに嵌合するストッパ56で、可動部44をレール46上で車幅方向に固定している。被係合部44Aには内筒53からチューブ53Aが接続され、外筒52Aまで連通している。
【0039】
アブソーバ52の近傍には作動時にガスを発生するインフレータ50が設けられ、チューブ51で外筒52Aと接続されている。インフレータ50で発生するガスは、チューブ51を通って外筒52Aへ送られる。同時にガスは内筒53、チューブ53Aを通って被係合部44Aへも送られる構造とされている。これにより被係合部44Aに達したガスがストッパ56を押し出し、可動部44をレール46に沿って移動可能とする。内筒53はガス圧で外筒52Aより長手方向に押し出され、矢印41のように車幅方向内側に移動する。
【0040】
内筒53と可動部44とはチューブ53A、あるいは図示しない連結部材にて連結されており、内筒53の車幅方向内側への移動に伴って可動部44もまた車幅方向内側に移動する。これに伴い、可動部44に設けられた保持部42、および保持部42に保持されたバックル40もまた車幅方向内側に移動する構成とされている。
【0041】
図7には、本発明が適用された実施形態に係るシート10の、シートベルトの動作シークエンスが示されている。
【0042】
図7(A)に示すように、乗員11はショルダベルト24にて車幅方向内側肩部方向より車幅方向外側、車体下側方向にかけてベルトタング部32まで斜めに保持されている。この状態で車幅方向外側より、シート10に近い側の側面への衝突が発生すると、図示しない側面衝突センサからの信号がベルトタング部32へバックル40を経由して伝達され、ベルトタング部32内のインフレータ36が作動し、エアバッグ38が膨張する。
【0043】
同時にシートバック12に内蔵されたインフレータ64にも信号が伝達され、ガスが発生しアブソーバ66を延伸させる。回転体60は延伸したアブソーバ66に押されて回転し、これにより図7(B)に示すように、ショルダアンカ28は矢印29のように、車体下方向に移動する。
【0044】
次いでシートバック12内部のインフレータ50にも同様に信号が伝達されてガスが発生し、アブソーバ52を延伸させる。アブソーバ52は可動部44を車幅方向内側に移動させ、図7(C)に示すようにベルトタング部32を車幅方向内側に移動させる。
【0045】
このときシートバック12内のリトラクタ62、およびシートクッション横のリトラクタ34でそれぞれショルダベルト24、ラップベルト26を巻き取ることにより、ウエビング22に弛みが発生せず乗員11を拘束したまま矢印41のように車幅方向内側に移動させる。
【0046】
<作用効果>
次に本発明の作用および効果について説明する。
【0047】
図2(B)に示すように、側面衝突によりドア70が車室内(車幅方向内側)に進入した際、乗員11をなるべく速やかにドア70と干渉しない位置、すなわち車幅方向内側に移動させることが望ましい。
【0048】
本実施形態では側面衝突時にシートバック12の車幅方向内側の肩部に設けられ、引出口30を備えたショルダアンカ28が、ショルダベルト24を引き込みながら矢印29のように車体下方向に移動する。これによりショルダベルト24の引き込み方向が水平方向に近付き、ショルダベルト24の引き込み力を高めることができる。
【0049】
従来例ではショルダベルト24のアンカは通常、Bピラーに設けられていたため、ショルダベルト24を引き込みながら乗員11を車幅方向内側に退避させることは難しい。また側面衝突に対応するためにショルダベルト24を引出しながら乗員11を退避させればショルダベルト24が緩む虞があった。
【0050】
本実施形態ではショルダアンカ28はシートバック12の車幅方向内側肩部に設けられているため、ショルダベルト24を引き込みながら乗員11を退避させることができる。このため、ショルダベルト24が緩む虞はなく、例えば乗員11の上体のみが車幅方向外側に取り残され、ドア70と干渉するような事態を回避することもできる。
【0051】
さらに車幅方向内側、すなわち助手席側において乗員11の肩位置を規制できるので、ショルダベルト24の引き込みによって乗員11が車幅方向内側に行き過ぎ、助手席や助手席側の乗員と干渉する事態を回避できる。
【0052】
加えて、車体がロールオーバーした際にもショルダベルト24を引き込みながら乗員11を車幅方向内側に移動、位置規制することができるので、乗員11がシート10から転落する事態を避けることができる。
【0053】
また、図2(A)に示すように、このとき同時にベルトタング部32が車幅方向内側に矢印41のように移動する。このベルトタング部32が乗員11の腰部を車幅方向内側に押すことで、ショルダベルト24およびラップベルト26の引き込み力と加えてスムーズに乗員11を移動させることができる。
【0054】
さらにベルトタング部32に内蔵されたエアバッグ38が膨張することで、車幅方向外側から乗員11の腰部を押す際に、乗員11にかかる負荷を低減させることができる。
【0055】
ベルトタング部32にはエアバッグ38を内蔵するためサイズが大きく、またバックル40とベルトタング部32との間には瞬間的に大きな負荷がかかる。このため、両者を係合するタングプレート33は複数設けられ、負荷に耐えることができるのに加え、バックル40よりベルトタング部32に内蔵されたインフレータ36を作動させる信号を伝達する端子として使用することができる。
【0056】
また、ベルトタング部32を保持する保持部42はシートバック12の車体前方側の表皮12Aを裂きながら車幅方向内側に移動する。予め保持部42の軌跡に沿って、ミシン目や薄肉部分などの脆弱部43が設けられていることで、図2(A)に示す矢印41のように保持部42がスライド移動する際の抵抗を低減することができる。
【0057】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0058】
すなわち、上記実施形態では車体前側の運転席を例としたが、これに限定せず助手席、あるいは後部座席であっても本発明を応用することができる。また、上記実施形態では側面衝突によりドアが車室内に進入する場合を例に挙げて説明したが、これ以外であっても、例えばリアドアのない2ドアボデーの後部座席などであっても本発明を適用することが可能である。
【0059】
また、回転体60の回転やベルトタング部32の移動にはインフレータで発生したガス圧で伸長するアブソーバを用いる以外にも、バネによる反発力やモータなどを使用してもよい。
【0060】
あるいは、上記実施形態のように一本のウエビングをベルトタング部で折り返すかわりに、ショルダアンカからベルトタング部までを一本のショルダベルトとし、ベルトタング部からリトラクタまでを別個に独立した一本のラップベルトとする構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シートベルト装置を備える車室を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるシートの構造と動作を示した模式図である。
【図3】図2に示されるシートの構造の一部を示す拡大図である。
【図4】図2に示されるシートのベルトタング部の構造を示す拡大斜視図である。
【図5】図2に示されるシートのシートバックの構造を示す斜視図である。
【図6】図5に示されるシートバックの構造の一部を示す拡大図である。
【図7】本発明の実施形態に係る車両用シートベルト装置の動作を示す模式図である。
【符号の説明】
【0062】
10 シート
11 乗員
12 シートバック
13 スリット
14 シートクッション
20 シートベルト
22 ウエビング
24 ショルダベルト
26 ラップベルト
28 ショルダアンカ
30 引出口
32 ベルトタング部(係合手段)
33 タングプレート
34 リトラクタ(第2のリトラクタ)
36 インフレータ
38 エアバッグ
40 バックル(被係合手段)
41 矢印
42 保持部
43 脆弱部
44 可動部
46 レール
48 固定部
50 インフレータ
51 チューブ
52 アブソーバ
56 ストッパ
60 回転体
62 リトラクタ(第1のリトラクタ)
64 インフレータ
66 アブソーバ
68 ストッパ
70 ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバックに内蔵され、ウエビングの一端を巻き取る第1のリトラクタと、
前記シートバックの車幅方向内側肩部に設けられ、車幅方向内側かつ車体下方向に移動可能とされ、前記ウエビングが引き出される引出口と、
前記シートバックの車幅方向外側端かつ車体下側端に設けられ、前記シートバック内に車幅方向に延設されたレールに沿って車幅方向内側に移動可能とされた被係合手段と、
エアバッグを内蔵し、前記引出口より引き出された前記ウエビングの中間部を保持し前記被係合手段に係合される係合手段と、
前記シートバックの車幅方向内側かつ車体下側に設けられ、前記ウエビングの他端を巻き取る第2のリトラクタと、を備え、
車体に設けられたセンサが近い側からの側面衝突を検知すると、前記引出口が車幅方向内側かつ車体下方向に移動し、前記エアバッグが膨張したのち、前記被係合手段が車幅方向内側に移動すると共に前記第1のリトラクタと前記第2のリトラクタとで前記ウエビングを巻き取ることを特徴とする車両用シートベルト装置。
【請求項2】
前記係合手段は、前記被係合手段に係合される複数の係合部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
【請求項3】
前記シートバックの、前記レールよりも車体前側には前記レールに沿って車幅方向に脆弱部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用シートベルト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234314(P2009−234314A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79811(P2008−79811)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】