説明

車両用シート変形抑制構造

【課題】車両側突時における車両用シートの変形を十分に抑制することのできる車両用シート変形抑制構造を提供する。
【解決手段】シートロッド33の車幅方向外側端部に、モーメントキャンセルプレート34を設ける。他車両が側突してセンタピラー7が車室空間に進入した場合に、進入したピラーインナ14をモーメントキャンセルプレート34の上側部分に当接させ、モーメントキャンセルプレート34のうちシートロッド33との接合部よりも下方に位置する部分を、接合部を支点としてロッカ6側へ移動させると共に、ロッカインナ11の側面11aに当接させる。これによって、モーメントキャンセルプレート34との接合部を支点として、曲げモーメントM1と反対方向の(図3における時計回り)キャンセルモーメントM2をシートロッド33に作用させ、曲げモーメントM1の一部あるいは全てを打ち消す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側突時における車両用シートの変形を抑制する車両用シート変形抑制構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シート変形抑制構造として、例えば特開2001−130446号公報に記載されるように、シート内で車幅方向に延びるシートロアフレームの車幅方向外側端部に平板を設け、センタピラーのピラーインナに車両側方からの他車両の衝突によって荷重が入力される際に平板と係合する係合部材を設けたものが知られている。このような車両用シート変形抑制構造においては、他車両が自車両の側面から衝突して車両側方から荷重が入力されると、センタピラーが車室空間に進入してくる。このとき、係合部材がシートロアフレームの車幅方向外側端部の平板と係合することによって、車両側方からの荷重がシートロアフレームに伝達される。これによりシートロアフレームはシートごと車両内側に移動し、その車幅方向内側端部と車両中央位置のフロアトンネルとが接触することによって、荷重がフロアトンネルに入力される。これによって、シートの移動・変形を抑制している。
【特許文献1】特開2001−130446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような車両用シート変形抑制構造にあっては、車両側突時においてシートに作用する上下方向の曲げモーメントに対する抑制効果が不十分であり、シートが上周りに回転して変形することを十分に抑制することができなかった。
【0004】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、車両側突時における車両用シートの変形を十分に抑制することのできる車両用シート変形抑制構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用シート変形抑制構造は、車両用シートに取り付けられ、シートロッドの端部に設けられ、下端部側がロッカと車幅方向に対向する変形抑制部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この車両用シート変形抑制構造では、シートロッドの車幅方向外側の端部に設けられた変形抑制部材の下端部側が、ロッカと車幅方向に対向している。従って、他車両が自車両に側面から衝突することによって、センタピラーやドアが車室空間へ進入して、シートロッドがセンタピラーやドアから上下方向の曲げモーメントを受けた場合に、変形抑制部材の下端部側がロッカ側に移動すると共に当該ロッカに当接する。変形抑制部材の下端部側がロッカと当接するとロッカから反力を受けるため、車両側突による曲げモーメントを打ち消すようなキャンセルモーメントが、変形抑制部材との接合部を支点としてシートロッドに作用する。これによって、車両側突時のシートロッドの曲げ変形を抑制することができ、車両用シートの変形も十分に抑制することができる。
【0007】
本発明に係る車両用シート変形抑制構造において、変形抑制部材は、車両側突時に下端部側がロッカに当接するように配置されていることが好ましい。変形抑制部材の下端部側が、車両側突時にロッカに当接するように配置されているため、シートロッドに確実にキャンセルモーメントを作用させることができる。
【0008】
本発明に係る車両用シート変形抑制構造において、変形抑制部材の下端部側には、ロッカに向かって突出する凸部が形成されていることが好ましい。変形抑制部材が下端部側に凸部を有することによって、変形抑制部材とロッカとの距離を狭くすることができる。これによって、車両側突時に変形抑制部材の下端部側を正確にロッカに当接させることができると共にいち早くロッカに当接させることができ、シートロッドに確実にキャンセルモーメントを作用させることができる。
【0009】
本発明に係る車両用シート変形抑制構造において、ロッカの車幅方向内側の側面には、変形抑制部材に向かって突出する凸部が形成されていることが好ましい。ロッカの車幅方向内側の側面に凸部が形成されることによって、変形抑制部材とロッカとの距離を狭くすることができる。これによって、車両側突時に変形抑制部材の下端部側を正確にロッカに当接させることができると共にいち早くロッカに当接させることができ、シートロッドに確実にキャンセルモーメントを作用させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両側突時における車両用シートの変形を十分に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用シート変形抑制構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用シート変形抑制構造を正面から見た断面図である。なお、本実施形態においては、助手席側の車両用シートのみについて説明しており、図1における紙面右側を「車幅方向外側」とし、図1における紙面左側を「車幅方向内側」として説明する。
【0013】
本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1は、車室空間の床面を構成するフロア2と、フロア2の車幅方向中央位置で運転席と助手席との間に設けられたトンネル4と、フロアの車幅方向両端側で車両前後方向に延びる一対のロッカ6と、車幅方向両端側における車両前後方向中央位置で上下方向に延びる一対のセンタピラー7と、フロア2上でロッカ6とトンネル4との間の空間にそれぞれ配置される一対の車両用シート8とを備えて構成されている。なお、図1においては、助手席側のみのロッカ6、センタピラー7及び車両用シート8が示されている。
【0014】
フロア2は、車両下側で水平方向に広がるパネル状の部材であり、車両の車室空間の床面を構成するものである。また、このフロア2の車幅方向の中央位置を断面台形状に押し出して突出させることによって、トンネル4が形成される。このトンネル4の上面にはコンソールボックス9が配置されている。このコンソールボックス9は、車両側突時に車幅方向内側に移動する車両用シートを受け止めて支持するべく、その車幅方向の側面が補強部材(不図示)などによって補強されていることが好ましい。
【0015】
ロッカ6は、フロア2の車幅方向の端部で車両前後方向に延びることによって車体下側の骨格部材を構成し、車両前後方向からの衝撃を他の骨格部材へ伝達する機能を有するものである。このロッカ6は、断面略コ字状のロッカインナ11とロッカアウタ12とを車幅方向に向かい合わせ、それぞれの溶接代同士を溶接することによって構成される略四角形状の中空部材である。ロッカ6は、フロア2の車幅方向外側の縁部に沿って配置されており、そのフロア2の縁部がロッカインナ11の側面11aの下端部分に溶接などで結合されることによって、フロア2に連結されている。
【0016】
センタピラー7は、車両のボディと屋根(不図示)とを支持する支持柱であり、断面略コ字状で車両上下方向に延びるピラーアウタ13に平板状で車両上下方向に延びるピラーインナ14を溶接することによって閉断面に構成されている。センタピラー7の下端部は、ロッカ6に溶接などによって連結されている。
【0017】
トンネル4とフロア2の間の角部には上面が水平面とされたブラケット16が設けられており、このブラケット16の上面には車両用シート8を支持するための断面長方形状のシートレッグ18が車両前後方向に延びるように設けられている。シートレッグ18の上面には、車両用シート8を前後方向にスライド可能とするためのロアレール17が設けられている。一方、ロッカ6とフロア2の間の角部には上面が水平面とされたブラケット19が設けられており、このブラケット19の上面には車両用シート8を支持するためのシートレッグ22が車両前後方向に延びるように設けられている。シートレッグ22の上面には、車両用シート8を前後方向に移動可能に支持するためのロアレール21が設けられている。なお、ブラケット19の上面は車幅方向内側のブラケット16の上面と同一の高さを有しており、シートレッグ22は車幅方向内側のシートレッグ18と同形状をなし、ロアレール21も車幅方向内側のロアレール17と同形状をなしている。
【0018】
車両用シート8は、乗員が座るための座席部23と乗員がもたれかけるためのシートバック部24とから構成されている。これらの座席部23及びシートバック部24は、金属部材で形成された骨格をクッション材で覆うことによって構成されている。なお、図1においては、車両用シート8の骨格のみを示し、それらを覆うクッション材は省略されている。
【0019】
車両用シート8のシートバック部24は、金属製のパイプ材によって矩形環状に形成されたバックシートフレーム26を骨格として構成されており、その下端部側がリクライニング機構(不図示)を介して座席部23の後側端部に傾斜可能に取り付けられている。
【0020】
車両用シート8の座席部23は、バックシートフレーム26の下端部を車幅方向両側から挟み込むように互いに対向配置されて、ロアレール17,21の上方でそれぞれ車両前後方向に延在する一対の長方形板状のベースプレート27,28を備えている。車幅方向内側のベースプレート27の下面には、シートレッグ18のロアレール17に対してスライド可能に嵌め込まれるアッパレール31が設けられている。また、車幅方向外側のベースプレート28の下面には、シートレッグ22のロアレール21に対してスライド可能に嵌め込まれるアッパレール32が設けられている。これによって、車両用シート8は、シートレッグ18,22によって車両前後方向にスライド可能に支持される。
【0021】
車両用シート8の座席部23には、ベースプレート27,28の後部側で車幅方向に延びて、その両端がそれぞれベースプレート27,28に支持されるシートロッド33が設けられている。このシートロッド33の車幅方向内側端部はコンソールボックス9の側面と対向しており、車幅方向外側端部はセンタピラー7やドアのインナパネルと対向するように配置されている。シートロッド33は、車両側突時にセンタピラー7やドアが車室空間に進入してきた場合に、車幅方向外側端部から車幅方向内側へ向かう荷重を受けて移動し、車幅方向内側端部でコンソールボックス9と衝突して受け止められることによって、車両用シート8の移動及び変形を抑制する機能を備えている。なお、シートロッド33の車幅方向内側端部はトンネル4の側面と対向し、衝突時にトンネル4と衝突して受け止められてもよく、その場合はトンネル4の側面に補強部材などが取り付けられることによって補強されることが好ましい。
【0022】
シートロッド33の車幅方向外側端部33aはベースプレート28を貫通しており、その先端にはモーメントキャンセルプレート(変形抑制部材)34が設けられている。図2は、モーメントキャンセルプレート34の斜視図である。図2に示すように、モーメントキャンセルプレート34は、中央位置にシートロッド33が嵌め込まれる貫通孔36が形成されている平板状の本体部37と、本体部37の下端部を断面L字状に屈曲させることによって形成される凸部38とを備えて構成される。
【0023】
図1に戻り、モーメントキャンセルプレート34は、シートロッド33の車幅方向外側端部33aに取り付けた場合、本体部37が車両上下方向に拡がり、その下端部側がロッカ6の車幅方向内側の側面11aと車幅方向に対向する位置まで延びるような位置関係をなす。また、本体部37の上端部側がベースプレート28の上端部の上方あるいは同じ高さまで延び、少なくとも、車両側突時においてセンタピラー7やドアが車室空間に進入してきた場合に、当該センタピラー7やドアと接触する程度の高さまで延びるような位置関係をなす。
【0024】
また、モーメントキャンセルプレート34の凸部38は、車幅方向外側のロッカ6に向かって突出し、その車幅方向外側端部38aが、ロッカインナ11の側面11aの上側部分と所定間隔で対向する。このモーメントキャンセルプレート34は、金属や樹脂から形成されており、その中身に空間が形成されていない中実タイプ(ソリッドタイプ)のプレートが用いられている。
【0025】
次に、本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1の作用・効果について、図3〜図5を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1を採用した車両に他車両が側突した場合の様子を示す図である。図4は、従来の変形抑制構造を採用した車両の構成を示す図であり、図1に対応する図である。図5は、従来の変形抑制構造を採用した車両に他車両が側突した場合の様子を示す図である。
【0026】
本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1では、シートロッド33の車幅方向外側端部には、車両上下方向に広がる本体部37と、ロッカ6に向かって突出すると共にその車幅方向外側端部38aがロッカインナ11の側面11aの上側部分と対向する凸部38とを備えるモーメントキャンセルプレート34が設けられている。図3に示すように、他車両が側突してセンタピラー7が車室空間に進入した場合に、進入したピラーインナ14がモーメントキャンセルプレート34の本体部37の上側部分に当接する。このとき、シートロッド33に車幅方向内側への荷重P1が作用すると共に、上下方向(図3における反時計回り)の曲げモーメントM1が作用する。なお、車幅方向内側への荷重P1が作用することによって、シートロッド33は車幅方向内側へ移動し、その車幅方向内側端部がコンソールボックス9あるいはトンネル4の側面と衝突して受け止められることによって、P3の反力が作用する。
【0027】
モーメントキャンセルプレート34の上側部分にセンタピラー7から荷重が入力されることによって、モーメントキャンセルプレート34のうちシートロッド33との接合部よりも下方に位置する凸部38は、接合部を支点としてロッカ6側へ移動すると共に、車幅方向外側端部38aがロッカインナ11の側面11aに当接する。車幅方向外側端部38aがロッカインナ11の側面11aと当接すると、凸部38がロッカ6から反力P2を受ける。
【0028】
これによって、モーメントキャンセルプレート34との接合部を支点として、曲げモーメントM1と反対方向の(図3における時計回り)キャンセルモーメントM2がシートロッド33に作用する。キャンセルモーメントM2は曲げモーメントM1と反対方向に作用するため、曲げモーメントM1の一部あるいは全てを打ち消すことができる。これによって、車両側突時のシートロッド33の曲げ変形を抑制することができ、車両用シート8の変形も十分に抑制することができる。
【0029】
ここで、比較のため、従来の車両用シート変形抑制構造51について説明する。図4に示すように、従来の車両用シート変形抑制構造51は、車両用シート52の座席部53内で車幅方向に延びるシートロッド54が設けられているだけの構成であり、モーメントキャンセルプレートなどの変形抑制部材が設けられていない。
【0030】
このような車両用シート変形抑制構造51にあっては、図5に示すように、車両側突時におけるセンタピラー7からの荷重がシートロッド54よりも上側の位置に入力され、シートロッド54には車幅方向内側への荷重のみならず上下方向(図5における反時計回り)の曲げモーメントM3が作用する。そのため、シートロッド54自体の強度を増したり、車両用シート52の骨格部材自体の強度を増す必要があり、車体の質量が重くなったり、コストが高くなってしまう場合があった。
【0031】
一方、本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1では、モーメントキャンセルプレート34を設けることによって、曲げモーメントを打ち消すことのできるキャンセルモーメントを発生させることが可能となるため、シートロッド33や骨格部材自体の強度を増して、車体質量を重くしたりコストを高くすることなく、車両用シートの変形を抑制することができる。
【0032】
また、モーメントキャンセルプレート34の下端部側に、ロッカ6に向かって突出する凸部38が形成されていることによって、モーメントキャンセルプレート34とロッカ6との車幅方向の距離を狭くすることができる。これによって、車両側突時にモーメントキャンセルプレート34の下端部を正確にロッカ6に当接させることができると共にいち早くロッカ6に当接させることができ、シートロッド33に確実にキャンセルモーメントM2を作用させることができる。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0034】
例えば、本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造1では、モーメントキャンセルプレート34は、中実タイプ(ソリッドタイプ)のものが用いられているが、これに限らず、図6に示すように、中空タイプのモーメントキャンセルプレート61を用いても良い。このモーメントキャンセルプレート61は、外形はモーメントキャンセルプレート34と同一であるが、その内部が中空とされると共に、複数の補強リブ62が設けられることによって補強がなされている。このようなモーメントキャンセルプレート61は、樹脂成形によって形成される。モーメントキャンセルプレートを中空とすることによって部品の軽量化を図ることができる。
【0035】
また、車両用シート変形抑制構造1では、モーメントキャンセルプレート34に凸部38を設けることによって、下端部とロッカ6の距離を狭める構成としていたが、これに代えて、モーメントキャンセルプレート71に凸部を設けずに、ロッカ6側にガーニッシュ(凸部)72を設けることによって、モーメントキャンセルプレート71の下端部とロッカ6の距離を狭める構成としてもよい。
【0036】
具体的には、図7に示すように、本体部のみからなる平板状のモーメントキャンセルプレート71を用いると共に、ロッカ6のロッカインナ11の側面11aの上側部分と上面11bを覆うように、車両前後方向に延びるようなガーニッシュ72を取り付ける。このガーニッシュ72の側面部72aは、モーメントキャンセルプレート71の下側部分の側面と車幅方向に所定間隔で対向している。図8に示すように、ガーニッシュ72は、略水平方向に広がる上面部72bと、上面部72bの車幅方向内側端部から下方へ垂直に広がる側面部72aとを備えて構成されている。また、ガーニッシュ72の側面部72aの内面には、車幅方向外側へ向かって延びてロッカ6の側面11aと接触することによって、側面部72aの車幅方向の強度を高めるための補強リブ73,74,75が形成されている。一番下の補強リブ75の車幅方向外側端部には、ロッカ6の側面11aと接触するような取付代76が形成されている。また、ガーニッシュ72は、上面部72bの貫通孔77にボルトを挿通させてロッカ6の上面11bに螺着させることによって、ロッカ6に固定される。
【0037】
このように、ロッカ6の車幅方向内側の側面11aの上端側に、モーメントキャンセルプレート71に向かって突出するようなガーニッシュ72が形成されることによって、モーメントキャンセルプレート71とロッカ6との車幅方向の距離を狭くすることができる。これによって、車両側突時にモーメントキャンセルプレート71の下端部を正確にロッカ6のガーニッシュ72に当接させることができると共にいち早く当接させることができ、シートロッドに確実にキャンセルモーメントを作用させることができる。
【0038】
なお、ロッカ6にガーニッシュ72を設ける代わりに、プレス加工によって、ロッカ6のロッカインナ11自体をモーメントキャンセルプレート71に向かって突出する形状に形成してもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、モーメントキャンセルプレートのみに凸部を設けるか、ロッカのみに凸部を設けているが、モーメントプレート及びロッカの両方に凸部を設けてもよい。これによって、モーメントキャンセルプレートの下端部側とロッカとの車幅方向の距離を一層狭くすることができる。
【0040】
また、本実施形態においては、助手席側の車両用シートについてのみ説明したが、運転席側の車両用シートについても同様の構造を採用することによって、変形を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用シート変形抑制構造を正面から見た断面図である。
【図2】モーメントキャンセルプレートの斜視図である。
【図3】本実施形態に係る車両用シート変形抑制構造を採用した車両に他車両が側突した場合の様子を示す図である。
【図4】従来の変形抑制構造を採用した車両の構成を示す断面図であり、図1に対応する図である。
【図5】従来の変形抑制構造を採用した車両に他車両が側突した場合の様子を示す図である。
【図6】変形例に係るモーメントキャンセルプレートの斜視図である。
【図7】変形例に係る車両用シート変形抑制構造を示す断面図であり、図1に対応する図である。
【図8】図7に示すガーニッシュの斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1…車両用シート変形抑制構造、8…車両用シート、23…座席部、33…シートロッド、33a…車幅方向外側端部、34…モーメントキャンセルプレート(変形抑制部材)、38…凸部、72…ガーニッシュ(凸部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートの座席部に取り付けられ、車幅方向に延びるシートロッドと、
前記シートロッドの端部に設けられ、下端部側がロッカと車幅方向に対向する変形抑制部材と、を備えることを特徴とする車両用シート変形抑制構造。
【請求項2】
前記変形抑制部材は、車両側突時に前記下端部側が前記ロッカに当接するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用シート変形抑制構造。
【請求項3】
前記変形抑制部材の前記下端部側には、前記ロッカに向かって突出する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用シート変形抑制構造。
【請求項4】
前記ロッカの車幅方向内側の側面には、前記変形抑制部材に向かって突出する凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の車両用シート変形抑制構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−36863(P2010−36863A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205684(P2008−205684)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】