説明

車両用ブレーキ制御装置

【課題】W/Cに対してジャンピングに十分なブレーキ液が供給できるようにすることで、制動初期におけるブレーキフィーリングの悪化を防止できるようにする。
【解決手段】ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれる前に、ストロークセンサ11aにてドライバがブレーキペダル11を踏み込んでいることを検出する。そして、それが検出されたときに、モータ60の回転数をジャンピングに必要な分のブレーキ液が吐出できるような高回転数に設定されるようにする。これにより、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれたときから、ポンプ駆動により吐出されるブレーキ液量をジャンピング時の液圧制動力の立ち上げに対応できる量に高めることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液を用いて液圧制動力を発生させる液圧ブレーキ装置に倍力装置(ブレーキブースタ)を備えることでドライバの踏力を倍力できるように構成している車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1において、倍力比が2段階に変わる倍力装置を備えた車両用ブレーキ制御装置が開示されている。この車両用ブレーキ制御装置では、ブレーキペダルの踏み込み量が小さく、ブレーキ操作力が低領域にあるときは倍力装置の倍力比が低く、ブレーキペダルの踏み込み量が大きく、ブレーキ操作量が低領域を超えると倍力装置の倍力比が高くなるような設計としている。
【特許文献1】特開2005−349880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
車両用ブレーキ制御装置では、例えばキャリパ内に備えられたブレーキパッドがディスクロータからある程度離間した位置に配置されているため、ホイールシリンダ(以下、W/Cという)に対するブレーキ液の供給量がある程度まで達しないとブレーキパッドがディスクロータに接触せず、制動力を発生させられない無効領域がある。この無効領域に対応して、倍力装置を含むマスタシリンダ側には、ドライバがブレーキペダルを踏み込んでも制動力が発生しない無効ストロークが存在し、無効ストローク以上にブレーキペダルが踏み込まれたときに制動力が発生させられる。
【0004】
このように無効ストローク以上にブレーキペダルが踏み込まれたとき、マスタシリンダ(以下、M/Cという)内に発生させるM/C圧が高められるようにすることで踏力低減を図ること、制動力の発生初期にある程度W/C圧を急に発生させた方がドライバのブレーキフィーリングに合うこと等を理由として、無効ストロークに至った瞬間にW/C圧を大きく立ち上げるジャンピングが設けられるように倍力装置などが設計されている。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示される倍力装置のように、ブレーキ操作力が低領域にあるときに倍力装置の倍力比が低くなるような設計とされる場合、倍力装置の倍力作用に基づいても十分なジャンピングを設けることができなくなる。このため、車両用ブレーキ制御装置にM/CとW/Cの間に差圧が設けられる差圧制御弁を備えると共に、M/C内のブレーキ液を吸入してW/C側に吐出できるポンプを備え、差圧制御弁によってW/C圧がM/C圧より高くできるような状態にしつつポンプによるブレーキ液吐出を行うことで、倍力装置の倍力作用で不足する分をポンプ加圧により補うことが可能となる。例えば、車両用ブレーキ制御装置にM/C圧センサを備えておき、M/C圧センサでM/C圧の発生タイミングを検出し、それと同時にポンプ駆動用のモータを回転させることで、ジャンピングに必要なW/C圧を発生させることができる。
【0006】
ところが、M/C圧センサでM/C圧の発生タイミングを検出してからモータを回転させたのでは、モータ回転初期のポンプ駆動により吐出されるブレーキ液量が不十分なため、期待するジャンピングが設けられず、制動初期のブレーキペダルフィーリングを悪化させるという問題がある。特に、W/C圧が低圧なときにはW/C圧を立ち上げるために多くのブレーキ液が消費されることになるため、それが満たせるようなモータ駆動が行えるようにしなければならない。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、W/Cに対してジャンピングに十分なブレーキ液が供給できるようにすることで、制動初期におけるブレーキフィーリングの悪化を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明では、制御手段(70、80)にて、ブレーキ操作検出手段(11a)の検出信号に基づいて、倍力装置(12)による倍力が行われる前の無効ストローク中に、ブレーキ操作部材(11)が操作されていることを検出すると、ブレーキ操作部材が無効ストローク分操作されたときに、モータ(60)を該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させた状態に制御することを特徴としている。
【0009】
このように、ブレーキ操作部材が無効ストローク分操作される前に、ブレーキ操作検出手段にてドライバがブレーキ操作部材を操作したことを検出している。そして、それが検出されたときに、モータの回転数をジャンピングに必要な分のブレーキ液が吐出できるような高回転数に設定するようにしている。このため、ブレーキ操作部材が無効ストローク分操作されたときから、ポンプ駆動により吐出されるブレーキ液量をジャンピング時の液圧制動力の立ち上げに対応できる量に高めることが可能となる。
【0010】
例えば、ペダル操作センサとしてはストロークセンサ(11a)を用いることができ、制御手段は、該ストロークセンサの検出信号に基づいて検出したブレーキペダルの操作量が無効ストロークよりも短い値に設定された第1しきい値(L)を超えたときに、モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させた状態に制御することができる。
【0011】
本発明において、制御手段は、モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させているときに、ホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧検出手段(140)を備えることで、該ホイールシリンダ圧検出手段にて検出されたホイールシリンダ圧が第2しきい値(PWC)以上になると、モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数まで回転数を低下させることができる。
【0012】
例えば、第2しきい値は、ホイールシリンダ圧と消費ブレーキ液量との関係に基づいて、消費ブレーキ液量の勾配が落ち着いたところに設定される。すなわち、ジャンピング時にはモータの回転数を高回転に上昇させる必要があるが、ある程度ホイールシリンダ圧が発生した後には少ない消費ブレーキ液量でホイールシリンダ圧を増加させることが可能となる。このため、例えば、勾配が一定値になったときを勾配が落ち着いたものと想定して、勾配が一定値となるときのホイールシリンダ圧に第2しきい値を設定することができる。
【0013】
本発明において、車輪の回転力に基づいて発電を行うことにより、車輪に対して発電に基づく抵抗力を付与することで回生制動力を発生させる回生ブレーキ装置(81〜83)を備え、制御手段にて、液圧ブレーキ装置および回生ブレーキ装置の協調制御を行うことにより、液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力および回生ブレーキ装置が発生させる回生制動力を制御することもできる。
【0014】
この場合、制御手段は、制動中に、回生ブレーキ装置による回生制動力が発生させられる状態になったときに、液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力を回生ブレーキ装置による回生制動力にすり替える制御を実行する機能が備えられるため、該すり替え時に、回生ブレーキ装置で発生させる回生制動力の分をモータにかかる負荷の軽減分として、モータの回転数を低下させることができる。
【0015】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態が適用された車両用ブレーキ制御装置1が搭載されるハイブリッド車両の各機能のブロック構成を示したものである。
【0018】
まず、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置1における液圧ブレーキ装置について説明する。図1に示されるように、車両用ブレーキ制御装置1には、ブレーキペダル11と、倍力装置12と、M/C13と、W/C14、15、34、35と、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50とが備えられており、これらによって液圧ブレーキ装置が構成されている。また、車両用ブレーキ制御装置1にはブレーキECU70が備えられている。このブレーキECU70が液圧ブレーキ装置や後述する回生ブレーキ装置の協調制御を実行する制御手段の一部として機能することで、液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力や回生ブレーキ装置が発生させる回生制動力を制御するようになっている。図2は、液圧ブレーキ装置を構成する各部の詳細構造を示した図である。
【0019】
図2に示されるように、車両に制動力を加える際にドライバによって踏み込まれるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル11には、ブレーキペダル11のストローク量に応じた検出信号を発生させるストロークセンサ11aが接続されており、このストロークセンサ11aの検出信号がブレーキECU70に伝えられることで、ブレーキペダル11の踏み込み量が検出できるようになっている。
【0020】
またブレーキペダル11には、ブレーキ液圧発生源となる倍力装置12およびM/C13に接続されており、ドライバがブレーキペダル11を踏み込むと、倍力装置12にて踏力が倍力され、M/C13に配設されたマスタピストン13a、13bを押圧する。これにより、これらマスタピストン13a、13bによって区画されるプライマリ室13cとセカンダリ室13dとに同圧のM/C圧が発生させられるようになっている。
【0021】
M/C13には、プライマリ室13cおよびセカンダリ室13dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ13eが備えられている。マスタリザーバ13eは、その通路を通じてM/C13内にブレーキ液を供給したり、M/C13内の余剰のブレーキ液を貯留したりする。なお、各通路は、各ピストン13a、13bが押されたときにはプライマリ室13cおよびセカンダリ室13dと遮断される。
【0022】
M/C13に発生させられるM/C圧は、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50を通じて各W/C14、15、34、35に伝えられるようになっている。
【0023】
ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50は、第1配管系統50aと第2配管系統50bとを有して構成されている。第1配管系統50aは、左後輪RLと右後輪RRに加えられるブレーキ液圧を制御するもので、第2配管系統50bは、左前輪FLと右前輪FRに加えられるブレーキ液圧を制御するものであり、これら第1、第2配管系統50a、50bの2配管系により前後配管が構成されている。
【0024】
以下、第1、第2配管系統50a、50bについて説明するが、第1配管系統50aと第2配管系統50bとは、略同様の構成であるため、ここでは第1配管系統50aについて説明し、第2配管系統50bについては、第1配管系統50aを参照して説明を省略する。
【0025】
第1配管系統50aには、上述したM/C圧を左後輪RLに備えられたW/C14及び右後輪RRに備えられたW/C15に伝達する主管路となる管路Aが備えられている。この管路Aを通じて、各W/C14、15それぞれにW/C圧を発生させられるようになっている。
【0026】
また、管路Aには、連通状態と差圧状態に制御できる調圧弁を備えた第1差圧制御弁16が備えられている。この第1差圧制御弁16は、通常ブレーキ状態では連通状態となるように弁位置が調整されており、ソレノイドコイルに電流が流されると差圧状態となるように弁位置が調整される。また、第1差圧制御弁16で形成される差圧量は、ソレノイドコイルに流す電流の電流値に応じたものとなり、電流値が大きいほど大きな差圧量となる関係となっている。
【0027】
この第1差圧制御弁16が差圧状態とされているときには、W/C14、15側のブレーキ液圧がM/C圧よりも所定以上高くなった際にのみ、W/C14、15側からM/C13側へのみブレーキ液の流動が許可される。このため、常時W/C14、15側がM/C13側よりも所定圧力以上高くならないように維持され、それぞれの管路の保護が成されている。
【0028】
そして、管路Aは、この第1差圧制御弁16よりもW/C14、15側の下流において、2つの管路A1、A2に分岐する。2つの管路A1、A2の一方にはW/C14へのブレーキ液圧の増圧を制御する第1増圧制御弁17が備えられ、他方にはW/C15へのブレーキ液圧の増圧を制御する第2増圧制御弁18が備えられている。
【0029】
第1、第2増圧制御弁17、18は、連通・遮断状態を制御できる2位置弁として電磁弁により構成されている。そして、これら第1、第2増圧制御弁17、18が連通状態に制御されているときには、M/C圧あるいは後述するポンプ19からのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧をW/C14、15に加えることができるようになっている。
【0030】
なお、ドライバが行うブレーキペダル11の操作による通常のブレーキ時においては、第1差圧制御弁16及び第1、第2増圧制御弁17、18は、常時連通状態に制御されている。
【0031】
また、第1差圧制御弁16及び第1、第2増圧制御弁17、18には、それぞれ安全弁16a、17a、18aが並列に設けられている。第1差圧制御弁16の安全弁16aは、第1差圧制御弁16が差圧状態とされている際にドライバによりブレーキペダル11が踏み込まれた場合に、M/C圧をW/C14、15に伝達可能とするために設けられている。また、各増圧制御弁17、18の安全弁17a、18aは、特にABS制御時において各増圧制御弁17、18が遮断状態に制御されている際に、ドライバによりブレーキペダル11が戻された場合において、この戻し操作に対応して左後輪RLおよび右後輪RRのW/C圧を減圧可能とするために設けられている。
【0032】
管路Aにおける第1、第2増圧制御弁17、18及び各W/C14、15の間と調圧リザーバ20とを結ぶ減圧管路としての管路Bには、連通・遮断状態を制御できる2位置弁として、電磁弁からなる第1減圧制御弁21と第2減圧制御弁22とがそれぞれ配設されている。そして、これら第1、第2減圧制御弁21、22は、通常ブレーキ時には、常時遮断状態とされている。
【0033】
調圧リザーバ20と主管路である管路Aの間を結ぶように、還流管路となる管路Cが配設されている。この管路Cには調圧リザーバ20からM/C13側あるいはW/C14、15側に向けてブレーキ液を吸入吐出するように、モータ60によって駆動される自吸式のポンプ19が設けられている。
【0034】
なお、ポンプ19の吐出口側には、ポンプ19に対して高圧なブレーキ液が加えられないように、安全弁19aが備えられている。また、ポンプ19が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうちポンプ19の吐出側には固定容量ダンパ23が配設されている。
【0035】
そして、調圧リザーバ20とM/C3とを接続するように、補助管路となる管路Dが設けられている。この管路Dを通じて、ポンプ19にてM/C13からブレーキ液を吸入し、管路Aに吐出することで、TCS制御時やABS制御時などにおいて、W/C14、15側にブレーキ液を供給し、対象となる車輪のW/C圧を増加できるようになっている。
【0036】
調圧リザーバ20は、管路Dに接続されてM/C3側からのブレーキ液を受け入れるリザーバ孔20aと、管路B及び管路Cに接続されW/C14、15から逃がされるブレーキ液を受け入れると共にポンプ19の吸入側にブレーキ液を供給するリザーバ孔20bとが備えられ、これらがリザーバ室20cと連通している。リザーバ孔20aより内側には、ボール弁20dが配設されている。このボール弁20dには、ボール弁20dを上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド20fがボール弁20dと別体で設けられている。
【0037】
また、リザーバ室20c内には、ロッド20fと連動するピストン20gと、このピストン20gをボール弁20d側に押圧してリザーバ室20c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング20hが備えられている。
【0038】
このように構成された調圧リザーバ20は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁20dが弁座20eに着座して調圧リザーバ20内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、ポンプ19の吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室20c内に流動することがなく、ポンプ19の吸入側に高圧が印加されないようになっている。
【0039】
一方、上述したように、第2配管系統50bは、第1配管系統50aにおける構成と略同様となっている。つまり、第1差圧制御弁16および安全弁16aは、第2差圧制御弁36および安全弁36aに対応する。第1、第2増圧制御弁17、18および安全弁17a、18aは、それぞれ第3、第4増圧制御弁37、38および安全弁37a、38aに対応し、第1、第2減圧制御弁21、22は、それぞれ第3、第4減圧制御弁41、42に対応する。調圧リザーバ20および各構成要素20a〜20hは、調圧リザーバ40および各構成要素20a〜20hに対応する。ポンプ19および安全弁19aは、ポンプ39および安全弁19aに対応する。ダンパ23は、ダンパ43に対応する。また、管路A、管路B、管路C、管路Dは、それぞれ管路E、管路F、管路G、管路Hに対応する。以上のように車両用ブレーキ制御装置1における液圧配管構造が構成されている。
【0040】
さらに、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50には、M/C13に発生したM/C圧を検出するためのM/C圧センサ61が備えられている。このM/C圧センサ61の検出信号はブレーキECU70に向けて出力される。
【0041】
ブレーキECU70は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに従って各種演算などの処理を実行する。例えば、ブレーキECU70は、車輪速度を検出する図示しない車輪速度センサの検出信号を受け取って車輪速度を求めると共に、車輪速度から車速を求めたり、車速を時間微分することにより車両の減速度を求めたりしている。このブレーキECU70からの電気信号に基づいて、上記のように構成されたブレーキ液圧制御用アクチュエータ50における各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42及びポンプ19、39を駆動するためのモータ60への電圧印加制御が実行されるようになっている。これにより、各W/C14、15、34、35に発生させられるW/C圧の制御が行われる。
【0042】
具体的には、液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力と回生ブレーキ装置が発生させる回生制動力との協調制御を行う場合、ブレーキ液圧制御用アクチュエータ50では、ブレーキECU70からモータ60および電磁弁駆動用のソレノイドに対して制御電圧が印加されると、その印加電圧に応じてブレーキ液圧制御用アクチュエータ50内の各制御弁16〜18、21、22、36〜38、41、42が駆動され、ブレーキ配管の経路が設定される。そして、設定されたブレーキ配管の経路に応じたブレーキ液圧がW/C14、15、34、35に発生させられ、各車輪に発生させられる制動力を制御できるようになっている。
【0043】
例えば、前輪FL、FRに対して液圧制動力を発生させるときには、第2差圧制御弁36を差圧状態にした状態でモータ60を駆動することによりポンプ39によるブレーキ液の吸入・吐出動作を行わせる。これにより、M/C13内のブレーキ液が管路Hおよび管路Gを通じてポンプ39に吸入され、管路Gおよび管路Eを通じて前輪FL、FRのW/C34、35に供給される。このとき、第2差圧制御弁36内の調圧弁によりM/C13側とW/C34、35側で差圧が発生させられる状態とされているため、W/C34、35が加圧され、液圧制動力が発生させられる。
【0044】
また、図1に示されるように、ハイブリッド車には、回生ブレーキ装置およびこの回生ブレーキ装置を制御するハイブリッドECU80が備えられている。
【0045】
回生ブレーキ装置は、両前輪FL、FRを連結する車軸に接続されたモータ81と、モータ81に電気的に接続されたインバータ82およびインバータ82に電気的に接続されたバッテリ83等を備えた構成とされている。モータ81は、例えば交流同期型で構成され、インバータ82にてバッテリ83が発生させる直流電流を交流電流に変換させることで、モータ81への電力供給がなされるようになっている。インバータ82は、ハイブリッドECU80の制御信号に基づいてバッテリの直流電流を交流電流に変換する役割や、モータ81によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ83の充電を行う役割を果たす。
【0046】
ハイブリッドECU80は、主として駆動系を制御するものである。このハイブリッドECU80は、車輪速度を検出する図示しない車輪速度センサの検出信号に基づいて車速を求めると共に、アクセルペダルに設置された図示しないアクセル操作量センサの出力信号を受け取ってアクセル操作量を求め、求めた車速やアクセル操作量を記憶したり、バッテリ83がフェール状態になっていないか、もしくは、満充電状態であるか否か等の状態を管理している。また、ハイブリッドECU80は、記憶した車速やアクセル操作量に基づいて回生ブレーキ制御等に必要な演算を行ったり、ブレーキECU70に対して回生ブレーキ制御に使用されるデータを供給したり、逆にブレーキECU70から必要なデータを受け取ったりする。
【0047】
そして、ハイブリッドECU80は、ブレーキECU70と協調して回生ブレーキ制御等を行い、インバータ82を制御してモータ81の作動を制御する。すなわち、ハイブリッドECU80の制御信号に基づきインバータ82にてモータ81の作動を制御し、両前輪FL、FR(もしくはこれらを連結する車軸)の回転力でモータ81を駆動させることにより発電を行い、得られた電力によりバッテリ83の充電を行う。そして、この発電の際のモータ81の抵抗力により制動力が発生させられるため、これが回生制動力として用いられる。
【0048】
このとき、ハイブリッドECU80は、実際に発生させた回生制動力(以下、回生実行制動力という)を求め、それをブレーキECU70に伝える。具体的には、モータ81が発生した逆起電力から回生実行制動力と対応する回生実行トルクを求めることができるため、周知の手法によってモータ81の逆起電力を求め、そこから回生実行制動力と対応する回生実行トルクを求める。この回生実行トルク(もしくは回生実行トルクをさらに液圧換算して求めた回生実行液圧)をブレーキECU70に伝える。
【0049】
続いて、上記のように構成された車両用ブレーキ制御装置1の作動について説明する。まず、車両用ブレーキ制御装置1の具体的な作動の説明に先立ち、その作動を行う理由について説明する。
【0050】
図3(a)、(b)は、それぞれ、制動開始からの経過時間と各制動力の関係およびモータ60の回転数の関係を表したグラフである。この図に示されるように、ドライバがブレーキペダル11の踏み込みを開始すると、その時点から無効ストローク分踏み込むまでの時間が経過するまでの間は液圧制動力も回生制動力も発生しない。その後、ブレーキ操作力を倍力装置12で倍力した力に基づいてM/C13に発生させられるM/C圧に基づく液圧制動力と、倍力装置12の倍力作用で不足する分をポンプ加圧により補うために、第1、第2差圧制御弁16、36によってW/C圧がM/C圧より高くできる状態にしてポンプ19、39によるブレーキ液吐出を行うことによる液圧制動力が発生させられる。これらの液圧制動力によりジャンピングが設けられる。
【0051】
その後、回生制動力が発生させられる状況になると、ポンプ加圧による液圧制動力が回生制動力にすり替えられ、トータルの制動力に対する回生制動力の比率が高められることで回生効率が高められる。
【0052】
この制動開始からの動作において、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれたときに、十分なジャンピングが設けられるように、無効ストローク分が踏み込まれる前の時点からモータ60の回転数を高める。これにより、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれたときから、ポンプ駆動により吐出されるブレーキ液量をジャンピング時の液圧制動力の立ち上げに対応できる量に高めることが可能となる。
【0053】
そして、制動力の立ち上げが完了し、ポンプ加圧による制動力の増加がなくなれば、ポンプ19、39で吐出させなければならないブレーキ液量も少なくできるため、モータ60の回転数も低下させることができる。さらに、回生制動力が発生させられる状況になれば、回生効率向上を図るために、ポンプ加圧に基づいて発生させている液圧制動力を回生制動力にすり替えれば、ポンプ19、39で吐出させなければならないブレーキ液量も少なくできるため、モータ60の回転数も低下させることができる。
【0054】
したがって、本実施形態では、ブレーキペダル11の操作があったことをブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれる前の時点で検出しておき、無効ストローク分踏み込まれた時点でポンプ加圧を開始したときに、ポンプ19、39にてジャンピングに必要な分のブレーキ液が吐出できるような高回転数にモータ60の回転数を設定する。
【0055】
次に、このようなモータ60の回転数を設定するためにブレーキECU70が実行する回生協調制御におけるモータ回転数設定処理について説明する。なお、回生協調制御の概略に関しては、従来と同様であるため、ここでは従来と異なるモータ回転数設定処理に関してのみ説明する。
【0056】
図4は、モータ回転数設定処理のフローチャートである。この図に示されるモータ回転数設定処理は、ブレーキECU70のROM等に予め記憶しておいたプログラムに従って実行されるもので、制動中(例えば、図示しないブレーキスイッチがONされているとき)に、予め決められた演算周期毎に実行される。
【0057】
まず、ステップ100では、入力処理を実行する。具体的には、ストロークセンサ11aの検出信号に基づいてドライバによるブレーキペダル11のストローク(踏み込み量)を求めたり、車輪速度センサからの検出信号に基づいて車速Vを求めたり、M/C圧センサ61の検出信号を入力してM/C圧を求めたり、ハイブリッドECU80から回生ブレーキ制御に必要となる様々なデータの入力を行う。M/C圧は、ブレーキペダル11のストローク量に応じて発生するため、M/C圧にてドライバの要求制動力を表している。
【0058】
次に、ステップ110では、ステップ100で求めたブレーキペダル11のストロークがしきい値Lを超えているか否かを判定する。このときのしきい値Lは、第1しきい値に相当するもので、ブレーキペダル11が踏み込まれてから無効ストロークに達する前の間の値(無効ストロークよりも短い値)に設定される。このため、このステップでの判定により、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれる前に、ドライバによる制動要求を検出することができる。
【0059】
そして、ステップ110で否定判定された場合には、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれてない状態、つまりまだ制動初期の状態と考えられる。このため、ステップ120に進み、制動初期であるか否かを示すアドレスに制動初期であることを示すデータ(制動初期=true)を記憶させて処理を終了する。
【0060】
一方、ステップ110で肯定判定された場合には、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれた状態になっていると考えられる。このため、ステップ130に進み、制動初期であるか否かを判定する。ここでの判定は、上述したステップ120で説明した制動初期であるか否かを示すアドレスに制動初期であることを示すデータ(制動初期=true)が記憶されているか、それとも後述するステップ160で説明する制動初期でないことを示すデータ(制動初期=false)が記憶されているかに基づいて行われる。そして、制動初期であるか否かを示すアドレスに制動初期であることを示すデータ(制動初期=true)が記憶されていれば肯定判定され、そうでなければ否定判定される。
【0061】
このステップ130で肯定判定されると、ステップ140に進み、現在得られているW/C圧がしきい値PWC未満であるか否かを判定する。
【0062】
現在得られているW/C圧は、例えば、現在得られている減速度から求めることが可能である。例えば、図示しない車輪速度センサの検出信号に基づいて求めた車輪速度から車速を得て、その車速を時間微分することにより、もしくは、図示しない加速度センサの検出信号から直接的に減速度を求め、その減速度を発生させていると想定される制動力を求める。そして、求めた制動力をW/C圧換算することにより、今回の演算周期におけるW/C圧が求められる。
【0063】
しきい値PWCは、第2しきい値に相当するもので、図5に示すW/C圧と消費ブレーキ液量との関係に基づいて、消費ブレーキ液量の勾配が落ち着いたところに設定している。すなわち、ジャンピング時にはモータ60の回転数を高回転に上昇させる必要があるが、ある程度W/C圧が発生した後には少ない消費ブレーキ液量でW/C圧を増加させることが可能となる。このため、例えば、勾配が一定値になったときを勾配が落ち着いたものと想定して、勾配が一定値となるときのW/C圧にしきい値PWCを設定している。
【0064】
ステップ140で肯定判定されれば、ステップ150に進み、モータ60の回転数をNmに設定する。回転数Nmとは、モータ60に掛かる負荷を考慮したときの回転数よりも高い回転数のことを意味している。例えば、ブレーキ液の粘性抵抗やW/C圧の増加量に対する消費ブレーキ液量等の負荷を考慮してモータ60の回転数が決められる。W/C圧の増加量とは、ブレーキペダル11の操作量に対応して実現したいW/C圧の増加量のことであり、そのときに発生しているW/C圧に応じて図5の特性を取るため、対応する消費ブレーキ液量が吐出できるようにモータ60の回転数が決められる。
【0065】
一方、ステップ140で否定判定されれば、ステップ160に進み、制動初期ではないものとして、制動初期であるか否かを示すアドレスに制動初期ではないことを示すデータ(制動初期=false)を記憶させてステップ170に進む。その後、ステップ170で、上述したようなモータ60に掛かる負荷を考慮して、その負荷に応じてモータ60の回転数を設定する。このとき、回生制動力を発生させられる状況になれば、その分ポンプ加圧に基づく液圧制動力を減少させることが可能となるため、回生制動力の分はモータ60に掛かる負荷の軽減分として考慮し、モータ60の回転数が低下させられる。なお、回生制動力を発生させられる状況になると、ハイブリッドECU80から回生実行トルク(もしくは回生実行トルクをさらに液圧換算して求めた回生実行液圧)がブレーキECU70に伝えられるため、それに基づいてモータ60にかかる負荷の軽減分を求めることが可能である。
【0066】
そして、ステップ150およびステップ170のようにしてモータ60の回転数が設定されると、ステップ180に進んで設定された回転数となるようにモータ60に対して設定された回転数と対応する電流値の電流を流す。
【0067】
これにより、図3に示したように、無効ストローク分踏み込まれた時点でポンプ加圧を開始したときに、モータ60の回転数をジャンピングに必要な分のブレーキ液をポンプ19、39で吐出できるような高回転数に設定しておくことができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置においては、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれる前に、ストロークセンサ11aにてドライバがブレーキペダル11を踏み込んでいることを検出している。つまり、M/C圧センサ61ではブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれてからしかM/C圧が発生しないが、ブレーキペダルストロークセンサ11aによれば無効ストローク分踏み込まれる前から、ドライバがブレーキペダル11を踏み込んだ状態を検出できる。そして、それが検出されたときに、モータ60の回転数をジャンピングに必要な分のブレーキ液が吐出できるような高回転数に設定されるようにしている。
【0069】
このため、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれたときから、ポンプ駆動により吐出されるブレーキ液量をジャンピング時の液圧制動力の立ち上げに対応できる量に高めることが可能となる。
【0070】
そして、回生制動力が発生させられる状況になれば、回生効率向上を図るために、ポンプ加圧に基づいて発生させている液圧制動力を回生制動力にすり替えれば、ポンプ19、39で吐出させなければならないブレーキ液量も少なくできるため、モータ60の回転数も低下させることができる。
【0071】
(他の実施形態)
上記実施形態では、車輪FL、FRもしくはこれらの車軸に対してモータ81が直結された構成を示したが、減速機などを通じて接続される形態もある。このような形態の車両であっても、本発明を適用することができる。
【0072】
また、上記実施形態では、ブレーキECU70およびハイブリッドECU80によって制御手段を構成した例を示したが、他のECUと共に制御手段が構成されるようにしても良い。また、上記実施形態で説明したブレーキECU70やハイブリッドECU80が有する各機能は一例として示したものであり、これらを統合した1つにECUにより各機能を実現しても構わないし、これら2つ以外のECU、例えば上述した各機能を実現する機能部が部分的に他のECUに備えられているような形態であっても構わない。
【0073】
また、ブレーキ操作部材としてブレーキペダル11を例に挙げて説明したが、ブレーキレバーであっても構わない。さらに、ブレーキ操作部材の操作に対応したドライバの要求制動力をM/C圧センサ61の検出信号に基づいて求めるようにしているが、ドライバの要求制動力と対応する出力を発生させる他のもの、例えば、ブレーキペダル11の踏力を検出する踏力センサの検出信号に基づいて求めても良い。
【0074】
また、ブレーキ操作検出手段としてストロークセンサ11aを用いる場合を例に挙げたが、ブレーキペダル11が無効ストローク分踏み込まれる前に操作されていることが検出できるものであれば良く、他の手段、例えば、ブレーキスイッチのオンオフ信号を用いても良い。
【0075】
さらに、差圧制御弁16、36として、上述した二位置弁を例に挙げたが、M/C圧に対してW/C圧の方が高くできる差圧が形成できるものであれば、リニア弁を用いたり、逆接続のプロポーショニングバルブを用いても構わない。
【0076】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。例えば、ブレーキECU70のうち、ステップ140の処理を実行する部分がホイールシリンダ圧検出手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態における車両用ブレーキ制御装置1が搭載されるハイブリッド車両の各機能のブロック構成を示した図である。
【図2】液圧ブレーキ装置を構成する各部の詳細構造を示した図である。
【図3】(a)、(b)は、それぞれ、制動開始からの経過時間と各制動力の関係およびモータ60の回転数の関係を表したグラフである。
【図4】モータ回転数設定処理のフローチャートである。
【図5】W/C圧と消費ブレーキ液量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0078】
1…車両用ブレーキ制御装置、11…ブレーキペダル、11a…ストロークセンサ、
12…倍力装置、13…M/C、14、15、34、35…W/C、
16、36…差圧制御弁、19…ポンプ、
50…ブレーキ液圧制御用アクチュエータ、60…モータ、
61…M/C圧センサ、70…ブレーキECU、80…ハイブリッドECU、
81…モータ、82…インバータ、83…バッテリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバがブレーキ操作部材(11)を操作したことを検出するブレーキ操作検出手段(11a)と、
前記ブレーキ操作部材を操作したときのブレーキ操作力を倍力する倍力装置(12)と、
前記倍力装置にて倍力された力に応じたマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダ(13)と、
前記マスタシリンダに発生されたマスタシリンダ圧に基づくホイールシリンダ圧が付与されることにより、各車輪(FL〜RR)に対して液圧制動力を発生させるホイールシリンダ(14、15、34、35)と、
前記マスタシリンダ圧よりも前記ホイールシリンダ圧の方が高くできるように、差圧を設けることができる差圧制御弁(16、36)と、
前記差圧制御弁にて前記差圧を設けた状態で、前記マスタシリンダ内のブレーキ液を吸入して前記ホイールシリンダに向けて吐出することにより前記ホイールシリンダの加圧を行うポンプ(19、39)と、
前記ポンプを駆動するためのモータ(60)と、を有して構成され、前記ホイールシリンダに対して付与するホイールシリンダ圧に基づいて液圧制動力を発生させる液圧ブレーキ装置と、
前記液圧ブレーキ装置に備えられる前記差圧制御弁および前記モータを制御することにより、前記液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力を制御する制御手段(70、80)と、を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、
前記制御手段は、前記ブレーキ操作検出手段の検出信号に基づいて、前記倍力装置による倍力が行われる前の無効ストローク中に、前記ブレーキ操作部材が操作されていることを検出すると、前記ブレーキ操作部材が前記無効ストローク分操作されたときに、前記モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させた状態に制御することを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
【請求項2】
前記ペダル操作センサはストロークセンサ(11a)であり、前記制御手段は、該ストロークセンサの検出信号に基づいて検出した前記ブレーキペダルの操作量が前記無効ストロークよりも短い値に設定された第1しきい値(L)を超えたときに、前記モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させた状態に制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数よりも高回転に回転させているときに、前記ホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧検出手段(140)を有し、該ホイールシリンダ圧検出手段にて検出された前記ホイールシリンダ圧が第2しきい値(PWC)以上になると、前記モータを該モータに掛かる負荷に応じた回転数まで回転数を低下させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
【請求項4】
前記車輪の回転力に基づいて発電を行うことにより、前記車輪に対して発電に基づく抵抗力を付与することで回生制動力を発生させる回生ブレーキ装置(81〜83)を有し、
前記制御手段は、前記液圧ブレーキ装置および前記回生ブレーキ装置の協調制御を行うことにより、前記液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力および前記回生ブレーキ装置が発生させる回生制動力を制御するように構成され、
前記制御手段は、制動中に、前記回生ブレーキ装置による回生制動力が発生させられる状態になったときに、前記液圧ブレーキ装置が発生させる液圧制動力を前記回生ブレーキ装置による回生制動力にすり替える制御を実行する機能を有しており、該すり替え時には、前記回生ブレーキ装置で発生させる回生制動力の分を前記モータにかかる負荷の軽減分として、前記モータの回転数を低下させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−276683(P2007−276683A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107283(P2006−107283)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】