説明

車両用内装部品及びその加飾方法

【課題】部品表面に繊維織布を模した絵柄を短時間で加飾することができ、繊維織布の質感を低コストで得ることができる車両用内装部品の加飾方法を提供すること。
【解決手段】第1レーザ加工ステップにて、所定の第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5をレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第1ブロック6に隣接する別の第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5をレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う。第2レーザ加工ステップにて、所定の第2ブロック8を構成する複数の長楕円パターン7をレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第2ブロック8に隣接する別の第2ブロック8を構成する複数の長楕円パターン7をレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用内装部品の表面にレーザを照射し、繊維織布を模した絵柄を描く車両用内装部品の加飾方法及び車両用内装部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の内装部品などでは、デザイン性や品質を高めるために樹脂成形体の表面に装飾を加えるようにした加飾部品(例えば、コンソールボックス、インストルメントパネル、アームレストなど)が多く実用化されている。このような加飾部品に装飾を加える加飾方法としては、水圧転写が一般的に用いられている。水圧転写とは、水面上に特殊フィルムを浮かべ、そのフィルムに印刷された所定の絵柄(木目模様や幾何学模様などの絵柄)を水圧によって樹脂成形体の表面に転写する技術である。この技術によれば、三次元曲面への印刷を行うことができる。
【0003】
また、安価で手軽な加飾方法として、レーザ描画が知られている。レーザ描画は、部品表面にレーザを照射し、レーザによって与えられた熱により部品表面の状態を変化させて、絵柄を描くようにした加飾方法である。
【0004】
因みに、特許文献1,2等には、樹脂製成形体の表面にレーザを照射して文字をマーキングする技術が開示されている。これらの技術は、樹脂成形体の表面に複数色の文字や記号などをマーキングするための技術であり、複雑な絵柄を描くためのものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−17047号公報
【特許文献2】特開2010−125489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、本発明者は、比較的に安価な樹脂成形体の表面に炭素繊維織布を模した絵柄(カーボン調の絵柄)を加え、高価なカーボン素材の質感を再現した製品を検討している。このカーボン調の絵柄を水圧転写によって樹脂成形体の表面に転写する場合、炭素繊維織布に応じた凹凸を形成することができず、立体感のない絵柄となるため、カーボン素材の質感を得ることができない。また、水圧転写以外の手法として、印刷層を有する加飾フィルムを樹脂成形体の表面に貼り付ける手法も可能である。この場合、加飾フィルムの貼り付け後、不要部分であるフィルム端部をトリミングにて除去する加工工程が必要となる。このため、加飾フィルムの材料費に加え加工コストが高くなるといった問題が生じる。
【0007】
一方、レーザ描画によって、樹脂成形体の表面にカーボン調の絵柄を加飾すれば、炭素繊維織布に応じた凹凸を形成することができ、炭素繊維織布の実物に近い立体的な絵柄を描くことが可能と考えられる。しかしながら、カーボン調の絵柄は、炭素繊維織布を模したパターンが規則的に配列した絵柄である。このため、レーザ描画によってカーボン調の絵柄を部品表面に加える場合、レーザによる加工時間が長くなり、製造コストが高くなるといった問題が予想される。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品表面に繊維織布を模した絵柄を短時間で加飾することができ、繊維織布の質感を低コストで得ることができる車両用内装部品及びその加飾方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、車両用内装部品の表面にレーザを照射し、繊維織布を模した絵柄を描く車両用内装部品の加飾方法であって、前記絵柄は、細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第1ブロックと、前記第1ブロックを構成する柄パターンとは異なる方向に細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものであり、所定の第1ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第1ブロックに隣接する別の第1ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う第1レーザ加工ステップと、所定の第2ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第2ブロックに隣接する別の第2ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う第2レーザ加工ステップとを含むことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法をその要旨とする。
【0010】
手段1に記載の発明によると、第1レーザ加工ステップでは、複数の第1ブロックにおいて同一方向に配向してなる複数の柄パターンがレーザ照射によって順次描画される。また、第2レーザ加工ステップでは、複数の第2ブロックにおいて第1ブロックの柄パターンとは異なる方向に配向してなる複数の柄パターンがレーザ照射によって順次描画される。このように、同じ方向を向いた細長形状の複数の柄パターンを同一のレーザ加工ステップで一括して描画することにより、レーザの軌跡を短くすることができる。この結果、繊維織布を模した絵柄を短時間で確実に形成することができる。
【0011】
手段2に記載の発明は、手段1において、前記第1ブロックを構成する柄パターン及び前記第2ブロックを構成する柄パターンは、ともに長径が短径の3倍以上の長さである長楕円パターンであることをその要旨とする。
【0012】
手段2に記載の発明によると、配向方向が異なる2種類の長楕円パターンを用いることにより、繊維織布を模した立体的な絵柄を確実に描画することができる。
【0013】
手段3に記載の発明は、手段2において、前記第1レーザ加工ステップ及び前記第2レーザ加工ステップでは、複数の前記長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する際、前記長楕円パターンの円弧と前記短径との交点部分または前記長楕円パターンの円弧と前記長径との交点部分を各々の描画開始点とするとともに、前記第1レーザ加工ステップから前記第2レーザ加工ステップへの移行及び前記第2レーザ加工ステップから前記第1レーザ加工ステップへの移行を行う場合、描画完了点から最も近い位置にある前記描画開始点に移動してレーザ照射による描画を開始することをその要旨とする。
【0014】
手段3に記載の発明によると、第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップにおいて各ブロックを構成する複数の長楕円パターンを描画する際に、レーザの軌跡を最短距離とすることができる。このため、レーザ加工時間を短くすることができ、車両用内装部品の製造コストを低減することができる。
【0015】
手段4に記載の発明は、車両用内装部品の表面にレーザを照射し、繊維織布を模した絵柄を描く車両用内装部品の加飾方法であって、前記絵柄は、細長形状の複数の長楕円パターンを配向してなる第1ブロックと、前記第1ブロックを構成する長楕円パターンとは異なる方向に細長形状の複数の長楕円パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものであり、前記第1ブロックを構成する複数の長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する第1レーザ加工ステップと、前記第2ブロックを構成する複数の長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する第2レーザ加工ステップとを交互に行い、前記第1レーザ加工ステップ及び前記第2レーザ加工ステップでは、複数の前記長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する際、前記長楕円パターンの円弧と前記長径との交点部分を各々の描画開始点とするとともに、前記第1レーザ加工ステップから前記第2レーザ加工ステップへの移行及び前記第2レーザ加工ステップから前記第1レーザ加工ステップへの移行を行う場合、描画完了点から最も近い位置にある前記描画開始点に移動してレーザ照射による描画を開始することを特徴とする車両用内装部品の加飾方法をその要旨とする。
【0016】
手段4に記載の発明によると、第1レーザ加工ステップでは、第1ブロックにおいて同一方向に配向してなる複数の柄パターンがレーザ照射によって順次描画される。また、第2レーザ加工ステップでは、第2ブロックにおいて第1ブロックの柄パターンとは異なる方向に配向してなる複数の柄パターンがレーザ照射によって順次描画される。このように、配向方向が異なる2種類の長楕円パターンを用いることにより、繊維織布を模した立体的な絵柄を確実に描画することができる。また、長楕円パターンの円弧と長径との交点部分が各々の描画開始点とされ、各加工ステップの移行時に、描画完了点から最も近い位置にある描画開始点に移動してレーザ照射が行われる。このようにすると、レーザの軌跡を短くすることができ、繊維織布を模した絵柄を短時間で確実に形成することができる。
【0017】
手段5に記載の発明は、手段1乃至4のいずれかにおいて、前記車両用内装部品は、立体的形状に成形された樹脂成形体と、黒色の塗料を用いて前記樹脂成形体の表面を被覆するように形成された塗装膜とを有し、前記絵柄は、炭素繊維織布を模した絵柄であってかつ前記塗装膜に描かれたものであることをその要旨とする。
【0018】
手段5に記載の発明によると、黒色の塗装膜に絵柄が描画されているので、車両用内装部品の外観を実際の炭素繊維織布の外観に近づけることができる。また、比較的に柔らかい樹脂成形体の表面ではなく、樹脂成形体よりも硬い塗装膜に絵柄が描画されるので、部品表面の絵柄が傷つき難くなる。
【0019】
手段6に記載の発明は、手段1乃至5のいずれか1項に記載の加飾方法によって部品表面に前記絵柄が描画された車両用内装部品をその要旨とする。
【0020】
手段6に記載の発明によれば、車両用内装部品の表面に繊維織布を模した絵柄を加飾することにより、繊維織布の質感を低コストで確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように、手段1〜6に記載の発明によると、部品表面に繊維織布を模した絵柄を短時間で加飾することができ、質感のある車両用内装部品を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大平面図。
【図2】第1の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大断面図。
【図3】絵柄の第1ブロックを示す拡大平面図。
【図4】第1の実施の形態の車両用内装部品の加飾装置を示す概略構成図。
【図5】(a)〜(c)は、第1の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図6】第1の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図7】第1の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図8】(a)〜(c)は、第2の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図9】(a),(b)は、第2の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図10】第2の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図11】第2の実施の形態の絵柄の加飾方法を示す説明図。
【図12】別の実施の形態の車両用内装部品を示す平面図。
【図13】別の実施の形態の車両用内装部品の要部を示す拡大平面図。
【図14】別の実施の形態におけるマークの描画方法を示す説明図。
【図15】(a),(b)は、屈曲パターンの描画方法を示す説明図。
【図16】(a),(b)は、別の実施の形態における柄パターンを示す平面図。
【図17】別の実施の形態における絵柄を示す平面図。
【図18】別の実施の形態における絵柄を示す平面図。
【図19】別の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大断面図。
【図20】別の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大断面図。
【図21】別の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大断面図。
【図22】別の実施の形態の車両用内装部品を示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1は、車両用内装部品1の表面の一部を示す拡大平面図であり、図2は、その車両用内装部品1を示す拡大断面図である。図1及び図2に示されるように、車両用内装部品1は、立体的形状の樹脂成形体2と、その樹脂成形体2の表面を被覆するように形成された塗装膜3とを有し、部品表面の塗装膜3に炭素繊維織布を模したカーボン調の絵柄4が描かれている。本実施の形態の車両用内装部品1は、ドアのアームレストを構成する部品である。樹脂成形体2は、ABS樹脂を用いて成形された樹脂成形品であり、黒色に着色されている。また、樹脂成形体2の表面を覆う塗装膜3は、高光沢黒色(ピアノブラック)の塗料を用いて形成されている。絵柄4は、レーザ描画(具体的には、レーザアブレーション加工)によって塗装膜3に加飾されている。なお、レーザアブレーション加工とは、レーザを固体に照射し、溶融を経ずに原子、分子、クラスターが直接蒸発して、固体表面が削り取られる現象を利用した非加熱加工である。
【0025】
本実施の形態の絵柄4は、縦方向に細長形状の複数の柄パターン5を配向してなる第1ブロック6と、横方向に細長形状の複数の柄パターン7を配向してなる第2ブロック8とを複数ずつ組み合わせて描画されている。絵柄4において、第1ブロック6の柄パターン配向方向と第2ブロック8の柄パターン配向方向とは直交する関係にある。具体的には、第1ブロック6の柄パターン5は、横方向の直径よりも縦方向の直径が長い縦長の長楕円パターンであり、第2ブロック8の柄パターン7は、縦方向の直径よりも横方向の直径が長い横長の長楕円パターンである。
【0026】
図2及び図3に示されるように、各柄パターン5,7は、レーザ照射によって描画された線幅W1が0.03mm以上0.1mm以下のレーザ加工溝からなる。レーザ加工溝の深さD1は、線幅W1の1/10以上1/2以下の大きさである。また、各柄パターン5,7において、長楕円パターンの短径X1は、線幅W1の2倍以上10倍以下であり、長楕円パターンの長径X2は、短径X1の10倍以上である。具体的には、本実施の形態の絵柄4において、各柄パターン5,7の線幅W1を0.05mm、レーザ加工溝の深さD1を約0.015mm、長楕円パターンの短径X1を0.2mm、長楕円パターンの長径X2を4mmとしている。
【0027】
本実施の形態の絵柄4において、第1ブロック6の縦幅は、長楕円パターンの長径X2と等しく、第1ブロック6の縦幅X2と横幅X3との比が2:1である。また、第2ブロック8の縦幅と横幅との比は1:2である。そして、複数の第1ブロック6は、横方向に1ブロック、縦方向に半ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。一方、複数の第2ブロック8は、横方向に半ブロック、縦方向に1ブロックずつずらした位置にそれぞれ連続して配置されている。また、第1ブロック6と第2ブロック8とは、縦方向及び横方向に交互に配置されている。これら第1ブロック6及び第2ブロック8の長楕円パターン5,7によって、朱子織の炭素繊維織布を模した絵柄4が形成される。
【0028】
図4には、車両用内装部品1に絵柄4を加飾するための加飾装置11を示している。本実施の形態の加飾装置11は、車両用内装部品1を支持する支持台12と、車両用内装部品1の部品表面にレーザLを照射するレーザ照射装置13と、レーザ照射装置13を制御するための制御装置14とを備えている。
【0029】
レーザ照射装置13は、例えばYVOレーザの照射装置であって、波長が1064nmであるレーザLを発生させるレーザ発生部21と、レーザLを偏向させるレーザ偏向部22と、レーザ発生部21及びレーザ偏向部22を制御するレーザ制御部23とを備えている。レーザ偏向部22は、レンズ24と反射ミラー25とを複合させてなる光学系であり、これらレンズ24及び反射ミラー25の位置を変更することにより、レーザLの照射位置や焦点位置を調整するようになっている。レーザ制御部23は、レーザ発生部21及びレーザ偏向部22を制御することで、レーザLの照射強度、レーザLの走査速度などのレーザ照射条件を調整する。
【0030】
制御装置14は、CPU31、メモリ32(記憶部)及び入出力ポート33等からなる周知のコンピュータにより構成されている。制御装置14は、レーザ照射装置13に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってレーザ照射装置13を制御する。
【0031】
制御装置14のメモリ32には、絵柄4の柄パターン5,7に応じた柄データやレーザ照射装置13のレーザ照射条件(レーザLの照射時間、レーザLの照射強度、レーザLのスポット径など)を示す照射パラメータが予め記憶されている。制御装置14は、メモリ32に記憶されているデータに基づいてレーザ照射装置13を制御することで、車両用内装部品1に絵柄4を加飾する。
【0032】
次に、車両用内装部品1の加飾方法について図5〜図7を用いて説明する。
【0033】
先ず、レーザ照射装置13によるレーザ照射が行われ、第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5が順次描画される(第1レーザ加工ステップ)。具体的には、絵柄4の左上に配置される第1ブロック6の左端の長楕円パターン5から描画が開始される。この際、図5(a)に示されるように、長楕円パターン5の円弧と短径との交点部分を描画開始点P1とし、レーザLの照射点が移動されることで長楕円パターン5が描かれる。そして、図5(b)に示されるように、レーザLの軌跡が長楕円パターン5の描画開始点P1に戻ったところでレーザ照射が一旦停止される。つまり、本実施の形態において、長楕円パターン5の描画完了点は描画開始点P1と一致している。
【0034】
その後、図5(b)及び図5(c)に示されるように、レーザLの照射点が右隣の長楕円パターン5の位置に移動された後、長楕円パターン5の円弧と短径との交点部分を描画開始点P1とし、再度レーザ照射が行われることで長楕円パターン5が描かれる。このような手順で1つの第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5を順次描画する。
【0035】
次いで、1つの第1ブロック6における各長楕円パターン5の描画完了後に、右下に隣接する別の第1ブロック6の描画開始点P1にレーザLの照射点を移動し、同様に複数の長楕円パターン5をレーザ照射によって順次描画するといった動作を繰り返し行う。この結果、図6に示されるように、複数の第1ブロック6における長楕円パターン5を順次描画していく。そして、絵柄4の右下に位置する第1ブロック6の右端の長楕円パターン5を描画した後、第2ブロック8を構成する複数の長楕円パターン7をレーザ照射によって順次描画する(第2レーザ加工ステップ)。
【0036】
ここで、第1レーザ加工ステップから第2レーザ加工ステップへの移行を行う場合、第1ブロック6の描画完了点P1から最も近い位置にある第2ブロック6の描画開始点P1に移動してレーザ照射による描画を開始する。つまり、絵柄4の右下にある第1ブロック6の長楕円パターン5の描画完了点P1からから最短距離にある第2ブロック8の描画開始点P1にレーザLの照射点を移動する。この第2ブロック8においても、長楕円パターン7の円弧と短径との交点部分を描画開始点P1としており、レーザLの照射点が移動されることで長楕円パターン7が描かれる。そして、レーザLの軌跡が長楕円パターン7の描画開始点P1に戻ったところでレーザ照射が一旦停止される。その後、レーザLの照射点が上方に隣接する長楕円パターン7の位置に移動された後、長楕円パターン7の円弧と短径との交点部分を描画開始点P1とし、再度レーザ照射が行われることで長楕円パターン7が描かれる。このような手順で1つの第2ブロック8を構成する複数の長楕円パターン7を順次描画する。
【0037】
次いで、1つの第2ブロック8における各長楕円パターン7の描画完了後に、左上に隣接する別の第2ブロック8の描画開始点P1にレーザLの照射点を移動し、同様に複数の長楕円パターン7をレーザ照射によって順次描画するといった動作を繰り返し行う。この結果、図7に示されるように、複数の第2ブロック8における長楕円パターン7を順次描画する。
【0038】
そして、上述した第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップを繰り返すことにより、レーザLの軌跡が最短距離となるようレーザLの照射点が移動され、図1に示されるようなカーボン調の絵柄4が車両用内装部品1の表面に描画される。
【0039】
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0040】
(1)本実施の形態において、第1レーザ加工ステップでは、複数の第1ブロック6において同一方向(縦方向)に配向してなる複数の長楕円パターン7がレーザ照射によって順次描画される。また、第2レーザ加工ステップでは、複数の第2ブロック8において第1ブロック6の長楕円パターン5とは異なる方向(横方向)に配向してなる複数の柄パターン7がレーザ照射によって順次描画される。このように、同じ方向を向いた細長形状の複数の長楕円パターン5,7を同一のレーザ加工ステップで一括して描画することにより、炭素繊維織布を模した絵柄4を短時間で確実に形成することができる。
【0041】
(2)本実施の形態において、第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップでは、複数の長楕円パターン5,7をレーザ照射によって順次描画する際、長楕円パターン5,7の円弧と短径との交点部分を各々の描画開始点P1としている。また、第1レーザ加工ステップから第2レーザ加工ステップへの移行を行う場合、描画完了点P1から最も近い位置にある描画開始点P1に移動してレーザ照射による描画を開始している。このようにすると、各ブロック6,8を構成する複数の長楕円パターン5,7を描画する際に、レーザLの軌跡を最短距離とすることができる。このため、レーザ加工時間を短くすることができ、車両用内装部品1の製造コストを低減することができる。
【0042】
(3)本実施の形態において、第1ブロック6を構成する柄パターン5及び第2ブロック8を構成する柄パターン7は、ともに長径が短径の10倍以上の長さである長楕円パターンである。このように、配向方向が異なる2種類の長楕円パターン5,7を用いることにより、炭素繊維織布を模した立体的な絵柄4を確実に描画することができる。
【0043】
(4)本実施の形態では、黒色の塗装膜3に絵柄4が描画されているので、車両用内装部品1の外観を実際の炭素繊維織布の外観に近づけることができる。また、塗装膜3は樹脂成形体2の表面よりも硬いため、その塗装膜3に絵柄4を描画することで、部品表面の絵柄4が傷つき難くなる。
【0044】
(5)本実施の形態において、絵柄4を構成する複数の柄パターン5,7は、レーザ照射によって描画された線幅W1が0.05mmのレーザ加工溝からなり、レーザ加工溝の深さD1は線幅W1の1/10以上1/2以下となっている。このようにすると、塗装膜3にダメージを与えることなく、比較的低いエネルギーでレーザ加工を行うことができる。この結果、加工痕にデブリ等が蓄積されることなく、微細な柄パターン5,7を正確かつ迅速に形成することができる。従って、炭素繊維織布の実物に近い立体感のある絵柄4を描画することができる。
【0045】
(6)本実施の形態の各柄パターン5,7において、長楕円パターンの短径X1は線幅W1の2倍以上10倍以下である。ここで、長楕円パターンの短径X1が線幅W1の10倍よりも大きくなる場合、絵柄4の緻密さが乏しくなる。また、長楕円パターンの短径X1が線幅W1の2倍未満であると、線同士が重なり合い、乱反射が生じることにより絵柄全体のコントラストが低下してしまう。従って、長楕円パターンの短径X1を線幅W1の2倍以上10倍以下とすると、炭素繊維織布の織目に応じたサイズの柄パターン5,7を正確に描画することができる。
[第2の実施の形態]
【0046】
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図8〜図11に基づき説明する。本実施の形態では、車両用内装部品1の表面に描画される絵柄4の描画方法(各柄パターン5,7の書き順)が上記第1の実施の形態と異なる。以下、その描画方法について詳述する。
【0047】
第1の実施の形態では、長楕円パターン5,7の円弧と短径との交点部分を各々の描画開始点P1としてレーザ描画を行っていたが、本実施の形態では、長楕円パターン5,7の円弧と長径との交点部分を各々の描画開始点P1としてレーザ描画が行われる。
【0048】
以下、本実施の形態における加飾方法について説明する。先ず、レーザ照射装置13によるレーザ照射が行われ、第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5が順次描画される(第1レーザ加工ステップ)。具体的には、絵柄4の左下に配置される第1ブロック6の左端の長楕円パターン5から描画が開始される。この際、図8(a)に示されるように、長楕円パターン5の円弧と長径との下側の交点部分を描画開始点P1とし、レーザLの照射点が移動されることで長楕円パターン5が描かれる。そして、図8(b)に示されるように、レーザLの軌跡が長楕円パターン5の描画開始点P1に戻ったところでレーザ照射が一旦停止される。つまり、本実施の形態において、長楕円パターン5の描画完了点は描画開始点P1と一致している。
【0049】
その後、図8(b)及び図8(c)に示されるように、レーザLの照射点が右隣の長楕円パターン5の位置に移動された後、長楕円パターン5の円弧と長径との交点部分を描画開始点P1とし、再度レーザ照射が行われることで長楕円パターン5が描かれる。このような手順で1つの第1ブロック6を構成する複数の長楕円パターン5を順次描画する。
【0050】
次いで、1つの第1ブロック6における各長楕円パターン5の描画完了後に、右側に隣接する第2ブロック8の描画開始点P1にレーザLの照射点を移動し、同様に複数の長楕円パターン7をレーザ照射によって順次描画するといった動作を繰り返し行う。この結果、図9(a),(b)に示されるように、第2ブロック8における長楕円パターン7を順次描画する(第2レーザ加工ステップ)。そして、第2ブロック8における各長楕円パターン7の描画完了後に、上側に隣接する第1ブロック6の描画開始点P1にレーザLの照射点を移動し、複数の長楕円パターン5をレーザ照射によって順次描画するといった動作を繰り返す。
【0051】
このように、本実施の形態では、第1ブロック6と第2ブロック8とが交互に描画される。この結果、図10に示されるように、右斜め上に向けて階段状に絵柄4の各柄パターン5,7が描かれていく。
【0052】
本実施の形態においても、第1レーザ加工ステップから第2レーザ加工ステップへの移行を行う場合、第1ブロック6の描画完了点P1から最も近い位置にある第2ブロック8の描画開始点P1に移動してレーザ照射による描画を行っている。また、第2レーザ加工ステップから第1レーザ加工ステップへの移行を行う場合でも、第2ブロック8の描画完了点P1から最も近い位置にある第1ブロック6の描画開始点P1に移動してレーザ照射による描画を行っている。
【0053】
また、図11に示されるように、絵柄上部の第2ブロック8における各長楕円パターン7の描画完了後には、近接する別の第2ブロック8の描画開始点P1に移動してレーザ照射による描画を開始する。そして、第2ブロック8と第1ブロック6とが交互に描画される。この結果、左斜め下に向けて階段状に絵柄4の各柄パターン5,7が描かれる。
【0054】
そして、上述した第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップを繰り返すことにより、図1に示されるようなカーボン調の絵柄4が車両用内装部品1の表面に描画される。本実施の形態の描画方法でも、レーザLの軌跡を短くすることができ、レーザ加工時間を短縮することができる。
【0055】
なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。
【0056】
・第1の実施の形態の描画方法において、第2の実施の形態と同様に、長楕円パターン5,7の円弧と長径との交点部分を描画開始点P1として第1レーザ加工ステップ及び第2レーザ加工ステップを行うように変更してもよい。
【0057】
・上記各実施の形態では、車両用内装部品1の表面に絵柄4を描画するものであったが、図12に示されるように、カーボン調の絵柄4が描画される同一の表面に、レーザ照射によってマーク40を印字するようにしてもよい。なお、図12のマーク40は、四角形の記号であるが、記号以外に数字や文字からなるマークを印字してもよい。この場合、絵柄4を形成するレーザ加工と同一工程にてマーク40を形成することができる。このため、インク等を用いてマークを印字する場合と比較して、製造工程数を削減することができる。
【0058】
また、図13に示されるように車両用内装部品1の表面に複数のマーク40を印字してもよい。この場合、例えば、絵柄4において縦長の長楕円パターン5を形成する第1レーザ加工工程において、図14に示されるように、複数のマーク40における縦線41(縦向きの印字パターン)のみを形成する。その後、横長の長楕円パターン7を形成する第2レーザ加工工程において、マーク40における横線42(横向きの印字パターン)を形成する。この結果、四角形状の複数のマーク40が車両用内装部品1の表面に印字される。
【0059】
図15(a)に示されるように、直角に屈曲するパターン45をレーザ加工により一筆書きで形成する場合、直線部分と比較してコーナ部分ではレーザ出力を低くしかつ走査速度を低くした状態でレーザ加工する必要がある。ここで、同じ走査速度及び同じ出力でレーザ加工すると、図15(b)に示されるように、走査位置がコーナ部分で内回りをして、鋭い角度で屈曲するパターン45を得ることができない。これに対して、マーク40の縦線41のみを形成し、次いで、マーク40の横線42を形成する場合、走査速度を遅くしたりレーザ出力を低くしたりする必要がなく、コーナ部を有するマーク40を短時間で正確に描画することができる。
【0060】
・上記各実施の形態では、第1ブロック6を構成する柄パターン5及び第2ブロック8を構成する柄パターン7は、長楕円パターンであったが、これに限定されるものではない。各柄パターン5,7は、端部領域が放物線状かつ全体として細長形状のパターンであればよく、例えば、長楕円の一部を切り欠いた形状に変更してもよい。具体的には、図16(a)に示すように、半円弧状のパターンを上下に配置させた形状の柄パターン5aや、図16(b)に示すように、略C字形状の柄パターン5bに変更してもよい。
【0061】
・上記各実施の形態における絵柄4は、朱子織の炭素繊維織布を模した絵柄あったが、これに限定されるものではない。例えば、図17に示すような綾織の織布を模した絵柄4aや図18に示すような平織の織布を模した絵柄4bに変更してもよい。図17及び図18に示すように、綾織の絵柄4aや平織の絵柄4bでも、第1ブロック6における柄パターン配向方向と、第2ブロック8における柄パターン配向方向とは直交する関係にある。また、綾織の絵柄4aでは、第1ブロック6の縦幅と横幅との比が2:1であり、第2ブロック8の縦幅と横幅との比が1:1である。平織の絵柄4bでは、第1ブロック6の縦幅と横幅との比が1:1であり、第2ブロック8の縦幅と横幅との比が1:1である。このように、綾織の絵柄4aや平織の絵柄4bを車両用内装部品1の表面に描画しても、高品質、高性能な印象をその車両用内装部品1に付加することができる。
【0062】
・上記各実施の形態において、部品表面に加飾される絵柄4,4a,4bは、炭素繊維織布を模したカーボン調の絵柄であったが、これ以外の他の繊維織布を模した絵柄であってもよい。また、横方向と縦方向との2方向に配向してなる長楕円パターン5,7のブロック群で絵柄4,4a,4bを描画していたが、これに限定されるものではなく、3方向以上の方向に配向してなる長楕円パターンのブロック群で絵柄を描画してもよい。
【0063】
・上記各実施の形態の絵柄4,4a,4bは、黒色の塗装膜3に形成されていたが、繊維織布の種類に応じて他の有色の塗装膜3に形成されるものでもよい。また、塗装によって形成される塗装膜3以外に、めっきによって形成される皮膜や蒸着によって形成される皮膜に絵柄4,4a,4bを形成してもよい。
【0064】
・上記各実施の形態では、樹脂成形体2の表面を被覆する塗装膜3に絵柄4,4a,4bを描画するものであったが、これに限定されるものでない。例えば、図19に示されるように、塗装膜3を省略して樹脂成形体2の表面に絵柄4,4a,4bを直接描画してもよい。また、樹脂成形体2の表面において、塗装膜3を保護するクリアコート層を形成し、そのクリアコート層に絵柄4,4a,4bを描画してもよい。さらに、図20に示されるように、絵柄4を描画した塗装膜3の表面に保護層51(クリアコート層)を形成してもよいし、図21に示されるように、絵柄4を描画した樹脂成形体2の表面に保護層51を形成してもよい。
【0065】
・上記各実施の形態では、レーザ照射によって凹状のレーザ加工溝を形成して絵柄4を描画していたが、これに限定されるものではない。例えば、図22に示すように、レーザ照射によって樹脂成形体2の表面を凸状に膨らませたレーザ加工部52を形成し、そのレーザ加工部52によって絵柄4を描画してもよい。なお、このレーザ加工部52は、例えばレーザ照射による発泡現象(樹脂を溶融させる際に泡が発生する現象)を利用して形成する。
【0066】
・上記各実施の形態は、車両用内装部品1をドアのアームレストに具体化するものであったが、これ以外に、コンソールボックス、インストルメントパネルなどの他の部品に具体化してもよい。
【0067】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0068】
(1)手段1乃至6のいずれか1項において、前記自動車用内装部品において前記絵柄が描かれる表面に、文字、数字または記号からなるマークをレーザ照射によって印字することを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
【0069】
(2)技術的思想(1)において、前記マークを構成する縦向きの印字パターンを前記第1レーザ加工ステップで形成し、前記マークを構成する横向きの印字パターンを前記第2レーザ加工ステップで形成することを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
【0070】
(3)手段2乃至4のいずれか1項において、前記第1ブロックを構成する長楕円パターン及び前記第2ブロックを構成する長楕円パターンは、ともに長径が短径の10倍以上の長さであることを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
【符号の説明】
【0071】
1…自動車用内装部品
2…樹脂成形体
3…塗装膜
4,4a,4b…絵柄
5,7…柄パターンとしての長楕円パターン
5a,5b…柄パターン
6…第1ブロック
8…第2ブロック
L…レーザ
P1…描画開始点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用内装部品の表面にレーザを照射し、繊維織布を模した絵柄を描く車両用内装部品の加飾方法であって、
前記絵柄は、細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第1ブロックと、前記第1ブロックを構成する柄パターンとは異なる方向に細長形状の複数の柄パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものであり、
所定の第1ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第1ブロックに隣接する別の第1ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う第1レーザ加工ステップと、
所定の第2ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画しかつその描画完了後には当該所定の第2ブロックに隣接する別の第2ブロックを構成する複数の柄パターンをレーザ照射によって順次描画するという動作を繰り返し行う第2レーザ加工ステップと
を含むことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
【請求項2】
前記第1ブロックを構成する柄パターン及び前記第2ブロックを構成する柄パターンは、ともに長径が短径の3倍以上の長さである長楕円パターンであることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装部品の加飾方法。
【請求項3】
前記第1レーザ加工ステップ及び前記第2レーザ加工ステップでは、複数の前記長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する際、前記長楕円パターンの円弧と前記短径との交点部分または前記長楕円パターンの円弧と前記長径との交点部分を各々の描画開始点とするとともに、
前記第1レーザ加工ステップから前記第2レーザ加工ステップへの移行及び前記第2レーザ加工ステップから前記第1レーザ加工ステップへの移行を行う場合、描画完了点から最も近い位置にある前記描画開始点に移動してレーザ照射による描画を開始する
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用内装部品の加飾方法。
【請求項4】
車両用内装部品の表面にレーザを照射し、繊維織布を模した絵柄を描く車両用内装部品の加飾方法であって、
前記絵柄は、細長形状の複数の長楕円パターンを配向してなる第1ブロックと、前記第1ブロックを構成する長楕円パターンとは異なる方向に細長形状の複数の長楕円パターンを配向してなる第2ブロックとを複数個ずつ組み合わせたものであり、
前記第1ブロックを構成する複数の長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する第1レーザ加工ステップと、前記第2ブロックを構成する複数の長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する第2レーザ加工ステップとを交互に行い、
前記第1レーザ加工ステップ及び前記第2レーザ加工ステップでは、複数の前記長楕円パターンをレーザ照射によって順次描画する際、前記長楕円パターンの円弧と前記長径との交点部分を各々の描画開始点とするとともに、前記第1レーザ加工ステップから前記第2レーザ加工ステップへの移行及び前記第2レーザ加工ステップから前記第1レーザ加工ステップへの移行を行う場合、描画完了点から最も近い位置にある前記描画開始点に移動してレーザ照射による描画を開始する
ことを特徴とする車両用内装部品の加飾方法。
【請求項5】
前記車両用内装部品は、立体的形状に成形された樹脂成形体と、黒色の塗料を用いて前記樹脂成形体の表面を被覆するように形成された塗装膜とを有し、前記絵柄は、炭素繊維織布を模した絵柄であってかつ前記塗装膜に描かれたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用内装部品の加飾方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加飾方法によって部品表面に前記絵柄が描画された車両用内装部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−176438(P2012−176438A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−13552(P2012−13552)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】