説明

車両用情報表示装置

【課題】走行速度の変化による視認性の低下を軽減することができる。
【解決手段】 車両用情報表示装置は、車両の走行速度を特定する車速特定手段と、表示用の情報を記憶する表示用情報記憶手段と、特定された車両の走行速度に基づいて、表示用の情報を補正する補正手段と、補正された表示用の情報に基づく表示を行う情報表示手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、車両が走行している道路の種類に応じて、表示部に表示される、車速を示す車速計の画像について、その全体の大きさを変える情報表示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−327481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような情報表示装置では、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因した視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、車両の走行によって生じる視認性の低下を軽減することができる車両用情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用情報表示装置は、車両の走行速度を特定する車速特定手段と、表示用の情報を記憶する表示用情報記憶手段と、前記車速特定手段により特定された車両の走行速度に基づいて、前記表示用情報記憶手段に記憶される表示用の情報を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された表示用の情報に基づく表示を行う情報表示手段と、を備えるという構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用情報表示装置によれば、走行速度の変化による視認性の低下を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用情報表示装置が適用されるナビゲーション装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るリンクデータを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る補正基準値データを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る補正係数データを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る地図画像描画データを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両用情報表示装置が適用されるナビゲーション装置の機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る地図画像補正処理のフローを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る道路幅の補正値を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車両用情報表示装置が適用されるナビゲーション装置の画面例を示す図である。
【図10】本発明の第一変形例に係るエッジ補正値データを示す図である。
【図11】本発明の第一変形例に係るエッジの補正値を示す図である。
【図12】本発明の第一変形例に係る車両用情報表示装置が適用されるナビゲーション装置の画面例を示す図である。
【図13】本発明の第二変形例に係るコントラスト補正値データを示す図である。
【図14】本発明の第二変形例に係るコントラストの補正値を示す図である。
【図15】本発明の第二変形例に係る車両用情報表示装置が適用されるナビゲーション装置の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用情報表示装置が適用されたナビゲーション装置について説明する。
【0010】
図1に、ナビゲーション装置100の概略構成を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報と、を示すことが可能なナビゲーション装置である。
【0011】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0012】
同図に示すように、演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成となっている。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0013】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理部1は、例えば、各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10などから出力される情報に基づいて現在地を検出する。
【0014】
また、演算処理部1は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示させる信号を出力する。また、演算処理部1は、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地と目的地とを結ぶ経路を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2に所定の信号を出力して経路の誘導を行う。
【0015】
また、演算処理部1は、後述するように、車両の走行速度に応じて、ディスプレイ2に表示する地図画像やアイコンなど、所定画像の表示形態を補正する。
【0016】
ディスプレイ2は、グラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0017】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0018】
この記憶装置3には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、所定画像の表示形態を補正するための補正基準値データ220および補正係数データ230と、地図画像のグラフィックス情報を生成するための道路地図描画データ240と、が格納されている。
【0019】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、メッシュID201と、各メッシュID201ごとにリンクデータ202を有している。メッシュとは、地図上の区画された所定の領域のことであり、メッシュID201とは、各メッシュを識別するための識別コードのことである。また、リンクデータ202は、メッシュ領域に含まれる道路を構成するリンクに関する情報である。
【0020】
リンクデータ202には、リンクの識別子であるリンクID203ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報204と、リンクを含む道路の種別(一般道、有料道、国道、市道など)を示す道路種別情報205と、リンクの長さを示すリンク長情報206、予め記憶された旅行時間情報207と、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクおよび当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクを特定する開始接続リンク・終了接続リンク情報208と、が含まれている。
【0021】
なお、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0022】
図3は、補正基準値データ220の構成を示す図である。補正基準値データ220は、縮尺率情報221と、補正幅Dの基準値情報222と、を有する。縮尺率情報221は、ディスプレイに表示される地図画像の縮尺率に対応する情報である。また、補正幅Dの基準値情報222は、道路幅の補正値を算出する際に用いられる数値情報である。
【0023】
図4は、補正係数データ230の構成を示す図である。補正係数データ230は、車速情報231と、車速レベル情報232と、補正レベル情報233と、補正係数情報234と、を有する。車速情報231は、車両の車速を示す情報であり、複数の速度範囲が設定されている。車速レベル情報232は、各速度範囲のレベルを示す情報である。車速レベル232には、例えば、停車中、低速、中速、高速があり、各速度範囲に対応付けている。補正レベル情報233は、補正の度合いを示す識別情報であり、各速度レベルに対応付けられている。補正係数情報234は、補正幅Dの基準値情報222と同様、道路幅の補正値を算出する際に用いられる数値情報である。なお、補正係数情報234および補正幅Dの基準値情報222を用いた補正値の算出については後述する。
【0024】
図5は、道路地図描画データ240の構成を示す図である。道路地図描画データ240は、ディスプレイ2に表示する道路などのグラフィックス情報を生成するためのデータである。道路地図描画データ240は、リンクID情報241ごとに、縮尺率情報242と、道路幅情報243と、エッジ情報244と、コントラスト情報245と、色彩情報246と、輝度情報247と、を有している。リンクID情報241は、描画する道路のリンクIDを示す情報であって、リンクデータ202のリンクID203と共通のIDが登録されている。縮尺率情報242は、ディスプレイ2に描画する地図画像の縮尺率に対応する情報である。道路幅情報243は、ディスプレイ2に描画する道路の道路幅を示す情報である。エッジ情報244は、ディスプレイ2に描画する道路のエッジの強調度合いを示す情報である。コントラスト情報245は、ディスプレイ2に描画する道路と道路以外の地図画像とのコントラストの強調度合いを示す情報である。色彩情報246は、ディスプレイ2に描画する道路の色彩情報である。輝度情報247は、ディスプレイ2に描画する道路の輝度に関する情報である。
【0025】
再び、図1に戻ってナビゲーション装置100の概略構成について説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41を備え、音声出力装置としてスピーカ42を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0026】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0027】
入力装置5は、使用者からの指示を受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。また、入力装置5には、ナビゲーション装置100に対して遠隔で操作指示を行うことができるリモートコントローラが含まれる。リモートコントローラは、ダイヤルスイッチやスクロールキー、縮尺変更キーなどを備える。そして、各キーや各スイッチの操作に応じた情報をナビゲーション装置100に送出する。
【0028】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0029】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0030】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0031】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0032】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0033】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0034】
以上、本実施形態に係るナビゲーション装置100の概略構成を説明した。
【0035】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明する。
【0036】
図6は、演算処理部1の機能ブロック250および各機能部へのデータの流れを示す図である。なお、機能ブロック250は、ナビゲーション装置100に実装されるCPU21が読み込んだ所定のプログラムを実行することによって構築されるものである。そのため、ROM23や記憶装置3には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0037】
また、後述する設定情報記憶部500のように、データを記憶するための機能部は、例えばRAM22上の記憶領域に構築される。
【0038】
また、機能ブロック250の各機能部は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、演算処理部1で実行される主な処理内容を分類したものである。したがって、分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0039】
また、各機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0040】
同図に示すように、ナビゲーション装置100は、車両情報取得部300と、走行判別部400と、設定情報記憶部500と、補正値演算部600と、表示データ生成部700と、を有している。
【0041】
車両情報取得部300は、車速情報と、車両位置情報と、を含む車両走行情報を取得する機能部である。具体的には、車両情報取得部は、所定のタイミングで更新される車速センサ7からの車速情報を取得する。また、車両情報取得部300は、車速センサ7、ジャイロセンサ8、GPS受信装置9を用いて特定された、地図画像上の地点座標を含む車両位置情報を取得する。また、車両情報取得部300は、車両走行情報を走行判別部400に出力する。
【0042】
走行判別部400は、走行状況を判別する機能部である。走行判別部400は、車速情報から車両の車速を抽出し、車速情報が示す車速に対応する車速レベルを特定する。具体的には、車速情報が0km/hを示す場合、走行判別部400は、車両の停車中という車速レベルを特定する。また、車速情報が1〜40km/hを示す場合、走行判別部400は、低速という車速レベルを特定する。また、車速情報が41〜80km/hを示す場合、走行判別部400は、中速という車速レベルを特定する。また、車速情報が81km/h以上を示す場合、走行判別部400は、高速という車速レベルを特定する。また、走行判別部400は、特定した車速レベルを補正値演算部600に出力する。
【0043】
また、走行判別部400は、表示形態の補正を行う道路を特定する機能部である。走行判別部400は、自車位置の属するリンクに対応する道路を補正の対象とする。走行判別部400は、車両位置情報に含まれる地点座標を用いて、自車位置の属するリンクのリンクID203をリンクデータ202から特定する。また、走行判別部400は、特定したリンクID203を表示データ生成部700に出力する。
【0044】
設定情報記憶部500は、ナビゲーション装置100の設定情報を記憶する機能部である。具体的には、設定情報記憶部500は、表示する地図画像の縮尺率設定、スピーカ42の音量設定、ディスプレイ2の照度設定など、ナビゲーション装置100の設定情報を記憶している。また、設定情報記憶部500は、設定情報を所定のタイミングで補正値演算部600に出力する。
【0045】
補正値演算部600は、ディスプレイ2に表示する地図画像などの補正値を算出する機能部である。具体的には、補正値演算部600は、走行判別部400で特定された車速レベルに対応する補正係数234を補正係数データ230から特定する。また、補正値演算部600は、設定情報記憶部500から取得した地図画像の縮尺率に対応する補正幅Dの基準値222を補正基準値データ220から特定する。また、補正値演算部600は、特定した補正係数234および補正幅Dの基準値222を用いて道路幅の補正値を算出する。
【0046】
ここで、補正幅Dとは、図8に示すように、補正値を付加していない通常の道路幅に対する増幅部分Dのことである。補正幅Dの値は、図3の補正基準値データ220に示すように、地図画像の縮尺率ごとに基準値が予め定められている。本発明では、補正値演算部600が、補正幅Dの基準値222および補正係数234を乗算することにより補正値を算出する。なお、図4の補正係数データ230に示すように、補正係数234は、車速が速くなる程大きな値が対応付けられている。したがって、車速レベルが低速よりも高速である方が、算出される補正値は大きくなる。すなわち、一定の縮尺率において、車速レベルが低速である場合の道路幅よりも高速である場合の道路幅の方が広い道路幅でディスプレイ2に表示されることとなる。
【0047】
また、補正値演算部600は、算出した補正値を表示データ生成部700に出力する。なお、補正値演算部600は、車速レベルが車両の停車中を示す場合、補正を行わずに地図画像などをディスプレイ2に出力する指示を表示データ生成部700に出力する。
【0048】
表示データ生成部700は、ディスプレイ2に表示する地図画像などのグラフィックス情報を生成する機能部である。表示データ生成部700は、道路地図描画データ240および補正値を用いて、地図画像のグラフィックス情報を生成する。具体的には、表示データ生成部700は、走行判別部400で特定されたリンクID203に対応する道路幅情報243を道路地図描画データ240から特定し、これに補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する。また、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力する。
【0049】
以上、本実施形態に係るナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明した。
【0050】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100で実行される地図画像補正処理について説明する。図7は、地図画像補正処理の過程を示したフロー図である。本フローは、ディスプレイ2への地図画像の表示が要求された場合に開始される。
【0051】
本フローが開始されると、補正値演算部600は、走行判別部400から取得した車速レベルに基づき、車両が停車中であるか否かを判定する(ステップS001)。そして、車速レベルが停車中を示すものである場合(ステップS001でYes)、補正値演算部600は、補正を行わずに地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力し(ステップS002)、処理をステップS009に移行する。
【0052】
一方で、車速レベルが停車中を示すものではないと判定すると(ステップS001でNo)、補正値演算部600は、車速レベルが低速を示すものであるか否かを判定する(ステップS003)。そして、車速レベルが低速を示すものである場合(ステップS003でYes)、補正値演算部600は、補正レベル1(図4の補正レベル233)に対応する補正係数234を用いて補正値を算出する。具体的には、補正値演算部600は、車速レベルが低速である場合の補正係数234を補正係数データ230から特定する。
【0053】
また、補正値演算部600は、設定情報記憶部500から取得した地図画像の縮尺率に対応する補正幅Dの基準値222を補正基準値データ220から特定する。そして、補正値演算部600は、特定した補正係数234および補正幅Dの基準値222を乗算して補正値を算出する。また、補正値演算部600は、算出した補正値を付加して地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力し、処理をステップS009に移行する。
【0054】
ステップS003において、車速レベルが低速を示すものではないと判定すると(ステップS003でNo)、補正値演算部600は、車速レベルが中速を示すものであるか否かを判定する(ステップS005)。そして、車速レベルが中速を示すものである場合、(ステップS005でYes)、補正値演算部600は、補正レベル2(図4の補正レベル233)に対応する補正係数234を用いて補正値を算出する。具体的には、補正値演算部600は、車速レベルが中速である場合の補正係数234を補正係数データ230から特定する。
【0055】
また、補正値演算部600は、設定情報記憶部500から取得した地図画像の縮尺率に対応する補正幅Dの基準値222を補正基準値データ220から特定する。そして、補正値演算部600は、特定した補正係数234および補正幅Dの基準値222を乗算して補正値を算出する。また、補正値演算部600は、算出した補正値を付加して地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力し、処理をステップS009に移行する。
【0056】
一方で、車速レベルが中速を示すものではないと判定すると(ステップS005でNo)、補正値演算部600は、車速レベルが高速を示すものであるか否かを判定する(ステップS007)。そして、車速レベルが高速を示すものである場合(ステップS007でYes)、補正値演算部600は、補正レベル3(図4の補正レベル233)に対応する補正係数234を用いて補正値を算出する。具体的には、補正値演算部600は、車速レベルが高速である場合の補正係数234を補正係数データ230から特定する。
【0057】
また、補正値演算部600は、設定情報記憶部500から取得した地図画像の縮尺率に対応する補正幅Dの基準値222を補正基準値データ220から特定する。そして、補正値演算部600は、特定した補正係数234および補正幅Dの基準値222を乗算して補正値を算出する。また、補正値演算部600は、算出した補正値を付加して地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力し、処理をステップS009に移行する。
【0058】
一方で、車速レベルが高速を示すものではないと判定すると(ステップS007でNo)、補正値演算部600は、処理をステップS001に移行し、再度、車速レベルを判定し直す。
【0059】
ステップS009において、表示データ生成部700は、補正値演算部600から出力された指示に基づいてグラフィックス情報を生成する。例えば、表示データ生成部700は、補正値を付加していない地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を補正値演算部600から受け付けると、補正値を付加せずに地図画像のグラフィックス情報を生成する。また、表示データ生成部700は、補正値演算部600から補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報の生成指示を受け付けると、かかる処理を施したグラフィックス情報を生成する。具体的には、表示データ生成部700は、走行判別部400で特定されたリンクID203に対応する道路幅情報243を地図画像描画データ240から特定し、これに補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する。そして、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力し、処理をステップS010に移行する。
【0060】
ステップS010において、補正値演算部600は、地図画像の表示要求が継続されているか否かを判定する。具体的には、補正値演算部600は、ナビゲーション装置100の動作停止要求、モード選択画面への切替要求、オーディオ画面への切替要求など、地図画像以外の画像表示が要求されているか否かを判定する。そして、地図画像の表示要求が継続されていると判定すると(ステップS010でYes)、補正値演算部600は、処理をステップS001に移行する。
【0061】
一方で、地図画像の表示が要求されていないと判定すると(ステップS010でNo)、補正値演算部600は、地図画像補正処理を終了する。
【0062】
以上、地図画像補正処理のフローについて説明した。
【0063】
次に、本実施形態の具体例について説明する。図9は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の画面例を示す図である。なお、図7に示すフローの各ステップに対応する説明には括弧書きでステップ番号を付す。
【0064】
画面例800は、ナビゲーション装置100が起動し、ディスプレイ2への地図画像の表示が要求された場合の画面例である。同画面例に示す地図画像の表示形態は補正されていないものである。
【0065】
ここで、補正値演算部600は、取得した車速レベルに基づき、車両が停車中であるか否かを判定する(ステップS001)。そして、車両が停車中である場合、補正値演算部600は、補正を行わずに地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS001、ステップS002)。その結果、ディスプレイ2に表示される地図画像の道路幅は補正されず、画面例800の状態が維持される。
【0066】
一方で、車両が停車中でない場合、すなわち、速度レベルが低速、中速、高速のいずれかである場合、補正値演算部600は補正値を算出し、補正値を付加した地図画像の生成指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS003〜ステップS008)。このとき、表示データ生成部700は、走行判別部400から取得したリンクID203および地図画像描画データから自車位置のある道路の道路幅情報243を特定し、かかる道路幅に補正値を付加したグラフィックス情報を生成する(ステップS009)。また、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力する。その結果、画面例802に示すように、補正値を付加していない通常の道路幅801に比べて、自車位置のある道路803の道路幅が広く表示される。このように、ディスプレイ2には、車両の車速レベルに応じて、補正値が付加された道路幅で道路が表示されることとなる。
【0067】
以上、本実施形態の具体例について説明した。
【0068】
このような本発明によれば、車両の車速レベルに応じて、補正値が付加された道路幅で道路を表示することができる。その結果、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因して視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題を防止することができる。
【0069】
次に、本発明の第一変形例について説明する。前述の実施形態では、ディスプレイに表示する道路幅の表示形態を補正した。しかしながら、本発明はこのような実施形態に限られるものではない。第一変形例では、車両の速度に応じて、道路のエッジの表示形態を補正する。
【0070】
なお、エッジとは、画像の輪郭部や縁のことであり、エッジの濃度勾配を急峻にすることでエッジを強調した表示形態に補正することができる。本発明では、道路画像のエッジを補正することにより、道路の画像と道路以外の画像との境を明確にする。
【0071】
図10は、エッジの補正値を算出するために用いられるエッジ補正値データ250の構成を示す図である。エッジ補正値データ250は、車速情報251と、車速レベル情報252と、補正レベル情報253と、縮尺率情報254と、エッジの補正値情報255と、が含まれている。例えば、エッジ補正値データ250は、記憶装置3に格納されていればよい。なお、車速情報251、車速レベル252、補正レベル情報253、縮尺率情報254は、前述の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
エッジの補正値情報255は、図11に示すように、補正値が付加されていない道路のエッジを基準とした場合に、補正によるエッジの強調度合いを示すものである。なお、エッジの補正値は、地図画像の縮尺率ごとに予め定められている。また、補正値演算部600がエッジの補正値を特定する。そして、補正値演算部600は、特定したエッジの補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力する。
【0073】
エッジの補正値は、車速が速くなる程大きな値が対応付けられている。したがって、車速レベルが低速よりも高速である方が、特定される補正値は大きくなる。すなわち、一定の縮尺率において、車速レベルが低速である場合のエッジよりも、高速である場合のエッジの方が、より強調されて表示されることとなる。
【0074】
次に、図7のフロー図を用いて、第一変形例に係る地図画像補正処理について説明する。なお、各機能部で実行される前述と同様の処理については、その説明を省略する。
【0075】
ステップS003、ステップS005、ステップS007の各々において、補正値演算部600は、走行判別部400から取得した車速レベルに対応する補正レベルに応じて、エッジの補正値255をエッジ補正値データ250から特定する。具体的には、取得した車速レベルが低速(1〜40km/h)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル1(図10の補正レベル253)に対応するエッジの補正値255を特定する。同様に、取得した車速レベルが中速(41〜80km/h)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル2(図10の補正レベル253)に対応するエッジの補正値255を特定する。同様に、取得した車速レベルが高速(81km/h以上)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル3(図10の補正レベル253)に対応するエッジの補正値255を特定する。そして、補正値演算部600は、特定した補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700へ出力する(ステップS004、ステップS006、ステップS008)。
【0076】
ステップS009において、表示データ生成部700は、補正値演算部600から出力された指示に基づいてグラフィックス情報を生成する。例えば、表示データ生成部700は、補正値を付加していない地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を補正値演算部600から受け付けると、補正値を付加せずに地図画像のグラフィックス情報を生成する。また、表示データ生成部700は、補正値演算部600から補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報の生成指示を受け付けると、かかる処理を施したグラフィックス情報を生成する。具体的には、表示データ生成部700は、走行判別部400で特定されたリンクID203に対応するエッジ情報244を特定し、これに補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する。そして、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力し、処理をステップS010に移行する。
【0077】
以上、第一変形例の地図画像補正処理について説明した。
【0078】
次に、第一変形例の具体例について説明する。図12は、第一変形例に係るナビゲーション装置100の画面例を示す図である。なお、図7に示すフローの各ステップに対応する説明には、括弧書きでステップ番号を付す。
【0079】
画面例804は、ナビゲーション装置100が起動し、ディスプレイ2に対する地図画像の表示が要求された際の画面例である。同画面例に示す地図画像の表示形態は補正されていないものである。
【0080】
ここで、補正値演算部600は、取得した車速レベルに基づき、車両が停車中であるか否かを判定する(ステップS001)。そして、車両が停車中である場合、補正値演算部600は、補正を行わずに地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS001、ステップS002)。その結果、ディスプレイ2に表示される地図画像は、画面例の状態を維持し、表示形態は変更されない。
【0081】
一方で、車両が停車中でない場合、すなわち、速度レベルが低速、中速、高速のいずれかである場合、補正値演算部600は補正値を特定し、これを付加したグラフィックス情報の生成指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS003〜ステップS008)。
【0082】
表示データ生成部700は、走行判別部400から取得したリンクID203から自車位置のある道路のエッジ情報244を特定し、かかるエッジ情報244に補正値を付加したグラフィックス情報を生成する(ステップS009)。また、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力する。その結果、画面例806に示すように、補正値を付加していない通常のエッジ805に比べて、自車位置のある道路のエッジ807は強調して表示される。このように、ディスプレイ2には、車両の車速レベルに応じてエッジが強調された道路が表示されることとなる。
【0083】
以上、第一変形例の具体例について説明した。
【0084】
このような本発明によれば、車両の車速レベルに応じて、エッジが強調された道路が表示される。その結果、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因して視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題を防止することができる。
【0085】
次に、本発明の第二変形例について説明する。前述の実施形態および第一変形例では、ディスプレイに表示する道路幅や道路のエッジについて表示形態を補正した。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。第二変形例では、車両の速度に応じて、道路のコントラストの表示形態を補正する。
【0086】
なお、コントラストとは、画像の明るい部分と暗い部分との明度差のことである。例えば、コントラストを強調すると、白い部分はより白く、黒い部分はより黒く表現されることになる。本発明では、コントラストを補正することにより、道路の画像と、道路以外の画像との間の明度差を強調し、道路画像をより明確に表示する。
【0087】
図13は、コントラストの補正値を算出するために用いられるコントラスト補正値データ260の構成を示す図である。コントラスト補正値データ260は、車速情報261と、車速レベル情報262と、補正レベル情報263と、縮尺率情報264と、コントラストの補正値情報265と、が含まれている。例えば、コントラスト補正値データ260は、記憶装置3に格納されていればよい。なお、車速情報261、車速レベル262、補正レベル情報263、縮尺率情報264は、前述の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
コントラストの補正値情報265は、図14に示すように、補正値が付加されていない道路のコントラストを基準とした場合に、補正によるコントラストの強調度合いを示すものである。なお、コントラストの補正値265は、地図画像の縮尺率ごとに予め定められている。また、補正値演算部600がコントラストの補正値を特定する。そして、補正値演算部600は、特定したコントラストの補正値265を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力する。
【0089】
コントラストの補正値265は、車速が速くなる程大きな値が対応付けられている。したがって、車速レベルが低速よりも高速である方が、特定される補正値は大きくなる。すなわち、一定の縮尺率において、車速レベルが低速である場合のコントラストよりも、高速である場合のコントラストの方が、より強調されて表示されることとなる。
【0090】
次に、図7のフロー図を用いて、第二変形例に係る地図画像補正処理について説明する。なお、各機能部で実行される前述と同様の処理については、その説明を省略する。
【0091】
ステップS003、ステップS005、ステップS007の各々において、補正値演算部600は、走行判別部400から取得した車速レベルに対応する補正レベルに応じたコントラストの補正値265をコントラスト補正値データ260から特定する。具体的には、取得した車速レベルが低速(1〜40km/h)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル1(図13の補正レベル263)に対応するコントラストの補正値265を特定する。同様に、取得した車速レベルが中速(41〜80km/h)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル2(図13の補正レベル263)に対応するコントラストの補正値265を特定する。同様に、取得した車速レベルが高速(81km/h以上)を示すものである場合、補正値演算部600は、補正レベル3(図13の補正レベル263)に対応するコントラストの補正値265を特定する。そして、補正値演算部600は、特定した補正値265を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700へ出力する(ステップS004、ステップS006、ステップS008)。
【0092】
ステップS009において、表示データ生成部700は、補正値演算部600から出力された指示に基づいてグラフィックス情報を生成する。例えば、表示データ生成部700は、補正値を付加していない地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を補正値演算部600から受け付けると、補正値を付加せずに地図画像のグラフィックス情報を生成する。また、表示データ生成部700は、補正値演算部600から補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報の生成指示を受け付けると、かかる処理を施したグラフィックス情報を生成する。具体的には、表示データ生成部700は、走行判別部400で特定されたリンクID203に対応するコントラスト情報245を特定し、これに補正値を付加した地図画像のグラフィックス情報を生成する。そして、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力し、処理をステップS010に移行する。
【0093】
以上、第二変形例の地図画像補正処理について説明した。
【0094】
次に、第二変形例の具体例について説明する。図15は、第二変形例に係るナビゲーション装置100の画面例を示す図である。なお、フローの各ステップに対応する説明には、括弧書きでステップ番号を付す。
【0095】
画面例808は、ナビゲーション装置100が起動し、ディスプレイ2に対する地図画像の表示が要求された際の画面例である。同画面例に示す地図画像の表示形態は補正されていないものである。
【0096】
ここで、補正値演算部600は、取得した車速レベルに基づき、車両が停車中であるか否かを判定する(ステップS001)。そして、車両が停車中である場合、補正値演算部600は、補正を行わずに地図画像のグラフィックス情報を生成する指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS001、ステップS002)。その結果、ディスプレイ2に表示される地図画像は、画面例の状態を維持し、表示形態は変更されない。
【0097】
一方で、車両が停車中でない場合、すなわち、速度レベルが低速、中速、高速のいずれかである場合、補正値演算部600は補正値を特定し、これを付加したグラフィックス情報の生成指示を表示データ生成部700に出力する(ステップS003〜ステップS008)。
【0098】
表示データ生成部700は、走行判別部400から取得したリンクID203から自車位置のある道路のコントラスト情報245を特定し、かかるコントラスト情報245に補正値を付加したグラフィックス情報を生成する(ステップS009)。また、表示データ生成部700は、生成したグラフィックス情報をディスプレイ2に出力する。その結果、画面例810に示すように、補正値を付加していない通常のコントラスト809に比べて、自車位置のある道路のコントラスト811は強調して表示される。このように、ディスプレイ2には、車両の車速レベルに応じてコントラストが強調された道路が表示されることとなる。
【0099】
以上、第二変形例の具体例について説明した。
【0100】
このような本発明によれば、車両の車速レベルに応じて、コントラストが強調された道路が表示される。その結果、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因して視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題を防止することができる。
【0101】
また、第一変形例および第二変形例では、道路のエッジおよびコントラストを強調する補正を行ったが、本発明はこのような補正に限られるものではない。例えば、道路の色彩や、道路の輝度を補正するようにしてもよい。
【0102】
このような地図画像の表示形態を補正することによっても、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因して視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題を防止することができる。
【0103】
また、補正の対象を自車位置のある道路だけでなく、自車位置のある道路と同種の道路まで含めるようにしてもよい。
【0104】
また、本発明は、車両の走行速度に応じて、道路のエッジの幅や、例えば所定施設など道路以外の画像を描画する線の幅を補正するようにしてもよい。このようにすれば、車両の走行速度が速くなれば速くなるほど、道路のエッジの幅や、道路以外の地図画像を描画する線の幅が広く(太く)表示される。
【0105】
また、補正の対象を、地図画像の道路だけではなく、ディスプレイに表示する地図画像上の施設に関するアイコンに適用するようにしてもよい。具体的には、補正値演算部600は、アイコンのエッジ、アイコンを描画する線の幅、アイコンとアイコン以外の画像部分との間のコントラスト、アイコンの色彩、アイコンの輝度、アイコン以外の画像部分の色彩、アイコン以外の画像部分の輝度などについて補正値を算出する。
【0106】
このような本発明によれば、ディスプレイには強調されたアイコンが表示されることとなる。その結果、車両の走行速度の上昇に伴う振動量の増加に起因して視差が生じ、表示される画像の視認性が低下してしまうという問題を防止することができる。
【0107】
なお、本発明の車両用情報表示装置は、ナビゲーション装置への適用に限定されるものではない。本発明の車両用情報表示装置は、少なくとも所定の情報を表示する表示装置を備えた車載機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
100・・・ナビゲーション装置、1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行速度を特定する車速特定手段と、
表示用の情報を記憶する表示用情報記憶手段と、
前記車速特定手段により特定された車両の走行速度に基づいて、前記表示用情報記憶手段に記憶される表示用の情報を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された表示用の情報に基づく表示を行う情報表示手段と、
を備えることを特徴とする車両用情報表示装置。
【請求項2】
前記車速特定手段により特定された車両の走行速度に基づいて、補正値を決定する補正値決定手段を備え、
前記補正手段は、
前記補正値決定手段により決定された補正値に基づいて、前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報を補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報表示装置。
【請求項3】
前記補正値決定手段により決定される補正値は、画像の輪郭部を形成するエッジの強調度に関するものであることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項4】
前記補正値決定手段により決定される補正値は、画像の輝度に関するものであることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項5】
前記補正値決定手段により決定される補正値は、画像の色彩に関するものであることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項6】
前記補正値決定手段により決定される補正値は、画像の線の幅に関するものであることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項7】
前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報には地図に関する情報が含まれ、
前記補正手段により補正される表示用の情報は、道路の幅であることを特徴とする請求項2に記載の車両用情報表示装置。
【請求項8】
前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報には地図に関する情報が含まれ、
前記補正手段により補正される表示用の情報は、道路に関するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の車両用情報表示装置。
【請求項9】
前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報には地図に関する情報が含まれ、
前記補正手段により補正される表示用の情報は、道路以外の画像部分に関するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用情報表示装置。
【請求項10】
前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報には地図に関する情報が含まれ、
前記補正手段により補正される表示用の情報は、地図画像上の施設を示すアイコンに関するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の車両用情報表示装置。
【請求項11】
前記表示用情報記憶手段により記憶される表示用の情報には地図に関する情報が含まれ、
前記補正手段により補正される表示用の情報は、地図画像上の施設を示すアイコン以外の画像部分に関するものであることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−220958(P2011−220958A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92963(P2010−92963)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】