説明

車両用燃料計及び当該燃料計を備えたコンビネーションメータ

【課題】 燃料残量が規定量を下回った際に運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができ、低コスト、省スペースを達成することができる車両用燃料計及び当該燃料計を備えたコンビネーションメータを提供する。
【解決手段】 照明手段からの光によって光輝する表示意匠が設けられた文字盤17の光輝した前記表示意匠を指示手段13によって指示することにより車両の燃料残量を表示する車両用燃料計10であって、前記文字盤17が、規定量以上の燃料残量を表示するための第1の表示意匠11と、前記規定量を下回った燃料残量を表示するための第2の表示意匠12と、を有しており、前記照明手段が、燃料残量に応じて前記第1の表示意匠11または前記第2の表示意匠12を択一的に照明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明手段からの光によって光輝する表示意匠が設けられた文字盤の光輝した前記表示意匠を指示手段によって指示することにより車両の燃料残量を表示する車両用燃料計及び当該燃料計を備えたコンビネーションメータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車などの車両には、走行速度、エンジン回転数、各種警告、燃料残量、などの車両の状態に係る各種情報を表示するための複数の計器が設けられたコンビネーションメータが装備されている。
【0003】
そして、燃料残量を表示するための燃料計としては、燃料タンク内の液面の高さを検出し、当該液面の高さに基づいて、表示意匠としてのF(Full)からE(Empty)までの目盛と、指示手段としての指針とを用いて燃料残量を表示し、さらに、燃料残量が規定量を下回った場合には警告灯を点灯させることで運転者の注意を喚起して燃料切れを防止するようにしたものが一般的であり、近年では、例えば砂漠や林道等の不整地を走行する可能性のある四輪駆動車の一部において、車両の傾きを傾斜センサ等により検出して補正することにより燃料残量の表示精度の向上を図ったものもある。
【0004】
このような燃料計によれば、運転者は、燃料残量をある程度正確に知ることが可能となるが、指針が目盛Eを指している際の燃料残量をより正確に表示すべく燃料残量を表示する表示部を2つ隣接して設けて両者を連続的に表示させ、より確実に燃料切れを防止するようにした燃料計が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
図9に示すように、特許文献1に開示されたコンビネーションメータ50は、第1の表示装置51に、車速表示部55と、燃料残量表示部53と、水温表示部56とが設けられており、第1の表示装置51に隣接して配置された第2の表示装置52に、車速表示部57と、燃料残量表示部54と、水温表示部63とが設けられている。
【0006】
そして、燃料残量が10l(リットル)以下になると、第2の表示装置52に設けられた燃料残量表示部54の指針が目盛Eを指示し、その位置で停止する。さらに燃料が消費されて、燃料残量が6l以下で5l以上になると、第1の表示装置51に設けられた燃料残量表示部53のインジケータ58〜62が全て点灯し、燃料残量が5l以下で4l以上になると、インジケータ58が消灯し、さらなる燃料の消費に伴ってインジケータ59、60、61が順次消灯していき、燃料残量が2l以下で1l以上になると、インジケータ62のみが点灯するようになっている。
【特許文献1】特開2003−025874号公報(第3−5頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された燃料計は、燃料残量が規定量を下回った場合に第1の表示装置51に設けられた燃料残量表示部53のインジケータ58〜62が点灯・消灯しても、第2の表示装置52に設けられた燃料残量表示部54が常時表示される(指針が目盛Eを常時指示する)ので、全体として表示形態の変化に乏しく、燃料残量が規定量を下回った場合における運転者の注意喚起という面では警告灯を点灯させる燃料計と大差ないものであった。
【0008】
また、第2の表示装置52に設けられた燃料残量表示部54では指針及び目盛により燃料残量の表示を行い、第1の表示装置51に設けられた燃料残量表示部53では点灯・消灯するインジケータ58〜62により燃料残量の表示を行っているので、構造及び制御が複雑になりコスト高となると共に、複数の計器が密集して設けられるコンビネーションメータにおいて、その設置領域を広く占有してしまうものであった。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料残量が規定量を下回った際に運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができ、低コスト、省スペースを達成することができる車両用燃料計及び当該燃料計を備えたコンビネーションメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、本発明に係る車両用燃料計は、下記(1)〜(3)を特徴としている。
【0011】
(1) 照明手段からの光によって光輝する表示意匠が設けられた文字盤の光輝した前記表示意匠を指示手段によって指示することにより車両の燃料残量を表示する車両用燃料計であって、前記文字盤が、規定量以上の燃料残量を表示するための第1の表示意匠と、前記規定量を下回った燃料残量を表示するための第2の表示意匠と、を有しており、前記照明手段が、燃料残量に応じて前記第1の表示意匠または前記第2の表示意匠を択一的に照明すること。
(2) 上記(1)に記載の車両用燃料計において、前記指示手段が、前記第1の表示意匠を指示する第1の指示部材と、前記第2の表示意匠を指示する第2の指示部材と、を有しており、前記第1の表示意匠及び前記第1の指示部材による表示形態と、前記第2の表示意匠及び前記第2の指示部材による表示形態と、が異なること。
(3) 上記(2)に記載の車両用燃料計において、前記第1の指示部材及び前記第2の指示部材が、単一の駆動装置により駆動されること。
【0012】
上記(1)に記載の車両用燃料計によれば、燃料残量に応じて第1の表示意匠または第2の表示意匠を択一的に照明する照明手段によって、燃料残量が規定量以上の場合には文字盤の第1の表示意匠が照明され、燃料残量が規定量を下回っている場合には第2の表示意匠が照明される。そして、燃料残量が規定量を下回った際に、燃料残量の表示が第1の表示意匠から第2の表示意匠に移動すると同時に、第1の表示意匠が暗転してその視認性が大幅に低くなる。このように、燃料残量が規定量を下回った際に、燃料残量の表示形態が変化に富むため、運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができる。
【0013】
上記(2)に記載の車両用燃料計によれば、第1の表示意匠及び第1の指示部材による表示形態と第2の表示意匠及び第2の指示部材による表示形態とが異なっており、燃料残量が規定量を下回った際の燃料残量の表示形態の変化をさらに顕著なものとすることができ、これにより運転者に対して注意喚起をより効果的に行うことができる。
【0014】
上記(3)に記載の車両用燃料計によれば、指示手段の第1の指示部材及び第2の指示部材が単一の駆動装置により駆動されるので、構造及び制御を簡素化することができ、これにより車両用燃料計の低コスト化及び小型化を図ることができる。
【0015】
また、本発明に係るコンビネーションメータは、下記(4)を特徴としている。
【0016】
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載の車両用燃料計を備えたこと。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両用燃料計及び当該燃料計を備えたコンビネーションメータによれば、燃料残量が規定量を下回った際に運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができ、低コスト、省スペースを達成することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る車両用燃料計の一実施形態の正面図、図2(a)は図1に示す燃料計に用いられる指示手段の平面図、図2(b)は図2(a)の正面図、図3は図1に示す燃料計において燃料残量が規定量以上の場合の正面図、図4は図1に示す燃料計において燃料残量が規定量を下回った際の正面図、図5は図1に示す燃料計において燃料残量が規定量を下回っている場合の正面図、図6は図1に示す燃料計が設けられたコンビネーションメータの正面図である。
【0019】
本実施形態の燃料計10は、照明手段からの光によって光輝する表示意匠が設けられた文字盤の光輝した表示意匠を指示手段によって指示することにより車両の燃料残量を表示する、所謂アナログタイプの燃料計であって、図6に示すように、自動車などの車両に装備されるコンビネーションメータ40に組み込まれている。
【0020】
このコンビネーションメータ40には、車両の状態に係る各種警告等を表示するマルチディスプレイ41が中央に設けられており、マルチディスプレイ41の右側にエンジン回転数を表示するタコメータ42が設けられ、また左側に走行速度を表示するスピードメータ43が設けられており、燃料計10は、スピードメータ43の左側の一区画に設けられている。
【0021】
このようなコンビネーションメータ40は、エンジン回転数、走行速度、燃料残量、等の指標となる表示意匠などが設けられた文字盤の前面側に、タコメータ42、スピードメータ43、燃料計10、等に対応して文字盤を区画する見返し部材が配置され、この見返し部材の前面側に透明カバーが装着され、一方、文字盤の裏面側には、文字盤を支持するケースが設けられ、このケース内に、マルチディスプレイ41を構成する液晶表示装置、文字盤を裏面側から照明する照明手段、タコメータ42、スピードメータ43、燃料計10の指示部材をそれぞれ駆動する駆動装置、及びこれら液晶表示装置、照明手段、駆動装置等を制御する制御回路が設けられた配線基板が収容されて構成される。
【0022】
図1に示すように、燃料計10の表示意匠は、見返し部材により区画された文字盤の円形の領域(以下、単に文字盤という)17に設けられており、文字盤17の片側(図1において左側)の半円形領域には、「F」(Full)及び「E」(Empty)の2文字及び当該「F」と「E」の間で円弧状に整列された目盛11aからなり、規定量以上の燃料残量を表示するための第1の表示意匠11が設けられている。
【0023】
一方、文字盤17の反対側(図1において右側)の半円形領域には、「10」(10リットル)及び「0」(0リットル)の2文字、及び当該「10」と「0」との間で第1の表示意匠11と同心に円弧状に整列された目盛12aと、この目盛12aよりも内径側において目盛12aと同心に略円弧帯状に伸びるバーグラフゾーン12bとからなり、前記規定量を下回った燃料残量を表示するための第2の表示意匠12が設けられている。
【0024】
第1の表示意匠11の「F」、「E」の2文字、目盛11a、第2の表示意匠12の「10」、「0」の2文字、目盛12a、及びバーグラフゾーン12bは、それぞれ光透過性を有しており、文字盤17を裏面側から照明する照明手段(不図示)の光を透過させて光輝するようになっている。尚、図1において「FUEL」の文字も同様に光透過性として照明手段からの光により光輝するようにしてもよいし、もしくは文字盤17に印刷するようにしてもよい。
【0025】
文字盤17を裏面側から照明する照明手段は、燃料残量に応じて第1の表示意匠11または第2の表示意匠12を択一的に照明するようになっている。このような照明手段としては、例えば、LED等を光源として用い、第1の表示意匠11を照明する第1の光源と、第2の表示意匠12を照明する第2の光源とを個別に有し、検出された燃料残量が規定量以上であるか否かを判定して、第1の光源または第2の光源を択一的に点灯するようにしたものが挙げられる。
【0026】
第1の表示意匠11及び第2の表示意匠12を指示する指示手段13は、図2(a)及び図2(b)に示すように、駆動装置20と、この駆動装置20に連結されている指針軸16と、第1の表示意匠11を指示する第1の指示部材としての指針14と、第2の表示意匠12を指示する第2の指示部材としての遮蔽板15とを有しており、指針14及び遮蔽板15は、指針軸16を挟むように配置されてこの指針軸16に一体に形成されている。遮蔽板15は、第2の表示意匠12の略円弧帯状に伸びるバーグラフゾーン12bをほぼ覆う大きさの略扇形状に形成されている。
【0027】
駆動装置20は、正逆両方向に回転を制御することが可能な例えばステッピングモータ等の駆動源を含み、検出された燃料残量に基づいて、指針14または遮蔽板15がそれぞれ第1の表示意匠11または第2の表示意匠12の適切な箇所を指示するように、指針軸16及びこの指針軸16に一体に形成されている指針14、遮蔽板15を正逆両方向に一体に回動させる。
【0028】
次に、図3から図5を参照して本実施形態の燃料計10の動作を説明する。
【0029】
まず、燃料残量が規定量(本実施形態においては10リットル)以上の場合には、図3に示すように、第1の表示意匠11が照明手段により照明されて光輝しており、第2の表示意匠12は、第1の表示意匠11とのコントラストにおいて視認性が低くなっている(ほぼ不可視となっている)。この状態で、指示手段13の指針14が、燃料の消費に伴って第1の表示意匠11の文字「F」から「E」に向けて正回転方向(図3において反時計周り)に回動され、燃料残量に応じた第1の表示意匠11の目盛11aの適切な箇所を指示して燃料残量を表示する。
【0030】
指針14が第1の表示意匠11の文字「E」付近を指示した際、即ち、燃料残量が前記規定量を下回った際には、図4に示すように、第2の表示意匠12が照明手段により照明されて光輝し、一方、第1の表示意匠11は暗転して第2の表示意匠12とのコントラストにおいて視認性が低くなる(ほぼ不可視となる)。同時に、指示手段13の指針14と共に回動される遮蔽板15は、第2の表示意匠12のバーグラフゾーン12bよりも正回転方向の前側に配置されてバーグラフゾーン12bの全体を露出させる。これにより、光輝したバーグラフゾーン12b、文字「10」、「0」及び目盛12aにより燃料残量が10リットルを下回ったことが表示される。このように、燃料残量の表示が第1の表示意匠11から第2の表示意匠12に移動して運転者の注意喚起が行われる。
【0031】
尚、照明手段を、上述のように第1の表示意匠11を照明する第1の光源と、第2の表示意匠12を照明する第2の光源とを個別に有し、第1の光源または第2の光源を択一的に点灯するように構成した場合に、第1の光源の照明色と第2の光源の照明色とを異ならしめ、例えば第1の光源の照明色を白色とし、第2の光源の照明色を注意を喚起する心理効果の高い赤色とすれば、燃料残量の表示が第1の表示意匠11から第2の表示意匠12に移動した際に、運転者の注意喚起を一層効果的に行うことができ、好ましい。さらに、警告灯を点灯するようにしても良い。
【0032】
燃料残量が前記規定量を下回った後、さらに燃料が消費されるに伴って、図5に示すように、指示手段13の遮蔽板15が、第2の表示意匠12の文字「10」から「0」に向けて逆回転方向(図5において時計周り)に回動され、第2の表示意匠12のバーグラフゾーン12bを遮蔽して、燃料の消費に伴ってバーグラフゾーン12bの可視領域の周方向長さを縮小していく。そして、バーグラフゾーン12bの外径側においてこのバーグラフゾーン12bに沿って整列された目盛12b及び文字「10」「0」を利用し、バーグラフゾーン12bの可視領域の周方向長さによって燃料残量を表示する。
【0033】
ここで、満タンから空までの燃料残量を表示する第1の表示意匠11に対して、第2の表示意匠12は、第1の表示意匠11の表示範囲の一部を拡大するように10リットルから0リットルまでの燃料残量を表示しており、前記規定量を下回った燃料残量をより正確に表示することができる。
【0034】
本実施形態の燃料計10によれば、燃料残量に応じて第1の表示意匠11または第2の表示意匠12を択一的に照明する照明手段によって、燃料残量が規定量以上の場合には第1の表示意匠11が照明され、燃料残量が規定量を下回っている場合には第2の表示意匠12が照明される。そして、燃料残量が規定量を下回った際に、燃料残量の表示が第1の表示意匠11から第2の表示意匠12に移動すると同時に、第1の表示意匠11が暗転してその視認性が大幅に低くなる。このように、燃料残量が規定量を下回った際に、燃料残量の表示形態が変化に富むため、運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができる。
【0035】
そして、第1の表示意匠11及び指針14による第1の表示形態が、回動される指針14により目盛11aの適切な箇所を指示して燃料残量を表示する表示形態であるのに対し、表示意匠12及び遮蔽板15による第2の表示形態は、回動される遮蔽板15によりバーグラフゾーン12bの可視領域の周方向長さを縮小し、バーグラフゾーン12bの可視領域の周方向長さによって燃料残量を表示する表示形態であり、第1の表示形態と第2の表示形態とが異なっており、燃料残量が規定量を下回った際の燃料残量の表示形態の変化をさらに顕著なものとすることができる。これにより運転者に対して注意喚起をより効果的に行うことができる。
【0036】
さらに、指示手段13の指針14及び遮蔽板15が単一の駆動装置20により回動されるので、構造及び制御を簡素化することができ、これにより燃料計10の低コスト化及び小型化を図ることができる。
【0037】
尚、本実施形態の燃料計10において燃料残量の規定量を10リットルとして説明したが、これに限定されるものではなく、車両の燃費や走行条件等を考慮して適宜変更され得ることは言うまでもない。この場合、第2の表示意匠12の文字「10」も規定量の数値を示す文字に変更される。また、燃料残量から予想される継続走行可能距離をマルチディスプレイ41に表示するようにしてもよい。
【0038】
次に、図7及び図8を参照して上述した燃料計10の変形例について説明する。
【0039】
図7(a)は図1に示す燃料計の変形例に係り、燃料残量が規定量以上の場合の正面図、図7(b)は図7(a)に示す燃料計の変形例において燃料残量が規定量を下回っている場合の正面図、図8(a)は図7(a)に示す燃料計の変形例に用いられる指針の平面図、図8(b)は図8(a)の断面図である。
【0040】
図7(a)及び図7(b)に示す燃料計10の変形例は、上述したコンビネーションメータ40において、前記透明カバーの代わりにスモーク処理を施すことにより透過率を下げたスモークカバーを用いた、所謂ブラックフェイスタイプのコンビネーションメータに組み込まれたものであり、文字盤17の前面、指針14、遮蔽板15、指針軸16に艶消しの黒塗装が施され、スモークカバーを介した場合に、第1の表示意匠11、第2の表示意匠12、などの光輝した部分を除く部分が不可視となっている。
【0041】
図8に示すように、指示手段13の指針軸16の内部にはLED等の光源22が内蔵されており、また、指針14の内部には導光部材21が、その前面21aを指針14の外部に露出させた状態に収容されている。光源22からの光は、導光部材21内を導かれて指針14の外部に露出した前面21aから射出され、図7(a)に示すように前面21aが光輝するようになっている。
【0042】
燃料残量が規定量(本実施形態においては10リットル)以上の場合には、図7(a)に示すように、第1の表示意匠11及び指針14の導光部材21の前面21aが光輝して可視状態となっており、燃料残量が前記規定量を下回った際には、図7(b)に示すように、第1の表示意匠11及び指針14の導光部材21の前面21aが暗転して不可視状態となり、第2の表示意匠12が光輝して可視状態となる。尚、図7(b)において符号22は警告灯である。その他の動作は、上述した燃料計10と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
本変形例によれば、第1の表示意匠11及び指針14による燃料残量の表示と、第2の表示意匠12及び遮蔽板15による燃料残量の表示との切換をより明確にすることができ、運転者に対して注意喚起を効果的に行うことができる。
【0044】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る車両用燃料計の一実施形態の正面図である。
【図2】(a)は図1に示す燃料計に用いられる指示手段の平面図であり、(b)は同図(a)の正面図である。
【図3】図1に示す燃料計において燃料残量が規定量以上の場合の正面図である。
【図4】図1に示す燃料計において燃料残量が規定量を下回った際の正面図である。
【図5】図1に示す燃料計において燃料残量が規定量を下回っている場合の正面図である。
【図6】図1に示した燃料計が用いられるコンビネーションメータにおける通常表示時の正面図である。
【図7】(a)は図1に示す燃料計の変形例に係り、燃料残量が規定量以上の場合の正面図であり、(b)は同図(a)に示す燃料計の変形例において燃料残量が規定量を下回っている場合の正面図である。
【図8】(a)は図7(a)に示す燃料計の変形例に用いられる指針の平面図であり、(b)は同図(a)の断面図である。
【図9】従来の車両用燃料計を説明するための正面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 燃料計
11 第1の表示意匠
12 第2の表示意匠
13 指示手段
14 指針(第1の指示部材)
15 遮蔽板(第2の指示部材)
17 文字盤
20 駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明手段からの光によって光輝する表示意匠が設けられた文字盤の光輝した前記表示意匠を指示手段によって指示することにより車両の燃料残量を表示する車両用燃料計であって、
前記文字盤が、規定量以上の燃料残量を表示するための第1の表示意匠と、前記規定量を下回った燃料残量を表示するための第2の表示意匠と、を有しており、
前記照明手段が、燃料残量に応じて前記第1の表示意匠または前記第2の表示意匠を択一的に照明することを特徴とする車両用燃料計。
【請求項2】
前記指示手段が、前記第1の表示意匠を指示する第1の指示部材と、前記第2の表示意匠を指示する第2の指示部材と、を有しており、
前記第1の表示意匠及び前記第1の指示部材による表示形態と、前記第2の表示意匠及び前記第2の指示部材による表示形態と、が異なることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料計。
【請求項3】
前記第1の指示部材及び前記第2の指示部材が、単一の駆動装置により駆動されることを特徴とする請求項2に記載の車両用燃料計。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用燃料計を備えたことを特徴とするコンビネーションメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−214989(P2006−214989A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30798(P2005−30798)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】