説明

車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラム

【課題】ドライバーに苛立ちを感じさせることなく、地点情報を取得することができる車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】地点情報を提供する携帯機器50から、地点情報を構成する簡易情報および詳細情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得する簡易情報取得手段21と、取得した簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出する簡易情報抽出手段25と、抽出した一部の簡易情報に関連する詳細情報を、携帯機器50から取得する詳細情報取得手段27と、を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器と通信可能な車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の携帯機器から電話番号情報を取得し、予め保持されている電話番号に対応する位置情報に基づいて、目的地や経由地を設定する車載機器(ナビゲーション装置)が知られている(例えば、特許文献1)。また、携帯機器から、位置情報や店舗情報を含む地点情報を取得し、当該地点情報を表示および記憶することができる車載機器も知られている(例えば、特許文献2)。この特許文献2の構成によれば、車載機器側で地点情報を参照することができるため、目的地設定や店舗検索に利用でき、利便性が良い。また、車載機器は、一般的に携帯機器に比べて大きな表示画面を搭載しているため、地点情報として、店舗画像や店舗紹介文などの詳細な情報を取得した場合も、これらが見やすいといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−298033号公報
【特許文献2】特開2002−22468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献2に記載の発明では、携帯機器に記憶されている地点情報の数が多い場合、車載機器が膨大な情報量を受信することとなり、受信に時間がかかるといった問題がある。地点情報に画像データが含まれるような場合は、なおさらである。このため、携帯機器から受信した地点情報に基づいて、車載機器側で目的地設定などを行おうとした場合、情報受信に時間がかかるため、なかなか目的地設定の操作を開始することができず、ドライバーに苛立ちを感じさせてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、ドライバーに苛立ちを感じさせることなく、地点情報を取得することができる車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車載機器は、地点情報を提供する携帯機器から、地点情報を構成する簡易情報および詳細情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得する簡易情報取得手段と、取得した簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出する簡易情報抽出手段と、抽出した一部の簡易情報に関連する詳細情報を、携帯機器から取得する詳細情報取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の車載機器の通信制御方法は、地点情報を提供可能な携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、車載機器が、携帯機器から、地点情報を構成する簡易情報および詳細情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得するステップと、取得した簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出するステップと、抽出した一部の簡易情報に関連する詳細情報を、携帯機器から取得するステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、まず、地点情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得し、その中から所定の条件に応じて一部の簡易情報を抽出した後、当該一部の簡易情報に関連する詳細情報を取得するため、情報取得に要する時間を短縮することができる。つまり、地点情報の取得を、簡易情報と詳細情報の2回に分け、後者の詳細情報については、必要なものだけを取得するため、全ての詳細情報を取得する場合と比較して、取得する情報量が少なくなる。これにより、例えばドライバーが目的地設定や経由地設定を目的として、地点情報を携帯機器から取得しようとした場合、迅速に情報を取得できるため、それらの設定操作を快適に行うことができる。特に、通信量の少ない無線通信(Bluetooth通信など,なお、「Bluetooth」は登録商標である)を採用した場合、さらに効果的である。
なお、取得した地点情報は、必ずしも目的地設定や経由地設定に用いられる必要はなく、単にユーザー(ドライバー)により参照されるだけでも良い。
また、簡易情報を抽出した時点で、その簡易情報の一覧表示を行う簡易情報表示手段と、一覧表示された簡易情報の中から所望の簡易情報を選択するための簡易情報選択手段と、をさらに備えても良い。この構成によれば、ユーザーが必要とする詳細情報のみを取得することができるため、情報取得に要する時間をより短縮することができる。
【0009】
上記に記載の車載機器において、携帯機器から、簡易情報の一部である位置情報を取得する位置情報取得手段と、自車位置または目的地に応じて、取得した位置情報の中から、一部の位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、をさらに備え、簡易情報取得手段は、抽出した位置情報が含まれる簡易情報のうち、位置情報以外の情報を取得することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、まず、簡易情報の一部である位置情報のみを取得し、その中から自車位置または目的地に応じて抽出した一部の位置情報が含まれる簡易情報を取得するため、最初に全ての簡易情報を取得する場合と比較して、簡易情報の取得に要する時間を短縮することができる。
【0011】
上記に記載の車載機器において、詳細情報取得手段は、自車位置が、簡易情報に含まれる位置情報に基づく所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、詳細情報を取得することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、自車位置周辺の詳細情報を取得することができる。つまり、詳細情報を取得するためのドライバーの特別な操作を必要とすることなく、車両走行に伴って、必要な詳細情報のみを順次取得することができる。
なお、「自車位置が、所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、詳細情報を取得する」のではなく、「任意の地点が自車位置周辺に近づいたときまたは入ったとき、その地点の詳細情報を取得する」ようにしても良い。また、この場合の「自車位置周辺」とは、自車位置を中心とした所定の範囲(例えば、半径○○km以内)を指しても良いし、自車位置から経路上の所定距離以内の範囲(例えば、経路上の○○km先以内)を指しても良い。
【0013】
上記に記載の車載機器において、地図情報を表示する表示手段をさらに備え、位置情報に基づく所定の範囲は、地図情報の表示スケールに応じて可変することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、地図情報の表示スケールに応じて、詳細情報の取得対象範囲(簡易情報の抽出対象範囲)を可変することができる。
なお、所定の範囲は、表示スケールが大きくなるにしたがって、狭くすることが好ましい。この構成によれば、画面上に表示されている範囲と所定の範囲とが略比例関係となるため、ドライバーが詳細情報の取得対象範囲を容易に把握することができる。但し、逆のニーズも考えられるため、表示スケールが大きくなるにしたがって、所定の範囲を広くすることも可能である。
【0015】
上記に記載の車載機器において、現在時刻を取得する現在時刻取得手段をさらに備え、簡易情報抽出手段は、取得した現在時刻が、取得した簡易情報に含まれる時間情報に該当することを所定の条件として、一部の簡易情報を抽出することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、例えば時間情報が、営業時間の場合、取得した簡易情報の中から、現在時刻が営業時間内である地点の簡易情報のみを抽出することができる。つまり、現在時刻が営業時間外である場合は、詳細情報を取得しても意味がないため、営業時間内の簡易情報のみを抽出することで、詳細情報の情報取得に要する時間をより短縮することができる。
【0017】
上記に記載の車載機器において、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、少なくとも自車位置周辺の天候情報を取得する天候情報取得手段と、をさらに備え、簡易情報抽出手段は、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、現在時刻における自車位置周辺の天候情報に適していることを所定の条件として、一部の簡易情報を抽出することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、取得した簡易情報の中から、そのカテゴリ情報(施設情報など)が現在時刻における自車位置周辺の天候情報に適している簡易情報のみを抽出することができる。つまり、例えば屋外施設である場合、雨天時に利用できなかったり十分楽しめなかったりする可能性が高いため、天候情報に適した意味のある簡易情報のみを抽出することで、詳細情報の情報取得に要する時間をより短縮することができる。
【0019】
上記に記載の車載機器において、目的地を設定する目的地設定手段をさらに備え、簡易情報抽出手段は、取得した簡易情報に含まれる位置情報が、設定された目的地周辺の所定の範囲または目的地設定の候補となる目的地候補周辺の所定の範囲に含まれること、並びに取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、設定された目的地または目的地候補と同じカテゴリであること、の少なくとも一方を所定の条件として、一部の簡易情報を抽出することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、目的地周辺や目的地候補周辺の位置情報を含む簡易情報を抽出して、それらに該当する詳細情報を取得することができる。これにより、目的地の位置に応じて必要と考えられる詳細情報のみを取得することができる。また、目的地や目的地候補と同じカテゴリのカテゴリ情報を含む簡易情報を抽出して、それらに該当する詳細情報を取得することができる。これにより、目的地のカテゴリに応じて必要と考えられる詳細情報のみを取得することができる。
なお、「カテゴリ」とは、施設ジャンル(遊園地、美術・博物館、電気屋、レストランなど)や、施設タイプ(屋内施設、屋外施設など)、目的(休憩、遊び、食事など)などによって分類されるものである。
【0021】
上記に記載の車載機器において、操作手段をさらに備え、詳細情報取得手段は、目的地が設定されたとき、目的地候補が表示されたとき、操作手段により所定の操作が行われたとき、のいずれかのタイミングで、詳細情報を取得することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、目的地が設定されたとき、目的地候補が表示されたとき、所定の操作が行われたときなど、詳細情報の表示が必要と考えられるタイミングで、詳細情報を取得することができる。
なお、目的地候補を表示して、且つ所定の操作が行われたときに詳細情報を取得するなど、重複した条件を満たすタイミングで、詳細情報を取得するようにしても良い。
【0023】
上記に記載の車載機器において、目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、目的地周辺の所定の範囲または目的地候補周辺の所定の範囲は、目的地または目的地候補、若しくは目的地または目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて可変することを特徴とする。
【0024】
上記に記載の車載機器において、目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、詳細情報取得手段は、目的地または目的地候補、若しくは目的地または目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて、取得する情報量を可変することを特徴とする。
【0025】
これらの構成によれば、目的地または目的地候補、若しくはそれらの周辺エリアを訪問した回数(目的地設定した回数または走行した回数)に応じて、詳細情報の取得形態を変化させることができる。例えば、訪問回数が0回の場合は、より詳細な情報が必要となるため、所定の範囲を狭くして抽出件数を絞り、各地点について充実した情報(多くの情報量)を取得することが好ましい。逆に、何度も訪問している地点は、充実した情報よりも、所定の範囲を広くして抽出件数を増やすことが好ましい。
なお、ユーザーに応じて他のニーズも考えられるため、訪問回数が0回の場合、所定の範囲を広くする、訪問回数が多い場合、多くの情報量を取得する、といった取得形態としても良い。また、条件と、所定の範囲と、情報量と、の対応関係を、ユーザーのニーズに応じて設定可能としても良い。
また、「周辺エリア」とは、任意の地点を中心とした所定のエリア(任意の地点から半径○○km以内など)を指しても良いし、予め区切られた複数の分割エリアの中で、任意の地点が存在するいずれか1の分割エリアを指すものとしても良い。
【0026】
上記に記載の車載機器において、目的地までの到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出手段をさらに備え、簡易情報抽出手段は、算出した到着予定時刻が、取得した簡易情報に含まれる時間情報に該当することを所定の条件として、一部の簡易情報を抽出することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、例えば時間情報が、営業時間の場合、取得した簡易情報の中から、到着予定時刻が営業時間内である地点の簡易情報のみを抽出することができる。つまり、到着予定時刻が営業時間外である場合は、詳細情報を取得しても訪問することができないため、営業時間内の意味のある簡易情報のみを抽出することで、詳細情報の情報取得に要する時間をより短縮することができる。
【0028】
上記に記載の車載機器において、目的地までの到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出手段と、少なくとも目的地周辺の天候情報を取得する天候情報取得手段と、をさらに備え、簡易情報抽出手段は、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、到着予定時刻における目的地周辺の天候情報に適していることを所定の条件として、一部の簡易情報を抽出することを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、取得した簡易情報の中から、そのカテゴリ情報(施設情報など)が到着予定時刻における目的地周辺の天候情報に適している簡易情報のみを抽出することができる。つまり、例えば屋外施設である場合、雨天時に利用できなかったり十分楽しめなかったりする可能性が高いため、天候情報に適した意味のある簡易情報のみを抽出することで、詳細情報の情報取得に要する時間をより短縮することができる。
【0030】
上記に記載の車載機器において、簡易情報抽出手段は、到着予定時刻が変化したとき、または到着予定時刻における目的地周辺の天候情報が変化したときに、一部の簡易情報を抽出し直すことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、到着予定時刻が変化したときや到着予定時刻における目的地周辺の天候情報が変化したときは、簡易情報を抽出し直すため、道路状況の変化や天候の変化に、臨機応変に対応することができる。
【0032】
上記に記載の車載機器において、携帯機器は、複数の情報機器から成り、詳細情報取得手段は、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の情報機器から取得した場合、当該複数の詳細情報の中から、最も新しい更新日時の詳細情報、または最も情報量の多い詳細情報を選択して取得することを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、取得した任意の地点の詳細情報が、情報機器によって異なる場合、最も新しい更新日時の詳細情報、または最も情報量の多い詳細情報を択一的に取得する。つまり、最も有効と考えられる詳細情報を選択するため、同一地点の詳細情報を複数の情報機器から取得するなど、無駄な詳細情報の取得を防止することができる。
【0034】
上記に記載の車載機器において、簡易情報取得手段は、自車位置が位置情報に基づく所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、簡易情報を取得することを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、自車位置周辺の位置情報を含む簡易情報を取得することができる。つまり、簡易情報を取得するためのドライバーの特別な操作を必要とすることなく、車両走行に伴って、必要な簡易情報のみを順次取得することができる。
なお、上記の詳細情報を取得する場合と同様に、「自車位置が、所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、簡易情報を取得する」のではなく、「任意の地点が自車位置周辺に近づいたときまたは入ったとき、その地点の簡易情報を取得する」ようにしても良い。
【0036】
上記に記載の車載機器において、地図情報を表示する表示手段をさらに備え、位置情報に基づく所定の範囲は、地図情報の表示スケールに応じて可変することを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、地図情報の表示スケールに応じて、簡易情報の取得対象範囲(位置情報の抽出対象範囲)を可変することができる。
なお、上記の詳細情報の取得対象範囲を可変する場合と同様に、所定の範囲は、表示スケールが大きくなるにしたがって、狭くすることが好ましい。
【0038】
上記に記載の車載機器において、目的地を設定する目的地設定手段をさらに備え、位置情報抽出手段は、取得した位置情報が、設定された目的地周辺の所定の範囲または目的地設定の候補となる目的地候補周辺の所定の範囲に含まれることを所定の条件として、位置情報を抽出することを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、目的地周辺や目的地候補周辺の位置情報を抽出して、それらを含む簡易情報を取得することができる。これにより、目的地の位置に応じて必要と考えられる簡易情報のみを取得することができる。
【0040】
上記に記載の車載機器において、操作手段をさらに備え、簡易情報取得手段は、目的地が設定されたとき、目的地候補が表示されたとき、操作手段により所定の操作が行われたとき、のいずれかのタイミングで、簡易情報を取得することを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、目的地が設定されたとき、目的地候補が表示されたとき、所定の操作が行われたときなど、簡易情報または詳細情報の表示が必要と考えられるタイミングで、簡易情報を取得することができる。
なお、車載機器が、簡易情報を表示する機能を有しない場合は、簡易情報の抽出直後に、詳細情報を取得することが好ましい。
また、上記の詳細情報を取得する場合と同様に、目的地候補を表示して、且つ所定の操作が行われたときに簡易情報を取得するなど、重複した条件を満たすタイミングで、簡易情報を取得するようにしても良い。
【0042】
上記に記載の車載機器において、目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、目的地周辺の所定の範囲または目的地候補周辺の所定の範囲は、目的地または目的地候補、若しくは目的地または目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて可変することを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、目的地または目的地候補、若しくはそれらの周辺エリアを訪問した回数(目的地設定した回数または走行した回数)に応じて、簡易情報の取得対象となる所定の範囲を変化させることができる。例えば、訪問回数が0回の場合は所定の範囲を狭くし、訪問回数が多い場合は所定の範囲を広くする、などが考えられる。
なお、ユーザーに応じて他のニーズも考えられるため、逆の形態としても良い。また、条件と、所定範囲と、の対応関係を、ユーザーのニーズに応じて設定可能としても良い。
【0044】
本発明の情報通信システムは、上記に記載の車載機器と、携帯機器と、から成ることを特徴とする。
【0045】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0046】
これらの構成によれば、ドライバーに苛立ちを感じさせることなく、地点情報を取得することができる情報通信システム、または車載機器の通信制御方法を実現するためのプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1実施形態に係る車載機器の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯機器側地点情報データベースの概念図である。
【図3】第1実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【図4】地点情報の表示例を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る車載機器の構成の一部を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係る車載機器の構成の一部を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【図9】図4とは異なる、地点情報の表示例を示す図である。
【図10】第4実施形態に係る車載機器の構成の一部を示すブロック図である。
【図11】第4実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【図12】第5実施形態に係る車載機器の構成の一部を示すブロック図である。
【図13】第5実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【図14】第6実施形態に係る地点情報取得処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、車載機器として、携帯機器(例えば、携帯電話)との通信機能(地点情報取得機能)およびカーナビゲーション機能を有する情報機器を例示する。
【0049】
図1は、第1実施形態に係る車載機器10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、車載機器10は、機器本体内に、通信部13、リモコン受光部14、自立航法センサー15、地図データベース16、ディスプレイ17および制御部20を備えている。また、機器本体外には、通信アンテナ11、GPS(Global Positioning System)アンテナ12およびリモコン(リモートコントローラ)30を備えている。なお、ディスプレイ17は、必ずしも車載機器10と一体である必要はなく、独立した構成としても良い。
【0050】
通信アンテナ11は、基地局31を介して、外部サーバー32から情報を受信する。当該外部サーバー32は、天候情報を提供するためのサーバーであり、天候情報として、時刻毎且つエリア毎に分類された予報情報を配信する。また、GPSアンテナ12は、GPS衛星34から、車両1の現在位置情報(緯度、経度、高度)および現在時刻情報を受信する。以下、これら現在位置情報および現在時刻情報を、「GPS情報」と総称する。
【0051】
リモコン30は、ユーザー(ドライバー)が各種操作を行うための操作手段として機能する。リモコン受光部14は、リモコン30の操作信号を取得する。なお、操作手段として、音声操作を行うためのマイク(図示省略)を、さらに備えても良い。
【0052】
通信部13は、携帯機器50とBluetooth通信(無線通信の一例として示したものであり、「Bluetooth」は登録商標である)や赤外線通信を行う。なお、通信部13は、これら非接触通信ではなく、バス接続などの有線通信を行っても良い。また、請求項における「情報通信システム」は、車載機器10と、携帯機器50と、から成る。
【0053】
自立航法センサー15は、角度センサーおよび距離センサーから成り(いずれも、図示省略)、その検出結果は、GPSアンテナ12によって取得されるGPS情報と共に、車両1の走行位置(自車位置)を特定するために用いられる。地図データベース16は、経路案内を行うための地図データを記憶する。ディスプレイ17は、携帯機器50から取得した地点情報(図4等参照)や経路案内情報を表示する。
【0054】
ここで、図2を参照し、携帯機器50から提供される情報について説明する。携帯機器50の地点情報データベース52には、予めモバイルサイトなどから取得した、多数の地点(施設、店舗など)に関する「地点情報」が記憶されており、各「地点情報」には、各情報を識別するための「地点情報ID」が付与されている。「地点情報」は、各地点に関する簡易な情報である「簡易情報」と、各地点に関する詳細な情報である「詳細情報」と、から成り、これら「簡易情報」および「詳細情報」は、「地点情報ID」と関連付けられている。
【0055】
「簡易情報」としては、地点名称、位置情報(緯度・経度など)、時間情報(営業時間など)、カテゴリ情報(施設情報など)および更新情報(更新日時を示す情報)が含まれる。また、「詳細情報」としては、地点説明(施設紹介の文章など)、画像データおよびクーポン情報が含まれる。
【0056】
携帯機器50は、車載機器10との通信確立時に、地点情報データベース52内の簡易情報を送信する。また、車載機器10からの詳細情報送信要求に応じ、地点情報データベース52から該当する詳細情報を読み出して、車載機器10に送信する。
【0057】
図1の説明に戻る。制御部20は、簡易情報取得手段21、天候情報取得手段22、GPS情報取得手段23、経路誘導手段24、簡易情報抽出手段25、地点情報ID送信手段26、詳細情報取得手段27および表示制御手段28から成る。
【0058】
簡易情報取得手段21は、携帯機器50から、通信部13を介して、地点情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得する。当該簡易情報には、上記の「地点情報ID」が付加されている。天候情報取得手段22は、外部サーバー32から、基地局31および通信アンテナ11を介して、天候情報を取得する。GPS情報取得手段23は、GPS衛星34から、GPSアンテナ12を介して、GPS情報を取得する。
【0059】
経路誘導手段24は、GPS情報取得手段23により取得されたGPS情報、自立航法センサー15の検出結果および地図データベース16から得られる地図データを利用して、経路誘導を行う。また、経路誘導手段24は、リモコン30による各種ユーザー操作(経路誘導の開始、終了、目的地設定、目的地候補の表示、経路変更などの操作)に基づいて、経路誘導機能を実現する。
【0060】
簡易情報抽出手段25は、簡易情報取得手段21により取得された簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出する。本実施形態では、自車位置が、簡易情報に含まれる位置情報に基づく所定の範囲に入ったことを、第一の条件とする。これにより、車両走行に伴って、必要な詳細情報のみを順次取得することができる。なお、「自車位置が、位置情報に基づく所定の範囲に入ったことを条件として簡易情報を抽出する」のではなく、「自車位置周辺に含まれる簡易情報を抽出する」ようにしても良い。この場合、「自車位置周辺」とは、自車位置を中心とした所定の範囲(例えば、半径10km以内)を指しても良いし、自車位置から経路上の所定距離以内の範囲(例えば、経路上の10km先以内)を指しても良い。
【0061】
また、本実施形態では、取得したGPS情報に含まれる現在時刻情報が、取得した簡易情報に含まれる時間情報に該当することを第二の条件とする。例えば、時間情報が営業時間を示す場合、現在時刻が営業時間内である地点の簡易情報のみを抽出する。これにより、現在時刻が営業時間外であるような、取得しても意味のない詳細情報の取得を禁止することができる。
【0062】
また、本実施形態では、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報(施設情報など)が、現在時刻における自車位置周辺の天候情報に適していることを第三の条件とする。例えば、屋外施設の場合、雨天でないことを条件として簡易情報を抽出する。これにより、その天候では利用できなかったり十分楽しめなかったりする可能性が高い施設の詳細情報の取得を禁止することができる。
【0063】
地点情報ID送信手段26は、簡易情報抽出手段25により抽出された簡易情報に付加されている地点情報IDを、通信部13を介して、携帯機器50に送信する。ここでは、地点情報IDと共に、詳細情報送信要求を送信する。なお、本実施形態では、自車位置が、簡易情報に含まれる位置情報に基づく所定の範囲に入ったときに、地点情報IDを送信するものとする。
【0064】
詳細情報取得手段27は、上記の詳細情報送信要求に対し、携帯機器50から、地点情報IDに関連付けられた詳細情報を取得する。すなわち、本実施形態では、自車位置が、位置情報に基づく所定の範囲に入ったときに、詳細情報を取得することとなる。
【0065】
表示制御手段28は、詳細情報取得手段27により取得した詳細情報を、ディスプレイ17上に表示する。この場合、簡易情報に含まれる情報(例えば更新情報など)についても、詳細情報と共に表示可能としても良い。
【0066】
次に、図3のフローチャートを参照し、第1実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理について説明する。まず、車載機器10の電源オン操作が行われると(S11)、携帯機器50との通信を確立し(S12)、通信部13を介して、地点情報の一部である簡易情報を取得する(S13)。ここで、自車位置が地点情報(簡易情報)の所定の範囲に入ったか否かを判別し(S14)、入っていない場合は(S14:No)、自車位置が所定の範囲に入るまでS14の判別を繰り返す。また、自車位置が所定の範囲に入った場合は(S14:Yes)、所定の範囲に自車位置が含まれる地点情報の中から、現在時刻や天候に合う地点情報(簡易情報)があるか否かを判別する(S15)。S15の条件を満たす地点情報がない場合は(S15:No)、S14に戻る。また、S15の条件を満たす地点情報がある場合は(S15:Yes)、その地点情報IDを携帯機器50に送信することにより、該当する地点情報の詳細情報を取得する(S16)。また、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示する(S17)。その後、S14以下の工程を繰り返す。
【0067】
ここで、図4を参照し、地点情報の表示例について説明する。図4(a)は、条件にあう地点情報が存在した場合に表示される初期画面の一例を示す図である。同図に示すように、初期画面には、地点名称リスト(符号87)や地点表示マップ(符号88)など、主に簡易情報に基づく情報が表示される。
【0068】
地点名称リスト(符号87)には、各地点名称に隣接してスクロールボタン86が表示され、リモコン30の操作によって、所望の地点名称を選択できるようになっている。また、各地点名称には、画像データの有無(「画像」)およびクーポン情報の有無(「クーポン」)が付加されており、ユーザーが、初期画面において詳細情報の内容を推測できるようになっている。また、地点名称リスト(符号87)は、詳細情報に画像データやクーポン情報が含まれる地点名称が優先的に(より早く選択できる位置に)表示される。
【0069】
一方、地点表示マップ(符号88)は、現在位置89と、条件に合う地点情報の位置(菱形マーク、星型マーク、四角マークなど)と、が表示される。表示された地点のうち、選択対象となっている地点(図示の例では、地点名称「レストラン△△△△」)に対応するマーク(図示の例では、星型マーク)には、矢印90が付加される。
【0070】
図4(b)は、詳細情報の表示例を示す図である。同図は、図4(a)に示した初期画面で、1の地点が選択された場合に表示される詳細情報表示画面の一例を示す図である。詳細情報表示画面には、店舗名、住所、カテゴリ、営業時間、詳細説明などの地点説明(符号81)、クーポン情報(符号82)、最終更新日時(符号83)および画像データ(店舗画像)(符号84)などが表示される。このうち、クーポン情報(符号82)および画像データ(符号84)については、地点情報によって省略される場合がある。
【0071】
クーポン情報(符号82)は、携帯機器50内の地点情報データベース52に、その情報が格納されているため、ユーザーは、実際に利用する場合、携帯機器50内の情報を画面上に表示させて、施設側に提示する。また、最終更新日時(符号83)は、簡易情報に含まれる更新情報(図2参照)に基づいて表示しても良いし、詳細情報の一部として表示しても良い。
【0072】
なお、図4(a)では、条件に合う地点情報が複数存在した場合の初期画面を例示したが、条件にあう地点情報が1つしか存在しない場合は、初期画面の表示を省略して、直接、図4(b)に示した詳細情報表示画面を表示するようにしても良い。また、初期画面において、さらなる条件を入力(選択)可能とし、地点情報の絞込みを行えるようにしても良い。
【0073】
以上説明したとおり、本発明の第1実施形態によれば、まず、地点情報のうち情報量の少ない簡易情報を取得し、その中から所定の条件に応じて一部の簡易情報を抽出した後、一部の簡易情報に関連する詳細情報を取得するため、全ての詳細情報を取得する場合と比べて、詳細情報の取得に要する時間を短縮することができる。
【0074】
また、詳細情報は、自車位置が、地点情報の位置情報に基づく所定の範囲に入ったときに取得するため、ユーザーは、詳細情報を取得するための特別な操作を行う必要がなく、車両走行に伴って、必要な詳細情報のみを順次取得することができる。
【0075】
また、取得した簡易情報の中から、現在時刻が営業時間内である地点の簡易情報のみを抽出するため、営業時間内の詳細情報のみを取得することができる。また、取得した簡易情報の中から、施設情報が天候情報に適している簡易情報のみを抽出するため、施設タイプに合った詳細情報のみを取得することができる。
【0076】
なお、上記の実施形態では、時間情報が営業時間を示すものとしたが、時間情報がお勧め時間を示すようにしても良い。この場合、現在時刻が、ランチタイムやディナータイムである場合、レストランなどのカテゴリ情報を有する地点情報(簡易情報)を優先的に抽出することができる。
【0077】
また、上記の実施形態では、自車位置が、位置情報に基づく所定の範囲に入ったときに、詳細情報を取得するものとしたが、所定の範囲に入ったときではなく、所定の範囲に近づいたときに、詳細情報を取得するようにしても良い。
【0078】
また、位置情報に基づく所定の範囲を、経路誘導手段24により表示される地図情報の表示スケールに応じて可変するようにしても良い。この構成によれば、地図情報の表示スケールに応じて、詳細情報の取得対象範囲(簡易情報の抽出対象範囲)を可変することができる。また、この場合、所定の範囲は、表示スケールが大きくなるにしたがって、狭くすることが好ましい。この構成によれば、ディスプレイ17上に表示されている地図の範囲と所定の範囲とが略比例関係となるため、ユーザーが詳細情報の取得対象範囲を容易に把握することができる。なお、逆に、表示スケールが大きくなるにしたがって、所定の範囲を広くすることも可能である。
【0079】
また、上記の実施形態では、詳細情報を取得した後、地点情報を表示するものとしたが(図3のS16,S17参照)、簡易情報を抽出した時点(図3のS15の後)で、その簡易情報の一覧表示(例えば、図4(a)の初期画面)を行うようにしても良い。この構成によれば、抽出された簡易情報の中から、ユーザーが選択した簡易情報に関連する詳細情報のみを取得することができるため、詳細情報の取得に要する時間を、より短縮することができる。
【0080】
また、上記の実施形態において、簡易情報抽出手段25は、簡易情報取得手段21により取得された簡易情報の中から、3つの条件(自車位置周辺、時間情報の合致、天候情報の合致)を全て満たした簡易情報を抽出するものとしたが、これらをor条件としても良い。また、他の条件を追加しても良い。さらに、どの条件に基づいて簡易情報を抽出するかについて、ユーザーが設定可能としても良い。
【0081】
[第2実施形態]
次に、図5および図6を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、簡易情報を、位置情報とその他の情報と、の2回に分けて取得することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0082】
図5は、第2実施形態に係る車載機器10の一部の構成を示すブロック図である。なお、制御部20以外の、第1実施形態と同様の構成については、図示を省略している。また、第1実施形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0083】
本実施形態の車載機器10は、図1に示した第1実施形態の制御部20の構成に、位置情報取得手段61、位置情報抽出手段62および地点情報ID送信手段63が追加されている。位置情報取得手段61は、携帯機器50から、通信部13を介して、簡易情報の一部である位置情報を取得する。当該位置情報には、地点情報IDが付加されている。
【0084】
位置情報抽出手段62は、自車位置または目的地に応じて、取得した位置情報の中から一部の位置情報を抽出する。本実施形態では、自車位置周辺にある位置情報を抽出するものとする。また、地点情報ID送信手段63は、位置情報抽出手段62により抽出された位置情報に関連付けられた地点情報IDを、通信部13を介して、携帯機器50に送信する。ここでは、地点情報IDと共に、簡易情報送信要求を送信する。簡易情報取得手段64は、位置情報抽出手段62により抽出された位置情報が含まれる簡易情報のうち、位置情報以外の情報(時間情報やカテゴリ情報など)を取得する。
【0085】
図6は、第2実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理を示すフローチャートである。車載機器10の電源オン操作が行われると(S21)、携帯機器50との通信を確立し(S22)、簡易情報の一部である位置情報を取得する(S23)。なお、S22において、位置情報だけでなく地点名称を取得するようにすれば、車載機器10で地点登録や目的地設定を行う場合に便利である。
【0086】
ここで、自車位置が地点情報の位置情報に基づく所定の範囲に入ったか否かを判別し(S24)、入っていない場合は(S24:No)、自車位置が所定の範囲に入るまでS24の判別を繰り返す。また、自車位置が所定の範囲に入った場合は(S24:Yes)、簡易情報送信要求と共にその地点情報IDを携帯機器50に送信することにより、条件に合った地点情報の簡易情報(S23で取得した情報以外の簡易情報)を取得する(S25)。
【0087】
続いて、取得した簡易情報の中から、現在時刻や天候に合う地点情報(簡易情報)があるか否かを判別する(S26)。現在時刻や天候に合う地点情報がない場合は(S26:No)、S24に戻る。また、現在時刻や天候に合う地点情報がある場合は(S26:Yes)、詳細情報送信要求と共にその地点情報IDを携帯機器50に送信することにより、条件に合った地点情報の詳細情報を取得する(S27)。また、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示する(S28)。その後、S24以下の工程を繰り返す。
【0088】
以上説明したとおり、本発明の第2実施形態によれば、まず、位置情報のみを取得し、その中から自車位置周辺の位置情報を抽出した後、当該抽出した位置情報が含まれる簡易情報を取得するため、最初に全ての簡易情報を取得する場合と比較して、簡易情報の取得量を少なくすることができる。これにより、情報取得に要する時間をより短縮できる。
【0089】
なお、上記の実施形態では、自車位置が、位置情報に基づく所定の範囲に近づいたときに、簡易情報を取得するものとしたが、当該所定の範囲を、経路誘導手段24により表示される地図情報の表示スケールに応じて可変するようにしても良い。この構成によれば、地図情報の表示スケールに応じて、簡易情報の取得対象範囲(位置情報の抽出対象範囲)を可変することができる。また、この場合、所定の範囲は、第1実施形態の詳細情報の取得対象範囲を可変する場合と同様に、表示スケールが大きくなるにしたがって、狭くすることが好ましい。
【0090】
また、位置情報の抽出条件(表示スケールと所定の範囲の関係など)や、簡易情報を一括取得するか(第1実施形態のパターン)、分割して取得するか(第2実施形態のパターン)について、ユーザーが設定可能としても良い。
【0091】
[第3実施形態]
次に、図7ないし図9を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、ユーザーによって選択された目的地候補に応じて簡易情報を抽出すること、および目的地候補が表示されたときに詳細情報を取得すること、を特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0092】
図7は、第3実施形態に係る車載機器10の一部の構成を示すブロック図である。本実施形態の車載機器10は、図1に示した第1実施形態の制御部20の構成に、目的地設定手段66が追加されている。目的地設定手段66は、ユーザーがリモコン30を用いて、経路誘導の目的地を設定するためのものである。また、目的地設定手段66は、目的地設定の前に、地点名称や電話番号等により目的地候補を選択する機能も有している。選択された目的地候補は、ディスプレイ17上に表示される。なお、ユーザーが設定可能な各目的地や選択可能な目的地候補には、地点名称や電話番号と共に、そのカテゴリを示す情報が予め付加されているものとする。ここで、「カテゴリ」とは、施設ジャンル(遊園地、美術・博物館、電気屋、レストランなど)、施設タイプ(屋内施設、屋外施設)、目的(休憩、遊び、食事など)などによって分類されるものである。本実施形態の簡易情報抽出手段67は、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、ディスプレイ17上に表示された目的地候補(選択された目的地候補)と同じカテゴリであることを条件として、簡易情報を抽出する。
【0093】
図8は、第3実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理を示すフローチャートである。車載機器10の電源オン操作が行われると(S31)、携帯機器50との通信を確立し(S32)、地点情報の一部である簡易情報を取得する(S33)。ここで、ユーザーの操作(目的地候補の選択)に従って、目的地候補が表示されたか否かを判別し(S34)、目的地候補が表示されていない場合は(S34:No)、表示されるまでS34の判別を繰り返す。また、目的地候補が表示された場合は(S34:Yes)、取得した簡易情報の中から、目的地候補と同じカテゴリの地点情報(簡易情報)があるか否かを判別する(S35)。
【0094】
目的地候補と同じカテゴリの地点情報がある場合は(S35:Yes)、詳細情報送信要求と共にその地点情報IDを携帯機器50に送信することにより、条件に合った地点情報の詳細情報を取得する(S36)。なお、目的地候補と同じカテゴリの地点情報が、目的地候補そのものの地点情報しか存在しない場合も、S35:Yesと判定する。その後、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示する(S37)。なお、目的地候補と同じカテゴリの地点情報がない場合は(S35:No)、地点情報の表示を行うことなく、処理を終了する。
【0095】
次に、図9を参照し、目的地候補が選択された場合の地点情報の表示例について説明する。図9(a)は、目的地候補と同じカテゴリの地点情報が存在した場合に表示される初期画面の一例を示す図である。同図に示すように、初期画面には、地点表示マップ(符号100)、および操作アイコン96〜99が表示される。
【0096】
地点表示マップ(符号100)は、選択された目的地候補の位置を示す+マーク95の他、目的地候補と同じカテゴリの地点情報の位置(菱形マーク、星型マーク、四角マークなど)が表示される。同画面において、「ここへ行く」アイコン96が押下されると、+マーク95の地点を、目的地として設定する。また、「詳細情報を見る」アイコン97が押下されると、+マーク95が付加された地点の詳細情報が表示される(図4(b)参照)。また、「ここを登録する」アイコン98が押下されると、+マーク95が付加された地点を地点登録する。また「周辺情報を見る」アイコン99が押下されると、地点表示マップ(符号100)に表示されている各地点情報の詳細情報を確認・選択するための詳細情報確認・選択画面(図9(b))に遷移する。このように、例えば目的地候補が、「レストラン」というカテゴリである場合、食事ができる地点情報が地点表示マップ(符号100)上に表示されるため、目的地候補の変更、詳細情報の確認、地点登録などを容易に行うことができる。
【0097】
図9(b)は、詳細情報確認・選択画面の一例を示す図である。詳細情報確認・選択画面は、地点名称リスト(符号92)と、各地点の詳細情報(符号93)と、が表示される。地点名称リスト(符号92)には、各地点名称に隣接してスクロールボタン91が表示され、リモコン30の操作によって、所望の地点名称を選択できるようになっている。また、図4(a)に示した画面例と同様に、各地点名称には、画像データの有無(「画像」)およびクーポン情報の有無(「クーポン」)が付加されており、これらが含まれる地点名称が、含まれない地点名称より優先的に表示される。地点名称リスト(符号92)から、いずれかの地点名称が選択されると、画面右部に、その詳細情報(符号93,図4(b)と略同内容)が表示される。
【0098】
以上説明したとおり、本発明の第3実施形態によれば、表示された目的地候補と同じカテゴリのカテゴリ情報を含む簡易情報を抽出して、それらに該当する詳細情報のみを取得するため、全ての詳細情報を取得する場合と比べて、取得する情報量を大幅に少なくすることができる。また、各目的地候補に予め関連付けられているカテゴリを示す情報に基づいて簡易情報を抽出するため、ユーザーが特別な操作を行うことなく(目的地候補を選択するだけで)、ユーザーの目的に合った詳細情報を取得することができる。
【0099】
なお、上記の実施形態では、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、選択された目的地候補と同じカテゴリであることを条件として簡易情報を抽出したが、設定された目的地と同じカテゴリであることを条件として、簡易情報を抽出しても良い。
【0100】
また、カテゴリ情報ではなく、位置情報に基づいて、簡易情報の抽出を行っても良い。つまり、取得した簡易情報に含まれる位置情報が、選択された目的地候補周辺の所定の範囲に含まれることを条件として、簡易情報の抽出を行っても良い。また、選択された目的地候補周辺ではなく、設定された目的地周辺の所定の範囲に含まれることを条件として、簡易情報の抽出を行っても良い。この構成によれば、目的地候補や目的地の位置に応じて必要と考えられる詳細情報のみを取得することができる。
【0101】
また、上記の実施形態では、目的地候補が表示されたとき、簡易情報の抽出および詳細情報の取得を行うものとしたが、目的地が設定されたときに、これらを行っても良い。また、リモコン30(操作手段)により所定の操作が行われたときに、これらを行っても良い。さらに、簡易情報を抽出した直後に、図9(a)に示した画面を表示し、同画面において、「詳細情報を見る」アイコン97や「周辺情報を見る」アイコン99が押下されたときに、詳細情報を取得するようにしても良い。
【0102】
また、本実施形態を、第2実施形態の位置情報抽出手段62(図5参照)に応用し、取得した位置情報(簡易情報の一部)が、選択された目的地候補周辺の所定の範囲または設定された目的地周辺の所定の範囲に含まれることを条件として、位置情報を抽出するようにしても良い。
【0103】
また、本実施形態を、第2実施形態の簡易情報取得手段64(図5参照)に応用し、目的地候補が表示されたとき、目的地が設定されたとき、リモコン30により所定の操作が行われたとき、のいずれかのタイミングで、簡易情報を取得するようにしても良い。
【0104】
また、簡易情報の抽出タイミングや詳細情報の取得タイミング、並びに目的地候補周辺や目的地周辺と看做す所定の範囲、などについて、ユーザーが設定可能としても良い。
【0105】
[第4実施形態]
次に、図10および図11を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、目的地候補の周辺エリアを訪問した回数に応じて、詳細情報の取得形態を変化させることを特徴とする。以下、第3実施形態と異なる点のみ説明する。
【0106】
図10は、第4実施形態に係る車載機器10の一部の構成を示すブロック図である。本実施形態の車載機器10は、図7に示した第3実施形態の制御部20の構成に、履歴記憶手段71が追加されている。履歴記憶手段71は、目的地設定手段66による設定履歴、または車両1の走行履歴を記憶する。また、本実施形態の簡易情報抽出手段72は、範囲・情報量決定手段72aを有している。範囲・情報量決定手段72aは、履歴記憶手段71に記憶されている履歴情報に基づいて、詳細情報の取得対象となる所定の範囲(簡易情報の抽出対象となる所定の範囲)および取得する詳細情報の情報量を決定する。
【0107】
例えば、目的地設定の際に表示した目的地候補の周辺エリアへの訪問回数(目的地設定した回数または走行した回数)が少ない場合は、より詳細な情報が必要となると考えられるため、所定の範囲を狭くして、できるだけ詳細な情報(多くの情報量)を取得する。逆に、訪問回数が多い場合は、より多くの地点情報が必要となると考えられるため、所定の範囲を広くすることが好ましい。また、この場合、所定の範囲を広くすると、詳細情報の取得に多くの時間を要するため、詳細情報の情報取得量を少なくする(詳細情報の一部のみを取得する)。なお、「目的地候補の周辺エリア」とは、目的地候補を中心とした所定のエリア(任意の地点から半径○○km以内など)を指しても良いし、予め区切られた複数の分割エリアの中で、目的地候補が存在するいずれか1の分割エリアを指すものとしても良い。
【0108】
図11は、第4実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理を示すフローチャートである。車載機器10の電源オン操作が行われると(S41)、携帯機器50との通信を確立し(S42)、地点情報の一部である簡易情報を取得する(S43)。ここで、ユーザーの操作(目的地候補の選択)に従って、目的地候補が表示されたか否かを判別し(S44)、目的地候補が表示されていない場合は(S44:No)、表示されるまでS44の判別を繰り返す。また、目的地候補が表示された場合は(S44:Yes)、目的地候補の周辺エリアへの訪問回数をデータベース(履歴記憶手段71)から取得する(S45)。
【0109】
ここで、訪問回数が0回であるか否かを判別し(S46)、訪問回数が0回の場合は(S46:Yes)、目的地候補として表示した地点周辺の狭い範囲の中で、時間情報(営業時間など)やカテゴリ情報(施設情報など)に合った地点の詳細情報を取得する(S47)。この場合は、より詳細な情報が必要になると考えられるため、画像データを含む詳細情報を取得する。一方、訪問回数が1回以上の場合は(S46:No)、目的地候補として表示した地点周辺の広い範囲の中で、時間情報やカテゴリ情報に合った地点の詳細情報を取得する(S48)。この場合は、情報量が多くなり過ぎないように(情報取得に要する時間が長くなり過ぎないように)、画像データを除く詳細情報を取得する。その後、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示し(S49)、処理を終了する。
【0110】
以上説明したとおり、本発明の第4実施形態によれば、目的地候補の周辺エリアを訪問した回数に応じて、詳細情報の取得対象となる所定の範囲および取得する詳細情報の情報量を決定するため、ユーザーのニーズに応じた詳細情報を取得することができる。
【0111】
なお、上記の実施形態では、目的地候補の周辺エリアを訪問した回数に応じて、詳細情報の取得形態を変化させるものとしたが、設定された目的地の周辺エリアを訪問した回数に応じて、詳細情報の取得形態を変化させるようにしても良い。なお、この場合は、目的地設定後に、簡易情報を抽出し、詳細情報を取得することとなる。また、目的地候補または目的地の周辺エリアではなく、目的地候補または目的地そのものへの訪問回数に応じて、詳細情報の取得形態を変化させても良い。また、詳細情報の取得形態を変化させるための各種条件(目的地候補周辺、目的地周辺、目的地候補そのもの、目的地そのもの、および周辺エリアの広さ)について、ユーザーが設定可能としても良い。
【0112】
また、上記の実施形態では、訪問回数が0回の場合、所定の範囲を狭くして情報量を多くし、訪問回数が1回以上の場合、所定の範囲を広くして情報量を少なくするものとしたが、ユーザーに応じて他のニーズも考えられるため、訪問回数が0回の場合、所定の範囲を広くする、訪問回数が多い場合、多くの情報量を取得する、といった取得形態としても良い。また、訪問回数の有無で判別するのではなく、訪問回数が所定回数以上であるか否かに応じて判別するようにしても良い。さらに、条件と、所定範囲と、情報量と、の対応関係を、ユーザーが設定可能としても良い。
【0113】
また、本実施形態を、第2実施形態の位置情報抽出手段62(図5参照)に応用し、目的地候補周辺、目的地周辺、目的地候補そのもの、目的地そのものへの訪問回数に応じて、簡易情報の取得対象となる所定の範囲(位置情報の抽出対象となる所定の範囲)および取得する簡易情報の情報量を決定するようにしても良い。
【0114】
[第5実施形態]
次に、図12および図13を参照し、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、目的地への到着予定時刻が、取得した簡易情報に含まれる時間情報に該当すること、且つ取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、到着予定時刻における目的地周辺の天候情報に適していること、を条件として、簡易情報を抽出することを特徴とする。また、到着予定時刻が変化したとき、または到着予定時刻における目的地周辺の天候情報が変化したときに、簡易情報を抽出し直すことを特徴とする。以下、第3実施形態と異なる点のみ説明する。
【0115】
図12は、第5実施形態に係る車載機器10の一部の構成を示すブロック図である。本実施形態の車載機器10は、図7に示した第3実施形態の制御部20の構成に、道路交通情報取得手段74および到着予定時刻算出手段75が追加されている。道路交通情報取得手段74は、外部サーバー32から、基地局31および通信アンテナ11を介して、道路交通情報(渋滞情報や交通規制情報など)を取得する。本実施形態では、天候情報および道路交通情報の提供元を、共通の外部サーバー32としているが、提供元を分けても良い。到着予定時刻算出手段75は、道路交通情報取得手段74により取得された道路交通情報に基づいて、目的地設定手段66により設定された目的地までの到着予定時刻を算出する。
【0116】
本実施形態の簡易情報抽出手段76は、到着予定時刻算出手段75により算出された到着予定時刻が、取得した簡易情報に含まれる時間情報(営業時間など)に該当すること、且つ取得した前記簡易情報に含まれるカテゴリ情報(施設タイプなど)が、到着予定時刻における目的地周辺の天候情報に適していること、を条件として、簡易情報を抽出する。例えば、到着予定時刻が営業時間外である場合は、詳細情報を取得しても訪問することができないため、営業時間内の意味のある簡易情報のみを抽出する。また、屋外施設である場合は、雨天時に利用できなかったり十分楽しめなかったりする可能性が高いため、天候情報に適した、意味のある簡易情報のみを抽出する。
【0117】
また、簡易情報抽出手段76は、交通渋滞等によって、目的地への到着予定時刻が変更となったときや、目的地周辺の天気予報が変更となったときに、簡易情報を抽出し直す。これに伴い、詳細情報取得手段27は、目的地への到着予定時刻が変更となったときや、目的地周辺の天気予報が変更となったときに、詳細情報を取得する。
【0118】
なお、「到着予定時刻が変更となったとき」とは、到着予定時刻が所定時間(例えば、30分など)以上、変化したときを指す。当該所定時間については、ユーザーのニーズに応じて変更可能としても良い。
【0119】
図13は、第5実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理を示すフローチャートである。車載機器10の電源オン操作が行われると(S51)、携帯機器50との通信を確立し(S52)、地点情報の一部である簡易情報を取得する(S53)。ここで、ユーザーの操作により、目的地が設定されたか否かを判別し(S54)、目的地が設定されていない場合は(S54:No)、設定されるまでS54の判別を繰り返す。また、目的地が設定された場合は(S54:Yes)、道路交通情報および天候情報を取得し(S55)、到着予定時刻を算出する(S56)。
【0120】
ここで、到着予定時刻または到着予定時刻における目的地周辺の天候に変化があったか否かを判別し(S57)、変更があった場合は(S57:Yes)、条件に合った地点情報の地点情報IDを携帯機器50に送信することにより、その地点情報の詳細情報を取得する(S58)。なお、S55において、到着予定時刻や天候情報を初めて取得した場合は、S57:Yesと判別される。その後、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示し(S59)、S55以降を繰り返す。なお、S57:Noと判別された場合は、詳細情報を取得することなく、S55に戻る。
【0121】
以上説明したとおり、本発明の第5実施形態によれば、目的地への到着予定時刻が、取得した簡易情報に含まれる時間情報に該当することを条件として、簡易情報を抽出するため、例えば地点情報が店舗に関するものであって、時間情報が営業時間の場合、到着予定時刻が営業時間内である店舗の簡易情報のみを抽出することができる。また、取得した簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、到着予定時刻における目的地周辺の天候情報に適していることを条件として、簡易情報を抽出するため、例えば天候が雨天である場合、屋外施設を除く施設の簡易情報のみを抽出することができる。また、到着予定時刻が変化したときや到着予定時刻における目的地周辺の天候情報が変化したときは、簡易情報を抽出し直すため、道路状況の変化や天候の変化に、臨機応変に対応することができる。
【0122】
なお、上記の実施形態では、天候情報が変化したときに、簡易情報を抽出し直すものとしたが、台風接近時など、急激な天候変化が見込まれる場合は、目的地周辺の天候が「晴れ」の予報であったとしても、屋内施設の簡易情報を抽出するようにしても良い。
【0123】
また、本実施形態を、第1実施形態の簡易情報抽出手段25(図1参照)に応用し、走行位置周辺の天候情報が変化したときに、簡易情報を抽出し直すようにしても良い。
【0124】
[第6実施形態]
次に、図14を参照し、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、車両1内に、複数の携帯機器50が存在することが前提であり、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の携帯機器50(情報機器)から取得した場合、取得したこれら複数の詳細情報の中から、最も新しい更新日時の詳細情報を選択して取得することを特徴とする。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態に係る車載機器10の構成は、第1実施形態に係る車載機器10の構成と同様であるため、ブロック図の図示を省略する。
【0125】
本実施形態の詳細情報取得手段27は、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の携帯機器50から取得した場合であって、それらの内容が、携帯機器50によって異なる場合、それら複数の詳細情報の中から、最も新しい更新日時の詳細情報を択一的に取得する。更新日時は、簡易情報に含まれる更新情報から判断する。なお、詳細情報取得手段27により詳細情報を選択するのではなく、簡易情報抽出手段25(図1参照)によって、同一の地点情報に関連する複数の簡易情報の中から、最も新しい更新日時の簡易情報を抽出することで、結果的に最も新しい更新日時の詳細情報を取得するようにしても良い。
【0126】
図14は、第6実施形態に係る車載機器10の地点情報取得処理を示すフローチャートである。ここでは、簡易情報抽出手段25によって、更新情報に基づく簡易情報の抽出を行うものとして説明する。車載機器10の電源オン操作が行われると(S61)、携帯機器50との通信を確立し(S62)、地点情報の一部である簡易情報を取得する(S63)。ここで、条件(走行位置、現在時刻、天候など)に合った地点情報(簡易情報)があるか否かを判別し(S64)、条件に合った地点情報がない場合は(S64:No)、地点情報が見つかるまでS64の判別を繰り返す。また、条件に合った地点情報がある場合は(S64:Yes)、さらに条件に合った地点情報が、複数の携帯機器50内にあるか否かを判別する(S65)。条件に合った地点情報が、複数の携帯機器50内にある場合は(S65:Yes)、簡易情報に含まれる更新情報に基づいて、最新の更新情報を持つ携帯機器50を特定し、その携帯機器50に対して地点情報IDを送信することにより、更新日時が最も新しい詳細情報を取得する(S66)。一方、条件に合った地点情報が、1台の携帯機器50内にしかない場合は(S65:No)、その携帯機器50から、地点情報の詳細情報を取得する(S67)。その後、取得した詳細情報を含む地点情報を、ディスプレイ17上に表示し(S68)、S64に戻る。
【0127】
以上説明したとおり、本発明の第6実施形態によれば、取得した任意の地点の詳細情報が、携帯機器50によって異なる場合、最も新しい更新日時の詳細情報を択一的に取得することができる。つまり、最も有効と考えられる詳細情報を選択するため、同一地点の詳細情報を複数個取得するなど、無駄な詳細情報の取得を防止することができる。
【0128】
なお、上記の実施形態では、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の携帯機器50から取得した場合、詳細情報取得手段27は、最も新しい更新日時の詳細情報を選択して取得するものとしたが、クーポンの発行日時が最も新しい詳細情報や、クーポンの有効期限が最も遅い詳細情報を選択して取得するようにしても良い。
【0129】
また、情報の鮮度や有効期限で判別するのではなく、情報量で判別する(最も情報量の多い詳細情報を選択して取得する)ようにしても良い。この場合、簡易情報に、詳細情報の情報量を示す情報を含める構成とすれば、簡易情報抽出手段25によって、同一の地点情報に関連する複数の簡易情報の中から、最も情報量の多い詳細情報に関連付けられた簡易情報を抽出することも可能である。また、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の携帯機器50から取得した場合、どのような条件で、1の詳細情報を選択するかについて、ユーザーが設定可能としても良い。
【0130】
以上、第1〜第6実施形態を例示したが、各実施形態を組み合わせるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。また、上記の実施形態に示した車載機器10における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、車載機器10の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0131】
10…車載機器 11…通信アンテナ 12…GPSアンテナ 13…通信部 14…リモコン受光部 15…自立航法センサー 16…地図データベース 17…ディスプレイ 20…制御部 21…簡易情報取得手段 22…天候情報取得手段 23…GPS情報取得手段 24…経路誘導手段 25…簡易情報抽出手段 26…地点情報ID送信手段 27…詳細情報取得手段 28…表示制御手段 50…携帯機器 52…携帯機器側地点情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地点情報を提供する携帯機器から、前記地点情報を構成する簡易情報および詳細情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得する簡易情報取得手段と、
取得した前記簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出する簡易情報抽出手段と、
抽出した前記一部の簡易情報に関連する前記詳細情報を、前記携帯機器から取得する詳細情報取得手段と、を備えたことを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記携帯機器から、前記簡易情報の一部である位置情報を取得する位置情報取得手段と、
自車位置または目的地に応じて、取得した前記位置情報の中から、一部の位置情報を抽出する位置情報抽出手段と、をさらに備え、
前記簡易情報取得手段は、抽出した前記位置情報が含まれる前記簡易情報のうち、前記位置情報以外の情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記詳細情報取得手段は、自車位置が、前記簡易情報に含まれる位置情報に基づく所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、前記詳細情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項4】
地図情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記位置情報に基づく所定の範囲は、前記地図情報の表示スケールに応じて可変することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項5】
現在時刻を取得する現在時刻取得手段をさらに備え、
前記簡易情報抽出手段は、取得した前記現在時刻が、取得した前記簡易情報に含まれる時間情報に該当することを前記所定の条件として、前記一部の簡易情報を抽出することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項6】
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
少なくとも自車位置周辺の天候情報を取得する天候情報取得手段と、をさらに備え、
前記簡易情報抽出手段は、取得した前記簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、前記現在時刻における前記自車位置周辺の天候情報に適していることを前記所定の条件として、前記一部の簡易情報を抽出することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項7】
目的地を設定する目的地設定手段をさらに備え、
前記簡易情報抽出手段は、取得した前記簡易情報に含まれる位置情報が、設定された前記目的地周辺の所定の範囲または目的地設定の候補となる目的地候補周辺の所定の範囲に含まれること、並びに取得した前記簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、前記目的地または前記目的地候補と同じカテゴリであること、の少なくとも一方を前記所定の条件として、前記一部の簡易情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項8】
操作手段をさらに備え、
前記詳細情報取得手段は、前記目的地が設定されたとき、前記目的地候補が表示されたとき、前記操作手段により所定の操作が行われたとき、のいずれかのタイミングで、前記詳細情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項9】
前記目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、
前記目的地周辺の所定の範囲または前記目的地候補周辺の所定の範囲は、前記目的地または前記目的地候補、若しくは前記目的地または前記目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて可変することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項10】
前記目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、
前記詳細情報取得手段は、前記目的地または前記目的地候補、若しくは前記目的地または前記目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて、取得する情報量を可変することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項11】
前記目的地までの到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出手段をさらに備え、
前記簡易情報抽出手段は、算出した前記到着予定時刻が、取得した前記簡易情報に含まれる時間情報に該当することを前記所定の条件として、前記一部の簡易情報を抽出することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項12】
前記目的地までの到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出手段と、
少なくとも前記目的地周辺の天候情報を取得する天候情報取得手段と、をさらに備え、
前記簡易情報抽出手段は、取得した前記簡易情報に含まれるカテゴリ情報が、前記到着予定時刻における前記目的地周辺の天候情報に適していることを前記所定の条件として、前記一部の簡易情報を抽出することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項13】
前記簡易情報抽出手段は、前記到着予定時刻が変化したとき、または前記到着予定時刻における前記目的地周辺の天候情報が変化したときに、前記一部の簡易情報を抽出し直すことを特徴とする請求項11または12に記載の車載機器。
【請求項14】
前記携帯機器は、複数の情報機器から成り、
前記詳細情報取得手段は、同一の地点情報に関連する詳細情報を、複数の情報機器から取得した場合、当該複数の詳細情報の中から、最も新しい更新日時の詳細情報、または最も情報量の多い詳細情報を選択して取得することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項15】
前記簡易情報取得手段は、自車位置が前記位置情報に基づく所定の範囲に近づいたときまたは入ったとき、前記簡易情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項16】
地図情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記位置情報に基づく所定の範囲は、前記地図情報の表示スケールに応じて可変することを特徴とする請求項15に記載の車載機器。
【請求項17】
目的地を設定する目的地設定手段をさらに備え、
前記位置情報抽出手段は、取得した前記位置情報が、設定された前記目的地周辺の所定の範囲または目的地設定の候補となる目的地候補周辺の所定の範囲に含まれることを前記所定の条件として、前記位置情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項18】
操作手段をさらに備え、
前記簡易情報取得手段は、前記目的地が設定されたとき、前記目的地候補が表示されたとき、前記操作手段により所定の操作が行われたとき、のいずれかのタイミングで、前記簡易情報を取得することを特徴とする請求項17に記載の車載機器。
【請求項19】
前記目的地設定手段による設定履歴、または走行履歴を記憶する履歴記憶手段をさらに備え、
前記目的地周辺の所定の範囲または前記目的地候補周辺の所定の範囲は、前記目的地または前記目的地候補、若しくは前記目的地または前記目的地候補を含む所定エリア内を、目的地設定した回数または走行した回数に応じて可変することを特徴とする請求項17に記載の車載機器。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の車載機器と、前記携帯機器と、から成ることを特徴とする情報通信システム。
【請求項21】
地点情報を提供可能な携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、
前記車載機器が、
前記携帯機器から、前記地点情報を構成する簡易情報および詳細情報のうち、情報量の少ない簡易情報を取得するステップと、
取得した前記簡易情報の中から、所定の条件に応じて、一部の簡易情報を抽出するステップと、
抽出した前記一部の簡易情報に関連する前記詳細情報を、前記携帯機器から取得するステップと、を実行することを特徴とする車載機器の通信制御方法。
【請求項22】
コンピュータに、請求項21に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−223758(P2010−223758A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71288(P2009−71288)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】