説明

車載装置

【課題】装置内に入り込むダスト(粉塵)を低減する。
【解決手段】ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出された場合、チルトパネル19が開いている場合にはチルトパネル19を閉めるとともに記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作を禁止するダスト侵入予防動作(S200)を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶媒体を挿入する開口部を有する車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置に設けられた開口部から装置内へ塵埃が入り込むと、装置内の機構部品や光学部品に不具合が生じ、動作不良の原因となることが考えられる。
【0003】
このような問題に対処するため、ICカードを挿入するカード挿入開口を備えたICカード端末において、カード挿入開口に端末内への粉塵(ダスト)の侵入を防止するカード挿入開口カバーを内張りして、カード挿入開口からICカード端末内に入り込むダストを防止するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、このような装置以外にも、様々な防塵対策技術が提案されている(例えば、特許文献2〜6参照)。
【特許文献1】特開平6−333100号公報
【特許文献2】特開1997−008474号公報
【特許文献3】特開2001−020320号公報
【特許文献4】特開2003−302620号公報
【特許文献5】特開2004−345634号公報
【特許文献6】特開2005−203592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーディオ一体型ナビゲーション装置には、図7に示すようなCD、DVD、MD等のメディアを挿入するデッキスロット17aを備えたものがある。また、オーディオ一体型ナビゲーション装置には、図8に示すように、CD、DVD、MD等のメディアを挿入するデッキスロット17aと、装置前面にチルトパネル19を備え、図9に示すように、チルトパネル19が可動すると、チルトパネル19の背面に設けられた地図データが記憶されたメディアを挿入するためのデッキスロット18aが現れるように構成されたものがある。
【0005】
これらの装置は、車室内に埃や砂塵等のダストが入り込んだ状態で、メディアの挿入動作あるいは排出動作を行うと、デッキスロット17aから装置内へダストが入り込むといった問題がある。
【0006】
また、図8に示したようなチルトパネル19を備えた装置は、図9に示すようにチルトパネルが開いた状態で、砂塵等のダストの多い場所を走行すると、チルトパネル19の背面に設けられたデッキスロット18aやチルトパネル19を駆動するためのチルト棒20aを通すための開口部等の隙間から装置内へダストが入り込むといった問題がある。
【0007】
このように装置内にダストが入り込むと、装置内に設けられたモータの回転異常やチルトパネルを駆動するためのチルトメカの動作異常等の影響が生じる。また、装置内のレーザピックアップ部分の光学レンズにダストが付着して、レーザ読み取り能力の低下や誤検出等の影響が生じる。
【0008】
なお、特許文献1に示した防塵対策を上記したオーディオ一体型ナビゲーション装置に適用した場合、カード挿入開口カバーによってレーザ読み取り能力が低下する等の問題があるため適用困難である。また、特許文献2〜6に示した技術についても、同様に、上記した車載オーディオ装置やオーディオ一体型ナビゲーション装置に適用するのは困難である。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みたもので、装置内に入り込む粉塵を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、車室内の空気中に含まれる粉塵の量を検出する粉塵検出手段と、粉塵検出手段によって予め定められた閾値以上の粉塵が検出された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことである。
【0011】
このような構成では、粉塵検出手段によって予め定められた閾値以上の粉塵が検出された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作が実施されるので、装置内に入り込む粉塵を低減することができる。
【0012】
また、本発明の第2の特徴は、現在位置を取得する現在位置取得手段と、地図データを読み出す地図データ読出手段と、現在位置取得手段によって取得された現在位置と地図データ読出手段によって読み出された地図データから自車が粉塵の多い地域に位置するか否かを判定する位置判定手段と、位置判定手段によって自車が粉塵の多い地域に位置すると判定された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことである。
【0013】
このような構成では、位置判定手段によって自車が粉塵の多い地域に位置すると判定された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作が実施されるので、装置内に入り込む粉塵を低減することができる。
【0014】
また、本発明の第3の特徴は、現在位置を取得する現在位置取得手段と、車室内の空気中に含まれる粉塵の量を検出する粉塵検出手段と、粉塵検出手段によって予め定められた閾値以上の粉塵が検出された地点を登録する地点登録手段と、現在位置取得手段によって取得された現在位置と地点登録手段によって登録された情報から、走行先に地点登録手段によって登録された地点があるか否かを判定する登録地点判定手段と、登録地点判定手段によって走行先に地点登録手段によって登録された地点があると判定された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことである。
【0015】
このような構成では、走行先に地点登録手段によって登録された地点があると判定された場合、開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作が実施されるので、装置内に入り込む粉塵を低減することができる。
【0016】
また、本発明の第4の特徴は、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作の要求に応じて、挿入動作または排出動作を実施するオーディオ再生部を備えた車載装置であって、粉塵侵入予防手段は、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作の要求が有るか否かを判定する要求判定手段と、要求判定手段によって記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作の要求が有ると判定された場合、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作を禁止する禁止手段と、を備えたことである。
【0017】
このように、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作の要求が有ると判定されても、禁止手段によって記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作が禁止されるので、装置内に入り込む粉塵を低減することができる。
【0018】
また、本発明の第5の特徴は、ユーザの操作に応じてチルトパネルを記憶媒体を挿入する開口部の手前から移動させ、あるいはチルトパネルを記憶媒体を挿入する開口部の手前へ移動させるチルトパネル駆動部を備えた車載装置であって、粉塵侵入予防手段は、チルトパネルが記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置しているか否かを判定する判定手段と、判定手段によってチルトパネルが記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置していると判定された場合、チルトパネル駆動部に、記憶媒体を挿入する開口部の手前へチルトパネルを移動させるチルトパネル制御手段と、を備えたことである。
【0019】
このように、判定手段によってチルトパネルが記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置していると判定された場合、チルトパネル制御手段によって記憶媒体を挿入する開口部の手前へチルトパネルが移動するので、装置内に入り込む粉塵を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係る車載装置の構成を図1に示す。本実施形態における車載装置は、オーディオ一体型ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と記す)により構成されている。
【0021】
本ナビゲーション装置1は、GPSインタフェース(図中では、インタフェースをIFと記す)10、音声出力インタフェース11、ラジオチューナ12、車両信号インタフェース13、電源部14、制御部15、ダストセンサ16、オーディオ再生部17、地図デッキ18、チルトパネル19、画面チルトメカ20、操作スイッチ21を備えている。
【0022】
GPSインタフェース10には、GPS衛星から測位信号を受信するGPSアンテナ10aが接続されている。GPSインタフェース10は、GPSアンテナ10aによって受信された信号を制御部15へ出力する。
【0023】
音声出力インタフェース11には、車載スピーカシステム11aが接続されている。音声出力インタフェース11は、制御部15から入力される音声信号を車載スピーカシステム11aへ出力する。
【0024】
ラジオチューナ12には、FMラジオまたはAMラジオ放送局からの電波を受信するラジオアンテナ12aが接続されている。ラジオチューナ12は、ラジオアンテナ12aから入力される信号に増幅、復調等の信号処理を施して制御部15へ出力する。
【0025】
車両信号インタフェース13は、車両に搭載された車載電子装置13aから入力される車両信号(例えば、車速センサから入力される車速パルス信号等)を制御部15へ出力する。
【0026】
電源部14は、電源装置(カーバッテリ)14aから供給される電源電圧(例えば、直流13.5ボルト)を一定電圧(例えば、5ボルト)に変換して、各部10〜13、15〜21に一定電圧を供給する。
【0027】
制御部15は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータによって構成されている。このCPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。
【0028】
ダストセンサ16は、気体中のダスト(粉塵)を計測するもので、図2に示すように装置正面に取り付けられている。
【0029】
本ダストセンサ16は、図3(a)、(b)に示すように、発光素子としてのLED16aと受光素子としてのフォトダイオード16bを有する光散乱方式タイプのものとして構成されている。LED16aから気体に光を照射すると、この光は気体中の粒子によって散乱する。なお、気体中の粒子によって散乱する光の強さは気体中の粒子の濃度に比例する。本ダストセンサ16は、このように気体中の粒子によって散乱する光を光学レンズ(図示せず)を用いて集光して、フォトダイオード16bにて受光する。
【0030】
図3(a)に示すように、気体中の粒子の量が少ない場合、LED16aから照射した光によって散乱する光の量が少ないため、フォトダイオード16bで受光する光のレベルは低くなり、図3(b)に示すように、気体中の粒子の量が多い場合、LED16aから照射した光によって散乱する光の量が多くなるため、フォトダイオード16bで受光する光のレベルは高くなる。
【0031】
本ダストセンサ16は、LED16aを発光させて気体に光を照射し、気体中の粒子によって散乱する光を光学レンズ(図示せず)を用いて集光し、フォトダイオード16bにて電気信号に変換し、更に、コンパレータを用いた比較回路にて気体中のダスト量が所定値以上か否かを判定し、判定結果を出力する。なお、このような気体中の粒子を計測するダストセンサ16は公知技術である。
【0032】
オーディオ再生部17は、音楽データやビデオデータ等が記憶されたCD、DVDなどのメディアを挿入するデッキスロット17aを有し、このデッキスロットに挿入されたメディアに記憶された情報を読み出して再生する装置である。また、オーディオ再生部17は、デッキスロット17a(図4に示す)へのメディアの挿入を検出する検出部(図示せず)を有し、この検出部によってデッキスロット17aへのメディアの挿入が検出されると、検知信号を制御部15へ出力する。
【0033】
なお、制御部15は、オーディオ再生部17からデッキスロット17aへのメディアの挿入の検知信号が入力されると、オーディオ再生部17へメディアのロード(LOAD)要求を示す信号を出力し、ユーザの操作に応じて操作スイッチ21からメディアの排出を指示する信号が入力されると、オーディオ再生部17にメディアのイジェクト(EJECT)要求を示す信号を出力するようになっている。
【0034】
オーディオ再生部17は、制御部15からメディアのロード(LOAD)要求を示す信号が入力されると、デッキスロット17aからメディアを挿入する挿入動作を実施するとともに、制御部15からメディアのイジェクト(EJECT)要求を示す信号が入力されると、デッキスロット17aからメディアを排出する排出動作を実施する。
【0035】
地図デッキ18は、地図データが記憶されたCD、DVDなどのメディアを挿入する地図ROMデッキスロット18a(図4に示す)を有し、この地図ROMデッキスロット18aに挿入されたメディアに記憶された地図データの読み出しを行う。この地図デッキ18は、オーディオ再生部17と同様に、地図ROMデッキスロット18aへのメディアの挿入を検出する検出部(図示せず)を有し、この検出部によって地図ROMデッキスロット18aへのメディアの挿入が検出されると、検知信号を制御部15へ出力する。
【0036】
なお、制御部15は、地図デッキ18から地図ROMデッキスロット18aへのメディアの挿入の検知信号が入力されると、地図デッキ18へメディアのロード(LOAD)要求を示す信号を出力し、ユーザの操作に応じて操作スイッチ21からメディアの排出を指示する信号が入力されると、地図デッキ18にメディアのイジェクト(EJECT)要求を示す信号を出力するようになっている。
【0037】
地図デッキ18は、制御部15からメディアのロード(LOAD)要求を示す信号が入力されると、地図ROMデッキスロット18aからメディアを挿入する挿入動作を実施するとともに、制御部15からメディアのイジェクト(EJECT)要求を示す信号が入力されると、地図ROMデッキスロット18aからメディアを排出する排出動作を実施する。
【0038】
チルトパネル19は、液晶等の表示画面を有し、制御部15から入力される映像信号に応じた映像を表示画面にさせる。
【0039】
画面チルトメカ20は、モータ、チルトパネル19を可動させるチルト棒20a(図4に示す)およびモータの回転をチルト棒へ伝達する駆動機構(図示せず)を有し、制御部15からチルトパネル19の開状態を示す信号が入力されるとチルトパネル19が開状態となるように可動させ、制御部15からチルトパネル19の閉状態を示す信号が入力されるとチルトパネル19が閉状態となるように可動させる。
【0040】
図4に、チルトパネル19の動作する様子を示す。チルトパネル19は、図4(a)〜(d)に示すように、段階的に可動(スライド)する。
【0041】
図4(a)は、チルトパネル19が閉じた状態、図4(b)は、チルト棒20aによりチルトパネル19の下部が手前に押し出されてチルトパネル19が開きかけた第1段階、図4(c)は、更にチルトパネル19の下部が手前に押し出された第2段階、図4(d)は、チルトパネル19の下部が最も手前に押し出されてチルトパネル19が開状態となった第3段階を示している。
【0042】
なお、図4(d)に示す第3段階で、地図デッキスロット18aへのメディアの挿入、排出が可能な状態となる。
【0043】
操作スイッチ21は、押しボタンスイッチ、画面チルトメカ20の表示画面に重ねて設けられたタッチスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチへの操作に応じた信号を制御部15へ出力する。なお、本実施形態に係る操作スイッチ21は、デッキスロット17aからメディアを排出するためのイジェクトスイッチと、地図ROMデッキスロット18aからメディアを排出するためのイジェクトスイッチ(図示せす)とを備えている。
【0044】
上記した構成において、制御部15は、GPSインタフェース10を介してGPSアンテナ10aから入力される信号および車両インタフェース13を介して入力される車速パルス信号に基づいて自車位置を特定する自車位置特定処理、地図デッキ18に挿入されたメディアから自車位置周辺の地図データを読み出して自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねて表示させる地図表示処理、ユーザの操作によって選局されたラジオ放送局からの電波を受信してスピーカ(図示せず)から出力させるラジオ受信処理等を行う。
【0045】
また、本実施形態における制御部15は、ダストセンサ16により気体中のダスト量を検出して、車室内のダストが多い場合には、装置内に入り込むダストの量を低減するための処理を行う。
【0046】
次に、図5を参照して、この処理について説明する。制御部15は、イグニッションスイッチがオンして電源装置14aから電源が供給されると、上記した自車位置特定処理や地図表示処理等と並行して図5に示す処理を開始する。
【0047】
まず、車室内の空気中のダスト量が所定値以上であるか否かを判定する(S100)。具体的には、ダストセンサ16から車室内の空気中のダスト量が所定値以上であることを示す信号が出力されているか否かを判定する。
【0048】
車室内の空気中のダスト量が少ない場合、S100の判定はNOとなり、次に、車両位置を確認する(S102)。具体的には、自車位置特定処理によって特定された自車位置から車両の位置を確認する。
【0049】
次に、自車がダストの多い地域に位置するか否かを判定する(S104)。本実施形態では、地図デッキ18に挿入されたメディアから自車位置周辺の地図データを読み出して自車が砂漠地帯に位置するか否かを判定する。
【0050】
自車位置が砂漠地帯に位置しない場合、S104の判定はNOとなり、次に、前方に登録地点が有るか否かを判定する(S106)。本実施形態では、後述するS108において、車室内の空気中のダスト量が所定値以上の地点をメモリに記憶するようになっており、このメモリに記憶された情報と現在位置から走行路前方の所定距離内に空気中のダスト量が所定値以上となった登録地点が有るか否かを判定する。
【0051】
車両前方に空気中のダスト量が所定値以上となる地点がメモリに登録されていない場合、S106の判定はNOとなり、S100へ戻る。
【0052】
ここで、車室内の空気中のダスト量が多くなり、ダストセンサ16から車室内の空気中のダスト量が所定値以上であることを示す信号が出力されると、S100の判定はYESとなり、次に、地点登録を行う(S108)。具体的には、自車位置特定処理によって特定された自車の位置情報(緯度経度情報)をメモリに記憶する。
【0053】
次に、ダスト侵入予防動作に入ることをユーザに報知する(S110)。具体的には、チルトパネルの表示画面に、「これからダスト侵入予防動作を実施します。」といったメッセージを表示させるとともに、スピーカ(図示せず)から音声出力させる。
【0054】
次に、ダストの装置内への侵入を予防するダスト侵入予防動作を行う(S200)。図6に、このダスト侵入予防動作の処理を示す。この処理では、まず、チルトパネル19が開いているか否かを判定する(S202)。具体的には、画面チルトメカ20にチルトパネル19の開状態を示す信号を出力しているかチルトパネル19の閉状態を示す信号を出力しているかに基づいてチルトパネル19が開いているか否かを判定する。
【0055】
チルトパネル19が開いている場合、S202の判定はYESとなり、次に、チルトパネルを閉める(S204)。具体的には、画面チルトメカ20にチルトパネル19の閉状態を示す信号を出力する。
【0056】
なお、この信号を受けて画面チルトメカ20はチルトパネル19を閉状態となるように可動させる。
【0057】
次に、メディアのロード(LOAD)要求またはイジェクト(EJECT)要求があるか否かを判定する(S206)。具体的には、以下に示す(1)、(2)に示す信号のいずれかが入力された場合にメディアのロード(LOAD)要求が有ると判定し、以下に示す(3)、(4)に示す信号のいずれかが入力された場合にイジェクト(EJECT)要求があると判定する。
【0058】
(1)オーディオ再生部17からデッキスロット17aへのメディアの挿入が検出されたことを示す検知信号
(2)地図デッキ18から地図ROMデッキスロット18aへのメディアの挿入が検出されことを示す検知信号
(3)ユーザの操作スイッチ21のデッキスロット17aからメディアを排出するためのイジェクトスイッチへの操作に応じた信号
(4)ユーザの操作スイッチ21の地図ROMデッキスロット18aからメディアを排出するためのイジェクトスイッチへの操作に応じた信号
ここで、上記(1)〜(4)に示した信号のいずれかが入力された場合、S206の判定はYESとなり、次に、ロード(LOAD)、イジェクト(EJECT)動作をしない旨のユーザガイダンスを発生させる(S208)。具体的には、上記(1)〜(4)に示した信号に応じた動作を禁止するモードとなり、「ロード動作を禁止します」、あるいは「イジェクト動作を禁止します」といったメッセージをチルトパネルの表示画面に表示させ、同様のメッセージをスピーカから音声出力させる。
【0059】
また、上記(1)〜(4)に示した信号のいずれも入力されない場合、S206の判定はNOとなり、S208に示したようなユーザガイダンスの発生を実施することなく、本処理を終了する。
【0060】
このように、S200のダスト侵入予防動作では、チルトパネル19が開いている場合にはチルトパネルが閉まり、メディアのロード(LOAD)要求があっても挿入動作を禁止し、イジェクト(EJECT)要求があっても排出動作を禁止する禁止モードとなる。
【0061】
図5の説明に戻り、次に、再度、車室内の空気中のダスト量が所定値以上であるか否かを判定する(S112)。
【0062】
車室内の空気中のダスト量が所定値以上の場合、S112の判定はYESとなり、上述したS108と同様に地点登録を実施し(S114)、S112の判定へ戻る。
【0063】
すなわち、車室内の空気中のダスト量が所定値未満となるまで、S114に示す地点登録を繰り返し実施し、メモリに登録地点がプロットされる。
【0064】
また、車室内の空気中のダスト量が所定値未満となると、S112の判定はNOとなり、次に、予防動作を解除する(S116)。具体的には、上記(1)〜(4)に示した信号に応じた動作を禁止するモードを解除する。すなわち、メディアのロード(LOAD)要求またはイジェクト(EJECT)要求があっても要求に応じた動作を禁止する禁止モードを解除し、S100へ戻る。
【0065】
これにより、メディアのロード(LOAD)要求またはイジェクト(EJECT)要求があると要求に応じた動作を実施するようになる。
【0066】
また、車室内の空気中のダスト量が所定値以上でないと判定(S100でNOと判定)された場合であっても、自車が砂漠地帯に差し掛かると、S104の判定はYESとなり、ダスト侵入予防動作を実施することをユーザに報知する(S122)。具体的には、チルトパネルの表示画面に「これからダスト侵入予防動作を実施します。」といったメッセージを表示させるとともに、スピーカ(図示せず)から音声出力させ、S200に示したダスト侵入予防動作を実施する。
【0067】
このように、自車が砂漠地帯に位置すると判定された場合にも、S200に示したダスト侵入予防動作が実施される。
【0068】
したがって、チルトパネル19が開いている場合にはチルトパネルが閉まり、メディアのロード(LOAD)要求があっても挿入動作を禁止し、イジェクト(EJECT)要求があっても排出動作を禁止する禁止モードとなる。
【0069】
次に、再度、現在地が砂漠地帯か否かを判定する(S126)。自車位置が砂漠地帯に位置する場合、S126の判定はYESとなり、S126の判定を繰り返す。
【0070】
また、自車位置が砂漠地帯から逸脱すると、S126の判定はNOとなり、次に、S116と同様に、予防動作を解除し(S128)、S100へ戻る。
【0071】
これにより、メディアのロード(LOAD)要求またはイジェクト(EJECT)要求があっても要求に応じた動作を禁止する禁止モードは解除される。
【0072】
また、車室内の空気中のダスト量が所定値以上でないと判定(S100でNOと判定)され、更に、自車が砂漠地帯に位置しないと判定(S104でNOと判定)された場合であっても、メモリに記憶された情報と現在位置から走行路前方の所定距離内に車室内の空気中のダスト量が所定値以上となった登録地点が有ると判定すると、S106の判定はYESとなり、次に、ダスト侵入予防動作を実施することをユーザに報知する(S130)。具体的には、具体的には、チルトパネルの表示画面に、「これからダスト侵入予防動作を実施します。」といったメッセージを表示させるとともに、スピーカ(図示せず)から音声出力させ、S200に示したダスト侵入予防動作を実施する。
【0073】
このように、ダストの多い地点をメモリに自動的に記憶させておき、走行路前方にダストの多い地点があることが判定された場合にも、S200に示したダスト侵入予防動作が実施される。
【0074】
したがって、チルトパネル19が開いている場合にはチルトパネルが閉まり、メディアのロード(LOAD)要求があっても挿入動作を禁止し、イジェクト(EJECT)要求があっても排出動作を禁止する禁止モードとなる。
【0075】
次に、登録地点を通過したか否かを判定する(S132)。具体的には、自車がメモリに登録地点がプロットされた道路(リンク)上に位置するか否かに基づいて登録地点を通過したか否かを判定する。
【0076】
登録地点を通過して以内場合、S132の判定はNOとなり、S200のダスト侵入予防動作を実施する。
【0077】
また、登録地点を通過すると、S132の判定はYESとなり、次に、S128、S134と同様に、予防動作を解除し(S134)、S100へ戻る。
【0078】
これにより、メディアのロード(LOAD)要求またはイジェクト(EJECT)要求があっても要求に応じた動作を禁止するモードは解除される。
【0079】
上記したように、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出された場合、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作が禁止されるので、装置内に入り込むダストを低減することができる。
【0080】
また、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出され、かつ、チルトパネル19が記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置していると判定された場合、チルトパネル19が記憶媒体を挿入する開口部の手前へ移動するので装置内に入り込むダストを低減することができる。
【0081】
また、自車が砂漠地帯に位置すると判定された場合、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作が禁止されるので、例えば、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出されない場合であっても、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作を禁止することができる。
【0082】
また、自車が砂漠地帯に位置すると判定された場合においても、チルトパネル19が記憶媒体を挿入する開口部の手前へ移動するので、例えば、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出されない場合であっても、装置内に入り込むダストを低減することができる。
【0083】
また、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出された地点を登録しておき、走行先にダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出された地点があると判定された場合、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作が禁止されるので、例えば、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出されない場合であっても、記憶媒体の開口部への挿入動作または記憶媒体の開口部からの排出動作を禁止することができる。
【0084】
また、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出された地点を登録しておき、走行先にダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出された地点があると判定された場合、チルトパネル19が記憶媒体を挿入する開口部の手前へ移動されるので、例えば、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダスト(粉塵)が検出されない場合であっても、記憶媒体を挿入する開口部の手前へチルトパネル19を移動させることができる。
【0085】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、ダストセンサ16が粉塵検出手段に相当し、S200が粉塵侵入予防手段に相当し、自車位置特定処理が現在位置取得手段に相当し、地図デッキ18から地図データを読み出す処理が地図データ読出手段に相当し、S104が位置判定手段に相当し、S108が地点登録手段に相当し、S106が登録地点判定手段に相当し、S206が要求判定手段に相当し、S208が禁止手段に相当し、画面チルトメカ20がチルトパネル駆動部に相当し、S202が判定手段に相当し、S204がチルトパネル制御手段に相当する。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0087】
例えば、上記実施形態では、オーディオ一体型ナビゲーション装置を例に装置内に入り込む粉塵を低減する動作を示したが、オーディオ一体型ナビゲーション装置に限定されるものではなく、ナビゲーション機能を備えていない車載装置に適用してもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、粉塵検出手段として光散乱方式タイプのダストセンサ16を用いた例を示したが、このようなダストセンサ以外のダストセンサ16を用いてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、ダストセンサ16が装置正面に設けられた例を示したが、装置正面に限定されるものではなく、例えば、装置正面付近に別体として設けるようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出された場合、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出されない場合であっても、自車がダストの多い地域に位置すると判定された場合、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出されない場合で、更に、自車がダストの多い地域に位置すると判定されない場合であっても、走行先に地点登録手段によって登録された地点があると判定された場合に、開口部から装置内へ侵入するダストを予防するダスト侵入予防動作を実施する例を示したが、ダストセンサ16によって予め定められた閾値以上のダストが検出された場合、自車がダストの多い地域に位置すると判定された場合、走行先に地点登録手段によって登録された地点があると判定された場合に、開口部から装置内へ侵入するダストを予防するダスト侵入予防動作を実施してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、S132において、自車がメモリに登録地点がプロットされた道路(リンク)上に位置するか否かに基づいて登録地点を通過したか否かを判定する例を示したが、このような例に限定されるものではなく、例えば、メモリに連続してプロットされた登録地点を1つの領域とし、この領域内に自車が位置するか否かに基づいて登録地点を通過したか否かを判定するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、S104の自車がダストの多い地域に位置するか否かを判定するステップにおいて、自車が砂漠地帯に位置するか否かを判定する例を示したが、砂漠地帯に限定されるものではなく、例えば、未舗装道路等、ダストが多い場所に位置するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、地図データに舗装道路か未舗装道路かを示す情報を含むようにし、この情報に基づいてダストが多い場所に位置するか否かを判定すればよい。
【0093】
また、上記実施形態では、音楽データやビデオデータ等が記憶されたCD、DVDなどのメディアを挿入するデッキスロット17aを備えた例を示したが、例えば、MDを挿入するデッキスロット17aを備えるようにしてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、ダスト侵入予防動作として、メディアの開口部への挿入動作またはメディアの開口部からの排出動作を禁止する例と、メディアを挿入する開口部の手前へチルトパネルを移動させる例を示したが、これらの例に限定されるものではなく、例えば、冷却用ファンを備えている場合には、冷却用ファンの動作を停止させて装置内へ侵入するダストを低減するようにしてもよい。また、窓ガラスが開いている場合には窓ガラスを閉める動作を実施し、窓ガラスが閉じている場合には窓ガラスを開く動作を禁止するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車載装置を正面から見た図である。
【図3】ダストセンサについて説明するための図である。
【図4】チルトパネルの動作について説明するための図である。(a)はチルトパネルが閉じた状態、(b)は第1段階、(c)は第2段階、(d)は第3段階を示す図である。
【図5】制御部の処理を示すフローチャートである。
【図6】ダスト侵入予防動作の処理を示すフローチャートである。
【図7】課題を説明するための図である。
【図8】課題を説明するための図である。
【図9】課題を説明するための図である。
【符号の説明】
【0096】
1…ナビゲーション装置、10…GPSインタフェース、
11…音声出力インタフェース、12…ラジオチューナ、
13…車両信号インタフェース、14…電源部、15…制御部、16…ダストセンサ、
17…オーディオ再生部、18…地図デッキ、19…チルトパネル、
20…画面チルトメカ、21…操作スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体を挿入する開口部から挿入された記憶媒体に記憶された情報を読み取る車載装置であって、
車室内の空気中に含まれる粉塵の量を検出する粉塵検出手段と、
前記粉塵検出手段によって予め定められた閾値以上の粉塵が検出された場合、前記開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
記憶媒体を挿入する開口部から挿入された記憶媒体に記憶された情報を読み取る車載装置であって、
現在位置を取得する現在位置取得手段と、
地図データを読み出す地図データ読出手段と、
前記現在位置取得手段によって取得された現在位置と前記地図データ読出手段によって読み出された前記地図データから自車が粉塵の多い地域に位置するか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段によって自車が粉塵の多い地域に位置すると判定された場合、前記開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
記憶媒体を挿入する開口部から挿入された記憶媒体に記憶された情報を読み取る車載装置であって、
現在位置を取得する現在位置取得手段と、
車室内の空気中に含まれる粉塵の量を検出する粉塵検出手段と、
前記粉塵検出手段によって予め定められた閾値以上の粉塵が検出された地点を登録する地点登録手段と、
前記現在位置取得手段によって取得された現在位置と前記地点登録手段によって登録された情報から、走行先に前記地点登録手段によって登録された地点があるか否かを判定する登録地点判定手段と、
前記登録地点判定手段によって前記走行先に前記地点登録手段によって登録された地点があると判定された場合、前記開口部から装置内へ侵入する粉塵を予防する粉塵侵入予防動作を実施する粉塵侵入予防手段と、を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項4】
前記記憶媒体の開口部への挿入動作または前記記憶媒体の開口部からの排出動作の要求に応じて、前記挿入動作または前記排出動作を実施するオーディオ再生部を備えた車載装置であって、
前記粉塵侵入予防手段は、前記記憶媒体の開口部への挿入動作または前記記憶媒体の開口部からの排出動作の要求が有るか否かを判定する要求判定手段と、
前記要求判定手段によって前記記憶媒体の開口部への挿入動作または前記記憶媒体の開口部からの排出動作の要求が有ると判定された場合、前記記憶媒体の開口部への挿入動作または前記記憶媒体の開口部からの排出動作を禁止する禁止手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載装置。
【請求項5】
ユーザの操作に応じてチルトパネルを前記記憶媒体を挿入する開口部の手前から移動させ、あるいは前記チルトパネルを前記記憶媒体を挿入する開口部の手前へ移動させるチルトパネル駆動部を備えた車載装置であって、
前記粉塵侵入予防手段は、前記チルトパネルが前記記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記チルトパネルが前記記憶媒体を挿入する開口部の手前へ位置していると判定された場合、前記チルトパネル駆動部に、前記記憶媒体を挿入する開口部の手前へ前記チルトパネルを移動させるチルトパネル制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−265461(P2007−265461A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85212(P2006−85212)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】