説明

軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置

【課題】水中の軟弱地盤上に造成している盛土の安定性を容易に精度よく把握できるようにした軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置を提供する。
【解決手段】軟弱水中地盤11上に造成している盛土10の頂部の沈下量Sを測定するとともに、盛土10の水中の法尻部に配置した検知指標体6をGPS受信機を備えた作業船2からナローマルチビーム測探機3により検知して盛土10の法尻部の水平方向変位量Hを測定し、測定した頂部の沈下量Sおよび法尻部の水平方向変位量Hに基づいて制御装置によって盛土10の安定性を判断するデータを演算して、予め入力してある基準データと対比する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置に関し、さらに詳しくは、水中の軟弱地盤上に造成している盛土の安定性を容易に精度よく把握できるようにした軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海の埋め立て等のために土砂を水中に投入して盛土を造成する場合、その水中地盤が軟弱であると盛土の重みによって沈下し、また、その沈下量のばらつきが大きく不安定な状態になる。そのため、軟弱地盤の沈下量を見込んで日々の施工を行なっても所定の層厚に盛土を造成することが難しく、また、造成している盛土が崩れないように種々の作業について安全率を高く設定して施工を行なう必要があり、施工効率を向上させることは困難であった。
【0003】
このような問題を解決するため、水中の軟弱地盤上に造成されている盛土の沈下量を沈下板を用いてGPS受信機およびナローマルチビーム測探機により測定する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような沈下量の測定データだけでは盛土の安定性を十分に把握することが困難であった。そこで、盛土の沈下量データに加えて法尻部の水平方向変位量データを取得し、これら両データを分析することにより一段と精度よく盛土の安定性を把握することも可能であるが、法尻部の水平方向変位量を測定するには、傾斜計等の高価な測定器を法尻部に多数設置する必要があり、さらに設置した傾斜計等が使い捨てになってしまうという問題が生じる。そのため、膨大なコストや工数を負担できる余裕がなければ実施することができず、容易に実施できるものではなかった。
【特許文献1】特開2002−181932号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、水中の軟弱地盤上に造成している盛土の安定性を容易に精度よく把握できるようにした軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法は、水中の軟弱地盤上に造成している盛土の頂部の沈下量を測定するとともに、前記盛土の水中の法尻部に配置した検知指標体をGPS受信機を備えた作業船からナローマルチビーム測探機により検知して該盛土の法尻部の水平方向変位量を測定し、前記測定した頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データに基づいて制御装置により前記盛土の安定性を判断するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
ここで、前記盛土の頂部の沈下量を、前記盛土の頂部が水中にある場合は、前記GPS受信機を備えた作業船からナローマルチビーム測探機により検知して測定し、前記盛土の頂部が水上にある場合は、該頂部に沈下板を設置し、この沈下板に取付けたGPS受信機により検知して測定することもできる。また、前記法尻部の水平方向変位量を測定する際に、前記ナローマルチビーム測探機により検知した検知指標体の位置データを前記制御装置によりカルマンフィルタ処理して補正することもできる。また、前記測定した頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データと、前記制御装置に予め入力した盛土の頂部の沈下量と法尻部の水平方向変位量との関係により算出した基準データとの対比により前記盛土の安定性を判断することもできる。
【0007】
また、本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視装置は、水中の軟弱地盤上に造成している盛土の頂部の沈下量を測定する沈下量測定手段と、前記盛土の水中の法尻部に配置する検知指標体と、該検知指標体を検知する作業船に設置されたナローマルチビーム測探機と、該作業船に設置されたGPS受信機とからなる前記盛土の法尻部の水平方向変位量測定手段とを備え、前記沈下量測定手段による測定データおよび前記水平方向変位測定手段による測定データが入力される制御装置を設け、これら入力されたデータに基づいて前記盛土の安定性を判断するデータを演算し、該演算したデータをモニターに表示するように構成したことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、前記沈下量測定手段を、前記盛土の頂部が水中にある場合は、前記作業船に設置されたナローマルチビーム測探機およびGPS受信機とし、前記盛土の頂部が水上にある場合は、該盛土の頂部に設置した沈下板および該沈下板に取付けたGPS受信機とすることもできる。また、前記ナローマルチビーム測探機の検知データを前記制御装置によってカルマンフィルタ処理をして補正し、該補正したデータを前記水平方向変位量の測定データの算出に用いるように構成することもできる。また、前記測定した盛土の頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データと、前記制御装置に予め入力した盛土の頂部の沈下量と法尻部の水平方向変位量との関係により算出した基準データとを対比して前記盛土の安定性を判断するデータを演算するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水中の軟弱地盤上に造成している盛土の頂部の沈下量と法尻部の水平方向変位量との両データに基づいて盛土の安定性を判断するので、精度よく安定性の判断ができる。また、盛土の法尻部の水平方向変位量測定手段を、盛土の水中の法尻部に配置する検知指標体と、この検知指標体を検知する作業船に設置されたナローマルチビーム測探機およびGPS受信機とで構成し、安価な検知指標体の水平方向変位量をナローマルチビーム測探機により検知して盛土の法尻部の水平方向変位量を測定するようにしているので、コストや工数が大幅に低減され容易に実施することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法および装置について図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1に例示するように、本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視装置1(以下、監視装置1という)は、監視用の作業船2にGPSアンテナ4aとGPS処理装置4bとからなるGPS受信機4およびナローマルチビーム測探機3を設置して、それぞれを制御装置7に接続している。この制御装置7には、演算結果を表示するモニター8が接続されている。また、軟弱水中地盤11上に造成されている盛土10の法尻部に配置してナローマルチビーム測探機3の検知対象となる検知指標体6を有している。さらに、盛土10の頂部が水上にある場合に、その頂部に設置する沈下板9を備えている。この沈下板9の上部にはGPS受信機9aが取付けられている。
【0012】
検知指標体6は、盛土10の法尻部で軟弱水中地盤11に突出してナローマルチビーム測探機3により検知できるようにしたものであり、例えば、矢板や鋼管杭等を用いることができる。
【0013】
次いで、本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法について説明する。
図2および図3は、軟弱水中地盤11上に盛土10の造成を開始して、盛土10の頂部が水中にある状態を例示している。
【0014】
軟弱水中地盤11は、何度も土砂が投入されて盛土10が造成されてゆく過程で、盛土10の重みで徐々に沈下し、盛土10の法尻部は広がるように移動する。そこで本発明では、盛土10を造成する土砂を投入した後と新たに土砂を投入する前の所定時間に盛土10の頂部の沈下量Sおよび法尻部の水平方向変位量Hを測定する。このように盛土10を動態観測して監視を行なう。
【0015】
盛土10の頂部の沈下量Sを測定するには、図2に示すように、作業船2を盛土10のほぼ中央の頂部に移動させて、ナローマルチビーム測探機3により盛土10の頂部を検知する。作業船2の位置は、複数のGPS衛星群5からGPS受信機4が受信した位置データにより測定される。このナローマルチビーム測探機3による検知データとGPS受信機4による作業船2の位置データとが制御装置7に入力されて盛土10の頂部の沈下量Sが測定される。
【0016】
盛土10の頂部の沈下量Sは図5に例示するように算出する。土砂の投入が終了した後のある時間e0に検知した盛土10の頂部の高さ位置を、次の土砂を投入する前のある時間t1に検知した頂部の高さ位置から差し引くことにより、e0〜t1の間に沈下した頂部の沈下量S1を算出する。続いて時間t1からe1までの時間には新たな土砂が投入されて頂部の高さ位置はB1だけ上昇する。次いで、土砂の投入が終了した後のある時間e1と新たな土砂を投入する前のある時間t2に頂部の高さ位置を検知して、同様に後者から前者を差し引いてe1〜t2の間に沈下した頂部の沈下量S2を算出する。以後、同様に沈下量S3を算出する。これら沈下量S1、S2、S3を累積したものが、その時点の沈下量Sとなる。
【0017】
盛土10の法尻部の水平方向変位量Hは、図3に示すように盛土10の法尻部に検知指標体6を配置し、この検知指標体6を作業船2に設置したナローマルチビーム測探機3により検知する。このナローマルチビール測探機3による検知指標体6の検知データおよびGPS受信機4による作業船2の位置データが制御装置7に入力され、これらのデータに基づいて検知指標体6の水平方向変位量Hが演算、測定される。この検知した検知指標体6の水平方向変位量Hを盛土10の法尻部の水平方向変位量Hとみなす。盛土10の頂部の沈下量Sと同様に、それぞれの測定時の水平方向変位量Hを累積した変位量がその時点の法尻部の水平方向変位量Hとなる。
【0018】
この検知指標体6は、盛土10の長手方向に所定のピッチで設置するが、矢板や杭等の安価なものでよいので、設置数が多くてもコストを抑えることができる。また、検知指標体6を法尻部に設置した後は、その設置した上方の水面を作業船2で移動しながらナローマルチビール測探機3で検知指標体6を検知する作業すればよく、複雑な作業は不要となり工数を多くすることなく高精度で法尻部の水平方向変位量Hを測定することができる。
【0019】
それぞれの施工現場で条件が異なるが、例えば、検知指標体6を矢板にした場合、軟弱水中地盤11に3m程度埋入させて5m程度突出させるようにする。盛土10の法尻部の水平方向変動とともに移動した際に検知指標体6が傾斜すると測定精度が悪くなるので、この傾斜を防止するため、図9に例示するように、下端部に安定板6aを設けるとよい。
【0020】
次いで、盛土10の造成が進んで頂部が水上にある場合の頂部の沈下量Sの測定方法を説明する。尚、盛土10の法尻部の水平方向変位量Hは、図3に例示した方法と同じ方法で測定する。
【0021】
この場合は図4に例示するように、水上に突出した盛土10の頂部に沈下板9を設置し、沈下板9の上部にGPS受信機9aを取付け、GPS受信機9aによる受信データを作業船2に設置した制御装置7に入力するように構成する。これにより、沈下板9の位置データが制御装置7に逐次入力されるので、盛土10の頂部の沈下量Sを測定することができる。
【0022】
尚、盛土10の頂部が水中にある場合も水上にある場合も、盛土10の頂部の沈下量Hの測定と法尻部の水平方向変位量Hの測定は、どちらを先に行なってもよい。
【0023】
以上のように測定した盛土10の頂部の沈下量Sデータと法尻部の水平方向変位量Hデータとの2種類の測定データに基づいて制御装置7が盛土10の安定性を判断するデータを演算し、その演算結果をモニター8に表示する。
【0024】
以上のように、本発明では低コストで多大な工数をかけることなく盛土10の頂部の沈下量Sおよび法尻部の水平方向変位量Hを測定することができ、容易にしかも精度よく盛土10の安定性を把握することができる。そのため、盛土10の安定性を過度に気にして種々の作業について安全率を高く設定して施工を行なう必要がなく、施工効率を向上させることもできる。
【0025】
盛土10の安定性を判断するデータの演算は、例えば、盛土10の頂部の沈下量Sの測定データおよび法尻部の水平方向変位量Hの測定データと、予め制御装置7に入力して設定してある盛土7の頂部の沈下量Sデータと法尻部の水平方向変位量Hデータとの関係により算出した基準データCとを対比して行なう。
【0026】
図8に基準データCを例示する。この基準データCは、様々な現場での収集した盛土10が崩壊した際の盛土10の頂部の沈下量Sと、盛土10の法尻部の水平方向変位量Hを沈下量Sで除した値(H/S値)との関係をプロットしたものである。曲線C1およびC2は、測定データに基づいて演算した盛土10の安定性を判断するデータである。
【0027】
一般に、盛土10の頂部の沈下量Sの増加割合に比べて法尻部の水平方向変位量Hの増加割合が大きいと盛土10は不安定で崩壊し易いと考えられる。即ち、測定した沈下量SとH/S値とをプロットしてこの基準データCに近づくと造成中の盛土10の安定性が低く、基準データCに到達する崩壊すると考えられ、曲線C2のデータを測定した盛土10は不安定で崩壊の可能性が高いと判断できる。
【0028】
一方、法尻部の水平方向変位量Hの増加割合に比べて頂部の沈下量Sの増加割合が大きいと、盛土10が十分な圧密状態になり安定していると考えられる。即ち、測定した沈下量SとH/S値とをプロットしてこの基準データCから遠ざかる傾向にあれば、造成中の盛土10の安定性が高く、曲線C1のデータを測定した盛土10は安定していて崩壊の可能性が低いと判断できる。
【0029】
このように基準データCを予め制御装置7に入力しておき、測定した盛土10の頂部の沈下量Sの測定データと法尻部の水平方向変位量Hの測定データと基づいて盛土10の安定性を判断するデータを演算して基準データCと対比することで、精度よく盛土10の安定性を判断、把握することが可能になる。尚、盛土10の安定性を判断する基準データCは、図8に例示したものに限定されるものではない。
【0030】
盛土10を上記のように動態観測により監視している際に、安定性が低いとの判断がされた場合には、新たな土砂の投下をしばらく止めて経過を観測する等の措置をとる。
【0031】
ところで、ナローマルチビーム測探機3による検知指標体6の検知データには、誤差が含まれているため、より一層高い精度で、盛土10の法尻部の水平方向変位量Hを測定し、盛土10の安定性をさらに高精度で判断するには、制御装置7にカルマンフィルタ処理を行なうプログラムを入力しておき、この検知データを補正するように構成するとよい。カルマンフィルタ処理は、公知の統計的手法であり測定データの標準偏差σが既知である場合に、測定誤差をノイズとして除去して測定データを真のデータに近づくように測定精度を向上させることができる。
【0032】
例えば、図3に例示したように盛土10の法尻部に設置した矢板(検知指標体)6をナローマルチビーム測探機3で検知して測定した矢板6の位置と、真の矢板6の位置とを比較して図6のような測定誤差の頻度についてヒストグラムを作成する。これにより測定データの標準偏差σが既知となる。
【0033】
ナローマルチビーム測探機3による矢板6の検知データをこの標準偏差σを用いてカルマンフィルタ処理により補正すると、図7に例示するようになる。図7の中央の縦軸(水平方向座標データ0m)が矢板6の真の位置であり、ひし形のプロットがカルマンフィルタ処理によって補正したデータを示し、正方形のプロットが補正しないそのままの検知データを示している。
【0034】
図7の結果から分かるように、カルマンフィルタ処理により検知データを補正することにより矢板6の真の位置に対して前後に10cm程度の幅で誤差のあった測定データが約1cm程度の誤差に収まって精度よく盛土10の法尻部の水平方向変位量Hを測定できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の軟弱水中地盤上の盛土の監視装置の全体概要を例示する説明図である。
【図2】図1の監視装置により水中にある盛土の頂部の沈下量を測定している状態を例示する説明図である。
【図3】図1の監視装置により水中にある盛土の法尻部の水平方向変位量を測定している状態を例示する説明図である。
【図4】図1の監視装置による盛土の頂部が水上にある場合の測定方法を例示する説明図である。
【図5】盛土の頂部の沈下量Sを算出する手順を例示するグラフ図である。
【図6】盛土の法尻部に配置した矢板の位置を測定した測定データの測定誤差を例示するヒストグラムである。
【図7】ナローマルチビーム測探機による盛土の法尻部に配置した矢板の検知データをカルマンフィルタ処理により補正して算出した矢板の測定位置データを例示するグラフ図である。
【図8】盛土の安定性を判断する際の基準データを例示するグラフ図である。
【図9】検知指標体の構造を例示する説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 監視装置
2 作業船
3 ナローマルチビーム測深機
4 GPS受信機
4a GPSアンテナ
4b GPS処理装置
5 GPS衛星群
6 検知指標体(矢板)
6a 安定板
7 制御装置
8 モニター
9 沈下板
9a GPS受信機
10 盛土
11 軟弱水中地盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中の軟弱地盤上に造成している盛土の頂部の沈下量を測定するとともに、前記盛土の水中の法尻部に配置した検知指標体をGPS受信機を備えた作業船からナローマルチビーム測探機により検知して該盛土の法尻部の水平方向変位量を測定し、前記測定した頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データに基づいて制御装置により前記盛土の安定性を判断するようにした軟弱水中地盤上の盛土の監視方法。
【請求項2】
前記盛土の頂部の沈下量を、前記盛土の頂部が水中にある場合は、前記GPS受信機を備えた作業船からナローマルチビーム測探機により検知して測定し、前記盛土の頂部が水上にある場合は、該頂部に沈下板を設置し、この沈下板に取付けたGPS受信機により検知して測定するようにした請求項1に記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法。
【請求項3】
前記法尻部の水平方向変位量を測定する際に、前記ナローマルチビーム測探機により検知した検知指標体の位置データを前記制御装置によりカルマンフィルタ処理して補正するようにした請求項1または2に記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法。
【請求項4】
前記測定した頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データと、前記制御装置に予め入力した盛土の頂部の沈下量と法尻部の水平方向変位量との関係により算出した基準データとの対比により前記盛土の安定性を判断するようにした請求項1〜3のいずれかに記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視方法。
【請求項5】
水中の軟弱地盤上に造成している盛土の頂部の沈下量を測定する沈下量測定手段と、前記盛土の水中の法尻部に配置する検知指標体と、該検知指標体を検知する作業船に設置されたナローマルチビーム測探機と、該作業船に設置されたGPS受信機とからなる前記盛土の法尻部の水平方向変位量測定手段とを備え、前記沈下量測定手段による測定データおよび前記水平方向変位測定手段による測定データが入力される制御装置を設け、これら入力されたデータに基づいて前記盛土の安定性を判断するデータを演算し、該演算したデータをモニターに表示するように構成した軟弱水中地盤上の盛土の監視装置。
【請求項6】
前記沈下量測定手段を、前記盛土の頂部が水中にある場合は、前記作業船に設置されたナローマルチビーム測探機およびGPS受信機とし、前記盛土の頂部が水上にある場合は、該盛土の頂部に設置した沈下板および該沈下板に取付けたGPS受信機とする請求項5に記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視方装置。
【請求項7】
前記ナローマルチビーム測探機の検知データを前記制御装置によってカルマンフィルタ処理をして補正し、該補正したデータを前記水平方向変位量の測定データの算出に用いるように構成した請求項5または6に記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視装置。
【請求項8】
前記測定した盛土の頂部の沈下量データおよび法尻部の水平方向変位量データと、前記制御装置に予め入力した盛土の頂部の沈下量と法尻部の水平方向変位量との関係により算出した基準データとを対比して前記盛土の安定性を判断するデータを演算するように構成した請求項5〜7のいずれかに記載の軟弱水中地盤上の盛土の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−111272(P2008−111272A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294796(P2006−294796)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【Fターム(参考)】