説明

転がり装置

【課題】転がり装置のコロに発生する競い合いを解消するため負荷領域内の転動体に隙間を設ける。
【解決手段】コロにコロ外径よりも小径の段部を設け、転送溝の一部分についてこの段部上を公転させて公転量を減少させてコロ同士を当接、もしくは近接させた後、コロ外径部を転送溝に当接、公転させることにより、公転量を増加させて負荷領域に進入するコロの間に隙間を生成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は転がり装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1対の転送溝と転送溝間に介挿した複数のコロにより構成される転がり装置は、個々の転動体が同一方向に自転することより隣接する転動体表面の動作が逆方向となるので保持器を持たない転がり装置の場合は、コロ同士の接触による大きな滑り摩擦が発生した。
これを緩和する目的で、コロの間隔を一定に保持する保持器を使用することが一般適に行われている。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2005−163997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら特許文献1の様な保持器を使用したとしても、コロと保持器との間には依然として滑り摩擦が発生する。特に負荷荷重が不均一、等の場合に負荷を受けている個々のコロの間に公転量の相違が生じて保持器を介してコロ同士が押し合う競り合い現象が発生し易い。
その場合には滑り摩擦が増大したり、保持器が破損する危険がある。また保持器の占有するスペースの分、コロの寸法が小さくなり負荷容量を限定する要因となっていた。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点を改善するため、負荷領域の転送溝に比べてコロの公転量を少なくする接触点変更路を設けることにより、負荷領域に進入するコロ間に間隔が生成される転がり装置を提供することを目的としている。本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の記述的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の請求項1では、少なくとも1対の転送溝により構成される転送路と、前記転送路の間に転動自在に介挿させた複数の転動体により構成され、前記転動体は円柱、または円錐、またはたる形、またはこれらの複合曲面で形成されている転がり装置であって、前記転動体が前記転送路の一方の転送溝のみに当接する領域を形成、もしくは前記転送路の一方の転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力を、他方の転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力に対して大きくした領域を形成し、かかる領域について前記転動体の自転中心から前記一方の転送溝と前記転動体との接触点までの接触半径を、他の領域に対し小さくした接触点変更路を有している。
【0006】
また請求項2に係る発明では、少なくとも1対の転送溝により構成される転送路と、前記転送路の間に転動自在に介挿させた複数の転動体と、両端を前記転送路の一方の前記転送溝に接続して前記転動体が循環可能に形成された循環路、により構成され、前記転動体は円柱、または円錐、またはたる形、またはこれらの複合曲面で形成され、前記転送路内の前記転動体が前記循環路の一端より前記循環路内に掬い上げられ前記循環路の他端より前記転送路に戻される循環式の転がり装置であって、前記循環路の少なくとも一端部について、前記転動体の自転中心から前記転動体との接触点までの接触半径を、他の領域に対し小さくした接触点変更路を有している。
【0007】
また請求項3に係る発明では、前記転送路の一方の前記転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力を、他方の前記転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力に対して大きくした領域の前記転送路について、転送方向と直角方向の剛性を前記転送路の他の部分に対して小さくする、もしくは前記転送溝の間隔を他の部分に対して大きくすることにより、前記転動体が前記転送溝に僅かに侠持される無負荷領域を生成している。
【0008】
また請求項4に係る発明では、前記接触点変更路の前記転動体接触面、または前記転動体の前記接触点変更路接触面の少なくとも一方について、前記転動体の自転方向と直角方向の表面粗さを、対向する前記転送溝の前記転動体接触面、または前記転動体の前記転送溝接触面の転動体の自転方向と直角方向の表面粗さに対し粗くしている。
また請求項5に係る発明では、前記接触点変更路の転動体との接触面と、転動体の接触点変更路との接触面の転動体の自転方向について、互いに噛み合う凹凸の歯を形成している。
【0009】
また請求項6に係る発明では、前記接触点変更路の転動体転送方向の形状を、前記転動体との接触面が内面となる方向に湾曲させている。
また請求項7に係る発明では、前記転動体の材質として強磁性体を使用し、前記接触点変更路に磁力を作用させている。
また請求項8に係る発明では、前記接触点変更路の個々の転動体との接触点が転送方向と直交する方向の2か所としている。
また請求項9に係る発明では、前記転動体が円柱であり、前記転送路が転動体をスキューさせる前提の経路である転がり装置において、前記転動体の自転中心から前記接触点変更路の前記転動体との2か所の接触点までの接触半径について、前記曲率の外側の半径を内側の半径よりも大きくしている。
【0010】
また請求項10に係る発明では、接触点変更路において転動体の外径を当接させる梁部を備えた保持器を有している。
また請求項11に係る発明では、前記転動体が円柱であり、転動体の外径を当接させる梁部を備えた保持器を有するスラストコロ軸受において、保持器の梁部に転動体を当接したときの転動体の自転軸が軸受の回転中心に対しずれている。
また請求項12に係る発明では、少なくとも外輪と内輪と転動体と接触点変更路を形成する円環状の減速板とで構成される転がり軸受であって、減速板は外輪、または内輪の法線方向に変形自在に嵌遊している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、接触点変更路で転動体同士が当接してその間隔を揃えた後に、所定の間隔を作り負荷領域に入るので、保持器を使用せずに負荷領域の転動体の競い合いを防止でき、競り合いに起因する摩擦抵抗の増大を抑制できる。また保持器スペースを転動体に割り当て、負荷容量を大きく出来る、保持器材質による環境の制約を受けない効果がある。さらに保持器を設けた場合でも同様に、接触点変更路でコロが保持器に当接して保持器との間隔を揃えた後に所定の間隔を作るので、保持器に対するコロの位置が揃い、保持器を介してコロが競り合う現象を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に沿って本発明の転がり装置を詳細に説明する。
【0013】
[実施例1]
図1a、図1bは本発明における実施例のコロ軸受である。図1aは図1bのX−X断面図、図1bは図1aのY−Y断面図である。内方に転送溝1aを有する外輪1と外方に転送溝2aを有する内輪2、及びこれらの転送溝間に転動可能に与圧を持って介挿される複数のコロ3により構成され、コロ3の両端には、径を小さくして自転方向の表面粗さを転送溝2aより荒くした段部3aを有する。
【0014】
外輪1は転送溝1aの両側に溝1bを有し、減速板4はこの溝に嵌め込み、外輪に打ち込んだピン5で両端を拘束している。減速板4の内輪側はコロの段部3aに当接、当該部分のコロ転送方向の表面粗さを転送溝2aよりも荒く仕上げている。また減速板の中央部は溝1bの底部に対し隙間を有し、減速板4の弾性によりコロ3を弱い力で押圧する構成としている。(押圧力は例えば、この軸受の動定格荷重の1/20以下、好ましくは1/100以下)
【0015】
次にこの軸受の作用について説明する。
外輪1を固定し内輪2に上方への荷重Fが印加される場合、荷重Fと与圧により図の上方と側方のコロは負荷領域、下方のコロは荷重Fにより与圧が解放された無負荷領域となる。無負荷領域でコロは減速板4の弾性によってコロの外径面が内輪の転送溝2aに当接するまで押し上げられるので、コロの外径面は転送溝1aから離れ段部3aで減速板4と接する接触点変更路aを形成している。
【0016】
本構成のコロの公転量は、転送溝との間で滑りが発生しない前提において下式となる。
転送溝1aに対するコロの公転量Y〔mm〕=X*R1/(R1+R2)
接触点変更路aに対するコロの公転量Ya〔mm〕=X*Ra/(Ra+R2)
X :外輪1と内輪2との相対移動距離〔mm〕
R1:コロの自転中心から転送溝1aとの接触点までの半径〔mm〕
R2:コロの自転中心から転送溝2aとの接触点までの半径〔mm〕
Ra:コロの自転中心から接触点変更路aとの接触点までの半径〔mm〕
【0017】
上式よりコロ3の半径を1.77mm、段部3aの半径を1.25mmとし、外輪を固定、内輪を回転して転送溝2a表面を1mm移動させた際のコロの公転量は下記となる。
(1)転送溝1aと接触しているコロに対しては、
Y=1*1.77/(1.77+1.77)=0.50mm
(2)接触点変更路aと接触しているコロに対しては、
Ya=1*1.25/(1.25+1.77)=0.41mm
【0018】
これより、接触点変更路aを転動するコロの公転量は、負荷領域のコロに対して小さいことがわかる。
一方接触点変更路aとコロとの関りを考慮せずに、内輪の転送溝2aのみをコロが転がり接触しているとの考えにおいては、転送溝2aの全域についてコロ中心と転送溝2aのコロ接触点との距離R2は同一なので、コロの公転量も同一であり、上記結果と一致しないが、本構成では接触点変更路aとコロの段部3aの表面粗さを内輪の転送溝2aとコロ外径面との表面粗さに対し大きくすることにより内輪の転送溝2aとコロ外径面との間で滑りを発生させて、接触点変更路aのコロの公転量を減少させている。
【0019】
次にコロの隙間を所定値とするための方法を説明する。
コロの間隔は、1個のコロが接触点変更路を脱出後、それに続くコロが接触点変更路を脱出するまでの転送溝の相対移動距離Xに相対移動距離1mm当りの公転量の差(前記Y−Ya)を乗じた値になる。本例でコロ同士が接しているときのコロのピッチはコロの直径と同じ3.54mmであるので、上記Xはその倍の7.14mmとなる。
よってコロの設計的隙間は7.14mm×(0.5−0.41)=0.64mm。但し潤滑条件による微小な滑り等の要素を加わるので実験的に決めることが望ましい。
【0020】
またコロの隙間量は、負荷領域内でのころの公転速度の相違により再度当接しない値とすべく、動作条件等も考慮し実験的に決めることが好ましいが、例えば0.1mmないし1mm、大型の転がり装置では3mmなどに設定する。
但しコロの公転量を正確には決められないので、接触点変更路aでコロ同士が当接しない場合も考えられるが、その場合でもより大きな間隔を持って負荷領域に侵入するだけであり、本発明の作用効果を損なうものではない。
【0021】
以上は外輪1を固定、一定方向の荷重を受ける内輪2が回転する場合であるが、外輪1を回転した場合、あるいは外輪と内輪の両方を回転した場合であっても減速板に対する荷重方向が一定であれば同様に、負荷領域に入るコロを所定の間隔に出来る。
例えば、アンバランス負荷を回転保持する軸受等、荷重方向が回転角に同期して変動する用途の場合は、本図で内輪固定、外輪回転とし、負荷による遠心力等の荷重が接触点変更路aを無負荷領域とする様に、負荷の取付け位相をY−Y方向にする。
【0022】
さらに本例の無負荷領域は荷重Fによって生成されるラジアルスキマによっているが、無負荷状態でラジアルスキマを有していても良いし、荷重に対し大きな与圧を掛ける場合では接触点変更路部分の外輪転送溝1aを他の転送溝部分より深く生成することにより部分的に与圧を開放しても良い。
一方荷重や与圧が非常に小さい場合、接触点変更路での滑りによる摩擦を直動案内の減衰性を高める目的で利用する場合、接触点変更路が油浴される、等十分な潤滑剤を供給できる場合、等の条件によっては、全てのコロに与圧がかかった状態で接触点変更路aについてコロの転送方向と直角方向の剛性を前記転送路の他の部分に対して小さくする手段を取らない、つまり無負荷領域を形成しない構成も可能である。
【0023】
また本例では減速板4の弾性によりコロを内輪に押圧しているが、この構成は必須ではなく、無負荷領域においてコロの外径面と転送溝1aとの隙間よりも減速板4とコロの段部3aとの隙間を小さく設定していれば本発明が適用できる。
なお接触点変更路aの滑り摩擦係数を高くせず、接触点変更路に対向する転送溝の摩擦係数を、低摩擦係数の皮膜をコーティングする、等の方法により低くしても良い。
また、減速板4を永久磁石で作成し強磁性体のコロを吸引することにより摩擦力を上げることも可能である。
【0024】
[実施例2]
図2は本発明における実施例のコロの段部3aと減速板4との接触部の詳細図であり、図示していない部分は図1と同様の構成なので省略する。
本実施例では一対の減速板4の段部3aとの接触面と、両側の段部3aの減速板4との接触面の転動体の自転方向に、互いに噛み合う凹凸の歯3bと4aを形成している。
【0025】
コロは不均等な外部荷重等の要因によりその回転軸が転送方向と直角な方向に対し傾斜するスキューが発生する。スキュー角度が大きくなると摩擦力の増大等の悪影響が出るので従来品は保持器でコロの傾きを規制することが一般的であったが、本実施例では接触点変更路に進入したコロは、両側の歯の噛み合いによりコロの両端の公転量を個別に規制できるので減速板4とコロの間で滑りが生じない他、スキューしたコロを正規の角度に矯正できる。
【0026】
但し1歯を超えるスキューを持って進入したコロの矯正は出来ないので、歯のピッチ、及び減速板4の軸受1個当たりの設置数は使用条件等を考慮して決めることが望ましい。
噛み合う歯が受ける荷重は小さいのでその表面硬度を特段高くする必要はなく、例えばコロの段部3aの歯は、熱処理後のコロの硬化した表面を切除した後に転造で成形すれば比較的安価に製造できる。また減速板4は鋼板の打ち抜きや樹脂の射出成型などにより安価に製造できる。
【0027】
[実施例3]
図3は本発明における接触点変更路aを内輪に設けた、たる形コロ軸受の実施例である。
図3aは図3bのX−X断面図、図3bは図3aのY−Y断面図、図3cは図3aのZ−Z断面図である。
たる形のコロ3はその中央に円環状で溝底をR面とした溝3dが形成されている。外輪1は従来の軸受と同様の構造である。内輪2は転送溝2aの中央で2分割する構成で、その分割面に円環状の溝2bを形成している。溝2bには円環状の減速板4を隙間ばめで組込み、内輪に打ち込んだピン5で減速板4の回転を拘束している。
【0028】
減速板4の外径は、コロ3の外径が内輪の転送溝2aに接している状態でのコロの溝3bの溝底の内接円径よりも僅かに大きな径で、コロの溝底のR面に倣ったR面としている。
一方減速板の内径は、コロ3の外径が内輪の転送溝2aに接触する位置まで減速板の変形を許容する様に、内輪の溝2bの底部に対して十分な隙間を持っている。
外輪と内輪がたる形のころを包み込む構成であるが、コロ3と減速板4の組み付けは片側の内輪を外して行うことが出来、多数のコロを組み付け可能となっている。
【0029】
次にこの軸受の作用について説明する。
この軸受に実施例1と同様、内輪に上方荷重が印加されている場合、図3aの上方のコ
ロは負荷領域となるので、印加荷重により減速板4は下方に押し下げられ、コロの外径部が内輪の転送溝2aに接して荷重を受ける。また側方のコロも与圧により減速板4を弾性変形させてコロの外径部が内輪の転送溝2aに接している。
【0030】
この状態でこれらの領域のコロと内輪は、転送溝2aと減速板4の両方に接している(図3b)が、減速板の剛性を弱くコロが減速板から受ける反力は転送溝2aに比べて小さいので、コロは減速板との接触面で滑りながら転送溝上を転がり運動する。
なお減速板4との間の滑りによる悪影響(転がり摩擦の増加、接触面の摩耗)は、上記反力が小さいことより限定的である。
【0031】
一方下方のコロは印加荷重により与圧が掛からない状態となっており、減速板4からの圧接力で転送溝2aとの間に隙間tを作っている。(図3c)よってコロは外輪の転送溝1aと減速板4とに挟まれて公転する。この部分の減速板が接触点変更路aとなる。減速板4のコロの溝3dとの接触部は転送溝1aのたる形状に比べて小さなR面同士の接触としているので、くさび作用により摩擦力が高い。よってコロは転送溝1aとの間で滑り内輪2に対するコロの公転量が減少し、コロ同士が当接する。コロがさらに公転し印加荷重の影響が弱まると、与圧荷重が減速板4を押してコロの外径面が転送溝2aと接触し公転量を増やす結果、コロ同士に隙間が生成される。
【0032】
本実施例の特徴は、接触点変更路の位置が荷重方向に応じて変化することにある。例えば図では減速板4を内輪に形成しているので、内輪の回転に伴い減速板4も回転するが、接触点変更路aは印加荷重が一定である限り図の位置に固定される。また印加荷重の方向が変わると、それに伴い荷重と反対側の内輪部に接触点変更路aが形成される。
なお減速板4は内輪でなく外輪に組み込んでも同様に機能する。
【0033】
[実施例4]
図4はテーパコロ軸受における本発明の実施例の断面図である。テーパ形状のコロ3の左右の径差に合わせて、コロ両端に形成した段部3aの径d1<d2としている。
本例の減速板4はコロのスラスト方向の拘束も兼ねて外輪1の両側面に円環状の梁として一体で形成している。梁の内径は接触点変更路aとする部分のみ僅かに小さく(例えば半径で5μm〜100μm程度)形成されていて、この部分でコロは外輪の転送溝1aではなく段部3aが接触点変更路a上を公転するが、その軌跡は段部の径がd1<d2であることよりd2部の公転量よりd1部の公転量が少なくなることで、コロ外径のテーパにより設定される公転軌跡に倣ったものとなる。
【0034】
接触点変更路を機械加工で直接形成しても良いが、内径加工時に接触点変更路a部分に引っ張り荷重を付与して弾性変形させる、あるいは局部的に加熱して熱膨張させる、等により加工前の形状を変形させて円形状に加工をすれば変形部のみ径を小さくできる。
また外輪1の外径部に段部1cを形成して梁部のラジアル剛性を調整している。これは接触点変更路a部分に想定外の荷重が作用した場合に梁部を弾性変形させてコロの外径面を転送溝1aに当接させて接触点変更路aの破損を防ぐ狙いである。
【0035】
[実施例5]
図5は断面がコの字形状のレール6、保持器7、コロ3で構成された非循環型の直動案内装置における本発明の実施例、本装置を取付面8と転送面であるスライダ9との間に設置して使用する。
コの字形状のレール6の底面が転送溝6a、転送溝6aよりも表面粗さを大きくした両側の壁部上縁6bを形成、壁部上縁6bと転送溝6aとの高さ相互差は、コロ3の外径と段部3aとの半径の差より僅かに大きくしている。またレール6の中央部両側にはスリット6cが設けられ、取付面8はこのスリットの部分にニゲ8aを形成している。
保持器はコロの個数分のポケットを有し、ポケットの転送方向のコロとの隙間は、実施例1で説明の設計的隙間よりも少し狭くしている。
【0036】
次にこの軸受の作用について説明する。
図はスライダが右から左へ動作している状態で、両端の4個のコロの段部3aはレールの壁部上縁6bと接触せず、スライダの荷重を転送溝6aで受け止めている。一方X−X断面ではニゲ8aとスリット6cにより転送溝6aが僅かに撓むことにより、コロの段部3aはレールの壁部上縁6bと接し、コロが転送溝6aとの接触部では滑り、壁部上縁6b上を転がる接触点変更路aとして機能する。
【0037】
保持器7のポケットの左壁7aは両側4個のコロの外径部に押されて左方向に動作するが、中央のコロは公転速度が遅いのでポケットの右壁7bに当接してコロの姿勢と間隔を修正する。その後接触点変更路aから出て加速し、ポケットの右壁7bから離れる。接触点変更路aでコロはニゲ8aによりスライダの荷重を直接は受けず、スリット6cにより剛性を弱くした転送溝6aからの反力を受けるのみなので、保持器の右壁7bがコロの姿勢と間隔を修正する際に必要な力は小さく、その強度を格段大きくする必要はない。
【0038】
本構成によれば動作中のコロのスキューとピッチを修正するので、負荷領域におけるコロの保持器を介した競り合いによる摩擦の問題やそれによる保持器強度の問題を改善することができる。また保持器は本例の様な非循環型の転がり装置においては、コロが両端から脱落することの防止と、前出実施例の様なコロ同士を当接させてそのピッチを一定に保つ機能を終端のコロが持たない(当接すべきコロが無い)ことにより有用である。
【0039】
[実施例6]
図6は下部軌道軸10と図示しない上部軌道軸と、下部軌道軸と上部軌道軸との間に介挿される両側に段部3aを形成した円柱状のコロ3と保持器7により構成されるスラストコロ軸受である。
下部軌道軸10は底面を転送溝10aとし、両側にコの字状の側壁を形成、内径側側壁10bをコロの脱落防止壁として、その上縁をコロの段部3aに近接させて形成、外径側側壁10cは保持器の案内壁としている。また下部軌道軸の軸受外径側のコロの段部3aの下方に段部に近接させた突起10dを成型、当該部で転送溝10aを扇状の穴10e(図のハッチング部)により切除し無負荷領域としている。なお下部軌道軸10は一体でのプレス成型を想定した形状としている。
保持器7は円環状でコロ3を隔てる梁部7a、7bを備えており、梁部の角度は当接したコロの自転軸が軸受中心と一致する角度に対しずらしている。
【0040】
次にこの軸受の作用について説明する。
図6で図示していない上部軌道軸が左回転するとコロ3も左に公転し、保持器7は負荷領域のコロの角部3cに梁部7aが当接して同様に左回転する。
コロが下部軌道軸10の扇状の穴10eまで公転すると、コロの段部3aが内径側側壁10bと突起10d上を公転し、接触点変更路aとして機能する。
【0041】
ここでコロの公転速度が低下することによりコロは、保持器7の反対側の梁部7bに角部3cが当接した後に7bの角度に倣うまでスキューする。なお当該部のコロは無負荷状態なのでスキューによる摩擦トルクの発生は殆ど無く保持器が受ける反力も小さい。
その時のコロの角度は、コロが接触点変更路aを抜け負荷領域に侵入する付近での軸受の回転中心からの法線の角度に近いので、負荷領域に侵入した後のコロのスキューを減少させることができ、軸受の摩擦を減少することができる。また接触点変更路部分でコロのピッチを保持器の梁部7bにより均一化するので実施例5に記載の負荷領域内での競り合いの問題も同様に改善できる。
【0042】
接触点変更路は多数設けることが好ましく、たとえばコロ数の2倍、あるいは5°位相毎に設けても良い。また実施例4に示した様にコロの段部3aについて内径側を外径側よりも小径とすることにより、上記接触点変更路におけるスキューの作用を促進させても良いし、さらにコロの段部3aと下部軌道軸10の内径側上縁10bと突起10dの上縁に実施例2に示した歯を形成しても良い。
【0043】
[実施例7]
図7はスライダ本体12の転送溝12aとレール11の転送溝11aにより構成される負荷領域と、スライダ本体内に貫通した戻し路12b、スライダ本体の両端に固定されるエンドキャップ13内にU字状に形成された方向転換路13aにより構成された無負荷領域よりなる循環路に、両端面に段部3aを有する複数のコロ3を介挿してなる循環式直動案内装置の無負荷領域から負荷領域にコロが循環する部分の断面図である。
【0044】
本実施例の直動案内装置の全体構成は例えば特開平9−303390に開示されているものと同様で、コロが負荷領域と無負荷領域を循環する点において前出の実施例と同様に本発明が適用できる。
エンドキャップ13内の方向転換路13aは基本的にはコロの外形寸法より若干大きい方形の連通穴であるが、負荷領域に近い部分について、コロの両側の段部3aに当接し、当接したコロの外径が路壁外側13cから離れる寸法で梁部13bを形成、この部分を接触点変更路としている。さらに接触点変更路の外側に磁石14を埋め込んでいる。
またレール11が無い状態でスライダ本体からのコロの脱落を防ぐ目的で、梁部13bはスライダ本体を跨ぎ図示していない反対側のエンドキャップの梁部と連結している。
【0045】
次に本構成における作用を説明する。
レール11が左方向へ動作すると、負荷領域のコロ3が左方向へ転動し、図示してい
ない左端エンドキャップ内の方向転換路、及びスライダ本体内の戻し路12bを経由し、右側のエンドキャップ内の方向転換路13aへと押し出される。
戻し路内のコロは路壁との接触位置が不特定であるためその自転方向も不特定であるが、方向転換路13aにおいてコロは遠心力により路壁外側13cに案内され一定の自転方向を得る。
【0046】
さらにコロが公転して路壁外側13cから離れ接触点変更路aがコロの段部3aと接触するとコロの接触半径が縮小することにより公転速度が減少しコロの間隔が減少し当接、または近接する。なおこの際コロの自転速度が増大する。これはコロの公転エネルギーの一部が自転エネルギーへと変換されることを意味する。
さらにコロが公転し接触点変更路aから離れて路壁外側13cに接触すると、コロの接触半径が拡大することにより自転エネルギーの一部が公転エネルギーへと変換され、コロは公転速度を増すことにより間隔を作り、レール11とスライダ本体12の転送溝11a、12aで構成される負荷領域に進入する。
なお磁石14はコロに作用する遠心力が十分ではない低速領域においても接触点変更路a上にコロを接触させる目的であり、その場合にはコロ3を強磁性体とする。
【0047】
[実施例8]
図8は本発明における循環式直動案内装置の別の実施例で、無負荷領域から負荷領域に
コロが循環する部分について、実施例7と相違する部分を示す断面図である。
エンドキャップ13の方向転換路13aの路壁内側13dのレール11に近い部分に、コロの両側の段部3aに当接し、当接したコロの外径が路壁内側13dから離れる寸法に梁部13bを形成し、この部分を接触点変更路aとしている。接触点変更路aと対向する部分はレール11の転送溝11aであり、エンドキャップ13を樹脂等の剛性の低い材質で成形することにより、当該部のコロを弾性的に侠持する構造としている。またコロの両側の段部3aは、外径面よりも表面粗さを粗く仕上げている。
【0048】
次に本構成における作用を説明する。
レール11が左方向へ動作すると、負荷領域のコロ3が左方向へ転動し、図示していない左端エンドキャップ内の方向転換路とスライダ本体内の戻し路を経由し、右側のエンドキャップ内の方向転換路13aから接触点変更路aへと押し出される。
【0049】
接触点変更路aの入口でコロ3はレール11より受ける接線力により左廻りに自転しながら左方向へ公転するが、コロの段部3aの表面粗さを外径面よりも荒くしていることにより、コロはレール11との間で滑りを発生させながら段部3aが接触点変更路aで速度を落として公転し、コロ同士が当接、または近接する。
さらにコロが公転しスライダ本体12とレール11の転送溝で構成される負荷領域に進入すると、コロの接触点が梁部13bからコロの外径面と当接するスライダ本体の転送溝12aに移ることにより、コロの公転速度が増大し、コロ同士が間隔を作る。
【0050】
本構成によれば、コロ同士に間隔を設ける手段として実施例7と異なりコロの運動エネルギーを利用していないのでその作用がレール6の速度に依存しない。
なお、コロの段部3aと梁部13bについて、実施例2に記載の凹凸の歯を形成することにより負荷路に侵入するコロの姿勢を安定させることも可能である。その場合は梁部の歯が次第に深くかみ合う形状となるので、噛み合い初期はコロが傾斜していても正しい歯の位相で噛み合い、負荷領域の手前では歯が深く噛み合うことによりバックラッシュが減少するので、コロの姿勢を正しく矯正出来る。
あるいは実施例5に記載の保持器をこの直動案内装置に組み込むことにより負荷路に侵入するコロの姿勢を安定させることも可能である。直動案内装置に保持器を組込む手法は例えば特開平9−303390に開示されている。
【0051】
[実施例9]
図9は本発明によるローラねじ装置の実施例のコロの自転軸と直角方向の循環経路に沿った断面図である。ローラねじの全体構成は例えば特開平2001−241527に開示されているものと同様で図は本発明の要件部分を示すものである。
本図のローラねじは、ねじ軸15とナット16の螺旋形状の転送溝15a,16aにより構成される負荷領域と、循環部品17により構成された無負荷領域よりなる循環路内に、両端に段部3aを有する複数のコロ3を介挿している。コロが負荷領域と無負荷領域との間を循環する点において前出の実施例と同一であり本発明が適用できる。
【0052】
本実施例では循環部品17の循環路17aの出口部分の路壁ねじ軸側17dにコロの両側の段部3aに当接し、当接したコロの外径が路壁ねじ軸側17dから離れる寸法で梁部17bを形成し、これを接触点変更路aとしている。その作用は、実施例7の循環式直動案内装置と同様、コロの自転エネルギーと公転エネルギーの交換により負荷領域に進入するコロ同士の間隔を空けるものである。
コロに働く遠心力により接触点変更路aに接触させて反対側の路壁17cに接触し難くするために、当該部の接触点変更路aのコロとの接触面が内面となる方向に湾曲させている。さらに当該部に実施例7と同様の磁石を設けても良い。
【0053】
[実施例10]
図10は本発明によるローラねじ装置の別の実施例のコロの自転軸と直角方向の循環経路に沿った断面図であり、実施例9に対し接触点変更路a部が異なる。
本例の接触点変更路aは、循環部品17の循環路17aの出口部の外径側の路壁17cに形成していて、接触点変更路aと対向する転送面は図の右上側の約半分については循環路の内径側の路壁17dであり、残り部分はねじ軸15の転送溝15aとしている。
【0054】
その作用は、循環部品側の約半分については実施例9のローラねじと同様、コロの公転エネルギーを自転エネルギーに変換することによりコロを減速させるもので、主に高速でねじ軸が左回転している際に効果的に作用する。残りの部分は実施例8の循環式直動案内装置と同様、ねじ軸の転送溝15aとコロの外径面との間に滑りを発生させてコロを減速させる。コロが接触点変更路aからナットの転送溝16aに侵入すると公転速度(公転量)が上昇することにより負荷領域に進入するコロ3同士の間隔を空ける。
【0055】
なお、図示していない右側部分についても左右対称形状とすることで、ねじ軸が右回転する場合も同一の作用をする。またねじ軸が右回転しているときに図の接触点変更路aはコロを詰まらせる作用をするが、この部分は負荷荷重を受けないのでそれによる悪影響は少ない。また前出の実施例と同様、接触点変更路aに磁力を作用させる、コロの段部3aと循環路の梁部17bに歯合する歯面を設ける、保持器を設ける、等を併用しても良い。
なお前出の実施例から明らかな様に、本発明は非循環型のローラねじ装置にも適用できる。その場合コロ列の端部からのコロの脱落を防ぐため、コロ列を連接させる保持器を別途付加する。
【0056】
以上の実施例は転動体をコロとして説明したが、転動体がボールであっても同様の作用、効果を実現できる。その場合の構成は、転動体であるボールは段部を設けない球体とし(ボールに段部を設けたものは転動体の自転軸が固定されるので前出実施例のコロである。)接触点変更路aについて転送溝がボールと接触する位置(一般的に接触角と称する)を他の部分に対し変える形状とすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1a】本発明の実施例1のコロ軸受の図1bのX−X断面
【図1b】図1aのY−Y断面
【図2】本発明の実施例2のコロの段部と減速板
【図3a】本発明の実施例3のたる型コロ軸受の図3bのX−X断面
【図3b】図3aのY−Y断面
【図3c】図3aのZ−Z断面
【図4】本発明の実施例4のテーパコロ軸受の断面図
【図5】本発明の実施例5の直動案内装置
【図6】本発明の実施例6のスラストコロ軸受
【図7】本発明の実施例7の循環式直動案内装置の循環経路に沿った断面図
【図8】本発明の実施例8の循環式直動案内装置の循環経路に沿った断面図
【図9】本発明の実施例9のローラねじ装置の循環経路に沿った断面図
【図10】本発明の実施例10のローラねじ装置の循環経路に沿った断面図
【符号の説明】
【0058】
a 接触点変更路
t 隙間
1 外輪
1a 外輪の転送溝
1b 外輪の溝
1c 外輪の段部
2 内輪
2a 内輪の転送溝
2b 内輪の溝
3 コロ
3a コロの段部
3b コロの歯
3c コロの角部
3d コロの溝
4 減速板
4a 減速板の歯
5 ピン
6、11 レール
6a、11a レールの転送溝
6b レールの壁部上縁
6c スリット
7 保持器
7a 保持器ポケットの左壁
7b 保持器ポケットの右壁
8 取付面
8a 取付面のニゲ
9 スライダ
10 下部軌道軸
10a 下部軌道軸の転送溝
10b 下部軌道軸の内径側側壁
10c 下部軌道軸の外径側側壁
10d 下部軌道軸の突起
10e 下部軌道軸の扇状の穴
12 スライダ本体
12a スライダ本体の転送溝
12b スライダ本体の戻し路
13 エンドキャップ
13a エンドキャップの方向転換路
13b エンドキャップの梁部
13c エンドキャップの路壁外側
13d エンドキャップの路壁内側
14 磁石
15 ねじ軸
15a ねじ軸の転送溝
16 ナット
16a ナットの転送溝
17 循環部品
17a 循環部品の循環路
17b 循環部品の梁部
17c 循環部品の外径側の路壁
17d 循環部品の内径側の路壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の転送溝により構成される転送路と、前記転送路の間に転動自在に介挿させた複数の転動体により構成され、前記転動体は円柱、または円錐、またはたる形、またはこれらの複合曲面で形成されている転がり装置であって、前記転動体が前記転送路の一方の転送溝のみに当接する領域を形成、もしくは前記転送路の一方の転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力を、他方の転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力に対して大きくした領域を形成し、かかる領域について前記転動体の自転中心から前記一方の転送溝と前記転動体との接触点までの接触半径を、他の領域に対し小さくした接触点変更路を有することを特徴とする転がり装置。
【請求項2】
少なくとも1対の転送溝により構成される転送路と、前記転送路の間に転動自在に介挿させた複数の転動体と、両端を前記転送路の一方の前記転送溝に接続して前記転動体が循環可能に形成された循環路、により構成され、前記転動体は円柱、または円錐、またはたる形、またはこれらの複合曲面で形成され、前記転送路内の前記転動体が前記循環路の一端より前記循環路内に掬い上げられ前記循環路の他端より前記転送路に戻される循環式の転がり装置であって、前記循環路の少なくとも一端部について、前記転動体の自転中心から前記転動体との接触点までの接触半径を、他の領域に対し小さくした接触点変更路を有することを特徴とする転がり装置。
【請求項3】
前記転送路の一方の前記転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力を、他方の前記転送溝と前記転動体との間で作用する摩擦力に対して大きくした領域の前記転送路について、転送方向と直角方向の剛性を前記転送路の他の部分に対して小さくする、もしくは前記転送溝の間隔を他の部分に対して大きくすることにより、前記転動体が前記転送溝に僅かに侠持される無負荷領域を生成したことを特徴とする請求項1の転がり装置。
【請求項4】
前記接触点変更路の前記転動体接触面、または前記転動体の前記接触点変更路接触面の少なくとも一方について、前記転動体の自転方向と直角方向の表面粗さを、対向する前記転送溝の前記転動体接触面、または前記転動体の前記転送溝接触面の転動体の自転方向と直角方向の表面粗さに対し粗くしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項5】
前記接触点変更路の転動体との接触面と、転動体の接触点変更路との接触面の転動体の自転方向について、互いに噛み合う凹凸の歯を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項6】
前記接触点変更路の転動体転送方向の形状を、前記転動体との接触面が内面となる方向に湾曲させたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項7】
前記転動体の材質として強磁性体を使用し、前記接触点変更路に磁力を作用させことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項8】
前記接触点変更路の個々の転動体との接触点が転送方向と直交する方向の2か所であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項9】
前記転動体が円柱であり、前記転送路が転動体をスキューさせる前提の経路である転がり装置において、前記転動体の自転中心から前記接触点変更路の前記転動体との2か所の接触点までの接触半径について、前記曲率の外側の半径を内側の半径よりも大きくしたことを特徴とする請求項8に記載の転がり装置。
【請求項10】
接触点変更路において転動体の外径を当接させる梁部を備えた保持器を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の転がり装置。
【請求項11】
前記転動体が円柱であり、転動体の外径を当接させる梁部を備えた保持器を有するスラストコロ軸受において、保持器の梁部に転動体を当接したときの転動体の自転軸が軸受の回転中心に対しずれていることを特徴とする請求項10に記載の転がり装置。
【請求項12】
少なくとも外輪と内輪と転動体と接触点変更路を形成する円環状の減速板とで構成される転がり軸受であって、減速板は外輪、または内輪に、法線方向力に対し弾性的に嵌遊していることを特徴とする請求項1、または請求項3から10のいずれか1項に記載の転がり装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−192412(P2007−192412A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−128748(P2007−128748)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(306037229)株式会社 空スペース (3)
【Fターム(参考)】