説明

軸受装置の製造方法、モータ、および記録ディスク駆動装置

【課題】軸受部材を容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】
先端部が凸型の曲面である軸部材と、軸部材の前記先端部と当接する凹型の曲面を有する板状のスラスト軸受部材と、を備える軸受装置の製造方法において、板状の部材150を用意し、該板状の部材の、スラスト軸受部材の軸部材の前記先端部と当接する面に対応する部位に、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する物質を含む流動体の薄層180を形成する。薄層180を仮硬化させた後に、薄層180に対して、軸受部材の先端部の曲面と曲率半径が同一またはそれ以上の曲面から構成される凸部を有する押印部材300を押印することによって、軸部材の凸部を点支持する凹部が薄層180に形成される。凹部が形成された後に、薄層180を本硬化することにより、軸部材を支持する凹部115が形成された膜190を有するスラスト軸受部材100が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材およびスラスト軸受部材を備える軸受装置の製造方法、該軸受装置を備えるモータ、並びに、該モータを備える記録ディスク駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの軸部材と、軸部材を回転可能に点支持するスラスト軸受部材とよりなる軸受装置(ピボット軸受)は、比較的軽量の回転部材を支持する軸受を中心として、広範囲の分野に利用されている。記録ディスク駆動装置においても、磁気ディスクや光ディスクなどの各種記録媒体ディスクを高密度・高精度に回転駆動させるための軸受装置にピボット軸受が用いられている。例えば、特開平6−223494号や、特開2005−113987においては、ラジアル方向の軸受部として動圧軸受を採用するとともに、スラスト方向の軸受部としてピボット軸受を組み合わせて用いる構造が提案されている。
【0003】
このような軸受装置に用いられるスラスト軸受部材には、軸部材の先端部を点支持するピボット受けとして、凹部が設けられる。そのようなスラスト軸受部材の製造方法として、特開2004−257444に、軸部材を支持するピボット軸受の軸受表面に、ピボット軸受で使用する先端が球形のピボットの径と略等しい径を有する押し込み圧子を、ピボット受け部材の表面に所定の圧力で押し込み、ピボット受けを形成する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−223494
【特許文献2】特開2004−257444
【特許文献3】特開2005−113987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、押し込み圧子を強い力で押し込むと、板状のスラスト軸受部材が全体的に変形してしまう恐れがある。また、押し込み圧子を押し込むことにより球状の凹部を形成する方法は、加工精度に限界があり、記録ディスク駆動装置の軸受装置のように、正確な加工精度が要求される使途に適用することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、曲面により構成される軸方向端面を有する軸部材と、前記軸部材の前記軸方向端面に当接する曲面部を有するスラスト軸受部材と、を備える軸受装置の製造方法であって、1)板状の部分を有する部材を用意する工程と、2)前記板状の部分を有する部材において、前記スラスト軸受部材の前記軸部材の前記軸方向端面と当接する面に対応する部位に、潤滑性および耐摩耗性の少なくとも一方を有する物質を含む流動体の薄層を形成する工程と、3)前記薄層を構成する前記流動体の流動性を低減する工程と、4)前記流動性が低減された前記薄層に、前記軸部材の前記軸方向端面の前記曲面と曲率半径が異なる前記曲面部を形成する工程と、5)前記薄層を硬化させ、前記板状の部分を有する部材上に前記曲面部を有する膜を形成し、スラスト軸受部材を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軸受装置の製造方法であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凸型曲面であり、前記4)工程において、前記薄膜に、前記スラスト軸受部材の前記曲面部を構成する凹型曲面が形成され、前記軸部材の前記凸型曲面の曲率半径は、前記凹型曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の軸受装置の製造方法であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凹型曲面であり、前記4)工程において、前記薄膜に、前記スラスト軸受部材の前記曲面部を構成する凸型曲面が形成され、前記軸部材の前記凹型曲面の曲率半径は、前記凸型曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の方法であって、前記4)工程において、前記曲面部は、押印部材を前記薄層に押圧することによって形成され、前記押印部材の前記薄層に押圧される部位は、前記スラスト軸受部材の前記曲面部と曲率半径が略同一の曲面により構成される凸型曲面であることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の方法であって、前記4)工程において、前記曲面部は、押印部材を前記薄層に押圧することによって形成され、前記押印部材の前記薄層に押圧される部位は、前記スラスト軸受部材の前記曲面部と曲率半径が略同一の曲面により構成される凹型曲面であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記薄層を構成する前記流動体には、溶媒が含まれており、前記3)工程において、前記溶媒を前記薄層より除去することにより、前記薄層を構成する前記流動体の流動性を低減させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記薄層を構成する前記流動体には、分子間に架橋結合を形成可能なバインダが含まれており、前記5)工程において、前記バインダの架橋結合を形成させることにより、前記薄層を硬化させて前記膜を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の方法であって、潤滑性および耐摩耗性の少なくとも一方を有する前記物質は、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、フラーレン、カーボンファイバー、クラスターダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボングラファイトのひとつ以上を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の方法であって、前記溶媒はN−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルカーボネート、3−エトキシプロピオン酸エチル、スチレンモノマー、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、アセトン、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、および、水、のひとつ以上を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の方法であって、前記バインダは、フェノール樹脂、イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物のひとつ以上を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、前記4)工程において、前記曲面部に、複数の微小な凹凸を形成することを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法で製造された軸受装置を備えることを特徴とするモータである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のモータを備えることを特徴とする、記録ディスク駆動装置である。
【0019】
請求項14に記載の発明は、軸受装置であって、曲面により構成される軸方向端面を有する円柱状の軸部材、前記軸部材の外周面と、間隙を介して対向する内周面を有するスリーブ、前平坦な板状の部分を有する部材と、前記平坦な板状の部分に形成された膜と、を含み、前記軸部材の前記軸方向端面と接触し、前記軸部材を支持するスラスト軸受部材、および前記軸部材と前記スリーブとの間を満たす潤滑剤、を備え、前記膜は、前記軸部材の前記軸方向端面と当接する部位に、前記軸部材の前記軸方向端面と曲率半径が異なる曲面部を有することを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の軸受装置であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凸型曲面であり、前記スラスト軸受部材の前記曲面部は凹型曲面であり、前記軸部材の前記凸型曲面の曲率半径は、前記凹型曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の軸受装置であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凹型曲面であり、前記スラスト軸受部材の前記曲面部は凸型曲面であり、前記軸部材の前記凹型曲面の曲率半径は、前記凸型曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項14から16のいずれか一項に記載の軸受装置であって、前記膜は、フェノール樹脂、イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、フラーレン、カーボンファイバー、クラスターダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および、カーボングラファイトのひとつ以上を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1〜3の発明では、板状の部分を有する部材の、軸部材を支持する面に潤滑性および耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する物質を含む薄層が形成され、該薄層上に、軸部材を支持する凹型の曲面を形成し、これを硬化して膜を得ることから、板状の部分を有する部材に強い押圧力をかけるなどの直接的な影響を与えることなく、軸受装置を製造することができる。
【0024】
請求項4〜6の発明では、薄層に含まれる溶媒を除去することにより、薄層の流動性が低減される。これにより、強い押圧力をかけることなく、容易且つ正確に軸部装置を製造することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明では、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する物質と、分子間に架橋結合が形成されることで硬化するバインダとが、薄層に含まれており、このバインダに架橋結合を形成させることにより、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する膜を形成することができる。また、膜の固定にバインダを利用することにより、架橋温度が非常に高い又は架橋結合を形成しない潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する物質を薄層中に含ませ、膜を形成することができる。
【0026】
これらの結果、スラスト軸受部材および軸受装置の長寿命化を図ることができ、さらに、板状の部分を有する部材の材質をより自由に選択することができる。また、薄層を構成する流動体の流動性を低下させて凹型の曲面を形成することから、曲面の設計の自由度をより向上させることができる。さらに、板状の部分を有する部材の材質の加工性によらず、複雑な形状の凹部を形成することができるために、板状の部分を有する部材の材質の選択の自由度を高めることができる。
【0027】
請求項13に記載の発明によると、信頼性の高い記録ディスク駆動装置を、安価且つ容易に得ることができる。
【0028】
請求項14に記載の発明によると、安価且つ容易に製造できる軸受装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を、HDDスピンドルモータに適用した実施形態の一例について、図1を参照しながら詳細に説明する。まず、図1に示されたHDDスピンドルモータは、軸回転型のアウターロータモータであって、当該HDDスピンドルモータは、固定部材としてのステータユニット1と、ステータユニット1に対して図示上側から組み付けられた、回転軸J1を中心に回転可能である回転部材としてのロータユニット2と、から構成されている。なお、以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータユニット2側を軸方向上側、ステータユニット1側を下側とするが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
【0030】
ステータユニット1は、当該ステータユニット1を構成する各部材を支持するベース11を備える。ベース11の略中央部分には、円筒状の支持部12が形成されており、当該支持部の径方向内側には、ロータユニット2を回転可能に支持する軸受装置10が取り付けられる。ベース11の支持部12の径方向外側には、ステータコア14が取り付けられている。当該ステータコア14には、複数のティースが形成されており、各ティースの周囲に導線が巻回されてコイル15が形成される。
【0031】
ロータユニット2は、記録媒体を支持するためのハブ21を有しており、このハブ21は、当該ハブ21の中心部分に固着された軸部材23を介して、軸受装置10により回転自在に支持されている。軸部材23の軸方向上側は、ハブ21の略中央に設けられた貫通孔に挿入されており、軸方向下側には、抜止部材230が取り付けられている。軸部材23の軸方向下側の先端部231は、曲率半径R1を有する曲面により構成されており、その軸方向下端は、抜止部材230の軸方向下面よりも、軸方向下方に位置している。ハブ21は、磁気ディスク等の記録媒体が外周部に取り付けられる略円筒形状の胴部21aと、胴部21aの径方向外縁より軸方向下側へと伸びる外周部21bと、を有している。外周部21bの径方向内側には、ロータヨーク22を介して、ロータマグネット24が取り付けられている。このロータマグネット24は、前述のステータコア14と径方向に近接して対向するように配置されている。
【0032】
軸受装置10は、スラスト軸受部材100と、シール部材110と、スリーブ120と、これら部材を径方向内側に内包する、有底円筒形状の軸受ハウジング130と、から構成される。略円筒形状のスリーブ120は、径方向外側が軸受ハウジング130の径方向内側に固定されている。また、スリーブ120には、スリーブ120の内周面と、軸部材23の外周面とが、間隙を介して対向するように、軸部材23が挿入されている。スリーブ120の軸方向下端部は、抜止部材230の軸方向上側に配置されており、ロータユニット2に軸方向上側に向けた力が作用した場合に、スリーブ120の下端部と、抜止部材230の上面とが接触し、ロータユニット2とステータユニット1とが分離されることを防止している。
【0033】
ステータユニット1のスリーブ120の軸方向上側には、略円筒形状のシール部材110が取り付けられる。シール部材110の径方向外側は、軸受ハウジング130の径方向内側に取り付けられており、径方向内側は、軸方向上側に向かうに従って、中心軸J1を中心とした半径が拡大する傾斜面により構成されている。
【0034】
次に、図2及び図3を参照しながら、軸受装置10の構造を詳細に説明する。図2は、軸受装置10の断面図であり、図3は、軸受装置10の断面図において、スラスト軸受部分を拡大した図である。
【0035】
スラスト軸受部材100は、軸部材23の軸方向下側に配置され、軸部材23の先端部231と接触することにより軸部材23を支持する。スラスト軸受部材は、板状の部分を有する部材と、板状の部材の上面に形成された膜とにより構成される。板状の部材の上面は平面であり、その平面上に、軸部材23の先端部を支持する凹型の曲面、すなわち環状の凹部115が形成されている。なお、以下で板状の部分を有する部材を板状の部材と称するが、この部材の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、底部に平坦面を有するカップ状の部材の底面などであっても構わない。ここで、図3に示されているように、環状の凹部115を構成する曲面の曲率半径R2は、軸部材23の先端部231を構成する曲面の曲率半径R1よりも大きく設定される。本発明の実施例においては、軸部材23の曲率半径R1は4〜8mm、環状の凹部115の曲率半径R2は、5〜10mmの範囲内で、R1よりも大きな値に設定される。即ち、軸部材23の少なくとも一方の軸方向端面が曲面により構成され、該曲面と当接するスラスト軸受部材100に、軸部材23の軸方向端面とは曲率が異なる曲面が形成される。この構成により、スラスト軸受部材100が、軸部材23の先端部231と接触することにより、ロータユニット2をスラスト方向に軸支持している。
【0036】
スリーブ120の内周面と、軸部材23の外周面とは、微小な間隙を介して径方向に対向するように配置されており、当該間隙内には、潤滑流体が介在されている。スリーブ120と軸部材23との両対向面のうち、少なくとも一方側には、例えばヘリンボーン形状のラジアル動圧発生用溝が設けられており、ロータユニット2の回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝の作用によって、潤滑流体に動圧が生じる。この動圧によって、ロータユニット2がラジアル方向に軸支持される。
【0037】
また、スリーブ120と軸部材23との間の間隙、スラスト軸受部材100と軸部材23との間の間隙、抜止部材230とスリーブ120との間の微小間隙、抜止部材230とスラスト軸受部材100との間の間隙、スラスト軸受部材100と軸受ハウジング130との間の間隙、抜止部材230と軸受ハウジング130との間の間隙、およびスリーブ120と軸受ハウジング130との間の間隙は、潤滑油で連続して満たされており、シール部材110の傾斜面と、軸部材23との間にて潤滑油が外気と接触し、気液界面を形成する。このように、シール部材110と、軸部材23の外周面とによって、テーパシール部が構成され、潤滑油が軸受装置の外部に漏れ出すことを防止している。
【0038】
図2に示されているように、抜止部材230の上面は、スリーブ120の下端面と間隙を介して対向しており、抜止部材230の下面は、スラスト軸受部材100の上面と間隙を介して対向している。軸部材23における軸方向下端は、抜止部材230の下面から、スラスト軸受部材100側に向って軸方向に僅かな寸法だけ突出するように配置されている。軸部材23の先端部231と、抜止部材230の下面との間の寸法は、スラスト軸受部材100の凹部115の深さよりやや大きくなるように設定されている。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、凹部115の深さは10〜20μmに設定されており、軸部材23の先端部231の突出寸法は、凹部115の深さよりも大きく設定される。また、本発明の実施例においては、抜止部材230の上面と、スリーブ120の下面との間隙寸法は20μmに設定される。上記の構成により、軸部材23に上方向の力が作用した場合にも、軸部材23を安定して支持することができる。なお、これらの寸法は、好適な実施形態の例示を目的として示されるものであり、凹部115の深さ、抜止部材230の上面とスリーブ120の下面との間隙寸法が種々に変更されても構わない。
【0040】
次に、図4乃至図5を参照に、軸受装置10の製造方法について説明する。図4は、軸受装置10の製造方法を示したフローチャートである。図5は、図4に示された各工程における、板状の部材を示す図である。
【0041】
まず、スラスト軸受部材100として利用される、板状の部材150(図5(a)参照)が用意される(図4、ステップS1)。板状の部材150は、ステンレス鋼鈑、アルミニウム板、鉄板、セラミック板、樹脂板などの群から選択された好適な材料により形成されてもよい。
【0042】
次に、スラスト軸受部材100において、軸部材23の先端部231を支持する部位に対応する、板状の部材150の部位に、薄層180(図5(b)参照)が形成される(図4、ステップS2)。本発明の実施形態においては、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する樹脂と、分子間で架橋結合を形成することにより硬化するバインダとを、溶媒に混合した流動体を板状の部材150上に配置し、薄層180が形成される。具体的には、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する樹脂としてポリテトラフルオロエチレン樹脂と、バインダとしてポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、およびエポキシ樹脂を混合したものとを、溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドと混合した混合液を、板状の部材150上に塗布することにより、流動体の薄層180が形成される。より具体的には、15%〜30%(重量パーセント)のポリアミドイミド樹脂と、5%〜20%のフェノール樹脂と、5%〜15%のエポキシ樹脂と、40%〜55%のポリテトラフルオロエチレン樹脂と、の流動体を、N,N−ジメチルホルムアミドと混合した混合液を用いて、薄膜180が形成される。薄層180を形成する方法としては、いかなる好適な方法を用いてもよく、具体的には、ディップコート、スピンコート、スプレーコート、刷毛塗り、タンブリング、プリンティング等のひとつ以上の方法により薄層180を形成してもよい。
【0043】
板状の部材150上に薄層180が形成された後に、薄層180を構成する流動体の流動性を低減させる工程(仮硬化)が行われる(図4、ステップS3および図5(c)参照)。薄層180を仮硬化させる方法としては、いかなる好適な方法を用いてもよく、具体的には、冷却、自然乾燥、昇温、ベーキング、化学反応など、薄層180を構成する物質に応じて、好適な硬化方法を用いてよい。本発明の実施形態においては、80℃の温度下に約30分間、薄層180が形成された板状の部材150を静置し、流動体より溶媒を除去することにより、薄層180を構成する流動体の流動性が低減される(仮硬化)。なお、溶媒を除去する際の温度および時間は、薄層180を構成する流動体に含まれる溶媒の種類に応じて種々に変更される。
【0044】
次に、板状の部材150上に形成された薄層180の、軸部材23を点支持する部位に、曲率半径R2を有する凹型の曲面、すなわち凹部が形成される(ステップS4)。本発明の実施形態においては、薄層180に対して、曲率半径R2を有する凸型の曲面を備える押印部材300が、薄層180に押し付けられる(図5(d)参照)。これにより、曲率半径R2を有する曲面により構成される凹部が薄層180上に形成される。なお、押印部材300の先端部の曲率半径R2は、軸部材23の先端部321を構成する曲面の曲率半径R1と略同一、またはそれよりも大きく設定される。
【0045】
薄層180上に凹部が形成されると、板状の部材150の上に形成された薄層180の本硬化が行われ、表面に環状の凹部115が形成された膜190を有するスラスト軸受部材100(図5(e)参照)が製造される(ステップS5)。薄層180を本硬化させる方法としては、いかなる好適な方法を用いてもよい。具体的には、冷却、自然乾燥、昇温、ベーキング、化学反応等、薄層180を構成する物質に応じた方法により、薄層180を本硬化させてもよい。本発明の実施形態では、150℃の温度下に約60分間、板状の部材150を静置し、薄層180中のバインダの分子間に架橋結合を形成させることにより薄層180の本硬化させることにより、膜190を有するスラスト軸受部材100が製造される。なお、薄層180を硬化させる際の温度および時間は、バインダとして用いられる物質が架橋結合を形成する温度に応じて、種々に変更される。なお、本発明の実施例においては、厚みが約30μmの膜190が形成される。
【0046】
上述のように、仮硬化された薄層180に押印部材300を押印した後に、薄層180を本硬化することにより、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方に優れた膜190を板状の部材150上に形成しつつ、さらに、容易かつ正確に凹部115を形成することができる。
【0047】
最後に、膜および凹部115が形成された板状の部材を、所定の形状に切断する工程が行われても良い。本発明の実施形態においては、ひとつの板状の部材に、複数の環状の凹部115を上述の方法で形成した後に、板状の部材150を切断することにより、ひとつの板状の部材150から複数のスラスト軸受部材100が製造される。しかしながら、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、あらかじめ所定の形状に成型された板状の部材150に膜190を形成することにより、単一の板状の部材150が、単一のスラスト軸受部材100として用いられても構わない。
【0048】
このように、本発明の実施形態では、板状の部材150の、軸部材23を支持する面に膜190が形成され、この膜190上に、軸部材を支持する凹部115が形成されている。従って、板状の部材150がセラミックや金属などにより形成される場合においても、板状の部材150に強い圧力を印加することなく、軸部材23を支持する凹部115を形成することができる。このために、板状の部材150に強い圧力を印加することにより、板状の部材150が変形してしまうことを防止できる。
【0049】
さらに、板状の部材150上に形成された流動体の薄層180を仮硬化させてから、凹部を形成することにより、強い押圧力をかけることなく、より容易且つ正確に凹部115を形成することができる。また、板状の部材150に潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する膜190を形成して利用することにより、軸受装置10の長寿命化を図ると同時に、板状の部材150の材質をより自由に選択することができる。さらに、膜190に凹部115を形成することから、板状の部材150の材質の加工性に拠らず、様々な形状の凹部115を容易に形成することができる。
【0050】
さらに、本発明の実施形態では、押印部材300の先端を、凹凸を有する形状とすることにより、エンボス状などの複雑な形状を有する凹部115を、容易に膜119上に形成することができる。凹部115を構成する曲面に、エンボス状などの凹凸を施すことにより、軸部材23の先端部321と凹部115を形成する曲面との接触面積を小さくし、これらの曲面間の摩擦抵抗をより小さくすることができる。
【0051】
このように、板状の部材150の材質を自由に選択することができ、さらには複雑な形状の凹部115を容易に形成することができることから、軸受装置10の長寿命化および製造コストの低減を実現することができる。
【0052】
また、上述のような方法で製造されたスラスト軸受装置100を、HDDなどのディスク駆動装置に使用されるモータに用いることにより、高品質なモータおよびディスク駆動装置を、安価且つ容易に製造することができる。
【0053】
以上、本発明にかかる記録ディスク駆動装置、モータ、軸受装置、およびその製造方法、並びにそれを用いたモータの実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0054】
例えば、上述の説明においては、本発明の好適な実施形態が、軸回転型のアウターロータモータに適用されたが、これに限定されるものではない。本発明の好適な実施形態は、軸部材23を回転可能に点支持する構成を有するあらゆるモータに適用可能である。即ち、本発明の好適な実施形態は、軸固定型のモータや、インナーロータモータなどにも好適に適用することができる。
【0055】
また、上述の説明においては、本発明の好適な実施形態が磁気ディスク駆動装置に適用された場合について説明を行ったが、本発明の好適な実施形態は、これに限定されるものではない。本発明の好適な実施形態は、光学ディスクの駆動装置や送風機など、あらゆるモータに好適に適用することができる。
【0056】
また、本発明の好適な実施形態においては、軸受装置10のシール部材110と、スリーブ120とが別々の部材として用いられたが、これらの部材が一体に形成されても構わない。また、スラスト軸受部材100が、軸受ハウジング130の内側下面と一体に形成されても構わない。例えば、図6に示されるように、軸受ハウジング130の内側下面と、軸部材23を支持する凹部115を有するスラスト軸受部材100とが一体的に形成されても構わない。
【0057】
また、図7に示されるように、軸部材23の軸方向下面に凹型の曲面部1231が形成され、スラスト軸受部材100の表面に凸型の曲面部1115が形成されても構わない。軸部材の軸方向下面の凹型の曲面部1231は、凸型の曲面部1115よりも曲率半径が大きい。なお、このスラスト軸受部材の製造に用いられる押印部材は、凸型の曲面1115と略同一の曲率半径を有する凹型の曲面を有しており、その周囲に、軸部材よりも外径の大きい円環状の表面を有している。
【0058】
本発明の好適な実施形態においては、スラスト軸受部材100の膜190上に凹部115が形成されたが、これに加えて、膜190上にスラスト動圧発生溝が形成されても構わない。スラスト動圧発生溝は、溝パターンを有する押印部材300を膜190上に押印することにより容易に形成される。また、抜止部材230の上面および/または下面、スリーブ120の下面に、スラスト動圧発生溝が形成されても構わない。
【0059】
本発明の好適な実施形態が、軸固定型のスピンドルモータに適用されても構わない。例えば、図8に示されているように、軸部材23の軸方向上面が曲面により構成され、軸方向下端部がベース11に固定されてもよく、軸受装置10のハウジング130の外周面がハブ21に固定されてもよい。このように、軸部材23が固定部材として構成され、スラスト軸受部材100およびスリーブ120がロータハブ21と一体的に回転するように、スピンドルモータが構成されても構わない。このようなスピンドルモータにおいては、軸部材23の先端部が、スラスト軸受部材100の凹部115において、ロータユニット2と当接することにより、ロータユニット2がステータユニットと相対的に回転可能に支持される。また、上述のような軸固定型のスピンドルモータにおいても、上述の好適な実施形態と同様に、スラスト部材100が軸受装置10のハウジング130と一体的に形成されてもよく、軸部材23の先端部に凹部が形成され、スラスト軸受部材100に該凹部において軸部材と当接する凸部が形成されても構わない。
【0060】
本発明の好適な実施形態においては、軸受装置10の製造方法において、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する樹脂としてポリテトラフルオロエチレンと、バインダとしてアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、およびエポキシ樹脂を混合したものとのを、溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドと混合した混合液を用いて、板状の部材150上に膜190が形成されたが、これらの物質の代わりに、他の好適な物質が用いられても構わない。例えば、潤滑性・耐摩耗性の少なくともいずれか一方を有する物質として、フッ素樹脂、フラーレン、カーボンファイバー、クラスターダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボングラファイト、および二硫化モリブデンのひとつ以上が用いられても良い。また、溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルカーボネート、(3−エトキシプロピオン酸エチル)、スチレンモノマー、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、アセトン、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、および水のひとつ以上が用いられても構わない。また、バインダについても、上記の物質に限定されるものではなく、フェノール樹脂、イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、および金属キレート化合物、のひとつ以上を選択して用いても構わない。
【0061】
また、スラスト軸受部材100の製造の作業性を向上するために、薄膜180を構成する流動体に、粘張剤、硬化促進剤など、従来公知の添加物を加えても構わない。
【0062】
また、潤滑性・耐摩耗性物質の少なくともいずれか一方を有する分子間に、架橋結合や共有結合などを形成させることで、薄膜を硬化できる場合は、バインダを用いなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の好適な実施形態に基づくモータの断面図である。
【図2】本発明の好適な実施形態に軸受装置の断面図である。
【図3】本発明の好適な実施形態に軸受装置のスラスト軸受部を拡大した図である。
【図4】軸受装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】製造方法の各工程における、板状の部材を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施形態に基づく軸受装置の変形例を示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態に基づく軸受装置の変形例を示す図である。
【図8】本発明の好適な実施形態に基づく軸受装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ステータユニット
2 ロータユニット
10 軸受装置
11 ベース
12 支持部
14 ステータコア
15 コイル
21 ハブ
22 ヨーク
23 軸部材
24 ロータマグネット
100 スラスト軸受装置
110 シール部材
115 凹部
120 スリーブ
130 軸受ハウジング
150 板状の部材
180 薄層
190 膜
230 抜止部材
231 先端部
300 押印部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面により構成される軸方向端面を有する軸部材と、前記軸部材の前記軸方向端面に当接する曲面部を有するスラスト軸受部材と、を備える軸受装置の製造方法であって、
1)板状の部分を有する部材を用意する工程と、
2)前記板状の部分を有する部材において、前記スラスト軸受部材の前記軸部材の前記軸方向端面と当接する面に対応する部位に、潤滑性および耐摩耗性の少なくとも一方を有する物質を含む流動体の薄層を形成する工程と、
3)前記薄層を構成する前記流動体の流動性を低減する工程と、
4)前記流動性が低減された前記薄層に、前記軸部材の前記軸方向端面の前記曲面と曲率半径が異なる前記曲面部を形成する工程と、
5)前記薄層を硬化させ、前記板状の部分を有する部材上に前記曲面部を有する膜を形成し、スラスト軸受部材を得る工程と、
を含むことを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の軸受装置の製造方法であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凸型曲面であり、前記4)工程において、前記薄膜に、前記スラスト軸受部材の前記曲面部を構成する凹型曲面が形成され、前記軸部材の前記凸型曲面の曲率半径は、前記凹型曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする、軸受装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の軸受装置の製造方法であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凹型曲面であり、前記4)工程において、前記薄膜に、前記スラスト軸受部材の前記曲面部を構成する凸型曲面が形成され、前記軸部材の前記凹型曲面の曲率半径は、前記凸型曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする、軸受装置の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記4工程において、前記曲面部は、押印部材を前記薄層に押圧することによって形成され、前記押印部材の前記薄層に押圧される部位は、前記スラスト軸受部材の前記曲面部と曲率半径が略同一の曲面により構成される凸型曲面であることを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、前記4)工程において、前記曲面部は、押印部材を前記薄層に押圧することによって形成され、前記押印部材の前記薄層に押圧される部位は、前記スラスト軸受部材の前記曲面部と曲率半径が略同一の曲面により構成される凹型曲面であることを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記薄層を構成する前記流動体には、溶媒が含まれており、前記3)工程において、前記溶媒を前記薄層より除去することにより、前記薄層を構成する前記流動体の流動性を低減させることを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記薄層を構成する前記流動体には、分子間に架橋結合を形成可能なバインダが含まれており、前記5)工程において、前記バインダの架橋結合を形成させることにより、前記薄層を硬化させて前記膜を形成することを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、潤滑性および耐摩耗性の少なくとも一方を有する前記物質は、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、フラーレン、カーボンファイバー、クラスターダイヤモンド、カーボンナノチューブ、カーボングラファイトのひとつ以上を含むことを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であって、前記溶媒はN−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルカーボネート、3−エトキシプロピオン酸エチル、スチレンモノマー、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、アセトン、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、および、水、のひとつ以上を含むことを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、前記バインダは、フェノール樹脂、イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物のひとつ以上を含むことを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法であって、前記4)工程において、前記曲面部に、複数の微小な凹凸を形成することを特徴とする軸受装置の製造方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法で製造された軸受装置を備えることを特徴とするモータ。
【請求項13】
請求項12に記載のモータを備えることを特徴とする、記録ディスク駆動装置。
【請求項14】
軸受装置であって、
曲面により構成される軸方向端面を有する円柱状の軸部材、
前記軸部材の外周面と、間隙を介して対向する内周面を有するスリーブ、
平坦な板状の部分を有する部材と、前記平坦な板状の部分に形成された膜と、を含み、前記軸部材の前記軸方向端面と接触し、前記軸部材を相対的に回転可能に支持するスラスト軸受部材、および
前記軸部材と前記スリーブとの間を満たす潤滑剤、
を備え、
前記膜は、前記軸部材の前記軸方向端面と当接する部位に、前記軸部材の前記軸方向端面と曲率半径が異なる曲面部を有することを特徴とする軸受装置。
【請求項15】
請求項14に記載の軸受装置であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凸型曲面であり、前記スラスト軸受部材の前記曲面部は凹型曲面であり、前記軸部材の前記凸型曲面の曲率半径は、前記凹型曲面の曲率半径よりも小さいことを特徴とする軸受装置。
【請求項16】
請求項14に記載の軸受装置であって、前記軸部材の前記軸方向端面は凹型曲面であり、前記スラスト軸受部材の前記曲面部は凸型曲面であり、前記軸部材の前記凹型曲面の曲率半径は、前記凸型曲面の曲率半径よりも大きいことを特徴とする軸受装置。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか一項に記載の軸受装置であって、
前記膜は、フェノール樹脂、イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物、金属キレート化合物、フッ素樹脂、二硫化モリブデン、フラーレン、カーボンファイバー、クラスターダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および、カーボングラファイトのひとつ以上を含むことを特徴とする軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−261353(P2008−261353A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102461(P2007−102461)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】