送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法
【課題】マルチパスフェージング環境においても正確な同期タイミングを得ることができる送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法を提供すること。
【解決手段】送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備える。
【解決手段】送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)などの無線通信システムが広く利用されている。また、無線通信の分野では、通信速度や通信容量を更に向上させるべく、次世代の無線通信技術について継続的に活発な議論が行われている。
【0003】
このような無線通信技術における通信方式の一つとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式がある。図19(A)はOFDM方式による送信装置150の構成例を示す図である。OFDM方式は、例えば、周波数帯域を複数の周波数帯域(又はサブキャリア)に分割し、直交する各周波数帯域に情報データなどをマッピングさせて送信する通信方式である。そのため、OFDM方式は他の方式と比較して周波数利用効率が優れているという特徴を有している。しかし、OFDM方式は、例えば、ランダムな周波数軸上の情報データをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)処理することによって時間軸信号が生成される。そのため、OFDM方式は、他の通信方式と比較してPAPR(Peak to Averaged Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなるという特徴がある。
【0004】
また、通信方式の一つとしてSC‐OFDM(Single Carrier-OFDM)方式も注目されている。図19(B)はSC‐OFDM方式による送信装置160の構成例を示す図である。SC‐OFDM方式は、例えば、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて送信する通信方式である。SC‐OFDM方式は、OFDM方式と比較して、時間軸信号の振幅変動が少なく、PAPRを低くすることができる。そのため、SC‐OFDM方式による送信装置160は、OFDM方式による送信装置150と比較して、消費電力を低くすることができる。
【0005】
このような送信装置150,160は、OFDM方式とSC‐OFDM方式、いずれの場合でも、プリアンブル信号と複数のデータ信号とを含む送信信号を無線フレームとして受信装置に送信している。この中でプリアンブル信号は、送信装置150,160と受信装置との間で互いに既知となるビットパターンを含んでおり、例えば、受信装置における受信同期に用いられる。例えば、受信装置は、プリアンブル区間において相関ピーク電力を検出し、相関ピーク電力を検出した時間を基準にして受信同期を確立するようにしている。図20(A)は、受信装置において測定された、プリアンブル区間における相関電力の例を示す図である。同図(A)において横軸が時間、縦軸が相関電力を表わす。この例では1無線フレーム中に3シンボル分のプリアンブル信号があり、そのため、同図(A)において相関ピーク電力となる部分は3つある。受信装置は、例えば、相関ピーク電力と2番目に大きい相関電力との差が閾値以上のとき、相関ピーク電力となるときの時間を抽出し、当該時間を基準にして受信同期を確立するようにしている。
【0006】
なお、このようなプリアンブルに関する技術としては以下のようなものがある。例えば、プリアンブルパターンについて、「P2」と、「P2」に対して位相を反転させた「−P2」の2つのサブパターンが送信されることで、シングルキャリア方式にてMIMO方式を実現する場合に、プリアンブル期間の増加を抑制するようにしたものがある。
【0007】
また、プリアンブルコードの相互相関特性と自己相関特定を夫々利用してプリアンブルコードを識別し、整数キャリア周波数オフセットを推定することで、キャリア周波数オフセットがある環境においてもプリアンブルコードを早く正しく検出するようにした装置などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009‐135866号公報
【特許文献2】特開2008‐236744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
送信装置150,160から送信された無線信号は、建物による反射など複数の伝搬経路により受信装置で受信されることもある。複数の異なった伝搬経路による無線信号が干渉するようになり、受信装置では無線信号の受信強度が激しく変動することがある。このような現象をマルチパスフェージングと称することがある。マルチパスフェージングの無線通信環境下において、特定のサブキャリア又は周波数がマルチパスフェージングの影響を受けることがある。図21は、受信装置における受信信号の周波数スペクトラムの例を示す図であり、横軸は周波数、縦軸は受信電力を表わしている。図20において、矢印で表わす周波数は他と比較して受信電力が低くなっており、マルチパスフェージングの影響を受けている。
【0010】
一方、OFDM方式の場合、周波数領域においてデータパターンを各サブキャリアにマッピングしているため(例えば図19(A))、システム周波数の全サブキャリアに亘りデータがマッピングされ、送信電力はシステム周波数帯域でほぼ同じとなる。このため、OFDM方式の場合、送信スペクトラムはデータパターンに依存することはない。
【0011】
しかし、SC‐OFDM方式の場合、DFT処理により周波数領域への変換処理が含まれるため(例えば図19(B))、変換後のサブキャリアにおいてデータがマッピングされないサブキャリアも存在する場合もある。このような場合、送信電力は全周波数帯域で同じにならず、送信スペクトラムはデータパターンに依存することになる。したがって、SC‐OFDM方式の場合、プリアンブルパターンによっては、特定のサブキャリアに電力のピークがきたり、特定のサブキャリアに電力が偏るようなパターンも存在する。
【0012】
そのようなピークとなるサブキャリアが、例えば、マルチパスフェージングの影響を受けると、プリアンブル区間の相関電力特性も影響を受けることになる。例えば、図20の受信スペクトラムにおいてマルチパスフェージングの影響を受けているサブキャリアに、送信スペクトラムの電力がピークとなるようなプリアンブルパターンなどが相関電力特性に影響を受けることになる。このような場合、例えば、プリアンブル区間の相関電力が想定している相関ピーク電力まで達しない場合や、本来、相関ピーク電力が得られるタイミング以外のタイミングで相関ピーク電力が検出される場合などがある。図20(B)はマルチパスフェージングの影響の受けた場合のプリアンブル区間における相関電力の例を示す図である。同図(B)の場合、相関ピーク電力と2番目の相関電力との差が閾値より小さい、或いは相関ピーク電力が図20(A)の場合よりも低くなっている。このような場合、受信装置は、相関ピーク電力のタイミングを基準にすることができず、プリアンブルパターンに基づいて受信同期を確立できなくなる。
【0013】
また、上述した、位相を反転させた2つのサブパターンによりプリアンブルを送信する技術においても、位相を反転させただけであり、SC‐OFDM方式により送信しているため、特定のサブキャリアに電力が偏る場合もある。したがって、かかる技術は、2つのサブパターンともにマルチパスフェージングの影響により、プリアンブル区間の相関特性に影響を受ける場合もある。
【0014】
更に、整数キャリア周波数オフセットを推定する技術の場合でも、既知のプリアンブルパターンがそのまま送信されるため、SC‐OFDM方式により送信した場合、特定のサブキャリアに電力が偏るなどして、マルチパスフェージングの影響を受ける場合がある。
【0015】
従って、いずれの技術においても、プリアンブル区間において特定のサブキャリアがマルチパスフェージングの影響を受けてしまい、受信同期を確立することができない場合がある。
【0016】
そこで、本発明の一目的は、マルチパスフェージング環境においても正確な同期タイミングを得ることができる送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一態様によれば、送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備える。
【発明の効果】
【0018】
マルチパスフェージング環境においても正確な同期タイミングを得ることのできる送信装置、送信方法、受信装置、受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図2】図2は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図3】図3は送信装置の構成例を表わす図である。
【図4】図4は受信装置の構成例を表わす図である。
【図5】図5(A)は基準プリアンブルパターン、図5(B)は1ビット拡張されたプリアンブルパターン、図5(C)は2ビット拡張されたプリアンブルパターンのビット列の例を夫々表わす図である。
【図6】図6はサブフレームの構成例を表わす図である。
【図7】図7(A)は無線フレームの構成例、図7(B)から図7(D)は各プリアンブルパターンのビット列の例を夫々表わす図である。
【図8】図8(A)から図8(C)はプリアンブルパターンの送信スペクトラムの例を夫々表わす図である。
【図9】図9は送信装置における動作例を表わすフローチャートである。
【図10】図10は受信装置における動作例を表わすフローチャートである。
【図11】図11(A)はサブフレーム、図11(B)は無線フレームの構成例を夫々表わす図である。
【図12】図12は送信装置の構成例を表わす図である。
【図13】図13はプリアンブル区間における相関電圧の推移の例を表わす図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)はプリアンブル区間における相関電圧の推移の例を夫々表わす図である。
【図15】図15は相関器の構成例を表わす図である。
【図16】図16は第1の相関演算器の構成例を表わす図である。
【図17】図17は電圧変換部の構成例を表わす図である。
【図18】図18は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図19】図19(A)はOFDM方式の送信装置、図19(B)はSC‐OFDM方式の送信装置の構成例を夫々表わす図である。
【図20】図20(A)及び図20(B)はプリアンブル区間の相関電力の例を夫々表わす図である。
【図21】図21は受信スペクトラムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、送信装置200と受信装置100を含む。送信装置200は、送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信する。また、受信装置100は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。
【0022】
送信装置200は、第1のプリアンブルパターン生成部260と送信部261、及びアンテナ210を備える。
【0023】
第1のプリアンブルパターン生成部260は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する。
【0024】
送信部261は、第1のプリアンブルパターン生成部260から出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む送信信号をアンテナ210に出力する。
【0025】
アンテナ210は、送信部261から出力された送信信号を受信装置100に無線送信する。
【0026】
一方、受信装置100は、アンテナ101と、第2のプリアンブルパターン生成部160、検出部161、及び受信処理部162を備える。
【0027】
アンテナ101は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。アンテナ101は送信信号を受信信号として検出部161と受信処理部162に出力する。
【0028】
第2のプリアンブルパターン生成部160は、第1から第3のプリアンブルパターンのうち第1のプリアンブルパターン生成部260が出力するプリアンブルパターンを出力する。すなわち、第2のプリアンブルパターン生成部160は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをnビット及びkビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する。
【0029】
検出部161は、第2のプリアンブルパターン生成部160から出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する。
【0030】
受信処理部162は、検出した同期タイミングに同期して受信信号に対する受信処理を行う。
【0031】
このように、送信装置200は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをnビット及びkビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む送信信号を送信する。そして、受信装置100は、かかる送信信号と、第1から第3のプリアンブルパターンのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンとにより同期タイミングを検出し、検出した同期タイミングで受信処理を行う。
【0032】
第2及び第3のプリアンブルパターンは、第1のプリアンブルパターンのビットを所定数個連させたビット列を含むため、特定のサブキャリアに電力が偏らないプリアンブルパターンが出力される。受信装置100は、第1から第3のプリアンブルパターンのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを用いて同期タイミングを検出することで、2つのうちいずれか一つのプリアンブルパターンで正確な同期タイミングを検出することができる。従って、マルチパスフェージングの環境により一方のプリアンブルパターンが影響を受けても、他方のプリアンブルパターンにより正確が同期タイミングを得ることができる。よって、正確な同期タイミングを得ることのできる受信装置100や送信装置200が提供できる。
【0033】
[第2の実施の形態]
<全体構成例>
次に、第2の実施の形態について説明する。図2は第2の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、基地局装置(以下、「基地局」)100と端末装置(以下、「端末」)200‐1〜200‐3を備える。
【0034】
基地局100は、1又は複数のセルを有し、各セル範囲内において端末200‐1〜200‐3に対して、無線通信により音声通話や映像配信など種々のサービスを提供する。また、基地局100は複数の端末200‐1〜200‐3と並列に無線通信可能である。一方、端末200‐1〜200‐3は基地局100と接続して無線通信を行う。端末200‐1〜200‐3は、例えば、携帯電話や情報携帯端末などである。なお、端末200‐1〜200‐3は1台でも複数台でもよい。
【0035】
基地局100と端末200‐1〜200‐3は、双方向に無線通信が可能である。すなわち、基地局100は端末200‐1〜200‐3にデータ信号や制御信号などを送信することができ(下りリンク通信)、端末200‐1〜200‐3は基地局100にデータ信号や制御信号などを送信することができる(上りリンク通信)。基地局100は、下りリンク通信と上りリンク通信についてスケジューリングを行い、無線リソースを割り当てて無線通信を行う。スケジューリングした結果を表わすスケジューリング情報は、例えば制御信号として、基地局100から端末200‐1〜200‐3に適宜送信される。
【0036】
なお、本第2から第4の実施の形態において、例えば、端末200‐1〜200‐3(以下、特に断らない限り「端末200」として説明する)を送信装置、基地局100を受信装置とし、上りリンク通信の場合について説明する。この場合、端末200(又は送信装置200)は、SC‐OFDM方式により、データ信号やプリアンブル信号(又は参照信号)などを基地局100(又は受信装置100)に送信するものとする。なお、このようなデータ信号などの送信については、SC‐OFDM方式以外にも、SC‐OFDMA(Single Carrier-Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式やSC‐FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)方式も適用可能である。
【0037】
次に、送信装置200と受信装置100の各構成例を説明する。図3は送信装置200、図4は受信装置100の各構成例を示す図である。最初に送信装置200の構成例を説明し、次に受信装置100の構成例を説明する。
【0038】
<送信装置200の構成例>
送信装置200は、フレーマ(Framer)201、シリアル・パラレル変換部(S/P)202、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換、又はDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換 ))部203、サブキャリアマッピング部204、IFFT(Inverse FFT:逆高速フーリエ変換)部205、パラレル・シリアル変換部(P/S)206、ディジタルフィルタ207、ディジタル・アナログ変換部(D/A Conv)208、送信フィルタ(TX Filter)209、アンテナ210、サブフレームカウンタ215、プリアンブル生成部220とを備える。
【0039】
フレーマ201は、時間領域の送信データ信号に対してQPSKや16QAMなどの変調処理を行う。フレーマ201は、例えば、受信装置100から予め受信したスケジューリング情報に従って変調処理を行う。また、フレーマ201は、変調後の送信データ信号とプリアンブル生成部220から出力されたプリアンブル信号とに基づいてサブフレームを生成し、生成したサブフレームから無線フレームを生成する。この場合、フレーマ201は、サブフレームカウンタ215から出力されたカウント値に基づいてサブフレームと無線フレームを生成することができる。例えば、カウント値が1サブフレーム目を示す値のとき、フレーマ201は、1サブフレーム目のサブフレームを生成するなど、カウント値に対応するサブフレームを順次生成する。そして、フレーマ201は、カウント値が1無線フレーム内のサブフレームの個数に対応する値のとき、生成した各サブフレームから無線フレームを生成し、生成した無線フレームを出力する。
【0040】
シリアル・パラレル変換部202は、無線フレーム内の送信データ信号とプリアンブル信号などをパラレル形式に変換する。後段のFFT部203のポイント数が「M」個のとき、シリアル・パラレル変換部202は、パラレル形式に変換されたM個の出力を同時に出力することができる。
【0041】
FFT部203は、パラレル形式に変換された送信データ信号とプリアンブル信号などを高速フーリエ変換することで、時間領域の送信データ信号とプリアンブル信号などを周波数領域のサブキャリア信号に変換する。例えば、高速フーリエ変換を行うときのポイント数はM個である。
【0042】
サブキャリアマッピング部204は、例えば、スケジューリング情報に従って、自局に割り当てられた周波数帯域のサブキャリア信号をIFFT部205に出力し、自局に割り当てられた周波数帯域以外の帯域に対して「0」を割り当てる。また、サブキャリアマッピング部204は、送信パワーのないDCサブキャリアに対して「0」を割り当てる。後段のIFFT部205のポイント数が「N」(N>M)個のとき、サブキャリアマッピング部204は、N個のサブキャリア信号を出力することができる。
【0043】
IFFT部205は、周波数領域のサブキャリア信号に対して、逆高速フーリエ変換を行うことで、時間領域の信号に変換する。
【0044】
パラレル・シリアル変換部206は、IFFT部205から出力された時間領域の信号をシリアル形式に変換する。
【0045】
ディジタルフィルタ207は、例えば、パラレル・シリアル変換部206から出力された時間領域の信号に対して、所定の周波数帯域に制限した時間領域の信号を出力する。
【0046】
ディジタル・アナログ変換部208は、ディジタルフィルタ207から出力された時間領域の信号をアナログ信号に変換する。
【0047】
送信フィルタ209は、ディジタル・アナログ変換部208から出力されたアナログ信号に対して雑音成分を除去するなどして無線周波数帯域の送信信号を出力する。
【0048】
アンテナ210は、送信フィルタ209から出力された送信信号を受信装置100に無線送信する。このように送信装置200は、例えば、送信データ(又は送信データ列)を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する。
【0049】
サブフレームカウンタ215は、例えば、サブフレームの個数をカウントし、サブフレームの先頭のタイミングでカウント値をプリアンブル生成部220とフレーマ201に出力する。例えば、サブフレームカウンタ215は、1番目のサブフレームの先頭のタイミングでカウント値「1」を出力し、2番目のサブフレームの先頭のタイミングでカウント値「2」を出力する。
【0050】
プリアンブル生成部220は、プリアンブル信号を生成してフレーマ201に出力する部分であり、リファレンス信号出力部221と、1ビット拡張部222と、2ビット拡張部223と、セレクタ224とを備える。
【0051】
リファレンス信号出力部221は、既知のプリアンブルパターンを記憶し、記憶したプリアンブルパターンをプリアンブル信号として適宜出力する。そのため、リファレンス信号出力部221は、例えば内部にメモリを備え、メモリ内にプリアンブルパターンを記憶する。リファレンス信号出力部221が記憶するプリアンブルパターンは、本第2の実施の形態においては基準となるプリアンブルパターン(以下、“PtnA”)であり、例えば、ユニークな512個のデータビット列で表わされる。図5(A)は、基準となる“PtnA”のデータビット列の例を示す。リファレンス信号出力部221は、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”を基準プリアンブル信号として出力する。
【0052】
1ビット拡張部222は、リファレンス信号出力部221から出力された基準プリアンブル信号に対して、1ビット拡張した新たなプリアンブルパターンを生成し、生成したプリアンブルパターンを1ビット拡張したプリアンブル信号として出力する。「1ビット拡張」とは、例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半のビット列が取り出され、取り出した基準のプリアンブルパターン“PtnA”の各ビットを2ビット連続させて、1ビット拡張させる操作のことである。例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”のビット“1”を“11”、“−1”を“−1−1”とする操作のことである。図5(B)は、512個のビット列である基準のプリアンブルパターン“PtnA”に対して、前半の256個のビット列が取り出されて生成された、1ビット拡張したプリアンブルパターン(以下、“PtnB”)の例を示す。
【0053】
2ビット拡張部223は、リファレンス信号出力部221から出力された基準プリアンブル信号に対して、2ビット拡張したプリアンブルパターンを生成し、生成したプリアンブルパターンを2ビット拡張したプリアンブル信号として出力する。「2ビット拡張」とは、例えば、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を生成する基になった、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半のビット列から所定個のビット列が取り出され、各ビットを3ビット連続させ2ビット拡張させる操作のことである。例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半256個のうち前半の171個のビット列が取り出され、“1”を“111”、“−1”を“−1−1−1”とする操作のことである。図5(C)は、2ビット拡張したプリアンブルパターン(以下、“PtnC”)の例を示す。この場合、一部のビットが512個のビット列からはみ出す場合があるが、このような場合、はみ出したビットを破棄して512個のビット列に合わせるようにすればよい。
【0054】
このように、プリアンブル生成部220は、基準のプリアンブルパターン“PtnA”に対して、ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を生成している。このように、プリアンブル生成部220がプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を生成するのは、生成したプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の各々について特定のサブキャリアに電力が偏らないようにしているためである。詳細は後述する。
【0055】
セレクタ224は、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、基準プリアンブル信号、1ビット拡張されたプリアンブル信号、又は2ビット拡張されたプリアンブル信号のいずれか一つをフレーマ201に出力する。例えば、セレクタ224は、カウント値が1サブフレーム目を示すとき基準プリアンブル信号を出力し、2サブフレーム目を示すとき1ビット拡張されたプリアンブル信号を出力し、3サブフレーム目を示すとき2ビット拡張されたプリアンブル信号を出力する。
【0056】
尚、以降の説明において、セレクタ224からの出力について、基準プリアンブル信号を基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張されたプリアンブル信号を1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”など、断らない限り同じ意味で用いるものとする。
【0057】
これにより、フレーマ201では、例えば、1サブフレーム目には基準プリアンブルパターン“PtnA”、2サブフレーム目には1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”が割り当てられた無線フレームが形成される。また、3サブフレーム目には2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられた無線フレームが形成される。
【0058】
なお、サブフレームカウンタ215は、1無線フレーム内に含まれるサブフレームの全個数をカウントした後リセットし、再び最初からカウントする。1無線フレーム内のサブフレームの個数が「3」のとき、サブフレームカウンタ215は、3サブフレーム目をカウントした後、再び1サブフレーム目をカウント値として出力する。そのため、セレクタ224は、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を選択して出力した後、例えば、カウント値が「1」のとき、再び基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力する。
【0059】
<サブフレームと無線フレームの各構成例>
次に、このようにフレーマ201において形成され、受信装置100に送信されるサブフレームと無線フレームの構成例について説明する。図6はサブフレームの構成例を示す図である。1つのサブフレームは、1個のプリアンブルシンボルと複数個(例えばL個)のデータシンボルとを含む。例えば、プリアンブルシンボルにはプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”のいずれかが割り当てられている。データシンボルの夫々にはデータ信号が割り当てられる。
【0060】
なお、各シンボルには、シンボル間干渉を防ぐため、ガードインターバル(GI)が挿入されている。例えば、各シンボルの終端の複数サンプルを複製して、各シンボルの先頭部分に挿入することでガードインターバルが形成される。
【0061】
図7(A)は1無線フレームの構成例を示す図である。この例は、1無線フレームは3個のサブフレームを含んでいる。そして、1サブフレーム目には基準プリアンブルパターン“PtnA”、2サブフレーム目には1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、3サブフレーム目には2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられている。
【0062】
このようなプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”は、その電力スペクトラムが夫々異なり、特定の周波数に電力が偏らないものとなっている。その理由について以下説明する。
【0063】
図7(B)〜図7(D)は各プリアンブルパターンの波形図の例を夫々示している。基準プリアンブルパターン“PtnA”の周波数を「Fa」Hzとするとき、図7(C)の例では1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の周波数は、「Fa/2」Hzとなる。これは、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の各ビット列は、基準プリアンブルパターン“PtnA”の各ビット列に対して、2ビット連続したビット列であり、2ビット分、間延びしたビット列となっているためである。例えば、基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列が“1 −1”のとき、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”では“1 1 −1 −1”となり、2ビット間延びしているため、その周波数は半分となる。
【0064】
また、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”は、基準プリアンブルパターン“PtnA”の各ビット列に対して3ビット連続したビット列となっており、3ビット分間延びしたビット列となっている。そのため、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の周波数は、図7(D)の例では、基準プリアンブルパターン“PtnA”の周波数「Fa」に対して、「Fa/3」Hzとなる。
【0065】
なお、図7(B)の例では、基準プリアンブルパターン“PtnA”は、“1”,“−1”,“1”,“−1”と順次、異なるビット列となっているため、その周波数は例えば「Fa」Hzとなり得る。しかし、基準プリアンブルパターンが“1”,“1”など連続するビット列を含んでいても、“1”,“−1”となるパターンがあればその最大周波数は例えば「Fa」Hzとなる。このような基準プリアンブルパターン“PtnA”の場合でも、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の最大周波数は「Fa/2」Hz、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の最大周波数は「Fa/3」Hzとなる。
【0066】
従って、ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”に含まれる周波数成分は、基準プリアンブルパターン“PtnA”に含まれる周波数成分とは異なるものとなる。よって、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”は特定の周波数又はサブキャリアで電力が偏らないものとなっている。
【0067】
図8(A)〜図8(C)はプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の送信周波数スペクトラムの例を夫々示す図である。同図(A)〜同図(C)は、横軸は周波数、縦軸は送信電力を示す。これらの図に示すように、電力がピークとなっている周波数は、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”で異なるものとなっている。上述したように、例えば、ビット拡張によってビット列が「間延び」されることにより、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の周波数成分が異なるものとなっているからである。
【0068】
本第2の実施の形態においては、このようなプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がサブフレーム毎に切り替えて送信することで、受信装置100におけるプリアンブルの受信特性を向上させ、正確な同期タイミングを得ることができるようになる。その理由については後述する。
【0069】
また、送信装置200において基準プリアンブルパターン“PtnA”を記憶させるだけで、ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を生成することができる。よって、送信装置200は、すべてのプリアンブルパターンを記憶する場合と比較して記憶する情報量を少なくすることができる。後述する受信装置100においても、基準プリアンブルパターン“PtnA”を記憶しており、全てのプリアンブルパターンを記憶する場合と比較して記憶する情報量を少なくすることができる。
【0070】
<受信装置100の構成例>
次に受信装置100の構成例を説明する。受信装置100は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。図4に示すように、受信装置100は、アンテナ101、受信フィルタ(Rx Filter)102、アナログ・デジタル変換部(A/DConv)103、遅延器(Ts)104、複素共役演算部(Image Conj)105、乗算器106、相関器(又は相関部、Correlator)107、ピーク検出部108、閾値判定部109、シリアル・パラレル変換部110、FFT部111、サブキャリアデマッピング部112、IDFT部113、パラレル・シリアル変換部114、デマッピング部115を備える。
【0071】
アンテナ101は、送信装置200から送信された送信信号を受信し、受信信号として出力する。受信信号には、サブフレーム毎に異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”のプリアンブル信号を含む。この受信信号は、例えば、送信データ(又は送信データ列)が周波数領域に変換された信号が時間領域に変換されて送信された信号である。
【0072】
受信フィルタ102は、アンテナ101で受信した受信信号に対して帯域外雑音を除去するなど、帯域制限を行い受信信号として出力する。
【0073】
アナログ・デジタル変換部103は、受信フィルタ102から出力された受信信号をデジタル信号に変換する。
【0074】
遅延器104は、例えば、デジタル信号に変換された受信信号に対して1サンプル分遅延させて出力する。また、複素共役演算部105は、デジタル信号に変換された受信信号に対して複素共役を演算する。乗算器106は、1サンプル遅延された(k−1)サンプル目の受信信号と、複素共役が取られたkサンプル目の受信信号とを乗算して出力する。遅延器104と、複素共役演算部105、及び乗算器106を含む回路は、例えば遅延検波回路であり、受信信号における各サンプルの位相差を除去又は緩和させることができる。このような遅延検波回路が受信装置100に含まれることで、例えば、ローカル信号を生成するための回路などが不要になり回路構成が容易となる。
【0075】
相関器107は、乗算器106(又は遅延検波回路)から出力された受信信号と、参照信号生成部120から出力されたプリアンブルパターンとを入力し、受信信号の相関電力値を出力する。相関器107は、例えば、図21(A)及び同図(B)に示すように、サンプル毎に相関電力値を出力する。
【0076】
ピーク検出部108は、相関器107から出力された相関電力値に対して相関ピーク電力値と当該相関ピーク電力値のタイミングとを検出し、検出した相関ピーク電力値とタイミングとを出力する。ピーク検出部108は、例えば、ある所定期間における相関電力値の最大値を相関ピーク電力として出力する。
【0077】
閾値判定部109は、ピーク検出部108で得られた相関ピーク電力値が閾値より大きいか否かを判定し、閾値より大きいとき当該相関ピーク電力値のタイミングをFFT部111に出力する。これは、受信信号がマルチパスフェージングの影響を受けているとき、影響がない場合と比較して、相関ピーク電力値が著しく低くなることが多いからである。よって、閾値判定部109は、相関ピーク電力値が閾値を超えた場合に正確なシンボル同期タイミングが得られたと判定するようにしている。閾値判定部109は、ピーク検出部108で得られた相関ピーク電力値が閾値以下のとき、当該相関ピーク電力値のタイミングを出力せず、例えば破棄する。
【0078】
シリアル・パラレル変換部110は、デジタル信号に変換された受信信号をパラレル形式に変換して出力する。例えば、シリアル・パラレル変換部110は、N個の受信信号を並列に出力することができる。
【0079】
FFT部111は、パラレル形式の受信信号に対して、高速フーリエ変換処理を施し、時間領域の受信信号を周波数領域の受信信号に変換する。また、FFT部111は、高速フーリエ変換処理を行うとき、閾値判定部109から出力されたタイミング(例えばシンボル同期タイミング)に同期して、すなわち、受信信号に含まれるプリアンブル信号に同期して高速フーリエ変換処理を行うことができる。
【0080】
サブキャリアデマッピング部112は、周波数領域の受信信号に対して、送信装置200が送信したサブキャリアを抽出する。例えば、サブキャリアデマッピング部112は、周波数軸上に所定間隔で並ぶサブキャリアのうち、スケジューリング情報に従って、送信装置200に対してスケジューリングしたサブキャリアを抽出する。例えば、サブキャリアデマッピング部112は、M個のサブキャリアを抽出する。サブキャリアデマッピング部112は、抽出したサブキャリアをIDFT部113に出力する。
【0081】
IDFT部113は、抽出したサブキャリアに対して、逆離散フーリエ変換処理を施すことで、周波数領域の受信信号を時間領域の受信信号に変換する。
【0082】
パラレル・シリアル変換部114は、パラレル形式のIDFT部113の出力信号をシリアル形式に変換する。
【0083】
デマッピング部115は、送信装置200において行われた変調方式(QPSKや16QAMなど)に対応して、パラレル・シリアル変換部114から出力される受信信号に対して復調処理を行う。復調処理は、例えば、スケジューリング情報に従って行われる。デマッピング部115は、復調処理により、受信信号の同相成分(I信号)と直交成分(Q信号)にマッピングされたデータビット列を抽出することができ、抽出したデータビット列(例えばM個)を後段の処理部に出力する。
【0084】
参照信号生成部120は、リファレンス信号出力部121と、1ビット拡張部122と、2ビット拡張部123と、フレームカウンタ124、及びセレクタ125を備える。
【0085】
リファレンス信号出力部121は、送信装置200のリファレンス信号出力部221で保持した基準プリアンブルパターン“PtnA”と同じ基準プリアンブルパターン“PtnA”を保持し、適宜出力する。リファレンス信号出力部121は、例えば、内部にメモリを備え、メモリ内に基準パターン“PtnA”を記憶することもできる。
【0086】
1ビット拡張部122は、送信装置200の1ビット拡張部222と同様に、リファレンス信号出力部121から出力された基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列のうち、前半のビット列を取り出し、各ビットを連続する操作を行う。そして、1ビット拡張部122は、基準プリアンブルパターン“PtnA”に対して、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を生成し、出力する。
【0087】
2ビット拡張部123は、送信装置200の2ビット拡張部223と同様に、リファレンス信号出力部121から出力された基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列のうち、1ビット拡張で使用されたビット列のうち所定数個のビット列を取り出す。そして、2ビット拡張部123は、抽出した各ビットを3ビット連続する操作を行うことで、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を生成し、出力する。
【0088】
フレームカウンタ124は、無線フレームの個数をカウントし、例えば無線フレームの先頭のタイミングでカウント値を出力する。フレームカウンタ124は、カウントしたカウント値をセレクタ125に出力する。
【0089】
セレクタ125は、例えば、フレームカウンタ124からのカウント値の入力タイミングとその値に応じて、基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”のいずれかを無線フレーム期間毎に出力する。これにより、セレクタ125は、例えば、最初の無線フレーム期間は基準プリアンブルパターン“PtnA”、次の無線フレーム期間は1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を出力する。更に、セレクタ125は、例えば、3無線フレーム目の期間において2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が出力される。セレクタ125は、1無線フレーム期間は同一のプリアンブルパターンを出力し、次の無線フレーム期間では異なるプリアンブルパターンを出力する。これは、例えば、送信装置200から送信されるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順序に従っており、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順で送信されると、受信装置100はかかる順序でプリアンブルパターンを待ち受けることになる。
【0090】
<プリアンブル信号の受信特性について>
次に、参照信号生成部120から出力された各プリアンブルパターンに基づいて、相関出力を得ることで受信装置100のプリアンブル信号の受信特性が向上する理由について説明する。
【0091】
受信装置100が、例えば、図7(A)に示す無線フレームを受信したときの例で説明する。すなわち、1番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”、2番目のサブフレームに1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を含む送信フレームである。参照信号生成部120は、最初の無線フレーム期間では基準プリアンブルパターン“PtnA”を相関器107に出力する。この場合、相関器107は、1無線フレーム期間において、1番目のサブフレームにおけるプリアンブル区間で相関ピーク電力値が得られることになる。
【0092】
しかし、基準プリアンブルパターン“PtnA”がマルチパスフェージングの影響を受けたときを考える。かかる場合、基準プリアンブルパターン“PtnA”のピーク電力となるはずの特定の周波数において電力が他の周波数より低くなり(例えば図21)、基準プリアンブルパターン“PtnA”に対する相関電力は影響を受けない場合よりも低くなる。この場合の相関器107の出力は、例えば、図21(B)に示すようなものとなる。従って、最初の無線フレーム期間では、閾値判定部109は相関ピーク電力値が閾値以下となり同期タイミングを出力できない。
【0093】
次の無線フレーム期間では、参照信号生成部120は1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を相関器107に出力する。マルチパスフェージングの影響を受けるのは、例えば、基準プリアンブルパターン“PtnA”のピーク電力となる周波数である。この場合、基準プリアンブルパターン“PtnA”と比較して周波数成分が異なり、ピーク電力の周波数が異なるプリアンブルパターン“PtnB”は、マルチパスフェージングの影響を受ける可能性は基準プリアンブルパターン“PtnA”よりも低くなる。よって、相関器107では、2番目のサブフレームのプリアンブル区間において相関ピーク電力値が得られ、例えば、図21(A)に示すような出力が得られる。閾値判定部109は当該相関ピーク電力値が閾値を超えるものと判定して、当該相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして出力することができる。
【0094】
更に、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”に対しても、マルチパスフェージングの影響が及ぶ場合もある。この場合、相関器107から出力される相関ピーク電力値は、影響がない場合と比較して低いものとなる(例えば、図21(B))。
【0095】
このような場合、更に次の無線フレーム期間において同期タイミングが得られるかが判定される。すなわち、参照信号生成部120は2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を相関器107に出力する。2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の周波数成分は2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”とは、ピーク電力となる周波数が異なる。従って、2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”がマルチパスフェージングの影響を受けても、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”はマルチパスフェージングの影響を受ける可能性が低くなる。よって、相関器107から出力される相関ピーク電力値は、閾値判定部109において閾値を超える判定され、当該相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして出力することができる。
【0096】
以上から、本無線通信システム10は、特定の周波数又はサブキャリアが影響を受けるマルチパスフェージングの環境下においても、例えば、周波数成分が異なる3つのプリアンブルパターンのいずれかにより正確な受信同期タイミングを得ることができる。
【0097】
<動作例>
次に動作例について説明する。動作例の一部は既に説明しているため、簡単に説明することにする。最初に送信装置200の動作例について説明する。
【0098】
図9は送信装置200における動作例を表わすフローチャートである。図9に従って動作例を説明する。送信装置200は、処理を開始すると(S10)、記憶した基準プリアンブルパターン“PtnA”に基づいて、1ビット拡張、及び2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を夫々生成する(S11)。例えば、プリアンブル生成部220は、サブフレームカウンタ215からのカウント値が「1」のとき、基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力し、カウント値が「2」のとき1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を出力する。また、プリアンブル生成部220は、カウント値が「3」のとき、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を出力する。カウント値はその後リセットされ「1」となり、プリアンブル生成部220は、再び、基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力する。
【0099】
次いで、送信装置200は、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、QPSKなど変調された送信データとからサブフレームを形成し、更に無線フレームを形成する(S12)。例えば、フレーマ201は、サブフレームカウンタ215からのカウント値が「1」のとき、1番目のサブフレームの先頭シンボルに基準プリアンブルパターン“PtnA”を割り当てる。また、カウント値が「2」のとき、フレーマ201は2番目のサブフレームの先頭シンボルに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を割り当てるようにする。更に、カウント値が「3」のとき、フレーマ201は3番目のサブフレームの先頭シンボルに2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”を割り当てるようにする。以後、フレーマ201は、例えば3サブフレームを1無線フレームとなるように無線フレームを形成する。
【0100】
次いで、送信装置200は、無線フレーム内の各シンボルを周波数領域に変換し、サブキャリアマッピングを行う(S13)。例えば、サブキャリアマッピング部204は、送信装置200に割り当てられたサブキャリアにはプリアンブル信号やデータ信号などが割り当てられているためそのまま出力し、送信装置200に割り当てられていないサブキャリアには「0」をマッピングさせる。例えば、サブキャリアへの割り当てなどは、予め受信装置100から受信したスケジューリング情報に基づいて行われる。
【0101】
次いで、送信装置200は、サブキャリアマッピング後、時間領域の信号に変換し、ディジタルフィルタなどの送信処理を行う(S14)。送信処理には、例えば、ディジタルフィルタ207や送信フィルタ209などの処理が含まれ、これにより、無線フレーム内のプリアンブル信号やデータ信号などが送信信号として受信装置100に送信される。
【0102】
次に受信装置100の動作例について説明する。受信装置100は処理を開始すると(S20)、受信信号に対してフィルタリングや遅延検波などの受信処理を行う(S21)。例えば、受信フィルタ102は受信信号に対して帯域外雑音除去などの処理を行い、アナログ・デジタル変換部103はフィルタリング後の受信信号をデジタル信号に変換する。ここで、デジタル信号に変換された、フレーム先頭からkサンプル目の受信信号Pkは、例えば、次式により表わされる。
【0103】
【数1】
【0104】
数1において、Iは遅延波の総数、Piは、ejθi、τiはi番目の遅延波の振幅、位相、遅延時間を夫々表わし、Δfは周波数オフセット量、Tsはサンプリング時間間隔、θ0は初期位相を表わす。また、bkは送信側である情報信号anをFFTにより周波数ドメインに変換した後、さらにIFFT変換して得られた時間軸信号を示したもので、例えば、次式により表わされる。
【0105】
【数2】
【0106】
但し、
【0107】
【数3】
【0108】
ここで、NはIFFTポイント数、MはFFTポイント数である。数2にGI(Guard Interval)を加えたものが送信信号として送信装置200から送信される。
【0109】
遅延検波の処理は、例えば、遅延器104、複素共役演算部105、及び乗算器106で行われる。例えば、遅延器104は、受信信号Pkを1サンプル遅延させ、複素共役演算部105はkサンプル目の受信信号Pkに対する複素共役を演算し、乗算器106は2つの出力を乗算する。フレーム先頭からdサンプル目の乗算器106の出力信号(又は遅延検波回路の出力信号)T(d)は次式で表わされる。
【0110】
【数4】
【0111】
次いで、受信装置100は、基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張パターン“PtnB”、及び2ビット拡張パターン“PtnC”を生成し、フレーム毎にいずれかのプリアンブルパターンを相関器107に出力する(S22)。例えば、参照信号生成部120において各プリアンブルパターンを生成し、フレームカウンタ124から出力されるカウント値がセレクタ125に入力されるタイミングで、セレクタ125がカウント値に対応するプリアンブルパターンを出力する。例えば、送信装置200から送信されるプリアンブル信号として、3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がこの順序で用いられる場合、参照信号生成部120はこの3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”をかかる順序で出力するようにする。
【0112】
次いで、受信装置100は、受信信号とプリアンブルパターンとの相関電力を計算し、相関ピーク電力値を検出する(S23)。相関電力は、例えば、乗算器106の出力信号(又は遅延検波回路の出力信号)T(d)と、参照信号R(k)との間における相互相関値が演算されることで求められる。参照信号R(k)は、例えば、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”であるプリアンブル信号を予め遅延検波回路を通過させておいた信号である。プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”が基準プリアンブルパターン“PtnA”の場合、参照信号R(k)は、例えば、次式により表わされる。
【0113】
【数5】
【0114】
ここで、乗算器106の出力信号T(d)と参照信号R(k)との間にdサンプルの遅延があるものとすると、プリアンブル1シンボルに亘る相互相関値は、例えば、次式となる。
【0115】
【数6】
【0116】
なお、数6において、N’はGIを含むシンボル時間に含まれるサンプル数を示している。この数6で示す相互相関値が、例えば、相関器107からの出力を表わす(例えば図20(A)又は同図(B))。
【0117】
相関器107は、参照信号生成部120により生成された(又は待ち受ける)プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と受信信号のパターンとは一致したサンプルタイミングで急峻なピークが得られる。そして、ピーク検出部108は、例えば、GIを含む受信信号の1シンボル区間に亘りピークサーチを行い、最も高い相関電力値とそのタイミングとを検出する。
【0118】
次いで、受信装置100は、検出した相関ピーク電力値が閾値を超えるか否かを判別する(S24)。例えば、受信信号がマルチパスフェージングの影響を受けている場合、影響がない場合と比較して相関ピーク電力が著しく低くなることがある。そのため、例えば、閾値判定部109は相関ピーク電力値と閾値とを比較して、閾値を超えている場合、正確なシンボル同期タイミングが得られたと判定する(S24でYes)。
【0119】
一方、閾値判定部109は、相関ピーク電力値が閾値以下のとき(S24でNo)、正確なシンボル同期タイミングが得られていないと判定して、次の無線フレーム期間で受信する受信信号に対してS21以降の処理を行う。
【0120】
受信装置100は、相関ピーク電力値が閾値を超えた場合(S24でYes)、当該相関ピーク電力が得られたシンボル同期タイミングをFFT部111に出力し、受信信号に対するFFT処理を行う(S25)。例えば、FFT部111は閾値判定部109からのシンボル同期タイミングを開始タイミングとするFFT処理を行う。
【0121】
次いで、受信装置100は、デマッピングなどの処理を行い、送信装置200から送信されたデータビット列を抽出する(S26)。
【0122】
本第2の実施の形態において、プリアンブルパターンの例として、基準プリアンブルパターン“PtnA”と、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の例を説明した。例えば、3ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnD”が用いられてもよい。かかるパターンは、例えば、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の基になった基準プリアンブルパターン“PtnA”のうち、所定数個のビット列の各ビットを4ビット連続させる操作により生成される。
【0123】
この場合、1無線フレーム内に4サブフレーム含まれるとすると、送信装置200は、サブフレーム毎に順次、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を先頭シンボルに挿入して送信する。そのため、プリアンブル生成部220は、更に、3ビット拡張部を備えてもよい。受信装置100は、例えば、無線フレーム毎にプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”で受信信号を夫々待ち受ける。この場合、受信装置100も3ビット拡張部により3ビット拡張したプリアンブルパターンを生成し、受信信号との相関ピーク電力値を得ることで同期タイミングを得ることができる。
【0124】
更に拡張して、4ビット、5ビット、・・・拡張したプリアンブルパターンが用いられて同期タイミングを抽出するようにしてもよい。この場合、送信装置200も受信装置100も、双方とも、4ビット、5ビット、・・・拡張したプリアンブルパターンを生成する生成部を備え、受信装置100において、無線フレーム毎に異なるプリアンブルパターンにより相関出力を得ることで同期タイミングを抽出できる。例えば、送信装置200は、基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張された複数のプリアンブルパターンとに対して、少なくとも2つのプリアンブルパターンを送信することもできる。この場合、受信装置100は、送信に利用した2つのプリアンブルパターンを待ち受け、無線フレーム毎に相関電力をとることで同期タイミングを抽出することができる。このような場合、送信装置200は、送信に利用する2つのプリアンブルパターンをプリアンブルパターン生成部220により生成又は出力する。また、受信装置100の参照信号生成部120は、送信に利用された2つのプリアンブルパターンを生成し、各無線フレーム期間で2つのプリアンブルパターンを交互に相関器107に出力することで、上述した例と同様に同期タイミングを抽出できる。
【0125】
また、第2の実施の形態において、1つの無線フレーム内には3つのサブフレームが含まれるものとして説明した。例えば、1無線フレーム内に10個のサブフレームが含まれてもよい。この場合、送信装置200は、サブフレーム毎に順次繰り返しプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を割り当てて無線フレームを生成し送信するようにすればよい。受信装置100は、上述した例と同様に、1無線フレーム目は基準プリアンブルパターン“PtnA”など、無線フレーム毎に、異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を待ち受けて相関電力値を得るようにする。
【0126】
ただし、いずれの場合においても、送信装置200から送信されるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の送信順に従って、受信装置100はプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を待ち受ける。
【0127】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、1つのサブフレーム内のプリアンブルは1シンボルの例で説明した。本第3の実施の形態では1つのサブフレーム内のプリアンブルを2シンボルにした例である。
【0128】
図11(A)は第3の実施の形態におけるサブフレーム、図11(B)は第3の実施の形態における1無線フレームの構成例を夫々示す図である。サブフレームの先頭から2シンボルにプリアンブルパターンが割り当てられ、1シンボル目を前半プリアンブル、2シンボル目を後半プリアンブルとしている。前半プリアンブルには、基準プリアンブルパターン“PtnA”が割り当てられている。また、後半プリアンブルには、ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかがが一定の順序に従って割り当てられている。図11(B)の例では、1サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”との組み合わせが割り当てられている。また、2サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられている。さらに、3サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と3ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnD”の組み合わせが割り当てられている。
【0129】
第2の実施の形態では、1つのサブフレームでは先頭の1シンボルに3つのプリアンブルパターンのいずれかが割り当てられて、受信装置100は1フレーム毎に異なるプリアンブルパターンで同期タイミングを抽出した。各サブフレームで同期タイミングが抽出できればサブフレーム間隔で受信装置100は同期タイミングを抽出することができる。しかし、例えば、受信装置100は、1サブフレーム目のプリアンブルパターンでシンボル同期タイミングが抽出できても、マルチパスフェージングの影響などにより、2サブフレーム目以降のサブフレームにおいて同期タイミングを抽出できない場合がある。
【0130】
このような場合、受信装置100は1サブフレーム目で抽出したシンボル同期タイミングを2サブフレーム目以降で使用することになる。しかし、基地局(又は受信装置100)と端末(又は送信装置200)は、例えば、内部で使用する発信器の種類は異なり、基地局の方が端末より周波数精度が高いことが多い。このような場合、基地局と端末との間(又は受信装置100と送信装置200との間)において周波数偏差の影響が時間経過とともに大きくなることがある。例えば、3サブフレーム目のプリアンブルパターンで抽出された同期タイミングと、1サブフレーム目で抽出された同期タイミングのそのまま使用した場合の3サブフレーム目の同期タイミングとでは異なるタイミングとなる場合がある。
【0131】
そこで、上述したように、1サブフレーム内に基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたビットパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかとの組み合わせによりサブフレームが生成されるようになされている。これにより、例えば受信装置100で基準パターン“PtnA”により同期タイミングが抽出されると、次にサブフレームでも基準パターン“PtnA”により同期タイミングが抽出できる。この場合、サブフレーム毎に同期タイミングが得られ、第2の実施の形態と比較して、特定のサブフレームで同期タイミングが得られないなどの事態を回避できる可能性が高くなる。
【0132】
次に本第3の実施の形態における送信装置200の構成例について説明する。図12は送信装置200の構成例を示す図である。送信装置200は、更にシンボルカウンタ216を備える。シンボルカウンタ216は、シンボルの個数をカウントし、シンボルタイミングの先頭のタイミングでカウント値をフレーマ201と、プリアンブル生成部220のセレクタ224に出力する。
【0133】
セレクタ224は、シンボルカウンタ216からのカウント値と、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、2つのプリアンブルパターンを出力する。例えば、セレクタ224は、1サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値とを入力したとき、基準プリアンブルパターン“PtnA”を選択して出力する。また、セレクタ224は、1サブフレーム目のカウント値と2シンボル目のカウント値を入力したとき、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を選択して出力する。更に、セレクタ224は、2サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値を入力したとき、2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を選択して出力するなどである。
【0134】
一方、フレーマ201も、シンボルカウンタ216からのカウント値と、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、各プリアンブルパターンを前半プリアンブルと後半プリアンブルとなるようにサブフレームを生成する。例えば、フレーマ201は、1サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値とを入力したとき、セレクタ224から出力された基準プリアンブル“PtnA”を1サブフレーム目の前半プリアンブルに割り当てる。また、フレーマ201は、次いで2シンボル目のカウント値を入力すると、セレクタ224から出力された1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を1サブフレーム目の後半プリアンブルに割り当てる。
【0135】
従って、送信装置200の動作は、第2の実施の形態と同様に図9に示す動作例により実施できる。この場合、送信装置200は、サブフレームの生成について(S12)、1サブフレーム内に2シンボル分のプリアンブルパターンを割り当てるようにすればよい。
【0136】
一方、受信装置100は第2の実施の形態と同様に実施できる。受信装置100の構成例は例えば、図4に示すようなものとなり、最初の無線フレーム期間では基準プリアンブパターン“PtnA”により相関電力を計算し、次の無線フレーム期間では1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”により相関電力を計算する。よって、例えば、図10に示す動作例により受信装置100は動作することができる。
【0137】
本第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、基準プリアンブルパターン“PtnA”とは異なるサブキャリア又は周波数においてピーク電力が到来するようなプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”が用いられている。従って、特定の周波数又はサブキャリアが影響を受けるマルチパスフェージングの環境下においても、例えば、周波数成分が異なる3つのプリアンブルパターンのいずれかにより受信装置100は受信同期タイミングを得ることができる。
【0138】
また、本第3の実施の形態では、第2の実施の形態と比較して、1サブフレームに割り当てられるプリアンブルパターンの個数が多く、そのため、同期タイミングを早く得ることができる。
【0139】
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、1つのサブフレームで2つのシンボルにおいて異なるプリアンブルパターン“PrnA”〜“PtnD”を割り当てる例を説明した。この場合、例えば、受信装置100は、前半プリアンブルで同期タイミングを得た場合、後半プリアンブルを利用せず、また、後半プリアンブルで同期タイミングを得た場合、前半プリアンブルを利用しないことになる。この場合、2シンボル分のプリアンブルパターンが設けられているにも拘わらず片方のプリアンブルパターンが利用されず、前半又は後半のプリアンブルのエネルギーが利用されない。本第4の実施の形態では、受信装置100が2シンボル分のエネルギーを利用することで、C/N(Carrier to Noise ratio)を改善し、1シンボル分のエネルギーを利用する場合と比較して急峻な相関ピーク電力を得て同期特性の改善を図るようにした例である。
【0140】
図13を用いて本第4の実施の形態における動作例について説明する。図13は横軸が時間、縦軸が相関電圧を表わし、前半プリアンブル(例えば基準プリアンブルパターン“PtnA”)と後半プリアンブル(例えば1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”)の相関電圧の推移例を表わす図である。この場合、受信装置100は、後半プリアンブル側のプリアンブルパターンで同期タイミングが得られたものとする。
【0141】
受信装置100は、同期タイミングが得られた後半プリアンブルの期間を前半と後半に分ける。この場合、前半の期間は後半プリアンブルに割り当てられたプリアンブルパターンの半周期分(前半)の相関電圧が得られ、後半の期間ではかかるプリアンブルパターンの半周期分(後半)の相関電圧が得られる。
【0142】
後半プリアンブルの受信プリアンブル信号に周波数偏差がなければ、前半の相関ピーク電圧と後半の相関ピーク電圧は同じ値をとり得る。他方、後半プリアンブルの受信プリアンブル信号に周波数偏差があれば、2つの相関ピーク電圧は異なる値をとり得る。そこで、受信装置100は、前半と後半の各相関ピーク電圧の差から位相回転量を演算して周波数偏差を推定する。そして、受信装置100は、位相回転量を前半プリアンブルにフィードバックして、その位相回転量分だけ前半の相関電圧を位相回転させる。また、受信装置100は後半プリアンブルに対しても位相回転量だけ相関電圧を位相回転させる。これにより周波数偏差が除去された位相電圧を得ることができる。
【0143】
図14(A)は周波数偏差除去前、図14(B)は周波数偏差除去後の各相関電圧の推移例を夫々示す図である。図14(B)に示すように、周波数偏差が除去された相関電圧において、相関ピーク電圧については、除去前と比較してより急峻な相関電圧となっている。
【0144】
更に、本第4の実施の形態では、周波数偏差が除去された相関電圧に対して積分処理を行うようにしている。これにより、例えば、2シンボル分のエネルギーが利用され、積分処理が行われない場合と比較して、更に急峻な相関ピーク電圧が得られ、結果としてC/Nが改善され、受信同期特性も改善させることができる。
【0145】
次に第4の実施の形態における構成例について説明する。本第4の実施の形態における送信装置200と受信装置100は、第2及び第3の実施の形態と同様に、図3及び図4に示す構成例により実施できる。本第4の実施の形態では、受信装置100の相関器107において、上述した位相回転量の演算などが行われる。
【0146】
図15は、受信装置100における相関器107の構成例を示す図である。相関器107は、第1及び第2の相関演算器131,132と、電力変換部133と、ピーク検出部134と、バッファ135と、位相比較部136と、位相回転部137と、電圧積分部138、電力変換部139とを備える。
【0147】
第1相関演算器131は、例えば、乗算器106から出力された受信信号の同相成分(ICH又はI信号)と、参照信号生成部120から出力されたプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”との相関電圧を演算する。
【0148】
なお、第1から第3の実施の形態において、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”については説明の容易のため区別しなかったが、例えば、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、受信信号の直交成分(QCH又はQ信号)用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がある。例えば、セレクタ125は、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を出力する。また、送信装置200のフレーマ201は、サブフレームの先頭シンボルにプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を割り当てるときは、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の双方を割り当てる。第1の相関演算器131は、例えば、受信したI信号のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、参照信号生成部120から出力されたI信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とで相関電圧を演算する。
【0149】
なお、図13〜図14(B)に示す相関電圧は、例えば、I信号用のプリアンブルパターンに対する相関電圧(以下、I信号用相関電圧)を示す。Q信号用のプリアンブルパターンに対する相関電圧(以下、Q信号用相関電圧)は、例えば、I信号用相関電圧と同じタイミングにおいて相関ピーク電圧となるように推移する。この場合、例えば、I信号用相関電圧の相関ピーク電圧が前半(例えば後半プリアンブルの前半)にあるとき、Q信号用相関電圧の相関ピーク電圧は後半(例えば後半プリアンブルの後半)にある。例えば、I信号用相関電圧とQ信号用相関電圧は、前半と後半の互いに異なる期間でピークとなっている。
【0150】
第2の相関演算器132は、例えば、乗算器106から出力されたQ信号と、参照信号生成部120から出力されたQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”との相関電圧を演算する。なお、第1の相関演算器131がQ信号用で、第2の相関演算器132がI信号用の各相関演算器でもよい。
【0151】
次にこの第1及び第2の相関演算器131,132の各構成例について説明する。図16は第1の相関演算器131の構成例を示す図である。第2の相関演算器132は入力されるプリアンブルパターンと受信信号とがI信号用のものかQ信号用のものかによる違いのため、説明は省略する。
【0152】
第1の相関演算器131は、第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512、第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512、及び加算器1312を備える。第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512と、第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512、及び加算器1312は、例えば、FIRフィルタと同様の構成となっている。
【0153】
例えば、I信号の各サンプルが第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512でサンプル毎に遅延され、遅延された各サンプルが第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512でI信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”と乗算される。乗算された各サンプルは、加算器1312で順次加算され、I信号に対する相関電圧値が第1の相関演算器131から出力される。タップ数は、例えば、1シンボルに含まれるビット数(512ビット)分あり、よって、第1の相関演算器131は、I信号用相関電圧値として512個の相関電圧値を出力する。第2の相関演算器132についても、例えば、512個のQ信号用相関電圧値を出力する。
【0154】
図15に戻り、電力変換部133は、I信号の相関電圧値とQ信号の相関電圧値とを相関電力に変換する。図17は電力変換部133の構成例を示す図である。
【0155】
電力変換部133は、2つの乗算器1311,1332と、加算器1333とを備える。2つの乗算器1311,1322は、夫々I信号及びQ信号の相関電圧値どうしを乗算し、加算器1333は乗算された2つの相関電圧値を加算して相関電力を出力する。
【0156】
図15に戻り、電力変換部133は変換した相関電力をピーク検出部134に出力する。
【0157】
ピーク検出部134は、例えば、ピーク検出部108と同様の構成であり、1無線フレーム期間などの所定期間において、相関電力が最大となる相関ピーク電力を検出する。ここでは、ピーク検出部134は、例えば、前半プリアンブルと後半プリアンブルに割り当てられたプリアンブルパターンに対して、どちらの方において相関ピーク電力が得られたかの情報を検出し、バッファ135に出力してもよい。
【0158】
バッファ135は、第1及び第2の相関演算器131,132から夫々出力されたI信号用相関電圧及びQ信号用相関電圧を記憶し、ピーク検出部134から出力された、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブル(前半プリアンブル又は後半プリアンブル)の情報を記憶する。
【0159】
位相比較部136は、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルにおいて、前半と後半に分けて、それぞれの相関ピーク電圧から位相回転量を演算する。例えば、位相比較部136は、バッファ135から、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルの情報を読み出し、当該プリアンブルのI信号用相関電圧及びQ信号用相関電圧をバッファ135から読み出す。そして、位相比較部136は、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルを前半と後半の区間に分けて、前半のI信号用相関電圧の相関ピーク電圧と後半のI信号用相関電力の相関ピーク電圧とを抽出する。更に、位相比較部136は、抽出した前半のI信号用の相関ピーク電圧とI信号用の相関ピーク電圧との差からI信号用の位相回転量を求める。位相比較部136は、Q信号用相関電圧についても同様に、前半の相関ピーク電圧と後半の相関ピーク電圧の差からQ信号用の位相回転量を求める。位相比較部136は、I信号用の位相回転量とQ信号用の位相回転量とを出力する。
【0160】
位相回転部137は、バッファ135から読み出したI信号用相関電圧に対して、位相比較部136から出力されたI信号用の位相回転量分の位相回転を行い、バッファ135から読み出したQ信号用相関電圧に対して、Q信号用の位相回転量分の位相回転を行う。位相回転部137からは、位相回転され、周波数偏差が除去されたI信号用相関電圧とQ信号用相関電圧とが出力される。例えば、図14(B)は位相回転部137から出力されるI信号用相関電圧(又はQ信号用相関電圧)の推移例を示す図である。
【0161】
電圧積分部138は、位相回転部137から出力されたI信号用相関電圧とQ信号用相関電圧とに対して、夫々積分を行う。この積分により、例えば図14(B)のI信号用相関電圧は、相関ピーク電圧が4つあるため、4倍の相関ピーク電圧が得られる。電圧積分部138の出力は、積分を行わない場合と比較して、更に高い相関ピーク電圧となる。これにより、例えば、2シンボル分のエネルギーが利用された相関ピーク電圧が得られる。
【0162】
電力変換部139は、電圧積分部138から出力される、I信号とQ信号夫々に対する相関ピーク電圧から相関電力を出力する。電力変換部139の構成例は、例えば、電力変換部133と同様に図17に示される。相関電力は、例えば図4に示す閾値判定部109に出力される。
【0163】
本第4の実施の形態における動作例は先に説明したが、例えば、送信装置200は第3の実施の形態と同様に図9に示すフローチャートにより動作する。この場合、送信装置200は、S12において、1サブフレームの2シンボル区間に基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”とを夫々割り当てて送信する。また、受信装置100も、例えば第3の実施の形態と同様に図10に示すフローチャートにより動作する。この場合、受信装置100は、S23の処理において、相関電圧から位相回転量を求め、相関電圧を位相回転させて積分し、積分した相関電圧から相関ピーク電力値を検出するようにすればよい。
【0164】
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。第2の実施の形態から第4の実施の形態において、送信装置200と受信装置100の各構成例は図3及ぶ図4を夫々用いて説明した。図3及び図4に示す各構成例以外でも第2から第4の実施の形態は実施できる。図18は送信装置200と受信装置100の各構成例を含む無線通信システム10の例を示す図である。
【0165】
送信装置200は、更に、ROM(Read Only Memory)250と、FPGA(Field-Programmable Gate Array)251、及び集積回路252を備える。ROM250は、例えば、図3に示すフレーマ201からディジタルフィルタ207までの各ブロックと、サブフレームカウンタ215、及びプリアンブル生成部220(第3及び第4の実施の形態では更にシンボルカウンタ216)に関する回路設計に関する情報を記憶する。FPGA251は、ROM250から回路設計に関する情報を読み出すことで、フレーマ201からディジタルフィルタ207までの各機能と、サブフレームカウンタ215、及びプリアンブル生成部220(第3及び第4の実施の形態では更にシンボルカウンタ216)の各機能を実現できる。集積回路252は、ディジタル・アナログ変換部208と送信フィルタ209の各機能を実現する回路である。第2の実施の形態などで説明した拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”の生成や、シンボル区間へのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の割り当てなどは、FPGA251とROM250との協調動作により実現される。なお、FPGA251で行われる処理はDSP(Digital Signal Processor)でも実現可能である。
【0166】
一方、受信装置100は、更に、集積回路151と、FPGA153、及びROM152とを備える。集積回路151は、例えば、受信フィルタ102とアナログ・デジタル変換部103の各機能を実現する回路である。また、ROM152は、遅延器104からデマッピング部115、及び参照信号生成部120の回路設計に関する情報を記憶する。FPGA153は、ROM152から回路設計に関する情報を読み出して、遅延器104からデマッピング部115、及び参照信号生成部120の各機能を実現することができる。
【0167】
これら図18に示す送信装置200と受信装置100の各構成例においても、第2から第4の実施の形態において説明したものを実施できる。
【0168】
上述した第2から第4の実施の形態において、送信装置200は端末装置、受信装置100は基地局装置であるものとして説明した。例えば、送信装置200が基地局装置、受信装置100が端末装置でも第2から第4の実施の形態を実施できる。この場合、下りリンク通信において、SC‐OFDM方式による送信信号が送信される。あるいは、基地局装置と端末装置に双方とも送信装置200と受信装置100とを含むようになっていてもよい。この場合、下りリンク通信も上りリンク通信も双方とも、SC‐OFDM方式による送信信号が送信及び受信される。
【0169】
また、第2の実施の形態では、1番目のサブフレームから3番目のサブフレームに対して、基準プリアンブルパターン“PtnA”から2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられる例を説明した。例えば、各サブフレームに割り当てるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順序はどのようなものでもよい。例えば、1番目のサブフレームに2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”、2番目のサブフレームに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”が割り当てられてもよい。この場合、受信装置100の参照信号生成部120は、かかる順番でプリアンブルパターン“PtnC”〜“PtnA”を1無線フレーム毎に相関器107に出力するようにすることができる。
【0170】
また、3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”ではなく、3つのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを用いてもよい。例えば、1番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”、2番目のサブフレームに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”とすることもできる。この場合も、受信装置100の参照信号生成部120は、かかる順番で1無線フレーム毎にプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”を相関器107に出力する。
【0171】
更に、第3の実施の形態では、基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”とを2シンボル区間に割り当てる例について説明した。例えば、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の任意の2つのプリアンブルパターンを2シンボル区間に割り当てることもできる。例えば、1サブフレーム目に2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”、2サブフレーム目に異なるプリアンブルパターン“PtnC”,“PtnD”とすることもできる。更に、拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかが各サブフレームに割り当てられ、残りのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を順に各サブフレームに割り当てて2シンボル分のプリアンブルパターンとするようにしてもよい。いずれの場合も、受信装置100の参照信号生成部120は、サブフレームが出現する順にプリアンブルパターンを相関器107に出力するようにすることができる。
【0172】
更に、第3の実施の形態では、1サブフレームに2つの異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を割り当てる例について説明した。例えば、1サブフレームに3つ以上の異なるプリアンブルパターンを3シンボル以上の各シンボルに割り当てるようにしてもよい。かかる場合は、第3の実施の形態よりも1サブフレームに含まれるプリアンブルパターンの個数及び種類が多いため、第3の実施の形態よりも早く同期タイミングを得る可能性が高くなる。
【0173】
以上まとめると付記のようになる。
【0174】
(付記1)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【0175】
(付記2)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する
ことを特徴とする送信方法。
【0176】
(付記3)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【0177】
(付記4)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0178】
(付記5)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く前記第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0179】
(付記6)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターン以外の前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、
前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間の第3のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられた前記プリアンブルパターンが割り当てられ、前記第3のシンボル期間に続く第2のサブフレーム期間における第4のシンボル期間において、前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれのシンボル期間においても割り当てられていないプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0180】
(付記7)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間に前記第1のプリアンブルパターンが割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間に前記第2のプリアンブルパターンが割り当てられ、前記第2のサブフレーム期間に続く第3のサブフレーム期間に前記第3のプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記第1のプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記第2のプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記第3のプリアンブルパターンを出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0181】
(付記8)
前記検出部は、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと、前記受信信号との相関ピーク電力値を夫々演算し、少なくとも一つの相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして検出することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0182】
(付記9)
前記検出部は、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧とを検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記5記載の受信装置。
【0183】
(付記10)
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記9記載の受信装置。
【0184】
(付記11)
前記検出部は、前記第1又は第3のシンボル期間に割り当てたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2又は第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧を検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記6記載の受信装置。
【0185】
(付記12)
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記10記載の受信装置。
【0186】
(付記13)
前記受信装置は、基地局装置又は端末装置であることを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0187】
(付記14)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出し、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う
ことを特徴とする受信方法。
【0188】
(付記15)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信装置から受信装置に送信する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する第1のプリアンブルパターン生成部と、
前記第1のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記第1から第3のプリアンブルパターンのうち前記第1のプリアンブルパターン生成部が出力するプリアンブルパターンを出力する第2のプリアンブルパターン生成部と、
前記第2のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【符号の説明】
【0189】
10:無線通信システム 100:受信装置
107:相関器 108:ピーク検出部
109:閾値判定部 111:FFT部
113:IDFT部 115:デマッピング部
120:参照信号生成部 121:リファレンス信号出力部
122:1ビット拡張部 123:2ビット拡張部
124:フレームカウンタ 125:セレクタ
135:バッファ 136:位相比較部
137:位相回転部 138:電圧積分部
200:送信装置 201:フレーマ
203:FFT(DFT)部 205:IFFT部
215:サブフレームカウンタ 216:シンボルカウンタ
220:プリアンブル生成部 221:リファレンス信号出力部
222:1ビット拡張部 223:2ビット拡張部
224:セレクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話システムや無線LAN(Local Area Network)などの無線通信システムが広く利用されている。また、無線通信の分野では、通信速度や通信容量を更に向上させるべく、次世代の無線通信技術について継続的に活発な議論が行われている。
【0003】
このような無線通信技術における通信方式の一つとして、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式がある。図19(A)はOFDM方式による送信装置150の構成例を示す図である。OFDM方式は、例えば、周波数帯域を複数の周波数帯域(又はサブキャリア)に分割し、直交する各周波数帯域に情報データなどをマッピングさせて送信する通信方式である。そのため、OFDM方式は他の方式と比較して周波数利用効率が優れているという特徴を有している。しかし、OFDM方式は、例えば、ランダムな周波数軸上の情報データをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)処理することによって時間軸信号が生成される。そのため、OFDM方式は、他の通信方式と比較してPAPR(Peak to Averaged Power Ratio:ピーク対平均電力比)が高くなるという特徴がある。
【0004】
また、通信方式の一つとしてSC‐OFDM(Single Carrier-OFDM)方式も注目されている。図19(B)はSC‐OFDM方式による送信装置160の構成例を示す図である。SC‐OFDM方式は、例えば、周波数帯域を分割し、複数の端末間で異なる周波数帯域を用いて送信する通信方式である。SC‐OFDM方式は、OFDM方式と比較して、時間軸信号の振幅変動が少なく、PAPRを低くすることができる。そのため、SC‐OFDM方式による送信装置160は、OFDM方式による送信装置150と比較して、消費電力を低くすることができる。
【0005】
このような送信装置150,160は、OFDM方式とSC‐OFDM方式、いずれの場合でも、プリアンブル信号と複数のデータ信号とを含む送信信号を無線フレームとして受信装置に送信している。この中でプリアンブル信号は、送信装置150,160と受信装置との間で互いに既知となるビットパターンを含んでおり、例えば、受信装置における受信同期に用いられる。例えば、受信装置は、プリアンブル区間において相関ピーク電力を検出し、相関ピーク電力を検出した時間を基準にして受信同期を確立するようにしている。図20(A)は、受信装置において測定された、プリアンブル区間における相関電力の例を示す図である。同図(A)において横軸が時間、縦軸が相関電力を表わす。この例では1無線フレーム中に3シンボル分のプリアンブル信号があり、そのため、同図(A)において相関ピーク電力となる部分は3つある。受信装置は、例えば、相関ピーク電力と2番目に大きい相関電力との差が閾値以上のとき、相関ピーク電力となるときの時間を抽出し、当該時間を基準にして受信同期を確立するようにしている。
【0006】
なお、このようなプリアンブルに関する技術としては以下のようなものがある。例えば、プリアンブルパターンについて、「P2」と、「P2」に対して位相を反転させた「−P2」の2つのサブパターンが送信されることで、シングルキャリア方式にてMIMO方式を実現する場合に、プリアンブル期間の増加を抑制するようにしたものがある。
【0007】
また、プリアンブルコードの相互相関特性と自己相関特定を夫々利用してプリアンブルコードを識別し、整数キャリア周波数オフセットを推定することで、キャリア周波数オフセットがある環境においてもプリアンブルコードを早く正しく検出するようにした装置などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009‐135866号公報
【特許文献2】特開2008‐236744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
送信装置150,160から送信された無線信号は、建物による反射など複数の伝搬経路により受信装置で受信されることもある。複数の異なった伝搬経路による無線信号が干渉するようになり、受信装置では無線信号の受信強度が激しく変動することがある。このような現象をマルチパスフェージングと称することがある。マルチパスフェージングの無線通信環境下において、特定のサブキャリア又は周波数がマルチパスフェージングの影響を受けることがある。図21は、受信装置における受信信号の周波数スペクトラムの例を示す図であり、横軸は周波数、縦軸は受信電力を表わしている。図20において、矢印で表わす周波数は他と比較して受信電力が低くなっており、マルチパスフェージングの影響を受けている。
【0010】
一方、OFDM方式の場合、周波数領域においてデータパターンを各サブキャリアにマッピングしているため(例えば図19(A))、システム周波数の全サブキャリアに亘りデータがマッピングされ、送信電力はシステム周波数帯域でほぼ同じとなる。このため、OFDM方式の場合、送信スペクトラムはデータパターンに依存することはない。
【0011】
しかし、SC‐OFDM方式の場合、DFT処理により周波数領域への変換処理が含まれるため(例えば図19(B))、変換後のサブキャリアにおいてデータがマッピングされないサブキャリアも存在する場合もある。このような場合、送信電力は全周波数帯域で同じにならず、送信スペクトラムはデータパターンに依存することになる。したがって、SC‐OFDM方式の場合、プリアンブルパターンによっては、特定のサブキャリアに電力のピークがきたり、特定のサブキャリアに電力が偏るようなパターンも存在する。
【0012】
そのようなピークとなるサブキャリアが、例えば、マルチパスフェージングの影響を受けると、プリアンブル区間の相関電力特性も影響を受けることになる。例えば、図20の受信スペクトラムにおいてマルチパスフェージングの影響を受けているサブキャリアに、送信スペクトラムの電力がピークとなるようなプリアンブルパターンなどが相関電力特性に影響を受けることになる。このような場合、例えば、プリアンブル区間の相関電力が想定している相関ピーク電力まで達しない場合や、本来、相関ピーク電力が得られるタイミング以外のタイミングで相関ピーク電力が検出される場合などがある。図20(B)はマルチパスフェージングの影響の受けた場合のプリアンブル区間における相関電力の例を示す図である。同図(B)の場合、相関ピーク電力と2番目の相関電力との差が閾値より小さい、或いは相関ピーク電力が図20(A)の場合よりも低くなっている。このような場合、受信装置は、相関ピーク電力のタイミングを基準にすることができず、プリアンブルパターンに基づいて受信同期を確立できなくなる。
【0013】
また、上述した、位相を反転させた2つのサブパターンによりプリアンブルを送信する技術においても、位相を反転させただけであり、SC‐OFDM方式により送信しているため、特定のサブキャリアに電力が偏る場合もある。したがって、かかる技術は、2つのサブパターンともにマルチパスフェージングの影響により、プリアンブル区間の相関特性に影響を受ける場合もある。
【0014】
更に、整数キャリア周波数オフセットを推定する技術の場合でも、既知のプリアンブルパターンがそのまま送信されるため、SC‐OFDM方式により送信した場合、特定のサブキャリアに電力が偏るなどして、マルチパスフェージングの影響を受ける場合がある。
【0015】
従って、いずれの技術においても、プリアンブル区間において特定のサブキャリアがマルチパスフェージングの影響を受けてしまい、受信同期を確立することができない場合がある。
【0016】
そこで、本発明の一目的は、マルチパスフェージング環境においても正確な同期タイミングを得ることができる送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一態様によれば、送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備える。
【発明の効果】
【0018】
マルチパスフェージング環境においても正確な同期タイミングを得ることのできる送信装置、送信方法、受信装置、受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図2】図2は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図3】図3は送信装置の構成例を表わす図である。
【図4】図4は受信装置の構成例を表わす図である。
【図5】図5(A)は基準プリアンブルパターン、図5(B)は1ビット拡張されたプリアンブルパターン、図5(C)は2ビット拡張されたプリアンブルパターンのビット列の例を夫々表わす図である。
【図6】図6はサブフレームの構成例を表わす図である。
【図7】図7(A)は無線フレームの構成例、図7(B)から図7(D)は各プリアンブルパターンのビット列の例を夫々表わす図である。
【図8】図8(A)から図8(C)はプリアンブルパターンの送信スペクトラムの例を夫々表わす図である。
【図9】図9は送信装置における動作例を表わすフローチャートである。
【図10】図10は受信装置における動作例を表わすフローチャートである。
【図11】図11(A)はサブフレーム、図11(B)は無線フレームの構成例を夫々表わす図である。
【図12】図12は送信装置の構成例を表わす図である。
【図13】図13はプリアンブル区間における相関電圧の推移の例を表わす図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)はプリアンブル区間における相関電圧の推移の例を夫々表わす図である。
【図15】図15は相関器の構成例を表わす図である。
【図16】図16は第1の相関演算器の構成例を表わす図である。
【図17】図17は電圧変換部の構成例を表わす図である。
【図18】図18は無線通信システムの構成例を表わす図である。
【図19】図19(A)はOFDM方式の送信装置、図19(B)はSC‐OFDM方式の送信装置の構成例を夫々表わす図である。
【図20】図20(A)及び図20(B)はプリアンブル区間の相関電力の例を夫々表わす図である。
【図21】図21は受信スペクトラムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0021】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、送信装置200と受信装置100を含む。送信装置200は、送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信する。また、受信装置100は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。
【0022】
送信装置200は、第1のプリアンブルパターン生成部260と送信部261、及びアンテナ210を備える。
【0023】
第1のプリアンブルパターン生成部260は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する。
【0024】
送信部261は、第1のプリアンブルパターン生成部260から出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む送信信号をアンテナ210に出力する。
【0025】
アンテナ210は、送信部261から出力された送信信号を受信装置100に無線送信する。
【0026】
一方、受信装置100は、アンテナ101と、第2のプリアンブルパターン生成部160、検出部161、及び受信処理部162を備える。
【0027】
アンテナ101は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。アンテナ101は送信信号を受信信号として検出部161と受信処理部162に出力する。
【0028】
第2のプリアンブルパターン生成部160は、第1から第3のプリアンブルパターンのうち第1のプリアンブルパターン生成部260が出力するプリアンブルパターンを出力する。すなわち、第2のプリアンブルパターン生成部160は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをnビット及びkビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する。
【0029】
検出部161は、第2のプリアンブルパターン生成部160から出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する。
【0030】
受信処理部162は、検出した同期タイミングに同期して受信信号に対する受信処理を行う。
【0031】
このように、送信装置200は、第1のプリアンブルパターンの各ビットをnビット及びkビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む送信信号を送信する。そして、受信装置100は、かかる送信信号と、第1から第3のプリアンブルパターンのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンとにより同期タイミングを検出し、検出した同期タイミングで受信処理を行う。
【0032】
第2及び第3のプリアンブルパターンは、第1のプリアンブルパターンのビットを所定数個連させたビット列を含むため、特定のサブキャリアに電力が偏らないプリアンブルパターンが出力される。受信装置100は、第1から第3のプリアンブルパターンのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを用いて同期タイミングを検出することで、2つのうちいずれか一つのプリアンブルパターンで正確な同期タイミングを検出することができる。従って、マルチパスフェージングの環境により一方のプリアンブルパターンが影響を受けても、他方のプリアンブルパターンにより正確が同期タイミングを得ることができる。よって、正確な同期タイミングを得ることのできる受信装置100や送信装置200が提供できる。
【0033】
[第2の実施の形態]
<全体構成例>
次に、第2の実施の形態について説明する。図2は第2の実施の形態における無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、基地局装置(以下、「基地局」)100と端末装置(以下、「端末」)200‐1〜200‐3を備える。
【0034】
基地局100は、1又は複数のセルを有し、各セル範囲内において端末200‐1〜200‐3に対して、無線通信により音声通話や映像配信など種々のサービスを提供する。また、基地局100は複数の端末200‐1〜200‐3と並列に無線通信可能である。一方、端末200‐1〜200‐3は基地局100と接続して無線通信を行う。端末200‐1〜200‐3は、例えば、携帯電話や情報携帯端末などである。なお、端末200‐1〜200‐3は1台でも複数台でもよい。
【0035】
基地局100と端末200‐1〜200‐3は、双方向に無線通信が可能である。すなわち、基地局100は端末200‐1〜200‐3にデータ信号や制御信号などを送信することができ(下りリンク通信)、端末200‐1〜200‐3は基地局100にデータ信号や制御信号などを送信することができる(上りリンク通信)。基地局100は、下りリンク通信と上りリンク通信についてスケジューリングを行い、無線リソースを割り当てて無線通信を行う。スケジューリングした結果を表わすスケジューリング情報は、例えば制御信号として、基地局100から端末200‐1〜200‐3に適宜送信される。
【0036】
なお、本第2から第4の実施の形態において、例えば、端末200‐1〜200‐3(以下、特に断らない限り「端末200」として説明する)を送信装置、基地局100を受信装置とし、上りリンク通信の場合について説明する。この場合、端末200(又は送信装置200)は、SC‐OFDM方式により、データ信号やプリアンブル信号(又は参照信号)などを基地局100(又は受信装置100)に送信するものとする。なお、このようなデータ信号などの送信については、SC‐OFDM方式以外にも、SC‐OFDMA(Single Carrier-Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式やSC‐FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)方式も適用可能である。
【0037】
次に、送信装置200と受信装置100の各構成例を説明する。図3は送信装置200、図4は受信装置100の各構成例を示す図である。最初に送信装置200の構成例を説明し、次に受信装置100の構成例を説明する。
【0038】
<送信装置200の構成例>
送信装置200は、フレーマ(Framer)201、シリアル・パラレル変換部(S/P)202、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換、又はDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換 ))部203、サブキャリアマッピング部204、IFFT(Inverse FFT:逆高速フーリエ変換)部205、パラレル・シリアル変換部(P/S)206、ディジタルフィルタ207、ディジタル・アナログ変換部(D/A Conv)208、送信フィルタ(TX Filter)209、アンテナ210、サブフレームカウンタ215、プリアンブル生成部220とを備える。
【0039】
フレーマ201は、時間領域の送信データ信号に対してQPSKや16QAMなどの変調処理を行う。フレーマ201は、例えば、受信装置100から予め受信したスケジューリング情報に従って変調処理を行う。また、フレーマ201は、変調後の送信データ信号とプリアンブル生成部220から出力されたプリアンブル信号とに基づいてサブフレームを生成し、生成したサブフレームから無線フレームを生成する。この場合、フレーマ201は、サブフレームカウンタ215から出力されたカウント値に基づいてサブフレームと無線フレームを生成することができる。例えば、カウント値が1サブフレーム目を示す値のとき、フレーマ201は、1サブフレーム目のサブフレームを生成するなど、カウント値に対応するサブフレームを順次生成する。そして、フレーマ201は、カウント値が1無線フレーム内のサブフレームの個数に対応する値のとき、生成した各サブフレームから無線フレームを生成し、生成した無線フレームを出力する。
【0040】
シリアル・パラレル変換部202は、無線フレーム内の送信データ信号とプリアンブル信号などをパラレル形式に変換する。後段のFFT部203のポイント数が「M」個のとき、シリアル・パラレル変換部202は、パラレル形式に変換されたM個の出力を同時に出力することができる。
【0041】
FFT部203は、パラレル形式に変換された送信データ信号とプリアンブル信号などを高速フーリエ変換することで、時間領域の送信データ信号とプリアンブル信号などを周波数領域のサブキャリア信号に変換する。例えば、高速フーリエ変換を行うときのポイント数はM個である。
【0042】
サブキャリアマッピング部204は、例えば、スケジューリング情報に従って、自局に割り当てられた周波数帯域のサブキャリア信号をIFFT部205に出力し、自局に割り当てられた周波数帯域以外の帯域に対して「0」を割り当てる。また、サブキャリアマッピング部204は、送信パワーのないDCサブキャリアに対して「0」を割り当てる。後段のIFFT部205のポイント数が「N」(N>M)個のとき、サブキャリアマッピング部204は、N個のサブキャリア信号を出力することができる。
【0043】
IFFT部205は、周波数領域のサブキャリア信号に対して、逆高速フーリエ変換を行うことで、時間領域の信号に変換する。
【0044】
パラレル・シリアル変換部206は、IFFT部205から出力された時間領域の信号をシリアル形式に変換する。
【0045】
ディジタルフィルタ207は、例えば、パラレル・シリアル変換部206から出力された時間領域の信号に対して、所定の周波数帯域に制限した時間領域の信号を出力する。
【0046】
ディジタル・アナログ変換部208は、ディジタルフィルタ207から出力された時間領域の信号をアナログ信号に変換する。
【0047】
送信フィルタ209は、ディジタル・アナログ変換部208から出力されたアナログ信号に対して雑音成分を除去するなどして無線周波数帯域の送信信号を出力する。
【0048】
アンテナ210は、送信フィルタ209から出力された送信信号を受信装置100に無線送信する。このように送信装置200は、例えば、送信データ(又は送信データ列)を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する。
【0049】
サブフレームカウンタ215は、例えば、サブフレームの個数をカウントし、サブフレームの先頭のタイミングでカウント値をプリアンブル生成部220とフレーマ201に出力する。例えば、サブフレームカウンタ215は、1番目のサブフレームの先頭のタイミングでカウント値「1」を出力し、2番目のサブフレームの先頭のタイミングでカウント値「2」を出力する。
【0050】
プリアンブル生成部220は、プリアンブル信号を生成してフレーマ201に出力する部分であり、リファレンス信号出力部221と、1ビット拡張部222と、2ビット拡張部223と、セレクタ224とを備える。
【0051】
リファレンス信号出力部221は、既知のプリアンブルパターンを記憶し、記憶したプリアンブルパターンをプリアンブル信号として適宜出力する。そのため、リファレンス信号出力部221は、例えば内部にメモリを備え、メモリ内にプリアンブルパターンを記憶する。リファレンス信号出力部221が記憶するプリアンブルパターンは、本第2の実施の形態においては基準となるプリアンブルパターン(以下、“PtnA”)であり、例えば、ユニークな512個のデータビット列で表わされる。図5(A)は、基準となる“PtnA”のデータビット列の例を示す。リファレンス信号出力部221は、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”を基準プリアンブル信号として出力する。
【0052】
1ビット拡張部222は、リファレンス信号出力部221から出力された基準プリアンブル信号に対して、1ビット拡張した新たなプリアンブルパターンを生成し、生成したプリアンブルパターンを1ビット拡張したプリアンブル信号として出力する。「1ビット拡張」とは、例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半のビット列が取り出され、取り出した基準のプリアンブルパターン“PtnA”の各ビットを2ビット連続させて、1ビット拡張させる操作のことである。例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”のビット“1”を“11”、“−1”を“−1−1”とする操作のことである。図5(B)は、512個のビット列である基準のプリアンブルパターン“PtnA”に対して、前半の256個のビット列が取り出されて生成された、1ビット拡張したプリアンブルパターン(以下、“PtnB”)の例を示す。
【0053】
2ビット拡張部223は、リファレンス信号出力部221から出力された基準プリアンブル信号に対して、2ビット拡張したプリアンブルパターンを生成し、生成したプリアンブルパターンを2ビット拡張したプリアンブル信号として出力する。「2ビット拡張」とは、例えば、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を生成する基になった、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半のビット列から所定個のビット列が取り出され、各ビットを3ビット連続させ2ビット拡張させる操作のことである。例えば、基準となるプリアンブルパターン“PtnA”の前半256個のうち前半の171個のビット列が取り出され、“1”を“111”、“−1”を“−1−1−1”とする操作のことである。図5(C)は、2ビット拡張したプリアンブルパターン(以下、“PtnC”)の例を示す。この場合、一部のビットが512個のビット列からはみ出す場合があるが、このような場合、はみ出したビットを破棄して512個のビット列に合わせるようにすればよい。
【0054】
このように、プリアンブル生成部220は、基準のプリアンブルパターン“PtnA”に対して、ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を生成している。このように、プリアンブル生成部220がプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を生成するのは、生成したプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の各々について特定のサブキャリアに電力が偏らないようにしているためである。詳細は後述する。
【0055】
セレクタ224は、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、基準プリアンブル信号、1ビット拡張されたプリアンブル信号、又は2ビット拡張されたプリアンブル信号のいずれか一つをフレーマ201に出力する。例えば、セレクタ224は、カウント値が1サブフレーム目を示すとき基準プリアンブル信号を出力し、2サブフレーム目を示すとき1ビット拡張されたプリアンブル信号を出力し、3サブフレーム目を示すとき2ビット拡張されたプリアンブル信号を出力する。
【0056】
尚、以降の説明において、セレクタ224からの出力について、基準プリアンブル信号を基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張されたプリアンブル信号を1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”など、断らない限り同じ意味で用いるものとする。
【0057】
これにより、フレーマ201では、例えば、1サブフレーム目には基準プリアンブルパターン“PtnA”、2サブフレーム目には1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”が割り当てられた無線フレームが形成される。また、3サブフレーム目には2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられた無線フレームが形成される。
【0058】
なお、サブフレームカウンタ215は、1無線フレーム内に含まれるサブフレームの全個数をカウントした後リセットし、再び最初からカウントする。1無線フレーム内のサブフレームの個数が「3」のとき、サブフレームカウンタ215は、3サブフレーム目をカウントした後、再び1サブフレーム目をカウント値として出力する。そのため、セレクタ224は、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を選択して出力した後、例えば、カウント値が「1」のとき、再び基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力する。
【0059】
<サブフレームと無線フレームの各構成例>
次に、このようにフレーマ201において形成され、受信装置100に送信されるサブフレームと無線フレームの構成例について説明する。図6はサブフレームの構成例を示す図である。1つのサブフレームは、1個のプリアンブルシンボルと複数個(例えばL個)のデータシンボルとを含む。例えば、プリアンブルシンボルにはプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”のいずれかが割り当てられている。データシンボルの夫々にはデータ信号が割り当てられる。
【0060】
なお、各シンボルには、シンボル間干渉を防ぐため、ガードインターバル(GI)が挿入されている。例えば、各シンボルの終端の複数サンプルを複製して、各シンボルの先頭部分に挿入することでガードインターバルが形成される。
【0061】
図7(A)は1無線フレームの構成例を示す図である。この例は、1無線フレームは3個のサブフレームを含んでいる。そして、1サブフレーム目には基準プリアンブルパターン“PtnA”、2サブフレーム目には1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、3サブフレーム目には2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられている。
【0062】
このようなプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”は、その電力スペクトラムが夫々異なり、特定の周波数に電力が偏らないものとなっている。その理由について以下説明する。
【0063】
図7(B)〜図7(D)は各プリアンブルパターンの波形図の例を夫々示している。基準プリアンブルパターン“PtnA”の周波数を「Fa」Hzとするとき、図7(C)の例では1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の周波数は、「Fa/2」Hzとなる。これは、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の各ビット列は、基準プリアンブルパターン“PtnA”の各ビット列に対して、2ビット連続したビット列であり、2ビット分、間延びしたビット列となっているためである。例えば、基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列が“1 −1”のとき、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”では“1 1 −1 −1”となり、2ビット間延びしているため、その周波数は半分となる。
【0064】
また、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”は、基準プリアンブルパターン“PtnA”の各ビット列に対して3ビット連続したビット列となっており、3ビット分間延びしたビット列となっている。そのため、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の周波数は、図7(D)の例では、基準プリアンブルパターン“PtnA”の周波数「Fa」に対して、「Fa/3」Hzとなる。
【0065】
なお、図7(B)の例では、基準プリアンブルパターン“PtnA”は、“1”,“−1”,“1”,“−1”と順次、異なるビット列となっているため、その周波数は例えば「Fa」Hzとなり得る。しかし、基準プリアンブルパターンが“1”,“1”など連続するビット列を含んでいても、“1”,“−1”となるパターンがあればその最大周波数は例えば「Fa」Hzとなる。このような基準プリアンブルパターン“PtnA”の場合でも、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の最大周波数は「Fa/2」Hz、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の最大周波数は「Fa/3」Hzとなる。
【0066】
従って、ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”に含まれる周波数成分は、基準プリアンブルパターン“PtnA”に含まれる周波数成分とは異なるものとなる。よって、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”は特定の周波数又はサブキャリアで電力が偏らないものとなっている。
【0067】
図8(A)〜図8(C)はプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の送信周波数スペクトラムの例を夫々示す図である。同図(A)〜同図(C)は、横軸は周波数、縦軸は送信電力を示す。これらの図に示すように、電力がピークとなっている周波数は、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”で異なるものとなっている。上述したように、例えば、ビット拡張によってビット列が「間延び」されることにより、各プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の周波数成分が異なるものとなっているからである。
【0068】
本第2の実施の形態においては、このようなプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がサブフレーム毎に切り替えて送信することで、受信装置100におけるプリアンブルの受信特性を向上させ、正確な同期タイミングを得ることができるようになる。その理由については後述する。
【0069】
また、送信装置200において基準プリアンブルパターン“PtnA”を記憶させるだけで、ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を生成することができる。よって、送信装置200は、すべてのプリアンブルパターンを記憶する場合と比較して記憶する情報量を少なくすることができる。後述する受信装置100においても、基準プリアンブルパターン“PtnA”を記憶しており、全てのプリアンブルパターンを記憶する場合と比較して記憶する情報量を少なくすることができる。
【0070】
<受信装置100の構成例>
次に受信装置100の構成例を説明する。受信装置100は、送信装置200から送信された送信信号を受信する。図4に示すように、受信装置100は、アンテナ101、受信フィルタ(Rx Filter)102、アナログ・デジタル変換部(A/DConv)103、遅延器(Ts)104、複素共役演算部(Image Conj)105、乗算器106、相関器(又は相関部、Correlator)107、ピーク検出部108、閾値判定部109、シリアル・パラレル変換部110、FFT部111、サブキャリアデマッピング部112、IDFT部113、パラレル・シリアル変換部114、デマッピング部115を備える。
【0071】
アンテナ101は、送信装置200から送信された送信信号を受信し、受信信号として出力する。受信信号には、サブフレーム毎に異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”のプリアンブル信号を含む。この受信信号は、例えば、送信データ(又は送信データ列)が周波数領域に変換された信号が時間領域に変換されて送信された信号である。
【0072】
受信フィルタ102は、アンテナ101で受信した受信信号に対して帯域外雑音を除去するなど、帯域制限を行い受信信号として出力する。
【0073】
アナログ・デジタル変換部103は、受信フィルタ102から出力された受信信号をデジタル信号に変換する。
【0074】
遅延器104は、例えば、デジタル信号に変換された受信信号に対して1サンプル分遅延させて出力する。また、複素共役演算部105は、デジタル信号に変換された受信信号に対して複素共役を演算する。乗算器106は、1サンプル遅延された(k−1)サンプル目の受信信号と、複素共役が取られたkサンプル目の受信信号とを乗算して出力する。遅延器104と、複素共役演算部105、及び乗算器106を含む回路は、例えば遅延検波回路であり、受信信号における各サンプルの位相差を除去又は緩和させることができる。このような遅延検波回路が受信装置100に含まれることで、例えば、ローカル信号を生成するための回路などが不要になり回路構成が容易となる。
【0075】
相関器107は、乗算器106(又は遅延検波回路)から出力された受信信号と、参照信号生成部120から出力されたプリアンブルパターンとを入力し、受信信号の相関電力値を出力する。相関器107は、例えば、図21(A)及び同図(B)に示すように、サンプル毎に相関電力値を出力する。
【0076】
ピーク検出部108は、相関器107から出力された相関電力値に対して相関ピーク電力値と当該相関ピーク電力値のタイミングとを検出し、検出した相関ピーク電力値とタイミングとを出力する。ピーク検出部108は、例えば、ある所定期間における相関電力値の最大値を相関ピーク電力として出力する。
【0077】
閾値判定部109は、ピーク検出部108で得られた相関ピーク電力値が閾値より大きいか否かを判定し、閾値より大きいとき当該相関ピーク電力値のタイミングをFFT部111に出力する。これは、受信信号がマルチパスフェージングの影響を受けているとき、影響がない場合と比較して、相関ピーク電力値が著しく低くなることが多いからである。よって、閾値判定部109は、相関ピーク電力値が閾値を超えた場合に正確なシンボル同期タイミングが得られたと判定するようにしている。閾値判定部109は、ピーク検出部108で得られた相関ピーク電力値が閾値以下のとき、当該相関ピーク電力値のタイミングを出力せず、例えば破棄する。
【0078】
シリアル・パラレル変換部110は、デジタル信号に変換された受信信号をパラレル形式に変換して出力する。例えば、シリアル・パラレル変換部110は、N個の受信信号を並列に出力することができる。
【0079】
FFT部111は、パラレル形式の受信信号に対して、高速フーリエ変換処理を施し、時間領域の受信信号を周波数領域の受信信号に変換する。また、FFT部111は、高速フーリエ変換処理を行うとき、閾値判定部109から出力されたタイミング(例えばシンボル同期タイミング)に同期して、すなわち、受信信号に含まれるプリアンブル信号に同期して高速フーリエ変換処理を行うことができる。
【0080】
サブキャリアデマッピング部112は、周波数領域の受信信号に対して、送信装置200が送信したサブキャリアを抽出する。例えば、サブキャリアデマッピング部112は、周波数軸上に所定間隔で並ぶサブキャリアのうち、スケジューリング情報に従って、送信装置200に対してスケジューリングしたサブキャリアを抽出する。例えば、サブキャリアデマッピング部112は、M個のサブキャリアを抽出する。サブキャリアデマッピング部112は、抽出したサブキャリアをIDFT部113に出力する。
【0081】
IDFT部113は、抽出したサブキャリアに対して、逆離散フーリエ変換処理を施すことで、周波数領域の受信信号を時間領域の受信信号に変換する。
【0082】
パラレル・シリアル変換部114は、パラレル形式のIDFT部113の出力信号をシリアル形式に変換する。
【0083】
デマッピング部115は、送信装置200において行われた変調方式(QPSKや16QAMなど)に対応して、パラレル・シリアル変換部114から出力される受信信号に対して復調処理を行う。復調処理は、例えば、スケジューリング情報に従って行われる。デマッピング部115は、復調処理により、受信信号の同相成分(I信号)と直交成分(Q信号)にマッピングされたデータビット列を抽出することができ、抽出したデータビット列(例えばM個)を後段の処理部に出力する。
【0084】
参照信号生成部120は、リファレンス信号出力部121と、1ビット拡張部122と、2ビット拡張部123と、フレームカウンタ124、及びセレクタ125を備える。
【0085】
リファレンス信号出力部121は、送信装置200のリファレンス信号出力部221で保持した基準プリアンブルパターン“PtnA”と同じ基準プリアンブルパターン“PtnA”を保持し、適宜出力する。リファレンス信号出力部121は、例えば、内部にメモリを備え、メモリ内に基準パターン“PtnA”を記憶することもできる。
【0086】
1ビット拡張部122は、送信装置200の1ビット拡張部222と同様に、リファレンス信号出力部121から出力された基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列のうち、前半のビット列を取り出し、各ビットを連続する操作を行う。そして、1ビット拡張部122は、基準プリアンブルパターン“PtnA”に対して、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を生成し、出力する。
【0087】
2ビット拡張部123は、送信装置200の2ビット拡張部223と同様に、リファレンス信号出力部121から出力された基準プリアンブルパターン“PtnA”のビット列のうち、1ビット拡張で使用されたビット列のうち所定数個のビット列を取り出す。そして、2ビット拡張部123は、抽出した各ビットを3ビット連続する操作を行うことで、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を生成し、出力する。
【0088】
フレームカウンタ124は、無線フレームの個数をカウントし、例えば無線フレームの先頭のタイミングでカウント値を出力する。フレームカウンタ124は、カウントしたカウント値をセレクタ125に出力する。
【0089】
セレクタ125は、例えば、フレームカウンタ124からのカウント値の入力タイミングとその値に応じて、基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”のいずれかを無線フレーム期間毎に出力する。これにより、セレクタ125は、例えば、最初の無線フレーム期間は基準プリアンブルパターン“PtnA”、次の無線フレーム期間は1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を出力する。更に、セレクタ125は、例えば、3無線フレーム目の期間において2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が出力される。セレクタ125は、1無線フレーム期間は同一のプリアンブルパターンを出力し、次の無線フレーム期間では異なるプリアンブルパターンを出力する。これは、例えば、送信装置200から送信されるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順序に従っており、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順で送信されると、受信装置100はかかる順序でプリアンブルパターンを待ち受けることになる。
【0090】
<プリアンブル信号の受信特性について>
次に、参照信号生成部120から出力された各プリアンブルパターンに基づいて、相関出力を得ることで受信装置100のプリアンブル信号の受信特性が向上する理由について説明する。
【0091】
受信装置100が、例えば、図7(A)に示す無線フレームを受信したときの例で説明する。すなわち、1番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”、2番目のサブフレームに1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を含む送信フレームである。参照信号生成部120は、最初の無線フレーム期間では基準プリアンブルパターン“PtnA”を相関器107に出力する。この場合、相関器107は、1無線フレーム期間において、1番目のサブフレームにおけるプリアンブル区間で相関ピーク電力値が得られることになる。
【0092】
しかし、基準プリアンブルパターン“PtnA”がマルチパスフェージングの影響を受けたときを考える。かかる場合、基準プリアンブルパターン“PtnA”のピーク電力となるはずの特定の周波数において電力が他の周波数より低くなり(例えば図21)、基準プリアンブルパターン“PtnA”に対する相関電力は影響を受けない場合よりも低くなる。この場合の相関器107の出力は、例えば、図21(B)に示すようなものとなる。従って、最初の無線フレーム期間では、閾値判定部109は相関ピーク電力値が閾値以下となり同期タイミングを出力できない。
【0093】
次の無線フレーム期間では、参照信号生成部120は1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を相関器107に出力する。マルチパスフェージングの影響を受けるのは、例えば、基準プリアンブルパターン“PtnA”のピーク電力となる周波数である。この場合、基準プリアンブルパターン“PtnA”と比較して周波数成分が異なり、ピーク電力の周波数が異なるプリアンブルパターン“PtnB”は、マルチパスフェージングの影響を受ける可能性は基準プリアンブルパターン“PtnA”よりも低くなる。よって、相関器107では、2番目のサブフレームのプリアンブル区間において相関ピーク電力値が得られ、例えば、図21(A)に示すような出力が得られる。閾値判定部109は当該相関ピーク電力値が閾値を超えるものと判定して、当該相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして出力することができる。
【0094】
更に、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”に対しても、マルチパスフェージングの影響が及ぶ場合もある。この場合、相関器107から出力される相関ピーク電力値は、影響がない場合と比較して低いものとなる(例えば、図21(B))。
【0095】
このような場合、更に次の無線フレーム期間において同期タイミングが得られるかが判定される。すなわち、参照信号生成部120は2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を相関器107に出力する。2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の周波数成分は2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”とは、ピーク電力となる周波数が異なる。従って、2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”がマルチパスフェージングの影響を受けても、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”はマルチパスフェージングの影響を受ける可能性が低くなる。よって、相関器107から出力される相関ピーク電力値は、閾値判定部109において閾値を超える判定され、当該相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして出力することができる。
【0096】
以上から、本無線通信システム10は、特定の周波数又はサブキャリアが影響を受けるマルチパスフェージングの環境下においても、例えば、周波数成分が異なる3つのプリアンブルパターンのいずれかにより正確な受信同期タイミングを得ることができる。
【0097】
<動作例>
次に動作例について説明する。動作例の一部は既に説明しているため、簡単に説明することにする。最初に送信装置200の動作例について説明する。
【0098】
図9は送信装置200における動作例を表わすフローチャートである。図9に従って動作例を説明する。送信装置200は、処理を開始すると(S10)、記憶した基準プリアンブルパターン“PtnA”に基づいて、1ビット拡張、及び2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”,“PtnC”を夫々生成する(S11)。例えば、プリアンブル生成部220は、サブフレームカウンタ215からのカウント値が「1」のとき、基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力し、カウント値が「2」のとき1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”を出力する。また、プリアンブル生成部220は、カウント値が「3」のとき、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”を出力する。カウント値はその後リセットされ「1」となり、プリアンブル生成部220は、再び、基準プリアンブルパターン“PtnA”を出力する。
【0099】
次いで、送信装置200は、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、QPSKなど変調された送信データとからサブフレームを形成し、更に無線フレームを形成する(S12)。例えば、フレーマ201は、サブフレームカウンタ215からのカウント値が「1」のとき、1番目のサブフレームの先頭シンボルに基準プリアンブルパターン“PtnA”を割り当てる。また、カウント値が「2」のとき、フレーマ201は2番目のサブフレームの先頭シンボルに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を割り当てるようにする。更に、カウント値が「3」のとき、フレーマ201は3番目のサブフレームの先頭シンボルに2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”を割り当てるようにする。以後、フレーマ201は、例えば3サブフレームを1無線フレームとなるように無線フレームを形成する。
【0100】
次いで、送信装置200は、無線フレーム内の各シンボルを周波数領域に変換し、サブキャリアマッピングを行う(S13)。例えば、サブキャリアマッピング部204は、送信装置200に割り当てられたサブキャリアにはプリアンブル信号やデータ信号などが割り当てられているためそのまま出力し、送信装置200に割り当てられていないサブキャリアには「0」をマッピングさせる。例えば、サブキャリアへの割り当てなどは、予め受信装置100から受信したスケジューリング情報に基づいて行われる。
【0101】
次いで、送信装置200は、サブキャリアマッピング後、時間領域の信号に変換し、ディジタルフィルタなどの送信処理を行う(S14)。送信処理には、例えば、ディジタルフィルタ207や送信フィルタ209などの処理が含まれ、これにより、無線フレーム内のプリアンブル信号やデータ信号などが送信信号として受信装置100に送信される。
【0102】
次に受信装置100の動作例について説明する。受信装置100は処理を開始すると(S20)、受信信号に対してフィルタリングや遅延検波などの受信処理を行う(S21)。例えば、受信フィルタ102は受信信号に対して帯域外雑音除去などの処理を行い、アナログ・デジタル変換部103はフィルタリング後の受信信号をデジタル信号に変換する。ここで、デジタル信号に変換された、フレーム先頭からkサンプル目の受信信号Pkは、例えば、次式により表わされる。
【0103】
【数1】
【0104】
数1において、Iは遅延波の総数、Piは、ejθi、τiはi番目の遅延波の振幅、位相、遅延時間を夫々表わし、Δfは周波数オフセット量、Tsはサンプリング時間間隔、θ0は初期位相を表わす。また、bkは送信側である情報信号anをFFTにより周波数ドメインに変換した後、さらにIFFT変換して得られた時間軸信号を示したもので、例えば、次式により表わされる。
【0105】
【数2】
【0106】
但し、
【0107】
【数3】
【0108】
ここで、NはIFFTポイント数、MはFFTポイント数である。数2にGI(Guard Interval)を加えたものが送信信号として送信装置200から送信される。
【0109】
遅延検波の処理は、例えば、遅延器104、複素共役演算部105、及び乗算器106で行われる。例えば、遅延器104は、受信信号Pkを1サンプル遅延させ、複素共役演算部105はkサンプル目の受信信号Pkに対する複素共役を演算し、乗算器106は2つの出力を乗算する。フレーム先頭からdサンプル目の乗算器106の出力信号(又は遅延検波回路の出力信号)T(d)は次式で表わされる。
【0110】
【数4】
【0111】
次いで、受信装置100は、基準プリアンブルパターン“PtnA”、1ビット拡張パターン“PtnB”、及び2ビット拡張パターン“PtnC”を生成し、フレーム毎にいずれかのプリアンブルパターンを相関器107に出力する(S22)。例えば、参照信号生成部120において各プリアンブルパターンを生成し、フレームカウンタ124から出力されるカウント値がセレクタ125に入力されるタイミングで、セレクタ125がカウント値に対応するプリアンブルパターンを出力する。例えば、送信装置200から送信されるプリアンブル信号として、3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がこの順序で用いられる場合、参照信号生成部120はこの3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”をかかる順序で出力するようにする。
【0112】
次いで、受信装置100は、受信信号とプリアンブルパターンとの相関電力を計算し、相関ピーク電力値を検出する(S23)。相関電力は、例えば、乗算器106の出力信号(又は遅延検波回路の出力信号)T(d)と、参照信号R(k)との間における相互相関値が演算されることで求められる。参照信号R(k)は、例えば、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”であるプリアンブル信号を予め遅延検波回路を通過させておいた信号である。プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”が基準プリアンブルパターン“PtnA”の場合、参照信号R(k)は、例えば、次式により表わされる。
【0113】
【数5】
【0114】
ここで、乗算器106の出力信号T(d)と参照信号R(k)との間にdサンプルの遅延があるものとすると、プリアンブル1シンボルに亘る相互相関値は、例えば、次式となる。
【0115】
【数6】
【0116】
なお、数6において、N’はGIを含むシンボル時間に含まれるサンプル数を示している。この数6で示す相互相関値が、例えば、相関器107からの出力を表わす(例えば図20(A)又は同図(B))。
【0117】
相関器107は、参照信号生成部120により生成された(又は待ち受ける)プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と受信信号のパターンとは一致したサンプルタイミングで急峻なピークが得られる。そして、ピーク検出部108は、例えば、GIを含む受信信号の1シンボル区間に亘りピークサーチを行い、最も高い相関電力値とそのタイミングとを検出する。
【0118】
次いで、受信装置100は、検出した相関ピーク電力値が閾値を超えるか否かを判別する(S24)。例えば、受信信号がマルチパスフェージングの影響を受けている場合、影響がない場合と比較して相関ピーク電力が著しく低くなることがある。そのため、例えば、閾値判定部109は相関ピーク電力値と閾値とを比較して、閾値を超えている場合、正確なシンボル同期タイミングが得られたと判定する(S24でYes)。
【0119】
一方、閾値判定部109は、相関ピーク電力値が閾値以下のとき(S24でNo)、正確なシンボル同期タイミングが得られていないと判定して、次の無線フレーム期間で受信する受信信号に対してS21以降の処理を行う。
【0120】
受信装置100は、相関ピーク電力値が閾値を超えた場合(S24でYes)、当該相関ピーク電力が得られたシンボル同期タイミングをFFT部111に出力し、受信信号に対するFFT処理を行う(S25)。例えば、FFT部111は閾値判定部109からのシンボル同期タイミングを開始タイミングとするFFT処理を行う。
【0121】
次いで、受信装置100は、デマッピングなどの処理を行い、送信装置200から送信されたデータビット列を抽出する(S26)。
【0122】
本第2の実施の形態において、プリアンブルパターンの例として、基準プリアンブルパターン“PtnA”と、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”、2ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnC”の例を説明した。例えば、3ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnD”が用いられてもよい。かかるパターンは、例えば、1ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”の基になった基準プリアンブルパターン“PtnA”のうち、所定数個のビット列の各ビットを4ビット連続させる操作により生成される。
【0123】
この場合、1無線フレーム内に4サブフレーム含まれるとすると、送信装置200は、サブフレーム毎に順次、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を先頭シンボルに挿入して送信する。そのため、プリアンブル生成部220は、更に、3ビット拡張部を備えてもよい。受信装置100は、例えば、無線フレーム毎にプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”で受信信号を夫々待ち受ける。この場合、受信装置100も3ビット拡張部により3ビット拡張したプリアンブルパターンを生成し、受信信号との相関ピーク電力値を得ることで同期タイミングを得ることができる。
【0124】
更に拡張して、4ビット、5ビット、・・・拡張したプリアンブルパターンが用いられて同期タイミングを抽出するようにしてもよい。この場合、送信装置200も受信装置100も、双方とも、4ビット、5ビット、・・・拡張したプリアンブルパターンを生成する生成部を備え、受信装置100において、無線フレーム毎に異なるプリアンブルパターンにより相関出力を得ることで同期タイミングを抽出できる。例えば、送信装置200は、基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張された複数のプリアンブルパターンとに対して、少なくとも2つのプリアンブルパターンを送信することもできる。この場合、受信装置100は、送信に利用した2つのプリアンブルパターンを待ち受け、無線フレーム毎に相関電力をとることで同期タイミングを抽出することができる。このような場合、送信装置200は、送信に利用する2つのプリアンブルパターンをプリアンブルパターン生成部220により生成又は出力する。また、受信装置100の参照信号生成部120は、送信に利用された2つのプリアンブルパターンを生成し、各無線フレーム期間で2つのプリアンブルパターンを交互に相関器107に出力することで、上述した例と同様に同期タイミングを抽出できる。
【0125】
また、第2の実施の形態において、1つの無線フレーム内には3つのサブフレームが含まれるものとして説明した。例えば、1無線フレーム内に10個のサブフレームが含まれてもよい。この場合、送信装置200は、サブフレーム毎に順次繰り返しプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を割り当てて無線フレームを生成し送信するようにすればよい。受信装置100は、上述した例と同様に、1無線フレーム目は基準プリアンブルパターン“PtnA”など、無線フレーム毎に、異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を待ち受けて相関電力値を得るようにする。
【0126】
ただし、いずれの場合においても、送信装置200から送信されるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の送信順に従って、受信装置100はプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を待ち受ける。
【0127】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、1つのサブフレーム内のプリアンブルは1シンボルの例で説明した。本第3の実施の形態では1つのサブフレーム内のプリアンブルを2シンボルにした例である。
【0128】
図11(A)は第3の実施の形態におけるサブフレーム、図11(B)は第3の実施の形態における1無線フレームの構成例を夫々示す図である。サブフレームの先頭から2シンボルにプリアンブルパターンが割り当てられ、1シンボル目を前半プリアンブル、2シンボル目を後半プリアンブルとしている。前半プリアンブルには、基準プリアンブルパターン“PtnA”が割り当てられている。また、後半プリアンブルには、ビット拡張したプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかがが一定の順序に従って割り当てられている。図11(B)の例では、1サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”との組み合わせが割り当てられている。また、2サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられている。さらに、3サブフレーム目には、基準プリアンブルパターン“PtnA”と3ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnD”の組み合わせが割り当てられている。
【0129】
第2の実施の形態では、1つのサブフレームでは先頭の1シンボルに3つのプリアンブルパターンのいずれかが割り当てられて、受信装置100は1フレーム毎に異なるプリアンブルパターンで同期タイミングを抽出した。各サブフレームで同期タイミングが抽出できればサブフレーム間隔で受信装置100は同期タイミングを抽出することができる。しかし、例えば、受信装置100は、1サブフレーム目のプリアンブルパターンでシンボル同期タイミングが抽出できても、マルチパスフェージングの影響などにより、2サブフレーム目以降のサブフレームにおいて同期タイミングを抽出できない場合がある。
【0130】
このような場合、受信装置100は1サブフレーム目で抽出したシンボル同期タイミングを2サブフレーム目以降で使用することになる。しかし、基地局(又は受信装置100)と端末(又は送信装置200)は、例えば、内部で使用する発信器の種類は異なり、基地局の方が端末より周波数精度が高いことが多い。このような場合、基地局と端末との間(又は受信装置100と送信装置200との間)において周波数偏差の影響が時間経過とともに大きくなることがある。例えば、3サブフレーム目のプリアンブルパターンで抽出された同期タイミングと、1サブフレーム目で抽出された同期タイミングのそのまま使用した場合の3サブフレーム目の同期タイミングとでは異なるタイミングとなる場合がある。
【0131】
そこで、上述したように、1サブフレーム内に基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたビットパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかとの組み合わせによりサブフレームが生成されるようになされている。これにより、例えば受信装置100で基準パターン“PtnA”により同期タイミングが抽出されると、次にサブフレームでも基準パターン“PtnA”により同期タイミングが抽出できる。この場合、サブフレーム毎に同期タイミングが得られ、第2の実施の形態と比較して、特定のサブフレームで同期タイミングが得られないなどの事態を回避できる可能性が高くなる。
【0132】
次に本第3の実施の形態における送信装置200の構成例について説明する。図12は送信装置200の構成例を示す図である。送信装置200は、更にシンボルカウンタ216を備える。シンボルカウンタ216は、シンボルの個数をカウントし、シンボルタイミングの先頭のタイミングでカウント値をフレーマ201と、プリアンブル生成部220のセレクタ224に出力する。
【0133】
セレクタ224は、シンボルカウンタ216からのカウント値と、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、2つのプリアンブルパターンを出力する。例えば、セレクタ224は、1サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値とを入力したとき、基準プリアンブルパターン“PtnA”を選択して出力する。また、セレクタ224は、1サブフレーム目のカウント値と2シンボル目のカウント値を入力したとき、1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を選択して出力する。更に、セレクタ224は、2サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値を入力したとき、2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を選択して出力するなどである。
【0134】
一方、フレーマ201も、シンボルカウンタ216からのカウント値と、サブフレームカウンタ215からのカウント値に基づいて、各プリアンブルパターンを前半プリアンブルと後半プリアンブルとなるようにサブフレームを生成する。例えば、フレーマ201は、1サブフレーム目のカウント値と1シンボル目のカウント値とを入力したとき、セレクタ224から出力された基準プリアンブル“PtnA”を1サブフレーム目の前半プリアンブルに割り当てる。また、フレーマ201は、次いで2シンボル目のカウント値を入力すると、セレクタ224から出力された1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”を1サブフレーム目の後半プリアンブルに割り当てる。
【0135】
従って、送信装置200の動作は、第2の実施の形態と同様に図9に示す動作例により実施できる。この場合、送信装置200は、サブフレームの生成について(S12)、1サブフレーム内に2シンボル分のプリアンブルパターンを割り当てるようにすればよい。
【0136】
一方、受信装置100は第2の実施の形態と同様に実施できる。受信装置100の構成例は例えば、図4に示すようなものとなり、最初の無線フレーム期間では基準プリアンブパターン“PtnA”により相関電力を計算し、次の無線フレーム期間では1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”により相関電力を計算する。よって、例えば、図10に示す動作例により受信装置100は動作することができる。
【0137】
本第3の実施の形態においても、第2の実施の形態と同様に、基準プリアンブルパターン“PtnA”とは異なるサブキャリア又は周波数においてピーク電力が到来するようなプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”が用いられている。従って、特定の周波数又はサブキャリアが影響を受けるマルチパスフェージングの環境下においても、例えば、周波数成分が異なる3つのプリアンブルパターンのいずれかにより受信装置100は受信同期タイミングを得ることができる。
【0138】
また、本第3の実施の形態では、第2の実施の形態と比較して、1サブフレームに割り当てられるプリアンブルパターンの個数が多く、そのため、同期タイミングを早く得ることができる。
【0139】
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、1つのサブフレームで2つのシンボルにおいて異なるプリアンブルパターン“PrnA”〜“PtnD”を割り当てる例を説明した。この場合、例えば、受信装置100は、前半プリアンブルで同期タイミングを得た場合、後半プリアンブルを利用せず、また、後半プリアンブルで同期タイミングを得た場合、前半プリアンブルを利用しないことになる。この場合、2シンボル分のプリアンブルパターンが設けられているにも拘わらず片方のプリアンブルパターンが利用されず、前半又は後半のプリアンブルのエネルギーが利用されない。本第4の実施の形態では、受信装置100が2シンボル分のエネルギーを利用することで、C/N(Carrier to Noise ratio)を改善し、1シンボル分のエネルギーを利用する場合と比較して急峻な相関ピーク電力を得て同期特性の改善を図るようにした例である。
【0140】
図13を用いて本第4の実施の形態における動作例について説明する。図13は横軸が時間、縦軸が相関電圧を表わし、前半プリアンブル(例えば基準プリアンブルパターン“PtnA”)と後半プリアンブル(例えば1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”)の相関電圧の推移例を表わす図である。この場合、受信装置100は、後半プリアンブル側のプリアンブルパターンで同期タイミングが得られたものとする。
【0141】
受信装置100は、同期タイミングが得られた後半プリアンブルの期間を前半と後半に分ける。この場合、前半の期間は後半プリアンブルに割り当てられたプリアンブルパターンの半周期分(前半)の相関電圧が得られ、後半の期間ではかかるプリアンブルパターンの半周期分(後半)の相関電圧が得られる。
【0142】
後半プリアンブルの受信プリアンブル信号に周波数偏差がなければ、前半の相関ピーク電圧と後半の相関ピーク電圧は同じ値をとり得る。他方、後半プリアンブルの受信プリアンブル信号に周波数偏差があれば、2つの相関ピーク電圧は異なる値をとり得る。そこで、受信装置100は、前半と後半の各相関ピーク電圧の差から位相回転量を演算して周波数偏差を推定する。そして、受信装置100は、位相回転量を前半プリアンブルにフィードバックして、その位相回転量分だけ前半の相関電圧を位相回転させる。また、受信装置100は後半プリアンブルに対しても位相回転量だけ相関電圧を位相回転させる。これにより周波数偏差が除去された位相電圧を得ることができる。
【0143】
図14(A)は周波数偏差除去前、図14(B)は周波数偏差除去後の各相関電圧の推移例を夫々示す図である。図14(B)に示すように、周波数偏差が除去された相関電圧において、相関ピーク電圧については、除去前と比較してより急峻な相関電圧となっている。
【0144】
更に、本第4の実施の形態では、周波数偏差が除去された相関電圧に対して積分処理を行うようにしている。これにより、例えば、2シンボル分のエネルギーが利用され、積分処理が行われない場合と比較して、更に急峻な相関ピーク電圧が得られ、結果としてC/Nが改善され、受信同期特性も改善させることができる。
【0145】
次に第4の実施の形態における構成例について説明する。本第4の実施の形態における送信装置200と受信装置100は、第2及び第3の実施の形態と同様に、図3及び図4に示す構成例により実施できる。本第4の実施の形態では、受信装置100の相関器107において、上述した位相回転量の演算などが行われる。
【0146】
図15は、受信装置100における相関器107の構成例を示す図である。相関器107は、第1及び第2の相関演算器131,132と、電力変換部133と、ピーク検出部134と、バッファ135と、位相比較部136と、位相回転部137と、電圧積分部138、電力変換部139とを備える。
【0147】
第1相関演算器131は、例えば、乗算器106から出力された受信信号の同相成分(ICH又はI信号)と、参照信号生成部120から出力されたプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”との相関電圧を演算する。
【0148】
なお、第1から第3の実施の形態において、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”については説明の容易のため区別しなかったが、例えば、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、受信信号の直交成分(QCH又はQ信号)用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”がある。例えば、セレクタ125は、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”を出力する。また、送信装置200のフレーマ201は、サブフレームの先頭シンボルにプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を割り当てるときは、I信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の双方を割り当てる。第1の相関演算器131は、例えば、受信したI信号のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”と、参照信号生成部120から出力されたI信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”とで相関電圧を演算する。
【0149】
なお、図13〜図14(B)に示す相関電圧は、例えば、I信号用のプリアンブルパターンに対する相関電圧(以下、I信号用相関電圧)を示す。Q信号用のプリアンブルパターンに対する相関電圧(以下、Q信号用相関電圧)は、例えば、I信号用相関電圧と同じタイミングにおいて相関ピーク電圧となるように推移する。この場合、例えば、I信号用相関電圧の相関ピーク電圧が前半(例えば後半プリアンブルの前半)にあるとき、Q信号用相関電圧の相関ピーク電圧は後半(例えば後半プリアンブルの後半)にある。例えば、I信号用相関電圧とQ信号用相関電圧は、前半と後半の互いに異なる期間でピークとなっている。
【0150】
第2の相関演算器132は、例えば、乗算器106から出力されたQ信号と、参照信号生成部120から出力されたQ信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”との相関電圧を演算する。なお、第1の相関演算器131がQ信号用で、第2の相関演算器132がI信号用の各相関演算器でもよい。
【0151】
次にこの第1及び第2の相関演算器131,132の各構成例について説明する。図16は第1の相関演算器131の構成例を示す図である。第2の相関演算器132は入力されるプリアンブルパターンと受信信号とがI信号用のものかQ信号用のものかによる違いのため、説明は省略する。
【0152】
第1の相関演算器131は、第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512、第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512、及び加算器1312を備える。第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512と、第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512、及び加算器1312は、例えば、FIRフィルタと同様の構成となっている。
【0153】
例えば、I信号の各サンプルが第1〜第512の遅延器1310‐1〜1310‐512でサンプル毎に遅延され、遅延された各サンプルが第1〜第512の乗算器1311‐1〜1311‐512でI信号用のプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”と乗算される。乗算された各サンプルは、加算器1312で順次加算され、I信号に対する相関電圧値が第1の相関演算器131から出力される。タップ数は、例えば、1シンボルに含まれるビット数(512ビット)分あり、よって、第1の相関演算器131は、I信号用相関電圧値として512個の相関電圧値を出力する。第2の相関演算器132についても、例えば、512個のQ信号用相関電圧値を出力する。
【0154】
図15に戻り、電力変換部133は、I信号の相関電圧値とQ信号の相関電圧値とを相関電力に変換する。図17は電力変換部133の構成例を示す図である。
【0155】
電力変換部133は、2つの乗算器1311,1332と、加算器1333とを備える。2つの乗算器1311,1322は、夫々I信号及びQ信号の相関電圧値どうしを乗算し、加算器1333は乗算された2つの相関電圧値を加算して相関電力を出力する。
【0156】
図15に戻り、電力変換部133は変換した相関電力をピーク検出部134に出力する。
【0157】
ピーク検出部134は、例えば、ピーク検出部108と同様の構成であり、1無線フレーム期間などの所定期間において、相関電力が最大となる相関ピーク電力を検出する。ここでは、ピーク検出部134は、例えば、前半プリアンブルと後半プリアンブルに割り当てられたプリアンブルパターンに対して、どちらの方において相関ピーク電力が得られたかの情報を検出し、バッファ135に出力してもよい。
【0158】
バッファ135は、第1及び第2の相関演算器131,132から夫々出力されたI信号用相関電圧及びQ信号用相関電圧を記憶し、ピーク検出部134から出力された、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブル(前半プリアンブル又は後半プリアンブル)の情報を記憶する。
【0159】
位相比較部136は、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルにおいて、前半と後半に分けて、それぞれの相関ピーク電圧から位相回転量を演算する。例えば、位相比較部136は、バッファ135から、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルの情報を読み出し、当該プリアンブルのI信号用相関電圧及びQ信号用相関電圧をバッファ135から読み出す。そして、位相比較部136は、相関ピーク電力が得られた方のプリアンブルを前半と後半の区間に分けて、前半のI信号用相関電圧の相関ピーク電圧と後半のI信号用相関電力の相関ピーク電圧とを抽出する。更に、位相比較部136は、抽出した前半のI信号用の相関ピーク電圧とI信号用の相関ピーク電圧との差からI信号用の位相回転量を求める。位相比較部136は、Q信号用相関電圧についても同様に、前半の相関ピーク電圧と後半の相関ピーク電圧の差からQ信号用の位相回転量を求める。位相比較部136は、I信号用の位相回転量とQ信号用の位相回転量とを出力する。
【0160】
位相回転部137は、バッファ135から読み出したI信号用相関電圧に対して、位相比較部136から出力されたI信号用の位相回転量分の位相回転を行い、バッファ135から読み出したQ信号用相関電圧に対して、Q信号用の位相回転量分の位相回転を行う。位相回転部137からは、位相回転され、周波数偏差が除去されたI信号用相関電圧とQ信号用相関電圧とが出力される。例えば、図14(B)は位相回転部137から出力されるI信号用相関電圧(又はQ信号用相関電圧)の推移例を示す図である。
【0161】
電圧積分部138は、位相回転部137から出力されたI信号用相関電圧とQ信号用相関電圧とに対して、夫々積分を行う。この積分により、例えば図14(B)のI信号用相関電圧は、相関ピーク電圧が4つあるため、4倍の相関ピーク電圧が得られる。電圧積分部138の出力は、積分を行わない場合と比較して、更に高い相関ピーク電圧となる。これにより、例えば、2シンボル分のエネルギーが利用された相関ピーク電圧が得られる。
【0162】
電力変換部139は、電圧積分部138から出力される、I信号とQ信号夫々に対する相関ピーク電圧から相関電力を出力する。電力変換部139の構成例は、例えば、電力変換部133と同様に図17に示される。相関電力は、例えば図4に示す閾値判定部109に出力される。
【0163】
本第4の実施の形態における動作例は先に説明したが、例えば、送信装置200は第3の実施の形態と同様に図9に示すフローチャートにより動作する。この場合、送信装置200は、S12において、1サブフレームの2シンボル区間に基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”とを夫々割り当てて送信する。また、受信装置100も、例えば第3の実施の形態と同様に図10に示すフローチャートにより動作する。この場合、受信装置100は、S23の処理において、相関電圧から位相回転量を求め、相関電圧を位相回転させて積分し、積分した相関電圧から相関ピーク電力値を検出するようにすればよい。
【0164】
[その他の実施の形態]
次にその他の実施の形態について説明する。第2の実施の形態から第4の実施の形態において、送信装置200と受信装置100の各構成例は図3及ぶ図4を夫々用いて説明した。図3及び図4に示す各構成例以外でも第2から第4の実施の形態は実施できる。図18は送信装置200と受信装置100の各構成例を含む無線通信システム10の例を示す図である。
【0165】
送信装置200は、更に、ROM(Read Only Memory)250と、FPGA(Field-Programmable Gate Array)251、及び集積回路252を備える。ROM250は、例えば、図3に示すフレーマ201からディジタルフィルタ207までの各ブロックと、サブフレームカウンタ215、及びプリアンブル生成部220(第3及び第4の実施の形態では更にシンボルカウンタ216)に関する回路設計に関する情報を記憶する。FPGA251は、ROM250から回路設計に関する情報を読み出すことで、フレーマ201からディジタルフィルタ207までの各機能と、サブフレームカウンタ215、及びプリアンブル生成部220(第3及び第4の実施の形態では更にシンボルカウンタ216)の各機能を実現できる。集積回路252は、ディジタル・アナログ変換部208と送信フィルタ209の各機能を実現する回路である。第2の実施の形態などで説明した拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”の生成や、シンボル区間へのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の割り当てなどは、FPGA251とROM250との協調動作により実現される。なお、FPGA251で行われる処理はDSP(Digital Signal Processor)でも実現可能である。
【0166】
一方、受信装置100は、更に、集積回路151と、FPGA153、及びROM152とを備える。集積回路151は、例えば、受信フィルタ102とアナログ・デジタル変換部103の各機能を実現する回路である。また、ROM152は、遅延器104からデマッピング部115、及び参照信号生成部120の回路設計に関する情報を記憶する。FPGA153は、ROM152から回路設計に関する情報を読み出して、遅延器104からデマッピング部115、及び参照信号生成部120の各機能を実現することができる。
【0167】
これら図18に示す送信装置200と受信装置100の各構成例においても、第2から第4の実施の形態において説明したものを実施できる。
【0168】
上述した第2から第4の実施の形態において、送信装置200は端末装置、受信装置100は基地局装置であるものとして説明した。例えば、送信装置200が基地局装置、受信装置100が端末装置でも第2から第4の実施の形態を実施できる。この場合、下りリンク通信において、SC‐OFDM方式による送信信号が送信される。あるいは、基地局装置と端末装置に双方とも送信装置200と受信装置100とを含むようになっていてもよい。この場合、下りリンク通信も上りリンク通信も双方とも、SC‐OFDM方式による送信信号が送信及び受信される。
【0169】
また、第2の実施の形態では、1番目のサブフレームから3番目のサブフレームに対して、基準プリアンブルパターン“PtnA”から2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”が割り当てられる例を説明した。例えば、各サブフレームに割り当てるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”の順序はどのようなものでもよい。例えば、1番目のサブフレームに2ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnC”、2番目のサブフレームに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”が割り当てられてもよい。この場合、受信装置100の参照信号生成部120は、かかる順番でプリアンブルパターン“PtnC”〜“PtnA”を1無線フレーム毎に相関器107に出力するようにすることができる。
【0170】
また、3つのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnC”ではなく、3つのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを用いてもよい。例えば、1番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”、2番目のサブフレームに1ビット拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”、3番目のサブフレームに基準プリアンブルパターン“PtnA”とすることもできる。この場合も、受信装置100の参照信号生成部120は、かかる順番で1無線フレーム毎にプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”を相関器107に出力する。
【0171】
更に、第3の実施の形態では、基準プリアンブルパターン“PtnA”と拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”とを2シンボル区間に割り当てる例について説明した。例えば、プリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”の任意の2つのプリアンブルパターンを2シンボル区間に割り当てることもできる。例えば、1サブフレーム目に2つのプリアンブルパターン“PtnA”,“PtnB”、2サブフレーム目に異なるプリアンブルパターン“PtnC”,“PtnD”とすることもできる。更に、拡張されたプリアンブルパターン“PtnB”〜“PtnD”のいずれかが各サブフレームに割り当てられ、残りのプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を順に各サブフレームに割り当てて2シンボル分のプリアンブルパターンとするようにしてもよい。いずれの場合も、受信装置100の参照信号生成部120は、サブフレームが出現する順にプリアンブルパターンを相関器107に出力するようにすることができる。
【0172】
更に、第3の実施の形態では、1サブフレームに2つの異なるプリアンブルパターン“PtnA”〜“PtnD”を割り当てる例について説明した。例えば、1サブフレームに3つ以上の異なるプリアンブルパターンを3シンボル以上の各シンボルに割り当てるようにしてもよい。かかる場合は、第3の実施の形態よりも1サブフレームに含まれるプリアンブルパターンの個数及び種類が多いため、第3の実施の形態よりも早く同期タイミングを得る可能性が高くなる。
【0173】
以上まとめると付記のようになる。
【0174】
(付記1)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【0175】
(付記2)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する
ことを特徴とする送信方法。
【0176】
(付記3)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【0177】
(付記4)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0178】
(付記5)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く前記第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0179】
(付記6)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターン以外の前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、
前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間の第3のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられた前記プリアンブルパターンが割り当てられ、前記第3のシンボル期間に続く第2のサブフレーム期間における第4のシンボル期間において、前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれのシンボル期間においても割り当てられていないプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0180】
(付記7)
前記受信信号の第1のサブフレーム期間に前記第1のプリアンブルパターンが割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間に前記第2のプリアンブルパターンが割り当てられ、前記第2のサブフレーム期間に続く第3のサブフレーム期間に前記第3のプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記第1のプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記第2のプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記第3のプリアンブルパターンを出力することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0181】
(付記8)
前記検出部は、前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと、前記受信信号との相関ピーク電力値を夫々演算し、少なくとも一つの相関ピーク電力値が得られたタイミングを同期タイミングとして検出することを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0182】
(付記9)
前記検出部は、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧とを検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記5記載の受信装置。
【0183】
(付記10)
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記9記載の受信装置。
【0184】
(付記11)
前記検出部は、前記第1又は第3のシンボル期間に割り当てたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2又は第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧を検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記6記載の受信装置。
【0185】
(付記12)
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする付記10記載の受信装置。
【0186】
(付記13)
前記受信装置は、基地局装置又は端末装置であることを特徴とする付記3記載の受信装置。
【0187】
(付記14)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出し、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う
ことを特徴とする受信方法。
【0188】
(付記15)
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信装置から受信装置に送信する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する第1のプリアンブルパターン生成部と、
前記第1のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記第1から第3のプリアンブルパターンのうち前記第1のプリアンブルパターン生成部が出力するプリアンブルパターンを出力する第2のプリアンブルパターン生成部と、
前記第2のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【符号の説明】
【0189】
10:無線通信システム 100:受信装置
107:相関器 108:ピーク検出部
109:閾値判定部 111:FFT部
113:IDFT部 115:デマッピング部
120:参照信号生成部 121:リファレンス信号出力部
122:1ビット拡張部 123:2ビット拡張部
124:フレームカウンタ 125:セレクタ
135:バッファ 136:位相比較部
137:位相回転部 138:電圧積分部
200:送信装置 201:フレーマ
203:FFT(DFT)部 205:IFFT部
215:サブフレームカウンタ 216:シンボルカウンタ
220:プリアンブル生成部 221:リファレンス信号出力部
222:1ビット拡張部 223:2ビット拡張部
224:セレクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する
ことを特徴とする送信方法。
【請求項3】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項5】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く前記第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターン以外の前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、
前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間の第3のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられた前記プリアンブルパターンが割り当てられ、前記第3のシンボル期間に続く第2のサブフレーム期間における第4のシンボル期間において、前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれのシンボル期間においても割り当てられていないプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧とを検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項5記載の受信装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記第1又は第3のシンボル期間に割り当てたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2又は第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧を検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項6記載の受信装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項7又は8記載の受信装置。
【請求項10】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出し、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う
ことを特徴とする受信方法。
【請求項11】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信装置から受信装置に送信する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する第1のプリアンブルパターン生成部と、
前記第1のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記第1から第3のプリアンブルパターンのうち前記第1のプリアンブルパターン生成部が出力するプリアンブルパターンを出力する第2のプリアンブルパターン生成部と、
前記第2のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項1】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した信号を送信する送信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する
ことを特徴とする送信方法。
【請求項3】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信装置において、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力するプリアンブルパターン生成部と、
前記プリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項5】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方が割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く前記第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記プリアンブルパターン生成部から出力される前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方が割り当てられ、
前記プリアンブルパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの一方を出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記少なくとも2つのプリアンブルパターンの他方を出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項6】
前記受信信号の第1のサブフレーム期間における第1のシンボル期間において前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、前記第1のシンボル期間に続く第1のサブフレーム期間における第2のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターン以外の前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれか一つが割り当てられ、
前記第1のサブフレーム期間に続く第2のサブフレーム期間の第3のシンボル期間において、前記第1のシンボル期間に割り当てられた前記プリアンブルパターンが割り当てられ、前記第3のシンボル期間に続く第2のサブフレーム期間における第4のシンボル期間において、前記第1から第3のプリアンブルパターンのうちいずれのシンボル期間においても割り当てられていないプリアンブルパターンが割り当てられ、
前記プリアンブパターン生成部は、第1の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第1の無線フレーム期間に続く第2の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力し、前記第2の無線フレーム期間に続く第3の無線フレーム期間において前記受信信号の前記第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンを出力することを特徴とする請求項3記載の受信装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記第1のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧とを検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項5記載の受信装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記第1又は第3のシンボル期間に割り当てたプリアンブルパターンに対する第1の相関電圧と前記第2又は第4のシンボル期間に割り当てられたプリアンブルパターンに対する第2の相関電圧を検出し、前記第1又は第2の相関電圧に基づいて前記第1又は第2の相関電圧の位相回転量を推定し、前記第1及び第2の相関電圧の位相を前記位相回転量分回転させ、回転させた前記第1及び第2の相関電圧に基づいて、前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項6記載の受信装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記位相回転させた第1及び第2の相関電圧の積分値を夫々演算し、前記演算した第1及び第2の相関電圧の積分値に基づいて前記同期タイミングを検出することを特徴とする請求項7又は8記載の受信装置。
【請求項10】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換して送信された信号を受信する受信方法であって、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力し、
前記出力された少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出し、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う
ことを特徴とする受信方法。
【請求項11】
送信データ列を周波数領域に変換した信号を時間領域信号に変換した送信信号を送信装置から受信装置に送信する無線通信システムにおいて、
前記送信装置は、
第1のプリアンブルパターンの各ビットをn(nは2以上の整数)ビット及びk(kはk≠nである2以上の整数)ビット連続させたビット列を含む第2及び第3のプリアンブルパターンと前記第1のプリアンブルパターンとのうち少なくとも2つのプリアンブルパターンを出力する第1のプリアンブルパターン生成部と、
前記第1のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンを含む前記送信信号を送信する送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記第1から第3のプリアンブルパターンのうち前記第1のプリアンブルパターン生成部が出力するプリアンブルパターンを出力する第2のプリアンブルパターン生成部と、
前記第2のプリアンブルパターン生成部から出力された前記少なくとも2つのプリアンブルパターンと前記受信信号とに基づいて同期タイミングを検出する検出部と、
前記検出した同期タイミングに同期して前記受信信号に対する受信処理を行う受信処理部とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−156926(P2012−156926A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16180(P2011−16180)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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