説明

透過型寸法測定装置

【課題】ユーザ所望の測定モードが正しく選択されているか否かを直感的に認識可能とし、かつ投光器の投光面及び受光器の受光面に汚れが付着した場合に速やかに適切な処置が可能な透過型寸法測定装置を提供する。
【解決手段】コントローラに測定領域の始点及び終点を選択するための複数の測定モードから一つの測定モードの選択を受け付ける測定モード選択手段を設け、選択された測定モードと測定対象物による遮光領域に基づいて設定される測定領域を、その他の領域と識別可能に表示する測定領域表示部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型寸法測定装置に関し、特に投光器からの出射光を測定対象物が遮光する際の光量変化を受光器によって検出することにより、測定対象物の各種寸法を測定する光学式の透過型寸法測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物体の外径、位置、間隔等を検出するために、光学式の透過型寸法測定装置が用いられている。光学式の透過型寸法測定装置は、測定対象領域に平行光を投光する投光器と、測定対象領域を透過した光を受光する受光器とを備え、受光器が受光した受光量に基づいて、平行光を測定対象物が遮光することにより生じた測定対象物の影の長さを測定し、測定対象物の各種寸法を測定する。
【0003】
この光学式寸法測定装置の測定原理は、大きく分けるとCCD方式とスキャン方式の2つの種類に分類される。CCD方式は発光素子から発光した光を投光レンズで平行光に変換し、この平行光を寸法測定エリアに照射する。受光器は寸法測定エリアからの光を、内蔵する1次元のCCDイメージセンサで受光する。測定対象物が平行光を遮光すると遮光領域の大きさに比例した影が受光部に生じ、この影の大きさや位置に基づいて測定対象物の各種寸法を算出し、出力する。
【0004】
また、スキャン方式は、発光素子から発射した光をポリゴンミラー等の偏向素子により偏向し、コリメータレンズにより平行光線に変換され寸法測定エリアに照射する。寸法測定エリア内にある測定対象物を走査した光は、受光器内部の受光レンズで集光され、光の明暗に応じた電気信号に変換される。この電気信号に基づいて、影を生じている時間の長さを演算することにより、測定対象物の各種寸法を算出して出力する。上記いずれの方式においても、投光器の投光スリットから出射され、受光器の受光スリットを介して受光する平行光の幅により寸法測定エリアの幅が規定される。
【0005】
このような透過型寸法測定装置はユーザの使用用途に応じて「測定モード」を選択することにより、寸法値を算出する測定領域を切り替えることができる。測定モードは測定領域の始点及び終点を定めるものであり、例えば、遮光領域測定モード、入光領域測定モード、中心測定モード、外径測定モード、任意エッジ測定モード、中心間隔測定モード等がある。
【0006】
図23は、各測定モードの測定領域を説明するための図である。遮光領域測定モードは寸法測定エリアの一端から最初の遮光領域の終わりまでの幅を測定する。入光領域測定モードは寸法測定エリアの一端から最初の入光領域の終わりまでの幅を測定する。中心測定モードは寸法測定エリアの一端から入光領域から遮光領域の切り替わり位置である最初のエッジ位置と最後のエッジ位置の中心位置までの幅を測定する。任意エッジ測定モードは、ユーザが任意に指定したエッジ位置同士の間隔を測定する。中心間隔測定モードは、ユーザが任意に指定したピン間隔が測定できる。なお、測定モードとしてはここに挙げたものに限られず、例えばユーザ独自の測定モードを定義することも可能である。
【0007】
測定モードがユーザにより選択され、寸法測定エリア内に測定対象物による遮光領域が検出されると、選択された測定モードに対応した測定領域の始点及び終点が、検出された遮光領域に基づいて設定される。例えば、遮光領域測定モードが選択されている場合に図23(a)に示す遮光領域が検出されると、測定領域の始点として寸法測定エリアの一端が設定され、終点として遮光領域の終わりに当たるエッジ位置が設定され、始点及び終点で挟まれた領域が測定領域として設定される。次いでこの測定領域の幅を寸法値として算出する。
【0008】
このように、従来の透過型寸法測定装置では、ユーザが選択した測定モードと、実際の測定対象物による遮光領域に基づいて測定領域が決定されるので、測定モードを切替えることによりユーザの用途や測定対象物の種類に応じた多種多様な測定ができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来から透過型寸法測定装置には、投光器及び受光器に接続されるコントローラに表示部が設けられている。しかし、この表示部には寸法値(数値)だけしか表示されないため、測定モードを選択して上述した測定領域が変更されても、寸法値が変更されるだけである。この寸法値からユーザが自分の用途に合う測定モードが正しく選択されているか否かを判断するのは非常に困難である。コントローラの表示部に測定モードを識別するための表示を行うことも考えられるが、この表示部は7セグメントLED等で構成された安価なものであることが多く、上述したような多くの測定モードを識別するための十分な情報を表示することは困難であり、ユーザが直感的に現在設定されている測定モードを認識することはできない。
【0010】
また上記問題とは別に、ユーザの使用環境によっては投光面及び受光面に汚れなどが付着してしまうことがある。投光器の投光面及び受光器の受光面に汚れ等が付着した場合、測定対象物が無い状態にも関わらず受光量の変動が生じてしまうため、不測の誤測定となりかねず、ユーザにとっても何が起きているか分かりにくいという問題がある。汚れの大きさは非常に小さなものであっても、汚れにより本来存在しないはずのエッジが検出されてしまうと、寸法値は実際の測定対象物の寸法値とはかけ離れた値として出力される。ユーザは出力された寸法値を見ても、実際の測定対象物の寸法値なのか、投光面又は受光面に汚れが付着しているのか、あるいは使用環境に問題があるのか、などを直感的に判断することができず、投光器の投光面及び受光器の受光面を定期的にクリーニングし、適切な寸法測定値が得られるよう配慮するしかない。
【0011】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザ所望の測定モードが正しく選択されているか否かを直感的に認識可能とし、かつ投光器の投光面及び受光器の受光面に汚れが付着した場合に速やかに適切な処置が可能な透過型寸法測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、光を発光する発光素子と、発光素子により発光した光を平行光に変換する投光レンズと、当該平行光を外部に出射するための投光スリットとを備える投光器と、前記平行光を入射する受光スリットと、受光スリットに入射した光を受光する受光素子とを備える受光器と、少なくとも受光器に接続され、受光素子の駆動制御を実行するコントローラとからなり、投光器と受光器とを所定の間隔を置いて配置することにより投光スリットと受光スリットとの間に寸法測定エリアを形成する透過型寸法測定装置であって、受光素子から出力される受光信号(空間的又は時間的に変化する受光量分布)に基づいて、受光素子に入射される光のうち、寸法測定エリア内に配置された測定対象物による遮光領域を検出する遮光領域検出手段と、寸法測定エリア内において寸法値として算出される測定領域の始点及び終点(例えば寸法測定エリアの上端又は下端、遮光領域のエッジ位置、エッジ位置間の中心等)を選択するための複数の測定モードから一つの測定モードの選択を受け付ける測定モード選択手段と、選択された測定モードと測定対象物による遮光領域に基づいて、測定領域の寸法値を算出する寸法値算出手段と、投光スリット及び受光スリットの長手方向に幅を有する寸法測定エリアの寸法測定方向の幅を分割する各領域に対応して一列に配列した複数の表示灯(例えば、複数のLEDを一体型として提供しているものや分離型のもの)からなり、寸法値算出手段により算出される寸法値に対応した測定領域を複数の表示灯の点灯パターンによりその他の領域と識別可能に表示する測定領域表示部とを備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、ユーザは測定領域表示部の複数の表示灯の点灯パターンを視認することにより、設定されている測定モードの適否を直感的に判断することができる。また、出力されている寸法値が想定している値からかけ離れている場合にも、測定領域表示部の点灯パターンを確認することにより、遮光領域として検出するべき領域を遮光領域として検出していない状態や、測定対象物が存在しない領域を投光面や受光面の汚れ等の付着が原因で遮光領域として検出されてしまっている状態を確認し、速やかに適切な処置を行うことができる。
【0014】
より詳細な一態様では、前記測定モード選択手段は、コントローラに設けられた操作スイッチが操作されることにより測定モードの選択を実行する手段であり、測定領域表示部は、操作スイッチによる測定モードの変更に追従して複数の表示灯の点灯パターンを更新することを特徴とする。
【0015】
これにより、コントローラに設けられた操作スイッチをユーザが操作することにより容易に測定モードを変更することができる。また、ユーザの測定モードの変更操作に追従して、測定領域表示部の点灯パターンがリアルタイムに更新されるので、測定モードの設定変更がより直感的に実行できる。
【0016】
より詳細な一態様では、測定モード選択手段により、測定領域表示部が測定領域を表示した状態で任意の測定領域の始点及び終点を遮光領域に基づいて選択することにより任意の測定領域が設定可能であり、測定領域表示部は、測定モード選択手段により設定された任意の測定領域を複数の表示灯の点灯パターンを更新することにより表示することを特徴とする。
【0017】
これにより、例えば複数の互いに離間した遮光領域を備える複雑な形状を有する測定対象物の測定を行う際に、測定対象物を寸法測定エリアにセットした状態で測定モードを切り替えることで、ユーザが複雑な形状を有する測定対象物と設定された測定領域とを見比べながら所望の測定領域を直感的に設定することができる。
【0018】
より詳細な一態様では、遮光領域検出手段は受光素子から出力される受光信号と、予め定めた閾値とを比較することにより遮光領域を検出する手段であり、測定領域表示部が測定領域を表示した状態で、閾値を変更するための閾値変更手段を更に有し、閾値変更手段により閾値が変更され、遮光領域検出手段が遮光領域として検出する領域が変化した際に、当該遮光領域の変化に基づく測定領域の変化に追従して測定領域表示部の複数の表示灯の点灯パターンを更新することを特徴とする。
【0019】
これにより、例えば透明度の高い測定対象物の測定を行う際に、遮光領域の検出に必要な閾値の設定変更が測定領域表示部の点灯パターンを確認しながら実行できるので、容易に適切な閾値を設定することができる。
【0020】
より詳細な一態様では、測定領域表示部は、受光器が設置される当該受光器の底面に対向する上面側に設けられ、測定領域表示部の複数の表示灯の配列方向の幅が、寸法測定エリアの寸法測定方向の幅と略同一となるように設けられていることを特徴とする。
【0021】
これにより、測定領域表示部の複数の表示灯は実際の寸法測定エリアに対応した幅を有しているため、当該複数の表示灯の点灯パターンにより、実際の測定対象物による遮光領域を擬似的に表現でき、ユーザはより直感的に所望の測定モードの設定が可能となる。
【0022】
より詳細な一態様では、測定領域表示部と並んで配列した複数の表示灯からなる入光領域表示部を更に備え、入光領域表示部の複数の表示灯の点灯パターンにより、寸法測定エリア内において所定以上の受光量を有する入光領域をその他の領域と識別可能に表示することを特徴とする。
【0023】
これにより、入光領域表示部が受光器内に入光する投光スポットを擬似的に表現するので、実際に光が入光している入光領域と対比しながら測定領域を設定できる。例えば複数の遮光領域を備える複雑な測定対象物等では複数のエッジ位置を入光領域表示部で確認しながら、所望のエッジ位置が測定の対象となるまで測定モードをユーザが切り替えられるので非常に利便性が高くなる。また、入光領域表示部の点灯パターンを確認することにより投光面や受光面の汚れや使用環境の変化をより確認しやすくなり、早期に適切なメンテナンスを行うことができる。
【0024】
また、本発明は光を発光する発光素子と、当該発光素子により発光した光を平行光に変換する投光レンズと、当該平行光を外部に出射するための投光スリットとを備える投光器と、平行光を入射する受光スリットと、当該受光スリットに入射した光を受光する受光素子とを備える受光器と、少なくとも受光器に接続され、受光素子の駆動制御を実行するコントローラとからなり、投光器と受光器とを所定の間隔を置いて配置することにより投光スリットと受光スリットとの間に寸法測定エリアを形成する透過型寸法測定装置に接続される外部制御装置の制御を行う制御プログラムであって、寸法測定エリア内において寸法値として算出される測定領域の始点及び終点を遮光領域に基づいて選択するための複数の測定モードから一つの測定モードを選択するステップと、該ステップで選択された測定モードをコントローラに設定するための設定信号をコントローラに送信するステップと、コントローラから少なくとも前記受光器が受光する受光量分布を取得して、当該受光量分布に加えて前記遮光領域と選択された前記測定モードに基づいて決定される測定領域を表示画面上に表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0025】
これにより、外部の表示装置等で寸法値に対応した測定領域を表示することで、ユーザは設定されている測定モードの適否を直感的に判断することができる。また、外部制御装置で寸法値に対応した測定領域に対応させて受光量分布を表示させることができるので、受光量分布を確認しながら所望の測定モードを容易に設定することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザ所望の測定モードが正しく選択されているか否かを直感的に認識可能とし、かつ投光器の投光面及び受光器の受光面に汚れが付着した場合に速やかに適切な処置が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態における透過型寸法測定装置について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、投光部としてレーザダイオード(以下、LD)を用い、受光素子として1次元CCDイメージセンサ(以下、CCD)を用いたCCD方式の透過型寸法測定装置を例として説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態における透過型寸法測定装置の全体システムを示すシステム構成図である。本実施の形態における透過型寸法測定装置は、測定対象領域に光を投光する投光器1と、測定対象領域を透過した光を受光する受光器2と、投光器1ならびに受光器2に接続され、これらを制御するコントローラ3とからなる。投光器1には光を出射する部位である投光スリット10(投光窓)が形成され、投光スリット10を介して測定対象領域に照射された光は、投光器1と受光器2の間を通過する測定対象物Wにより光の一部が遮光される。受光器2は測定対象物Wにより遮光されなかった光を受光スリット20(受光窓)を介して受光する。
【0029】
図2は、投光器1、受光器2、コントローラ3の内部構成を説明するためのブロック図である。投光器1には発光素子であるLD11が内蔵され、LD11から発したレーザ光は投光レンズ15により帯状の平行光に変換されて測定対象領域に照射される。LD11には、LD11を駆動するためのレーザ駆動回路12が接続され、レーザ駆動回路12はMCU(Micro Controller Unit)13によって制御される。受光器2は測定対象領域からの光を受光するCCD29と、CCD29で受光した電気信号をフィルタリングするフィルタ回路30と、フィルタリングされた電気信号をA/D変換するA/D変換器31と、表示部34やCCD29を制御すると共にA/D変換された電気信号からエッジ位置を検出するFPGA(Field Programmable Gate Array)32、エッジ位置を検出するための閾値並びにCCD画素数等を記憶するEEPROM33を備える。コントローラ3は、投光器1及び受光器2とコントローラ用通信ドライバ46を介して通信すると共に、各種演算を実行するMCU41、算出された寸法値等を表示するコントローラ表示部42、外部I/F45、各種測定モードの設定、閾値の設定操作を受け付けるSW44、各種設定データを記憶するEEPROM43を備える。外部I/F45はオープンコレクタ出力、アナログ出力、外部入力線等を含む。尚、本実施の形態では投光器1、受光器2の各々が専用機能を有するように説明しているが、本実施形態の投光器としての機能及び受光器としての機能双方を有する機器を投光器や受光器として用いても良い。また、本実施の形態におけるコントローラ3は投光器1、受光器2の双方に接続されるように構成したが、自発点灯式の投光器1を用いて、コントローラ3が受光器2にのみ接続する構成とすることもできる。
【0030】
コントローラ3のMCU41は外部入力線を介して、外部機器から各種信号の入力を受け付ける。MCU41は内部タイマにより定期的にコントローラ用通信ドライバ46a、46bを介して投光器1に投光制御信号、受光器2に受光制御信号を送信する。投光制御信号を受信した投光器1のMCU13はレーザ駆動回路12を制御し、レーザ駆動回路12はLD11を駆動し、測定対象領域に投光レンズ15、投光スリット10を介して平行光を照射する。一方、受光器2のFPGA32は、受光制御信号を受けてCCD29を駆動する。CCD29は一次元に配列された複数の画素を有し、受光スリット20を介して測定対象領域からの光を受光し、フィルタ回路30、A/D変換器31を介してFPGA32に各画素の受光量を送信する。
【0031】
FPGA32は、取得した各画素の受光量から、複数の画素により形成される測定対象領域の受光量分布を作成し、作成した受光量分布とEEPROM33に記憶された測定用閾値P1とを比較することにより、物体により遮光された遮光領域を検出する。入光領域と遮光領域の境目であるエッジ位置及びその近傍の受光量情報は受光器用通信ドライバ38、コントローラ用通信ドライバ46を介してコントローラ3に送信される。このように、本実施の形態ではCCD29の各画素が受光した受光量分布をそのままコントローラ3に送信するのではなく、受光器2でエッジ位置を検出した後、エッジ位置及びその近傍の受光量情報のみをコントローラ3に送信することで、通信負荷の低減ならびに処理速度の向上を図っている。なお、本実施の形態では受光器2内のFPGA32がエッジ位置を検出するようにしたが、コントローラ3内部でエッジ位置を検出するようにしてもよいことは云うまでもない。
【0032】
受光素子としては、代表的にはCCDイメージセンサが適用される。ただし受光素子としてはCCDイメージセンサに代えてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを用いることも可能である。
【0033】
コントローラ3は受光器2から受信したエッジ位置情報に基づいて、各種演算を実行する。EEPROM43には、ユーザにより設定された測定モード、ならびに公差範囲を規定するHI/LOの閾値が記憶されている。測定モードの詳細については後述するが、例えば遮光領域、入光領域、外径、内径、指定されたエッジ間幅など、ユーザが測定したい領域を各種選択するための複数の測定モードが用意されている。コントローラ3のMCU41は受信したエッジ位置情報から、設定された測定モードに対応した寸法値を算出し、コントローラ表示部42に表示する。例えば、測定モードとして任意エッジ測定モードが選択され、2番目のエッジ位置と5番目のエッジ位置の間が測定領域として設定されていた場合、コントローラ3のMCU41は受信したエッジ位置から2番目のエッジ位置と5番目のエッジ位置の間を測定領域とし、当該測定領域の幅を寸法値として算出する。続いて算出した寸法値が公差範囲内にあるか否かのOK/NG判定を行い、外部I/F45を介して判定結果を外部に出力する。なお、上述した測定モード及びHI/LOの閾値はSW44により設定変更が可能であり、MCU41は設定変更を受け付け、EEPROM43に変更内容を記憶させる。
【0034】
外部I/F45の外部入力としては、他にもピークホールド入力、ボトムホールド入力、アプリケーションに応じて測定用閾値P1やHI/LO閾値、測定モード等の各種設定を纏めて切り替えるバンク切替入力、あるいは測定のタイミングを制御するタイミング入力等が入力可能である。
【0035】
FPGA32は、エッジ位置情報をコントローラ3に送信すると共に、受光器1に設けられた表示部34の表示制御を行っている。EEPROM33には測定用閾値P1の他に入光表示用閾値P2が記憶されており、取得した受光量分布と入光表示用閾値P2とを比較する。詳細については後述するが、表示部34は物体により遮光されず光が入光した画素位置、即ち受光面上における投光スポットを擬似的に表現する。
【0036】
図3は表示部34が設けられた受光器2の外観を示す斜視図である。受光器2は、略直方体形状のケーシングを有し、このケーシングは、基準面27と、基準面27から垂直に立設した受光面28を除く両側面及び背面を塞ぐ下側ケーシング21と、基準面27と対向する上面を塞ぐ上側ケーシング23と、受光スリット20を有し、投光器1からの光を受光する受光面28からなる前面カバー22とからなる。
【0037】
上側ケーシング23には基台に対して取り付けるための取付孔25a、25bが設けられ、取付孔25a、25bに螺子を螺合して受光器2を基台に取り付ける。上側ケーシング23と受光面28の角部には透明な傾斜面24が形成され、この傾斜面24内部に外部から視認可能な表示部34が設けられている。表示部34が透明な傾斜面24内部に設けられているため、表示部34は上面側及び受光面側の双方に露出し、ユーザにとって非常に視認性が良い。また、傾斜面24の近傍には光軸調整完了を示すための光軸一致表示用LED37が設けられている。下側ケーシング23には受光面28と対向する背面側にケーブル引出部26が設けられている。ケーブル引出部26は背面の一部を切り欠いて形成されているため、ケーブルを折り曲げて引き出す場合にも、背面側に無駄なスペースを取らずにケーブルを引き出すことができる。
【0038】
表示部34は基台に設置される基準面27に対向する上面側に配置されているため、表示部34が基台に隠れて設置されてしまうことがない。基台に対して垂直な方向、即ち高さ方向の光軸は、投光器1及び受光器2の各々の基準面27を基台に取り付けることにより自動的に一致する。基準面27を水平な基台に取り付けた後、ユーザは基台に水平な面内で投光器1と受光器2の相対位置を調整するだけで投光器1と受光器2の光軸を完全に一致させることができる。この時、表示部34は基準面27と対向する上面側に配置されているため、ユーザはこの表示部34を確認しながら水平面内での光軸調整を実施できる。基準面27に歪み等が発生していると、基準面27を基台に設置しても高さ方向の光軸が正確に一致しなくなる。したがって、本実施の形態では基準面27を有する下側ケーシング21のみを水平精度が高いダイキャストで形成し、上側ケーシング23と前面カバー22については安価な樹脂で形成している。なお、下側ケーシング21は両側面及び背面を塞いでおり、両側面のいずれかを基台に設置し、縦置きで受光器2を設置することも可能である。
【0039】
図4は、受光器2の別の外観を示す斜視図であり、対応する箇所については図3と同じ符号を与えている。CCD方式の透過型寸法測定装置における寸法測定エリアは、受光器2が内蔵する受光素子の幅方向の長さにより物理的に規定され、それに合わせた幅を持つ平行光を出射する投光器1を採用する。したがって、広い寸法測定エリアを確保したい場合には図4に示すように幅広な受光スリット20を備える受光器2が用いられる。
【0040】
図5は表示部34及び光軸一致表示用LED37の機能を模式的に示す図である。表示部34はCCD29の配列方向の長さ、すなわち寸法測定エリアの寸法測定方向の長さと略同一の長さを有し、複数のLEDの配列からなる入光領域表示部35を備える。入光領域表示部35は受光器2の上面において寸法測定エリアの延長上に配置され、入光領域表示部35を構成する各LEDの点灯状態によって、CCD29に入射する投光スポットを擬似的に表現する。なお、本実施の形態では入光領域表示部35をCCD29の配列方向の長さと略同一としたが、必ずしもこれに限られず、入光領域表示部35をCCD29の配列方向の長さに対して拡大もしくは縮小されていてもよい。また、必ずしも寸法測定エリアの延長上に配置される必要は無いが、投光スポットを擬似的に表現し、ユーザが直感的に光軸を一致させるためには入光領域表示部35が寸法測定エリアの延長上に配置されている方が好ましい。なお、入光領域表示部35に設けられた縦線は対応するLEDが点灯状態にあることを示している。
【0041】
入光領域表示部35を構成する各LEDはそれぞれがCCD29の対応する位置にある画素の受光量に対応して点灯及び消灯を行う。より具体的には、例えばLEDの数が10個であり、CCD29の画素数が1000画素であるとすると、各LEDに均等に画素数を割り当てると一つのLEDは100画素に対応する。各LEDはその配列方向一端から順番に、CCDの画素配列方向に100画素ずつ割り当てられ、受光器2のFPGA32はこの100画素の受光量の夫々が入光表示用閾値P2を超えているか否かを判定し、P2を超えている画素が所定数以上ある場合に対応するLEDを点灯させる。なお、LEDの点灯条件はこれに限らず、画素の受光量の合計や平均に基づいて対応するLEDを点灯させるようにしてもよい。また、光が入光しないCCD29の画素位置に対応したLEDを点灯させておき、光が入光するCCD29の画素位置に対応したLEDのみ消灯させるようにしても良い。
【0042】
図6は投光器1と受光器2の光軸がずれている場合の、入光領域表示部35の点灯状態を示す図である。図6に示すように、光軸ずれにより光が入光しないCCD29の画素位置に対応したLEDは消灯する。したがって、投光器1の投光スポットがユーザに見えない場合でも、入光領域表示部35のLEDの点灯パターンを確認することで、投光器1及び受光器2の相対位置をどちらの方向にどの程度調整すれば、光軸が完全に一致するかを容易に判断することができる。
【0043】
図7は投光器1と受光器2の光軸が一致した場合の、入光領域表示部35の点灯状態を示す模式図である。投光器1と受光器2の光軸が一致すると、入光領域表示部35の全てのLEDが点灯する。加えて、光軸が理想的な状態で一致していると光軸一致表示用LED37が点灯する。一般に、投光器1から照射される平行光の光量密度は均一ではなく、中心軸に近ければ近いほど光量密度が高く、中心軸から離れるに従い徐々に光量密度が低下する。したがって、入光領域表示部35の全てのLEDが点灯し、一見して光軸が完全に一致しているように見えても、実際には平行光の中心軸が僅かにずれていることがあり、理想的な光軸一致状態とはいえないことがある。そのため、光軸一致表示用LED37は、CCD29の各画素値の中で最も受光量が小さくなる画素の受光量が所定レベル以上である場合にのみ点灯するよう構成されている。このような構成により、ユーザは外部機器を一切確認することなく、投光器1、受光器2を最適な相対位置に容易に調整することができる。なお、光軸一致表示用LED37の点灯条件は上記のものに限られず、CCD29の全画素の受光量の合計や平均等で点灯するようにしてもよく、入光領域表示部35のLEDが全て点灯した場合に自動的に点灯させるようにしてもよい。
【0044】
図8は入光領域表示部35の変形例の点灯状態を示す図である。投光器1と受光器2の理想的な光軸一致状態をユーザが直感的に認識するには、CCD29が受光した受光量分布のピーク位置を認識する必要がある。この変形例では、入光状態にある画素に対応し、点灯しているLEDの中で、特に受光量の大きい画素に対応するLEDの色を変更したものである。本変形例における透過型寸法測定装置は、最適な光軸一致状態を実現するために、光軸調整を行うための表示モードを備えており、この光軸調整モードに設定された際に、LEDの色による受光量ピーク位置の概略位置の表示を行う。ユーザはLEDの色を視認することで、受光量のピーク位置を確認することができるため、最適な光軸一致状態を容易に実現することができる。なお、この変形例では受光量の大きい画素に対応するLEDの色を変更するようにしたが、これに限られず、LEDの発光量や表示態様(点滅など)を変更するようにしてもよい。
【0045】
また、この変形例における入光領域表示部35の表示パターンは光軸調整時のみではなく、通常の測定時にも有用である。投光器1の照射量が減少したり、使用環境の変化により受光器1が受光する受光量が減少した場合、入光領域表示部35の表示色や表示態様を確認することで、測定値に異常が発生する前に必要な対処を行うことができる。また、測定対象物が透明体である場合、測定対象物の透過率によってLEDの色や光量が変化する。したがって、測定対象物の透過率によって、エッジを検出するための測定用閾値P1を設定する際には、入光領域表示部35の点灯パターンを参考にして設定できる。
【0046】
図9は更に入光領域表示部35の別の変形例の点灯状態を示す図である。この変形例は、受光量分布のピーク位置に対応するLEDのみを点灯させるものであり、点灯するLEDがLED配列の中心にくるように、投光器1と受光器2の相対位置を調整することで、容易に理想的な光軸一致状態を実現できる。
【0047】
ところで、透過型の寸法測定装置では、投光面又は受光面に塵や埃が付着すると、この塵や埃が平行光の一部を遮光するため、本来存在しないはずのエッジが検出されてしまうことがある。この場合、測定値は実際の測定対象物の寸法値とはかけ離れた値として出力され、ユーザにとっては何が原因で測定値に異常が発生しているかを容易に判断できない。図10は投光面又は受光面に汚れが付着している場合の入光領域表示部35の表示パターンを模式的に示す図である。図10に示すように、投光面又は受光面に汚れが付着している場合、入光領域表示部35の汚れが付着している画素位置に対応するLEDが消灯する。したがって、本実施の形態によればユーザは入光領域表示部35のLEDの点灯パターンに基づいて、汚れの有無及び汚れの位置を認識し、早急にメンテナンスすることができる。
【0048】
以上示したように、本実施の形態では、受光器1の基台に設置される基準面27とは対向する上面側に表示部34を設け、この表示部34が、投光器1から照射されCCD29が受光する投光スポットを擬似的に表現する。したがって、投光スポットが人の目には見えなくても直感的な操作で投光器1と受光器2の光軸を調整することが可能である。また、最適な光軸一致状態とするために、光軸一致表示用LED37を設け、光軸調整の完了を明示的に示すことができる。更に、投光スポットを擬似的に表現すると共に、投光面又は受光面に付着した汚れを可視化できるため、ユーザにとってメンテナンスが容易になる。
【0049】
また、本実施の形態における透過型の寸法測定装置はユーザが寸法値として出力したい測定領域の始点及び終点を設定するための複数の測定モードを備えている。図23で説明したように複数の測定モードとしては、遮光領域測定モード、入光領域測定モード、外径測定モード、中心測定モード、任意エッジ測定モード、中心間隔測定モード等を備える。
【0050】
遮光領域測定モードは寸法測定エリアの一端から、最後のエッジ位置までの距離を算出する。入光領域測定モードは寸法測定エリアの一端から最初のエッジ位置までの距離を算出する。外径測定モードは寸法測定エリアの一端から数えて最初のエッジ位置と最後のエッジ位置の間の距離を算出する。中心測定モードは寸法測定エリアの一端から最初のエッジ位置と次のエッジ位置の中心位置までの距離を算出する。中心位置は検出された2つのエッジ位置の中点を算出することにより決定される。任意エッジ測定モードは、ユーザが指定したエッジ位置に関連する距離を算出するものであり、例えば遮光領域が2つ以上存在する場合などに寸法測定エリアの一端から数えて何番目のエッジ位置を測定の対象とするかを任意に設定することができるモードである。図23では寸法測定エリアの一端から数えて2つ目のエッジ位置と5番目のエッジ位置の間が測定領域として指定された例を示している。中心間隔測定モードは遮光領域の中心間を測定領域として指定可能な測定モードであり、図23の例では二つの遮光領域の中心間領域を測定領域として指定している。これら測定モードは、コントローラ3に設けられたSW44を操作することにより設定、切替が可能である。
【0051】
図11は、受光器2に設けられた表示部34の別の実施の形態を示す模式図である。表示部34にはユーザが設定した測定モードに対応した測定領域を示す複数のLEDが一列に配列した測定領域表示部36が設けられている。図11の例では、測定モードとして外径測定モードが選択されており、寸法測定エリアの一端から数えて最初のエッジ位置と2つ目のエッジ位置の間の距離が算出されている。図11に示すように測定領域表示部36は、実際に測定の対象となっている測定領域にある画素位置に対応したLEDのみを点灯する。したがって、ユーザは現在設定している測定モードが所望のモードであるか否かを直感的に判断できる。また、測定モードの切替に応じて、測定領域表示部36を構成するLEDの点灯パターンが変化するため、各測定モードがどの測定領域の測定値を出力するものであるかを視覚的に認識することができる。
【0052】
この実施の形態の場合、図2に示した受光器2のFPGA32は、ユーザにより設定されてコントローラ3のEEPROM43に記憶されている測定モードを読み出し、検出されたエッジ位置と読み出された測定モードに応じて点灯すべきLEDを決定し、測定領域表示部36の表示を制御する。測定領域表示部36は上述した入光領域表示部35と同様、寸法測定エリアの延長上、且つ寸法測定エリアの幅と略同一の幅を有しているため、測定値の概略値を直感的に把握できる。また、測定領域表示部36を構成する複数のLEDのピッチを例えば1mmなど切りのよい数値とすることで、LEDの点灯個数により測定値の概略を知ることも可能である。
【0053】
一般にユーザの測定用途あるいは測定対象物によって、ユーザが測定したい領域は異なる。したがって、本実施の形態における透過型寸法測定装置は複数の測定モードが予め備えられており、同一の測定対象物を測定中であっても、ユーザがSW44を操作して測定モードを切替えることで、測定領域の始点及び終点を変更することができる。測定領域表示部36は測定領域の変化にリアルタイムに追従し、複数の表示灯の点灯パターンを変化させて現在の寸法値に対応した測定領域を表示する。
【0054】
図12は同一の測定対象物の測定中に、ユーザが測定モードを切替えた場合の測定領域表示部36の点灯パターンの変化を模式的に示した図である。同一の測定対象物の測定中であってもユーザがSW44を操作して測定モードを切り替えると、測定領域が変化するため図12に示すように測定領域表示部36の点灯パターンも追従して変化する。したがって、ユーザは寸法値を確認することなく、測定領域表示部36の点灯パターンの変化を確認しながら所望の測定パターンを選択することができる。特に複数の遮光領域を備える複雑な形状を有する測定対象物の測定を行う場合には、寸法値から所望の測定領域を測定するための測定モードが選択されているか否かを判断するのは非常に困難である。しかし、本実施の形態によれば測定対象物をセットした状態で、実際の測定対象物の位置と対比しながら、測定領域を示す測定領域表示部36の点灯パターンの変化を確認すれば所望の測定パターンを容易に選択できる。
【0055】
図13は、受光器2に設けられた表示部34の更に別の実施の形態を示す模式図である。図13に示すように、本実施の形態の表示部34には複数のLEDからなる入光領域表示部35及び測定領域表示部36が寸法測定エリアの延長上に平行に配列している。
【0056】
入光領域表示部35を構成する各LEDは、測定対象物により遮光されず、平行光が入射するCCD29の画素位置に対応したLEDが点灯する。一方、測定領域表示部36を構成する各LEDは、設定された測定モードに対応した測定領域、すなわち実際に得られている寸法値に対応したLEDが点灯する。図13の例の場合、測定モードとして外径測定モードが選択されており、1つ目のエッジ位置と2つ目のエッジ位置の間の距離が寸法値として出力されている。このような構成により、測定対象物により遮光されている領域と、実際に測定している領域を同時に確認することができる。また、入光領域表示部35の発光色を例えば赤色にし、測定領域表示部36の発光色を緑色にするなど、夫々の発光色を異ならせることによりユーザによる混同を防ぐことができる。
【0057】
上述したように、測定モードの中にはユーザが任意の測定領域の始点及び終点(エッジ位置、エッジ間中心位置、寸法測定エリアの端部位置等)を選択することにより任意の測定領域を設定することができる任意エッジ測定モードや中心間隔測定モードがある。図14は、入光領域表示部35と測定領域表示部36が並列配置されている場合の各々の表示部の点灯パターンを説明するための図である。まず、ユーザは入光領域表示部35を確認し、どのエッジ位置からどのエッジ位置までが所望の測定領域かを確認する。続いてSW44を操作して測定モードを図14に示すように切り替えると測定領域表示部36の点灯パターンは測定領域の変化に追従してリアルタイムに変化する。ユーザはこの点灯パターンの変化を確認しながら、所望の測定領域となるまで測定モードを変化させるだけで容易に所望の測定モードを選択できる。
【0058】
このように、入光領域表示部35と測定領域表示部36を並列配置することにより、ユーザは実際に検出されているエッジ位置と対比させながら測定領域を設定できる。したがって、複数の遮光領域を備える複雑な測定対象物の測定を行う場合にも、所望の測定領域を容易に設定することができる。
【0059】
次に、エッジ位置を検出するための測定用閾値P1の設定について詳細に説明する。一般に、透過型の寸法測定装置の測定用閾値P1は非遮光状態における受光量に対して、25%の受光量となる高さ位置に設定される。図15に示す受光量分布W1は投光器1と受光器2が比較的近接して配置された場合の受光量分布を示し、受光量分布W2は投光器1と受光器2が比較的離れて配置された場合の受光量分布を示している。図15に示すように受光量分布W1とW2の交点は測定用閾値P1(25%)にほぼ一致する。これは投光器1と受光器2が設置される相対距離に依存せず、同じ画素位置をエッジ位置として検出可能であることを意味する。したがって、測定用閾値P1が上述した25%点に設定されている場合、投光器1と受光器2の相対距離に依存せず、常に同一のエッジ位置が測定できるため、一般的には測定用閾値P1は非遮光状態の25%の受光量となる高さ位置に固定されている。
【0060】
本実施の形態では測定用閾値P1の高さ位置を変更可能としている。そのため、測定用閾値P1を変更した場合、投光器1と受光器2の相対距離に依存して僅かに検出されるエッジ位置にズレが発生する虞がある。しかし、ユーザの使用環境あるいは測定対象物の透明度によっては25%位置に設定された測定用閾値P1では、そもそも測定対象物のエッジ位置のみを適切に検出することができない場合がある。
【0061】
例えば、透過型の寸法測定装置では、透明度の高い測定対象物の測定を行うことがある。このような透明度の高い測定対象物は、遮光領域の光が受光器2にある程度入光してしまうため、寸法測定を行うためのエッジ位置を適切に検出することができないことがある。図16はCCD29から出力された受光量分布の一例を示す図である。横軸はCCD29の画素の配置位置、縦軸は各画素が受光した受光量を示している。また、R1は非透明体による遮光領域、R2は透明体による遮光領域である。図16に示すように、非透明体による遮光領域は測定用閾値P1により検出可能だが、透明体による遮光領域R2は測定用閾値P1では検出できない。そこで、測定用閾値P1をP1よりも高いP1'に変更することにより、透明体による遮光領域をエッジ位置として確実に検出することができる。
【0062】
しかし、測定用閾値P1を高くしすぎると、図17に示すように、ノイズ要因の多い使用環境下では、ノイズを誤って検出してしまうことがある。図17は、ノイズにより受光量が減少した画素位置を測定用閾値P1’により誤ってエッジ位置として検出してしまっている場合の受光量分布の一例を示す図である。このような場合は、測定用閾値P1’をノイズの影響を受けない低い値に更に変更する必要がある。
【0063】
本実施の形態では、ユーザの使用環境(ノイズ要因)や測定したい測定対象物の透明度等に応じて、測定用閾値P1を変更可能としているため、適切に測定用閾値P1が設定されていれば、ノイズの影響を受けず、且つ様々な透明度の測定対象物のエッジ位置を検出することができる。測定用閾値P1を変更することによってエッジ位置にズレが発生する虞はあるものの、ユーザの精度要求(公差範囲の幅)によってはこの僅かな位置ズレは問題とならないことが多い。また、投光器1と受光器2の相対距離関係は一度固定された後、多くの場合、変更されることは少ない。したがって、測定値が実際値に対して僅かに乖離していたとしても測定値自体が変動することはなく、例えば寸法精度が保証された測定対象物の測定値からの変動幅に基づいてOK/NG判定を行う場合は、このエッジ位置のズレは全く問題とならない。
【0064】
図18は測定対象物が透明体である場合の入光領域表示部35及び測定領域表示部36の点灯パターンを示す模式図である。図18(a)は透明体により遮光される光が少なく、透明体のエッジ位置が適切に検出できていない場合の一例を示している。この状態では入光領域表示部35が全て点灯し、測定領域表示部36が全て消灯しており、ユーザは現在の測定用閾値P1の設定では、測定しようとする透明体のエッジ位置が検出できていないことが確認できる。図18(b)は、コントローラ3に設けられたSW44が操作され、測定用閾値P1がP1よりも高い値に変更された場合の入光領域表示部35及び測定領域表示部36の点灯パターンを示す模式図である。測定用閾値P1を変更したことにより、遮光領域を測定する測定モードにおいて遮光領域に対応した測定領域表示部36が点灯し、透明体のエッジ位置検出が可能となったことが分かる。なお、本実施の形態では入光領域表示部35を点灯させる入光表示用閾値P2が測定用閾値P1と同一である場合の例を示しているため、入光領域表示部35は遮光領域部分について消灯している。
【0065】
このように、本実施の形態では、測定用閾値P1を変更する必要があった場合に、入光領域表示部35及び測定領域表示部36を確認しながら測定用閾値P1の変更が行える。特に測定領域表示部36は実際に寸法値を算出する測定領域が確認できるので、この測定領域表示部36を確認しながら所望の測定領域が得られるように測定用閾値P1を変更できる。
【0066】
以上示したように、寸法値算出の基準となる測定領域は、ユーザが設定した測定モード及び測定対象物による遮光領域に基づいて定まる。そして、遮光領域として検出する領域は測定用閾値P1が変更されることで変化する。したがって、測定領域を表示する測定領域表示部36は、測定モードや測定用閾値P1が変更されて測定領域が変化した場合に、この変化に追従してリアルタイムに点灯パターンを更新する。したがって、ユーザはこれらの設定を変更する際には、測定領域表示部36の点灯パターンの変化を確認しながら所望の測定領域が得られるまで設定を変更すればよい。
【0067】
入光領域表示部35を点灯させるための入光表示用閾値P2は、測定用閾値P1と同一であっても良いが、別であってもよい。図19は入光領域表示部35及び測定領域表示部36及び受光器2の受光量分布の比較図である。図19の例では、入光領域表示部35を点灯させるための入光表示用閾値P2が測定用閾値P1とは別に設定された場合の例を示している。測定対象物により遮光された遮光領域の受光量は測定用閾値P1及び入光表示用閾値P2の閾値を下回っている。一方、塵による遮光領域の受光量は入光表示用閾値P2は下回っているものの、測定用閾値P1を下回っていないため、塵による遮光領域に対応する入光領域表示部35は消灯するものの、測定用のエッジ位置としては検出されない。したがって、塵による遮光領域は測定領域表示部36の点灯パターン及び測定値に一切反映されない。このように、入光表示用閾値P2を測定用閾値P1よりも高い値に設定することにより、異常な測定値が出力される前に、塵や汚れによる受光量の減少及びその具体的な箇所が分かる。したがって、ユーザが適切な時期にメンテナンスをすることが可能になる。
【0068】
本実施の形態では、入光領域表示部35を構成する複数のLEDと測定領域表示部36を構成する複数のLEDを二列に並べて配置したが、必ずしもこのような配置である必要はなく、寸法測定方向に一列に配置した複数のLEDに入光領域表示部35と測定領域表示部36の両方の機能を包含させることも可能である。図20は表示部34の変形例を示す図である。図20の例では、二色に発光するLEDを用いて、入光領域に対応したLEDを例えば赤色で発光させ、測定モードに対応した測定領域を入光領域とは別色である緑色で点灯させている。図20の例では寸法測定エリアの一端から最初のエッジ位置と最後のエッジ位置の間を測定する外径測定モードが選択されている。また、入光領域に対応したLEDを点灯させる第1表示パターンモードと、測定領域に対応したLEDを点灯させる第2表示パターンモードを備えて、これらを切替え可能に構成してもよく、この場合、例えば光軸調整時に第1表示モード、通常の測定時に第2表示モードに切替設定されるようにしてもよい。また、測定モードの設定時のみ第2表示モードとすることも可能である。
【0069】
以上示した実施例はいずれもコントローラ3に設けられたSW44により外部からユーザが直接測定モードが設定可能であり、受光器2に入光領域あるいは測定領域を示す表示部32が設けられている例を示した。しかし、ユーザによってはコントローラ3に外部制御装置(たとえばパーソナルコンピュータ等)を接続して、受光量分布をモニタリングし、測定用閾値P1や測定モードが適切に設定されているか否かをより詳細に解析したい場合があり、この場合はコントローラ3の外部I/F45に接続された外部制御装置60に制御プログラムをインストールし、この外部制御装置60から透過型寸法測定装置の各種設定を実行する。図21は外部制御装置60に表示された測定モードの設定画面の一例を示す図である。
【0070】
測定モードを外部制御装置60で設定したい場合には、外部制御装置60にインストールされた制御プログラムを起動し、図21に示す測定モード設定画面を表示させる。ユーザは設定タブ54をアクティブにし、測定モード設定ウィンドウ50から測定モードを選択する。続いて転送ボタン51をクリックすることにより、選択した測定モードに対応した設定信号をコントローラ3に送信する。外部I/F45を介して設定信号を受信したコントローラ3のMCU41はEEPROM43に受信した設定信号に対応した測定モードを記憶し、MCU41は記憶した測定モードに対応した寸法値の算出を自動的に実行する。なお、ユーザが読み出しボタン52をクリックすると透過型寸法測定装置に現在設定されている測定モード及び測定用閾値P1等の設定情報が読み出され、設定タブ54に自動的に反映される。
【0071】
外部制御装置60がコントローラ3に接続され、外部制御装置60の制御プログラムが起動されると、コントローラ3のMCU41は受光器2が受光する受光量分布を取得し、続いて外部制御装置60に送信する。併せて、設定されている測定モードと遮光領域に対応した寸法値算出の基準となっている測定領域を示す信号、及び上述した測定用閾値P1以上の受光量を有する入光領域を示す信号、及び算出した寸法値を外部制御装置60に送信する。これらの情報を外部制御装置60でモニタリングする場合は、ユーザはモニタタブ55をアクティブにすればよい。
【0072】
図22は外部制御装置60による受光量分布のモニタリング画面の一例を示す図である。受光量分布モニタウィンドウ53上には受光量分布W、測定用閾値P1が比較可能に表示されている。横軸はCCD29の画素位置、すなわち寸法測定エリアの幅を示しており、縦軸は各画素位置における受光量を示している。
【0073】
受光量分布モニタウィンドウ53の上部には、当該ウィンドウ53と横軸を一致させた状態で、コントローラ3から受信した測定領域をバーで表示する測定領域バー表示部56及び入光領域をバーで表示する入光領域バー表示部57が表示される。また、測定領域をより認識しやすくするために測定領域バー表示部56に示される測定領域の両端部から受光量分布モニタウィンドウ53上にガイドライン59が延出して表示される。また合わせて寸法値表示ウィンドウ58にはコントローラ3から取得した寸法値が表示される。
【0074】
本実施の形態によれば、ユーザは測定用閾値P1と受光量分布Wを比較してエッジ位置が適切に検出されているか否かを確認できるだけでなく、実際に受光量分布上のどの領域が測定領域として設定されているかを測定領域バー表示部56を確認することで容易に把握することができる。ユーザ所望の測定領域が設定されていない場合は、設定タブ54に戻り、別の測定モードをコントローラ3に送信し、モニタタブ55で再度モニタリングを行えばよく、ユーザにとって非常に利便性が良い。なお、本実施の形態では測定領域を示す信号をコントローラ3から受信して測定領域バー表示部56に表示するようにしたが、コントローラ3からは受光量分布とエッジ位置情報のみを取得し、外部制御装置60が記憶している測定モードに基づいて測定領域を算出し表示するようにしてもよい。また、測定領域の表示の形態としては、上述したバー表示に限らず、例えば受光量分布Wの表示色や表示態様を変更することにより測定領域をその他の領域と識別可能に表示するなど、種々の変形及び変更を実施し得る。
【0075】
以上示した実施の形態はいずれも受光器2に表示部34が設けられている例を示したが、投光器1に表示部34が設けられていても良いことは云うまでもない。この場合、受光器2における受光状態を、コントローラ3を介して投光器1に通信することにより、投光器1において同様の表示が可能である。また、投光器1及び受光器2の双方に表示部34を設けることも可能である。また、測定原理としてはCCD方式に限定されず、上述したスキャン方式の透過型寸法測定器にも適用可能である。本発明はここに説明した実施例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく必要に応じて種々の変形及び変更を実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本実施の形態におけるシステム構成図である。
【図2】本実施の形態における投光器1、受光器2、コントローラ3の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本実施の形態における受光器2の外観斜視図である。
【図4】本実施の形態における受光器2の別の外観斜視図である。
【図5】本実施の形態における入光領域表示部35の点灯パターンの例を示す図である。
【図6】本実施の形態において光軸ずれが発生した場合の入光領域表示部35の点灯パターンの例を示す図である。
【図7】本実施の形態において光軸が完全に一致している場合の入光領域表示部35の点灯パターンの例を示す図である。
【図8】入光領域表示部35の第1の変形例を示す図である。
【図9】入光領域表示部35の第2の変形例を示す図である。
【図10】投光面又は受光面に汚れが付着している場合の入光領域表示部35の点灯パターンの例を示す図である。
【図11】測定領域表示部36の点灯パターンの例を示す図である。
【図12】同一の測定対象物の測定中に、ユーザが測定モードを切替えた場合の測定領域表示部36の点灯パターンの変化を模式的に示した図である。
【図13】第2の実施の形態における入光領域表示部35、測定領域表示部36の点灯パターンの例を示す図である。
【図14】入光領域表示部35と測定領域表示部36が並列配置されている場合の各々の表示部の点灯パターンを説明するための図である。
【図15】投光器1と受光器2の相対距離が異なる場合の受光量分布を示す図である。
【図16】透明体測定時の受光量分布と測定用閾値P1との関係を示す図である。
【図17】ノイズ要因の多い使用環境下での受光量分布と測定用閾値P1との関係を示す図である。
【図18】透明体測定時に測定用閾値P1を変更した場合の入光領域表示部35、測定領域表示部36の点灯パターンの変化を示す図である。
【図19】入光領域表示部35及び測定領域表示部36及び受光器2の受光量分布の比較図である。
【図20】表示部34の変形例を示す図である。
【図21】外部制御装置60に表示された測定モードの設定画面の一例を示す図である。
【図22】外部制御装置60による受光量分布のモニタリング画面の一例を示す図である。
【図23】各測定モードの測定領域を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0077】
1 投光器
2 受光器
3 コントローラ
10 投光スリット
11 LD(レーザダイオード)
12 レーザ駆動回路
13 MCU
15 投光レンズ
20 受光スリット
21 下側ケーシング
22 前面カバー
23 上側ケーシング
29 CCD
34 表示部
35 入光領域表示部
36 測定領域表示部
37 光軸一致表示用LED
50 測定モード設定ウィンドウ
53 受光量分布モニタウィンドウ
56 測定領域バー表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する発光素子と、当該発光素子により発光した光を平行光に変換する投光レンズと、当該平行光を外部に出射するための投光スリットとを備える投光器と、
前記平行光を入射する受光スリットと、当該受光スリットに入射した光を受光する受光素子とを備える受光器と、
少なくとも前記受光器に接続されて前記受光素子の駆動制御を実行するコントローラとを有し、
前記投光器と前記受光器とを所定の間隔を置いて配置することにより前記投光スリットと前記受光スリットとの間に寸法測定エリアを形成する透過型寸法測定装置であって、
前記受光素子から出力される受光信号に基づいて、前記受光素子に入射される光のうち、前記寸法測定エリア内に配置された測定対象物による遮光領域を検出する遮光領域検出手段と、
前記寸法測定エリア内における前記遮光領域に関連し、寸法値として算出される測定領域の始点及び終点を選択するための複数の測定モードから一つの測定モードの選択を受け付ける測定モード選択手段と、
前記選択された測定モードと前記測定対象物による遮光領域に基づいて、前記測定領域の寸法値を算出する寸法値算出手段と、
前記寸法測定エリアの寸法測定方向の幅を分割する各領域に対応して一列に配列した複数の表示灯からなり、前記寸法値算出手段により算出される寸法値に対応した測定領域を前記複数の表示灯の点灯パターンによりその他の領域と識別可能に表示する測定領域表示部とを備えることを特徴とする透過型寸法測定装置。
【請求項2】
前記測定モード選択手段は、前記コントローラに設けられた操作スイッチが操作されることにより測定モードの選択を実行する手段であり、
前記測定領域表示部は、前記操作スイッチによる測定モードの変更に追従して前記複数の表示灯の点灯パターンを更新することを特徴とする請求項1に記載の透過型寸法測定装置。
【請求項3】
前記測定モード選択手段により、前記測定領域表示部が前記測定領域を表示した状態で前記遮光領域に関連付いた任意の測定領域の始点及び終点を選択することにより任意の測定領域が設定可能であり、
前記測定領域表示部は、前記測定モード選択手段により設定された任意の測定領域を前記複数の表示灯の点灯パターンを更新することによりその他の領域と識別可能に表示することを特徴とする請求項2に記載の透過型寸法測定装置。
【請求項4】
前記遮光領域検出手段は前記受光素子から出力される受光信号と、予め定めた閾値とを比較することにより遮光領域を検出する手段であり、
前記測定領域表示部が前記測定領域を表示した状態で、前記閾値を変更するための閾値変更手段を更に有し、
前記閾値変更手段により閾値が変更され、前記遮光領域検出手段が遮光領域として検出する領域が変化した際に、当該遮光領域の変化に基づく測定領域の変化に追従して前記測定領域表示部の複数の表示灯の点灯パターンを更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の透過型寸法測定装置。
【請求項5】
前記測定領域表示部は、前記受光器が設置される当該受光器の底面に対向する上面側に設けられ、前記測定領域表示部の複数の表示灯の配列方向の幅が、前記寸法測定エリアの寸法測定方向の幅と略同一となるように設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載の透過型寸法測定装置。
【請求項6】
前記測定領域表示部と並んで配列した複数の表示灯からなる入光領域表示部を更に備え、前記入光領域表示部の複数の表示灯の点灯パターンにより、寸法測定エリア内において所定以上の受光量を有する入光領域をその他の領域と識別可能に表示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の透過型寸法測定装置。
【請求項7】
光を発光する発光素子と、当該発光素子により発光した光を平行光に変換する投光レンズと、当該平行光を外部に出射するための投光スリットとを備える投光器と、
前記平行光を入射する受光スリットと、当該受光スリットに入射した光を受光する受光素子とを備える受光器と、
少なくとも前記受光器に接続され、前記受光素子の駆動制御を実行するコントローラとからなり、
前記投光器と前記受光器とを所定の間隔を置いて配置することにより前記投光スリットと前記受光スリットとの間に寸法測定エリアを形成する透過型寸法測定装置に接続される外部制御装置の制御を行う制御プログラムであって、
前記寸法測定エリア内における前記遮光領域に関連し、前記寸法値として算出される測定領域の始点及び終点を選択するための複数の測定モードから一つの測定モードを選択するステップと、
該ステップで選択された測定モードを前記コントローラに設定するための設定信号を前記コントローラに送信するステップと、
前記コントローラから少なくとも前記受光器が受光する受光量分布を取得して、当該受光量分布に加えて前記遮光領域と選択された前記測定モードに基づいて決定される測定領域を表示画面上に表示するステップとを備えることを特徴とする外部制御装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2010−286244(P2010−286244A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137823(P2009−137823)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】