説明

通信システム、通信装置、通信方法及び通信用プログラム

【課題】受話者が移動中である場合において、発話者による無駄な操作の実行を回避できると共に、その移動後における通話を確実に行わせることで発話者と移動する受話者との間の意思疎通を良好に行うことが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】車両Cと共に移動する移動端末装置TAと、当該移動端末装置TAと通話を行う固定設置の端末装置TBと、からなる通信システムSであって、移動端末装置TAを用いた通話操作が可能となる車両Cの停止可能位置までの移動に必要な移動時間を端末装置TBに通知し、当該端末装置TBの操作者に告知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信システム、通信装置、通信方法及び通信用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、車両等の移動体に搭載されて当該移動体と共に移動する通信装置と、当該通信装置以外の他の通信装置との間で情報の授受を行う通信システム及び当該通信装置、通信方法並びに当該通信に用いられる通信用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型電話機等の普及により、車両により移動中の者と通話する機会が一般に起きている。一方、道路交通法上でも、交通安全の観点から運転中の携帯型電話機を用いた通話が規制されているところである。
【0003】
以上のような状況において、従来では、運転中の者に対して電話をかけた場合、例えば「ただいま電話に出ることができません」等の通話ができない旨のメッセージが一方的に送信されて来るのみとされており、結果として電話をかけた者をして適当な時間を見計らって再度電話をかける手間を取らせたり、或いは伝えるべき情報が伝えられないと言う事態を招いていた。
【0004】
そこで、このような不具合を解消すべく、例えば下記特許文献1に記載された技術が開発されている。
【0005】
より具体的には、下記特許文献1に記載された技術によれば、カーナビゲーション装置と携帯電話機とがインターフェース接続されたシステムにおいて、走行中に外部の発話者からの着信があった場合、その発話者に対して通話内容の緊急度に対応したダイアルボタンを押すように受話者に対して合成音声で要求し、それに応えて当該受話者によりダイアルボタンが押された場合には、そのトーン信号より押されたダイアルボタンを判別して緊急度を把握する構成とされている。そして、その発話者には、予め決められた応答内容群の中から、上記把握した緊急度に対応する応答内容を合成音声で送信し、一方、受話者(運転者)には把握した緊急度を合成音声で伝達する構成とされている。なおこのとき、上記把握した緊急度が高い場合には、最寄りの停車スペースを自動探索してその場所へ経路案内することとされている。
【特許文献1】特開2005−341264公報(図2等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明の構成によると、上記応答内容を伝えられた発話者(すなわち、電話をかけた発話者)は、次にどのような操作(アクション)をすべきかを判断することが難しいという問題点があった。
【0007】
すなわち、発話者が電話をかけたとき、その受話者に電話がかからないか又は当該受話者が電話に出られないような場合には、その受話者がどのような状況(場所、状況、環境等)にあるかを当該発話者が知る術がなく、結果として、その発話者は次にどのような操作(アクション)をすべきかの判断が極めて難しくなるのである。
【0008】
そして、上述したような受話者に電話がかからない等の状態では、上記発話者として、例えば発話操作を数回繰り返すというような操作を行った場合には、それによって受話者が必ず電話に出られるという確証があるものでもないことになり、結果として発話者においては無駄な操作になってしまい、不要な時間浪費が発生すると言う問題点になる。
【0009】
そこで、本願は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、受話者が移動中である場合において、発話者による無駄な操作の実行を回避できると共に、その移動後における通話を確実に行わせることで発話者と移動する受話者との間の意思疎通を良好に行うことが可能な通信システム及び通信装置、通信方法並びに当該通信に用いられる通信用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両等の移動体と共に移動する移動端末装置等の第1の通信装置と、当該第1の通信装置を操作する操作者の操作に基づいて当該第1の通信装置において生成された情報の授受を当該第1の通信装置との間で行う端末装置等の第2の通信装置と、からなる通信システムであって、前記第2の通信装置から前記授受を行う旨の着信が前記第1の通信装置にあったとき、当該第1の通信装置を用いた前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置があるか否かを検出するCPU等の状態検出手段と、前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置がないことが検出されたとき、前記移動体の現在位置から前記操作が可能となる操作可能位置まで前記移動体が移動するために必要な移動時間を示す移動時間情報を取得するCPU等の時間情報取得手段と、前記取得された移動時間情報を前記第2の通信装置に送信する送受信部等の送信手段と、を備え、前記第2の通信装置は、前記送信されて来た移動時間情報を受信する送受信部等の受信手段と、前記受信された移動時間情報により示される前記移動時間を当該第2の通信装置の操作者に告知する表示部等の告知手段と、を備える。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第1の通信装置であって、前記状態検出手段と、前記時間情報取得手段と、前記送信手段と、を備える。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第2の通信装置であって、前記受信手段と、前記告知手段と、を備える。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、車両等の移動体と共に移動する移動端末装置等の第1の通信装置と、当該第1の通信装置を操作する操作者の操作に基づいて当該第1の通信装置において生成された情報の授受を当該第1の通信装置との間で行う端末装置等の第2の通信装置と、からなる通信システムにおいて実行される通信方法であって、前記第2の通信装置から前記授受を行う旨の着信が前記第1の通信装置にあったとき、当該第1の通信装置を用いた前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置があるか否かを検出する状態検出工程と、前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置がないことが検出されたとき、前記移動体の現在位置から前記操作が可能となる操作可能位置まで前記移動体が移動するために必要な移動時間を示す移動時間情報を算出する時間情報算出工程と、前記算出された移動時間情報を前記第2の通信装置に送信する送信工程と、前記送信されて来た移動時間情報を前記第2の通信装置において受信する受信工程と、前記受信された移動時間情報により示される前記移動時間を当該第2の通信装置の操作者に告知する告知工程と、を含む。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第1の通信装置に含まれるコンピュータを、前記状態検出手段、前記時間情報取得手段、及び、前記送信手段、として機能させる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項17に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第2の通信装置に含まれるコンピュータを、前記受信手段、及び、前記告知手段、として機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、車両又は電車等の移動体と共に移動する移動端末装置(より具体的には、携帯型電話機又はナビゲーション装置等)と、当該移動端末装置以外の他の端末装置(より具体的には、他の携帯型電話機又は固定電話機)と、を含む通信システムにおいて、通話又は電子メール等の情報の授受を行う場合に本願を適用した実施の形態である。
【0017】
(I)第1実施形態
始めに、本願に係る第1実施形態について、図1乃至図4を用いて説明する。なお、図1は第1実施形態に係る通信システムの概要構成を示すブロック図であり、図2及び図3は当該通信システムを構成する各構成部材の細部構成を示すブロック図であり、図4は当該通信システムにおいて実行される動作を示すフローチャートである。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態に係る通信システムSは、移動体としての車両Cに搭載された第1の通信装置としての上記移動端末装置TAと、固定設置されている移動時間算出装置としての地図データサーバSVと、上記他の端末装置であり且つ第2の通信装置としての端末装置TBと、により構成されており、当該移動端末装置TA、地図データサーバSV及び端末装置TBは、無線通信又は有線通信により相互に情報の授受が可能とされている。
【0019】
次に、当該移動端末装置TA、地図データサーバSV及び端末装置TB夫々の細部構成ついて説明する。
【0020】
先ず、移動端末装置TAの細部構成について、図2(a)を用いて説明する。なお、当該図2(a)は、移動端末装置TAの細部構成を示すブロック図である。
【0021】
図2(a)に示すように、移動端末装置TAは、状態検出手段、出力手段及び確認手段としてのCPU1と、アンテナ2と、時間情報取得手段、送信手段及び操作可能位置情報取得手段としての送受信部3と、通信処理部4と、マイク5と、操作ボタン等からなる選択手段としての操作部6と、液晶ディスプレイ等からなる表示部7と、スピーカ8と、不揮発性領域及び揮発性領域の双方を備えたメモリ9と、現在位置検出手段としてのGPS(Global Positioning System)端末10と、により構成されている。
【0022】
次に、動作概要を説明する。
【0023】
例えば移動端末装置TAを用いて外部の端末装置TBと通話する場合、マイク5に対して入力された音声は、音声信号としてCPU1を介して通信処理部4へ出力される。
【0024】
そして、通信処理部4は、操作部6から入力された相手先である端末装置TBの電話番号を示す情報等と共に上記音声信号を符号化し、送受信部3へ出力する。
【0025】
これにより、送受信部3は、当該符号化された音声信号に対して必要な増幅処理等の処理を施し、アンテナ2を介して当該端末装置TBに送信する。
【0026】
一方、移動端末装置TAに対して端末装置TBから送信されて来た音声信号は、アンテナ2で受信された後に送受信部3へ出力され、当該送受信部3において、必要な増幅処理等の処理が施され、更に通信処理部4において復号されたのち、CPU1を介してスピーカ8から放音される。
【0027】
なお、上記通話処理の実行において必要な情報(例えば端末装置TBの電話番号等)は必要に応じて表示部7において表示される。
【0028】
また、CPU1は上記一連の通話処理を統括制御するが、その際に必要な情報がメモリ9内の上記揮発性領域に一時的に記憶された後、必要なタイミングで読み出されて当該統括制御に供される。
【0029】
更に、CPU1は、後述する第1実施形態に係る通信処理を移動端末装置TAにおいて実行する際にも上記統括制御を実行する。
【0030】
なお、当該後述の通信処理において、GPS端末10は、必要に応じて、移動端末装置TAの位置を示す位置情報を生成してCPU1に出力する。この際、当該GPS端末10は、図示しないGPS衛星からの航法電波を受信し、その受信結果に基づき上記位置情報を生成してCPU1に出力する。
【0031】
また、移動端末装置TAは、少なくとも二種類の動作モードで動作するものであり、具体的には、当該移動端末装置TAの操作者が運転中であって電話に出ることができない状態にあるときに当該移動端末装置TAにおいて設定されるいわゆるドライブモードと、それ以外の動作状態である通話待受モードと、の二種類の動作モードで動作する。
【0032】
次に、端末装置TBの細部構成について、図2(b)を用いて説明する。なお、当該図2(b)は、端末装置TBの細部構成を示すブロック図である。
【0033】
図2(b)に示すように、端末装置TBは、CPU20と、アンテナ21と、受信手段としての送受信部22と、通信処理部23と、マイク24と、操作ボタン等からなる操作部25と、液晶ディスプレイ等からなる告知手段としての表示部26と、スピーカ27と、不揮発性領域及び揮発性領域の双方を備えたメモリ28と、により構成されている。
【0034】
次に、動作概要を説明する。
【0035】
例えば端末装置TBを用いて上記移動端末装置TAと通話する場合、マイク24に対して入力された音声は、音声信号としてCPU20を介して通信処理部23へ出力される。
【0036】
そして、通信処理部23は、操作部25から入力された相手先である移動端末装置TAの電話番号を示す情報等と共に上記音声信号を符号化し、送受信部22へ出力する。
【0037】
これにより、送受信部22は、当該符号化された音声信号に対して必要な増幅処理等の処理を施し、アンテナ21を介して当該移動端末装置TAに送信する。
【0038】
一方、端末装置TBに対して移動端末装置TAから送信されて来た音声信号は、アンテナ21で受信された後に送受信部22へ出力され、当該送受信部22において、必要な増幅処理等の処理が施され、更に通信処理部23において復号されたのち、CPU20を介してスピーカ27から放音される。
【0039】
なお、上記通話処理の実行において必要な情報(例えば移動端末装置TAの電話番号等)は必要に応じて表示部26において表示される。
【0040】
また、CPU20は上記一連の通話処理を統括制御するが、その際に必要な情報がメモリ28内の上記揮発性領域に一時的に記憶された後、必要なタイミングで読み出されて当該統括制御に供される。
【0041】
更に、CPU20は、後述する第1実施形態に係る通信処理を端末装置TBにおいて実行する際にも上記統括制御を実行する。
【0042】
最後に、地図データサーバSVの細部構成について、図3を用いて説明する。なお、当該図3は、地図データサーバSVの細部構成を示すブロック図である。
【0043】
図3に示すように、地図データサーバSVは、移動時間算出手段としての処理部30と、アンテナ31と、送受信部32と、通信処理部33と、地図データベース34と、により構成されている。また、地図データベース34は、具体的には、移動端末装置TAを操作することにより通話が可能となる地点(より具体的な地点属性で言えば、例えば、高速道路のパーキングエリア、一般道路の駐車場、駐車場付きの店舗又はいわゆる路肩スペース等)の位置(以下、当該位置を操作可能位置と称する)を示す操作可能位置データベース35と、その他の一般的な道路ネットワーク情報又は鉄道ネットワーク情報等を含むネットワークデータベース36と、を少なくとも含んで構成されている。
【0044】
次に、動作概要を説明する。
【0045】
後述する第1実施形態に係る通信処理において、移動端末装置TAから操作可能位置の検索を行う旨の要求が為された場合、当該要求に対応する要求情報はアンテナ31において受信され、送受信部32及び通信処理部33において夫々増幅処理等及び復号処理等が施され、処理部30に出力される。
【0046】
そして、当該処理部30は、地図データベース34内の通話操作可能位置データベース35及びネットワークデータベース36の内容を夫々参照しつつ、当該要求情報の内容に応じた操作可能位置を検索する。
【0047】
その後、当該検索結果として得られた操作可能位置を示す位置情報は、再度通信処理部33及び送受信部32において夫々符号化処理等及び増幅処理等が施され、アンテナ31を介して端末装置TBに送信される。
【0048】
次に、上述した構成を備える通信システムSにおいて実行される、第1実施形態に係る通信処理について、具体的に図4を用いて説明する。
【0049】
第1実施形態に係る通信処理においては、始めに、端末装置TBから移動端末装置TAに対して電話をかけるための発信処理が当該端末装置TBにおいて実行される(ステップS1)。
【0050】
これにより、当該端末装置TBから発信された回線接続要求が移動端末装置TAに到達すると、当該移動端末装置TAにおいて必要な受信処理が実行され(ステップS2)、その後、当該移動端末装置TAにおけるその時点での動作モードが確認される(ステップS3)。
【0051】
そして、ステップS3の確認処理において、移動端末装置TAが通話待受モードであるときは(ステップS3;通話待受モード)、次に、実際に移動端末装置TAの操作者が通話可能な状態であるか否かを確認する(ステップS6)。
【0052】
ここで、当該ステップS4の確認処理においては、例えば、音声認識機能によりその操作者からの通話不能である旨の音声を認識したとか、或いは、通話不能の際に操作されるべきものとして予め決められた特定の操作ボタンをもって特定の操作が為されたことを検出したときに、当該移動端末装置TAの操作者が通話不能状態にあると判定し(ステップS6;NO)、一方、通話可能である旨の音声を認識したとか、或いは、通話不能の際に操作されるべき上記操作が為されないときに、当該移動端末装置TAの操作者が通話可能状態にあると判定する(ステップS6;YES)。
【0053】
そして、移動端末装置TAの操作者が通話可能状態にあると判定されたときは(ステップS6;YES)、そのまま端末措置TBの操作者との間の通話を通常の処理手順に則って行い(ステップS7)、動作を終了する。
【0054】
なおこのとき、上記ステップS1を完了した端末装置TBにおいては、移動端末装置TAにおける上記ステップS6の確認処理に対応して同様に当該移動端末装置TAとの通話が可能となったか否かを監視しており(ステップS13)、当該通話が可能とならないときは(ステップS13;NO)後述するステップS15の処理に移行し、一方当該通話が可能となったときは(ステップS13;YES)、移動端末装置TAにおける上記ステップS7の処理に対応して当該通話を実行し(ステップS14)、端末装置TBとしての動作を完了する。
【0055】
他方、移動端末装置TAにおける上記ステップS3の確認処理において移動端末装置TAがドライブモード(すなわち、その操作者において通話ができない状態であるドライブモード)であるか(ステップS3;ドライブモード)、又は当該移動端末装置TAにおける上記ステップS6の確認処理において移動端末装置TAの操作者が通話可能状態にないと判定されたときは(ステップS6;NO)、次に、GPS端末10からの位置情報を用いて当該移動端末装置TAの現在位置を測位し(ステップS4)、その結果を示す現在位置情報を地図データサーバSVに送信して(ステップS5)、移動端末装置TAとしての動作を一旦終了する。
【0056】
次に、当該現在位置情報を受信した(ステップS8)地図データサーバSVは、当該送信されて来た現在位置情報により示される移動端末装置TAの現在位置から最も近い操作可能位置を、上記操作可能位置データベース35の内容に基づいて探索し(ステップS9)、更に当該探索された最寄操作可能位置までの当該現在位置からの経路を、今度は上記ネットワークデータベース36のない方に基づいて探索する(ステップS10)。
【0057】
そして、上記ステップS10における探索結果に基づいて、移動端末装置TAの現在位置から当該最寄りの操作可能位置まで車両Cが移動するために必要な移動時間を算出し(ステップS11)、その移動時間を示す音声データを生成して端末装置TBに送信する(ステップS12)。
【0058】
これにより、当該音声データを受信した(ステップS15)端末装置TBにおいては、その音声データを用いて上記算出された移動時間を示す音声をそのスピーカ27から放音し(ステップS16)、これにより当該端末装置TBの操作者をして移動端末装置TAの操作者との通話が可能となるまでに必要な時間を認識させる。
【0059】
この後は、当該移動時間を認識した端末装置TBの操作者がその移動時間経過後に再度移動端末装置TAに対して新たに電話をかけても良いし、これとは逆に、探索された(ステップS9参照)操作可能位置まで移動した移動端末装置TAの操作者から端末装置TBに対して電話をかけるようにしても良い。
【0060】
以上説明したように、第1実施形態に係る通信システムSの動作によれば、端末装置TBとの間の通話が可能となる操作可能位置まで端末装置TAが移動するために必要な移動時間が当該端末装置TBの操作者に通知されるので、当該操作者をしてその移動時間の認識が可能となることで、当該操作者による無駄な操作の実行を回避できると共に、その移動時間経過後における通話を確実に為させることで端末装置TAの操作者と端末装置TBの操作者との間における意思疎通を良好に行うことができる。
【0061】
また、車両Cの現在位置を示す現在位置情報と地図データベースとに基づいて移動時間を算出するので、高い精度で移動時間を算出することができる。
【0062】
更に、移動時間を算出する地図データサーバSVが車両C外に固定設置されたものであるので、例えば大規模な地図データベース34に記憶させることができ、広範囲な地域について移動時間を算出して端末装置TBの操作者に告知することができる。
【0063】
更にまた、操作可能位置が、車両Cを停止させておくことが可能な位置であり、更に、現在位置から見て最も近い位置にある当該操作可能位置までの移動時間を算出するので、迅速に端末装置TBとの間の情報の授受を開始することができる。
【0064】
(II)第2実施形態
次に、本願に係る他の実施形態である第2実施形態について、図5を用いて説明する。なお、図5は第2実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。また、第2実施形態に係る通信システムの構成は、基本的には第1実施形態に係る通信システムSの構成と同様であるので、同一の構成部材については同一の部材番号を用い、その細部の説明は省略する。更に、図5においては、第1実施形態に係る通信システムSの動作と同一の動作については同一のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0065】
上述した第1実施形態においては、操作可能位置までの車両Cの移動時間に関する情報を一度端末装置TBに送信した後は、移動端末装置TA及び地図データサーバSVとしての動作を終了する場合について説明したが、以下に説明する第2実施形態においては、車両Cのスピードの変化や移動経路上の交通状態の変化に起因して上記移動時間に関する情報の内容(具体的には到達時刻)が変化する場合に備え、一定時間毎に当該移動時間に関する情報の端末装置TBへの送信を繰り返す。
【0066】
すなわち、第2実施形態に係る通信システムにおいては、先ず端末装置TBにおいて、第1実施形態に係る端末装置TBにおけるステップS1乃至S13乃至S16が実行される。
【0067】
一方、第2実施形態に係る移動端末装置TAにおいては、第1実施形態に係る移動端末装置TAにおけるステップS2乃至S7の動作が実行された後、例えば車両Cの通常の移動態様等に基づいて予め設定された一定時間の計時を行なう(ステップS15)。そして、当該一定時間の計時中は(ステップS15;NO)、常に移動端末装置TAの電源がオフとされたか否かを常に監視しており(ステップS16)、当該電源がオフとされたときは(ステップS16;YES)、そのまま移動端末装置TAとしての第2実施形態の動作を終了し、一方、引き続き移動端末装置TAの動作を継続するときは(ステップS16;NO)、そのまま当該一定時間の計時を継続する。
【0068】
他方、ステップS15の判定において、上記一定時間が経過したときは(ステップS15;YES)、上記ステップS4の動作に戻り、GPS端末10からの位置情報を用いた移動端末装置TA(車両C)の現在位置の測位動作(ステップS4)と、その結果を示す現在位置情報の地図データサーバSVへの送信動作(ステップS5)と、を再度行う。
【0069】
以上の第2実施形態に係る移動端末装置TAの動作により、当該移動端末装置TA(車両C)の現在位置を示す現在位置情報の地図データサーバSVへの送信を、上記一定時間毎に繰り返す。
【0070】
次に、当該現在位置情報を一定時間毎に受信する第2実施形態に係る地図データサーバSVにおいては、その現在位置情報を移動端末装置TAから受信する毎に、第1実施形態に係る地図データサーバSVと同様のステップS8乃至S11の動作を繰り返す。
【0071】
そして、移動時間が算出されると(ステップS11)、そのタイミングにおける移動時間の算出動作が、図5に示す第2実施形態に係る通信システムの動作が開始されて二回目以降の移動時間算出動作であるか否かを確認する(ステップS20)。なお、この確認動作のため、処理部30においては、移動時間の算出動作を一度行なう度に図示しないカウンタをインクリメントする。
【0072】
次に、上記ステップS20の確認において、そのタイミングにおける移動時間の算出動作が、第2実施形態に係る通信システムの動作が開始されて初めての移動時間算出動作であるときは(ステップS20;NO)、第1実施形態に係る地図データサーバSVと同様のステップS12の動作を実行し、その後新たな現在位置情報の受信待機状態に移行する(ステップS22)。
【0073】
一方、ステップS20の判定において、当該移動時間の算出動作が、第2実施形態に係る通信システムの動作が開始された後で二回目以降の移動時間算出動作であるときは(ステップS20;YES)、その算出された移動時間に対応する操作可能位置までの到達(予定)時刻が、既に上記ステップS12の動作において送信済みの移動時間音声データの内容により示される到達時刻に対して変化しているか否かを確認する(ステップS21)。そして、当該到達時刻が変化していないときは、再度それに対応する音声データを端末装置TBに送信する必要はないので、上記ステップS22にそのまま移行する。
【0074】
他方、ステップS21の確認において、到達時刻が以前に端末装置TBに送信した移動時間に対応する到達時刻から異なっているときは(ステップS21;YES)、その新たな移動時間を示す音声データを再度端末装置TBに送信し(ステップS12)、上記ステップS22に移行する。
【0075】
以上の移動端末装置TA及び地図データサーバSVに動作により、車両Cの操作可能位置までの移動時間(到達時刻)が変わる度に最新の移動時間が端末装置TBに送信され(ステップS12)、それを受信した(ステップS15)端末装置TBでは、新たな移動時間を示す音声データをその受信の都度その操作者に告知することとなる(ステップS16)。
【0076】
以上説明したように、第2実施形態に係る通信システムの動作によれば、第1実施形態に係る通信システムSの動作による効果に加えて、車両Cの移動に伴って算出された移動時間に基づいて到達時刻が更新され、対応する音声データが端末装置TBに再送信されるので、端末装置TBの操作者において、より正確に通話を開始することができる時刻を認識することができる。
【0077】
なお、上述した第2実施形態に係る通信システムの動作において、上記ステップS16の動作を行うことなく、上記ステップS15の判定において予め設定された一定時間が経過したときは(ステップS15;YES)上述したようにステップS4の動作に戻り、一方、当該一定時間が経過していないときは(ステップS15;NO)、そのまま当該一定時間が経過するまでその計時を継続する(ステップS15)ように動作させることも可能である。
【0078】
(III)第3実施形態
次に、本願に係る更に他の実施形態である第3実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は第3実施形態に係る通信システムに含まれる移動端末装置の概要構成を示すブロック図であり、図7は当該通信システムの動作を示すフローチャートである。
【0079】
上述した第1及び第2実施形態においては、夫々の実施形態に係る通信システムとして、車両Cに搭載された移動端末装置TAと、固定設置されている端末装置TB及び地図データサーバSVと、により構成される通信システムに対して本願を適用した場合について説明したが、以下に説明する第3実施形態においては、第1及び第2実施形態に係る地図データサーバSVとしての機能が、車両と共に移動する移動端末装置内に集約されている。よって、第3実施形態に係る通信システム内には、上記地図データサーバSVの如き固定設定された地図データサーバは含まれていない。
【0080】
すなわち、第3実施形態に係る通信システム内に含まれている移動端末装置TANVは、図6に示すように、第1及び第2実施形態に係る移動端末装置TAのCPU1に対して、当該第1及び第2実施形態に係る地図データベース34(操作可能位置データベース35及びネットワークデータベース36をそのまま含む)が直接接続された構成を備えている。そして、当該CPU1が、第1及び第2実施形態に係る地図データサーバSV内の処理部30と同様の機能(より具体的には、最寄操作可能位置探索機能(図4又は図5ステップS9参照)、探索された最寄操作可能位置までの経路探索機能(図4又は5ステップS10参照)、並びに最寄操作可能位置までの移動時間算出機能(図4又は図5ステップS11参照)の各機能)を発揮する。
【0081】
なお、第3実施形態に係る通信システムにおける移動端末装置TANVにおける地図データベース34以外の構成は基本的には第1実施形態に係る移動端末装置TAの構成と同様であり、また、第3実施形態に係る通信システムにおける固定設定された端末装置の構成も、基本的には第1実施形態に係る端末装置TBの構成と同様であるので、これらのうち同一の構成部材については同一の部材番号を用い、その細部の説明は省略する。
【0082】
次に、第3実施形態に係る通信システムにおける動作について、当該第3実施形態に係る通信ステムが、上記第1実施形態に係る通信システムSに相当する動作(図4参照)を実行する場合を例に、図7を用いて説明する。なお、図7において、第1実施形態に係る通信システムSの動作と同一の動作については同一のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0083】
図7に示すように、上記第1実施形態に対応する第3実施形態に係る通信システムにおいては、先ず端末装置TBにおいて、第1実施形態に係る端末装置TBにおけるステップS1乃至S13乃至S16が実行される。
【0084】
一方、第3実施形態に係る移動端末装置TANVにおいては、第1実施形態に係る移動端末装置TAにおけるステップS2乃至S4並びにS6及びS7の動作が実行された後、同じく第1実施形態に係る地図データサーバSVにおけるステップS9乃至S12の動作が実行される。
【0085】
以上説明した第3実施形態に係る通信システムの動作によれば、第1実施形態に係る通信システムSの動作による効果に加えて、地図データサーバSVとしての機能まで車両C内に搭載されているので、当該車両C上においてその現在位置を検出しつつ移動時間を算出できることで、より正確に移動時間を検出して端末装置TBの操作者に告知することができる。
【0086】
なお、上述した第3実施形態に係る通信システムにおいて、上述した第2実施形態に係る通信システムの如く、車両Cの操作可能位置までの移動時間を一定時間毎に更新しつつ、それが直前のものから変更された場合に、端末装置TBに対してその変更された移動時間を示す音声データを送信するように構成することもできる。
【0087】
この場合には、図5におけるステップS15、S16、S20乃至S22の動作を図6に示すCPU1が実行することになる。
【0088】
また、当該第3実施形態に係る移動端末装置TANVを、図7に示す処理のうちステップS2、S3、S6、S7及びS12を実行する携帯型電話機と、図7に示す処理のうちステップS4及びS9乃至S11を実行する車載型ナビゲーション装置により構成しても良い。
【0089】
更に、当該移動端末装置TANVを、図7に示す処理のうちステップS2乃至S4、S6、S7及びS12を実行する携帯型電話機と、図7に示す処理のうちステップS9乃至S11を実行する車載型ナビゲーション装置により構成しても良い。
【0090】
(IV)第4実施形態
最後に、本願に係る更に他の実施形態である第4実施形態について、図8を用いて説明する。なお、図8は第4実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
【0091】
上述した第1乃至第3実施形態においては、操作可能位置として、その時点での車両Cの位置から最寄りの操作可能位置のみに基づいて移動時間を算出して端末装置TBの操作者に告知する構成としていたが、以下に説明する第4実施形態においては、操作可能位置として、上記最寄操作可能位置を含む複数の操作可能位置を探索し、その探索結果を車両Cに搭乗している操作者に提示し、探索された複数の操作可能位置から当該操作者の任意によりいずれかの操作可能位置を選択する。そして、当該選択された操作可能位置までの上記移動時間を固定設置された端末装置の操作者に告知する。
【0092】
なお、第4実施形態に係る通信システムの構成は基本的には第1乃至第3実施形態に係る通信システムの構成と同様であるので、同一の構成部材については同一の部材番号を用い、その細部の説明は省略する。
【0093】
次に、第4実施形態に係る通信システムにおける動作について、当該第4実施形態に係る通信システムが、上記第3実施形態に係る通信システムに相当する動作(図7参照)を実行する場合を例に、図8を用いて説明する。なお、図8において、当該第3実施形態に係る通信システムの動作と同一の動作については同一のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0094】
図8に示すように、上記第3実施形態に対応する第4実施形態に係る通信システムにおいては、先ず端末装置TBにおいて、第3実施形態に係る端末装置TBにおけるステップS1乃至S13乃至S16が実行される。
【0095】
一方、第4実施形態に係る移動端末装置TANVにおいては、第3実施形態に係るステップS2乃至S4並びにS6及びS7の動作が実行された後、当該ステップS4の動作において測位された現在位置に基づき、予め設定された数の操作可能位置が、当該現在位置から最も近いものから順に操作可能位置データベース35を用いてその数だけ探索された上で、それらが移動端末装置TANVの表示部7上に操作可能位置候補として表示される(ステップS25)。
【0096】
そして、複数表示されている操作可能位置候補の中から、移動端末装置TANVの操作者がいずれかの操作可能位置を一つ選択する(ステップS25)。この選択動作は、例えば音声を用いて実行されるように構成しても良いし、運転の安全上問題のない範囲で操作ボタン等を用いた操作により実行されるように構成しても良い。
【0097】
その後、いずれかの操作可能位置が選択された後は、当該選択された操作可能位置と車両Cの現在位置とに基づき、図7に示すステップS10乃至S12の動作が実行される。
【0098】
以上説明した第4実施形態に係る通信システムの動作によれば、第3実施形態に係る通信システムSの動作による効果に加えて、操作可能位置が車両Cを停止させておくことが可能な位置であり、更に、複数の操作可能位置のうちのいずれかが選択可能とされるので、移動端末装置TANVの操作者の意思で通話を行う操作可能位置を選んで端末装置TBとの間の通話を開始することができる。
【0099】
なお、上述した第4実施形態に係る通信システムにおいて、上述した第2実施形態に係る通信システムの如く、車両Cの操作可能位置までの移動時間を一定時間毎に更新しつつ、それが直前のものから変更された場合に、端末装置TBに対してその変更された移動時間を示す音声データを送信するように構成することもできる。
【0100】
(V)変形形態
次に、本願に係る種々の変形形態について説明する。
【0101】
先ず、第1の変形形態として、上述した各実施形態においては、移動体が車両Cである場合について夫々本願を説明したが、これ以外に、移動端末装置TA又はTANVの操作者が移動体としての電車に搭乗している場合について本願を適用することも可能である。
【0102】
この場合により具体的には、上記各実施形態における「操作可能位置」は、車両Cの停止可能位置等ではなく、その操作者が搭乗している電車から降りる駅であることになる。そして、当該駅について、第1実施形態の如く最寄り駅までの移動時間を算出して固定設置の端末装置において告知するようにしてもよいし、第2実施形態の如く最寄り駅までの移動時間を更新しつつ算出して固定設置の端末装置においてその最新のものを告知するようにしてもよい。
【0103】
これらの場合には、よって、操作可能位置が、移動端末装置TA又はTANVが電車外に持ち出される位置であり、更に、現在位置から見て最も近い位置にある当該操作可能位置までの移動時間を算出するので、移動体が電車である場合において迅速に端末装置TBとの間の通話を開始することができる。
【0104】
また、これらの操作可能位置を電車移動としての終着駅としてもよい。この場合は、当該操作可能位置が電車の終着駅であるので、その終着駅において迅速に端末装置TBとの間の通話を開始することができる。
【0105】
次に、第2の変形形態として、移動端末装置TA又はTANVの操作者が移動体としての電車に搭乗している場合について本願を適用する場合において、上記第4実施形態の如くその操作可能位置候補としての駅を複数探索し、探索されたいずれかの駅から移動端末装置TA又はTANVの操作者に操作可能位置とする駅を選択させるように構成することもできる。
【0106】
この第2の変形形態の場合には、操作可能位置が、移動端末装置TA又はTANVが移動体としての電車外に持ち出される位置であり、更に、複数の当該操作可能位置のうちのいずれかが選択可能とされているので、移動体が電車である場合において移動端末装置TA又はTANVの操作者の意思で通話を行う下車駅としての操作可能位置を選んで端末装置TBとの間の通話を開始することができる。
【0107】
更に第3の変形形態として、上記移動体としての電車に移動端末装置TA又はTANVの操作者が搭乗している場合において、複数の操作可能位置としての駅に関する情報を取得するとき、例えばICカード式の定期券に関する情報や前払い式のカード型切符に関する情報を前もって取得することにより、これらの情報から当該操作可能位置としての駅に関する情報を取得するように構成することもできる。
【0108】
この第3の変形形態においては、第1乃至第3実施形態に係る操作可能位置の候補としては、現在位置から見て到達可能な定期券乗車範囲内(又は前払い式カード型切符の到達可能範囲内)の駅等が採用されることになる。
【0109】
この第3の変形形態の通信システムの構成によれば、移動体が電車である場合において定期券等の情報等に基づいて下車駅が予め判明しているときに、その下車駅等において迅速に又は当該定期券等の所持者の意思で端末装置TBとの間の通話を開始することができる。
【0110】
最後に、第4の変形形態として、上述した各実施形態並びに第1乃至第3の変形形態においては、移動端末装置TA又はTANVと、端末装置TBと、の間での通話について本願を適用したが、これ以外に、例えばこれらの端末装置間での電子メールの授受に対して本願を適用することも可能である。この電子メールの授受については、固定設置の端末装置TBへの移動時間の通知に対しても当該電子メールを用いれば便利である。
【0111】
更に、第5の変形形態として、移動端末装置TA又はTANVの操作者の移動経路について詳細な情報を端末装置TBの操作者が所有している場合には、上述した操作可能位置までの移動時間ではなく、移動端末装置TA又はTANV自体の現在位置を示す情報(例えば当該現在位置の名称等)を音声又は電子メール等により端末装置TBに通知する構成としても良い。
【0112】
この第5の変形形態に係る通信システムにおいてでは、地図データサーバSV自体又は当該地図データサーバSVとしての機能は不要となり、移動端末装置TA又はTANVにおいて測位された現在位置(図4又は図5ステップS4等参照)を示す情報をそのまま端末装置TBに送信してその操作者に告知することとなる。
【0113】
更にまた、図4、図5、図7又は図8に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係るCPU1又は処理部30として活用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1実施形態に係る通信システム概要構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る通信システムを構成する装置の概要構成を夫々示すブロック図であり、(a)は第1実施形態に係る移動端末装置の概要構成を示すブロック図であり、(b)は第1実施形態に係る端末装置の概要構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る地図データサーバの概要構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る移動端末装置の概要構成を示すブロック図である。
【図7】第3実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
S 通信システム
C 車両
TA、TANV 移動端末装置
SV 地図データサーバ
TB 端末装置
1、20 CPU
2、21、31 アンテナ
3、22、32 送受信部
4、23、33 通信処理部
5、24 マイク
6、25 操作部
7、26 表示部
8、27 スピーカ
9、28 メモリ
10 GPS端末
30 処理部
34 地図データベース
35 操作可能位置データベース
36 ネットワークデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と共に移動する第1の通信装置と、当該第1の通信装置を操作する操作者の操作に基づいて当該第1の通信装置において生成された情報の授受を当該第1の通信装置との間で行う第2の通信装置と、からなる通信システムであって、
前記第2の通信装置から前記授受を行う旨の着信が前記第1の通信装置にあったとき、当該第1の通信装置を用いた前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置があるか否かを検出する状態検出手段と、
前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置がないことが検出されたとき、前記移動体の現在位置から前記操作が可能となる操作可能位置まで前記移動体が移動するために必要な移動時間を示す移動時間情報を取得する時間情報取得手段と、
前記取得された移動時間情報を前記第2の通信装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
前記送信されて来た移動時間情報を受信する受信手段と、
前記受信された移動時間情報により示される前記移動時間を当該第2の通信装置の操作者に告知する告知手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記移動体が移動している領域に相当する地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記検出された現在位置を示す現在位置情報と、前記記憶されている地図情報と、に基づいて、前記移動時間を算出する移動時間算出手段と、
前記算出された移動時間を示す移動時間情報を前記時間情報取得手段に出力する出力手段と、
を備えた移動時間算出装置を更に備え、
前記時間情報取得手段は、前記出力手段から出力された移動時間情報により前記移動時間を取得することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記移動時間算出装置は、前記第1の通信装置と共に前記移動体に搭載されていることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項2に記載の通信システムにおいて、
前記移動時間算出装置は、前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置との間で通信可能に固定設置されていることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記移動体を停止させておくことが可能な位置であり、
前記移動時間算出手段は、前記現在位置から見て最も近い位置にある前記操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記移動体を停止させておくことが可能な位置であり、
前記第1の通信装置は、予め設定された複数の前記操作可能位置のいずれかを選択するために用いられる選択手段を備え、
前記移動時間算出手段は、前記選択された操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記第1の通信装置が前記移動体外に持ち出される位置であり、
前記移動時間算出手段は、前記現在位置から見て最も近い位置にある前記操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項7に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置が前記移動体の移動終了地点であることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記第1の通信装置が前記移動体外に持ち出される位置であり、
前記第1の通信装置は、複数の前記操作可能位置のいずれかを選択するために用いられる選択手段を備え、
前記移動時間算出手段は、前記選択された操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項10】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記第1の通信装置が前記移動体外に持ち出される位置であり、
前記第1の通信装置は、前記操作可能位置を示す操作可能位置情報を取得する操作可能位置情報取得手段を備え、
前記移動時間算出手段は、前記取得された操作可能位置情報により示される前記操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項11】
請求項2から4のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記操作可能位置は、前記第1の通信装置が前記移動体外に持ち出される位置であり、
前記第1の通信装置は、
前記操作可能位置を示す操作可能位置情報を複数の前記操作可能位置分取得する操作操作可能位置情報取得手段と、
前記取得された操作可能位置情報により夫々示される複数の前記操作可能位置のいずれかを選択するために用いられる選択手段と、
を備え、
前記移動時間算出手段は、前記選択された操作可能位置までの前記移動時間を算出することを特徴とする通信システム。
【請求項12】
請求項2から11のいずれか一項に記載の通信システムにおいて、
前記移動時間算出手段は、前記移動体の移動に伴って前記移動時間の算出を繰り返すと共に、
前記第1の通信装置は、
前記繰り返し算出される移動時間に基づいて、前記第2の通信装置に送信済みの前記移動時間情報により示される移動時間に対応する前記操作可能位置への到達時刻が変更されるか否かを確認する確認手段を備え、
前記出力手段は、前記到達時刻が変更されるとき、当該変更後の前記到達時刻に対応する前記移動時間を示す前記移動時間情報を前記第2の通信装置に再送信することを特徴とする通信システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第1の通信装置であって、
前記状態検出手段と、
前記時間情報取得手段と、
前記送信手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第2の通信装置であって、
前記受信手段と、
前記告知手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項15】
移動体と共に移動する第1の通信装置と、当該第1の通信装置を操作する操作者の操作に基づいて当該第1の通信装置において生成された情報の授受を当該第1の通信装置との間で行う第2の通信装置と、からなる通信システムであって、
前記第2の通信装置から前記授受を行う旨の着信が前記第1の通信装置にあったとき、当該第1の通信装置を用いた前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置があるか否かを検出する状態検出手段と、
前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置がないことが検出されたとき、前記移動体の現在位置を示す現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記取得された現在位置情報を前記第2の通信装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記第2の通信装置は、
前記送信されて来た現在位置情報を受信する受信手段と、
前記受信された現在位置情報により示される前記現在位置を当該第2の通信装置の操作者に告知する告知手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項16】
移動体と共に移動する第1の通信装置と、当該第1の通信装置を操作する操作者の操作に基づいて当該第1の通信装置において生成された情報の授受を当該第1の通信装置との間で行う第2の通信装置と、からなる通信システムにおいて実行される通信方法であって、
前記第2の通信装置から前記授受を行う旨の着信が前記第1の通信装置にあったとき、当該第1の通信装置を用いた前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置があるか否かを検出する状態検出工程と、
前記操作が可能な状態に当該第1の通信装置がないことが検出されたとき、前記移動体の現在位置から前記操作が可能となる操作可能位置まで前記移動体が移動するために必要な移動時間を示す移動時間情報を算出する時間情報算出工程と、
前記算出された移動時間情報を前記第2の通信装置に送信する送信工程と、
前記送信されて来た移動時間情報を前記第2の通信装置において受信する受信工程と、
前記受信された移動時間情報により示される前記移動時間を当該第2の通信装置の操作者に告知する告知工程と、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項17】
請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第1の通信装置に含まれるコンピュータを、
前記状態検出手段、
前記時間情報取得手段、及び、
前記送信手段、
として機能させることを特徴とする通信用プログラム。
【請求項18】
請求項1から12のいずれか一項に記載の通信システムに含まれる前記第2の通信装置に含まれるコンピュータを、
前記受信手段、及び、
前記告知手段、
として機能させることを特徴とする通信用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−329864(P2007−329864A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161435(P2006−161435)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】