説明

通信端末装置及びプログラム

【課題】ある条件である内容の制御を行うべきことを外部から通信端末装置に対して送信指示する場合に、その送信側が高い自由度で容易に当該通信端末装置を制御できるようにする。
【解決手段】中央制御部11は、任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部(他の携帯電話装置11など)から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを無線通信部16から受信して外部指示情報記憶部RCに記憶するようにしている。この状態において、中央制御部11は、この実行条件に該当する現在の使用状況を検出すると共に、この検出結果と実行条件とを比較して当該実行条件を満すか否かを判別し、この判別結果に基づいてその実行条件に対応する制御内容を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話装置などの通信端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末装置においてはファイルを起動する時刻を、そのファイルを送信した送信側で指定可能とした技術が開示されている(特許文献1参照)。すなわち、情報提供側で指定した時刻データとファイル(動画データ、静止画データ、音声データを含む)とを無線通信を介して受信し、受信した時刻データが示す時刻に到達した場合に、受信したファイルを起動及び実行する携帯端末装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−148844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の通信端末装置では、ファイルを起動するタイミングとして指定できる条件が時刻データだけであるため、送信側(情報提供側)で指定できる条件の自由度は低く、また、指定された時刻に到達した場合に実行される制御の内容がファイルの起動だけであるため、送信側ではファイル起動以外の制御内容を指定することはできず、指定できる制御内容の自由度も低かった。
【0004】
この発明の課題は、ある条件である内容の制御を行うべきことを通信端末装置に対して送信指示する場合に、その送信側においては高い自由度で容易に当該通信端末装置を制御できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを受信する受信手段と、この受信手段によって受信された制御内容と実行条件とを対応付けて記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている実行条件に該当する使用状況を検出する検出手段と、この検出手段による検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている実行条件を満すか否かを判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている制御内容を実行する実行手段とを具備したことを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項17記載の発明)。
【0006】
なお、上述した請求項1記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記受信手段によって制御内容と実行条件とを受信した際には、受信した旨のユーザへの報知を抑制する(請求項2記載の発明)。
【0007】
前記実行条件は、通信端末装置の位置に関する条件であって、前記検出手段は、通信端末装置の位置を検出し、前記判別手段は、前記検出手段によって検出された位置に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する(請求項3記載の発明)。
【0008】
前記実行条件は、通信端末装置の動作電源の状況に関する条件であって、前記検出手段は、通信端末装置の動作電源の状況を検出し、前記判別手段は、前記検出手段によって検出された動作電源の状況に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する(請求項4記載の発明)。
【0009】
前記実行条件は、通信端末装置の筐体の配置状況であるスタイルに関する条件であって、前記検出手段は、通信端末装置のスタイルを検出し、前記判別手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに基づいて、実行条件を満すか否かを判別する(請求項5記載の発明)。
【0010】
前記実行条件は、通信端末装置に搭載されている機能の動作に関する条件であって、前記検出手段は、通信端末装置に搭載されている機能の動作を検出し、前記判別手段は、前記検出手段によって検出された機能の動作に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する(請求項6記載の発明)。
【0011】
請求項6記載の発明は次のようなものであってもよい。
前記機能の動作に関する条件は、所定機能による所定場所の検出である(請求項7記載の発明)。前記機能の動作に関する条件は、所定機能の起動である(請求項8記載の発明)。前記機能の動作に関する条件は、所定機能における使用量である(請求項9記載の発明)。前記機能の動作に関する条件は、所定機能の使用時刻あるいは使用場所である(請求項10記載の発明)。前記機能の動作に関する条件は、所定機能の通信開始である(請求項11記載の発明)。前記機能の動作に関する条件は、所定機能による通信相手の指定である(請求項12記載の発明)。
【0012】
前記制御内容は、通信端末装置に記憶されているデータ、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信したデータを出力させることを指示する(請求項13記載の発明)。
【0013】
前記制御内容は、通信端末装置に記憶されているデータ、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信したデータを外部に送信させることを指示する(請求項14記載の発明)。
【0014】
前記制御内容は、通信端末装置に搭載されている機能、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信した機能を起動させることを指示する(請求項15記載の発明)。
【0015】
前記制御内容は、通信端末装置に搭載されている機能、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信した機能を外部に送信させることを指示する(請求項16記載の発明)。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、ある条件である内容の制御を行うべきことを通信端末装置に対して送信指示する場合に、その送信側においては高い自由度で容易に当該通信端末装置を制御することができ、利便性を大幅に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図28を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、通信端末装置として適用した携帯電話装置が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話装置1は、最寄りの基地局2A、交換機2Bから移動体通信網2に接続されると、移動体通信網2を介して他の携帯電話装置1との間で通話可能状態となり、また、移動体通信網2を介してメールサーバ3に接続されると、メールサーバ3との間で電子メールの送受信が可能となる。また、携帯電話装置1は、移動体通信網2を介して他の携帯電話装置1との間でメールアドレス、ファイル、スケジュールなどのデータをデータ通信によって送受信可能となっている。また、携帯電話装置1は、移動体通信網2を介してインターネット4に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となり、また、インターネット4を介して機能配信サーバ5に接続されると、機能配信サーバ5が配信する機能(新規機能、改版機能など)をダウンロード取得して登録可能となる。
【0018】
また、この携帯電話装置1は、テレビ局・ラジオ局(放送局)6から送信基地局7を介して発信された地上波デジタル放送を受信して、その放送内容を視聴可能となっている。また、携帯電話装置1は、GPS(Global Positioning System)衛星8から受信した信号に基づいて現在の位置情報を取得可能となっている。更に、携帯電話装置1は、他の携帯電話装置1との間でメールアドレス、ファイル、スケジュールなどのデータを赤外線通信(近距離通信)によって送受信可能となっている。また、携帯電話装置1は、駅に設置されている自動改札機9あるいは店舗などに設置されている電子決済機10との間で非接触IC通信が可能となっている。
【0019】
図2は、携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
携帯電話装置1は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)が開閉可能及び回転可能に取り付けられた2軸回転型の携帯電話装置であり、この携帯電話装置1には、通話機能(電話機能)、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、GPS通信機能、放送受信機能、赤外線通信機能、電子決済機能、乗車券機能など、各種の通信機能が備えられているほか、各種のデータ管理機能として、アドレス帳機能、スケジュール機能などが備えられている。
【0020】
中央制御部11は、ROM12内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。ROM12は、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図10〜図25に示す動作手順に応じて本実施例を実現するためのプログラムが格納されている。RAM13は、ワーク領域を有する内部メモリで、後述する実行条件テーブル記憶部EX、制御内容テーブル記憶部CT、外部指示情報記憶部RC、スタイル情報記憶部SY、機能記憶部FC、アドレス帳記憶部AD、データ記憶部DT、スケジュール帳記憶部SD、メール記憶部MLなどを有している。外部記憶媒体14は、SDカード、ICカードなどによって構成された着脱自在な可搬型メモリで、外部記憶媒体接続部15を介して携帯電話装置1に接続される。
【0021】
無線通信部16は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能、データ通信機能の動作時に、最寄りの基地局2Aとの間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調したのち、音声信号処理部17を介して送話スピーカSPから音声出力させ、また、受話マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部17から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化したのち、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナから発信出力させる。
【0022】
テレビ放送・ラジオ放送通信部18は、テレビ放送受信部とラジオ放送受信部とを有し、それらを個別に起動可能なもので、携帯電話などの通信端末装置向けの地上波デジタルテレビ放送及び地上波デジタルラジオ放送と共に、電子番組表(EPG)などの番組情報も含めて受信可能となっている。テレビ放送・ラジオ放送通信部18は、専用アンテナに接続されていて放送信号を抽出する受信部(アナログ回路部)と、受信した放送信号をOFDM(直交周波数分割多重)復調したり、多重化されている放送信号から映像、音声、データ(文字データ)に分離して復号化したり、圧縮データの解凍などを行うデジタル回路部を有している。ここで、受信したテレビ映像データ及び文字データは、高精細液晶あるいは有機ELなどを使用した表示部19から表示され、また、テレビ音声あるいはラジオ音声データは、サウンドスピーカ20から出力される。
【0023】
赤外線通信部21は、例えば、通信距離が1m程度で1対1通信を行うもので、他の携帯電話装置1との間でメールアドレス、ファイルなどのデータを送受信する。非接触IC通信部22は、電子決済機能、乗車券機能を構成するもので、自動改札機9あるいは電子決済機10との間で非接触IC通信を行うもので、中央制御部11は、この非接触IC通信に応じて乗車券機能処理、電子決済機能処理を実行する。GPS通信部23は、GPS衛星8からGPS情報を受信取得するもので、中央制御部11は、GPS通信部23から受信した信号に基づいて自己の位置情報を算出取得する。
【0024】
操作部24は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、中央制御部11は、操作部24からの入力信号に応じた処理を実行する。RTC(リアルタイムクロックモジュール)25は、時計部を構成するもので、中央制御部11は、RTC25から現在日時を取得する。スタイル検出部26は、2軸回転型の装置本体を構成する2つの筐体(表示部筐体、操作部筐体)の位置関係に応じて変化する各スタイル(オープンスタイル、ビュースタイルなど)を検出可能なもので、磁気センサあるいはマイクロスイッチなどによって構成され、スタイル変化に応じてどのスタイルからどのスタイルに変更されたかを検出する。
【0025】
この実施例において中央制御部11は、任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部(他の携帯電話装置11など)から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを無線通信部16から受信して外部指示情報記憶部RCに記憶するようにしている。この状態において、中央制御部11は、この実行条件に該当する現在の使用状況を検出すると共に、この検出結果と実行条件とを比較して当該実行条件を満すか否かを判別し、この判別結果に基づいてその実行条件に対応する制御内容を実行するようにしている。これによって、外部指示情報を送信する送信側においては、ある条件である内容の制御を行うべきことを携帯電話装置1に対して送信指示して当該携帯電話装置1を制御できるようにしている。
【0026】
例えば、友人を自宅に招くような場合に、その友人が所持している携帯電話装置1に対して、“自宅の近くに来たらその旨を表示させる”という内容を指示するために、実行条件として“自宅の近くの位置情報”、また、制御内容として“自宅の近くである旨の表示”を含む外部指示情報をその友人の携帯電話装置1に送信すると、この外部指示情報を受信した携帯電話装置1は、この制御内容と実行条件とを対応付けて記憶するようにしている。この状態において、携帯電話装置1は、そのGPS通信部23から現在の位置情報を取得しながら現在位置が訪問宅近くであるか否かを監視し、訪問宅に近づいた際に、その旨を表示する案内処理を実行するようにしている。
【0027】
また、通学途中の子供に対して親が連絡するような場合に、親(送信者)は、“最寄り駅の改札を通ったらメール連絡を希望する旨を表示させる”という内容を指示するために、実行条件として“改札に入った”、また、制御内容として“メール連絡を希望する旨の表示”を含む外部指示情報を子供の携帯電話装置1に送信すると、これを受信した子供側の携帯電話装置1では、この制御内容と実行条件とを対応付けて記憶したのち、その非接触IC通信部22によって改札通過(入場)が検出されると、その旨を表示する案内処理を実行するようにしている。
【0028】
その他、実行条件としては、携帯電話装置1の位置に関する条件、改札通過に関する条件に限らず、動作電源の状況に関する条件、筐体の配置状況であるスタイルに関する条件、機能の動作に関する条件などであってもよく、また、制御内容としては、データ表示に限らず、データ送信、機能の起動などであってもよい。これによって例えば、筐体を開いたスタイルへの変更を検出した場合に、送信者の顔画像や音声を出力させ、また、電源オンを検出した場合に、送信者の指示メッセージを表示させることが可能となる。
【0029】
図3は、実行条件テーブル記憶部EXを説明するための図である。
実行条件テーブル記憶部EXは、ある制御を実行する契機となる実行条件を定義するもので、「条件種別」、「条件内容」、「検出開始フラグ」の各項目を有している。「条件種別(指定コード)」、「条件内容(指定コード)」は、実行条件を指定コードによって種別毎に詳細に定義する項目である。「条件種別」は実行条件の種類を示すもので、例えば、“位置”、“電源”、“スタイル”、“機能”、“連続使用”、“使用量”、“使用環境”、“改札”、“相手”、…に対応してその指定コード“A01”、“A02”、〜“A09”…が記憶されている。
【0030】
“位置(指定コードA01)”に対応する「条件内容」は、“どこ(位置情報で指定)”に“入った(指定コードB11)”か、“どこ”を“出た(指定コードB12)”か、…を示す。また、“電源(指定コードA02)”に対応する「条件内容」は、電源を“オンした(指定コードB21)”か、“オフした(指定コードB22)”か、…を示す。また、“スタイル(指定コードA03)”に対応する「条件内容」は、“どのスタイル(スタイル識別情報で指定)”に“なった(指定コードB31)”か、“どのスタイル”を“やめた(指定コード02 32)”、か…を示す。なお、スタイル識別情報はスタイル名、スタイルIDなど、スタイルを識別できる情報であれば任意である。
【0031】
“機能(指定コードA04)”に対応する「条件内容」は、“どの機能(機能識別情報で指定)”を“起動した(指定コードB41)”か、“どの機能”を“終了した(指定コードB42)”か、…を示す。なお、機能識別情報は機能名、機能IDなど、機能を識別できる情報であれば任意である。また、“連続使用(指定コードA05)” に対応する「条件内容」は、“どの機能(機能識別情報で指定)”を“何分(時間で指定)”、“連続使用した(指定コードB51)”か、…を示す。また、“使用量(指定コードA06)”に対応する「条件内容」は、“どの機能(機能識別情報で指定)”を“何回(回数で指定)”、“使用した(指定コードB61)”か、“どの機能”を“いくら(金額で指定)”、“使用した”か、…を示す。
【0032】
“使用環境(指定コードA07)”に対応する「条件内容」は、“どの機能(機能識別情報で指定)”を“何時に(時刻で指定)”、“使用した(指定コードB71)”か、“どの機能”を“どこで(位置情報で指定)”、“使用した”か、…を示す。また、“改札(指定コードA08)” に対応する「条件内容」は、“どの駅(駅識別情報で指定)”の“改札に入った(指定コードB81)”、“どの駅”の“改札を出た(指定コードB82)”か、…を示す。なお、駅識別情報は、駅名、駅位置情報、駅IDなど、駅を識別できる情報であれば任意である。また、“相手(指定コードA09)”に対応する「条件内容」は、“誰(相手識別情報で指定)”を“指定した(指定コードB91)”か、“誰”に“発信した(指定コードB92)”か、…を示す。なお、相手識別情報は名前、電話番号、メールアドレス、アドレス帳IDなど、相手を識別できる情報であれば任意である。「検出開始フラグ」は、対応する条件種別の外部指示情報を受信記憶されている状態を示すもので、中央制御部11は、外部指示情報を構成する制御内容と実行条件とを受信記憶した際に、この実行条件に含まれている条件種別を判別し、この条件種別に対応する「検出開始フラグ」に“1”をセットするようにしている。
【0033】
図4は、制御内容テーブル記憶部CTを説明するための図である。
制御内容テーブル記憶部CTは、制御内容を定義するもので、「制御種別(指定コード)」、「制御内容(指定コード)」の各項目を有している。この「制御種別」、「制御内容」は、制御内容を指定コードによって種別毎に詳細に定義する項目で、「制御種別」には、例えば、“出力”、“送信”、“起動”、…に対応してその指定コード“C01”、“C02”、“C03”…が記憶されている。この“出力”に対応する「制御内容」は、“記憶されているデータ(指定コードD11)”のうち“どのデータ(データ識別情報で指定)”を出力させるのか、上述の外部指示情報内に含まれているデータ、つまり、“受信したデータ(指定コードD12)”を出力させるかを制御する。
【0034】
なお、“記憶されているデータ”は、ROM12、RAM13、データ記憶部DTなどに予め記憶されているデータであり、そのデータ識別情報はそのデータ名など、データを識別できる情報であれば任意である(以下、同様)。また、“出力”に対応する「制御内容」は、携帯電話装置1に備えられている出力デバイス(表示部19、サウンドスピーカ20、振動モータなど)への出力のほか、図示しないが、携帯電話装置1にケーブルなどを介して接続されている外部機器への出力、例えば、イヤホンなどの外部スピーカ、テレビなどの外部モニタ、PC(パーソナルコンピュータ)などへの出力であってもよい。
【0035】
“送信”に対応する「制御内容」は、“記憶されているデータ(指定コードD21)”のうち“どのデータ(データ識別情報で指定)”を“どこへ(送信先識別情報で指定)”送信させるか、“受信したデータ(指定コードD22)”を“どこへ(送信先識別情報で指定)”へ送信させるのかを制御する。また、“送信”に対応する「制御内容」は、“記憶されている機能(指定コードD23)”のうち“どの機能(機能識別情報で指定)”を“どこへ(送信先識別情報で指定)” へ送信させるのか、“受信した機能(指定コードD24)”を“どこへ(送信先識別情報で指定)”へ送信させるのかを制御する。なお、送信先識別情報は電話番号、メールアドレス、IPアドレスなど、送信先を識別できる情報であれば任意であり、この送信先で示される他の携帯電話装置1、あるいはPC(パーソナルコンピュータ)などを宛先としてデータあるいは機能を送信するようにしている。なお、送信先は自己のPCなどであってもよい。
【0036】
“起動”に対応する「制御内容」は、“記憶されている機能(指定コードD31)”のうち“どの機能(機能識別情報で指定)”を起動させるのか、“受信した機能(指定コードD32)”を起動させるのかを制御する。なお、“記憶されている機能”は、ROM12、RAM13、機能記憶部FCなどに予め記憶されている機能であり、その機能識別情報は、機能名あるいは機能IDなど、機能を識別できる情報であれば任意である(以下、同様)。
【0037】
図5は、外部指示情報記憶部RCを説明するための図である。
外部指示情報記憶部RCは、任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部(他の携帯電話装置11など)から送信指示された場合に、受信した外部指示情報を記憶するもので、「外部指示情報ID」、「内容」、「判別フラグ」の各項目を有し、更に「内容」は「実行条件」、「制御内容」、「データ/機能」の各項目を有している。「実行条件」は上述した条件種別(位置、電源、スタイル、…相手)と条件内容を示す指定コードを含み、また、「制御内容」は制御種別(出力、送信、起動など)とその制御内容を示す指定コードを含むもので、例えば、位置情報が含まれている場合の「実行条件」は、“条件種別A01、位置情報、条件内容B11”となる。また、受信したデータを出力する場合の「制御内容」は、“条件種別CO1、制御内容D12”となる。「データ/機能」はデータの実データあるいは機能の実プログラムを示している。「判別フラグ」は対応する「実行条件」を満す場合に“1”となるフラグ(実行条件が成立したことを示すフラグ)である。
【0038】
図6は、スタイル情報記憶部SYを説明するための図である。
スタイル情報記憶部SYは、2軸回転型の装置本体を構成する2つの筐体(表示部筐体、操作部筐体)の位置関係に応じて変化する各スタイル、つまり、携帯電話装置1の筐体の配置状況である各スタイルとして、クローズスタイル、オープンスタイル、ビュースタイルなどに対応してそのスタイルIDを記憶するもので、「スタイルID」、「スタイル名」の各項目を有している。なお、上述したスタイル識別情報は、このスタイル情報記憶部SY内の「スタイルID」あるいは「スタイル名」によって定義される。
【0039】
図7は、アドレス帳記憶部ADを説明するための図である。
アドレス帳記憶部ADは、通信相手に対応してその相手に関する情報を記憶するもので、「アドレス帳ID」、「名前」、「電話番号」、「メールアドレス」、…の各項目を有している。なお、上述した相手識別情報は、このアドレス帳記憶部AD内の「アドレス帳ID」、「名前」、「電話番号」、「メールアドレス」、…のいずれかによって定義される。
【0040】
図8は、機能記憶部FCを説明するための図である。
機能記憶部FCは、機能別にそのプログラムを記憶するもので、「機能ID」、「機能名」、「実プログラム」、…の各項目を有している。中央制御部11は、機能配信サーバ5から配信された機能をダウンロード取得して機能記憶部FCに順次登録するようにしている。なお、予め機能プログラムがROM12に記憶されている場合には、機能記憶部FCの「実プログラム」への登録は省略される。また、上述した機能識別情報は、この機能記憶部FC内の「機能ID」、「機能名」、…のいずれかによって定義される。
【0041】
図9は、データ記憶部DTを説明するための図である。
データ記憶部DTは、データの種類別にその実データ(例えば、静止画、動画、イラスト、メッセージなど)を記憶するもので、「データID」、「データ名」、「実データ」、…の各項目を有している。中央制御部11は、インターネット4を介してダウンロード取得したデータあるいは外部記憶媒体14から読み取ったデータをデータ記憶部DTに順次登録するようにしている。なお、上述したデータ識別情報は、データ記憶部DT内の「データID」、「データ名」、…のいずれかによって定義される。
【0042】
次に、この実施例における携帯電話装置1の動作概念を図10〜図25に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用してこの実施例特有の動作を実行することもできる。
【0043】
図10及び図11は、電源投入(電源オン)に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、電源を投入する電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、無線通信部16を作動させて現在位置を登録する待受処理を行うと共に、所定の待受画像を読み出して表示させながら電話/メールの待受状態となる(ステップA2)。そして、制御処理A(電源)に移る(ステップA3)。
【0044】
図12は、電源操作に応じて実行開始される制御処理A(電源)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“電源”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップB1)、フラグ=1であるか、言い換えれば、電源状況を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているかを調べる(ステップB2)。いま、「検出開始フラグ」が“0”で、現在の電源状況を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、図10、図11に示す全体フローに戻るが、「検出開始フラグ」が“1”であれば(ステップB2でYES)、電源のオン/オフ状態を現在の使用状況として検出すると共に(ステップB3)、「条件種別」が“電源”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップB4)、検出された現在の電源状況は当該実行条件を満すか否かを調べる(ステップB5)。
【0045】
外部指示情報内の実行条件が“A02、B21(電源をオンした)”の場合に、電源オフ操作が行われたものとすると、現在の電源状況は外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップB5でNO)、上述の全体フローに戻るが、電源オン操作が行われたときには実行条件を満すので(ステップB5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップB6)、その実行条件対応の制御内容を実行する制御内容実行処理に移る(ステップB7)。
【0046】
図13は、制御内容実行処理を詳述するためのフローチャートであり、上述の制御処理A(電源)のほか、後述する各制御処理B〜Hにおいて、条件成立に応じて実行開始される。先ず、中央制御部11は、「判別フラグ」が“1”の外部指示情報から「制御内容」を読み出して(ステップC1)、その制御種別を判別し(ステップC2、C3)、それが“C01(出力)”であれば(ステップC2でYES)、この「制御内容」で指定されているデータを出力させる(ステップC4)。すなわち、出力対象として“記憶されているデータ(指定コードD11)”が含まれているか、“受信したデータ(指定コードD12)”が含まれているかを判別し、“指定コードD11”が含まれていれば、“どのデータ”に基づいてデータ記憶部DTなどを検索することによって該当データを出力対象として読み出し、また、“指定コードD12”が含まれていれば、外部指示情報内のデータを出力対象として読み出したのち、表示部19、サウンドスピーカ20から当該データを出力させる。
【0047】
制御種別が“C02(送信)”であれば(ステップC3でYES)、この「制御内容」を参照し、データ送信が指定されているか機能送信が指定されているかを調べ(ステップC5)、データ送信が指定されていれば、送信対象のデータをその指定相手先に対して送信する(ステップC6)。すなわち、出力対象として“記憶されているデータ(指定コードD21)”が含まれているか、“受信したデータ(指定コードD22)”が含まれているかを判別し、“指定コードD21”が含まれていれば、“どのデータ”に基づいてデータ記憶部DTなどを検索することによって該当データを出力対象として読み出し、また、“指定コードD22”が含まれていれば、外部指示情報内のデータを出力対象として読み出し、更に、この「制御内容」から送信先識別情報を読み出したのち、この送信先識別情報で示される電話番号、メールアドレス、IPアドレス宛に当該データを送信させる。
【0048】
また、機能送信が指定されていれば(ステップC5でNO)、送信対象の機能をその指定相手先に対して送信する(ステップC7)。すなわち、出力対象として“記憶されている機能(指定コードD23)”が含まれているか、“受信した機能(指定コードD24)”が含まれているかを判別し、“指定コードD23”が含まれていれば、“どの機能”に基づいて機能記憶部FCなどを検索することによって該当機能を出力対象として読み出し、また、“指定コードD24”が含まれていれば、外部指示情報内の機能を出力対象として読み出し、更に、この「制御内容」から送信先識別情報を読み出したのち、この送信先識別情報で示される電話番号、メールアドレス、IPアドレス宛に当該機能を送信させる。
【0049】
制御種別が“起動(03)”であれば(ステップC3でNO)、この「制御内容」で指定されている機能を起動させる(ステップC8)。すなわち、起動対象として“記憶されている機能(指定コードD31)”が含まれているか、“受信した機能(指定コードD32)”が含まれているかを判別する。ここで、“指定コードD31”が含まれていれば、“どの機能”に基づいて機能記憶部FCなどを検索することによって該当機能を起動対象として指定し、また、“受信した機能”が指定されていれば、外部指示情報内の機能を起動対象として指定したのち、当該指定機能を起動させる。
【0050】
このように中央制御部11は、電源オン操作時に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメロディ音などを発生させたり、送信者の顔写真あるいは緊急メッセージなどを表示させたり、送信者が指示した特別な機能を起動させたりするなど、動作オンに応じた制御を行う。その後、当該外部指示情報内の「判別フラグ」に“0”を記憶してそれをリセットしたのち(ステップC9)、上述の全体フローに戻る。
【0051】
このような制御処理A(電源)が終わると(図10ステップA3)、中央制御部11は、機能記憶部FC、データ記憶部DTへの登録を指示する登録操作の有無をチェックする(図10のステップA4)。いま、登録操作が行われた場合には、機能記憶部FC、データ記憶部DTへの登録処理に移る(ステップA5)。すなわち、中央制御部11は、機能配信サーバ5から配信された機能をダウンロード取得して機能記憶部FCに順次登録したり、インターネット4を介してダウンロード取得したデータあるいは外部記憶媒体14から読み取ったデータをデータ記憶部DTに順次登録したりする処理を行う。
【0052】
一方、待受状態において他の携帯電話装置1などから外部指示情報を受信した場合には(図10のステップA6でYES)、この外部指示情報を取り込んで外部指示情報記憶部RCに追加記憶させたのち(ステップA7)、この外部指示情報の「実行条件」から条件種別を読み出し(ステップA8)、この条件種別に基づいて実行条件テーブル記憶部EXを検索し、該当種別に対応する「検出開始フラグ」に“1”を記憶する(ステップA9)。この場合、制御内容と実行条件とを受信した際に、その旨の受信報知を行わずに、上述の各処理(ステップA7〜A9)を行うようにしている。なお、外部指示情報の受信は、無線通信部16を介して受信する場合に限らず、赤外線通信部21あるいは非接触IC通信部22を介して受信するようにしてもよい。つまり、外部指示情報を送受信する通信手段は任意である。
【0053】
また、待受状態において、スタイル検出部26によってスタイルの変更(スタイルの変化)が検出されると(ステップA10でYES)、制御処理B(スタイル)に移る(ステップA11)。
図14は、スタイル変更検出に応じて実行開始される制御処理B(スタイル)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“スタイル”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップD1)、フラグ=1であるか、言い換えれば、スタイルを実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているかを調べる(ステップD2)。
【0054】
いま、検出開始フラグが“0”で、スタイルを実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻るが、検出開始フラグが“1”であれば(ステップD2でYES)、変更前のスタイルと変更後のスタイルを現在の使用状況として検出する(ステップD3)。すなわち、スタイル検出部26によってスタイル変化が検出されると、どのスタイルからどのスタイルに変更されたかを現在の使用状況として検出する。そして、「条件種別」が“スタイル”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップD4)、検出されたスタイルは当該実行条件を満すかを調べる(ステップD5)。
【0055】
外部指示情報内の実行条件が“A03、スタイル識別情報、B31(○○スタイルになった)”の場合には、変更後のスタイルと実行条件のスタイルとを比較し、変更後のスタイルが実行条件のスタイルでなければ、実行条件を満さないので(ステップD5でNO)、上述の全体フローに戻るが、実行条件のスタイルに変更された場合には実行条件を満すので(ステップD5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶する(ステップD6)。一方、外部指示情報内の実行条件が“A03、スタイル識別情報、B32(どのスタイルをやめた)”の場合には、変更前のスタイルと実行条件のスタイルとを比較した結果、変更前のスタイルが実行条件のスタイルであれば、つまり、実行条件のスタイルをやめた場合(解除した場合)には、実行条件を満すので(ステップD5でYES)、その「判別フラグ」に“1”を記憶する(ステップD6)。
【0056】
そして、上述の図13の制御内容実行処理に移る(ステップD7)。このように中央制御部11は、スタイル変更検出時に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメロディ音などを発生させたり、送信者の顔写真あるいはメッセージなどを表示させたり、送信者が指示した特別な機能を起動されたりするなど、スタイル変更に応じた制御を行う。
【0057】
待受状態において位置検出タイミング(例えば、10秒間隔)に達した場合には(図10のステップA12でYES)、制御処理C(位置)の実行に移る(ステップA13)。
図15は、位置検出タイミングに応じて実行開始される制御処理C(位置)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“位置”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップE1)、フラグ=1であるか(位置を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べる(ステップE2)。いま、検出開始フラグが“0”で、位置を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻るが、検出開始フラグが“1”であれば(ステップE2でYES)、GPS通信部23から現在位置を現在の使用状況として取得すると共に(ステップE3)この位置情報を位置履歴としてRAM13内に追加記憶しておく(ステップE4)。そして、「条件種別」が“位置”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップE5)、検出された位置は当該実行条件を満すかを調べる(ステップE6)。
【0058】
外部指示情報内の実行条件が“A01、位置情報、B11(○○に入った)”の場合には、検出した現在位置及び記憶されている履歴位置(前回位置)と、実行条件の位置情報とを比較し、現在位置が実行条件の位置から外れていれば、実行条件を満さないので(ステップE6でNO)、上述の全体フローに戻る。また、前回位置が実行条件の位置から外れている状態において、現在位置と実行条件の位置とが一致したり、現在位置が実行条件の位置の近傍となったりした場合には、実行条件を満すので(ステップE6でYES)、この実行条件を含む外部指示情報の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶する(ステップE7)。一方、外部指示情報内の実行条件が“A01、位置情報、B12(どこから出た)”の場合に、前回位置が実行条件の位置の状態で現在位置が実行条件の位置から外れた場合には、実行条件を満すので(ステップE6でYES)、その「判別フラグ」に“1”を記憶する(ステップE7)。
【0059】
そして、上述の図13の制御内容実行処理に移る(ステップE8)。このように中央制御部11は、外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示した位置(送信者の自宅近く)に訪問者が来たときに家の近くである旨のメッセージを出力させたり、歩行者用のナビゲーション機能を起動して家までの詳細経路を案内させたりするなど、位置変化に応じた制御を行う。
【0060】
待受状態においてアドレス帳起動操作が行われた場合には(図10のステップA14でYES)、アドレス帳処理に移る(ステップA15)。
図16は、アドレス帳起動操作に応じて実行開始されるアドレス帳処理(図10のステップA15)を詳述するためのフローチャートである。先ず、中央制御部11は、アドレス帳機能のプログラムを起動してアドレス帳記憶部ADの内容をリスト表示させたのち(ステップF1)、RAM13に記憶されているアドレス帳の使用回数に“1”を加算してそれを更新するほか(ステップF2)、アドレス帳の連続使用時間を計測するタイマを起動させる(ステップF3)。この状態において、制御処理D(機能)に移る(ステップF4)。
【0061】
図17は、機能の動作オン/オフに応じて実行開始される制御処理D(機能)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“機能”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップG1)、フラグ=1であるか(機能を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べ(ステップG2)、検出開始フラグが“0”で、機能を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻る。また、検出開始フラグが“1”であれば(ステップG2でYES)、今回の操作で起動した、あるいは終了した機能を現在の使用状況として検出すると共に(ステップG3)、「条件種別」が“機能”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップG4)、検出された機能は当該実行条件を満すかを調べる(ステップG5)。
【0062】
いま、外部指示情報内の実行条件が“A04、機能識別情報、B42(○○機能を終了した)”の場合に、アドレス帳起動操作が行われたときには、外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップG5でNO)、上述の全体フローに戻る。また、外部指示情報内の実行条件が“A04、機能識別情報、B41(機能を起動した)”の場合に、機能識別情報がアドレス帳を示し、アドレス帳起動操作が行われたときには、実行条件を満すので(ステップG5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップG6)、図13の制御内容実行処理に移る(ステップG7)。このように中央制御部11は、アドレス帳起動時に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメッセージ(アドレス帳登録を促すメッセージ、連絡を促すメッセージ)を出力させるなど、アドレス帳機能の起動に応じた制御を行う。そして、上述の制御処理D(機能)が終わると(図16のステップF4)、制御処理E(使用量/使用環境)に移る(ステップF5)。
【0063】
図18は、機能の動作中に実行開始される制御処理E(使用量/使用環境)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“使用量あるいは使用環境”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップH1)、フラグ=1であるか(使用量あるいは使用環境を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べ(ステップH2)、検出開始フラグが“0”で、使用量あるいは使用環境を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻る。
【0064】
また、検出開始フラグが“1”であれば(ステップH2でYES)、「条件種別」が“使用量あるいは使用環境”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップH3)、その実行条件に該当する使用量(使用回数、使用金額)あるいは使用環境(使用時刻、使用場所)を現在の使用状況として検出する(ステップH4)。つまり、外部指示情報の実行条件に使用量が含まれている場合には、アドレス帳起動時に上述のステップF2で更新された使用回数を使用量として読み出し、また、外部指示情報の実行条件に使用環境が含まれている場合には、GPS通信部23から現在位置あるいはRTC25から現在日時を使用環境として取得する。
【0065】
このようにして検出した使用量あるいは使用環境と外部指示情報の実行条件とを比較し、使用量あるいは使用環境は実行条件を満すかを調べる(ステップH5)。いま、外部指示情報内の実行条件が“A06、機能識別情報、B62(機能を何回使用した)”の場合に、アドレス帳の使用回数がその指定回数未満であれば、外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップH5でNO)、上述の全体フローに戻るが、機能識別情報がアドレス帳を示し、使用回数がその指定回数以上であれば、実行条件を満すので(ステップH5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップH6)、図13の制御内容実行処理に移る(ステップH7)。このように中央制御部11は、アドレス帳の動作中に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメッセージなどをアドレス帳の使用回数/使用場所/使用時刻に応じて出力させるなど、使用量/使用環境に応じた制御を行う。
【0066】
次に、図16のフローにおいて、アドレス帳のリスト画面から任意の相手を選択するために、データ指定操作が行われた場合には(ステップF6でYES)、その相手のアドレス帳データを指定する(ステップF7)。そして、この指定相手を呼び出す発信操作が行われると(ステップF8)、後述する制御処理G(相手)を実行したのち(ステップF9)、当該相手の電話番号宛に発信したのち(ステップF10)、その相手との回線接続に応じて通話可能状態として通信処理を行う(ステップF11)。なお、発信操作を行わず、単に相手を選択指定するだけの場合でも通信制御処理G(相手)を行うようにしてもよい。また、データ登録操作が行われると(ステップF12でYES)、新規なアドレス帳データを追加登録したり、登録データを変更したりするアドレス帳登録処理に移る(ステップF13)。
【0067】
図19は、通信相手の指定に応じて実行開始される制御処理G(相手)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“相手”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップK1)、フラグ=1であるか(相手を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べ(ステップK2)、検出開始フラグが“0”で、相手を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻る。また、検出開始フラグが“1”であれば(ステップK2でYES)、現在の指定状況(相手の指定操作、発信操作の有無)を現在の使用状況として検出すると共に(ステップK3)、「条件種別」が“相手”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップK4)、検出した指定状況と外部指示情報の実行条件とを比較し、指定状況は実行条件を満すかを調べる(ステップK5)。
【0068】
いま、外部指示情報内の実行条件が“A09、相手識別情報、B92(○○に発信したか)”の場合に、その相手を指定する操作だけであれば、外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップK5でNO)、上述の全体フローに戻るが、相手の指定操作と共に発信操作が行われた場合には、実行条件を満すので(ステップK5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップK6)、図13の制御内容実行処理に移る(ステップK7)。このように中央制御部11は、相手の指定操作時に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメッセージ、その相手の顔画像などを当該相手への発信時に出力させるなど、相手に応じた制御を行う。図26は、待合せ相手に電話をかけようとしたときに、その待合せ場所を示す地図を表示させた場合の地図画面を例示した図である。
【0069】
また、図16のフローにおいて、ステップF3で起動した連続使用時間タイマの繰り上がり(例えば、1分毎の桁上げ)を検出すると(ステップF14でYES)、後述する制御処理F(連続使用)に移る(ステップF15)。なお、桁上げは1分に限らず、例えば、1秒、30秒など、その時間間隔は任意であってもよい。また、アドレス帳処理の終了を指示する終了操作が行われると(ステップF16でYES)、上述した図17の制御処理D(機能)に移る(ステップF15)。この場合、外部指示情報内の実行条件が“A04、機能識別情報、B42(○○機能を終了した)”の場合に、機能識別情報がアドレス帳を示し、アドレス帳終了操作が行われたときには、外部指示情報内の実行条件を満すと判断してその「判別フラグ」を“1”とする。なお、その他の操作が行われた場合には(ステップF18でYES)、操作に対応する処理として、例えば、アドレス帳データの検索、削除などの処理を行う(ステップF19)。
【0070】
図20は、連続使用の実行タイミングが検出される毎に実行開始される制御処理F(連続使用)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“連続使用”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップL1)、フラグ=1であるか(連続使用を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べ(ステップL2)、検出開始フラグが“0”で、連続使用を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻る。また、検出開始フラグが“1”であれば(ステップL2でYES)、アドレス帳の連続使用時間を現在の使用状況として検出する(ステップL3)。すなわち、図16のステップF2で起動したタイマ時間を連続使用時間として読み出す。そして、「条件種別」が“連続使用”の外部指示情報から実行条件を読み出し(ステップL4)、タイマ時間と外部指示情報の実行条件とを比較し、タイマ時間は実行条件を満すかを調べる(ステップL5)。
【0071】
いま、外部指示情報内の実行条件が“A05、機能識別情報、B51(○○機能を何分連続使用した)”の場合に、アドレス帳の連続使用時間がその指定時間未満であれば、外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップL5でNO)、上述の全体フローに戻る。また、機能識別情報がアドレス帳を示し、連続使用時間がその指定時間以上であれば、実行条件を満すので(ステップL5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップL6)、図13の制御内容実行処理に移る(ステップL7)。このように中央制御部11は、アドレス帳の動作中に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメッセージなどをアドレス帳の連続使用時間に応じて出力させるなど、連続使用に応じた制御を行う。
【0072】
図10のフローにおいて、スケジュール起動操作が行われると(ステップA16でYES)、スケジュール処理に移る(ステップA17)。
図21は、スケジュール処理(図10のステップA17)を詳述するためのフローチャートである。先ず、中央制御部11は、スケジュール帳機能のプログラムを起動してスケジュール帳記憶部SDの内容をリスト表示させたのち(ステップM1)、RAM13に記憶されているスケジュール帳の使用回数に“1”を加算してそれを更新するほか(ステップM2)、スケジュール帳の連続使用時間を計測するタイマを起動させる(ステップM3)。そして、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップM4)、スケジュール帳起動時に、例えば、“この予定を登録しておいて下さいね”というメッセージを出力するなど、スケジュール機能の起動に応じた制御を行う。
【0073】
更に、上述した図18の制御処理E(使用量/使用環境)を実行する(ステップM5)。この場合、図18の制御処理E(使用量/使用環境)において、外部指示情報の実行条件に使用量が含まれている場合には、スケジュール起動時に上述のステップF2で更新された使用回数を使用量として読み出し、また、外部指示情報の実行条件に使用環境が含まれている場合には、GPS通信部23から現在位置あるいはRTC25から現在日時を使用環境として取得し、その使用量/使用環境(使用回数/使用場所/使用時刻)に応じた制御を行う。
【0074】
このようにして起動したスケジュール帳の動作中において、ステップM3で起動した連続使用時間タイマの繰り上がりを検出すると(ステップM6でYES)、上述した図20の制御処理F(連続使用)に移り(ステップM7)、スケジュール帳の連続使用に応じた制御を行い、また、スケジュール処理の終了を指示する終了操作が行われると(ステップM8でYES)、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップM9)、スケジュール機能の終了に応じた制御を行う。なお、その他の操作が行われた場合には(ステップM10でYES)、操作に対応する処理として、例えば、スケジュール帳データの新規登録、検索、削除などの処理を行う(ステップM11)。
【0075】
図10のフローにおいて、テレビ視聴操作(テレビ起動操作)が行われると(ステップA18でYES)、テレビ処理に移る(ステップA19)。
図22は、テレビ処理(図10のステップA19)を詳述するためのフローチャートである。先ず、中央制御部11は、テレビ放送・ラジオ放送通信部18を起動したのち(ステッN1)、RAM13に記憶されているテレビ使用回数に“1”を加算してそれを更新するほか(ステップN2)、テレビ連続使用時間を計測するタイマを起動させる(ステップN3)。そして、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップN4)、テレビ起動時に、例えば、“この番組の視聴を推薦します”というメッセージを出力するなど、テレビ機能の起動に応じた制御を行う。
【0076】
更に、上述した図18の制御処理E(使用量/使用環境)を実行し(ステップN5)、例えば、テレビ視聴時刻を検出し、それが深夜であれば、視聴中止を促すメッセージを出力させるなど、テレビ使用量/使用環境に応じた制御を行う。この場合、図18の制御処理E(使用量/使用環境)において、外部指示情報の実行条件に使用量が含まれている場合には、テレビ起動時に上述のステップF2で更新された使用回数を使用量として読み出し、また、外部指示情報の実行条件に使用環境が含まれている場合には、GPS通信部23から現在位置あるいはRTC25から現在日時を使用環境として取得し、その使用量/使用環境(使用回数/使用場所/使用時刻)に応じた制御を行う。
【0077】
このようにしてテレビ起動を行ったのち、テレビ放送を受信してその放送内容を出力させる(ステップN6)。このテレビ放送受信出力中において、ステップN3で起動した連続使用時間タイマの繰り上がりを検出すると(ステップN7でYES)、上述した図20の制御処理F(連続使用)に移る(ステップN8)。例えば、1時間以上の連続視聴に対して、テレビ視聴の中止を促すメッセージを出力させるほか、それでも視聴を続けている場合には、テレビを強制的に切るなど、テレビの連続使用に応じた制御を行う。また、テレビ処理の終了を指示する終了操作が行われると(ステップN9でYES)、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップN10)、テレビ機能の終了に応じた制御を行う。なお、その他の操作が行われた場合には(ステップN11でYES)、操作に対応する処理として、例えば、チャンネル切り替えなどの処理を行う(ステップN12)。
【0078】
図11のフローにおいて、電子決済機能の起動操作が行われると(ステップA20でYES)、電子決済機能処理に移る(ステップA21)。
図23は、電子決済機能処理(図11のステップA21)を詳述するためのフローチャートである。先ず、中央制御部11は、電子決済機能のプログラムを起動したのち(ステップP1)、RAM13に記憶されている電子決済機能の使用回数に“1”を加算してそれを更新する(ステップP2)。そして、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップP3)、電子決済機能の起動時に、例えば、“無駄遣いしないように”というメッセージを出力するなど、電子決済機能の起動に応じた制御を行う。
【0079】
更に、上述した図18の制御処理E(使用量/使用環境)を実行する(ステップP4)。この場合、図18の制御処理E(使用量/使用環境)において、外部指示情報の実行条件に使用量が含まれている場合には、電子決済機能の起動時に上述のステップF2で更新された使用回数を使用量として読み出し、あるいは非接触IC通信部22を介して使用金額(支払い金額、支払い合計金額)を使用量として取得する。また、外部指示情報の実行条件に使用環境が含まれている場合には、GPS通信部23から現在位置あるいはRTC25から現在日時を使用環境として取得し、その使用量/使用環境(使用回数/使用金額/使用場所/使用時刻)に応じた制御を行う。これによって使い過ぎを注意したり、電子決済機能の深夜使用を注意するメッセージを出力したりするなど、電子決済機能の使用量/使用環境に応じた制御が行われる。図27は、電子決済機能の使用量に応じたメッセージ画面を例示したもので、使用金額、使用回数が実行条件の指定金額、指定回数を超過した際に、無駄遣いを促すメッセージと共に、その注意者の顔写真などが表示される。
【0080】
ここで、電子決済機10からの信号で非接触IC通信部22が起動して決済開始が指示されると(ステップP5)、電子決済機10と非接触IC通信部22とのデータ送受信に応じて決済処理を実行すると共に(ステップP6)、上述した図18の制御処理E(使用量/使用環境)を実行する(ステップP7)。この場合、使用金額(支払い金額)に応じて注意を促すメッセージを出力させるなど、電子決済機能の使用量/使用環境に応じた制御が行われる。また、電子決済機能処理の終了を指示する終了操作が行われると(ステップP8でYES)、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(ステップP9)、電子決済機能の終了に応じた制御を行う。なお、その他の操作が行われた場合には(ステップP10でYES)、操作に対応する処理として、例えば、データ設定などの処理を行う(ステップP11)。
【0081】
図11のフローにおいて、非接触IC通信部22を介して改札通過を検出すると(ステップA22でYES)、乗車券機能処理に移る(ステップA23)。
図24は、乗車券機能処理(図11のステップA23)を詳述するためのフローチャートである。先ず、中央制御部11は、乗車券機能のプログラムを起動したのち(ステップQ1)、RAM13に記憶されている乗車券機能の使用回数に“1”を加算してそれを更新する(ステップQ2)。そして、自動改札機9と非接触IC通信部22との間でのデータ送受信に応じて電子決済などの乗車券処理を実行したのち(ステップQ3)、上述した図18の制御処理E(使用量/使用環境)を実行する(ステップQ4)。
【0082】
この場合、図18の制御処理E(使用量/使用環境)において、外部指示情報の実行条件に使用量が含まれている場合には、乗車券機能の起動時に上述のステップF2で更新された使用回数を使用量として読み出し、あるいは非接触IC通信部22を介して使用金額(乗車料金)を使用量として取得する。また、外部指示情報の実行条件に使用環境が含まれている場合には、GPS通信部23から現在位置あるいはRTC25から現在日時を使用環境として取得し、その使用量/使用環境(使用回数/使用金額/使用場所/使用時刻)に応じた制御を行う。これによって使い過ぎを注意したり、深夜の遠出を注意するメッセージを出力したりするなど、乗車券機能の使用量/使用環境に応じた制御が行われる。そして、制御処理H(改札)に移る(ステップQ5)。
【0083】
図25は、改札通過に応じて実行開始される制御処理H(改札)を示したフローチャートである。先ず、中央制御部11は、実行条件テーブル記憶部EXをアクセスして「条件種別」が“改札”の「検出開始フラグ」を読み出し(ステップR1)、フラグ=1であるか(改札を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されているか)を調べ(ステップR2)、検出開始フラグが“0”で、改札を実行条件とする外部指示情報が受信記憶されていなければ、上述の全体フローに戻る。また、検出開始フラグが“1”であれば(ステップR2でYES)、改札状況(どの駅か、入札か出札かなど)を現在の使用状況として検出すると共に(ステップR3)、「条件種別」が“改札”の外部指示情報からその実行条件を読み出し(ステップR4)、検出した改札状況と外部指示情報の実行条件とを比較し、改札状況は実行条件を満すかを調べる(ステップR5)。
【0084】
いま、外部指示情報内の実行条件が“A08、駅識別情報、B81(○○駅に入った)”の場合に、その駅の出札、あるいは他の駅の入札、出札が検出されると、外部指示情報内の実行条件を満さないので(ステップR5でNO)、上述の全体フローに戻るが、その駅の入札が検出された場合には、実行条件を満すので(ステップR5でYES)、この実行条件を含む外部指示情報内の「判別フラグ」に、条件成立を示す“1”を記憶したのち(ステップR6)、その実行条件対応の制御内容を実行する制御内容実行処理に移る(ステップR7)。このように中央制御部11は、乗車券機能の動作中に外部指示情報を参照し、例えば、その送信者が指示したメッセージ(路線乗り換え案内などのメッセージ)を出力させるなど、改札通過に応じた制御を行う。
【0085】
次に、そして、上述した図17の制御処理D(機能)に移り(図24のステップQ6)、乗車券機能の起動時に、例えば、“行ってらっしゃい、お帰りなさい”のメッセージを出力させるなど、乗車券機能の起動/終了に応じた制御を行ったのち、乗車券機能を終了させる(ステップQ7)。図28は、乗車券機能において所定駅の改札を出たときに表示されるメッセージ画面を例示したもので、“○○駅に着いたら××の人宛にメールを送って下さい”が表示された場合である。
【0086】
また、図11のフローにおいて、無線通信部16からの電話着信を検出すると(ステップA24でYES)、通話処理に移る(ステップA25)。また、電源オフ操作を検出すると(ステップA26でYES)、図12の制御処理A(電源)に移り(ステップA27)、電源オフに応じた制御を行ったのち、電源オフ処理を行う(ステップA28)。その他の操作を検出すると(ステップA29)、その操作に対応する処理として、例えば、着信音の変更処理などが行われる(ステップA30)。
【0087】
以上のように、この実施例において携帯電話装置1は、任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを受信して記憶したのち、この実行条件に該当する使用状況が当該実行条件を満すか否かに基づいて制御内容を実行するようにしたので、ある実行条件の成立有無に基づいて制御内容が実行されるように、その実行条件と制御内容とを送信する送信側で指定することができ、その送信側では高い自由度で容易に当該携帯電話装置1を制御することが可能となって、利便性を大幅に向上させることができる。
【0088】
制御内容と実行条件とを受信した際に、その旨を携帯電話装置1のユーザに報知しないようにしたので、そのユーザによる故意あるいは過失によって当該外部指示情報が削除されることを防止することができる。
【0089】
携帯電話装置1の現在の位置を検出し、この検出位置に基づいて実行条件を満しているか否かを判別するようにしたので、例えば、送信側の家の近くに来た場合に、家の近くである旨を表示させるというように、携帯電話装置1の現在位置に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0090】
携帯電話装置1の電源状況を検出し、この電源状況に基づいて実行条件を満しているか否かを判別するようにしたので、例えば、携帯電話装置1の電源がオンされた場合に、メロディや画像を出力させるというように、携帯電話装置1の動作電源の状況に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0091】
携帯電話装置1のスタイルを検出し、このスタイルに基づいて実行条件を満しているか否かを判別するようにしたので、例えば、携帯電話装置1の筐体を開いた場合に、送信者の顔画像や音声を出力させるというように、携帯電話装置1のスタイルに応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0092】
携帯電話装置1の機能を検出し、この機能に基づいて実行条件を満しているか否かを判別するようにしたので、携帯電話装置1に搭載されている機能の動作に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0093】
例えば、乗車券機能で所定駅の改札を出たことを検出した場合に、改札を出たら連絡して欲しいということを表示させるというように、所定機能での所定場所の検出に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0094】
また、スケジュール機能が起動された場合に、所定のスケジュールを登録しておいて欲しいということを表示させるというように、所定機能の起動に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0095】
また、電子決済機能の使用金額が所定額を超過した場合や使用回数が所定回数を超過した場合に、無駄遣いを注意する旨を画像と共に表示させたり、テレビ視聴機能の連続使用時間が1時間を超過した場合に、視聴を中止する旨を表示させたりするというように、所定機能の使用量に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0096】
電子決済機能が夜遅くに繁華街で使用されたことを検出した場合に、帰宅を促す注意を表示させるというように、所定機能での使用時刻あるいは使用場所に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0097】
待合せ相手(送信側)に電話をかけようとした場合に、その待合せ場所付近の地図を表示させるというように、所定機能での通信開始に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0098】
アドレス帳で通信相手(送信側)が指定された場合に、所定の音楽を出力させたり顔画像を表示させたりするというように、所定機能での通信相手の指定に応じた制御を外部指示することが可能となる。
【0099】
制御内容は、携帯電話装置1に記憶されているデータ、あるいは受信したデータを出力させることを指示するもので、データを容易に出力させることができる。
【0100】
制御内容は、携帯電話装置1に記憶されているデータ、あるいは受信したデータを外部に出力させることを指示するもので、例えば、携帯電話装置1にケーブルなどを介して接続されている外部機器への出力、イヤホンなどの外部スピーカ、テレビなどの外部モニタ、PCなどへの出力が可能となるほか、電話番号、メールアドレス、IPアドレスで示される他の携帯電話装置1、PCなどを宛先としてデータを外部送信することができる。
【0101】
制御内容は、携帯電話装置1に搭載されている機能、あるいは受信した機能を起動させることを指示するもので、機能を容易に出力させることができる。
【0102】
制御内容は、携帯電話装置1に搭載されている機能、あるいは受信した機能を外部に送信させることを指示するもので、電話番号、メールアドレス、IPアドレスで示される他の携帯電話装置1、PCなどを宛先として機能を外部送信することができる。
【0103】
なお、上述した実施例においては、制御対象の機能として、アドレス帳機能、スケジュール帳機能、放送受信機能、電子決済機能、乗車券機能を例示したが、例えば、TODO(行動管理ツール)機能、歩行者支援機能などのナビゲーションケー機能などであってもよい。また、通信相手を指定する機能としては、アドレス帳に限らず、発信履歴、着信履歴、ダイヤル入力などであってもよい。更に、通信相手の指定としては、指定した相手の情報の修正や削除する場合の指定であってもよい。なお、この場合においては通信相手の情報を修正したこと、削除したことを実行条件とすればよい。
【0104】
また、所定機能の使用量としては、回数や金額に限らず、パケット量や通話時間などの通信量であってもよい。また、機能の動作に関する条件としては、所定のテレビ番組やラジオ番組の視聴操作、所定キーの操作、所定時間の操作無し検出であってもよい。また、所定機能の通信開始は、音声発信に限らず、メール発信やデータ送信などの通信開始であってもよい。
【0105】
また、実行条件の成立に応じてその制御内容を実行したのち、この実行条件、制御内容を含む外部指示情報を削除するようにしてもよい。また、外部指示情報に実行条件、制御内容、データ/機能のほか、回数情報を含めるようにして、その送信側で回数指定を可能としてもよい。そして、この外部指示情報を受信した携帯電話装置1側では、実行条件の成立に応じてその制御内容を実行した回数をカウントし、そのカウント値が指定回数に達した際に、当該外部指示情報を削除するようにしてもよい。
【0106】
その他、携帯電話装置は、2軸回転型に限らず、折り畳み型、スライド型などであってもよい。その他、携帯電話装置に限らず、例えば、通信機能付きのPDA・電子カメラ・電子腕時計・音楽再生機などの通信端末装置であっても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】通信端末装置として適用した携帯電話装置が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】携帯電話装置1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】実行条件テーブル記憶部EXを説明するための図。
【図4】制御内容テーブル記憶部CTを説明するための図。
【図5】外部指示情報記憶部RCを説明するための図。
【図6】スタイル情報記憶部SYを説明するための図。
【図7】アドレス帳記憶部ADを説明するための図。
【図8】機能記憶部FCを説明するための図。
【図9】データ記憶部DTを説明するための図。
【図10】電源投入に伴って実行開始される携帯電話装置の全体動作を示したフローチャート。
【図11】図10に続く、フローチャート。
【図12】電源操作に応じて実行開始される制御処理A(電源)を示したフローチャート。
【図13】各制御処理A〜Hにおいて、条件成立に応じて実行開始される制御内容実行処理を詳述するためのフローチャート。
【図14】スタイル変更検出に応じて実行開始される制御処理B(スタイル)を示したフローチャート。
【図15】位置検出タイミングに応じて実行開始される制御処理C(位置)を示したフローチャート。
【図16】アドレス帳起動操作に応じて実行開始されるアドレス帳処理(図10のステップA15)を詳述するためのフローチャート。
【図17】機能のオン/オフに応じて実行開始される制御処理D(機能)を示したフローチャート。
【図18】機能の動作中に実行開始される制御処理E(使用量/使用環境)を示したフローチャート。
【図19】通信相手の指定に応じて実行開始される制御処理G(相手)を示したフローチャート。
【図20】連続使用の実行タイミングが検出される毎に実行開始される制御処理F(連続使用)を示したフローチャート。
【図21】スケジュール処理(図10のステップA17)を詳述するためのフローチャート。
【図22】テレビ処理(図10のステップA19)を詳述するためのフローチャート。
【図23】電子決済機能処理(図11のステップA21)を詳述するためのフローチャート。
【図24】乗車券機能処理(図11のステップA21)を詳述するためのフローチャート。
【図25】改札通過に応じて実行開始される制御処理H(改札)を示したフローチャート。
【図26】待合せ相手に電話をかけようとしたときに、その待合せ場所を示す地図を表示させた場合の地図画面を例示した図。
【図27】電子決済機能の使用量に応じたメッセージ画面を例示した図。
【図28】乗車券機能において所定駅の改札を出たときに表示されるメッセージ画面を例示した図。
【符号の説明】
【0108】
1 携帯電話装置
2 移動体通信網
4 インターネット
5 機能配信サーバ
6 テレビ局・ラジオ局
8 GPS衛星
9 自動改札機
10 電子決済機
11 中央制御部
12 ROM
13 RAM
16 外部記憶媒体
16 無線通信部
18 テレビ放送・ラジオ放送通信部
19 表示部
20 サウンドスピーカ
21 赤外線通信部
22 非接触IC通信部
23 GPS通信部
24 操作部
25 RTC
26 スタイル検出部
EX 実行条件テーブル記憶部
CT 制御内容テーブル記憶部
RC 外部指示情報記憶部
SY スタイル情報記憶部
FC 機能記憶部
AD アドレス帳記憶部
DT データ記憶部
SD スケジュール帳記憶部
ML メール記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを受信する受信手段と、
この受信手段によって受信された制御内容と実行条件とを対応付けて記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている実行条件に該当する使用状況を検出する検出手段と、
この検出手段による検出結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている実行条件を満すか否かを判別する判別手段と、
この判別手段による判別結果に基づいて、前記記憶手段に記憶されている制御内容を実行する実行手段と、
を具備したことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記受信手段によって制御内容と実行条件とを受信した際には、受信した旨のユーザへの報知を抑制する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記実行条件は、通信端末装置の位置に関する条件であって、
前記検出手段は、通信端末装置の位置を検出し、
前記判別手段は、前記検出手段によって検出された位置に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記実行条件は、通信端末装置の動作電源の状況に関する条件であって、
前記検出手段は、通信端末装置の動作電源の状況を検出し、
前記判別手段は、前記検出手段によって検出された動作電源の状況に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記実行条件は、通信端末装置の筐体の配置状況であるスタイルに関する条件であって、
前記検出手段は、通信端末装置のスタイルを検出し、
前記判別手段は、前記検出手段によって検出されたスタイルに基づいて、実行条件を満すか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記実行条件は、通信端末装置に搭載されている機能の動作に関する条件であって、
前記検出手段は、通信端末装置に搭載されている機能の動作を検出し、
前記判別手段は、前記検出手段によって検出された機能の動作に基づいて、実行条件を満すか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項7】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能による所定場所の検出である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能の起動である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項9】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能における使用量である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項10】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能の使用時刻あるいは使用場所である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項11】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能の通信開始である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項12】
前記機能の動作に関する条件は、所定機能による通信相手の指定である、
ことを特徴とする請求項6記載の通信端末装置。
【請求項13】
前記制御内容は、通信端末装置に記憶されているデータ、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信したデータを出力させることを指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項14】
前記制御内容は、通信端末装置に記憶されているデータ、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信したデータを外部に送信させることを指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項15】
前記制御内容は、通信端末装置に搭載されている機能、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信した機能を起動させることを指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項16】
前記制御内容は、通信端末装置に搭載されている機能、あるいは前記受信手段によって制御内容と実行条件と共に受信した機能を外部に送信させることを指示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信端末装置。
【請求項17】
コンピュータに対して、
任意の条件で任意の内容を制御すべきことが外部から送信指示された場合に、この外部指示情報を構成する制御内容とその実行の契機となる実行条件とを受信する機能と、
前記受信された制御内容と実行条件とを対応付けて記憶管理する機能と、
前記記憶されている実行条件に該当する使用状況を検出する機能と、
前記検出結果に基づいて前記実行条件を満すか否かを判別する機能と、
前記判別結果に基づいて前記制御内容を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−65491(P2009−65491A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232192(P2007−232192)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】