通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局
【課題】目標フレームのより確実な受信を実現するための通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局
【解決手段】基地局から信号を受信する受信部と、フレーム周期をカウントするカウント部と、前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、を備え、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
【解決手段】基地局から信号を受信する受信部と、フレーム周期をカウントするカウント部と、前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、を備え、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において、次世代型の4G無線通信システム(LTE−Advanced)の規格化が進められている。4Gでは、最大通信速度やセルエッジでの品質向上のために、MU−MIMO(Multi User−MIMO)およびCoMP(Coordinated Multi Points Transmission)などの技術の導入が検討されている。
【0003】
また、LTEでは、10ms無線フレーム、および10ms無線フレームを構成する10個のサブフレームが定義されている。また、各サブフレームは、制御信号(PDCCH)を送信するための制御領域、およびユーザデータ(PDSCH)を送信するためのデータ領域で構成される。なお、このようなフレーム構成については例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、3GPPでは、MTC(Machine Type Communications)に関する議論も進められている。MTCは、一般的にM2M(Machine to Machine)と同義であり、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信を意味する。このMTCは、主として、サーバと、人間が直接利用しないMTC端末との間で行われる。また、MTCでは、1週間や1カ月のような長周期での通信が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−071706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、MTC端末を含む通信装置が内蔵する発振器は誤差を有するので、通信装置は、1週間後や1カ月後のような長時間が経った後に正確な目標フレームでスリープ状態から復帰することは困難である。例えば、通信装置が復帰した時には既に目標フレームが過ぎている場合も考えられる。
【0007】
そこで、本開示では、目標フレームのより確実な受信を実現するための、新規かつ改良された通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、基地局から信号を受信する受信部と、フレーム周期をカウントするカウント部と、前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、を備え、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、フレーム周期をカウントすることと、受信部をスリープ状態に遷移させることと、カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、を含む、通信方法が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、基地局と、前記基地局から信号を受信する受信部、フレーム周期をカウントするカウント部、および前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、を備える、通信システムが提供される。
【0011】
また、本開示によれば、フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本開示によれば、目標フレームのより確実な受信を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】フレームフォーマットを示した説明図である。
【図3A】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図3B】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図3C】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図4】UEにおけるSFNの共有方法を示した説明図である。
【図5】PDCCHの拡張例を示した説明図である。
【図6】第1の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図7】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図8】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図9】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図10】N−PDCCHの配置形態の応用例を示した説明図である。
【図11】各N−PDCCHが割当てを担う範囲を示した説明図である。
【図12】N−PDCCHの複数の周期を示した説明図である。
【図13】第1の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図14】第1の実施形態による基地局およびUEの動作を整理したシーケンス図である。
【図15】マッピングパターンを変更する動作例を示したシーケンス図である。
【図16】SFNの周期を示した説明図である。
【図17】第2の実施形態の概要を示す説明図である。
【図18】第2の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図19】第2の実施形態の変形例によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図20】第3の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図21】第3の実施形態によるスリープ制御の具体例を示した説明図である。
【図22】SFNの特定方法を示した説明図である。
【図23】第3の実施形態の応用例を示した説明図である。
【図24】第3の実施形態の動作を整理したシーケンス図である。
【図25】第3の実施形態の第1の変形例を示した説明図である。
【図26】第3の実施形態の第2の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてUE20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、UE20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にUE20と称する。
【0017】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.フレーム構成
1−3.SFN(システムフレーム番号)
1−4.背景
2.第1の実施形態
2−1.第1の実施形態による基地局の構成
2−2.第1の実施形態によるUEの構成
2−3.第1の実施形態の動作
3.第2の実施形態
3−1.第2の実施形態による基地局の構成
3−2.第2の実施形態の変形例
4.第3の実施形態
4−1.第3の実施形態によるUEの構成
4−2.第3の実施形態の動作
4−3.変形例
5.むすび
【0018】
<<1.無線通信システムの概略>>
本開示による技術は、一例として「2.第1の実施形態」〜「4.第3の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。以下では、まず、各実施形態において共通する無線通信システムの概略を説明する。
【0019】
<1−1.無線通信システムの構成>
図1は、本開示の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による通信システム1は、基地局10と、コアネットワーク12と、UE(UserEquipment)20A〜20Cと、を備える。
【0020】
UE20は、基地局10により割り当てられたダウンリンク用のリソースブロックにおいて受信処理を行い、アップリンク用のリソースブロックにおいて送信処理を行う通信装置である。
【0021】
このUE20は、例えば、スマートフォン、PC(PersonalComputer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(PersonalDigitalAssistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、UE20は、携帯電話、PHS(PersonalHandyphoneSystem)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの移動通信装置であってもよい。
【0022】
さらに、UE20は、MTC端末であってもよい。MTC端末は、3GPPで議論されている、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信であるMTCに特化した無線端末である。例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をアップリンクで送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末として機能させ、MTC端末が、自動販売機の在庫や売上をアップリンクで送信することも考えられる。
【0023】
このようなMTC端末は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(LowMobility)
・小容量のデータ転送(OnlineSmallDataTransmission)
・超低消費電力(ExtraLowPowerConsumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(GroupbasedMTCFeatures)
【0024】
なお、MTC端末は、一斉に基地局10に対して送受信要求を行うことにより、基地局10やコアネットワーク12が輻輳を起こすことが懸念される。また、MTC端末の普及を促進するためには、コストを下げると共に、携帯電話端末と共存することが望まれるので、MTC端末のみのセルラーネットワークが構築される可能性は低い。
【0025】
基地局10は、カバレッジに含まれるUE20と通信する無線基地局である。なお、基地局10は、eNodeB、リレーノード、フェムトセル基地局、RRHおよびピコeNodeBなどであってもよい。なお、図1においてはコアネットワーク12に1つの基地局10のみが接続される例を示しているが、実際には多数の基地局10がコアネットワーク12に接続される。
【0026】
コアネットワーク12は、MME(MobilityManagementEntity)やサービングGW(Gateway)などの管理ノードを含む事業者側のネットワークである。MMEは、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMMEは、eNodeB10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。S−GWは、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。
【0027】
<1−2.フレーム構成>
続いて、上述した基地局10とUE20との間で共有されるフレームの構成について説明する。
【0028】
図2は、フレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。各サブフレームは、12サブキャリア×14OFDM(OrthogonalFrequencyDivisionMultiplexing)シンボルからなる1つのリソースブロックであり、スケジューリングの割り当てはこのリソースブロック単位で行われる。なお、1OFDMシンボルは、OFDM変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(FastFourierTransform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0029】
また、各サブフレームは制御領域およびデータ領域からなる単位フレームである。図3A〜図3Cに示すように、制御領域は、各サブフレームの先頭の1〜3OFDMシンボルからなり、PDCCH(PhyDownLinkControlChannel)と呼ばれる制御信号の送信のために用いられる。制御領域のために用いられるOFDMシンボルの数は、主にUE20の数に依存する。また、制御領域に続くデータ領域は、PDSCH(PhyDownLinkSharedChannel)と呼ばれるユーザデータなどの送信のために用いられる。
【0030】
(PDCCHの構成)
上述したPDCCHには、ダウンリンクスケジューリング情報(Downlinkassignment)およびアップリンクスケジューリング情報(Uplinkgrants)が含まれる。ダウンリンクスケジューリング情報は、UE20が受信すべきリソースブロックの場所を示し、アップリンクスケジューリング情報は、UE20が送信すべきリソースブロックの場所を示す。このダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報は、基地局10が伝送路の状況などを考慮し、各UE20に対して割り当てる。
【0031】
なお、ダウンリンクスケジューリング情報は、通常、当該ダウンリンクスケジューリング情報を含むPDCCHが配置されているサブフレーム内のリソースブロックの割当てを示す。一方、UE20がアップリンクスケジューリング情報を受信してから送信を開始するには準備のための遅延時間が生じるので、アップリンクスケジューリング情報は、通常、当該アップリンクスケジューリング情報を含むPDCCHが配置されているサブフレームから4サブフレーム以降のリソースブロックの割り当てを示す。
【0032】
上述したダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報がPDCCHに含まれる主な制御信号であるが、PDCCHには、ACK/NACK情報およびアップリンク電力制御情報などの他の制御信号も含まれる。
【0033】
<1−3.SFN(システムフレーム番号)>
以上、図2および図3を参照して無線フレームの構成を説明した。上述した無線フレームの各々には、SFN(システムフレーム番号)と呼ばれる0〜1023の通し番号が設定されている。このSFNは本開示の実施形態と深く関連するので、以下、SFNついて具体的に説明する。
【0034】
基地局10は、PBCH(PhyBroadcastCHannel)によりシステム情報をブロードキャストする。システム情報は、主に、MIB(MasterInformationBlock)およびSIB(SystemInformationBlock)からなる。このうち、SFNを特定するための情報は、MIBに含まれる。
【0035】
ここで、0〜1023のSFNは10ビットにより表現されるが、MIBには、10ビットのSFNを特定するための8ビットのSFN(以下、粗SFNと称する。)が含まれる。このため、UE20は、内部カウンタを用いて粗SFNを補間することにより、正確なSFNを取得することができる。以下、この点について図4を参照してより詳細に説明する。
【0036】
図4は、UE20におけるSFNの共有方法を示した説明図である。図4に示したように、基地局10は、0〜255の値を示す8ビットの粗SFNを、規定数である例えば4個の無線フレーム長に相当する40msに一度インクリメントする。これにより、基地局10側から10ビットのSFNを通知する場合よりもMIBの更新頻度が低減される。
【0037】
一方、UE20は、粗SFNが同一である期間中に10msの経過をカウントして、2ビットを補うことにより、10ビットのSFNを特定することができる。例えば、UE20は、粗SFNが「1」である間に「0」〜「3」を10ms周期でカウントすることにより、SFN「4」〜「7」を特定することが可能である。
【0038】
<1−4.背景>
以上、本開示の実施形態による通信システム1の概略を説明した。続いて、本開示の各実施形態の詳細な説明に先立ち、本開示の実施形態の背景を説明する。
【0039】
本開示の背景として、MTC端末の普及や、MU−MIMOおよびCoMPなどの新たな技術の導入が挙げられる。MTC端末は、「1−1.無線通信システムの構成」において説明したように、通常の携帯電話端末と異なり、人間が介在しない機器に設けられることが想定される。このため、MTC端末は、将来的には、携帯電話端末よりも多くのMTC端末が市場に流通することが予想される。その結果、PDCCHを送信する制御領域の枯渇が懸念される。
【0040】
同様に、MU−MIMOおよびCoMPなどの新たな技術の導入により、MU−MIMOやCoMPを実現するための制御信号が増加するので、制御領域が不足することが懸念される。
【0041】
この点について、制御領域を単純に4OFDMシンボルや5OFDMシンボルと増やす方法が考えられるが、この場合、PDSCHを送信するためのデータ領域が少なくなるので、スループットの低下という不具合が生じる。
【0042】
また、図5に示すように、毎サブフレームのデータ領域中にPDCCHの拡張領域(EnhancedPDCCH)を設ける方法も考えられるが、同様にスループットの低下という不具合が生じる。
【0043】
そこで、上記事情を着眼点にして本開示の実施形態を創作するに至った。本開示のある実施形態によれば、制御領域をデータ領域中に適切に拡張することが可能である。以下、このような実施形態を含む本開示の各技術について詳細に説明する。
【0044】
なお、以下の実施形態は、PDCCHのリソース不足を解消する手段を提案するが、ページングに関する情報もPDCCHに含まれるので、本開示の実施形態はページングにも適用可能である。すなわち、UE20は、RRC(Radio Resource Control)_Idleの場合にはPDCCHのページング情報を間欠的に受信している(DRX:Discontinuesreception)。また、UE20は、RRC_Connectedの場合にも電力節約のためにDRX周期でPDCCHを受信する。このため、本開示のPDCCHに関する技術は、RRC_IdleのUE20にも、RRC_ConnectedのUE20にも適用可能である。なお、RRC_Idleモードは、UE20の電力がセーブされた状態であり、RRC_IdleモードのUE20は、eNodeBからのページングチャネルを監視し、ページングチャネルに呼び出しがあれば、RRC_Connectedモードに遷移する。また、RRC_Connectedモードは、UE20と基地局10の間でコネクションが確立されており、UE20がアップリンク信号の送信およびダウンリンク信号の受信を行える状態である。
【0045】
<<2.第1の実施形態>>
<2−1.第1の実施形態による基地局の構成>
図6は、第1の実施形態による基地局10−1の構成を示した機能ブロック図である。図6に示したように、第1の実施形態による基地局10−1は、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、アップリンク信号検出部130と、ダウンリンク信号生成部140と、SFNカウンタ152と、マッピング記憶部156と、N−PDCCH制御部160と、を備える。
【0046】
アンテナ群104は、UE20−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部110へ供給する。また、アンテナ群104は、無線処理部110から供給される高周波信号に基づいて無線信号をUE20−1に送信する。基地局10−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群104を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0047】
無線処理部110は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群104から供給される高周波信号をベースバンド信号(アップリンク信号)に変換する。また、無線処理部110は、DA/AD変換部120から供給されるベースバンド信号(ダウンリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0048】
DA/AD変換部120は、無線処理部110から供給されるアナログ形式のアップリンク信号をデジタル形式に変換し、アップリンク信号検出部130に供給する。また、DA/AD変換部120は、ダウンリンク信号生成部140から供給されるデジタル形式のダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部110に供給する。
【0049】
アップリンク信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。
【0050】
ダウンリンク信号生成部140は、基地局10−1から送信するためのダウンリンク信号を生成する信号生成部である。具体的には、ダウンリンク信号生成部140は、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを生成する。また、本実施形態によるダウンリンク信号生成部140は、N−PDCCH制御部160による制御により、周期的なマッピングパターンに従うサブフレームのデータ領域中に、N(New)−PDCCHを拡張制御領域として配置する。なお、N−PDCCHは、ダウンリンクスケジューリング情報、アップリンクスケジューリング情報、MU−MIMO制御情報、およびCoMP制御情報などを含んでもよい。また、基地局10−1は、N−PDCCHのマッピングパターンを、事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知しておいてもよい。
【0051】
SFNカウンタ152は、図4を参照して説明した粗SFNをカウントする。この粗SFNは、UE20−1にMIBにより通知するための情報であるが、基地局10−1は、正確な10ビットのSFNをカウントするためのカウンタも有する。
【0052】
マッピング記憶部156は、各UE20−1に対するN−PDCCHを配置するマッピングパターンを記憶する。マッピングパターンは、例えば、基準サブフレーム位置を示すSFNおよびサブフレーム番号と、マッピング周期により特定される周期的パターンであってもよい。なお、このマッピングパターンは、N−PDCCH制御部160により決定されてもよい。
【0053】
(N−PDCCHの配置)
N−PDCCH制御部160は、ダウンリンク信号生成部140によるN−PDCCHの配置を制御する。例えば、N−PDCCH制御部160は、マッピング記憶部156を参照し、マッピングパターンに従うサブフレームで、ダウンリンク信号生成部140にN−PDCCHをデータ領域中に配置させる。以下、図7を参照してより具体的に説明する。
【0054】
図7は、N−PDCCHの配置例を示した説明図である。図7に示したように、N−PDCCHは、例えばSFN=2、12、22・・・の無線フレームというように、10SFN周期の無線フレームの、#3のサブフレームに配置される。なお、ダウンリンク信号生成部140は、図8に示したようにデータ領域中の一部の周波数帯にN−PDCCHを配置してもよいし、図9に示したようにデータ領域中の一部の時間帯にN−PDCCHを配置してもよい。
【0055】
上述したように、N−PDCCHは、ダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報などの通信リソースの割り当て情報を含み得るが、図7に示したようにN−PDCCHを配置した場合、各N−PDCCHは、次のN−PDCCHが配置されるサブフレームまでの通信リソースの割り当て情報を含んでもよい。例えば、図7に示したようにN−PDCCHが配置される場合、SFN=2のN−PDCCHは、SFN=2、サブフレーム番号=4であるサブフレームから、SFN=12、サブフレーム番号=3であるサブフレームまでの間のスケジューリング情報を含んでもよい。
【0056】
このように、第1の実施形態による基地局10−1は、N−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。なお、上述したN−PDCCHの配置方法やN−PDCCHの構成は一例に過ぎず、以下に応用例として説明するように、多様な形態で実現することが可能である。
【0057】
(第1の応用例)
第1の応用例は、N−PDCCHによるスケジュールの指定方法に関する。上記では、各N−PDCCHが、各N−PDCCH間のリソースブロックを指定するスケジューリング情報を含む例を説明した。しかし、N−PDCCHの周期が長くなると、長い周期内に存在する全てのリソースブロックから各リソースブロックを指定するために、スケジューリング情報のビット数が大きくなることが考えられる。
【0058】
そこで、第1の応用例として、同一のサブフレームに複数のN−PDCCHを配置し、各N−PDCCHに異なる範囲内のリソースブロックの割当てを示すスケジュール情報を挿入する方法を提案する。以下、図10および図11を参照してより具体的に説明する。
【0059】
図10は、N−PDCCHの配置形態の応用例を示した説明図である。図10に示したように、第1の応用例によるダウンリンク信号生成部140は、同一のサブフレームの異なる時間/周波数領域に、複数のN−PDCCHを配置する。ここで、図10に示したN−PDCCH(A)は、例えば図11に示すように前半のリソースブロックの割当てを担い、N−PDCCH(B)は、例えば図11に示すように後半のリソースブロックの割当てを担う。
【0060】
かかる構成により、各N−PDCCHに含まれるスケジューリング情報によるリソースブロックの指定を、分割されたより狭い範囲内に存在するリソースブロックから行うことが可能となるので、スケジューリング情報のビット数を減少させることができる。なお、上記では、時間方向に異なるリソースブロックの割当てを複数のN−PDCCHが担う例を説明したが、複数のN−PDCCHの各々は周波数方向に異なるリソースブロックの割当てを担ってもよい。
【0061】
(第2の応用例)
第2の応用例は、N−PDCCHのマッピングパターンに関する。N−PDCCHの周期が長くなると、送受信の遅延時間も長くなる。また、UE20−1によって送受信の許容される遅延時間は異なる。そこで、第2の応用例として、各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を複数の周期から決定する方法を提案する。
【0062】
例えば、N−PDCCH制御部160は、図12に示したように、8無線フレーム周期および16無線フレーム周期などの複数の周期から各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を決定する周期制御部としての機能を有する。具体例として、N−PDCCH制御部160は、UE20−1から受信される情報に基づいてUE20−1の送受信に許容される遅延時間を判断し、許容される遅延時間が小さい場合、UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を8無線フレーム周期に決定してもよい。なお、基地局10−1は、決定したマッピング周期を有するマッピングパターンを、事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知しておいてもよい。
【0063】
このように、第2の応用例による基地局10−1は、例えばUE20−1が実行するアプリケーションに適したN−PDCCHのマッピングパターンを決定することが可能である。
【0064】
(第3の応用例)
第3の応用例は、N−PDCCHのマッピングパターンの変更に関する。第2の応用例のようにUE20−1に適したマッピングパターンを決定しても、UE20−1の状態やアプリケーションの変化などにより望ましいマッピングパターンの周期が変化する場合が考えられる。また、各マッピングパターンに従うN−PDCCHに属するUE20−1の数が偏ると、いずれかのN−PDCCHのリソースが不足すると考えられる。そこで、第3の応用例では、各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピングパターンを変更することを提案する。
【0065】
例えば、N−PDCCH制御部160は、あるマッピングパターンに属するUE20−1の数が上限数を超えた場合、当該マッピングパターンに属する少なくともいずれかのUE20−1のマッピングパターンを変更してもよい。また、N−PDCCH制御部160は、UE20−1から要求に応じてUE20−1のマッピングパターンを変更してもよい。なお、変更前のマッピングパターンの周期と、変更後のマッピングパターンの周期は、異なってもよいし、同一であってもよい。マッピングパターンの周期が同一であったとしても、マッピングパターンに属するUE20−1の数が少ない場合、送受信の遅延時間は減少すると考えられる。
【0066】
<2−2.第1の実施形態によるUEの構成>
以上、第1の実施形態による基地局10−1の構成を説明した。続いて、第1の実施形態によるUE20−1の構成を説明する。
【0067】
図13は、第1の実施形態によるUE20−1の構成を示した機能ブロック図である。図13に示したように、UE20−1は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ256と、マッピング記憶部260と、受信制御部264と、を備える。
【0068】
アンテナ群204は、基地局10−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部210へ供給する。また、アンテナ群204は、無線処理部210から供給される高周波信号に基づいて無線信号を基地局10−1に送信する。UE20−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群204を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0069】
無線処理部210は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群204から供給される高周波信号をベースバンド信号(ダウンリンク信号)に変換する。また、無線処理部210は、DA/AD変換部220から供給されるベースバンド信号(アップリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0070】
DA/AD変換部220は、無線処理部210から供給されるアナログ形式のダウンリンク信号をデジタル形式に変換し、ダウンリンク信号検出部240に供給する。また、DA/AD変換部220は、アップリンク信号生成部230から供給されるデジタル形式のアップリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部210に供給する。
【0071】
アップリンク信号生成部230は、基地局10−1に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、アップリンク信号生成部230は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。このように、アップリンク信号生成部230は、アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220と共に送信部として機能する。
【0072】
ダウンリンク信号検出部240は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるダウンリンク信号検出部240は、受信制御部264による制御に従い、周期的なマッピングパターンに従って配置されるN−PDCCHを検出する。このように、ダウンリンク信号検出部240は、アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220と共に受信部として機能する。
【0073】
内部カウンタ252は、図4を参照して説明したように、無線フレームの周期である10msを2ビットでカウントする。
【0074】
SFNカウンタ256は、ダウンリンク信号検出部240により検出されるMIBに含まれる粗SFNと、内部カウンタ252によるカウント値からSFNをカウントするカウント部である。
【0075】
マッピング記憶部260は、N−PDCCHのマッピングパターンを記憶する。このマッピングパターンは、上述したように、例えば、基準サブフレーム位置を示すSFNおよびサブフレーム番号と、マッピング周期により特定される周期的パターンであってもよい。なお、マッピングパターンは、例えば基地局10−1から事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知される。
【0076】
受信制御部264は、SFNカウンタ256によりカウントされるSFNに応じ、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部による受信を制御する。例えば、受信制御部264は、マッピング記憶部260が記憶するマッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し、マッピングパターンに従うサブフレームで受信部に受信処理を行わせてもよい。かかる構成により、マッピングパターンに従うサブフレームで基地局10−1から送信されるN−PDCCHをUE20−1で受信することが可能となる。
【0077】
<2−3.第1の実施形態の動作>
以上、第1の実施形態による基地局10−1およびUE20−1の構成を説明した。続いて、図14および図15を参照し、基地局10−1およびUE20−1の動作を説明する。
【0078】
図14は、第1の実施形態による基地局10−1およびUE20−1の動作を整理したシーケンス図である。図14に示したように、まず、基地局10−1のN−PDCCH制御部160がUE20−1宛てのN−PDCCHを配置するための周期的なマッピングパターンを決定すると(S304)、基地局10−1は決定したマッピングパターンをUE20−1に通知する(S308)。
【0079】
そして、UE20−1は、基地局10−1から通知されたマッピングパターンをマッピング記憶部260に記憶し(S312)、マッピングパターンの受信確認を示すACKを基地局10−1に送信する(S316)。
【0080】
その後、基地局10−1のN−PDCCH制御部160は、マッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し(S320)、当該サブフレームが到来すると、ダウンリンク信号生成部140が当該サブフレームのデータ領域中にN−PDCCHを配置する。そして、基地局10−1は、当該サブフレームに配置されたN−PDCCHをUE20−1に送信する(S324)。
【0081】
なお、第3の応用例として説明したように、マッピングパターンを変更することも可能である。以下、図15を参照し、マッピングパターンを変更する動作例を説明する。
【0082】
図15は、マッピングパターンを変更する動作例を示したシーケンス図である。図15に示したように、まず、UE20−1がマッピングパターンの変更を基地局10−1に要求すると(S332)、基地局10−1は受信確認としてACKをUE20−1に送信する(S336)。そして、基地局10−1のN−PDCCH制御部160は、UE20−1のためのマッピングパターンを変更する(S340)。
【0083】
その後、基地局10−1は、変更後のマッピングパターンをUE20−1に通知し(S344)、UE20−1は、基地局10−1から通知された変更後のマッピングパターンをマッピング記憶部260に記憶する(S348)。なお、図15においてはUE20−1からマッピングパターンの変更を要求する例を説明したが、基地局10−1からマッピングパターンの変更を要求してもよい。また、上記では、マッピングパターンを基地局10−1が決定する例を説明したが、UE20−1がマッピングパターンを決定し、決定したマッピングパターンを基地局10−1に通知してもよい。
【0084】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、基地局10−1がN−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。これにより、基地局10−1がより多くのUE20−1(MTC端末を含む。)を収容することが可能となる。
【0085】
<<3.第2の実施形態>>
次に、本開示の第2の実施形態を説明する。本開示の第2の実施形態によれば、UE20−2が認識可能な周期を長くすることができる。したがって、例えば、第1の実施形態で説明したN−PDCCHのマッピング周期を長くすることが可能となる。
【0086】
(第2の実施形態の着眼点)
図16は、SFNの周期を示した説明図である。図16に示したように、10ms無線フレームの各々には0〜1023のいずれかのSFNが付されている。すなわち、1024個の無線フレーム間隔で同一のSFNが付される。UEは、このSFNに基づき、SFNの周期である10.23s(10ms×1024個)先までの時間を認識することが可能である。例えば、現在のSFNが3である場合、4s先の時間をSFNが403である無線フレームとして認識することができる。しかし、SFNの周期(10.23)の各々を区別する手法が無かったので、UEは10.23sより先の時間を認識することが困難であった。
【0087】
(第2の実施形態の概要)
そこで、第2の実施形態では、SFNの各周期を識別するための拡張ビット設けることを提案する。例えば、図17に示すように、第2の実施形態による基地局10−2は、SFNの周期を識別するための1ビットの拡張ビットを設け、この拡張ビットをPBCHにより送信する。かかる構成により、0〜2047までSFNが拡張されるので、第2の実施形態によるUE20−2は、20.47s先までの時間を認識することが可能となる。なお、拡張ビットのビット数を増やせば、UE20−2が認識可能な時間をさらに長くすることが可能である。以下、このような第2の実施形態を実現する基地局10−2の構成を説明する。
【0088】
<3−1.第2の実施形態による基地局の構成>
図18は、第2の実施形態による基地局10−2の構成を示した機能ブロック図である。図18に示したように、第2の実施形態による基地局10−2は、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、アップリンク信号検出部130と、ダウンリンク信号生成部141と、SFNカウンタ152と、マッピング記憶部156と、N−PDCCH制御部161と、拡張カウンタ170と、を備える。アンテナ群104、無線処理部110、DA/AD変換部120、アップリンク信号検出部130、SFNカウンタ152、およびマッピング記憶部156などについては第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。なお、以下では、SFNの1周期をスーパーシステムフレームと定義する。
【0089】
拡張カウンタ170は、SFNの周期である10.23sの経過をカウントする。この拡張カウンタ170のカウント結果として得られる拡張ビットにより、スーパーシステムフレームが識別される。このため、拡張ビットのビット数は特に限定されないが、ビット数が多いほど、より多くのスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。
【0090】
ダウンリンク信号生成部141は、拡張カウンタ170によりカウントされる拡張ビットを含むシステム情報を生成する。なお、拡張ビットは、粗SFNと同一のMIBに付加されてもよいし、粗SFNと異なるSIBのような他の論理ブロックに付加されてもよい。
【0091】
また、ダウンリンク信号生成部141は、UE20−2のマッピングパターンを示す情報を生成する。第2の実施形態によれば、マッピング周期がSFNの周期より長い場合であっても、拡張ビットを用いてマッピング周期を表現することが可能である。
【0092】
N−PDCCH制御部161は、第1の実施形態と同様に、ダウンリンク信号生成部141によるN−PDCCHの配置を制御する。例えば、N−PDCCH制御部160は、マッピング記憶部156を参照し、マッピングパターンに従うサブフレームで、ダウンリンク信号生成部141にN−PDCCHをデータ領域中に配置させる。
【0093】
ここで、第2の実施形態ではSFNの各周期を識別するための拡張ビットが存在するので、N−PDCCH制御部161は、スーパーシステムフレームの周期である10.23sより長いマッピング周期を有するマッピングパターンに従ってN−PDCCHの配置を制御することができる。
【0094】
以上説明したように、第2の実施形態による基地局10−2は、スーパーシステムフレームを識別するための拡張ビットを例えばPBCHにより送信するので、UE20−2は、拡張ビットに基づいてスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。すなわち、第2の実施形態によるUE20−2は、スーパーシステムフレームの周期である10.23sより先の時間を認識することが可能である。
【0095】
<3−2.第2の実施形態の変形例>
なお、上記では基地局10−2が拡張ビットを送信する例を説明したが、以下に説明する変形例によれば、基地局10−2が拡張ビットを送信しなくても、UE側に拡張カウンタを設けることにより、上述した第2の実施形態と同等な効果を得ることが可能である。
【0096】
図19は、第2の実施形態の変形例によるUE20−2の構成を示した機能ブロック図である。図19に示したように、変形例によるUE20−2は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ258と、マッピング記憶部260と、受信制御部266と、拡張カウンタ270と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、DA/AD変換部220、アップリンク信号検出部230、ダウンリンク信号検出部240、および内部カウンタ252などについては第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0097】
拡張カウンタ270は、SFNの周期である10.23sの経過をカウントする。この拡張カウンタ270のカウント結果として得られる拡張ビットにより、スーパーシステムフレームが識別される。このため、拡張ビットのビット数は特に限定されないが、ビット数が多いほど、より多くのスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。なお、スーパーシステムフレームのカウント開始の起点については、基地局10−2との間のシグナリングにより事前に決定されていてもよい。
【0098】
SFNカウンタ258は、ダウンリンク信号検出部240により検出されるMIBに含まれる粗SFNと、内部カウンタ252によりカウントされるビット値と、拡張カウンタ270によりカウントされる拡張ビット値とからSFNをカウントする。例えば、拡張ビットが「1」であり、粗SFNが「255」であり、内部カウンタ252によるカウント値が「2」である場合、図17に示したように、SFNカウンタ258によるSFNのカウント値として「2046」が得られる。このように、第2の実施形態によるSFNカウンタ258は、内部カウンタ252および拡張カウンタ270と共に、SFNをカウントするためのカウント部として機能する。
【0099】
受信制御部266は、SFNカウンタ256によりカウントされるSFNに応じ、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部による受信を制御する。例えば、受信制御部264は、マッピング記憶部260が記憶するマッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し、マッピングパターンに従うサブフレームで受信部に受信処理を行わせてもよい。
【0100】
ここで、本変形例によれば、SFNカウンタ258により拡張ビットに基づいてスーパーシステムフレームが識別される。したがって、N−PDCCHのマッピング周期がスーパーシステムフレーム長の10.23sを上回る場合であっても、受信制御部266はダウンリンク信号検出部240を含む受信部によるN−PDCCHの受信を適切に制御することが可能である。また、本変形例によれば、基地局10−2側がPBCHに拡張ビットを送信しなくてもよいというメリットが得られる。
【0101】
<<4.第3の実施形態>>
(第3の実施形態の着眼点)
第2の実施形態の変形例によるUE20−2は、上述したように、拡張カウンタ270を用いて多数のスーパーシステムフレームをカウントすることができる。このため、第2の実施形態の変形例によるUE20−2は、長期に渡ってスリープ状態に遷移し、カウント結果が目標フレーム(例えば、N−PDCCHが配置されるサブフレーム)に達した場合にスリープ状態から復帰することも可能である。
【0102】
しかし、内部カウンタ252などの発振器の精度によっては、得られるカウント結果が不正確である場合も考えられる。例えば、発振器の精度が1ppmである場合、7日間で、下記数式に示すように、0.6048秒の誤差が生じ得る。
推定される発生誤差=7日×24時間×3600秒×1/1000000
=0.6048秒
【0103】
この0.6048秒は、約60個の無線フレームの時間長に等しい。すなわち、N−PDCCHのマッピング周期が7日であり、UEがスリープ状態に遷移し、カウント結果が目標フレームに達した時にUEがスリープ状態から復帰しても、60無線フレーム前に基地局10からのN−PDCCHの送信は終了している場合が想定される。
【0104】
本開示の第3の実施形態は、上記の事情に着眼してなされたものである。本開示の第3の実施形態によれば、スリープ状態が長期間に渡った場合であっても目標フレームで送信される信号をより確実に受信することが可能となる。以下、このような第3の実施形態によるUE20−3の構成および動作を詳細に説明する。
【0105】
図20は、第3の実施形態によるUE20−3の構成を示した機能ブロック図である。図20に示したように、第3の実施形態によるUE20−3は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ258と、マッピング記憶部260と、受信制御部268と、拡張カウンタ270と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、DA/AD変換部220、アップリンク信号検出部230、ダウンリンク信号検出部240、内部カウンタ252、および拡張カウンタ270などについては第2の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0106】
受信制御部268は、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部のスリープ状態への遷移、およびスリープ状態から受信状態への復帰を制御する。ここで、受信部がスリープ状態である間は内部カウンタ252および拡張カウンタ270のカウント結果に基づいてSFNがカウントされるが、内部カウンタ252などの発振器の精度によっては誤差が生じる。このため、第3の実施形態による受信制御部268は、スリープ状態中に発生するカウント誤差を推定するための発生誤差推定部280の機能を有する。
【0107】
具体的には、発生誤差推定部280は、スリープ状態の長さと、発振器の精度から、発生し得る誤差を推定する。例えば、スリープ状態の長さが7日間であり、発振器の精度が1ppmである場合、発生誤差推定部280は、上記数式に示したように発生誤差が約0.6048秒であると推定する。この0.6048秒は、約60個の無線フレームの時間長に等しい。
【0108】
受信制御部268は、発生誤差推定部280により推定された発生誤差に基づき、SFNカウンタ258によるカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させる。ここで、受信制御部268が受信部をスリープ状態から復帰させる無線フレームと、目標フレームとの位置の差分は、発生誤差推定部280により推定された発生誤差に相当する数の無線フレームよりも大きくてもよい。
【0109】
さらに、受信制御部268は、復帰した受信部による受信結果から現在の正確なSFNを把握し、現在の正確なSFNと、目標フレームのSFNとの差分に応じた期間に渡り、受信部を再度スリープ状態に遷移させる。かかる構成によれば、1度目の復帰時から目標フレームまで受信部に受信状態を維持させ続ける必要が無いので、UE20―3の消費電力を削減することが可能である。以下、このようなスリープ制御について図21を参照してより具体的に説明する。
【0110】
図21は、第3の実施形態によるスリープ制御の具体例を示した説明図である。より詳細には、図21には、N−PDCCHが配置される無線フレームのSFNが「65」であり、発生誤差推定部280により約0.6048秒の発生誤差が推定された場合のスリープ制御の具体例を示している。
【0111】
この場合、受信制御部268は、図21に示したように、目標フレーム(SFN=65)の約60無線フレーム前(例えば、SFN=3)で受信部をスリープ状態から復帰させる。そして、受信制御部268は、現在の正確なSFNを把握し、目標フレームとの差分である約60無線フレームに渡って受信部を再度スリープ状態に遷移させる。その後、受信制御部268は、目標フレーム前(例えば、SFN=63)に受信部をスリープ状態から復帰させる。かかる構成により、目標フレームでN−PDCCHを受信することが可能となる。また、受信部を再度スリープ状態に遷移させることにより、約60無線フレームを受信するための電力の削減を実現できる。
【0112】
(第1の応用例)
なお、上述したように、基地局10から送信される粗SFNは、40ms周期で更新される8ビットの情報である。完全なSFNは、粗SFNの更新を基点にして内部カウンタ252が10msの経過をカウントすることにより得られると考えられる。この場合、粗SFNの更新を検出するまでは、大まかなSFNは把握できても、正確なSFNを特定することは困難である。例えば、図22に示すように、MIBに含まれる粗SFN「0」が検出されても、粗SFN「0」への更新が検出されていなければ、SFNカウンタ258は、SFNが「0」〜「3」の範囲内であることは把握できても、正確なSFNを特定することは困難である。
【0113】
したがって、受信制御部268は、スリープ状態からの1度目の復帰時に、粗SFNの更新が検出されてから受信部を再度スリープ状態に遷移させてもよい。かかる構成により、SFNカウンタ258は現在の正確なSFNを特定することが可能である。
【0114】
(第2の応用例)
しかし、粗SFNの更新が検出されるまでに40msかかることもある。この間、受信部が受信状態を維持すると、消費電力が増加してしまう。そこで、代替案として、受信制御部268は、スリープ状態からの1度目の復帰時に、粗SFNの更新が検出される前に受信部を再度スリープ状態に遷移させてもよい。この場合でも、大まかな現在のSFNは把握できるので、受信制御部268は大まかな現在のSFNに基づいて再度のスリープ時間を制御することが可能である。
【0115】
(第3の応用例)
さらに、第2の応用例において、1度目の復帰フレームと、2度目の復帰フレームとの関係を工夫することで、消費電力をさらに改善し得る。この点について図23を参照して具体的に説明する。
【0116】
図23は、第3の実施形態の応用例を示した説明図である。図23に示したように、受信制御部268が、受信部のスリープ状態からの一度目の復帰を無線フレームPで制御し、粗SFNの更新の検出前に受信部を再度スリープ状態に遷移させた場合を考える。この場合、無線フレームPの正確なSFNは不明であるが、無線フレームPのSFNと他の無線フレームのSFNとの差分は特定可能である。
【0117】
例えば、無線フレームPのSFNを「N」とすると、図23に示した無線フレームQのSFNは「N+4m」で表現され、無線フレームQのSFNは「N+4m+1(mは正の整数)」で表現される。
【0118】
ここで、1度目に受信部を復帰させた無線フレームPにおいて粗SFNの更新が検出されなかった場合、SFNが「N+4m」で表現される無線フレームQでも粗SFNの更新は検出されない。そこで、受信制御部268は、「N+4m+1」のように、SFNが「N+4m」と表現されない無線フレーム(例えば、無線フレームR)で2度目の受信部の復帰を制御してもよい。かかる構成により、2度目の復帰から粗SFNの更新が検出されるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0119】
<4−2.第3の実施形態の動作>
以上、本開示の第3の実施形態によるUE20−3の構成を説明した。続いて、図24を参照し、第3の実施形態の動作を整理する。
【0120】
図24は、第3の実施形態の動作を整理したシーケンス図である。図24に示したように、まず、UE20−3の発生誤差推定部280が、発振器の精度およびスリープ時間長から発生誤差を推定し、発生誤差を無線フレーム数xに換算する(S404)。そして、受信制御部268は、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部をスリープ状態に遷移させる(S408)。なお、その間、SFNカウンタ258は内部カウンタ252によるカウント値を用いてSFNのカウントを継続する。
【0121】
そして、受信制御部268は、SFNのカウント結果が目標フレームのxフレーム前の無線フレームに達した場合(S412)、受信部をスリープ状態から受信状態に復帰させる(S416)。その後、SFNカウンタ258は、基地局10から受信されるPBCHに含まれる粗SFNに基づき、現在のSFNを確認する(S420、S424)。そして、受信制御部268は、現在のSFNと目標フレームとの差分に応じた時間に渡って受信部を再度スリープ状態に遷移させる(S428)。
【0122】
その後、受信制御部268は、SFNのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から受信状態に復帰させる(S436)。これにより、UE20−3は、基地局10から目標フレームで送信されるN−PDCCHを受信することができる(S440、S444)。
【0123】
<4−3.変形例>
上記では、UE20−3の発振器の誤差を考慮してスリープ制御を行う例を説明したが、発振器の誤差が、SFNの1周期(1023個の無線フレーム)からなるスーパーシステムフレームを上回ってしまう場合も考えられる。例えば、UE20−3の発振器の精度が4ppmであり、スリープ時間長が30日である場合、下記数式に示すように、10.368秒の誤差が生じ得る。この10.368秒は、1037個の無線フレーム長に相当し、スーパーシステムフレーム長である10.24秒を上回る。
推定される発生誤差=30日×24時間×3600秒×4/1000000
=10.368秒
【0124】
したがって、基地局10がスーパーシステムフレームを識別するための拡張ビットを送信せず、代わりにUE20−3において拡張ビットをカウントしている場合、UE20−3は現在のスーパーシステムフレームを誤って認識することが想定される。
【0125】
そこで、第3の実施形態の変形例として、スリープ中の発生誤差が1スーパーシステムフレームを上回る場合にもUE20−3が目的の信号を受信するための方法を以下に説明する。
【0126】
(第1の変形例)
第3の実施形態の第1の変形例による基地局10は、マッピングパターンに従う無線フレーム中のサブフレームに加え、当該無線フレームと同一のSFNを有する前後のスーパーシステムフレームの無線フレーム中のサブフレームにおいてもN−PDCCHを配置する。以下、図25を参照してより具体的に説明する。
【0127】
図25は、第3の実施形態の第1の変形例を示した説明図である。図25に示したように、第1の変形例による基地局10は、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)に加え、前後のスーパーシステムフレーム(2)および(4)の同一のSFNを有する無線フレーム中の同一のサブフレームにおいてもN−PDCCHを送信する。かかる構成により、UE20−3は、スーパーシステムフレームを1つ誤って認識していても、正しいスーパーシステムフレームの前後のスーパーシステムフレームでN−PDCCHを受信することが可能となる。
【0128】
なお、基地局10は、あるスーパーシステムフレームでUE20−3がN−PDCCHを受信した場合、その後のスーパーシステムフレームではN−PDCCHを送信しなくてもよい。かかる構成により、消費される通信リソースを抑制することが可能である。また、図25においてはマッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の前後のスーパーシステムフレーム(2)および(4)においてもN−PDCCHを送信する例を説明したが、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の直前のスーパーシステムフレーム(2)、または、スーパーシステムフレーム(3)の直後のスーパーシステムフレーム(4)のみでN−PDCCHを送信してもよい。さらに、N−PDCCHの送信は、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の直前または直後のスーパーシステムフレームに限られず、数フレーム前、または数フレーム後のスーパーシステムフレームにわたって行われてもよい。
【0129】
(第2の変形例)
第3の実施形態の第2の変形例によるUE20−3は、マッピングパターンに従う無線フレームのサブフレームに加え、当該無線フレームと同一のSFNを有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームを目標フレームとして扱う。以下、図26を参照してより具体的に説明する。
【0130】
図26は、第3の実施形態の第2の変形例を示した説明図である。図26に示したように、基地局10は、マッピングパターンに従ってスーパーシステムフレーム(4)でN−PDCCHを送信する。しかし、UE20−3が認識しているスーパーシステムフレームは、図26に示したように実際のスーパーシステムフレームとずれている場合がある。この場合、UE20−3がスーパーシステムフレーム(4)と認識している位置で受信を試みても、既にN−PDCCHの送信は終了している。
【0131】
そこで、第2の変形例によるUE20−3は、図26に示したように、UE20−3が認識するスーパーシステムフレーム(2)中の規定の無線フレームを受信するためにスリープ状態から復帰してもよい。そして、第2の変形例によるUE20−3は、自分宛のN−PDCCHが無ければ、UE20−3が認識する次のスーパーシステムフレーム(3)中の規定の無線フレームの受信のために復帰するまでスリープ状態に遷移してもよい。
【0132】
ここで、図26に示した例では、UE20−3が認識しているスーパーシステムフレーム(3)は、実際にはマッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(4)である。したがって、UE20−3は、実際のスーパーシステムフレーム(4)で自分宛のN−PDCCHを受信することができる。なお、上述した第2の変形例によるスリープ状態からの復帰は、第3の実施形態において説明したように、2段階に分けて行われてもよい。
【0133】
<<5.むすび>>
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、基地局10−1がN−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。これにより、基地局10−1がより多くのUE20−1(MTC端末を含む。)を収容することが可能となる。
【0134】
また、本開示の第2の実施形態によれば、UE20−2が認識可能な周期を長くすることができるので、例えばN−PDCCHのマッピング周期をスーパーシステムフレーム長よりも長くすることが可能となる。
【0135】
さらに、本開示の第3の実施形態によれば、UE20−3のスリープ状態が長期間に渡った場合であっても、消費電力を削減しつつ、目標フレームで送信される信号を適切に受信することが可能となる。
【0136】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
例えば、本明細書の基地局10およびUE20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10およびUE20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0138】
また、基地局10およびUE20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10およびUE20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0139】
また、上述した各実施形態、各変形例、各応用例などは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0140】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
基地局から信号を受信する受信部と、
フレーム周期をカウントするカウント部と、
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、
を備え、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
(2)
前記目標フレームは、データ信号を送信するためのデータ領域に拡張制御領域が設けられた単位フレームであり、前記拡張制御領域は、周期的パターンに従った単位フレームに設けられる、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
所定数の単位フレームから1の無線フレームが構成され、
連続する無線フレームの各々には所定周期で同一のシステムフレーム番号が付され、
前記周期的パターンの周期は、前記所定周期よりも長い、前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記カウント部は、前記システムフレーム番号をカウントし、かつ、前記所定周期の経過をカウントする、前記(3)に記載の通信装置。
(5)
システムフレーム番号を特定するための同一の粗システムフレーム番号が連続する規定数の無線フレームごとに付されており、
前記カウント部は、前記粗システムフレーム番号の更新を基点にして前記システムフレーム番号をカウントする、前記(3)または(4)に記載の通信装置。
(6)
前記受信制御部は、前記スリープ状態からの1度目の復帰時に前記粗システムフレーム番号が検出された後であって、前記粗システムフレーム番号の更新前に前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、前記(5)に記載の通信装置。
(7)
前記受信制御部は、前記受信部の再度のスリープ状態からの復帰を、前記カウント部によるカウント結果を参照し、前記1度目の復帰時の無線フレームとのフレーム間隔が前記規定数の倍数にならないように制御する、前記(6)に記載の通信装置。
(8)
前記システムフレーム番号の周期を構成する複数の無線フレームによってスーパーシステムフレームが定義され、
前記受信制御部は、前記周期的パターンに従う規定無線フレームの単位フレームに加え、前記規定無線フレームと同一のシステムフレーム番号を有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームの単位フレームを前記目標フレームとして扱う、前記(5)に記載の通信装置。
(9)
前記受信制御部が1度目に前記受信部を復帰させる前記カウント部によるカウント結果と目標フレームとの差分は、前記カウント部によるカウントに用いられる発振器の精度に依存する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の通信装置。
(10)
フレーム周期をカウントすることと、
受信部をスリープ状態に遷移させることと、
カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、
現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、
を含む、通信方法。
(11)
基地局と、
前記基地局から信号を受信する受信部、
フレーム周期をカウントするカウント部、および
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、
を備える、通信システム。
(12)
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局。
(13)
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法。
【符号の説明】
【0141】
10、10−1、10−2 基地局
20、20−1、20−2、20−3 UE
104 アンテナ群
110 無線処理部
120 DA/AD変換部
130 アップリンク信号検出部
140、141 ダウンリンク信号生成部
152 SFNカウンタ
156 マッピング記憶部
160、161 N−PDCCH制御部
170 拡張カウンタ
204 アンテナ群
210 無線処理部
220 DA/AD変換部変換部
230 アップリンク信号生成部
240 ダウンリンク信号検出部
252 内部カウンタ
256、258 SFNカウンタ
260 マッピング記憶部
264、266、268 受信制御部
270 拡張カウンタ
280 発生誤差推定部
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)において、次世代型の4G無線通信システム(LTE−Advanced)の規格化が進められている。4Gでは、最大通信速度やセルエッジでの品質向上のために、MU−MIMO(Multi User−MIMO)およびCoMP(Coordinated Multi Points Transmission)などの技術の導入が検討されている。
【0003】
また、LTEでは、10ms無線フレーム、および10ms無線フレームを構成する10個のサブフレームが定義されている。また、各サブフレームは、制御信号(PDCCH)を送信するための制御領域、およびユーザデータ(PDSCH)を送信するためのデータ領域で構成される。なお、このようなフレーム構成については例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、3GPPでは、MTC(Machine Type Communications)に関する議論も進められている。MTCは、一般的にM2M(Machine to Machine)と同義であり、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信を意味する。このMTCは、主として、サーバと、人間が直接利用しないMTC端末との間で行われる。また、MTCでは、1週間や1カ月のような長周期での通信が想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−071706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、MTC端末を含む通信装置が内蔵する発振器は誤差を有するので、通信装置は、1週間後や1カ月後のような長時間が経った後に正確な目標フレームでスリープ状態から復帰することは困難である。例えば、通信装置が復帰した時には既に目標フレームが過ぎている場合も考えられる。
【0007】
そこで、本開示では、目標フレームのより確実な受信を実現するための、新規かつ改良された通信装置、通信方法、通信システムおよび基地局を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、基地局から信号を受信する受信部と、フレーム周期をカウントするカウント部と、前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、を備え、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、フレーム周期をカウントすることと、受信部をスリープ状態に遷移させることと、カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、を含む、通信方法が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、基地局と、前記基地局から信号を受信する受信部、フレーム周期をカウントするカウント部、および前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、を備える、通信システムが提供される。
【0011】
また、本開示によれば、フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本開示によれば、目標フレームのより確実な受信を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】フレームフォーマットを示した説明図である。
【図3A】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図3B】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図3C】サブフレームの構成例を示した説明図である。
【図4】UEにおけるSFNの共有方法を示した説明図である。
【図5】PDCCHの拡張例を示した説明図である。
【図6】第1の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図7】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図8】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図9】N−PDCCHの配置例を示した説明図である。
【図10】N−PDCCHの配置形態の応用例を示した説明図である。
【図11】各N−PDCCHが割当てを担う範囲を示した説明図である。
【図12】N−PDCCHの複数の周期を示した説明図である。
【図13】第1の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図14】第1の実施形態による基地局およびUEの動作を整理したシーケンス図である。
【図15】マッピングパターンを変更する動作例を示したシーケンス図である。
【図16】SFNの周期を示した説明図である。
【図17】第2の実施形態の概要を示す説明図である。
【図18】第2の実施形態による基地局の構成を示した機能ブロック図である。
【図19】第2の実施形態の変形例によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図20】第3の実施形態によるUEの構成を示した機能ブロック図である。
【図21】第3の実施形態によるスリープ制御の具体例を示した説明図である。
【図22】SFNの特定方法を示した説明図である。
【図23】第3の実施形態の応用例を示した説明図である。
【図24】第3の実施形態の動作を整理したシーケンス図である。
【図25】第3の実施形態の第1の変形例を示した説明図である。
【図26】第3の実施形態の第2の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じてUE20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、UE20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単にUE20と称する。
【0017】
また、以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.無線通信システムの概略
1−1.無線通信システムの構成
1−2.フレーム構成
1−3.SFN(システムフレーム番号)
1−4.背景
2.第1の実施形態
2−1.第1の実施形態による基地局の構成
2−2.第1の実施形態によるUEの構成
2−3.第1の実施形態の動作
3.第2の実施形態
3−1.第2の実施形態による基地局の構成
3−2.第2の実施形態の変形例
4.第3の実施形態
4−1.第3の実施形態によるUEの構成
4−2.第3の実施形態の動作
4−3.変形例
5.むすび
【0018】
<<1.無線通信システムの概略>>
本開示による技術は、一例として「2.第1の実施形態」〜「4.第3の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。以下では、まず、各実施形態において共通する無線通信システムの概略を説明する。
【0019】
<1−1.無線通信システムの構成>
図1は、本開示の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本開示の実施形態による通信システム1は、基地局10と、コアネットワーク12と、UE(UserEquipment)20A〜20Cと、を備える。
【0020】
UE20は、基地局10により割り当てられたダウンリンク用のリソースブロックにおいて受信処理を行い、アップリンク用のリソースブロックにおいて送信処理を行う通信装置である。
【0021】
このUE20は、例えば、スマートフォン、PC(PersonalComputer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(PersonalDigitalAssistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、UE20は、携帯電話、PHS(PersonalHandyphoneSystem)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの移動通信装置であってもよい。
【0022】
さらに、UE20は、MTC端末であってもよい。MTC端末は、3GPPで議論されている、機械と機械の間の人間が直接利用しない通信であるMTCに特化した無線端末である。例えば、医療系のMTCアプリケーションとして、MTC端末が、人間の心電図情報を収集し、あるトリガ条件が満たされた場合に心電図情報をアップリンクで送信することが考えられる。他のMTCアプリケーションとして、自動販売機をMTC端末として機能させ、MTC端末が、自動販売機の在庫や売上をアップリンクで送信することも考えられる。
【0023】
このようなMTC端末は、一例として一般的には以下の特徴を有するが、各MTC端末が以下の全ての特徴を有する必要はなく、いずれの特徴を有するかはアプリケーションに依存する。
・移動がほとんどない(LowMobility)
・小容量のデータ転送(OnlineSmallDataTransmission)
・超低消費電力(ExtraLowPowerConsumption)
・各MTCをグルーピングしてハンドリング(GroupbasedMTCFeatures)
【0024】
なお、MTC端末は、一斉に基地局10に対して送受信要求を行うことにより、基地局10やコアネットワーク12が輻輳を起こすことが懸念される。また、MTC端末の普及を促進するためには、コストを下げると共に、携帯電話端末と共存することが望まれるので、MTC端末のみのセルラーネットワークが構築される可能性は低い。
【0025】
基地局10は、カバレッジに含まれるUE20と通信する無線基地局である。なお、基地局10は、eNodeB、リレーノード、フェムトセル基地局、RRHおよびピコeNodeBなどであってもよい。なお、図1においてはコアネットワーク12に1つの基地局10のみが接続される例を示しているが、実際には多数の基地局10がコアネットワーク12に接続される。
【0026】
コアネットワーク12は、MME(MobilityManagementEntity)やサービングGW(Gateway)などの管理ノードを含む事業者側のネットワークである。MMEは、データ通信用のセッションの設定、開放やハンドオーバーの制御を行う装置である。このMMEは、eNodeB10とX2と呼ばれるインタフェースを介して接続される。S−GWは、ユーザデータのルーティング、転送などを行う装置である。
【0027】
<1−2.フレーム構成>
続いて、上述した基地局10とUE20との間で共有されるフレームの構成について説明する。
【0028】
図2は、フレームフォーマットを示した説明図である。図2に示したように、10msの無線フレームは、10個の1msのサブフレーム#0〜#9から構成されている。各サブフレームは、12サブキャリア×14OFDM(OrthogonalFrequencyDivisionMultiplexing)シンボルからなる1つのリソースブロックであり、スケジューリングの割り当てはこのリソースブロック単位で行われる。なお、1OFDMシンボルは、OFDM変調方式の通信方式で用いられる単位であり、1回のFFT(FastFourierTransform)で処理されたデータを出力する単位である。
【0029】
また、各サブフレームは制御領域およびデータ領域からなる単位フレームである。図3A〜図3Cに示すように、制御領域は、各サブフレームの先頭の1〜3OFDMシンボルからなり、PDCCH(PhyDownLinkControlChannel)と呼ばれる制御信号の送信のために用いられる。制御領域のために用いられるOFDMシンボルの数は、主にUE20の数に依存する。また、制御領域に続くデータ領域は、PDSCH(PhyDownLinkSharedChannel)と呼ばれるユーザデータなどの送信のために用いられる。
【0030】
(PDCCHの構成)
上述したPDCCHには、ダウンリンクスケジューリング情報(Downlinkassignment)およびアップリンクスケジューリング情報(Uplinkgrants)が含まれる。ダウンリンクスケジューリング情報は、UE20が受信すべきリソースブロックの場所を示し、アップリンクスケジューリング情報は、UE20が送信すべきリソースブロックの場所を示す。このダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報は、基地局10が伝送路の状況などを考慮し、各UE20に対して割り当てる。
【0031】
なお、ダウンリンクスケジューリング情報は、通常、当該ダウンリンクスケジューリング情報を含むPDCCHが配置されているサブフレーム内のリソースブロックの割当てを示す。一方、UE20がアップリンクスケジューリング情報を受信してから送信を開始するには準備のための遅延時間が生じるので、アップリンクスケジューリング情報は、通常、当該アップリンクスケジューリング情報を含むPDCCHが配置されているサブフレームから4サブフレーム以降のリソースブロックの割り当てを示す。
【0032】
上述したダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報がPDCCHに含まれる主な制御信号であるが、PDCCHには、ACK/NACK情報およびアップリンク電力制御情報などの他の制御信号も含まれる。
【0033】
<1−3.SFN(システムフレーム番号)>
以上、図2および図3を参照して無線フレームの構成を説明した。上述した無線フレームの各々には、SFN(システムフレーム番号)と呼ばれる0〜1023の通し番号が設定されている。このSFNは本開示の実施形態と深く関連するので、以下、SFNついて具体的に説明する。
【0034】
基地局10は、PBCH(PhyBroadcastCHannel)によりシステム情報をブロードキャストする。システム情報は、主に、MIB(MasterInformationBlock)およびSIB(SystemInformationBlock)からなる。このうち、SFNを特定するための情報は、MIBに含まれる。
【0035】
ここで、0〜1023のSFNは10ビットにより表現されるが、MIBには、10ビットのSFNを特定するための8ビットのSFN(以下、粗SFNと称する。)が含まれる。このため、UE20は、内部カウンタを用いて粗SFNを補間することにより、正確なSFNを取得することができる。以下、この点について図4を参照してより詳細に説明する。
【0036】
図4は、UE20におけるSFNの共有方法を示した説明図である。図4に示したように、基地局10は、0〜255の値を示す8ビットの粗SFNを、規定数である例えば4個の無線フレーム長に相当する40msに一度インクリメントする。これにより、基地局10側から10ビットのSFNを通知する場合よりもMIBの更新頻度が低減される。
【0037】
一方、UE20は、粗SFNが同一である期間中に10msの経過をカウントして、2ビットを補うことにより、10ビットのSFNを特定することができる。例えば、UE20は、粗SFNが「1」である間に「0」〜「3」を10ms周期でカウントすることにより、SFN「4」〜「7」を特定することが可能である。
【0038】
<1−4.背景>
以上、本開示の実施形態による通信システム1の概略を説明した。続いて、本開示の各実施形態の詳細な説明に先立ち、本開示の実施形態の背景を説明する。
【0039】
本開示の背景として、MTC端末の普及や、MU−MIMOおよびCoMPなどの新たな技術の導入が挙げられる。MTC端末は、「1−1.無線通信システムの構成」において説明したように、通常の携帯電話端末と異なり、人間が介在しない機器に設けられることが想定される。このため、MTC端末は、将来的には、携帯電話端末よりも多くのMTC端末が市場に流通することが予想される。その結果、PDCCHを送信する制御領域の枯渇が懸念される。
【0040】
同様に、MU−MIMOおよびCoMPなどの新たな技術の導入により、MU−MIMOやCoMPを実現するための制御信号が増加するので、制御領域が不足することが懸念される。
【0041】
この点について、制御領域を単純に4OFDMシンボルや5OFDMシンボルと増やす方法が考えられるが、この場合、PDSCHを送信するためのデータ領域が少なくなるので、スループットの低下という不具合が生じる。
【0042】
また、図5に示すように、毎サブフレームのデータ領域中にPDCCHの拡張領域(EnhancedPDCCH)を設ける方法も考えられるが、同様にスループットの低下という不具合が生じる。
【0043】
そこで、上記事情を着眼点にして本開示の実施形態を創作するに至った。本開示のある実施形態によれば、制御領域をデータ領域中に適切に拡張することが可能である。以下、このような実施形態を含む本開示の各技術について詳細に説明する。
【0044】
なお、以下の実施形態は、PDCCHのリソース不足を解消する手段を提案するが、ページングに関する情報もPDCCHに含まれるので、本開示の実施形態はページングにも適用可能である。すなわち、UE20は、RRC(Radio Resource Control)_Idleの場合にはPDCCHのページング情報を間欠的に受信している(DRX:Discontinuesreception)。また、UE20は、RRC_Connectedの場合にも電力節約のためにDRX周期でPDCCHを受信する。このため、本開示のPDCCHに関する技術は、RRC_IdleのUE20にも、RRC_ConnectedのUE20にも適用可能である。なお、RRC_Idleモードは、UE20の電力がセーブされた状態であり、RRC_IdleモードのUE20は、eNodeBからのページングチャネルを監視し、ページングチャネルに呼び出しがあれば、RRC_Connectedモードに遷移する。また、RRC_Connectedモードは、UE20と基地局10の間でコネクションが確立されており、UE20がアップリンク信号の送信およびダウンリンク信号の受信を行える状態である。
【0045】
<<2.第1の実施形態>>
<2−1.第1の実施形態による基地局の構成>
図6は、第1の実施形態による基地局10−1の構成を示した機能ブロック図である。図6に示したように、第1の実施形態による基地局10−1は、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、アップリンク信号検出部130と、ダウンリンク信号生成部140と、SFNカウンタ152と、マッピング記憶部156と、N−PDCCH制御部160と、を備える。
【0046】
アンテナ群104は、UE20−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部110へ供給する。また、アンテナ群104は、無線処理部110から供給される高周波信号に基づいて無線信号をUE20−1に送信する。基地局10−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群104を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0047】
無線処理部110は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群104から供給される高周波信号をベースバンド信号(アップリンク信号)に変換する。また、無線処理部110は、DA/AD変換部120から供給されるベースバンド信号(ダウンリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0048】
DA/AD変換部120は、無線処理部110から供給されるアナログ形式のアップリンク信号をデジタル形式に変換し、アップリンク信号検出部130に供給する。また、DA/AD変換部120は、ダウンリンク信号生成部140から供給されるデジタル形式のダウンリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部110に供給する。
【0049】
アップリンク信号検出部130は、DA/AD変換部120から供給されるアップリンク信号から、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータを検出する。
【0050】
ダウンリンク信号生成部140は、基地局10−1から送信するためのダウンリンク信号を生成する信号生成部である。具体的には、ダウンリンク信号生成部140は、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを生成する。また、本実施形態によるダウンリンク信号生成部140は、N−PDCCH制御部160による制御により、周期的なマッピングパターンに従うサブフレームのデータ領域中に、N(New)−PDCCHを拡張制御領域として配置する。なお、N−PDCCHは、ダウンリンクスケジューリング情報、アップリンクスケジューリング情報、MU−MIMO制御情報、およびCoMP制御情報などを含んでもよい。また、基地局10−1は、N−PDCCHのマッピングパターンを、事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知しておいてもよい。
【0051】
SFNカウンタ152は、図4を参照して説明した粗SFNをカウントする。この粗SFNは、UE20−1にMIBにより通知するための情報であるが、基地局10−1は、正確な10ビットのSFNをカウントするためのカウンタも有する。
【0052】
マッピング記憶部156は、各UE20−1に対するN−PDCCHを配置するマッピングパターンを記憶する。マッピングパターンは、例えば、基準サブフレーム位置を示すSFNおよびサブフレーム番号と、マッピング周期により特定される周期的パターンであってもよい。なお、このマッピングパターンは、N−PDCCH制御部160により決定されてもよい。
【0053】
(N−PDCCHの配置)
N−PDCCH制御部160は、ダウンリンク信号生成部140によるN−PDCCHの配置を制御する。例えば、N−PDCCH制御部160は、マッピング記憶部156を参照し、マッピングパターンに従うサブフレームで、ダウンリンク信号生成部140にN−PDCCHをデータ領域中に配置させる。以下、図7を参照してより具体的に説明する。
【0054】
図7は、N−PDCCHの配置例を示した説明図である。図7に示したように、N−PDCCHは、例えばSFN=2、12、22・・・の無線フレームというように、10SFN周期の無線フレームの、#3のサブフレームに配置される。なお、ダウンリンク信号生成部140は、図8に示したようにデータ領域中の一部の周波数帯にN−PDCCHを配置してもよいし、図9に示したようにデータ領域中の一部の時間帯にN−PDCCHを配置してもよい。
【0055】
上述したように、N−PDCCHは、ダウンリンクスケジューリング情報およびアップリンクスケジューリング情報などの通信リソースの割り当て情報を含み得るが、図7に示したようにN−PDCCHを配置した場合、各N−PDCCHは、次のN−PDCCHが配置されるサブフレームまでの通信リソースの割り当て情報を含んでもよい。例えば、図7に示したようにN−PDCCHが配置される場合、SFN=2のN−PDCCHは、SFN=2、サブフレーム番号=4であるサブフレームから、SFN=12、サブフレーム番号=3であるサブフレームまでの間のスケジューリング情報を含んでもよい。
【0056】
このように、第1の実施形態による基地局10−1は、N−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。なお、上述したN−PDCCHの配置方法やN−PDCCHの構成は一例に過ぎず、以下に応用例として説明するように、多様な形態で実現することが可能である。
【0057】
(第1の応用例)
第1の応用例は、N−PDCCHによるスケジュールの指定方法に関する。上記では、各N−PDCCHが、各N−PDCCH間のリソースブロックを指定するスケジューリング情報を含む例を説明した。しかし、N−PDCCHの周期が長くなると、長い周期内に存在する全てのリソースブロックから各リソースブロックを指定するために、スケジューリング情報のビット数が大きくなることが考えられる。
【0058】
そこで、第1の応用例として、同一のサブフレームに複数のN−PDCCHを配置し、各N−PDCCHに異なる範囲内のリソースブロックの割当てを示すスケジュール情報を挿入する方法を提案する。以下、図10および図11を参照してより具体的に説明する。
【0059】
図10は、N−PDCCHの配置形態の応用例を示した説明図である。図10に示したように、第1の応用例によるダウンリンク信号生成部140は、同一のサブフレームの異なる時間/周波数領域に、複数のN−PDCCHを配置する。ここで、図10に示したN−PDCCH(A)は、例えば図11に示すように前半のリソースブロックの割当てを担い、N−PDCCH(B)は、例えば図11に示すように後半のリソースブロックの割当てを担う。
【0060】
かかる構成により、各N−PDCCHに含まれるスケジューリング情報によるリソースブロックの指定を、分割されたより狭い範囲内に存在するリソースブロックから行うことが可能となるので、スケジューリング情報のビット数を減少させることができる。なお、上記では、時間方向に異なるリソースブロックの割当てを複数のN−PDCCHが担う例を説明したが、複数のN−PDCCHの各々は周波数方向に異なるリソースブロックの割当てを担ってもよい。
【0061】
(第2の応用例)
第2の応用例は、N−PDCCHのマッピングパターンに関する。N−PDCCHの周期が長くなると、送受信の遅延時間も長くなる。また、UE20−1によって送受信の許容される遅延時間は異なる。そこで、第2の応用例として、各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を複数の周期から決定する方法を提案する。
【0062】
例えば、N−PDCCH制御部160は、図12に示したように、8無線フレーム周期および16無線フレーム周期などの複数の周期から各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を決定する周期制御部としての機能を有する。具体例として、N−PDCCH制御部160は、UE20−1から受信される情報に基づいてUE20−1の送受信に許容される遅延時間を判断し、許容される遅延時間が小さい場合、UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピング周期を8無線フレーム周期に決定してもよい。なお、基地局10−1は、決定したマッピング周期を有するマッピングパターンを、事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知しておいてもよい。
【0063】
このように、第2の応用例による基地局10−1は、例えばUE20−1が実行するアプリケーションに適したN−PDCCHのマッピングパターンを決定することが可能である。
【0064】
(第3の応用例)
第3の応用例は、N−PDCCHのマッピングパターンの変更に関する。第2の応用例のようにUE20−1に適したマッピングパターンを決定しても、UE20−1の状態やアプリケーションの変化などにより望ましいマッピングパターンの周期が変化する場合が考えられる。また、各マッピングパターンに従うN−PDCCHに属するUE20−1の数が偏ると、いずれかのN−PDCCHのリソースが不足すると考えられる。そこで、第3の応用例では、各UE20−1宛てのN−PDCCHのマッピングパターンを変更することを提案する。
【0065】
例えば、N−PDCCH制御部160は、あるマッピングパターンに属するUE20−1の数が上限数を超えた場合、当該マッピングパターンに属する少なくともいずれかのUE20−1のマッピングパターンを変更してもよい。また、N−PDCCH制御部160は、UE20−1から要求に応じてUE20−1のマッピングパターンを変更してもよい。なお、変更前のマッピングパターンの周期と、変更後のマッピングパターンの周期は、異なってもよいし、同一であってもよい。マッピングパターンの周期が同一であったとしても、マッピングパターンに属するUE20−1の数が少ない場合、送受信の遅延時間は減少すると考えられる。
【0066】
<2−2.第1の実施形態によるUEの構成>
以上、第1の実施形態による基地局10−1の構成を説明した。続いて、第1の実施形態によるUE20−1の構成を説明する。
【0067】
図13は、第1の実施形態によるUE20−1の構成を示した機能ブロック図である。図13に示したように、UE20−1は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ256と、マッピング記憶部260と、受信制御部264と、を備える。
【0068】
アンテナ群204は、基地局10−1から無線信号を受信して電気的な高周波信号を取得し、高周波信号を無線処理部210へ供給する。また、アンテナ群204は、無線処理部210から供給される高周波信号に基づいて無線信号を基地局10−1に送信する。UE20−1は、このように複数のアンテナからなるアンテナ群204を備えるため、MIMO通信やダイバーシティ通信を行うことが可能である。
【0069】
無線処理部210は、増幅、フィルタリング、およびダウンコンバージョンなどのアナログ処理を行うことにより、アンテナ群204から供給される高周波信号をベースバンド信号(ダウンリンク信号)に変換する。また、無線処理部210は、DA/AD変換部220から供給されるベースバンド信号(アップリンク信号)を高周波信号に変換する。
【0070】
DA/AD変換部220は、無線処理部210から供給されるアナログ形式のダウンリンク信号をデジタル形式に変換し、ダウンリンク信号検出部240に供給する。また、DA/AD変換部220は、アップリンク信号生成部230から供給されるデジタル形式のアップリンク信号をアナログ形式に変換し、無線処理部210に供給する。
【0071】
アップリンク信号生成部230は、基地局10−1に送信するためのアップリンク信号を生成する。具体的には、アップリンク信号生成部230は、PUCCHのような制御信号や、PUSCHのようなユーザデータ信号を生成する。このように、アップリンク信号生成部230は、アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220と共に送信部として機能する。
【0072】
ダウンリンク信号検出部240は、DA/AD変換部220から供給されるダウンリンク信号から、PDCCHのような制御信号や、PDSCHのようなユーザデータを検出する。特に、本実施形態によるダウンリンク信号検出部240は、受信制御部264による制御に従い、周期的なマッピングパターンに従って配置されるN−PDCCHを検出する。このように、ダウンリンク信号検出部240は、アンテナ群204、無線処理部210、およびDA/AD変換部220と共に受信部として機能する。
【0073】
内部カウンタ252は、図4を参照して説明したように、無線フレームの周期である10msを2ビットでカウントする。
【0074】
SFNカウンタ256は、ダウンリンク信号検出部240により検出されるMIBに含まれる粗SFNと、内部カウンタ252によるカウント値からSFNをカウントするカウント部である。
【0075】
マッピング記憶部260は、N−PDCCHのマッピングパターンを記憶する。このマッピングパターンは、上述したように、例えば、基準サブフレーム位置を示すSFNおよびサブフレーム番号と、マッピング周期により特定される周期的パターンであってもよい。なお、マッピングパターンは、例えば基地局10−1から事前にdedicatedなシグナリングによりUE20−1に通知される。
【0076】
受信制御部264は、SFNカウンタ256によりカウントされるSFNに応じ、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部による受信を制御する。例えば、受信制御部264は、マッピング記憶部260が記憶するマッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し、マッピングパターンに従うサブフレームで受信部に受信処理を行わせてもよい。かかる構成により、マッピングパターンに従うサブフレームで基地局10−1から送信されるN−PDCCHをUE20−1で受信することが可能となる。
【0077】
<2−3.第1の実施形態の動作>
以上、第1の実施形態による基地局10−1およびUE20−1の構成を説明した。続いて、図14および図15を参照し、基地局10−1およびUE20−1の動作を説明する。
【0078】
図14は、第1の実施形態による基地局10−1およびUE20−1の動作を整理したシーケンス図である。図14に示したように、まず、基地局10−1のN−PDCCH制御部160がUE20−1宛てのN−PDCCHを配置するための周期的なマッピングパターンを決定すると(S304)、基地局10−1は決定したマッピングパターンをUE20−1に通知する(S308)。
【0079】
そして、UE20−1は、基地局10−1から通知されたマッピングパターンをマッピング記憶部260に記憶し(S312)、マッピングパターンの受信確認を示すACKを基地局10−1に送信する(S316)。
【0080】
その後、基地局10−1のN−PDCCH制御部160は、マッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し(S320)、当該サブフレームが到来すると、ダウンリンク信号生成部140が当該サブフレームのデータ領域中にN−PDCCHを配置する。そして、基地局10−1は、当該サブフレームに配置されたN−PDCCHをUE20−1に送信する(S324)。
【0081】
なお、第3の応用例として説明したように、マッピングパターンを変更することも可能である。以下、図15を参照し、マッピングパターンを変更する動作例を説明する。
【0082】
図15は、マッピングパターンを変更する動作例を示したシーケンス図である。図15に示したように、まず、UE20−1がマッピングパターンの変更を基地局10−1に要求すると(S332)、基地局10−1は受信確認としてACKをUE20−1に送信する(S336)。そして、基地局10−1のN−PDCCH制御部160は、UE20−1のためのマッピングパターンを変更する(S340)。
【0083】
その後、基地局10−1は、変更後のマッピングパターンをUE20−1に通知し(S344)、UE20−1は、基地局10−1から通知された変更後のマッピングパターンをマッピング記憶部260に記憶する(S348)。なお、図15においてはUE20−1からマッピングパターンの変更を要求する例を説明したが、基地局10−1からマッピングパターンの変更を要求してもよい。また、上記では、マッピングパターンを基地局10−1が決定する例を説明したが、UE20−1がマッピングパターンを決定し、決定したマッピングパターンを基地局10−1に通知してもよい。
【0084】
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、基地局10−1がN−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。これにより、基地局10−1がより多くのUE20−1(MTC端末を含む。)を収容することが可能となる。
【0085】
<<3.第2の実施形態>>
次に、本開示の第2の実施形態を説明する。本開示の第2の実施形態によれば、UE20−2が認識可能な周期を長くすることができる。したがって、例えば、第1の実施形態で説明したN−PDCCHのマッピング周期を長くすることが可能となる。
【0086】
(第2の実施形態の着眼点)
図16は、SFNの周期を示した説明図である。図16に示したように、10ms無線フレームの各々には0〜1023のいずれかのSFNが付されている。すなわち、1024個の無線フレーム間隔で同一のSFNが付される。UEは、このSFNに基づき、SFNの周期である10.23s(10ms×1024個)先までの時間を認識することが可能である。例えば、現在のSFNが3である場合、4s先の時間をSFNが403である無線フレームとして認識することができる。しかし、SFNの周期(10.23)の各々を区別する手法が無かったので、UEは10.23sより先の時間を認識することが困難であった。
【0087】
(第2の実施形態の概要)
そこで、第2の実施形態では、SFNの各周期を識別するための拡張ビット設けることを提案する。例えば、図17に示すように、第2の実施形態による基地局10−2は、SFNの周期を識別するための1ビットの拡張ビットを設け、この拡張ビットをPBCHにより送信する。かかる構成により、0〜2047までSFNが拡張されるので、第2の実施形態によるUE20−2は、20.47s先までの時間を認識することが可能となる。なお、拡張ビットのビット数を増やせば、UE20−2が認識可能な時間をさらに長くすることが可能である。以下、このような第2の実施形態を実現する基地局10−2の構成を説明する。
【0088】
<3−1.第2の実施形態による基地局の構成>
図18は、第2の実施形態による基地局10−2の構成を示した機能ブロック図である。図18に示したように、第2の実施形態による基地局10−2は、アンテナ群104と、無線処理部110と、DA/AD変換部120と、アップリンク信号検出部130と、ダウンリンク信号生成部141と、SFNカウンタ152と、マッピング記憶部156と、N−PDCCH制御部161と、拡張カウンタ170と、を備える。アンテナ群104、無線処理部110、DA/AD変換部120、アップリンク信号検出部130、SFNカウンタ152、およびマッピング記憶部156などについては第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。なお、以下では、SFNの1周期をスーパーシステムフレームと定義する。
【0089】
拡張カウンタ170は、SFNの周期である10.23sの経過をカウントする。この拡張カウンタ170のカウント結果として得られる拡張ビットにより、スーパーシステムフレームが識別される。このため、拡張ビットのビット数は特に限定されないが、ビット数が多いほど、より多くのスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。
【0090】
ダウンリンク信号生成部141は、拡張カウンタ170によりカウントされる拡張ビットを含むシステム情報を生成する。なお、拡張ビットは、粗SFNと同一のMIBに付加されてもよいし、粗SFNと異なるSIBのような他の論理ブロックに付加されてもよい。
【0091】
また、ダウンリンク信号生成部141は、UE20−2のマッピングパターンを示す情報を生成する。第2の実施形態によれば、マッピング周期がSFNの周期より長い場合であっても、拡張ビットを用いてマッピング周期を表現することが可能である。
【0092】
N−PDCCH制御部161は、第1の実施形態と同様に、ダウンリンク信号生成部141によるN−PDCCHの配置を制御する。例えば、N−PDCCH制御部160は、マッピング記憶部156を参照し、マッピングパターンに従うサブフレームで、ダウンリンク信号生成部141にN−PDCCHをデータ領域中に配置させる。
【0093】
ここで、第2の実施形態ではSFNの各周期を識別するための拡張ビットが存在するので、N−PDCCH制御部161は、スーパーシステムフレームの周期である10.23sより長いマッピング周期を有するマッピングパターンに従ってN−PDCCHの配置を制御することができる。
【0094】
以上説明したように、第2の実施形態による基地局10−2は、スーパーシステムフレームを識別するための拡張ビットを例えばPBCHにより送信するので、UE20−2は、拡張ビットに基づいてスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。すなわち、第2の実施形態によるUE20−2は、スーパーシステムフレームの周期である10.23sより先の時間を認識することが可能である。
【0095】
<3−2.第2の実施形態の変形例>
なお、上記では基地局10−2が拡張ビットを送信する例を説明したが、以下に説明する変形例によれば、基地局10−2が拡張ビットを送信しなくても、UE側に拡張カウンタを設けることにより、上述した第2の実施形態と同等な効果を得ることが可能である。
【0096】
図19は、第2の実施形態の変形例によるUE20−2の構成を示した機能ブロック図である。図19に示したように、変形例によるUE20−2は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ258と、マッピング記憶部260と、受信制御部266と、拡張カウンタ270と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、DA/AD変換部220、アップリンク信号検出部230、ダウンリンク信号検出部240、および内部カウンタ252などについては第1の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0097】
拡張カウンタ270は、SFNの周期である10.23sの経過をカウントする。この拡張カウンタ270のカウント結果として得られる拡張ビットにより、スーパーシステムフレームが識別される。このため、拡張ビットのビット数は特に限定されないが、ビット数が多いほど、より多くのスーパーシステムフレームを識別することが可能となる。なお、スーパーシステムフレームのカウント開始の起点については、基地局10−2との間のシグナリングにより事前に決定されていてもよい。
【0098】
SFNカウンタ258は、ダウンリンク信号検出部240により検出されるMIBに含まれる粗SFNと、内部カウンタ252によりカウントされるビット値と、拡張カウンタ270によりカウントされる拡張ビット値とからSFNをカウントする。例えば、拡張ビットが「1」であり、粗SFNが「255」であり、内部カウンタ252によるカウント値が「2」である場合、図17に示したように、SFNカウンタ258によるSFNのカウント値として「2046」が得られる。このように、第2の実施形態によるSFNカウンタ258は、内部カウンタ252および拡張カウンタ270と共に、SFNをカウントするためのカウント部として機能する。
【0099】
受信制御部266は、SFNカウンタ256によりカウントされるSFNに応じ、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部による受信を制御する。例えば、受信制御部264は、マッピング記憶部260が記憶するマッピングパターンに従うサブフレームの到来を判断し、マッピングパターンに従うサブフレームで受信部に受信処理を行わせてもよい。
【0100】
ここで、本変形例によれば、SFNカウンタ258により拡張ビットに基づいてスーパーシステムフレームが識別される。したがって、N−PDCCHのマッピング周期がスーパーシステムフレーム長の10.23sを上回る場合であっても、受信制御部266はダウンリンク信号検出部240を含む受信部によるN−PDCCHの受信を適切に制御することが可能である。また、本変形例によれば、基地局10−2側がPBCHに拡張ビットを送信しなくてもよいというメリットが得られる。
【0101】
<<4.第3の実施形態>>
(第3の実施形態の着眼点)
第2の実施形態の変形例によるUE20−2は、上述したように、拡張カウンタ270を用いて多数のスーパーシステムフレームをカウントすることができる。このため、第2の実施形態の変形例によるUE20−2は、長期に渡ってスリープ状態に遷移し、カウント結果が目標フレーム(例えば、N−PDCCHが配置されるサブフレーム)に達した場合にスリープ状態から復帰することも可能である。
【0102】
しかし、内部カウンタ252などの発振器の精度によっては、得られるカウント結果が不正確である場合も考えられる。例えば、発振器の精度が1ppmである場合、7日間で、下記数式に示すように、0.6048秒の誤差が生じ得る。
推定される発生誤差=7日×24時間×3600秒×1/1000000
=0.6048秒
【0103】
この0.6048秒は、約60個の無線フレームの時間長に等しい。すなわち、N−PDCCHのマッピング周期が7日であり、UEがスリープ状態に遷移し、カウント結果が目標フレームに達した時にUEがスリープ状態から復帰しても、60無線フレーム前に基地局10からのN−PDCCHの送信は終了している場合が想定される。
【0104】
本開示の第3の実施形態は、上記の事情に着眼してなされたものである。本開示の第3の実施形態によれば、スリープ状態が長期間に渡った場合であっても目標フレームで送信される信号をより確実に受信することが可能となる。以下、このような第3の実施形態によるUE20−3の構成および動作を詳細に説明する。
【0105】
図20は、第3の実施形態によるUE20−3の構成を示した機能ブロック図である。図20に示したように、第3の実施形態によるUE20−3は、アンテナ群204と、無線処理部210と、DA/AD変換部220と、アップリンク信号検出部230と、ダウンリンク信号検出部240と、内部カウンタ252と、SFNカウンタ258と、マッピング記憶部260と、受信制御部268と、拡張カウンタ270と、を備える。アンテナ群204、無線処理部210、DA/AD変換部220、アップリンク信号検出部230、ダウンリンク信号検出部240、内部カウンタ252、および拡張カウンタ270などについては第2の実施形態で説明した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0106】
受信制御部268は、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部のスリープ状態への遷移、およびスリープ状態から受信状態への復帰を制御する。ここで、受信部がスリープ状態である間は内部カウンタ252および拡張カウンタ270のカウント結果に基づいてSFNがカウントされるが、内部カウンタ252などの発振器の精度によっては誤差が生じる。このため、第3の実施形態による受信制御部268は、スリープ状態中に発生するカウント誤差を推定するための発生誤差推定部280の機能を有する。
【0107】
具体的には、発生誤差推定部280は、スリープ状態の長さと、発振器の精度から、発生し得る誤差を推定する。例えば、スリープ状態の長さが7日間であり、発振器の精度が1ppmである場合、発生誤差推定部280は、上記数式に示したように発生誤差が約0.6048秒であると推定する。この0.6048秒は、約60個の無線フレームの時間長に等しい。
【0108】
受信制御部268は、発生誤差推定部280により推定された発生誤差に基づき、SFNカウンタ258によるカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させる。ここで、受信制御部268が受信部をスリープ状態から復帰させる無線フレームと、目標フレームとの位置の差分は、発生誤差推定部280により推定された発生誤差に相当する数の無線フレームよりも大きくてもよい。
【0109】
さらに、受信制御部268は、復帰した受信部による受信結果から現在の正確なSFNを把握し、現在の正確なSFNと、目標フレームのSFNとの差分に応じた期間に渡り、受信部を再度スリープ状態に遷移させる。かかる構成によれば、1度目の復帰時から目標フレームまで受信部に受信状態を維持させ続ける必要が無いので、UE20―3の消費電力を削減することが可能である。以下、このようなスリープ制御について図21を参照してより具体的に説明する。
【0110】
図21は、第3の実施形態によるスリープ制御の具体例を示した説明図である。より詳細には、図21には、N−PDCCHが配置される無線フレームのSFNが「65」であり、発生誤差推定部280により約0.6048秒の発生誤差が推定された場合のスリープ制御の具体例を示している。
【0111】
この場合、受信制御部268は、図21に示したように、目標フレーム(SFN=65)の約60無線フレーム前(例えば、SFN=3)で受信部をスリープ状態から復帰させる。そして、受信制御部268は、現在の正確なSFNを把握し、目標フレームとの差分である約60無線フレームに渡って受信部を再度スリープ状態に遷移させる。その後、受信制御部268は、目標フレーム前(例えば、SFN=63)に受信部をスリープ状態から復帰させる。かかる構成により、目標フレームでN−PDCCHを受信することが可能となる。また、受信部を再度スリープ状態に遷移させることにより、約60無線フレームを受信するための電力の削減を実現できる。
【0112】
(第1の応用例)
なお、上述したように、基地局10から送信される粗SFNは、40ms周期で更新される8ビットの情報である。完全なSFNは、粗SFNの更新を基点にして内部カウンタ252が10msの経過をカウントすることにより得られると考えられる。この場合、粗SFNの更新を検出するまでは、大まかなSFNは把握できても、正確なSFNを特定することは困難である。例えば、図22に示すように、MIBに含まれる粗SFN「0」が検出されても、粗SFN「0」への更新が検出されていなければ、SFNカウンタ258は、SFNが「0」〜「3」の範囲内であることは把握できても、正確なSFNを特定することは困難である。
【0113】
したがって、受信制御部268は、スリープ状態からの1度目の復帰時に、粗SFNの更新が検出されてから受信部を再度スリープ状態に遷移させてもよい。かかる構成により、SFNカウンタ258は現在の正確なSFNを特定することが可能である。
【0114】
(第2の応用例)
しかし、粗SFNの更新が検出されるまでに40msかかることもある。この間、受信部が受信状態を維持すると、消費電力が増加してしまう。そこで、代替案として、受信制御部268は、スリープ状態からの1度目の復帰時に、粗SFNの更新が検出される前に受信部を再度スリープ状態に遷移させてもよい。この場合でも、大まかな現在のSFNは把握できるので、受信制御部268は大まかな現在のSFNに基づいて再度のスリープ時間を制御することが可能である。
【0115】
(第3の応用例)
さらに、第2の応用例において、1度目の復帰フレームと、2度目の復帰フレームとの関係を工夫することで、消費電力をさらに改善し得る。この点について図23を参照して具体的に説明する。
【0116】
図23は、第3の実施形態の応用例を示した説明図である。図23に示したように、受信制御部268が、受信部のスリープ状態からの一度目の復帰を無線フレームPで制御し、粗SFNの更新の検出前に受信部を再度スリープ状態に遷移させた場合を考える。この場合、無線フレームPの正確なSFNは不明であるが、無線フレームPのSFNと他の無線フレームのSFNとの差分は特定可能である。
【0117】
例えば、無線フレームPのSFNを「N」とすると、図23に示した無線フレームQのSFNは「N+4m」で表現され、無線フレームQのSFNは「N+4m+1(mは正の整数)」で表現される。
【0118】
ここで、1度目に受信部を復帰させた無線フレームPにおいて粗SFNの更新が検出されなかった場合、SFNが「N+4m」で表現される無線フレームQでも粗SFNの更新は検出されない。そこで、受信制御部268は、「N+4m+1」のように、SFNが「N+4m」と表現されない無線フレーム(例えば、無線フレームR)で2度目の受信部の復帰を制御してもよい。かかる構成により、2度目の復帰から粗SFNの更新が検出されるまでの時間を短縮することが可能となる。
【0119】
<4−2.第3の実施形態の動作>
以上、本開示の第3の実施形態によるUE20−3の構成を説明した。続いて、図24を参照し、第3の実施形態の動作を整理する。
【0120】
図24は、第3の実施形態の動作を整理したシーケンス図である。図24に示したように、まず、UE20−3の発生誤差推定部280が、発振器の精度およびスリープ時間長から発生誤差を推定し、発生誤差を無線フレーム数xに換算する(S404)。そして、受信制御部268は、ダウンリンク信号検出部240を含む受信部をスリープ状態に遷移させる(S408)。なお、その間、SFNカウンタ258は内部カウンタ252によるカウント値を用いてSFNのカウントを継続する。
【0121】
そして、受信制御部268は、SFNのカウント結果が目標フレームのxフレーム前の無線フレームに達した場合(S412)、受信部をスリープ状態から受信状態に復帰させる(S416)。その後、SFNカウンタ258は、基地局10から受信されるPBCHに含まれる粗SFNに基づき、現在のSFNを確認する(S420、S424)。そして、受信制御部268は、現在のSFNと目標フレームとの差分に応じた時間に渡って受信部を再度スリープ状態に遷移させる(S428)。
【0122】
その後、受信制御部268は、SFNのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から受信状態に復帰させる(S436)。これにより、UE20−3は、基地局10から目標フレームで送信されるN−PDCCHを受信することができる(S440、S444)。
【0123】
<4−3.変形例>
上記では、UE20−3の発振器の誤差を考慮してスリープ制御を行う例を説明したが、発振器の誤差が、SFNの1周期(1023個の無線フレーム)からなるスーパーシステムフレームを上回ってしまう場合も考えられる。例えば、UE20−3の発振器の精度が4ppmであり、スリープ時間長が30日である場合、下記数式に示すように、10.368秒の誤差が生じ得る。この10.368秒は、1037個の無線フレーム長に相当し、スーパーシステムフレーム長である10.24秒を上回る。
推定される発生誤差=30日×24時間×3600秒×4/1000000
=10.368秒
【0124】
したがって、基地局10がスーパーシステムフレームを識別するための拡張ビットを送信せず、代わりにUE20−3において拡張ビットをカウントしている場合、UE20−3は現在のスーパーシステムフレームを誤って認識することが想定される。
【0125】
そこで、第3の実施形態の変形例として、スリープ中の発生誤差が1スーパーシステムフレームを上回る場合にもUE20−3が目的の信号を受信するための方法を以下に説明する。
【0126】
(第1の変形例)
第3の実施形態の第1の変形例による基地局10は、マッピングパターンに従う無線フレーム中のサブフレームに加え、当該無線フレームと同一のSFNを有する前後のスーパーシステムフレームの無線フレーム中のサブフレームにおいてもN−PDCCHを配置する。以下、図25を参照してより具体的に説明する。
【0127】
図25は、第3の実施形態の第1の変形例を示した説明図である。図25に示したように、第1の変形例による基地局10は、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)に加え、前後のスーパーシステムフレーム(2)および(4)の同一のSFNを有する無線フレーム中の同一のサブフレームにおいてもN−PDCCHを送信する。かかる構成により、UE20−3は、スーパーシステムフレームを1つ誤って認識していても、正しいスーパーシステムフレームの前後のスーパーシステムフレームでN−PDCCHを受信することが可能となる。
【0128】
なお、基地局10は、あるスーパーシステムフレームでUE20−3がN−PDCCHを受信した場合、その後のスーパーシステムフレームではN−PDCCHを送信しなくてもよい。かかる構成により、消費される通信リソースを抑制することが可能である。また、図25においてはマッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の前後のスーパーシステムフレーム(2)および(4)においてもN−PDCCHを送信する例を説明したが、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の直前のスーパーシステムフレーム(2)、または、スーパーシステムフレーム(3)の直後のスーパーシステムフレーム(4)のみでN−PDCCHを送信してもよい。さらに、N−PDCCHの送信は、マッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(3)の直前または直後のスーパーシステムフレームに限られず、数フレーム前、または数フレーム後のスーパーシステムフレームにわたって行われてもよい。
【0129】
(第2の変形例)
第3の実施形態の第2の変形例によるUE20−3は、マッピングパターンに従う無線フレームのサブフレームに加え、当該無線フレームと同一のSFNを有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームを目標フレームとして扱う。以下、図26を参照してより具体的に説明する。
【0130】
図26は、第3の実施形態の第2の変形例を示した説明図である。図26に示したように、基地局10は、マッピングパターンに従ってスーパーシステムフレーム(4)でN−PDCCHを送信する。しかし、UE20−3が認識しているスーパーシステムフレームは、図26に示したように実際のスーパーシステムフレームとずれている場合がある。この場合、UE20−3がスーパーシステムフレーム(4)と認識している位置で受信を試みても、既にN−PDCCHの送信は終了している。
【0131】
そこで、第2の変形例によるUE20−3は、図26に示したように、UE20−3が認識するスーパーシステムフレーム(2)中の規定の無線フレームを受信するためにスリープ状態から復帰してもよい。そして、第2の変形例によるUE20−3は、自分宛のN−PDCCHが無ければ、UE20−3が認識する次のスーパーシステムフレーム(3)中の規定の無線フレームの受信のために復帰するまでスリープ状態に遷移してもよい。
【0132】
ここで、図26に示した例では、UE20−3が認識しているスーパーシステムフレーム(3)は、実際にはマッピングパターンに従うスーパーシステムフレーム(4)である。したがって、UE20−3は、実際のスーパーシステムフレーム(4)で自分宛のN−PDCCHを受信することができる。なお、上述した第2の変形例によるスリープ状態からの復帰は、第3の実施形態において説明したように、2段階に分けて行われてもよい。
【0133】
<<5.むすび>>
以上説明したように、本開示の第1の実施形態によれば、基地局10−1がN−PDCCHを周期的に配置することにより、スループットの低下を抑制しつつ、制御領域を拡張することが可能である。これにより、基地局10−1がより多くのUE20−1(MTC端末を含む。)を収容することが可能となる。
【0134】
また、本開示の第2の実施形態によれば、UE20−2が認識可能な周期を長くすることができるので、例えばN−PDCCHのマッピング周期をスーパーシステムフレーム長よりも長くすることが可能となる。
【0135】
さらに、本開示の第3の実施形態によれば、UE20−3のスリープ状態が長期間に渡った場合であっても、消費電力を削減しつつ、目標フレームで送信される信号を適切に受信することが可能となる。
【0136】
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
例えば、本明細書の基地局10およびUE20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、基地局10およびUE20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0138】
また、基地局10およびUE20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した基地局10およびUE20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【0139】
また、上述した各実施形態、各変形例、各応用例などは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0140】
また、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
基地局から信号を受信する受信部と、
フレーム周期をカウントするカウント部と、
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、
を備え、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
(2)
前記目標フレームは、データ信号を送信するためのデータ領域に拡張制御領域が設けられた単位フレームであり、前記拡張制御領域は、周期的パターンに従った単位フレームに設けられる、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
所定数の単位フレームから1の無線フレームが構成され、
連続する無線フレームの各々には所定周期で同一のシステムフレーム番号が付され、
前記周期的パターンの周期は、前記所定周期よりも長い、前記(2)に記載の通信装置。
(4)
前記カウント部は、前記システムフレーム番号をカウントし、かつ、前記所定周期の経過をカウントする、前記(3)に記載の通信装置。
(5)
システムフレーム番号を特定するための同一の粗システムフレーム番号が連続する規定数の無線フレームごとに付されており、
前記カウント部は、前記粗システムフレーム番号の更新を基点にして前記システムフレーム番号をカウントする、前記(3)または(4)に記載の通信装置。
(6)
前記受信制御部は、前記スリープ状態からの1度目の復帰時に前記粗システムフレーム番号が検出された後であって、前記粗システムフレーム番号の更新前に前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、前記(5)に記載の通信装置。
(7)
前記受信制御部は、前記受信部の再度のスリープ状態からの復帰を、前記カウント部によるカウント結果を参照し、前記1度目の復帰時の無線フレームとのフレーム間隔が前記規定数の倍数にならないように制御する、前記(6)に記載の通信装置。
(8)
前記システムフレーム番号の周期を構成する複数の無線フレームによってスーパーシステムフレームが定義され、
前記受信制御部は、前記周期的パターンに従う規定無線フレームの単位フレームに加え、前記規定無線フレームと同一のシステムフレーム番号を有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームの単位フレームを前記目標フレームとして扱う、前記(5)に記載の通信装置。
(9)
前記受信制御部が1度目に前記受信部を復帰させる前記カウント部によるカウント結果と目標フレームとの差分は、前記カウント部によるカウントに用いられる発振器の精度に依存する、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の通信装置。
(10)
フレーム周期をカウントすることと、
受信部をスリープ状態に遷移させることと、
カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、
現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、
を含む、通信方法。
(11)
基地局と、
前記基地局から信号を受信する受信部、
フレーム周期をカウントするカウント部、および
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、
を備える、通信システム。
(12)
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局。
(13)
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法。
【符号の説明】
【0141】
10、10−1、10−2 基地局
20、20−1、20−2、20−3 UE
104 アンテナ群
110 無線処理部
120 DA/AD変換部
130 アップリンク信号検出部
140、141 ダウンリンク信号生成部
152 SFNカウンタ
156 マッピング記憶部
160、161 N−PDCCH制御部
170 拡張カウンタ
204 アンテナ群
210 無線処理部
220 DA/AD変換部変換部
230 アップリンク信号生成部
240 ダウンリンク信号検出部
252 内部カウンタ
256、258 SFNカウンタ
260 マッピング記憶部
264、266、268 受信制御部
270 拡張カウンタ
280 発生誤差推定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局から信号を受信する受信部と、
フレーム周期をカウントするカウント部と、
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、
を備え、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
【請求項2】
前記目標フレームは、データ信号を送信するためのデータ領域に拡張制御領域が設けられた単位フレームであり、前記拡張制御領域は、周期的パターンに従った単位フレームに設けられる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
所定数の単位フレームから1の無線フレームが構成され、
連続する無線フレームの各々には所定周期で同一のシステムフレーム番号が付され、
前記周期的パターンの周期は、前記所定周期よりも長い、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記カウント部は、前記システムフレーム番号をカウントし、かつ、前記所定周期の経過をカウントする、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
システムフレーム番号を特定するための同一の粗システムフレーム番号が連続する規定数の無線フレームごとに付されており、
前記カウント部は、前記粗システムフレーム番号の更新を基点にして前記システムフレーム番号をカウントする、請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受信制御部は、前記スリープ状態からの1度目の復帰時に前記粗システムフレーム番号が検出された後であって、前記粗システムフレーム番号の更新前に前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記受信制御部は、前記受信部の再度のスリープ状態からの復帰を、前記カウント部によるカウント結果を参照し、前記1度目の復帰時の無線フレームとのフレーム間隔が前記規定数の倍数にならないように制御する、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記システムフレーム番号の周期を構成する複数の無線フレームによってスーパーシステムフレームが定義され、
前記受信制御部は、前記周期的パターンに従う規定無線フレームの単位フレームに加え、前記規定無線フレームと同一のシステムフレーム番号を有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームの単位フレームを前記目標フレームとして扱う、請求項5に記載の通信装置。
【請求項9】
前記受信制御部が1度目に前記受信部を復帰させる前記カウント部によるカウント結果と目標フレームとの差分は、前記カウント部によるカウントに用いられる発振器の精度に依存する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
フレーム周期をカウントすることと、
受信部をスリープ状態に遷移させることと、
カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、
現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、
を含む、通信方法。
【請求項11】
基地局と、
前記基地局から信号を受信する受信部、
フレーム周期をカウントするカウント部、および
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、
を備える、通信システム。
【請求項12】
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局。
【請求項13】
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法。
【請求項1】
基地局から信号を受信する受信部と、
フレーム周期をカウントするカウント部と、
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部と、
を備え、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置。
【請求項2】
前記目標フレームは、データ信号を送信するためのデータ領域に拡張制御領域が設けられた単位フレームであり、前記拡張制御領域は、周期的パターンに従った単位フレームに設けられる、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
所定数の単位フレームから1の無線フレームが構成され、
連続する無線フレームの各々には所定周期で同一のシステムフレーム番号が付され、
前記周期的パターンの周期は、前記所定周期よりも長い、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記カウント部は、前記システムフレーム番号をカウントし、かつ、前記所定周期の経過をカウントする、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
システムフレーム番号を特定するための同一の粗システムフレーム番号が連続する規定数の無線フレームごとに付されており、
前記カウント部は、前記粗システムフレーム番号の更新を基点にして前記システムフレーム番号をカウントする、請求項3に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受信制御部は、前記スリープ状態からの1度目の復帰時に前記粗システムフレーム番号が検出された後であって、前記粗システムフレーム番号の更新前に前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記受信制御部は、前記受信部の再度のスリープ状態からの復帰を、前記カウント部によるカウント結果を参照し、前記1度目の復帰時の無線フレームとのフレーム間隔が前記規定数の倍数にならないように制御する、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記システムフレーム番号の周期を構成する複数の無線フレームによってスーパーシステムフレームが定義され、
前記受信制御部は、前記周期的パターンに従う規定無線フレームの単位フレームに加え、前記規定無線フレームと同一のシステムフレーム番号を有するスーパーシステムフレーム違いの無線フレームの単位フレームを前記目標フレームとして扱う、請求項5に記載の通信装置。
【請求項9】
前記受信制御部が1度目に前記受信部を復帰させる前記カウント部によるカウント結果と目標フレームとの差分は、前記カウント部によるカウントに用いられる発振器の精度に依存する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
フレーム周期をカウントすることと、
受信部をスリープ状態に遷移させることと、
カウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させることと、
現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させることと、
を含む、通信方法。
【請求項11】
基地局と、
前記基地局から信号を受信する受信部、
フレーム周期をカウントするカウント部、および
前記受信部をスリープ状態に遷移させる受信制御部、を有し、
前記受信制御部は、前記カウント部によるカウント結果が目標フレームに達する前に前記受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる、通信装置と、
を備える、通信システム。
【請求項12】
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、基地局。
【請求項13】
フレームのカウント結果が目標フレームに達する前に受信部をスリープ状態から復帰させ、現在フレームと前記目標フレームとの差分に応じた期間に渡って前記受信部を再度スリープ状態に遷移させる通信装置に、前記目標フレームにおいて信号を送信する、通信方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2013−55394(P2013−55394A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190522(P2011−190522)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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