説明

連続加熱処理装置

【課題】含液被処理物の乾燥、含液被処理物が有機物の場合はさらに適宜炭化、及び、溶融プラスチックの油化等も可能な従来にない新規な構成の連続加熱処理装置を提供すること。
【解決手段】含液被処理物である原料15を加熱処理する加熱処理室1を備えた連続加熱処理装置。加熱処理室1内にそれぞれドーナツ状の加熱盤を複数段設ける。各加熱盤2、3(3A)の上面に対して相対回転する磨り潰し部材7及び掻き移動部材8、8Aを配する。該掻き移動部8、8Aは、加熱盤2、3(3A)の上面10で原料15を外から内へ、内から外へ交互に移動させて、順次上段から下段へ前記原料15を落下移送する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱処理物である原料を連続加熱処理する新規な装置及び方法に関する。特に、含液被処理物、さらには、含液有機廃棄物を乾燥炭化(乾留)・油化、その他の固液分離等の処理に好適な装置及び方法に関する。
【0002】
ここで、「含液」とは、液相を分離して有するものばかりでなく、液状成分を固相成分中に分散保持ないし部分保持している状態も含むものである。また、「液状成分」の代表的なものは、「水」であるが、「溶剤」、「油」その他、常温から100℃未満で液化可能な各種有機物も含む。
【0003】
含液有機廃棄物としては、各種汚泥、人糞、家畜糞尿、オカラ、生ごみ、食品残渣、木質系/プラスチック系/ゴム系廃棄物等の産業系廃棄物のみならず、包帯、ガーゼ、オムツ等の医療系廃棄物を含む。
【0004】
ここでは、含液有機廃棄物を原料とし、乾燥炭化処理をする場合を、主として例に採り説明するが、それらに限定されるものではない。すなわち、塗料廃液のような含液無機物廃棄物を原料として乾燥ないし固液分離の各処理をすることもできる。さらには、含液処理物とは言い難い乾燥物やプラスチックやゴムの加熱溶融物等を炭化処理・熱分解処理等をすることもできる。
【背景技術】
【0005】
従来の乾燥炭化装置(連続加熱処理装置)は、乾燥炉と炭化炉が分離されていたり、ガス冷却塔やバグフィルターを必要としたりして、装置が複雑でトラブルも多く処理品もよいものが得られなかった。炭化装置には、一部原料を燃やして蒸し焼きにする方法もあるが、これは灰が多く出ることになり、良質な炭(乾留物)を得難いものが多かった。
【0006】
各種汚泥、人糞、家畜糞尿、オカラ、生ごみ、食品残渣等の有機廃棄物は、乾燥処理して肥料等に再利用できるが、他の木質系/プラスチック系/ゴム系廃棄物や上記医療廃棄物は、そのような形での再利用はできない。
【0007】
そこで、それらを一緒に炭化することが考えられる。このため、有機物の炭化装置が各種市場に出回っている、すなわち、上市されている。
【0008】
しかし、これらの炭化装置は、含水廃棄物においては、脱水・乾燥処理手段(乾燥装置)と乾留手段(炭化装置)は別手段としたもので、乾燥装置と乾留(炭化)装置の双方が必要であった。また、通常、ガス冷却塔やバグフィルターを必要とし、装置が複雑で、処理品(炭化物又は乾留物)として高品質のものを得難かった。
【0009】
なお、炭化装置では、被処理物の一部を燃焼させて、蒸し焼きにする方法であるが、これは、灰が多く出て、やはり、高品質の炭化物を得難かった。
【0010】
これらの技術は、本発明者が、現場や他社製品を見聞したものを述べたものであり、特定に先行技術文献に記載されたものではない。
【0011】
なお、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、本発明の乾燥炭化処理方法及び装置に関連する先行技術文献として、本発明者自身が先に提案した特許文献1〜3等が存在する。
【特許文献1】特開2000−320967号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特開2004−66216号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開2004−243281号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記にかんがみて、含液被処理物(被加熱処理物)の乾燥、そして、含液被処理物が有機物の場合は、適宜炭化、又は、油化等も可能な従来にない新規な構成の連続加熱処理装置及び連続加熱処理方法を提供することを目的(課題)とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の連続加熱処理装置は、上記課題を下記構成により解決するものである。
【0014】
本発明の連続加熱処理装置は、被加熱処理物である原料を加熱処理する加熱処理室と、該加熱処理室へ前記原料を連続的に供給する原料供給手段と、加熱処理された製品を排出する排出手段とを備えた連続加熱処理装置であって、
前記加熱処理室内にそれぞれ外周が円形又は円内接形状の加熱盤を複数段設け、
前記各加熱盤の上面に対して相対回転する磨り潰し部材及び掻き移動部材を配し、
該掻き移動部材は、上下段で交互に前記原料を外から内へ移動させる第一の掻き移動部材、又は、内周側から外へ移動させる第二の掻き移動部材とされるとともに、各加熱盤の間には、上段から下段へ前記原料を落下移送可能な移送空間を有している、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の方法は、含液被処理物(被加熱処理物)である原料の加熱処理をする方法であって、
加熱処理室内に上下に複数段の円形又は円内接形状の加熱盤を設け、最上段の前記加熱盤の中心部側又は外周側へ含液原料を連続的に供給し、該原料を前記加熱盤上で磨り潰しながら供給位置とは反対側方向へ移送させて、順次下段の加熱盤上へ供給して前記原料の、加熱盤の上面で外から内へ、又は、内から外へ移動させながら連続加熱処理を行い、さらに、連続的に加熱処理室外へ排出することを特徴とする。
【0016】
さらに具体的な形態は下記の如くである。
【0017】
加熱盤固定式の本発明の連続加熱処理装置は、常圧又は減圧の加熱処理室内に大小二種類の加熱円盤(加熱盤)を交互に上から配置し、中央の回転軸に磨り潰し翼(磨り潰し部材)及び掻き移動翼(掻き移動部材)を取付け、それらにより原料は小円盤では内から外へ、大円盤では外から内へ、磨り潰し・掻き移動により順次上から下方へ移動させて原料を連続加熱処理する構成である。
【0018】
上記大・小円盤は、ジャケット(二重壁)構造であり、ジャケット内には、熱風、蒸気、熱水等の熱媒を通過させる、ないし、電熱ヒータ、バーナ(ガス・石油)等の加熱装置を配する。
【0019】
原料(被処理品)の装置への供給(投入)は、加熱処理を密閉状態(減圧・加圧ばかりでなく常圧の場合も含む。)で行う場合は、空気遮断をしながら行う。ロータリバルブを介して供給してもよいが、原料供給パイプ(適宜、スクリューコンベヤ、プランジャに置き換えてもよい。)を原料自体で充満させて押込みにより、特に、下方から加熱盤の上に供給することにより自己シールするようにして供給することもできる。
【0020】
製品(処理品)の装置からの排出(取り出し)も、同様に、空気遮断をしながら行える構成とすることが望ましい。
【0021】
ロータリバルブ又は二重バルブを介して行ってもよいが、スクリューコンベヤに製品を充満させながら排出してもよい。
【0022】
また、加熱盤回転式の本発明の連続加熱処理装置は、装置本体内に大小2種類の加熱円盤(加熱盤)が、二重中空回転軸に介して回転可能に、上下方向に交互に取付けられるとともに、磨り潰し翼(磨り潰し部材)及び掻き移動翼(掻き移動部材)が装置本体側に固定されており、二重中空回転軸には、ロータリジョイントを介して熱媒を内管側から各加熱盤に導入し、外管側へ排出する構成である。
【0023】
上記各連続加熱処理装置における発生ガス(蒸気)の処理は、熱分解及び/又は触媒により分解処理(清浄化)して排気する。また、乾燥処理又は炭化処理における発生ガスが、溶剤、水素、一酸化炭素、低級炭化水素等の有用(有価)物の場合、コンデンサ及びコールドラップを用いて液化(凝縮)処理して有用(有価)物として回収することもできる。
【0024】
原料が廃油・油泥のような液状物の場合、又は、廃プラスチック等の加熱して液状化できるものの場合、スラリーポンプにより装置内に、加熱盤の上面に裏側から連続供給すれば、空気遮断(密閉)供給が容易となる。そして、原料をガス化させて、コンデンサにより冷却すれば、蒸留油化・炭化装置としても使用可能である。
【0025】
さらに、上記構成の装置が熱風発生炉又は熱分解脱臭炉を備えている場合において、炉の断熱方法をウォータジャケット方式を採用した場合には、ジャケットにて発生した蒸発蒸気を再度、熱風発生炉又は熱分解脱臭炉へ導入し、加熱器により再加熱して加熱蒸気を発生させ、加熱処理室(乾燥炭化室)内へ供給すれば加熱処理(乾燥炭化処理)がさらに促進できる。
【0026】
また、熱分解脱臭炉内に、蒸気捕捉管(集水管)を設置し、水分を含む原料(被処理物)を乾燥するに際して、原料から発生した蒸気を捕捉管(集水管)で捕捉収集し、加熱器を経て加熱蒸気を発生させて、再度、加熱処理室内に噴出させれば加熱処理(乾燥処理)が促進される。
【0027】
本発明の装置は、加熱蒸気を発生させ、加熱処理室(乾燥室)内に加熱蒸気を噴出させる蒸気乾燥機とすることもできる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る加熱処理装置は、外気を遮断して、原料の投入、処理品の取り出しも連続運転が可能で、縦長の立体構造に設置でき、コンパクトで処理能力の大きなものを提供できる。
【0029】
また、原料を磨り潰し翼(磨り潰し部材)で熱せられた円盤(加熱盤)にお好み焼きを焼くように薄く摺り付けかつ磨り潰しながら、次の掻き移動部材(掻き取り翼)で掻き取り、また新たに摺り付け翼にて摺り付け・掻き取りを繰り返すことによって熱交換が効率よくスムーズに行なわれ、原料の乾燥炭化を促進できる。
【0030】
また、原料が円盤(加熱盤)の外から内へ、内から外へ摺り付け、磨り潰されては、掻き取られの繰り返しにて常に原料が撹拌されて乾燥むらがなく、均一に原料が加熱処理(乾燥炭化等)されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の連続加熱処理装置(以下、単に「加熱処理装置」という。)の望ましい実施形態のいくつかについて、図例に基づいて説明する。なお、以下の説明で、図符号は、同一機能部材は多少変更があっても同一図符号を付してあり、それらの説明は、後の実施形態では省略することがある。
【0032】
(1)図1〜4に示すものは、本発明の加熱盤固定式の加熱処理装置を乾燥炭化処理装置に適用した実施形態である。
【0033】
外壁又は内壁が断熱加工された乾燥炭化処理室(加熱処理室)1内に、ジャケット構造でドーナツ型とした固定式の大・小円盤(加熱盤)2、3(3A)を上から交互に多段に配置した固定加熱盤タイプのものである。
【0034】
大円盤2は外周も内周も小円盤3(3A)より大きく、小円盤3(3A)は大円盤2より外周も内周も小さい。例えば、両円盤2、3(3A)とも、内径及び外径の差は30mm〜100mm程度とする。
【0035】
円盤2、3(3A)の中央空間の中心部に回転軸4が外気との密閉を保つ上・下軸受5にて保持され、駆動モータ6にて回転が可能で、回転軸4には複数個の磨り潰し翼(磨り潰し部材)7、及び掻き移動翼(掻き移動部材)8、8Aが支持棒9にて保持されている。
【0036】
円盤2、3(3A)には、一つの円盤に対して1個以上の磨り潰し翼(磨り潰し部材)7、及び掻き移動翼(掻き移動部材)8、8Aが設けられている。
【0037】
磨り潰し翼7は、図5に示す如く、水平に設置された円盤2、3の上面10に対して2〜10mmの間隔を空け、かつ、30〜45°の角度で傾斜して、支持棒9を介して取り付けられている。摺り付け翼7は鋸歯状のカット刃13を備え、該カット刃13にて原料を磨り潰し、円盤に薄く摺り付ける役目を担う。
【0038】
なお、磨り潰し部材としては、図6に示すような構成の回転ローラ100を使用したものも使用可能である。
【0039】
支持棒9に取り付けられた回転ローラ100は、ベアリング101により回転可能で、回転軸4が回転することによって、回転ローラ100により押し潰し、円盤上面10に磨り潰して付着させる。磨り潰し作用を向上させるために、回転ローラ100には、溝100aを付すこともできる。溝100aの深さは、被処理物(原料)によって異なるが、数mmから数cmが好ましい。また、溝100aをねじ溝(スパイラル溝)とすれば、ねじ溝に沿って、磨り潰しながら原料の掻き移動も可能となる。図符号「102」は、付着物を剥ぎ取るスクレーパである。
【0040】
こうして、大・小円盤2、3(3A)に摺り付けられた原料15は、回転軸4により矢印14の方向に回転する掻き移動翼8、8Aにて掻き移動されて、円盤2、3(3A)の上面を、外から内へ、又は、内から外へそれぞれ矢印14の方向に移動するようになっている(図2〜4参照)。
【0041】
大円盤2の上に配される掻き移動翼8は、図7(a)・(b)に示す如く、平面から見て支持棒9に対し30°から60°の範囲内で角度を付けて設置され、円盤2の上面10に対しては20°〜45°に傾斜して取り付けられている。この掻き移動翼8は、矢印14の方向に回転することにより、すり潰された原料15を掻き取りながら、原料15を、円盤2の外から内へと矢印14の方向へ掻き移動させる。
【0042】
他方、小円盤3の上に配される掻き移動翼8Aは、図8(a)・(b)に示す如く、平面から見て支持棒9に対して大円盤2の場合とは、反対の角度を付けて設置され、円盤3の上面10に対しては大円盤2の場合と同様の角度に傾斜して取り付けられている。この掻き移動翼8Aは、矢印14の方向の回転によって、原料15を内から外へと矢印17の方向へ掻き移動させる。
【0043】
そして、最下段の小円盤3Aには、その外周壁20の近傍に製品排出口23が設けられ、該製品排出口23には、下部にロータリバルブ25を備えた製品落下筒24が取り付けられ、外気を遮断しながら連続的に製品排出可能となっている。
【0044】
この加熱盤固定方式における、原料の加熱盤上の流れは、下記の如くである(図2〜4参照)。
【0045】
最上段における大円盤2の外側の上面10に供給された原料15は、磨り潰し翼7および掻き移動翼8の回転によって、磨り潰されながら外から内へ矢印16方向の移動を行い、ドーナツ型の内径壁18から落下する(図2)。そして、下段の小円盤3における内側の上面10で受け止められ、磨り潰し翼7および掻き移動翼8Aの回転によって、今度は、内から外へと矢印17の方向の移動を行い、小円盤3の外周壁20から落下し、大円盤2の外周壁21側の上面で受け止められる(図3)。こうして、順次、矢印16及び矢印17の方向の移動を繰り返して、最下段の小円盤3Aにおける製品排出口23に到達して、製品落下筒24からロータリバルブ(製品排出手段)25を介して、製品(処理品)26は製品コンテナ27に収納される(図4)。なお、最下段の小円盤3Aには、外側周縁から製品が落下しないように落下防止壁3aが形成されている。
【0046】
なお、炭化処理する場合は、製品コンテナ27を、図12に示すような、冷却ジャケット構造(図示せず)にしておくことが、発火のおそれをなくすことができて望ましい。
【0047】
本実施形態では、熱媒は熱風発生炉33からのバーナ加熱による熱風とする。バーナ34にて発生させた熱風35は、熱風流路36を経て、円盤2、3(3A)のジャケット部12に入り、円盤2、3(3A)を加温させる。最上段の円盤2の熱風流路36を出た熱風35は、付設された熱分解脱臭炉37へ導入され、脱臭炉37の加温に加わり、原料より発生したガス(蒸気又は乾留ガス)38も脱臭炉37へ流入し、送風機39にて空気を送風40することによりエジェクタ(噴流)効果が出て、熱風35や発生ガス38を吸収し、バーナ41にて熱分解させ脱臭を行う。熱分解された熱分解ガス(排気)42は、排気筒43より排気される。
【0048】
バーナ34、41の燃料には、灯油、重油、LPガス、都市ガス等、を好適に使用できる。
【0049】
図9に示す実施形態は、上記図1に示す実施形態において、熱風発生炉33の断熱をウォータジャケット87構造にして、熱風発生炉33の耐火性を保つようにしたものである。そして、熱風発生炉33で発生した蒸気88を、配管89を介して熱風発生炉33内の加熱器90を通過させ加熱蒸気92として、処理室(加熱処理室)1内へ噴射させる構造とし、乾燥炭化を促進させる。
【0050】
熱分解脱臭炉37の断熱もウォータジャケット87にして加熱器90を炉内37に設置し、配管89にて、処理室1内に噴射すれば、より熱風による通風が起き乾燥炭化がより進む。
【0051】
また、水位維持塔93がウォータジャケット87の下部と連通管94を介して連結されている。図例中、「96」はボールタップを、「95」は補給水管を、それぞれ示す。
【0052】
この実施形態の如く、熱風発生炉および熱分解脱臭炉をウォータジャケットにすれば、セラミック断熱材やキャスト断熱材に比して装置は低コストで製造できる。また、加熱蒸気を得ることができるため、装置内の熱風流速が増大して乾燥スピードが増大する。また、加熱蒸気により炭化品が賦活処理されているのと同様になり、細孔の多い多孔質炭化品を得ることができる。ウォータジャケットの加熱蒸気を利用するため、加熱蒸気の得るための別の加熱源を必要とせず省エネルギーに寄与する。
【0053】
図10に示す実施形態は、上記図9に示す実施形態において、乾燥処理において、熱分解脱臭炉37に、原料(被処理物)15から発生した蒸気を集水する集水管97を設け、該集水管97には加熱器90が連結されており、加熱蒸気92を発生させ処理室1内に噴射させる構成としたものである。
【0054】
なお、上記実施形態において、熱風の中に蒸気を入れてやり加熱蒸気としても加温が可能で設置場所により熱源が種々と選択できる。
【0055】
また、円盤2、3の板も薄いものでよく、熱伝導を高めることができ、ジャケット構造のため強度も得られ、画一された規格品として多量生産が可能となる。
【0056】
上記実施形態で、無酸素状態とし間接加熱とした場合、炭が灰になることはない。また、熱分解炉で送風機を運転することにより、発生ガスをエジェクタ効果にて吸引することができ、装置内部をわずかではあるが減圧することもできる。
【0057】
また、原料の種類を選ばず、液体から固体まですべてのものに適応できる。
【0058】
なお、本装置の仕様を、例えば、直径2m程度の加熱盤(上表面積3.14m2)を6段配して、回転数5rpm(min-1)、600℃の熱風によって加熱処理した場合、含水率80%の汚泥が、時間当り300Kgの炭化処理が可能なことを本発明者は確認している。
【0059】
また、蒸気式の場合は、蒸気圧を低くしてやれば低温にて乾燥も可能で、加熱盤のジャケット内に、コジェネレーション(熱電併給)等のエネルギー利用システムにおける排温水を利用しての乾燥も可能で幅広い用途が期待できる。
【0060】
また、使用済み活性炭の場合、吸着物質は有機質であるため、本発明の装置にて熱分解処理をすれば、活性炭の再生も可能となり、活性炭の再生装置としても利用できる。
【0061】
なお、原料の種類によって飼料や肥料にできるものは、本実施形態の加熱処理装置は、乾燥機として好適に使用でき、乾燥品は、飼料、肥料等にリサイクルすることができ、また、炭化物は、燃料、土壌改良剤、調湿剤、ろ過剤、融雪剤、堆肥等に利用することができる。
【0062】
また、二次公害を発生することなく低温での処理ができ、したがって耐久性も増大し操作が簡単で、運転技術者も不要、危険性も無く安全で、自動運転ができる。
【0063】
(2)図11に示すものは、本発明の加熱盤固定式の加熱処理装置を、原料15が廃油、油泥である場合の、油化・炭化装置に適用した実施形態である。
【0064】
原料15を、スクリューにて最上段の円盤2に円盤ジャケット部12内を通り円盤上面10の裏側から原料15を押込み供給できる様にスクリューコンベヤ55が配置されている。そして、スクリューコンベヤ55の外筒は、ヒータ57で加温され、廃ゴム、廃プラスチック等の固形物原料15が、液状化する程度に加温可能とされている。なお、廃ゴム、廃プラスチック等の固型物を原料とする場合は、ある程度破砕して(例えば、約10〜20mm)、原料ホッパ54に投入する。
【0065】
ここで、溶融原料が、円盤2の上面(処理面)10の裏側(下部)より供給されることにより、スクリュー管55aが原料にて満管になり押し上げて供給される。このため、外気とは、完全に遮断された状態での原料15の連続投入が可能になる。図符号「56」は、スクリュー55の駆動モータであり、投入量をコントロールするためのインバータ制御機構を有する。
【0066】
投入された原料15は、上記(1)の実施形態と同様、上段の円盤(加熱盤)2から順次下段の円盤(加熱盤)3(3A)へ移行しつつ、油化・炭化処理され、有機物残渣が炭化される。
【0067】
原料15より出た油煙ガス38はガス出口管45を経て、流出管46の途中に設けられたガス改質装置58を経て、熱交換器61に入り、ガス38は冷却されて油水分離槽62にて水と油が分離されて生成油63が得られる。
【0068】
蒸留されなかったオフガス64は、密閉下で水封槽65に入り、油水分離槽62のオフガス66も水封槽65に入る。
【0069】
水封槽65のオフガス67は、配管を経て送風機68にて熱分解脱臭炉37へ送風され脱臭炉バーナ41にて熱分解される。
【0070】
ガス改質装置58には、触媒59が充填され、下側に触媒効率を上げるための電熱ヒータ60が配されている。この場合の触媒としては、生石灰や、白土か、ゼオライトを好適に使用できる。
【0071】
なお、図符号「69」、「70」は、それぞれ、熱交換機61の冷却水入口及び冷却水出口である。
【0072】
なお、廃プラスチックの場合、本装置を使用して加熱分解してやればガス化され、ガス改質装置にかけ熱交換すれば高品質の油ないし有用ガス(水素、一酸化炭素、メタン等)も得ることが期待できる。
【0073】
(3)図12に示すものは、加熱盤固定式の処理装置において、大・小円盤(加熱盤)の加温手段を直接発熱体とした乾燥炭化装置(加熱処理装置)の実施形態である。
【0074】
大・小円盤2、3(3A)のジャケット部12内に、発熱体44を充填し、発熱させて原料を加熱し、乾燥炭化させる装置である。ここで、発熱体としては、電熱ヒータ、鋳込みヒータ、カートリッジヒータ、炭化硅素ヒータ(シリコニット)等の各種電気式発熱体を好適に使用できる。電気式発熱体の場合は、温度コントロールが熱電対と温度調節器にて簡単にできるもので無駄なくエネルギーを使うことができる。
【0075】
大円盤2の外径壁21は内径壁18より高く、小円盤3の外径壁20は内径壁19より低く設定されており、原料15は、液状物であってもすぐ下段の円盤3(又は2)に流出落下することはなく、必ず、加熱処理された後、掻き移動翼8、8Aの作用で外径壁18、20を乗り越えて落下する。
【0076】
そして、本実施形態では、円盤2、3(3A)が熱せられ原料15より発生したガス(蒸気又は乾留ガス)38は、ガス出口管45を経て流出管46を介して触媒脱臭塔48を経て排気42される構成である。そして、流出管46の元部には送風機39を設け、送風40させてエジェクタ効果にてよりガス38をスムーズに排出させる構成である。また、触媒脱臭塔48は、脱臭触媒47が充填され、その下側に触媒効果を発揮させるヒータ(発熱体)49が配設されている。
【0077】
上記、触媒脱臭の触媒は白金か、酸化チタンが良く、加熱温度も250〜350℃が最適と考えられる。
【0078】
また、本実施形態では、製品(処理品)26の排出を、ロータリバルブの代わりに、処理品落下筒24に自動バルブ28、29を設け、上下バルブを交互に開け閉めを行って外気を遮断しながら連続的に行う構成である。
【0079】
(4)図13に示すものは、加熱盤固定式の処理装置において、大・小円盤の加熱手段を独立的に供給可能な蒸気式乾燥炭化装置の実施形態である。
【0080】
すなわち、大・小円盤2、3(3A)のジャケット12内に蒸気50又は加熱蒸気51を独立的に導入して乾燥炭化させる加熱源を蒸気とする。
【0081】
なお、原料15は、上方から投入するばかりでなく、図11に示す場合と同様、スクリューコンベヤ等の原料供給管55を介して、最上段の大円盤(加熱盤)2の裏面側から原料15を押込み供給する構成としてもよい。裏面側(下側)から押込み供給する方式により、圧縮による自己シールが期待できる。なお、図示しないが、押込みは、押出スクリュー又はプランジャで行うことができる。
【0082】
発生ガス38処理は、図例では、触媒脱臭塔48で行うようになっており、触媒脱塔48内には、上記実施形態同様、脱臭触媒47が充填され、その下側には触媒効果を上げるバーナ53が配されている。なお、図符号「52」は、蒸気ドレンである。
【0083】
図14に示す実施形態は、上記実施形態の蒸気式乾燥炭化装置において、電熱ヒータ98が内蔵された加熱器99にて加熱蒸気92を発生させ、円盤ジャケット部12内及び処理室1内に噴射させ処理する構成である。
【0084】
この場合ヒータ温度は600〜750℃を保ち、元蒸気温100〜120℃の蒸気を加熱器99にて300〜400℃の加熱蒸気92とすることができる。
【0085】
この構成の蒸気式においても、加熱蒸気にすることによって蒸気量が少なくても高温の加熱蒸気を得ることができ、処理速度を上げることができ、蒸気ドレン量も節約できる。すなわち、加熱蒸気とすれば、体積増大が1000〜1500倍にもなり、流速が早くなるため、風が吹けば、液体蒸発が促進されて洗濯ものが早く乾くの如く、乾燥炭化の速度が早くなり、短時間での乾燥炭化処理が可能となる。
【0086】
(5)図15〜16に示すものは、加熱盤回転式の本発明の加熱処理装置を、乾燥炭化装置に適用した実施形態である。
【0087】
二重の中空回転軸71に十字形に配された連結パイプ72を介して取り付けられた中空円盤の大円盤73、小円盤74が回転軸71に上から交互に一定間隔をあけて取り付けられている。なお、中空回転軸71は、駆動モータ85によりベルト連結された駆動ホイール86を介して回転駆動される。
【0088】
そして、大・小円盤73、74の上面10に2〜10mm程度の間隔をあけて磨り潰し翼75及び掻き移動翼(大円盤用)76又は掻き移動翼(小円盤用)76Aが処理室1に翼固定軸77にて固定されている。
【0089】
中空回転軸71に連通管(中空パイプ)72にて固定された円盤73、74は、軸71の回転により円盤73、74も同時に回転し、固定翼75、76、76Aによって原料15は矢印16(又は17)方向の外から内又は内から外への移動を繰り返し熱処理される。
【0090】
最下段の円盤74には、処理品26が円盤74の外径壁21より掻き移動翼76Aにて掻き出されて落下するが、落下点には、処理品受け樋78が外周上に設けられており、円盤74には、処理品26の掻き寄せバー79が固定されており、樋78には製品排出口23をあけておけば、処理品落下筒24を経て、ロータリバルブ25を通りコンテナ27に収納される。
【0091】
中空の円盤73、74に供給する熱媒(蒸気、加熱蒸気、熱風等)80を、ロータリジョイント81を介して中空回転軸71の内管82に供給し、円盤73、74を加温し、ドレン83は下部ロータリジョイント84を介して排出する構成である。
【0092】
原料15が加熱されて発生したガス38は、ガス出口管45より排出され、図示しないが、前述の如く、熱分解脱臭炉又は触媒脱臭塔を経て無排水及び無臭化される。
【0093】
図17に示す実施形態は、上記加熱盤回転式の乾燥炭化装置において、蒸気50をヒータ98で加熱蒸気として、最下段の円盤74の上側に吹き込む構成である。本実施形態は、上記構成により乾燥後の原料の炭化が促進される。
【0094】
ヒータ98が内蔵された加熱器99にて加熱蒸気92を発生させて処理する構成である。
【0095】
なお、上記各乾燥炭化装置は、温度コントロールをしてやれば乾燥装置又は炭化装置の単機能装置としても使用できる。
【0096】
(6)次に、上記各実施形態に共通する、各部材の構成及び運転条件について説明する。
【0097】
1)各部材の構成・材質:
・加熱器90、99(図9・14・17)、は、図面上省略してあるが、表面積を増大させるために、多管型の蜂の巣(ハニカム)状のものが好ましい。加熱器90、99の材質としては、耐熱ステンレス鋼を好適に使用できる。
【0098】
・処理室1の外壁材質は、SS鋼板でも良いが、円盤2、3(3A)、73、74等は、耐熱ステンレス鋼が好ましい。
【0099】
・磨り潰し翼7、75、掻き移動翼8、8A、76、76A等は、薄い1〜3mm程度の弾力性のあるステンレス鋼板で形成することが望ましい。また、各翼7、75、8、8A、76、76Aは、円盤上面10に対して、処理原料によって2〜10mm程度の隙間をあけて取り付ける。図示は省略しているが原料種類によってスライドさせアジャストできる構造としてある。
【0100】
・処理室1、熱風発生炉33及び熱分解脱臭炉37の断熱材は、耐火キャスター又はセラミックファイバが好適に使用できる
2)運転条件:
・回転軸4、71の回転速度は、0.5〜15rpmが最適で、原料15によりインバータ制御によって駆動モータ6、85の回転速度を可変とすることが望ましい。
【0101】
・熱風発生炉33の熱風35の温度は、原料の種類により異なるが、通常の含液有機廃棄物の場合、例えば、炉の耐久性を考えて発生元で600℃、熱風流路36を通り、各円盤2、3(3A)を経て有効に熱が利用されて最上段では200℃程度になるようにすることが望ましい。
【0102】
・熱分解炉37の熱分解温度は、通常は500℃程度以上でもよいが、原料に塩素を含むものが混入する場合は、800℃以上滞留2秒間を保てばダイオキシンも分解できるのである。
【0103】
・加熱器99にて加熱蒸気原料(被処理物)が有する水分や揮発性有機質を内部から減圧して引き出すことにより、炭化の場合、賦活処理をしている状態と同じ状態になり、低温でも良好な細孔を持った炭化品(乾留品)が得られ、活性炭等としても利用が可能となる。
【0104】
・また蒸気による炭化処理の場合は、蒸気を再加熱して加熱蒸気600℃程度にしてジャケット(二重壁)内に投入してやれば炭化処理もできる。
【0105】
・原料は、磨り潰し翼(磨り潰し部材)のカット刃にて磨り潰すことは可能であるが、大きい固形物は前処理として約20mm以下程度の大きさに破砕をしておいて供給する。原料の熱処理(乾燥炭化)を促進させるためである。
【0106】
(7)本発明の技術的範囲は、上記各実施形態に述べたものに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて、下記のような種々の変形態様に及びものである。
【0107】
・ドーナツ状の加熱盤の形状は、円形に限られず、円内接形状、例えば、正多角形さらには円形又は正多角形の各辺に沿って切れ込みを入れた形状等任意であり、また、外・内の形状は必ずしも同形状でなくてもよい。多数の小切れ込みを入れた場合は、そこで造粒作用が期待できる。
【0108】
・加熱盤の段数は、1段以上、望ましくは2段以上とし、要求加熱処理能力に対応するように設計でき、また、同一処理能力が要求される場合においても、加熱盤の径及び段数を組み合わせることにより、設置許容空間に対応した設計が可能となる。
【0109】
・処理室の周壁にも断熱手段ばかりでなく、加熱手段(例えば、ジャケット加熱手段、電熱ヒータ)ないし温調手段を配設することも可能である。
【0110】
・処理室の形態も円筒状に限られず、角筒状であってもよく、さらには、加熱処理の態様によっては、例えば、下側小径又は上型小径の円錐台ないし角錐台の筒状とすることも可能である。
【0111】
・上記各実施形態では、処理装置本体の上部に熱分解脱臭炉や触媒脱臭塔を設置しているが、設置箇所に応じて、横置としてもよい。この場合、極力連結配管が短い方が望ましい。
【0112】
・上記各実施形態では、処理室を密閉型としているが、原料の種類、加熱処理の態様によっては、密閉型でなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の加熱盤固定方式の加熱処理装置を乾燥炭化装置に適用した一例を示す概略断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】同じくIII−III線断面図である。
【図4】同じくIV−IV線断面図である。
【図5】磨り潰し部材の一例を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【図6】磨り潰し部材の他の例を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【図7】加熱盤上で外から内へ原料を掻き移動させる掻き移動部材の一例を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【図8】加熱盤上で内から外へ原料を掻き移動させる掻き移動部材の一例を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
【図9】図1の乾燥炭化装置の変形態様を示す概略断面図である。
【図10】同じく他の変形態様を示す概略断面図である。
【図11】本発明の加熱盤固定方式の加熱処理装置を乾燥油化装置に適用した一例を示す概略断面図である。
【図12】本発明の加熱盤固定方式の加熱処理装置を乾燥炭化装置に適用した他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図13】同じくさらに他の一実施形態を示す概略断面図である。
【図14】図13の変形態様を示す概略断面図である。
【図15】本発明の加熱盤回転方式の加熱処理装置を乾燥炭化装置に適用した他の一例を示す概略断面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】図15の変形態様を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0114】
1・・・加熱処理室(乾燥炭化室)
2・・・大円盤(加熱盤)
3、3A・・・小円盤(加熱盤)
4・・・回転軸
7・・・磨り潰し翼(磨り潰し部材)
8・・・掻き移動翼(大円盤用の掻き移動部材)
8A・・・掻き移動翼(小円盤用の掻き移動部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱処理物である原料を加熱処理する加熱処理室と、該加熱処理室へ前記原料を連続的に供給する原料供給手段と、加熱処理された製品を排出する排出手段とを備えた連続加熱処理装置であって、
前記加熱処理室内にそれぞれ外周が円形又は円内接形状の加熱盤を複数段設け、
前記各加熱盤の上面に対して相対回転する磨り潰し部材及び掻き移動部材を配し、
該掻き移動部材は、加熱盤の上面で、上下段交互に前記原料を外から内周側へ移動させる第一の掻き移動部材、又は、内から外へ移動させる第二の掻き移動部材とされるとともに、各加熱盤の間には、上段から下段へ前記原料を落下移送可能な移送空間を有している、
ことを特徴とする連続加熱処理装置。
【請求項2】
前記各加熱盤が固定式とされ、前記磨り潰し部材及び掻き移動部材が前記加熱盤の中心部に貫通して配された回転軸に取付けられ回転可能とされていることを特徴とする請求項1記載の連続加熱処理装置。
【請求項3】
前記複数段の加熱盤をジャケット構造とするとともに前記加熱盤相互が連通され、最下段の加熱盤に熱媒供給手段が接続されるとともに最上段の加熱盤に熱媒吸引手段が接続されていることを特徴とする請求項2記載の連続加熱処理装置。
【請求項4】
前記複数段の加熱盤を独立的に配し、発熱体内蔵型または熱媒通過型とすることを特徴とする請求項2記載の連続加熱処理装置。
【請求項5】
前記各加熱盤が回転式とされ、前記磨り潰し部材及び掻き移動部材が前記加熱処理室の周壁から突出し保持軸に取付けられた固定式とされていることを特徴とする請求項1記載の連続加熱処理装置。
【請求項6】
前記各加熱盤は、二重中空回転軸に接続されて回転可能とされ、前記二重中空回転軸の内管を介して熱媒を供給可能とされ、内管と外管で形成される環状空間を介して熱媒を排出可能とされていることを特徴とする請求項5記載の連続加熱処理装置。
【請求項7】
大加熱盤と小加熱盤を交互に複数段設け、前記大加熱盤の上面に対し第一の掻き移動部材を配し、前記小加熱盤の上面に対し第二の掻き移動部材を配し、また、前記大加熱盤の内周空間と前記小加熱盤の内周側上面との間に形成される内側移送空間と、前記小加熱盤の外周空間と前記大加熱盤の外周側上面との間に形成される外側移送空間とを上下段加熱盤の間に交互に有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の連続加熱処理装置。
【請求項8】
最上段の前記加熱盤の上面に裏側から原料を押込み供給可能とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の連続加熱処理装置。
【請求項9】
前記加熱盤の上方位置に加熱蒸気を供給可能な加熱蒸気供給手段を配することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の連続加熱処理装置。
【請求項10】
さらに、それぞれバーナを備えた熱風発生炉及び/又は熱分解脱臭炉を設け、該両炉の断熱構造がウォータジャケット方式とされ、該ウォータジャケットからの蒸気を、熱風発生炉内に配した熱交換器を通過させて加熱蒸気として、前記加熱処理室に供給可能とされていることを特徴とする請求項8記載の連続加熱処理装置。
【請求項11】
さらに、バーナを備えた熱分解脱臭炉を設け、該熱分解脱臭炉内に水蒸気捕捉管および該水蒸気捕捉管と連通する熱交換器を設け、熱処理室から発生する水蒸気を熱交換器を介して加熱蒸気とし前記加熱処理室に戻し可能とされていることを特徴とする請求項8記載の連続加熱処理装置。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかに記載の連続加熱処理装置において、前記加熱処理室を実質的に密閉形とし、発生ガスの排出口に、減圧手段(吸引手段)を内設したガス浄化処理装置を付設して、含液有機廃棄物を乾燥・炭化処理することを特徴とする乾燥・炭化装置。
【請求項13】
含液被処理物である原料の加熱処理をする方法であって、
加熱処理室内に上下に複数段の円形又は円内接形状の加熱盤を設け、最上段の前記加熱盤の中心部側又は外周側へ前記原料を連続的に供給し、該原料を前記加熱盤上で磨り潰しながら供給位置とは反対側方向へ移送させて、順次下段の加熱盤上へ供給して前記原料の、加熱盤の上面で外から内へ、又は、内から外へ移動させながら連続加熱処理を行い、さらに、連続的に加熱処理室外へ排出することを特徴とする含液被処理物の連続加熱処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−144339(P2007−144339A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344188(P2005−344188)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000235314)
【Fターム(参考)】