遊技台
【課題】図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、遊技店に不利益を与えることがない遊技台を提供する。
【解決手段】遊技台は、第一、第二のリール回転処理を行うリール回転処理手段を備える。第一のリール回転処理は、停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、複数の非停止リールを、特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、第二のリール回転処理は、第一のリール回転処理が終了した複数の非停止リールの各々の回転速度を、一定速まで加速し一定速に維持する処理である。
【解決手段】遊技台は、第一、第二のリール回転処理を行うリール回転処理手段を備える。第一のリール回転処理は、停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、複数の非停止リールを、特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、第二のリール回転処理は、第一のリール回転処理が終了した複数の非停止リールの各々の回転速度を、一定速まで加速し一定速に維持する処理である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、第１〜第３リールの回転速度が定常速度に達するとタイマーが作動し、演出実行抽選に当選していた場合は、タイマーの作動とともにフリーズ演出が実行され、ストップボタンの操作が無効化されるように構成した遊技台が提案されている（例えば、特許文献１参照）。また、近年では、他社の遊技台との更なる差別化を図るために、フリーズ演出中に各リールの特定図柄（例えば、ボーナス図柄）を揃えていき、特定図柄の図柄組合せになるかどうかで、ボーナスやＡＴなどの当選状態を報知する演出が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−４２０８０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の遊技台では、フリーズ演出として揃えた図柄組合せが目押しの補助となってしまうため、遊技店側に不利益を被らせてしまうという懸念があった。
【０００５】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、遊技店に不利益を与えることがない遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段と、前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段と、前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段と、前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄がすくなくとも１つ施され、前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、前記第一のリール回転処理は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、前記第二のリール回転処理は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台ことを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係る遊技台によれば、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、遊技店に不利益を与えることがないという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本実施形態に係るスロットマシンの外観斜視図である。
【図２】同スロットマシンの入賞ラインを示す図である。
【図３】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図４】同スロットマシンの各リール（左リール、中リール、右リール）に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【図５】同スロットマシンの入賞役を示す図である。
【図６】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図７】入賞役内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図８】リール演出準備処理の流れを示すフローチャートである。
【図９】基準リール決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１０】低速Ｂタイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１１】第１リール演出タイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１２】リール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図１３】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである
【図１４】リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図１５】リール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図１６】定速処理の流れを示すフローチャートである。
【図１７】リール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図１８】（ａ）第１副制御部４００のＣＰＵ４０４が実行するメイン処理のフローチャートである。（ｂ）コマンド入力処理のフローチャートである。（ｃ）第１副制御部４００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。（ｄ）は、第１副制御部４００のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図１９】内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【図２０】（ａ）第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行するメイン処理のフローチャートである。（ｂ）第２副制御部５００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。（ｃ）第２副制御部５００のタイマ割込処理のフローチャートである。（ｄ）第２副制御部５００の画像制御処理のフローチャートである。
【図２１】リール演出と、当該演出後におけるリール制御のタイムチャートの一例を示した図である。
【図２２】（ａ）第１リール演出の一例を示した図である。（ｂ）第２リール演出の一例を示した図である。
【図２３】第１リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【図２４】（ａ）各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置との関係を示した図である。（ｂ）各リール１１０〜１１２を低速Ａと低速Ｂで回転させたときのパルス数の変化を示した図である。
【図２５】第１リール演出における図柄位置とパルス位置の変形例を示した図である。
【図２６】（ａ）第２リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。（ｂ）第３リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【図２７】（ａ）第３リール演出の一例を示した図である。（ｂ）リールの加速処理と定速処理を行ったときの図柄表示窓１１３の態様の一例を示した図である。
【図２８】加速処理に用いる加速パラメータの一例を示した図である。
【図２９】加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの各リール１１０〜１１２の図柄位置のずれ（差）を示した図である。
【図３０】変形例に係るリール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図３１】変形例に係るリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態１に係る遊技台（スロット機１００等の回胴遊技機）について詳細に説明する。
【００１０】
＜全体構成＞
図１は、本実施形態に係るスロットマシン１００の外観斜視図である。このスロットマシン１００は、本体１０１と、本体１０１の正面に取り付けられ、本体１０１に対して開閉可能な前面扉１０２と、を備える。本体１０１の中央内部には、（図示省略）外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが３個（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）収納され、スロットマシン１００の内部で回転できるように構成されている。これらのリール１１０乃至１１２はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【００１１】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール１１０乃至１１２が構成されている。リール１１０乃至１１２上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓１１３から縦方向に概ね３つ表示され、合計９つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール１１０乃至１１２を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール１１０乃至１１２は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、３個のリールをスロットマシン１００の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【００１２】
各々のリール１１０乃至１１２の背面には、図柄表示窓１１３に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト（図示省略）が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン１００内部において各々のリール１１０乃至１１２の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ（図示省略）が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール１１０乃至１１２を停止させる。
【００１３】
入賞ライン表示ランプ１２０は、有効となる入賞ライン１１４を示すランプである。有効となる入賞ライン１１４とは、後述する図５で説明する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では、図２に示すように、左リール１１０の上段（図柄領域１）、中リール１１１の中段（図柄領域５）および右リール１１２の下段（図柄領域９）で構成される右下がり入賞ラインＬ１と、左リール１１０の下段（図柄領域３）、中リール１１１の中段（図柄領域５）および右リール１１２の上段（図柄領域７）で構成される右上がり入賞ラインＬ２との２つの入賞ラインが設けられている。有効となる入賞ライン（以下、単に「有効ライン」と称する場合がある）１１４は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっており、入賞ライン１１４が有効になると、スタートレバー１３５を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ライン１１４の数については２ラインに限定されるものではない。
【００１４】
図１に戻って、告知ランプ１２３は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役（具体的には、ボーナス）に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ１２４は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ１２２は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること（メダルの投入が不要であること）を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ１２８は演出用のランプである。
【００１５】
ベットボタン１３０乃至１３２は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダル（クレジットという）を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン１３０が押下される毎に１枚ずつ最大３枚まで投入され、ベットボタン１３１が押下されると２枚投入され、ベットボタン１３２が押下されると３枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン１３２はＭＡＸベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ１２９は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ１２１が点灯する。
【００１６】
メダル投入口１４１は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン１３０乃至１３２により電子的に投入することもできるし、メダル投入口１４１から実際のメダルを投入（投入操作）することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器１２５は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器１２６は、各種の内部情報（例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数）を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器１２７は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、および、払出枚数表示器１２７は、７セグメント（ＳＥＧ）表示器とした。
【００１７】
スタートレバー１３５は、リール１１０乃至１１２の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口１４１に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン１３０乃至１３２を操作して、スタートレバー１３５を操作すると、リール１１０乃至１１２が回転を開始することとなる。スタートレバー１３５に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【００１８】
ストップボタンユニット１３６には、ストップボタン１３７乃至１３９が設けられている。ストップボタン１３７乃至１３９は、スタートレバー１３５の操作によって回転を開始したリール１１０乃至１１２を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール１１０乃至１１２に対応づけられている。以下、ストップボタン１３７乃至１３９に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第１停止操作、次の停止操作を第２停止操作、最後の停止操作を第３停止操作という。なお、各ストップボタン１３７乃至１３９の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン１３７乃至１３９の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【００１９】
メダル返却ボタン１３３は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン１３４は、スロットマシン１００に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口１５５から排出するためのボタンである。ドアキー孔１４０は、スロットマシン１００の前面扉１０２のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【００２０】
ストップボタンユニット１３６の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル１６２が設けられている。タイトルパネル１６２の下部には、メダル払出口１５５、メダルの受け皿１６１が設けられている。
【００２１】
音孔１８０はスロットマシン１００内部に設けられているスピーカ２７２、２７７（図３参照）の音を外部に出力するための孔である。前面扉１０２の左右各部に設けられたサイドランプ１４４は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉１０２の上部には演出装置１６０が配設されており、演出装置１６０の上部には音孔１４３が設けられている。この演出装置１６０は、水平方向に開閉自在な２枚の右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂからなるシャッタ（遮蔽装置）１６３と、このシャッタ１６３の奥側に配設された演出画像表示装置１５７（演出画像表示装置）を備えており、右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂが演出画像表示装置１５７の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置１５７の表示画面がスロットマシン１００正面（遊技者側）に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ（７セグディスプレイ）、ドットマトリクスディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール（ドラム）、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【００２２】
＜制御部＞
次に、図３を用いて、スロットマシン１００の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【００２３】
スロットマシン１００の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部３００と、主制御部３００が送信するコマンド信号（以下、単に「コマンド」と呼ぶ）に応じて、主な演出の制御を行う第１副制御部４００と、第１副制御部４００より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第２副制御部５００と、によって構成されている。
【００２４】
＜主制御部＞
まず、スロットマシン１００の主制御部３００について説明する。主制御部３００は、主制御部３００の全体を制御する基本回路３０２を備えており、この基本回路３０２には、ＣＰＵ３０４と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのＲＯＭ３０６と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ３０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ３１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ３１２と、ＷＤＴ（ウォッチドックタイマ）３１４を搭載している。なお、ＲＯＭ３０６やＲＡＭ３０８については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第１副制御部４００や第２副制御部５００についても同様である。この基本回路３０２のＣＰＵ３０４は、水晶発振器３１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、ＣＰＵ３０４は、電源が投入されるとＲＯＭ３０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ３１２に送信し、カウンタタイマ３１２は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ３０４に送信する。ＣＰＵ３０４は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器３１４が出力するクロック信号を８ＭＨｚ、カウンタタイマ３１２の分周値を１／２５６、ＲＯＭ３０６の分周用のデータを４７に設定した場合、割り込みの基準時間は、２５６×４７÷８ＭＨｚ＝１．５０４ｍｓとなる。
【００２５】
主制御部３００は、０〜６５５３５の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路３１６と、電源が投入されると起動信号（リセット信号）を出力する起動信号出力回路３３８を備えており、ＣＰＵ３０４は、この起動信号出力回路３３８から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する（後述する主制御部メイン処理を開始する）。
【００２６】
また、主制御部３００には、センサ回路３２０を備えており、ＣＰＵ３０４は、割り込み時間ごとに各種センサ３１８（ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、ベットボタン１３２センサ、メダル投入口１４１から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー１３５センサ、ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、ストップボタン１３９センサ、精算ボタン１３４センサ、メダル払出装置１８０から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、リール１１２のインデックスセンサ、リセットボタン２９０の押下を検出するためのリセットボタンセンサ、設定変更ボタン２９１の押下を検出するための設定変更ボタンセンサ、設定変更キー２９３の操作を検出するための設定変更キーセンサ、電源スイッチ２９４のオン／オフ操作を検出するための電源スイッチセンサ等）の状態を監視している。
【００２７】
なお、センサ回路３２０がスタートレバーセンサのＨレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路３１６に出力する。この信号を受信した乱数発生回路３１６は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【００２８】
メダル受付センサは、メダル投入口１４１の内部通路に２個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー１３５センサは、スタートレバー１３５内部に２個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、および、ストップボタン１３９は、各々のストップボタン１３７乃至１３９に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【００２９】
ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、および、ベットボタン１３２センサは、メダル投入ボタン１３０乃至１３２のそれぞれに設置されており、ＲＡＭ３０８に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン１３４センサは、精算ボタン１３４に設けられている。精算ボタン１３４が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置１８０が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【００３０】
リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、および、リール１１２のインデックスセンサは、各リール１１０乃至１１２の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにＬレベルになる。ＣＰＵ３０４は、この信号を検出すると、リールが１回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【００３１】
主制御部３００は、リール装置１１０乃至１１２に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路３２２、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ１７０に設けたソレノイドを駆動する駆動回路３２４、メダル払出装置１８０に設けたモータを駆動する駆動回路３２６、各種ランプ３３８（入賞ライン表示ランプ１２０、告知ランプ１２３、遊技メダル投入可能ランプ１２４、再遊技ランプ１２２、遊技メダル投入ランプ１２９は、遊技開始ランプ１２１、貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、払出枚数表示器１２７）を駆動する駆動回路３２８を備えている。
【００３２】
また、基本回路３０２には、情報出力回路３３４（外部集中端子板２４８）を接続しており、主制御部３００は、この情報出力回路３３４を介して、外部のホールコンピュータ（図示省略）等が備える情報入力回路６５２にスロットマシン１００の遊技情報（例えば、遊技状態）を出力する。
【００３３】
また、主制御部３００は、第１副制御部４００にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第１副制御部４００との通信を可能としている。なお、主制御部３００と第１副制御部４００との情報通信は一方向の通信であり、主制御部３００は第１副制御部４００にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第１副制御部４００からは主制御部３００にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【００３４】
＜副制御部＞
次に、スロットマシン１００の第１副制御部４００について説明する。第１副制御部４００は、主制御部３００が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第１副制御部４００の全体を制御する基本回路４０２を備えており、この基本回路４０２は、ＣＰＵ４０４と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ４０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ４１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ４１２を搭載している。基本回路４０２のＣＰＵ４０４は、水晶発振器４１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ＲＯＭ４０６は、第１副制御部４００の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【００３５】
ＣＰＵ４０４は、所定のタイミングでデータバスを介してＲＯＭ４０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ４１２に送信する。カウンタタイマ４１２は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ４０４に送信する。ＣＰＵ４０４は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ＩＣや各回路を制御する。
【００３６】
また、第１副制御部４００には、音源ＩＣ４１８を設けており、音源ＩＣ４１８に出力インタフェースを介してスピーカ２７２、２７７を設けている。音源ＩＣ４１８は、ＣＰＵ４０４からの命令に応じてアンプおよびスピーカ２７２、２７７から出力する音声の制御を行う。音源ＩＣ４１８には音声データが記憶されたＳ−ＲＯＭ（サウンドＲＯＭ）が接続されており、このＲＯＭから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ２７２、２７７から出力する。
【００３７】
また、第１副制御部４００には、駆動回路４２２が設けられ、駆動回路４２２に入出力インタフェースを介して各種ランプ４２０（上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ１４４、タイトルパネル１６２ランプ、等）が接続されている。
【００３８】
また、ＣＰＵ４０４は、出力インタフェースを介して第２副制御部５００へ信号の送受信を行う。第２副制御部５００は、演出画像表示装置１５７の表示制御を含む演出装置１６０の各種制御を行う。なお、第２副制御部５００は、例えば、演出画像表示装置１５７の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部（例えば、シャッタ１６３のモータ駆動を制御する制御部）とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【００３９】
第２副制御部５００は、第１副制御部４００が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第２副制御部５００の全体を制御する基本回路５０２を備えており、この基本回路５０２は、ＣＰＵ５０４と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ５０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ５１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ５１２と、を搭載している。基本回路５０２のＣＰＵ５０４は、水晶発振器５１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ＲＯＭ５０６は、第２副制御部５００の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【００４０】
ＣＰＵ５０４は、所定のタイミングでデータバスを介してＲＯＭ５０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ５１２に送信する。カウンタタイマ５１２は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ４０４に送信する。ＣＰＵ５０４は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ＩＣや各回路を制御する。
【００４１】
また、第２副制御部５００には、シャッタ１６３のモータを駆動する駆動回路５３０を設けており、駆動回路５３０には出力インタフェースを介してシャッタ１６３を設けている。この駆動回路５３０は、ＣＰＵ５０４からの命令に応じてシャッタ１６３に設けたステッピングモータ（図示省略）に駆動信号を出力する。
【００４２】
また、第２副制御部５００には、センサ回路５３２を設けており、センサ回路５３２には入力インタフェースを介してシャッタセンサ５３８を接続している。ＣＰＵ５０４は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ５３８状態を監視している。
【００４３】
また、第２副制御部５００には、ＶＤＰ５３４（ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー）を設けており、このＶＤＰ５３４には、バスを介してＲＯＭ５０６、ＶＲＡＭ５３６が接続されている。ＶＤＰ５３４は、ＣＰＵ５０４からの信号に基づいてＲＯＭ５０６に記憶された画像データ等を読み出し、ＶＲＡＭ５３６のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置１５７に画像を表示する。
【００４４】
＜図柄配列＞
次に、図４を用いて、上述の各リール１１０乃至１１２に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【００４５】
各リール１１０乃至１１２には、同図の右側に示す複数種類（本実施形態では１０種類）の図柄が所定コマ数（本実施形態では、番号０〜２０の２１コマ）だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号０〜２０は、各リール１１０乃至１１２上の図柄の配置位置（図柄位置）を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール１１０の１番の図柄位置には「スイカ２図柄」、中リール１１１の３番の図柄位置には「ベル図柄」、右リール１１２の２番の図柄位置には「リプレイ図柄」、がそれぞれ配置されている。
【００４６】
＜入賞役の種類＞
次に、図５を用いて、スロットマシン１００の入賞役の種類について説明する。なお、同図は、入賞役（作動役を含む）の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出を示す図である。
【００４７】
スロットマシン１００の入賞役には、特別役（特別役１、２）と、小役（小役１〜小役４）と、再遊技役（再遊技役１〜再遊技役３）がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【００４８】
本実施形態における入賞役のうち、特別役１（ビッグボーナス１（ＢＢ１））および特別役２（ビッグボーナス２（ＢＢ２））はビッグボーナス遊技（ＢＢ遊技）に移行する役であり、また、再遊技役１〜再遊技役３は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役であるので、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役１、２および再遊技役１〜再遊技役３が含まれる。なお、以下では、「ビッグボーナス」を単に「ＢＢ」とも称し、特別役１および特別役２をＢＢ役とも称する。
【００４９】
特別役１または特別役２に内部当選すると、この内部当選を示すＢＢ１内部当選フラグまたはＢＢ２内部当選フラグが立つ（主制御部３００のＲＡＭ３０８の所定のエリア内に記憶される）。上記フラグが立つと、主制御部３００は、遊技状態を特別役１または特別役２の内部当選状態に移行させる。ＢＢ１内部当選フラグまたはＢＢ２内部当選フラグが維持されることによって、特別役１または特別役２に内部当選した遊技において特別役１または特別役２に入賞しなかったとしても、次回以降の遊技が特別役１または特別役２に内部当選中となり、特別役１に対応する図柄組合せ、または、特別役２に対応する図柄組合せが、入賞ラインＬ１、または入賞ラインＬ２に揃って（表示されて）入賞する状態にある。主制御部３００は、特別役１または特別役２に対応する図柄組合せが入賞ラインＬ１、または入賞ラインＬ２に表示されたことに基づいて遊技状態をＢＢ遊技状態に移行させる。
【００５０】
「小役（小役１〜小役４）」（以下、単に、「小役１」、「小役２」、「小役３」、「小役４」と称する場合がある）は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、各々の対応する図柄組合せおよび払出枚数は、同図に示す通りである。また、「ＡＮＹ−ＡＮＹ−チェリー」の場合、右リール１１２の入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２に停止される図柄が「チェリー」であればよく、左リール１１０と中リール１１１の入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２に停止される図柄はどの図柄でもよい。なお、小役（小役１〜小役４）の払出枚数は、２枚掛け（ＢＢ遊技状態中）と３枚掛け（通常遊技状態中）で異なっており、カッコ内の枚数は２枚掛け（ＢＢ遊技状態中）の場合を示しており、その上の枚数は３枚掛け（通常遊技状態中）の場合を示している。
【００５１】
「再遊技役（再遊技役１〜再遊技役３）」は、上述のように、入賞により次回の遊技でメダル（遊技媒体）の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役（作動役）であり、メダルの払出は行われない。また、各々の対応する図柄組合せは、同図に示す通りである。なお、上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入（後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定）されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
【００５２】
＜主制御部メイン処理＞
次に、図６を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【００５３】
ステップＳ１０１では、Ｉ／Ｏ３１０の初期化、ＲＡＭ３０８の初期化などを含む初期設定処理を行う。ステップＳ１０２ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ１２０を点灯させ、有効な入賞ラインを確定する。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、このステップＳ１０２では、スタートレバー１３５が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー１３５の操作があれば乱数値生成回路３１６で発生させた乱数を取得した後に、ステップＳ１０３に進む。
【００５４】
ステップＳ１０３では、後述する入賞役内部抽選処理を行い、ステップＳ１０４では、後述するリール演出準備処理を行う。
【００５５】
ステップＳ１０５では、リール停止準備処理を行う。このリール停止準備処理では、ステップＳ１０３の入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択し、次のステップＳ１０６では、後述するリール回転開始処理を行う。
【００５６】
ステップＳ１０７では、全てのリール１１０〜１１２が停止したか否かを判定し、全てのリール１１０〜１１２が停止した場合にはステップＳ１０８に進む。
【００５７】
ステップＳ１０８では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン１１４上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。ステップＳ１０９では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数や遊技状態に応じて払い出す。
【００５８】
ステップＳ１１０では遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、通常遊技、ＢＢ遊技、ＲＢ遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により１ゲームが終了する。以降、ステップＳ１０２〜Ｓ１１０の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【００５９】
＜入賞役内部抽選処理＞
次に、図７を用いて、上述の主制御部メイン処理における入賞役内部抽選処理（ステップＳ１０３）について詳細に説明する。なお、同図は入賞役内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【００６０】
ステップＳ２０１では、上記ステップＳ１０２で取得した乱数を用いて入賞役内部抽選を実行する。ステップＳ２０２では、ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果が上述のＢＢ１であるか否かを判定し、ＢＢ１に内部当選した場合にはステップＳ２０５に進み、そうでない場合にはステップＳ２０３に進む。ステップＳ２０３では、ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果が上述のＢＢ２であるか否かを判定し、ＢＢ２に内部当選した場合にはステップＳ２０４に進み、そうでない場合にはステップＳ２０９に進む。
【００６１】
ステップ２０４では、ＲＡＭ３０８に記憶しているリール演出情報に第３リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進む。ステップＳ２０５では、第２リール演出実行可否抽選を実行し、抽選結果が当選の場合にはステップＳ２０７に進み、抽選結果がはずれの場合にはステップＳ２０８に進む。ステップＳ２０７では、リール演出情報に第２リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進み、ステップＳ２０８では、リール演出情報に第１リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進む。なお、本実施形態では、第２リール演出実行可否抽選の抽選結果が当選の場合にのみリール演出情報に第２リール演出ありの情報を設定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、第１〜第３リール演出ありの情報を設定する各々の条件も、本実施形態で示した例に限定されるものではなく、例えば、遊技状態などに基づいて第１〜第３リール演出ありの情報を設定してもよい。
【００６２】
ステップＳ２０９では、第１副制御部４００に対して内部抽選コマンドを送信する準備を行う。なお、内部抽選コマンドには、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果（内部当選役やはずれ）を示す内部当選情報と、上記ステップＳ２０４、Ｓ２０７、Ｓ２０８で設定したリール演出情報が含まれる。
【００６３】
＜リール演出準備処理＞
次に、図８を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるリール演出準備処理（ステップＳ１０４）について詳細に説明する。なお、同図はリール演出準備処理の流れを示すフローチャートである。
【００６４】
ステップＳ３０１では、上述のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がある場合にはステップＳ３０２に進み、リール演出がない場合には処理を終了する。
【００６５】
ステップＳ３０２では、後述する基準リール決定処理を行い、次のステップＳ３０３では、後述する低速Ｂタイマ設定処理を行い、次のステップＳ３０４では、後述する第１リール演出タイマ設定処理を行う。
【００６６】
ステップＳ３０５では、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選結果が上述のＢＢ１であるか否かを判定し、ＢＢ１に内部当選した場合にはステップＳ３０９に進み、そうでない場合にはステップＳ３０６に進む。ステップＳ３０６では、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選結果が上述のＢＢ２であるか否かを判定し、ＢＢ２に内部当選した場合にはステップＳ３０７に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【００６７】
ステップＳ３０７では、ＲＡＭ３０８に記憶している第２リール演出タイマに第２リール演出タイマ値を設定し、次のステップＳ３０８では、ＲＡＭ３０８に記憶している第３リール演出タイマに第３リール演出タイマ値を設定した後に処理を終了する。
【００６８】
詳細は後述するが、第２リール演出タイマ値は、第１リール演出を開始してから第２リール演出を終了するまでの演出時間に相当するタイマ値であり、例えば、第１リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み２７６０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×２７６０）で、第２リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み３３０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×３３０）である場合には、第２リール演出タイマ値は３０９０（＝２７６０＋３３０）である。
【００６９】
また、第３リール演出タイマ値は、第１リール演出を開始してから第３リール演出を終了するまでの演出時間に相当するタイマ値であり、例えば、第１リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み２７６０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×２７６０）で、第２リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み３３０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×３３０）で、第３リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み７２回分の時間（約１．５０４ｍｓ×７２）である場合には、第３リール演出タイマ値は３１６２（＝２７６０＋３３０＋７２）である。
【００７０】
ステップＳ３０９では、上述のリール演出情報を参照し、第２リール演出ありの情報が設定されているか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ３１０に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップＳ３１０では、上述の第２リール演出タイマに第２リール演出タイマ値を設定した後に処理を終了する。
【００７１】
＜基準リール決定処理＞
次に、図９を用いて、上述のリール演出準備処理における基準リール決定処理（ステップＳ３０２）について詳細に説明する。なお、同図は基準リール決定処理の流れを示すフローチャートである。
【００７２】
ステップＳ４０１では、左リール１１０、中リール１１１、および右リール１１２の目標図柄相対位置までの図柄位置差分（Ｘ：Ｘ＝左は左リール１１０を示し、Ｘ＝中は中リール１１１を示し、Ｘ＝右は右リール１１２を示す）を算出する。ここで、図柄位置差分（Ｘ）は、ステップＳ４０１の実行時に図柄表示窓１１３の中段に表示されている図柄の図柄位置である現在図柄位置（Ｘ）から、任意の目標図柄相対位置（Ｘ）を減算することによって算出する。ただし、減算結果がマイナスの数値になった場合には、２１を加算する。
【００７３】
例えば、目標図柄相対位置（左）が８（図４に示す左リールのセブン２図柄の図柄位置）、目標図柄相対位置（中）が８（図４に示す中リールのセブン１図柄の図柄位置）、目標図柄相対位置（右）が９（図４に示す右リールのベル図柄の図柄位置）に設定され、現在図柄位置（左）が１６、現在図柄位置（中）が１０、現在図柄位置（右）１４である場合には、図柄位置差分（左）が８（＝１６−８）、図柄位置差分（中）が２（＝１０−８）、図柄位置差分（右）が５（＝１４−９）となる。
【００７４】
次に、ステップＳ４０２では、暫定基準左の場合（左リール１１０を基準リールとした場合）の計算結果（左）を取得する。ここで、暫定基準左は、図柄位置差分（中）から図柄位置差分（左）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（右）から図柄位置差分（左）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準左の数値として取得する。
【００７５】
例えば、先の例では、差分Ａが１５（＝２（図柄位置差分（中））−８（図柄位置差分（左））＋２１）、差分Ｂが１８（＝５（図柄位置差分（右））−８（図柄位置差分（左））＋２１）であるから、暫定基準左の数値は、差分Ｂの１８となる。
【００７６】
次に、ステップＳ４０３では、暫定基準中の場合（中リール１１１を基準リールとした場合）の計算結果（中）を取得する。ここで、暫定基準中は、図柄位置差分（左）から図柄位置差分（中）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（右）から図柄位置差分（中）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準中の数値として取得する。
【００７７】
例えば、先の例では、差分Ａが６（＝８（図柄位置差分（左））−２（図柄位置差分（中）））、差分Ｂが３（＝５（図柄位置差分（右））−２（図柄位置差分（中）））であるから、暫定基準中の数値は、差分Ａの６となる。
【００７８】
次に、ステップＳ４０４では、暫定基準右の場合（右リール１１２を基準リールとした場合）の計算結果（右）を取得する。ここで、暫定基準右は、図柄位置差分（左）から図柄位置差分（右）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（中）から図柄位置差分（右）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準右の数値として取得する。
【００７９】
例えば、先の例では、差分Ａが３（＝８（図柄位置差分（左））−５（図柄位置差分（右）））、差分Ｂが１８（＝２（図柄位置差分（中））−５（図柄位置差分（右））＋２１）であるから、暫定基準右の数値は、差分Ｂの１８となる。
【００８０】
ステップＳ４０５では、ステップＳ４０２〜Ｓ４０４で取得した暫定基準左、暫定基準中、暫定基準右の数値のうち、最も小さい数値に対応するリールを基準リールとして選択し、当該情報を、ＲＡＭ３０８に記憶している基準リール情報に記憶する。
【００８１】
例えば、先の例では、暫定基準左の数値が１８、暫定基準中の数値が６、暫定基準右の数値が１８であるから、最も小さい数値に対応する中リール１１１を基準リールとして選択し、基準リール情報に中リール１１１を示す情報を記憶する。
【００８２】
このように、本実施形態では、各リール１１０〜１１２を各々の目標図柄相対位置まで移動させる際に、３つのリール１１０〜１１２の中から、図柄位置の調整時間が最も短くなるリールを基準リールとして選択するように構成しているため、遊技時間が無駄に長くなるようなおそれが少なく、遊技者や遊技店に不利益を与えることがない。
【００８３】
＜低速Ｂタイマ設定処理＞
次に、図１０を用いて、上述のリール演出準備処理における低速Ｂタイマ設定処理（ステップＳ３０３）について詳細に説明する。なお、同図は低速Ｂタイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【００８４】
ステップＳ５０１では、上述の基準リール情報を参照して基準リールを取得した後、各リール１１０〜１１２に対応する図柄位置差分（Ｘ）から、取得した基準リールに対応する図柄位置差分（Ｘ）を減算し、各リール１１０〜１１２に対応する差分値（Ｘ）を算出する。
【００８５】
例えば、先の例では、左リール１１０に対応する図柄位置差分（左）が８で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、左リール１１０に対応する差分値（左）は６（＝８−２）である。また、中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、中リール１１１に対応する差分値（中）は０（＝２−２）である。また、右リール１１２に対応する図柄位置差分（右）が５で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、右リール１１２に対応する差分値（右）は３（＝５−２）である。
【００８６】
ステップＳ５０２では、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間を算出する。ここで、低速Ｂ回転処理時間は、ステップＳ５０１で算出した、各リール１１０〜１１２に対応する差分値（Ｘ）に、定数（本実施形態では、１８０）を乗算して算出する。
【００８７】
例えば、先の例では、左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間は、左リール１１０に対応する差分値（左）６に、定数１８０を乗算して得られる１０８０となる。また、中リール１１１に対応する低速Ｂ回転処理時間は、中リール１１１に対応する差分値（中）０に、定数１８０を乗算して得られる０となる。また、右リール１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間は、右リール１１２に対応する差分値（右）３に、定数１８０を乗算して得られる５４０となる。
【００８８】
ステップＳ５０３では、ステップＳ５０２で算出した低速Ｂ回転処理時間に対応する数値を、各リール１１０〜１１２毎に設けた低速Ｂタイマ（左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ）に設定した後に、処理を終了する。
【００８９】
＜第１リール演出タイマ設定処理＞
次に、図１１を用いて、上述のリール演出準備処理における第１リール演出タイマ設定処理（ステップＳ３０４）について詳細に説明する。なお、同図は第１リール演出タイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【００９０】
ステップＳ６０１では、図柄位置調整の微調整時間を算出する。ここで、微調整時間は、「微調整時間＝（最大低速Ｂ時間（各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間のうち、最大の低速Ｂ回転処理時間）÷３）を２４で割った時の余り」によって算出する。ただし、割り切れなかったときは、「微調整時間＝２４−微調整時間」の計算式によって算出する。例えば、先の例では、微調整時間は、（最大低速Ｂ時間１０８０（左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間）÷３）を２４で割った時の余り０となる。
【００９１】
ステップＳ６０２では、低速Ｂ回転移動図柄を算出する。ここで、低速Ｂ回転移動図柄は、「低速Ｂ回転移動図柄＝（最大低速Ｂ時間÷３）÷２４（小数点以下は切り上げ）」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ｂ回転移動図柄は、１５（＝（最大低速Ｂ時間１０８０÷３）÷２４）となる。
【００９２】
ステップＳ６０３では、低速Ａ回転移動図柄を算出する。ここで、低速Ａ回転移動図柄は、「低速Ａ回転移動図柄＝（最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリールの現在図柄位置−低速Ｂ回転移動図柄）−最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリールの目標図柄相対位置（演算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ａ回転移動図柄は、１４（＝（最大の低速Ｂ回転処理時間を有する左リール１１０の現在図柄位置１６−低速Ｂ回転移動図柄１５）−最大の低速Ｂ回転処理時間を有する左リール１１０の目標図柄相対位置８＋２１）となる。
【００９３】
ステップ６０４では、低速Ａ回転処理時間を算出する。ここで、低速Ａ回転処理時間は、「低速Ａ回転処理時間＝低速Ａ回転移動図柄×２４×５＋微調整時間×５」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ａ回転処理時間は、１６８０（＝低速Ａ回転移動図柄１４×２４×５＋微調整時間０×５）となる。
【００９４】
ステップＳ６０５では、第１リール演出時間を算出する。ここで、第１リール演出時間は、「第１リール演出時間＝低速Ａ回転処理時間＋最大低速Ｂ時間」で算出する。例えば、先の例では、第１リール演出時間は、２７６０（＝低速Ａ回転処理時間１６８０＋最大低速Ｂ時間１０８０）となる。
【００９５】
ステップＳ６０６では、ステップＳ６０５で算出した第１リール演出時間に対応するタイマ値を、第１リール演出タイマに設定した後、処理を終了する。
【００９６】
＜リール回転開始処理＞
次に、図１２を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるリール回転開始処理（ステップＳ１０６）について詳細に説明する。なお、同図はリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【００９７】
ステップＳ７０１では、ＲＡＭ３０８に記憶している遊技時間監視タイマ値を取得し、次のステップＳ７０２では、取得した遊技時間監視タイマ値が０であるか否か（前回の遊技の終了から所定時間（本実施形態では４．１秒）が経過したか否か）を判定し、該当する場合にはステップＳ７０３に進み、該当しない場合にはステップＳ７０１に戻る。
【００９８】
ステップＳ７０３では、遊技時間監視タイマ値に初期値（本実施形態では４．１秒に相当する数値）を再設定し、次のステップＳ７０４では、第１副制御部４００にリール回転開始コマンドを送信する準備を行う。
【００９９】
ステップＳ７０５では、左リール１１０の回転を開始するための設定を行い、ステップＳ７０６では、中リール１１１の回転を開始するための設定を行い、ステップＳ７０７では、右リール１１２の回転を開始するための設定を行う。
【０１００】
ステップＳ７０８では、上述のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がある場合にはステップＳ７０９に進み、リール演出が無い場合にはステップＳ７１０に進む。
【０１０１】
ステップＳ７０９では、ＲＡＭ３０８に設けた回胴制御ステータスをリール演出中に設定した後に、処理を終了する。一方、ステップＳ７１０では、上述の回胴制御ステータスを加速中に設定した後に、加速Ａ共通パラメータ（後述する図２８（ａ）のテーブルで規定されたパラメータ）を取得し、処理を終了する。
【０１０２】
＜主制御部タイマ割込処理＞
次に、図１３を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【０１０３】
主制御部３００は、所定の周期（本実施形態では約１．５０４ｍｓに１回）でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ３１２を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【０１０４】
ステップＳ８０１では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、ＣＰＵ３０４の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップＳ８０２では、ＷＤＴ３１４のカウント値が初期設定値（本実施形態では３２．８ｍｓ）を超えてＷＤＴ割込が発生しないように（処理の異常を検出しないように）、ＷＤＴ３１４を定期的に（本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約１．５０４ｍｓに１回）リスタートを行う。
【０１０５】
ステップＳ８０３では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、Ｉ／Ｏ３１０の入力ポートを介して、各種センサ３１８のセンサ回路３２０の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、ＲＡＭ３０８に各種センサ３１８ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【０１０６】
ステップＳ８０４では、各種遊技処理を行う。この各種遊技処理では、割込みステータスを取得し（各種センサ３１８からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する）、このステータスに従った処理を行う（例えば、取得した各ストップボタン１３７〜１３９の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う）。
【０１０７】
ステップＳ８０５では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、各種タイマを更新（カウントアップまたはカウントダウン）する処理を行う。例えば、上述のリール回転開始処理で遊技時間監視タイマ値が初期化されたことを契機として、初期化された遊技時間監視タイマ値のカウントダウンを行い、遊技時間の計測を行う。
【０１０８】
ステップＳ８０６では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップＳ８０３において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ３１８の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ１７０（メダルセレクタ１７０内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ）、各種ランプ３３８、各種の７セグメント（ＳＥＧ）表示器の設定を行う。
【０１０９】
ステップＳ８０７では、後述するリール制御処理を行う。ステップＳ８０８では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第１副制御部４００に送信される。なお、第１副制御部４００に送信する出力予定情報は本実施形態では１６ビットで構成しており、ビット１５はストローブ情報（オンの場合、データをセットしていることを示す）、ビット１１〜１４はコマンド種別（本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール１１０乃至１１２の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン１３７乃至１３９の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール１１０乃至１１２の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド、エラー発生コマンド１、エラー発生コマンド２、エラー解除コマンド等）、ビット０〜１０はコマンドデータ（コマンド種別に対応する所定の情報）で構成されている。
【０１１０】
第１副制御部４００では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部３００における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【０１１１】
ステップＳ８０９では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、ＲＡＭ３０８に記憶している遊技情報を、情報出力回路３３４を介してスロットマシン１００とは別体の情報入力回路６５２に出力する。
【０１１２】
ステップＳ８１０では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合（電源の遮断を検知した場合）にはステップＳ８１２に進み、低電圧信号がオフの場合（電源の遮断を検知していない場合）にはステップＳ８１１に進む。
【０１１３】
ステップＳ８１１では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップＳ８０１で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する処理等を行う。その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップＳ８１２では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてＲＡＭ３０８の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
【０１１４】
＜リール制御処理＞
次に、図１４を用いて、上述の主制御部タイマ割込処理におけるリール制御処理（ステップＳ８０７）について詳細に説明する。なお、同図はリール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【０１１５】
ステップＳ９０１では、各ストップボタン１３７〜１３９の操作が有効か否か（後述するストップボタン有効情報とストップボタン無効情報のいずれが設定されているか）を判定し、該当する場合（ストップボタン有効情報が設定されている場合）にはステップＳ９０２に進み、該当しない場合（ストップボタン無効情報が設定されている場合）にはステップＳ９０１の処理を実行することなく、ステップＳ９０３に進む。
【０１１６】
次に、各リール１１０〜１１２について、ステップＳ９０３〜Ｓ９０６の処理を行う。具体的には、ステップＳ９０３では、リールのインデックスセンサから出力される信号の状態を検出する処理を行い、ステップＳ９０４では、当該信号の状態に基づいてリール制御情報を生成する。ここで、リール制御情報は、リールを制御するための情報全体を意味しており、上述したリールの状態に関する情報、及びリール制御状態に関する情報も含まれる。
【０１１７】
ステップＳ９０５では、ステップＳ９０４で生成したリール制御情報をもとに、後述するリール回転制御処理を行う。ステップＳ９０６では、ステップＳ９０５のリール回転制御処理の結果に基づいて、上述のリール制御情報を更新した後、処理を終了する。
【０１１８】
＜リール回転制御処理＞
次に、図１５を用いて、上述のリール制御処理におけるリール回転制御処理（ステップＳ９０５）について詳細に説明する。なお、同図はリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【０１１９】
このリール回転制御処理は、リールの回転制御を遊技の進行に応じて順次切り替え制御する処理であり、遊技者の遊技開始操作に伴い、リールの回転を開始してリールを加速させる加速処理及び一定回転速度（一定速）までリールを加速させた後、その速度を維持する定速処理が行われる。また、その後の遊技者の停止操作に伴い、停止操作が行われた時のリールの図柄位置から遊技結果として図柄表示窓１１３に表示させる図柄停止位置までリールの回転を維持する引込制御処理、及び図柄停止位置で停止状態を一定時間維持するブレーキ制御処理を行う。
【０１２０】
具体的には、ステップＳ１００１では、上述の回胴制御ステータスを取得する。ステップＳ１００２では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが停止中であるか否かを判定し、該当する場合には処理を終了し、該当しない場合にはステップＳ１００３に進む。
【０１２１】
ステップＳ１００３では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスがリール演出中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００４に進んで、後述するリール演出処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００５に進む。
【０１２２】
ステップＳ１００５では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが加速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００６に進んで加速処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００７に進む。なお、リールの加速処理については後述する。
【０１２３】
ステップＳ１００７では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが定速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００８に進んで、後述する定速処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００９に進む。
【０１２４】
ステップＳ１００９では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスがブレーキであるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１０１０に進んでブレーキ処理（リールを停止させる処理）を行い、該当しない場合にはステップＳ１０１１に進む。ステップＳ１０１１では、引込み処理を実行した後に、処理を終了する。
【０１２５】
＜定速処理＞
次に、図１６を用いて、上述のリール回転制御処理における定速処理（ステップＳ１００８）について詳細に説明する。なお、同図は定速処理の流れを示すフローチャートである。
【０１２６】
ステップＳ１１０１では、ＲＡＭ３０８に記憶している図柄番号カウンタを１つ減算し、次のステップＳ１１０２では、図柄番号カウンタが０であるか否かを判定し、０の場合にはステップＳ１１０３に進み、０でない場合にはステップＳ１１１０に進む。
【０１２７】
ここで、図柄番号カウンタは、基準位置である図柄表示窓１１３の中段に位置する図柄を記憶するためのカウンタであり、例えば、左リール１１０に関しては、左リール１１０の図柄列の下端のリプレイ図柄が、基準位置であるインデックスセンサが遮光片を通過した時を起点としてカウントを開始する。各図柄とカウント値とは予め対応付けられており、主制御部３００は、リール停止時の図柄番号カウンタから図柄表示窓１１３に停止表示されている図柄を特定し、入賞判定を行うことができる。
【０１２８】
また、本実施形態では図柄番号カウンタとは別に、図柄間隔カウンタを設けている。この図柄間隔カウンタは、１図柄あたりの駆動パルス数であり、本実施形態では、後述する図２４（ａ）に示すように、図柄間隔カウンタは、１図柄につき２４パルスに設定している（２１図柄で５０４パルス）。主制御部３００は、予め図柄番号カウンタに応じたパルス数を図柄間隔カウンタに設定し、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動モータに向けて駆動パルスを出力するごとに１減算し、図柄間隔カウンタの値が０になったときに図柄番号カウンタを１つ更新するようにしている。
【０１２９】
ステップＳ１１０３では、リールのインデックスセンサの検出結果を取得し、次のステップＳ１１０４では、インデックスセンサの検出があったかどうかを判定し、検出があった場合にはステップＳ１１０５に進み、検出が無かった場合にはステップＳ１１１０に進む。ここで、インデックスセンサの検出結果は、図柄番号カウンタの値が０で図柄間隔カウンタ値が０の位置に設けられた遮光片の通過を検出したときに、検出ありとされ、図柄番号カウンタに２０、図柄間隔カウンタに２４を設定する。
【０１３０】
ステップＳ１１０５では、スタートレバー１３５センサの検出結果を取得し、次のステップＳ１１０６では、スタートレバー１３５センサの検出があったかどうかを判定し、検出があった場合にはステップＳ１１０７に進み、検出が無かった場合にはステップＳ１１０８に進む。
【０１３１】
ステップＳ１１０７では、ＲＡＭ３０８に記憶しているストップボタン情報に、ストップボタン有効情報を設定し、ステップＳ１１０８では、上述のストップボタン情報に、ストップボタン無効情報を設定する。
【０１３２】
ステップＳ１１０９では、ＲＡＭ３０８に記憶しているストップボタンＬＥＤ情報（ストップボタン１３７〜１３９に対応して設けられたＬＥＤを制御するための制御情報）を更新した後、ステップＳ１１１０に進む。ステップＳ１１１０では、その他の処理を行った後に、処理を終了する。
【０１３３】
＜リール演出処理＞
次に、図１７を用いて、上述のリール回転制御処理におけるリール演出処理（ステップＳ１００８）について詳細に説明する。なお、同図はリール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【０１３４】
ステップＳ１２０１では、リール演出用の各タイマの減算処理を行う。具体的には、上述の、左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ、第１リール演出タイマ、第１リール演出タイマ、第２リール演出タイマ、または第３リール演出タイマの値が０より大きい場合に、該当するタイマの値を１つ減算する処理を行う。
【０１３５】
ステップＳ１２０２では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）用低速Ｂタイマが０であるか否か、すなわち、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間が経過したか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１２０３に進み、該当しない場合にはステップＳ１２０４に進む。
【０１３６】
ステップＳ１２０３では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の低速Ｂ回転処理を行う。この低速Ｂ回転処理では、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動装置３２２に対し、主制御部タイマ割込処理を所定回数（本実施形態では３回）実行する毎に、各リール１１０〜１１２の駆動モータの励磁切替えを指示する制御信号を１パルス送信する。
【０１３７】
ステップＳ１２０４では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の低速Ａ回転処理を行う。この低速Ａ回転処理では、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動装置３２２に対し、主制御部タイマ割込処理を所定回数（本実施形態では５回）実行する毎に、各リール１１０〜１１２の駆動モータの励磁切替えを指示する制御信号を１パルス送信する。
【０１３８】
ステップＳ１２０５では、第１リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第１リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０６に進み、第１リール演出タイマ値が０でない場合には処理を終了する。
【０１３９】
ステップＳ１２０６では、第２リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第２リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０８に進み、第２リール演出タイマ値が０でない場合にはステップＳ１２０７に進む。ステップＳ１２０７では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の振動回転処理を行う。この振動回転処理では、振動パラメータに基づいて、処理の対象となるリールを所定量だけ正方向に回転させた後に、所定量だけ逆方向に回転させる制御を繰り返すことによって、リールを振動させる（詳細は後述する）。
【０１４０】
ステップＳ１２０８では、第３リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第３リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０９に進み、第３リール演出タイマ値が０でない場合にはステップＳ１２１２に進む。
【０１４１】
ステップＳ１２０９では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の停止処理を行う。また、次のステップＳ１２１０では、回胴制御ステータスを加速中に設定し、ステップＳ１２１１では、各リール１１０〜１１２毎に定められた加速Ｂ（Ｘ）パラメータ（後述する図２８（ａ）〜（ｃ）のテーブルに規定されたパラメータ）を取得して処理を終了する。なお、本実施形態では、予め異なるパラメータを規定したテーブルを用いているが、例えば、乱数値に基づいてパラメータをランダムに取得するように構成してもよい。
【０１４２】
ステップＳ１２１２では、Ｘリール（処理対象のリール）が右リール１１２であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１２１３に進んでＸリールの低速Ｂ回転処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１２１４に進んでＸリールの停止処理を行う。
【０１４３】
＜第１副制御部４００の処理＞
次に、図１８を用いて、第１副制御部４００の処理について説明する。なお、同図（ａ）は、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図（ｂ）はコマンド入力処理のフローチャートである。また、同図（ｃ）は、第１副制御部４００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図（ｄ）は、第１副制御部４００のタイマ割込処理のフローチャートである。
【０１４４】
スロットマシン１００に電源が投入され、第１副制御部４００に電源が供給されると、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４にて、同図（ａ）に示すメイン処理が実行される。
【０１４５】
まず、ステップＳ１３０１では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、ＲＡＭ４０８内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップ１３０２では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、ステップＳ１３０３の処理に移行する。ステップＳ１３０３では、タイマ変数に０を代入する。
【０１４６】
ステップＳ１３０４では、コマンド入力処理を行う。このコマンド処理では、同図（ｂ）に示すように、ステップＳ１４０１で、後述するコマンド記憶領域を参照し、主制御部３００から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか無いかを判定し、未処理のコマンドがある場合に、ステップＳ１４０２において、コマンドに応じた各種の処理を行う。
【０１４７】
ステップＳ１３０５では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップＳ１３０４で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出指示情報をＲＡＭ４０８から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【０１４８】
ステップＳ１３０６では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいて音制御処理を行う。この音制御処理では、例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に音源ＩＣ４１８への命令がある場合には、この命令を音源ＩＣ４１８に出力する。
【０１４９】
ステップＳ１３０７では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に各種ランプ４２０への命令がある場合には、この命令を駆動回路４２２に出力する。
【０１５０】
ステップＳ１３０８では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいて第２副制御部５００に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に第２副制御部５００に送信する制御コマンドがある場合（演出画像表示装置１５７に関する情報などがある場合）には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップＳ１３０２に戻る。
【０１５１】
次に、同図（ｃ）を用いて、第１副制御部４００のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第１副制御部４００が、主制御部３００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ１５０１では、主制御部３００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ４０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【０１５２】
次に、同図（ｄ）を用いて、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４によって実行する第１副制御部タイマ割込処理について説明する。第１副制御部４００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【０１５３】
ステップＳ１６０１では、同図（ａ）に示す第１副制御部メイン処理におけるステップＳ１３０２において説明したＲＡＭ４０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップＳ１３０２において、タイマ変数の値が１０以上と判定されるのは２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。また、ステップ１６０２では、ステップＳ１３０８で設定された第２副制御部５００への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【０１５４】
＜内部当選コマンド受付時処理＞
次に、図１９を用いて、上述のコマンド入力処理のステップＳ１４０２の処理の一つである内部当選コマンド受付時処理について詳細に説明する。なお、同図は内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【０１５５】
この内部当選コマンド受付処理は、主制御部３００から、上述の内部抽選コマンドを受信した場合に実行する処理である。具体的には、ステップＳ１７０１では、内部抽選コマンドに含まれる内部当選情報を、ＲＡＭ４０８に記憶している内部当選情報に記憶して内部当選情報を最新の情報に更新する。
【０１５６】
ステップＳ１７０２では、内部抽選コマンドに含まれるリール演出情報を、ＲＡＭ４０８に記憶しているリール演出情報に記憶してリール演出情報を最新の情報に更新する。ステップＳ１７０３では、最新のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がない場合にはステップＳ１７０４に進み、リール演出がある場合にはステップＳ１７０６に進む。
【０１５７】
ステップＳ１７０４では、演出抽選を実行し、次のステップＳ１７０５では、当該演出抽選の抽選結果に応じて、演出の演出情報を設定して処理を終了する。
【０１５８】
ステップ１７０６では、各リール演出に応じた演出情報を設定して処理を終了する。例えば、第１リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１リール演出に対応する演出を行い、第２リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１〜第２リール演出に対応する演出を行い、第３リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１〜第３リール演出に対応する演出を行う。
【０１５９】
＜第２副制御部５００の処理＞
次に、図２０を用いて、第２副制御部５００の処理について説明する。なお、同図（ａ）は、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行するメイン処理のフローチャートである。同図（ｂ）は、第２副制御部５００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図（ｃ）は、第２副制御部５００のタイマ割込処理のフローチャートである。同図（ｄ）は、第２副制御部５００の画像制御処理のフローチャートである。
【０１６０】
スロットマシン１００に電源が投入され、第２副制御部５００に電源が供給されると、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４にて、同図（ａ）に示すメイン処理が実行される。
【０１６１】
ステップＳ１８０１では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポート初期設定や、ＲＡＭ５０８内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップＳ１８０２では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、ステップＳ１８０３の処理に移行する。
【０１６２】
ステップＳ１８０３では、タイマ変数に０を代入する。ステップＳ１８０４では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４からコマンドを受信したか否かを判別する。
【０１６３】
ステップＳ１８０５では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップＳ１８０４で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをＲＯＭ５０６から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【０１６４】
ステップＳ１８０６では、ステップＳ１８０５の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップＳ１８０５で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【０１６５】
ステップＳ１８０７では、ステップＳ１８０５の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップＳ１８０５で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い（詳細は後述する）、ステップＳ１８０２に戻る。
【０１６６】
次に、同図（ｂ）を用いて、第２副制御部５００のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第２副制御部５００が、第１副制御部４００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ１９０１では、第１副制御部４００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ５０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【０１６７】
次に、同図（ｃ）を用いて、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４によって実行する第２副制御部タイマ割込処理について説明する。第２副制御部５００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【０１６８】
ステップＳ２００１では、第２副制御部メイン処理におけるステップＳ１８０２において説明したＲＡＭ５０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップＳ１８０２において、タイマ変数の値が１０以上と判定されるのは２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。ステップＳ２００２では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【０１６９】
次に、同図（ｄ）を用いて、第２副制御部５００のメイン処理におけるステップＳ１８０７の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【０１７０】
ステップＳ２１０１では、画像データの転送指示を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、まず、ＶＲＡＭ５３６の表示領域Ａと表示領域Ｂの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された１フレームの画像が演出画像表示装置１５７に表示される。次に、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてＲＯＭ座標（ＲＯＭ５０６の転送元アドレス）、ＶＲＡＭ座標（ＶＲＡＭ５３６の転送先アドレス）などを設定した後、ＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。ＶＤＰ５３４は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６に転送する。その後、ＶＤＰ５３４は、転送終了割込信号をＣＰＵ５０４に対して出力する。
【０１７１】
ステップＳ２１０２では、ＶＤＰ５３４からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップＳ２１０３に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップＳ２１０３では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、ステップＳ２１０１でＶＲＡＭ５３６に転送した画像データに基づいてＶＲＡＭ５３６の表示領域ＡまたはＢに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報（ＶＲＡＭ５３６の座標軸、画像サイズ、ＶＲＡＭ座標（配置座標）など）をＶＤＰ５３４に指示する。ＶＤＰ５３４はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【０１７２】
ステップＳ２１０４では、描画指示を行う。この描画指示では、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４に画像の描画開始を指示する。ＶＤＰ５３４は、ＣＰＵ５０４の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【０１７３】
ステップＳ２１０５では、画像の描画終了に基づくＶＤＰ５３４からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップＳ２１０６に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップＳ２１０６では、ＲＡＭ５０８の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント（＋１）して処理を終了する。
【０１７４】
＜リール演出の概要＞
次に、図２１を用いて、リール演出の概要について詳細に説明する。なお、同図は、リール演出と、当該演出後におけるリール制御のタイムチャートの一例を示した図である。
【０１７５】
＜リール演出／入賞役内部抽選処理＞
例えば、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理の入賞役内部抽選処理（上記ステップＳ１０３）において、ＢＢ２に当選したと判定した場合（上記ステップＳ２０３のＹｅｓ）には、上記ステップＳ２０４において、リール演出情報に、第３リール演出ありの情報を設定する。また、主制御部３００は、上記ステップＳ２０９において、第１副制御部４００に対し、入賞役内部抽選の抽選結果がＢＢ２であることを示す内部当選情報と、リール演出情報が第３リール演出ありであることを示す情報を含む内部抽選コマンドを送信する準備を行う。
【０１７６】
＜リール演出／リール準備処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理のリール演出準備処理（上記ステップＳ１０４）において、リール演出ありと判定し（上記ステップＳ３０１のＹｅｓ）、上記ステップＳ３０２において基準リール決定処理を行う。
【０１７７】
ここで、左リール１１０を停止させる目標図柄相対位置（左）が８（図４に示す左リールのセブン２図柄の図柄位置）、中リール１１１を停止させる目標図柄相対位置（中）が８（図４に示す中リールのセブン１図柄の図柄位置）、右リール１１２を停止させる目標図柄相対位置（右）が９（図４に示す右リールのベル図柄の図柄位置）に設定され、左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図４に示す左リールのリプレイ図柄の図柄位置）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図４に示す中リールのリプレイ図柄の図柄位置）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図４に示す右リールのスイカ１図柄の図柄位置）の場合を一例として説明することとする。
【０１７８】
基準リール決定処理では、３つのリール１１０〜１１２の中から基準となるリールを選択するが、この例では、上述のとおり、上記ステップ４０２で取得する暫定基準左の数値が１８、上記ステップ４０３で取得する暫定基準中の数値が６、上記ステップ４０で取得する暫定基準右の数値が１８であるから、暫定基準（Ｘ）が最も小さい数値に対応する中リール１１１を基準リールとして選択し、上記ステップＳ４０５において、基準リール情報に中リール１１１を示す情報を記憶する。
【０１７９】
続いて、主制御部３００は、上述の低速Ｂタイマ設定処理（上記ステップＳ３０３）を行うが、この例では、上述のとおり、左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間は、主制御部タイマ割込１０８０回分（１６３２．３２ｍｓ）、中リール１１１に対応する低速Ｂ回転処理時間は０ｍｓ、右リール１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間は主制御部タイマ割込５４０回分（８１２．１６ｍｓ）となる。
【０１８０】
続いて、主制御部３００は、第１リール演出タイマ設定処理（上記ステップＳ３０４）を行うが、この例では、上述のとおり、最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリール（この例では、左リール１１０）に対応する低速Ａ回転処理時間は主制御部タイマ割込１６８０回分（２５２６．７２ｍｓ）、第１リール演出時間は主制御部タイマ割込２７６０回分（＝低速Ａ回転処理時間２５２６．７２ｍｓ＋最大低速Ｂ回転処理時間１６２４．３２ｍｓ）となる。したがって、中リール１１０の低速Ａ回転処理時間は４１５１．０４ｍｓ（＝第１リール演出時間４１５１．０４ｍｓ−中リール１１１の低速Ｂ回転処理時間０ｍｓ）、右リール１１２の低速Ａ回転処理時間は３３３８．８８ｍｓ（＝第１リール演出時間４１５１．０４ｍｓ−右リール１１２の低速Ｂ回転処理時間８１２．１６ｍｓ）となる。また、主制御部３００は、上記ステップ６０６において、算出した第１リール演出時間に対応するタイマ値を、第１リール演出タイマに設定する。
【０１８１】
続いて、主制御部３００は、上記ステップＳ３０６において、ＢＢ２当選ゲームであると判定し、上記ステップＳ３０７〜Ｓ３０８において、第２リール演出タイマ値と第３リール演出タイマ値を設定する。この例では、第２リール演出タイマ値には、４９８．３２ｍｓに相当する数値を設定し、第３リール演出タイマ値には、１０８．２８８ｍｓに相当する数値を設定する。
【０１８２】
＜リール演出／リール回転開始処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理のリール回転開始処理（上記ステップＳ１０６）において、各リール１１０〜１１２の回転を開始させる準備を行った後（上記ステップＳ７０１〜Ｓ７０７）、リール演出ありと判定し（上記ステップＳ７０８のＹｅｓ）、回胴制御ステータスをリール演出中に設定する。
【０１８３】
＜リール演出／リール回転制御処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部タイマ割込処理のリール制御処理（上記ステップＳ８０７）において、リール回転制御処理（上記ステップＳ９０５）を行う。このリール回転制御処理では、上記ステップＳ１００１において回胴制御ステータスを取得するが、この例では、回胴制御ステータスがリール演出中に設定されているため、ステップＳ１００４のリール演出処理を行う。
【０１８４】
＜リール演出／リール演出処理＞
続いて、主制御部３００は、上述のリール演出処理のステップＳ１２０１において、左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ、第１リール演出タイマ、第１リール演出タイマ、第２リール演出タイマ、または第３リール演出タイマの値が０より大きい場合に、該当するタイマの値を１つ減算する処理を行う。
【０１８５】
続いて、主制御部３００は、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）用低速Ｂタイマが０の場合、すなわち、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間が経過した場合に、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の回転処理を、低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替える。この例では、左リール１１０は、回転開始から低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１０８０回分（約１６４２．３２ｍｓ）が経過した場合に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替え、中リール１１０は、低速Ｂ回転処理時間が０ｍｓのため、回転開始と同時に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替え、右リール１１２は、回転開始から低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込５４０回分（約８１２．１６０ｍｓ）が経過した場合に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替える。なお、第１リール演出の詳細については後述する。
【０１８６】
続いて、主制御部３００は、第１リール演出タイマ値が０になるまで（第１リール演出時間が経過するまで）低速Ｂ回転処理または低速Ａ回転処理を行い、第１リール演出タイマ値が０になったと判定した場合（第１リール演出時間が経過した場合）に、第２リール演出（本実施形態では、振動回転処理）を開始する。この例では、第１リール演出時間が主制御部タイマ割込２７６０回分（約４１５１．０４ｍｓ）であるため、リール１１０〜１１２の回転開始から約４１５１．０４ｍｓ経過後に、上記ステップＳ１２０７において、第２リール演出（振動回転処理）を開始する。なお、第２リール演出の詳細については後述する。
【０１８７】
続いて、主制御部３００は、第２リール演出タイマ値が０になるまで（第２リール演出時間が経過するまで）第２リール演出（振動回転処理）を行い、第２リール演出タイマ値が０になったと判定した場合（第２リール演出時間が経過した場合）に、第３リール演出を開始する。この例では、第２リール演出時間が主制御部タイマ割込３３０回分（約４９８．３２ｍｓ）であるため、リール１１０〜１１２の回転開始から４６４９．３６ｍｓ（＝４１５１．０４ｍｓ＋４９８．３２ｍｓ）経過後に、上記ステップＳ１２１２〜Ｓ１２１４において、第３リール演出（右リール１１２の低速Ｂ回転処理と、左リール１１０および中リール１１１の停止処理）を開始する。なお、第３リール演出の詳細については後述する。
【０１８８】
＜第１リール演出＞
次に、第１リール演出について詳細に説明する。図２２（ａ）は第１リール演出の一例を示した図であり、図２３は、第１リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０１８９】
図２２（ａ）の最上段および図２３の経過時間０ｍｓの行に示すように、第１リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図柄位置１６のリプレイ図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図柄位置１０のリプレイ図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図柄位置１４のスイカ１図柄が中段）である。
【０１９０】
一方、図２２（ａ）の最下段および図２３の経過時間４１５１．０４ｍｓの行に示すように、第１リール演出の終了後は、左リール１１０を停止させる目標図柄相対位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄）、中リール１１１を停止させる目標図柄相対位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄）、右リール１１２を停止させる目標図柄相対位置（右）が９（図柄位置９のベル図柄）に設定されている。
【０１９１】
ここで、第１リール演出の期間は、「図柄位置調整区間」と「シングル揃い表示までの区間」の２つの区間に分類することができる。
【０１９２】
＜第１リール演出／図柄位置調整区間＞
図柄位置調整区間とは、基準リール（この例では、中リール１１１）の回転速度に対して、他のリール（この例では、左リール１１０と右リール１１２）の回転速度を調整し、図柄位置調整区間後に、各リール１１０〜１１２の図柄位置が所定の図柄位置（この例では、左リール１１０の図柄位置が１、中リール１１１の図柄位置が１、右リール１１２の図柄位置が２）になるように調整する区間である。
【０１９３】
具体的には、基準リールである中リール１１１を、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込２７６０回分（約４１５１．０４ｍｓ）だけ回転させる。また、左リール１１０を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１０８０回分（約１６４２．３２ｍｓ）だけ回転させた後に、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１６８０回分（約２５２６．７２ｍｓ）だけ回転させる。また、右リール１１２を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込５４０回分（約８１２．１６ｍｓ）だけ回転させた後に、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込２２２０回分（約３３３８．８８ｍｓ）だけ回転させる。
【０１９４】
図２４（ａ）は各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置との関係を示した図であり、同図（ｂ）は各リール１１０〜１１２を低速Ａと低速Ｂで回転させたときのパルス数の変化を示した図である。
【０１９５】
各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置は、同図（ａ）に示すような関係があり、図柄位置を１つ進めるためには、パルス位置を２４進める必要がある。例えば、図柄位置を０から１に進めるためには、パルス位置を２４進めて０から２４にする必要があるため、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度でリールを回転させる場合には、同図（ｂ）に示すように、リールを主制御部タイマ割込１２０回分（約１８０．４８ｍｓ）だけ回転させる必要がある。
【０１９６】
一方、低速Ａよりも速い低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度でリールを回転させた場合には、同図（ｂ）に示すように、低速Ａと同じ時間だけ回転させたときにはパルス位置が４０進む。また、低速Ｂでリールを主制御部タイマ割込１８０回分（約２７０．７２ｍｓ）だけ回転させたときにはパルス位置が６０進み、このとき、低速Ａで回転させた場合と低速Ｂで回転させた場合とでパルス位置の差が２４（１図柄分）となり、低速Ｂで回転させているリールが、低速Ａで回転させているリールに比べ、１図柄分だけ進むことになる。すなわち、第１のリールの図柄位置に対して第２のリールの図柄位置を１つだけ進めたい場合には、第１のリールを低速Ａで回転させると同時に、第２のリールを低速Ｂで回転させれば、主制御部タイマ割込１８０回分（約２７０．７２ｍｓ）の時間が経過したときに、両者の図柄位置を１図柄分だけずらすことができる。
【０１９７】
本実施形態では、図２３に示すように、図柄位置調整区間において、左リール１１０の図柄位置（中段）を１６から１に、中リール１１１の図柄位置（中段）を１０から１に、右リール１１２の図柄位置（中段）を１４から２に、それぞれ調整する。
【０１９８】
＜第１リール演出／シングル揃い表示までの区間＞
また、シングル揃い表示までの区間とは、上述の図柄位置調整区間後からシングル揃いまでの区間のことである。ここで、シングル揃いとは、上述の右下がり入賞ラインＬ１、または右上がり入賞ラインＬ２に、特定の入賞役に対応する図柄組合せ（この例では、ＢＢ２に対応する「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン２図柄」の組み合わせ）が停止表示されることである。
【０１９９】
本実施形態では、シングル揃い表示までの区間において、全てのリール１１０〜１１２を低速Ｂ（同じ速度）で回転させることにより、左リール１１０の図柄位置（中段）を１から８に、中リール１１１の図柄位置（中段）を１から８に、右リール１１２の図柄位置（中段）を２から９に、それぞれ調整する。これにより、左リール１１０は目標図柄相対位置（左）の８（図柄位置８のセブン２図柄）で停止され、中リール１１１は目標図柄相対位置（中）の８（図柄位置８のセブン１図柄）で停止され、右リール１１２は目標図柄相対位置（右）の９（図柄位置９のベル図柄）で停止される。
【０２００】
なお、ここでは、第１リール演出の開始直前の左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図柄位置１６のリプレイ図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図柄位置１０のリプレイ図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図柄位置１４のスイカ１図柄が中段）である場合の例を示したが、例えば、図２５に示すように、第１リール演出の開始直前の左リール１１０の現在図柄位置（左）が１５（図柄位置１５のベル図柄が中段）の場合も、リール制御の基本原理は同じである。
【０２０１】
すなわち、図柄位置調整区間では、基準リール（この例では、中リール１１１）の回転速度に対して、他のリール（この例では、左リール１１０と右リール１１２）の回転速度を調整し、図柄位置調整区間後に、各リール１１０〜１１２の図柄位置が所定の図柄位置（この例では、左リール１１０の図柄位置が２．５（図柄位置２と３の中間位置）、中リール１１１の図柄位置が２．５（図柄位置２と３の中間位置）（図柄位置２と３の中間位置）、右リール１１２の図柄位置が３．５（図柄位置３と４の中間位置））になるように調整する。
【０２０２】
また、シングル揃い表示までの区間において、全てのリール１１０〜１１２を低速Ｂで回転させることにより、左リール１１０の図柄位置（中段）を２．５から８に、中リール１１１の図柄位置（中段）を２．５から８に、右リール１１２の図柄位置（中段）を３．５から９に、それぞれ調整する。これにより、左リール１１０は目標図柄相対位置（左）の８（図柄位置８のセブン２図柄）で停止され、中リール１１１は目標図柄相対位置（中）の８（図柄位置８のセブン１図柄）で停止され、右リール１１２は目標図柄相対位置（右）の９（図柄位置９のベル図柄）で停止される。
【０２０３】
＜第２リール演出＞
次に、第２リール演出について詳細に説明する。図２２（ｂ）は第２リール演出の一例を示した図であり、図２６（ａ）は、第２リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０２０４】
図２２（ｂ）の最上段および図２６（ａ）の経過時間０ｍｓの行に示すように、第２リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２０５】
第２リール演出では、上述の振動回転処理によって、リール１１０〜１１２を正方向に所定パルス分（この例では、２パルス分、主制御部タイマ割込６回分）回転させる正方向回転と、リール１１０〜１１２を逆方向に所定パルス分（この例では、２パルス分、主制御部タイマ割込６回分）回転させて元の図柄位置に戻す逆方向回転と、を１セットの振動とし、この１セットの振動を所定時間（この例では、主制御部タイマ割込３３０回分（約４９８．３２ｍｓ））だけ繰り返す制御を行う。このようなリールの制御により、図２２（ｂ）に示すように、図柄表示窓１１３に表示されている９つの図柄が上下方向に僅かに揺れ動くような演出が行われる。
【０２０６】
＜第３リール演出＞
次に、第３リール演出について詳細に説明する。図２７（ａ）は第３リール演出の一例を示した図であり、図２６（ｂ）は、第３リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０２０７】
図２７（ａ）の最上段および図２６（ｂ）の経過時間０ｍｓの行に示すように、第３リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２０８】
第３リール演出では、左リール１１０および中リール１１１を停止させたままの状態で、右リール１１２を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込７２回分（約１０８．２８８ｍｓ）だけ回転させる。これにより、図２７（ａ）の最下段および図２６（ｂ）の経過時間１０８．２８８ｍｓの行に示すように、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）となり、入賞ラインＬ２にＢＢ１に対応する「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン１図柄」の図柄組合せが表示される。
【０２０９】
＜リールの加速処理と定速処理＞
次に、リールの加速処理と定速処理について詳細に説明する。図２７（ｂ）はリールの加速処理と定速処理を行ったときの図柄表示窓１１３の態様の一例を示した図であり、図２８は、加速処理に用いる加速パラメータの一例を示した図である。
【０２１０】
この加速処理の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２１１】
この加速処理では、図２８に示すような加速パラメータのテーブルを参照し、パラメータの項目で示される回数分の主制御タイマ割込みを実行するごとに、パルス位置を１進める処理を実行する。具体的には、左リール１１０の加速処理を行う場合には、同図（ａ）のテーブルを参照し、１１回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１６．５４４ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１１）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、６回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（９．０２４ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×６）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、４４回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（６６．１７６ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×４４）経過するまでに）、パルス位置を１８進める処理を行う。
【０２１２】
また、中リール１１１の加速処理を行う場合には、同図（ｂ）のテーブルを参照し、２２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（３３．０８８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×２２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、１２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１８．０４８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、９２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１３８．３６８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×９２）経過するまでに）、パルス位置を２４進める処理を行う。
【０２１３】
また、右リール１１２の加速処理を行う場合には、同図（ｃ）のテーブルを参照し、２２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（３３．０８８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×２２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、１２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１８．０４８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、１４０回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（２１０．５６ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１４０）経過するまでに）、パルス位置を３２進める処理を行う。
【０２１４】
また、これらの加速処理が終了した後は、定速処理を行う。この定速処理では、図２９に示すように、所定回数（この例では１回）分の主制御タイマ割込みを実行するごとに、パルス位置を１進める処理を実行する。具体的には、本実施形態では、左リール１１０の低速処理では、１回分の主制御タイマ割込みを実行するごとにパルス位置を１進める処理を、主制御タイマ割込み９６回分行い、中リール１１１の低速処理では、１回分の主制御タイマ割込みを実行するごとにパルス位置を１進める処理を、主制御タイマ割込み４８回分行い、右リール１１２は定速処理を行わない。そして、これらの加速処理と定速処理が終わった後に、リール演出開始時に無効状態としていたストップボタン１３７〜１３９の停止操作を有効状態に変更し、ストップボタン１３７〜１３９によるリール１１０〜１１２の停止を可能とする。
【０２１５】
図２９は、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの各リール１１０〜１１２の図柄位置のずれ（差）を示した図である。左リール１１０は、加速処理でパルス位置が１８進み、定速処理でパルス位置が９６進むため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、４．７５（＝（１８＋９６）／２４）図柄分だけ回転することになる。また、中リール１１１は、加速処理でパルス位置が２４進み、定速処理でパルス位置が４８進むため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、３（＝（２４＋４８）／２４）図柄分だけ回転することになる。右リール１１２は、加速処理でパルス位置が３２進み、定速処理ではパルス位置は変わらないため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、１．３３（＝（３２＋０）／２４）図柄分だけ回転することになる。
【０２１６】
よって、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの左リール１１０と中リール１１１の図柄位置のずれは１．７５（＝４．７５−３）図柄分となり、左リール１１０における図柄位置９のセブン１図柄と、中リール１１１における図柄位置８のセブン１図柄の間には、１．７５図柄分のずれが生成され、セブン１図柄が入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２上に（直線上に）揃わないように構成している。このように、特定の入賞役に対応する図柄組合せ（この例では、ＢＢ２に対応する図柄組合せ「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン２図柄」）を構成する図柄の間隔が整数倍の図柄（１図柄や２図柄）にならないように設定することにより、特定の入賞役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃ってしまい、遊技者に誤解を与えるようなことを未然に防止できる場合がある。
【０２１７】
また、この例では、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに進める図柄位置を、左リール１１０が４．７５図柄、右リール１１２が１．３３図柄としており、整数倍の図柄位置にならないように（入賞ライン上に表示されないように）しているため、特定の入賞役に対応する図柄が入賞ライン上に表示されてしまい、遊技者に誤解を与えるようなことを未然に防止できる場合がある。
【０２１８】
＜変形例＞
図３０は変形例に係るリール演出処理の流れを示すフローチャートであり、図３１は変形例に係るリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、上記実施形態と同一の部分については、図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略する。
【０２１９】
変形例に係るリール演出処理ステップＳ２５１０では、全てのリール１１０〜１１２の共通の処理として、加速Ａ共通パラメータ（例えば、上記図２８（ａ）のパラメータ）を取得し、次のステップＳ２５１１では、ＲＡＭ３０８に記憶している加速開始遅延タイマに、各リール１１０〜１１２ごとに規定された加速開始遅延時間を設定する。
【０２２０】
一方、変形例に係るリール回転制御処理のステップＳ２６０３では、制御対象のリールに対応する加速開始遅延タイマの値を取得し、ステップＳ２６０４では、加速遅延タイマの値が０の場合、すなわち、各リール１１０〜１１２ごとに規定された加速開始遅延時間が経過した場合に、以降の処理を実行する。また、ステップＳ２６０６の加速処理では、上記ステップＳ２５１０で取得した加速Ａ共通パラメータを用いて、各リール１１０〜１１２で共通の加速処理を行う。
【０２２１】
この変形例では、共通の制御データを用いて各リール１１０〜１１２の加速処理を行うことができるため、制御負担を軽減し、かつ記憶容量を削減することができる。
【０２２２】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン１００は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール（例えば、リール１１０〜１１２）と、前記リールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段（例えば、スタートレバー１３５）と、前記リールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段（例えば、ストップボタン１３７〜１３９）と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段（例えば、入賞役内部抽選処理）と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記リールの各々を停止させる制御を行うリール停止制御手段（例えば、リール制御処理）と、前記リール停止制御手段による停止結果に基づいて、通常遊技よりも有利度合いの高い特典遊技を設定する遊技設定手段（例えば、遊技状態制御処理）と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄（例えば、セブン１図柄）がすくなくとも１つ施され、前記停止操作がされていない非停止（回転中）のリールが複数あり、該非停止のリールに対する停止操作の受付けが許諾されない受付無効中（例えば、図２１において「停止ボタン無効中」で示す期間）において、前記非停止のリールを、前記特定の図柄が直線上（例えば、入賞ラインＬ１、Ｌ２上）に並んでいない第一の状態（例えば、図２２（ａ）の最上段に示す状態）から直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態（例えば、図２７（ａ）の最下段に示す状態）とさせるリール演出処理を行うリール演出処理手段（例えば、リール演出処理）と、前記リール演出処理が終了したのち、前記非停止のリールの各々の回転速度を予め定めた一定速として維持させるリール回転処理を行うリール回転処理手段（例えば、加速処理や定速処理）と、前記リール回転処理により前記非停止のリールが一定速で維持されたことに基づいて、該非停止のリールに対する停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾手段と、を備え、前記リール回転処理手段は、前記非停止のリールを一定速で維持するまでに、前記非停止のリールを、前記第二の状態から前記第一の状態とさせるリール回転処理を行うことを特徴とする遊技台である。
【０２２３】
本実施形態に係るスロットマシン１００によれば、リールに対する停止操作の受付けを許諾していない状態で図柄を揃える演出を行った後に、リールに対する停止操作の受付けを許諾するため、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、当該演出が目押しの補助（入賞の手助け）となることがないため、遊技店に不利益を与えることがない。
また、本実施形態に係る遊技台（例えば、スロットマシン１００）は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール（例えば、リール１１０〜１１２）と、前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段（例えば、スタートレバー１３５）と、前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段（例えば、リール回転制御処理）と、前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段（例えば、リール制御処理のステップＳ９０１〜Ｓ９０２の処理）と、前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段（例えば、ストップボタン１３７〜１３９）と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段（例えば、入賞役内部抽選処理）と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段（例えば、リール停止準備処理）と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄（例えば、セブン１図柄）がすくなくとも１つ施され、前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、前記第一のリール回転処理（例えば、リール演出処理）は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、前記第二のリール回転処理（例えば、加速処理、定速処理）は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、リールの停止操作を受け付ける前に特定の図柄を揃えるリール演出を行うことで、リールの停止操作前における遊技者の遊技意欲を高めることができる上に、当該リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。また、図柄がずれた状態をリールの停止操作を受け付けるまで維持できるため、リール演出が目押しの補助（入賞の手助け）となるようなことがなく、遊技の公平性を担保することができ、遊技店に不利益を与えるようなことがない。また、リール演出の有無によって遊技者に利益や不利益を与えることがないため、遊技者間の公平性を担保することができ、遊技店に対して損失を与えることもない。
また、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、各々異なるタイミングで（例えば、上記＜変形例＞で説明したように、各リール１１０〜１１２毎に規定された加速開始遅延時間が経過したタイミングで）前記複数の非停止リールの加速を開始するとともに、該複数の非停止リールを共通の速度で（例えば、上記＜変形例＞で説明したように、加速Ａ共通パラメータを用いた速度で）前記一定速まで加速してもよい。
このような構成とすれば、リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。
また、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記特定の図柄が直線上に並んだ隣り合う２つの前記非停止リールの一方を第一の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を第一の位置とし、前記非停止リールの他方を前記第一の時間とは異なる第二の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を前記第一の位置とは異なる第二の位置としてもよい。
このような構成とすれば、リール毎に異なる回転速度としたのち一定速となるので、遊技者にリール位置の調整期間から停止有効期間への切り替わりをリールの回転動作で把握させられる場合がある。また、リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。
【０２２４】
また、前記リール演出処理手段は、前記非停止のリールを前記第二の状態とした後に、該第二の状態を維持したまま前記非停止のリールを前記一定速よりも遅い速度で回転させるリール演出処理（例えば、図２２（ｂ）に示す第２リール演出や、正方向または逆方向にリールをゆっくりと回転させる処理）を行ってもよい。
【０２２５】
このような構成とすれば、入賞役に対応する図柄組合せが停止表示されてしまうことによって、遊技者に誤解を与え、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうような事態を未然に防止できる場合がある。
【０２２６】
また、前記リールを所定の速度から前記一定速まで加速させるための加速パラメータであって、前記所定の速度から前記一定速までの到達時間が第一の時間（例えば、図２８（ａ）のパラメータでは６６．１７６ｍｓ）とされ、かつ前記一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置が第一の位置（例えば、図２８（ａ）のパラメータでは、加速前から１８／２４図柄ずれた位置）とされた第一加速パラメータと、前記所定の速度から前記一定速までの到達時間が前記第一の時間とは異なる第二の時間（例えば、図２８（ｂ）のパラメータでは１３８．３６８ｍｓ）とされ、かつ前記一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置が前記第一の位置とは異なる第二の位置（例えば、図２８（ｂ）のパラメータでは、加速前から１図柄ずれた位置）とされた第二加速パラメータと、を記憶する記憶手段を備え、前記リール回転処理手段は、隣り合って配置されたすくなくとも２つの非停止のリールの一方に対し、前記第一加速パラメータを用いて第一の前記リール回転処理を行い、他方に対し、前記第二加速パラメータを用いてる第二の前記リール回転処理を行ってもよい。
【０２２７】
このような構成とすれば、リールをスムーズに回転させることができる上に、隣り合ったリールの図柄をずらすことができ、入賞役に対応する図柄組合せが停止表示されてしまうことによって、遊技者に誤解を与え、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうような事態を未然に防止できる場合がある。
【０２２８】
また、前記リール回転処理手段は、前記非停止リールの全てに対し、各々異なる前記加速パラメータ（例えば、図２８（ａ）〜（ｃ）の加速パラメータ）を用いて前記リール回転処理を行ってもよい。
【０２２９】
このような構成とすれば、全てのリールの動きを容易に異ならせることができるため、演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる場合がある。
【０２３０】
また、前記リール回転処理手段は、前記非停止リールの全てに対し、各々異なるタイミングで前記所定の速度から前記一定速までの加速を開始させるとともに、共通の前記加速パラメータを用いて前記リール回転処理（例えば、図３０、図３１に示す処理）を行ってもよい。
【０２３１】
このような構成とすれば、共通の加速パラメータによってリール制御を行うことができるため、制御負担を軽減し、記憶容量を削減できる場合がある。
【０２３２】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施形態に係るスロットマシン１００の構成に限定されるものではなく、例えば、リールの数は３つに限定されるものではなく、４つ以上のリールを有する遊技台にも適用することができ、また、停止操作受付手段（ストップボタン）も同様である。また、上述のリール演出１ではリール１１０〜１１２の全てを一方向（正方向）に回転させて図柄位置を調整する例を示したが、例えば、リールの一部を一方向（正方向）に回転させるとともに、残りの一部を他方向（逆方向）に回転させて図柄位置を調整してもよく、また、全てのリールを他方向（逆方向）に回転させて図柄位置を調整してもよい。
【０２３３】
また、主制御部タイマ割込みの周期を約１．５０４ｍｓとしたが、これよりも短い周期であってもよいし、長い周期であってもよい。また、特定の図柄は、ボーナス役に対応する図柄組合せに含まれる図柄以外でもよく、各リールに少なくとも一つ施されていればよい。
【０２３４】
また、本発明に係る「受付無効中」は、図２１において「停止ボタン無効中」で示す期間（３つのリールが回転している期間）に限定されるものではなく、停止操作がされていない非停止（回転中）のリールが複数あり、該非停止のリールに対する停止操作の受付けが許諾されない期間であればよい。したがって、例えば、上述の第１停止操作によって１つのリールが停止され、かつ２つ（複数）のリールが回転している期間であって停止操作の受付けが許諾されない期間も含まれる。
【０２３５】
また、上記実施形態では、メダル（コイン）を遊技媒体としたスロットマシンの例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球（例えば、パチンコ玉
）を遊技媒体としたスロットマシンなどにも、本発明は適用可能である。
【０２３６】
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカ
ジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【０２３７】
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【０２３８】
本発明の遊技台は、回胴遊技機（スロットマシン）や弾球遊技機（パチンコ等）に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【０２３９】
１００ スロットマシン
１１０〜１１２ リール
１３５ スタートレバー
１３７〜１３９ ストップボタン
３００ 主制御部
４００ 第１副制御部
５００ 第２副制御部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、スロットマシンやパチンコ機などに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、第１〜第３リールの回転速度が定常速度に達するとタイマーが作動し、演出実行抽選に当選していた場合は、タイマーの作動とともにフリーズ演出が実行され、ストップボタンの操作が無効化されるように構成した遊技台が提案されている（例えば、特許文献１参照）。また、近年では、他社の遊技台との更なる差別化を図るために、フリーズ演出中に各リールの特定図柄（例えば、ボーナス図柄）を揃えていき、特定図柄の図柄組合せになるかどうかで、ボーナスやＡＴなどの当選状態を報知する演出が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−４２０８０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の遊技台では、フリーズ演出として揃えた図柄組合せが目押しの補助となってしまうため、遊技店側に不利益を被らせてしまうという懸念があった。
【０００５】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、遊技店に不利益を与えることがない遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段と、前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段と、前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段と、前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄がすくなくとも１つ施され、前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、前記第一のリール回転処理は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、前記第二のリール回転処理は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台ことを特徴とする遊技台である。
【発明の効果】
【０００７】
本発明に係る遊技台によれば、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、遊技店に不利益を与えることがないという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本実施形態に係るスロットマシンの外観斜視図である。
【図２】同スロットマシンの入賞ラインを示す図である。
【図３】制御部の回路ブロック図を示したものである。
【図４】同スロットマシンの各リール（左リール、中リール、右リール）に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【図５】同スロットマシンの入賞役を示す図である。
【図６】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図７】入賞役内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図８】リール演出準備処理の流れを示すフローチャートである。
【図９】基準リール決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１０】低速Ｂタイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１１】第１リール演出タイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図１２】リール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図１３】主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである
【図１４】リール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図１５】リール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図１６】定速処理の流れを示すフローチャートである。
【図１７】リール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図１８】（ａ）第１副制御部４００のＣＰＵ４０４が実行するメイン処理のフローチャートである。（ｂ）コマンド入力処理のフローチャートである。（ｃ）第１副制御部４００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。（ｄ）は、第１副制御部４００のタイマ割込処理のフローチャートである。
【図１９】内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【図２０】（ａ）第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行するメイン処理のフローチャートである。（ｂ）第２副制御部５００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。（ｃ）第２副制御部５００のタイマ割込処理のフローチャートである。（ｄ）第２副制御部５００の画像制御処理のフローチャートである。
【図２１】リール演出と、当該演出後におけるリール制御のタイムチャートの一例を示した図である。
【図２２】（ａ）第１リール演出の一例を示した図である。（ｂ）第２リール演出の一例を示した図である。
【図２３】第１リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【図２４】（ａ）各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置との関係を示した図である。（ｂ）各リール１１０〜１１２を低速Ａと低速Ｂで回転させたときのパルス数の変化を示した図である。
【図２５】第１リール演出における図柄位置とパルス位置の変形例を示した図である。
【図２６】（ａ）第２リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。（ｂ）第３リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【図２７】（ａ）第３リール演出の一例を示した図である。（ｂ）リールの加速処理と定速処理を行ったときの図柄表示窓１１３の態様の一例を示した図である。
【図２８】加速処理に用いる加速パラメータの一例を示した図である。
【図２９】加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの各リール１１０〜１１２の図柄位置のずれ（差）を示した図である。
【図３０】変形例に係るリール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図３１】変形例に係るリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態１に係る遊技台（スロット機１００等の回胴遊技機）について詳細に説明する。
【００１０】
＜全体構成＞
図１は、本実施形態に係るスロットマシン１００の外観斜視図である。このスロットマシン１００は、本体１０１と、本体１０１の正面に取り付けられ、本体１０１に対して開閉可能な前面扉１０２と、を備える。本体１０１の中央内部には、（図示省略）外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが３個（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）収納され、スロットマシン１００の内部で回転できるように構成されている。これらのリール１１０乃至１１２はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【００１１】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール１１０乃至１１２が構成されている。リール１１０乃至１１２上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓１１３から縦方向に概ね３つ表示され、合計９つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール１１０乃至１１２を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール１１０乃至１１２は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、３個のリールをスロットマシン１００の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【００１２】
各々のリール１１０乃至１１２の背面には、図柄表示窓１１３に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト（図示省略）が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン１００内部において各々のリール１１０乃至１１２の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ（図示省略）が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール１１０乃至１１２を停止させる。
【００１３】
入賞ライン表示ランプ１２０は、有効となる入賞ライン１１４を示すランプである。有効となる入賞ライン１１４とは、後述する図５で説明する入賞役に対応する図柄組合せが表示されたか否かが判定されるラインのことであり、本実施形態では、図２に示すように、左リール１１０の上段（図柄領域１）、中リール１１１の中段（図柄領域５）および右リール１１２の下段（図柄領域９）で構成される右下がり入賞ラインＬ１と、左リール１１０の下段（図柄領域３）、中リール１１１の中段（図柄領域５）および右リール１１２の上段（図柄領域７）で構成される右上がり入賞ラインＬ２との２つの入賞ラインが設けられている。有効となる入賞ライン（以下、単に「有効ライン」と称する場合がある）１１４は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっており、入賞ライン１１４が有効になると、スタートレバー１３５を操作して遊技を開始することができるようになる。なお、入賞ライン１１４の数については２ラインに限定されるものではない。
【００１４】
図１に戻って、告知ランプ１２３は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役（具体的には、ボーナス）に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ１２４は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ１２２は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること（メダルの投入が不要であること）を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ１２８は演出用のランプである。
【００１５】
ベットボタン１３０乃至１３２は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダル（クレジットという）を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン１３０が押下される毎に１枚ずつ最大３枚まで投入され、ベットボタン１３１が押下されると２枚投入され、ベットボタン１３２が押下されると３枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン１３２はＭＡＸベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ１２９は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ１２１が点灯する。
【００１６】
メダル投入口１４１は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン１３０乃至１３２により電子的に投入することもできるし、メダル投入口１４１から実際のメダルを投入（投入操作）することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器１２５は、スロットマシン１００に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器１２６は、各種の内部情報（例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数）を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器１２７は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、および、払出枚数表示器１２７は、７セグメント（ＳＥＧ）表示器とした。
【００１７】
スタートレバー１３５は、リール１１０乃至１１２の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口１４１に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン１３０乃至１３２を操作して、スタートレバー１３５を操作すると、リール１１０乃至１１２が回転を開始することとなる。スタートレバー１３５に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【００１８】
ストップボタンユニット１３６には、ストップボタン１３７乃至１３９が設けられている。ストップボタン１３７乃至１３９は、スタートレバー１３５の操作によって回転を開始したリール１１０乃至１１２を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール１１０乃至１１２に対応づけられている。以下、ストップボタン１３７乃至１３９に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第１停止操作、次の停止操作を第２停止操作、最後の停止操作を第３停止操作という。なお、各ストップボタン１３７乃至１３９の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン１３７乃至１３９の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【００１９】
メダル返却ボタン１３３は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン１３４は、スロットマシン１００に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口１５５から排出するためのボタンである。ドアキー孔１４０は、スロットマシン１００の前面扉１０２のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【００２０】
ストップボタンユニット１３６の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル１６２が設けられている。タイトルパネル１６２の下部には、メダル払出口１５５、メダルの受け皿１６１が設けられている。
【００２１】
音孔１８０はスロットマシン１００内部に設けられているスピーカ２７２、２７７（図３参照）の音を外部に出力するための孔である。前面扉１０２の左右各部に設けられたサイドランプ１４４は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉１０２の上部には演出装置１６０が配設されており、演出装置１６０の上部には音孔１４３が設けられている。この演出装置１６０は、水平方向に開閉自在な２枚の右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂからなるシャッタ（遮蔽装置）１６３と、このシャッタ１６３の奥側に配設された演出画像表示装置１５７（演出画像表示装置）を備えており、右シャッタ１６３ａ、左シャッタ１６３ｂが演出画像表示装置１５７の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置１５７の表示画面がスロットマシン１００正面（遊技者側）に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ（７セグディスプレイ）、ドットマトリクスディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール（ドラム）、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【００２２】
＜制御部＞
次に、図３を用いて、スロットマシン１００の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【００２３】
スロットマシン１００の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部３００と、主制御部３００が送信するコマンド信号（以下、単に「コマンド」と呼ぶ）に応じて、主な演出の制御を行う第１副制御部４００と、第１副制御部４００より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第２副制御部５００と、によって構成されている。
【００２４】
＜主制御部＞
まず、スロットマシン１００の主制御部３００について説明する。主制御部３００は、主制御部３００の全体を制御する基本回路３０２を備えており、この基本回路３０２には、ＣＰＵ３０４と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのＲＯＭ３０６と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ３０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ３１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ３１２と、ＷＤＴ（ウォッチドックタイマ）３１４を搭載している。なお、ＲＯＭ３０６やＲＡＭ３０８については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第１副制御部４００や第２副制御部５００についても同様である。この基本回路３０２のＣＰＵ３０４は、水晶発振器３１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、ＣＰＵ３０４は、電源が投入されるとＲＯＭ３０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ３１２に送信し、カウンタタイマ３１２は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ３０４に送信する。ＣＰＵ３０４は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器３１４が出力するクロック信号を８ＭＨｚ、カウンタタイマ３１２の分周値を１／２５６、ＲＯＭ３０６の分周用のデータを４７に設定した場合、割り込みの基準時間は、２５６×４７÷８ＭＨｚ＝１．５０４ｍｓとなる。
【００２５】
主制御部３００は、０〜６５５３５の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路３１６と、電源が投入されると起動信号（リセット信号）を出力する起動信号出力回路３３８を備えており、ＣＰＵ３０４は、この起動信号出力回路３３８から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する（後述する主制御部メイン処理を開始する）。
【００２６】
また、主制御部３００には、センサ回路３２０を備えており、ＣＰＵ３０４は、割り込み時間ごとに各種センサ３１８（ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、ベットボタン１３２センサ、メダル投入口１４１から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー１３５センサ、ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、ストップボタン１３９センサ、精算ボタン１３４センサ、メダル払出装置１８０から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、リール１１２のインデックスセンサ、リセットボタン２９０の押下を検出するためのリセットボタンセンサ、設定変更ボタン２９１の押下を検出するための設定変更ボタンセンサ、設定変更キー２９３の操作を検出するための設定変更キーセンサ、電源スイッチ２９４のオン／オフ操作を検出するための電源スイッチセンサ等）の状態を監視している。
【００２７】
なお、センサ回路３２０がスタートレバーセンサのＨレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路３１６に出力する。この信号を受信した乱数発生回路３１６は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【００２８】
メダル受付センサは、メダル投入口１４１の内部通路に２個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー１３５センサは、スタートレバー１３５内部に２個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン１３７センサ、ストップボタン１３８センサ、および、ストップボタン１３９は、各々のストップボタン１３７乃至１３９に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【００２９】
ベットボタン１３０センサ、ベットボタン１３１センサ、および、ベットボタン１３２センサは、メダル投入ボタン１３０乃至１３２のそれぞれに設置されており、ＲＡＭ３０８に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン１３４センサは、精算ボタン１３４に設けられている。精算ボタン１３４が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置１８０が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【００３０】
リール１１０のインデックスセンサ、リール１１１のインデックスセンサ、および、リール１１２のインデックスセンサは、各リール１１０乃至１１２の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにＬレベルになる。ＣＰＵ３０４は、この信号を検出すると、リールが１回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【００３１】
主制御部３００は、リール装置１１０乃至１１２に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路３２２、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ１７０に設けたソレノイドを駆動する駆動回路３２４、メダル払出装置１８０に設けたモータを駆動する駆動回路３２６、各種ランプ３３８（入賞ライン表示ランプ１２０、告知ランプ１２３、遊技メダル投入可能ランプ１２４、再遊技ランプ１２２、遊技メダル投入ランプ１２９は、遊技開始ランプ１２１、貯留枚数表示器１２５、遊技情報表示器１２６、払出枚数表示器１２７）を駆動する駆動回路３２８を備えている。
【００３２】
また、基本回路３０２には、情報出力回路３３４（外部集中端子板２４８）を接続しており、主制御部３００は、この情報出力回路３３４を介して、外部のホールコンピュータ（図示省略）等が備える情報入力回路６５２にスロットマシン１００の遊技情報（例えば、遊技状態）を出力する。
【００３３】
また、主制御部３００は、第１副制御部４００にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第１副制御部４００との通信を可能としている。なお、主制御部３００と第１副制御部４００との情報通信は一方向の通信であり、主制御部３００は第１副制御部４００にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第１副制御部４００からは主制御部３００にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【００３４】
＜副制御部＞
次に、スロットマシン１００の第１副制御部４００について説明する。第１副制御部４００は、主制御部３００が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第１副制御部４００の全体を制御する基本回路４０２を備えており、この基本回路４０２は、ＣＰＵ４０４と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ４０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ４１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ４１２を搭載している。基本回路４０２のＣＰＵ４０４は、水晶発振器４１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ＲＯＭ４０６は、第１副制御部４００の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
【００３５】
ＣＰＵ４０４は、所定のタイミングでデータバスを介してＲＯＭ４０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ４１２に送信する。カウンタタイマ４１２は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ４０４に送信する。ＣＰＵ４０４は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ＩＣや各回路を制御する。
【００３６】
また、第１副制御部４００には、音源ＩＣ４１８を設けており、音源ＩＣ４１８に出力インタフェースを介してスピーカ２７２、２７７を設けている。音源ＩＣ４１８は、ＣＰＵ４０４からの命令に応じてアンプおよびスピーカ２７２、２７７から出力する音声の制御を行う。音源ＩＣ４１８には音声データが記憶されたＳ−ＲＯＭ（サウンドＲＯＭ）が接続されており、このＲＯＭから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ２７２、２７７から出力する。
【００３７】
また、第１副制御部４００には、駆動回路４２２が設けられ、駆動回路４２２に入出力インタフェースを介して各種ランプ４２０（上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ１４４、タイトルパネル１６２ランプ、等）が接続されている。
【００３８】
また、ＣＰＵ４０４は、出力インタフェースを介して第２副制御部５００へ信号の送受信を行う。第２副制御部５００は、演出画像表示装置１５７の表示制御を含む演出装置１６０の各種制御を行う。なお、第２副制御部５００は、例えば、演出画像表示装置１５７の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部（例えば、シャッタ１６３のモータ駆動を制御する制御部）とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【００３９】
第２副制御部５００は、第１副制御部４００が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第２副制御部５００の全体を制御する基本回路５０２を備えており、この基本回路５０２は、ＣＰＵ５０４と、一時的にデータを記憶するためのＲＡＭ５０８と、各種デバイスの入出力を制御するためのＩ／Ｏ５１０と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ５１２と、を搭載している。基本回路５０２のＣＰＵ５０４は、水晶発振器５１４が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ＲＯＭ５０６は、第２副制御部５００の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
【００４０】
ＣＰＵ５０４は、所定のタイミングでデータバスを介してＲＯＭ５０６の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ５１２に送信する。カウンタタイマ５１２は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をＣＰＵ４０４に送信する。ＣＰＵ５０４は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ＩＣや各回路を制御する。
【００４１】
また、第２副制御部５００には、シャッタ１６３のモータを駆動する駆動回路５３０を設けており、駆動回路５３０には出力インタフェースを介してシャッタ１６３を設けている。この駆動回路５３０は、ＣＰＵ５０４からの命令に応じてシャッタ１６３に設けたステッピングモータ（図示省略）に駆動信号を出力する。
【００４２】
また、第２副制御部５００には、センサ回路５３２を設けており、センサ回路５３２には入力インタフェースを介してシャッタセンサ５３８を接続している。ＣＰＵ５０４は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ５３８状態を監視している。
【００４３】
また、第２副制御部５００には、ＶＤＰ５３４（ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー）を設けており、このＶＤＰ５３４には、バスを介してＲＯＭ５０６、ＶＲＡＭ５３６が接続されている。ＶＤＰ５３４は、ＣＰＵ５０４からの信号に基づいてＲＯＭ５０６に記憶された画像データ等を読み出し、ＶＲＡＭ５３６のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置１５７に画像を表示する。
【００４４】
＜図柄配列＞
次に、図４を用いて、上述の各リール１１０乃至１１２に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール（左リール１１０、中リール１１１、右リール１１２）に施された図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【００４５】
各リール１１０乃至１１２には、同図の右側に示す複数種類（本実施形態では１０種類）の図柄が所定コマ数（本実施形態では、番号０〜２０の２１コマ）だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号０〜２０は、各リール１１０乃至１１２上の図柄の配置位置（図柄位置）を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール１１０の１番の図柄位置には「スイカ２図柄」、中リール１１１の３番の図柄位置には「ベル図柄」、右リール１１２の２番の図柄位置には「リプレイ図柄」、がそれぞれ配置されている。
【００４６】
＜入賞役の種類＞
次に、図５を用いて、スロットマシン１００の入賞役の種類について説明する。なお、同図は、入賞役（作動役を含む）の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出を示す図である。
【００４７】
スロットマシン１００の入賞役には、特別役（特別役１、２）と、小役（小役１〜小役４）と、再遊技役（再遊技役１〜再遊技役３）がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【００４８】
本実施形態における入賞役のうち、特別役１（ビッグボーナス１（ＢＢ１））および特別役２（ビッグボーナス２（ＢＢ２））はビッグボーナス遊技（ＢＢ遊技）に移行する役であり、また、再遊技役１〜再遊技役３は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役であるので、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役１、２および再遊技役１〜再遊技役３が含まれる。なお、以下では、「ビッグボーナス」を単に「ＢＢ」とも称し、特別役１および特別役２をＢＢ役とも称する。
【００４９】
特別役１または特別役２に内部当選すると、この内部当選を示すＢＢ１内部当選フラグまたはＢＢ２内部当選フラグが立つ（主制御部３００のＲＡＭ３０８の所定のエリア内に記憶される）。上記フラグが立つと、主制御部３００は、遊技状態を特別役１または特別役２の内部当選状態に移行させる。ＢＢ１内部当選フラグまたはＢＢ２内部当選フラグが維持されることによって、特別役１または特別役２に内部当選した遊技において特別役１または特別役２に入賞しなかったとしても、次回以降の遊技が特別役１または特別役２に内部当選中となり、特別役１に対応する図柄組合せ、または、特別役２に対応する図柄組合せが、入賞ラインＬ１、または入賞ラインＬ２に揃って（表示されて）入賞する状態にある。主制御部３００は、特別役１または特別役２に対応する図柄組合せが入賞ラインＬ１、または入賞ラインＬ２に表示されたことに基づいて遊技状態をＢＢ遊技状態に移行させる。
【００５０】
「小役（小役１〜小役４）」（以下、単に、「小役１」、「小役２」、「小役３」、「小役４」と称する場合がある）は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、各々の対応する図柄組合せおよび払出枚数は、同図に示す通りである。また、「ＡＮＹ−ＡＮＹ−チェリー」の場合、右リール１１２の入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２に停止される図柄が「チェリー」であればよく、左リール１１０と中リール１１１の入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２に停止される図柄はどの図柄でもよい。なお、小役（小役１〜小役４）の払出枚数は、２枚掛け（ＢＢ遊技状態中）と３枚掛け（通常遊技状態中）で異なっており、カッコ内の枚数は２枚掛け（ＢＢ遊技状態中）の場合を示しており、その上の枚数は３枚掛け（通常遊技状態中）の場合を示している。
【００５１】
「再遊技役（再遊技役１〜再遊技役３）」は、上述のように、入賞により次回の遊技でメダル（遊技媒体）の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役（作動役）であり、メダルの払出は行われない。また、各々の対応する図柄組合せは、同図に示す通りである。なお、上記再遊技役は、遊技者がメダルを投入することなく、次回の遊技を行うことができる役であればよい。したがって、例えば、再遊技に入賞すると次回遊技でメダルの投入が自動的に投入（後述するメダル投入枚数記憶領域にメダル投入枚数を再設定）されるものであってもよいし、再遊技に入賞した遊技で投入されたメダルをそのまま次回の遊技に持ち越して使用できるものであってもよい。
【００５２】
＜主制御部メイン処理＞
次に、図６を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【００５３】
ステップＳ１０１では、Ｉ／Ｏ３１０の初期化、ＲＡＭ３０８の初期化などを含む初期設定処理を行う。ステップＳ１０２ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ１２０を点灯させ、有効な入賞ラインを確定する。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、このステップＳ１０２では、スタートレバー１３５が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー１３５の操作があれば乱数値生成回路３１６で発生させた乱数を取得した後に、ステップＳ１０３に進む。
【００５４】
ステップＳ１０３では、後述する入賞役内部抽選処理を行い、ステップＳ１０４では、後述するリール演出準備処理を行う。
【００５５】
ステップＳ１０５では、リール停止準備処理を行う。このリール停止準備処理では、ステップＳ１０３の入賞役内部抽選処理の内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択し、次のステップＳ１０６では、後述するリール回転開始処理を行う。
【００５６】
ステップＳ１０７では、全てのリール１１０〜１１２が停止したか否かを判定し、全てのリール１１０〜１１２が停止した場合にはステップＳ１０８に進む。
【００５７】
ステップＳ１０８では、入賞判定処理を行う。この入賞判定処理では、有効化された入賞ライン１１４上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。ステップＳ１０９では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数や遊技状態に応じて払い出す。
【００５８】
ステップＳ１１０では遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、通常遊技、ＢＢ遊技、ＲＢ遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により１ゲームが終了する。以降、ステップＳ１０２〜Ｓ１１０の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【００５９】
＜入賞役内部抽選処理＞
次に、図７を用いて、上述の主制御部メイン処理における入賞役内部抽選処理（ステップＳ１０３）について詳細に説明する。なお、同図は入賞役内部抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【００６０】
ステップＳ２０１では、上記ステップＳ１０２で取得した乱数を用いて入賞役内部抽選を実行する。ステップＳ２０２では、ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果が上述のＢＢ１であるか否かを判定し、ＢＢ１に内部当選した場合にはステップＳ２０５に進み、そうでない場合にはステップＳ２０３に進む。ステップＳ２０３では、ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果が上述のＢＢ２であるか否かを判定し、ＢＢ２に内部当選した場合にはステップＳ２０４に進み、そうでない場合にはステップＳ２０９に進む。
【００６１】
ステップ２０４では、ＲＡＭ３０８に記憶しているリール演出情報に第３リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進む。ステップＳ２０５では、第２リール演出実行可否抽選を実行し、抽選結果が当選の場合にはステップＳ２０７に進み、抽選結果がはずれの場合にはステップＳ２０８に進む。ステップＳ２０７では、リール演出情報に第２リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進み、ステップＳ２０８では、リール演出情報に第１リール演出ありの情報を設定した後にステップＳ２０９に進む。なお、本実施形態では、第２リール演出実行可否抽選の抽選結果が当選の場合にのみリール演出情報に第２リール演出ありの情報を設定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、第１〜第３リール演出ありの情報を設定する各々の条件も、本実施形態で示した例に限定されるものではなく、例えば、遊技状態などに基づいて第１〜第３リール演出ありの情報を設定してもよい。
【００６２】
ステップＳ２０９では、第１副制御部４００に対して内部抽選コマンドを送信する準備を行う。なお、内部抽選コマンドには、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選の抽選結果（内部当選役やはずれ）を示す内部当選情報と、上記ステップＳ２０４、Ｓ２０７、Ｓ２０８で設定したリール演出情報が含まれる。
【００６３】
＜リール演出準備処理＞
次に、図８を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるリール演出準備処理（ステップＳ１０４）について詳細に説明する。なお、同図はリール演出準備処理の流れを示すフローチャートである。
【００６４】
ステップＳ３０１では、上述のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がある場合にはステップＳ３０２に進み、リール演出がない場合には処理を終了する。
【００６５】
ステップＳ３０２では、後述する基準リール決定処理を行い、次のステップＳ３０３では、後述する低速Ｂタイマ設定処理を行い、次のステップＳ３０４では、後述する第１リール演出タイマ設定処理を行う。
【００６６】
ステップＳ３０５では、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選結果が上述のＢＢ１であるか否かを判定し、ＢＢ１に内部当選した場合にはステップＳ３０９に進み、そうでない場合にはステップＳ３０６に進む。ステップＳ３０６では、上記ステップＳ２０１の入賞役内部抽選結果が上述のＢＢ２であるか否かを判定し、ＢＢ２に内部当選した場合にはステップＳ３０７に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【００６７】
ステップＳ３０７では、ＲＡＭ３０８に記憶している第２リール演出タイマに第２リール演出タイマ値を設定し、次のステップＳ３０８では、ＲＡＭ３０８に記憶している第３リール演出タイマに第３リール演出タイマ値を設定した後に処理を終了する。
【００６８】
詳細は後述するが、第２リール演出タイマ値は、第１リール演出を開始してから第２リール演出を終了するまでの演出時間に相当するタイマ値であり、例えば、第１リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み２７６０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×２７６０）で、第２リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み３３０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×３３０）である場合には、第２リール演出タイマ値は３０９０（＝２７６０＋３３０）である。
【００６９】
また、第３リール演出タイマ値は、第１リール演出を開始してから第３リール演出を終了するまでの演出時間に相当するタイマ値であり、例えば、第１リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み２７６０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×２７６０）で、第２リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み３３０回分の時間（約１．５０４ｍｓ×３３０）で、第３リール演出に要する時間が主制御部タイマ割込み７２回分の時間（約１．５０４ｍｓ×７２）である場合には、第３リール演出タイマ値は３１６２（＝２７６０＋３３０＋７２）である。
【００７０】
ステップＳ３０９では、上述のリール演出情報を参照し、第２リール演出ありの情報が設定されているか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ３１０に進み、該当しない場合には処理を終了する。ステップＳ３１０では、上述の第２リール演出タイマに第２リール演出タイマ値を設定した後に処理を終了する。
【００７１】
＜基準リール決定処理＞
次に、図９を用いて、上述のリール演出準備処理における基準リール決定処理（ステップＳ３０２）について詳細に説明する。なお、同図は基準リール決定処理の流れを示すフローチャートである。
【００７２】
ステップＳ４０１では、左リール１１０、中リール１１１、および右リール１１２の目標図柄相対位置までの図柄位置差分（Ｘ：Ｘ＝左は左リール１１０を示し、Ｘ＝中は中リール１１１を示し、Ｘ＝右は右リール１１２を示す）を算出する。ここで、図柄位置差分（Ｘ）は、ステップＳ４０１の実行時に図柄表示窓１１３の中段に表示されている図柄の図柄位置である現在図柄位置（Ｘ）から、任意の目標図柄相対位置（Ｘ）を減算することによって算出する。ただし、減算結果がマイナスの数値になった場合には、２１を加算する。
【００７３】
例えば、目標図柄相対位置（左）が８（図４に示す左リールのセブン２図柄の図柄位置）、目標図柄相対位置（中）が８（図４に示す中リールのセブン１図柄の図柄位置）、目標図柄相対位置（右）が９（図４に示す右リールのベル図柄の図柄位置）に設定され、現在図柄位置（左）が１６、現在図柄位置（中）が１０、現在図柄位置（右）１４である場合には、図柄位置差分（左）が８（＝１６−８）、図柄位置差分（中）が２（＝１０−８）、図柄位置差分（右）が５（＝１４−９）となる。
【００７４】
次に、ステップＳ４０２では、暫定基準左の場合（左リール１１０を基準リールとした場合）の計算結果（左）を取得する。ここで、暫定基準左は、図柄位置差分（中）から図柄位置差分（左）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（右）から図柄位置差分（左）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準左の数値として取得する。
【００７５】
例えば、先の例では、差分Ａが１５（＝２（図柄位置差分（中））−８（図柄位置差分（左））＋２１）、差分Ｂが１８（＝５（図柄位置差分（右））−８（図柄位置差分（左））＋２１）であるから、暫定基準左の数値は、差分Ｂの１８となる。
【００７６】
次に、ステップＳ４０３では、暫定基準中の場合（中リール１１１を基準リールとした場合）の計算結果（中）を取得する。ここで、暫定基準中は、図柄位置差分（左）から図柄位置差分（中）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（右）から図柄位置差分（中）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準中の数値として取得する。
【００７７】
例えば、先の例では、差分Ａが６（＝８（図柄位置差分（左））−２（図柄位置差分（中）））、差分Ｂが３（＝５（図柄位置差分（右））−２（図柄位置差分（中）））であるから、暫定基準中の数値は、差分Ａの６となる。
【００７８】
次に、ステップＳ４０４では、暫定基準右の場合（右リール１１２を基準リールとした場合）の計算結果（右）を取得する。ここで、暫定基準右は、図柄位置差分（左）から図柄位置差分（右）を減算した差分Ａの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、図柄位置差分（中）から図柄位置差分（右）を減算した差分Ｂの数値（減算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）と、を比較し、数値の大きい方を暫定基準右の数値として取得する。
【００７９】
例えば、先の例では、差分Ａが３（＝８（図柄位置差分（左））−５（図柄位置差分（右）））、差分Ｂが１８（＝２（図柄位置差分（中））−５（図柄位置差分（右））＋２１）であるから、暫定基準右の数値は、差分Ｂの１８となる。
【００８０】
ステップＳ４０５では、ステップＳ４０２〜Ｓ４０４で取得した暫定基準左、暫定基準中、暫定基準右の数値のうち、最も小さい数値に対応するリールを基準リールとして選択し、当該情報を、ＲＡＭ３０８に記憶している基準リール情報に記憶する。
【００８１】
例えば、先の例では、暫定基準左の数値が１８、暫定基準中の数値が６、暫定基準右の数値が１８であるから、最も小さい数値に対応する中リール１１１を基準リールとして選択し、基準リール情報に中リール１１１を示す情報を記憶する。
【００８２】
このように、本実施形態では、各リール１１０〜１１２を各々の目標図柄相対位置まで移動させる際に、３つのリール１１０〜１１２の中から、図柄位置の調整時間が最も短くなるリールを基準リールとして選択するように構成しているため、遊技時間が無駄に長くなるようなおそれが少なく、遊技者や遊技店に不利益を与えることがない。
【００８３】
＜低速Ｂタイマ設定処理＞
次に、図１０を用いて、上述のリール演出準備処理における低速Ｂタイマ設定処理（ステップＳ３０３）について詳細に説明する。なお、同図は低速Ｂタイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【００８４】
ステップＳ５０１では、上述の基準リール情報を参照して基準リールを取得した後、各リール１１０〜１１２に対応する図柄位置差分（Ｘ）から、取得した基準リールに対応する図柄位置差分（Ｘ）を減算し、各リール１１０〜１１２に対応する差分値（Ｘ）を算出する。
【００８５】
例えば、先の例では、左リール１１０に対応する図柄位置差分（左）が８で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、左リール１１０に対応する差分値（左）は６（＝８−２）である。また、中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、中リール１１１に対応する差分値（中）は０（＝２−２）である。また、右リール１１２に対応する図柄位置差分（右）が５で、基準リールである中リール１１１に対応する図柄位置差分（中）が２であるから、右リール１１２に対応する差分値（右）は３（＝５−２）である。
【００８６】
ステップＳ５０２では、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間を算出する。ここで、低速Ｂ回転処理時間は、ステップＳ５０１で算出した、各リール１１０〜１１２に対応する差分値（Ｘ）に、定数（本実施形態では、１８０）を乗算して算出する。
【００８７】
例えば、先の例では、左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間は、左リール１１０に対応する差分値（左）６に、定数１８０を乗算して得られる１０８０となる。また、中リール１１１に対応する低速Ｂ回転処理時間は、中リール１１１に対応する差分値（中）０に、定数１８０を乗算して得られる０となる。また、右リール１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間は、右リール１１２に対応する差分値（右）３に、定数１８０を乗算して得られる５４０となる。
【００８８】
ステップＳ５０３では、ステップＳ５０２で算出した低速Ｂ回転処理時間に対応する数値を、各リール１１０〜１１２毎に設けた低速Ｂタイマ（左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ）に設定した後に、処理を終了する。
【００８９】
＜第１リール演出タイマ設定処理＞
次に、図１１を用いて、上述のリール演出準備処理における第１リール演出タイマ設定処理（ステップＳ３０４）について詳細に説明する。なお、同図は第１リール演出タイマ設定処理の流れを示すフローチャートである。
【００９０】
ステップＳ６０１では、図柄位置調整の微調整時間を算出する。ここで、微調整時間は、「微調整時間＝（最大低速Ｂ時間（各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間のうち、最大の低速Ｂ回転処理時間）÷３）を２４で割った時の余り」によって算出する。ただし、割り切れなかったときは、「微調整時間＝２４−微調整時間」の計算式によって算出する。例えば、先の例では、微調整時間は、（最大低速Ｂ時間１０８０（左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間）÷３）を２４で割った時の余り０となる。
【００９１】
ステップＳ６０２では、低速Ｂ回転移動図柄を算出する。ここで、低速Ｂ回転移動図柄は、「低速Ｂ回転移動図柄＝（最大低速Ｂ時間÷３）÷２４（小数点以下は切り上げ）」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ｂ回転移動図柄は、１５（＝（最大低速Ｂ時間１０８０÷３）÷２４）となる。
【００９２】
ステップＳ６０３では、低速Ａ回転移動図柄を算出する。ここで、低速Ａ回転移動図柄は、「低速Ａ回転移動図柄＝（最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリールの現在図柄位置−低速Ｂ回転移動図柄）−最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリールの目標図柄相対位置（演算結果がマイナスの数値の場合は２１を加算）」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ａ回転移動図柄は、１４（＝（最大の低速Ｂ回転処理時間を有する左リール１１０の現在図柄位置１６−低速Ｂ回転移動図柄１５）−最大の低速Ｂ回転処理時間を有する左リール１１０の目標図柄相対位置８＋２１）となる。
【００９３】
ステップ６０４では、低速Ａ回転処理時間を算出する。ここで、低速Ａ回転処理時間は、「低速Ａ回転処理時間＝低速Ａ回転移動図柄×２４×５＋微調整時間×５」の計算式で算出する。例えば、先の例では、低速Ａ回転処理時間は、１６８０（＝低速Ａ回転移動図柄１４×２４×５＋微調整時間０×５）となる。
【００９４】
ステップＳ６０５では、第１リール演出時間を算出する。ここで、第１リール演出時間は、「第１リール演出時間＝低速Ａ回転処理時間＋最大低速Ｂ時間」で算出する。例えば、先の例では、第１リール演出時間は、２７６０（＝低速Ａ回転処理時間１６８０＋最大低速Ｂ時間１０８０）となる。
【００９５】
ステップＳ６０６では、ステップＳ６０５で算出した第１リール演出時間に対応するタイマ値を、第１リール演出タイマに設定した後、処理を終了する。
【００９６】
＜リール回転開始処理＞
次に、図１２を用いて、上述の主制御部メイン処理におけるリール回転開始処理（ステップＳ１０６）について詳細に説明する。なお、同図はリール回転開始処理の流れを示すフローチャートである。
【００９７】
ステップＳ７０１では、ＲＡＭ３０８に記憶している遊技時間監視タイマ値を取得し、次のステップＳ７０２では、取得した遊技時間監視タイマ値が０であるか否か（前回の遊技の終了から所定時間（本実施形態では４．１秒）が経過したか否か）を判定し、該当する場合にはステップＳ７０３に進み、該当しない場合にはステップＳ７０１に戻る。
【００９８】
ステップＳ７０３では、遊技時間監視タイマ値に初期値（本実施形態では４．１秒に相当する数値）を再設定し、次のステップＳ７０４では、第１副制御部４００にリール回転開始コマンドを送信する準備を行う。
【００９９】
ステップＳ７０５では、左リール１１０の回転を開始するための設定を行い、ステップＳ７０６では、中リール１１１の回転を開始するための設定を行い、ステップＳ７０７では、右リール１１２の回転を開始するための設定を行う。
【０１００】
ステップＳ７０８では、上述のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がある場合にはステップＳ７０９に進み、リール演出が無い場合にはステップＳ７１０に進む。
【０１０１】
ステップＳ７０９では、ＲＡＭ３０８に設けた回胴制御ステータスをリール演出中に設定した後に、処理を終了する。一方、ステップＳ７１０では、上述の回胴制御ステータスを加速中に設定した後に、加速Ａ共通パラメータ（後述する図２８（ａ）のテーブルで規定されたパラメータ）を取得し、処理を終了する。
【０１０２】
＜主制御部タイマ割込処理＞
次に、図１３を用いて、主制御部３００のＣＰＵ３０４が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【０１０３】
主制御部３００は、所定の周期（本実施形態では約１．５０４ｍｓに１回）でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ３１２を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【０１０４】
ステップＳ８０１では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、ＣＰＵ３０４の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップＳ８０２では、ＷＤＴ３１４のカウント値が初期設定値（本実施形態では３２．８ｍｓ）を超えてＷＤＴ割込が発生しないように（処理の異常を検出しないように）、ＷＤＴ３１４を定期的に（本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約１．５０４ｍｓに１回）リスタートを行う。
【０１０５】
ステップＳ８０３では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、Ｉ／Ｏ３１０の入力ポートを介して、各種センサ３１８のセンサ回路３２０の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、ＲＡＭ３０８に各種センサ３１８ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【０１０６】
ステップＳ８０４では、各種遊技処理を行う。この各種遊技処理では、割込みステータスを取得し（各種センサ３１８からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する）、このステータスに従った処理を行う（例えば、取得した各ストップボタン１３７〜１３９の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う）。
【０１０７】
ステップＳ８０５では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、各種タイマを更新（カウントアップまたはカウントダウン）する処理を行う。例えば、上述のリール回転開始処理で遊技時間監視タイマ値が初期化されたことを契機として、初期化された遊技時間監視タイマ値のカウントダウンを行い、遊技時間の計測を行う。
【０１０８】
ステップＳ８０６では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップＳ８０３において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ３１８の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ１７０（メダルセレクタ１７０内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ）、各種ランプ３３８、各種の７セグメント（ＳＥＧ）表示器の設定を行う。
【０１０９】
ステップＳ８０７では、後述するリール制御処理を行う。ステップＳ８０８では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第１副制御部４００に送信される。なお、第１副制御部４００に送信する出力予定情報は本実施形態では１６ビットで構成しており、ビット１５はストローブ情報（オンの場合、データをセットしていることを示す）、ビット１１〜１４はコマンド種別（本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール１１０乃至１１２の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン１３７乃至１３９の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール１１０乃至１１２の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド、エラー発生コマンド１、エラー発生コマンド２、エラー解除コマンド等）、ビット０〜１０はコマンドデータ（コマンド種別に対応する所定の情報）で構成されている。
【０１１０】
第１副制御部４００では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部３００における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【０１１１】
ステップＳ８０９では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、ＲＡＭ３０８に記憶している遊技情報を、情報出力回路３３４を介してスロットマシン１００とは別体の情報入力回路６５２に出力する。
【０１１２】
ステップＳ８１０では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合（電源の遮断を検知した場合）にはステップＳ８１２に進み、低電圧信号がオフの場合（電源の遮断を検知していない場合）にはステップＳ８１１に進む。
【０１１３】
ステップＳ８１１では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップＳ８０１で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定する処理等を行う。その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップＳ８１２では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてＲＡＭ３０８の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理に復帰する。
【０１１４】
＜リール制御処理＞
次に、図１４を用いて、上述の主制御部タイマ割込処理におけるリール制御処理（ステップＳ８０７）について詳細に説明する。なお、同図はリール制御処理の流れを示すフローチャートである。
【０１１５】
ステップＳ９０１では、各ストップボタン１３７〜１３９の操作が有効か否か（後述するストップボタン有効情報とストップボタン無効情報のいずれが設定されているか）を判定し、該当する場合（ストップボタン有効情報が設定されている場合）にはステップＳ９０２に進み、該当しない場合（ストップボタン無効情報が設定されている場合）にはステップＳ９０１の処理を実行することなく、ステップＳ９０３に進む。
【０１１６】
次に、各リール１１０〜１１２について、ステップＳ９０３〜Ｓ９０６の処理を行う。具体的には、ステップＳ９０３では、リールのインデックスセンサから出力される信号の状態を検出する処理を行い、ステップＳ９０４では、当該信号の状態に基づいてリール制御情報を生成する。ここで、リール制御情報は、リールを制御するための情報全体を意味しており、上述したリールの状態に関する情報、及びリール制御状態に関する情報も含まれる。
【０１１７】
ステップＳ９０５では、ステップＳ９０４で生成したリール制御情報をもとに、後述するリール回転制御処理を行う。ステップＳ９０６では、ステップＳ９０５のリール回転制御処理の結果に基づいて、上述のリール制御情報を更新した後、処理を終了する。
【０１１８】
＜リール回転制御処理＞
次に、図１５を用いて、上述のリール制御処理におけるリール回転制御処理（ステップＳ９０５）について詳細に説明する。なお、同図はリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。
【０１１９】
このリール回転制御処理は、リールの回転制御を遊技の進行に応じて順次切り替え制御する処理であり、遊技者の遊技開始操作に伴い、リールの回転を開始してリールを加速させる加速処理及び一定回転速度（一定速）までリールを加速させた後、その速度を維持する定速処理が行われる。また、その後の遊技者の停止操作に伴い、停止操作が行われた時のリールの図柄位置から遊技結果として図柄表示窓１１３に表示させる図柄停止位置までリールの回転を維持する引込制御処理、及び図柄停止位置で停止状態を一定時間維持するブレーキ制御処理を行う。
【０１２０】
具体的には、ステップＳ１００１では、上述の回胴制御ステータスを取得する。ステップＳ１００２では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが停止中であるか否かを判定し、該当する場合には処理を終了し、該当しない場合にはステップＳ１００３に進む。
【０１２１】
ステップＳ１００３では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスがリール演出中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００４に進んで、後述するリール演出処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００５に進む。
【０１２２】
ステップＳ１００５では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが加速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００６に進んで加速処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００７に進む。なお、リールの加速処理については後述する。
【０１２３】
ステップＳ１００７では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスが定速中であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１００８に進んで、後述する定速処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１００９に進む。
【０１２４】
ステップＳ１００９では、ステップＳ１００１で取得した回胴制御ステータスがブレーキであるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１０１０に進んでブレーキ処理（リールを停止させる処理）を行い、該当しない場合にはステップＳ１０１１に進む。ステップＳ１０１１では、引込み処理を実行した後に、処理を終了する。
【０１２５】
＜定速処理＞
次に、図１６を用いて、上述のリール回転制御処理における定速処理（ステップＳ１００８）について詳細に説明する。なお、同図は定速処理の流れを示すフローチャートである。
【０１２６】
ステップＳ１１０１では、ＲＡＭ３０８に記憶している図柄番号カウンタを１つ減算し、次のステップＳ１１０２では、図柄番号カウンタが０であるか否かを判定し、０の場合にはステップＳ１１０３に進み、０でない場合にはステップＳ１１１０に進む。
【０１２７】
ここで、図柄番号カウンタは、基準位置である図柄表示窓１１３の中段に位置する図柄を記憶するためのカウンタであり、例えば、左リール１１０に関しては、左リール１１０の図柄列の下端のリプレイ図柄が、基準位置であるインデックスセンサが遮光片を通過した時を起点としてカウントを開始する。各図柄とカウント値とは予め対応付けられており、主制御部３００は、リール停止時の図柄番号カウンタから図柄表示窓１１３に停止表示されている図柄を特定し、入賞判定を行うことができる。
【０１２８】
また、本実施形態では図柄番号カウンタとは別に、図柄間隔カウンタを設けている。この図柄間隔カウンタは、１図柄あたりの駆動パルス数であり、本実施形態では、後述する図２４（ａ）に示すように、図柄間隔カウンタは、１図柄につき２４パルスに設定している（２１図柄で５０４パルス）。主制御部３００は、予め図柄番号カウンタに応じたパルス数を図柄間隔カウンタに設定し、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動モータに向けて駆動パルスを出力するごとに１減算し、図柄間隔カウンタの値が０になったときに図柄番号カウンタを１つ更新するようにしている。
【０１２９】
ステップＳ１１０３では、リールのインデックスセンサの検出結果を取得し、次のステップＳ１１０４では、インデックスセンサの検出があったかどうかを判定し、検出があった場合にはステップＳ１１０５に進み、検出が無かった場合にはステップＳ１１１０に進む。ここで、インデックスセンサの検出結果は、図柄番号カウンタの値が０で図柄間隔カウンタ値が０の位置に設けられた遮光片の通過を検出したときに、検出ありとされ、図柄番号カウンタに２０、図柄間隔カウンタに２４を設定する。
【０１３０】
ステップＳ１１０５では、スタートレバー１３５センサの検出結果を取得し、次のステップＳ１１０６では、スタートレバー１３５センサの検出があったかどうかを判定し、検出があった場合にはステップＳ１１０７に進み、検出が無かった場合にはステップＳ１１０８に進む。
【０１３１】
ステップＳ１１０７では、ＲＡＭ３０８に記憶しているストップボタン情報に、ストップボタン有効情報を設定し、ステップＳ１１０８では、上述のストップボタン情報に、ストップボタン無効情報を設定する。
【０１３２】
ステップＳ１１０９では、ＲＡＭ３０８に記憶しているストップボタンＬＥＤ情報（ストップボタン１３７〜１３９に対応して設けられたＬＥＤを制御するための制御情報）を更新した後、ステップＳ１１１０に進む。ステップＳ１１１０では、その他の処理を行った後に、処理を終了する。
【０１３３】
＜リール演出処理＞
次に、図１７を用いて、上述のリール回転制御処理におけるリール演出処理（ステップＳ１００８）について詳細に説明する。なお、同図はリール演出処理の流れを示すフローチャートである。
【０１３４】
ステップＳ１２０１では、リール演出用の各タイマの減算処理を行う。具体的には、上述の、左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ、第１リール演出タイマ、第１リール演出タイマ、第２リール演出タイマ、または第３リール演出タイマの値が０より大きい場合に、該当するタイマの値を１つ減算する処理を行う。
【０１３５】
ステップＳ１２０２では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）用低速Ｂタイマが０であるか否か、すなわち、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間が経過したか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１２０３に進み、該当しない場合にはステップＳ１２０４に進む。
【０１３６】
ステップＳ１２０３では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の低速Ｂ回転処理を行う。この低速Ｂ回転処理では、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動装置３２２に対し、主制御部タイマ割込処理を所定回数（本実施形態では３回）実行する毎に、各リール１１０〜１１２の駆動モータの励磁切替えを指示する制御信号を１パルス送信する。
【０１３７】
ステップＳ１２０４では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の低速Ａ回転処理を行う。この低速Ａ回転処理では、各リール１１０〜１１２を駆動する駆動装置３２２に対し、主制御部タイマ割込処理を所定回数（本実施形態では５回）実行する毎に、各リール１１０〜１１２の駆動モータの励磁切替えを指示する制御信号を１パルス送信する。
【０１３８】
ステップＳ１２０５では、第１リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第１リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０６に進み、第１リール演出タイマ値が０でない場合には処理を終了する。
【０１３９】
ステップＳ１２０６では、第２リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第２リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０８に進み、第２リール演出タイマ値が０でない場合にはステップＳ１２０７に進む。ステップＳ１２０７では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の振動回転処理を行う。この振動回転処理では、振動パラメータに基づいて、処理の対象となるリールを所定量だけ正方向に回転させた後に、所定量だけ逆方向に回転させる制御を繰り返すことによって、リールを振動させる（詳細は後述する）。
【０１４０】
ステップＳ１２０８では、第３リール演出タイマ値が０であるか否かを判定し、第３リール演出タイマ値が０の場合にはステップＳ１２０９に進み、第３リール演出タイマ値が０でない場合にはステップＳ１２１２に進む。
【０１４１】
ステップＳ１２０９では、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の停止処理を行う。また、次のステップＳ１２１０では、回胴制御ステータスを加速中に設定し、ステップＳ１２１１では、各リール１１０〜１１２毎に定められた加速Ｂ（Ｘ）パラメータ（後述する図２８（ａ）〜（ｃ）のテーブルに規定されたパラメータ）を取得して処理を終了する。なお、本実施形態では、予め異なるパラメータを規定したテーブルを用いているが、例えば、乱数値に基づいてパラメータをランダムに取得するように構成してもよい。
【０１４２】
ステップＳ１２１２では、Ｘリール（処理対象のリール）が右リール１１２であるか否かを判定し、該当する場合にはステップＳ１２１３に進んでＸリールの低速Ｂ回転処理を行い、該当しない場合にはステップＳ１２１４に進んでＸリールの停止処理を行う。
【０１４３】
＜第１副制御部４００の処理＞
次に、図１８を用いて、第１副制御部４００の処理について説明する。なお、同図（ａ）は、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４が実行するメイン処理のフローチャートであり、同図（ｂ）はコマンド入力処理のフローチャートである。また、同図（ｃ）は、第１副制御部４００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図（ｄ）は、第１副制御部４００のタイマ割込処理のフローチャートである。
【０１４４】
スロットマシン１００に電源が投入され、第１副制御部４００に電源が供給されると、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４にて、同図（ａ）に示すメイン処理が実行される。
【０１４５】
まず、ステップＳ１３０１では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、ＲＡＭ４０８内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップ１３０２では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、ステップＳ１３０３の処理に移行する。ステップＳ１３０３では、タイマ変数に０を代入する。
【０１４６】
ステップＳ１３０４では、コマンド入力処理を行う。このコマンド処理では、同図（ｂ）に示すように、ステップＳ１４０１で、後述するコマンド記憶領域を参照し、主制御部３００から受信したコマンドの中に未処理のコマンドがあるか無いかを判定し、未処理のコマンドがある場合に、ステップＳ１４０２において、コマンドに応じた各種の処理を行う。
【０１４７】
ステップＳ１３０５では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップＳ１３０４で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出指示情報をＲＡＭ４０８から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【０１４８】
ステップＳ１３０６では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいて音制御処理を行う。この音制御処理では、例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に音源ＩＣ４１８への命令がある場合には、この命令を音源ＩＣ４１８に出力する。
【０１４９】
ステップＳ１３０７では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に各種ランプ４２０への命令がある場合には、この命令を駆動回路４２２に出力する。
【０１５０】
ステップＳ１３０８では、ステップＳ１３０５の処理結果に基づいて第２副制御部５００に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップＳ１３０５で読み出した演出指示情報の中に第２副制御部５００に送信する制御コマンドがある場合（演出画像表示装置１５７に関する情報などがある場合）には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップＳ１３０２に戻る。
【０１５１】
次に、同図（ｃ）を用いて、第１副制御部４００のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第１副制御部４００が、主制御部３００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ１５０１では、主制御部３００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ４０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【０１５２】
次に、同図（ｄ）を用いて、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４によって実行する第１副制御部タイマ割込処理について説明する。第１副制御部４００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【０１５３】
ステップＳ１６０１では、同図（ａ）に示す第１副制御部メイン処理におけるステップＳ１３０２において説明したＲＡＭ４０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップＳ１３０２において、タイマ変数の値が１０以上と判定されるのは２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。また、ステップ１６０２では、ステップＳ１３０８で設定された第２副制御部５００への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【０１５４】
＜内部当選コマンド受付時処理＞
次に、図１９を用いて、上述のコマンド入力処理のステップＳ１４０２の処理の一つである内部当選コマンド受付時処理について詳細に説明する。なお、同図は内部当選コマンド受付時処理の流れを示すフローチャートである。
【０１５５】
この内部当選コマンド受付処理は、主制御部３００から、上述の内部抽選コマンドを受信した場合に実行する処理である。具体的には、ステップＳ１７０１では、内部抽選コマンドに含まれる内部当選情報を、ＲＡＭ４０８に記憶している内部当選情報に記憶して内部当選情報を最新の情報に更新する。
【０１５６】
ステップＳ１７０２では、内部抽選コマンドに含まれるリール演出情報を、ＲＡＭ４０８に記憶しているリール演出情報に記憶してリール演出情報を最新の情報に更新する。ステップＳ１７０３では、最新のリール演出情報を参照し、リール演出があるか無いか（第１リール演出あり、第２リール演出あり、および第３リール演出のいずれかの情報が設定されているか否か）を判定し、リール演出がない場合にはステップＳ１７０４に進み、リール演出がある場合にはステップＳ１７０６に進む。
【０１５７】
ステップＳ１７０４では、演出抽選を実行し、次のステップＳ１７０５では、当該演出抽選の抽選結果に応じて、演出の演出情報を設定して処理を終了する。
【０１５８】
ステップ１７０６では、各リール演出に応じた演出情報を設定して処理を終了する。例えば、第１リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１リール演出に対応する演出を行い、第２リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１〜第２リール演出に対応する演出を行い、第３リール演出ありの情報が設定されている場合には、第１〜第３リール演出に対応する演出を行う。
【０１５９】
＜第２副制御部５００の処理＞
次に、図２０を用いて、第２副制御部５００の処理について説明する。なお、同図（ａ）は、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４が実行するメイン処理のフローチャートである。同図（ｂ）は、第２副制御部５００のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図（ｃ）は、第２副制御部５００のタイマ割込処理のフローチャートである。同図（ｄ）は、第２副制御部５００の画像制御処理のフローチャートである。
【０１６０】
スロットマシン１００に電源が投入され、第２副制御部５００に電源が供給されると、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４にて、同図（ａ）に示すメイン処理が実行される。
【０１６１】
ステップＳ１８０１では、各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポート初期設定や、ＲＡＭ５０８内の記憶領域の初期化処理等を行う。ステップＳ１８０２では、タイマ変数が１０以上か否かを判定し、タイマ変数が１０となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が１０以上となったときには、ステップＳ１８０３の処理に移行する。
【０１６２】
ステップＳ１８０３では、タイマ変数に０を代入する。ステップＳ１８０４では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第１副制御部４００のＣＰＵ４０４からコマンドを受信したか否かを判別する。
【０１６３】
ステップＳ１８０５では、演出制御処理を行う。この演出制御処理では、例えば、ステップＳ１８０４で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをＲＯＭ５０６から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
【０１６４】
ステップＳ１８０６では、ステップＳ１８０５の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップＳ１８０５で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
【０１６５】
ステップＳ１８０７では、ステップＳ１８０５の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップＳ１８０５で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い（詳細は後述する）、ステップＳ１８０２に戻る。
【０１６６】
次に、同図（ｂ）を用いて、第２副制御部５００のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第２副制御部５００が、第１副制御部４００が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップＳ１９０１では、第１副制御部４００が出力したコマンドを未処理コマンドとしてＲＡＭ５０８に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【０１６７】
次に、同図（ｃ）を用いて、第２副制御部５００のＣＰＵ５０４によって実行する第２副制御部タイマ割込処理について説明する。第２副制御部５００は、所定の周期（本実施形態では２ｍｓに１回）でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【０１６８】
ステップＳ２００１では、第２副制御部メイン処理におけるステップＳ１８０２において説明したＲＡＭ５０８のタイマ変数記憶領域の値に、１を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップＳ１８０２において、タイマ変数の値が１０以上と判定されるのは２０ｍｓ毎（２ｍｓ×１０）となる。ステップＳ２００２では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【０１６９】
次に、同図（ｄ）を用いて、第２副制御部５００のメイン処理におけるステップＳ１８０７の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
【０１７０】
ステップＳ２１０１では、画像データの転送指示を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、まず、ＶＲＡＭ５３６の表示領域Ａと表示領域Ｂの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された１フレームの画像が演出画像表示装置１５７に表示される。次に、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてＲＯＭ座標（ＲＯＭ５０６の転送元アドレス）、ＶＲＡＭ座標（ＶＲＡＭ５３６の転送先アドレス）などを設定した後、ＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。ＶＤＰ５３４は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをＲＯＭ５０６からＶＲＡＭ５３６に転送する。その後、ＶＤＰ５３４は、転送終了割込信号をＣＰＵ５０４に対して出力する。
【０１７１】
ステップＳ２１０２では、ＶＤＰ５３４からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップＳ２１０３に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップＳ２１０３では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、ＣＰＵ５０４は、ステップＳ２１０１でＶＲＡＭ５３６に転送した画像データに基づいてＶＲＡＭ５３６の表示領域ＡまたはＢに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報（ＶＲＡＭ５３６の座標軸、画像サイズ、ＶＲＡＭ座標（配置座標）など）をＶＤＰ５３４に指示する。ＶＤＰ５３４はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【０１７２】
ステップＳ２１０４では、描画指示を行う。この描画指示では、ＣＰＵ５０４は、ＶＤＰ５３４に画像の描画開始を指示する。ＶＤＰ５３４は、ＣＰＵ５０４の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【０１７３】
ステップＳ２１０５では、画像の描画終了に基づくＶＤＰ５３４からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップＳ２１０６に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップＳ２１０６では、ＲＡＭ５０８の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント（＋１）して処理を終了する。
【０１７４】
＜リール演出の概要＞
次に、図２１を用いて、リール演出の概要について詳細に説明する。なお、同図は、リール演出と、当該演出後におけるリール制御のタイムチャートの一例を示した図である。
【０１７５】
＜リール演出／入賞役内部抽選処理＞
例えば、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理の入賞役内部抽選処理（上記ステップＳ１０３）において、ＢＢ２に当選したと判定した場合（上記ステップＳ２０３のＹｅｓ）には、上記ステップＳ２０４において、リール演出情報に、第３リール演出ありの情報を設定する。また、主制御部３００は、上記ステップＳ２０９において、第１副制御部４００に対し、入賞役内部抽選の抽選結果がＢＢ２であることを示す内部当選情報と、リール演出情報が第３リール演出ありであることを示す情報を含む内部抽選コマンドを送信する準備を行う。
【０１７６】
＜リール演出／リール準備処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理のリール演出準備処理（上記ステップＳ１０４）において、リール演出ありと判定し（上記ステップＳ３０１のＹｅｓ）、上記ステップＳ３０２において基準リール決定処理を行う。
【０１７７】
ここで、左リール１１０を停止させる目標図柄相対位置（左）が８（図４に示す左リールのセブン２図柄の図柄位置）、中リール１１１を停止させる目標図柄相対位置（中）が８（図４に示す中リールのセブン１図柄の図柄位置）、右リール１１２を停止させる目標図柄相対位置（右）が９（図４に示す右リールのベル図柄の図柄位置）に設定され、左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図４に示す左リールのリプレイ図柄の図柄位置）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図４に示す中リールのリプレイ図柄の図柄位置）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図４に示す右リールのスイカ１図柄の図柄位置）の場合を一例として説明することとする。
【０１７８】
基準リール決定処理では、３つのリール１１０〜１１２の中から基準となるリールを選択するが、この例では、上述のとおり、上記ステップ４０２で取得する暫定基準左の数値が１８、上記ステップ４０３で取得する暫定基準中の数値が６、上記ステップ４０で取得する暫定基準右の数値が１８であるから、暫定基準（Ｘ）が最も小さい数値に対応する中リール１１１を基準リールとして選択し、上記ステップＳ４０５において、基準リール情報に中リール１１１を示す情報を記憶する。
【０１７９】
続いて、主制御部３００は、上述の低速Ｂタイマ設定処理（上記ステップＳ３０３）を行うが、この例では、上述のとおり、左リール１１０に対応する低速Ｂ回転処理時間は、主制御部タイマ割込１０８０回分（１６３２．３２ｍｓ）、中リール１１１に対応する低速Ｂ回転処理時間は０ｍｓ、右リール１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間は主制御部タイマ割込５４０回分（８１２．１６ｍｓ）となる。
【０１８０】
続いて、主制御部３００は、第１リール演出タイマ設定処理（上記ステップＳ３０４）を行うが、この例では、上述のとおり、最大の低速Ｂ回転処理時間を有するリール（この例では、左リール１１０）に対応する低速Ａ回転処理時間は主制御部タイマ割込１６８０回分（２５２６．７２ｍｓ）、第１リール演出時間は主制御部タイマ割込２７６０回分（＝低速Ａ回転処理時間２５２６．７２ｍｓ＋最大低速Ｂ回転処理時間１６２４．３２ｍｓ）となる。したがって、中リール１１０の低速Ａ回転処理時間は４１５１．０４ｍｓ（＝第１リール演出時間４１５１．０４ｍｓ−中リール１１１の低速Ｂ回転処理時間０ｍｓ）、右リール１１２の低速Ａ回転処理時間は３３３８．８８ｍｓ（＝第１リール演出時間４１５１．０４ｍｓ−右リール１１２の低速Ｂ回転処理時間８１２．１６ｍｓ）となる。また、主制御部３００は、上記ステップ６０６において、算出した第１リール演出時間に対応するタイマ値を、第１リール演出タイマに設定する。
【０１８１】
続いて、主制御部３００は、上記ステップＳ３０６において、ＢＢ２当選ゲームであると判定し、上記ステップＳ３０７〜Ｓ３０８において、第２リール演出タイマ値と第３リール演出タイマ値を設定する。この例では、第２リール演出タイマ値には、４９８．３２ｍｓに相当する数値を設定し、第３リール演出タイマ値には、１０８．２８８ｍｓに相当する数値を設定する。
【０１８２】
＜リール演出／リール回転開始処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部メイン処理のリール回転開始処理（上記ステップＳ１０６）において、各リール１１０〜１１２の回転を開始させる準備を行った後（上記ステップＳ７０１〜Ｓ７０７）、リール演出ありと判定し（上記ステップＳ７０８のＹｅｓ）、回胴制御ステータスをリール演出中に設定する。
【０１８３】
＜リール演出／リール回転制御処理＞
続いて、主制御部３００は、上述の主制御部タイマ割込処理のリール制御処理（上記ステップＳ８０７）において、リール回転制御処理（上記ステップＳ９０５）を行う。このリール回転制御処理では、上記ステップＳ１００１において回胴制御ステータスを取得するが、この例では、回胴制御ステータスがリール演出中に設定されているため、ステップＳ１００４のリール演出処理を行う。
【０１８４】
＜リール演出／リール演出処理＞
続いて、主制御部３００は、上述のリール演出処理のステップＳ１２０１において、左リール用低速Ｂタイマ、中リール用低速Ｂタイマ、右リール用低速Ｂタイマ、第１リール演出タイマ、第１リール演出タイマ、第２リール演出タイマ、または第３リール演出タイマの値が０より大きい場合に、該当するタイマの値を１つ減算する処理を行う。
【０１８５】
続いて、主制御部３００は、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）用低速Ｂタイマが０の場合、すなわち、各リール１１０〜１１２に対応する低速Ｂ回転処理時間が経過した場合に、Ｘリール（左リール、中リール、または右リール）の回転処理を、低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替える。この例では、左リール１１０は、回転開始から低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１０８０回分（約１６４２．３２ｍｓ）が経過した場合に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替え、中リール１１０は、低速Ｂ回転処理時間が０ｍｓのため、回転開始と同時に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替え、右リール１１２は、回転開始から低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込５４０回分（約８１２．１６０ｍｓ）が経過した場合に、回転処理を低速Ｂ回転処理から低速Ａ回転処理に切り替える。なお、第１リール演出の詳細については後述する。
【０１８６】
続いて、主制御部３００は、第１リール演出タイマ値が０になるまで（第１リール演出時間が経過するまで）低速Ｂ回転処理または低速Ａ回転処理を行い、第１リール演出タイマ値が０になったと判定した場合（第１リール演出時間が経過した場合）に、第２リール演出（本実施形態では、振動回転処理）を開始する。この例では、第１リール演出時間が主制御部タイマ割込２７６０回分（約４１５１．０４ｍｓ）であるため、リール１１０〜１１２の回転開始から約４１５１．０４ｍｓ経過後に、上記ステップＳ１２０７において、第２リール演出（振動回転処理）を開始する。なお、第２リール演出の詳細については後述する。
【０１８７】
続いて、主制御部３００は、第２リール演出タイマ値が０になるまで（第２リール演出時間が経過するまで）第２リール演出（振動回転処理）を行い、第２リール演出タイマ値が０になったと判定した場合（第２リール演出時間が経過した場合）に、第３リール演出を開始する。この例では、第２リール演出時間が主制御部タイマ割込３３０回分（約４９８．３２ｍｓ）であるため、リール１１０〜１１２の回転開始から４６４９．３６ｍｓ（＝４１５１．０４ｍｓ＋４９８．３２ｍｓ）経過後に、上記ステップＳ１２１２〜Ｓ１２１４において、第３リール演出（右リール１１２の低速Ｂ回転処理と、左リール１１０および中リール１１１の停止処理）を開始する。なお、第３リール演出の詳細については後述する。
【０１８８】
＜第１リール演出＞
次に、第１リール演出について詳細に説明する。図２２（ａ）は第１リール演出の一例を示した図であり、図２３は、第１リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０１８９】
図２２（ａ）の最上段および図２３の経過時間０ｍｓの行に示すように、第１リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図柄位置１６のリプレイ図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図柄位置１０のリプレイ図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図柄位置１４のスイカ１図柄が中段）である。
【０１９０】
一方、図２２（ａ）の最下段および図２３の経過時間４１５１．０４ｍｓの行に示すように、第１リール演出の終了後は、左リール１１０を停止させる目標図柄相対位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄）、中リール１１１を停止させる目標図柄相対位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄）、右リール１１２を停止させる目標図柄相対位置（右）が９（図柄位置９のベル図柄）に設定されている。
【０１９１】
ここで、第１リール演出の期間は、「図柄位置調整区間」と「シングル揃い表示までの区間」の２つの区間に分類することができる。
【０１９２】
＜第１リール演出／図柄位置調整区間＞
図柄位置調整区間とは、基準リール（この例では、中リール１１１）の回転速度に対して、他のリール（この例では、左リール１１０と右リール１１２）の回転速度を調整し、図柄位置調整区間後に、各リール１１０〜１１２の図柄位置が所定の図柄位置（この例では、左リール１１０の図柄位置が１、中リール１１１の図柄位置が１、右リール１１２の図柄位置が２）になるように調整する区間である。
【０１９３】
具体的には、基準リールである中リール１１１を、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込２７６０回分（約４１５１．０４ｍｓ）だけ回転させる。また、左リール１１０を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１０８０回分（約１６４２．３２ｍｓ）だけ回転させた後に、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込１６８０回分（約２５２６．７２ｍｓ）だけ回転させる。また、右リール１１２を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込５４０回分（約８１２．１６ｍｓ）だけ回転させた後に、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ａ回転処理時間＝主制御部タイマ割込２２２０回分（約３３３８．８８ｍｓ）だけ回転させる。
【０１９４】
図２４（ａ）は各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置との関係を示した図であり、同図（ｂ）は各リール１１０〜１１２を低速Ａと低速Ｂで回転させたときのパルス数の変化を示した図である。
【０１９５】
各リール１１０〜１１２の図柄位置とパルス位置は、同図（ａ）に示すような関係があり、図柄位置を１つ進めるためには、パルス位置を２４進める必要がある。例えば、図柄位置を０から１に進めるためには、パルス位置を２４進めて０から２４にする必要があるため、低速Ａ（５割込みに１パルス）の回転速度でリールを回転させる場合には、同図（ｂ）に示すように、リールを主制御部タイマ割込１２０回分（約１８０．４８ｍｓ）だけ回転させる必要がある。
【０１９６】
一方、低速Ａよりも速い低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度でリールを回転させた場合には、同図（ｂ）に示すように、低速Ａと同じ時間だけ回転させたときにはパルス位置が４０進む。また、低速Ｂでリールを主制御部タイマ割込１８０回分（約２７０．７２ｍｓ）だけ回転させたときにはパルス位置が６０進み、このとき、低速Ａで回転させた場合と低速Ｂで回転させた場合とでパルス位置の差が２４（１図柄分）となり、低速Ｂで回転させているリールが、低速Ａで回転させているリールに比べ、１図柄分だけ進むことになる。すなわち、第１のリールの図柄位置に対して第２のリールの図柄位置を１つだけ進めたい場合には、第１のリールを低速Ａで回転させると同時に、第２のリールを低速Ｂで回転させれば、主制御部タイマ割込１８０回分（約２７０．７２ｍｓ）の時間が経過したときに、両者の図柄位置を１図柄分だけずらすことができる。
【０１９７】
本実施形態では、図２３に示すように、図柄位置調整区間において、左リール１１０の図柄位置（中段）を１６から１に、中リール１１１の図柄位置（中段）を１０から１に、右リール１１２の図柄位置（中段）を１４から２に、それぞれ調整する。
【０１９８】
＜第１リール演出／シングル揃い表示までの区間＞
また、シングル揃い表示までの区間とは、上述の図柄位置調整区間後からシングル揃いまでの区間のことである。ここで、シングル揃いとは、上述の右下がり入賞ラインＬ１、または右上がり入賞ラインＬ２に、特定の入賞役に対応する図柄組合せ（この例では、ＢＢ２に対応する「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン２図柄」の組み合わせ）が停止表示されることである。
【０１９９】
本実施形態では、シングル揃い表示までの区間において、全てのリール１１０〜１１２を低速Ｂ（同じ速度）で回転させることにより、左リール１１０の図柄位置（中段）を１から８に、中リール１１１の図柄位置（中段）を１から８に、右リール１１２の図柄位置（中段）を２から９に、それぞれ調整する。これにより、左リール１１０は目標図柄相対位置（左）の８（図柄位置８のセブン２図柄）で停止され、中リール１１１は目標図柄相対位置（中）の８（図柄位置８のセブン１図柄）で停止され、右リール１１２は目標図柄相対位置（右）の９（図柄位置９のベル図柄）で停止される。
【０２００】
なお、ここでは、第１リール演出の開始直前の左リール１１０の現在図柄位置（左）が１６（図柄位置１６のリプレイ図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が１０（図柄位置１０のリプレイ図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）１４（図柄位置１４のスイカ１図柄が中段）である場合の例を示したが、例えば、図２５に示すように、第１リール演出の開始直前の左リール１１０の現在図柄位置（左）が１５（図柄位置１５のベル図柄が中段）の場合も、リール制御の基本原理は同じである。
【０２０１】
すなわち、図柄位置調整区間では、基準リール（この例では、中リール１１１）の回転速度に対して、他のリール（この例では、左リール１１０と右リール１１２）の回転速度を調整し、図柄位置調整区間後に、各リール１１０〜１１２の図柄位置が所定の図柄位置（この例では、左リール１１０の図柄位置が２．５（図柄位置２と３の中間位置）、中リール１１１の図柄位置が２．５（図柄位置２と３の中間位置）（図柄位置２と３の中間位置）、右リール１１２の図柄位置が３．５（図柄位置３と４の中間位置））になるように調整する。
【０２０２】
また、シングル揃い表示までの区間において、全てのリール１１０〜１１２を低速Ｂで回転させることにより、左リール１１０の図柄位置（中段）を２．５から８に、中リール１１１の図柄位置（中段）を２．５から８に、右リール１１２の図柄位置（中段）を３．５から９に、それぞれ調整する。これにより、左リール１１０は目標図柄相対位置（左）の８（図柄位置８のセブン２図柄）で停止され、中リール１１１は目標図柄相対位置（中）の８（図柄位置８のセブン１図柄）で停止され、右リール１１２は目標図柄相対位置（右）の９（図柄位置９のベル図柄）で停止される。
【０２０３】
＜第２リール演出＞
次に、第２リール演出について詳細に説明する。図２２（ｂ）は第２リール演出の一例を示した図であり、図２６（ａ）は、第２リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０２０４】
図２２（ｂ）の最上段および図２６（ａ）の経過時間０ｍｓの行に示すように、第２リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２０５】
第２リール演出では、上述の振動回転処理によって、リール１１０〜１１２を正方向に所定パルス分（この例では、２パルス分、主制御部タイマ割込６回分）回転させる正方向回転と、リール１１０〜１１２を逆方向に所定パルス分（この例では、２パルス分、主制御部タイマ割込６回分）回転させて元の図柄位置に戻す逆方向回転と、を１セットの振動とし、この１セットの振動を所定時間（この例では、主制御部タイマ割込３３０回分（約４９８．３２ｍｓ））だけ繰り返す制御を行う。このようなリールの制御により、図２２（ｂ）に示すように、図柄表示窓１１３に表示されている９つの図柄が上下方向に僅かに揺れ動くような演出が行われる。
【０２０６】
＜第３リール演出＞
次に、第３リール演出について詳細に説明する。図２７（ａ）は第３リール演出の一例を示した図であり、図２６（ｂ）は、第３リール演出における図柄位置とパルス位置を示した図である。
【０２０７】
図２７（ａ）の最上段および図２６（ｂ）の経過時間０ｍｓの行に示すように、第３リール演出の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２０８】
第３リール演出では、左リール１１０および中リール１１１を停止させたままの状態で、右リール１１２を、低速Ｂ（３割込みに１パルス）の回転速度で、低速Ｂ回転処理時間＝主制御部タイマ割込７２回分（約１０８．２８８ｍｓ）だけ回転させる。これにより、図２７（ａ）の最下段および図２６（ｂ）の経過時間１０８．２８８ｍｓの行に示すように、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）となり、入賞ラインＬ２にＢＢ１に対応する「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン１図柄」の図柄組合せが表示される。
【０２０９】
＜リールの加速処理と定速処理＞
次に、リールの加速処理と定速処理について詳細に説明する。図２７（ｂ）はリールの加速処理と定速処理を行ったときの図柄表示窓１１３の態様の一例を示した図であり、図２８は、加速処理に用いる加速パラメータの一例を示した図である。
【０２１０】
この加速処理の開始直前は、左リール１１０の現在図柄位置（左）が８（図柄位置８のセブン２図柄が中段）、中リール１１１の現在図柄位置（中）が８（図柄位置８のセブン１図柄が中段）、右リール１１２の現在図柄位置（右）９（図柄位置９のベル図柄が中段）である。
【０２１１】
この加速処理では、図２８に示すような加速パラメータのテーブルを参照し、パラメータの項目で示される回数分の主制御タイマ割込みを実行するごとに、パルス位置を１進める処理を実行する。具体的には、左リール１１０の加速処理を行う場合には、同図（ａ）のテーブルを参照し、１１回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１６．５４４ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１１）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、６回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（９．０２４ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×６）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、４４回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（６６．１７６ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×４４）経過するまでに）、パルス位置を１８進める処理を行う。
【０２１２】
また、中リール１１１の加速処理を行う場合には、同図（ｂ）のテーブルを参照し、２２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（３３．０８８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×２２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、１２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１８．０４８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、９２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１３８．３６８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×９２）経過するまでに）、パルス位置を２４進める処理を行う。
【０２１３】
また、右リール１１２の加速処理を行う場合には、同図（ｃ）のテーブルを参照し、２２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（３３．０８８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×２２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、次に、１２回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（１８．０４８ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１２）経過するまでに）、パルス位置を１進める処理を実行し、以降、同テーブルに従って、１４０回分の主制御タイマ割込みを実行する間に（２１０．５６ｍｓ（＝１．５０４ｍｓ×１４０）経過するまでに）、パルス位置を３２進める処理を行う。
【０２１４】
また、これらの加速処理が終了した後は、定速処理を行う。この定速処理では、図２９に示すように、所定回数（この例では１回）分の主制御タイマ割込みを実行するごとに、パルス位置を１進める処理を実行する。具体的には、本実施形態では、左リール１１０の低速処理では、１回分の主制御タイマ割込みを実行するごとにパルス位置を１進める処理を、主制御タイマ割込み９６回分行い、中リール１１１の低速処理では、１回分の主制御タイマ割込みを実行するごとにパルス位置を１進める処理を、主制御タイマ割込み４８回分行い、右リール１１２は定速処理を行わない。そして、これらの加速処理と定速処理が終わった後に、リール演出開始時に無効状態としていたストップボタン１３７〜１３９の停止操作を有効状態に変更し、ストップボタン１３７〜１３９によるリール１１０〜１１２の停止を可能とする。
【０２１５】
図２９は、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの各リール１１０〜１１２の図柄位置のずれ（差）を示した図である。左リール１１０は、加速処理でパルス位置が１８進み、定速処理でパルス位置が９６進むため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、４．７５（＝（１８＋９６）／２４）図柄分だけ回転することになる。また、中リール１１１は、加速処理でパルス位置が２４進み、定速処理でパルス位置が４８進むため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、３（＝（２４＋４８）／２４）図柄分だけ回転することになる。右リール１１２は、加速処理でパルス位置が３２進み、定速処理ではパルス位置は変わらないため、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに、１．３３（＝（３２＋０）／２４）図柄分だけ回転することになる。
【０２１６】
よって、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでの左リール１１０と中リール１１１の図柄位置のずれは１．７５（＝４．７５−３）図柄分となり、左リール１１０における図柄位置９のセブン１図柄と、中リール１１１における図柄位置８のセブン１図柄の間には、１．７５図柄分のずれが生成され、セブン１図柄が入賞ラインＬ１または入賞ラインＬ２上に（直線上に）揃わないように構成している。このように、特定の入賞役に対応する図柄組合せ（この例では、ＢＢ２に対応する図柄組合せ「セブン１図柄−セブン１図柄−セブン２図柄」）を構成する図柄の間隔が整数倍の図柄（１図柄や２図柄）にならないように設定することにより、特定の入賞役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃ってしまい、遊技者に誤解を与えるようなことを未然に防止できる場合がある。
【０２１７】
また、この例では、加速処理が開始されてから定速処理が終了するまでに進める図柄位置を、左リール１１０が４．７５図柄、右リール１１２が１．３３図柄としており、整数倍の図柄位置にならないように（入賞ライン上に表示されないように）しているため、特定の入賞役に対応する図柄が入賞ライン上に表示されてしまい、遊技者に誤解を与えるようなことを未然に防止できる場合がある。
【０２１８】
＜変形例＞
図３０は変形例に係るリール演出処理の流れを示すフローチャートであり、図３１は変形例に係るリール回転制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、上記実施形態と同一の部分については、図面において同一の符号を付すとともに、その説明は省略する。
【０２１９】
変形例に係るリール演出処理ステップＳ２５１０では、全てのリール１１０〜１１２の共通の処理として、加速Ａ共通パラメータ（例えば、上記図２８（ａ）のパラメータ）を取得し、次のステップＳ２５１１では、ＲＡＭ３０８に記憶している加速開始遅延タイマに、各リール１１０〜１１２ごとに規定された加速開始遅延時間を設定する。
【０２２０】
一方、変形例に係るリール回転制御処理のステップＳ２６０３では、制御対象のリールに対応する加速開始遅延タイマの値を取得し、ステップＳ２６０４では、加速遅延タイマの値が０の場合、すなわち、各リール１１０〜１１２ごとに規定された加速開始遅延時間が経過した場合に、以降の処理を実行する。また、ステップＳ２６０６の加速処理では、上記ステップＳ２５１０で取得した加速Ａ共通パラメータを用いて、各リール１１０〜１１２で共通の加速処理を行う。
【０２２１】
この変形例では、共通の制御データを用いて各リール１１０〜１１２の加速処理を行うことができるため、制御負担を軽減し、かつ記憶容量を削減することができる。
【０２２２】
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン１００は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール（例えば、リール１１０〜１１２）と、前記リールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段（例えば、スタートレバー１３５）と、前記リールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段（例えば、ストップボタン１３７〜１３９）と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段（例えば、入賞役内部抽選処理）と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記リールの各々を停止させる制御を行うリール停止制御手段（例えば、リール制御処理）と、前記リール停止制御手段による停止結果に基づいて、通常遊技よりも有利度合いの高い特典遊技を設定する遊技設定手段（例えば、遊技状態制御処理）と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄（例えば、セブン１図柄）がすくなくとも１つ施され、前記停止操作がされていない非停止（回転中）のリールが複数あり、該非停止のリールに対する停止操作の受付けが許諾されない受付無効中（例えば、図２１において「停止ボタン無効中」で示す期間）において、前記非停止のリールを、前記特定の図柄が直線上（例えば、入賞ラインＬ１、Ｌ２上）に並んでいない第一の状態（例えば、図２２（ａ）の最上段に示す状態）から直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態（例えば、図２７（ａ）の最下段に示す状態）とさせるリール演出処理を行うリール演出処理手段（例えば、リール演出処理）と、前記リール演出処理が終了したのち、前記非停止のリールの各々の回転速度を予め定めた一定速として維持させるリール回転処理を行うリール回転処理手段（例えば、加速処理や定速処理）と、前記リール回転処理により前記非停止のリールが一定速で維持されたことに基づいて、該非停止のリールに対する停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾手段と、を備え、前記リール回転処理手段は、前記非停止のリールを一定速で維持するまでに、前記非停止のリールを、前記第二の状態から前記第一の状態とさせるリール回転処理を行うことを特徴とする遊技台である。
【０２２３】
本実施形態に係るスロットマシン１００によれば、リールに対する停止操作の受付けを許諾していない状態で図柄を揃える演出を行った後に、リールに対する停止操作の受付けを許諾するため、図柄を揃えるような演出を行うことによって遊技者の遊技意欲の向上を図りつつも、当該演出が目押しの補助（入賞の手助け）となることがないため、遊技店に不利益を与えることがない。
また、本実施形態に係る遊技台（例えば、スロットマシン１００）は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール（例えば、リール１１０〜１１２）と、前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段（例えば、スタートレバー１３５）と、前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段（例えば、リール回転制御処理）と、前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段（例えば、リール制御処理のステップＳ９０１〜Ｓ９０２の処理）と、前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段（例えば、ストップボタン１３７〜１３９）と、複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段（例えば、入賞役内部抽選処理）と、前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段（例えば、リール停止準備処理）と、を備える遊技台であって、前記複数のリールの各々には、特定の図柄（例えば、セブン１図柄）がすくなくとも１つ施され、前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、前記第一のリール回転処理（例えば、リール演出処理）は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、前記第二のリール回転処理（例えば、加速処理、定速処理）は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台である。
本実施形態に係る遊技台によれば、リールの停止操作を受け付ける前に特定の図柄を揃えるリール演出を行うことで、リールの停止操作前における遊技者の遊技意欲を高めることができる上に、当該リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。また、図柄がずれた状態をリールの停止操作を受け付けるまで維持できるため、リール演出が目押しの補助（入賞の手助け）となるようなことがなく、遊技の公平性を担保することができ、遊技店に不利益を与えるようなことがない。また、リール演出の有無によって遊技者に利益や不利益を与えることがないため、遊技者間の公平性を担保することができ、遊技店に対して損失を与えることもない。
また、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、各々異なるタイミングで（例えば、上記＜変形例＞で説明したように、各リール１１０〜１１２毎に規定された加速開始遅延時間が経過したタイミングで）前記複数の非停止リールの加速を開始するとともに、該複数の非停止リールを共通の速度で（例えば、上記＜変形例＞で説明したように、加速Ａ共通パラメータを用いた速度で）前記一定速まで加速してもよい。
このような構成とすれば、リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。
また、前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記特定の図柄が直線上に並んだ隣り合う２つの前記非停止リールの一方を第一の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を第一の位置とし、前記非停止リールの他方を前記第一の時間とは異なる第二の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を前記第一の位置とは異なる第二の位置としてもよい。
このような構成とすれば、リール毎に異なる回転速度としたのち一定速となるので、遊技者にリール位置の調整期間から停止有効期間への切り替わりをリールの回転動作で把握させられる場合がある。また、リール演出後に特定の図柄を確実にずらすことができるため、特定の図柄が揃って特定の入賞役に入賞したかのような誤解を遊技者に与えることがない。
【０２２４】
また、前記リール演出処理手段は、前記非停止のリールを前記第二の状態とした後に、該第二の状態を維持したまま前記非停止のリールを前記一定速よりも遅い速度で回転させるリール演出処理（例えば、図２２（ｂ）に示す第２リール演出や、正方向または逆方向にリールをゆっくりと回転させる処理）を行ってもよい。
【０２２５】
このような構成とすれば、入賞役に対応する図柄組合せが停止表示されてしまうことによって、遊技者に誤解を与え、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうような事態を未然に防止できる場合がある。
【０２２６】
また、前記リールを所定の速度から前記一定速まで加速させるための加速パラメータであって、前記所定の速度から前記一定速までの到達時間が第一の時間（例えば、図２８（ａ）のパラメータでは６６．１７６ｍｓ）とされ、かつ前記一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置が第一の位置（例えば、図２８（ａ）のパラメータでは、加速前から１８／２４図柄ずれた位置）とされた第一加速パラメータと、前記所定の速度から前記一定速までの到達時間が前記第一の時間とは異なる第二の時間（例えば、図２８（ｂ）のパラメータでは１３８．３６８ｍｓ）とされ、かつ前記一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置が前記第一の位置とは異なる第二の位置（例えば、図２８（ｂ）のパラメータでは、加速前から１図柄ずれた位置）とされた第二加速パラメータと、を記憶する記憶手段を備え、前記リール回転処理手段は、隣り合って配置されたすくなくとも２つの非停止のリールの一方に対し、前記第一加速パラメータを用いて第一の前記リール回転処理を行い、他方に対し、前記第二加速パラメータを用いてる第二の前記リール回転処理を行ってもよい。
【０２２７】
このような構成とすれば、リールをスムーズに回転させることができる上に、隣り合ったリールの図柄をずらすことができ、入賞役に対応する図柄組合せが停止表示されてしまうことによって、遊技者に誤解を与え、遊技者の遊技意欲を減退させてしまうような事態を未然に防止できる場合がある。
【０２２８】
また、前記リール回転処理手段は、前記非停止リールの全てに対し、各々異なる前記加速パラメータ（例えば、図２８（ａ）〜（ｃ）の加速パラメータ）を用いて前記リール回転処理を行ってもよい。
【０２２９】
このような構成とすれば、全てのリールの動きを容易に異ならせることができるため、演出効果を高め、遊技者の遊技意欲を向上させることができる場合がある。
【０２３０】
また、前記リール回転処理手段は、前記非停止リールの全てに対し、各々異なるタイミングで前記所定の速度から前記一定速までの加速を開始させるとともに、共通の前記加速パラメータを用いて前記リール回転処理（例えば、図３０、図３１に示す処理）を行ってもよい。
【０２３１】
このような構成とすれば、共通の加速パラメータによってリール制御を行うことができるため、制御負担を軽減し、記憶容量を削減できる場合がある。
【０２３２】
なお、本発明に係る遊技台の構成は、上記実施形態に係るスロットマシン１００の構成に限定されるものではなく、例えば、リールの数は３つに限定されるものではなく、４つ以上のリールを有する遊技台にも適用することができ、また、停止操作受付手段（ストップボタン）も同様である。また、上述のリール演出１ではリール１１０〜１１２の全てを一方向（正方向）に回転させて図柄位置を調整する例を示したが、例えば、リールの一部を一方向（正方向）に回転させるとともに、残りの一部を他方向（逆方向）に回転させて図柄位置を調整してもよく、また、全てのリールを他方向（逆方向）に回転させて図柄位置を調整してもよい。
【０２３３】
また、主制御部タイマ割込みの周期を約１．５０４ｍｓとしたが、これよりも短い周期であってもよいし、長い周期であってもよい。また、特定の図柄は、ボーナス役に対応する図柄組合せに含まれる図柄以外でもよく、各リールに少なくとも一つ施されていればよい。
【０２３４】
また、本発明に係る「受付無効中」は、図２１において「停止ボタン無効中」で示す期間（３つのリールが回転している期間）に限定されるものではなく、停止操作がされていない非停止（回転中）のリールが複数あり、該非停止のリールに対する停止操作の受付けが許諾されない期間であればよい。したがって、例えば、上述の第１停止操作によって１つのリールが停止され、かつ２つ（複数）のリールが回転している期間であって停止操作の受付けが許諾されない期間も含まれる。
【０２３５】
また、上記実施形態では、メダル（コイン）を遊技媒体としたスロットマシンの例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球（例えば、パチンコ玉
）を遊技媒体としたスロットマシンなどにも、本発明は適用可能である。
【０２３６】
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカ
ジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
【０２３７】
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【０２３８】
本発明の遊技台は、回胴遊技機（スロットマシン）や弾球遊技機（パチンコ等）に代表される遊技台の分野で特に利用することができる。
【符号の説明】
【０２３９】
１００ スロットマシン
１１０〜１１２ リール
１３５ スタートレバー
１３７〜１３９ ストップボタン
３００ 主制御部
４００ 第１副制御部
５００ 第２副制御部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段と、
前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段と、
前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段と、
前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段と、
複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段と、を備える遊技台であって、
前記複数のリールの各々には、特定の図柄がすくなくとも１つ施され、
前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、
前記第一のリール回転処理は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、
前記第二のリール回転処理は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台。
【請求項２】
請求項１に記載の遊技台であって、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、各々異なるタイミングで前記複数の非停止リールの加速を開始することを特徴とする遊技台。
【請求項３】
請求項１または２に記載の遊技台であって、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記特定の図柄が直線上に並んだ隣り合う２つの前記非停止リールの一方を第一の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を第一の位置とし、前記非停止リールの他方を前記第一の時間とは異なる第二の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を前記第一の位置とは異なる第二の位置とすることを特徴とする遊技台。
【請求項１】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
前記複数のリールの各々を回転させるためのスタート操作を受付けるスタート操作受付手段と、
前記スタート操作の受付けに基づいて、前記複数のリールの各々を回転させたのち、回転速度を予め定められた一定速で維持するリール回転処理を行うリール回転処理手段と、
前記リール回転処理により前記複数のリールの各々が前記一定速で維持されたことに基づいて、該複数のリールの各々に対するすべての停止操作の受付けを許諾しない状態から許諾する状態に切り替える受付許諾処理を行う受付許諾手段と、
前記受付許諾処理が行われたのち、前記複数のリールの回転を個別に停止させるための各停止操作を受付ける停止操作受付手段と、
複数の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
前記停止操作受付手段により停止操作を受付けた場合に、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記複数のリールのうち、当該受付された停止操作に対応するリールを停止させる制御を行うリール停止制御手段と、を備える遊技台であって、
前記複数のリールの各々には、特定の図柄がすくなくとも１つ施され、
前記リール回転処理は、第一のリール回転処理と第二のリール回転処理をすくなくとも含み、
前記第一のリール回転処理は、前記停止操作の受付けがされていない非停止リールが複数あり、該複数の非停止リールの各々に対する停止操作の受付けが許諾されていない受付無効中において、前記複数の非停止リールを、前記特定の図柄が直線上に並んでいない第一の状態から該特定の図柄が直線上にすくなくとも２つ並ぶ第二の状態とする処理であり、
前記第二のリール回転処理は、前記第一のリール回転処理が終了した前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、前記一定速まで加速し該一定速に維持する処理であり、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記第一のリール回転処理で前記第二の状態とされた前記複数の非停止リールを、前記第一の状態とし、かつ該第一の状態とされた前記複数の非停止リールの各々の回転速度を、一の前記非停止リールに対応する停止操作を受付けるまで前記一定速に維持することを特徴とする遊技台。
【請求項２】
請求項１に記載の遊技台であって、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、各々異なるタイミングで前記複数の非停止リールの加速を開始することを特徴とする遊技台。
【請求項３】
請求項１または２に記載の遊技台であって、
前記リール回転処理手段は、前記第二のリール回転処理において、前記特定の図柄が直線上に並んだ隣り合う２つの前記非停止リールの一方を第一の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を第一の位置とし、前記非停止リールの他方を前記第一の時間とは異なる第二の時間で前記一定速まで加速することで、該一定速に到達したときの前記特定の図柄の位置を前記第一の位置とは異なる第二の位置とすることを特徴とする遊技台。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【公開番号】特開２０１３−９０９３５（Ｐ２０１３−９０９３５Ａ）
【公開日】平成２５年５月１６日（２０１３．５．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−２８１８８６（Ｐ２０１２−２８１８８６）
【出願日】平成２４年１２月２６日（２０１２．１２．２６）
【分割の表示】特願２０１０−２７３１７８（Ｐ２０１０−２７３１７８）の分割
【原出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（５９７０４４１３９）株式会社大都技研 (1,470)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１６日（２０１３．５．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２４年１２月２６日（２０１２．１２．２６）
【分割の表示】特願２０１０−２７３１７８（Ｐ２０１０−２７３１７８）の分割
【原出願日】平成２２年１２月８日（２０１０．１２．８）
【出願人】（５９７０４４１３９）株式会社大都技研 (1,470)
【Ｆターム（参考）】
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