説明

遊技機

【課題】 目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能を備える遊技機を提供すること。
【解決手段】 複数種類の図柄が描かれた複数のリールと、リール面上に貼着され、それぞれ偏光軸が異なる複数の第1偏光シートと、複数の第1偏光シートの各偏光軸のいずれか一つの偏光軸とそれぞれ直交する一の偏光軸を有する複数の第2偏光シートとを備え、複数の第1偏光シートは、それぞれ、第1偏光シートごとに異なる種類の図柄と対応付けられており、第1偏光シートは、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されており、一の第2偏光シートをリールの前面に配置可能であることを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
上述した遊技機で遊技を行う遊技者は、所定の図柄でリールを停止させるために、回転するリール上の図柄を見極めてストップボタンの操作( 以下、目押しともいう)を行う必要がある。内部当籤役には、一旦当籤すると所定の図柄でリールが停止するまで当籤状態が継続するものと、当籤しても当籤状態が当該遊技においてのみ有効のものがある。目押しをうまく出来なければ、前者の場合には、所定の図柄でリールが停止するために何回かの遊技を無駄に行うこととなり、後者の場合には利益を取り損ねることとなる。そのため、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者は、熟練した遊技者に比べて、充分な利益を享受できないこととなる。
そのため、上述した遊技機のなかには、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に利益を付与するために、目押しをサポートする機能を有する遊技機が存在する(例えば、特許文献1、特許文献2)。例えば、特許文献1に記載の遊技機では、特定の図柄を除く図柄に第1の偏光シートを貼着し、第1の偏光シートの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2の偏光シートをリールの前面に配置することにより、遊技者が特定図柄以外の図柄を視認できなくすることにより、目押しをサポートする。
【0004】
【特許文献1】特開2004−166853号公報
【特許文献2】特開2007−396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機では、目押しサポートが行われるのは、特定図柄に対してのみであった。遊技者によって、目押しのサポートを受けたい図柄は異なるため、特許文献1に記載の遊技機が備える目押しサポート機能は、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能ではなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能を備える遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 複数種類の図柄が描かれた複数のリールと、
上記リール面上に貼着され、それぞれ偏光軸が異なる複数の第1偏光シートと、
複数の上記第1偏光シートの各偏光軸のいずれか一つの偏光軸とそれぞれ直交する一の偏光軸を有する複数の第2偏光シートと
を備え、
複数の上記第1偏光シートは、それぞれ、上記第1偏光シートごとに異なる種類の図柄と対応付けられており、上記第1偏光シートは、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されており、
一の上記第2偏光シートを上記リールの前面に配置可能である
ことを特徴とする遊技機。
【0008】
(1)の発明によれば、複数の第1偏光シートは、それぞれ、第1偏光シートごとに異なる種類の図柄と対応付けられており、第1偏光シートは、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されている。そのため、リールの前面に配置する第2偏光シートを変更することにより、目押しサポートを行う図柄を変更することができる。すなわち、(1)の発明によれば、様々な種類の図柄の目押しサポートを行うことができるため、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能を備える遊技機を提供することができる。
【0009】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の遊技機であって、
複数の上記第2偏光シートから、上記リールの前面に配置する一の上記第2偏光シートの選択を行うことが可能な第2偏光シート選択手段と、
上記第2偏光シート選択手段により選択された上記第2偏光シートを上記リールの前面に配置する選択第2偏光シート配置手段と
を備えることを特徴とする。
【0010】
(2)の発明によれば、リールの前面に配置する第2偏光シートの選択を行うことが可能である。そのため、選択された第2偏光シートをリールの前面に配置することにより、複数種類の図柄のうち、一の種類の図柄の目押しサポートを行うことができる。
例えば、遊技者が第2偏光シートの選択を行った場合には、遊技者が目押しサポートを受けたいと希望する図柄の目押しサポートを行うことができ、遊技者に快適に遊技を行わせることができる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)の遊技機であって、
内部当籤役を決定する内部抽籤手段と、
上記リールの、上記内部抽籤手段により決定された上記内部当籤役に対応する図柄に対応付けられている上記第1偏光シートの偏光軸と直交する偏光軸を有する上記第2偏光シートを上記リールの前面に配置する第2偏光シート配置手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
(3)の発明によれば、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する図柄の目押しサポートを行うことができる。すなわち、目押しが必要となる場合には、必ず目押しサポートを行うこととなり、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に対しても、充分な利益を付与することができる。
【0013】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4) 上記(3)の遊技機であって、
上記第2偏光シートを配置する配置モードと、上記第2偏光シートを配置しない非配置モードとの切り替えを行うことが可能なモード切替手段
を備え、
上記第2偏光シート配置手段は、
上記モード切替手段により切り替えられたモードが上記配置モードである場合に、上記第2偏光シートを上記リールの前面に配置することを特徴とする。
【0014】
(4)の発明によれば、配置モードと、非配置モードとの切り替えを行うことができる。例えば、目押しサポートの必要のない上級者は、非配置モードに切り替えることにより、目押しサポート機能のない遊技機で遊技を行うことができる。そのため、上級者が遊技を行う場合であっても、上級者に煩わしさを感じさせずに遊技を行わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能を備える遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
【0017】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0018】
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0019】
リールの面上には、偏光軸が異なる複数の第1偏光シートが貼着されている。各第1偏光シートは、それぞれ、第1偏光シートごとに異なる種類の図柄と対応付けられている。そして、第1偏光シートは、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されている。
【0020】
第2偏光シート配置手段は、内部抽籤手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に対応する図柄に対応付けられている第1偏光シートの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリールの前面に配置する。そのため、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する図柄以外の図柄が遊技者に視認されることがなくなるため、遊技者は、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する図柄でリールを停止しやすくなる。
【0021】
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0022】
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0023】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
【0024】
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
【0025】
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0026】
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0027】
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0028】
パチスロの機能フローについての説明は以上である。次に、本実施の形態におけるパチスロの構造について説明する。
【0029】
図2は、本実施の形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【0030】
パチスロ1は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2と、キャビネット2に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア8とを備える。キャビネット2の内部には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0031】
フロントドア8の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域4(図柄表示領域4L、4C及び4R)を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域4は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
【0032】
つまり、図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域4を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0033】
図柄表示領域4(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリールの回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ラインL)として定義する。
【0034】
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、表示窓4Lの上段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、表示窓4Lの下段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ラインLとして設けている。
【0035】
フロントドア8には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口22は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口22に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0036】
ベットボタン11及びベットボタン13は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0037】
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
【0038】
7セグ表示器18は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0039】
ランプ9(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21(スピーカ21L及び21R)は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置50の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
【0040】
目押しサポート切替ボタン23は、第2偏光シート31をリール3の前面に配置する配置モードと、第2偏光シート31をリール3の前面に配置しない非配置モードとの切り替えを行うためのボタンである。
【0041】
図3は、図2に示したパチスロが備えるリールに貼着される帯状シートの概略を示す図である。
図3に示すように、帯状シート34A〜帯状シート34Fは、それぞれ、ほぼ同じ幅、ほぼ同じ長さとなるように形成されている。帯状シート34Aは、リール3Lの周面に貼着される帯状のシートである。帯状シート34Aには、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配されている。
【0042】
帯状シート34Bは、帯状シート34A上に貼着される帯状の透明シートである。帯状シート34Bには、透明シート28と、透明の第1偏光シート27Aとが貼着されている。図3に示すように、帯状シート34Aのチェリーの図柄が配された部分に対応する帯状シート34Bの部分には、透明シート28が貼着され、その他の部分には、第1偏光シート27Aが貼着されている。そのため、第1偏光シート27Aの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート(図4参照)をリール3Lの前面に配置することにより、チェリーの図柄以外の図柄を遊技者に視認されなくすることができる。なお、透明シート28と、第1偏光シート27Aとが透明部材により構成されているため、第1偏光シート27Aの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリール3Lの前面に配置しないことにより、帯状シート34A上に配された全ての図柄を遊技者に視認可能とすることができる。
第1偏光シート27Aは、チェリーに対応付けられている第1偏光シートである。
【0043】
帯状シート34Cは、帯状シート34B上に貼着される帯状の透明シートである。帯状シート34Cには、透明シート28と、透明の第1偏光シート27Bとが貼着されている。図3に示すように、帯状シート34Aのベルの図柄が配された部分に対応する帯状シート34Cの部分には、透明シート28が貼着され、その他の部分には、第1偏光シート27Bが貼着されている。そのため、第1偏光シート27Bの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート(図4参照)をリール3Lの前面に配置することにより、ベルの図柄以外の図柄を遊技者に視認されなくすることができる。なお、透明シート28と、第1偏光シート27Bとが透明部材により構成されているため、第1偏光シート27Bの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリール3Lの前面に配置しないことにより、帯状シート34A上に配された全ての図柄を遊技者に視認可能とすることができる。
第1偏光シート27Bは、ベルに対応付けられている第1偏光シートである。
【0044】
帯状シート34Dは、帯状シート34C上に貼着される帯状の透明シートである。帯状シート34Dには、透明シート28と、透明の第1偏光シート27Cとが貼着されている。図3に示すように、帯状シート34Aのスイカの図柄が配された部分に対応する帯状シート34Dの部分には、透明シート28が貼着され、その他の部分には、第1偏光シート27Cが貼着されている。そのため、第1偏光シート27Cの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート(図4参照)をリール3Lの前面に配置することにより、スイカの図柄以外の図柄を遊技者に視認されなくすることができる。なお、透明シート28と、第1偏光シート27Cとが透明部材により構成されているため、第1偏光シート27Cの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリール3Lの前面に配置しないことにより、帯状シート34A上に配された全ての図柄を遊技者に視認可能とすることができる。
第1偏光シート27Cは、スイカに対応付けられている第1偏光シートである。
【0045】
帯状シート34Eは、帯状シート34D上に貼着される帯状の透明シートである。帯状シート34Eには、透明シート28と、透明の第1偏光シート27Dとが貼着されている。図3に示すように、帯状シート34Aのリプレイの図柄が配された部分に対応する帯状シート34Eの部分には、透明シート28が貼着され、その他の部分には、第1偏光シート27Dが貼着されている。そのため、第1偏光シート27Dの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート(図4参照)をリール3Lの前面に配置することにより、リプレイの図柄以外の図柄を遊技者に視認されなくすることができる。なお、透明シート28と、第1偏光シート27Dとが透明部材により構成されているため、第1偏光シート27Dの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリール3Lの前面に配置しないことにより、帯状シート34A上に配された全ての図柄を遊技者に視認可能とすることができる。
第1偏光シート27Dは、リプレイに対応付けられている第1偏光シートである。
【0046】
帯状シート34Fは、帯状シート34E上に貼着される帯状の透明シートである。帯状シート34Fには、透明シート28と、透明の第1偏光シート27Eとが貼着されている。図3に示すように、帯状シート34Aの赤7の図柄が配された部分に対応する帯状シート34Fの部分には、透明シート28が貼着され、その他の部分には、第1偏光シート27Eが貼着されている。そのため、第1偏光シート27Eの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート(図4参照)をリール3Lの前面に配置することにより、赤7の図柄以外の図柄を遊技者に視認されなくすることができる。なお、透明シート28と、第1偏光シート27Eとが透明部材により構成されているため、第1偏光シート27Eの偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シートをリール3Lの前面に配置しないことにより、帯状シート34A上に配された全ての図柄を遊技者に視認可能とすることができる。
第1偏光シート27Eは、赤7に対応付けられている第1偏光シートである。
【0047】
リール3Lの円筒状のフレームの周面には、まず、帯状シート34Aを貼着する。そして、帯状シート34A上に、帯状シート34B、帯状シート34C、帯状シート34D、帯状シート34E、帯状シート34Fを貼着する。帯状シート34B〜34Fを貼着する際には、図3で示した関係を維持するように貼着を行う。例えば、帯状シート34Bを貼着する際には、帯状シート34B上に貼着された透明シート28が、帯状シート34A上に配されたチェリーの図柄の上になるように貼着を行う。
なお、帯状シート34A上に、帯状シート34B〜帯状シート34Fを貼着する順番は、特に限定されない。
【0048】
透明シート28と、第1偏光シート27(第1偏光シート27A、第1偏光シート27B、第1偏光シート27C、第1偏光シート27D、第1偏光シート27E)とは、単位体積あたりの重量がほぼ同じになるように形成されている。そのため、透明シート28と第1偏光シート27とが貼着された帯状シート34をリール3Lに貼着した場合であっても、重量が不均衡とならず、リール3Lの回転に支障が生じないようにすることができる。
以上、リール3Lに貼着される帯状シート34について説明を行ったが、リール3C、リール3Rに対してもリール3Lと同様に、帯状シート34が貼着されている。
【0049】
図4は、図2に示したパチスロが備えるリールの前面に配置される帯状シートの概略を示す図である。
帯状シート32は、帯状の透明シートである。帯状シート32上には、第2偏光シート31A、第2偏光シート31B、第2偏光シート31C、第2偏光シート31D、第2偏光シート31Eがそれぞれ貼着されている。第2偏光シート31Aが有する偏光軸は、第1偏光シート27Aが有する偏光軸と直交する。第2偏光シート31Bが有する偏光軸は、第1偏光シート27Bが有する偏光軸と直交する。第2偏光シート31Cが有する偏光軸は、第1偏光シート27Cが有する偏光軸と直交する。第2偏光シート31Dが有する偏光軸は、第1偏光シート27Dが有する偏光軸と直交する。第2偏光シート31Eが有する偏光軸は、第1偏光シート27Eが有する偏光軸と直交する。なお、第2偏光シート31A、第2偏光シート31B、第2偏光シート31C、第2偏光シート31D、第2偏光シート31Eは、透明である。
【0050】
図5は、図2に示したパチスロが備えるフロントドアの一部の構成の断面図である。
フロントドア8の背面側に、ロール25(ロール25H、ロール25L)が設けられている。ロール25H(ロール25HR、ロール25HC、ロール25HL(図7参照))は、表示窓4よりも上側に設けられ、ロール25L(ロール25LR、ロール25LC、ロール25LL(図7参照))は、表示窓4よりも下側に設けられている。帯状シート32は、ロール25Hと、ロール25Lとに巻かれている。そして、ロール25が回転することにより、表示窓4に面する第2偏光シート31の種類が変化する。
【0051】
図6は、図5に示したロールの概略構成を示す図である。
ロール25は、円柱形状を有し、ロール25の周面には、帯状シート32が巻かれている。ロール25の底面(図6では、右側)中心部には、ギア26が設けられている。ギア26は、ベルト29を介してロール用モータ30が有するギア35と接続されている。そのため、ロール用モータ30が回転することにより、ロール25が回転し、帯状シート32が巻き取られ、表示窓4に面する第2偏光シート31の種類が変化する(図5参照)。なお、ロール用モータ30は、各ロール25に対して1個ずつ設けられている(図8参照)。また、ロール用モータ30は、回転方向を変えることができるモータである。そのため、ロール用モータ30の回転方向を変えることにより、帯状シート32を巻き取ることも、帯状シート32を送り出すこともできる。
【0052】
図7は、図2に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。フロントドア8が開放され、フロントドア8の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
【0053】
キャビネット2内部の上方には、主制御回路81を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路81は、内部当籤役の決定、リールの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロにおける遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路81の具体的な構成は後述する。
【0054】
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)が接続されている。
【0055】
3つのリール3の左側には、副制御回路82を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路82は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路82の具体的な構成は後述する。
【0056】
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置50(以下、ホッパー50)が設けられている。ホッパー50の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
【0057】
フロントドア8裏側の中央、表示窓4の下方には、セレクタ52が設けられている。セレクタ52は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に受け入れられた適正なメダルをホッパー50へ案内する。尚、セレクタ52内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ22Sが設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0058】
表示窓4Rの上側には、ロール25HRが設けられ、表示窓4Cの上側には、ロール25HCが設けられ、表示窓4Lの上側には、ロール25HLが設けられている。また、表示窓4Rの下側には、ロール25LRが設けられ、表示窓4Cの下側には、ロール25LCが設けられ、表示窓4Lの下側には、ロール25LLが設けられている。
【0059】
帯状シート32Rは、ロール25HRと、ロール25LRとに巻かれている。そして、ロール25HRと、ロール25LRとが回転することにより、表示窓4Rに面する第2偏光シート31の種類が変化する。なお、ロール25HRに対して設けられているロール用モータ30HR(図8参照)と、ロール25LRに対して設けられているロール用モータ30LR(図8参照)とは連動して動くように制御され、ロール25HR及びロール25LRは、同じ回転速度で同じ回転方向に回転する。
【0060】
同様に、帯状シート32Cは、ロール25HCと、ロール25LCとに巻かれている。そして、ロール25HCと、ロール25LCとが回転することにより、表示窓4Cに面する第2偏光シート31の種類が変化する。なお、ロール25HCに対して設けられているロール用モータ30HC(図8参照)と、ロール25LCに対して設けられているロール用モータ30LC(図8参照)とは連動して動くように制御され、ロール25HC及びロール25LCは、同じ回転速度で同じ回転方向に回転する。
【0061】
同様に、帯状シート32Lは、ロール25HLと、ロール25LLとに巻かれている。そして、ロール25HLと、ロール25LLとが回転することにより、表示窓4Lに面する第2偏光シート31の種類が変化する。なお、ロール25HLに対して設けられているロール用モータ30HL(図8参照)と、ロール25LLに対して設けられているロール用モータ30LL(図8参照)とは連動して動くように制御され、ロール25HL及びロール25LLは、同じ回転速度で同じ回転方向に回転する。
【0062】
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図8及び図9を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路81、副制御回路82及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0063】
図8は、図2に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【0064】
主制御回路81は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ40は、CPU41(以下、メインCPU41)、ROM42(以下、メインROM42)及びRAM43(以下、メインRAM43)により構成される。
【0065】
メインROM42には、メインCPU41により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路82に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM43には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0066】
メインCPU41には、クロックパルス発生回路144、分周器145、乱数発生器146及びサンプリング回路147が接続されている。クロックパルス発生回路144及び分周器145は、クロックパルスを発生する。メインCPU41は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器146は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路147は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0067】
マイクロコンピュータ40の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU41は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ56は、3つのストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。目押しサポート切替スイッチ23Sは、目押しサポート切替ボタン23が遊技者により操作されたことを検出する。
【0068】
メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ52内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sは、ベットボタン11及びベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
【0069】
マイクロコンピュータ40により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ59、7セグ表示器18、ホッパー50及びロール用モータ30がある。また、マイクロコンピュータ40の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0070】
モータ駆動回路49は、各リール3(リール3L、3C及び3R)に対応して設けられたステッピングモータ59の駆動を制御する。リール位置検出回路60は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
【0071】
ステッピングモータ59は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ59の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ59に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
【0072】
メインCPU41は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ59に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールの回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0073】
表示部駆動回路58は、7セグ表示器18の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路51は、ホッパー50の動作を制御する。また、払出完了信号回路61は、ホッパー50に設けられたメダル検出部50Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー50から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0074】
ロール用モータ駆動回路33は、ロール用モータ30(ロール用モータ30HL、ロール用モータ30HC、ロール用モータ30HR、ロール用モータ30LL、ロール用モータ30LC、ロール用モータ30LR)の駆動を制御する。
上述したように、ロール25HRに対して設けられているロール用モータ30HRと、ロール25LRに対して設けられているロール用モータ30LRとは連動して動くように制御される。また、ロール25HCに対して設けられているロール用モータ30HCと、ロール25LCに対して設けられているロール用モータ30LCとは連動して動くように制御される。また、ロール25HLに対して設けられているロール用モータ30HLと、ロール25LLに対して設けられているロール用モータ30LLとは連動して動くように制御される。
【0075】
図9は、図8に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【0076】
副制御回路82は、主制御回路81と電気的に接続されており、主制御回路81から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路82は、基本的に、CPU206(以下、サブCPU206)、ROM208(以下、サブROM208)、RAM210(以下、サブRAM210)、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216、ドライバ218、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)232、オーディオRAM234及びA/D変換器233及びアンプ236を含んで構成されている。
【0077】
サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドに応じて、サブROM208に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM210は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路81から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM208は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0078】
プログラム記憶領域には、サブCPU206が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路81との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ9による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ21(スピーカ21L及び21R)による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0079】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0080】
また、副制御回路82には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びランプ9が接続されている。
【0081】
サブCPU206、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216(フレームバッファを含む)及びドライバ218は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
【0082】
また、サブCPU206、DSP232、オーディオRAM234、A/D変換器233及びアンプ236は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21により出力する。また、サブCPU206は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ9の点灯及び消灯を行う。
【0083】
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図10〜図16を参照して、メインROM42に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
【0084】
図10を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3(リール3L、3C及び3R)の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0085】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0086】
図11を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインLに沿って各リール3(リール3L、3C及び3R)により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0087】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0088】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール3の図柄「ベル」が入賞判定ラインLに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0089】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0090】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0091】
図12を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM43に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0092】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0093】
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0094】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0095】
図13及び図14を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0096】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0097】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0098】
図13は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図14は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0099】
図15及び図16を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0100】
内部当籤役は、入賞判定ラインLに沿って表示を許可する各リール3(リール3L、3C及び3R)の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0101】
図15は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図16は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0102】
メインROM42に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図17〜図19を参照して、メインRAM43に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
【0103】
図17を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0104】
尚、メインRAM43には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインLに沿って表示されたことになる。
【0105】
図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
【0106】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインLに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0107】
図19を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0108】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0109】
メインRAM43に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図20〜図28を参照して、主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0110】
まず、図20を参照して、メインCPU41の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU41は、初期化処理を行う(ステップS1)。次に、メインCPU41は、メインRAM43における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0111】
次に、メインCPU41は、後で図面を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メダルセンサ22Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
【0112】
次に、メインCPU41は、乱数値を抽出し、メインRAM43に設けられた乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。次に、メインCPU41は、後で図面を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
【0113】
次に、メインCPU41は、ステップS5において決定された内部当籤役は、所定の内部当籤役であるか否かを判断する(ステップS6)。所定の内部当籤役でないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS9に移す。
ここで、本実施形態における所定の内部当籤役とは、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、赤7である。
【0114】
一方、ステップS6において所定の内部当籤役であると判断した場合、メインCPU41は、目押しサポートフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS7)。目押しサポートフラグがオンでないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS9に移す。
【0115】
一方、ステップS7において目押しサポートフラグがオンであると判断した場合、メインCPU41は、ロール回転処理を実行する(ステップS8)。この処理では、メインCPU41は、ロール用モータ駆動回路33を制御することにより、ロール用モータ30の駆動を制御し、ロール25の回転を行う。ロール回転処理については、後で図面を用いて詳述する。
【0116】
次に、メインCPU41は、スタートコマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS9)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0117】
次に、メインCPU41は、全メインリール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始を要求する(ステップS10)。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図26)によってステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
【0118】
次に、メインCPU41は、後で図面を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。この処理では、ストップスイッチ56の入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0119】
次に、メインCPU41は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(ステップS12)。検索の結果、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU41は、表示コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS13)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0120】
次に、メインCPU41は、メダル払出処理を行う(ステップS14)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー50の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU41は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS15)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0121】
次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS16)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図面を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS17)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0122】
メインCPU41は、ステップS17の後、又は、ステップS16においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図面を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS18)。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
【0123】
次に、図21を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS31)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(ステップS32)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われ、セレクタ52内のメダルの通過が促される。
【0124】
メインCPU41は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(ステップS33)。次に、メインCPU41は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS34)。ステップS33及びステップS34は再遊技を行うための処理である。
【0125】
メインCPU41は、ステップS32又はステップS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(ステップS35)。次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS36)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(ステップS37)。例えば、最大値が2に変更される。
【0126】
メインCPU41は、ステップS37の後、又は、ステップS36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(ステップS38)。メインCPU41は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS39)。メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(ステップS40)。次に、メインCPU41は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS41)。次に、メインCPU41は、メダル投入コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0127】
メインCPU41は、ステップS39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS43)。メインCPU41は、ステップS43の後、ステップS42の後、又は、ステップS38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sのチェックを行う(ステップS44)。ベットボタン11及びベットボタン13に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0128】
次に、メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS46)。
【0129】
メインCPU41は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(ステップS47)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0130】
次に、図22を参照して、内部抽籤処理について説明する。
内部抽籤処理を実行するとき、メインCPU41は、内部抽籤手段として機能する。
はじめに、メインCPU41は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(ステップS61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0131】
次に、メインCPU41は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(ステップS62)。次に、メインCPU41は、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS63)。
【0132】
次に、メインCPU41は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(ステップS64)。次に、メインCPU41は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(ステップS65)。次に、メインCPU41は、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS66)。メインCPU41は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(ステップS67)。
【0133】
次に、メインCPU41は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS68)。メインCPU41は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(ステップS69)。
【0134】
メインCPU41は、ステップS66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(ステップS70)。メインCPU41は、ステップS70又はステップS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS71)。
【0135】
次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS72)。次に、メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(ステップS73)。メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS74)。次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(ステップS75)。
【0136】
メインCPU41は、ステップS75の後、又は、ステップS73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0137】
次に、図23を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、有効なストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)が押されたか否かを判別する(ステップS101)。メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0138】
メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、該当ストップボタン7の操作を無効化する(ステップS102)。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM43に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0139】
次に、メインCPU41は、チェック回数として5をセットする(ステップS103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4(表示窓4L、4C又は4R)の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0140】
次に、メインCPU41は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(ステップS104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインL沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0141】
次に、メインCPU41は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(ステップS105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU41は、停止予定位置待ちへ移行する(ステップS106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
【0142】
次に、メインCPU41は、リール停止コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS107)。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0143】
次に、メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する(ステップS108)。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS101に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0144】
次に、図24を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、表示役はBBであるか否かを判別する(ステップS121)。メインCPU41は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(ステップS122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
【0145】
次に、メインCPU41は、持越役格納領域をクリアする(ステップS123)。次に、メインCPU41は、ボーナス開始コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0146】
メインCPU41は、ステップS121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(ステップS125)。メインCPU41は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS126)。
【0147】
メインCPU41は、ステップS125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS127)。メインCPU41は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS128)。
【0148】
メインCPU41は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(ステップS129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0149】
次に、図25を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS141)。メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(ステップS142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU41は、ボーナス終了コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0150】
メインCPU41は、ステップS141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(ステップS144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS145)。
【0151】
メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0152】
次に、図26を参照して、メインCPU41の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU41は、レジスタの退避を行う(ステップS161)。次に、メインCPU41は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS162)。この処理では、ストップスイッチ56等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0153】
次に、メインCPU41は、リール制御処理を行う(ステップS163)。この処理では、全リール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ59の駆動が制御される。
【0154】
次に、メインCPU41は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(ステップS164)。次に、メインCPU41は、レジスタの復帰を行う(ステップS165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0155】
図27は、ロール回転処理を示すフローチャートである。
ロール回転処理を実行するとき、メインCPU41は、第2偏光シート配置手段として機能する。
まず、メインCPU41は、ステップS5において決定した内部当籤役に基づいて、リール3の前面に配置する第2偏光シート31を決定する(ステップS170)。ステップS5において決定した内部当籤役がチェリーの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Aをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。また、ステップS5において決定した内部当籤役がベルの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Bをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。また、ステップS5において決定した内部当籤役がスイカの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Cをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。また、ステップS5において決定した内部当籤役がリプレイの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Dをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。また、ステップS5において決定した内部当籤役が赤7の場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Eをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。
【0156】
メインCPU41は、ロール用モータ駆動回路33を制御することにより、ロール用モータ30の駆動を制御し、ステップS170において決定した第2偏光シート31が、表示窓4に面する位置で停止するように、ロール25の回転を行う(ステップS171)。その後、所定のタイミングで(例えば、スタートスイッチがオンされた後)、帯状シート32の第2偏光シート31が貼着されていない部分が、表示窓4に面する位置で停止するように、ロール25の回転を行う。この処理を実行した後、ロール回転処理を終了する。
【0157】
図28は、目押しサポートチェック処理を示すフローチャートである。
目押しサポートチェック処理は、一定の周期で実行される処理である。
目押しサポートチェック処理を実行するとき、メインCPU41は、モード切替手段として機能する。
まず、メインCPU41は、目押しサポート切替ボタン23が押下されたか否かを判断する(ステップS180)。この処理では、メインCPU41は、目押しサポート切替スイッチ23Sが、目押しサポート切替ボタン23が遊技者により操作されたことを検出したか否かを判断する。
【0158】
ステップS180において、目押しサポート切替ボタン23が押下されたと判断した場合、メインCPU41は、目押しサポートフラグがオンであるか否かを判断する(ステップS181)。目押しサポートフラグがオンであると判断した場合、メインCPU41は、目押しサポートフラグをオフ(クリア)する(ステップS182)。
【0159】
一方、ステップS181において目押しサポートフラグがオンでないと判断した場合、メインCPU41は、目押しサポートフラグをオン(セット)する(ステップS183)。
目押しサポートフラグをオン、オフすることにより、リール3の前面に第2偏光シート31を配置する配置モードと、リール3の前面に第2偏光シート31を配置しない非配置モードとの切り替えを行う。
【0160】
ステップS180において、目押しサポート切替ボタン23が押下されていないと判断した場合、又は、ステップS182、若しくは、ステップS183の処理を実行した場合、メインCPU41は、目押しサポートチェック処理を終了する。
【0161】
主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図29〜図31を参照して、副制御回路82のサブCPU206により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0162】
図29を参照して、サブCPU206により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドの受信チェックを行う(ステップS301)。次に、サブCPU206は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(ステップS302)。
【0163】
次に、サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS303)。サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(ステップS304)、ステップS301に移る。
【0164】
次に、図30を参照して、サブCPU206により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU206は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS311)。次に、サブCPU206は、メッセージは有るか否かを判別する(ステップS312)。サブCPU206は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(ステップS313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリール3(リール3L、3C及び3R)の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM210に設けられた格納領域に複写される。
【0165】
次に、サブCPU206は、後で図面を参照して説明する演出内容決定処理を行う(ステップS314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
【0166】
サブCPU206は、ステップS314の後、又は、ステップS312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(ステップS315)。次に、サブCPU206は、サウンドデータの登録を行う(ステップS316)。次に、サブCPU206は、ランプデータの登録を行う(ステップS317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS311に移る。
【0167】
次に、図31を参照して、サブCPU206により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPU206は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS321)。サブCPU206は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(ステップS322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
【0168】
次に、サブCPU206は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(ステップS323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0169】
次に、サブCPU206は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS324)。サブCPU206は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(ステップS325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0170】
次に、サブCPU206は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS326)。サブCPU206は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(ステップS327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0171】
次に、サブCPU206は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS328)。サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(ステップS329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0172】
次に、サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS330)。サブCPU206は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(ステップS331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0173】
以上、本実施形態に係るパチスロ1によれば、複数の第1偏光シート27は、それぞれ、第1偏光シート27ごとに異なる種類の図柄と対応付けられており、第1偏光シート27は、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されている。そのため、リール3の前面に配置する第2偏光シート31を変更することにより、目押しサポートを行う図柄を変更することができる。すなわち、本実施形態に係るパチスロ1によれば、様々な種類の図柄の目押しサポートを行うことができるため、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に満足のいく目押しサポート機能を備える遊技機を提供することができる。
【0174】
また、本実施形態に係るパチスロ1によれば、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する図柄の目押しサポートを行うことができる。すなわち、目押しが必要となる場合には、必ず目押しサポートを行うこととなり、目押しの出来ない初心者や目押しを苦手とする遊技者に対しても、充分な利益を付与することができる。
【0175】
また、本実施形態に係るパチスロ1によれば、配置モードと、非配置モードとの切り替えを行うことができる。例えば、目押しサポートの必要のない上級者は、非配置モードに切り替えることにより、目押しサポート機能のない遊技機で遊技を行うことができる。そのため、上級者が遊技を行う場合であっても、上級者に煩わしさを感じさせずに遊技を行わせることができる。
【0176】
本実施形態では、目押しサポート切替ボタン23により、すべての所定の内部当籤役(チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、赤7)に対して目押しサポートを行う配置モードと、すべての所定の内部当籤役(チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、赤7)に対して目押しサポートを行わない非配置モードとの切り替えを行う場合について説明したが、本発明では、目押しサポートを行うか否かを内部当籤役ごとに遊技者が選択できることとしてもよい。
【0177】
本実施形態では、目押しサポート切替ボタン23により、第2偏光シートを配置する配置モードと、第2偏光シートを配置しない非配置モードとの切り替えを行う場合について説明したが、本発明では、乱数抽選により、配置モードと、非配置モードとの切り替えを行うこととしてもよい。
【0178】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態に係るパチスロ1によれば、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する図柄に対応付けられている第1偏光シート27の偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート31をリール3の前面に配置する。第2実施形態では、遊技者が図柄選択ボタン24(図32参照)を操作することにより選択した図柄に対応付けられている第1偏光シート27の偏光軸と直交する偏光軸を有する第2偏光シート31をリール3の前面に配置する。
以下、第2実施形態について説明するが、上述した第1実施形態と同様の部分に関しては、その説明を省略するものとする。また、第1実施形態に係るパチスロ遊技装置と対応する構成要素には同一の符号を付して説明することとする。
【0179】
図32は、第2実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【0180】
図柄選択ボタン24(図柄選択ボタン24A、図柄選択ボタン24B、図柄選択ボタン24C、図柄選択ボタン24D、図柄選択ボタン24E)は、目押しサポートを行う図柄の選択を行うためのボタンである。図柄選択ボタン24Aが操作されると、目押しサポートを行う図柄としてチェリーが選択される。図柄選択ボタン24Bが操作されると、目押しサポートを行う図柄としてベルが選択される。図柄選択ボタン24Cが操作されると、目押しサポートを行う図柄としてスイカが選択される。図柄選択ボタン24Dが操作されると、目押しサポートを行う図柄としてリプレイが選択される。図柄選択ボタン24Eが操作されると、目押しサポートを行う図柄として赤7が選択される。
図柄選択ボタン24は、本発明における第2偏光シート選択手段に相当する。
【0181】
図33は、図32に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【0182】
図柄選択スイッチ24S(図柄選択スイッチ24AS、図柄選択スイッチ24BS、図柄選択スイッチ24CS、図柄選択スイッチ24DS、図柄選択スイッチ24ES)は、図柄選択ボタン24(図柄選択ボタン24A、図柄選択ボタン24B、図柄選択ボタン24C、図柄選択ボタン24D、図柄選択ボタン24E)が遊技者により操作されたことを検出する。
【0183】
図34を参照して、第2実施形態に係るメインCPU41の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU41は、初期化処理を行う(ステップS201)。次に、メインCPU41は、メインRAM43における指定格納領域のクリアを行う(ステップS202)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0184】
次に、メインCPU41は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS203)。この処理では、メダルセンサ22Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
【0185】
次に、メインCPU41は、乱数値を抽出し、メインRAM43に設けられた乱数値格納領域に格納する(ステップS204)。次に、メインCPU41は内部抽籤処理を行う(ステップS205)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
【0186】
次に、メインCPU41は、スタートコマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS206)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0187】
次に、メインCPU41は、全メインリール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始を要求する(ステップS207)。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理によってステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
【0188】
次に、メインCPU41は、リール停止制御処理を行う(ステップS208)。この処理では、ストップスイッチ56の入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0189】
次に、メインCPU41は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(ステップS209)。検索の結果、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU41は、表示コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS210)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0190】
次に、メインCPU41は、メダル払出処理を行う(ステップS211)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー50の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU41は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS212)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0191】
次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS213)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS214)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0192】
メインCPU41は、ステップS214の後、又は、ステップS213においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS215)。この処理が終了すると、ステップS202に移る。
【0193】
図35は、第2実施形態に係る目押しサポートチェック処理を示すフローチャートである。
目押しサポートチェック処理は、一定の周期で実行される処理である。
まず、メインCPU41は、図柄選択ボタン24が押下されたか否かを判断する(ステップS220)。この処理では、メインCPU41は、図柄選択スイッチ24Sが、図柄選択ボタン24が遊技者により操作されたことを検出したか否かを判断する。
【0194】
ステップS220において、図柄選択ボタン24が押下されたと判断した場合、メインCPU41は、ロール回転処理を実行する(ステップS221)。この処理では、メインCPU41は、ロール用モータ駆動回路33を制御することにより、ロール用モータ30の駆動を制御し、ロール25の回転を行う。ロール回転処理については、後で図面を用いて詳述する。
【0195】
ステップS220において、図柄選択ボタン24が押下されていないと判断した場合、又は、ステップS221の処理を実行した場合、メインCPU41は、目押しサポートチェック処理を終了する。
【0196】
図36は、第2実施形態に係るロール回転処理を示すフローチャートである。
ロール回転処理を実行するとき、メインCPU41は、選択第2偏光シート配置手段として機能する。
まず、メインCPU41は、ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24の種類に基づいて、リール3の前面に配置する第2偏光シート31を決定する(ステップS240)。
【0197】
ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24が図柄選択ボタン24Aの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Aをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。第2偏光シート31Aがリール3の前面に配置されると、チェリー以外の図柄が遊技者に視認されなくなる。
【0198】
また、ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24が図柄選択ボタン24Bの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Bをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。第2偏光シート31Bがリール3の前面に配置されると、ベル以外の図柄が遊技者に視認されなくなる。
【0199】
また、ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24が図柄選択ボタン24Cの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Cをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。第2偏光シート31Cがリール3の前面に配置されると、スイカ以外の図柄が遊技者に視認されなくなる。
【0200】
また、ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24が図柄選択ボタン24Dの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Dをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。第2偏光シート31Dがリール3の前面に配置されると、リプレイ以外の図柄が遊技者に視認されなくなる。
【0201】
また、ステップS220において押されたと判断された図柄選択ボタン24が図柄選択ボタン24Eの場合には、メインCPU41は、第2偏光シート31Eをリール3の前面に配置する第2偏光シート31として決定する。第2偏光シート31Eがリール3の前面に配置されると、赤7以外の図柄が遊技者に視認されなくなる。
【0202】
メインCPU41は、ロール用モータ駆動回路33を制御することにより、ロール用モータ30の駆動を制御し、ステップS240において決定した第2偏光シート31が、表示窓4に面する位置で停止するように、ロール25の回転を行う(ステップS241)。ステップ241の処理を実行した後、所定のタイミングで(例えば、スタートスイッチがオンされた後)、帯状シート32の第2偏光シート31が貼着されていない部分が、表示窓4に面する位置で停止するように、ロール25の回転を行う。この処理を実行した後、ロール回転処理を終了する。
【0203】
以上、本実施形態に係るパチスロ1によれば、リール3の前面に配置する第2偏光シート31の選択を行うことが可能である。そのため、選択された第2偏光シート31をリール3の前面に配置することにより、複数種類の図柄のうち、一の種類の図柄の目押しサポートを行うことができる。そのため、遊技者が目押しサポートを受けたいと希望する図柄の目押しサポートを行うことができ、遊技者に快適に遊技を行わせることができる。
【0204】
本実施形態では、ロール25を回転させることにより、第2偏光シート31をリール3の前面に配置する場合について説明したが、本発明では、遊技者が第2偏光シートをリールの前面に配置することとしてもよい。例えば、パチスロ1の横に複数の第2偏光シート31を備えておき、遊技者が必要に応じて第2偏光シート31をリール3の前面に配置することとしてもよい。このように構成した場合には、パチスロ1のプログラム等の設計変更を行う必要がないため、設備投資費を抑制することができる。
また、第2偏光シート31がレンズに貼着されたメガネをパチスロ1の横に複数設けることとしてもよい。このように構成した場合には、遊技者は、第2偏光シート31を配置する際の第2偏光シート31の角度等を気にする必要がなく、また、両手を自由に使用できるため、遊技者に快適に遊技を行わせることができる。
【0205】
本実施形態では、図柄選択ボタン24により、目押しサポートを行う図柄の選択を行う場合について説明したが、本発明では、乱数抽選により、目押しサポートを行う図柄の選択を行うこととしてもよい。
【0206】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】第1実施形態に係るパチスロの機能フローを示す機能ブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示したパチスロが備えるリールに貼着される帯状シートの概略を示す図である。
【図4】図2に示したパチスロが備えるリールの前面に配置される帯状シートの概略を示す図である。
【図5】図2に示したパチスロが備えるフロントドアの一部の構成の断面図である。
【図6】図5に示したロールの概略構成を示す図である。
【図7】図2に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【図8】図2に示したパチスロの主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図10】図柄配置テーブルを示す図である。
【図11】図柄組合せテーブルを示す図である。
【図12】ボーナス作動時テーブルを示す図である。
【図13】一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図14】RB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図15】小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図16】ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図17】内部当籤役格納領域を説明するための図である。
【図18】持越役格納領域を説明するための図である。
【図19】作動中フラグ格納領域を説明するための図である。
【図20】図8に示した主制御回路のメインCPUにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図21】メダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
【図22】内部抽籤処理を示すフローチャートである。
【図23】リール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図24】ボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
【図25】ボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
【図26】割込処理を示すフローチャートである。
【図27】ロール回転処理を示すフローチャートである。
【図28】目押しサポートチェック処理を示すフローチャートである。
【図29】図9に示したサブCPUにより行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
【図30】図9に示したサブCPUにより行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
【図31】図9に示したサブCPUにより行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図32】第2実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【図33】図32に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【図34】第2実施形態に係るメインCPUにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図35】第2実施形態に係る目押しサポートチェック処理を示すフローチャートである。
【図36】第2実施形態に係るロール回転処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0208】
1 パチスロ
2 キャビネット
3(3L、3C、3R) リール
4(4L、4C、4R) 図柄表示領域(表示窓)
5 液晶表示装置
6 スタートレバー
6S スタートスイッチ
7(7L、7C、7R) ストップボタン
8 フロントドア
9 ランプ
11 ベットボタン
11S ベットスイッチ
13 ベットボタン
13S ベットスイッチ
14 精算ボタン
14S 精算スイッチ
15 メダル払出口
16 メダル受皿
18 7セグ表示器
21(21L、21R) スピーカ
22 メダル投入口
22S メダルセンサ
23 目押しサポート切替ボタン
23S 目押しサポート切替スイッチ
24(24A、24B、24C、24D、24E) 図柄選択ボタン
24S(24AS、24BS、24CS、24DS、24ES) 図柄選択スイッチ
25(25HR、25HC、25HL、25LR、25LC、25LL) ロール
26 ギア
27(27A、27B、27C、27D、27E) 第1偏光シート
28 透明シート
29 ベルト
30 ロール用モータ
31(31A、31B、31C、31D、31E) 第2偏光シート
32 帯状シート
33 ロール用モータ駆動回路
34(34A、34B、34C、34D、34E、34F) 帯状シート
35 ギア
40 マイクロコンピュータ
41 メインCPU
42 メインROM
43 メインRAM
49 モータ駆動回路
50 メダル払出装置(ホッパー)
50S メダル検出部
51 ホッパー駆動回路
52 セレクタ
54 電源装置
56 ストップスイッチ
58 表示部駆動回路
59(59L、59C、59R) ステッピングモータ
60 リール位置検出回路
61 払出完了信号回路
81 主制御回路
82 副制御回路
144 クロックパルス発生回路
145 分周器
146 乱数発生器
147 サンプリング回路
206 サブCPU
208 サブROM
210 サブRAM
212 レンダリングプロセッサ
216 描画用RAM
218 ドライバ
232 DSP
233 A/D変換器
234 オーディオRAM
236 アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が描かれた複数のリールと、
前記リール面上に貼着され、それぞれ偏光軸が異なる複数の第1偏光シートと、
複数の前記第1偏光シートの各偏光軸のいずれか一つの偏光軸とそれぞれ直交する一の偏光軸を有する複数の第2偏光シートと
を備え、
複数の前記第1偏光シートは、それぞれ、前記第1偏光シートごとに異なる種類の図柄と対応付けられており、前記第1偏光シートは、それぞれ、対応付けられている図柄以外の図柄が描かれた部分に貼着されており、
一の前記第2偏光シートを前記リールの前面に配置可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の前記第2偏光シートから、前記リールの前面に配置する一の前記第2偏光シートの選択を行うことが可能な第2偏光シート選択手段と、
前記第2偏光シート選択手段により選択された前記第2偏光シートを前記リールの前面に配置する選択第2偏光シート配置手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
内部当籤役を決定する内部抽籤手段と、
前記リールの、前記内部抽籤手段により決定された前記内部当籤役に対応する図柄に対応付けられている前記第1偏光シートの偏光軸と直交する偏光軸を有する前記第2偏光シートを前記リールの前面に配置する第2偏光シート配置手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第2偏光シートを配置する配置モードと、前記第2偏光シートを配置しない非配置モードとの切り替えを行うことが可能なモード切替手段
を備え、
前記第2偏光シート配置手段は、
前記モード切替手段により切り替えられたモードが前記配置モードである場合に、前記第2偏光シートを前記リールの前面に配置することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2010−29454(P2010−29454A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194974(P2008−194974)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】