説明

遊技機

【課題】信号出力装置を制御手段に接続して行う不正行為を防止することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシンは主制御装置131を備えている。主制御装置131は、主制御基板131aを備えており、主制御基板131aにはCPU151が搭載されている。このCPU151はROM152とRAM153とが1チップ化されて構成されている。主制御基板131aには、各種信号線LN2,LN4,LN6及びハーネスHを介して始動操作基板181a、停止操作基板182a、及びセレクタ用基板84aから各種信号を入力する。そして、この入力した信号に基づいてリールユニットを構成するリールの開始及び停止制御を実行する。この場合に、CPU151へ電源を供給する電源線ELN2を信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるスロットマシンにおいては、役の抽選やリール装置における各リールの回転駆動制御を行う主制御装置が設けられている。より詳しくは、主制御装置には、投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ、スタートレバー、及びストップスイッチが接続されている。そして、投入メダル検出センサからのメダル検出信号によりメダルの投入を判定し、所定枚数のメダルが投入されたと判定している状態でスタートレバーから始動検出信号を入力することで各リールの回転を開始させる。この際、主制御装置では役の抽選も合わせて行う。また、ストップスイッチから停止検出信号を入力することで各リールの回転を停止させる。そして、停止後の停止図柄が当選役に対応した入賞図柄又は入賞図柄の組合せである場合には、メダルの払い出し等といった特典が遊技者に付与される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−187812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記スロットマシンにおいては、例えば信号出力装置等を不正に接続したりすることにより、実際にメダルの投入やスタートレバー等の操作を行うことなく遊技を進行させたりボーナス当選などを発生させたりする行為などが想定される。
【0005】
なお、以上の問題はスロットマシンに限らず、複数の図柄を可変表示させ、その後遊技者の操作に基づいて図柄の可変表示を停止させる他の遊技機にも該当する問題である。
【0006】
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、信号出力装置等を利用して行う不正行為を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
遊技媒体を受け入れる受入手段と、
その受け入れた遊技媒体を検出する検出手段と、
前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、
前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記検出手段の媒体検出信号、前記始動操作手段の始動検出信号及び前記停止操作手段の停止検出信号を受け取り、前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させ、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる制御手段と、
外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて、役の抽選を行う抽選手段と、
その抽選結果を含めた遊技情報を記憶し、自身に電源が供給されている間はその記憶した情報の保持を可能とする情報記憶手段と、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させ、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる可変表示制御手段と、
前記遊技情報が特定役当選の情報であって、停止後の停止絵柄が特定絵柄である場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる状態移行手段と、
を備え、
前記情報記憶手段に前記特定役当選の情報が記憶された場合、停止後の停止絵柄が前記特定絵柄となることに基づいて当該特定役当選の情報が消去される構成である遊技機において、
外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断された場合に前記情報記憶手段に記憶された情報が保持されるように当該情報記憶手段に電断時用電源を供給する電断中電源手段を備え、
電源又は信号を前記制御手段に伝達する電気経路を備え、前記制御手段は前記開始及び前記停止制御を行う上で実行する処理のうち少なくとも一部の処理を前記電気経路の遮断中に実行しないものであり、
前記媒体検出信号、前記停止検出信号及び前記始動検出信号の内の特定信号を伝達する特定信号線と前記電気経路を形成する電気配線とが一対のコネクタ部材間に設けられていることで接続ユニットとして構成されていることにより、前記特定信号線の取り外しに際して前記電気配線が取り外される構成であり、
外部電源から供給される電源が遮断されている状況において、前記媒体検出信号、前記停止検出信号及び前記始動検出信号の内、前記特定信号又はそれとは異なる信号を伝達する信号線の取り外しが行われた場合に、前記情報記憶手段に前記電断時用電源が供給されなくなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信号出力装置等を利用して行う不正行為を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施の形態におけるスロットマシンの正面図。
【図2】前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図3】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図。
【図4】前面扉の背面図。
【図5】筐体の正面図。
【図6】左リールの組立斜視図。
【図7】各リールを構成する帯状ベルトの展開図。
【図8】入賞態様とメダル払出枚数との関係を示す説明図。
【図9】スロットマシンのブロック回路図。
【図10】スロットマシンのブロック回路図。
【図11】NMI割込み処理を示すフローチャート。
【図12】タイマ割込み処理を示すフローチャート。
【図13】停電時処理を示すフローチャート。
【図14】メイン処理を示すフローチャート。
【図15】当選確率設定処理を示すフローチャート。
【図16】通常処理を示すフローチャート。
【図17】抽選処理を示すフローチャート。
【図18】抽選テーブルの一例を示す図。
【図19】スベリテーブルの一例を示す図。
【図20】スベリテーブル設定処理を示すフローチャート。
【図21】リール制御処理を示すフローチャート。
【図22】スベリテーブル第1変更処理を示すフローチャート。
【図23】スベリテーブル第2変更処理を示すフローチャート。
【図24】メダル払出処理を示すフローチャート。
【図25】ボーナスゲーム処理を示すフローチャート。
【図26】第2の実施の形態におけるブロック回路図。
【図27】第3の実施の形態におけるコネクタ部材の構成図。
【図28】第4の実施の形態におけるブロック回路図。
【図29】リセット端子における信号の入力状態に付随したCPUの動作の様子を説明するためのタイムチャート。
【図30】第5の実施の形態におけるブロック回路図。
【図31】第6の実施の形態におけるブロック回路図。
【図32】第7の実施の形態におけるブロック回路図。
【図33】別のスロットマシンのブロック回路図。
【図34】別のコネクタ部材の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0011】
手段1.絵柄を可変表示する絵柄表示手段(リールユニット41)と、
遊技媒体を受け入れる受入手段(メダル投入口75)と、
その受け入れた遊技媒体を検出する検出手段(投入メダル検出センサ84b)と、
前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記検出手段の媒体検出信号、前記始動操作手段の始動検出信号及び前記停止操作手段の停止検出信号を受け取り、前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させるとともに、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる制御手段(主制御装置131)と、
を備え、
前記絵柄の可変表示後における停止絵柄に応じて特典を付与する遊技機において、
電源又は信号を前記制御手段に伝達する電気経路を備え、前記制御手段は前記開始及び前記停止制御を行う上で実行する処理のうち少なくとも一部の処理を前記電気経路の遮断中に実行しないものであり、
前記開始及び停止制御を行う上で前記制御手段が受け取る各種信号の内の特定信号を伝達する特定信号線(信号線LN2)の取り外しを行う場合に、前記電気経路を形成する電気配線(接続確認用信号線LLN3)が取り外される構造を有することを特徴とする遊技機。
【0012】
手段1の遊技機では、受入手段により予め定められた数の遊技媒体が受け入れられ、且つ始動操作手段が操作されることにより、絵柄表示手段における絵柄の可変表示が開始される。また、停止操作手段が操作されることで絵柄の可変表示が停止される。そして、停止絵柄に応じて特典が付与される。
【0013】
この場合に、特定信号を伝達する特定信号線の取り外しを行う場合には、電気経路を形成する電気配線が取り外される。そして、電気経路の遮断中には、制御手段において開始及び停止制御を行う上で実行される処理のうち少なくとも一部の処理が実行されなくなる。これにより、信号出力装置から制御手段に不正な信号を出力するために特定信号線を外すと、制御手段において開始及び停止制御を行う上で実行される処理のうち少なくとも一部の処理が実行されなくなり、信号出力装置を制御手段に接続し遊技媒体の投入や各種操作手段の操作を実際に行うことなく遊技を行おうとする不正行為を防止することが可能となる。
【0014】
手段2.絵柄を可変表示する絵柄表示手段(リールユニット41)と、
遊技媒体を受け入れる受入手段(メダル投入口75)と、
その受け入れた遊技媒体を検出する検出手段(投入メダル検出センサ84b)と、
前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、
前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)と、
前記検出手段の媒体検出信号、前記始動操作手段の始動検出信号及び前記停止操作手段の停止検出信号を受け取り、前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させるとともに、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる制御手段(主制御装置131)と、
を備え、
前記絵柄の可変表示後における停止絵柄に応じて特典を付与する遊技機において、
電源又は信号を前記制御手段に伝達する電気経路を備え、前記制御手段は前記電気経路の遮断中には非動作状態となるものであり、
前記開始及び停止制御を行う上で前記制御手段が受け取る各種信号の内の特定信号を伝達する特定信号線(信号線LN2)の取り外しを行う場合に、前記電気経路を形成する電気配線(接続確認用信号線LLN3)が取り外される構造を有することを特徴とする遊技機。
【0015】
手段2の遊技機では、受入手段により予め定められた数の遊技媒体が受け入れられ、且つ始動操作手段が操作されることにより、絵柄表示手段における絵柄の可変表示が開始される。また、停止操作手段が操作されることで絵柄の可変表示が停止される。そして、停止絵柄に応じて特典が付与される。
【0016】
この場合に、特定信号を伝達する特定信号線の取り外しを行う場合には、電気経路を形成する電気配線が取り外される。そして、電気経路の遮断中には、制御手段が非動作状態となる。これにより、信号出力装置から制御手段に不正な信号を出力するために特定信号線を外すと、制御手段が非動作状態となり、信号出力装置を制御手段に接続し遊技媒体の投入や各種操作手段の操作を実際に行うことなく遊技を行おうとする行為を抑制することができる。
【0017】
手段3.手段1又は2において、動作用信号を出力する動作用信号出力手段(リセット回路225)を備え、
前記制御手段は、前記動作用信号又はそれに対応した信号を受け取っている場合に動作し、前記開始及び停止制御を実行するものであり、
前記電気経路の遮断中には前記動作用信号又はそれに対応した信号が前記制御手段にて受け取られないことを特徴とする遊技機。
【0018】
手段3によれば、電気経路が遮断されることで制御手段が非動作状態となるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0019】
手段4.手段3において、前記動作用信号出力手段は、外部電源から遊技機に電源が供給されている場合に前記動作用信号を出力するものであることを特徴とする遊技機。
【0020】
手段4によれば、遊技機の電入状態において信号出力装置を用いた不正行為を行おうとしても、制御手段が非動作状態となる。よって、当該不正行為を防止することが可能となる。
【0021】
手段5.手段3又は4において、前記動作用信号を受け取るとともに、前記電気通路を通じて非遮断信号を受け取り、さらに前記動作用信号及び前記非遮断信号の両方を受け取っている場合に前記対応した信号として動作指示信号を出力し且つ少なくとも前記非遮断信号を受け取っていない場合に前記動作指示信号を出力しない動作指示手段(合成回路226)を備え、
前記制御手段は前記動作指示信号を受け取っている場合に動作し、前記開始及び停止制御を実行するものであることを特徴とする遊技機。
【0022】
手段5によれば、動作用信号出力手段自身の構成の複雑化を生じさせることなく、上記手段1等の優れた効果を得ることができる。
【0023】
手段6.手段5において、外部電源から供給される電源に基づいて動作電源を生成する電入中電源手段(電源部161a)を備え、
当該電入中電源手段は、前記電気経路とは異なる電源用経路を通じて前記制御手段に動作電源を供給するとともに、生成した動作電源の一部を前記非遮断信号として前記電気経路を通じて前記動作指示手段に供給するものであることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段6によれば、動作指示手段は、動作用信号出力手段から動作用信号を受け取り、且つ電入中電源手段から非遮断信号として動作電源の一部を受け取っている場合に、制御手段に動作指示信号が出力され、制御手段が動作状態となる。そして、電気経路が遮断されることで、動作指示手段にて電入中電源手段から非遮断信号を受け取らなくなり、制御手段への動作指示信号の出力が停止されることで、制御手段が非動作状態となる。この場合、非遮断信号を生成する生成回路等を別途設ける必要がなく、構成の簡素化を図りつつ上記手段1等の優れた効果を得ることができる。
【0025】
手段7.手段5において、外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段(電源部161a)を備え、
前記電気経路はグランドに接地されており、前記動作指示手段には前記電気経路を通じて前記非遮断信号として接地電位の信号が供給されるとともに、前記電気経路の遮断中には前記電入中電源手段が生成した動作電源の一部が遮断信号として前記動作指示手段に供給されることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段7によれば、動作指示手段は、動作用信号出力手段から動作用信号を入力し、且つ電入中電源手段から非遮断信号として接地電位の信号を入力している場合に、制御手段に動作指示信号が出力され、制御手段が動作状態となる。そして、電気経路が遮断されることで、動作指示手段にて接地電位の信号を入力しなくなり、制御手段への動作指示信号の出力が停止されることで、制御手段が非動作状態となる。この場合、非遮断信号を生成する生成回路等を別途設ける必要がなく、構成の簡素化を図りつつ上記手段1等の優れた効果を得ることができる。
【0027】
手段8.手段1又は2において、外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段(電源部161a)を備え、
前記電気経路の遮断中には前記動作電源が前記制御手段に供給されないことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段8によれば、電気経路が遮断されることで制御手段が非動作状態となるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0029】
手段9.手段8において、前記電気経路を通じて前記制御手段に前記動作電源が供給されることを特徴とする遊技機。
【0030】
手段9によれば、電気経路が遮断されることで制御手段が非動作状態となるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0031】
手段10.手段8において、前記電気経路を通じて非遮断信号を受け取るとともに、当該非遮断信号を受け取っている場合のみ前記電入中電源手段から前記制御手段へ動作電源を供給させる電源制御回路をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0032】
手段10の遊技機では、電気経路が遮断されることで制御手段が非動作状態となるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。特に、本構成によれば、動作電源については電気経路に迂回させる必要はなく、動作電源を伝達する上で損失の少ない最短経路にて動作電源の供給を行うことが可能となる。
【0033】
手段11.手段10において、前記電源制御回路は、前記電入中電源手段から前記制御手段への電源供給経路に接続されたスイッチング素子を備え、
前記電気経路を通じて前記非遮断信号を受け取っていない場合には前記スイッチング素子が遮断状態となるように構成したことを特徴とする遊技機。
【0034】
手段11によれば、電気経路が遮断されている場合には、スイッチング素子が遮断状態となる。このため、制御手段が非動作状態となり、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0035】
手段12.手段8乃至11のいずれか1において、外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段(電源部161a)と、
前記外部電源から前記電入中電源手段に供給される電源又は前記電入中電源手段にて生成された動作電源を監視し、外部電源から前記電入中電源手段への電源遮断を特定した場合に電断信号を供給する電断監視手段(停電監視回路161b)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて、役の抽選を行う抽選手段(CPU151におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
その抽選結果を含めた遊技情報を記憶するとともに、自身に電源が供給されている間はその記憶した情報の保持を可能とする情報記憶手段(RAM153)と、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させるとともに、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる可変表示制御手段(CPU151におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記遊技情報が特定役当選の情報であって、停止後の停止絵柄が特定絵柄である場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる状態移行手段(CPU151におけるボーナスゲーム処理を実行する機能)と、
前記電気経路とは異なる電気経路であって、前記開始及び停止制御を行う上で前記制御手段が受け取る各種信号を伝達する信号線の取り外しに際して遮断されない電気経路を通じて前記電断信号を受け取ったことに基づいて、予め定められた電断時処理を実行する電断時処理実行手段(CPU151における停電時処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記特定役当選の情報を記憶した場合、停止後の停止絵柄が前記特定絵柄となることで当該特定役当選の情報が消去されるものであり、
前記制御手段は、前記電源時処理が実行されないまま非動作状態となった場合、動作状態へ復帰する場合に前記情報記憶手段に記憶されている情報の消去を要するものであることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段12の遊技機では、信号出力装置を用いて遊技媒体の投入や各種操作手段の操作を実際に行うことなく遊技を行い、情報記憶手段に特定役当選の情報を記憶させる行為が想定される。これに対して、上記手段8等の構成を適用することで、当該行為を防止することが可能となる。
【0037】
また、電気経路が遮断された状況であっても制御手段を動作状態とすることが可能な信号出力装置を用いて、情報記憶手段に特定役当選の情報を記憶させる行為が想定される。また、例えば、遊技ホールの閉店時において上記信号出力装置を用いて特定役当選の情報を記憶させておき、開店後に不正に特別遊技状態に移行させる行為が想定される。これに対して、手段12によれば、遊技機の電入中における信号出力装置の付け替えに際して制御手段が非動作状態となり、当該制御手段を動作状態へ復帰させるには情報記憶手段に記憶されている情報を消去させる必要が生じる。よって、上記不正行為によって遊技ホール等に不利益が発生してしまうことを防止することが可能となる。
【0038】
手段13.手段1乃至12のいずれか1において、外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段(電源部161a)を備え、
前記制御手段は、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて、役の抽選を行う抽選手段(CPU151におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
その抽選結果を含めた遊技情報を記憶するとともに、自身に電源が供給されている間はその記憶した情報の保持を可能とする情報記憶手段(RAM153)と、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させるとともに、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる可変表示制御手段(CPU151におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記遊技情報が特定役当選の情報であって、停止後の停止絵柄が特定絵柄である場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる状態移行手段(CPU151におけるボーナスゲーム処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報記憶手段は、前記特定役当選の情報を記憶した場合、停止後の停止絵柄が前記特定絵柄となることで当該特定役当選の情報が消去されるものであることを特徴とする遊技機。
【0039】
手段13の遊技機では、信号出力装置を用いて遊技媒体の投入や各種操作手段の操作を実際に行うことなく遊技を行い、情報記憶手段に特定役当選の情報を記憶させる行為が想定される。これに対して、上記手段1又は2の構成を適用することで、当該行為を防止することが可能となる。
【0040】
手段14.手段13において、前記制御手段は、
外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断されることが特定されたことに基づいて予め定められた電断時処理を実行する電断時処理実行手段(CPU151における停電時処理を実行する機能)を備えているとともに、
前記電入中電源手段にて生成された動作電源が供給されている状況でも前記電気経路が遮断されることで非動作状態となるものであり、且つ前記電源時処理が実行されないまま非動作状態となった場合、動作状態へ復帰する場合に前記情報記憶手段に記憶されている情報の消去を要するものであることを特徴とする遊技機。
【0041】
電気経路が遮断された状況であっても制御手段を動作状態とすることが可能な信号出力装置を用いて、情報記憶手段に特定役当選の情報を記憶させる行為が想定される。また、例えば、遊技ホールの閉店時において上記信号出力装置を用いて特定役当選の情報を記憶させておき、開店後に不正に特別遊技状態に移行させる行為が想定される。これに対して、手段14によれば、遊技機の電入中における信号出力装置の付け替えに際して制御手段が非動作状態となり、当該制御手段を動作状態へ復帰させるには情報記憶手段に記憶されている情報を消去させる必要が生じる。よって、上記不正行為によって遊技ホール等に不利益が発生してしまうことを防止することが可能となる。
【0042】
手段15.手段14において、前記電断時処理実行手段は、前記電断時処理において前記情報記憶手段に電断時情報を記憶させるものであり、
前記制御手段は、
外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断された場合、前記電断時処理実行手段により前記電断時処理が実行された後に非動作状態となるものであり、
さらに、非動作状態から動作状態へ復帰する場合に前記情報記憶手段に記憶されている前記電断時情報に基づいて電断前の状態へ復帰させる復帰手段(CPU151におけるステップS409〜ステップS413の処理を実行する機能)と、
非動作状態から動作状態へ復帰する場合に前記情報記憶手段に前記電断時情報が記憶されていないことに基づいて少なくとも前記可変表示制御手段による前記開始及び停止制御の実行を規制するとともに、当該規制が行われないようにする又は当該規制を解除する上で前記情報記憶手段に記憶されている情報の消去を要する制御規制手段(CPU151におけるステップS414〜ステップS416等の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0043】
手段15の遊技機では、遊技機が電断状態となる場合には情報記憶手段に電断時情報が記憶され、遊技機が電入状態となり制御手段が非動作状態から動作状態へ復帰する場合には情報記憶手段に記憶されている電断時情報に基づいて電断前の状態に復帰することとなる。一方、遊技機が電入状態となり、制御手段が非動作状態から動作状態へ復帰する場合において情報記憶手段に電断時情報が記憶されていない場合には、情報記憶手段に関して何らかの異常が発生したものとして情報記憶手段に記憶されている情報を消去する必要が生じる。
【0044】
この場合に、遊技機の電入状態において電気経路が遮断される場合、情報記憶手段に電断時情報が記憶されないまま制御手段が非動作状態となる。そうすると、制御手段の動作状態への復帰に際して情報記憶手段に記憶されている情報を消去する必要が生じ、上記手段14にて説明した効果を得ることができる。つまり、復電用の構成を利用して、上記手段14にて説明した効果を得ることができる。
【0045】
手段16.手段13乃至15のいずれか1において、外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断された場合に前記情報記憶手段に記憶された情報が保持されるように当該情報記憶手段に電断時用電源を供給する電断中電源手段(バックアップ用電源生成回路211)を備え、
外部電源から供給される電源が遮断されている状況において、前記開始及び停止制御を行う上で前記制御手段が受け取る各種信号の内、前記特定信号又はそれとは異なる信号を伝達する信号線の取り外しが行われた場合に、前記情報記憶手段に前記電断時用電源が供給されなくなることを特徴とする遊技機。
【0046】
電気経路が遮断された状況であっても制御手段を動作状態とすることが可能な信号出力装置を用いて、情報記憶手段に特定役当選の情報を記憶させる行為が想定される。また、例えば、遊技ホールの閉店時において上記信号出力装置を用いて特定役当選の情報を記憶させておき、開店後に不正に特別遊技状態に移行させる行為が想定される。これに対して、手段16によれば、遊技機の電断中における信号出力装置から元の状態への付け替えに際して情報記憶手段への電断時用電源の供給が遮断され、情報記憶手段に記憶されていた特定役当選の情報は消去される。よって、上記不正行為によって遊技ホール等に不利益が発生してしまうことを防止することが可能となる。
【0047】
手段17.手段16において、前記電断時用電源は、前記電気経路とは異なる特別電気経路を通じて前記情報記憶手段に供給され、
前記開始及び停止制御を行う上で前記制御手段が受け取る各種信号の内、前記特定信号又はそれとは異なる信号を伝達する信号線の取り外しが行われた場合に、前記特別電気経路を形成する電気配線が取り外される構造を有することを特徴とする遊技機。
【0048】
手段17によれば、遊技機の電断中における信号出力装置から元の状態への付け替えに際して特別電気経路が遮断されることで情報記憶手段への電断時用電源の供給が遮断され、情報記憶手段に記憶されていた特定役当選の情報は消去される。
【0049】
手段18.手段16において、前記電気経路又は当該電気経路とは異なる特別電気経路を通じて電断中非遮断信号を受け取るとともに、当該電断中非遮断信号を受け取っている場合のみ前記電断中電源手段から前記情報記憶手段へ電断時用電源を供給させる電断時電源制御回路(切替回路212)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
【0050】
手段18の遊技機では、電気経路又は特別電気経路が遮断されることで情報記憶手段への電断時用電源の供給が停止されるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。特に、本構成によれば、電断時用電源については電気経路又は特別電気経路に迂回させる必要はなく、電断時用電源を伝達する上で損失の少ない最短経路にて電断時用電源の供給を行うことが可能となる。
【0051】
手段19.手段18において、前記電断時電源制御回路は、前記電断中電源手段から前記情報記憶手段への電源供給経路に接続されたスイッチング素子(MOSFET212a)を備え、
前記電気経路又は前記特別電気経路を通じて前記電断中非遮断信号を受け取っていない場合には前記スイッチング素子が遮断状態となるように構成したことを特徴とする遊技機。
【0052】
手段19によれば、電気経路又は特別電気経路が遮断されている場合には、スイッチング素子が遮断状態となる。このため、情報記憶手段に電断時用電源が供給されなくなり、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0053】
手段20.手段1乃至19のいずれか1において、前記電気経路は、前記特定信号を出力する又は当該特定信号を中継する手段と前記制御手段との間で設けられており、
前記取り外される構造として、前記特定信号線と前記電気配線とを一対のコネクタ部材間に繋げることで接続ユニットとして構成したことを特徴とする遊技機。
【0054】
手段20によれば、信号出力装置を制御手段に接続し、遊技媒体の投入や各種操作手段の操作を実際に行うことなく遊技を行おうとする行為に際しては、特定信号線の取り外しを要し、特定信号線を取り外すためには接続ユニットを取り外す必要がある。そして、接続ユニットが取り外されると、電気経路が確実に遮断されることとなる。つまり、本構成によれば、接続ユニットという比較的簡素な構成を適用することで、上記手段1又は2の優れた効果を得ることができる。
【0055】
手段21.手段20において、前記特定信号の前記制御手段に向けた信号経路における前記特定信号を出力する又は当該特定信号を中継する手段よりも前記制御手段側を構成する特定信号線は全て、前記電気経路を構成する電気配線とともに前記接続ユニットとして構成されていることを特徴とする遊技機。
【0056】
手段21によれば、特定信号を出力する又は当該特定信号を中継する手段よりも制御手段側において特定信号線の取り外しが行われた場合には、電気経路が確実に遮断されるため、信号出力装置を用いた不正行為の防止効果が高められる。
【0057】
手段22.手段20又は21において、前記特定信号線を介して出力する特定信号を生成する信号生成手段(スタートレバー71)と、
当該信号生成手段が生成した特定信号を中継する生成手段側中継部(始動操作基板181a)と、
を備え、
前記電気経路は、前記生成手段側中継部と前記制御手段との間で設けられているとともに、
前記特定信号の前記制御手段に向けた信号経路における前記生成手段側中継部よりも前記制御手段側を構成する特定信号線は全て、前記電気経路を構成する電気配線とともに前記接続ユニットとして構成されており、
さらに、前記信号生成手段からの信号を前記生成手段側中継部に出力する生成手段側信号線(LN1)を、その取り外しが不可若しくは困難な構成とした、又は取り外しに際してその痕跡が残る構成としたことを特徴とする遊技機。
【0058】
手段22の遊技機では、生成手段側中継部が設けられていることにより、特定信号線及び電気配線の引き回しを良好に行うことができる。また、生成手段側中継部よりも制御手段側において特定信号線の取り外しが行われた場合には、電気経路が確実に遮断されるため、信号出力装置を用いた不正行為の防止効果が高められる。
【0059】
また、生成手段側信号線の取り外しを不可若しくは困難な構成とすることで、信号出力装置を制御手段に接続するためには、接続ユニットを外す必要が生じる。そして、接続ユニットを外すと、電気経路が遮断されることとなり上記優れた効果を得ることができる。
【0060】
また、生成手段側信号線の取り外しに際してその痕跡が残る構成とすることで、遊技ホールの管理者等は当該信号線の取り外しが行われた場合にはそれを容易に把握することができる。よって、信号出力装置を使用した行為を行う者は、その痕跡が残ることを回避すべく、接続ユニットを外して信号出力装置を制御手段に接続すると考えられる。そして、接続ユニットを外すと、電気経路が遮断されることとなり上記優れた効果を得ることができる。
【0061】
手段23.手段1乃至19のいずれか1において、前記電気配線を前記制御手段又は当該制御手段への制御手段側中継部に接続するための第1のコネクタ部材と、
前記特定信号線を前記制御手段又は当該制御手段への制御手段側中継部に接続するための第2のコネクタ部材と、
を備え、
前記取り外される構造として、前記第1のコネクタ部材及び前記第2のコネクタ部材が前記制御手段又は前記制御手段側中継部に接続された状態において前記第2のコネクタ部材の取り外しが規制されるように前記第1のコネクタ部材を構成したことを特徴とする遊技機。
【0062】
手段23によれば、第2のコネクタ部材の取り外しは第1のコネクタ部材により規制されているため、特定信号線のコネクタを外す際には電気配線のコネクタを外す必要がある。そして、かかる電気配線のコネクタが外されると電気経路が遮断されるため、上記手段1又は2の優れた効果を得ることができる。
【0063】
手段24.手段23において、前記第1のコネクタ部材は、各コネクタ部材が前記制御手段又は当該制御手段への制御手段側中継部に接続された状態において、前記第2のコネクタ部材の取り外しを阻止する阻止部(突起部223)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0064】
手段24によれば、各コネクタ部材が制御手段又は制御手段側中継部に接続された状態において、第2のコネクタ部材の取り外しは第1のコネクタ部材の阻止部によって阻止されている。このため、第2のコネクタ部材を取り外すためには第1のコネクタ部材を先に外す、又は同時に外す必要が生じる。
【0065】
手段25.手段1乃至24のいずれか1において、外部電源から供給される電源に基づいて動作電源を生成する電入中電源手段(電源部161a)と、
外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断された場合に電断時用電源を生成する電断中電源手段(バックアップ用電源生成回路211)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記開始及び停止制御を行う上で予め定められた処理を実行する演算手段(CPU151)と、
当該演算手段にて前記処理を実行する上で用いられる情報を記憶するとともに、自身に電源が供給されている間は情報の記憶保持を可能とする情報記憶手段(RAM153)と、
前記電入中電源手段が供給する動作電源を入力する第1入力部(VCC端子)と、
前記電入中電源手段及び前記電断中電源手段が供給する動作電源を入力する第2入力部(VBB端子)と、
を備え、
さらに、前記第1入力部にて入力した動作電源が前記演算手段及び前記情報記憶手段に供給されるとともに、前記第2入力部にて入力した動作電源が前記情報記憶手段に供給されることを特徴とする遊技機。
【0066】
手段25によれば、遊技機の電入状態において故障などにより第2入力部へ動作電源が供給されなくなったとしても、第1入力部を通じて情報記憶手段に動作電源が供給されるため、遊技の続行が可能となる。
【0067】
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
【0068】
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
【0069】
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
【0070】
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
【0071】
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
【0072】
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
【0073】
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0074】
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
【0075】
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
【0076】
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
【0077】
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
【0078】
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
【0079】
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
【0080】
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0081】
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト12番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト9番目)、「リーチ」図柄(例えば、左ベルト6番目)、「ラッキー」図柄(例えば、左ベルト1番目)の9種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0082】
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0083】
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等のボーナスゲームへの移行処理などが実行される。
【0084】
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
【0085】
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ入賞として15枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄、「ベル」図柄、「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル入賞として11枚のメダル払出が行われる。また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として2枚のメダル払出が行われる。即ち、チェリー入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施形態では4枚のメダル払出が行われる。
【0086】
また、遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄と並んで停止した場合、BB入賞として遊技状態が特別遊技状態たるBBゲームに移行する。但し、「7」図柄が有効ライン上に左・中・右と並んで停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
【0087】
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
【0088】
加えて、遊技状態が後述するRBゲームである場合に限り、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「チャンス」図柄と並んで停止した場合と、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄、「リプレイ」図柄、「ラッキー」図柄と並んで停止した場合に、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
【0089】
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lの「チャンス」図柄及び「ラッキー」図柄、中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄、各リール42L,42M,42Rの「青年」図柄及び「リーチ」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。このように、各リール42L,42M,42Rには、例えば「ベル」図柄等の入賞と関係する特典図柄と、例えば「青年」図柄等の入賞と無関係な無特典図柄がそれぞれ付されている。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。例えば、BB図柄の組合せとは、BB入賞となる図柄の組合せ、すなわち「7」図柄、「7」図柄、「7」図柄の組合せである。
【0090】
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
【0091】
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
【0092】
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。この貯留用通路81に導かれるメダルは、後述する投入メダル検出センサ84bにより検出される。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
【0093】
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
【0094】
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
【0095】
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
【0096】
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
【0097】
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
【0098】
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
【0099】
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
【0100】
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
【0101】
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
【0102】
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
【0103】
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
【0104】
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
【0105】
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
【0106】
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
【0107】
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
【0108】
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ123は、エラー状態をリセットする場合のほか、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
【0109】
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
【0110】
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック回路図に基づいて説明する。
【0111】
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ入出力回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図11以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
【0112】
RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリの他に、バックアップエリア153aが設けられている。バックアップエリア153aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値や各種データを記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリア153aの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア153aへの書き込みは停電時処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア153aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図14参照)において実行される。
【0113】
CPU151には、図示しない入出力ポートが接続されている。この入出力ポートを介してCPU151には、スタートレバー71、各ストップスイッチ72〜74、クレジット投入スイッチ77〜79、精算スイッチ80、セレクタ84、リセットスイッチ123、リールユニット41、ホッパ装置91、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a、及び遊技ホール全体を管理するホール管理装置などに情報を出力できる外部集中端子板171等が接続されている。
【0114】
この場合に、スタートレバー71、ストップスイッチ72〜74、クレジット投入スイッチ77〜79、精算スイッチ80、及びセレクタ84は、前面扉12に設けられた中継基板165(図3及び図4参照)を介して接続されている。これらスタートレバー71等は前面扉12に配設されており、中継基板165を介することで配線の引き回しが容易となる。なお、リールユニット41等も専用の中継基板を介して接続する構成としてもよい。
【0115】
セレクタ84、リールユニット41、及びホッパ装置91に対しては、信号の入出力が可能となっている。詳細には、セレクタ84に関しては、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサからの検出信号を入力するとともに、メダル通路切替ソレノイド83に対して励磁信号を出力する。リールユニット41に関しては、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55からの検出信号を入力するとともに、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)に対して駆動信号を出力する。ホッパ装置91に関しては、当該ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサからの検出信号を入力するとともに、メダルの払い出しを実行する払出装置93に対して駆動信号を出力する。
【0116】
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。また、図示による説明は省略するが、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、及び獲得枚数表示部37も主制御装置131のCPU151に接続されており、当該CPU151によって表示制御される。
【0117】
ここで、本実施の形態では、主制御装置131への電源供給に関して特徴的な構成を備えている。そこで、この特徴的な構成及びそれに関連した構成について図10のブロック回路図に基づいて説明する。
【0118】
スタートレバー71及びストップスイッチ72〜74は、それぞれ始動操作装置181及び停止操作装置182の一部として設けられている。各装置181,182について詳細には、始動操作装置181には始動操作基板181aが設けられており、この始動操作基板181aにスタートレバー71が接続されている。この場合に、スタートレバー71と始動操作基板181aとの間を繋ぐ信号線LN1は、着脱不可な状態で設けられている。つまり、当該信号線LN1における、スタートレバー71及び始動操作基板181aに対する接続部分は、コネクタを介しておらず半田などによって固着されている。スタートレバー71の操作は始動操作基板181aにて検出され、始動操作基板181aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN2を介して当該中継基板165に対して始動検出信号が出力される。信号線LN2はコネクタCN1,CN2を介して着脱自在に取り付けられている。
【0119】
停止操作装置182には停止操作基板182aが設けられており、この停止操作基板182aにストップスイッチ72〜74が接続されている。この場合に、ストップスイッチ72〜74と停止操作基板182aとの間を繋ぐ信号線LN3は、始動操作装置181と同様に、着脱不可な状態で設けられている。そして、ストップスイッチ72〜74の操作が停止操作基板182aにて検出され、停止操作基板182aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN3を介して当該中継基板165に対して停止検出信号が出力される。信号線LN4はコネクタCN3,CN4を介して着脱自在に取り付けられている。
【0120】
始動操作装置181や停止操作装置182と同様に、セレクタ84にはセレクタ用基板84aが設けられている。セレクタ用基板84aには、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ84bが接続されている。この場合に、投入メダル検出センサ84bとセレクタ用基板84aとの間を繋ぐ信号線LN5は、始動操作装置181や停止操作装置182と同様に、着脱不可な状態で設けられている。そして、セレクタ用基板84aにて投入メダル検出センサ84bからの信号が検出され、セレクタ用基板84aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN6を介して当該中継基板165に対してメダル検出信号が出力される。信号線LN6はコネクタCN5,CN6を介して着脱自在に取り付けられている。なお、上述したとおり、セレクタ84に対しては主制御装置131から駆動信号が出力されるが、図10に基づく説明においては、この駆動信号の出力に関する説明は省略する。
【0121】
中継基板165は、ハーネスHを介して主制御装置131の主制御基板131aに接続されている。そして、始動操作基板181a、停止操作基板182a、及びセレクタ用基板84aから出力された各種信号は、ハーネスHを構成する各信号線を介して主制御基板131aに入力される。この場合に、ハーネスHはコネクタCN7,CN8を介して着脱自在に取り付けられている。なお、中継基板165には、上記各基板181a,182a,84aからの信号線の他にも複数の信号線が接続されているため、ハーネスHにはこれらに対応した信号線が設けられている。
【0122】
以上の構成において、主制御基板131aに設けられたCPU151には、始動操作基板181a及び中継基板165を介して、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161から電源(動作電力)が供給される。詳細には、電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に動作電源を供給する電源部161aや、電源の遮断状態を監視する停電監視回路161bなどが搭載されている。なお、本実施の形態では、電源部161aからは5Vの電源が供給されるが、この供給電源は5Vに限定されることはない。
【0123】
電源部161aには、始動操作基板181aに向けて延びる電源線ELN1が設けられている。また、始動操作基板181aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN2のコネクタCN1,CN2間には、電源線ELN2が設けられている。さらに、中継基板165と主制御基板131aとを繋ぐハーネスHには電源線が含まれている。そして、このハーネスHに含まれた電源線からの電源は、CPU151に設けられた電源入力用の端子に供給される。よって、電源線ELN1からの電源がCPU151に供給され、当該供給電源により後述する各処理を実行するとともに、RAM153にて各種データが記憶保持される。
【0124】
また、電源装置161の停電監視回路161bからの停電信号は、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に入力されるように構成されている。NMI端子に停電信号が入力されることにより、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。なお、当該停電信号は電源ボックス121の電源スイッチ122がOFF操作された際も生成される。
【0125】
電源装置161には、バックアップ用コンデンサ191が設けられている。このバックアップ用コンデンサ191に対しては電源部161aからの電源が供給され、スロットマシン10の電源がON状態の場合にはバックアップ用コンデンサ191にて蓄電される。また、バックアップ用コンデンサ191は上述した電源線ELN1に接続されている。したがって、スロットマシン10の電源がOFF状態の場合にはバックアップ用コンデンサ191から放電され、RAM153(バックアップエリア153a)に対してバックアップ用の電源が供給される。よって、スロットマシン10の電源がOFF操作されたとしても、バックアップ用コンデンサ191から電源が供給されている間はRAM153(バックアップエリア153a)に記憶されたデータが消去されることなく保持される。ちなみに、バックアップ用コンデンサ191の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM153に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
【0126】
以上の構成であることにより、主制御基板131aに対して始動検出信号、停止検出信号、及びメダル検出信号を出力する信号出力装置を接続し、各信号を出力することでBB入賞を発生させようとする不正行為を抑制することができる。
【0127】
当該不正行為について説明すると、後述するように本スロットマシン10においては、所定枚数のメダルが投入され、その後、スタートレバー71が操作されることで、当選役の抽選が行われるとともに、各リール42L,42M,42Rの回転が開始される。そして、ストップスイッチ72〜74が操作されることで、各リール42L,42M,42Rの回転が停止する。したがって、上記信号出力装置を主制御基板131aに付け替えることで、実際にメダルの投入やスタートレバー71及びストップスイッチ72〜74の操作を行うことなく遊技を繰り返し行うことができ、そのいずれかのタイミングでBB役の当選が発生することとなる。
【0128】
例えば、遊技ホールの閉店後に当該不正行為を行う場合には、BB役の当選が発生した状態でスロットマシン10の電源をOFF操作する。BB役の当選情報(後述するBB当選フラグ)は基本的にBB入賞が発生するまでRAM153に記憶されるため、開店時において当該不正行為が行われたスロットマシン10はBB役が当選した状態で遊技が開始されることとなる。BB入賞が発生すると多量のメダルが払い出されるため、遊技ホール等にとっては大きな不利益となる。なお、BB役の当選が発生したか否かは各リール42L,42M,42Rが停止した際の停止図柄の態様により判断することが可能である。また、例えば、当該不正行為が遊技ホールの営業中に行われる場合には、BB役の当選後にBB入賞となる図柄の組合せを停止させる。
【0129】
さらには、上記行為が不正行為としてではなく、遊技ホールにて意図的に行われることも想定される。つまり、閉店時に上記信号出力装置と同様の装置を用いてスロットマシン10にBB役の当選を発生させておくことで、上記のとおり開店時にはBB役が当選した状態でスロットマシン10の遊技が開始される。この場合、遊技者の当該遊技ホールに対する注目度が高まることとなる。しかしながら、これは不当に射幸心を煽ることとなり好ましくない。
【0130】
このような不正行為(遊技ホールが意図的に行う場合は不当に射幸心を煽る行為)は、中継基板165と主制御基板131aとを繋ぐハーネスHを外し、当該ハーネスHのコネクタCN8が接続されていた主制御基板131a側のコネクタCN9に信号出力装置から延びるハーネスを接続することにより行われる。また、これ以外にも始動操作基板181aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN2、停止操作基板182aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN4、及びセレクタ用基板84aと中継基板165とを繋ぐ信号線LN6を外し、それら信号線LN2,LN4,LN6のコネクタCN2,CN4,CN6が接続されていた中継基板165側のコネクタCN10,CN11,CN12に信号出力装置から延びる信号線を接続することにより行われる。
【0131】
これに対して、上記のとおり、主制御基板131aのCPU151への電源は始動操作基板181aを介して供給される。つまり、信号線LN2を繋ぐコネクタCN1,CN2間に設けられた電源線ELN2、及びハーネスHを介してRAM153へ電源が供給される。したがって、ハーネスHや信号線LN2を外して信号出力装置を接続したとしても、主制御基板131aのCPU151に対して電源が供給されなくなる。そして、CPU151が機能しないことで、CPU151が後述する各種処理を行うことができなくなり、さらにはRAM153にて各種データを記憶保持することができなくなることで、上記不正行為を行えなくなる。また、仮に、信号出力装置からCPU151への電源が供給される場合であったとしても、信号出力装置の接続を外してコネクタLN2やハーネスHを接続する際にRAM153への電源が遮断される。よって、RAM153に記憶されたBB役の当選情報が消去され、上記不正行為が行えなくなる。
【0132】
また、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側にて信号出力装置が付け替えられることも想定される。つまり、スタートレバー71と始動操作基板181aとを接続する信号線LN1を外し、それに代えて信号出力装置を始動操作基板181aに接続させる行為が想定される。これに対して、本実施の形態においては、信号線LN1が始動操作基板181aに対して半田などで固着されており、取り外し不可な状態となっている。よって、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側での信号出力装置への付け替えを不可能(又は、困難)なものとすることができ、当該末端側にて信号出力装置への付け替えを行おうとする行為を抑制することができる。
【0133】
次に、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図11〜図25のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
【0134】
図11はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を入力した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
【0135】
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリア153aに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリア153aに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリア153aへの退避および復帰処理を省くことができる。
【0136】
図12は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
【0137】
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリア153aに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0138】
ここで、停電時処理について図13を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの出力処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
【0139】
ステップS301では、コマンド出力が終了しているか否かを判定する。出力が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド出力を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの出力が完了しているか否かを判断し、出力が未完であるときには出力処理を優先し、単位コマンドの出力処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの出力途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
【0140】
ステップS301がYES、すなわちコマンドの出力が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリア153aに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポートにおける出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリア153aに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリア153aに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、詳細な説明は省略するが、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合には後述するメイン処理に移行する。
【0141】
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5V)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
【0142】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
【0143】
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポートに接続された各種スイッチ等の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
【0144】
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置111へ出力するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリア153aに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0145】
図14は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
【0146】
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
【0147】
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を入力しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
【0148】
ここで、当選確率設定処理について図15を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
【0149】
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
【0150】
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
【0151】
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
【0152】
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
【0153】
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
【0154】
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
【0155】
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリア153aに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に出力する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にて始動操作装置181等の各種装置の初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
【0156】
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポートに接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
【0157】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
【0158】
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS602にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS602が共にYESの場合には、ステップS603の抽選処理、ステップS604のリール制御処理、ステップS605のメダル払出処理、ステップS606のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、またはステップS602にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
【0159】
次に、ステップS603の抽選処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
【0160】
ステップS701では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率が最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率が最も高い抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。ここで、抽選テーブルについて、簡単に説明する。図18は、「設定1」の通常状態下で3枚ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常状態下では、再遊技、チェリー、ベル、スイカ、BBの5種類の入賞が発生し得る(図8参照)ため、1〜5の5つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほどBB役と対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット枚数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
【0161】
ステップS702ではインデックス値IVを1とし、続くステップS703では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて0〜65535の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわち始動操作装置181から始動検出信号を入力したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
【0162】
その後、ステップS704ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS705にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをRAM153に設けられた対応する当選フラグ格納エリアにセットする。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了時にリセット(クリア)される。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセット(クリア)される。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
【0163】
ステップS704にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS706にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS707ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS703に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS703では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS704では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図18に示した抽選テーブルが選択された場合、BB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリー及びスイカ当選確率は128分の1である。
【0164】
ステップS705にて当選フラグをセットした後、又はステップS707にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS708にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行う。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
【0165】
本実施の形態では、スベリテーブルに関するデータ構成に特徴を有するので、その点について説明する。
【0166】
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
【0167】
このような停止態様に関する停止データは、左リール42Lに5種類(滑りなし、1コマ滑り、2コマ滑り、3コマ滑り、4コマ滑り)、中リール42Mに5種類、右リール42Rに5種類必要である。この場合、各リール42L,42M,42Rに関する停止データをビット単位で割り振る構成とすると、各リール42L,42M,42Rに3ビットの停止データが必要となり、1バイトに納めることができなくなる。
【0168】
この点、本実施の形態では、各5種類の停止データが必要であるから、各停止データをまとめて6進数と仮定して圧縮データを作成している。即ち、停止データを「(左リール42Lのデータ)×36+(中リール42Mのデータ)×6+(右リール42Rのデータ)」からなる構成とする。この場合、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備できる数は各々最大6種類であり、停止データ全体としては6×6×6=216の組合せパターンが存在するが、これは1バイトで表現できる最大値である256以内となる。その結果、各リール42L,42M,42Rに5種類も停止データが存在するにもかかわらず、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。また、各リール42L,42M,42Rには21個の図柄が付されていることから、1つのスベリテーブルを21バイトで構成することができ、主制御装置131の記憶容量を削減することが可能となる。ちなみに、本実施の形態では、21バイトからなるスベリテーブルが約60種類予めROM152に記憶されている。
【0169】
また、各停止データを圧縮データとして記憶する本スロットマシン10では、各停止データを使用するにあたって所定の解凍処理を行う。具体的には、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「36」(=6×6)で除算し、得られた商を左リール42Lの停止データとして把握する。さらに、その除算して得られた余りを「6」で除算し、得られた商を中リール42Mの停止データとして把握すると共に、その余りを右リール42Rの停止データとして把握する。
【0170】
上述した処理を経て、CPU151は各リール42L,42M,42Rの停止データを解凍データとして把握することができる。なお、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる構成であればよく、例えば各停止データをまとめて5進数と仮定して圧縮データを作成してもよい。停止データが1バイト内におさまる条件としては、各リール42L,42M,42Rの停止データとして準備可能な最大数を乗算したときに得られる値が256以下であればよい。従って、各リール42L,42M,42Rにおいて、準備可能な停止データの最大数が同一である必要もない。例えば、左リール42Lに6種類、中リール42Mに8種類、右リール42Rに4種類の停止データを準備可能とした場合であっても、停止データ全体の組合せパターンは6×8×4=192通りとなり、1バイトで表現できる最大値256以下となるため、全てのリール42L,42M,42Rについての停止データを1バイト内に収めることができる。ちなみに、かかる場合には、圧縮データを「(右リール42Rのデータ)×48+(中リール42Mのデータ)×6+(左リール42Lのデータ)」とし、解凍処理では、到達図柄の図柄番号と対応する圧縮データを「48」で除算して得られた商を右リール42Rの停止データとし、その除算して得られた余りを「6」で除算して得られた商を中リール42Mの停止データとし、更にその余りを左リール42Lの停止データとして把握することとなる。
【0171】
図19は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの8番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは1図柄分だけ滑り、9番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールは滑り数が0の図柄が下ライン上に到達するまで滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。そして、例えば図柄番号0における左滑り数2、中滑り数0、右滑り数3の停止データが1バイトの圧縮データとされ、各図柄番号についての圧縮データすなわち21バイトの圧縮データから1つのスベリテーブルが構成されている。
【0172】
図20に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS801にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定する。BB当選フラグがセットされていない場合にはステップS802に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリアにセットする。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号がセットされている場合には、当選フラグがセットされていない又は当選フラグが1つだけセットされていることを意味する。続くステップS803では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、左リール42Lの当選フラグと対応する図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの当選フラグと対応する図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。また、当選フラグがセットされていない外れの場合には、いずれの入賞態様も成立しないスベリテーブルをセットする。
【0173】
図19に示すスベリテーブルは、スイカ当選フラグがセットされている場合に第1当選番号に基づいてセットされるスベリテーブルである。換言すれば、スイカ当選フラグがセットされている場合に最初にセットされるスベリテーブルであるとも言える。かかるスベリテーブルでは、例えば中リール42Mの4番図柄たる「チェリー」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは滑ることなくそのまま停止し、5番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。また、中リール42Mの5番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に中ストップスイッチ73が押された場合、中リール42Mは3図柄分だけ滑って8番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、9番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。右リール42Rについても同様であり、例えば右リール42Rの4番図柄たる「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に右ストップスイッチ74が押された場合、右リール42Rは3図柄分だけ滑って7番図柄たる「リーチ」図柄が下ライン上に停止し、8番図柄たる「スイカ」図柄が中ライン上に停止する。このように、中リール42M及び右リール42Rについては、「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されている。
【0174】
但し、左リール42Lについては、上ライン又は下ラインのいずれかに「スイカ」図柄が停止するように設定されている。すなわち、7番の「ベル」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は上ライン上に停止し、8番の「リプレイ」図柄又は9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、9番の「スイカ」図柄は下ライン上に停止する。これは、一般的に左リール42L→中リール42M→右リール42Rの順に回転を停止させるべくストップスイッチ72〜74が操作されることを考慮し、停止出目を多様化させるための工夫である。
【0175】
また、かかるスベリテーブルが最初にセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄から次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。例えば中リール42Mでは、5番の「スイカ」図柄から9番の「スイカ」図柄までは3図柄分離れているのみである一方、9番の「スイカ」図柄から5番の「スイカ」図柄までは16図柄分離れている。このため、例えば中リール42Mの11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が押された場合、仮に中リール42Mを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。
【0176】
一方、「ベル」図柄、及び「リプレイ」図柄は、下ライン上に先に到達する図柄と次に到達する同種の図柄との間が4図柄以下となるように配置されている。各リール42L,42M,42Rは、各ストップスイッチ72,73,74の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができるため、かかる図柄配列とすることにより、各ストップスイッチ72,73,74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、ベル当選フラグ又はリプレイ当選フラグがセットされていれば「ベル」図柄の組合せ、及び「リプレイ」図柄の組合せを有効ライン上に停止させることができる。
【0177】
スベリテーブル設定処理の説明に戻り、ステップS801にてBB当選フラグがセットされていると判定した場合には、さらにステップS804にて他の当選フラグがセットされているか否かを判定する。他の当選フラグがセットされていない場合にはBB当選フラグのみがセットされていることを意味するため、上述したステップS802〜ステップS803の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグがセットされている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS805に進み、セットされている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリアにセットする。第2当選番号がセットされている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つがセットされていることを意味する。続くステップS806では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルをRAM153のスベリテーブル格納エリアにセットし、本処理を終了する。
【0178】
このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。具体的に説明すると、他の当選フラグが再遊技当選フラグである場合、「7」図柄より「リプレイ」図柄が優先して有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。一方、他の当選フラグが小役当選フラグである場合、「7」図柄が優先して有効ライン上に停止するように、且つ「7」図柄を有効ライン上に停止させられない場合は小役当選フラグと対応する図柄が有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。さらに、他の当選フラグが小役当選フラグたるベル当選フラグである場合には、上述した設定に加えて、「7」図柄と「ベル」図柄とを共に有効ライン上に停止させることが可能な場合、「7」図柄と「ベル」図柄が共に有効ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルをセットする。
【0179】
抽選処理の説明に戻り、スベリテーブル設定処理が終了した後、ステップS709では補助表示部15にて連続演出が行われているか否かを判定する。連続演出が行われていない場合にはステップS710に進み、連続演出設定処理を行う。ここで、連続演出とは、補助表示部15にて各リール42L,42M,42Rの回転開始段階から複数ゲーム(本実施形態では2ゲーム)にわたって所定の表示演出を行い、BB当選フラグがセットされていれば最終ゲームの全リール42L,42M,42R停止後にBB当選を示唆し、セットされていなければ全リール42L,42M,42R停止後にBB非当選を示唆する演出である。連続演出設定処理では、先ず、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数に基づいて連続演出を行うか否かの連続演出抽選を行う。連続演出抽選は、BB当選フラグの有無により当選確率が異なっており、BB当選フラグがセットされている場合の当選確率は約5分の1であり、セットされていない場合の当選確率は設定1の場合で約100分の1である。つまり、連続演出抽選の当選確率は、BBの当選有無に関わらずBB当選確率よりも高く設定されており、小役及び再遊技の当選有無と無関係に連続演出抽選が行われる。これは、通常時の遊技が単調化することを抑制するための工夫である。そして、連続演出抽選に外れた場合にはそのまま本処理を終了し、当選した場合には連続演出コマンドをセットして本処理を終了する。連続演出コマンドは表示制御装置111に対して出力されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを入力することにより、連続演出を開始させるべく補助表示部15の表示制御を開始する。また、補助表示部15にて連続演出が行われている場合には、ステップS711にて終了コマンドをセットする連続演出終了処理を行った後、本処理を終了する。終了コマンドは表示制御装置111に対して出力されるコマンドであり、表示制御装置111は、当該コマンドを入力することにより、BB当選を示唆するか否かを認識し、認識した結果と対応する表示結果で連続演出が終了するように補助表示部15を表示制御する。
【0180】
次に、ステップS604のリール制御処理について、図21のフローチャートに基づき説明する。
【0181】
リール制御処理では、先ずステップS901において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS902では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的には停止操作装置182からの停止検出信号を入力したか否かを判定し、停止検出信号を入力していない場合には停止検出信号を入力するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、停止操作装置182からの停止検出信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
【0182】
ステップS902にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS903に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS904にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
【0183】
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図22のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1002〜ステップS1005に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1002にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1003では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図20参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1004に進み、RAM153の当選番号格納エリアにセットされた当選番号を確認する。続くステップS1005では、RAM153のスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、セットされている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
【0184】
ステップS1001にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1006〜ステップS1009に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1006において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1007では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応する停止検出信号を入力したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1008では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1009に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
【0185】
ここで、スイカ当選フラグがセットされた場合を例として、第1停止変更処理と第2停止変更処理について説明する。スイカ当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「スイカ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「スイカ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブル(図19参照)がセットされる。
【0186】
第1停止指令が左ストップスイッチ72ではなく中ストップスイッチ73であった場合、例えば9番の「スイカ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで中ストップスイッチ73が操作されると、図19に示すスベリテーブルでは9番の「スイカ」図柄ではなく11番の「リプレイ」図柄が下ライン上に停止する。つまり、「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップスイッチ73が操作されたにも関わらず、「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない。第1停止変更処理では、かかる不具合の発生を回避すべく、下ライン上に9番の「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。より詳しくは、スベリテーブル設定処理でセットされるスベリテーブルと同様、各有効ライン上のいずれか(本実施形態では中ライン又は下ライン上)に中リール42Mの「スイカ」図柄が停止するスベリテーブルが予め用意されており、中ストップスイッチ73が操作された場合にはかかるスベリテーブルに変更する。第1停止指令が右ストップスイッチ74であった場合も同様である。
【0187】
また、左リール42Lの上ライン上に「スイカ」図柄が停止している状況下で第2停止指令として右ストップスイッチ74が操作された場合、スイカ入賞を成立させるためには上ライン又は下ライン上に「スイカ」図柄が停止するよう右リール42Rを停止させる必要がある。一方、図19に示すスベリテーブルは右リール42Rの「スイカ」図柄を中ライン上に停止させるスベリテーブルであるため、「スイカ」図柄を上ライン及び下ライン上に停止させることはできない。したがって、第2停止変更処理では、下ライン上に到達している到達図柄を確認し、上ライン又は下ライン上のいずれかに「スイカ」図柄が停止し得るスベリテーブルに変更する。例えば、8番の「スイカ」図柄が中ライン上に到達したタイミングで右ストップスイッチ74が操作された場合、上ライン上に「スイカ」図柄を停止させることはできないため、下ライン上に8番の「スイカ」図柄を停止させるスベリテーブルに変更する。
【0188】
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS905にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS906では、RAM153のスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ量を算出し、ステップS907にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS908では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS909にてリールを停止させるリール停止処理を行う。ステップS910では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS911にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
【0189】
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図23のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1101にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1102では、停止図柄の図柄番号が、現在セットされているスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1103に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルを、ライン変更用スベリテーブルに変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS902に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
【0190】
具体例を説明すると、再遊技当選フラグがセットされた場合、スベリテーブル設定処理では、左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン又は下ラインのいずれかに停止するように、中リール42M及び右リール42Rの「リプレイ」図柄が中ライン上に停止するように設定されたスベリテーブルがセットされる。このため、例えば左リール42Lの「リプレイ」図柄が上ライン上に停止した場合には、スベリテーブル第2変更処理において、上ライン又は右下がりライン上に再遊技入賞が成立するスベリテーブルに変更する。また、2つのリールを停止させた後のスベリテーブル第2変更処理では、どの有効ライン上に入賞図柄が2つ停止しているかを確認し、当選フラグがセットされている場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立し得るように、当選フラグがセットされていない場合であれば全てのリールが停止した時に入賞図柄の組合せが成立しないように、スベリテーブルを変更する。
【0191】
また、スベリテーブル第2変更処理では、入賞を成立させる有効ラインを変更する場合の他、成立させるべき入賞図柄の組合せを変更する場合にもスベリテーブルを変更する。すなわち、BB当選フラグと小役当選フラグがセットされている場合には、有効ライン上に「7」図柄が停止しているか否かを判別し、「7」図柄が停止していない場合には、小役当選フラグと対応する入賞が成立し得るようにスベリテーブルを変更する。
【0192】
なお、BB当選フラグが持ち越されていない場合、1つ目のリールを停止させた後に行われるスベリテーブル第2変更処理と、2つ目のリールを停止させる前に行われる第2停止変更処理(スベリテーブル第1変更処理)とは、入賞を成立させる有効ラインを中ラインから変更する処理という点で同じである。そこで、本スロットマシン10では、当選フラグの種別に応じて一方の処理のみを行う構成としている。具体的には、ベル入賞等の取りこぼしの発生しない当選フラグがセットされている場合にスベリテーブル第2変更処理を行い、スイカ入賞等の取りこぼしの発生し得る当選フラグがセットされている場合に第2停止変更処理を行うこととしている。これは、主制御装置131の処理負荷を軽減させつつ、取りこぼしの発生する機会を軽減させるための工夫である。
【0193】
リール制御処理の説明に戻り、ステップS910にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS912に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをリセットすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、その小役入賞が小役当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには小役当選フラグをリセットすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをリセットすると共に払出予定数格納エリアに0をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかるゲームのベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
【0194】
次に、ステップS605のメダル払出処理について、図24のフローチャートに基づき説明する。
【0195】
メダル払出処理では、先ずステップS1201にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1203,S1205にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1206では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
【0196】
一方、ステップS1202にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1204にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1205ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS1206にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1206にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1201に戻る。ステップS1201で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1207にて現在の遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲームでない場合にはステップS1209に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を0にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次ゲームを開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。また、現在の遊技状態がボーナスゲームである場合には、ステップS1208にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1209にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。なお、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理は、ステップS1206の表示部変更処理にて行ってもよい。
【0197】
次に、ステップS606のボーナスゲーム処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
【0198】
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BBゲームは、複数回のRBゲームで構成されている。RBゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RBゲームでJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRBゲームが終了する。また、BBゲームは、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RBゲームの途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BBゲームのみならずRBゲームも終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RBゲームに移行する図柄の組合せを設定しておらず、BBゲームに移行した直後及びRBゲームが終了した直後にRBゲームに移行する構成としている。故に、BBゲームとは、所定数のメダル払出が行われるまでRBゲームに連続して移行するゲームであるとも言える。
【0199】
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS1301にて遊技状態がボーナスゲームか否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS1302〜ステップS1305に示すボーナス図柄判定処理を行う。
【0200】
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS1302にてBB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1303に進み、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS1304においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選フラグをリセットすると共にBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとする。また、BBゲーム中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400をセットすると共に、残獲得枚数表示部36に400を表示させる処理を行う。ちなみに、現在の遊技状態がボーナスゲームか否かの判定は、BB設定フラグのセット有無により判定している。続くステップS1305ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8をセットすると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12をセットする。
【0201】
ステップS1301で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS1306に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS1307にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS1306にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS1308にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS1309では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1310にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をリセットするRB終了処理を行う。続くステップS1311では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS1312に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
【0202】
また、ステップS1309において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS1313に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BBゲーム中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BBゲームの終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1314〜ステップS1315に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS1314において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS1315にてBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS1311にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BBゲームの終了条件が成立したことを意味するため、ステップS1315にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
【0203】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0204】
主制御装置131のCPU151へ電源を供給する電源線ELN2を、始動検出信号を出力するための信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けた。これにより、主制御装置131に対して信号出力装置を接続するために、信号線LN2や、中継基板165と主制御装置131とを接続するハーネスHを外すと、CPU151に電源が供給されなくなる。よって、主制御装置131に、始動検出信号、停止検出信号、及びメダル検出信号を出力する信号出力装置を接続し不正にBB入賞を発生させようとしても、CPU151が正常に機能しないため、かかる行為を抑制することができる。よって、信号出力装置を主制御装置131に接続し、メダルの投入や各種操作部材71,72〜74を実際に操作することなく遊技を行い、不正にBB入賞を発生させようとする行為を抑制することができる。
【0205】
また、信号線ELN2を介してCPU151に供給される電源はRAM153に対しても供給される。そして、信号出力装置への付け替えに際して電源線ELN2が取り外されるようになっている。仮に、電源供給の可能な信号出力装置が使用されたとしても、信号出力装置の付け替えに際してRAM153への電源供給が停止されRAM153に記憶されていた各種データが消去される。よって、かかる不正行為も抑制することができる。
【0206】
主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側にて信号線の付け替えを不可な構成とした。これにより、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側での信号出力装置への付け替えを不可能(又は、困難)なものとすることができ、当該末端側にて信号出力装置への付け替えを行おうとする行為を抑制することができる。つまり、信号出力装置の接続に際しては、信号線LN2又はハーネスHを取り外す必要が生じ、上記のとおり信号出力装置を使用する行為を抑制することができる。
【0207】
バックアップ用コンデンサ191からの電源も信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けた電源線ELN2を介して供給するようにした。これにより、スロットマシン10の電源が遮断された状態で、信号出力装置を主制御装置131に接続し、RAM153にBB役の当選情報(BB当選フラグ)やBB遊技状態情報(BB設定フラグ)を記憶させたとしても、信号出力装置を取り外して信号線LN2やハーネスHを接続する際に、記憶させたBB役の当選情報やBB遊技状態情報は消去される。よって、かかる行為を抑制することができる。
【0208】
バックアップ用コンデンサ191を、電源装置161に搭載した。これにより、電源の供給に関する構成を電源装置161に集約することができる。
【0209】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、RAM153への電源の供給に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図26は本実施の形態におけるブロック回路図である。
【0210】
図26に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、主制御装置131、電源装置161、中継基板165、及び始動操作装置181が設けられている。始動操作装置181の始動操作基板181aにはスタートレバー71が接続されており、始動操作基板181aとスタートレバー71との間を繋ぐ信号線LN1は半田などによって固着され、着脱不可な状態で設けられている。始動操作基板181aは中継基板165と信号線LN2を介して接続されており、信号線LN2はコネクタCN1及びCN2を介して着脱自在に取り付けられている。中継基板165はハーネスHを介して主制御装置131の主制御基板131aに接続されており、ハーネスHはコネクタCN7及びCN8を介して着脱自在に取り付けられている。ここで、ハーネスHのコネクタCN8は主制御基板131aのコネクタCN9に接続されるようになっている。
【0211】
ここで本実施の形態では、電源部161aから延びる電源線ELN1は、始動操作基板181aと接続されるのではなく主制御装置131の主制御基板131aと接続されており、かかる電源線ELN1を介して主制御基板131aのCPU151に電源が供給される。
【0212】
また、コネクタCN1及びCN2間には電源線ELN2に代わって接続確認用信号線LLN1が設けられ、ハーネスHには電源線に代わって接続確認用信号線LLN2が設けられている。また、中継基板165には、それら接続確認用信号線LLN1及びLLN2の両者を繋ぐようにして中継回路ECが形成されている。これにより、始動操作基板181aから中継基板165を介して主制御基板131aに接続確認用の信号が伝達される。この場合、接続確認用信号線LLN1は始動操作基板181a内で接地されており、接続確認用の信号として接地電位(LOWレベル)が伝達される。
【0213】
さらに、電源装置161にバックアップ用コンデンサ191が設けられておらず、主制御基板131aにバックアップ用電源生成回路211及び切替回路212が実装されている。電源装置161から電源線ELN1を介して供給される電源は、主制御基板131aのバックアップ用電源生成回路211及び切替回路212を介してCPU151に設けられた電源入力用の端子に供給される。
【0214】
かかる切替回路212は、MOSFET212a及びプルアップ抵抗212bから構成されている。MOSFET212aは、そのゲート端子の入力電圧がLOWレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、HIレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。すなわち、ソース・ゲート間に電位差がある場合、より詳細にはゲートの方が低電位の場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、ソース・ゲート間に電位差がない場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。MOSFET212aのゲート端子は、プルアップ抵抗212bを介してバックアップ用電源生成回路211と接続されるとともに、ハーネスHの接続確認用信号線LLN2と接続されている。
【0215】
以上の構成であることにより、主制御基板131aに対して始動検出信号、停止検出信号、及びメダル検出信号を出力する信号出力装置を接続し、各信号を出力することでBB入賞を発生させようとする不正行為を抑制することができる。
【0216】
すなわち、本実施の形態では、上記の通り、信号線LN2を繋ぐコネクタCN1,CN2間に設けられた接続確認用信号線LLN1を介して始動操作基板181aから主制御基板131aに接続確認用の信号が入力される。ここで、接続確認用信号線LLN1が始動操作基板181a内にて接地されていることから、信号線LN2及びハーネスHが接続された状態では、主制御基板131aに接続確認用の信号としてLOWレベルが入力される。その結果、MOSFET212aのゲート端子の入力電圧がLOWレベルになり、同MOSFET212aのソース・ドレイン間に電流が流れるようになって電源入力用の端子に電源が供給される。一方で、信号線LN2又はハーネスHの一方でも外れている状態では、主制御基板131aに接続確認用の信号が入力されない。その結果、MOSFET212aのゲート端子の入力電圧は、そのゲート端子がバックアップ用電源生成回路211の出力電圧にプルアップされていることから、HIレベルになる。そして、MOSFET212aのソース・ドレイン間に電流が流れないようになり、電源が電源入力用の端子に供給されなくなる。
【0217】
つまり、ハーネスHや信号線LN2を外して信号出力装置を接続した場合には、接続確認用の信号が主制御基板131aに入力されなくなり、MOSFET212aによってCPU151に対する電源供給が停止される。したがって、CPU151が各種処理を行うことが不可となり、前述した不正行為を行えなくなる。また、仮に、信号出力装置から接続確認用の信号が出力される場合であったとしても、信号出力装置の接続を外してコネクタCN2やハーネスHを接続する際に接続確認用の信号が途絶えるため、MOSFET212aによりCPU151へ電源が供給されなくなる。よって、RAM153に記憶されたBB役の当選情報が消去され、不正行為が行えなくなる。
【0218】
また、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側にて信号出力装置が付け替えられることも想定される。つまり、スタートレバー71と始動操作基板181aとを接続する信号線LN1を外し、それに代えて信号出力装置を始動操作基板181aに接続させる行為が想定される。これに対して、本実施の形態においては、信号線LN1が始動操作基板181aに対して半田などで固着されており、取り外し不可な状態となっている。よって、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側での信号出力装置への付け替えを不可能(又は、困難)なものとすることができ、当該末端側にて信号出力装置への付け替えを行おうとする行為を抑制することができる。
【0219】
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0220】
始動操作基板181aから接続確認用の信号を伝達するための接続確認用信号線LLN1を始動検出信号を出力するための信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けるとともに、その接続確認用の信号に応じてCPU151への電源供給を制御する切替回路212を設けた。これにより、主制御装置131に対して信号出力装置を接続するために、始動操作基板181aと中継基板165とを接続する信号線LN2や中継基板165と主制御装置131とを接続するハーネスHが外されると、それに伴って接続確認用の信号が伝達されなくなり、切替回路212のMOSFET212aによってCPU151に電源供給が停止される。よって、主制御装置131に、始動検出信号、停止検出信号、及びメダル検出信号を出力する信号出力装置を接続してメダルの投入や各種操作部材71,72〜74を実際に操作することなく遊技を行い、不正にBB入賞を発生させようとする行為を抑制することができる。さらに、RAM153にBB役の当選情報(BB当選フラグ)やBB遊技状態情報(BB設定フラグ)を記憶させたとしても、信号出力装置を外して正規の信号線に付け替える際にCPU151への電源の供給が停止され、記憶させたBB役の当選情報やBB遊技状態情報は消去される。よって、信号出力装置を主制御装置131に接続し、不正にBBゲームへの移行当選やBBゲームへの移行を行わせる行為を抑制することができる。
【0221】
特に、信号出力装置の接続に際して接続確認用の信号を伝達する接続確認用信号線LLN1又はハーネスH(接続確認用信号線LLN2)が取り外されるようにした。このため、仮に、接続確認用の信号を出力可能な信号出力装置が使用されたとしても、その信号出力装置の接続時に際して接続確認用の信号が伝達されなくなった時にCPU151への電源供給が停止されるため、それに基づく行為を抑制することができる。
【0222】
接続確認用信号線LLN1を始動操作基板181a内にて接地するとともに、接続確認用の信号としてLOWレベルが主制御基板131aに入力されている場合にCPU151への電源供給が行われるようにした。このようにすることで、始動操作基板181aに接続確認用の信号を生成する回路を設ける必要がなく、接続確認用の信号を出力する構成を簡素にすることができる。
【0223】
主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側にて信号線の付け替えを不可な構成とした。これにより、主制御基板131aに対して信号線LN2よりも末端側での信号出力装置への付け替えを不可能(又は、困難)なものとすることができ、当該末端側にて信号出力装置への付け替えを行おうとする行為を抑制することができる。つまり、信号出力装置の接続に際しては、信号線LN2又はハーネスHを取り外す必要が生じ、上記のとおり信号出力装置を使用する行為を抑制することができる。
【0224】
バックアップ用電源生成回路211からの電源の供給も切替回路212によって制御されるようにした。これにより、スロットマシン10の電源が遮断された状態で、信号出力装置を主制御装置131に接続し、RAM153にBB役の当選情報(BB当選フラグ)やBB遊技状態情報(BB設定フラグ)を記憶させたとしても、信号出力装置を取り外して信号線LN2やハーネスHを接続する際に、記憶させたBB役の当選情報やBB遊技状態情報は消去される。よって、かかる行為を抑制することができる。
【0225】
バックアップ用電源生成回路211及び切替回路212を、主制御基板131aに実装して設けた。これにより、電源供給系の構成要素が主制御基板131aに集約され、その構成の簡素化を図ることができる。
【0226】
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、信号線LN2と電源線ELN2とを1つのコネクタCN2に集約し、そのコネクタCN2を中継基板165のコネクタCN10に接続したが、本実施の形態ではかかるコネクタの構造が異なっている。そこで、以下にかかるコネクタの構造について図27を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成ついては基本的に説明を省略する。図27は、本実施の形態におけるコネクタの構造を示す図であり、(a)は各コネクタを分解して示す分解斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【0227】
図27に示すように、中継基板165に設けられるコネクタCN13には、一側に開口した凹部221が形成されており、その凹部221には、導通可能な金属により形成された接続ピンPが一列に整列して設けられている。また、信号線LN2及び電源線ELN2は、それぞれ個別にコネクタCN14,CN15を有しており、その内部に設けられ導通可能な金属により形成されたターミナルTに接続されている。各コネクタCN14,CN15は、両者を係合させることによって略直方体形状をなし、その係合させた状態で中継基板165のコネクタCN13の凹部221に嵌合させることが可能となっている。そして、それらを嵌合させると、各コネクタCN14,CN15のターミナルTとコネクタCN13に設けられた接続ピンPとが接触し、信号線LN2及び電源線ELN2が中継基板165と電気的に接続される。
【0228】
ここで、信号線LN2及び電源線ELN2のコネクタCN14,CN15は、それぞれの相対する側が相互にかみ合う階段形状となっており、具体的には突起部222及び223を有している。それら突起部222及び223は、各コネクタCN14,CN15が中継基板165のコネクタCN13に嵌合された状態でその取り外し方向から見た場合に、電源線ELN2のコネクタCN15の突起部223が信号線LN2のコネクタCN14の突起部222と重複するように形成されている。このとき、中継基板165のコネクタCN13から信号線LN2のコネクタCN14を取り外すためには、電源線ELN2のCN15を先に取り外すか、両者を同時に取り外す必要がある。それ故に、この場合、電源線ELN2のコネクタCN14により信号線LN2のコネクタCN14の取り外しが規制されているとも言える。
【0229】
以上の構成であることにより、主制御基板131aに対して始動検出信号、停止検出信号、及びメダル検出信号を出力する信号出力装置を接続し、各信号を出力することでBB入賞を発生させようとする不正行為を抑制することができる。
【0230】
すなわち、本実施の形態では、上記の通り、電源線ELN2のコネクタCN15によって信号線LN2のコネクタCN14の取り外しが規制されており、電源線ELN2の接続を取り外すことなく信号線LN2を繋ぐコネクタCN14を取り外すことができない。つまり、信号線LN2を外して信号出力装置を接続するためには、電源線ELN2のコネクタCN15を取り外す必要があり、それに伴いCPU151に電源が供給されなくなる。また、仮に、信号出力装置から電源が供給される場合であったとしても、信号出力装置の接続を外してコネクタCN2を接続する際に電源線ELN2のコネクタCN15が取り外された状態となるため、CPU151へ電源が供給されなくなる。よって、RAM153に記憶されたBB役の当選情報が消去され、不正行為が行えなくなる。
【0231】
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0232】
信号線LN2と電源線ELN2のそれぞれのコネクタCN14,CN15が中継基板165のコネクタCN13に接続されている状態では、両突起部222,223同士の干渉により、電源線ELN2のコネクタCN15を引き抜くことなく信号線LN2のコネクタCN14だけを引き抜くことができない。換言すれば、信号線LN2のコネクタCN14をコネクタCN13から引き抜けば必ず電源線ELN2のコネクタCN15も引き抜かれる。したがって、信号線LN2と電源線ELN2とがそれぞれ個別のコネクタCN14,15を有しているのにもかかわらず、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0233】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、CPU151の構成及びRAM153への電源の供給に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図28は本実施の形態におけるブロック回路図である。
【0234】
先ず、CPU151の構成について詳細に説明する。
【0235】
CPU151は、ROM152及びRAM153が内蔵された1チップマイコンであり、NMI端子、VCC端子、VBB端子及びリセット端子を備えている。
【0236】
NMI端子(ノンマスカブル割込端子)は、信号線LN7を介して電源装置161の停電監視回路161bと電気的に接続されている。停電監視回路161bは、外部電源から供給され電源装置161にて生成された直流安定24Vの電圧を監視し、この電圧が22V未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り替える。このHIレベルからLOWレベルへ切り替わる信号が停電信号に該当する。
【0237】
なお、停電監視回路161bが監視する対象は電源装置161にて生成された直流安定24Vに限定されることはなく、外部電源から電源装置161に供給される交流電源を監視する構成としてもよい。この場合、単位時間当りに交流電源の電圧が基準閾値を超える回数を特定し、その回数が停電対応基準回数以下となった場合に停電監視回路161bから停電信号が出力される構成としてもよい。
【0238】
NMI端子にLOWレベル信号が入力されることにより(HIレベルからLOWレベルに切り替わることにより)CPU151のNMI割込み処理(図11)にてRAM153に停電フラグがセットされ、停電フラグがセットされることによりCPU151のタイマ割込み処理(図12)にて停電時処理(図13)が実行される。なお、信号線LN7は両端にコネクタが設けられた信号線であり、電源装置161及び主制御基板131aの両方に対して着脱可能となっている。
【0239】
VCC端子(第1端子又は第1入力部)は、電源線ELN1及び主制御基板131aに設けられた中継回路EC1を介して電源装置161の電源部161aと電気的に接続されている。電源部161aにて生成された5Vの電源(動作電力)はVCC端子に供給され、VCC端子に供給された電源によりCPU151が動作することで、上記第1の実施の形態にて説明した各種処理が実行される。また、VCC端子に供給された電源はRAM153に供給され、RAM153にて情報の記憶保持が行われる。なお、電源線ELN1は両端にコネクタが設けられた電源線であり、電源装置161及び主制御基板131aの両方に対して着脱可能となっている。
【0240】
VBB端子(第2端子又は第2入力部)は、電源線ELN1、バックアップ用電源生成回路(電断時用電源手段)211及び切替回路212を介して電源装置161の電源部161aと電気的に接続されている。電源部161aにて生成された5Vの電源又はバックアップ用電源生成回路211のバックアップ用コンデンサ211aから放電された電源はVBB端子に供給される。VBB端子に供給された電源はRAM153に供給され、RAM153にて情報の記憶保持が行われる。
【0241】
ここで、RAM153には、スロットマシン10の電入状態ではVCC端子又はVBB端子を通じて電源部161aにて生成された電源が供給される。これにより、スロットマシン10の電入状態においてVBB端子への電気経路が遮断されたとしても、VCC端子を通じて供給される電源によりRAM153は機能し続けることとなる。
【0242】
一方、スロットマシン10の電断状態ではバックアップ用コンデンサ211aから放電された電源がVBB端子を通じて供給される。これにより、スロットマシン10の電断状態であっても、バックアップ用コンデンサ211aから電源が供給されている間はRAM153に記憶されたデータが消去されることなく保持される。なお、バックアップ用電源生成回路211にはダイオードが設けられており、バックアップ用コンデンサ211aから放電された電力の逆流が防止されている。
【0243】
リセット端子は、主制御基板131aに設けられた中継回路EC2,EC3及び合成回路226を介して、同じく主制御基板131aに設けられたリセット回路225と電気的に接続されている。リセット回路225は、図示しない電気経路を介して電源部161aと電気的に接続されており、電源部161aから供給されている電源の電圧に応じて、リセット端子に向けた信号の出力状態をHIレベル又はLOWレベルに切り替えるものである。詳細には、スロットマシン10の電入状態において電源部161aから供給されている電源の電圧が基準電圧(具体的には、4.3V)以上である場合にCPU151のリセット端子に向けてHIレベル信号を出力し、基準電圧未満である場合にCPU151のリセット端子に向けてLOWレベル信号を出力する。CPU151はリセット端子にHIレベル信号が入力されている場合に動作し(動作状態となり)、リセット端子にLOWレベル信号が入力されている場合に非動作状態となる。なお、HIレベル信号がリセット信号に該当する。
【0244】
リセット端子における信号の入力状態に付随したCPU151の動作の様子について図29を用いて説明する。
【0245】
図29に示すように、t1のタイミングでスロットマシン10が電入状態となることで、電源装置161にて直流安定24Vの生成が開始され、さらには電源部161aにて5V電源の生成が開始される。また、電源部161aにて5V電源の生成が開始されることでリセット回路225からHIレベル信号が出力され、CPU151が動作状態となる。ちなみに、このt1のタイミングでは、停電監視回路161bにおける出力状態はHIレベルとなっている。スロットマシン10の電入状態が維持されている間は、上記状態が継続し、CPU151にて各種処理が実行される。
【0246】
なお、説明の便宜上、図29においては、t1のタイミングで(a)〜(d)の電源及び信号の全てがHIレベルとなるように示しているが、実際には(a)〜(d)の電源及び信号がHIレベルとなるタイミングは異なっている。
【0247】
その後、スロットマシン10の電源のOFF操作等が発生することにより、電源装置161にて生成されている直流電源の電圧が低下していく。そして、t2のタイミングで直流電源の電圧が22Vとなることで、停電監視回路161bにおける出力状態がLOWレベルに切り替えられ、CPU151のNMI端子にLOWレベル信号が入力される。NMI端子にて入力している信号がLOWレベル信号に立ち下がったことがCPU151にて特定されることで、当該CPU151においてNMI割込み処理(図11)が実行され、それに基づいて停電時処理(図13)が開始される。
【0248】
その後、t3のタイミングで直流電源の電圧が5V未満となることで、電源部161aにて生成されている電源の電圧が5Vから低下していく。そして、t4のタイミングで電源部161aにて生成されている電源の電圧が4.3Vとなることで、リセット回路225における出力状態がLOWレベルに切り替えられ(リセット信号の出力が停止され)、CPU151のリセット端子にLOWレベル信号が入力される。リセット端子にて入力している信号がLOWレベル信号となったことがCPU151にて特定されることで、CPU151は非動作状態となる。
【0249】
上記のように停電信号及びリセット信号が出力されることにより、電源遮断が発生した場合、停電時処理が正確に実行された後にCPU151が非動作状態となるため、その後に電源が再投入された場合の復電処理を良好に行うことができる。すなわち、停電信号が出力されてからリセット信号の出力が停止されるまでの間には、停電時処理の実行を完了する上で十分な時間が確保されているため、電源遮断が発生した場合にはCPU151は停電時処理を正確に実行した後に非動作状態となる。
【0250】
次に、信号出力装置を用いた不正行為を阻止するための構成について説明する。
【0251】
図28に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、主制御装置131及び電源装置161の他に、中継基板165、始動操作装置181、停止操作装置182及びセレクタ84が設けられている。これら中継基板165、始動操作装置181、停止操作装置182及びセレクタ84の各構成は、上記第1の実施の形態と同様となっている。また、始動操作装置181からの信号、停止操作装置182からの信号及びセレクタ84からの信号は、上記第1の実施の形態と同様に、中継基板165にて中継されており、これら中継された各信号はハーネスHを介してまとめて主制御基板131aに入力されている。
【0252】
ここで、始動操作装置181の始動操作基板181aには、電源装置161の電源部161aから電源線ELN4を介してHIレベルの接続確認用信号(5V)が出力されている。この接続確認用信号(以下、第1接続確認用信号という)は、信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けられた接続確認用信号線LLN3、中継基板165に設けられた中継回路EC4、ハーネスHに含まれた接続確認用信号線LLN4及び主制御基板131aに設けられた中継回路EC5を介して、主制御基板131aの合成回路226に供給される。
【0253】
また、コネクタCN1,CN2間には接続確認用信号線LLN5が設けられ、ハーネスHには接続確認用信号線LLN6が設けられている。また、中継基板165には、それら接続確認用信号線LLN5及びLLN6の両者を繋ぐようにして中継回路EC6が設けられている。さらには、主制御基板131aにはハーネスHの接続確認用信号線LLN6及び切替回路212の両者を繋ぐようにして中継回路EC7が設けられている。そして、接続確認用信号線LLN5は始動操作基板181a内で接地されている。これにより、LOWレベル(接地電位)の接続確認用信号(以下、第2接続確認用信号という)は、主制御基板131aの切替回路212に供給される。
【0254】
つまり、始動操作基板181aと主制御基板131aとの間には、合成回路226へ第1接続確認用信号を供給するための第1電気経路(第1信号経路)が形成されているとともに、切替回路212へ第2接続確認用信号を供給するための第2電気経路(第2信号経路)が形成されている。また、第1電気経路を形成する接続確認用信号線LLN3及び第2電気経路を形成する接続確認用信号線LLN5は、始動操作基板181aからの信号を中継基板165に出力するための信号線LN2とともに、コネクタCN1,CN2間に設けられて第1接続ユニットとして構成されている。また、第1電気経路を形成する接続確認用信号線LLN4及び第2電気経路を形成する接続確認用信号線LLN6は、始動操作基板181aからの信号、停止操作基板182aからの信号及びセレクタ用基板84aからの信号を主制御基板131aに出力するための信号線とともに、コネクタCN7,CN8間に設けられて第2接続ユニットとして構成されている。
【0255】
次に、合成回路226及びそれに関連する構成について詳細に説明する。
【0256】
合成回路226には、既に説明したようにリセット回路225が中継回路EC2を介して電気的に接続されており、当該リセット回路225からリセット信号が供給される。また、合成回路226には、第1電気経路を介して第1接続確認用信号が供給される。合成回路226はAND回路からなり、リセット回路225からリセット信号(HIレベル信号)を入力し且つ第1電気経路を介して第1接続確認用信号(HIレベル信号)を入力している場合にのみ、HIレベルの合成リセット信号をCPU151のリセット端子に出力する。この状況では、既に説明したようにCPU151が動作状態となる。
【0257】
一方、リセット信号又は第1接続確認用信号の少なくとも一方を入力していない場合には、合成回路226は合成リセット信号の出力を停止する。この状況では、既に説明したように、CPU151が非動作状態となる。スロットマシン10の電入状態において、第1接続確認用信号の出力が停止される場合とは、第1接続ユニット又は第2接続ユニット(ハーネスH)が外され、第1電気経路が遮断状態となる場合である。つまり、主制御基板131aの中継回路EC5はプルダウン抵抗227を介して接地されており、第1電気経路が遮断状態となると、合成回路226に第1接続確認用信号が入力されず、当該第1接続確認用信号側における合成回路226の入力電圧はプルダウン抵抗227によりLOWレベルとなる。
【0258】
次に、切替回路212について詳細に説明する。
【0259】
切替回路212は、MOSFET212a及びプルアップ抵抗212bから構成されている。MOSFET212aは、そのゲート端子の入力電圧がLOWレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、HIレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。すなわち、ソース・ゲート間に電位差がある場合、より詳細にはゲートの方が低電位の場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、ソース・ゲート間に電位差がない場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。MOSFET212aのゲート端子は、プルアップ抵抗212bを介してバックアップ用電源生成回路211と接続されているとともに、主制御基板131aの中継回路EC7を介して第2電気経路と接続されている。
【0260】
この場合、スロットマシン10の電入状態及び電断状態のいずれであっても、第1接続ユニット及び第2接続ユニット(ハーネスH)が共に接続されている場合には、第2接続確認用信号(LOWレベル信号)が切替回路212に入力される。その結果、MOSFET212aのゲート端子の入力電圧がLOWレベルになり、同MOSFET212aのソース・ドレイン間に電流が流れるようになってVBB端子に電源が供給される。これにより、スロットマシン10の電断状態であっても当該状況となることで、RAM153にバックアップ電源が供給されることとなり、情報が記憶保持される。
【0261】
一方、第1接続ユニット又は第2接続ユニットの少なくとも一方が外され、第2電気経路が遮断状態となると、第2接続確認用信号が切替回路212に入力されない。その結果、MOSFET212aのゲート端子の入力電圧は、そのゲート端子がバックアップ用電源生成回路211の出力電圧にプルアップされていることから、HIレベルになる。そして、MOSFET212aのソース・ドレイン間に電流が流れないようになり、VBB端子に電源が供給されなくなる。
【0262】
次に、信号出力装置の着脱が行われた場合の様子について説明する。
【0263】
第1接続ユニット又は第2接続ユニットを外して信号出力装置を接続した場合には、第1電気経路が遮断されることとなり、スロットマシン10の電入状態であっても第1接続確認用信号が主制御基板131aの合成回路226に入力されなくなる。そうすると、合成回路226からの合成リセット信号の出力が停止され、CPU151が非動作状態となる(すなわち、処理を非実行とする機能(手段)を備えている)。これにより、信号出力装置を用いてRAM153にBB役の当選情報を記憶させようとしても、それが行えなくなる。これは、スロットマシン10の電入状態及び電断状態のいずれにおいて信号出力装置の着脱が行われたとしても同様である。
【0264】
一方、第1接続確認用信号を出力可能な信号出力装置が用いられることが考えられる。この場合、第1接続ユニット又は第2接続ユニットを取り外し、代わりに、5V電源を出力可能な信号出力装置を接続することにより、RAM153に対してBB役の当選情報を記憶させることが可能となる。これに対して、本実施の形態における構成によれば、信号出力装置を取り外し、第1電気経路及び第2電気経路を元の状態に戻す操作が行われることに基づいて、上記BB役の当選情報は消去されることとなる。かかる信号出力装置の取り外しが行われる場合としては、スロットマシン10の電入状態において行われる場合と、スロットマシン10の電断状態において行われる場合とが考えられる。
【0265】
スロットマシン10の電入状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、停電監視回路161bにて監視している電源の電圧に何ら影響がないため、停電監視回路161bからCPU151のNMI端子に停電信号が出力されないままCPU151が非動作状態となる。つまり、CPU151はNMI割込み処理(図11)及び停電時処理(図13)を実行することなく非動作状態となり、この際、RAM153に停電フラグがセットされず且つRAM153にRAM判定値が保存されない。また、RAM153にスタックポインタが記憶されない。そうすると、第1電気経路を元の状態に戻した際、CPU151はメイン処理(図14)のステップS401から処理を開始するとともに、ステップS407及びステップS408のいずれであっても否定判定をすることとなり、ステップS414〜ステップS416の処理後に動作禁止状態となる。当該動作禁止状態を解除するためには、ステップS402の処理が実行される際に設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されている必要がある。そして、設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403にて強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータが全てクリアされる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく消去されることとなる。
【0266】
スロットマシン10の電断状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、第2接続確認用信号が主制御基板131aの切替回路212に入力されなくなり、MOSFET212aによってVBB端子に対する電源供給が停止される。したがって、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく消去(又は破壊)されることとなる。
【0267】
また、この際、RAM153に記憶されていた停電フラグやRAM判定値が消去(又は破壊)されることとなる。そうすると、電源を再投入した場合、CPU151はメイン処理(図14)において、ステップS407及びステップS408のいずれであっても否定判定をすることとなり、ステップS414〜ステップS416の処理後に動作禁止状態となる。当該動作禁止状態を解除するためには、ステップS402の処理が実行される際に設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されている必要がある。そして、設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403にて強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータが全てクリアされる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく確実に消去されることとなる。
【0268】
以上詳述した本実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、信号出力装置を用いた不正行為を防止することができる。特に、本構成によれば、CPU151のVCC端子に供給される電源がRAM153に供給される構成においても、信号出力装置を用いた不正行為を防止することができる。また、リセット回路225というスロットマシン10において必須の構成を利用して、上記優れた効果を得ることができる。
【0269】
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、合成回路に関する構成が上記第4の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第4の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図30は本実施の形態におけるブロック回路図である。
【0270】
CPU151は、上記第4の実施の形態と同様に、NMI端子、VCC端子、VBB端子及びリセット端子を備えている。また、VBB端子は電源線ELN1、バックアップ用電源生成回路211及び切替回路212を介して電源部161aと電気的に接続されているとともに、リセット端子は中継回路EC2,EC3及び合成回路228を介してリセット回路225と電気的に接続されている。また、始動操作基板181aと主制御基板131aとの間には、合成回路228へ第1接続確認用信号を供給するための第1電気経路(第1信号経路)が形成されているとともに、切替回路212へ第2接続確認用信号を供給するための第2電気経路(第2信号経路)が形成されている。
【0271】
切替回路212及び第2電気経路の構成は上記第4の実施の形態と同様である。一方、合成回路228及び第1電気経路の構成が上記第4の実施の形態と異なっている。
【0272】
詳細には、第1電気経路は始動操作装置181の始動操作基板181aを信号出力方向の上流側として形成されており、当該第1電気経路を形成する接続確認用信号線LLN3は始動操作基板181a内で接地されている。つまり、上記第4の実施の形態では第1接続確認用信号としてHIレベルの信号が出力される構成であったが、本実施の形態では第1接続確認用信号としてLOWレベル(接地電位)の信号が出力される。そして、この第1接続確認用信号は合成回路228に供給される。また、第1電気経路と合成回路228とを電気的に接続する中継回路EC5は、中継回路EC8及びプルアップ抵抗229を介して電源部161aと接続されている。
【0273】
合成回路228は、第1電気経路及びリセット回路225の両方と電気的に接続されており、LOWレベルである第1接続確認用信号とHIレベルであるリセット信号とを共に入力している場合にHIレベルである合成リセット信号をCPU151のリセット端子に出力するように形成されている。一方、LOWレベルである第1接続確認用信号又はHIレベルであるリセット信号の少なくとも一方を入力していない場合には、合成回路228は合成リセット信号の出力を停止する。
【0274】
上記構成では、スロットマシン10の電入状態において第1接続ユニット又は第2接続ユニットを外して信号出力装置を接続した場合には、第1電気経路が遮断されることとなる。そうすると、LOWレベルである第1接続確認用信号が合成回路228に供給されない。その結果、合成回路228における第1電気経路側の入力電圧は、中継回路EC5が電源部161aの出力電圧にプルアップされていることから、HIレベルになる。そして、合成回路228からリセット端子への合成リセット信号の出力が停止され、CPU151が非動作状態となる。
【0275】
一方、LOWレベルである第1接続確認用信号を出力可能な信号出力装置が用いられることが考えられる。この場合に、スロットマシン10の電入状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、停電監視回路161bにて監視している電源の電圧に何ら影響がないため、停電監視回路161bからCPU151のNMI端子に停電信号が出力されないままCPU151が非動作状態となる。つまり、CPU151はNMI割込み処理(図11)及び停電時処理(図13)を実行することなく非動作状態となり、この際、RAM153に停電フラグがセットされず且つRAM153にRAM判定値が保存されない。また、RAM153にスタックポインタが記憶されない。そうすると、電源を再投入した場合、CPU151はメイン処理(図14)のステップS401から処理を開始するとともに、ステップS407及びステップS408のいずれであっても否定判定することとなり、ステップS414〜ステップS416の処理後に動作禁止状態となる。当該動作禁止状態を解除するためには、ステップS402の処理が実行される際に設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されている必要がある。そして、設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403にて強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータが全てクリアされる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく消去されることとなる。
【0276】
また、スロットマシン10の電断状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、上記第4の実施の形態と同様に、第2接続確認用信号が主制御基板131aの切替回路212に入力されなくなり、MOSFET212aによってVBB端子に対する電源供給が停止される。したがって、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく消去されることとなる。
【0277】
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0278】
(第6の実施の形態)
本実施の形態では、CPU151及びRAM153への電源供給に関する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図31は本実施の形態におけるブロック回路図である。
【0279】
先ず、CPU151の構成について詳細に説明する。
【0280】
CPU151は、ROM152及びRAM153が内蔵された1チップマイコンであり、VCC端子及びVBB端子を備えている。なお、CPU151には、VCC端子及びVBB端子の他にNMI端子が設けられているとともに、図示は省略するがリセット端子が設けられている。但し、このリセット端子には、上記第4の実施の形態及び上記第5の実施の形態と異なり、リセット回路からの信号がそのまま入力される。
【0281】
VCC端子には、電源部161aにて生成された5Vの電源(動作電力)が供給され、VCC端子に供給された電源によりCPU151が動作することで、上記第1の実施の形態にて説明した各種処理が実行される。また、VCC端子に供給された電源はRAM153に供給され、RAM153にて情報の記憶保持が行われる。
【0282】
VBB端子には、電源部161aにて生成された5Vの電源又はバックアップ用電源生成回路(電断時用電源手段)211のバックアップ用コンデンサ211aから放電された電源が供給される。VBB端子に供給された電源はRAM153に供給され、RAM153にて情報の記憶保持が行われる。
【0283】
ここで、バックアップ用コンデンサ211aには、電源装置161に外部電源が供給されている状況(すなわち、スロットマシン10が電入状態にある状況)において蓄電され、電源装置161に外部電源が供給されていない状況(すなわち、スロットマシン10が電断状態にある状況)において放電される。つまり、RAM153には、スロットマシン10の電入状態ではVCC端子又はVBB端子を通じて電源部161aにて生成された電源が供給される。これにより、スロットマシン10の電入状態においてVBB端子への電気経路が遮断されたとしても、VCC端子を通じて供給される電源によりRAM153は機能し続けることとなる。
【0284】
一方、スロットマシン10の電断状態ではバックアップ用コンデンサ211aから放電された電源がVBB端子を通じて供給される。これにより、スロットマシン10の電断状態であっても、バックアップ用コンデンサ211aから電源が供給されている間はRAM153に記憶されたデータが消去されることなく保持される。なお、バックアップ用コンデンサ211aの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM153に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、バックアップ用電源生成回路211にはダイオードが設けられており、バックアップ用コンデンサ211aから放電された電力の逆流が防止されている。
【0285】
次に、信号出力装置を用いた不正行為を阻止するための構成について説明する。
【0286】
図31に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、主制御装置131及び電源装置161の他に、中継基板165、始動操作装置181、停止操作装置182及びセレクタ84が設けられている。これら中継基板165、始動操作装置181、停止操作装置182及びセレクタ84の各構成は、上記第1の実施の形態と同様となっている。また、始動操作装置181からの信号、停止操作装置182からの信号及びセレクタ84からの信号は、上記第1の実施の形態と同様に、中継基板165にて中継されており、これら中継された各信号はハーネスHを介してまとめて主制御基板131aに入力されている。
【0287】
ここで、始動操作装置181の始動操作基板181aには、電源装置161の電源部161aから電源線ELN5を介して5V電源が出力されている。この5V電源は、信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けられた電源線ELN6、中継基板165に設けられた中継回路EC9、ハーネスHに含まれた電源線ELN7及び主制御基板131aに設けられた中継回路EC10を介して、CPU151のVCC端子に供給される。
【0288】
また、始動操作装置181の始動操作基板181aには、電源装置161の電源部161a及びバックアップ用電源生成回路211から電源線ELN8を介して5V電源が出力されている。この5V電源は、信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けられた電源線ELN9、中継基板165に設けられた中継回路EC11、ハーネスHに含まれた電源線ELN10及び主制御基板131aに設けられた中継回路EC12を介して、CPU151のVBB端子に供給される。
【0289】
つまり、始動操作基板181aと主制御基板131aとの間には、VCC端子へ電源を供給するための第1電気経路が形成されているとともに、VBB端子へ電源を供給するための第2電気経路が形成されている。また、第1電気経路を形成する電源線ELN6及び第2電気経路を形成する電源線ELN9は、始動操作基板181aからの信号を中継基板165に出力するための信号線LN2とともに、コネクタCN1,CN2間に設けられて第1接続ユニットとして構成されている。また、第1電気経路を形成する電源線ELN7及び第2電気経路を形成する電源線ELN10は、始動操作基板181aからの信号、停止操作基板182aからの信号及びセレクタ用基板84aからの信号を主制御基板131aに出力するための信号線とともに、コネクタCN7,CN8間に設けられて第2接続ユニット(ハーネスH)として構成されている。
【0290】
次に、信号出力装置の着脱が行われた場合の様子について説明する。
【0291】
第1接続ユニット又は第2接続ユニットを外して信号出力装置を接続した場合には、第1電気経路が遮断されることとなり、スロットマシン10の電入状態であってもVCC端子に電源が供給されなくなる。そうすると、CPU151が非動作状態となる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153にBB役の当選情報を記憶させようとしても、それが行えなくなる。これは、スロットマシン10の電入状態及び電断状態のいずれにおいて信号出力装置の着脱が行われたとしても同様である。
【0292】
一方、5V電源を出力可能な信号出力装置が用いられることが考えられる。この場合、第1接続ユニット又は第2接続ユニットを取り外し、代わりに、5V電源を出力可能な信号出力装置を接続することにより、RAM153に対してBB役の当選情報を記憶させることが可能となる。これに対して、本実施の形態における構成によれば、信号出力装置を取り外し、第1接続ユニット又は第2接続ユニットを元の状態に戻す操作が行われることに基づいて、上記BB役の当選情報は消去されることとなる。かかる信号出力装置の取り外しが行われる場合としては、スロットマシン10の電入状態において行われる場合と、スロットマシン10の電断状態において行われる場合とが考えられる。
【0293】
スロットマシン10の電入状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、VCC端子及びVBB端子の両方について電源が供給されなくなる。そうすると、RAM153に記憶されていた情報は消去(又は破壊)されることとなり、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報はその当選情報に対応した利益が発生することなく消去(又は破壊)されることとなる。したがって、強制的RAMクリア処理が実行されなくても、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0294】
また、この際、停電時処理が実行されることなくCPU151が非動作状態となる。つまり、CPU151はNMI割込み処理(図11)及び停電時処理(図13)を実行することなく非動作状態となり、この際、RAM153に停電フラグがセットされず且つRAM153にRAM判定値が保存されない。また、RAM153にスタックポインタが記憶されない。そうすると、第1電気経路を元の状態に戻した際、CPU151はメイン処理(図14)のステップS401から処理を開始するとともに、ステップS407及びステップS408のいずれであっても否定判定をすることとなり、ステップS414〜ステップS416の処理後に動作禁止状態となる。当該動作禁止状態を解除するためには、ステップS402の処理が実行される際に設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されている必要がある。そして、設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403にて強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータが全てクリアされる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく確実に消去されることとなる。
【0295】
スロットマシン10の電断状態において信号出力装置の取り外しが行われた場合、VBB端子について電源が供給されなくなる。そうすると、RAM153に記憶されていた情報は消去(又は破壊)されることとなり、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報はその当選情報に対応した利益が発生することなく消去(又は破壊)されることとなる。
【0296】
また、この際、RAM153に記憶されていた停電フラグやRAM判定値が消去(又は破壊)されることとなる。そうすると、電源を再投入した場合、CPU151はメイン処理(図14)において、ステップS407及びステップS408のいずれであっても否定判定をすることとなり、ステップS414〜ステップS416の処理後に動作禁止状態となる。当該動作禁止状態を解除するためには、ステップS402の処理が実行される際に設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されている必要がある。そして、設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403にて強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータが全てクリアされる。これにより、信号出力装置を用いてRAM153に記憶させたBB役の当選情報は、その当選情報に対応した利益が発生することなく確実に消去されることとなる。
【0297】
以上詳述した本実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、信号出力装置を用いた不正行為を防止することができる。特に、本構成によれば、CPU151のVCC端子に供給される電源がRAM153に供給される構成においても、信号出力装置を用いた不正行為を防止することができる。
【0298】
(第7の実施の形態)
本実施の形態では、電源装置161に関する構成が上記第6の実施の形態と異なっており、それに伴って第1電気経路及び第2電気経路の構成が上記第6の実施の形態と異なっている。そこで、以下にその構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、上記第6の実施の形態との相違点を中心に説明し、同一の構成については基本的に説明を省略する。図32は本実施の形態におけるブロック回路図である。
【0299】
本実施の形態では、電源装置161は直流安定24Vの電源を生成する機能を有しているものの、5V電源を生成する機能、バックアップ用電源を供給する機能及び停電監視を行うための機能は有していない。代わりに、これら機能は、主制御基板131aに設けられている。
【0300】
詳細には、主制御基板131aには主側電源部230が設けられており、当該主側電源部230には5V生成部230a、バックアップ用電源生成回路(電断時用電源手段)230b及び停電監視回路230cが設けられている。5V生成部230aは電源装置161から供給された直流安定24Vにより5V電源を生成し、その5V電源を主制御基板131aや他の電気機器に供給する。バックアップ用電源生成回路230b及び停電監視回路230cは、上記第6の実施の形態におけるバックアップ用電源生成回路211及び停電監視回路161bと同様である。
【0301】
当該構成において、始動操作基板181aと主制御基板131aとの間には、VCC端子へ電源を供給するための第1電気経路が形成されているとともに、VBB端子へ電源を供給するための第2電気経路が形成されている。但し、本実施の形態では、上記のとおり主制御基板131aに主側電源部230が設けられていることに伴って、各電気経路の構成が異なっている。
【0302】
つまり、第1電気経路は、主制御基板131aの主側電源部230から始動操作基板181aに通じる上流側第1電気経路と、当該上流側第1電気経路に対して電気的に接続され、始動操作基板181aからVCC端子に通じる下流側第1電気経路とを備えている。この場合、上流側第1電気経路は、中継基板165にて中継されており、主制御基板131a及び中継基板165を電気的に接続する電源線ELN11と、中継基板165に設けられた中継回路EC13と、中継基板165及び始動操作基板181aを電気的に接続する電源線ELN12と、から構成されている。また、下流側第1電気経路は上記第6の実施の形態における第1電気経路と同様である。
【0303】
また、第2電気経路は、主制御基板131aの主側電源部230から始動操作基板181aに通じる上流側第2電気経路と、当該上流側第2電気経路に対して電気的に接続され、始動操作基板181aからVBB端子に通じる下流側第2電気経路とを備えている。この場合、上流側第2電気経路は、中継基板165にて中継されており、主制御基板131a及び中継基板165を電気的に接続する電源線ELN13と、中継基板165に設けられた中継回路EC14と、中継基板165及び始動操作基板181aを電気的に接続する電源線ELN14と、から構成されている。また、下流側第2電気経路は上記第6の実施の形態における第2電気経路と同様である。
【0304】
なお、電源線ELN11及び電源線ELN13は接続ユニットとして構成されているが、主制御基板131a及び中継基板165に対して個々に接続される構成としてもよい。これは、電源線ELN12及び電源線ELN14についても同様である。また、上流側第1電気経路及び上流側第2電気経路の少なくとも一方を、中継基板165にて中継させない構成としてもよい。
【0305】
以上詳述した本実施の形態では、上記第6の実施の形態と同様に、VCC端子には、第1接続ユニットに設けられた電源線ELN6及び第2接続ユニットに設けられた電源線ELN7を通じて電源が供給され、さらにはVBB端子には、第1接続ユニットに設けられた電源線ELN9及び第2接続ユニットに設けられた電源線ELN10を通じて電源が供給される。したがって、信号出力装置を用いた不正行為を上記第6の実施の形態と同様に、防止することができる。
【0306】
(その他の実施の形態)
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合せて適用してもよい。
【0307】
(1)上記第1の実施の形態において、バックアップ用コンデンサ191を始動操作基板181aに設けてもよい。これにより、信号線LN2と電源線ELN2とを無理なく同一のコネクタCN1,CN2間に設けることができる。この場合であっても、主制御装置131のCPU151に対する電源は、始動操作基板181aからの信号線LN2のコネクタCN1,CN2間に設けられた電源線ELN2を介して供給されるため、上記第1の実施の形態と同様に、信号出力装置を主制御装置131に接続し、不正にBB入賞を発生させようとする行為を抑制することができる。
【0308】
(2)図33は、上記第2の実施の形態における変形例を示す図である。かかる図33に示す変形例では、上記第2の実施の形態とは別の切替回路214が主制御基板131aに設けられ、その切替回路214は、MOSFET214a及びプルダウン抵抗214bから構成されている。MOSFET214aは、そのゲート端子の入力電位がHIレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、同LOWレベルである場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。すなわち、すなわち、ソース・ゲート間に電位差がある場合、より詳細にはゲートの方が高電位の場合にソース・ドレイン間に電流が流れ、ソース・ゲート間に電位差がない場合にソース・ドレイン間に電流が流れない。
【0309】
MOSFET214aのゲート端子は、プルダウン抵抗214bを介して接地されるとともに、ハーネスHの接続確認用信号線LLN2と接続されている。また、接続確認用信号線LLN1は、始動操作基板181a内部にて電源装置161の電源部161aから延びる電源線ELN4と接続されており、接続確認用の信号としてHIレベル(5V)が主制御基板131aに対して出力されるようになっている。
【0310】
この場合、信号線LN2及びハーネスHが接続された状態では、MOSFET212aのゲート端子の入力電圧はHIレベルとなり、同MOSFET214aのソース・ドレイン間に電流が流れるようになって電源入力用の端子に電源が供給される。一方で、信号線LN2又はハーネスHが外れた状態では、接続確認用の信号が入力されず、MOSFET214aのゲート端子の入力電圧はプルダウン抵抗214bによりLOWレベルとなる。その結果、同MOSFET214aのソース・ドレイン間に電流が流れないようになって電源入力用の端子に電源が供給されなくなる。
【0311】
かかる構成であっても、CPU151に対する電源の供給は、信号線LN2及びハーネスHが外された場合に、接続確認用の信号(HIレベル)が伝達されなくなるのに伴い切替回路214によって停止される。このため、第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0312】
(3)図34は、上記第3の実施の形態における変形例を示す図であり、(a)は各コネクタを分解して示す分解斜視図、(b)は(a)のB−B線断面図である。かかる変形例では、電源線ELN2のコネクタによって信号線LN2のコネクタの取り外しを規制する構造が異なっている。
【0313】
図34に示すように、中継基板165に設けられるコネクタCN16には、一側に断面形状が開口した凹部231が形成されており、略等間隔で接続ピンPが一列に整列して設けられている。また、信号線LN2及び電源線ELN2は、それぞれ個別にコネクタCN17,CN18を有しており、各コネクタCN17,CN18の内部に設けられ導通可能な金属により形成されたターミナルTに接続されている。
【0314】
ここで、信号線LN2のコネクタCN17は、その取り外し方向に対して直方体を2つ重ねた形状を有している。取り外し方向上側の直方体を上段部233、取り外し方向下側の直方体を下段部234と称すると、その下段部234は取り外し方向から見て上段部233より大きく、その略中央位置に上段部233が設けられている。一方、電源線ELN2のコネクタCN18は、取り外し方向に貫通するとともに、当該コネクタCN18と信号線LN2のコネクタCN17とが中継基板165のコネクタCN16に嵌合された状態でそのコネクタCN17を内包可能に、上段部233及び下段部234とそれぞれ略同一形状の上段孔部235と下段孔部236とを有している。このとき、コネクタCN18の上段孔部235はコネクタCN17の下段部234に比べて小さいため、各コネクタCN17,18が中継基板165のコネクタCN16に嵌合された状態において、コネクタ17の取り外しは、コネクタCN18によって規制されているといえる。また、コネクタCN18には、その長辺の外縁から孔部235,236に向かうスリット部237が設けられており、信号線LN2が上段孔部235及び下段孔部236に挿通できるようになっている。
【0315】
かかる構成においても、信号線LN2のコネクタCN17を取り外すためには、電源線ELN2のコネクタCN18を先に取り外す、又は同時に取り外す必要がある。したがって、不正な信号を出力する信号出力装置を主制御装置131に接続するために信号線LN2のコネクタCN17を取り外す際には電源線ELN2のコネクタCN18が取り外され、CPU151に電源が供給されなくなる。よって、かかる信号出力装置を用いた不正行為を抑止することができる。特に、第3の実施の形態に比べて本変形例では、電源線ELN2のコネクタCN18がより広範囲にわたって信号線LN2のコネクタCN17と重複しているため、同コネクタCN17の取り外しが著しく規制されている。
【0316】
(4)上記第3の実施の形態では、中継基板165に設けられる1つのコネクタCN10に対して、信号線LN2及び電源線ELN2の両コネクタCN14,CN15を接続したが、信号線LN2及び電源線ELN2の各コネクタCN14,CN15に対応するコネクタを中継基板165に設けてそれぞれのコネクタCN14,CN15を個別に接続しても良い。この場合においても、各コネクタが接続された状態で電源線ELN2のコネクタCN15によって信号線LN2のコネクタCN14の取り外しを規制する構成とすることにより、上記第3の実施の形態において説明した効果を奏することができる。
【0317】
(5)上記第1の実施の形態では、始動操作基板181aからの信号線LN2のコネクタCN1,CN2間にCPU151へ電源を供給する電源線ELN2を設けたが、これを変更してもよい。例えば、電源線ELN2を、停止操作基板182aからの信号線LN4のコネクタCN3,CN4間に設けても良く、セレクタ用基板84aからの信号線LN6のコネクタCN5,CN6間に設けても良い。
【0318】
この場合に、セレクタ用基板84aからの信号線LN6のコネクタCN5,CN6間に電源線ELN2を設けることで、より確実に信号出力装置を用いた不正行為などを抑制することができる。すなわち、始動操作基板181aからの信号線LN2のコネクタCN1,CN2間や、停止操作基板182aからの信号線LN4のコネクタCN3,CN4間に電源線ELN2を設けると、その電源線ELN2が設けられた信号線に関しては取り外さずにスタートレバー71やストップスイッチ72〜74を行為者が自ら操作することで、不正にBB入賞を発生させる行為が可能となってしまうからである。
【0319】
また、スタートレバー71やストップスイッチ72〜74は遊技者によって積極操作されるものであるため、セレクタ84に比べ始動操作装置181や停止操作装置182は故障が生じ易い。そして、始動操作装置181や停止操作装置182が故障すると、CPU151に電源が供給されなくなることで、遊技が行えなくなってしまう。これに対して、セレクタ用基板84aからの信号線LN6のコネクタCN5,CN6間に電源線ELN2を設けることで、上記不都合の発生を抑制しつつ、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0320】
なお、本構成を上記第2の実施の形態乃至第7の実施の形態に対して適用してもよい。
【0321】
(6)上記第1の実施の形態において、信号線LN2,LN4,LN6を各基板181a,182a,84a,165に対して着脱不可な状態で取り付ける構成としてもよい。例えば、各信号線LN2,LN4,LN6を接続するためのコネクタに対して着脱不可とするカシメ構造等を設ける構成が考えられる。この場合、信号出力装置を用いて不正等を行うとする者は、ハーネスHを外すことで主制御装置131に対して信号出力装置を接続する。よって、かかる構成においては、始動操作基板181aを介することなく、中継基板165を介してCPU151に電源を供給する構成としてもよい。また、この場合、中継基板165にバックアップ用コンデンサを設けてもよい。
【0322】
なお、本構成を上記第2の実施の形態、上記第4の実施の形態、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態又は上記第7の実施の形態のいずれかに対して適用してもよい。
【0323】
(7)上記第1の実施の形態において、信号線LN2,LN4,LN6を各基板181a,182a,84a,165から取り外した場合には、その痕跡が残るようにしてもよい。信号線LN2について例示すると、例えば、信号線LN2のコネクタCN2と中継基板165のコネクタCN10とを跨ぐようにしてシールを貼り付ける。そして、当該シールは、剥がす際に粘着剤がコネクタCN2,CN10に転写し、その痕跡が残るようにする。
【0324】
また、例えば、各コネクタCN2,CN10にそれぞれ封印部を形成する。そして、各コネクタCN2,CN10の接続に際してこれら封印部に連結具を離脱不可とした状態で取り付け(例えば、各封印部に形成された圧入部に連結具を圧入する)、各封印部を相互に連結させる。この場合、信号線LN2を取り外すには封印部を破壊する必要が生じ、信号線LN2が取り外されたことの痕跡が残る。
【0325】
なお、本構成を上記第2の実施の形態、上記第4の実施の形態、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態又は上記第7の実施の形態のいずれかに対して適用してもよい。
【0326】
(8)スタートレバー71と始動操作基板181aとを接続する信号線LN1をスタートレバー71や始動操作基板181aに対してコネクタを介して接続する構成としてもよい。ただし、信号線LN1を着脱困難な状態とするために、そのコネクタに対して上記カシメ構造や、上記痕跡を残す構造等を設ける必要がある。
【0327】
また、かかるコネクタを介した接続の構成を、ストップスイッチ72〜74と停止操作基板182aとを接続する信号線LN3や、投入メダル検出センサ84bとセレクタ用基板84aとを接続する信号線LN5に対して適用してもよい。
【0328】
(9)上記各実施の形態では、RAM153がバックアップエリア153aを備える構成としたが、RAM153がバックアップエリア153aを備えずに、電源遮断時にデータの退避を行うことなく当該データを記憶保持する構成としてもよい。この場合、バックアップ用コンデンサ191は記憶保持用電源として機能する。
【0329】
(10)信号出力装置を用いた不正行為等に際して、リールユニット41に設けられたリールインデックスセンサ55の信号線も上記各信号線LN2,LN4,LN6と合わせて外し、リールインデックスセンサ55からの信号に対応した擬似信号を主制御装置131に出力することが想定される。この場合に、信号出力装置を接続する際に、リールインデックスセンサ55の信号線を必ず外す必要が生じる構成とした場合には、リールインデックスセンサ55の信号線のコネクタ間に電源線を設け、当該電源線を介してCPU151に電源を供給する構成としてもよい。なお、信号出力装置を接続する際に、リールインデックスセンサ55の信号線を必ず外す必要が生じる構成としては、当該信号線を上記第1の実施の形態における中継基板165に対して接続する構成とするとともに、その中継基板165に接続した信号線、及び上記第1の実施の形態における各信号線LN2,LN4,LN6を、取り外し不可な状態、取り外し困難な状態、又は取り外した際に痕跡が残る状態で取り付ける構成が考えられる。
【0330】
(11)上記(1),(5)〜(10)において説明した構成において、信号線LN2及び電源線ELN2のそれぞれに個別にコネクタを設け、電源線ELN2のコネクタによって信号線LN2のコネクタの取り外しを規制するようにしても良い。この場合であっても、(1),(5)〜(10)において説明した各効果を奏することができる。
【0331】
(12)上記(3)〜(11)において説明した構成を、接続確認用の信号に応じてCPU151への電源の供給を制御する切替回路212を設けたスロットマシンに適用し、その接続確認用の信号を伝達する接続確認用信号線LLN1を電源線ELN2に代えて設けても良い。この場合であっても、(3)〜(11)において説明した各効果を奏することができる。
【0332】
(13)上記第6の実施の形態において、VCC端子への電源供給に関する構成及びVBB端子への電源供給に関する構成に対して、上記第2の実施の形態における切替回路の構成を適用してもよい。
【0333】
つまり、VCC端子が第1切替回路を介して電源装置161の電源部161aと電気的に接続された構成とするとともに、第1電気経路は第1切替回路に第1接続確認用信号を出力する構成とする。そして、第1切替回路は、第1電気経路から第1接続確認用信号を入力している場合に電源部161aからの電源がVCC端子に供給され、第1接続確認用信号を入力していない場合に電源部161aからの電源がVCC端子に供給されないようにする。
【0334】
また、VBB端子が第2切替回路を介して電源装置161の電源部161a及びバックアップ用電源生成回路211と電気的に接続された構成とするとともに、第2電気経路は第2切替回路に第2接続確認用信号を出力する構成とする。そして、第2切替回路は、第2電気経路から第2接続確認用信号を入力している場合に電源部161aからの電源がVBB端子に供給され、第2接続確認用信号を入力していない場合に電源部161aからの電源がVBB端子に供給されないようにする。
【0335】
上記構成であっても、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0336】
なお、VCC端子又はVBB端子のうち、一方については上記第6の実施の形態のように電源線を迂回させる構成とし、他方については上記第2の実施の形態のように切替回路を用いた構成としてもよい。また、上記構成を、上記第7の実施の形態に対して適用してもうよい。
【0337】
(14)上記第4の実施の形態乃至上記第7の実施の形態のいずれかにおいて、信号出力装置を用いた不正行為を防止するための構成に関して、上記第3の実施の形態又は図34におけるコネクタの構成を適用してもよい。
【0338】
例えば、上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態に対して適用する場合、合成回路226を不具備とするとともに、リセット回路225を電源装置161に搭載し、さらに電源装置161と主制御基板131aとを電気的に接続するようにして設けられた信号線を介して、リセット回路225からのリセット信号をCPU151のリセット端子に出力するようにする。また、切替回路212を不具備とするとともに、バックアップ用電源生成回路211を電源装置161に搭載し、電源装置161と主制御基板131aとを電気的に接続するようにして設けられた電源線を介して、電源部161a及びバックアップ用コンデンサ211aからの電源をCPU151のVBB端子に出力するようにする。また、始動操作装置181からの信号を中継基板165にて中継させずに主制御基板131aに直接入力するようにする。
【0339】
当該構成において、上記第3の実施の形態におけるコネクタの構成又は図34におけるコネクタの構成を適用することで、始動操作装置181からの信号線を主制御基板131aから取り外す場合には、リセット回路225からの信号線及びVBB端子への電源線の両方を主制御基板131aから取り外す必要が生じるよう構成する。これにより、信号出力装置を用いた不正行為が行われる場合には、リセット回路225からのリセット信号をリセット端子にて入力することができなくなり、CPU151が非動作状態となる。また、電断状態において信号出力装置を用いた不正行為が行われる場合には、VBB端子に電源が供給されなくなり、RAM153に記憶保持されている情報が消去される。よって、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0340】
なお、上記第3の実施の形態におけるコネクタの構成又は図34におけるコネクタの構成を、リセット信号又はVBB端子への供給電源のいずれか一方のみに対して適用するようにし、他方は上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態における切替回路212又は合成回路226の構成を適用するようにしてもよい。
【0341】
(15)上記第4の実施の形態乃至上記第7の実施の形態におけるいずれかにおいて、第1電気経路と第2電気経路とで、並設対象となる信号線の特定信号の種類を異ならせてもよい。つまり、第1電気経路については、始動操作基板181aからの始動検出信号、停止操作基板182aからの停止検出信号又はセレクタ用基板84aからの媒体検出信号のうち、第1特定信号の信号線に並設させ、第2電気経路については、第2特定信号の信号線に並設させるようにする。当該構成では、上記第4の実施の形態等に比べ、接続ユニットの数を増やす必要が生じるが、それら各実施の形態と同様に、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0342】
(16)上記第4の実施の形態乃至上記第7の実施の形態におけるいずれかにおいて、第1電気経路のみを形成するようにし、第2電気経路については不具備としてもよい。つまり、信号出力装置を用いた不正行為に際してVBB端子への電源供給が遮断されない構成としてもよい。
【0343】
(17)上記第7の実施の形態において、VCC端子へ電源供給するための電源線及びVBB端子へ電源供給するための電源線を始動操作装置181側に迂回させるのではなく、電源装置161から主制御基板131aへ直流安定24Vを供給するための電源線を始動操作装置181側に迂回させる構成としてもよい。当該構成であっても、電源供給機能を有しない信号出力装置を主制御基板131aに対して電気的に接続させる行為が行われた場合には、CPU151が非動作状態となるため、当該信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0344】
(18)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、リセット信号とは別に、信号出力装置を主制御基板131aに対して電気的に接続させる行為を監視するための専用の信号を設定し、リセット信号ではなく、当該信号に対して第1電気経路や合成回路の構成を適用してもよい。
【0345】
当該構成において、第1電気経路が遮断された場合には、CPU151が非動作状態となるのではなく、抽選処理のみを実行しない又は抽選処理における抽選結果を無効化する構成としてもよく、RAM153への情報の記憶実行処理を実行しないようにする構成としてもよく、リールの回転開始又は回転停止のいずれか一方を行わない構成としてもよい。当該構成であっても、第1接続確認用信号の出力機能を有しない信号出力装置を主制御基板131aに対して電気的に接続させる行為が行われた場合には、CPU151にて所定の処理が実行されなくなるため、当該信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0346】
(19)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態等において、電源部161a又は停電監視回路161bの少なくとも一方が、主制御基板131aや中継基板165といった電源装置161以外のものに搭載されていてもよい。また、リセット回路225が、電源装置161や中継基板165といった主制御基板131a以外のものに搭載されていてもよい。
【0347】
(20)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、VBB端子への電源供給に関して、切替回路212を不具備とするとともに、VBB端子への電気経路を電源線を用いて形成し、VBB端子への供給電源自身を始動操作装置181側に迂回させる構成としてもよい。つまり、VBB端子への供給電源自身を伝達させる電源線と、始動検出信号といった特定信号の信号線とを、接続ユニットとして構成してもよい。また、当該構成において、バックアップ用電源生成回路211を電源装置161、中継基板165又は始動操作基板181aなどといった主制御基板131aの外部に搭載してもよい。
【0348】
また、上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、バックアップ用電源生成回路211が電源装置161や中継基板165といった主制御基板131aの外部に搭載されていてもよい。
【0349】
(21)上記各実施の形態においては、CPU151のメイン処理(図14)にてステップS406乃至ステップS408のいずれかで否定判定され動作禁止状態となった場合には、再度、電源を立ち上げ、ステップS402の実行タイミングにおいて設定キーがON操作された場合に動作禁止状態が解除される構成としたが、これに限定されることはない。例えば、リセットスイッチ123が所定操作された場合に動作禁止状態が解除される構成としてもよく、リセットスイッチ123を操作しながら電源が立ち上げられた場合に動作禁止状態が解除される構成としてもよい。また、RAM消去操作スイッチを設け、当該スイッチが操作されRAM153が消去された場合に動作禁止状態が解除される構成としてもよい。また、何ら操作を行わなくてもCPU151にRAM153の消去処理(情報記憶手段に記憶されている情報を全て消去させる処理)が実行され、その後に動作状態となる構成としてもよい。
【0350】
(22)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、合成回路226,228の具体的な構成は、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能であれば、任意である。また、上記第4の実施の形態において、第1接続確認用信号は電源部161aから供給される5Vの信号である必要はなく、電源部161a又はそれ以外から供給される5V未満の信号であってもよい。
【0351】
(23)上記第5の実施の形態において、第1電気経路と第2電気経路とが別々に設けられていたが、これら電気経路が同一のものであってもよい。つまり、接続確認用信号線LLN3と接続確認用信号線LLN5とを単一の接続確認用信号線とし、中継回路EC4と中継回路EC6とを単一の中継回路とし、接続確認用信号線LLN4と接続確認用信号線LLN6とを単一の接続確認用信号線とする。当該構成であっても、第1接続ユニット及び第2接続ユニットが接続されている場合には、切替回路212及び合成回路228のそれぞれに対してLOWレベル信号が出力されることとなるため、上記第5の実施の形態と同様に、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。また、本構成によれば、上記第5の実施の形態よりも構成の簡素化が図られる。
【0352】
(24)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、RAM153の情報の読み書き中にCPU151が非動作状態となった場合に、RAM153に記憶されている情報が破壊される構成としてもよい。この場合、上記各実施の形態のように、停電時処理においてRAM判定値や停電フラグがRAM153に記憶される構成とすることで、CPU151の動作状態への復帰に際して、RAM異常が発生し、RAMクリアを要することとなるため、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0353】
(25)上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態において、合成回路226,228を不具備とし、第1電気経路を通じてリセット回路225からのリセット信号をCPU151のリセット端子に入力するようにしてもよい。当該構成であっても、信号出力装置の付け替えに際してCPU151が非動作状態となるため、上記第4の実施の形態又は上記第5の実施の形態と同様に、信号出力装置を用いた不正行為を防止することが可能となる。
【0354】
(26)上記各実施の形態において、停電時処理をタイマ割込み処理にて実行するのではなく、通常処理の所定のタイミングにて実行する構成としてもよい。例えば、通常処理の最後の処理として、停電フラグが格納されているか否かの判定を行い、停電フラグが格納されている場合に停電時処理を実行する構成としてもよい。この場合、復電後においては、常に通常処理の最初の処理から開始すればよいため、停電時処理にてスタックポインタの保存を行わないようにしてもよい。また、メイン処理(図14)では、停電フラグが有るか否か、又はRAM判定値が正常であるか否かのいずれかの判定を行うことで、RAM153の異常を特定する構成としてもよい。
【0355】
(27)上記各実施の形態において、中継基板165を不具備としてもよい。この場合であっても、始動操作装置181、停止操作装置182又はセレクタ84等から出力される信号を伝達する信号線の取り外しに際して所定の電気経路が遮断される構成とするとともに、当該電気経路の遮断中はCPU151が非動作状態となる又は開始及び停止制御を行う上で実行する処理のうち少なくとも一部の処理が実行されないようにすることで、信号出力装置を用いた不正行為に対処することができる。
【0356】
(28)上記各実施の形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
【0357】
(29)上記各実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
【0358】
(30)上記各実施の形態では、状態移行図柄としての「7」図柄が有効ライン上に揃った場合にメダル払出を行わない構成としたが、メダル払出を行う構成としてもよい。
【0359】
(31)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
【0360】
(32)上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲームやCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選、RT当選、CT当選などが挙げられる。
【0361】
また、RTゲームやCTゲームを備えたスロットマシンにおいては、RTゲームやCTゲームに移行した場合、その遊技状態情報がRAM153に記憶され、その記憶された遊技状態情報に基づいてCPU151にてRTゲームやCTゲームが実行される。したがって、主制御装置131に信号出力装置を接続し、RTゲームやCTゲームに移行させる行為が想定される。これに対して、本発明を適用することで、信号出力装置を接続し、RTゲームやCTゲームに移行させる行為を抑制することができ、さらにはRAM153にRTゲームやCTゲームに対応した遊技状態情報が記憶されたとしても信号出力装置から正規の信号線への付け替え時にRAM153に記憶された遊技状態情報が消去されることとなる。
【0362】
(33)各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
【0363】
(34)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【符号の説明】
【0364】
10…遊技機としてのスロットマシン、11…筐体、41…絵柄表示手段としてのリールユニット、71…始動操作手段としてのスタートレバー、72〜74…停止操作手段としてのストップスイッチ、75…受入手段としてのメダル投入口、84…セレクタ、84a…セレクタ用基板、84b…投入メダル検出センサ、131…主制御装置、151…CPU、153…RAM、161…電源装置、165…中継基板、181…始動操作装置、182…停止操作装置、211…バックアップ用電源生成回路、212…切替回路、226…合成回路、H…ハーネス、LLN3…接続確認用信号線、LN2…特定信号線としての信号線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
遊技媒体を受け入れる受入手段と、
その受け入れた遊技媒体を検出する検出手段と、
前記絵柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、
前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、
前記検出手段の媒体検出信号、前記始動操作手段の始動検出信号及び前記停止操作手段の停止検出信号を受け取り、前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させ、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる制御手段と、
外部電源から供給される電源に基づいて少なくとも前記制御手段に動作電源を供給する電入中電源手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて、役の抽選を行う抽選手段と、
その抽選結果を含めた遊技情報を記憶し、自身に電源が供給されている間はその記憶した情報の保持を可能とする情報記憶手段と、
前記媒体検出信号の受け取り及び前記始動検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を開始させ、前記停止検出信号の受け取りに基づいて前記絵柄の可変表示を停止させる可変表示制御手段と、
前記遊技情報が特定役当選の情報であって、停止後の停止絵柄が特定絵柄である場合に、遊技状態を遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる状態移行手段と、
を備え、
前記情報記憶手段に前記特定役当選の情報が記憶された場合、停止後の停止絵柄が前記特定絵柄となることに基づいて当該特定役当選の情報が消去される構成である遊技機において、
外部電源から前記電入中電源手段への電源供給が遮断された場合に前記情報記憶手段に記憶された情報が保持されるように当該情報記憶手段に電断時用電源を供給する電断中電源手段を備え、
電源又は信号を前記制御手段に伝達する電気経路を備え、前記制御手段は前記開始及び前記停止制御を行う上で実行する処理のうち少なくとも一部の処理を前記電気経路の遮断中に実行しないものであり、
前記媒体検出信号、前記停止検出信号及び前記始動検出信号の内の特定信号を伝達する特定信号線と前記電気経路を形成する電気配線とが一対のコネクタ部材間に設けられていることで接続ユニットとして構成されていることにより、前記特定信号線の取り外しに際して前記電気配線が取り外される構成であり、
外部電源から供給される電源が遮断されている状況において、前記媒体検出信号、前記停止検出信号及び前記始動検出信号の内、前記特定信号又はそれとは異なる信号を伝達する信号線の取り外しが行われた場合に、前記情報記憶手段に前記電断時用電源が供給されなくなることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−39473(P2013−39473A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260825(P2012−260825)
【出願日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【分割の表示】特願2007−288885(P2007−288885)の分割
【原出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】