説明

遊技機

【課題】報知された操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチを操作してしまうことを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】ストップスイッチ34に接触したことを検知する近接検知装置と、特定役を停止表示させるための補助となる情報を報知する特定報知演出を実行する報知演出実行手段200と、特定報知演出を実行した遊技において、スタートスイッチ33が操作された後にいずれかの近接検知装置が接触を検知した場合に、この検知をもって対応するストップスイッチ34が操作されたものとして仮定した場合の操作が特定の操作態様ではないことを条件として、所定時間を計測する時計測手段160と、所定時間が経過する前に、所定時間の計測の契機となった近接検知装置に対応するストップスイッチ34が操作されたときに、当該操作を無効にする停止操作無効手段170とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストップスイッチの停止操作によって対応する回転リールの回転が停止する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機、たとえばスロットマシンでは、遊技として、AT(アシストタイム)遊技や、RT(リプレイタイム)遊技や、ART(アシストリプレイタイム)遊技などの通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技が知られている。AT遊技は、小役の当選などの役抽選の結果に関する情報を遊技者に報知する遊技であり、また、RT遊技は、通常遊技よりも再遊技役の当選確率を高く設定した遊技であり、また、ART遊技は、AT遊技とRT遊技とを組み合わせ遊技である。
AT遊技の報知態様としては、ストップスイッチの操作順序や操作のタイミングなどのストップスイッチの操作態様を遊技者に報知するものがあり、報知された操作態様に従ってストップスイッチを操作することにより特定の役を構成する図柄の組み合わせが特定の有効入賞ライン上に必ず停止表示され、報知された操作態様に従わなかった場合よりも多くのメダルを獲得することができるようになっている。すなわち、このような態様のAT遊技では、報知された操作態様に従わずにストップスイッチを操作すると、報知された操作態様に従った場合よりも獲得できるメダルの枚数が少なくなるようになっている。
【0003】
また、操作態様を報知するART遊技では、上記したメダルのロスに加え、報知された操作態様に従わずにストップスイッチを操作すると、特定の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示され、現在の遊技状態よりも再遊技役の当選確率が低い遊技状態へ遊技状態が転落するといった事態が起こり得るものとなっている。
このようなスロットマシンの場合、報知を見逃してストップスイッチを操作したり、報知された操作態様とは異なる操作態様で誤ってストップスイッチを操作してしまうことがある。このような場合には、報知された正しい操作態様が実行できず、結果としてメダルのロスや遊技状態の転落といった事態を招いてしまう。
【0004】
かかる不都合を解消すべく、特許文献1に記載のスロットマシンでは、役抽選の結果に関する情報を遊技者に報知した遊技において、当選した特定役を構成する図柄が引き込み範囲内に無い時期は停止操作を無効にし、当選した特定役を構成する図柄が引き込み範囲内に有る時期は停止操作を有効にするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−136923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、停止操作が有効化した後において、本来的に有効な停止操作(具体的にはストップスイッチからのストップ信号)を、操作の時期(タイミング)に応じて有効なものとして取り扱ったり無効なものとして取り扱ったりすることは、遊技の公正を妨げる恐れがある。
そこで、本発明は、遊技の公正を妨げる恐れがなく、報知された操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチを操作してしまうことを防止することができ、ユーザーインターフェイス環境を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、周囲に複数の図柄が付された複数の回転リール45と、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33と、各回転リール45に対応して設けられ、かつ各回転リール45の回転を停止させるためのストップスイッチ34と、各ストップスイッチ34に対応して設けられ、かつストップスイッチ34が操作されたことを検知する操作検知装置と、各ストップスイッチ34に対応して設けられ、かつ物体がストップスイッチ34に近接したこと又は操作検知装置が操作を検知しない程度にストップスイッチ34に物体が接触したことを検知する近接検知装置と、特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段100と、役抽選の結果及びストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置に基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させる停止制御手段120と、を備え、役抽選により当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件に、所定の利益を遊技者に付与する遊技機であって、停止制御手段120は、役抽選により特定役に当選した場合に、特定の操作態様でストップスイッチ34が操作されると、当該特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、役抽選により特定役に当選した場合に、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるための補助となる特定情報を遊技者に報知する特定報知演出を実行する報知演出実行手段200と、役抽選により特定役に当選しかつ特定報知演出を実行した遊技において、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後にいずれかの近接検知装置が近接又は接触を検知した場合に、この検知をもって対応するストップスイッチ34が操作されたものとして仮定した場合の操作が特定の操作態様ではないことを条件として、予め定められた所定時間を計測する時計測手段160と、時計測手段160により所定時間が計測されている場合に、所定時間が経過する前に、所定時間の計測の契機となった近接又は接触を検知した近接検知装置に対応するストップスイッチ34が操作されたときに、当該操作によって回転リール45の回転が停止しないように当該操作を無効にする停止操作無効手段170と、を備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、「特定の操作態様」としては、操作順序や操作のタイミングなどを含む。すなわち、特定の操作順序でストップスイッチ34が停止操作された場合に、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることができるように設定することもできるし、特定のタイミングでストップスイッチ34が停止操作された場合に、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることができるように設定することもできるし、特定の操作順序及び特定のタイミングでストップスイッチ34が停止操作された場合に、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることができるように設定することもできる。
【0009】
また、「特定の有効入賞ライン」とは、一の有効入賞ラインのみならず、複数の有効入賞ラインをも含む意味である。すなわち、特定の操作態様でストップスイッチ34が操作された場合には、構成する図柄の組み合わせを一の有効入賞ライン上に停止表示させることができるように設定することもできるし、複数の有効入賞ライン上に停止表示させることができるように設定することもできる。
「特定情報」は、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることが所定の確率で可能となるものであればよいものである。たとえば、特定の操作順序でストップスイッチ34を停止操作した場合にのみ、構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることが可能となるように設定した場合には、特定情報は、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるための特定の操作順序のすべてや一部などとすることができる。すなわち、特定報知演出は、特定の操作順序のすべてや一部を遊技者に報知するようにすることができる。
【0010】
すなわち本発明では、特定の操作態様でストップスイッチ34が停止操作されなかった場合には、当該ストップスイッチ34の近接又は接触を近接検知装置が検知したときから所定時間の計測を開始して、当該ストップスイッチ34の停止操作を一定時間無効にする。これにより、本発明によれば、特定の操作態様でストップスイッチ34が停止操作されなかった場合には、対応する回転リール45の回転は停止しないので、特定の操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチ34を停止操作してしまうという事態を回避することができる。そして、あらためて停止操作をやり直せば、特定の操作態様で停止操作を行うことができ、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させることができる。
【0011】
また、本発明によれば、近接検知装置の検知を契機に対応するストップスイッチ34は一旦無効化され、当該ストップスイッチ34が停止操作されたときには、有効ではないストップスイッチ34が停止操作されたことになるから、遊技の公正を妨げる恐れがない。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、停止操作無効手段170は、所定時間が経過したとき、又は、所定時間の計測の契機となった近接若しくは接触を検知した近接検知装置に対応するストップスイッチ34(以下、「特定のストップスイッチ34」とする。)以外のストップスイッチ34が操作されたときに、特定のストップスイッチ34の操作の無効を解除することを特徴とする。
【0012】
すなわち本発明によれば、所定時間が経過したとき、又は、特定のストップスイッチ34以外のストップスイッチ34が停止操作されたときに、停止操作の無効を解除するので、遊技者は、無用なストレスを感じることなくあらためて停止操作をやり直することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち本発明によれば、遊技の公正を妨げる恐れが少なく、報知された操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチを操作してしまうことを防止することができ、ユーザーインターフェイス環境を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンの正面図である。
【図2】入賞ラインを説明するための説明図である。
【図3】各回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【図4】スロットマシンのブロック図である。
【図5】ストップスイッチの構造を示す断面図である。
【図6】役を説明するための説明図である。
【図7】役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図8】ストップスイッチの操作順序と有効入賞ライン上に停止表示される役との関係を説明するための説明図である。
【図9】遊技状態の移行を説明するための説明図である。
【図10】操作順序判定テーブルを説明するための説明図である。
【図11】メイン制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図13】無効解除処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施の形態であって、各回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【図15】役を説明するための説明図である。
【図16】役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図17】センサ監視処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0016】
図1に示すように、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の略中央には、前方へ向けて突出する操作部16が設けられ、操作部16の上方には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられ、図柄表示窓15の上方には、画像を表示する表示装置55が設けられ、図柄表示窓15及び表示装置55の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。図柄表示窓15は、図1に示すように、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0017】
また、本実施の形態では、図柄の並びを示す入賞ラインとして、図2に示すように、上段の表示位置の3個の図柄を通る上段入賞ラインL1と、左上・中央上・右中央の表示位置の3個の図柄を通る第1変則入賞ラインL2と、左上・中央上・右下の表示位置の3個の図柄を通る第2変則入賞ラインL3と、左上・中央・右中央の表示位置の3個の図柄を通る第3変則入賞ラインL4とが設けられている。
また、図1に示すように、操作部16の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。3個のストップスイッチ34のうち、左側に位置するのが左停止スイッチ56であり、中央に位置するのが中停止スイッチ57であり、右側に位置するのが右停止スイッチ58である。また、左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、また、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、また、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。
【0018】
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。また、前扉12には、図示しないスピーカが設けられている。
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
【0019】
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。具体的には、回転リール45の周囲には、図3に示すように、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「赤チェリー」及び「青チェリー」の図柄が付されている。
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、ステッピングモータの出力軸を中心に、対応する回転リール45が回転する。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。そして、ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
【0020】
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
制御装置20は、図4に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、図4に示すように、役抽選手段100、ウェイト時間計測手段105、回転制御手段110、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、遊技状態移行制御手段140、AT遊技管理手段150、時計測手段160及び停止操作無効手段170などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35、接触センサ52及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0021】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段180として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、図示しないスピーカなどが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0022】
(ストップスイッチ34)
ここで、ストップスイッチ34の構造を、図5に基づき簡単に説明する。なお、3個のストップスイッチ34は、それぞれ、同一の構造となっている。
ストップスイッチ34は、図5に示すように、前扉12の操作部16の正面に固定されるケーシング53と、ケーシング53の内部に前後方向に摺動可能に設置されバネ59により常時正面側に付勢されたスイッチ本体54とから構成されている。ケーシング53の内側(スロットマシン10の内部側)には、受光部51A及び発光部51Bを有する押下センサ(操作検知装置)51が設けられ、スイッチ本体54の内側端部には、遮光片54Aが形成されている。押下センサ51は、通常時は、図5(A)に示すように、受光部51Aと発光部51Bの間の位置から遮光片54Aが外れて受光部51Aが発光部51Bの光線を感知しているときにはスイッチOFF状態であり、図5(B)に示すように、スイッチ本体54の押圧により受光部51Aと発光部51Bの間に遮光片54Aが位置し受光部51Aの感知が途絶えたときにスイッチONとなるように形成されている。すなわち、押下センサ51が遮光片54Aを検知したときに「ストップスイッチ34がON」となり、遊技制御装置21に操作信号(ON信号)を出力する。
【0023】
なお、図示した例では押下センサ51を遮光センサとしたが、スイッチ本体54の移動が検知できるものであれば磁気センサや接触センサなどであってもよい。
さらに、本実施の形態においては、スイッチ本体54の正面、すなわち遊技者が触れて押下操作する面に、接触センサ(近接検知装置)52が設けられている。接触センサ52は、スイッチ本体54の操作面に設けられた検知部と、特に図示しないがスロットマシン10内部に設けられた検知部に接続されるセンサ基板とから構成され、検知部が人の手指などの接触による静電容量の変化を感知すると、センサ基板から検知信号が出力されて、センサがON状態となるように形成されている。ここで、バネ59は、接触を検知するのに必要十分な押圧力で接触センサ52に触れただけではスイッチ本体54が移動しない程度の付勢力を有しており、遊技者がスイッチ本体54の表面に軽く触れた場合には、接触センサ52はONとなるがストップスイッチ34はONにならない。
【0024】
そして、接触センサ52は、遊技制御装置21に接触検知信号(ON信号)を出力する。
(役)
本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。ここで、「有効入賞ライン」とは、遊技媒体としてのメダルのベットに応じて有効になった入賞ラインである。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、4本全ての入賞ラインが有効になり、有効入賞ラインとなる。なお、本実施の形態では、3枚のメダルをベットすることにより、遊技を開始することが可能となっている。
【0025】
そして、小役には、図6に示すように、ベル役と、スイカ役と、赤チェリー役と、青チェリー役と、制御役とがある。たとえば、ベル役(特定役)は、「ベル」「リプレイ」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の図柄の組み合わせにより構成される。各役には、メダルの払い出し枚数が設定されており、たとえば「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより、スイカ役に応じた所定枚数(たとえば12枚)のメダルが払い出される。
また、再遊技役は、リプレイA役と、リプレイB役(特定役)と、リプレイC役と、リプレイD役と、リプレイE役とがある。たとえば、リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせ、「BAR」「リプレイ」「ベル」の図柄の組み合わせ、又は「スイカ」「リプレイ」「ベル」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、いずれかの有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
【0026】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、スタートスイッチ33の操作を契機に、特に図示しないループカウンタの数値を読み取り、この数値と、ループカウンタがカウントする数値を全領域として各役の当選領域及びハズレの領域を規定した役抽選テーブルとを比較して、役の当否を決定する。
本実施の形態では、役抽選テーブルには、図7に示すように、後述する通常状態において用いられる通常役抽選テーブルと、後述するRT状態において用いられるRT役抽選テーブルとがある。各役抽選テーブルのそれぞれには、ベル役の単独当選領域(以下、この単独当選領域を、「左中右ベル役」と称する。)と、ベル役及び制御役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「左右中ベル役」と称する。)と、ベル役及び赤チェリー役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「中ベル役」と称する。)と、ベル役及び青チェリー役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「右中左ベル役」と称する。)と、ベル役、青チェリー役及び制御役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「右左中ベル役」と称する。)と、スイカ役の単独当選領域と、赤チェリー役の単独当選領域と、青チェリー役の単独当選領域と、リプレイA役の単独当選領域とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、通常役抽選テーブルには、さらに、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイABD役」と称する。)と、リプレイA役〜リプレイD役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイABCD役」と称する。)と、リプレイA役〜リプレイC役及びリプレイE役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイABCE役」と称する。)と、リプレイA役〜リプレイE役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイABCDE役」と称する。)とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、RT役抽選テーブルには、さらに、リプレイB役の単独当選領域と、リプレイA役及びリプレイB役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイAB役」と称する。)と、リプレイA役〜リプレイC役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を、「リプレイABC役」と称する。)と、リプレイABD役と、リプレイABCD役と、リプレイABCE役と、リプレイABCDE役とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
【0027】
また、本実施の形態では、通常役抽選テーブルにおいては、再遊技役の当選確率がRT役抽選テーブルよりも低い確率に設定されている。これにより、遊技状態がRT状態である遊技は、遊技状態が通常状態である遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
また、役抽選手段100は、役抽選の結果を演出制御装置22へ送信する。
(ウェイト時間計測手段105)
ウェイト時間計測手段105は、ウェイト時間を計測するものである。ウェイト時間とは、一回の遊技時間を制限するためのものである。本実施の形態では、ウェイト時間は、4.1秒に設定されている。
【0028】
また、本実施の形態では、ウェイト制御手段105は、ウェイト時間を計測するウェイトタイマを備えている。そして、ウェイトタイマは、一の遊技において、後述する回転制御手段110により回転リール45の回転が開始されたことを契機に、時間の計測を開始し、次の遊技において、回転リール45の回転が開始されたことを契機に、計測した計測時間をリセットして再び時間の計測を開始する。そして、それ以降の遊技においても同様に、時間を計測する。このようにして、ウェイトタイマは、毎遊技、時間を計測する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。回転制御手段110は、遊技の開始条件(たとえば3枚のメダルのベットなど)が成立している場合に、スタートスイッチ33の操作(スタートスイッチ33からの操作信号の入力)を契機として、ウェイト時間が経過していることを条件に、3個すべての回転リール45の回転を開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで加速させて、その回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる。ここで、ウェイト時間が経過しているか否かは、ウェイトタイマの計測時間に基づいて判断することができる。ウェイト時間が経過していない場合には、回転制御手段110は、回転リール45の回転を開始させる処理を一旦保留し、ウェイト時間が経過した後に、当該保留を解除し、回転リール45の回転を開始させる。
【0029】
スタートスイッチ33の操作により回転リール45の回転が開始すると、遊技が開始する。
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、当該ストップスイッチ34に対して、後述する停止操作無効手段170により停止操作の無効が解除されていることを条件として、役抽選の結果及びストップスイッチ34が停止操作された時点における対応する回転リール45の回転位置に基づいて、回転リール45の回転を停止させる停止制御を行うものである。
本実施の形態では、停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0030】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、本実施の形態では、引き込み制御において、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定しているとともに、小役間の引き込み優先順位を、配当が多いほど優先順位が高くなるように設定している。なお、同一配当の小役が重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。また、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。
【0031】
また、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して行う。なお、停止制御手段120は、所定の図柄を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御などにより行うこともできる。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(ベル役)
つぎに、ベル役に関する当選領域(左中右ベル役、左右中ベル役、中ベル役、右中左ベル役及び右左中ベル役)に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベル役などのベル役に関する当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作順序に応じて、ベル役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(上段入賞ラインL1、第1変則入賞ラインL2及び第2変則入賞ラインL3)上に停止表示させるように、又は、ベル役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ラインとは異なる有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0032】
具体的には、本実施の形態では、左中右ベル役などのベル役に関する当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各当選領域に対する正解の操作順序となっている。詳細には、左中右ベル役の単独当選領域に対しては、左停止スイッチ56を最初に停止操作し次に中停止スイッチ57を停止操作し最後に右停止スイッチ58を停止操作する順序(「左→中→右」)が正解の操作順序として割り当てられている。また、左右中ベル役の重複当選領域に対しては、「左→右→中」の操作順序が正解の操作順序として割り当てられている。また、中ベル役の重複当選領域に対しては、「中→左→右」及び「中→右→左」の操作順序が正解の操作順序として割り当てられている。また、右中左ベル役の重複当選領域に対しては、「右→中→左」の操作順序が正解の操作順序として割り当てられている。また、右左中ベル役の重複当選領域に対しては、「右→左→中」の操作順序が正解の操作順序として割り当てられている。
【0033】
そして、停止制御手段120は、役抽選により左中右ベル役などのベル役に関する当選領域に当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(上段入賞ラインL1、第1変則入賞ラインL2及び第2変則入賞ラインL3)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ラインとは異なる有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0034】
(再遊技役)
つぎに、再遊技役に関する重複当選領域(リプレイAB役、リプレイABC役、リプレイABD役、リプレイABCD役、リプレイABCE役及びリプレイABCDE役)に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、リプレイAB役などの再遊技役に関する当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく6通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各当選領域に対する正解の操作順序となっている(図8参照)。そして、停止制御手段120は、役抽選によりリプレイAB役などの再遊技役に関する当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作順序に応じて、所定の再遊技役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0035】
具体的には、以下の通りである(図8参照)。
(リプレイAB役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイAB役に当選した場合に、割り当てられている「左→中→右」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「左→中→右」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0036】
(リプレイABC役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABC役に当選した場合に、割り当てられている「左→右→中」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役及びリプレイC役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「左→右→中」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役及びリプレイC役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0037】
(リプレイABD役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABD役に当選した場合に、割り当てられている「中→左→右」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「中→左→右」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0038】
(リプレイABCD役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABCD役に当選した場合に、割り当てられている「右→左→中」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイC役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「左→中→右」又は「左→右→中」の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「右→左→中」、「左→中→右」及び「左→右→中」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役、リプレイC役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0039】
(リプレイABCE役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABCE役に当選した場合に、割り当てられている「中→右→左」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイC役及びリプレイE役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「右→中→左」又は「右→左→中」の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役及びリプレイE役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「中→右→左」、「右→中→左」及び「右→左→中」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役、リプレイC役及びリプレイD役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0040】
(リプレイABCDE役)
停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABCDE役に当選した場合に、割り当てられている「右→中→左」の正解の操作順序(特定の操作態様)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイE役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「中→左→右」又は「中→右→左」の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイA役、リプレイB役、リプレイD及びリプレイE役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させ、「右→中→左」、「中→左→右」及び「中→右→左」以外の順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、リプレイB役、リプレイC役、リプレイD役及びリプレイE役に優先して、停止操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン(第3変則入賞ラインL4)上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0041】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。たとえば、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、スイカ役に応じた12数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。
【0042】
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により、ベル役を構成する図柄の組み合わせが第3変則入賞ラインL4上にのみ停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、ベル役に応じた4枚のメダルを払い出すようにする。
一方、停止図柄判定手段130により、ベル役を構成する図柄の組み合わせが段入賞ラインL1、第1変則入賞ラインL2及び第2変則入賞ラインL3上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、12枚(4枚×3)のメダルを払い出すようにする。
また、停止図柄判定手段130は、判定結果を演出制御装置22へ送信する。
(遊技状態移行制御手段140)
遊技状態移行制御手段140は、複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御するものである。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0043】
また、本実施の形態では、小役、リプレイA役、リプレイD役及びリプレイE役は、遊技状態の移行条件となっていない。すなわち、たとえばベル役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されても、遊技状態移行制御手段140は作動せず、現在の遊技状態に維持されたままとなる。
また、本実施の形態では、遊技制御装置21には、図9に示すように、遊技状態として、通常状態と、RT状態とが設けられている。なお、遊技状態としては、これに限られるものではない。
そして、本実施の形態では、遊技状態移行制御手段140は、図9に示すように、通常状態において、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、すなわちこれを契機として、遊技状態を、通常状態からRT状態へ移行させ、また、RT状態において、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、RT状態から通常状態へ移行させる。
【0044】
また、遊技状態移行制御手段140は、現在の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22へ送信する。たとえば、遊技状態移行制御手段140は、毎遊技、現在の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22へ送信する。なお、たとえば、遊技状態移行制御手段140は、遊技状態を移行させた場合に、移行後の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22へ送信するようにしてもよい。
なお、遊技状態の移行条件は、これに限られるものではない。
(AT遊技管理手段150)
AT遊技管理手段150は、AT(アシストタイム)遊技の開始および終了を管理するものである。AT遊技とは、演出制御装置22における演出状態がAT状態である遊技である。
【0045】
本実施の形態では、AT遊技管理手段150は、所定のAT開始条件(たとえばAT抽選で当選など)が成立したときに、遊技制御装置21のRAMにおける所定の記憶領域にAT中フラグを成立させる。このとき、AT遊技管理手段150は、AT状態を開始することを指示するAT開始信号を演出制御装置22へ送信する。
また、AT遊技管理手段150は、AT中フラグが成立している場合に、所定のAT終了条件(たとえば所定の遊技回数の経過、所定のセット数の消化など)が成立したときに、AT中フラグを消去する。このとき、AT遊技管理手段150は、AT状態を終了することを指示するAT終了信号を演出制御装置22へ送信する。
【0046】
なお、AT終了条件をセット数の消化とする場合には、AT遊技管理手段150は、通常状態において役抽選によりリプレイABD役、リプレイABCD役、リプレイABDE役又はリプレイABCDE役に当選したことを条件に、ストックしているセット数を1個減算することができる。このようにすると、正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作すると、遊技状態がRT状態へ移行できずに、1セット分のAT遊技が消滅することとなる。
(時計測手段160)
時計測手段160は、AT中フラグが成立しておりかつ役抽選によりベル役(特定役)に関する当選領域又はリプレイB役(特定役)を含む再遊技役に関する重複当選領域に当選した遊技(役抽選により特定役に当選しかつ特定報知演出を実行した遊技)において、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後にいずれかの接触センサ(近接検知装置)52が接触を検知した場合に、この検知をもって対応するストップスイッチ34が停止操作されたものとして仮定した場合の停止操作が正解の操作順序(特定の操作態様)に沿ったものではないことを条件として、予め定められた所定時間(以下、「無効時間」とする。)を計測するものである。
【0047】
本実施の形態では、時計測手段160は、操作順序判定テーブルと、操作順序判定手段と、無効タイマとを備えている。
(操作順序判定テーブル)
操作順序判定テーブルは、当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序を予め記憶するものである。本実施の形態では、操作順序判定テーブルには、ベル操作順序判定テーブルと、再遊技役操作順序判定テーブルとがある。ベル操作順序判定テーブルは、図10(A)に示すように、ベル役に関する当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序を予め記憶するものである。また、再遊技役操作順序判定テーブルは、図10(B)に示すように、再遊技役に関する当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序を予め記憶するものである。
【0048】
(操作順序判定手段)
操作順序判定手段は、AT中フラグが成立しておりかつ役抽選によりベル役に関する当選領域又はリプレイB役を含む再遊技役に関する重複当選領域に当選した遊技において、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後にいずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、この検知をもって対応するストップスイッチ34が停止操作されたものとして仮定した場合の停止操作(以下、「仮停止操作」とする。)が正解の操作順序に沿ったものであるか否かを判定するものである。
本実施の形態では、操作順序判定手段は、いずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、後述する停止操作無効手段170により、各回転リール45が所定の定常速度に達したことに基づいて停止操作の無効が解除されいることを条件に、判定を行う。
【0049】
また、操作順序判定手段は、いずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、まず、この検知をもって対応するストップスイッチ34が停止操作されたものとして仮定した場合の当該ストップスイッチ34の仮停止操作が、当該遊技における一番目〜三番目の停止操作のうちのいずれに相当するかを、接触を検知した接触センサ52に対応する回転リール45以外の他の回転リール45に対する停止制御の有無により、特定する。すなわち、他の2個の回転リール45が回転しているときには、一番目の停止操作であると特定することができ、他の2個の回転リール45のうち1個の回転リール45のみが回転しているときには、二番目の停止操作であると特定することができ、他の2個の回転リール45の回転が停止しているときには、三番目の停止操作であると特定することができる。
【0050】
ここで、「他の回転リール45に対する停止制御の有無」は、以下のように判断することができる。たとえば、回転リール45のインデックスセンサからの検知信号が一定の間隔で入力されているときには、その回転リール45は回転中であり、まだ停止制御は行われいないと判断することができ、一方、インデックスセンサからの検知信号の入力が一定期間なければ、その回転リール45の回転は停止しており、すでに停止制御は行われたと判断することができる。
また、たとえば、停止制御手段120が停止制御を行ったときに、停止制御を行ったことを記憶する停止制御実行フラグを各回転リール45に対応して成立させ、各回転リール45に対応する停止制御実行フラグの有無により、各回転リール45に対する停止制御の有無を判断することができる。
【0051】
接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作が何番目の停止操作に相当するかを特定したら、つぎに、操作順序判定手段は、操作順序判定テーブルを参照して、役抽選の結果に基づいて、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作が正解の操作順序に沿ったものであるか否かを判定する。たとえば、左中右ベル役に当選した場合に、中停止スイッチ57の接触センサ52が接触を検知し、中停止スイッチ57の仮停止操作が一番目の停止操作に相当するものであるときには、操作順序判定手段は、正解の操作順序に沿ったものではないと判定する。また、たとえば、左中右ベル役に当選した場合に、左停止スイッチ56の接触センサ52が接触を検知し、左停止スイッチ56の仮停止操作が一番目の停止操作に相当するものであるときには、操作順序判定手段は、正解の操作順序に沿ったものであると判定する。
【0052】
また、操作順序判定手段は、左中右ベル役などのベル役に関する当選領域に当選したときには、ベル操作順序判定テーブルを参照して判定を行い、リプレイAB役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選したときには、再遊技役操作順序判定テーブルを参照して判定を行う。
(無効タイマ)
無効タイマは、無効時間を計測するものである。本実施の形態では、無効タイマには、第1無効タイマ〜第3無効タイマがある。第1無効タイマは、左停止スイッチ56に対応する接触センサ52が接触を検知したときに無効時間を計測するものであり、第2無効タイマは、中停止スイッチ57に対応する接触センサ52が接触を検知したときに無効時間を計測するものであり、右停止スイッチ58に対応する接触センサ52が接触を検知したときに無効時間を計測するものである。
【0053】
また、本実施の形態では、無効時間は、0.3秒に設定されている。なお、無効時間は、ストップスイッチ34を押下した場合に接触センサ52が接触を検知してから押下センサ51が停止操作を検知するまでに要する時間を想定して設定することができる。
本実施の形態では、各無効タイマは、操作順序判定手段により、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作が正解の操作順序に沿ったものではないと判定されたときに、時間の計測を開始する。
また、各無効タイマは、計測時間が無効時間に達したとき(無効時間が経過したとき)、又は、無効時間の計測の契機となった接触を検知した接触センサ52(以下、「特定の接触センサ52」とする。)に対応するストップスイッチ34以外の他のストップスイッチ34が停止操作されたとき(他のストップスイッチ34からの操作信号が入力されたとき)に、時間の計測を終了する。
【0054】
なお、無効タイマは、正解の操作順序に沿って他のストップスイッチ34が停止操作されたときに、時間の計測を終了するようにしてもよい。
(停止操作無効手段170)
停止操作無効手段170は、所定の状況下で、所定のストップスイッチ34が停止操作されたときに、当該停止操作によって回転リール45の回転が停止しないように当該停止操作を無効にするものである。
ここで、「当該停止操作を無効にする」とは、各ストップスイッチ34からの操作信号が入力されても、対応する回転リール45の回転が停止しないようにすることである。具体的には、プログラム上の処理によって停止制御が行われないようにすることもできるし、ハードウェアによる構成によって停止制御が行われないようにすることもできる。たとえば、リールユニット40のステッピングモータへのパルス信号の供給を停止しない(継続する)ようにプログラム上の処理を行うことができる。
【0055】
また、たとえば、ストップスイッチ34の各押下センサ51と停止制御手段120とをつなぐ電気的接続経路中に、所定の信号遮断手段を設け、この信号遮断手段が作動しているときには押下センサ51の操作信号が停止制御手段120に通達せず、信号遮断手段が非作動のときには押下センサ51の操作信号が停止制御手段120に通達するように形成することができる。さらに、信号遮断手段は、電気回路中に設けた論理回路手段やスイッチ手段などとすることができる。
そして、本実施の形態では、停止操作無効手段170は、原則として、各回転リール45の回転が停止してから次遊技において回転リール45の回転が開始するまでの間は、各ストップスイッチ34が停止操作されても(すなわちストップスイッチ34からの操作信号が入力されても)、当該停止操作を無効にする。当然のことであるが、回転リール45の回転停止中はストップスイッチ34は効かない。
【0056】
また、停止操作無効手段170は、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後においても、各回転リール45が所定の定常速度で定速回転するまでの間は、各ストップスイッチ34が停止操作されても、当該停止操作を無効にする。そして、停止操作無効手段170は、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後、各回転リール45が所定の定常速度に達したら、停止操作の無効を解除する。たとえば、停止操作無効手段170は、信号遮断手段を非作動状態にして、各ストップスイッチ34からの操作信号が停止制御手段120に出力されるようにすることができる。
停止操作の無効が解除された後は、各ストップスイッチ34からの操作信号が有効なものとして取り扱われ、停止制御手段120により、対応する回転リール45に対して停止制御が行われる。
【0057】
さらに、本実施の形態では、停止操作無効手段170は、時計測手段160により無効時間が計測されている場合に、無効時間が経過する前に、無効時間の計測の契機となった接触を検知した特定の接触センサ52に対応するストップスイッチ34が停止操作されたときに、当該操作を無効にする。すなわち、本実施の形態では、各回転リール45が所定の定常速度に達して停止操作の無効が解除されても、上記した条件下で停止操作を無効にする。
ここで、停止操作されたストップスイッチ34が、「特定の接触センサ52に対応するストップスイッチ34」であるか否かは、以下のように判断することができる。たとえば、接触検知信号が入力されたときに、その信号がいずれの接触センサ52からの信号であるかを特定し、特定した接触センサ52に対応するストップスイッチ34を一時的に記憶する。そして、ストップスイッチ34が停止操作された場合に、その停止操作が、記憶しているストップスイッチ34と同一のものであるときに、停止操作されたストップスイッチ34が、「特定の接触センサ52に対応するストップスイッチ34」であると判断することができる。
【0058】
そして、停止操作無効手段170は、無効時間が経過したとき、又は、特定の接触センサ52に対応するストップスイッチ34以外の他のストップスイッチ34が停止操作されたときに、停止操作の無効を解除する。
なお、停止操作無効手段170は、正解の操作順序に沿って他のストップスイッチ34が操作されたときに、停止操作の無効を解除するようにしてもよい。
(演出制御手段180)
演出制御手段180は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。具体的には、演出制御手段180は、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0059】
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、AT状態が設けられている。AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。役抽選の結果に関する情報(報知の内容)としては、当選した役の情報や、当選した役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序(押し順)などがある。役抽選の結果に関する情報が報知されると、遊技者は、報知がない場合と比較してより多く、当選した役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くのメダルを獲得することができる。このため、演出状態がAT状態であるAT遊技は、通常遊技(演出状態がAT状態でなくかつ遊技状態が通常状態である遊技)よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)となっている。
【0060】
そして、本実施の形態では、演出制御手段180は、図4に示すように、AT状態制御手段190と、報知演出実行手段200とを備えている。
(AT状態制御手段190)
AT状態制御手段190は、AT状態を制御するものである。本実施の形態では、AT状態制御手段190は、AT開始信号の受信を契機に、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域にATフラグを成立させて、演出状態をAT状態に設定し、AT終了信号の受信を契機に、ATフラグを消去して、AT状態を終了する。
(報知演出実行手段200)
報知演出実行手段200は、AT状態において、報知演出を実行するものである。本実施の形態では、報知演出実行手段200は、演出状態がAT状態である場合に、役抽選によりリプレイAB役、リプレイABC役、リプレイABD役、リプレイABCD役、リプレイABCE役又はリプレイABCDE役に当選した旨の信号を受信したときに、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の正解の操作順序(特定情報)を遊技者に報知するリプレイB報知演出(特定報知演出)を実行する。
【0061】
また、報知演出実行手段200は、演出状態がAT状態である場合に、役抽選により左中右ベル役、左右中ベル役、中ベル役、右中左ベル役又は右左中ベル役に当選した旨の信号を受信したときに、ベル役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の正解の操作順序(特定情報)を遊技者に報知するベル報知演出(特定報知演出)を実行する。
(スロットマシン10の動作)
以下、図11〜図13に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の遊技制御装置21における処理であるメイン制御処理であって、AT中フラグが成立しておりかつ役抽選によりベル役に関する当選領域又はリプレイB役を含む再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合のメイン制御処理について説明する。
【0062】
図11に示すステップ100において、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されるとステップ101に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ100となる。
ステップ101において、役抽選手段100により、役抽選が行われる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、回転制御手段110により、すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、各回転リール45が所定の定常速度に達したか否かが判断される。ここで、所定の定常速度に達したと判断されると、ステップ104に進む。一方、所定の定常速度に達していないと判断されると、再びステップ103となる。
【0063】
ステップ104において、停止操作無効手段170により、各ストップスイッチ34の停止操作の無効が解除される。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、接触センサ52からの接触検知信号の入力を監視するセンサ監視処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、無効時間が経過したことに基づいて停止操作の無効を解除する無効解除処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、いずれかのストップスイッチ34が停止操作されたか否かが判断される。ここで、停止操作されたと判断されると、ステップ108に進む。一方、停止操作されていないと判断されると、ステップ105に戻る。
【0064】
ステップ108において、無効時間が経過したこと、又は、無効時間の計測の契機となった接触を検知した特定の接触センサ52に対応するストップスイッチ34以外の他のストップスイッチ34が停止操作されたとことに基づいて、当該ストップスイッチ34に対して、停止操作の無効が解除されているか否かが判断される。ここで、解除されていると判断されると、ステップ109に進む。一方、解除されていないと判断されると、ステップ105に戻る。これにより、当該停止操作が無効にされる。
ステップ109において、停止制御手段120により、停止操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ110に進む。
【0065】
ステップ110において、停止操作無効手段170により、停止操作されたストップスイッチ34が無効化される。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、無効時間を計測中であることに基づいて無効化されているストップスイッチ34がある場合には、停止操作無効手段170により、当該ストップスイッチ34の停止操作の無効が解除される。そして、次のステップ112に進む。なお、無効化されているストップスイッチ34がない場合には、当該処理は行われず、次のステップ112に進む。
ステップ112において、いずれかの無効タイマが時間を計測中である場合に、当該無効タイマがリセットされ、時間の計測が終了される。そして、次のステップ113に進む。なお、いずれの無効タイマも時間を計測していない場合には、当該処理は行われず、次のステップ113に進む。
【0066】
ステップ113において、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ114に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ105に戻る。
ステップ114において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われる。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。また、たとえば、いずれかの再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。また、たとえば、通常状態においてリプレイB役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態がRT状態へ移行され、RT状態においてリプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態が通常状態へ移行される。そして、当該遊技が終了する。
【0067】
つぎに、上述したステップ105のセンサ監視処理について説明する。
図12に示す200において、いずれかの接触センサ52が接触を検知したか否か、具体的にはいずれかの接触センサ52から接触検知信号が入力されたか否かが判断される。ここで、検知したと判断されると、ステップ201に進む。一方、検知していないと判断されると、当該センサ監視処理が終了する。
ステップ201において、操作順序判定手段により、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作が当該遊技における一番目〜三番目の停止操作のうちのいずれに相当するかが、接触を検知した接触センサ52に対応する回転リール45以外の他の回転リール45に対する停止制御の有無により、特定される。そして、次のステップ202に進む。
【0068】
ステップ202において、操作順序判定手段により、操作順序判定テーブルが参照されて、役抽選の結果に基づいて、特定したストップスイッチ34の仮停止操作が正解の操作順序に沿ったものであるか否かを判定する仮停止操作判定処理が行われる。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、特定したストップスイッチ34の仮停止操作が正解の操作順序に沿ったものではないと判定された場合には、ステップ204に進む。一方、特定したストップスイッチ34の仮停止操作が正解の操作順序に沿ったものであると判定された場合には、当該センサ監視処理が終了する。
【0069】
ステップ204において、接触を検知した接触センサ52に応じた無効タイマにより、無効時間の計測が開始される。そして、当該センサ監視処理が終了する。
つぎに、上述したステップ106の無効解除処理について説明する。
図13に示すステップ300において、無効時間が経過したか否かが判断される。ここで、経過したと判断されると、ステップ301に進む。一方、経過していないと判断されると、当該無効解除処理が終了する。
ステップ301において、停止操作無効手段170により、無効時間の計測の契機となった接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の停止操作の無効が解除される。そして、次のステップ302に進む。
【0070】
ステップ302において、無効タイマがリセットされ、無効時間の計測が終了される。そして、当該無効解除処理が終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、正解の操作順序に沿ってストップスイッチ34が停止操作されなかった場合には、当該ストップスイッチ34の接触を接触センサ52が検知したときから無効時間の計測を開始して、当該ストップスイッチ34の停止操作を一定時間無効にする。これにより、報知演出(リプレイB報知演出又はベル報知演出)に気づかずに、或いは報知演出を認識はしたが誤って正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34の一番目(及び二番目)の停止操作を行ってしまっても、停止操作したストップスイッチ34に対応する回転リール45の回転は停止しないので、報知された正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作してしまうという事態を回避することができる。
【0071】
すなわち、本実施の形態によれば、報知された操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作してしまうことを防止することができ、ユーザーインターフェイス環境を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ベル役に当選したときは、正解の操作順序でストップスイッチ34の停止操作を行った場合の方が、正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34の停止操作を行った場合よりも、多くのメダルを獲得できるようになっている。
また、遊技状態が通常状態であるAT遊技において、再遊技役に関する重複当選領域に当選したときに、報知された正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作すると、遊技状態がRT状態へ移行できずに、1セット分のAT遊技が消滅するといった事態が起こり得る。
【0072】
また、遊技状態がRT状態であるAT遊技において、再遊技役に関する重複当選領域に当選したときに、報知された正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作すると、遊技状態が通常状態へ転落するといった事態が起こり得る。
しかしながら、本実施の形態によれば、報知された正解の操作順序とは異なる操作順序でストップスイッチ34を停止操作することによる、上記したメダルのロスや、1セット分のAT遊技のロスや、遊技状態の転落といった事態を防止することができる。
また、本実施の形態よれば、無効時間が経過したとき、又は、無効時間の計測の契機となった接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34以外のストップスイッチ34が停止操作されたときに、停止操作の無効を解除するので、遊技者は、無用なストレスを感じることなくあらためて停止操作をやり直することができるようになる。
【0073】
ところで、通常のスロットマシン10では、回転リール45が所定の定常速度に達したら停止操作の無効が解除され停止操作が有効になり、有効になったストップスイッチ34が停止操作されたときには、対応する回転リール45の回転は停止するものとなっている。
ここで、上述した特許文献1に記載のスロットマシンでは、この本来的に有効な停止操作を、停止操作のタイミングに応じて有効なものとして取り扱ったり無効なものとして取り扱ったりしている。これは、遊技の公正を妨げる恐れがある。
一方、本実施の形態では、接触センサ52が接触を検知したことを契機として無効時間の計測を開始して、その無効時間が経過するまでの間の当該ストップスイッチ34の停止操作を無効にする。すなわち、接触センサ52の検知を契機に当該ストップスイッチ34は一旦無効化され、当該ストップスイッチ34が停止操作されたときには、有効ではないストップスイッチ34が停止操作されたことになる。有効ではないストップスイッチ34の停止操作を無効にすることは、たとえば回転リール45が所定の定常速度に達する前の停止操作が無効となる(効かない)ことと同様であるから、本実施の形態によれば、遊技の公正を妨げる恐れがない。
【0074】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、図14〜図17に基づいて説明する。
本実施の形態は、入賞ライン、各回転リール45における図柄の配列、役抽選テーブルなどが、上記第1の実施の形態とは相違する。以下、相違点を中心に本発明の第2の実施の形態を説明する。
(入賞ライン)
本実施の形態では、入賞ラインとして、特に図示していないが、上段の3個の図柄を通る上段入賞ラインと、中段の3個の図柄を通る中段入賞ラインと、下段の3個の図柄を通る下段入賞ラインと、左下・中央・右上の3個の図柄を通る右上り入賞ラインと、左上・中央・右下の3個の図柄を通る右下り入賞ラインとが設けられている。
【0075】
(図柄の配列)
本実施の形態では、各回転リール45(46,47,48)の周囲には、図14に示すように、「赤7A」、「赤7B」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「ベル」「赤チェリー」及び「青チェリー」の図柄が付されている。
(役)
本実施の形態では、小役には、図15に示すように、赤7プラム役(特定役)、青7プラム役(特定役)及びBARプラム役(特定役)などがある。たとえば、赤7プラム役は、「赤7A」「プラム」「プラム」の図柄の組み合わせにより構成される。
【0076】
(役抽選テーブル)
本実施の形態では、通常役抽選テーブル及びRT役抽選テーブルのそれぞれには、図16に示すように、赤7プラム役、青7プラム役、BARプラム役、ベル役、赤チェリー役及び青チェリー役のそれぞれの単独当選領域がそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
(停止制御手段120)
本実施の形態では、図14に示すように、左リール46においては、「赤7A」、「青7」及び「BAR」の図柄が互いに6コマの間隔を空けて配列されているため、これらの図柄のうち2個以上の図柄を同時に有効入賞ライン上に引き込むことはできない。また、中リール47及び右リール48においては、それぞれ、「プラム」の図柄が4コマ以内に配列されている。このため、赤7プラム役、青7プラム役及びBARプラム役を構成する図柄の組み合わせは、それぞれ、左停止スイッチ56の停止操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示されるものとなっている。
【0077】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により赤7プラム役、青7プラム役又はBARプラム役に当選した場合に、当該当選した役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることが可能なタイミング(特定の操作態様)、すなわち当該当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能なタイミング(特定のタイミング)でストップスイッチ34が停止操作されたときに、当該当選した役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるように、回転リール45の回転を停止させる。これに対して、停止制御手段120は、当該当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能なタイミング以外のタイミング、すなわち当該当選した役を構成する図柄を引き込むことが不可能なタイミングでストップスイッチ34が停止操作されたときに、当該当選した役を構成する図柄の組み合わせをいずれの有効入賞ライン上にも停止表示させないように、回転リール45の回転を停止させる。
【0078】
(時計測手段160)
時計測手段160は、AT中フラグが成立しておりかつ役抽選により赤7プラム役(特定役)、青7プラム役(特定役)又はBARプラム役(特定役)に当選した遊技において、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後にいずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、この検知のタイミングをもって対応するストップスイッチ34が停止操作されたものとして仮定した場合の停止操作のタイミング(以下、「仮停止操作のタイミング」とする。)が当該当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能な特定のタイミング(特定の操作態様)ではないことを条件として、無効時間を計測するものとなっている。
【0079】
本実施の形態では、時計測手段160は、操作時期判定手段を備えている。
(操作時期判定手段)
操作時期判定手段は、AT中フラグが成立しておりかつ役抽選により赤7プラム役、青7プラム役又はBARプラム役に当選した遊技において、遊技の開始に係るスタートスイッチ33の操作が行われた後にいずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、仮停止操作のタイミングが特定のタイミングであるか否かを判定するものである。
操作時期判定手段は、いずれかの接触センサ52が接触を検知した場合に、停止操作無効手段170により、各回転リール45が所定の定常速度に達したことに基づいて停止操作の無効が解除されいることを条件に、判定を行う。
【0080】
また、操作時期判定手段は、いずれかの接触センサ52が接触を検知した(いずれかの接触センサ52からの接触検知信号が入力された)場合に、まず、接触を検知した接触センサ52に対応する回転リール45の現在の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから当該接触検知信号が入力されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数(パルス数)に基づいて、特定する。
接触を検知した接触センサ52に対応する回転リール45の現在の回転位置を特定したら、つぎに、操作時期判定手段は、停止制御手段120の停止テーブルを参照して、当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能であるか否かを判定する。ここで、当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能であった場合には、仮停止操作のタイミングは特定のタイミングであると判定し、一方、当選した役を構成する図柄を引き込むことが不可能であった場合には、仮停止操作のタイミングは特定のタイミングではないと判定する。
【0081】
(無効タイマ)
本実施の形態では、無効タイマは、操作時期判定手段により、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作のタイミングが特定のタイミングではないと判定されたときに、時間の計測を開始する。
(報知演出実行手段200)
本実施の形態では、報知演出実行手段200は、演出状態がAT状態である場合に、役抽選により赤7プラム役、青7プラム役又はBARプラム役に当選した当選した旨の信号を受信したときに、当該当選した役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の停止操作の特定のタイミング(特定情報)を遊技者に報知する特定小役報知演出(特定報知演出)を実行する。たとえば、報知演出実行手段200は、赤7プラム役に当選したときには、特定小役報知演出として、赤7の画像を表示装置55に表示させることができる。
【0082】
以下、図17に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10のメイン制御処理について説明する。本実施の形態に係るスロットマシン10のメイン制御処理は、図11に示すステップ105のセンサ監視処理が、上記第1の実施の形態と相違する。よって、本実施の形態に係るセンサ監視処理について説明する。
図17に示すステップ400において、いずれかの接触センサ52が接触を検知したか否か、具体的にはいずれかの接触センサ52から接触検知信号が入力されたか否かが判断される。ここで、検知したと判断されると、ステップ401に進む。一方、検知していないと判断されると、当該センサ監視処理が終了する。
【0083】
ステップ401において、操作時期判定手段により、接触を検知した接触センサ52に対応する回転リール45の現在の回転位置が、対応するインデックスが検知されてから当該接触検知信号が入力されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数(パルス数)に基づいて、特定される。そして、次のステップ402に進む。
ステップ402において、操作順序判定手段により、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作のタイミングが特定のタイミングであるか否かを判定する仮停止操作判定処理が行われる。具体的には、停止テーブルが参照されて、当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能であるか否かが判定される。そして、次のステップ403に進む。
【0084】
ステップ403において、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作のタイミング特定のタイミングではないと判定された場合には、ステップ404に進む。一方、接触を検知した接触センサ52に対応するストップスイッチ34の仮停止操作のタイミング特定のタイミングであると判定された場合には、当該センサ監視処理が終了する。
(作用・効果)
このような構成としても、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
すなわち、本実施の形態では、当選した役を構成する図柄を引き込むことが可能な特定のタイミングでストップスイッチ34が停止操作されなかった場合には、当該ストップスイッチ34の接触を接触センサ52が検知したときから無効時間の計測を開始して、当該ストップスイッチ34の停止操作を一定時間無効にする。これにより、特定小役報知演出に気づかずに、或いは特定小役報知演出を認識はしたが誤って特定のタイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ34の停止操作を行ってしまっても、停止操作したストップスイッチ34に対応する回転リール45の回転は停止しないので、報知された特定のタイミングとは異なるタイミンでストップスイッチ34を停止操作してしまうという事態を回避することができる。
【0085】
すなわち、本実施の形態によれば、報知された特定のタイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ34を停止操作してしまうことを防止することができ、ユーザーインターフェイス環境を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、赤7プラム役、青7プラム役及びBARプラム役は、それぞれ、中リール47及び右リール48の図柄が同一であるので、左停止スイッチ56の停止操作を接触センサ52が検知した場合にのみ、当該左停止スイッチ56の停止操作を無効にするようにしてもよい。
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、近接検知装置として接触センサ52を設けたが、接触センサ52の代わりに、近接センサを設けてもよい。近接センサは、検知部の所定範囲内の熱や磁界の変化を感知して、感知レベルが一定基準以上の場合にスイッチON状態となるものとすることができる。この場合、近接センサは、遊技者の手指がストップスイッチ34の操作ができる程度(たとえばボタンの表面まで5〜10ミリ程度)にストップスイッチ34に近接したときに近接検知信号を出力するように形成するのが好ましい。遊技者が操作しようとしているストップスイッチ34が分かれば十分だからである。ここで、近接センサを用いる場合には、その検知部をストップスイッチ34の近傍に設けてもよい。たとえば、ストップスイッチ34の上側又は下側であって、スイッチ部分からあまり離れていない場所に設置することができる。近接センサだと、センサの検知部を、操作により移動するストップスイッチ34の操作部分に設けなくても、操作とほぼ同じタイミングを検知することができるので、検知部とセンサ基板との電気的接続が容易となるという利点がある。
【0086】
また、上述した第1の実施の形態では、報知演出(リプレイB報知演出及びベル報知演出)は、正解の操作順序の一部、たとえば一番目に停止操作すべきストップスイッチ34を遊技者に報知するようにすることができる。この場合には、一番目の停止操作が正解の操作順序に沿ったものでない場合に、当該ストップスイッチ34に対応する接触センサ52が接触を検知したときに、無効時間の計測を開始して、当該ストップスイッチ34の停止操作を無効にすることができる。
また、上述した実施の形態では、AT遊技中の停止操作を無効にするものとしたが、これに限られるものではない。たとえば、報知演出を行わない第1の遊技区間及び第2の遊技区間を設け、第1の遊技区間では、特定の操作態様とは異なる操作態様でストップスイッチ34が停止操作されたときには、当該停止操作を無効にし、第2の遊技区間では、停止操作を無効にしないようにすることができる。このようにすると、第1の遊技区間が第2の遊技区間よりも遊技者にとって有利なものとなる。また、本発明に係る停止操作を無効にする機能は、報知演出として用いることもできる。
【0087】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0088】
10 スロットマシン(遊技機) 33 スタートスイッチ
34 ストップスイッチ 45 回転リール
51 押下センサ(操作検知装置) 52 接触センサ(近接検知装置)
100 役抽選手段 120 停止制御手段
160 時計測手段 170 停止操作無効手段
200 報知演出実行手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
すべての回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各回転リールに対応して設けられ、かつ各回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、
各ストップスイッチに対応して設けられ、かつストップスイッチが操作されたことを検知する操作検知装置と、
各ストップスイッチに対応して設けられ、かつ物体がストップスイッチに近接したこと又は操作検知装置が操作を検知しない程度にストップスイッチに物体が接触したことを検知する近接検知装置と、
特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段と、
役抽選の結果及びストップスイッチが操作された時点における対応する回転リールの回転位置に基づいて、回転リールの回転を適位置で停止させる停止制御手段と、を備え、
役抽選により当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件に、所定の利益を遊技者に付与する遊技機であって、
停止制御手段は、
役抽選により特定役に当選した場合に、特定の操作態様でストップスイッチが操作されると、当該特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるように、回転リールの回転を停止させ、
役抽選により特定役に当選した場合に、特定役を構成する図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させるための補助となる特定情報を遊技者に報知する特定報知演出を実行する報知演出実行手段と、
役抽選により特定役に当選しかつ特定報知演出を実行した遊技において、遊技の開始に係るスタートスイッチの操作が行われた後にいずれかの近接検知装置が近接又は接触を検知した場合に、この検知をもって対応するストップスイッチが操作されたものとして仮定した場合の操作が特定の操作態様ではないことを条件として、予め定められた所定時間を計測する時計測手段と、
時計測手段により所定時間が計測されている場合に、所定時間が経過する前に、所定時間の計測の契機となった近接又は接触を検知した近接検知装置に対応するストップスイッチが操作されたときに、当該操作によって回転リールの回転が停止しないように当該操作を無効にする停止操作無効手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
停止操作無効手段は、
所定時間が経過したとき、又は、所定時間の計測の契機となった近接若しくは接触を検知した近接検知装置に対応するストップスイッチ(以下、「特定のストップスイッチ」とする。)以外のストップスイッチが操作されたときに、特定のストップスイッチの操作の無効を解除することを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−70808(P2013−70808A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211398(P2011−211398)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】