説明

遠隔制御装置

【課題】被遠隔制御対象体を直感的かつ容易に遠隔制御できる遠隔制御装置を提供する。
【解決手段】遠隔制御装置1は、自走車100とコントローラ200と演算部140,240とを備え、自走車100は、第1の方位基準点101に対する第2の方位基準点102の方位を検知するための方位センサ120を有し、コントローラ200は、第3の方位基準点201に対する第4の方位基準点202の方位を検知するための方位センサ220と、第3の方位基準点201を基準として、自走車100を移動させる移動方向を演算部240に入力するための操作用レバー260とを有し、演算部140,240は、方位センサ120によって検知された方位と、方位センサ220によって検知された方位と、操作用レバー260によって入力された移動方向とに基づいて、自走車100を、第1の方位基準点101を基準として移動方向に向かって移動させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遠隔制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラジコンや自走車両、ロボットなどの制御においては、リモートコントローラを用いた遠隔制御が行われている。
【0003】
例えば、特開平7−67014号公報(特許文献1)には、リモコン装置で操作されるビデオカメラが記載されている。このビデオカメラは、リモコン装置から赤外光が送信される方向を方位センサが検知して、ビデオカメラの鏡枠をリモコン装置の方向に向けるように構成されている。
【特許文献1】特開平7−67014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開平7−67014号公報(特許文献1)に記載されているビデオカメラは、リモコン装置を追尾するように、赤外線が発せられた方向に鏡枠を向けるように、ビデオカメラ本体が動かされるものである。一方、例えば、自走式車両やロボットを遠隔制御する際には、自走式車両等は、リモコン装置を追尾するだけでなく、リモコン装置から発せられた制御信号に基づいて、リモコン装置の位置や向きと一致しない方向にも移動する必要がある。
【0005】
このような自走式車両等を遠隔制御する場合には、遠隔制御装置の使用者は、リモートコントローラを自らの正面側で保持して、自走式車両等を遠隔制御することが多い。このとき、自走式車両等の正面と、使用者の正面とは、同じ方向を向いていないことが多い。自走式車両の正面と、使用者の正面とが同じ方向を向いていない場合には、使用者は、遠隔制御している自走式車両の正面がどの方向を向いているのかを常に考慮しながら、リモートコントローラの操作を行わなければ、自走式車両等を正確に操作することができない。例えば、使用者がリモートコントローラのカーソルやレバーを動かす方向で自走式車両等の被遠隔制御体の移動方向を制御する遠隔制御装置を使用するとき、被遠隔制御対象体の正面が北を、リモートコントローラ等の遠隔制御体を正面に持つ使用者が西を向いており、被遠隔制御対象体を東に直進させようとする場合を考える。使用者は、被遠隔制御対象体を自らの前方向から後方向に向かって移動させることになるので、直感的には、リモートコントローラのカーソルやレバーを手前から背後に向かって動かすことが考えられる。しかしながら、被遠隔制御対象体の正面は北を向いているので、使用者は、リモートコントローラのカーソルやレバーを北向きに動かさなければ、被遠隔制御対象体を東向きに動かすことはできない。
【0006】
このように、被遠隔制御対象体と遠隔制御体の姿勢の差異を考慮しながら自走式車両の制御を正確に行うことは、熟練を要するものである。また、遠隔制御体を操作している使用者が被遠隔制御対象体を見ることができない場合には、被遠隔制御対象体を正確に移動させることが非常に困難になる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、被遠隔制御対象体の遠隔制御を、直感的かつ容易に行うことが可能な遠隔制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従った遠隔制御装置は、被遠隔制御対象体と、遠隔制御体と、制御部とを備え、被遠隔制御対象体は、第1の方位基準点と、第2の方位基準点と、第1の方位基準点に対する第2の方位基準点の方位を検知するための第1の方位検知手段を有し、遠隔制御体は、第3の方位基準点と、第4の方位基準点と、第3の方位基準点に対する第4の方位基準点の方位を検知するための第2の方位検知手段と、第3の方位基準点を基準として、被遠隔制御対象体を移動させる移動方向を制御部に入力するための移動方向入力手段とを有し、制御部は、第1の方位検知手段によって検知された方位と、第2の方位検知手段によって検知された方位と、移動方向入力手段によって入力された移動方向とに基づいて、被遠隔制御対象体を、第1の方位基準点を基準として、移動方向に向かって移動させるように制御する。
【0009】
被遠隔制御対象体において、第1の方位基準点に対する第2の方位基準点の方位が、例えば、北であると第1の方位検知手段によって検知され、遠隔制御体において、第3の方位基準点に対する第4の方位基準点の方位が、例えば、西であると第2の方位検知手段によって検知される場合に、使用者が、第3の方位基準点に対して第4の方位基準点を自らの正面側になるように遠隔制御体を保持しているとき、被遠隔制御対象体を自らの正面側から背面側にむかって移動させたい場合には、移動方向入力手段によって、自らの正面側から背面側に向かう方向を移動方向として入力する。
【0010】
制御部は、第1の方位基準点に対する第2の方位基準点の方位が北であり、第3の方位基準点に対する第4の方位基準点の方位が西であることと、移動方向入力手段によって入力された移動方向が、第3の方位基準点を基準にして第4の方位基準点と反対の方向であることとに基づいて、入力された移動方向が東向きであると判断し、被遠隔制御対象体を、東向き、すなわち、被遠隔制御対象体を、後進させるのではなく、時計回りに90°回転するように制御する。
【0011】
このようにすることにより、被遠隔制御対象体の遠隔制御を、直感的かつ容易に行うことが可能な遠隔制御装置を提供することができる。
【0012】
この発明に従った遠隔制御装置においては、被遠隔制御対象体および/または遠隔制御体は、重力の方向を検知するための重力方向検知手段を有することが好ましい。
【0013】
このようにすることにより、被遠隔制御対象体の移動方向と、使用者が遠隔制御体を保持している方向とを関連付けることが容易になる。
【0014】
この発明に従った遠隔制御装置においては、制御部は、遠隔制御体に配置されていることが好ましい。
【0015】
このようにすることにより、遠隔制御装置を簡単な構成にすることができる。また、被遠隔制御対象体を軽くして、移動させやすくすることができる。
【0016】
この発明に従った遠隔制御装置においては、制御部は、移動方向入力手段によって入力された移動方向を、被遠隔制御対象体の進行方向に沿った第1の方向の成分と、第1の方向に直交する第2の方向の成分とに分解して、第1の方向に分解した移動方向の成分に基づいて被遠隔制御対象体を直進させ、第2の方向に分解した移動方向の成分に基づいて被遠隔制御対象体を回転させるように、被遠隔制御対象体を制御することが好ましい。
【0017】
このようにすることにより、被遠隔制御対象体をより正確に、容易に、制御することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、この発明によれば、被遠隔制御対象体の遠隔制御を、直感的かつ容易に行うことが可能な遠隔制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、この発明の一つの実施の形態として、遠隔制御装置の構成を示す図であり、図1の(A)は自走車の全体を示す斜視図であり、図1の(B)はコントローラの全体を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、遠隔制御装置は、図1の(A)に示す被遠隔制御対象体として自走車100と、図1の(B)に示す遠隔制御体としてコントローラ200とから構成されている。自走車100とコントローラ200の制御部として演算部は、自走車100とコントローラ200の両方に、それぞれ配置されている。
【0022】
図1の(A)に示すように、自走車100は、筐体110と、筐体110の外側に取り付けられて、筐体110を床面上で移動可能に支持する車輪170と、車輪170を駆動させるための車輪駆動部160と、電池180と、演算部140と、第1の方位検知手段として方位センサ120と、重力方向検知手段として加速度センサ130とから構成されている。演算部140には、自走車100がコントローラ200と通信するための無線通信手段が含まれる。加速度センサ130は、3軸方向の加速度を出力することが可能なセンサであり、主に重力の方向を検出するために用いられる。方位センサ120は、自走車100の中心に対する自走車100の正面側の方位を検知する。
【0023】
図1の(B)に示すように、コントローラ200は、筐体210に覆われており、移動方向入力手段として操作用レバー260と、電源ボタン280とが筐体210の外部から使用者によって操作可能であるように配置されている。操作用レバー260は、使用者が保持して、静止位置を中心にして、先端を周囲に向けて倒すことができるように構成されている。操作用レバー260は、倒された方向を、アナログ値の成分を持つベクトルでコントローラ200の演算部に出力することが可能である。筐体210には、目印211が付けられている。使用者は、コントローラ200を保持するときには、目印211を前方に向けて保持する。
【0024】
図2は、コントローラの内部を示す斜視図である。
【0025】
図2に示すように、筐体210の内部には、第2の方位検知手段として方位センサ220と、重力方向検知手段として加速度センサ230と、演算部240と、電池270と、電源ボタン280とが配置されている。演算部240には、コントローラ200が自走車100と通信するための無線通信手段が含まれる。加速度センサ230は、自走車100が有する加速度センサ130と同様のセンサである。方位センサ220は、コントローラ200の中心に対する目印211の方位を検知する。
【0026】
図3は、自走車の全体を、自走車に固定された座標系とともに示す斜視図である。
【0027】
図3に示すように、自走車100は、第1の方位基準点101と、第2の方位基準点102とを有する。第1の方位基準点101は、自走車100のほぼ中心とする。第2の方位基準点102は、第1の方位基準点101に対して、自走車100の正面側に位置する。自走車100に拘束される座標系{A}では、第1の方位基準点101から第2の方位基準点102に向かう方向に沿ってY軸が配置され、鉛直上向きにZ軸が配置される。方位センサ120は、Y軸の向きを検知する。Z軸の向きは、加速度センサ130によって検知される重力加速度の方向によって定められる。X軸は、Y軸とZ軸に直交する。Y軸の方向は、自走車100の進行方向に沿った第1の方向の一例であり、X軸の方向は、第2の方向の一例である。
【0028】
図4は、コントローラの全体を、コントローラに固定された座標系とともに示す斜視図である。
【0029】
図4に示すように、コントローラ200は、第3の方位基準点201と、第4の方位基準点202を有する。第3の方位基準点201は、操作用レバー260の軸の位置である。第4の方位基準点202は、目印211の中心に位置する。コントローラ200に拘束される座標系{B}では、第3の方位基準点201から第4の方位基準点202に向かう方向にY軸が配置され、操作用レバー260の軸に沿って、鉛直上向きに、Z軸が配置される。方位センサ220は、Y軸の向きを検知する。Z軸の向きは、加速度センサ230によって検知される重力加速度の方向によって定められる。X軸は、Y軸とZ軸に直交する。
【0030】
このように、加速度センサ130,230が重力加速度を検知して、重力加速度の方向にZ軸とZ軸を定めることによって、座標系{A}と座標系{B}を関連付けることが容易になる。
【0031】
図5は、自走車に拘束される座標系と、コントローラに拘束される座標系との関係を示す図である。
【0032】
図5に示すように、遠隔制御装置1は、自走車100とコントローラ200とから構成されている。自走車100に拘束される座標系を座標系{A}、コントローラ200に拘束される座標系を座標系{B}とし、鉛直上向きにZ軸、北向きにY軸、東向きにX軸を合わせた座標系をワールド座標系{W}とする。座標系{A}は、座標系{W}に対してZ軸を中心に反時計回りに角度α傾いており、座標系{B}は、座標系{W}に対してZ軸を中心に時計回りに角度β傾いているとする。
【0033】
図6は、遠隔制御装置の制御関連の構成を示すブロック図である。
【0034】
図6に示すように、遠隔制御装置1の自走車100においては、加速度センサ130と方位センサ120は、演算部140に制御信号を送信する。演算部140は、車輪駆動部160に制御信号を送信する。コントローラ200においては、操作用レバー260と、方位センサ220と、加速度センサ230は、演算部240に制御信号を送信する。自走車100の演算部140の無線通信手段150と、コントローラ200の演算部240の無線通信手段250とは、無線によって制御信号の送受信を行なう。
【0035】
図1から図6を用いて、自走車100の遠隔制御方法を説明する。
【0036】
自走車100において、加速度センサ130が重力加速度の方向を検知すると、加速度センサ130は自走車100の演算部140に制御信号を送信し、演算部140がZ軸を決定する。また、方位センサ120が、第1の方位基準点101からみた第2の方位基準点102の方角を検知して、演算部140がY軸を決定する。自走車100の演算部140の無線通信手段150は、Z軸とY軸についての情報を含む姿勢情報aをコントローラ200の演算部240の無線通信手段250に送信する。
【0037】
コントローラ200においては、加速度センサ230が重力加速度の方向を検知すると、加速度センサ230がコントローラ200の演算部240に制御信号を送信し、演算部240がZ軸を決定する。また、方位センサ220が、第3の方位基準点201から見た第4の方位基準点202の方角を検知して、演算部240に制御信号を送信し、演算部240がY軸を決定する。演算部240は、Z軸とY軸についての情報を含む姿勢情報bを記憶する。
【0038】
遠隔制御装置1の使用者が、コントローラ200の操作用レバー260をいずれかの方向に倒すと、操作用レバー260は、操作用レバー260が倒された方向を移動方向として、座標系{B}におけるベクトルとして演算部240に入力する。演算部240は、操作用レバー260によって入力された移動方向のベクトルを、X軸方向の成分とY軸方向の成分に分解する。操作用レバー260によって入力された移動方向のベクトルとその成分は、次の式1のように表される。
【0039】
【数1】

【0040】
次に、演算部240は、操作用レバー260によって入力された、座標系{B}で表されている移動方向の成分(γxB,γyB)を、自走車100に拘束される座標系{A}の成分に変換する。
【0041】
演算部240は、自走車100から受信した自走車100の姿勢情報aと、コントローラ200の姿勢情報bとを比較して、座標系{B}で表された移動方向を座標系{A}で表す。演算部240は、座標系{B}で表された移動方向を座標系{A}で表すために、座標系{B}を座標系{W}に変換し、座標系{W}を座標系{A}に変換する回転行列を含む、次の式2を用いて座標系の変換を行なう。
【0042】
【数2】

【0043】
このようにして、コントローラ200の演算部240は、操作用レバー260によって入力された移動方向を、コントローラ200に拘束された座標系{B}における成分(γxB,γyB)から、自走車100に拘束された座標系{A}における成分(γxA,γyA)に変換することができる。
【0044】
次に、演算部240は、このようにして変換した成分(γxA,γyA)に基づいて、自走車100の直進方向速度と、回転角速度とを求める。演算部240は、式3によって、γyAに基づいて直進方向速度υ(m/秒)を求める。また、γxAに基づいて、回転角速度ω(rad/秒)を求める。ただし、次の式3において、υ>0、ω>0とする。
【0045】
【数3】

【0046】
コントローラ200の演算部240は、υとωの値を制御信号として、無線通信手段250を通して、自走車100の演算部140の無線通信手段150に送信する。自走車100の演算部140は、受信したυの値に基づいて自走車100を直進させ、ωの値に基づいて自走車100を回転させるように、車輪駆動部160を制御する。
【0047】
図5に示すように、自走車100に拘束される座標系{A}が座標系{W}に対して反時計回りに角度α傾いており、コントローラ200に拘束される座標系{B}が座標系{W}に対して時計回りに角度β傾いている場合、使用者が操作用レバー260を通して入力した移動方向の成分(γxB,γyB)を、そのままγxBをγxA、γyBをγyAとして自走車100に入力すれば、自走車100は、使用者が操作用レバー260を傾けた方向から角度(α+β)だけ傾いた方向に移動してしまう。
【0048】
そこで、このように制御することによって、使用者が操作用レバー260を任意の方向に傾け続ければ、自走車100は、操作用レバー260によって入力される移動方向と、自走車100に拘束される座標系{A}のY軸の方向とが一致するまで回転する。このようにすることにより、操作用レバー260を傾けるときに、角度αと角度βがどのような角度であったとしても、使用者から見て、操作用レバー260を倒して入力した移動方向に平行な方向に、自走車100が移動することになる。
【0049】
なお、自走車100は、平坦な床面や地面上を移動するものとする。また、コントローラ200は、なるべく地面に対して平行に保持されるものとする。自走車100とコントローラ200の水平が保たれているかどうかは、加速度センサ130と加速度センサ230によって検知される重力加速度の方向で判断される。自走車100またはコントローラ200が、方位センサ120または方位センサ220による方位の検知に問題が出るほど傾いている場合には、以上のような制御を中止することができる。
【0050】
以上のように、遠隔制御装置1は、自走車100と、コントローラ200と、演算部140,240とを備え、自走車100は、第1の方位基準点101と、第2の方位基準点102と、第1の方位基準点101に対する第2の方位基準点102の方位を検知するための方位センサ120を有し、コントローラ200は、第3の方位基準点201と、第4の方位基準点202と、第3の方位基準点201に対する第4の方位基準点202の方位を検知するための方位センサ220と、第3の方位基準点201を基準として、自走車100を移動させる移動方向を演算部240に入力するための操作用レバー260とを有し、演算部140,240は、方位センサ120によって検知された方位と、方位センサ220によって検知された方位と、操作用レバー260によって入力された移動方向とに基づいて、自走車100を、第1の方位基準点101を基準として、移動方向に向かって移動させるように制御する。
【0051】
自走車100において、第1の方位基準点101に対する第2の方位基準点102の方位が、例えば、北であると方位センサ120によって検知され、コントローラ200において、第3の方位基準点201に対する第4の方位基準点202の方位が、例えば、西であると方位センサ220によって検知される場合に、使用者が、第3の方位基準点201に対して第4の方位基準点202を自らの正面側になるようにコントローラ200を保持しているとき、自走車100を自らの正面側から背面側にむかって移動させたい場合には、操作用レバー260によって、自らの正面側から背面側に向かう方向を移動方向として入力する。
【0052】
演算部140,240は、第1の方位基準点101に対する第2の方位基準点102の方位が北であり、第3の方位基準点201に対する第4の方位基準点202の方位が西であることと、操作用レバー260によって入力された移動方向が、第3の方位基準点201を基準にして第4の方位基準点202と反対の方向であることとに基づいて、入力された移動方向が東向きであると判断し、自走車100を、東向き、すなわち、自走車100を、後進させるのではなく、時計回りに90°回転するように制御する。
【0053】
このようにすることにより、自走車100の遠隔制御を、直感的かつ容易に行うことが可能な遠隔制御装置1を提供することができる。
【0054】
また、遠隔制御装置1においては、自走車100およびコントローラ200は、重力の方向を検知するための加速度センサ130と加速度センサ230を有する。
【0055】
このようにすることにより、自走車100の移動方向と、使用者がコントローラ200を保持している方向とを関連付けることが容易になる。
【0056】
また、遠隔制御装置1においては、演算部240は、コントローラ200に配置されている。
【0057】
このようにすることにより、遠隔制御装置1を簡単な構成にすることができる。また、自走車100を軽くして、移動させやすくすることができる。
【0058】
また、遠隔制御装置1においては、演算部140,240は、操作用レバー260によって入力された移動方向を、自走車100の進行方向に沿った第1の方向の成分γyAと、第1の方向に直交する第2の方向の成分γxAとに分解して、第1の方向に分解した移動方向の成分γyAに基づいて自走車100を直進させ、第2の方向に分解した移動方向の成分γxAに基づいて自走車100を回転させるように、自走車100を制御する。
【0059】
このようにすることにより、自走車100をより正確に、容易に、制御することができる。
【0060】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の一つの実施の形態として、遠隔制御装置の構成を示す図であり、図1の(A)は自走車の全体を示す斜視図であり、図1の(B)はコントローラの全体を示す斜視図である。
【図2】コントローラの内部を示す斜視図である。
【図3】自走車の全体を、自走車に固定された座標系とともに示す斜視図を示す図である。
【図4】コントローラの全体を、コントローラに固定された座標系とともに示す斜視図を示す図である。
【図5】自走車に拘束される座標系と、コントローラに拘束される座標系との関係を示す図である。
【図6】遠隔制御装置の制御関連の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0062】
1:遠隔制御装置、100:自走車、101:第1の方位基準点、102:第2の方位基準点、120,220:方位センサ、130,230:加速度センサ、140,240:演算部、200:コントローラ、201:第3の方位基準点、202:第4の方位基準点、260:操作用レバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被遠隔制御対象体と、遠隔制御体と、制御部とを備え、
前記被遠隔制御対象体は、第1の方位基準点と、第2の方位基準点と、前記第1の方位基準点に対する前記第2の方位基準点の方位を検知するための第1の方位検知手段を有し、
前記遠隔制御体は、第3の方位基準点と、第4の方位基準点と、前記第3の方位基準点に対する前記第4の方位基準点の方位を検知するための第2の方位検知手段と、前記第3の方位基準点を基準として、前記被遠隔制御対象体を移動させる移動方向を制御部に入力するための移動方向入力手段とを有し、
前記制御部は、前記第1の方位検知手段によって検知された方位と、前記第2の方位検知手段によって検知された方位と、前記移動方向入力手段によって入力された前記移動方向とに基づいて、前記被遠隔制御対象体を、前記第1の方位基準点を基準として、前記移動方向に向かって移動させるように制御する、遠隔制御装置。
【請求項2】
前記被遠隔制御対象体および/または前記遠隔制御体は、重力の方向を検知するための重力方向検知手段を有する、請求項1に記載の遠隔制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記遠隔制御体に配置されている、請求項1または請求項2に記載の遠隔制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動方向入力手段によって入力された前記移動方向を、前記被遠隔制御対象体の進行方向に沿った第1の方向の成分と、前記第1の方向に直交する第2の方向の成分とに分解して、前記第1の方向に分解した前記移動方向の成分に基づいて前記被遠隔制御対象体を直進させ、前記第2の方向に分解した前記移動方向の成分に基づいて前記被遠隔制御対象体を回転させるように、前記被遠隔制御対象体を制御する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の遠隔制御装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−157866(P2009−157866A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338639(P2007−338639)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】