説明

遮断されたノズルの検出及び改善方法及びシステム

【課題】遮断されたノズルを改善する機構及び手法を提供すること。
【解決手段】圧縮機に直列に接続された第1及び第2のタービン間に設置される固着ノズルシステムを制御するシステム及び方法。本方法は、ノズルシステムが固着したか否かを判定する段階と、ノズルシステムが固着したときに最小速度指令を増大するよう第1のタービンに指示する段階と、ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、ノズルシステムが固着したときに入口ブリード加熱(IBH)流量を現在値から最大値まで増大するよう圧縮機に指示する段階と、ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、ノズルシステムが固着したときに入口ガイドベーン(IGV)角を現在値から最大値まで増大させるよう圧縮機に指示する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題の実施形態は、全体的に方法及びシステムに関し、より詳細には、遮断されたノズルを改善する機構及び手法に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、流体加圧、流体/ガス流エネルギーの電気エネルギーへの転換、流体液化、その他を実施するために石油及びガス産業において広く使用されている。このような1つの機械は、図1に示すようなガスタービン2である。最新のガスタービンは、圧縮機4、燃焼室6、及び該燃焼室6により提供される高温パーティクルから運動エネルギーを抽出するよう構成された複数の段8及び10(例えば、直列接続の複数の膨張器)を含み、各段は流れ媒体のパーティクルの速度を低下させる。
【0003】
図1に示すガスタービン2の2つの段は、高圧タービン及び低圧タービンをそれぞれ含むことができる。各段は、固有インペラ(図示せず)と、固有ロータ12及び14とを有する。第1の段8は、入口18と出口20とを有する。流れ媒体(例えば、燃焼器6からの排出ガス)は、従来の方法で入口18において導入される。流れ媒体から抽出されたエネルギーは、ガスタービンによりロータ12の回転エネルギーに転換されて圧縮機4に伝達することができる。排出ガスを環境に放出する前に出口30にて該排出ガスから更にエネルギーを抽出するのが望ましい。従って、出口20からの出力媒体は、第2の段10の入口22における入力として提供される。パーティクル速度は、第2の段10において更に減速され、出口24にて出力される。第2の段10は、別の段又はシャフト14を介して負荷16に接続することができる。
【0004】
種々のガスタービンは、第1の段8と第2の段10との間で可変の幾何形状のノズルシステム26を使用している。ノズルシステム26は、高圧タービン8と低圧タービン10との間でエンタルピーを分割させるために回転するよう構成された複数のノズルを含む。
【0005】
しかしながら、ノズルシステムが誤動作する可能性があり、すなわち、複数のノズルの1つ又はそれ以上がノズルシステム又はガスタービンの別の部分に固着し、他のノズルが回転できなくなり、入力媒体のエンタルピー分割が制御不能になる可能性がある。
【0006】
従って、上述の問題及び欠点を回避するシステム及び方法を提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0007】
1つの例示的な実施形態によれば、圧縮機に直列に接続された第1及び第2のタービン間に設置される固着ノズルシステムを制御する方法が提供される。本方法は、ノズルシステムが固着したか否かを判定する段階と、ノズルシステムが固着したときに最小速度指令を増大するよう第1のタービンに指示する段階と、ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、ノズルシステムが固着したときに入口ブリード加熱(IBH)流量を現在値から最大値まで増大するよう圧縮機に指示する段階と、ノズルシステムが引き続いて固着しているか否かを検証する段階と、ノズルシステムが固着したときに入口ガイドベーン(IGV)角を現在値から最大値まで増大させるよう圧縮機に指示する段階と、を含む。
【0008】
別の例示的な実施形態によれば、固着ノズルを改善するよう構成されたシステムが提供される。本システムは、媒体を加圧するよう構成された圧縮機を備え、該圧縮機が、加圧媒体の一部を圧縮機の入口に戻すことができる入口ブリード加熱(IBH)機構と、圧縮機の入口への媒体流を制御するよう構成された入口ガイドベーン(IGV)機構と、を含む。本システムはまた、圧縮機に流体接続され、加圧媒体を燃料と混合して点火した後に排出ガスを生成するよう構成された燃焼器と、燃焼器に直列に接続された第1及び第2のタービンと、ノズルを含み、第1のタービンと前記第2のタービンとの間でエンタルピーの分割を調整するよう構成されたノズル機構と、第1のタービン、IBH機構、及びIGV機構に接続され、第1のタービンの最少速度指令、IBH流量、及びIGV角を増大させてノズル機構を固着解除するよう構成されたコントローラと、を備える。
【0009】
更に別の例示的な実施形態によれば、コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体が提供され、該命令は、実行されたときに、圧縮機に直列に接続された第1及び第2のタービン間に設置される固着ノズルシステムを制御する方法を実施する。上記方法は、上記で検討した方法と同様である。
【0010】
他の例示的な実施形態によれば、上記で検討した方法は、IGV角を現在値から最大値まで増分的に増大させること、又はIGV角の増分的増大の間にノズルシステムが依然として固着しているか否かを検出すること、又はノズルシステムが固着解除されたときにIGV角の増分的増大をストップすること、又はノズルシステムが固着解除されたときに第1のタービンの速度、IBH流量、及びIGV角の増大した値を現在値に戻すことの何れかのステップを含むことができる。
【0011】
本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、1つ又はそれ以上の実施形態を例証しており、本明細書と共にこれらの実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のガスタービンの概略図。
【図2】1つの例示的な実施形態によるガスタービンの概略図。
【図3】1つの例示的な実施形態によるノズルシステムの概略図。
【図4】1つの例示的な実施形態による固着ノズル機構の制御を復帰させる方法のフローチャート。
【図5】1つの例示的な実施形態による出力に対するノズル機構角を示すグラフ。
【図6】1つの例示的な実施形態による固着ノズル機構の制御を復帰させる方法のフローチャート。
【図7】ガスタービンを制御するコントローラの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面における同じ参照符号は同じ又は同様の要素とみなされる。以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の請求項によって定義される。以下の実施形態は、簡単にするために、2つの段のガスタービンの用語及び構造に関して検討する。しかしながら、次に検討される実施形態は、これらのシステムに限定されず、ノズルシステムを用いて高圧タービンと低圧タービンとの間のガス膨張を制御する他のガスタービンに適用することができる。
【0014】
本明細書を通して「一実施形態」又は「実施形態」として言及することは、実施形態に関連して説明される具体的な特徴、構造、又は特性が開示される主題の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じて様々な箇所で「1つの実施形態では」又は「ある実施形態では」の表現が出現するが、必ずしも同じ実施形態について言及している訳ではない。更に、具体的な特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれ以上の実施形態においてあらゆる好適な様態で組み合わせることができる。
【0015】
例示的な実施形態によれば、ノズルシステムのノズルが移動しない時点を検出する方法が提供され、従って、本方法は、ガスタービンの第1のタービンの最小速度指令を増大させる。ノズルが依然として開放又は閉鎖させるコマンドに応答しない場合、入口ブリード加熱(IBH)流量が所定値まで増大し、ノズルを強制的に移動させる。ノズルが依然としてコマンドに応答しない場合、入口ガイドベーン(IGV)角が所定値まで増大する。ノズルの制御が復帰すると、タービンの最小速度指令及びIBH及びIGVが初期値まで低減される。
【0016】
図2に示す例示的な実施形態によれば、ガスタービン30は、第1の段31及び第2の段32を含むことができる。簡単にするために、検討するガスタービンは2つの段を有する。しかしながら、本明細書で検討される新規の特徴は、2つよりも多い段を有するガスタービンに適用される。これらの段は膨張器と呼ばれることがある。第1の段31は、入口32と出口34とを有する。上述のように、入口32にて提供される流れ媒体が膨張されて、より低エネルギーを有する出口34の第1の段から放出される。従って、ガスタービンは、流動燃焼ガスからエネルギーを抽出する回転エンジンである。ガスタービンは、タービンの他に圧縮機及び燃焼室を含む。図2は、燃焼器48に接続された出口を有する圧縮機44を示している。例えば、圧縮機44からの加圧空気は、ライン50により提供される燃料と燃焼器48内で混合されて点火される。既燃ガス(排出ガス)は高温であり、従って、運動エネルギーを蓄積している。高温の排出ガスは、ガスタービン30の第1の段31(タービン)の入口32に提供される。ガスタービンとは反対側にある軸流圧縮機はまた、例示的な実施形態を検討するための一例として用いることができる。しかしながら、簡単にするために、例示的な実施形態ではガスタービンについてのみ検討する。
【0017】
長い期間にわたって、ガスタービンの効率及び燃焼器ターンダウン能力を向上させる種々の機構が開発されてきた。このような機構は、IBH機構、IGV機構、その他を含む。以下でこれらの機構を簡潔に検討する。
【0018】
図2にはIBH機構が概略的に示されている。IBH機構36は、圧縮機を流れる出力媒体の一部を経路38に沿って分流し、これを経路40に沿って圧縮機44の入口52に再流入させる。媒体が空気である場合、分流される空気はブリード空気と呼ばれる。IBH機構36の1つの目的は、経路38に沿って流れる分流媒体が入口52における媒体の温度よりも高い温度であるときに、入口52の媒体の温度を上昇させることである。
【0019】
ガスタービンにより使用される別の機構はIGVである。IGV機構42は、圧縮機44の入口52に置かれ、圧縮機44に流入する媒体の量を制御するよう構成される。IGV42は、ある一定の範囲で回転して入口52の開放区域を増減させるよう構成された複数のベーンを含む。
【0020】
図2はまた、第1のタービン31と第2のタービン32との間に配置されたノズル機構60を示している。ノズル機構60は、第1のタービン31と第2のタービン32との間のエンタルピー分割の量を制御するよう構成される。図3は、ノズル機構60の1つの実施例を示す。ノズルシステム60は、回転リング63に接続された油圧ピストン61を含むことができ、レバーを介してノズル65全てを調節し、第1の段から流入するガスに可変区域の第2段ノズルを提供する。論理機構62は、例えば、ノズル機構60を制御するためにガスタービン30に取り付けることができ、或いは、遠隔に配置されてガスタービン30の種々の要素に接続することができる。論理機構62はまた、第1のタービン31に対する最小速度指令、圧縮機44の種々のパラメータ、及び燃焼器48の種々のパラメータを制御するよう構成することができる。
【0021】
次に、ノズルシステム(ノズルガイドベーン(NGV))の機能不全の検出及び/又はこの異常状態の改善についての方法を図4に関して検討する。図4に示す例示的な実施形態によれば、NGV故障が検出され是正される。より具体的には、ステップ400において、NGV角の値が測定される。ステップ402において、測定値NGVFBK(フィードバック値)が設定値NGVSETと比較される。所定時間においてフィードバック値と設定値との間の差違が一定の値よりも大きい場合、NGVシステム60が故障した、すなわちノズルが固着したとみなされる。1つの適用において、フィードバック値と設定値との間の差違に絶対値関数ABSが適用される。すなわち、1つの例示的な実施形態において、固着したNGVの状態は、60s前後においてABS(NGVSET−NGVFBK)>2で与えられる。
【0022】
本方法は、後続のステップの1つ又はそれ以上を実施することによってNGVシステム60の検出した故障を是正することができる。ガスタービンの論理機構62が、上述の関係に基づいてNGVシステムの故障を検出した場合、ステップ404において、論理機構は、ガスタービンに第1のタービン31の最小速度TNH指令を増大するよう指示する。論理機構62は、プロセッサ、専用電気回路、コンピュータソフトウェア、又はこれらの組み合わせとすることができる。論理機構62は、ガスタービン30全体を協働させる集中装置とすることができ、或いは、圧縮機、燃焼器、タービン、その他に分散させてもよい。論理機構62は、上述の所定値及び必要なコンピュータ命令を記憶するメモリ64(図2を参照)に接続することができる。
【0023】
論理機構62は、NGVシステム60が故障したか否かを検出するために1つ又はそれ以上のセンサ66(図2を参照)に接続することができる。センサ66は、NGVシステム60のノズルの回転角度を測定するよう構成することができる。論理機構62は、圧縮機の速度、圧縮機の吸入量、その他を制御するために圧縮機44に接続することができ、また、圧縮機からの加圧媒体と燃料との間の混合比並びに他の燃焼特性を制御するために燃焼器48に接続することができ、更に、他の機能を実施するためにタービン31、33に接続することができる。論理機構62は、最小TNH指令をより高い値まで増大させるよう構成することができ、この値は機械毎に変えることができる。1つの例示的な実施形態によれば、最小TNH指令は、現在値からより高い値までオープンループで増大させる。例えば、現在の最小TNH指令が公称値の94%である場合、この現在値は、公称値の98%まで増大することができる。ステップ406において、論理機構62は、ステップ400及び402を繰り返すことによりNGVシステムが回復されたか否かを検証する。NGVシステムの可動性が回復した場合、本方法は次には進まない。しかしながら、NGVシステムが依然として固着している場合、本方法はステップ408に進み、IBH流量が現在値から最大値まで増大される。
【0024】
1つの適用において、この最大値は全流量の7%である。ステップ408は、増分的手法で実施することができ、すなわち、IBH流量を第1の値に増大させることができ、NGVFDBが測定され、NGVシステムが依然として固着している場合、IBH値を更に第2の値まで増大させ、IBH量が最大値に増大されるまで以下同様である。換言すると、これは閉ループサイクルである。
【0025】
ステップ408及びIBH流量の値が最大値になった後、本方法はステップ410に進み、NGVシステムの可動性が回復したか否かをチェックする。これに当てはまらない場合、すなわち、NGVシステムが依然として固着している場合、本方法はステップ412に進み、IGV角が現在値から最大値まで増大される。1つの適用において、IGV角の最大値は75度である。ステップ412は、ステップ408に関して上述したように閉ループとすることができる。
【0026】
論理機構62は、最小TNH指令、IBH流量及びIGV角を順次的に増大させ、また、NGVの可動性が回復すると直ぐにこのシーケンスをストップするよう構成される。1つの例示的な実施形態において、TNH、IBH及びIGVの増大のシーケンスが続き、他のシーケンスは使用されない。
【0027】
図5には、NGV角(単位は度)とガスタービンにより生成される出力との依存性が示される。ガスタービンの出力が増大すると、NGV角は、最初に最小値に達するまで減少し、次いで、再度増大する点に留意されたい。図5のX軸の値は例示的なものであり、この例示的な実施形態に限定されない点に留意されたい。機械、負荷、及び他の要因に応じて他の数を適用してもよい。NGV角が減少すると、曲線72と固着角閾値74との交点である点70に達する。点70は、特定のガスタービン及び動作条件において、NGVシステムが故障した状態を特徴付ける。従って、ガスタービンの出力が更に増大したときに、NGV角は曲線74上で一定のままである。NGVシステムが固着していると検出されると、図4に関して説明された方法が起動され、次いで、TNH、IBH、及びIGVシーケンスが続く。図4の方法の起動を示す点は、図5の曲線76上の点78で示される。ある時点において、NGVシステムの可動性が回復されたときには、NGV角の代表的点は曲線72上に戻る。図4に示す方法は、コントローラ62においてソフトウェア形式、電気回路形式、又はこれらの組み合わせで実施することができる。1つの適用において、ソフトウェアパッチは、コントローラ62のプロセッサにより実行されたときに、図4に示すステップの1つ又はそれ以上を実行するコンピュータ命令を含むよう設計することができる。ソフトウェアパッチは、固着しているノズルを是正するために既存のガスタービンに導入することができる。
【0028】
1つ又はそれ以上の例示的な実施形態によれば、上述のように構成されたコントローラを有するシステムは、有利には、高圧シャフト速度の制御を改善し、及び/又は固着しているノズルに起因する出力制限を軽減し、及び/又はガスタービン性能の損失を縮小し、及び/又は燃焼器ターンダウン能力を向上させる。
【0029】
図6に示す例示的な実施形態によれば、燃焼器に直列に接続された第1及び第2のタービン間に導入される固着ノズルシステムを制御する方法が提供される。本方法は、ノズルシステムが固着したか否かを判定するステップ600と、ノズルシステムが固着したときに最小速度指令を増大するよう第1のタービンに指示するステップ602と、ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証するステップ604と、ノズルシステムが固着したときに入口ブリード加熱(IBH)流量を現在値から最大値まで増大するよう圧縮機に指示するステップ606と、ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証するステップ608と、ノズルシステムが固着したときに入口ガイドベーン(IGV)角を現在値から最大値まで増大させるよう圧縮機に指示するステップ610と、を含む。
【0030】
開示される例示的な実施形態は、ガスタービン又は他の機械における固着ノズルの制御を復帰させるシステム及び方法を提供する。本明細書は本発明を限定するものではない点は理解されたい。逆に、例示的な実施形態は、添付の請求項により定義される本発明の技術的思想及び範囲内に含まれる、代替形態、修正形態、及び均等形態を保護するものとする。更に、例示的な実施形態の詳細な説明において、請求項に記載された本発明を包括的に理解するために、多数の特定の詳細事項が記載されている。しかしながら、当業者であれば、種々の実施形態はこのような特定の詳細事項がなくとも実施できる点は理解されるであろう。
【0031】
図7には、限定ではなく例証として、例示的な実施形態による動作を実施可能な代表的コントローラの実施例が示されている。しかしながら、本発明の例示的な実施形態の原理は、他のコンピュータシステムにも等しく適用できる点は理解されたい。
【0032】
例示的なコントローラ700は、マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、又は他の中央処理モジュールなどの処理/制御ユニット702を含むことができる。処理ユニット702は、単一のデバイスである必要はなく、1つ又はそれ以上のプロセッサを含むことができる。例えば、処理ユニット702は、マスタープロセッサと、該マスタープロセッサと通信するよう結合された関連するスレーブプロセッサとを含むことができる。代替として、処理ユニット702は、図2に示す構造体を有することができる。
【0033】
処理ユニット702は、記憶装置/メモリ704内で利用可能なプログラムにより決定されるシステムの基本機能を制御することができる。従って、処理ユニット702は、図4及び6で説明された機能を実行することができる。より具体的には、記憶装置/メモリ704は、コントローラ上で機能及びプログラムを実施するオペレーティングシステム及びプログラムモジュールを含むことができる。例えば、プログラム記憶装置は、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュROM、プログラム可能及び/又は消去可能ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、加入者インタフェースモジュール(SIM)、無線インタフェースモジュール(WIM)、スマートカード、又は他のリムーバブルメモリデバイス、その他のうちの1つ又はそれ以上を含むことができる。プログラムモジュール及び関連する特徴はまた、インターネットなどのネットワークを介して電気的にダウンロードするような、データ信号を介してコントローラ700に転送することができる。
【0034】
記憶装置/メモリ704に記憶することができるプログラムの1つは、特定プログラム706である。上述のように、特定プログラム706は、ガスタービンの種々のセンサ又は構成要素と相互作用して、ノズル機構が固着しているか否かを判定することができる。プログラム706及び関連する特徴は、プロセッサ702により作動可能なソフトウェア及び/又はファームウェアにおいて実装することができる。プログラム記憶装置/メモリ704はまた、データ708、又は本発明の例示的な実施形態に関連する他のデータを記憶するのに用いることができる。1つの例示的な実施形態において、プログラム706及びデータ708は、不揮発性電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュROM、その他に記憶され、コントローラ700の電源が切れたときに情報が失われないようにする。
【0035】
プロセッサ702はまた、ユーザインタフェース710要素に結合することができる。ユーザインタフェース710は、例えば、液晶ディスプレイなどのディスプレイ712、キーパッド714、スピーカ716、及びマイクロフォン718を含むことができる。これら及び他のインタフェース構成要素は、当該技術分野でよく知られるようにプロセッサ702に結合される。キーパッド714は、数字のダイアリング、1つ又はそれ以上のキーに割り当てられた操作の実行を含む、様々な機能を実施する英数字キーを含むことができる。或いは、音声コマンド、スイッチ、タッチパッド/スクリーン、或いは、ポインティングデバイス、トラックボール、ジョイスティック、又は他の何れかのユーザインタフェース機構を用いたグラフィカルユーザインタフェースなどの他のユーザインタフェース機構を利用してもよい。
【0036】
コントローラ700はまた、デジタル信号プロセッサ(DSP)720を含むことができる。DSP720は、アナログ−デジタル(AD)変換、デジタル−アナログ(D/A)変換、音声符号化/復号化、暗号化/暗号解読化、エラー検出及び訂正、ビットストリーム変換、フィルタ処理、その他を含む、様々な機能を実施することができる。一般的にはアンテナ724に結合されるトランシーバ722は、無線デバイス(例えば、センサ)と関連する無線信号を送受信することができる。
【0037】
図7のコントローラ700は、本発明の例示的な実施形態の原理を適用することができるコンピュータ環境の代表的な実施例として提供される。本明細書で提供される説明から、当業者であれば、本発明が、現在公知の及び将来の種々のモバイル及び固定コンピュータ環境において等しく適用できる点は理解されるであろう。例えば、特定用途706及び関連する特徴及びデータ708は、様々な方法で記憶することができ、また様々な処理デバイス上で作動することができ、更に、追加の、又はより少ない、或いは異なるサポート回路及びユーザインタフェース機構を有する電子デバイスで実施可能とすることができる。
【0038】
本発明の例示的な実施形態の特徴及び要素は、特定の組み合わせで実施形態において説明したが、各特徴又は要素は、実施形態の他の特徴及び要素を伴わず単独で、或いは本明細書で開示される他の特徴及び要素の有無に関わりなく種々の組み合わせで用いることができる。
【0039】
本明細書は、開示された主題の実施例を用いて、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。特許保護される主題の範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0040】
30 ガスタービン
32 入口
34 出口
36 IBH機構
38 経路
42 IGV
44 圧縮機
48 燃焼器
50 ライン
52 圧縮機44の入口
60 ノズル機構
61 油圧ピストン
65 ノズル
63 回転リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機に直列に接続された第1及び第2のタービン間に設置される固着ノズルシステムを制御する方法であって、
ノズルシステムが固着したか否かを判定する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに最小速度指令を増大するよう前記第1のタービンに指示する段階と、
前記ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに入口ブリード加熱(IBH)流量を現在値から最大値まで増大するよう前記圧縮機に指示する段階と、
前記ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに入口ガイドベーン(IGV)角を現在値から最大値まで増大させるよう前記圧縮機に指示する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のタービンの最小速度指令の増大、前記IBH流量の増大、更にIGV角の増大をこのシーケンスで実施する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ノズルシステムが固着していないときには前記シーケンスをストップする段階を更に含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ノズルシステムの制御が回復されたか否かを検証することなく前記第1のタービンの最小速度指令を現在値からより高い値に増大させる段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最小速度指令が公称値の約94%であり、前記増大した最小速度指令が公称値の約98%である、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記IBH流量を現在の値から最大値まで増分的に増大させる段階と、
前記IBH流量の増分的増大の間に前記ノズルシステムが依然として固着しているか否かを検出す段階と、
を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ノズルシステムが固着解除されたときに前記IBH流量の増分的増大をストップする段階を更に含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記最大値が、圧縮機を通る最大流量の7%である、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
固着したノズルを改善するよう構成されたシステムにおいて、媒体を加圧するよう構成された圧縮機を備え、
該圧縮機が、
前記加圧媒体の一部を前記圧縮機の入口に戻すことができる入口ブリード加熱(IBH)機構と、
前記圧縮機の入口への媒体流を制御するよう構成された入口ガイドベーン(IGV)機構と、
を含み、
前記システムが更に、
前記圧縮機に流体接続され、前記加圧媒体を燃料と混合して点火した後に排出ガスを生成するよう構成された燃焼器と、
前記燃焼器に直列に接続された第1及び第2のタービンと、
前記ノズルを含み、前記第1のタービンと前記第2のタービンとの間でエンタルピーの分割を調整するよう構成されたノズル機構と、
前記第1のタービン、前記IBH機構、及び前記IGV機構に接続され、前記第1のタービンの最少速度指令、IBH流量、及びIGV角を増大させて前記ノズル機構を固着解除するよう構成されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項10】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、実行時に、圧縮機に直列に接続された第1及び第2のタービン間に設置される固着ノズルシステムを制御する方法を実施し、前記方法が、
ノズルシステムが固着したか否かを判定する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに最小速度指令を増大するよう前記第1のタービンに指示する段階と、
前記ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに入口ブリード加熱(IBH)流量を現在値から最大値まで増大するよう前記圧縮機に指示する段階と、
前記ノズルシステムが引き続き固着しているか否かを検証する段階と、
前記ノズルシステムが固着したときに入口ガイドベーン(IGV)角を現在値から最大値まで増大させるよう前記圧縮機に指示する段階と、
を含む、コンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−236895(P2011−236895A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94560(P2011−94560)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(505347503)ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ (112)
【Fターム(参考)】