部品搬送用治具
【課題】個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便なハンドリングを可能とする部品搬送用治具を提供することを目的とする。
【解決手段】ダイシングにより個片に分割されシート1に貼着保持されたLED素子2を搬送するキャリア7において、シート1の外形よりも大きな平面外形を有する平板状の本体部7aに、シート1に保持されたLED素子2を上方に露呈させる開口部7bを設け、開口部7bの周囲の本体部7aの下面にシート1の粘着層1aが貼着される貼着面7dが設けられたシート保持部7cを下方に突設し、本体部7aの両端部の下面側を搬送機構8により支持される搬送支持面7fとし、側端面を水平方向にガイドする搬送ガイド面7eとして用いる。これにより、シート1に保持された個片状態のLED素子2を安定して保持して、簡便にハンドリングすることができる。
【解決手段】ダイシングにより個片に分割されシート1に貼着保持されたLED素子2を搬送するキャリア7において、シート1の外形よりも大きな平面外形を有する平板状の本体部7aに、シート1に保持されたLED素子2を上方に露呈させる開口部7bを設け、開口部7bの周囲の本体部7aの下面にシート1の粘着層1aが貼着される貼着面7dが設けられたシート保持部7cを下方に突設し、本体部7aの両端部の下面側を搬送機構8により支持される搬送支持面7fとし、側端面を水平方向にガイドする搬送ガイド面7eとして用いる。これにより、シート1に保持された個片状態のLED素子2を安定して保持して、簡便にハンドリングすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子などシートに保持されたダイシング後の部品をハンドリングするための部品搬送用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体ウェハから切り出された個片の半導体素子をパッケージ形成用の基板に実装した後、樹脂封止して製造される。この半導体装置の製造過程において、半導体素子に形成された外部接続用の電極を清浄化する目的で、プラズマ処理が用いられる。このプラズマ処理により、大気暴露によって電極表面に生じた酸化膜や各工程において付着した有機物などの汚染膜が除去され、電極を外部と電気的に接続する際の接続性が向上する。
【0003】
プラズマ処理の適用形態は、対象とする半導体装置の種類によって異なっており、例えば半導体装置の外部接続用電極をワイヤボンディングによって接続する形式の半導体装置では、ダイシングによって個片に分割された半導体装置をリードフレームなどのパッケージング用の基板にボンディングした後に、基板をプラズマ処理装置に収容して減圧下で基板表面を対象としたプラズマクリーニング処理が行われる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
さらに、バンプ形成後の半導体装置を個別にプラズマ処理の対象とする場合には、大気圧プラズマ処理を用いることができる(例えば特許文献2参照)。この方法はプラズマ照射ノズルに対して処理対象の半導体装置を個別に位置合わせしてプラズマを照射するものであり、必要部分のみを対象としたプラズマ処理が可能となっている。
【特許文献1】特許第3473433号公報
【特許文献2】特開2000−117213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体素子の種類として、LED素子など外部接続用電極にバンプを形成することなく基板に実装するタイプの半導体素子では、半導体ウェハからダイシングによって個片に切出された後、ダイシングによって付着した汚染物を除去するために上述のプラズマ処理を行う必要がある。
【0006】
しかしながら、個片に切り出された後のLED素子は、特許文献1に示すような減圧下でのプラズマ処理、または特許文献2に示すような大気圧下でのプラズマ処理のいずれの場合にも、正常なプラズマ処理を行うことが難しい。これはLED素子は微小部品であることからプラズマ処理時の位置保持やハンドリングを安定して作業効率よく行うことが困難であることによる。このため、従来よりLED素子などダイシングによって個片に分割された状態の部品を安定して保持して、簡便なハンドリングを可能とする方策が望まれていた。
【0007】
そこで本発明は、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便なハンドリングを可能とする部品搬送用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品搬送用治具は、個片に分割され電極を上向きにした姿勢でシートに粘着層によって保持された部品を搬送するための部品搬送用治具であって、搬送支持面が設けられた本体部と、前記本体部の下面側に設けられ前記粘着層に貼着されることにより前記シ
ートを保持する貼着面と、前記本体部に設けられ前記シートに保持された部品の上面側を上方に露呈させる開口部とを備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送機構により支持される搬送支持面が設けられた本体部の下面側に貼着面を設け、この貼着面に部品を保持したシートを粘着層を介して貼着保持させることにより、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便にハンドリングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の部品実装方法におけるダイシング工程の説明図、図2は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるウェハ治具の説明図、図3、図4、図5、図6は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図、図7は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるプラズマ処理装置の断面図、図8は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される電子部品搭載装置の斜視図、図9は本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品取り出し動作の動作説明図、図10は本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品搭載動作の動作説明図、図11、図12,図13、図14は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図である。
【0011】
以下、部品であるLED(発光ダイオード)素子を基板へ実装する部品実装方法について説明する。この部品実装方法においては、ウェハ状態のLED素子が個片に分割され、さらに分割されたLED素子はプラズマ処理された後に基板に搭載される。
【0012】
まず、ウェハ状部品を個片のLED素子に分割するダイシング工程について説明する。図1(a)において、ウェハ保持テーブル3上には、矩形のウェハ状部品2Aを保持した円形のシート1が載置されている。ウェハ状部品2Aには絶縁体を素材とする複数のLED素子2が格子状配列で作り込まれており、ウェハ状部品2Aはシート1の上面に形成された粘着層1aによってシート1に貼着保持されている。
【0013】
ウェハ状部品2Aは切断刃を備えたダイシングブレード4によって分割線に沿って切断され、これにより、図2(b)に示すように、ウェハ状部品2Aはシート1上において個片のLED素子2毎に分割される。図1(c)に示すように、LED素子2は表面に外部接続用の平板状電極である電極2aが形成されており、電極形成面を上向きにした姿勢でシート1に貼着保持されている。
【0014】
この後、ダイシング後のLED素子2を保持したシート1には、リング状の補強部材であるウェハリング5が装着される。すなわち図2(a)に示すように、シート1の上面の粘着層1aにはウェハリング5が貼着される。これにより、図2(b)、(c)に示すように、個片に分割された複数のLED素子2を格子状の規則配列でシート1によって保持し、シート1の外周部をウェハリング5によって補強した構造のウェハ治具6が完成する。なお、ウェハ状部品2Aを保持したシート1にウェハリング5を装着した後にダイシングを行ってもよい。これによっても、図2(b)、(c)に示すような、上述した構造のウェハ治具が完成する。
【0015】
次に図3,図4を参照して、ウェハ治具6によって保持されたLED素子2のハンドリングや搬送のため用いられるキャリア7について説明する。図3において、図3(b)は図3(a)のA−A矢視を示している。キャリア7は、個片に分割され電極2aを上向きにした姿勢でシート1に粘着層1aによって保持されたLED素子2を搬送する部品搬送
用治具となっている。
【0016】
図3に示すように、キャリア7は、矩形の平板状部材である本体部7aの中央部に開口部7bを設け、本体部7aの下面に開口部7bの周囲に沿って円形外周形状のシート保持部7cを下方に突設した形状となっている。本体部7aはシート1を保持した状態で搬送するため、シート1の外形よりも大きな平面外形を有する形状となっており、開口部7bはシート1におけるLED素子2の位置に対応して矩形に開口されている。
【0017】
シート保持部7cの外形寸法dは、図2(d)に示すウェハリング5の内径寸法Dに対応したものとなっている。図4(a)に示すように、ウェハ治具6に上面側からキャリア7を装着する際には、シート保持部7cをウェハリング5の内径部に嵌合させる(図4(b)参照)。これにより、キャリア7はウェハ治具6に位置合わせされるとともに、シート保持部7cの下面に設けられた貼着面7dが粘着層1aに貼着され、シート1はキャリア7の下面に保持される。そしてこの状態では、シート1に矩形配列で保持されたLED素子2の上面側は、開口部7bを介して上方に露呈された状態となる。
【0018】
本体部7aの両端部の下面は搬送時に搬送機構によって支持される搬送支持面7fとなっており、両端部の端面は搬送機構による搬送時において、本体部7aを水平方向にガイドする搬送ガイド面7e(搬送ガイド部)となっている。すなわち、図4(b)に示すように、レール方式やコンベア方式の搬送機構8による搬送時において、搬送機構8によって搬送支持面7fは下面側を支持され、搬送ガイド面7eは水平方向にガイドされる。
【0019】
ここで、貼着面7dは搬送支持面7fよりも下方に位置しており、図4(b)に示すように、ウェハリング5に干渉することなくキャリア7によってウェハ治具6を保持することができ、かつコンベア方式の搬送機構8の搬送高さから上方にウェハ治具6を突出させることなく搬送できるようになっている。
【0020】
図5は、このようにしてウェハ治具6にキャリア7を装着した状態の平面図であり、この状態では開口部7bによって開口された範囲、すなわちシート1の上面においてLED素子2が存在する範囲のみが上方に露呈される。そして、シート1の上面の露呈部分、すなわちLED素子2が存在せず上面側の粘着層1aが露呈した範囲は、キャリア7の貼着面7dが貼着されることによって覆われ、シート1が直接上方に対して露呈することがない。したがってキャリア7は、ウェハ治具6を搬送する機能とともに、シート1の上面の露呈部分を覆うカバー部材としての機能を併せ備えている。
【0021】
なお、図6(a)に示すように、本体部7aの1つの辺の縁部に切欠き部7gを設けることにより、ウェハ治具6への装着状態においてウェハリング5の一部を露呈させることができる。これにより、キャリア7をウェハ治具6から取り外す剥離作業時において、ウェハリング5を直接手指や作業ツールなどで容易に把持することができ、作業性が向上する。
【0022】
すなわち、この例では、本体部7aには、貼着面7dに保持された状態のシート1を剥離するための切欠き部7gが設けられている。切欠き部7gを設ける替わりに、図6(b)に示すように、図5に示す本体部7aの1辺をウェハリング5が露呈するように切除した形状の本体部7Aとしても同様の効果を得る。
【0023】
上記構成のキャリア7は、キャリア7の搬送方向(図4(b)において紙面に垂直方向)と直交する方向(図4(b)において水平方向)を幅方向とした場合に、シート1の幅(LS)よりも大きな幅(LC)を有し、両端部に搬送機構により支持される搬送支持面7fおよび本体部7aを水平方向にガイドする搬送ガイド面7eが設けられた本体部7a
と、本体部7aの下面側に設けられシート1の粘着層1aに貼着されることによりシート1を保持する貼着面7dと、本体部7aに設けられシート1に保持されたLED素子2の上面側を上方に露呈させる開口部7bとを備えた構成となっている。
【0024】
そして上述例では、シート1は外周部をリング状の補強部材であるウェハリング5によって補強してウェハ治具6を形成した状態のものを対象としており、以下に説明するプラズマ処理においては、ウェハ治具6はキャリア7に保持された状態で取り扱われる。このような構成のキャリア7を使用することにより、ダイシング後のLED素子2のように、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して、コンベアレールなどの汎用的な搬送機構によって簡便に搬送・ハンドリングすることができる。
【0025】
次に、図7を参照してプラズマ処理装置について説明する。このプラズマ処理装置は、LED素子2の電極2aを清浄化する目的で実行されるプラズマ処理に用いられる。図7において、真空チャンバ11の内部はプラズマ処理を行うための処理室となっており、下部電極13および上部電極14が相対向して配置されている。下部電極13の下部は絶縁体12を介して真空チャンバ11の底面を貫通して外部に突出しており、上部電極14の上部は真空チャンバ11の上面を貫通して接地部16に接続されている。下部電極13と上部電極14の間の空間はプラズマ処理空間15となっており、下部電極13の上面にはプラズマ処理の対象となるLED素子2を保持したウェハ治具6が、キャリア7に保持された状態で載置される。
【0026】
真空チャンバ11の底面には、2つの開孔部11a、11bが設けられており、開孔部11a、11bはそれぞれ排気バルブ21,ガス供給バルブ23を介して真空排気部22、ガス供給部24に接続されている。排気バルブ21を開にして真空排気部22を駆動することにより、真空チャンバ11の内部が真空排気される。またガス供給バルブ23を開にしてガス供給部24を駆動することにより、真空チャンバ11の内部には、アルゴンガスや酸素ガスなどのプラズマ発生用ガスが供給される。
【0027】
下部電極13には高周波電源部25が接続されており、高周波電源部25を駆動することにより、上部電極14と下部電極13との間には高周波電圧(例えば13.56MHz)が印加される。真空チャンバ11内を真空排気した後にプラズマ発生用ガスを供給した状態で高周波電源部25を駆動することにより、プラズマ処理空間15にはアルゴンガスや酸素ガスなどのプラズマ発生用ガスのプラズマが発生する。排気バルブ21,ガス供給バルブ23、真空排気部22、ガス供給部24、高周波電源部25は、制御部26によって制御される。
【0028】
電極2aの清浄化のためのプラズマ処理においては、キャリア7によって保持されたウェハ治具6をプラズマ処理装置の真空チャンバ11内の下部電極13上に載置する。これにより、ウェハ治具6に保持されたLED素子2は、プラズマ処理空間15においてキャリア7の開口部7bを介して上方に露呈した状態となる。次いで、プラズマ処理空間15にプラズマを発生させてプラズマ処理が実行される。このプラズマ処理により電極2aに付着した汚染物が除去され、電極2aの表面は清浄化される。
【0029】
上記プラズマ処理においては、個片状態の微小部品であるLED素子2をシート1によって保持した状態でプラズマ処理を行うようにしており、しかもウェハリング5によってシート1の外周部を下部電極13に押しつけるとともに、キャリア7が貼着面7dを介してシート1の広い範囲を下部電極3に押しつけることにより、シート1の下部電極3上での載置状態を安定させていることから、微小部品を個片状態でプラズマ処理する際の次のような課題が解消されている。
【0030】
すなわち、プラズマ処理装置においては、減圧雰囲気下で処理が行われることから、部品保持に一般に用いられている真空吸着による方法が適用できず、さらにLED素子2のように絶縁物で形成された部品の場合には、静電吸着による部品保持方法も適用ができない。さらに真空吸着や静電吸着によらずに部品を保持する方法として部品トレイに個別に保持させる方法も一般には用いられるが、プラズマ処理装置にように処理過程において処理室内の真空吸引や真空破壊時に急激な気体の流動が生じる装置では、気体の流動による部品の位置ずれや飛散などが生じやすく、特にLED素子2などのような微少部品を対象とする場合には実用化に難点がある。
【0031】
これに対し、本実施の形態に示すように、シート1によってLED素子2を貼着保持し、さらにシート1をウェハリング5とキャリア7の貼着面7dによって下部電極3に対して押しつける構成を採用することにより、真空吸着や静電吸着によらずに部品を安定して保持することが可能となっている。そしてシート1は外周部を金属製のウェハリング5に展着され、且つLED素子2が貼着されていない露呈部分をキャリア7の貼着面7dによって保持されているいることから、シート1は下部電極13の上面に良好な密着状態で載置される。これにより、シート1の下面と下部電極13の上面との間にシート1の反りや皺による隙間が発生しない。したがって、プラズマ処理において隙間に起因する異常放電が発生せず、異常放電によるLED素子2へのダメージやシート1の焼損などの不具合が防止される。
【0032】
なお、異常放電の発生しない範囲であれば、図4(b)の搬送機構8を下部電極13上に設け、シート1と下部電極13との間に適正値以下(例えば2mm以下)の隙間を意図的に設けてプラズマ処理してもよい。この場合、下部電極13からの熱がシート1に伝わるのを防ぐことができる。
【0033】
またプラズマ処理状態において、シート1はキャリア7に設けられた開口部7bの開口範囲を除いてキャリア7によって覆われていることから、プラズマは開口範囲に位置するLED素子2を対象として作用し、シート1の上面の露呈部分にプラズマが作用することによる不具合、すなわちシート1の粘着層1aがプラズマの熱作用によって加熱されることにより発生したガス成分がLED素子2に付着して再汚染を生じる不具合が発生しにくい。図3,図4に示すキャリア7においては、貼着面7dはシート1の上面の露呈部分に全範囲にわたって貼着される構成となっていることから、露呈部分へのプラズマの作用をほぼ完全に遮断することができ、極めて良好なカバー効果を得ることができる。
【0034】
なお、シート1の上面の露呈部分をカバー部材で覆う工程において、カバー部材として必ずしも本発明の部品搬送用治具を使用する必要はない。例えばカバー部材として、セラミック・アルミニウム等からなる単なる板材や、薄いシート状の部材等を採用してもよい。またカバー部材を必ずしもシートの上面の露呈部分に貼り付ける必要はない。カバー部材は、シート1に保持された部品を露呈しつつシート1の上面の露呈部分を覆う機能を有していれば足りる。
【0035】
この後プラズマ処理装置から取り出され、キャリア7が取り外されたウェハ治具6は、図8に示す電子部品搭載装置に送られる。電子部品搭載装置は、部品供給部30、部品取り出し反転機構31、搭載ヘッド32、基板保持部33を備えている。部品供給部30にはプラズマ処理後のLED素子2を保持したウェハ治具6が載置される。部品供給部30上には取り出しノズル31aを備えた部品取り出し反転機構31が配設されており、部品取り出し反転機構31は取り出しノズル31aによってウェハ治具6からLED素子2を取り出し、上下反転させた状態のLED素子2を搭載ヘッド32への受渡位置に移動させる。
【0036】
部品供給部30の下方には、図9に示す剥離機構34が配設されており、取り出しノズル31aによるLED素子2の取り出し時にシート1からLED素子2を剥離する機能を有している。基板保持部33にはLED素子2が実装される基板20が保持されており、搭載ヘッド32の搭載ノズル32aによって部品取り出し反転機構31から受け渡されたLED素子2は、搭載ヘッド32が基板保持部33上へ移動して搭載動作を行うことにより、基板20に実装される。
【0037】
図9は、LED素子2の取り出し動作を示している。図9(a)に示すように、取り出し対象のLED素子2の上方には取り出しノズル31aが、また下方には剥離機構34がそれぞれ位置合わせされている。剥離機構34はシート1の下面に当接して下受けする筒型の下受部35を備えており、下受部35は頂部に設けられたシート吸着孔35aによってシート1を吸着するとともに、ピン昇降機構36によって昇降する突き上げピン36aをピン孔35bから突没させることによって、LED素子2をシート1から剥離させる機能を有している。
【0038】
LED素子2の取り出しに際しては、図9(b)に示すように、取り出しノズル31aを下降させてLED素子2の上面に当接させるとともに突き上げピン36aを上昇させる。そして、取り出しノズル31aによってLED素子2を吸着保持したならば、取り出しノズル31aを上昇させるとともに突き上げピン36aをシート1を突き破って上昇させる。これにより図9(c)に示すように、下受部35の頂部に吸着された状態のシート1から、LED素子2が剥離される。そして図9(d)に示すように、LED素子2を保持した取り出しノズル31aを上昇させることにより、LED素子2はウェハ治具6から取り出される。
【0039】
このようにして取り出されたLED素子2は、搭載ヘッド32によって受け取られ、基板保持部33上の基板20に実装される。このときの搭載動作を図10を参照して説明する。図10(a)に示すように、基板20にはLED素子2における電極2aの位置に対応して電極20aが設けられており、電極20a上には予め突起電極であるバンプ27が形成されている。
【0040】
そしてバンプ27に対して、搭載ノズル32aに保持されたLED素子2の電極2aを位置合わせし、図10(b)に示すように、搭載ノズル32aを下降させて電極2aをバンプ27に当接させ、所定の押圧荷重で押圧する。そして必要に応じて、加熱や超音波振動の付与を行う。
【0041】
これにより、電極2aはバンプ27に金属接合され、次いで図10(c)に示すように、搭載ノズル32aを上昇させることにより、LED素子2の基板20への実装が完了する。この部品実装において、LED素子2の電極2aは予めプラズマ処理によって清浄化されていることからバンプ27との接合が良好に行われ、良好な実装品質を確保することができる。
【0042】
したがって上述の部品実装方法は、電極2aを上向きにした姿勢でシート1に保持されたLED素子2を取り出して基板20に実装する部品実装方法であって、LED素子2が複数作り込まれシート1に保持されたウェハ状部品2AからLED素子2を個片に分割する工程と、シート1をキャリア7に保持させてシート1の上面の露呈部分をカバー部材としてのキャリア7で覆う工程と、LED素子2を保持したシート1をプラズマ処理装置の真空チャンバ11内に載置する工程と、LED素子2をプラズマ処理することにより電極2aを清浄化する工程と、シート1からプラズマ処理後のLED素子2を剥離する工程と、LED素子2を基板20に搭載して平板状電極である電極2aを基板20に設けられた突起電極であるバンプ27に接合する工程とを含む形態となっている。
【0043】
上記方法を採用することにより、LED素子など外部接続用電極にバンプを形成することなく基板に実装するタイプの部品を対象とする場合にあっても、ダイシングによって付着した汚染物をプラズマ処理によって除去して清浄な電極表面を確保し、部品を接合性よく基板に接合して実装することができる。
【0044】
そしてこのプラズマ処理においては、LED素子を貼着保持したシートはキャリアに保持され且つシートにおいてLED素子が貼着されていない露呈部分をキャリアによって覆った状態であることから、微小部品で位置保持やハンドリングが困難なLED素子を安定した姿勢で保持するとともに、シートにプラズマの作用が及ぶことによる不具合を防止して、良好なプラズマ処理を行うことが可能となっている。
【0045】
また上述の部品実装方法においては、LED素子を個片に分割するダイシング工程から、ダイシング後のプラズマ処理工程、さらにプラズマ処理後のLED素子を個片毎に取り出す部品取り出し工程に至る一連の過程において、LED素子を同一のシートに貼着保持した状態で取り扱うようにしている。そしてダイシング工程後のシートを前述構成のキャリアによって保持することにより、個片に分割された状態の部品を安定して保持して簡便なハンドリングを可能としている。
【0046】
なお、本発明の部品搬送用治具としては、前述構成のキャリア7には限定されず、各種のバリエーションが可能である。例えば、図11(a)に示すキャリア107は、キャリア7のシート保持部7cの形状を変更した例を示している。図11において、本体部107a、開口部107b、搬送ガイド面107e、搬送支持面107fは、キャリア7における本体部7a、開口部7b、搬送ガイド面7e、搬送支持面7fと同様である。
【0047】
本体部107aの下面には、下面に貼着面107dが設けられた矩形ブロック形状のシート保持部107cが突接されている。図11(b)に示すように、キャリア107をウェハ治具6に装着した状態では、貼着面107dがシート1の粘着層1aに貼着されることにより、シート1がキャリア107によって保持される。このときウェハリング5の内径部に嵌合する形状のシート保持部7cを備えたキャリア7と異なり、シート保持部107にはウェハ治具6をキャリア107に対して位置合わせする機能がないため、本体部107aにはウェハリング5の外形に当接してキャリア107をウェハ治具6に対して位置決めする位置決め部材107hが設けられている。
【0048】
図12に示すキャリア207は、ウェハリング5によって補強されていない状態のシート1を直接保持して搬送する用途に用いられる。図12において、本体部207a、開口部207b、搬送ガイド面207e、搬送支持面207eは、キャリア7における本体部7a、開口部7b、搬送ガイド面7e、搬送支持面7fと同様である。
【0049】
本体部207aの下面に設けられたシート保持部207cは、シート1においてLED素子2が貼着されていない全範囲に対応した平面形状、すなわちキャリア7におけるシート保持部7cの外周にウェハリング5の円環形状に対応する部分を付加した形状となっている。図12(b)に示すように、キャリア207をシート1に装着した状態では、貼着面207dがシート1の粘着層1aに貼着されることにより、シート1がキャリア207によって保持される。
【0050】
図13は、図12に示すキャリア207において本体部207aの形状を変更して、コンベア方式の搬送機構8とは異なる方式の搬送形態に対応できるようにしたものである。図13において、キャリア307の本体部307aはキャリア207の本体部207aと同様の平面形状を有しており、開口部307b、シート保持部307c、貼着面307d
は、キャリア207における開口部207b、シート保持部207c、貼着面207dと同様である。
【0051】
搬送ガイド面307e、搬送支持面307fは、本体部307aの両端部を下方に延出させた搬送用凸部307gの側面および下面にそれぞれ設けられている。すなわちこの例では、貼着面307dは搬送支持面307fよりも上方に位置する。このような構成とすることにより、図13(b)に示すように、シート1を保持したキャリア307を、プラズマ処理装置において対象ワークを搬送する搬送経路などの水平面に設けられた搬送溝9内を、押送方式の搬送機構(図示省略)によって搬送することが可能となっている。
【0052】
さらに図14は、平板状の本体部の下面にウェハ治具6を保持する上述の各キャリア7、107,207,307とは異なり、平板部材の上面にシート1を載置して搬送する例を示している。図14において、搬送プレート40は、キャリア7における本体部7aと同様の外形形状で設けられており、両端部の下面40a、端面40bは、それぞれキャリア7における搬送支持面7f、搬送ガイド面7eに相当し、キャリア7と同様にコンベア方式の搬送機構によって搬送される。
【0053】
ウェハ治具106は、略円形配置でシート1に貼着された複数のLED素子2を保持しており、シート1の外周は同様にウェハリング105によって補強されている。ウェハ治具106は、搬送プレート40上に設けられた複数の位置決め部材41によって位置合わせされて、搬送プレート40上に載置される。そして、ウェハ治具106の上面にはさらにカバー部材42が装着される。カバー部材42は、中央部にシート1におけるLED素子2の配置に対応した大きさの円形の開口部42aが設けられ、開口部42aの外周に円環部42bを有する円環状部材である。
【0054】
円環部42bの断面は、ウェハ治具106への装着状態においてウェハリング105の上面に当接する外周部42cと、シート1の粘着層1aに貼着される貼着面42dとが設けられた断付き形状となっている。カバー部材42をウェハ治具106に装着することにより、シート1の上面においてLED素子2が貼着されていない露呈部分がカバー部材42によって覆われ、LED素子2は開口部42aを介して上方に露呈される。
【0055】
このような構成により、前述のキャリア7と同様に、LED素子2を保持したシート1の搬送と、プラズマ処理時においてシート1の上面の露呈部分を覆うカバー部材としての機能を合わせ備えたキャリアが実現される。この例では、搬送プレート40とカバー部材42の2つの部材がキャリア7における本体部7aに相当する。図14に示す構成において、ウェハ治具6の自重を貼着面7dと粘着層1aとの粘着力によって保持するキャリア7と異なり、ウェハ治具106は搬送プレート40の上面に載置されることから、ウェハリング105の重量が大きい場合を対象とした用途に適している。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の部品搬送用治具は、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便にハンドリングすることができるという効果を有し、LED素子などシートに保持されたダイシング後の部品をハンドリングする用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装方法におけるダイシング工程の説明図
【図2】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品保持具の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図4】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図6】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図7】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるプラズマ処理装置の断面図
【図8】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される電子部品搭載装置の斜視図
【図9】本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品取り出し動作の動作説明図
【図10】本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品搭載動作の動作説明図
【図11】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図12】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図13】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図14】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【符号の説明】
【0058】
1 シート
2 LED素子
2a 電極
5 ウェハリング
6 ウェハ治具
7、107,207,307 キャリア
7a,107a,207a,307a 本体部
7b、107b,207b,307b 開口部
7c、107c,207c,307c シート保持部
7d、107d,207d,307d 貼着面
7e 107e,207e,307e 搬送ガイド面
7f 107f,207f,307f 搬送支持面
8 搬送機構
20 基板
27 バンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子などシートに保持されたダイシング後の部品をハンドリングするための部品搬送用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、半導体ウェハから切り出された個片の半導体素子をパッケージ形成用の基板に実装した後、樹脂封止して製造される。この半導体装置の製造過程において、半導体素子に形成された外部接続用の電極を清浄化する目的で、プラズマ処理が用いられる。このプラズマ処理により、大気暴露によって電極表面に生じた酸化膜や各工程において付着した有機物などの汚染膜が除去され、電極を外部と電気的に接続する際の接続性が向上する。
【0003】
プラズマ処理の適用形態は、対象とする半導体装置の種類によって異なっており、例えば半導体装置の外部接続用電極をワイヤボンディングによって接続する形式の半導体装置では、ダイシングによって個片に分割された半導体装置をリードフレームなどのパッケージング用の基板にボンディングした後に、基板をプラズマ処理装置に収容して減圧下で基板表面を対象としたプラズマクリーニング処理が行われる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
さらに、バンプ形成後の半導体装置を個別にプラズマ処理の対象とする場合には、大気圧プラズマ処理を用いることができる(例えば特許文献2参照)。この方法はプラズマ照射ノズルに対して処理対象の半導体装置を個別に位置合わせしてプラズマを照射するものであり、必要部分のみを対象としたプラズマ処理が可能となっている。
【特許文献1】特許第3473433号公報
【特許文献2】特開2000−117213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体素子の種類として、LED素子など外部接続用電極にバンプを形成することなく基板に実装するタイプの半導体素子では、半導体ウェハからダイシングによって個片に切出された後、ダイシングによって付着した汚染物を除去するために上述のプラズマ処理を行う必要がある。
【0006】
しかしながら、個片に切り出された後のLED素子は、特許文献1に示すような減圧下でのプラズマ処理、または特許文献2に示すような大気圧下でのプラズマ処理のいずれの場合にも、正常なプラズマ処理を行うことが難しい。これはLED素子は微小部品であることからプラズマ処理時の位置保持やハンドリングを安定して作業効率よく行うことが困難であることによる。このため、従来よりLED素子などダイシングによって個片に分割された状態の部品を安定して保持して、簡便なハンドリングを可能とする方策が望まれていた。
【0007】
そこで本発明は、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便なハンドリングを可能とする部品搬送用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品搬送用治具は、個片に分割され電極を上向きにした姿勢でシートに粘着層によって保持された部品を搬送するための部品搬送用治具であって、搬送支持面が設けられた本体部と、前記本体部の下面側に設けられ前記粘着層に貼着されることにより前記シ
ートを保持する貼着面と、前記本体部に設けられ前記シートに保持された部品の上面側を上方に露呈させる開口部とを備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送機構により支持される搬送支持面が設けられた本体部の下面側に貼着面を設け、この貼着面に部品を保持したシートを粘着層を介して貼着保持させることにより、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便にハンドリングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の部品実装方法におけるダイシング工程の説明図、図2は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるウェハ治具の説明図、図3、図4、図5、図6は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図、図7は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるプラズマ処理装置の断面図、図8は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される電子部品搭載装置の斜視図、図9は本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品取り出し動作の動作説明図、図10は本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品搭載動作の動作説明図、図11、図12,図13、図14は本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図である。
【0011】
以下、部品であるLED(発光ダイオード)素子を基板へ実装する部品実装方法について説明する。この部品実装方法においては、ウェハ状態のLED素子が個片に分割され、さらに分割されたLED素子はプラズマ処理された後に基板に搭載される。
【0012】
まず、ウェハ状部品を個片のLED素子に分割するダイシング工程について説明する。図1(a)において、ウェハ保持テーブル3上には、矩形のウェハ状部品2Aを保持した円形のシート1が載置されている。ウェハ状部品2Aには絶縁体を素材とする複数のLED素子2が格子状配列で作り込まれており、ウェハ状部品2Aはシート1の上面に形成された粘着層1aによってシート1に貼着保持されている。
【0013】
ウェハ状部品2Aは切断刃を備えたダイシングブレード4によって分割線に沿って切断され、これにより、図2(b)に示すように、ウェハ状部品2Aはシート1上において個片のLED素子2毎に分割される。図1(c)に示すように、LED素子2は表面に外部接続用の平板状電極である電極2aが形成されており、電極形成面を上向きにした姿勢でシート1に貼着保持されている。
【0014】
この後、ダイシング後のLED素子2を保持したシート1には、リング状の補強部材であるウェハリング5が装着される。すなわち図2(a)に示すように、シート1の上面の粘着層1aにはウェハリング5が貼着される。これにより、図2(b)、(c)に示すように、個片に分割された複数のLED素子2を格子状の規則配列でシート1によって保持し、シート1の外周部をウェハリング5によって補強した構造のウェハ治具6が完成する。なお、ウェハ状部品2Aを保持したシート1にウェハリング5を装着した後にダイシングを行ってもよい。これによっても、図2(b)、(c)に示すような、上述した構造のウェハ治具が完成する。
【0015】
次に図3,図4を参照して、ウェハ治具6によって保持されたLED素子2のハンドリングや搬送のため用いられるキャリア7について説明する。図3において、図3(b)は図3(a)のA−A矢視を示している。キャリア7は、個片に分割され電極2aを上向きにした姿勢でシート1に粘着層1aによって保持されたLED素子2を搬送する部品搬送
用治具となっている。
【0016】
図3に示すように、キャリア7は、矩形の平板状部材である本体部7aの中央部に開口部7bを設け、本体部7aの下面に開口部7bの周囲に沿って円形外周形状のシート保持部7cを下方に突設した形状となっている。本体部7aはシート1を保持した状態で搬送するため、シート1の外形よりも大きな平面外形を有する形状となっており、開口部7bはシート1におけるLED素子2の位置に対応して矩形に開口されている。
【0017】
シート保持部7cの外形寸法dは、図2(d)に示すウェハリング5の内径寸法Dに対応したものとなっている。図4(a)に示すように、ウェハ治具6に上面側からキャリア7を装着する際には、シート保持部7cをウェハリング5の内径部に嵌合させる(図4(b)参照)。これにより、キャリア7はウェハ治具6に位置合わせされるとともに、シート保持部7cの下面に設けられた貼着面7dが粘着層1aに貼着され、シート1はキャリア7の下面に保持される。そしてこの状態では、シート1に矩形配列で保持されたLED素子2の上面側は、開口部7bを介して上方に露呈された状態となる。
【0018】
本体部7aの両端部の下面は搬送時に搬送機構によって支持される搬送支持面7fとなっており、両端部の端面は搬送機構による搬送時において、本体部7aを水平方向にガイドする搬送ガイド面7e(搬送ガイド部)となっている。すなわち、図4(b)に示すように、レール方式やコンベア方式の搬送機構8による搬送時において、搬送機構8によって搬送支持面7fは下面側を支持され、搬送ガイド面7eは水平方向にガイドされる。
【0019】
ここで、貼着面7dは搬送支持面7fよりも下方に位置しており、図4(b)に示すように、ウェハリング5に干渉することなくキャリア7によってウェハ治具6を保持することができ、かつコンベア方式の搬送機構8の搬送高さから上方にウェハ治具6を突出させることなく搬送できるようになっている。
【0020】
図5は、このようにしてウェハ治具6にキャリア7を装着した状態の平面図であり、この状態では開口部7bによって開口された範囲、すなわちシート1の上面においてLED素子2が存在する範囲のみが上方に露呈される。そして、シート1の上面の露呈部分、すなわちLED素子2が存在せず上面側の粘着層1aが露呈した範囲は、キャリア7の貼着面7dが貼着されることによって覆われ、シート1が直接上方に対して露呈することがない。したがってキャリア7は、ウェハ治具6を搬送する機能とともに、シート1の上面の露呈部分を覆うカバー部材としての機能を併せ備えている。
【0021】
なお、図6(a)に示すように、本体部7aの1つの辺の縁部に切欠き部7gを設けることにより、ウェハ治具6への装着状態においてウェハリング5の一部を露呈させることができる。これにより、キャリア7をウェハ治具6から取り外す剥離作業時において、ウェハリング5を直接手指や作業ツールなどで容易に把持することができ、作業性が向上する。
【0022】
すなわち、この例では、本体部7aには、貼着面7dに保持された状態のシート1を剥離するための切欠き部7gが設けられている。切欠き部7gを設ける替わりに、図6(b)に示すように、図5に示す本体部7aの1辺をウェハリング5が露呈するように切除した形状の本体部7Aとしても同様の効果を得る。
【0023】
上記構成のキャリア7は、キャリア7の搬送方向(図4(b)において紙面に垂直方向)と直交する方向(図4(b)において水平方向)を幅方向とした場合に、シート1の幅(LS)よりも大きな幅(LC)を有し、両端部に搬送機構により支持される搬送支持面7fおよび本体部7aを水平方向にガイドする搬送ガイド面7eが設けられた本体部7a
と、本体部7aの下面側に設けられシート1の粘着層1aに貼着されることによりシート1を保持する貼着面7dと、本体部7aに設けられシート1に保持されたLED素子2の上面側を上方に露呈させる開口部7bとを備えた構成となっている。
【0024】
そして上述例では、シート1は外周部をリング状の補強部材であるウェハリング5によって補強してウェハ治具6を形成した状態のものを対象としており、以下に説明するプラズマ処理においては、ウェハ治具6はキャリア7に保持された状態で取り扱われる。このような構成のキャリア7を使用することにより、ダイシング後のLED素子2のように、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して、コンベアレールなどの汎用的な搬送機構によって簡便に搬送・ハンドリングすることができる。
【0025】
次に、図7を参照してプラズマ処理装置について説明する。このプラズマ処理装置は、LED素子2の電極2aを清浄化する目的で実行されるプラズマ処理に用いられる。図7において、真空チャンバ11の内部はプラズマ処理を行うための処理室となっており、下部電極13および上部電極14が相対向して配置されている。下部電極13の下部は絶縁体12を介して真空チャンバ11の底面を貫通して外部に突出しており、上部電極14の上部は真空チャンバ11の上面を貫通して接地部16に接続されている。下部電極13と上部電極14の間の空間はプラズマ処理空間15となっており、下部電極13の上面にはプラズマ処理の対象となるLED素子2を保持したウェハ治具6が、キャリア7に保持された状態で載置される。
【0026】
真空チャンバ11の底面には、2つの開孔部11a、11bが設けられており、開孔部11a、11bはそれぞれ排気バルブ21,ガス供給バルブ23を介して真空排気部22、ガス供給部24に接続されている。排気バルブ21を開にして真空排気部22を駆動することにより、真空チャンバ11の内部が真空排気される。またガス供給バルブ23を開にしてガス供給部24を駆動することにより、真空チャンバ11の内部には、アルゴンガスや酸素ガスなどのプラズマ発生用ガスが供給される。
【0027】
下部電極13には高周波電源部25が接続されており、高周波電源部25を駆動することにより、上部電極14と下部電極13との間には高周波電圧(例えば13.56MHz)が印加される。真空チャンバ11内を真空排気した後にプラズマ発生用ガスを供給した状態で高周波電源部25を駆動することにより、プラズマ処理空間15にはアルゴンガスや酸素ガスなどのプラズマ発生用ガスのプラズマが発生する。排気バルブ21,ガス供給バルブ23、真空排気部22、ガス供給部24、高周波電源部25は、制御部26によって制御される。
【0028】
電極2aの清浄化のためのプラズマ処理においては、キャリア7によって保持されたウェハ治具6をプラズマ処理装置の真空チャンバ11内の下部電極13上に載置する。これにより、ウェハ治具6に保持されたLED素子2は、プラズマ処理空間15においてキャリア7の開口部7bを介して上方に露呈した状態となる。次いで、プラズマ処理空間15にプラズマを発生させてプラズマ処理が実行される。このプラズマ処理により電極2aに付着した汚染物が除去され、電極2aの表面は清浄化される。
【0029】
上記プラズマ処理においては、個片状態の微小部品であるLED素子2をシート1によって保持した状態でプラズマ処理を行うようにしており、しかもウェハリング5によってシート1の外周部を下部電極13に押しつけるとともに、キャリア7が貼着面7dを介してシート1の広い範囲を下部電極3に押しつけることにより、シート1の下部電極3上での載置状態を安定させていることから、微小部品を個片状態でプラズマ処理する際の次のような課題が解消されている。
【0030】
すなわち、プラズマ処理装置においては、減圧雰囲気下で処理が行われることから、部品保持に一般に用いられている真空吸着による方法が適用できず、さらにLED素子2のように絶縁物で形成された部品の場合には、静電吸着による部品保持方法も適用ができない。さらに真空吸着や静電吸着によらずに部品を保持する方法として部品トレイに個別に保持させる方法も一般には用いられるが、プラズマ処理装置にように処理過程において処理室内の真空吸引や真空破壊時に急激な気体の流動が生じる装置では、気体の流動による部品の位置ずれや飛散などが生じやすく、特にLED素子2などのような微少部品を対象とする場合には実用化に難点がある。
【0031】
これに対し、本実施の形態に示すように、シート1によってLED素子2を貼着保持し、さらにシート1をウェハリング5とキャリア7の貼着面7dによって下部電極3に対して押しつける構成を採用することにより、真空吸着や静電吸着によらずに部品を安定して保持することが可能となっている。そしてシート1は外周部を金属製のウェハリング5に展着され、且つLED素子2が貼着されていない露呈部分をキャリア7の貼着面7dによって保持されているいることから、シート1は下部電極13の上面に良好な密着状態で載置される。これにより、シート1の下面と下部電極13の上面との間にシート1の反りや皺による隙間が発生しない。したがって、プラズマ処理において隙間に起因する異常放電が発生せず、異常放電によるLED素子2へのダメージやシート1の焼損などの不具合が防止される。
【0032】
なお、異常放電の発生しない範囲であれば、図4(b)の搬送機構8を下部電極13上に設け、シート1と下部電極13との間に適正値以下(例えば2mm以下)の隙間を意図的に設けてプラズマ処理してもよい。この場合、下部電極13からの熱がシート1に伝わるのを防ぐことができる。
【0033】
またプラズマ処理状態において、シート1はキャリア7に設けられた開口部7bの開口範囲を除いてキャリア7によって覆われていることから、プラズマは開口範囲に位置するLED素子2を対象として作用し、シート1の上面の露呈部分にプラズマが作用することによる不具合、すなわちシート1の粘着層1aがプラズマの熱作用によって加熱されることにより発生したガス成分がLED素子2に付着して再汚染を生じる不具合が発生しにくい。図3,図4に示すキャリア7においては、貼着面7dはシート1の上面の露呈部分に全範囲にわたって貼着される構成となっていることから、露呈部分へのプラズマの作用をほぼ完全に遮断することができ、極めて良好なカバー効果を得ることができる。
【0034】
なお、シート1の上面の露呈部分をカバー部材で覆う工程において、カバー部材として必ずしも本発明の部品搬送用治具を使用する必要はない。例えばカバー部材として、セラミック・アルミニウム等からなる単なる板材や、薄いシート状の部材等を採用してもよい。またカバー部材を必ずしもシートの上面の露呈部分に貼り付ける必要はない。カバー部材は、シート1に保持された部品を露呈しつつシート1の上面の露呈部分を覆う機能を有していれば足りる。
【0035】
この後プラズマ処理装置から取り出され、キャリア7が取り外されたウェハ治具6は、図8に示す電子部品搭載装置に送られる。電子部品搭載装置は、部品供給部30、部品取り出し反転機構31、搭載ヘッド32、基板保持部33を備えている。部品供給部30にはプラズマ処理後のLED素子2を保持したウェハ治具6が載置される。部品供給部30上には取り出しノズル31aを備えた部品取り出し反転機構31が配設されており、部品取り出し反転機構31は取り出しノズル31aによってウェハ治具6からLED素子2を取り出し、上下反転させた状態のLED素子2を搭載ヘッド32への受渡位置に移動させる。
【0036】
部品供給部30の下方には、図9に示す剥離機構34が配設されており、取り出しノズル31aによるLED素子2の取り出し時にシート1からLED素子2を剥離する機能を有している。基板保持部33にはLED素子2が実装される基板20が保持されており、搭載ヘッド32の搭載ノズル32aによって部品取り出し反転機構31から受け渡されたLED素子2は、搭載ヘッド32が基板保持部33上へ移動して搭載動作を行うことにより、基板20に実装される。
【0037】
図9は、LED素子2の取り出し動作を示している。図9(a)に示すように、取り出し対象のLED素子2の上方には取り出しノズル31aが、また下方には剥離機構34がそれぞれ位置合わせされている。剥離機構34はシート1の下面に当接して下受けする筒型の下受部35を備えており、下受部35は頂部に設けられたシート吸着孔35aによってシート1を吸着するとともに、ピン昇降機構36によって昇降する突き上げピン36aをピン孔35bから突没させることによって、LED素子2をシート1から剥離させる機能を有している。
【0038】
LED素子2の取り出しに際しては、図9(b)に示すように、取り出しノズル31aを下降させてLED素子2の上面に当接させるとともに突き上げピン36aを上昇させる。そして、取り出しノズル31aによってLED素子2を吸着保持したならば、取り出しノズル31aを上昇させるとともに突き上げピン36aをシート1を突き破って上昇させる。これにより図9(c)に示すように、下受部35の頂部に吸着された状態のシート1から、LED素子2が剥離される。そして図9(d)に示すように、LED素子2を保持した取り出しノズル31aを上昇させることにより、LED素子2はウェハ治具6から取り出される。
【0039】
このようにして取り出されたLED素子2は、搭載ヘッド32によって受け取られ、基板保持部33上の基板20に実装される。このときの搭載動作を図10を参照して説明する。図10(a)に示すように、基板20にはLED素子2における電極2aの位置に対応して電極20aが設けられており、電極20a上には予め突起電極であるバンプ27が形成されている。
【0040】
そしてバンプ27に対して、搭載ノズル32aに保持されたLED素子2の電極2aを位置合わせし、図10(b)に示すように、搭載ノズル32aを下降させて電極2aをバンプ27に当接させ、所定の押圧荷重で押圧する。そして必要に応じて、加熱や超音波振動の付与を行う。
【0041】
これにより、電極2aはバンプ27に金属接合され、次いで図10(c)に示すように、搭載ノズル32aを上昇させることにより、LED素子2の基板20への実装が完了する。この部品実装において、LED素子2の電極2aは予めプラズマ処理によって清浄化されていることからバンプ27との接合が良好に行われ、良好な実装品質を確保することができる。
【0042】
したがって上述の部品実装方法は、電極2aを上向きにした姿勢でシート1に保持されたLED素子2を取り出して基板20に実装する部品実装方法であって、LED素子2が複数作り込まれシート1に保持されたウェハ状部品2AからLED素子2を個片に分割する工程と、シート1をキャリア7に保持させてシート1の上面の露呈部分をカバー部材としてのキャリア7で覆う工程と、LED素子2を保持したシート1をプラズマ処理装置の真空チャンバ11内に載置する工程と、LED素子2をプラズマ処理することにより電極2aを清浄化する工程と、シート1からプラズマ処理後のLED素子2を剥離する工程と、LED素子2を基板20に搭載して平板状電極である電極2aを基板20に設けられた突起電極であるバンプ27に接合する工程とを含む形態となっている。
【0043】
上記方法を採用することにより、LED素子など外部接続用電極にバンプを形成することなく基板に実装するタイプの部品を対象とする場合にあっても、ダイシングによって付着した汚染物をプラズマ処理によって除去して清浄な電極表面を確保し、部品を接合性よく基板に接合して実装することができる。
【0044】
そしてこのプラズマ処理においては、LED素子を貼着保持したシートはキャリアに保持され且つシートにおいてLED素子が貼着されていない露呈部分をキャリアによって覆った状態であることから、微小部品で位置保持やハンドリングが困難なLED素子を安定した姿勢で保持するとともに、シートにプラズマの作用が及ぶことによる不具合を防止して、良好なプラズマ処理を行うことが可能となっている。
【0045】
また上述の部品実装方法においては、LED素子を個片に分割するダイシング工程から、ダイシング後のプラズマ処理工程、さらにプラズマ処理後のLED素子を個片毎に取り出す部品取り出し工程に至る一連の過程において、LED素子を同一のシートに貼着保持した状態で取り扱うようにしている。そしてダイシング工程後のシートを前述構成のキャリアによって保持することにより、個片に分割された状態の部品を安定して保持して簡便なハンドリングを可能としている。
【0046】
なお、本発明の部品搬送用治具としては、前述構成のキャリア7には限定されず、各種のバリエーションが可能である。例えば、図11(a)に示すキャリア107は、キャリア7のシート保持部7cの形状を変更した例を示している。図11において、本体部107a、開口部107b、搬送ガイド面107e、搬送支持面107fは、キャリア7における本体部7a、開口部7b、搬送ガイド面7e、搬送支持面7fと同様である。
【0047】
本体部107aの下面には、下面に貼着面107dが設けられた矩形ブロック形状のシート保持部107cが突接されている。図11(b)に示すように、キャリア107をウェハ治具6に装着した状態では、貼着面107dがシート1の粘着層1aに貼着されることにより、シート1がキャリア107によって保持される。このときウェハリング5の内径部に嵌合する形状のシート保持部7cを備えたキャリア7と異なり、シート保持部107にはウェハ治具6をキャリア107に対して位置合わせする機能がないため、本体部107aにはウェハリング5の外形に当接してキャリア107をウェハ治具6に対して位置決めする位置決め部材107hが設けられている。
【0048】
図12に示すキャリア207は、ウェハリング5によって補強されていない状態のシート1を直接保持して搬送する用途に用いられる。図12において、本体部207a、開口部207b、搬送ガイド面207e、搬送支持面207eは、キャリア7における本体部7a、開口部7b、搬送ガイド面7e、搬送支持面7fと同様である。
【0049】
本体部207aの下面に設けられたシート保持部207cは、シート1においてLED素子2が貼着されていない全範囲に対応した平面形状、すなわちキャリア7におけるシート保持部7cの外周にウェハリング5の円環形状に対応する部分を付加した形状となっている。図12(b)に示すように、キャリア207をシート1に装着した状態では、貼着面207dがシート1の粘着層1aに貼着されることにより、シート1がキャリア207によって保持される。
【0050】
図13は、図12に示すキャリア207において本体部207aの形状を変更して、コンベア方式の搬送機構8とは異なる方式の搬送形態に対応できるようにしたものである。図13において、キャリア307の本体部307aはキャリア207の本体部207aと同様の平面形状を有しており、開口部307b、シート保持部307c、貼着面307d
は、キャリア207における開口部207b、シート保持部207c、貼着面207dと同様である。
【0051】
搬送ガイド面307e、搬送支持面307fは、本体部307aの両端部を下方に延出させた搬送用凸部307gの側面および下面にそれぞれ設けられている。すなわちこの例では、貼着面307dは搬送支持面307fよりも上方に位置する。このような構成とすることにより、図13(b)に示すように、シート1を保持したキャリア307を、プラズマ処理装置において対象ワークを搬送する搬送経路などの水平面に設けられた搬送溝9内を、押送方式の搬送機構(図示省略)によって搬送することが可能となっている。
【0052】
さらに図14は、平板状の本体部の下面にウェハ治具6を保持する上述の各キャリア7、107,207,307とは異なり、平板部材の上面にシート1を載置して搬送する例を示している。図14において、搬送プレート40は、キャリア7における本体部7aと同様の外形形状で設けられており、両端部の下面40a、端面40bは、それぞれキャリア7における搬送支持面7f、搬送ガイド面7eに相当し、キャリア7と同様にコンベア方式の搬送機構によって搬送される。
【0053】
ウェハ治具106は、略円形配置でシート1に貼着された複数のLED素子2を保持しており、シート1の外周は同様にウェハリング105によって補強されている。ウェハ治具106は、搬送プレート40上に設けられた複数の位置決め部材41によって位置合わせされて、搬送プレート40上に載置される。そして、ウェハ治具106の上面にはさらにカバー部材42が装着される。カバー部材42は、中央部にシート1におけるLED素子2の配置に対応した大きさの円形の開口部42aが設けられ、開口部42aの外周に円環部42bを有する円環状部材である。
【0054】
円環部42bの断面は、ウェハ治具106への装着状態においてウェハリング105の上面に当接する外周部42cと、シート1の粘着層1aに貼着される貼着面42dとが設けられた断付き形状となっている。カバー部材42をウェハ治具106に装着することにより、シート1の上面においてLED素子2が貼着されていない露呈部分がカバー部材42によって覆われ、LED素子2は開口部42aを介して上方に露呈される。
【0055】
このような構成により、前述のキャリア7と同様に、LED素子2を保持したシート1の搬送と、プラズマ処理時においてシート1の上面の露呈部分を覆うカバー部材としての機能を合わせ備えたキャリアが実現される。この例では、搬送プレート40とカバー部材42の2つの部材がキャリア7における本体部7aに相当する。図14に示す構成において、ウェハ治具6の自重を貼着面7dと粘着層1aとの粘着力によって保持するキャリア7と異なり、ウェハ治具106は搬送プレート40の上面に載置されることから、ウェハリング105の重量が大きい場合を対象とした用途に適している。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の部品搬送用治具は、個片に分割されシートに保持された状態の部品を安定して保持して簡便にハンドリングすることができるという効果を有し、LED素子などシートに保持されたダイシング後の部品をハンドリングする用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施の形態の部品実装方法におけるダイシング工程の説明図
【図2】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品保持具の説明図
【図3】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図4】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図6】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図7】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用されるプラズマ処理装置の断面図
【図8】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される電子部品搭載装置の斜視図
【図9】本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品取り出し動作の動作説明図
【図10】本発明の一実施の形態の部品実装方法における部品搭載動作の動作説明図
【図11】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図12】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図13】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【図14】本発明の一実施の形態の部品実装方法において使用される部品搬送用治具の構造説明図
【符号の説明】
【0058】
1 シート
2 LED素子
2a 電極
5 ウェハリング
6 ウェハ治具
7、107,207,307 キャリア
7a,107a,207a,307a 本体部
7b、107b,207b,307b 開口部
7c、107c,207c,307c シート保持部
7d、107d,207d,307d 貼着面
7e 107e,207e,307e 搬送ガイド面
7f 107f,207f,307f 搬送支持面
8 搬送機構
20 基板
27 バンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個片に分割され電極を上向きにした姿勢でシートに粘着層によって保持された部品を搬送するための部品搬送用治具であって、搬送支持面が設けられた本体部と、前記本体部の下面側に設けられ前記粘着層に貼着されることにより前記シートを保持する貼着面と、前記本体部に設けられ前記シートに保持された部品の上面側を上方に露呈させる開口部とを備えたことを特徴とする部品搬送用治具。
【請求項2】
前記シートは、外周部をリング状の補強部材によって補強されていることを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項3】
前記貼着面は、前記搬送支持面よりも下方に位置することを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項4】
前記貼着面は、前記搬送支持面よりも上方に位置することを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項5】
前記搬送機構による搬送時において、前記本体部を水平方向にガイドする搬送ガイド部を該本体部に設けたことを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項6】
前記本体部に、前記貼着面に保持された状態のシートを剥離するための切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項1】
個片に分割され電極を上向きにした姿勢でシートに粘着層によって保持された部品を搬送するための部品搬送用治具であって、搬送支持面が設けられた本体部と、前記本体部の下面側に設けられ前記粘着層に貼着されることにより前記シートを保持する貼着面と、前記本体部に設けられ前記シートに保持された部品の上面側を上方に露呈させる開口部とを備えたことを特徴とする部品搬送用治具。
【請求項2】
前記シートは、外周部をリング状の補強部材によって補強されていることを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項3】
前記貼着面は、前記搬送支持面よりも下方に位置することを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項4】
前記貼着面は、前記搬送支持面よりも上方に位置することを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項5】
前記搬送機構による搬送時において、前記本体部を水平方向にガイドする搬送ガイド部を該本体部に設けたことを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【請求項6】
前記本体部に、前記貼着面に保持された状態のシートを剥離するための切欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の部品搬送用治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−66601(P2006−66601A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246705(P2004−246705)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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