説明

重合体粒子、導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体

【課題】金属層が表面に形成された導電性粒子又は該導電性粒子を含有している異方性導電材料により、接続対象部材を電気的に接続した場合に、導電信頼性を高めることができる重合体粒子、並びに該重合体粒子を用いた導電性粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーを重合させることにより得られた重合体粒子、並びに、この重合体粒子と、該重合体粒子の表面を被覆している金属層とを有する導電性粒子5。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノマーの重合により形成された重合体粒子であって、例えば、接続対象部材の電極間を接続するための導電性粒子に用いることができる重合体粒子、並びに該重合体粒子を用いた導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、又は異方性導電シート等の異方性導電材料が広く知られている。これらの異方性導電材料では、ペースト、インク又は樹脂中に導電性粒子が分散されている。上記異方性導電材料は、例えば、ガラス基板又はプリント基板等の基板の電極間を電気的に接続するために用いられている。
【0003】
上記異方性導電材料に用いられる導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、基材粒子と、該基材粒子の表面に形成された導電層とを有する導電性粒子が開示されている。基材粒子を形成するために、ジビニルベンゼン−エチルビニルベンゼン混合物が単量体の一部として用いられている。この導電性粒子は、粒子直径の10%が変位したときの圧縮弾性率が2.5×10N/m以下、圧縮変形回復率が30%以上、かつ、破壊歪みが30%以上である。特許文献1には、上記導電性粒子を用いて基板の電極間を電気的に接続した場合に、接続抵抗値が低くなり、接続信頼性が高められることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−313304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、プリント基板として、ポリイミドフィルムの表面にエポキシ接着剤を介して銅箔が貼り合わされた3層フレキシブルプリント基板が用いられていた。
【0006】
近年、電子機器の小型化に伴って、電極が設けられたフレキシブルプリント基板を薄くすることが検討されている。例えば、ポリイミドフィルムに、電極が直接設けられた2層フレキシブルプリント基板が用いられている。
【0007】
特許文献1に記載の導電性粒子を含む異方性導電材料を用いて、2層フレキシブルプリント基板とガラス基板との電極を接続すると、電極間の接続抵抗値が高くなることがあった。従来の3層フレキシブルプリント基板では、異方性導電材料はエポキシ接着剤に貼り合わされるため、異方性導電材料の接着力が高い。しかし、2層フレキシブルプリント基板では、異方性導電材料はポリイミドフィルムに直接貼り合わされるため、異方性導電材料の接着力が低くなりやすかった。さらに、特許文献1に記載の導電性粒子により、2層フレキシブルプリント基板とガラス基板との電極間を接続すると、導電性粒子の圧縮変形回復率が高いため、導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が剥離することがあった。このため、電極間の接続抵抗値を充分に低くすることができないことがあった。
【0008】
また、2層フレキシブルプリント基板とガラス基板との電極間を接続する際には、基板上に異方性導電材料を配置した後、該基板上に、別の基板を電極同士が対向するように重ね合わせる。次に、加圧により導電性粒子を圧縮し、電極間を接続する。
【0009】
特許文献1に記載の導電性粒子が接触した電極に、上記加圧の際に圧力が加えられることにより生じる圧痕が、充分に形成されないことがあった。また、導電性粒子の周辺に、空隙が生じることがあった。このため、2層フレキシブルプリント基板とガラス基板との電極間の導電信頼性が低いことがあった。
【0010】
本発明の目的は、金属層が表面に形成された導電性粒子又は該導電性粒子を含む異方性導電材料により、接続対象部材を電気的に接続した場合に、導電信頼性を高めることができる重合体粒子、並びに該重合体粒子を用いた導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体を提供することである。
【0011】
本発明の限定的な目的は、金属層が表面に形成された導電性粒子を用いて、2層フレキシブルプリント基板などのフレキシブルプリント基板とガラス基板との電極間を電気的に接続した場合に、電極間の接続抵抗を低くすることができ、かつ導電性粒子が接触した電極に圧痕を形成できる重合体粒子、並びに該重合体粒子を用いた導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の限定的な目的は、低融点金属層が表面に形成された導電性粒子を用いて、接続対象部材を電気的に接続した場合に、落下等により衝撃が与えられても低融点金属層に亀裂が生じ難い重合体粒子、並びに該重合体粒子を用いた導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の広い局面によれば、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーを重合させることにより得られた重合体粒子が提供される。
【0014】
本発明に係る重合体粒子のある特定の局面では、前記少なくとも2つの環構造は、ビシクロ環構造又はトリシクロ環構造である。
【0015】
本発明に係る重合体粒子の他の特定の局面では、前記モノマーはアクリルモノマーである。
【0016】
本発明に係る重合体粒子の別の特定の局面では、圧縮回復率が50%以下であり、かつ10%圧縮されたときの圧縮弾性率が980〜4,900N/mmの範囲内である。
【0017】
本発明に係る重合体粒子のさらに別の特定の局面では、圧縮回復率が10〜50%の範囲内である。
【0018】
本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマーと、多官能モノマーとを重合させることにより得られた重合体粒子であることが好ましく、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマー20〜90重量%と、多官能モノマー10〜80重量%とを含むモノマー成分を重合させることにより得られた重合体粒子であることがより好ましい。
【0019】
また、本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマーを重合させることにより得られた重合体粒子であることも好ましい。この場合には、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマー20重量%以上を含むモノマー成分を重合させることにより得られた重合体粒子であることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマーと、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマーとを重合させることにより得られた重合体粒子であることも好ましい。
【0021】
本発明に係る導電性粒子は、本発明に従って構成された重合体粒子と、該重合体粒子の表面を被覆している金属層とを有する。
【0022】
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、圧縮回復率は45%以下である。
【0023】
本発明に係る導電性粒子の他の特定の局面では、前記金属層の外表面は、ニッケルを含む金属層、パラジウムを含む金属層又は低融点金属を含む金属層である。
【0024】
本発明に係る異方性導電材料は、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。
【0025】
本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続しており、かつ本発明に従って構成された導電性粒子とを備える。
【0026】
また、本発明に係る接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部が本発明に従って構成された異方性導電材料により形成されている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーを重合させることにより重合体粒子が得られているので、該重合体粒子の表面に金属層が形成された導電性粒子又は該導電性粒子を含む異方性導電材料により、接続対象部材を電気的に接続した場合に、導電信頼性を高くすることができる。
【0028】
本発明に係る重合体粒子を用いた上記導電性粒子を用いて、プリント基板とガラス基板との電極間を接続した場合に、電極間の接続抵抗値が低くなる。さらに、プリント基板の電極又はガラス基板等の電極に、導電性粒子が接触した圧痕が形成されやすくなる。このため、プリント基板とガラス基板との電極間の導電信頼性を高めることができる。特に、上記プリント基板が2層フレキシブルプリント基板の場合に、電極間の導通信頼性を高めることができる。
【0029】
さらに、本発明に係る重合体粒子の表面に低融点金属層が形成された導電性粒子を用いて、接続対象部材を電気的に接続した場合に、落下等の衝撃が与えられても低融点金属層に亀裂が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
【図2】図2は、図1に示す接続構造体の導電性粒子と電極との接触部分を拡大して示す正面断面図である。
【図3】図3は、従来の導電性粒子を用いた接続構造体において、空隙が生じた状態を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0032】
(重合体粒子)
本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーを重合させることにより得られる。
【0033】
上記少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物は、多環式化合物であることが好ましい。
【0034】
上記少なくとも2つの環構造としては、ビシクロ環構造、トリシクロ環構造、スピロ環構造、又はジスピロ環構造が挙げられる。中でも、上記少なくとも2つの環構造は、ビシクロ環構造又はトリシクロ環構造であることが好ましい。上記少なくとも2つの環構造が、ビシクロ環構造又はトリシクロ環構造であると、重合体粒子の圧縮回復率を低くすることができる。このため、上記重合体粒子を用いた導電性粒子を含む異方性導電材料により、2層フレキシブルプリント基板等のプリント基板とガラス基板との電極間を接続しても、導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が剥離しにくくなる。さらに、導電性粒子が接触した電極に圧痕が形成されやすい。なお、電極に形成される圧痕は、導電性粒子が電極を押してできた電極の凹部である。導電性粒子は一般的には球状であるので、電極の凹部は一般的には半球状である。また、導電性粒子の周辺に空隙が生じ難くなる。なお、上記空隙は、基板又は電極等の接続対象部材から接着層等が界面剥離することにより生じる。上記空隙は発生していないことが好ましい。ただし、導電信頼性に影響を与えない程度に、上記空隙が発生していてもよい。
【0035】
上記モノマーは、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であれば特に限定されない。上記モノマーとしては、アクリルモノマー、ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物等が挙げられる。中でも、上記重合体粒子の圧縮回復率を低くすることができるため、アクリルモノマーが好ましい。
【0036】
上記アクリルモノマーとしては、具体的には、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート又は3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
【0037】
上記ビニルエーテル化合物として、具体的には、トリシクロデカンビニルエーテル又はトリシクロデカンモノメチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0038】
本発明では、モノマー成分として、上記少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーとともに、該モノマー以外の他のモノマーを用いてもよい。モノマー成分100重量%中、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーの含有量は5重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。上記他のモノマーとしては、例えば、スチレン又はジビニルベンゼン等が挙げられる。さらに、上記他のモノマーとして、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート又はシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0039】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能のアクリルモノマーを用いる場合、モノマー成分100重量%中、該単官能のアクリルモノマーの含有量は40〜60重量%の範囲内であることが好ましい。単官能のアクリルモノマーとして、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート又は3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
【0040】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である二官能のアクリルモノマーを用いる場合、モノマー成分100重量%中、該二官能のアクリルモノマーの含有量は20〜80重量%の範囲内であることが好ましい。二官能のアクリルモノマーとして、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート又は1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
【0041】
本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマー(以下、単官能モノマーAと略記することがある)と、多官能モノマーとを重合させることにより得られた重合体粒子であることが好ましい。上記モノマー成分は、上記単官能モノマーAと、多官能モノマーとを含むことが好ましい。上記多官能モノマーとして、少なくとも2つのビニル基を有する芳香族化合物又は多官能アクリルモノマー等が挙げられる。上記芳香族化合物として、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン又は1,4−ジビニルベンゼン等が挙げられる。上記芳香族化合物として、新日鐵化学社製の「DVB960」等が市販されている。上記多官能アクリルモノマーは−(R−O)n−単位を有する多官能アクリルモノマーであることが好ましく、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、上記Rは炭素数1〜9のアルキレン基であり、上記nは1以上の整数である。
【0042】
上記単官能モノマーAと多官能モノマーとを重合させると、上記単官能モノマーAのみを重合させた場合に比べて、10%K値を比較的高くし、10%K値を好適な範囲に制御でき、かつ圧縮回復率を高くすることができる。すなわち、上記単官能モノマーAとともに、架橋剤として多官能モノマーを用いることにより、10%K値及び圧縮回復率を制御できる。
【0043】
上記モノマー成分は、上記単官能モノマーA20〜90重量%と、多官能モノマー10〜80重量%とを含むことが好ましい。この場合には、10%K値及び圧縮回復率が好適な値を示す重合体粒子を容易に得ることができる。上記モノマー成分は、上記単官能モノマーA20〜80重量%と、多官能モノマー20〜80重量%とを含むことが好ましく、さらに上記単官能モノマーA40〜60重量%と、多官能モノマー40〜60重量%とを含むことがより好ましい。
【0044】
本発明に係る重合体粒子は、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマー(以下、多官能モノマーBと略記することがある)により得られた重合体粒子であることが好ましい。上記モノマー成分は、上記多官能モノマーBを含むことが好ましい。上記多官能モノマーBのみを重合させても、10%K値を比較的高くし、10%K値を好適な範囲に制御でき、かつ圧縮回復率を比較的高くすることができる。ただし、上記多官能モノマーBとともに、他のモノマーを用いてもよい。
【0045】
上記モノマー成分は、上記多官能モノマーBを20重量%以上含むことが好ましい。上記多官能モノマーBの含有量が20重量%以上であると、重合体粒子が柔軟になりすぎることなく、10%K値を高くし、10%K値を好適な範囲に制御できる。また、上記多官能モノマーBと、2つの官能基を有するポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアクリルモノマーとを併用した場合には、10%K値を好適な範囲に制御できる。また、上記多官能モノマーBと、芳香族環及び少なくとも2つの官能基を有するジビニルベンゼン等のビニルモノマーとを併用した場合には、10%K値と圧縮回復率とを高くすることができる。上記モノマー成分100重量%中の上記多官能モノマーBの含有量のより好ましい下限は20重量%であり、好ましい上限は80重量%であり、より好ましい上限は60重量%である。上記モノマー成分100重量%中の上記多官能モノマーBの含有量は、100重量%であってもよい。
【0046】
上記多官能モノマーBと併用される他のモノマーは、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマーAであってもよい。上記単官能モノマーAと上記多官能モノマーBとの併用により、10%K値及び圧縮回復率を好適な範囲に制御できる。
【0047】
重合方法は特に限定されない。重合方法としては、具体的には、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、又は分散重合法等の従来公知の重合方法が挙げられる。
【0048】
粒度分布が比較的広く、多分散の重合体粒子を得ることができるので、上記懸濁重合法及び乳化重合法は、多品種の粒子径の微粒子を製造する目的に好適である。懸濁重合法及び乳化重合法を用いる場合には、重合により得られた重合体粒子を分級し、所望の粒子径又は粒度分布を有する重合体粒子を選別することが好ましい。
【0049】
また、分級が必要なく、単分散の重合体粒子を得ることができるので、シード重合法は、特定の粒子経の重合体粒子を大量に製造する目的に好適である。上記シード重合法とは、スチレンポリマー粒子等のシード粒子を、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーで膨潤させ、重合させる方法である。従って、本発明の重合体粒子を、シード重合法を用いて製造する場合、本発明の重合体粒子はシード粒子を構成する成分を含んでいてもよい。例えば、シード粒子としてスチレンポリマー粒子を用いると、得られる重合体粒子にスチレンポリマーが含まれることがある。
【0050】
上記重合に用いられる溶媒は特に限定されない。溶媒は、上記モノマー成分に応じて適宜選択される。上記溶媒としては、例えば、水、アルコール、セロソルブ、ケトン又は酢酸エステル等が挙げられる。これらの溶媒以外の他の溶媒を用いてもよい。上記アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール又はプロパノール等が挙げられる。上記セロソルブの具体例としては、メチルセロソルブ又はエチルセロソルブ等が挙げられる。上記ケトンの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン又は2−ブタノン等が挙げられる。上記酢酸エステルの具体例としては、酢酸エチル又は酢酸ブチル等が挙げられる。上記他の溶媒の具体例としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0051】
重合体粒子の平均粒子径は、0.1〜1,000μmの範囲内であることが好ましい。重合体粒子の平均粒子径のより好ましい下限は1μmであり、さらに好ましい下限は1.5μmであり、特に好ましい下限は2μmである。重合体粒子の平均粒子径のより好ましい上限は500μmであり、さらに好ましい上限は300μmであり、特に好ましい上限は30μmである。平均粒子径が小さすぎると、導電性粒子と電極との接触面積が小さくなるため、接続抵抗値が高くなることがある。さらに重合体粒子の表面に金属層を無電解めっきにより形成する際に凝集しやすく、凝集した導電性粒子が形成されやすくなる。平均粒子径が大きすぎると、導電性粒子が充分に圧縮されにくくなるため、電極間の接続抵抗値が高くなることがある。
【0052】
上記平均粒子径は数平均粒子径を示す。平均粒子径は、例えばコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定できる。
【0053】
重合体粒子のCV値(粒度分布の変動係数)は、10%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。CV値が10%を超えると、導電性粒子により接続された電極間の間隔にばらつきが生じることがある。
【0054】
上記CV値は下記式で表される。
【0055】
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:重合体粒子の直径の標準偏差
Dn:平均粒子径
【0056】
重合体粒子の圧縮回復率は、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。圧縮回復率が50%を超えると、電極間の接続に用いられた導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が基板等から剥離することがある。この結果、電極間の接続抵抗値が高くなることがある。重合体粒子の圧縮回復率は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、さらに20%以上であることがより好ましい。
【0057】
上記圧縮回復率は、以下のようにして測定できる。
【0058】
試料台上に重合体粒子を散布する。散布された重合体粒子1個について、微小圧縮試験機を用いて、重合体粒子の中心方向に、反転荷重値(5.00mN)まで負荷を与える。その後、原点用荷重値(0.40mN)まで徐荷を行う。この間の荷重−圧縮変位を測定し、下記式から圧縮回復率を求めることができる。なお、負荷速度は0.33mN/秒とする。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0059】
圧縮回復率(%)=[(L−L)/L]×100
:負荷を与えるときの原点用荷重値から反転荷重値に至るまでのまでの圧縮変位
:負荷を解放するときの反転荷重値から原点用荷重値に至るまでの圧縮変位
【0060】
重合体粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)は、196〜6,860N/mmの範囲内であることが好ましい。10%K値のより好ましい下限は980N/mmであり、より好ましい上限は4,900N/mmである。重合体粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)は、196〜6,860N/mmの範囲内であることが好ましい。20%K値のより好ましい下限は600N/mmであり、さらに好ましい下限は980N/mmであり、より好ましい上限は4,900N/mmであり、さらに好ましい上限は3,900N/mmである。重合体粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)は、196〜6,860N/mmの範囲内であることが好ましい。30%K値のより好ましい下限は600N/mmであり、さらに好ましい下限は980N/mmであり、より好ましい上限は4,900N/mmである。
【0061】
圧縮弾性率(10%K値、20%K値及び30%K値)が低すぎると、圧縮された際に重合体粒子が破壊されることがある。圧縮弾性率(10%K値、20%K値及び30%K値)が高すぎると、電極間の接続抵抗値が高くなることがある。
【0062】
上記圧縮弾性率(10%K値、20%K値及び30%K値)は、以下のようにして測定できる。
【0063】
微小圧縮試験機を用いて、直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、及び最大試験荷重10gの条件下で重合体粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
【0064】
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:重合体粒子が10%、20%又は30%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:重合体粒子が10%、20%又は30%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:重合体粒子の半径(mm)
【0065】
上記圧縮弾性率は、重合体粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、重合体粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
【0066】
(導電性粒子)
本発明に係る導電性粒子は、上記重合体粒子と、該重合体粒子の表面を被覆している金属層とを有する。
【0067】
上記金属層を構成する金属は特に限定されない。金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、パラジウム、錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金又は錫−鉛−銀合金等が挙げられる。なかでも、上記金属層を構成する金属は、ニッケル、銅、パラジウム又は金であることが好ましい。
【0068】
重合体粒子の表面に上記金属層を形成する方法は特に限定されない。上記金属層を形成する方法としては、例えば、無電解めっき、電気めっき、又はスパッタリング等の方法が挙げられる。なかでも、重合体粒子の表面に上記金属層を形成する方法は、無電解めっきにより形成する方法であることが好ましい。
【0069】
導電性粒子の上記金属層の外表面は、金層、ニッケル層又はパラジウム層であることが好ましく、ニッケル層又はパラジウム層であることが好ましい。さらに、上記金属層は、ニッケル層と、該ニッケル層の表面に積層されたパラジウム層とにより形成されていることが好ましい。これらの好ましい金属層が形成されていることにより、導電性粒子により接続された電極間の接続抵抗値が低くなる。また、金属層の外表面がニッケル層又はパラジウム層である場合には、導電性粒子を電極に接触させる際に、電極表面を覆っている金属の酸化物を容易に取り除くことができる。このため、金属層の外表面と電極表面の金属とが接触しやすくなり、接続抵抗値が低くなる。
【0070】
また、金属層の外表面は、ニッケルを含む金属層、パラジウムを含む金属層又は低融点金属を含む金属層であることも好ましい。金属層の外表面が、ニッケルを含む金属層又はパラジウムを含む金属層である場合には、電極表面を覆っている金属の酸化物を容易に取り除くことができ、金属層の外表面と電極表面の金属とが接触しやすくなるため、接続抵抗値が低くなる。金属層の外表面が、低融点金属を含む金属層である場合には、リフローにより、低融点金属を含む金属層と電極とが点接触ではなく面接触するため、接続抵抗値が低くなる。さらに、重合体粒子の表面に低融点金属層が形成された導電性粒子を用いて、接続対象部材を電気的に接続した場合に、落下等の衝撃が与えられても低融点金属層に亀裂が生じ難くなる。
【0071】
上記金属層は、単層であってもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。上記金属層が2層の積層構造を有する場合の金属層としては、内層/外層が、ニッケル層/金層、ニッケル層/パラジウム層、又は銅層/低融点金属層が挙げられる。
【0072】
低融点金属層すなわち低融点金属を含む金属層としては、錫を含む金属層、錫と銀とを含む金属層、錫と銅とを含む金属層、錫と銀と銅とを含む金属層又は錫と銀とニッケルとを含む金属層等が挙げられる。低融点金属とは、融点が300℃以下の金属を示す。また、上記低融点金属を含む金属層に含まれる金属100重量%中に、錫が50重量%以上含まれることが好ましく、70重量%以上含まれることがより好ましく、90重量%以上含まれることがさらに好ましい。
【0073】
重合体粒子の表面を被覆している金属層の外表面が、低融点金属層である場合には、導電性粒子に加わる応力を緩和できるので、電極間を容易に接続できる。
【0074】
本発明に係る重合体粒子を用いた導電性粒子の金属層の外表面に、低融点金属層が形成された導電性粒子により、接続対象部材を電気的に接続した場合には、落下等により衝撃が与えられても低融点金属層に亀裂が生じ難くなる。このため、導電信頼性を高めることができる。
【0075】
上記金属層の厚みは、5〜70,000nmの範囲内にあることが好ましい。上記金属層の厚みのより好ましい下限は10nmであり、さらに好ましい下限は20nmであり、より好ましい上限は40,000nmであり、より好ましい上限は500nmであり、さらに好ましい上限は200nmである。上記金属層の厚みが薄すぎると、導電性が充分に得られないことがある。上記金属層の厚みが厚すぎると、重合体粒子と金属層との熱膨張率の差が大きくなり、金属層が重合体粒子から剥離しやすくなることがある。上記金属層が積層構造を有する場合には、上記金属層の厚みは、各金属層の厚みの合計を示す。
【0076】
導電性粒子の圧縮回復率は、50%以下であることが好ましく、45%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。圧縮回復率が50%を超えると、電極間の接続に用いられた導電性粒子の反発力により、異方性導電材料が基板等から剥離することがある。この結果、電極間の接続抵抗値が高くなることがある。導電性粒子の圧縮回復率が45%以下であると、電極間の接続抵抗値をより一層低くすることができる。導電性粒子の圧縮回復率は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、さらに20%以上であることがより好ましい。
【0077】
(異方性導電材料)
本発明に係る異方性導電材料は、上記導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。
【0078】
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、例えば、絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体又はエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、併用されてもよい。
【0079】
上記ビニル樹脂の具体例としては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂又はスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、又はアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
【0080】
異方性導電材料は、導電性粒子及びバインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤又は難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
【0081】
上記バインダー樹脂中に導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に導電性粒子を分散させる方法として、例えば、バインダー樹脂中に導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、バインダー樹脂中へ添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、又はバインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
【0082】
本発明の異方性導電材料は、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、又は異方性導電シート等として使用できる。本発明の導電性粒子を含む異方性導電材料が、異方性導電フィルム又は異方性導電シート等のフィルム状の接着剤として使用される場合には、該導電性粒子を含むフィルム状の接着剤に、導電性粒子を含まないフィルム状の接着剤が積層されていてもよい。
【0083】
(接続構造体)
本発明の導電性粒子又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む異方性導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
【0084】
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を電気的に接続している接続部とを備え、該接続部が本発明の導電性粒子又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む異方性導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。
【0085】
上記接続対象部材は、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板及びガラス基板等の回路基板等が挙げられる。
【0086】
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物として、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム又は3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素として、Sn、Al又はGa等が挙げられる。
【0087】
本発明の導電性粒子又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む異方性導電材料を用いて、上記金属電極が形成されている接続対象部材を電気的に接続すると、接続抵抗値が低くなる。中でも、アルミニウム電極又は銅電極が好ましい。
【0088】
図1に、本発明の一実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体の一例を模式的に正面断面図で示す。
【0089】
図1に示す接続構造体1は、ガラス基板2の上面に、複数の導電性粒子5を含む異方性導電フィルム3を介して、プリント基板4が接続された構造を有する。ガラス基板2の上面には、複数の電極2aが設けられている。プリント基板4の下面には、複数の電極4aが設けられている。電極2aと電極4aとが、複数の導電性粒子5により接続されている。本実施形態では、プリント基板4として2層フレキシブルプリント基板が用いられている。ただし、2層フレキシブルプリント基板以外の接続対象部材が用いられてもよい。なお、図1では、プリント基板4及び導電性粒子5は略図的に示されている。
【0090】
電極2a、4a間の接続は、通常、ガラス基板2の電極2a上に導電性粒子5を配置した後、該ガラス基板2上にプリント基板4を、電極2a、4a同士が対向するように重ね合わせ、加圧することにより行われる。加圧により、導電性粒子5は圧縮される。
【0091】
ところで、前述の特許文献1に記載のような従来の重合体粒子の表面に金属層が形成された導電性粒子は、圧縮回復率が比較的高かった。
【0092】
図3に示すように、従来の導電性粒子101を用いて、電極2a、4a間を接続した場合には、導電性粒子101と電極2a、4aとの周辺において、圧縮された導電性粒子101が形状を回復することにより、空隙Aが生じやすかった。さらに、電極2a、4aの導電性粒子101が接触した部分に、圧痕が形成されにくかった。このため、電極2a、4a間の接続抵抗値を充分に低くすることができなかった。
【0093】
これに対し、図2に、図1に示す接続構造体の導電性粒子と電極との接触部分を拡大して示すように、本実施形態に係る導電性粒子5を用いた場合には、電極2a、4aの導電性粒子5が接触した部分に、圧痕が形成されやすい。このため、電極2a、4a間の接続抵抗値を充分に低くすることができる。さらに、上記空隙Aが生じ難い。
【0094】
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0095】
重合体粒子を得るためのモノマー成分として、以下の材料を用意した。
【0096】
(少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマー)
ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート
1,3−アダマンタンジオールジアクリレート
イソボルニルアクリレート
イソボルニルメタクリレート
ジシクロペンテニルアクリレート
ジシクロペンタニルアクリレート
トリシクロデカンビニルエーテル
トリシクロデカンモノメチルビニルエーテル
【0097】
(少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマー以外の他のモノマー)
ジビニルベンゼン(新日鐵化学社製、「DVB960」)
スチレン
ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(共栄社化学製、「ライトアクリレートPTMGA−250」)
シクロヘキシルアクリレート
トリエチレングリコールジアクリレート
トリメチロールプロパントリアクリレート
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
【0098】
(実施例1)
(重合体シード粒子分散液の作製)
セパラブルフラスコにイオン交換水2500g、スチレン250g、オクチルメルカプタン50g、及び塩化ナトリウム0.5gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌した。その後、70℃に加熱し、過酸化カリウム2.5gを添加し、24時間反応を行うことにより、重合体シード粒子を得た。
【0099】
得られた重合体シード粒子5gと、イオン交換水500gと、ポリビニルアルコール5重量%水溶液100gとを混合し、超音波により分散させた後、セパラブルフラスコに入れて攪拌し、重合体シード粒子分散液を得た。
【0100】
(重合体粒子の作製)
ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート38gと、ジビニルベンゼン152gと、過酸化ベンゾイル2.6gと、ラウリル硫酸トリエタノールアミン10gと、エタノール130gとをイオン交換水1000gに加え、攪拌し、乳化液を得た。得られた乳化液を数回に分けて重合体シード粒子分散液に加え、12時間攪拌した。その後、ポリビニルアルコール5重量%水溶液500gを加え、85℃の窒素雰囲気下で、9時間反応を行い、重合体粒子を得た。
【0101】
(導電性粒子の作製)
得られた重合体粒子を洗浄し、乾燥した後、無電解めっき法により、重合体粒子の表面に、ニッケル層と、該ニッケル層の表面に積層された金層とを有する二層構造の金属層を形成し、導電性粒子を作製した。なお、ニッケル層の厚さは0.07μmであり、金層の厚さは0.02μmであった。
【0102】
(異方性導電フィルムの作製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート1009」)10重量部と、アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部と、メチルエチルケトン200重量部と、マイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ社製「HX3941HP」)50重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部とを混合し、導電性粒子を含有量が3体積%となるように添加し、分散させ、樹脂組成物を得た。
【0103】
得られた樹脂組成物を、片面が剥型処理された厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布し、70℃の熱風で5分間乾燥し、異方性導電フィルムを作製した。得られた異方性導電フィルムの厚さは12μmであった。
【0104】
(接続構造体の作製)
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大きさに切断した。切断された異方性導電フィルムを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有するアルミニウム電極(高さ0.2μm、L/S=20μm/20μm)が設けられたガラス基板(幅3cm、長さ3cm)のアルミニウム電極側のほぼ中央に貼り付けた。次いで、同じアルミニウム電極が設けられた2層フレキシブルプリント基板(幅2cm、長さ1cm)を、電極同士が重なるように位置合わせをしてから貼り合わせた。このガラス基板と2層フレキシブルプリント基板との積層体を、10N、180℃、及び20秒間の圧着条件で熱圧着し、接続構造体を得た。なお、ポリイミドフィルムにアルミニウム電極が直接形成されている、2層フレキシブルプリント基板を用いた。
【0105】
(実施例2〜16及び比較例1〜4)
重合体粒子の作製の際に用いたモノマー成分の種類及びその配合量を、下記の表1、2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体シード粒子分散液、重合体粒子、導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0106】
(実施例17)
実施例1で得られた重合体粒子を用いて、以下の無電解ニッケルめっき工程を行った。
【0107】
無電解ニッケルめっき工程:
得られた重合体粒子を、イオン吸着剤の10重量%溶液により5分間処理し、次に硫酸パラジウム0.01重量%水溶液に添加した。その後、ジメチルアミンボランを加えて還元処理し、ろ過し、洗浄することにより、パラジウムが付着された重合体粒子を得た。
【0108】
次に、イオン交換水500mLにコハク酸ナトリウムを溶解させたコハク酸ナトリウム1重量%溶液を調製した。この溶液にパラジウムが付着された重合体粒子10gを加え、混合し、スラリーを調製した。スラリーに硫酸を添加し、スラリーのpHを5に調整した。
【0109】
ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル10重量%、次亜リン酸ナトリウム10重量%、水酸化ナトリウム4重量%及びコハク酸ナトリウム20重量%を含む前期ニッケルめっき溶液を調製した。pH5に調整された上記スラリーを80℃に加温した後、スラリーに前期ニッケルめっき溶液を連続的に滴下し、20分間攪拌することによりめっき反応を進行させた。水素が発生しなくなったことを確認し、めっき反応を終了した。
【0110】
次に、硫酸ニッケル20重量%、ジメチルアミンボラン5重量%及び水酸化ナトリウム5重量%を含む後期ニッケルめっき溶液を調製した。前期ニッケルめっき溶液によるめっき反応を終えた溶液に、後期ニッケルめっき液を連続的に滴下し、1時間攪拌することによりめっき反応を進行させた。このようにして、重合体粒子の表面にニッケル層を形成し、導電性粒子を得た。なお、ニッケル層の厚みは0.1μmであった。
【0111】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0112】
(実施例18)
ニッケル層の厚みが0.07μmとなるように調製したこと以外は、実施例17で得られた導電性粒子を用いて、以下の無電解パラジウムめっき工程を行った。
【0113】
無電解パラジウムめっき工程:
得られた導電性粒子10gを、イオン交換水500mLに添加し、超音波処理機により充分に分散させ、粒子懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸パラジウム0.02mol/L、錯化剤としてエチレンジアミン0.04mol/L、還元剤として蟻酸ナトリウム0.06mol/L及び結晶調整剤を含むpH10.0の無電解めっき液を徐々に添加し、無電解パラジウムめっきを行った。パラジウム層の厚みが0.03μmになった時点で無電解パラジウムめっきを終了した。次に、洗浄し、真空乾燥することにより、ニッケル層の表面にパラジウム層が積層された導電性粒子を得た。
【0114】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。なお、ニッケル層の厚みは0.07μm、パラジウム層の厚みは0.03μmであった。
【0115】
(実施例19)
実施例1で得られた重合体粒子を実施例5で得られた重合体粒子に変更したこと以外は実施例17と同様にして、無電解ニッケルめっき工程を行い、重合体粒子の表面にニッケル層を形成し、導電性粒子を得た。
【0116】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0117】
(実施例20)
ニッケル層の厚みが0.07μmとなるように調製し、実施例17で得られた導電性粒子を実施例19で得られた導電性粒子に変更したこと以外は実施例18と同様にして、無電解パラジウムめっき工程を行い、ニッケル層の表面にパラジウム層が積層された導電性粒子を得た。
【0118】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0119】
(実施例21〜46及び比較例5〜8)
重合体粒子の作製の際に用いたモノマー成分の種類及びその配合量を、下記の表3、4に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、重合体シード粒子分散液、重合体粒子、導電性粒子、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0120】
(実施例47)
イオン交換水1252gと、ポリビニルアルコールの5.5重量%水溶液2135gとを均一に分散させた分散液に、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート38gと、ジビニルベンゼン152gと、重合開始剤としてのパーブチルO(日本油脂社製)5.9gとを添加し、混合し、混合液を得た。
【0121】
窒素雰囲気下で、70℃で5時間かけて、得られた混合液の重合を行った後、吸引濾過することにより粒子を取り出した。イオン交換水とアセトンを用いて粒子を洗浄することにより、分散媒を除去し、次に乾燥し、重合体粒子を得た。
【0122】
得られた重合体粒子の平均粒子径は240μm、CV値は0.42%であった。重合体粒子を無電解ニッケルめっきし、重合体粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルめっき層を形成させた。次いで、下地ニッケルめっき層が形成された重合体粒子を電解銅めっきし、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、錫及び銀を含有する電解めっき液を用いて、電解めっきし、厚さ25μmの低融点金属層を形成させた。このようにして、重合体粒子の表面に、銅層、低融点金属層(錫:銀=96.5重量%:3.5重量%)が順次形成された導電性粒子を作製した。なお、導電性粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.05%であった。なお、上記重合体粒子の表面の金属層の錫及び銀の含有量は、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)を用いた分析により求めた。
【0123】
(実施例48〜50及び比較例9)
重合体粒子の作製の際に用いたモノマー成分の種類及びその配合量を、下記の表5に示すように変更したこと以外は実施例47と同様にして、重合体粒子及び導電性粒子を作製した。
【0124】
(実施例51〜90)
重合体粒子の作製の際に用いたモノマー成分の種類及びその配合量を、下記の表6〜8に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして重合体粒子を得た。
【0125】
得られた重合体粒子を用いて、実施例17と同様にして、無電解ニッケルめっき工程を行い、重合体粒子の表面にニッケル層を形成し、導電性粒子を得た。
【0126】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0127】
(実施例91〜130)
重合体粒子の作製の際に用いたモノマー成分の種類及びその配合量を、下記の表8〜10に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして重合体粒子を得た。
【0128】
得られた重合体粒子を用いて、ニッケル層の厚みが0.07μmとなるように調製したこと以外は、実施例17,18と同様にして、無電解ニッケルめっき工程及び無電解パラジウムめっき工程を行い、ニッケル層の表面にパラジウム層が積層された導電性粒子を得た。
【0129】
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電フィルム及び接続構造体を作製した。
【0130】
(評価)
(1)重合体粒子の平均粒子径
得られた重合体粒子の平均粒子径を、コールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
【0131】
(2)重合体粒子のCV値
得られた重合体粒子のCV値をコールターカウンター(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
【0132】
(3)重合体粒子の圧縮弾性率
得られた重合体粒子の圧縮弾性率(10%K値、20%K値及び30%K値)を、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
【0133】
(4)重合体粒子及び導電性粒子の圧縮回復率
得られた重合体粒子及び導電性粒子の圧縮回復率を、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
【0134】
(5)接続抵抗値
得られた接続構造体の対向する電極間の接続抵抗値を4端子法により測定した。また、接続抵抗値を下記の評価基準で評価した。
【0135】
〔接続抵抗値の評価基準〕
◎:接続抵抗値が2.0Ω以下
○:接続抵抗値が2.0Ωを超え、3.0Ω以下
△:接続抵抗値が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗値が5.0Ωを超える
【0136】
(6)電極の観察
微分干渉顕微鏡を用いて、得られた接続構造体のガラス基板側からガラス基板に設けられた電極を観察し、導電性粒子が接触した電極の圧痕の形成の有無を下記の評価基準で評価した。また、金属顕微鏡を用いて、導電性粒子が接触した電極部分における空隙の発生の有無を観察した。なお、電極の圧痕の形成の有無について、電極面積が0.02mmとなるように、微分干渉顕微鏡にて観察し、電極0.02mmあたりの圧痕の個数を算出した。任意の10箇所を微分干渉顕微鏡にて観察し、電極0.02mmあたりの圧痕の個数の平均値を算出した。
【0137】
〔圧痕の形成の有無の評価基準〕
◎:電極0.02mmあたりの圧痕が25個以上
○:電極0.02mmあたりの圧痕が20個以上、25個未満
△:電極0.02mmあたりの圧痕が5個以上、20個未満
×:電極0.02mmあたりの圧痕が5個未満
【0138】
(7)落下強度試験
0.5mmの間隔で112個の電極(直径280μm)が設けられたシリコンチップ(縦6mm×横6mm)を用意した。このシリコンチップの電極上に、フラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。全ての電極に、得られた導電性粒子を配置し、加熱温度250℃及び30秒の条件でリフローを行い、導電性粒子を電極上に実装した。
【0139】
次に、銅電極(直径305μm)が設けられたプリント基板を用意した。このプリント基板に、はんだペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布した。導電性粒子が電極上に実装されたシリコンチップ15個を、はんだペーストが塗布されたプリント基板上に実装し、接続構造体を得た。
【0140】
JEDEC規格JESD22−B111に従って、得られた接続構造体の落下強度試験を行い、下記の評価基準で評価した。
【0141】
得られた接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されているため、1か所でも電極の断線が生じていると、断線を検出できる。なお、電極は、外表面に向かって、銅層、ニッケル−リン層及び金層が順次形成された電極である。
【0142】
〔落下衝撃試験の評価基準〕
○:15個のシリコンチップの全てにおいて、電極が断線する落下回数が、100回以上
△:15個のシリコンチップの全てにおいて、電極が断線する落下回数が、50回以上、100回未満
×:15個のシリコンチップの全てにおいて、電極が断線する落下回数が、50回未満
【0143】
結果を下記の表1〜10に示す。なお、下記の表1〜10において、「−」は評価していないことを示す。
【0144】
【表1】

【0145】
【表2】

【0146】
【表3】

【0147】
【表4】

【0148】
【表5】

【0149】
【表6】

【0150】
【表7】

【0151】
【表8】

【0152】
【表9】

【0153】
【表10】

【0154】
実施例1〜46、51〜130の評価結果を示す表1〜4、6〜10では、2層フレキシブルプリント基板を用いた場合に、良好な結果が得られることが示されている。2層フレキシブルプリント基板にかえて3層フレキシブルプリント基板を用いても、実施例1〜46、51〜130の重合体粒子及び導電性粒子の使用により、良好な結果が得られることを確認した。また、実施例47〜50の評価結果を示す表5により、落下の衝撃が与えられても電極の断線を抑制することができることが理解できる。
【0155】
また、実施例1〜46、51〜130の評価結果を示す表1〜4、6〜10では、アルミニウム電極の場合に、良好な結果が得られることが示されている。ガラス基板に設けられたアルミニウム電極を銅電極にかえても、実施例1〜46、51〜130の重合体粒子及び導電性粒子の使用により、良好な結果が得られることを確認した。
【符号の説明】
【0156】
1…接続構造体
2…ガラス基板
2a…電極
3…異方性導電フィルム
4…プリント基板
4a…電極
5…導電性粒子
11…圧痕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物であるモノマーを重合させることにより得られた重合体粒子。
【請求項2】
前記少なくとも2つの環構造が、ビシクロ環構造又はトリシクロ環構造である、請求項1に記載の重合体粒子。
【請求項3】
前記モノマーがアクリルモノマーである、請求項1または2に記載の重合体粒子。
【請求項4】
圧縮回復率が50%以下であり、かつ10%圧縮されたときの圧縮弾性率が980〜4,900N/mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体粒子。
【請求項5】
圧縮回復率が10〜50%の範囲内である、請求項4に記載の重合体粒子。
【請求項6】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマーと、多官能モノマーとを重合させることにより得られた請求項1または2に記載の重合体粒子。
【請求項7】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマー20〜90重量%と、多官能モノマー10〜80重量%とを含むモノマー成分を重合させることにより得られた請求項6に記載の重合体粒子。
【請求項8】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマーを重合させることにより得られた請求項1または2に記載の重合体粒子。
【請求項9】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマー20重量%以上を含むモノマー成分を重合させることにより得られた請求項8に記載の重合体粒子。
【請求項10】
少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である単官能モノマーと、少なくとも2つの環構造を有する脂環式化合物である多官能モノマーとを重合させることにより得られた重合体粒子である、請求項1または2に記載の重合体粒子。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の重合体粒子と、該重合体粒子の表面を被覆している金属層とを有する、導電性粒子。
【請求項12】
圧縮回復率が45%以下である、請求項11に記載の導電性粒子。
【請求項13】
前記金属層の外表面が、ニッケルを含む金属層、パラジウムを含む金属層又は低融点金属を含む金属層である、請求項11に記載の導電性粒子。
【請求項14】
請求項11に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、異方性導電材料。
【請求項15】
第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している請求項11に記載の導電性粒子とを備える、接続構造体。
【請求項16】
第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
前記接続部が請求項14に記載の異方性導電材料により形成されている、接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−94146(P2011−94146A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262227(P2010−262227)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【分割の表示】特願2009−514282(P2009−514282)の分割
【原出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】