説明

銅酸化物超伝導体薄膜及びその製造方法

【課題】炭素を含む銅酸化物超伝導体の薄膜が、より高いTcを備えた状態で得られるようにする。
【解決手段】結晶基板101の表面に酸素ラジカル及び二酸化炭素からなる反応ガス121が供給された(吹き付けられた)状態とし、この後、結晶基板101が550℃程度に加熱された状態とし、また、Ba,Ca,Cu),及びフラーレンC60の各蒸着源を、所定温度にまで加熱して蒸発させ、金属原料122が結晶基板101の表面に供給された状態とすることで、結晶基板101の上に、Tcが85Kと高い超伝導転移臨界温度を示す酸化物超伝導薄膜102が形成された状態が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素を含む銅酸化物超伝導体薄膜及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
酸化物超伝導体は、金属系超伝導体に比較して臨界温度が高く、より実用性がより高いと考えられている。例えば、炭素を含む銅酸化物超伝導体であるバルクのBa2Ca2Cu3+x6+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)は、最高Tc(超伝導転移臨界温度)=120Kと高い値を示すものがある(非特許文献1参照)。このような特徴を有する酸化物超伝導体は、超伝導素子や超伝導集積回路などの超伝導エレクトロニクス技術に利用可能である。ところが、このような技術に応用する場合、酸化物超伝導体の薄膜を形成する必要がある。
【0003】
例えば、炭素を含む銅酸化物超伝導体薄膜の形成技術として、Ba2Cu1.53.5などの焼結体ターゲットを用いて二酸化炭素を供給しながらスパッタリングする反応性スパッタ法により、Ba2Cu1+x2+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)の薄膜を形成する技術が提案されている(非特許文献2参照)。また、二酸化炭素を原料ガスとして用いた化学的気相成長(CVD)法により、Sr2CuO2(CO31-x(BO3x(0<x≦1)の薄膜を形成する技術も提案されている(非特許文献3参照)。また、酸素及び二酸化炭素を同時に供給するレーザアブレーション法により、Ba2Can-1Cun+x2n+y(CO31-x(n=2,3,4,・・・,0≦x<1,0≦y)の薄膜を形成する技術が提案されている(非特許文献4参照)。
【0004】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【非特許文献1】C.Chaillout, et al., "Enhancement of Tc of CyCu1-yBa2Ca2Cu3Ox from 67K to 120K by reduction treatments", Physica C, Vol.266, pp.215-222, 1996.
【非特許文献2】H Adachi, et al., "Phase Control and Superconductivity of Oxycarbonate BaCaCu(CO3)Thin Films Made by Sputtering", Advance in Superconductivity, Vol.8, pp955-960, 1996.
【非特許文献3】宮崎 謙著,「化学気相成長(CVD)法による炭酸系超伝導薄膜の作製」、応用物理、第65巻、第4号、pp.406-409、1996年.
【非特許文献4】J.L.Allen, et al., "The First Superconducting thin film oxycarbonate Coherent intergrowth of sevral members of a new structural series (CaCuO2)m(Ba2CuO2CO3)n", Physica C, Vol.241, pp.158-166, 1995.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、バルクの材料で得られているTcに近い値を示す炭素含有銅酸化物超伝導体薄膜が得られていないという問題があった。非特許文献1に示されているように、バルクの炭素含有銅酸化物超伝導体では、最高Tc=120Kと高い値を示すものが示されているが、他の文献に示されているように、薄膜の状態では、非特許文献2ではTcが40〜50K程度であり、非特許文献3ではTcが30K程度であり、非特許文献4では、Tcが60K程度である(非特許文献4,165頁左欄2〜3行参照)。このように、従来では、バルクの試料よりも低いTcの薄膜しか得られていない。
【0006】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、炭素を含む銅酸化物超伝導体の薄膜が、より高いTcを備えた状態で得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法は、銅を含む複数の金属から構成された供給源より銅を含む複数の金属を結晶基板の上に供給するとともに、フラーレンからなる供給源よりフラーレンを結晶基板の上に供給することで、銅を含む複数の金属と炭素とを少なくとも含む結晶からなる銅酸化物超伝導体薄膜を結晶基板の上に形成するようにしたものである。この製造方法によれば、結晶基板の上に供給されて結晶基板の上に到達したフラーレンが分解することで、炭素が供給されるようになる。
【0008】
上記銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、例えば、反応性共蒸着法により、基板の上に酸素を含む酸化ガスが供給された状態で、銅の蒸着源及び金属の蒸着源を各々加熱することで銅を含む複数の金属を結晶基板の上に供給するとともに、フラーレンからなる蒸着源を加熱することでフラーレンを結晶基板の上に供給すればよい。なお、酸化ガスとともに二酸化炭素を基板の上に供給することで、堆積している膜中からの炭素の脱離が抑制されるようにしてもよい。
【0009】
また、上記銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、例えばスパッタ法により、銅を含む複数の金属の酸化物にフラーレンが添加されて構成されたターゲットをスパッタリングすることで、結晶基板の上に銅を含む複数の金属とともにフラーレンを供給するようにしてもよい。この場合においても、二酸化炭素を基板の上に供給することで、堆積している膜中からの炭素の脱離が抑制されるようになる。
【0010】
また、上記銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、結晶基板が、銅酸化物超伝導体薄膜との格子不整合が1%未満であると、形成される銅酸化物超伝導体薄膜のTcをより高くすることができる。例えば、結晶基板は、NdGaO3及びSrLaGaO4の少なくとも1つから構成され、銅酸化物超伝導体薄膜は、Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)から構成されたものであればよい。
【0011】
本発明に係る銅酸化物超伝導体薄膜は、結晶基板の上に形成され、銅を含む複数の金属と炭素とを少なくとも含む結晶からなる超伝導性を示す薄膜であって、結晶基板は、銅酸化物超伝導体薄膜との格子不整合が1%未満である。格子不整合が1%未満と低いので、結晶基板の上に形成される銅酸化物超伝導体薄膜の結晶性がよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、銅を含む複数の金属から構成された供給源より銅を含む複数の金属を結晶基板の上に供給するとともに、フラーレンからなる供給源よりフラーレンを結晶基板の上に供給することで、銅を含む複数の金属と炭素とを少なくとも含む結晶からなる銅酸化物超伝導体薄膜を結晶基板の上に形成するようにしたので、炭素を含む銅酸化物超伝導体の薄膜が、より高いTcを備えた状態で得られるようなるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における銅酸化物超伝導体薄膜及びその製造方法例を説明する工程図である。まず、図1(a)に示すように、主面の面方位が(002)面のNdGaO3からなる結晶基板101を用意し、用意した結晶基板101を所定の反応性共蒸着装置の成膜室内に配置し、成膜室内を1×10-7Pa程度にまで排気する。
【0014】
ついで、成膜室内に酸素ラジカル及び二酸化炭素を導入し、図1(b)に示すように、結晶基板101の表面に酸素ラジカル及び二酸化炭素からなる反応ガス121が供給された(吹き付けられた)状態とする。酸素ラジカルは、所定の酸素ラジカル生成装置を用いて供給すればよく、1.5sccmで供給すればよい。酸素ラジカルの代わりに、オゾンガスなどの他の酸化ガスを供給するようにしてもよい。また、二酸化炭素は1sccmで供給すればよい。このとき、基板近傍の圧力は、3×10-3Pa程度の圧力に制御された状態とする。なお、sccmは、流量の単位あり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。
【0015】
以上のように酸素ラジカルを含む反応ガス121が供給された後、結晶基板101が550℃程度に加熱された状態とする。ついで、成膜室内に配置されている各クヌーセンセル内に収容されているBa(純度99.9%以上),Ca(純度99.9%以上),Cu(純度99.9%以上),及びフラーレンC60(純度99%以上)の各蒸着源を、所定温度にまで加熱して蒸発させ、図1(c)に示すように、金属原料122が結晶基板101の表面に供給された状態とする。なお、フラーレンは、C70,C76,C78,C80,C82,C84,C88,C90,C92,C94,C96であってもよい。
【0016】
これらの結果、結晶基板101の表面では、供給されている金属原料が酸素ラジカルにより酸化されるなどのことにより、図1(d)に示すように、膜厚50nm〜1μm程度のBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜102が形成された状態が得られる。この後、結晶基板101の温度が200℃程度にまで低下されるまで、基板の雰囲気に酸素ラジカル及び二酸化炭素が供給されている状態とする。
【0017】
以上のようにすることで、結晶基板101の上に、Tcが85Kと高い超伝導転移臨界温度を示す酸化物超伝導体薄膜102が形成された状態が得られる。酸化物超伝導体薄膜102の特性をエックス線回折法により測定すると、図2に示すように、形成された薄膜が、Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる単一層のc軸配向した結晶膜であることが判明している。
【0018】
ところで、上述では、主面の面方位が(002)面のNdGaO3からなる結晶基板101を用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、主面の面方位が(100)面のMgOからなる結晶基板、主面の面方位が(100)面のSrTiO3からなる結晶基板、主面の面方位が(004)面のSrLaGaO4からなる結晶基板、主面の面方位が(012)面のLaAlO3からなる結晶基板、主面の面方位が(004)面のSrLaAlO4からなる結晶基板、主面の面方位が(101)面のAlYO3からなる結晶基板のいずれを用いるようにしてもよい。これらの結晶基板の上であっても、図1を用いて説明した製造方法により、Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜の形成が可能である。
【0019】
ただし、結晶基板の格子定数と形成される銅酸化物超伝導体薄膜の格子定数との差(格子不整合)がより少ないほど、形成される銅酸化物超伝導体薄膜の膜質向上が図れ、より高いTcが得られるようになる。例えば、格子不整合が9%以上となるMgOからなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、Tcが4K程度である。また、格子不整合が4%程度となるAlYO3からなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、Tcが18K程度である。
【0020】
また、格子不整合が3%程度となるSrLaAlO4からなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、Tcが52K程度である。また、格子不整合が1.1%程度となるSrTiO3からなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、Tcが65K程度である。また、格子不整合が2%程度となるLaAlO3からなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、Tcが68K程度である。
【0021】
これらに対し、格子不整合が1%未満となるNdGaO3(0.5%)からなる結晶基板やSrLaGaO4(0.6%)からなる結晶基板の上に形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜は、図3に示すように、Tcが85K程度である。図3は、上述した2つの銅酸化物超伝導体薄膜における、電気抵抗率の温度依存性を示す特性図である。図3に示されているように、いずれの薄膜においても、Tcが85Kと高い値を示している。また、銅酸化物超伝導体薄膜102は、磁化率も85Kから符号が負に転じており、この点からも、上記薄膜が超伝導性を示していることが確認されている。
【0022】
Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物薄膜は、蒸着源にフラーレンを用いず、二酸化炭素の供給のみで炭素が含有された状態とすると、超伝導特性を示さないことが知られている(非特許文献2参照)。銅酸化物薄膜を形成するときに炭素が含有された状態とするための炭素供給源として二酸化炭素を用いる場合、二酸化炭素が酸素と炭素とに分解(乖離)された状態となる必要がある。このため、二酸化炭素のみでは、超伝導性が示されない場合や、高いTcが得られない状態となるものと考えられる。また、充分に炭素を供給しようとして供給される二酸化炭素の濃度を高くすると、基板の上における原子の移動が抑制されるようになり、膜質が低下するため、超伝導性が示されない場合や、高いTcが得られない状態となるものとも考えられる。
【0023】
これに対し、本実施の形態によれば、蒸着源にフラーレンを加えるようにしたので、原料として基板上に供給されたフラーレンが、容易に炭素に分解されて充分な分量の炭素が形成されている膜中に供給されるようになる。この結果、炭素供給源としてフラーレンを用いることで、超伝導性を示すBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜の形成が可能となるなど、炭素を含む銅酸化物超伝導体の薄膜が、より高いTcを備えた状態で得られるようになる。
【0024】
ところで、図1に示した工程において、二酸化炭素を供給せずに膜の形成を行うと、形成されたBa2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物薄膜のTcは60K程度となる。このように、二酸化炭素を用いずに、炭素供給源をフラーレンのみとした場合であっても、超伝導性が得られるようになる。言い換えると、炭素供給源としてフラーレンを用いることで、炭素を含む銅酸化物超伝導体薄膜のTcを向上させることができる。ただし、蒸着源にフラーレンを加えるとともに二酸化炭素も供給して成膜することで、堆積している膜中からの炭素の脱離が抑制されるようになり、形成される銅酸化物超伝導体薄膜のTcをより高くすることが可能となる。
【0025】
なお、上述では、蒸着法を用いて炭素を含む銅酸化物超伝導体薄膜を形成する例を示したが、これに限るものではなく、スパッタ法を用いて炭素を含む銅酸化物超伝導体薄膜を形成するようにしてもよい。例えば、バリウムとカルシウムと銅と酸素とからなる金属酸化物焼結体にフラーレンが添加され状態のターゲットを用い、Arなどのスパッタガスに酸素などの酸化ガスを同時に加えた反応性スパッタ法によれば、前述した実施の形態と同様に、形成される銅酸化物超伝導体薄膜のTcをより高くすることが可能となる。また、この場合、Arなどのスパッタガスに酸素及び二酸化炭素を同時に加えた反応性スパッタとすればよりよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態における銅酸化物超伝導体薄膜及びその製造方法例を説明する工程図である。
【図2】結晶基板101の上に形成された酸化物超伝導体薄膜102の特性をエックス線回折法により測定した結果を示す特性図である。
【図3】Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)からなる銅酸化物超伝導体薄膜における、電気抵抗率の温度依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
【0027】
101…結晶基板、102…銅酸化物超伝導体薄膜、121…反応ガス、122…金属原料。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅を含む複数の金属と炭素とを少なくとも含む結晶からなる銅酸化物超伝導体薄膜を結晶基板の上に形成する銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
銅を含む複数の前記金属から構成された供給源より銅を含む複数の前記金属が前記結晶基板の上に供給された状態とするとともに、フラーレンからなる供給源よりフラーレンが前記結晶基板の上に供給された状態とする工程
を少なくとも備えることを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記工程では、前記基板の上に酸素を含む酸化ガスが供給された状態で、銅の蒸着源及び前記金属の蒸着源を各々加熱することで銅を含む複数の前記金属が前記結晶基板の上に供給された状態とするとともに、フラーレンからなる蒸着源を加熱することでフラーレンが前記結晶基板の上に供給された状態とする
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記工程において、前記酸化ガスとともに二酸化炭素が前記基板の上に供給された状態とする
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記工程では、銅を含む複数の前記金属の酸化物にフラーレンが添加されて構成されたターゲットをスパッタリングすることで、前記結晶基板の上に銅を含む複数の前記金属とともにフラーレンが供給された状態とする
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記工程において、二酸化炭素が前記基板の上に供給された状態とする
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記結晶基板は、前記銅酸化物超伝導体薄膜との格子不整合が1%未満である
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法において、
前記結晶基板は、NdGaO3及びSrLaGaO4の少なくとも1つから構成され、
前記銅酸化物超伝導体薄膜は、Ba2CaCu2+x4+y(CO31-x(0≦x<1,0≦y)から構成されたものである
ことを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜の製造方法。
【請求項8】
結晶基板の上に形成され、銅を含む複数の金属と炭素とを少なくとも含む結晶からなる超伝導性を示す薄膜であって、結晶基板は、前記銅酸化物超伝導体薄膜との格子不整合が1%未満であることを特徴とする銅酸化物超伝導体薄膜。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−134589(P2006−134589A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319102(P2004−319102)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】