説明

長尺成形品用金型、プリントヘッドの製造方法、プリントヘッドおよび画像形成装置

【課題】プリントヘッドのカバー(長尺成形品)において、ゲートカットした際に長尺成形品の基準面からバリ等が突出しない金型および製造方法を提供する。
【解決手段】パーティングライン面36で分離可能な固定型34と可動型35との間に、長尺なキャビティ31が形成され、キャビティ31の長手方向の一端にゲート32が設けられた長尺成形品用金型30において、キャビティ31内に、キャビティ31の長手方向に沿って長尺成形品に長尺な貫通孔を形成するための凸部38を突出させ、この凸部38の突出方向と垂直であるパーティングライン面36と同一の平面上に、長尺成形品の基準面42を形成するキャビティの面があり、ゲート32を形成する固定型および可動型の面をパーティングライン面とは異なる平面上に位置させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機等の画像形成装置で使用されるプリントヘッドを成形するためのプリントヘッド用金型、プリントヘッド等に関する。
【背景技術】
【0002】
図10および図11に示すように、従来より、画像形成装置の感光体等の静電潜像担持体225に画像の静電潜像を形成するために、発光素子アレイ204とレンズアレイ203を主な構成要素とするプリントヘッド201が用いられている。
【0003】
このプリントヘッド201は、複数の発光ダイオード(LED)等の発光素子を備えた発光素子アレイ204を実装(固定)したプリント基板211と、このプリント基板211を固定したベースプレート202と、レンズアレイ203を固定したカバー205とからなり、発光素子アレイ204の発光素子とレンズアレイ203が対向するように、カバー205をベースプレート202に固定したものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
かかる構成のプリントヘッド201は、図11に示すように、プリント基板205の表面に接着剤等により固定された発光素子アレイ204の発光点を発光させた場合に、発光点から結像点までの距離が共役長TCになるように設定されている。
【0005】
この共役長TCは、発光点からレンズアレイ203の下面(一方のレンズ面)までの距離Lと、レンズアレイ203の上面(他方のレンズ面)から結像点までの距離Lと、レンズアレイ203の高さTとの和であり、TC=T+2Lという関係が成り立つ。尚、結像点とは、発光点より出射した光がレンズアレイ203により収束(集光)する焦点位置のことである。
【0006】
かかるプリントヘッド201において、製造コストを安価にする等の目的で、カバー205を樹脂を用いて射出成形により製造することが行われている。この際、可動型と固定型からなる金型のパーティングライン面をカバー205の基準面206とし、かつ、カバー205を成形するキャビティに溶融樹脂を射出するランナーおよびゲートをパーティングライン面に設けることが一般的である。ここで、パーティングライン面とは、可動型と固定型の分割面をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−193638号公報
【特許文献2】特開2006−289843号公報
【特許文献3】特開2007−331182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ゲートをカットしてもカバー205にゲートカット跡207が残るため、このゲートカット跡207が基準面206に対して突出する場合がある。
【0009】
かかる場合に、カバー205をベースプレート202に固定してプリントヘッドを製造すると、図12に示すように、ゲートのあった一端側が浮く(寸法T)ため、ベースプレート202にプリント基板211を介して固定された発光素子アレイ204の発光点を結んでできるラインとレンズアレイ203が平行にならない。このため、プリントヘッド201の結像点を結んでできる結像ラインが斜めになるという問題があった。
【0010】
また、かかるプリントヘッド201を画像形成装置に搭載すると、静電潜像担持体225と結像ラインが平行にならないので、画質が悪化するという問題があった。
【0011】
本発明は、前記した問題を解決するためになされたものであって、キャビティ内部に溶融樹脂を射出するためのゲートを、パーティングライン面とは異なる固定型および可動型の面により形成するという簡単な構成により、発光点を結んでできるラインとレンズアレイを平行にし、かつ、安価なプリントヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(第1発明)
第1発明にかかる長尺成形品用金型は、パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、長尺なキャビティが形成され、このキャビティの長手方向の一端にゲートが設けられた長尺成形品用金型に関するものである。
【0013】
そして、キャビティには、キャビティの長手方向に沿って長尺成形品に長尺な貫通孔を形成するための凸部が突出しており、この凸部の突出方向と垂直であるパーティングライン面と同一の平面上に、長尺成形品の基準面を形成するキャビティの面があり、ゲートを形成する固定型および可動型の面は、パーティングライン面とは異なる平面上にあるものである。
【0014】
かかる構成により、作業者がニッパ等を用いてゲート部をカットした結果、長尺成形品であるカバーにゲート部の一部が残っても、カバーの基準面をベースプレートに接触させた際に、当該ゲート部の一部が原因で、発光点を結んでできるラインとレンズアレイが平行にならないという不具合が発生することがない。つまり、本第1発明は、長尺成形品に付着したゲートの一部(残部)がプリントヘッドの光軸に影響を与えることがない金型を提供できる。
ここで、ゲート部は、長尺成形品用金型のゲート中の溶融樹脂が冷却固化して長尺成形品と繋がった部分をいい、長尺成形品にとっては機能上不要なものである。このゲート部をカットすることを一般にゲートカットというが、長尺成形品のゲートと用語を使い分けるために、あえてゲート部という表現を用いた。
【0015】
(第2発明)
第2発明に係るプリントヘッドの製造方法は、第1発明の長尺成形品用金型を準備し、当該金型のゲートからキャビティ内に溶融樹脂を射出し、この溶融樹脂を冷却固化して得た長尺成形品(カバー)に、複数のロッドレンズを備えたレンズアレイと、複数の発光素子アレイを実装したプリント基板とを、レンズアレイと発光素子アレイが対向するように固定するものである。
【0016】
かかる構成により、作業者がニッパ等を用いてゲート部をカットした結果、長尺成形品(カバー)にゲート部の一部が残っても、カバーの基準面をベースプレートに接触させた際に、当該ゲート部の一部が原因で、発光点を結んでできるラインとレンズアレイが平行にならないという不具合が発生しない。つまり、本第2発明は、長尺成形品に付着したゲート部の一部(残部)がプリントヘッドの光軸に影響を与えることがないプリントヘッドの製造方法を提供できる。
【0017】
(第3発明)
第3発明に係るプリントヘッドは、第2発明に記載のプリントヘッドの製造方法により製造したプリントヘッドに関するものである。
かかる構成により、成形品に付着したゲートの一部(残部)がプリントヘッドの光軸(品質)に影響を与えることがないプリントヘッドを提供できる。
【0018】
(第4発明)
第4発明に係る画像形成装置は、感光体と、この感光体に対向して配設した第3発明のプリントヘッドとを備えたものである。かかる構成により、高品質な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、成形品に付着したゲートの一部がプリントヘッドの光軸に影響を与えることがないプリントヘッドを提供できる。また、本発明は、高品質な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】長尺成形品用金型の断面図である。
【図2】長尺成形品用金型のゲート近傍の断面図の部分拡大図である。
【図3】プリントヘッドのカバー(ゲート部およびランナー部付き)の斜視図である。
【図4】プリントヘッドのカバー(ゲート部およびランナー部付き)の斜視図である。
【図5】プリントヘッドのカバーの斜視図である。
【図6】プリントヘッドの平面図である。
【図7】プリントヘッドの斜視図である。
【図8】プリントヘッドの断面図である。
【図9】プリント基板の平面図である。
【図10】プリントヘッドの取付け状態を示した図である。
【図11】プリントヘッドの断面図である。
【図12】プリントヘッドの斜視図である。
【図13】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図14】長尺成形品用金型の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
(長尺成形品用金型)
本発明に係る長尺成形品用金型の断面を図1に示す。図2は、図1におけるゲート32近傍の部分拡大図である。尚、図1においてキャビティ31の部分に可動型35の凸部38が入り込んでいるが、これはキャビティ31の内部で成形される成形品にレンズアレイを固定するための長尺な貫通孔を形成するためのものであり、点線で示した箇所の紙面右側から固定型34に至る部分がキャビティ31である。
【0023】
図1に示すように、長尺成形品用金型30は、パーティングライン面36で分離可能な固定型34と可動型35との間に、長尺なキャビティ31が形成され、キャビティ31の長手方向(Y軸方向)の一端にはゲート32が設けられている。尚、ゲート32とは、ランナー33を流れる溶融樹脂をキャビティ31の内部に注入するための注入口をいう。
【0024】
キャビティ31の内部で成形される長尺成形品としてのカバーの下面は基準面であり、この基準面はパーティングライン面36と同一の平面上にあるキャビティ31の1つの面37により形成される。そして、可動型35から凸部38がキャビティ31の内部に突出する方向(Z軸方向)とパーティングライン面36は互いに直角の関係にある。
【0025】
また、ゲート32は、固定型34および可動型35の複数の面から形成されるが、いずれの面も前記したパーティングライン面36と同一の平面上にはない(パーティングライン面36とは異なる平面上にある)。別言すると、ゲート32は固定型34に形成された凹部と、可動型35に形成された凸部の隙間によって形成されるが、凹部を構成する面と凸部を構成する面は、パーティングライン面36と同一の平面上にない。
【0026】
(長尺成形品)
次に、前記した長尺成形品用金型30により成形される長尺成形品としてのカバーについて説明する。
図3はランナーとゲート部が付いたカバーの斜視図、図4は図3におけるゲート部を拡大した斜視図、図5はゲート部をカットした後のカバーの斜視図である。
【0027】
図3に示したカバー41は、図1および図2に示した金型30のキャビティ31にLCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)を溶融させた溶融樹脂を射出し、キャビティ31を溶融樹脂で満たした後、長尺成形品用金型30に冷却水等を流して溶融樹脂を冷却固化することにより得ることができる。
【0028】
このカバー41は、前記したように、パーティングライン面36とは異なる固定型34および可動型35の面で構成されるゲート32より溶融樹脂がキャビティ31の内部に注入される。このため、この溶融樹脂が冷却固化すると、図3および図4に示すように、ランナー部44の面45および基準面42よりも一段下がった面43を有するゲート部46付きのカバー41を長尺成形品用金型30から取り出すことができる。尚、面45と基準面42は、パーティングライン面36と同一平面上にある面である。
【0029】
このため、ゲート部46をニッパ等を用いてカットすると、図5に示すようにカバー41を得ることができる。そして、ゲート部46をカットしたゲートカット跡47は、カバー41の基準面42から離れた位置にあるので、後述するように、基準面42をベースプレートに接触させて固定しても、図12に示したように、光軸がずれることがない。
【0030】
また、カバー41には、基準面42とは互いに直角なZ軸方向に長尺な貫通孔48があけられている。
【0031】
(プリントヘッド)
次に、前記した長尺成形品(カバー)を用いたプリントヘッドについて図6〜図9を用いて説明する。尚、図8は、図6におけるA−A断面図である。
プリントヘッド1は、図6〜図8に示すように、複数のロッドレンズ6を整列配置したレンズアレイ3を貫通孔48に挿入し、接着剤等で固定したカバー41と、複数の発光素子アレイ4を固定したプリント基板5と、プリント基板5を固定したベースプレート7からなる。カバー41の基準面42は、レンズアレイ3の一方のレンズ面と発光素子アレイ4が対向するようにベースプレート7の表面に接触されて接着剤等を用いて固定されている。
【0032】
プリントヘッド1には、図8および図9に示すように、例えば58個の発光素子アレイ4が、感光体ドラムの軸方向と平行になるように精度良く接着剤等により固定されている。尚、発光素子アレイ4は、発光素子アレイ4の端部境界において、各発光素子アレイ4が連結部で連続的に配列されるように、交互に千鳥状に配置されており、1つの発光素子アレイ当たり、例えば128個の発光点(LED)を有するものである。
【0033】
かかる構成のプリントヘッド1は、図8に示すように、プリント基板5の表面に接着剤等を用いて固定された発光素子アレイ4の発光点(LED)を発光させた場合に、発光点から結像点までの距離が共役長TCになるように設定されている。この点は従来技術と同一の構成なので説明を省略する。
【0034】
また、本発明に係るプリントヘッド1は、図7に示すように、カバー41のゲートカット跡47が基準面42からZ軸方向に離れた位置にあるので、ゲートカット跡にゲート部46の残りがあっても基準面42をベースプレート7の表面に接触させた際に図12に示したような問題が生じることが無い。
【0035】
(画像形成装置)
図13に示すように、本発明に係る画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタ131であり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部110、画像形成プロセス部110を制御する制御部130、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部140を備えている。
【0036】
画像形成プロセス部110は、一定の間隔をおいて並列配置される4つの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kを備えている。
【0037】
そして、これらの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれは、静電潜像を形成してトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム25と、この感光体ドラム25の表面を所定電位で一様に帯電する帯電装置113と、帯電装置113によって表面が帯電された感光体ドラム25を露光する露光装置としてのプリントヘッド1と、プリントヘッド1によって得られた静電潜像を現像する現像装置115と、転写後の感光体ドラム25表面を清掃するクリーナー(ブレード)116とを備えている。
【0038】
さらに、現像装置115の下流側近傍には、感光体ドラム25に対向して、感光体ドラム25上に形成されたテスト用パッチ(濃度見本)のトナー像濃度を検出する濃度検出回路117が備えられている。この濃度検出回路117は制御部130に接続され、トナー像濃度検出値を出力する。
【0039】
ここで、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、現像装置115に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0040】
また、画像形成プロセス部110は、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの感光体ドラム25にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト121と、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの各色のトナー像を中間転写ベルト121に順次転写(一次転写)させる一次転写帯電装置としての一次転写ロール122と、中間転写ベルト121上に転写された重畳トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写帯電装置としての二次転写ロール123と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置125とを備えている。
【0041】
画像形成プロセス部110は、制御部130から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から入力された画像データは、画像処理部140によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kに供給される。
【0042】
そして、例えばイエローの画像形成ユニット111Yでは、帯電装置113により所定電位で一様に帯電された感光体ドラム25の表面が、画像処理部140から得られた画像データに基づいて発光する本発明に係るプリントヘッド1により露光されて、感光体ドラム25上に静電潜像が形成される。
【0043】
この静電潜像は、現像装置115により現像され、感光体ドラム25上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ドラム25においても、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像が形成される。
【0044】
各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ドラム25に形成された各色トナー像は、図13の矢印A方向に回動する中間転写ベルト121上に、一次転写ロール122により順次静電吸引され、中間転写ベルト121上に重畳されたトナー像が形成される。
【0045】
この重畳トナー像は、中間転写ベルト121の回動に伴って二次転写ロール123が配設された領域(二次転写部)に搬送される。そして、重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。
【0046】
そして、二次転写部にて二次転写ロール123により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト121から剥離され、搬送ベルト124により定着装置125まで搬送される。
【0047】
定着装置125に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置125によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、デジタルカラープリンタ131の排出部に設けられた図示しない排紙載置部に搬送される。
【0048】
前記した画像形成装置は、前記した長尺成形品用金型30により成形したカバー41を用いたプリントヘッド1を使用しているので、ゲートカット跡47が光軸に与える影響が無い。このため、高画質な画像を形成することができる。
【実施例2】
【0049】
本発明に係る長尺成形品用金型の他の実施例を図14を用いて説明する。
尚図14においてキャビティ31の部分に固定型54の凸部58が入り込んでいるが、これはキャビティ31の内部で成形される長尺成形品にレンズアレイを固定するための長尺な貫通孔を形成するためのものであり、点線で示した箇所の紙面左側から可動型55に至る部分がキャビティ31である。
尚、説明を簡単にするため、実施例1と同一の部分は、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、ゲート32およびランナー33が可動型55に形成された点である。
つまり、図14に示すように、長尺成形品用金型50は、パーティングライン面36で分離可能な固定型54と可動型55との間に、長尺なキャビティ31が形成され、キャビティ31の長手方向(Y軸方向)の一端にはゲート32が設けられている。
【0051】
キャビティ31の内部で成形される長尺成形品としてのカバーの下面は基準面であり、この基準面はパーティングライン面36と同一の平面上にあるキャビティ31の1つの面37により形成される。そして、固定型54から凸部58がキャビティ31の内部に突出する方向(Z軸方向)とパーティングライン面36は互いに直角の関係にある。
【0052】
また、ゲート32は、固定型54および可動型55の複数の面から形成されるが、いずれの面も前記したパーティングライン面36と同一の平面上にはない(パーティングライン面36とは異なる平面上にある)。
かかる構成の長尺成形品用金型50であっても前記したカバー41を成形することができる。
【0053】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の記載から当事者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0054】
図8および図9においては発光素子アレイ4が千鳥状に固定されたものを示したが、発光素子アレイ4は、直線状に固定されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、複写機、プリンタ等で用いられるプリントヘッド等に適用される。
【符号の説明】
【0056】
1 プリントヘッド
3 レンズアレイ
4 発光素子アレイ
5 プリント基板
7 ベースプレート
30 長尺成形品用金型
31 キャビティ
32 ゲート
34 固定型
35 可動型
36 パーティングライン面
38 凸部
41 長尺成形品(カバー)
42 基準面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティングライン面で分離可能な固定型と可動型との間に、長尺なキャビティが形成され、
該キャビティの長手方向の一端にゲートが設けられた長尺成形品用金型において、
前記キャビティには、前記キャビティの長手方向に沿って前記長尺成形品に長尺な貫通孔を形成するための凸部が突出しており、
該凸部の突出方向と垂直である前記パーティングライン面と同一の平面上に、長尺成形品の基準面を形成する前記キャビティの面があり、
前記ゲートを形成する前記固定型および前記可動型の面は、前記パーティングライン面とは異なる平面上にあることを特徴とする長尺成形品用金型
【請求項2】
請求項1に記載の長尺成形品用金型を準備し、
前記ゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出し、該溶融樹脂を冷却固化して得た前記長尺成形品の前記貫通孔に、レンズアレイを固定し、
複数の発光素子アレイを実装したプリント基板を固定したベースプレートの表面に、前記レンズアレイと前記発光素子アレイが対向するように前記長尺成形品の前記基準面を接触させて固定するプリントヘッドの製造方法
【請求項3】
請求項2に記載のプリントヘッドの製造方法により製造したプリントヘッド
【請求項4】
感光体と、
該感光体に対向して配設した請求項3に記載のプリントヘッドとを備えた画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−748(P2011−748A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143966(P2009−143966)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(310010793)富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】